JP5754750B2 - 無線センサ端末 - Google Patents

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Description

この発明は、電線を流れる電流の電流量を検出して無線送信する機能を有する無線センサ端末に関する。
最近は、電力エネルギーの需給事情の問題から、いわゆる省エネが重要課題となっている。そのため、工場、商業施設、オフィス、さらには一般家庭においても、木目細かく消費電力を監視して全体としての省エネに役立てようとする試みが進んでいる。このような目的を達成するためには、工場全体、商業施設全体、オフィス全体、一般家庭の一戸当たり全体の電力を監視するだけではなく、部屋毎あるいは設備装置や電気機器毎の消費電力を監視する必要がある。
このような要請から、部屋毎に配線されている電線や、設備装置や電気機器のそれぞれに電源を供給する電線に流れる電流量を検出する電流センサと無線送信回路とからなる無線センサ端末を、適宜に設置して、その無線センサ端末で検出された電流量を、受信機能を有する監視センターに、無線送信するようにした無線センサネットワークシステムが提案されている。
このシステムに対応できるように従来提案されている無線センサ端末は、電源として一次電池を搭載し、或る時間間隔で、自端末の識別情報、測定した電流量のデジタル値、その他必要な情報からなる送信データを監視センターに間欠的に無線送信するようにしている(例えば以下に示す特許文献1や特許文献2参照)。
しかし、上記の無線センサネットワークシステムに用いられる無線センサ端末の電源として一次電池を用いる場合には、当該一次電池が消耗した場合にはその交換が必要であり、その交換が頻繁であると交換の手間が煩わしいという問題がある。
そこで、電池交換をできるだけ必要としないようにするためには、電源として一次電池ではなく、充電式の二次電池を備えることが望ましい。この要求を満たす方法として、電線に取り付けて電磁誘導電流を検出するタイプのクランプ型電流センサを用い、このクランプ型電流センサで検出される電磁誘導電流を、二次電池の例としてのキャパシタに蓄電することで、無線送信のための電源電圧とすることが考えられた(以下に示す特許文献3参照)。
特開2005−159532号公報 特開2011−259252号公報 特開2010−55356号公報
特許文献3に記載のシステムにおける電流センサ(この明細書の無線センサ端末に相当)においては、間欠的に実行される無線送信期間の間のスタンバイ状態の期間にキャパシタに充電が行われる。しかし、クランプ型電流センサで検出される電磁誘導電流の電流値が小さい場合には、キャパシタへの充電では無線送信のための十分な電源エネルギーが得られず、計測した電流値の無線送信ができなくなる恐れがある。
特許文献3に開示されている発明では、キャパシタの電圧が無線送信には不十分であるときには、その無線送信期間では、電流センサで検出された電流値の計測を行ってその計測値を不揮発性メモリに書き込んでおくと共に、無線送信は行なわず、キャパシタの電圧が無線送信に十分となったときに、当該回の電流センサで検出された電流値の計測分と、不揮発性メモリに記憶されている電流値の計測分との全てを送信することで、この問題を解決するようにしている。
しかしながら、特許文献3に開示されている発明は、電流センサで検出される電磁誘導電流の電流値が小さい場合には、キャパシタへの充電では無線送信のための十分な電源エネルギーが得られない恐れがあるという問題を解決したものではない。このため、特許文献3に開示されている発明の場合には、電流センサを取り付ける電線は、定常的に流れる電流は比較的大きく、当該電流が供給される負荷装置の稼働状況に応じて、電線に流れる電流が一時的に小さくなるものが好ましく、計測対象の電線が制限される。
しかし、電線、特に家庭用電灯線などから検出される電磁誘導電流は微小レベルである。このため、特許文献3の発明を電灯線などの電線に流れる電流の計測及び無線送信には、適用することができないという問題がある。
また、特許文献3に開示されている発明では、クランプ型電流センサで電磁誘導電流の電流値が小さい場合には、予め定められた時間間隔での間欠的な送信ができず、複数回分の送信データをまとめて、当該複数回分の時間間隔に間延びした送信期間で、無線送信が実行されることになる。そのため、監視センターでは、受信した電流値にタイムリーな省エネ制御を行なうことができなくなるという問題がある。
したがって、従来は、電流センサで検出した電磁誘導電流を蓄電した蓄電電圧を、無線センサ端末の電源として用いることが事実上困難であった。
この発明は、以上の問題点に鑑み、電流センサで検出した電磁誘導電流を蓄電した蓄電電圧を、無線センサ端末の電源として用いることができるようにした無線センサ端末を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
複数本の異なる電線のそれぞれを流れる交流電流に基づく電磁誘導電流を検出して出力する複数個の電流センサと、前記電流センサの出力から前記電線に流れる電流を計測して無線送信する無線送信ユニットとを具備する無線センサ端末であって、
前記無線送信ユニットは、
前記複数個の電流センサの出力電流のそれぞれを整流する複数個の整流回路と、
前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれから求められた前記電線に流れる電流の計測値情報を無線送信する無線送信処理回路と、
前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれを、別々の充電路開閉手段を通じて受ける電源処理回路と、
前記無線送信処理回路及び前記別々の充電路開閉手段のそれぞれを制御するための制御回路と、
を備え、
前記電源処理回路は、
充電式の蓄電手段と、
前記別々の充電路開閉手段を通じて供給されてくる前記複数個の整流回路の出力電流を加算して、前記蓄電手段に、充電電流として供給する加算回路と、
前記蓄電手段の出力電圧に基づく電源電圧を出力する電源電圧出力回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記電源電圧出力回路から出力された前記電源電圧を監視し、前記電源電圧が所定の電圧値以上であるときには、予め定められている所定の間欠的な送信期間において、前記無線送信処理回路を動作させて前記無線送信を実行すると共に、前記無線送信する前記電流センサの出力電流を整流する整流回路に接続されている前記充電路開閉手段を、前記整流回路の出力電流の前記電源処理回路への供給を遮断する状態にし、前記間欠的な送信期間以外では、前記別々の充電路開閉手段の全てを、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態とするように制御する
ことを特徴とする無線センサ端末を提供する。
上述の構成の請求項1の発明による無線センサ端末においては、電線のそれぞれを流れる交流電流に基づく電磁誘導電流を検出して出力する電流センサの複数個が無線送信ユニットに接続されて構成される。異なる電線において複数個の電流センサのそれぞれで検出された電磁誘導電流は、整流回路で整流された後、別々の充電路開閉手段をそれぞれ通じて加算回路に供給されて加算され、この加算された電流により蓄電手段が充電される。
したがって、蓄電手段への充電電流は、1個の電流センサの場合よりも大きな電流となり、1本の電線に流れる電流が小さくても、蓄電手段には、それよりも大きな充電電流が流れる。したがって、蓄電手段は、間欠的な無線送信の期間の間のスタンバイ状態の期間に充電されることで、無線送信に十分な電源エネルギーを得やすくなる。
そして、制御回路は、電源電圧出力回路から出力された電源電圧を監視し、電源電圧が所定の電圧以上であるときには、予め定められている所定の間欠的な送信期間において、無線送信処理回路を動作させて無線送信を実行する。この無線送信の実行時の送信期間においては、制御回路は、無線送信する電流センサの出力電流を整流する整流回路に接続されている充電路開閉手段を、整流回路の出力電流の電源処理回路への供給を遮断する状態にする。これにより、整流回路の出力電流は、蓄電回路への分流分が遮断されて、電流値の計測のためにのみ用いられる状態となる。したがって、正確な電流値が計測され、その計測された正確な電流値の情報を無線送信することができる。
また、計測されて無線送信される電流センサからの出力に対してのみ、電源処理回路への整流回路の出力電流の供給が遮断され、他の電流センサからの出力の整流電流は、電源処理回路へ供給されて蓄電手段の充電電流として使用されるので、充電電流は減るが、充電は継続される。このため、無線送信による電源エネルギーの消費があっても、蓄電手段の電圧低下を抑えることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、
前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれを、別々の計測路開閉手段を通じて受けて、前記電線に流れる電流を計測する計測回路を備え、
前記無線送信処理回路は、前記計測手段で計測して生成した計測値情報を無線送信し、
前記制御回路は、前記所定の間欠的な送信期間でのみ、前記別々の計測路開閉手段のそれぞれを、前記整流回路の出力電流を前記計測回路へ供給する状態として、前記計測回路で前記電線に流れる電流を計測するように制御する
ことを特徴とする。
この請求項2の発明においては、複数個の整流回路の出力電流のそれぞれは、別々の計測路開閉手段を通じて計測回路に供給される。そして、制御回路により、これら別々の計測路開閉手段のそれぞれは、電流センサのそれぞれについての所定の間欠的な送信期間でのみ、整流回路の出力電流を計測回路へ供給する状態とされる。したがって、この請求項2の発明によれば、電流センサで検出した電流値を計測して送信する期間以外では、計測路開閉手段は、整流回路の出力電流の計測回路への供給を遮断する状態とされるので、電流センサで検出された電流の全てが蓄電手段の充電に用いられ、蓄電手段が効率良く充電されるものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線センサ端末において、
前記制御回路は、
前記電源電圧が所定の電圧よりも低くなったときには、前記無線送信処理回路を用いた前記無線送信を停止すると共に、前記別々の充電路開閉手段の全てを、常時、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態とするように制御する
ことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、電源電圧が例えば無線送信ができなくなる所定の電圧よりも低くなったときには、無線送信が停止されると共に、充電路開閉手段の全てが整流回路の出力電流を電源処理回路へ供給される状態とされ、蓄電手段が充電される。したがって、蓄電手段は、電力消費をすることなく、複数の電流センサの出力電流の整流出力電流で充電がなされるので、電源電圧は、迅速に、無線送信が可能な電圧値まで上昇することが期待できる。
また、請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無線センサ端末において、
前記電流センサに加えて、所定の発電方式の発電モジュールを具備し、
前記無線送信ユニットは、前記発電モジュールからの電流を、前記電源処理回路の前記加算回路で前記複数個の整流回路の出力電流に加算して、前記充電式電池に、充電電流として供給する
ことを特徴とする。
この請求項4の発明においては、蓄電手段には、電流センサからの電磁誘導電流に加えて、所定の発電方式の発電モジュールからの電流が、加算回路を通じて、常時、充電電流として供給される。したがって、この請求項4の発明によれば、蓄電手段の蓄電電圧が、無線送信ができない状態にまで低下するのを極力回避することが可能となる。
また、請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無線センサ端末において、
無線受信回路を備えず、前記無線送信のみを行う
ことを特徴とする。
この請求項5の発明の無線センサ端末は、無線受信回路は備えず、無線送信のみを行うので、消費電力を少なくすることができ、蓄電手段の蓄電電圧の低下を少なくすることが可能である。
また、請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無線センサ端末において、
前記電流センサに加えて、前記電流センサ以外の他の種別のセンサを具備し、
前記無線送信ユニットは、前記他の種別のセンサのセンサ出力を、前記他の種別のセンサに対応して定められた所定の間欠的な送信期間で取り込み、前記無線送信処理回路により無線送信する処理回路を備え、
前記制御回路は、
前記電源電圧が所定の電圧以上であるときには、前記他の種別のセンサに対応して定められた前記所定の間欠的な送信期間において、前記無線送信処理回路を動作させて無線送信を実行すると共に、前記充電路開閉手段は、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態のままとする
ことを特徴とする。
この請求項6の発明によれば、他の種別のセンサの出力を、所定の間欠的な送信期間で取り込んで無線送信することができる。そして、当該他の種別のセンサの出力を無線送信する際においても、蓄電手段への充電は、電流センサで検出された電磁誘導電流により継続される。したがって、当該他の種別のセンサの出力の無線送信による電力消費があっても、それを補う充電が行われているので、当該他の種別のセンサの出力の無線送信が確実に行われる。
また、請求項7の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無線センサ端末において、
前記蓄電手段は、充電式電池からなり、
前記制御回路は、前記電源電圧が、前記所定の電圧よりも高い前記充電式電池の満充電に対応する電圧以上となった時に、前記別々の充電路開閉手段を、前記整流回路の出力電流の前記電源処理回路への供給を遮断する状態にし、かつ、前記電源電圧が、前記所定の電圧よりも高いが、前記充電式電池の満充電に対応する電圧よりも低い所定の電圧以下となった時に、前記別々の充電路開閉回路を、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態に復帰させる
ことを特徴とする。
この請求項7の発明においては、蓄電手段が充電式電池からなるので、過充電を防止するために、電源電圧が、充電式電池の満充電に対応する電圧以上となった時に、別々の充電路開閉手段を、整流回路の出力電流の電源処理回路への供給を遮断する状態にして、蓄電手段への充電を停止する。そして、電源電圧が、例えば無線送信が不可となる所定の電圧よりも高いが、充電式電池の満充電に対応する電圧よりも低い所定の電圧となった時に、別々の充電路開閉回路を、整流回路の出力電流を電源処理回路へ供給する状態に復帰させて、蓄電手段への充電を再開する。
したがって、この請求項7の発明によれば、充電式電池の過充電を防止しながら、蓄電手段への充電を適切に行うことができる。
また、請求項8の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の無線センサ端末において、
前記蓄電手段は、充電式電池からなり、
前記電源処理回路は、前記電源電圧出力回路の出力側に、キャパシタを備える
ことを特徴とする。
この請求項8の発明においては、電源電圧出力回路の出力側にキャパシタを備えているので、送信期間における無線送信により大きなエネルギーを消費する場合においても、そのエネルギー消費に耐えることができるものである。
この発明によれば、異なる電線において複数個の電流センサのそれぞれで検出された電磁誘導電流を整流した電流で、蓄電手段を充電するようにするので、1本の電線に流れる電流が小さくても、蓄電手段には、それよりも大きな充電電流が流れ、電流センサのそれぞれで検出された電流値の計測及び無線送信に十分な電源エネルギーを得やすくなる。
また、1個の電流センサで検出された電流値の計測及び無線送信時においては、当該計測及び無線送信の対象となる電流センサで検出された電流の蓄電手段への分流分が遮断されるので、正確な電流値が計測され、その計測された正確な電流値の情報を無線送信することができる。
また、計測されて無線送信される電流センサからの出力に対してのみ、電源処理回路への整流回路の出力電流の供給が遮断され、他の電流センサからの出力の整流電流は、電源処理回路へ供給されて蓄電手段の充電電流として使用されるので、無線送信による電源エネルギーの消費があっても、蓄電手段の電圧低下を抑えることができるという効果を奏する。
この発明による無線センサ端末の実施形態を用いた無線送受信システムの構成例の概要を説明するための図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態の一部を構成する電流センサの外観構成例を示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態の構成例を示すブロック図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態の主要部の回路構成例を示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態の主要部の回路構成例を示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態におけるセンサ毎の計測及び無線送信処理動作例を説明するためのフローチャートを示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態におけるセンサ毎の計測及び無線送信処理動作例を説明するためのタイミングチャートを示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態における充電式電池の充電制御動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態における充電式電池の充電制御動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態における充電式電池の充電制御動作例を説明するために用いる図である。 この発明による無線センサ端末の実施形態の主要部の他の回路構成例を示す図である。
以下、この発明による無線センサ端末の実施形態を、図を参照しながら説明する。
[実施形態の無線センサ端末の概要及び当該無線センサ端末を用いた無線送受信システムの構成例]
図1は、この発明による無線センサ端末の実施形態を用いた無線送受信システムの構成例の概要を説明する図である。図1において四角で囲んで示すエリア1は、工場や店舗、あるいは一般家庭における電源配線エリアを示している。
エリア1内には、配電盤2が設けられている。この配電盤2は、送電線3に接続されていると共に、この配電盤2から、エリア1内の各部屋や設備に配電するための複数本の電線41,42,・・・,4n(nは正の整数)が導出されている。そして、この実施形態では、配電盤2内において、電線41,42,・・・,4nのそれぞれの一部を構成している電線部分に、クランプ型の電流センサ51,52,・・・がそれぞれ取り付けられている。これらの複数個の電流センサ51,52,・・・は、この実施形態の無線センサ端末10の一部を構成する。そして、これらの複数個の電流センサ51,52,・・・は、この実施形態の無線センサ端末10の一部を構成する無線送信ユニット10Uに接続されている。
なお、この実施形態の無線センサ端末10は、2個以上の複数個の電流センサ51,52,・・・を接続可能であるが、以下の説明では、説明の簡単のため、2個の電流センサ51,52のみが、無線送信ユニット10Uに接続されている場合とする。
無線送信ユニット10Uには、この実施形態では、更に、温度センサ61と、湿度センサ62が接続されていると共に、例えばゼーベック熱発電ユニットなどを用いた発電モジュール7が接続されている。この実施形態では、温度センサ61、湿度センサ62及び発電モジュール7も、この実施形態の無線センサ端末10の一部を構成するものである。
クランプ型の電流センサ51,52は、全く同様のハードウエア構成を備えている。図2に、電流センサ51の場合を例にとって、その構成例を説明する。クランプ型の電流センサ51は、クランプ機構部501と、電流検出部502とからなる。クランプ機構部501は、例えばU字型を有し、図2(A)及び(B)に示すように、電流検出部502に対してヒンジ部503を中心にして回動可能に取り付けられている。
電流センサ51は、図2(B)に示すように、クランプ機構部501を、電線41をU字型部分内に収納するようにして、電流検出部502に結合させることにより、電線41に取り付けられる。クランプ機構部501は、電流検出部502に設けられている突起504に、クランプ機構部501の係合部分505が係合することで、ロックされる。
このように電線41にクランプ機構部501がロックされた状態では、電流センサ51においては、電線41を中心としてリング状コア506(図2(B)の点線参照)が形成される。そして、このリング状コア506にはコイル507が巻回されており、このコイル507には、電線41に流れる電流によって発生する磁界により電磁誘導電流が誘起される。電流検出部502は、このコイル507に誘起される電磁誘導電流を検出する。そして、この実施形態では、クランプ型の電流センサ51で検出された電磁誘導電流は、無線送信ユニット10Uに供給される。
無線送信ユニット10Uは、後で詳述するように、電流センサ51,52から受けた電磁誘導電流や、温度センサ61からの温度検出信号、湿度センサ62からの湿度検出信号から、それらセンサ51,52,61,62で検出された情報の送信信号を生成し、その生成した送信信号を、中継装置8に無線送信する。中継装置8は、無線送信ユニット10Uから受信したセンサ51,52,61,62で検出された情報の送信信号に、必要な情報を付加して、監視センター装置9に送信する。
ここで、無線送信ユニット10Uから中継装置8への無線送信の距離は、比較的短く、このため、無線送信ユニット10Uから中継装置8への無線送信電波は、微弱電波となっている。したがって、この実施形態の無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uは、送信電波は、微弱電波で良いので、無線送信のための電源消費量は比較的少なくて良いように設計されている。
一方、中継装置8と、監視センター装置9との間における通信には、電力消費についての制約は少ないので、この実施形態では、例えば光ケーブルなどを用いた有線通信路を用いてもよいし、携帯電話網や、WIFI通信網などの無線通信網とインターネットとを通じた通信網を用いたものであってもよい。
この実施形態の無線センサ端末10は、無線受信機能を備えず、無線送信ユニット10Uにより、各種センサで検出した情報の計測値の情報を無線送信するだけの機能を有するものとして、電力消費を最小限としている。また、この実施形態の無線センサ端末10は、送信データの再送は行わない。そして、この実施形態では、無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uが送信する送信データも、できるだけ短い電文として、無線送信の際の電力消費をできるだけ少なくするように考慮している。
図3(A)は、無線送信ユニット10Uが送信する送信データDAのデータフォーマット(データ構造)の例を示すもので、この実施形態では、無線センサ端末10の識別情報である端末IDと、送信する計測値を検出したセンサの識別情報であるセンサIDと、送信する計測値のデータであるセンシングデータとからなる。センサIDは、ここでは、電流センサ51、52、温度センサ61、湿度センサのいずれであるかを示す識別情報となり、無線センサ端末10の設置時に、無線送信ユニット10Uが備えるメモリに登録して記憶するようにする。
端末IDは、監視センター装置9で受信する他の無線センサ装置と区別するためのものである。例えば、配電盤2に設けられる電線の多数本の場合には、無線センサ端末10は、異なる複数本の電線のグループごとに、複数個が設けられ、それぞれの無線センサ端末10に、異なる端末IDが付与されるものである。
この例の場合に、無線センサ端末10のそれぞれに割り当てる複数本の電線のグループ化に当たっては、それぞれに流れる電流が同程度のものを集めてグループ化するのではなく、それぞれに流れる電流が大きいものと、流れる電流が小さいものとが混合されるように、流れる電流が互いに異なる複数本の電線を1グループとするようにグループ化する。
なお、監視センター装置9には、無線センサ端末10の電流センサ51,52,・・・のそれぞれが、いずれの配電盤の、いずれの電線に装着されたかを判別することができるように、無線センサ端末10の端末IDと、電流センサ51,52,・・・のセンサIDのそれぞれと、配電盤の識別情報と、電線の識別情報との対応関係を示す対応表の情報が記憶されている。これにより、監視センター装置9では、受信した送信データDA中の端末IDと、センサIDとから、いずれの配電盤のいずれの電線の計測電流データであるかを把握することができる。
無線センサ端末10からの送信データDAには、その時系列変化を把握するために、本来、計測値であるセンシングデータが各種センサから取得された時刻の情報を含むようにすべきであるが、この実施形態では、無線センサ端末10からの送信データDAには、この時刻の情報は、無線送信する電文を短縮化するために含まれていない。
中継装置8で無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uからの送信データDAを受信した時刻は、僅かのタイムラグはあるが、計測値であるセンシングデータが各種センサから取得された時刻とみなすことできる。そこで、この実施形態では、中継装置8で、無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uからの送信データDAを受信した時刻を検出し、その時刻を、監視センター装置9に送るデータに含ませるようにする。監視センター装置9は、中継装置8から受信したデータ中の受信時刻の情報を、無線センサ端末10からの送信データDAの送信時刻と判断して、送信データDAに含まれる各センサのセンシングデータについて、その時系列変化を把握するようにする。
図3(B)に、中継装置8から監視センター装置9に送信するデータのデータフォーマットの例を示す。すなわち、中継装置8では、無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uから受信した送信データDAに、当該中継装置8での送信データDAの受信時刻、データサイズ、フラグ情報、中継装置8の識別情報としての中継器IDを付加して、監視センター装置9に送信するようにする。
なお、中継装置8と監視センター装置9との間での通信においては、送信時にエラーが発生したときの再送などが行われ、送信データDAは確実に監視センター装置9に送信される。
[無線センサ端末10の実施形態の構成例;無線送信ユニット10Uの構成例]
図4は、この実施形態の無線センサ端末10の全体の構成例を示す図である。無線送信ユニット10Uは、この実施形態では、電流センサ51、52、温度センサ61、湿度センサ62、発電モジュール7用のコネクタジャック11,12,13,14,15を備えている。そして、電流センサ51、52、温度センサ61、湿度センサ62、発電モジュール7のそれぞれは、図示を省略するコネクタプラグを、無線送信ユニット10Uのコネクタジャック11,12,13,14,15のそれぞれに結合させることで、無線送信ユニット10Uに接続されて、この実施形態の無線センサ端末10が構成される。
無線送信ユニット10Uの構成例について説明する。電流センサ51及び52が接続されるコネクタジャック11及び12は、整流回路101及び102の入力端に接続される。この整流回路101及び102の出力端は、それぞれスイッチ回路111及び112を通じて電源処理回路120の入力端に接続されると共に、それぞれスイッチ回路113及び114を通じて、センサ信号処理回路131及び132の入力端に接続される。
センサ信号処理回路131及び132の出力端は、制御回路140に接続されている。センサ信号処理回路131及び132は、整流回路101及び102から、電流センサ51,52で検出された電流の整流出力を受けて、計測用信号として制御回路140に供給する。
制御回路140は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、ソフトウエア機能手段で構成される計測回路141を備える。この計測回路141は、センサ信号処理回路131及び132からの計測用信号を受けて、電流センサ51,52で検出した電流値の計測を行う。制御回路140は、計測回路141で計測した電流値の情報をデジタルデータに変換するなどして、送信データを生成する。制御回路140は、無線送信処理回路150に接続されており、生成した送信データを無線送信処理回路150に供給する。
温度センサ61及び湿度センサ62が接続されるコネクタジャック13及び14は、センサ信号処理回路133及び134の入力端に接続される。センサ信号処理回路133及び134の出力端は、制御回路140に接続されており、温度センサ61及び湿度センサ62で検出された温度及び湿度についての検出信号を、計測用信号として、制御回路140に供給する。計測回路141は、センサ信号処理回路133及び134からの計測用信号を受けて、温度及び湿度の計測を行う。制御回路140は、計測回路141で計測された温度及び湿度の情報をデジタルデータに変換するなどして、送信データを生成し、無線送信処理回路150に供給する。
制御回路140は、送信スケジュール管理部142を、ソフトウエア機能手段として備えている。この送信スケジュール管理部142は、送信スケジュールメモリ(図示は省略)を備える。この送信スケジュールメモリには、電流センサ51,52、温度センサ61、湿度センサ62のそれぞれについて、間欠的な計測及び無線送信を行う期間(以下、送信期間という)のスケジュール情報が記憶されている。この実施形態では、電流センサ51,52、温度センサ61、湿度センサ62のそれぞれについて、異なる送信期間に計測及び無線送信を行うように予めスケジュールが定められて記憶されている。
送信スケジュール管理部142は、この送信スケジュールメモリに記憶されている各センサ毎のスケジュール情報を監視して、各センサ毎の間欠的な送信期間になると、各センサからの出力の取込を行い、その計測及び無線送信を実行するようにする。この実施形態では、制御回路140は、電流センサ51,52については、スイッチ回路113、114を、それぞれの送信期間においてのみオンとして、電流センサ51,52の出力電流の取り込みを行うように制御する。このため、制御回路140は、電流センサ51,52についてのスケジュール情報から、スイッチ回路113、114のオン・オフを制御する制御信号SW3,SW4を生成して、スイッチ回路113,114のそれぞれに供給する。スイッチ回路113,114は、電流センサ51,52についての計測用スイッチ回路であって、計測路開閉手段を構成している。
また、この例では、温度センサ61、湿度センサ62は電源を有しておらず、このために、コネクタジャック13,14を通じて無線送信ユニット10Uから電源電圧を供給するように構成している。制御回路140は、温度センサ61、湿度センサ62についてのスケジュール情報から、これらの温度センサ61、湿度センサ62センサについての送信区間を把握して、それぞれの送信期間にのみ、電源電圧をコネクタジャック13,14を通じて供給するように制御する。これにより、制御回路140は、温度センサ61、湿度センサ62についても、その送信区間で各センサからの出力の取込を行い、その計測及び無線送信を実行するようにする。
無線送信処理回路150は、制御回路140から受け取った送信データを変調して送信信号を生成し、生成した送信信号の無線送信を行う。無線送信処理回路150は、前述したように、微弱電波の送信信号を、中継装置8に向けて送信するもので、この例では、周波数が例えば920MHz帯が用いられる。
制御回路140は、この無線送信処理回路150に対して、当該無線送信処理回路150を送信期間でのみ動作させるようにする制御信号CTLを供給する。したがって、無線送信処理回路150は、各センサ51,52,61,62についての間欠的な送信期間でのみ、動作して電源消費を行い、送信期間以外では、次の間欠的な無線送信のために準備に必要な必要最小限の電力消費となるようにされている。
発電モジュール7が接続されるコネクタジャック15は、電源処理回路120に接続されている。
電源処理回路120は、この実施形態では蓄電手段の例としての充電式電池(二次電池)を備え、この充電式電池を、電流センサ51,52で検出した電磁誘導電流及び発電モジュール7からの電流により充電して、無線送信ユニット10U用の電源電圧VDDを生成して出力する。
図5は、電源処理回路120の具体回路例及びその主要な周辺回路の回路例を示す図である。この図5に示すように、電源処理回路120は、電流加算回路210と、充電式電池220と、平滑回路230と、電圧変換回路としてのDC−DCコンバータ240と、キャパシタ250とを備えて構成されている。整流回路101及び102は、図5に示すように、この例ではダイオードブリッジ回路からなる全波整流回路の構成とされている。
加算回路210は、抵抗211とダイオード212との第1の直列回路と、抵抗213とダイオード214との第2の直列回路と、抵抗215とダイオード216との第3の直列回路とからなる。
第1の直列回路の一端側であるダイオード212のカソードと、第2の直列回路の一端側であるダイオード214のカソードと、第3の直列回路の一端側であるダイオード216のカソードとが互いに共通に接続され、その接続点(加算回路210の出力端)が、抵抗221を通じて充電式電池220に接続されている。
第1の直列回路の他端側となる抵抗211の一端は、スイッチ回路111に接続され、第2の直列回路の他端側となる抵抗213の一端は、スイッチ回路112に接続され、第3の直列回路の他端側となる抵抗215の一端は、発電モジュール7が接続されているコネクタジャック15に接続されている。
そして、加算回路210の出力端と抵抗221との接続点は、コンデンサ231と抵抗232とコンデンサ233とからなる平滑回路230を通じて、DC−DCコンバータ240の入力端に接続される。DC−DCコンバータ240は、充電式電池220に得られる電圧を電源電圧VDDに電圧変換する。電源電圧VDDは、充電式電池に得られる電圧に対応した電圧であることは言うまでもない。
DC−DCコンバータ240の出力端には、蓄電手段であるキャパシタ250が接続されている。そして、このキャパシタ250を介して、電源電圧VDDが出力される。このキャパシタ250は、大きな負荷電流がながれても電圧を維持することができるので、このキャパシタ250の存在により、充電式電池220の充電電圧が低下した場合においても、スイッチ回路111〜114のオン・オフ制御や、各センサ出力の計測及び無線送信を安定して行うことができる。
以上のように構成されているので、電源処理回路120においては、コネクタジャック15に接続されている発電モジュール7からの電流が、加算回路210の抵抗215及びダイオード216からなる第3の直列回路を通じて、常時、充電電流として充電式電池220に供給される。
そして、制御回路140からの制御信号SW1により、スイッチ回路111がオンとされているときには、コネクタジャック11に接続されている電流センサ51からの電流が、整流回路101で整流された後、加算回路210の抵抗211及びダイオード212からなる第1の直列回路を通じて、発電モジュール7からの電流に加算される状態で、充電電流として充電式電池220に供給される。
また、制御回路140からの制御信号SW2により、スイッチ回路112がオンとなっているときには、コネクタジャック12に接続されている電流センサ52からの電流が、整流回路101で整流された後、加算回路210の抵抗213及びダイオード214からなる第2の直列回路を通じて、発電モジュール7からの電流に加算される状態で、充電電流として充電式電池220に供給される。
スイッチ回路111及びスイッチ回路112が共にオンとなっているときには、加算回路210の第1の直列回路を流れる電流と、第2の直列回路を流れる電流と、第3の直列回路を流れる電流との全てが加算されて、充電式電地220に供給されて、充電式電地220が充電される。
図4に示すように、電源処理回路120からの電源電圧VDDは、制御回路140に、参照電圧としても供給されている。制御回路140は、この電源電圧VDDを監視して、その電圧値に応じて制御信号SW1,SW2を生成して、スイッチ回路111及びスイッチ回路112のオン・オフを制御することで、充電式電池220に供給する充電電流を制御する。したがって、スイッチ回路111及びスイッチ回路112は、充電用スイッチであって、充電路開閉手段を構成する。
そして、制御回路140は、前述したように、電流センサ51、52、温度センサ61及び湿度センサ62の検出出力を、間欠的に計測して無線送信するための制御も行うが、電流センサ51,52についての送信期間においては、スイッチ回路111,112をオフにする制御を行うようにする。電流センサ51,52からの電流値の正確な計測をするためである。
すなわち、電流センサ51,52についての送信期間においては、スイッチ回路113,114がオンとされて、整流回路101,102の出力電流を計測用として取り込むが、このときに充電用のスイッチ回路111,112がオンであると、整流回路101,102の出力電流は、スイッチ回路111,112側にも分流する。このため、スイッチ回路113,114を通じて取り込んだ電流が、電流センサ51,52で検出した電磁誘導電流に正確に対応しなくなる。この問題を解決するために、この実施形態では、制御回路140は、電流センサ51,52についての送信期間においては、充電用のスイッチ回路111,112はオフに制御するようにする。
したがって、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値の監視結果と、電流センサ51,52の送信のスケジュール情報とから、スイッチ回路111,112をオン・オフ制御する制御信号SW1,SW2を生成し、生成した制御信号SW1,SW2をスイッチ回路111,112のそれぞれに供給する。
なお、スイッチ回路111〜114は、この例では、制御電流が供給されず電力消費のない定常状態がオフ状態であり、高耐圧で、切り替え動作速度の速いアナログスイッチ素子を用いている。スイッチ回路111〜114は、高耐圧(例えば7ボルトに耐える)でると共に、切り替え動作速度の速いアナログスイッチ素子であれば、定常状態がオン状態の素子であっても勿論よい。
[無線センサ端末10における処理動作]
<センサ出力の計測及び無線送信の動作>
以上のような構成を備える無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uにおけるセンサ出力の計測及び無線送信の動作を、図6のフローチャート及び図7のタイミングチャートを参照しながら、説明する。
制御回路140は、まず、各センサについての間欠送信のスケジュールを監視し(図6のステップS101)、間欠送信の送信期間の開始タイミングになったセンサがあるか否か判別する(ステップS102)。このステップS102で、送信期間の開始タイミングになったセンサはないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS102で、間欠送信の送信期間の開始タイミングになったセンサがあると判別したときには、制御回路140は、送信期間の開始タイミングになったセンサは、電流センサ51または52か否か判別する(ステップS103)。
ステップS103で、送信期間の開始タイミングになったセンサは、電流センサ51または52以外のセンサ、つまり、この例では温度センサ61または湿度センサ62であると判別したときには、制御回路140は、温度センサ61または湿度センサ62の出力を、センサ信号処理回路133または134を通じて取り込んで、温度または湿度の検出値を計測し、その計測結果を用いて無線送信信号(前述の送信データDA)を生成し、無線送信処理回路150により、無線送信を実行させるようにする(ステップS108)。
そして、制御回路140は、無線送信処理回路150による無線送信が終了したか否か判別し(ステップS109)、無線送信が終了したと判別したときには、無線送信処理回路150を非動作状態に戻すなどして、無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uをスタンバイ状態に戻す(ステップS110)。その後、制御回路140は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
ステップS103で、送信期間の開始タイミングになったセンサは、電流センサ51または52であると判別したときには、制御回路140は、スイッチ回路111または112のうち、送信期間となった電流センサの充電用スイッチ回路はオフにすると共に、スイッチ回路113,114のうち、送信期間となった電流センサの計測用スイッチ回路をオフからオンにする(ステップS104)。
次に、制御回路140は、オンとした計測用スイッチ回路を通じて、整流回路101または102からの、送信期間となった電流センサ51または52の出力電流の整流出力電流を取り込んで、電線41または電線42に流れている電流値を計測し、その計測結果を用いて無線送信信号(前述の送信データDA)を生成し、無線送信処理回路150により、無線送信を実行させるようにする(ステップS105)。
そして、制御回路140は、無線送信処理回路150による無線送信が終了したか否か判別し(ステップS106)、無線送信が終了したと判別したときには、オフとした充電用スイッチ回路はオンに戻し(ただし、後述するように、過充電防止用のためにオフとなっていたスイッチ回路はそのままオフとする)、オンとした計測用スイッチ回路はオフに戻すと共に、無線送信処理回路150を非動作状態に戻すなどして、無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uをスタンバイ状態に戻す(ステップS107)。その後、制御回路140は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS104〜ステップS107までの処理動作における各センサについての送信区間と、スイッチ回路111〜114のオン・オフの切り替えについて、図7のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図7では、充電式電池220の過充電を防止するために、スイッチ回路111,112がオフとなって状態ではなく、スタンバイ状態において、スイッチ回路111,112がオンとなって充電で実行されているとしている。
図7の例では、制御回路140の送信スケジュール管理部142が記憶している送信スケジュールにより、電流センサ51、電流センサ52、温度センサ61、湿度センサ62のそれぞれの出力に基づく計測値を、所定の時間の周期Tで、間欠的に、ほぼ同じ時点で連続的に送信する場合としている。すなわち、図7の例では、図7(A),(B),(C),(D)に示すように、1周期Tの開始時点になると、電流センサ51の検出電流の送信期間tx1が開始し、その送信期間tx1が終了すると、電流センサ52の検出電流の送信期間tx2が開始し、その送信期間tx2が終了すると、温度センサ61の検出温度の送信期間tx3が開始し、その送信期間tx3が終了すると、湿度センサ62の検出湿度の送信期間tx4が開始し、その送信期間tx4が終了すると、その後は、次の1周期Tの期間の開始時点になるまで、スタンバイ状態となるようにされることが、1周期T毎に繰り返される。
そして、上述した制御回路140による制御により、電流センサ51の検出電流の送信期間tx1では、充電用スイッチ回路111がオンからオフの状態に変わり(図7(E)参照)、充電用スイッチ回路112はオフのままとされる(図7(F)参照)と共に、計測用スイッチ回路113がオフからオンに変わり(図7(G)参照)、計測用スイッチ回路114はオフのままとされる(図7(H)参照)。
したがって、電流センサ51の検出電流の送信期間tx1では、充電用スイッチ回路111がオフとされて、その分の充電式電池220の充電電流は小さくなるが、電流センサ52で検出された電磁誘導電流及び発電モジュール7からの電流は供給され続けて、充電式電池220は充電される状態を維持する。したがって、送信期間tx1における計測及び無線送信により消費される電力分の一部は、当該送信期間tx1においてもなされる充電で補填され、充電式電池220の充電電圧の低下は少なくて済む。
そして、充電用スイッチ回路111がオフとされることで、計測用スイッチ回路113がオンとされることで取り込まれる整流回路101からの電流は、充電電流として分流されることがなくなるので、電流センサ51で検出すべき電線41に流れる電流値は、正確な値として計測される。
この送信期間tx1の次に、電流センサ52の検出電流の送信期間tx2になると、充電用スイッチ回路111がオフからオンに戻る(図7(E)参照)と共に、充電用スイッチ回路112はオフからオンに変わる(図7(F)参照)。また、計測用スイッチ回路113がオンからオフに戻り(図7(G)参照)、計測用スイッチ回路114はオフからオンに変わる(図7(H)参照)。
したがって、電流センサ52の検出電流の送信期間tx2においても、充電用スイッチ回路112がオフとされて、その分の充電式電池220の充電電流は小さくなるが、電流センサ51で検出された電磁誘導電流及び発電モジュール7からの電流は供給され続けて、充電式電池220は充電される状態を維持する。したがって、送信期間tx2における計測及び無線送信により消費される電力分の一部は、当該送信期間tx2においてもなされる充電で補填され、充電式電池220の充電電圧の低下は少なくて済む。
また、充電用スイッチ回路112がオフとされることで、計測用スイッチ回路114がオンとされることで取り込まれる整流回路101からの電流は、充電電流として分流されることがなくなるので、電流センサ52で検出すべき電線42に流れる電流値は、正確な値として計測される。
そして、送信期間tx2に引き続く温度センサ61の検出温度の送信期間tx3、さらに、送信期間tx3に引き続く湿度センサ62の検出湿度の送信期間tx4では、充電用スイッチ回路111及び112は、共にオンとされ、また、計測用スイッチ回路113及び114はオフとされる。したがって、電流センサ51及び52で検出された電磁誘導電流により、充電式電池220の充電が行われている状態で、温度センサ61の検出温度の送信期間tx3、さらに、送信期間tx3に引き続く湿度センサ62の検出湿度の送信期間tx4が実行される。このため、送信期間tx3及び送信期間tx4における計測及び無線送信により消費される電力分の一部は、当該送信期間tx3及び送信期間tx4においてもなされる充電で補填され、充電式電池220の充電電圧の低下は少なくて済む。
なお、図7の例の送信スケジュールでは、電流センサ51、電流センサ52、温度センサ61、湿度センサ62の出力については、全て同じ周期Tで、あたかも関連付けたようにして、間欠的に計測及び無線送信を行うようにした。しかし、電流センサ51、電流センサ52、温度センサ61、湿度センサ62の出力のそれぞれについて、全く異なる周期で、かつ互いに独立したタイミングで、間欠的な計測及び無線送信を行うようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、電線41に接続される負荷装置と、電線42に接続される負荷装置の稼働状況などを考慮して、電流センサ51の出力と、電流センサ52とで、間欠的な計測及び無線送信の周期を決定するようにしてもよい。また、温度や湿度は、急激には変化は生じないことを考慮して、それぞれの間欠的な計測及び無線送信を行う周期を、任意かつ独立したものとして決定するようにしてもよい。
<電源電圧VDDの監視に基づく充電制御>
前述したように、制御回路140は、上述した計測及び無線送信処理と並行して、電源電圧VDDを監視して、充電式電池220の充電を制御するようにする。図8及び図9は、制御回路140が行う充電制御処理動作を説明するためのフローチャートを示すものである。ここで、この例では、無線送信動作が可能となる電源電圧VDDの値(無線送信可能電圧値)は、例えば3.3ボルト以上とされる。また、充電式電池220が満充電になった時の電源電圧VDDの値(満充電電圧値)は、4.0ボルトとし、満充電の状態から充電電圧が低下して充電を開始すべき電源電圧VDDの値(充電必要電圧値)は、3.7ボルトとする。なお、この例の無線センサ端末10の無線送信ユニット10Uにおいては、充電式電池220を満充電の状態にした後、図示を省略した無線センサ端末10の電源スイッチをオンにして、駆動させるようにすることが推奨されている。図示を省略した電源スイッチがオンにされると、無線送信ユニット10Uは、図8のスタートから、処理を開始する。
制御回路140は、まず、電源電圧VDDの電圧値をチェックして(図8のステップS201)、電源電圧VDDの電圧値が満充電電圧値(4.0ボルト)以上であるか否か判別する(ステップS202)。このステップS202で、電源電圧VDDの電圧値が4.0ボルト以上であると判別したときには、制御回路140は、充電用スイッチ回路111,112の全てをオフとして、電流センサ51、52で検出した電磁誘導電流を充電式電池220への充電電流とはしないようにする(ステップS203)。これにより、充電式電池220の過充電を防止するようにする。
このステップS203で、スイッチ回路111,112をオフにした後において、制御回路140は、電流センサ51,52、温度センサ61及び湿度センサの検出出力についての計測及び無線送信処理は行う。すなわち、制御回路140は、電流センサ51または電流センサ52についての送信期間tx1または送信期間tx2になると、前述したように、計測用スイッチ回路113または計測用スイッチ回路114をオンとして、電流センサ51または電流センサ52で検出した電磁誘導電流についての計測及び無線送信処理を実行する。また、送信期間tx1または送信期間tx2になると、温度センサ61及び湿度センサ62の出力について、計測及び無線送信処理を実行する。このため、充電式電池220の充電電圧は徐々に低下する。
このステップS203の次に、制御回路140は、電源電圧VDDのチェックし(ステップS204)、電源電圧VDDの電圧値が充電必要電圧値(3.7ボルト)以下になったか否か判別する(ステップS205)。このステップS205で、電源電圧VDDの電圧値が3.7ボルト以下になってはいないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS203に戻し、このステップS203以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS205で、電源電圧VDDの電圧値が3.7ボルト以下になったと判別したときには、制御回路140は、充電用スイッチ回路111,112の全てをオンとして、電流センサ51、52で検出した電磁誘導電流を、加算回路210を通じて充電式電池220に、充電電流として供給するようにする(ステップS207)。そして、制御回路140は、電流センサ51,52、温度センサ61及び湿度センサの検出出力についての計測及び無線送信処理は継続して実行するものとする。そして、制御回路140は、このステップS207の処理がなされた以降は、電流センサ51または電流センサ52についての送信期間tx1または送信期間tx2でのみ、前述したように、それぞれ充電用スイッチ回路111または充電用スイッチ回路112を、オンからオフに切り替え、当該送信期間tx1または送信期間tx2では、電流センサ51または電流センサ52からの電流は充電には用いられない。
また、前述したステップS202で、電源電圧VDDの電圧値が4.0ボルト以上ではないと判別したときには、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値は、無線送信可能電圧値(3.3ボルト)以下か否か判別する(ステップS206)。そして、このステップS206で、電源電圧VDDの値が3.3ボルト以下ではないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS207に進め、充電用スイッチ回路111,112の全てをオンとして、電流センサ51、52で検出した電磁誘導電流を、加算回路210を通じて充電式電池220に、充電電流として供給するようにする。そして、制御回路140は、電流センサ51,52、温度センサ61及び湿度センサの検出出力についての計測及び無線送信処理は継続して実行するものとする。
このステップS207の次には、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値をチェックし(ステップS208)、無線送信可能電圧値(3.3ボルト)以下になったか否か判別する(ステップS209)。このステップS209で、電源電圧VDDの値が3.3ボルト以下になってはいないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS207に戻し、このステップS207以降の処理を繰り返す。
また、ステップS209で、電源電圧VDDの値が3.3ボルト以下になったと判別したとき、また、ステップS202で、電源電圧VDDの値が3.3ボルト以下であると判別したときには、制御回路140は、充電用スイッチ回路111,112の全てをオンとして、電流センサ51、52で検出した電磁誘導電流を、加算回路210を通じて充電式電池220に、充電電流として供給するようにすると共に、各センサ51,52,61,62についての計測及び無線送信処理は、全て停止する(図9のステップS211)。
また、ステップS206で、電源電圧VDDの値が3.3ボルト以下ではないと判別したときにも、制御回路140は、処理を図9のステップS211に進める。ステップS211で、加算回路210で加算された全電流で充電式電池220が充電されると共に、各センサ51,52,61,62についての計測及び無線送信処理が全て停止されることにより、充電式電池220の充電電圧は、比較的急速に上昇してゆく。
このステップS211の次には、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値をチェックし(ステップS212)、無線送信可能電圧値(3.3ボルト)よりも大きくなったか否か判別する(ステップS213)。このステップS213で、電源電圧VDDの電圧値が3.3ボルトよりも大きくなってはいないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS211に戻し、このステップS211以降の処理を繰り返す。
また、ステップS213で、電源電圧VDDの電圧値が3.3ボルトよりも大きくなったと判別したときには、制御回路140は、充電用スイッチ回路111,112の全てをオンとして、電流センサ51、52で検出した電磁誘導電流を、加算回路210を通じて充電式電池220に、充電電流として供給する状態を維持すると共に、各センサ51,52,61,62についての計測及び無線送信処理を行うように制御する(ステップS214)。
このステップS214の次には、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値をチェックし(ステップS215)、無線送信可能電圧値(3.3ボルト)以下になったか否か判別する(ステップS216)。このステップS216で、3.3ボルト以下になったと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS211に戻し、このステップS211以降の処理を繰り返す。
また、ステップS216で、3.3ボルト以下になってはいないと判別したときには、制御回路140は、電源電圧VDDの電圧値が満充電電圧値(4.0ボルト)以上になったか否か判別する(ステップS217)。このステップS217で、電源電圧VDDの電圧値が4.0ボルト以上ではないと判別したときには、制御回路140は、処理をステップS214に戻し、このステップS214以降の処理を繰り返す。また、ステップS217で、電源電圧VDDの電圧値が4.0ボルト以上であると判別したときには、処理を図8のステップS203に戻し、このステップS203以降の処理を繰り返す。
以上の説明したように、充電式電池220に対する充電制御においては、充電電圧が上昇しても、充電式電池220の満充電電圧値(4ボルト)以上にならないときの制御と、充電電圧が上昇して、充電式電池220の満充電電圧値(4ボルト)以上になった後の制御とは、異なる制御となっている。この制御状態の違いを明確にした説明図を図10に示す。
すなわち、図10(A)は、充電電圧(電源電圧VDD)の上昇時の制御回路140における制御を説明するための図である。この図10(A)に示すように、電源電圧VDDが無線送信可能電圧値(3.3ボルト)以下のときには、充電用スイッチ回路111及び112は共にオンとされて充電式電池220が充電される状態に制御されると共に、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理を停止する状態に制御される。
そして、充電電圧(電源電圧VDD)が、無線送信可能電圧値(3.3ボルト)よりも大きく、かつ、満充電電圧値(4.0ボルト)よりも低いときには(3.3ボルト<VDD<4.0ボルト)、充電用スイッチ回路111及び112は共にオンとされて充電式電池220が充電される状態に制御されると共に、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理が実行される状態に制御される。
そして、充電電圧(電源電圧VDD)が、満充電電圧値(4.0ボルト)以上になると、過充電防止のために、充電用スイッチ回路111及び112は共にオフとされる。ただし、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理が実行される状態に制御される。
一方、充電電圧(電源電圧VDD)が、一旦、満充電電圧値(4.0ボルト)以上になった後に低下する場合には、図10(B)に示すように、充電電圧(電源電圧VDD)が、充電必要電圧値(3.7ボルト)以下になるまでは、過充電防止のために充電用スイッチ回路111及び112が共にオフとされると共に、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理が実行される状態に制御される。
そして、充電電圧(電源電圧VDD)が、充電必要電圧値(3.7ボルト)以下になると、充電用スイッチ回路111及び112は共にオンとされて充電式電池220が充電される状態に制御されると共に、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理が実行される状態に制御される。
そして、電源電圧VDDが無線送信可能電圧値(3.3ボルト)以下のときには、充電用スイッチ回路111及び112は共にオンとされて充電式電池220が充電される状態に制御されると共に、各センサ51、52、61、62の全てについての計測及び無線送信処理を停止する状態に制御される。
[実施形態の効果]
上述の実施形態によれば、異なる複数の電線のそれぞれに取り付けられた複数個の電流センサのそれぞれで検出された電磁誘導電流を整流した電流で、充電式電池を充電するようにするので、1本の電線に流れる電流が小さくても、充電式電池には、大きな充電電流が流れ、電流センサのそれぞれで検出された電流値の計測及び無線送信に十分な電源エネルギーを得やすくなる。
この場合に、無線センサ端末10に接続する複数個の電流センサを取り付ける電線を、その電線に流れる電流が小さいもののみではなく、電流が大きいものを必ず組み合わせるようにしたことで、より充電式電池を効率良く充電して、充電電圧を常に無線送信可能電圧以上に維持するようにすることができる。
また、1個の電流センサで検出された電流値の計測及び無線送信時においては、当該計測及び無線送信の対象となる電流センサで検出された電流の充電式電池への分流分が遮断されるので、正確な電流値を計測することができる。
また、計測されて無線送信される電流センサからの出力に対してのみ、電源処理回路への整流回路の出力電流の供給が遮断され、他の電流センサからの出力の整流電流は、電源処理回路へ供給されて充電式電池の充電電流として使用されるので、無線送信による電源エネルギーの消費があっても、充電式電池の充電電圧の低下を抑えることができるという効果を奏する。
また、上述の実施形態では、電流センサに加えて、発電モジュールからの電流を、加算回路を通じて、常時、充電式電池に充電電流として供給されるので、充電式電池の充電電圧の低下を極力回避することが可能となる。
また、上述の実施形態の無線センサ端末10は、無線受信回路は備えず、無線送信のみを行うので、消費電力をできるだけ少なくすることができ、充電式電池の充電電圧の低下を少なくすることが可能である。しかも、無線送信データには、送信時刻などの情報を含まない短電文からなるものとしたので、無線送信の送信区間も短くすることができ、その分、消費電力の少なくすることができる。
また、上述の実施形態では、充電式電池の満充電電圧値よりも電源電圧VDDが大きくなったときには、電流センサからの充電電流の供給を停止するようにしたので、充電式電池の過充電を防止することができる。
また、上述の実施形態では、電流センサ以外の他の種別のセンサの検出出力に基づく計測値を無線送信する場合にも、充電式電池への充電が行われるので、当該他の種別のセンサの出力の無線送信が確実に行われる。
また、上述の実施形態では、電源電圧出力回路の出力側にキャパシタを備えているので、送信期間におけるスイッチ回路の制御や無線送信により大きなエネルギーを消費する場合においても、そのエネルギー消費に耐えることができ、安定にスイッチ回路の制御や無線送信を安定に行うことができる。
[その他の実施形態または変形例]
上述の実施形態では、発電モジュールとしては、熱発電モジュールを用いるようにしたが、熱発電モジュールに限られるものではなく、振動発電モジュールや、紫外線や太陽光の照射を受けることが可能である場所に無線センサ端末10が設置される場合には、ソーラー発電モジュールであってもよい。
なお、上述の実施形態では、電流センサで検出した電磁誘導電流により充電式電池を充電するだけでなく、熱発電モジュールからの電流で充電式電池を充電するようにしたが、電流センサのみで、充電式電池を充電するようにしても勿論よい。
また、上述の実施形態では、計測及び無線送信する電流センサ以外のセンサとして、温度センサと湿度センサとを例に挙げたが、温度センサや湿度センサ以外のセンサであってもよいことは言うまでもない。
なお、上述の実施形態では、電流センサ以外のセンサを接続して、そのセンサの検出出力から計測した計測値を無線送信するようにしたが、この発明による無線センサ端末10は、電流センサ以外のセンサを接続する必要がなく、電流センサのみの検出出力から計測した計測値を無線送信する場合であっても勿論よい。
また、上述の実施形態では、蓄電手段としては、充電式電池(二次電池)を用いたが、蓄電手段としてキャパシタを用いるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、充電路開閉手段及び計測路開閉手段は、それぞれ別々のオン・オフ制御のアナログスイッチ回路で構成するようにした。しかし、図11に示すように、整流回路101、102と、電源処理回路150及びセンサ信号処理回路131,132との間に、切り替えスイッチ回路115,116を設け、制御回路140からの切り替え制御信号SW5,SW6により上述の実施形態と同様の動作となるように切り替えるようにしてもよい。ただし、図11の例の場合には、電源電圧VDDが4.0ボルト以上の時には、スイッチ回路115及び116は、可動端子cを他方の出力端子bに接続する状態を維持して、充電式電池220の過充電を防止するようにする。したがって、整流回路101,102からの出力電流は、センサ信号処理回路131,132に常時供給される状態となるが、制御回路140は、電流センサ51,52の送信区間でのみセンサ信号処理回路131,132からの計測用信号を取り込まないようにすることで、電力消費を抑えることができる。
この場合には、切り替えスイッチ回路115の可動端子cによる一方の出力端子aとの切り替え制御は、前述したスイッチ回路111に対応する充電路開閉手段を構成し、切り替えスイッチ回路115の可動端子cによる他方の出力端子bとの切り替え制御は、前述したスイッチ回路113に対応する計測路開閉手段を構成する。また、切り替えスイッチ回路116の可動端子cによる一方の出力端子aとの切り替え制御は、前述したスイッチ回路111に対応する充電路開閉手段を構成し、切り替えスイッチ回路116の可動端子cによる他方の出力端子bとの切り替え制御は、前述したスイッチ回路114に対応する計測路開閉手段を構成する。
なお、以上の実施形態では、無線センサ端末10は、配電盤内に設けられる場合として説明したが、複数個の電流センサを別々の電線に取り付けることができる場合であれば、無線センサ端末10は、配電盤内に設けられる場合に限らないことは言うまでもない。
10…無線センサ端末、10U…無線送信ユニット、41,42,・・・…電線、51,52,・・・電流センサ…、61…温度センサ、62…湿度センサ、101,102…整流回路、111〜114…スイッチ回路、120…電源処理回路、140…制御回路、150…無線送信処理回路、210…加算回路、220…充電式電池

Claims (8)

  1. 複数本の異なる電線のそれぞれを流れる交流電流に基づく電磁誘導電流を検出して出力する複数個の電流センサと、前記電流センサの出力から前記電線に流れる電流を計測して無線送信する無線送信ユニットとを具備する無線センサ端末であって、
    前記無線送信ユニットは、
    前記複数個の電流センサの出力電流のそれぞれを整流する複数個の整流回路と、
    前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれから求められた前記電線に流れる電流の計測値情報を無線送信する無線送信処理回路と、
    前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれを、別々の充電路開閉手段を通じて受ける電源処理回路と、
    前記無線送信処理回路及び前記別々の充電路開閉手段のそれぞれを制御するための制御回路と、
    を備え、
    前記電源処理回路は、
    充電式の蓄電手段と、
    前記別々の充電路開閉手段を通じて供給されてくる前記複数個の整流回路の出力電流を加算して、前記蓄電手段に、充電電流として供給する加算回路と、
    前記蓄電手段の出力電圧に基づく電源電圧を出力する電源電圧出力回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記電源電圧出力回路から出力された前記電源電圧を監視し、前記電源電圧が所定の電圧値以上であるときには、予め定められている所定の間欠的な送信期間において、前記無線送信処理回路を動作させて前記無線送信を実行すると共に、前記無線送信する前記電流センサの出力電流を整流する整流回路に接続されている前記充電路開閉手段を、前記整流回路の出力電流の前記電源処理回路への供給を遮断する状態にし、前記間欠的な送信期間以外では、前記別々の充電路開閉手段の全てを、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態とするように制御する
    ことを特徴とする無線センサ端末。
  2. 前記複数個の整流回路の出力電流のそれぞれを、別々の計測路開閉手段を通じて受けて、前記電線に流れる電流を計測する計測回路を備え、
    前記無線送信処理回路は、前記計測回路で計測して生成した計測値情報を無線送信し、
    前記制御回路は、前記所定の間欠的な送信期間でのみ、前記別々の計測路開閉手段のそれぞれを、前記整流回路の出力電流を前記計測回路へ供給する状態として、前記計測回路で前記電線に流れる電流を計測するように制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線センサ端末。
  3. 前記制御回路は、
    前記電源電圧が所定の電圧よりも低くなったときには、前記無線送信処理回路を用いた前記無線送信を停止すると共に、前記別々の充電路開閉手段の全てを、常時、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態とするように制御する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線センサ端末。
  4. 前記電流センサに加えて、所定の発電方式の発電モジュールを具備し、
    前記無線送信ユニットは、前記発電モジュールからの電流を、前記電源処理回路の前記加算回路で前記複数個の整流回路の出力電流に加算して、前記蓄電手段に、充電電流として供給する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無線センサ端末。
  5. 無線受信回路を備えず、前記無線送信のみを行う
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無線センサ端末。
  6. 前記電流センサに加えて、前記電流センサ以外の他の種別のセンサを具備し、
    前記無線送信ユニットは、前記他の種別のセンサのセンサ出力を、前記他の種別のセンサに対応して定められた所定の間欠的な送信期間で取り込み、前記無線送信処理回路により無線送信する処理回路を備え、
    前記制御回路は、
    前記電源電圧が所定の電圧以上であるときには、前記他の種別のセンサに対応して定められた前記所定の間欠的な送信期間において、前記無線送信処理回路を動作させて無線送信を実行すると共に、前記充電路開閉手段は、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態のままとする
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無線センサ端末。
  7. 前記蓄電手段は、充電式電池からなり、
    前記制御回路は、前記電源電圧が、前記所定の電圧よりも高い前記充電式電池の満充電に対応する電圧以上となった時に、前記別々の充電路開閉手段を、前記整流回路の出力電流の前記電源処理回路への供給を遮断する状態にし、かつ、前記電源電圧が、前記所定の電圧よりも高いが、前記充電式電池の満充電に対応する電圧よりも低い所定の電圧以下となった時に、前記別々の充電路開閉回路を、前記整流回路の出力電流を前記電源処理回路へ供給する状態に復帰させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無線センサ端末。
  8. 前記蓄電手段は、充電式電池からなり、
    前記電源処理回路は、前記電源電圧出力回路の出力側に、キャパシタを備える
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の無線センサ端末。
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