JP5756396B2 - 無線回線共用システム及び無線回線共用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線信号処理機能をソフトウェアによって自在に入れ替えることが可能なアクセスポイント等の無線装置を用いて仮想回線サービスを提供する技術に関する。
従来から、受信した無線信号をソフトウェアにより処理するフレキシブルワイヤレスシステムが知られている。このシステムは、各無線方式に対応するソフトウェアをオンデマンドでロードすることにより、様々な利用形態に柔軟に適応することができる(例えば、特許文献1参照)。このシステムの利用形態の一つとして無線帯域を複数の仮想回線利用者に提供する仮想回線サービスがある。この仮想回線サービスは、複数の事業者が一つの無線通信機器を共用するものであり、異なる通信プロトコルにより事業者を判別して処理を行っている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−192090号公報 特許第3930035号公報
ところで、従来技術による仮想回線サービスの提供は、システム立ち上げの初期稼働が大きく、またユーザ宅に個別のアクセスポイントを導入しなければならないなどの問題あり、参入障壁が大きかった。図4は、従来技術による仮想回線サービスの形態を示す模式図である。図4に示すように、従来の仮想回線サービスのスキームでは、通信プロトコルは共用する業者毎に異なるが、無線通信方式は主回線業者の無線通信方式を用いるため全ての事業者で同一となる。このため、仮想回線サービス利用事業者が独自の無線方式サービスを提供することができないという問題がある。
図5は、従来技術による仮想回線サービスの形態を示す模式図である。図5に示すように、一つの無線装置で複数の無線方式を実現するシステムも存在するが、設置以前に収容する無線方式を選択・調査し、それらの無線方式を無線装置に収容し、設置する形態が一般的である。このため、設置後に、随時無線方式を入れ替えるということはできないという問題もある。さらに、一の無線装置で複数の無線方式を収容する場合に、混在して受信された信号をそれぞれの事業者に対して振り分ける必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、無線回線を共用して仮想回線サービスの提供をする際に、受信信号に含まれる複数の仮想回線利用者の信号を分離して適切なネットワークに対して出力することができる無線回線共用システム及び無線回線共用方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の無線方式の無線信号をソフトウェア処理して出力すべきネットワークに対して出力する無線回線共用システムであって、前記無線方式毎に、無線信号処理ソフトウェアが記憶されたソフトウェア記憶手段と、前記無線回線共用システムを利用するユーザ毎の利用形態情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記無線方式のそれぞれに対応する前記無線信号処理ソフトウェアを前記ソフトウェア記憶手段からロードして、該無線信号処理ソフトウェアを用いて無線信号を信号処理する信号処理手段と、前記ユーザの利用形態情報を参照して、前記信号処理手段によって信号処理した前記無線信号を分離し、前記ユーザの利用形態情報に対応するネットワークに対して出力する信号振分手段とを備えることを特徴とする。
本発明は、前記ユーザの利用形態情報は、前記ユーザに割り当てられた周波数チャネルであることを特徴とする。
本発明は、前記ユーザの利用形態情報は、前記ユーザに割り当てられたプリアンブルパターンであることを特徴とする。
本発明は、前記周波数チャネルは、互いに隣接する前記周波数チャネルの各々で使用される無線方式が同一である場合に、各々の周波数チャネルで使用されている周波数帯域の間に他のユーザを割り当てられていることを特徴とする。
本発明は、複数の無線方式の無線信号をソフトウェア処理して出力すべきネットワークに対して出力するために、前記無線方式毎に、無線信号処理ソフトウェアが記憶されたソフトウェア記憶手段と、無線回線共用システムを利用するユーザ毎の利用形態情報を記憶するユーザ情報記憶手段とを備えた無線回線共用システムにおける無線回線共用方法であって、前記無線方式のそれぞれに対応する前記無線信号処理ソフトウェアを前記ソフトウェア記憶手段からロードして、該無線信号処理ソフトウェアを用いて無線信号を信号処理する信号処理ステップと、前記ユーザの利用形態情報を参照して、前記信号処理ステップによって信号処理した前記無線信号を分離し、前記ユーザの利用形態情報に対応するネットワークに対して出力する信号振分ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、無線回線を共用して仮想回線サービスの提供をする際に、受信信号に含まれる複数の仮想回線利用者の信号を分離して適切なネットワークに対して出力することができるという効果が得られる。また、仮想回線サービス利用事業者が独自の無線方式による仮想回線サービスを提供することができるという効果が得られる。さらに、無線装置の設置後に、随時無線方式を容易に入れ替えることが可能になるという効果も得られる。
本発明の第1の実施形態におけるシステム構成を示す模式図である。 図1に示すシステム構成の変形例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態におけるシステム構成を示す模式図である。 従来技術による仮想回線サービスの形態を示す模式図である。 従来技術による仮想回線サービスの形態を示す模式図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態による無線回線共用システムを説明する。図1は同実施形態の構成を示す模式図である。無線回線共用システムは、複数の仮想回線サービス利用事業者で共用するアクセスポイントAP#1、AP#2及び無線信号処理装置1、様々な無線方式に対応する信号処理ソフトウェアを収容するデータベース2により構成する。無線信号処理装置1は、フレキシブルワイヤレスシステムとしての機能を有しており、無線方式毎の無線信号処理ソフトウェアをロード/アンロードすることができるとともに、ロードされた無線方式のみを使用して送受信を行う。アクセスポイントAP#1、AP#2は広帯域な無線信号の送受信が可能である。
無線信号処理装置1は、仮想回線サービス利用事業者から提供された利用形態情報(無線法規の信号処理ソフトウェアの指定、希望するチャネル番号やプリアンブルパターンなど無線方式を識別するための情報、利用期間の情報、利用場所の情報)を元に、入力された無線信号を仮想回線サービス利用事業者毎に振り分ける振分機能を具備する。すなわち、仮想回線サービス利用事業者は、自ら無線方式のハードウェアまたは信号処理ソフトウェアを用意することなく、利用形態情報を主回線事業者に通知し、主回線事業者は、この利用形態情報を得たら、この仮想回線サービス利用事業者による利用期間のみ、当該無線方式信号処理ソフトウェアを無線信号処理装置1にロードする。すなわち、対応する場所に設置されたアクセスポイントからの無線信号について、各事業者から通知された情報を元に無線信号のまま各事業者へ出力するインタフェース、またはこの無線方式信号処理ソフトウェアで信号処理したデータを各事業者へ出力するインタフェースを備える。これにより、仮想回線サービス利用事業者との間での契約等に基づいた内容(無線方式、ロード期間)を速やかに仮想回線サービス利用事業者に提供できる。
図1に示す無線回線共用システムは、仮想回線サービス利用事業者ごとに異なる周波数を割り当てる例を示している。各仮想回線サービス利用事業者はそれぞれ異なる無線方式(図1に示す例では、A社無線方式、B社無線方式)の利用が随時可能であり、仮想回線サービス利用事業者は利用する無線方式の、中心周波数、帯域、波形などの情報を主回線事業者に通知し、この情報はデータベース2に記憶される。
そして、仮想回線サービス利用事業者が利用する無線方式に対応する信号処理ソフトウェアが、データベース2に記憶された情報に基づいて、信号処理装置1にロードされる。信号処理装置1では、ロードされた信号処理ソフトウェアに対応する無線方式の処理が可能となる。ここで、各仮想回線サービス利用事業者には、互いに異なる周波数領域が割り当てられる。信号処理装置1は、この周波数領域の違いに基づいて無線信号をA社/B社に振り分ける。すなわち、データベース2に記憶された情報(周波数領域の情報)が信号処理ソフトウェアとともに信号処理装置1に入力され、信号処理装置1は、この周波数領域の情報により受信信号からこの周波数領域の信号成分のみを抽出してそれぞれの仮想回線サービス利用事業者に対して出力する。
仮想回線サービス利用事業者との契約解除等により信号処理装置1において信号処理ソフトウェアによる処理が必要なくなった場合は、この信号処理ソフトウェアを信号処理装置1から削除(アンロード)する。このように随時希望する無線方式をロード/アンロードして仮想回線サービスを速やかに実施可能とし、かつ、周波数領域の相違に基づいて受信信号から各仮想回線サービス利用事業者に正しく信号を出力することができる。
次に、図2を参照して、図1に示す無線回線共用システムの変形例を説明する。図2は、仮想回線サービス利用事業者ごとに異なるプリアンブルを割り当てる例を示す模式図である。図2に示す無線回線共用システムは、A社とB社で同じ無線方式または周波数領域で違いがない程度に似ている無線方式を利用することを可能とする。システム構成は、図1に示す構成と同様である。
仮想回線サービス利用事業者ごとに無線方式固有のプリアンブルパターンとして異なる値を割当て、このプリアンブルパターンの違いにもとづいて無線信号をA社/B社に振り分ける。ここで、互いに異なる信号が同一又は近接した周波数帯で受信されることにより、互いに干渉するときには、この干渉の影響を低減するための信号分離、干渉除去等の技術を併用する。干渉が低減されることにより、各信号のプリアンブルパターンを検出することができ、分離したそれぞれの信号を対応する仮想回線サービス利用事業者に出力する。
なお、一定の期間にのみサービスを受ける仮想回線サービス利用事業者が存在する場合(例えば、マラソン大会などの時間限定、場所限定で、仮想回線サービスを行いたい場合)、仮想回線サービス利用事業者は利用する無線方式の情報、および利用希望日時、利用希望場所のアクセスポイントを主回線事業者に通知するようにしてもよい。この場合、対象の場所、期間について信号処理装置1に信号処理ソフトウェアをロードし、前述した手法(仮想回線サービス利用事業者ごとに異なる周波数を割り当てる方法、または仮想回線サービス利用事業者ごとに異なるプリアンブルを割り当てる方法)を用いて、この仮想回線サービス利用事業者に信号を出力する。
<第2の実施形態>
第1の実施形態のように周波数領域を各仮想回線サービス利用事業者に割り当てる場合、所定の間隔で周波数帯域をチャネルに分割することとなる(図3(a)参照)。このとき、無線方式によっては、対象チャネルの全体に対して一部の周波数領域のみを使用し、残りの周波数領域が空き帯域となる場合がある。そこで、複数の仮想回線サービス利用事業者が同じ無線方式の異なるチャネルを利用していて、使用帯域が事業者毎に固定的に割り当てられている場合には、隣接する帯域(Ch1,Ch2)を一つの帯域(Ch1+Ch2)とみなして(すなわち、ch1とch2の間のガードバンドを取り除いて)、この帯域のうち空いている帯域に別のVNO(Virtual Network Operator)事業者に割り当てるようにしてもよい(図3(b)参照)。このような構成により、周波数利用効率を高めることができる。
また、隣接するアクセスポイントAP#1が、ch1+ch2の中に含まれる3つの信号の間の狭い周波数帯域を使用するようにしてもよい(図3(c)参照)。この場合には、3つの信号の間の帯域であることから、互いに干渉量も小さくなり、かつ、アクセスポイント間の距離もあることから、互いに住み分けることが可能である。このような構成により、さらに周波数利用効率を高めることができる。
このように、無線方式で規定されている帯域幅よりも実際に無線信号が送受される使用帯域幅が少ないことに着目し、隣接したチャネルを一つのチャネルと見なして、空いている帯域にさらに別の仮想回線サービス利用事業者の信号を割り当てることにより周波数を有効利用することができる。
以上説明したように、仮想回線利用者が使用する無線方式に対応するソフトウェアをロードするときに、利用者を識別するための識別情報を合せて管理し、受信信号から分離した各信号について、この識別情報(周波数領域、プリアンブル信号など)を用いて信号振分を行う。例えば、周波数領域を識別情報とする場合は、使用できる周波数帯を複数の周波数チャネルに分割して、各仮想回線利用者に割り当て、周波数チャネルが異なることにより、受信信号を容易に分離して対応するネットワークに出力することができる。また、プリアンブル信号を識別情報とする場合は、信号分離を行った上で、それぞれのプリアンブル信号の相違に基づいて、対応するネットワークに出力することができる。
従来は仮想回線サービス利用事業者が独自の無線方式を提供することができなかったのに対し、前述した無線回線共用システムを用いることにより、それぞれの仮想回線サービス利用事業者が無線装置を共用しながら、随時、異なる無線通信方式のサービスを提供できる。これにより仮想回線サービス利用事業者の自由度が増え、ユーザに様々な無線サービスを早期に提供することが可能となる。また、無線回線を共用して仮想回線サービスの提供をする際に、受信信号に複数の仮想回線利用者の信号が含まれていることから、これらを分離して適切なネットワークに対して出力することができる。
また、前述したフレシキブルワイヤレスシステムの仮想回線サービスにより、フレシキブルワイヤレスのサービス参入の障壁を低くすることができ、同サービスの活発化が期待できる。これによりユーザは様々な事業者によるサービスを早期に享受可能となる。また、仮想回線サービス利用事業者は随時独自の無線方式サービスを提供することが可能となる。
なお、図1〜図3に示す無線信号処理装置1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより無線回線共用処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行っても良い。
無線信号処理機能をソフトウェアにより自在に入れ替え可能なアクセスポイント等の無線装置を用いて仮想回線サービスを提供することが不可欠な用途に適用できる。
1・・・無線信号処理装置、2・・・データベース、AP#1、AP#2・・・アクセスポイント

Claims (5)

  1. 複数の無線方式の無線信号をソフトウェア処理して出力すべきネットワークに対して出力する無線回線共用システムであって、
    前記無線方式毎に、無線信号処理ソフトウェアが記憶されたソフトウェア記憶手段と、
    前記無線回線共用システムを利用するユーザ毎の利用形態情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
    前記無線方式のそれぞれに対応する前記無線信号処理ソフトウェアを前記ソフトウェア記憶手段からロードして、該無線信号処理ソフトウェアを用いて無線信号を信号処理する信号処理手段と、
    前記ユーザの利用形態情報を参照して、前記信号処理手段によって信号処理した前記無線信号を分離し、前記ユーザの利用形態情報に対応するネットワークに対して出力する信号振分手段と
    を備えることを特徴とする無線回線共用システム。
  2. 前記ユーザの利用形態情報は、前記ユーザに割り当てられた周波数チャネルであることを特徴とする請求項1に記載の無線回線共用システム。
  3. 前記ユーザの利用形態情報は、前記ユーザに割り当てられたプリアンブルパターンであることを特徴とする請求項1に記載の無線回線共用システム。
  4. 前記周波数チャネルは、互いに隣接する前記周波数チャネルの各々で使用される無線方式が同一である場合に、各々の周波数チャネルで使用されている周波数帯域の間に他のユーザを割り当てられていることを特徴とする請求項2に記載の無線回線共用システム。
  5. 複数の無線方式の無線信号をソフトウェア処理して出力すべきネットワークに対して出力するために、前記無線方式毎に、無線信号処理ソフトウェアが記憶されたソフトウェア記憶手段と、無線回線共用システムを利用するユーザ毎の利用形態情報を記憶するユーザ情報記憶手段とを備えた無線回線共用システムにおける無線回線共用方法であって、
    前記無線方式のそれぞれに対応する前記無線信号処理ソフトウェアを前記ソフトウェア記憶手段からロードして、該無線信号処理ソフトウェアを用いて無線信号を信号処理する信号処理ステップと、
    前記ユーザの利用形態情報を参照して、前記信号処理ステップによって信号処理した前記無線信号を分離し、前記ユーザの利用形態情報に対応するネットワークに対して出力する信号振分ステップと
    を有することを特徴とする無線回線共用方法。
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