JP5754525B2 - 振動片、振動子、発振器、及び電子機器 - Google Patents
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詳述すると、圧電振動片は、屈曲振動による弾性変形に伴い、収縮する面の温度が上昇し、伸張する面の温度が下降することによって内部に温度差が生じる。これにより、圧電振動片には、この温度差を熱伝導(熱移動)により解消する(温度平衡状態になる)までの所要時間(緩和時間)に反比例する緩和振動と呼ばれる振動が発生する。
圧電振動片は、小型化していくと、この緩和振動の周波数と本来の屈曲振動の周波数とが近づくことから、Q値が小さくなり本来の屈曲振動が阻害される現象が生じる。
この現象は、熱弾性損失や熱弾性効果などと呼ばれ、この改善策として特許文献1では、圧電振動片の矩形状断面に溝または貫通孔を形成し、収縮する面から伸張する面への熱移動を抑制することにより、熱弾性損失に起因するQ値の低下の抑制を図っている。
また、圧電振動片は、特許文献1のように振動腕部に断面形状がH型の溝(以下、溝部という)を設けても、収縮する面から伸張する面への熱移動の抑制が不十分であることから、熱弾性損失に起因するQ値の低下の抑制に改善の余地がある。
本発明のある形態に係る振動片は、一方の主面と、前記一方の主面と反対の他方の主面と、を含む振動片であって、基部と、前記基部から延在し屈曲振動する第1振動腕部と、
前記第1振動腕部と並んで配置され、前記基部から延在し屈曲振動する第2振動腕部と、を備え、前記第1振動腕部の前記一方の主面には、前記第1振動腕部の延在方向に沿って設けられた第1溝部を有し、前記第1振動腕部の前記他方の主面には、平面視で前記第1溝部より前記第2振動腕側に位置し前記第1振動腕部の前記延在方向と直交する方向に前記第1溝部と並んで設けられた第2溝部を有し、前記第2振動腕部の前記一方の主面には、前記第2振動腕部の延在方向に沿って設けられた第3溝部を有し、前記第2振動腕部の前記他方の主面には、平面視で前記第3溝部より前記第1振動腕側に位置し前記第2振動腕部の前記延在方向と直交する第4方向に前記第3溝部と並んで設けられた第4溝部を有し、前記第1溝部の深さと前記第2溝部の深さとの和が、前記第1振動腕部の前記一方の主面と前記他方の主面との間の距離よりも大きく、前記第3溝部の深さと前記第4溝部の深さとの和が、前記第2振動腕部の前記一方の主面と前記他方の主面との間の距離よりも大きいことを特徴とする。
そして、圧電振動片は、第1溝部の深さと第2溝部の深さとの和、及び第3溝部の深さと第4溝部の深さとの和が、一方の主面と他方の主面との間の距離よりも大きい。
この結果、圧電振動片は、緩和振動の周波数を本来の屈曲振動の周波数から遠ざけられることから、熱弾性損失に起因するQ値の低下を抑制できる。したがって、圧電振動片は、さらなる小型化を図ることができる。
これにより、圧電振動片は、このままでは振動腕部における質量の不均衡が生じ、屈曲振動が一方の主面に沿った本来の屈曲振動成分と、一方の主面と他方の主面とを結ぶ方向である厚み方向に振動する面外振動成分とが合成された振動となる。
この結果、圧電振動片は、屈曲振動の振動方向が、規定された振動方向に沿わなくなることから、振動エネルギーの損失が生じて屈曲振動の効率が低下することになる。
このとき、圧電振動片は、第3溝部及び第4溝部を含む断面形状が、第1溝部及び第2溝部を含む断面形状を反転させた形状となっていることから、第3溝部及び第4溝部に起因する面外振動成分の方向と、第1溝部及び第2溝部に起因する面外振動成分の方向とが逆方向になる。
この結果、圧電振動片は、第1溝部及び第2溝部に起因する面外振動成分と第3溝部及び第4溝部に起因する面外振動成分とが相殺されることから、全体としての屈曲振動の振動方向が、規定された振動方向である一方の主面に沿った方向に近づくことになる。
これにより、圧電振動片は、振動エネルギーの損失が抑制されることから、屈曲振動の効率が向上する。
そして、振動片は、第1溝部の深さと第2溝部の深さとの和、及び第3溝部の深さと第4溝部の深さとの和が、一方の主面と他方の主面との間の距離よりも大きい。
この結果、振動片は、緩和振動の周波数を本来の屈曲振動の周波数から遠ざけられることから、熱弾性損失に起因するQ値の低下を抑制できる。したがって、振動片は、さらなる小型化を図ることができる。
これにより、振動片は、このままでは振動腕部における質量の不均衡が生じ、屈曲振動が一方の主面に沿った本来の屈曲振動成分と、一方の主面と他方の主面とを結ぶ方向である厚み方向に振動する面外振動成分とが合成された振動となる。
この結果、振動片は、屈曲振動の振動方向が、規定された振動方向に沿わなくなることから、振動エネルギーの損失が生じて屈曲振動の効率が低下することになる。
このとき、振動片は、第3溝部及び第4溝部を含む断面形状が、第1溝部及び第2溝部を含む断面形状を反転させた形状となっていることから、第3溝部及び第4溝部に起因する面外振動成分の方向と、第1溝部及び第2溝部に起因する面外振動成分の方向とが逆方向になる。
この結果、振動片は、第1溝部及び第2溝部に起因する面外振動成分と第3溝部及び第4溝部に起因する面外振動成分とが相殺されることから、全体としての屈曲振動の振動方向が、規定された振動方向である一方の主面に沿った方向に近づくことになる。
これにより、振動片は、振動エネルギーの損失が抑制されることから、屈曲振動の効率が向上する。
この結果、振動片は、振動エネルギーの損失がより抑制されることから、屈曲振動の効率がより向上する。
なお、S:RS=1:(2.2〜2.8)は、発明者らがシミュレーション及び実験により導出した知見である。
この結果、振動片は、振動エネルギーの損失がより抑制されることから、屈曲振動の効率がより向上する。
なお、8.8992×(L/A)2−3.3784×(L/A)+1.746≦RS/S≦1.3102×(L/A)2+3.3784×(L/A)+0.854は、発明者らがシミュレーション及び実験により導出した知見である。
この結果、振動片は、振動エネルギーの損失がさらに抑制されることから、屈曲振動の効率がさらに向上する。
なお、RS/S=5.1047×(L/A)2−9×10-14×(L/A)+1.3は、発明者らがシミュレーション及び実験により導出した知見である。
なお、第1の実施形態では、振動片として圧電体の一種である水晶を含んでなる水晶振動片を一例に挙げて説明する。そして、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態では、この水晶振動片を用いた振動子、発振器、及び電子機器として、水晶振動子、水晶発振器、及び携帯電話を例に挙げて説明する。
また、以下の実施形態では、図示したZ軸が結晶Z軸に対して1度から5度程度傾斜し、その傾斜に伴いZ軸とX軸とで規定される平面が傾斜して形成されてもよいものとする。
図1は、第1の実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式斜視図である。図2は、図1の模式平面図である。図3は、図2の模式断面図であって、図3(a)は、図2のB−B線での断面図兼配線図であり、図3(b)は、図2のC−C線での断面図兼配線図である。なお、図1、図2では、便宜的に電極類を省略してある。
水晶振動片1は、基部10と一対の振動腕部20,21とで音叉を構成している。
一対の振動腕部20,21は、角柱状に形成され、基部10の一端側からY軸方向(第1方向)に互いに平行に延在している。
なお、基部10及び振動腕部20,21は、水晶の原石などから切り出された後、所定の厚みの平板状に研磨され、エッチングなどにより個別の音叉形状に形成される。
さらに、振動腕部20,21は、他方の主面26,27に、平面視で第1方向に沿って第1溝部24,25と並んで設けられ、且つ、第1溝部24,25より基部10側に設けられた第3溝部24’,25’を有し、一方の主面22,23に、平面視で第1方向に沿って第2溝部28,29と並んで設けられ、且つ、第2溝部28,29より基部10側に設けられた第4溝部28’,29’を有している。
なお、振動腕部20,21の一方の主面22,23は、基部10の一方の主面11と一体化され、他方の主面26,27は、基部10の他方の主面12と一体化されている。
そして、図2に示すように、第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’と、第1溝部24,25及び第2溝部28,29との間には、所定の間隔Gが設けられている。
図2に示すように、水晶振動片1は、第1溝部24,25及び第2溝部28,29の延在方向(第1方向)の長さをRS、第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’の延在方向(第1方向)の長さをSとしたときに、S:RS=1:(2.2〜2.8)であることが好ましく、S:RS=1:2.5であることがより好ましい(詳細後述)。
なお、第1溝部24,25及び第2溝部28,29並びに第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’は、エッチング、サンドブラストなどにより形成される。
詳述すると、振動腕部20において、励振電極30は、一方の主面22と他方の主面26とを繋ぐ一方の面20cと、一方の主面22と他方の主面26とを繋ぐ他方の面20dとに設けられている。
また、励振電極31は、第1溝部24における一方の面20c側の面24bと、第2溝部28における他方の面20d側の面28bと、第3溝部24’における一方の面20c側の面24b’と、第4溝部28’における他方の面20d側の面28b’とに設けられている。
また、励振電極30は、第1溝部25における一方の面21c側の面25bと、第2溝部29における他方の面21d側の面29bと、第3溝部25’における一方の面21c側の面25b’と、第4溝部29’における他方の面21d側の面29b’とに設けられている。
励振電極30と励振電極31との間には、交流電荷が印加される構成となっている。
なお、励振電極30,31は、Cr、Niなどの下地層とAu、Agなどの電極層とを備えている。各層は蒸着、スパッタなどにより形成されている。
水晶振動片1の振動腕部20,21は、励振電極30,31間に駆動信号として交流電荷が印加されると、図1に示すように、X軸方向に略沿った矢印D方向及び矢印E方向に交互に変位する屈曲振動を行う。
一方、励振電極30にマイナス電荷を印加し、励振電極31にプラス電荷を印加すると、一方の面20c,21cがY軸方向に伸張し、他方の面20d,21dがY軸方向に収縮する。これにより、振動腕部20,21は、矢印E方向に変位する。
水晶振動片1の振動腕部20,21は、矢印D方向と矢印E方向との変位を交互に繰り返すことにより、一方の面20c,21cと他方の面20d,21dとが交互に伸縮する。
熱移動の距離について詳述すると、振動腕部20においては、一方の面20cの第1溝部24の開口側の一端から、断面形状に沿って他方の面20dの第2溝部28の開口側の一端までの距離であり、振動腕部21においては、一方の面21cの第1溝部25の開口側の一端から、断面形状に沿って他方の面21dの第2溝部29の開口側の一端までの距離である。
水晶振動片1は、熱移動の距離が従来(H型の溝部)より長くなることから、温度平衡状態になるまでの緩和時間τが従来(H型の溝部)より長くなる。この結果、水晶振動片1は、緩和振動の周波数(緩和振動周波数)f0が本来の屈曲振動の周波数fから遠ざかることになる。
f0=πk/(2ρCpa2) …(1)
ここで、πは円周率、kは振動腕部の振動方向(屈曲振動方向)の熱伝導率、ρは振動腕部の質量密度、Cpは振動腕部の熱容量、aは振動腕部の振動方向(屈曲振動方向)の幅である。
式(1)の熱伝導率k、質量密度ρ、熱容量Cpに振動腕部の材料そのものの定数を入力した場合、求まる緩和振動周波数f0は、溝部を設けていない場合の振動腕部の緩和振動周波数となる。
図4において、三角のマーカーは、図3に示した振動腕部の断面形状の場合のプロット、黒塗りの四角のマーカーは、振動腕部の両主面に溝部を設けることで振動腕部の断面形状を「H」にしたH型の場合のプロット、白抜きの菱形のマーカーは、振動腕部のいずれの主面にも溝部を設けていない平板の場合のプロットである。また、太い実線は三角マーカーの値の近似直線、破線は四角マーカー間の補間直線、一点鎖線は菱形マーカー間の補間直線である。
図4に示すように、屈曲振動片においては、振動腕部の断面形状を図3に示した形状にして、f/fmを0.09より大きい値とすることで、H型の場合よりも高いQ値を得られることが明らかとなった。
さらに、上記屈曲振動片(水晶振動片1に相当)は、f/fmを0.25より大きい値とすることで、H型及び平板のいずれの場合よりも高いQ値を得ることができ、f/fmを1より大きくすれば、H型及び平板のいずれの場合よりも格段に高いQ値を得ることができる。
このとき、変位成分Uzと変位成分U1zとは、同一方向の変位成分となる。
なお、図3(a)では、便宜的に屈曲振動の一方の方向(図1の矢印D方向相当)の変位U,U1について示しているが反対方向(図1の矢印E方向相当)の変位についても同様である。
これにより、水晶振動片1は、第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’において、屈曲振動の変位U’,U1’が、上記と同様に一方の主面22,23に沿った本来の屈曲振動の変位成分Ux’,U1x’と、Z軸方向に振動する面外振動の変位成分Uz’,U1z’とが合成された変位となる。
これにより、水晶振動片1は、Z軸方向のモーメントが低減することによって、振動エネルギーの損失が抑制されることから、屈曲振動の効率が向上する。
図5は、第1溝部24,25及び第2溝部28,29の延在方向の長さRSと第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’の延在方向の長さSとの比(以下、単にRS/Sともいう)と、水晶振動片1全体としての屈曲振動における面外振動(Z軸方向の振動)の変位成分UZと、本来の規定された振動方向としてのX軸方向の変位成分UXとの比(以下、単にUZ/UXともいう)との相関関係を示すグラフである。
なお、図5、図6は、発明者らがシミュレーション及び実験により導出したデータに基づいている。
さらに、水晶振動片1は、RS/S=2.5、つまりS:RS=1:2.5であるときに、UZ/UXが略0となることから、振動漏れΔfの値が最も小さくなる(略0ppm)。
なお、UZ/UXのマイナス符号は、面外振動の変位方向が逆になる(Z軸のプラス方向からZ軸のマイナス方向になる)ことを表している。
さらに、水晶振動片1は、RS/S=5.1047×(L/A)2−9×10-14×(L/A)+1.3(紙面中央のライン)であるときに、UZ/UXが略0となることから、振動漏れΔfの値が最も小さくなる(略0ppm)。
’)>20a、(25a’+29a’)>21a)。
この結果、水晶振動片1は、緩和振動周波数f0を本来の屈曲振動の周波数fから遠ざけられることから、熱弾性損失に起因するQ値の低下を抑制できる。したがって、水晶振動片1は、さらなる小型化を図ることができる。
このことから、水晶振動片1は、屈曲振動における第1溝部24,25及び第2溝部28,29に起因する面外振動の変位成分Uz,U1zの方向と、第3溝部24’,25’及び第4溝部28’,29’に起因する面外振動の変位成分Uz’,U1z’の方向とが逆方向になる。
これにより、水晶振動片1は、屈曲振動における振動エネルギーの損失が抑制されることから、CI(クリスタルインピーダンス)値などが低下し、屈曲振動の効率が向上する。
この結果、水晶振動片1は、UZ/UXが小さくなることから、振動エネルギーの損失としての振動漏れΔfの値がより小さくなり(約500ppm以下)、屈曲振動の効率がより向上する。
この結果、水晶振動片1は、UZ/UXが略0となることから、振動漏れΔfの値が極小(略0ppm)となり、屈曲振動の効率がさらに向上する。
この結果、水晶振動片1は、UZ/UXが小さくなることから、振動漏れΔfの値がより小さくなり(約500ppm以下)、屈曲振動の効率がより向上する。
この結果、水晶振動片1は、UZ/UXが略0となることから、振動漏れΔfの値が極小(略0ppm)となり、屈曲振動の効率がさらに向上する。
以下、第1の実施形態の水晶振動片の変形例について説明する。
図7は、第1の実施形態の変形例の水晶振動片を示す模式平面図である。なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
水晶振動片101は、この配列において、第1の実施形態と同様の作用により第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
以下、第2の実施形態の振動子としての水晶振動子を一例に挙げて説明する。
図8は、第2の実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式平面図である。図9は、図8のJ−J線での模式断面図である。なお、図8では便宜的に蓋体を省略してある。
また、第1の実施形態との共通部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図8、図9に示すように、水晶振動子80は、パッケージ51内に水晶振動片1を収納している。具体的には、水晶振動子80は、図9に示すように、第1基板54と、この第1基板54に積層された第2基板55と第3基板56とを含むパッケージ51の内部空間Sに水晶振動片1を収納している。
水晶振動子80は、導電性接着剤53などを用いて水晶振動片1の図示しない固定電極が電極部52に固定され、固定電極を介して励振電極30,31(図3参照)と電極部52とが電気的に接続されている。なお、導電性接着剤53としては、所定の合成樹脂からなるバインダー成分に、銀粒子などの導電粒子を添加したものを使用することができる。
本実施形態では、例えば、セラミックのグリーンシートが用いられている。グリーンシートは、例えば、所定の溶液中にセラミックパウダーを分散させ、バインダーを添加して生成される混練物を長尺のシート状に成形し、これを所定の長さにカットして得られるものである。
第3基板56には、セラミックやガラスあるいはコバールなどの金属で形成された蓋体57が、コバールリング、低融点ガラスなどの接合材58を介して接合されている。これにより、パッケージ51の内部空間Sは、気密に封止されている。
電極部52は、図示しない導電パターンにより、パッケージ51の外底面に形成された実装端子59と電気的に接続されている。
これにより、水晶振動片1は、図1に示すような屈曲振動を行う。
なお、水晶振動子80は、水晶振動片1に代えて、第1の実施形態の変形例の水晶振動片101を用いても、第1の実施形態と同様の効果を奏する振動子を提供できる。
以下、第3の実施形態の発振器としての水晶発振器を一例に挙げて説明する。
図10は、第3の実施形態の水晶発振器の概略構成を示す模式断面図である。
第3の実施形態の水晶発振器90は、第1の実施形態または第1の実施形態の変形例の水晶振動片を用いた水晶発振器である。ここでは、第1の実施形態の水晶振動片1を用いて説明する。なお、第3の実施形態の水晶発振器90は、第2の実施形態の水晶振動子80に、水晶振動片1を駆動させる回路素子としてのICチップ87を備えたものである。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態との共通部分には、同一符号を付し説明を省略する。
発振回路を内蔵するICチップ87は、パッケージ51の内部空間Sに収納され、第1基板54上面に接着剤などを用いて固定されている。そして、ICチップ87の上面には、AuなどからなるIC接続パッド82が形成されている。
内部接続端子89は、図示しない導電パターンを経由して、パッケージ51の外底面に形成された実装端子59や電極部52に接続されている。なお、ICチップ87と内部接続端子89との接続には、金属ワイヤー88による接続方法以外に、フリップチップ実装による接続方法などを用いてもよい。
なお、パッケージ51の内部空間Sは、気密に封止されている。
これにより、水晶振動片1は、図1に示すような屈曲振動を行う。水晶発振器90は、この屈曲振動によって得られる発振信号をICチップ87、実装端子59を介して外部に出力する。
なお、水晶発振器90は、水晶振動片1に代えて、第1の実施形態の変形例の水晶振動片101を用いても、第1の実施形態と同様の効果を奏する発振器を提供できる。
なお、水晶発振器90は、ICチップ87がパッケージ51の外部に取り付けられている構成(モジュール構造)としてもよい。
以下、第4の実施形態の電子機器としての携帯電話を一例に挙げて説明する。
図11は、第4の実施形態の携帯電話を示す模式斜視図である。
第4の実施形態の携帯電話700は、第1の実施形態または第1の実施形態の変形例の水晶振動片を用いた携帯電話である。
図11に示す携帯電話700は、上述した水晶振動片1(101)を、例えば、基準クロック発振源として用い、更に液晶表示装置701、複数の操作ボタン702、受話口703、及び送話口704を備えて構成されている。
Claims (5)
- 一方の主面と、前記一方の主面と反対の他方の主面と、を含む振動片であって、
基部と、
前記基部から延在し屈曲振動する第1振動腕部と、
前記第1振動腕部と並んで配置され、前記基部から延在し屈曲振動する第2振動腕部と、
を備え、
前記第1振動腕部の前記一方の主面には、前記第1振動腕部の延在方向に沿って設けられた第1溝部を有し、
前記第1振動腕部の前記他方の主面には、平面視で前記第1溝部より前記第2振動腕側に位置し前記第1振動腕部の前記延在方向と直交する方向に前記第1溝部と並んで設けられた第2溝部を有し、
前記第2振動腕部の前記一方の主面には、前記第2振動腕部の延在方向に沿って設けられた第3溝部を有し、
前記第2振動腕部の前記他方の主面には、平面視で前記第3溝部より前記第1振動腕側に位置し前記第2振動腕部の前記延在方向と直交する第4方向に前記第3溝部と並んで設けられた第4溝部を有し、
前記第1溝部の深さと前記第2溝部の深さとの和が、前記第1振動腕部の前記一方の主面と前記他方の主面との間の距離よりも大きく、
前記第3溝部の深さと前記第4溝部の深さとの和が、前記第2振動腕部の前記一方の主面と前記他方の主面との間の距離よりも大きいことを特徴とする振動片。 - 請求項1に記載の振動片において、前記振動片は、水晶を含んでなることを特徴とする振動片。
- 請求項1または2に記載の振動片を用いた振動子であって、
前記振動片と、
前記振動片を収納したパッケージと、を備えたことを特徴とする振動子。 - 請求項1または2に記載の振動片を用いた発振器であって、
前記振動片と、
前記振動片を駆動させる回路素子と、を備えたことを特徴とする発振器。 - 請求項1または2に記載の振動片を用いたことを特徴とする電子機器。
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