JP5747069B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関する。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
このような遊技球の遊技に伴う各種の演出として、従来から種々の構成・態様が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術においては、主制御用CPUがクロックを参照し、クロックが計時している現在時刻が、パチンコ機が設置されている遊技店の開店時刻から1時間以下であるか否かを判定する。ここで、1時間以下であると判定した場合は、開店時刻から1時間以下である、つまり、現在が特定時間内であることを示す特定時間フラグをオンする。これにより、演出表示装置によってプレミアムリーチパターンが表示される可能性が出るため、そのプレミアムリーチパターンを見たい遊技者の来店数を増やすことができる構成が開示されている。
特開2012−81188号公報
ここで、遊技機が他の隣接する遊技機と整合性の取れた同期演出を行うことで、遊技者を楽しませることができる。そのため、遊技者が面白さを感じるような同期演出を実行する遊技機を開発することが好ましい。
本発明は、遊技の進行に応じて行われる演出とは別に実行される特定演出の内容を、所定期間に行われた遊技に応じて変化させ、遊技機の興趣性を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段301を備える遊技機100であって、所定の判定条件を満足したことを契機として、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段200と、始動信号を基に所定の図柄変動を行うとともに、前記判定手段200による前記判定の結果が反映される第1演出を表示制御する第1演出制御手段301と、時間情報を提供する提供手段304と、前記提供手段304により提供される時間情報を基に前記演出制御手段301により、前記判定手段200による前記判定の結果が反映されない第2演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段301と、前記判断手段301により許可された場合に前記第2演出を表示制御する第2演出制御手段301と、前記第1演出および前記第2演出とは異なる演出ゲームを実行するとともに、前記判定手段200による前記判定の結果が反映されない第3演出を表示制御する第3演出制御手段301と備え、前記第3演出制御手段301は、前記第2演出が実行されることを契機として前記第3演出を実行するとともに、前記第3演出において複数の選択肢の中から少なくとも1つを選択した状態を表示する選択表示をし、当該選択表示後の演出を当該選択された選択肢を基に変更可能であることを特徴とする。
また、他の観点から捉えると、この遊技機100は、遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段301を備える遊技機100であって、始動信号を基に所定の図柄変動を行う第1演出を表示制御する第1演出制御手段301と、時間情報を提供する提供手段304と、前記提供手段304により提供される時間情報を基に前記演出制御手段301による第2演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段301と、前記判断手段301により許可された場合に前記第2演出を表示制御する第2演出制御手段301と、前記第1演出および前記第2演出とは別の第3演出を表示制御する第3演出制御手段301と、前記第2演出が実行される前までに行われた遊技に関する情報を取得する取得手段300と、遊技者の操作を検出する検出手段300とを備え、前記第3演出制御手段301は、前記検出手段が遊技者の操作を検出したことを契機として、前記第3演出を開始するとともに、前記取得手段300によって取得される前記遊技に関する情報を基に当該第3演出が遊技者にとって有利な条件で行われるか否かを判断することを特徴とする。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、本発明は、遊技の進行に応じて行われる演出とは別に実行される特定演出の内容を、所定期間に行われた遊技に応じて変化させ、遊技機の興趣性を向上させることができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図19の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図19の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 同期演出実行部の構成を説明するブロック図である。 同期演出のタイムテーブルを説明する図である。 同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。 (a)および(b)は、カプセル抽選ゲームにおける抽選確率の具体例を説明するための図である。 (a)は同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行う場合のタイムテーブルを説明する図であり、(b)は同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行わない場合のタイムテーブルを説明する図である。 (a)乃至(g)は、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。 (a)乃至(c)は、カプセル抽選ゲームで獲得されるアイテム毎の画面構成を説明する図である。 (a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。 同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。 (a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてルーレットゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。 (a)はルーレットが停止した画面構成を説明する図であり、(b)はコインが増減する画面構成を説明する図である。 (a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてルーレットゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。 同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。 (a)は同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行う場合のタイムテーブルを説明する図であり、(b)は同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行わない場合のタイムテーブを説明する図である。 (a)乃至(j)は、同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。 (a)乃至(h)は、同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。 (a)乃至(d)は、楽曲公演およびカプセル抽選ゲームを実行する時期に関する変形例のタイムテーブルを説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
通常の確率で大当たり抽選を行う低確率状態と、低確率状態よりも高い確率で大当たり抽選を行う高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたはすべての組合せによって制御される。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを言う。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たりが有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが例えば15回繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が15回行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図4を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図2の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図2のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
ステップ704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、ステップ703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップ816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をステップ808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップ813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数値およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップ1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。また、遊技制御部200は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄変動制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄変動制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄変動制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄変動制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では1009)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ811)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップ1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ814)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
詳述しないが、ステップ2104における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図18のステップ1801において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
この後、演出制御部300は、図18(b)のコマンド送信処理(ステップ1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔同期演出モード〕
次に、パチンコ遊技機100が他のパチンコ遊技機100と同期して所定の演出(同期演出)を行う同期演出モードについて説明する。このような同期演出モードは、複数のパチンコ遊技機100の間で整合性の取れた同期演出を実行するものである。さらに説明すると、同期演出モードは、遊技球の入賞により始動する特別図柄抽選や遊技球の通過により始動する普通図柄抽選の結果にかかわらず、予め定められた時間ないし時刻が到来することで移行するものである。
このように、同期演出モードへの移行による同期演出は予め定められた時間の到来を契機に行われるものであり、同期演出モードを持つ他のパチンコ遊技機100と同時期に同期演出モードへ移行することになる。
同期演出は、RTC304により提供される時間情報を基に実行が許可されるか否かが判断される演出であり、特定演出の一例である。
なお、以下、パチンコ遊技機100を遊技台ということがある。そして、同期演出を実行させる遊技台ないし同期演出モードを持つ遊技台を、同期演出実行台ということがあり、また、同期演出を実行しない遊技台ないし同期演出モードを持たない遊技台を、同期演出非実行台ということがある。
〔同期演出実行部10について〕
パチンコ遊技機100にて同期演出を実行する機能を担う同期演出実行部10の構成について説明する。
図27は、同期演出実行部10の構成を説明するブロック図である。
図27に示すように、同期演出実行部10は、演出制御部300の演算装置としてのシステム制御CPUとも言える既述のCPU301と、CPU301で同期演出を制御するプログラムや各種データを記憶し、プログラム等を要求に応じてCPU301に送る既述のROM302と、CPU301で同期演出を制御する際にCPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303とを含めて構成されている。
なお、同期演出実行部10のCPU301がROM302に格納されるプログラムを読み込んで実現する機能を、不図示の基板や不図示のASIC(Application Specific IC。特定用途向け集積回路)等を追加することで実現する変形例も考えられる。そのような機能としては、例えば、後述する同期演出用入力設定処理(図37参照)を行う基板やASICである。
また、同期演出実行部10は、同期演出として実行される画像を表示する既述の画像表示部114および音響を出力する既述のスピーカ156と、要求に応じてCPU301に時間情報を提供する既述のRTC304と、を含めて構成されている。
なお、画像表示部114およびスピーカ156は、画像/音響制御部310を介して制御される(図3参照)。
ここで、同期演出実行部10の一部を構成するRTC304について詳述する。
RTC304は、振動子から出力された信号を増幅して出力する発振部(不図示)と、発振部から出力された信号に基づいて日時情報を生成する計時部(不図示)と、外部からの入力および外部への出力を行う入出力インターフェースとして機能する入出力部(不図示)と、を備えている。
また、RTC304は、電力供給(バックアップ電源供給)を受けることでデータないし情報を保持するRAM305と、RAM305を含むRTC内部の各部に電力を常時供給する電池(BATT)306と、を備えている。このため、RTC304では、例えば主電源スイッチのオフ時や停電時にも、発振部(不図示)や計時部(不図示)が作動し、また、RAM305がデータないし情報を保持し続けることができる。
また、RTC304は、入出力部(不図示)を介して外部から入力されるイベント検出信号を検出すると、検出時に計時部(不図示)が生成した日時情報をRAM305に記憶させる制御部(不図示)と、を備えている。この制御部は、入出力部(不図示)を介して外部に出力したり、入出力部を介して外部からなされる指示に従って時刻合わせを行ったりする。
RTC304の外部に出力される日時情報は、コマンドラインを介してCPU301に送信される。すなわち、RTC304は、要求に応じて、時間情報、時刻情報ないし日時情報として「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」をCPU301に提供する。また、RTC304は、「曜日」を日時情報としてCPU301に提供する。
なお、電源投入時には、RTC304は、現在時刻の読み込み、管理領域の読み込みおよび汎用領域(RAM305)の読み込みおよび複合化を行い、RAMチェックを行った後に通常制御に移行する。
同期演出実行部10において、CPU301は、RTC304からの時間情報を基に予め定められた時間ないし時刻が到来したことを判定し、到来したと判定すると同期演出モードへ移行させる。このような同期演出実行部10を搭載した複数のパチンコ遊技機100を互いに並べて配置することで、予め定められた時間ないし時刻の到来を契機に同期演出モードへの移行が一斉に行われる。すなわち、複数のパチンコ遊技機100が演出制御に関して同時に作動して同期演出モードに移行する。
同期演出モードでは、複数のパチンコ遊技機100の各々が相互に情報のやり取りを何ら行うことはないものの、あたかも複数のパチンコ遊技機100が連携しているような印象を受ける演出を行う。
より詳細には、同期演出モードへ移行すると、複数のパチンコ遊技機100の各々が備えるCPU301は、個別に予め設定された内容に基づいて同期演出の制御を行う。すなわち、同期演出モードへの移行後の制御は、同期演出モード移行前に事前の入力済み情報から作成された設定内容を基に行われるものであり、例えばパチンコ遊技機100の外部とオンライン接続した状態で入力される外部からの信号を基に行われるものではない。付言すると、このような外部からの信号を取得して演出を制御する構成は、遊技機の仕様を拘束する規則で認められておらず、実現するのは難しい。このため、本実施の形態では、パチンコ遊技機100の単体で同期演出の制御を行う。
さらに説明すると、予め作成される設定内容は、例えば他のパチンコ遊技機100における位置に基づく所定のタイミングで所定の同期演出内容を開始したり終了したりする制御の際に用いられるものである。
そして、同期演出モード移行前に事前入力される情報は、通信により外部から取得されるものではなく(非通信)、同期演出実行部10が備える入力操作部を介してパチンコ遊技機100の自身に対して入力されることで取得する。本実施の形態では、同期演出実行部10が備える入力操作部としては、既述の演出ボタン161および演出キー162を含めて構成される。
入力操作部を介する入力は、製品納品後にホール店にて行われるほか、製品出荷前にメーカにて行われることが考えられる。また、ホール店での入力操作は、例えばホール関係者やメーカ担当者、遊技者により行われることが考えられる。
なお、入力操作部として、入力設定に用いられるタッチパネル(不図示)を含めて構成する変形例も考えられる。
ここにいう事前入力される情報としては、ホール店にて複数のパチンコ遊技機100が並べられる島設備(遊技島)におけるパチンコ遊技機100の並び方(並び)を示す並び情報(全体位置情報、レイアウト情報、島設備レイアウト情報)と、自身が並べられる島設備における自身の位置を示す位置情報(自身の相対位置情報、設置位置情報)と、を含むものである。なお、このような並び情報および位置情報をまとめて、設置場所情報ということもできる。
さらに説明すると、並び情報には、ホール店での複数の島設備についての情報を含み得る。すなわち、並び情報として、自身が並べられる島設備についての情報および自身が並べられていない他の島設備についての情報が含まれる場合がある。また、並び情報として、自身が並べられる島設備の情報のみが含まれ、自身が並べられていない他の島設備についての情報が含まれない場合もある。
同期演出実行部10による同期演出モードへの移行タイミングについて説明する。このようなタイミングとしては、同期演出モードに移行する契機となる時間的条件を満たしたか否かを判断し、満たしたとの判断結果を行った場合である。そして、かかる時間的条件としては、RTC304から提供される時刻情報により、予め定められた時刻が到来したこと(RTCモード)とするほか、同期演出実行台への給電開始時からの経過時間が予め定められた時間になったこと(電源時間モード)を挙げることができる。
さらに説明すると、前者では、機械トラブル等によってある1台の遊技機の電源スイッチをOFFにしても、遊技台の電源電圧とは関係なく時刻情報を提供するので、複数の遊技台において、互いに同じタイミングで時間を計時することができる。その反面、RTC304の個体差による時刻のズレが生じてしまうというおそれがある。
また、後者では、複数の遊技台への電源供給を一斉に開始する給電構造を採用することで、複数の遊技台で正確に互いに同じタイミングで特定の時間を計時することができる。その反面、例えば機械トラブル等が原因で遊技台の一台に対する電源供給が停止されると、その遊技台での計時結果にズレが生じてしまうというおそれがある。
したがって、各ホール店の状況に合わせて、いずれか一方を選択可能にする構成例が考えられる。
なお、大当たり中の同期演出実行台では、同期演出の実行よりも大当たり演出を優先するために、時間的条件を満たしても同期演出モードに移行させないという制御例が考えられる。
次に、上述したパチンコ遊技機100についての第1の実施の形態乃至第3の実施の形態についてそれぞれ説明をする。なお、それぞれの実施形態における変形例についても適宜説明する。
〔第1の実施の形態〕
〔同期演出の演出態様の具体例について〕
まず、同期演出において実行される演出態様の第1の実施形態について説明する。
図28は、同期演出のタイムテーブルを説明する図である。
本実施形態の同期演出においては、遊技者が演出ボタン161や演出キー162を操作することで進行するゲームを行う。この同期演出では、ゲームに関連する画像を画像表示部114に表示するとともに、ゲームの雰囲気を盛り上げる音響(楽曲など)をスピーカ156から流す。
ここで、図28に示すように、パチンコ遊技機100は、電源が投入されると、まず、同期演出モードではなく、大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出である遊技演出を行うモード(通常演出モード)になる。その後、パチンコ遊技機100は、予め定められた時間になると通常演出モードから同期演出モードに移行する。ここで、同期演出モードへの移行は、原則として複数のパチンコ遊技機100で一斉に行われる。なお、この予め定めた時間の到来は、上述のようにRTC304からの時間情報を基に判断される。
そして、同期演出モードにおける同期演出が終了すると、再び通常演出モードに移行する。このようにして、パチンコ遊技機100では、ホールの開店から閉店までの遊技者が遊技可能な時間帯において、同期演出モードへの移行が定期的に複数回実施される。
本実施形態では、図28に示すように、9時30分に電源が投入されて通常演出モードに設定されたパチンコ遊技機100は、10時30分になった時点で、1回目の同期演出モードに移行する。そして、1回目の同期演出モードが終了すると、再び通常演出モードに移行する。さらに、11時30分になった時点で2回目の同期演出モードに移行する。そして、2回目の同期演出モードの同期演出が終了すると、再び通常演出モードに移行する。同様のことを繰り返し、21時30分に最後となる12回目の同期演出モードへの移行が実行される。このように、本実施形態のパチンコ遊技機100においては、通常演出モードに割り込むようにして、1時間ごとに、同期演出モードへの移行が行われる。
次に、本実施形態においては、予め定められた期間に行われた遊技に関する情報に応じて、同期演出モードで実行される演出の態様が変化する。
具体的には、同期演出モードが実行されるタイミング(実行タイミング)が到来するまでに行われた遊技に関する情報に応じて、実行されるゲームが制御される。さらに説明をすると、図示の例においては、第1回目の同期演出モードにおいては電源が投入されてから実行タイミングが到来するまでの間(図中矢印Ta参照)、あるいは第2回目以降の同期演出モードにおいては前回の同期演出モードが終了してから実行タイミングが到来するまでの間(図中Tb参照)に、大当たりに当選した回数によって、ゲームを実行するか否か、あるいはゲームを実行する際にそのゲームにおいて遊技者が有利となるか否かが変化する。
ここで、以下の説明においては、第1回目の同期演出モードにおいては電源が投入されてから実行タイミングが到来するまでの間、あるいは第2回目以降の同期演出モードにおいては前回の同期演出モードが終了してから実行タイミングが到来するまでの間において大当たりに当選した回数を、単に大当たり回数ということがある。
また、以下の説明においては、ゲームを実行するか否か、あるいはゲームを実行する際に遊技者が有利となるか否かを、単にゲーム実行態様ということがある。
また、本実施形態においては、大当たり回数がCPU301(図27参照)によって計数され、このCPU301によって計数された大当たり回数はRAM303(図27参照)によって記憶される。なお、RTC304(図27参照)が備えるRAM305に、CPU301によって計数された大当たり回数を記憶する変形例も考えられる。
図29は、同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。図30(a)および(b)は、カプセル抽選ゲームにおける抽選確率の具体例を説明するための図である。さらに説明をすると、図30(a)および(b)は、カプセル抽選ゲームにおけるアイテム獲得割合例を示すテーブルである。
まず、本実施形態においては、同期演出モードにおけるゲームとして、抽選用装置(ガチャガチャ(登録商標)、後述する図32(c)の抽選用装置画像P32参照)による抽選を実行する画像が画像表示部114に表示される。さらに説明をすると、かかる画像における抽選用装置内には、賞品となる種々のアイテムを収容したカプセル(容器)が複数収められている。そして、抽選用装置を操作する、すなわち抽選を実行する度に、カプセルが1つ排出される画像が表示された後、そのカプセルに収容されたアイテムの画像が表示されるというカプセル抽選ゲームである。
ここにいうアイテムとは、遊技者が獲得することを望むような物品や情報であり、例えば後述するように、楽曲公演を聴くことができるチケットや、画像表示部114の画像を選択できる筆およびパレットや、キーホルダーなどである。
なお、上述の抽選用装置は、カプセルトイと呼ばれることもある。また、画像表示部114に表示される抽選用装置は、抽選が開始される前に、内部に収められたアイテム入りのカプセル全てを外部からみることができない構成である。さらに説明をすると、アイテム入りのカプセル全てを視認できないような画像が画像表示部114に表示される。したがって、このカプセル抽選ゲームは、予めアイテム(抽選結果)の全てを、参加者に見せずに実行されるゲームとして捉えることができる。なお、抽選用装置内のアイテムの全てを事前に紹介することも考えられる。しかしながら、紹介されたアイテムの中で遊技者が希望するアイテムを必ず獲得できるとは限らない。
図29を参照しながらこのゲーム実行態様を判定する処理を説明すると、まず、演出制御部300のCPU301(図27参照)は、RTC304(図27参照)からの時間情報に基づいて、同期演出モードの開始時間(実行タイミングの到来)であるかを判断する(ステップ2901)。
そして、同期演出モードの開始時間である場合(ステップ2901でYes)、CPU301はRAM303(図27参照)に記憶された大当たり回数が、第1閾値よりも大きいかを判断する(ステップ2902)。そして、大当たり回数が第1閾値よりも大きい場合(ステップ2902でYes)、同期演出モードにおいて、カプセル抽選ゲームとして高確率ゲーム(後述)を実行する(ステップ2903)。一方、大当たり回数が第1閾値以下である場合(ステップ2902でNo)、大当たり回数が第2閾値(<第1閾値)よりも大きいかを判断する(ステップ2904)。そして、大当たり回数が第2閾値よりも大きい場合(ステップ2904でYes)、同期演出モードにおいて、カプセル抽選ゲームとして通常ゲーム(後述)を実行する(ステップ2905)。一方、大当たり回数が第2閾値以下である場合(ステップ2904でNo)、同期演出モードにおいて、カプセル抽選ゲームを実行しない(ステップ2906)。
ここで、本実施形態においては、カプセル抽選ゲームとして、高確率ゲームおよび通常ゲームを有する。この高確率ゲームおよび通常ゲームは、複数あるアイテムのうち各アイテムを獲得する確率が異なり、この確率以外は同一のゲームである。さらに説明をすると、高確率ゲームは、遊技者にとって有利なアイテムを獲得できる確率が、通常ゲームよりも高く設定される。
図30(a)および(b)を参照しながら、高確率ゲームおよび通常ゲームを具体的に説明する。なお、図30(a)および(b)に示す具体例においては、高確率ゲームおよび通常ゲームのいずれにおいても、アイテム「A」、「B」、「C」を用いる。そして、アイテム「A」、「B」、「C」はそれぞれこの順で、遊技者にとって有利なアイテムとなる。すなわち、アイテム「A」が最も有利であり、アイテム「C」が最も有利でない。
まず、図30(a)に示すテーブルのように、高確率ゲームにおいては、最も有利なアイテム「A」を獲得する確率は60%、アイテム「B」を獲得する確率は40%、最も有利でないアイテム「C」を獲得する確率は0%である。
一方、図30(b)に示すテーブルのように、通常ゲームにおいては、最も有利なアイテム「A」を獲得する確率は30%、アイテム「B」を獲得する確率は40%、最も有利でないアイテム「C」を獲得する確率は30%である。
したがって、高確率ゲームを実行する場合、通常ゲームを実行する場合と比較して、最も有利なアイテム「A」をより獲得しやすく、最も有利でないアイテム「C」をより獲得しにくい。すなわち、高確率ゲームは、通常ゲームと比較して、遊技者にとってより有利である。
なお、本実施形態においては、図30(a)および(b)に示すテーブルはROM302(図27参照)に記憶され、このROM302に記憶されたテーブルに従って、CPU301がカプセル抽選ゲームを制御する。
また、ここでは、遊技者にとって有利なアイテムを獲得する確率を変更することを説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば希少性の高いアイテム(所謂レアアイテム)を獲得する確率を変更すること、あるいは有利か否かとは無関係に、単に各アイテムを獲得する確率を変更する構成が考えられる。また、高確率ゲームと通常ゲームとのそれぞれで用いられるアイテムが異なってもよい。
さらに、ゲームにおけるアイテムを獲得する確率を変更するのではなく、ゲームに参加できる回数を変更する構成も考えられる。例えば、大当たり回数が多いほど、ゲームに参加できる回数が増える構成が考えられる。具体的には、大当たり回数が第1閾値よりも大きい場合、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームに3回参加でき、大当たり回数が第1閾値以下でありかつ第2閾値よりも大きい場合(ステップ2904でYes)、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームに1回参加できるように構成してもよい。
さて、上述の図29においては、同期演出モードの開始時間に、大当たり回数が閾値(第1閾値,第2閾値)よりも大きいかを判断することを説明したが、同期演出モードの開始時間よりも前の、予め定めた時間(時刻)に、大当たり回数が閾値(第1閾値,第2閾値)よりも大きいかを判断し、その判断結果を記憶してもよい。
また、それまで行っていた遊技者が遊技を終了した同期演出実行台で新たな遊技者が遊技を開始したとき(遊技者が代わったとき)に、大当たり回数が引き継がれるようにするほか、引き継がれないようにすることも考えられる。後者の場合には、客待ち画面が表示されることで(ステップ2507参照)、同期演出モードの開始時間に判断される大当たり回数を初期化する制御を行うことや、予め定めた時間に行われる大当たり回数と閾値との大小関係の判断結果を消去する制御を行うことが考えられる。
付言すると、後述するように、大当たり回数以外に、演出ボタン161の押圧回数、変動回数、リーチ外れ回数、キャラクタやアイテムの選択、遊技で使用した遊技球の球数、事前判定の結果等に応じてゲーム実行態様を変化させる態様も考えられる。これらの態様においても、上記と同様に、同期演出モードの開始時間よりも前の、予め定めた時間(時刻)に、変動回数等と閾値との関係を判断し、判断結果を記憶してもよい。また、遊技者が代わったときに、変動回数等が引き継がれることや、引き継がれないことが考えられ、後者の場合には、客待ち画面が表示されることで(ステップ2507参照)、同期演出モードの開始時間に判断される変動回数等を初期化する制御を行うことや、予め定めた時間に行われる変動回数等と閾値との関係の判断結果を消去する制御を行うことが考えられる。
また、本実施形態においては、大当たり回数が大きい場合にゲームが実行されるため、大当たり回数が少ないパチンコ遊技機100においては、ゲームが実行される頻度が低下する。ここで、パチンコ遊技機100が設置されるホール店において遊技くぎ(不図示)を調整する際に、始動口121,122への入球が困難になるようにすると、変動回数が減り、その結果として大当たり回数が少なくなることが予想される。そしてこの場合、ゲームが実行される頻度が低下する。一方、ゲームを行いたい遊技者にとっては、ゲームが実行される頻度が低いパチンコ遊技機100で遊技を行うことは回避したい。以上のことから、本実施形態の構成により、パチンコ遊技機100の稼働率を上げたいホール店において、遊技くぎの調整を過度に厳しく設定されることが抑制されることが期待される。
続いて、同期演出モードにおいて行われる演出内容について具体的に説明をする。ここでは、かかる演出内容を、タイムテーブルと画面構成とに分けて説明する。
図31(a)は同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行う場合のタイムテーブルを説明する図であり、(b)は同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行わない場合のタイムテーブルを説明する図である。図32(a)乃至(g)は、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。図33(a)乃至(c)は、カプセル抽選ゲームで獲得されるアイテム毎の画面構成を説明する図である。図34(a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。
〔同期演出モードのタイムテーブル〕
〔ゲーム有りの場合のタイムテーブル〕
まず、図31(a)を参照しながら、同期演出モードにおいてカプセル抽選ゲームを行う具体例を説明する。なお、本実施形態においては、カプセル抽選ゲームとして高確率ゲームおよび通常ゲームがあるが、両者の差異は上述のようにアイテムを獲得する確率のみであるため、ここでは、高確率ゲームおよび通常ゲームをまとめて「ゲーム有り」として説明をする。
図31(a)に示すように、ゲーム有りの場合は、カプセル抽選ゲームが実行され得ることの告知を行うゲーム告知モードと、カプセル抽選ゲームを実行することが許可されたことの告知を行う許可告知モードと、遊技者による操作を受け付ける操作受付モードと、抽選を実行する抽選モードと、抽選結果の告知を行う結果告知モードとが実行される。
ゲーム告知モードは、例えば大当たり抽選の結果による遊技の進行に関わらず、予め定めた日時に実行される。また、ゲーム告知モードは、許可告知モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。ゲーム告知モードでは、設定された期間において、カプセル抽選が開始され得る旨のメッセージを表示するゲーム告知画像P22(図32(b)参照)および抽選用装置を表示する抽選用装置画像P32(図32(c)参照)を用いたゲーム告知を行う。なお、図31(a)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおけるゲーム告知の設定期間は、10時30分00秒から10時30分10秒までの10秒間である。
許可告知モードは、操作受付モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。許可告知モードでは、設定された期間において、カプセル抽選が許可された旨のメッセージを表示する許可告知画像P42(図32(d)参照)を用いた許可告知を行う。なお、図31(a)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける許可告知の設定期間は、10時30分10秒から10時30分20秒までの10秒間である。
操作受付モードは、抽選モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。操作受付モードでは、設定された期間において、遊技者による操作を誘導する誘導画像P52(図32(e)参照)および遊技者が操作する演出キー162(図2(b)参照)を示す演出キー画像P53を用いながら遊技者の操作を受け付ける。さらに説明をすると、この実施形態においては、遊技者が演出キー162を押圧することで、遊技者の操作が受け付けられる。
なお、図31(a)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける操作受付の設定期間は、10時30分20秒から10時30分30秒までの10秒間である。そして、この設定期間内に遊技者による操作を受け付けた場合には、その操作を受け付けたことを契機として操作受付モードを終了し、抽選モードへと移行する。また、この設定期間内に遊技者による操作を受け付けない場合には、設定期間の終了時に自動的に抽選モードへと移行する。
抽選モードは、結果告知モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。抽選モードは、設定された期間において、抽選用装置が稼働する画像である抽選画像P62(図32(f)参照)および抽選用装置から排出されたカプセルを表示するカプセル画像P72(図32(g)参照)を用いながら抽選が実行される演出を行う。ここで、抽選の設定期間は、操作受付モードから抽選モードへ移行してから10秒間である。図31(a)に示すように、10時30分30秒に抽選モードに移行した場合には、抽選の設定期間は、10時30分30秒から10時30分40秒までとなる。
結果告知モードは、設定された期間において、カプセルが開かれこのカプセルから飛び出したアイテムを表示する第1アイテム画像P83、第2アイテム画像P84、第3アイテム画像P85(図33(a)乃至(c)参照)のいずれかを用いながら結果告知を行う。ここで、図31(a)に示すように、結果告知の設定期間は、抽選モードから結果告知モードへ移行してから10時31分10秒までとなる。付言すると、上述の操作受付モードにおいて遊技者の操作を受け付けたタイミングとは関係なく、結果告知モードは予め定められた時間で一律に終了する。
〔ゲーム無しの場合のタイムテーブル〕
次に、図31(b)を参照しながら、同期演出モードにおいてゲームが行われない場合を説明する。ゲームが行われない場合、ゲーム告知モードと、カプセル抽選ゲームの実行が禁止されたことの告知を行う禁止告知モードと、通常演出モードおよび禁止告知モードが同時に行われる複合モードとが実行される。
まず、ゲーム告知モードは、図31(a)に示したゲームが行われる場合と開始時期および演出内容が同一である。さらに説明をすると、ゲーム告知モードは、カプセル抽選ゲームが行われるか否かに関わらず実行されるモードであり、遊技者に高揚感を与えるための所謂煽り演出として捉えることができる。
禁止告知モードは、複合モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。禁止告知モードでは、設定された期間において、カプセル抽選が禁止された旨のメッセージを表示する禁止告知画像P102(図34(d)参照)を用いた禁止告知を行う。なお、図31(b)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける禁止告知の設定期間は、上述の許可告知モードと一致し、10時30分10秒から10時30分20秒までの10秒間である。
複合モードは、設定された期間において、禁止告知画像P102(図34(e)参照)を表示しながら禁止告知を行うとともに、装飾図柄P12および保留球表示P13(図34(e)参照)を表示しながら大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出である遊技演出とを同時に実行する。なお、図31(b)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける禁止告知の設定期間は、10時30分20秒から10時31分10秒までの50秒間である。
ここで、図31(b)に示すゲームが行われない場合は、図31(a)に示すゲームが行われる場合と、同期演出モードの開始時期が一致するとともに、同期演出モードの終了時期が一致する。このように、同期演出モードの開始時期および同期演出モードの終了時期の少なくとも一方を一致させることにより、複数のパチンコ遊技機100の間でより整合性の取れた同期演出を実行することができる。
〔同期演出モードの画面構成〕
次に、同期演出モードにおいて画像表示部114に表示される画像について説明をする。なお、画像表示部114(図27参照)は、同期演出実行部10の一部を構成するものであり、CPU301の制御により所定の画像を表示する。付言すると、画像表示部114とは別に小型表示器(例えば不図示のサブ液晶等)を備える機種の場合には、小型表示器を利用して同期演出を行う態様が考えられる。
〔ゲーム有りの場合の画面構成〕
まず、図32(a)乃至(g)を参照しながら、ゲームを行う具体例において、画像表示部114に表示される画像について説明をする。
図32(a)に示すように、同期演出モードが開始される前、すなわち通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。そして、この遊技演出画像を用いながら、大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて予め定められた演出時間を伴って順次演出が行われる。
背景P11は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。装飾図柄P12、保留球表示P13などは、この背景P11に重ねて表示される。
装飾図柄P12は、3つの図柄により構成される。各図柄には、例えば「1」〜「9」の1桁の数字が可変表示される。装飾図柄の変動時には、例えば、各図柄の数値が循環的に順送りされ、スクロールするような表示が行われる。そして、停止図柄において各図柄の数値が確定し、この数値の組み合わせにより特別図柄抽選の抽選結果が提示される。通常、同じ数字が3つ揃うような停止図柄が当たりを表す図柄とされる。
保留球表示P13は、例えば4つのマークによって構成される。各マークは、保留数の数に応じて増減する。例えば保留数が1つであれば1つのマークを表示し、保留数が4つあれば4つのマークを表示する。
次に、図32(b)および(c)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示された後、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P31および抽選用装置画像P32が表示される。
背景P21は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、ゲーム告知画像P22は、カプセル抽選が開始される可能性があることを告知する演出画像である。
背景P31は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、抽選用装置画像P32は、カプセル抽選の抽選用装置を表示する演出画像である。
そして、ゲーム告知画像P22等を用いたゲーム告知を行うことで、遊技を行っている遊技者は、大当たり抽選の結果に従って進行する遊技とは別の特別な演出が行われることを予め知ることができる。また、遊技が行われていないパチンコ遊技機100においては、ゲーム告知によって、そのパチンコ遊技機100に遊技者を呼び込むことも期待できる。なお、図示の例とは異なり、ゲーム告知モードにおいて、例えばカプセル抽選ゲームが開始されるまでの残り時間に関する画像(例えば「残り5秒」等)を表示してもよい。
次に、図32(d)に示すように、許可告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P41および許可告知画像P42が表示される。
背景P41は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
許可告知画像P42は、カプセル抽選を行うことが許可された旨のメッセージを示す演出画像である。
次に、図32(e)に示すように、操作受付モードにおいては、画像表示部114に、背景P51、誘導画像P52、および演出キー画像P53が表示される。
背景P51は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
誘導画像P52は、カプセル抽選を実行する契機となる遊技者による操作を誘導するメッセージを示す演出画像である。
演出キー画像P53は、カプセル抽選を実行するために遊技者が操作することが必要な演出キー162を示す演出画像である。
次に、図32(f)および(g)に示すように、抽選モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P61および抽選画像P62が表示された後、背景P61および抽選画像P62に替えて、背景P71およびカプセル画像P72が表示される。
背景P61は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、抽選画像P62は、抽選用装置が稼働しカプセルが排出されることを示す演出画像である。
背景P71は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、カプセル画像P72は、抽選用装置から排出されたカプセルを示す演出画像である。なお、このカプセル画像P72は、カプセルが内部に収容するアイテムに関わらず同一の画像である。さらに説明をすると、遊技者は、カプセル画像P72を見ることのみでは獲得されたアイテムを知ることはできず、カプセルを開くことに対する期待感が高まる。
次に、図33(a)乃至(c)に示すように、結果告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P81および開放カプセル画像P82に加えて、第1アイテム画像P83乃至第3アイテム画像P85のいずれかが表示される。
背景P81は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
開放カプセル画像P82は、カプセル画像P72のカプセルが開かれた状態を示す演出画像である。
第1アイテム画像P83乃至第3アイテム画像P85は、開放カプセル画像P82のカプセルから飛び出したアイテムを表示する演出画像である。
ここで、第1アイテム画像P83乃至第3アイテム画像P85で表示される各アイテムについて説明をする。なお、第1アイテム画像P83乃至第3アイテム画像P85によってそれぞれ表示されるアイテムは、上述の図30(a)および(b)に示すアイテム「A」乃至「C」にそれぞれ対応する。
まず、図33(a―1)に示すように、第1アイテム画像P83は、例えば歌手グループによる楽曲公演を聴くことができるチケットを示す。このチケットを示す第1アイテム画像P83が表示された(チケットを獲得した)場合は、結果告知モードが終了し通常演出モードへと移行した際に、歌手の楽曲がスピーカ156(図1参照)から流される。この楽曲の演奏は、チケットを獲得した遊技者のみが聴くことができる遊技者の特典として捉えられる。
なお、図33(а−2)に示すように、通常演出モードに移行した際、スピーカ156から流される歌手の楽曲に同期して、画像表示部114に楽曲に関連する関連画像P14が表示されてもよい。なお、図示の例においては、関連画像P14として音符の画像を示したが、例えば歌手による歌唱ステージの画像を示すことも考えられる。
次に、図33(b―1)に示すように、第2アイテム画像P84は、画像表示部114に表示される画像を選択できる筆およびパレットを示す。この筆およびパレットを示す第2アイテム画像P84が表示された(筆およびパレットを獲得した)場合は、結果告知モードが終了し通常演出モードへと移行した際に、画像表示部114に表示される背景P11が選択できる。すなわち、画像表示部114に表示される画像の壁紙を選択できる。なお、図33(b−2)に示す例においては、背景P11としての色が遊技者によって選択された選択背景P15が表示されている。この選択背景P15の表示は、筆およびパレットを獲得した遊技者のみが設定できる遊技者の特典として捉えられる。
なお、図示は省略するが、背景P11の選択は、例えば結果告知モードにおいて、第2アイテム画像P84を表示した後に、複数の色を示す演出画像が画像表示部114に表示され、遊技者が演出キー162(図2(b)参照)を操作しながら、この演出画像で示された複数の色のうちいずれかを背景P11の色として選択できる構成が考えられる。
次に、図33(c―1)に示すように、第3アイテム画像P85は、キーホルダーを示す。このキーホルダーを示す第3アイテム画像P85が表示された(キーホルダーを獲得した)場合は、上記第1アイテム画像P83および第2アイテム画像P84が表示された場合と異なり、結果告知モードが終了し通常演出モードへと移行した際に、遊技者は特典を得られない。すなわち、遊技者にとって有利な状態とはならない。さらに説明をすると、図33(c−2)に示すように、結果告知モード後に通常演出モードへと移行した際、画像表示部114に表示される演出画像は、同期演出モードが開始される前の演出画像(図32(a)参照)に対応したものとなる。
〔ゲーム無しの場合の画面構成〕
次に、図34(a)乃至(f)を参照しながら、ゲームを行わない具体例において、画像表示部114に表示される画像について説明をする。
図34(a)に示すように、同期演出モードが開始される前の通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
次に、図34(b)および(c)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示された後、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P31および抽選用装置画像P32が表示される。
次に、図34(d)に示すように、禁止告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P101および禁止告知画像P102が表示される。
背景P101は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
禁止告知画像P102は、カプセル抽選を行うことが禁止された旨のメッセージを示す演出画像である。
次に、図34(e)に示すように、複合モードにおいては、画像表示部114に、背景P111、装飾図柄P12、保留球表示P13および禁止告知画像P102が表示される。
ここで、複合モードにおいては、画像表示部114を、通常演出モードに関する演出画像を表示する第1領域A1と、禁止告知モードに関する演出画像を表示する第2領域A2とに分割した表示を行う。このことにより、通常演出モードに関する演出画像および禁止告知モードに関する演出画像が画像表示部114に同時に行われる。
背景P111は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。この背景P111は、画像表示部114の画面全体にわたって表示される。背景P111は、第1領域A1と第2領域A2とにそれぞれ表示されて背後の光景を構成する。また、背景P111は、第1領域A1と第2領域A2との境界を表示する画像も構成する。
また、図34(e)に示すように、装飾図柄P12および保留球表示P13は第1領域A1に表示され、禁止告知画像P102は第2領域A2に表示される。
次に、図34(f)に示すように、禁止告知モードが終了した後、すなわち通常演出モードにおいては、画像表示部114の画面全体に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
さて、上記のように本実施形態では、予め定めた時間が到来するごとに同期演出としてカプセル抽選ゲームを行う。さらに説明をすると、このカプセル抽選ゲームは、同期演出モードでのみ実行されるゲームであり、通常演出モードでは実行されない。したがって、カプセル抽選ゲームを行いたい遊技者は、次の同期演出の時間が到来するまで待つことが必要となる。したがって、同構成は、カプセル抽選ゲームを行いたい遊技者にとっては、遊技を継続させる動機付けとなり得る。なお、本実施形態とは異なり、通常演出モードおよび同期演出モードの両者でカプセル抽選ゲームを実行する構成も考えられる。
また、上記のように本実施形態では、同期演出においてカプセル抽選ゲームを行う態様と、カプセル抽選ゲームを行わない態様とを有するため、同期演出の実行態様を切り替えることでパチンコ遊技機100の興趣性を高めることができる。
また、上記のように、カプセル抽選ゲームを行わない態様は、カプセル抽選ゲームを行う態様と、ゲーム告知モードを実行する点で共通する。したがって、遊技者は、カプセル抽選ゲームを行わない態様と、カプセル抽選ゲームを行う態様とのいずれにより同期演出が実行されているかを、許可告知モードあるいは禁止告知モードが実行されるタイミングが到来するまで知ることができない。このことにより、同期演出に対する興味をより高めることができる。
なお、図示の例とは異なり、カプセル抽選ゲームを行わない態様と、カプセル抽選ゲームを行う態様とで、演出内容に差異を設ける構成であってもよい。このように演出内容に差異を設けることにより、カプセル抽選ゲームを行わない態様と、カプセル抽選ゲームを行う態様とのいずれが実行されているかを、遊技者が推測する楽しみが提供される。
さらに説明をすると、本実施形態では、パチンコ遊技機100が他の隣接するパチンコ遊技機100と整合性の取れた演出を実行する同期演出において、予め定めた条件を満たす場合には、カプセル抽選ゲームという特別な演出が行われることとなる。したがって、カプセル抽選ゲームを行うパチンコ遊技機100の遊技者は、カプセル抽選ゲームを行わないパチンコ遊技機100の遊技者に対して優越感を持ち、高揚感が得られる。
また、上記のように本実施形態は、大当たり回数が予め定めた値(第2閾値)よりも大きい場合にのみカプセル抽選ゲームが行われる構成である。したがって、同構成は、カプセル抽選ゲームを行いたい遊技者にとっては、より積極的に遊技を行う動機付けとなり得る。
さらに、本実施形態は、大当たり回数が予め定めた値(第1閾値)よりも大きい場合には、遊技者にとって有利なアイテムをより獲得しやすい条件でカプセル抽選が行われる構成である。したがって、積極的に遊技を行った遊技者に有利なアイテムを獲得させ、高揚感を高めることができる。
なお、図示の例とは異なり、図32(b)乃至(g)、図33(a−1)乃至(c−1)、および図34(b)乃至(d)に示す画像に加えて、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像を表示してもよい。すなわち、図34(e)と同様に、同期演出を実行しつつ、大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出である遊技演出を実行してもよい。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段(演出制御部300)を備える遊技機であって、演出のための画像が表示される画像表示手段(画像表示部114)と、時間情報を提供する提供手段(RTC304)と、前記提供手段により提供される時間情報を基に前記演出制御手段による特定演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段(CPU301)と、前記特定演出において、アイテム入りのカプセルを内部に収容する装置が操作され当該アイテム入りのカプセルを排出させる画像を前記画像表示手段に表示しながら行う抽選ゲームを制御する抽選ゲーム制御手段(CPU301)とを備えることを特徴とする遊技機として捉えることができる。
〔第2の実施形態〕
〔同期演出の演出態様の具体例について〕
続いて、同期演出において実行される演出態様の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態においては、同期演出としてカプセル抽選ゲームを実行することを説明した。また、大当たり回数に応じて、各アイテムを獲得する確率を変化させることを説明した。
それに対して、第2の実施形態においては、同期演出としてルーレットゲームを実行する。また、大当たり回数に応じて、ルーレットゲームで賭けることができるコインの枚数を変化させる。
なお、本実施形態におけるルーレットゲームとは、回転するルーレットがどの目で停止するかを予想するゲームである。そして、この予想を行う際にコインを賭け、予想が当たればコインが増加し(払い戻され)、予想が外れればコインが減少する(没収される)。
ここで、このルーレットゲームは、抽選が開始される前に、ルーレットの目の全てを外部から見ることができる構成である。さらに説明をすると、ルーレットの目全てを視認できるような画像が画像表示部114に表示される。したがって、このルーレットゲームは、予めルーレットの目(抽選の結果)の全てを、参加者に見せて実行されるゲームとして捉えることができる。
以下では、ゲーム実行態様を判定する処理を説明した後に、同期演出モードにおいて行われる演出内容として画面構成を説明する。
なお、本実施形態における演出内容のタイムテーブルは、上述の第1の実施形態において参照した図31(a)および(b)に示したタイムテーブルと対応する。さらに説明をすると、図31(a)の高確率ゲームおよび通常ゲームのそれぞれが、本実施形態においては、コイン3枚のゲーム(後述)およびコイン1枚のゲーム(後述)に対応すること以外は、各モードの構成、開始時期および終了時期等は一致する。したがって、ここでは演出内容のタイムテーブルについての説明は省略する。
図35は、同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。図36(a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてルーレットゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。図37(a)はルーレットが停止した画面構成を説明する図であり、(b)はコインが増減する画面構成を説明する図である。図38(a)乃至(f)は、同期演出モードにおいてルーレットゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。
まず、図35を参照しながらこのゲーム実行態様を判定する処理を説明する。
演出制御部300のCPU301(図27参照)は、RTC304(図27参照)からの時間情報に基づいて、同期演出モードの開始時間(実行タイミングの到来)であるかを判断する(ステップ3501)。
そして、同期演出モードの開始時間である場合(ステップ3501でYes)、CPU301は、RAM303(図27参照)に記憶された大当たり回数が、第1閾値よりも大きいかを判断する(ステップ3502)。そして、大当たり回数が第1閾値よりも大きい場合(ステップ3502でYes)、同期演出モードにおいて、ルーレットゲームとしてコイン3枚のゲーム(後述)を実行する(ステップ3503)。一方、大当たり回数が第1閾値以下である場合(ステップ3502でNo)、大当たり回数が第2閾値(<第1閾値)よりも大きいかを判断する(ステップ3504)。そして、大当たり回数が第2閾値よりも大きい場合(ステップ3504でYes)、同期演出モードにおいて、ルーレットゲームとしてコイン1枚のゲーム(後述)を実行する(ステップ3505)。一方、大当たり回数が第2閾値以下である場合(ステップ3504でNo)、同期演出モードにおいて、ルーレットゲームを実行しない(ステップ3506)。
ここで、本実施形態においては、ルーレットゲームとしてコイン3枚のゲームおよびコイン1枚のゲームを有する。このコイン3枚のゲームおよびコイン1枚のゲームは、ルーレットゲームのいずれの目が出るかを予想して賭けることができるコインの枚数が互いに異なる以外、同一のゲームである。また、コインを3枚(複数)有する場合は、コインを複数のルーレットの目に分散させて賭けてもよいし、1つのルーレットの目に集中させて賭けてもよい。したがって、コイン3枚のゲームは、コイン1枚のゲームより、遊技者にとって有利な条件で行われるゲームとなる。
なお、本実施形態においては、大当たり回数に応じて、ルーレットゲームに参加できる回数、すなわちコインの枚数を変化させることを説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、ルーレットゲームでそれぞれの目が停止する確率を変化させる構成も考えられる。具体的には、大当たり回数が第1閾値よりも大きい場合、ルーレットの目を「0」乃至「4」とする(不図示)ゲームを実行し、大当たり回数が第1閾値以下でありかつ第2閾値よりも大きくよりも大きい場合、ルーレットの目を「0」乃至「12」とする(図36(c)参照)ゲームを実行する。また、これらのいずれのゲームにおいても、当選した際に、賭けたコイン1枚当たりに獲得できるコインの枚数(倍率)は一致させる。このことにより、ルーレットの目を「0」乃至「4」とするゲームは、ルーレットの目を「0」乃至「12」とするゲームと比較して、当選確率が大きくかつオッズは一致することから、遊技者にとって有利なゲームとなる。
なお、本実施形態においては、ルーレットが1つの目を指して停止する、すなわちルーレットの1つの目が当たりであることを説明したが、ルーレットが複数の目を指して停止する、すなわちルーレットの複数の目が当たりであってもよい。
〔同期演出モードの画面構成〕
次に、同期演出モードにおいて画像表示部114に表示される画像について説明をする。
〔ゲーム有りの場合の画面構成〕
まず、図36(a)乃至(f)を参照しながら、ゲームを行う具体例において、画像表示部114に表示される画像について説明をする。なお、同図において、上述の図32(a)乃至(g)と同一の画像は、図32(a)乃至(g)と同一の符号をつけ、詳細な説明を省略することがある。
図36(a)に示すように、同期演出モードが開始される前、すなわち通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
次に、図36(b)および(c)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示された後、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P121およびルーレット画像P122が表示される。
背景P21は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、ゲーム告知画像P22は、ルーレットゲームが開始される可能性があることを告知する演出画像である。
背景P121は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。また、ルーレット画像P122は、ルーレットゲームを実行するルーレット(抽選用装置)を表示する演出画像である。
次に、図36(d)に示すように、許可告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P41および許可告知画像P42が表示される。
背景P41は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
許可告知画像P42は、ルーレットゲームを行うことが許可された旨のメッセージを示す演出画像である。
次に、図36(e)に示すように、操作受付モードにおいては、画像表示部114に、背景P131、誘導画像P132、数字選択用画像P133、および演出キー画像P134が表示される。
背景P131は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
誘導画像P132は、ルーレットゲームで出る目を予想しコインを賭ける操作を遊技者が実行するよう誘導するメッセージを示す演出画像である。
数字選択用画像P133は、ルーレットゲームで出ると予想した目にコインを賭けるためのテーブルを示す演出画像である。
演出キー画像P134は、コインを賭けるために遊技者が操作することが必要な演出キー162(図2(b)参照)を示す演出画像である。
次に、図36(f)に示すように、抽選モードにおいては、画像表示部114に、背景P141および抽選画像P142が表示される。
背景P141は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
抽選画像P142は、回転しているルーレットを示す演出画像である。
なお、抽選画像P142は、ルーレットゲームで出る目に関わらず同一の画像である。さらに説明をすると、遊技者は、抽選画像P142を見ることのみでは出る目を知ることはできず、ルーレットが止まることに対する期待感が高まる。
次に、図37(a)に示すように、結果告知モードにおいては、まず画像表示部114に、背景P151およびルーレット停止画像P152が表示される。そして、図37(b)に示すように、同じ結果告知モードにおいて、背景P151およびルーレット停止画像P152に替えて、次の画像が画像表示部114に表示される。すなわち、図37(b−1)に示すように、背景P161に加えて、当選画像P162、獲得コイン画像P163、およびコード画像P164が画像表示部114に表示される。あるいは、図37(b−2)に示すように、背景P161に加えて、落選画像P165および没収コイン画像P166が表示される。さらに言い替えると、結果告知モードにおいては、停止したルーレットの目を基に、画像表示部114に表示される画像、すなわち演出が変更される。
背景P151は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
ルーレット停止画像P152は、停止したルーレットの目を示す演出画像である。
背景P161は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。 当選画像P162は、停止したルーレットの目が遊技者の予想した目と一致(当選)したことを示す演出画像である。
獲得コイン画像P163は、獲得したコインを示す演出画像である。なお、獲得コイン画像P163はルーレットが停止した目に賭けたコインの枚数に応じて変化する。例えば、獲得コイン画像P163は、3枚のコインを賭けて当選した場合、1枚のコインを賭けて当選した場合の3倍のコインを示す画像となる。
コード画像P164は、JISX050に準拠するQRコード(登録商標)である。なお、このコード画像P164は、所謂2次元コードであり、URL(Uniform Resource Locator)が記録されている。そのため、遊技者は、コード画像P164をカメラ付きの携帯電話(不図示)によって読み取ることで、対応するウェブサイトにアクセスすることができる。なお、図示の例においては、このウェブサイトはコード画像P164を読み取ることでのみアクセスできるウェブサイトである。さらに、例えば獲得したコインの枚数に応じて、ウェブサイトで閲覧できる範囲が変化し、かつコインの枚数が多いほどウェブサイトで閲覧できる範囲が広がる。したがって、このウェブサイトを見たい遊技者にとっては、当選するため、あるいはより多くのコインを獲得するために、より積極的に遊技を行う動機付けとなる。
落選画像P165は、停止したルーレットの目が遊技者の予想した目と一致しなかった(落選)ことを示す演出画像である。
没収コイン画像P166は、落選したことにより没収されたコインを示す演出画像である。
〔ゲーム無しの場合の画面構成〕
次に、図38(a)乃至(f)を参照しながら、ゲームを行わない具体例において、画像表示部114に表示される画像について説明をする。なお、同図において、図34(a)乃至(f)と同一の画像は、図34(a)乃至(f)と同一の符号をつけ、詳細な説明を省略することがある。
図38(a)に示すように、同期演出モードが開始される前の通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
次に、図38(b)および(c)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示された後、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P121およびルーレット画像P122が表示される。
次に、図38(d)に示すように、禁止告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P101および禁止告知画像P102が表示される。
次に、図38(e)に示すように、複合モードにおいては、画像表示部114が第1領域A1および第2領域A2に分割され、背景P111、装飾図柄P12、保留球表示P13が第1領域A1に、禁止告知画像P102が第2領域A2に表示される。
次に、図34(f)に示すように、禁止告知モードが終了した後、すなわち通常演出モードにおいては、画像表示部114の画面全体に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
さて、上記のように本実施形態では、予め定めた時間が到来するごとに同期演出としてルーレットゲームを行う。さらに説明をすると、このルーレットゲームは、同期演出モードでのみ実行されるゲームであり、通常演出モードでは実行されない。したがって、ルーレットゲームを行いたい遊技者は、次の同期演出の時間が到来するまで待つことが必要となる。したがって、同構成は、ルーレットゲームを行いたい遊技者にとっては、遊技を継続させる動機付けとなり得る。なお、本実施形態とは異なり、通常演出モードおよび同期演出モードの両者でルーレットゲームを実行する構成も考えられる。
また、上記のように本実施形態では、同期演出においてルーレットゲームを行う態様と、ルーレットゲームを行わない態様とを有するため、同期演出の実行態様を切り替えることでパチンコ遊技機100の興趣性を高めることができる。
また、上記のように、ルーレットゲームを行わない態様は、ルーレットゲームを行う態様と、ゲーム告知モードを実行する点で共通する。したがって、遊技者は、ルーレットゲームを行わない態様と、ルーレットゲームを行う態様とのいずれにより同期演出が実行されているかを、許可告知モードあるいは禁止告知モードが実行されるタイミングが到来するまで知ることができない。このことにより、同期演出に対する興味をより高めることができる。
なお、図示の例とは異なり、ルーレットゲームを行わない態様と、ルーレットゲームを行う態様とで、演出内容に差異を設ける構成であってもよい。このように演出内容に差異を設けることにより、ルーレットゲームを行わない態様と、ルーレットゲームを行う態様とのいずれで実行されているかを、遊技者が推測する楽しみが提供される。
さらに説明をすると、本実施形態では、パチンコ遊技機100が他の隣接するパチンコ遊技機100と整合性の取れた演出を実行する同期演出において、予め定めた条件を満たす場合には、ルーレットゲームという特別な演出が行われることとなる。したがって、ルーレットゲームを行うパチンコ遊技機100の遊技者は、ルーレットゲームを行わないパチンコ遊技機100の遊技者に対して優越感を持ち、高揚感が得られる。
また、上記のように本実施形態は、大当たり回数が予め定めた値(第2閾値)よりも大きい場合にのみルーレットゲームが行われる構成である。したがって、同構成は、ルーレットゲームを行いたい遊技者にとっては、より積極的に遊技を行う動機付けとなり得る。
さらに、本実施形態は、大当たり回数が予め定めた値(第1閾値)よりも大きい場合には、コインが3枚となり遊技者にとって有利な条件でルーレットゲームが行われる構成である。したがって、積極的に遊技を行った遊技者の高揚感を高めることができる。
なお、図示の例とは異なり、図36(b)乃至(f)、図37(a)および(b)、および図38(b)乃至(d)に示す画像に加えて、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像を表示してもよい。すなわち、図38(e)と同様に、同期演出を実行しつつ、大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出である遊技演出を実行してもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段(演出制御部300)を備える遊技機であって、演出のための画像が表示される画像表示手段(画像表示部114)と、時間情報を提供する提供手段(RTC304)と、前記提供手段により提供される時間情報を基に前記演出制御手段による特定演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段(CPU301)と、前記特定演出において、回転するルーレットを停止させる画像を前記画像表示手段に表示しながら行う抽選ゲームを制御する抽選ゲーム制御手段(CPU301)とを備えることを特徴とする遊技機として捉えることができる。
〔第3の実施の形態〕
〔同期演出の演出態様の具体例について〕
続いて、同期演出において実行される演出態様の第3の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、同期演出としてカプセル抽選ゲームあるいはルーレットゲームを実行することを説明した。また、大当たり回数に応じて、カプセル抽選ゲームでアイテムを獲得する確率を変化させること、あるいはルーレットゲームで賭けることができるコインの枚数を変化させることを説明した。
それに対して、第3の実施形態においては、同期演出として、例えば歌手グループの歌唱ステージである楽曲公演をまず行った後に、カプセル抽選ゲームを実行する。また、実行タイミングが到来するまでに行われた遊技に関する情報として、楽曲公演が行われている際に遊技者が演出ボタン161(図2(b)参照)を押圧した回数(押圧回数)に応じて、カプセル抽選ゲームでアイテムが当選する確率を変化させる。なお、この演出ボタン161を押圧することは、楽曲公演を聴く遊技者が歌手グループの応援のために行う拍手の代替動作として捉えることができる。
なお、この楽曲公演では、同期演出に用いられる画像(ステージ映像など)を画像表示部114に表示するとともに、楽曲公演に用いられる音響(楽曲など)をスピーカ156から流す。
また、本実施形態においては、押圧回数がCPU301(図27参照)によって計数され、このCPU301によって計数された押圧回数はRAM303(図27参照)によって記憶される。なお、RTC304(図27参照)が備えるRAM305に、CPU301によって計数された押圧回数を記憶する変形例も考えられる。
以下では、ゲーム実行態様を判定する処理を説明した後に、同期演出モードにおいて行われる演出内容としてタイムテーブルおよび画面構成を説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例として捉えることができ、第1の実施形態と共通する点はその説明を省略し、主として第1の実施形態と相違する点について説明をする。
図39は、同期演出モードにおけるゲーム実行態様を判定するフローチャートである。図40(a)は同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行う場合のタイムテーブルを説明する図であり、(b)は同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行わない場合のタイムテーブを説明する図である。図41(a)乃至(j)は、同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行う場合の画面構成を説明する図である。図42(a)乃至(h)は、同期演出モードにおいて楽曲公演の後にカプセル抽選ゲームを行わない場合の画面構成を説明する図である。
まず、図39を参照しながらゲーム実行態様を判定する処理を説明する。
演出制御部300のCPU301(図27参照)は、RTC304(図27参照)からの時間情報に基づいて、公演演出の開始時間(実行タイミングの到来)であるかを判断する(ステップ3901)。そして、公演演出の開始時間の開始時間である場合(ステップ3901でYes)、CPU301は押圧回数の計数を開始する(ステップ3902)とともに、公演演出を行う(ステップ3903)。
そして、CPU301は、RTC304(図27参照)からの時間情報に基づいて、ゲーム演出の開始時間であるかを判断する(ステップ3904)。ゲーム演出の開始時間である場合(ステップ3904でYes)、RAM303(図27参照)に記憶された押圧回数が、第1閾値よりも大きいかを判断する(ステップ3905)。そして、押圧回数が第1閾値よりも大きい場合(ステップ3905でYes)、カプセル抽選ゲームとして高確率ゲームを実行する(ステップ3906)。
一方、押圧回数が第1閾値以下である場合(ステップ3905でNo)、押圧回数が、第2閾値(<第1閾値)よりも大きいかを判断する(ステップ3907)。そして、押圧回数が第2閾値よりも大きい場合(ステップ3907でYes)、カプセル抽選ゲームとして通常ゲームを実行する(ステップ3908)。一方、押圧回数が第2閾値以下である場合(ステップ3907でNo)、カプセル抽選ゲームを実行しない(ステップ3906)。
〔同期演出モードのタイムテーブル〕
〔ゲーム有りの場合のタイムテーブル〕
次に、図40(a)を参照しながら、同期演出モードにおいて公演演出の後にカプセル抽選ゲームを行う具体例を説明する。
図40(a)に示すように、ゲーム有りの場合は、楽曲公演の告知である公演告知を行う公演告知モードと、楽曲公演を行う公演モードと、ゲーム告知モードと、許可告知モードと、操作受付モードと、抽選モードと、結果告知モードとが実行される。
公演告知モードは、楽曲公演が開始されることを告知するモードであるとともに、楽曲公演において遊技者が演出ボタン161(図2(b)参照)を押圧することを促すモードである。この公演告知モードは、例えば大当たり抽選の結果による遊技の進行に関わらず、予め定めた日時に実行される。また、公演告知モードは、公演モードの開始時間よりも前の一定期間に設定される。さらに、公演告知モードでは、設定された期間において、楽曲公演が開始される旨のメッセージを表示する公演告知画像P172(後述の図41(b)参照)を用いた公演告知を行う。なお、図40(a)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける公演告知の設定期間は、10時30分00秒から10時30分20秒までの20秒間である。
公演モードは、予め定められた日時に、歌手グループの歌唱ステージである楽曲公演を行うモードである。図40(a)に示すように、例えば1回目の同期演出モードにおける楽曲公演の設定期間は、10時30分20秒から10時35分00秒までの4分40秒間である。
この公演モードに続けて実行される、ゲーム告知モード(10時35分00秒から10時35分10秒までの10秒間)と、許可告知モードと(10時35分10秒から10時35分20秒までの10秒間)、操作受付モード(10時35分20秒から10時35分30秒までの10秒間)と、抽選モード(10時35分30秒から10時35分40秒までの10秒間)と、結果告知モード(10時35分40秒から10時36分10秒までの30秒間)とは、図31(a)を用いて説明した第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
〔ゲーム無しの場合のタイムテーブル〕
次に、図40(b)を参照しながら、同期演出モードにおいて公演演出の後にゲームが行われない場合を説明する。ゲームが行われない場合、公演告知モードと、公演モードと、ゲーム告知モードと、禁止告知モードと、通常演出モードおよび禁止告知モードが同時に行われる複合モードとが実行される。
まず、公演告知モードと、公演モードと、ゲーム告知モードは、図40(a)に示したゲームが行われる場合と開始時期および演出内容が同一である。さらに説明をすると、公演告知モードと、公演モードと、ゲーム告知モードとは、カプセル抽選ゲームが行われるか否かに関わらず実行されるモードであり、遊技者に高揚感を与えるための所謂煽り演出として捉えることができる。
また、ゲーム告知モードと、禁止告知モードと、複合モードとは、図31(b)を用いて説明した第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
なお、図示の例においては、楽曲公演が行われている際に遊技者が演出ボタン161(図2(b)参照)を押圧した回数に基づいてゲームの制御を行うことを説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、同期演出として演奏される楽曲のリズムに合うタイミング、すなわち楽曲の進行にあわせた予め定めたタイミングで、遊技者が演出ボタン161を押圧した回数に基づいてゲームの制御を行ってもよい。
あるいは、上記第1の実施形態および第2の実施形態で説明した大当たり回数と、楽曲公演が行われている際に遊技者が演出ボタン161(図2(b)参照)を押圧した回数との合計回数、あるいは大当たり回数と予め定めたタイミングで遊技者が演出ボタン161を押圧した回数との合計回数に基づいてゲームの制御を行ってもよい。
さらには、上述のように同期演出を実行しつつ大当たり抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出である遊技演出を実行する構成において、公演告知モードが開始されるタイミングが到来するまでの大当たり回数(第1大当たり回数)と、公演告知モードが開始されてからゲーム告知モードが開始されるタイミングが到来するまでの大当たり回数(第2大当たり回数)との合計回数に基づいてゲームの制御を行う構成であってもよい。
この構成の場合、例えば、第1大当たり回数と第2大当たり回数とのそれぞれに異なる係数をかけ、第1大当たり回数と第2大当たり回数との重みづけを行ってもよい。例えば、第2大当たり回数の係数を、第1大当たり回数の係数よりも大きくする構成としてもよい。このことにより、公演告知モードが開始されるタイミングが到来するまでよりも、公演告知モードが開始されてからゲーム告知モードが開始されるタイミングが到来するまでの方が、大当たり回数を効率よく溜めることができる構成となる。したがって、公演告知モードが開始されてからゲーム告知モードが開始されるタイミングが到来するまでにおいて、遊技者により積極的に遊技を行うことを促すことが可能となる。
〔同期演出モードの画面構成〕
次に、同期演出モードにおいて画像表示部114に表示される画像について説明をする。
〔ゲーム有りの場合の画面構成〕
まず、図41(a)乃至(j)を参照しながら、公演演出の後にゲームを行う場合に、画像表示部114に表示される画像について説明をする。なお、同図において、図32(a)乃至(g)と同一の画像は、それぞれの画像と同一の符号をつけ、詳細な説明を省略することがある。
図41(a)に示すように、同期演出モードが開始される前、すなわち通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
次に、図41(b)に示すように、公演告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P171および公演告知画像P172が表示される。そして、図41(c)に示すように、同じ公演告知モードにおいて、背景P171および公演告知画像P172に替えて、背景P181、押圧誘導画像P182および演出ボタン画像P183が画像表示部114に表示される。
背景P171は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
公演告知画像P172は、楽曲公演が行われることを告知する演出画像である。そして、公演告知画像P172を用いた公演告知を行うことで、遊技を行っている遊技者は、大当たり抽選の結果に従って進行する遊技とは別の特別な演出が行われることを予め知ることができる。また、遊技が行われていないパチンコ遊技機100においては、公演告知によって、そのパチンコ遊技機100に遊技者を呼び込むことも期待できる。
また、背景P181は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
押圧誘導画像P182は、楽曲公演において遊技者が演出ボタン161(図2(b)参照)を押圧することを誘導する演出画像である。図示の例においては、演出ボタン161を押圧することで、カプセル抽選ゲームが実行され得ることを示唆する。そして、押圧誘導画像P182を用いた誘導を行うことで、遊技を行っている遊技者は、楽曲公演において演出ボタン161を押圧することでカプセル抽選ゲームが実行されることを予め知ることができる。
演出ボタン画像P183は、遊技者が歌手グループの応援のため拍手をすることに替えて操作することが必要な演出ボタン161を示す演出画像である。
なお、図示の例とは異なり、楽曲公演の告知モードにおいて、例えば楽曲公演が開始されるまでの残り時間に関する画像(例えば「残り5秒」等)を表示してもよい。
次に、図41(d)に示すように、公演モードにおいては、画像表示部114に、背景P191および楽曲公演画像P192が表示される。
背景P191は、他の要素画像の背後の光景や画像表示部114の枠などを構成する。
楽曲公演画像P192は、楽曲公演の演出画像である。本実施形態では、楽曲公演画像P192は、歌手グループによる歌唱ステージによって構成される画像である。なお、この楽曲公演画像P192の表示に同期して、スピーカ156(図1参照)からは楽曲が流される。
次に、図41(e)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示される。そして、図41(f)に示すように、同じゲーム告知モードにおいて、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P31および抽選用装置画像P32が表示される。
次に、図41(g)に示すように、許可告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P41および許可告知画像P42が表示される。
次に、図41(h)に示すように、操作受付モードにおいては、画像表示部114に、背景P51、誘導画像P52、および演出キー画像P53が表示される。
次に、図41(i)および(j)に示すように、抽選モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P61および抽選画像P62が表示された後、背景P61および抽選画像P62に替えて、背景P71およびカプセル画像P72が表示される。
なお、図41では記載を省略するが、結果告知モードにおいては、図33(a)乃至(c)と同様に、画像表示部114に、背景P81および開放カプセル画像P82に加えて、第1アイテム画像P83乃至第3アイテム画像P85のいずれかが表示される。
〔ゲーム無しの場合の画面構成〕
次に、図42(a)乃至(h)を参照しながら、公演演出の後にゲームを行わない場合に、画像表示部114に表示される画像について説明をする。なお、同図において、図34(a)乃至(f)と同一の画像は、それぞれの画像と同一の符号をつけ、詳細な説明を省略することがある。
図42(a)に示すように、同期演出モードが開始される前の通常演出モードにおいては、画像表示部114に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
次に、図42(b)に示すように、公演告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P171および公演告知画像P172が表示される。そして、図42(c)に示すように、同じ公演告知モードにおいて、画像表示部114に、背景P181に加えて、押圧誘導画像P182が表示される。
次に、図42(d)に示すように、公演モードにおいては、画像表示部114に、背景P191および楽曲公演画像P192が表示される。
次に、図42(e)および(f)に示すように、ゲーム告知モードにおいては、まず、画像表示部114に、背景P21およびゲーム告知画像P22が表示された後、背景P21およびゲーム告知画像P22に替えて、背景P31および抽選用装置画像P32が表示される。
次に、図42(g)に示すように、禁止告知モードにおいては、画像表示部114に、背景P101および禁止告知画像P102が表示される。
次に、図42(h)に示すように、複合モードにおいては、画像表示部114に、背景P111、装飾図柄P12、保留球表示P13および禁止告知画像P102が表示される。
なお、図42では記載を省略するが、禁止告知モードが終了した後、すなわち通常演出モードにおいては、図42(a)と同様に、画像表示部114の画面全体に、背景P11、装飾図柄P12、保留球表示P13などの要素画像によって構成される遊技演出画像が表示される。
〔第3の実施の形態の変形例〕
次に、図43(a)乃至(d)を参照しながら、第3の実施形態の変形例について説明をする。
図43(a)乃至(d)は、楽曲公演およびカプセル抽選ゲームを実行する時期に関する変形例のタイムテーブルを説明する図である。
まず、上述の第3の実施形態においては、図43(a)に示すように、同期演出モードにおいて、楽曲公演を予め定めた時間(期間)行った後にカプセル抽選ゲームを行うことを説明した。そして、カプセル抽選ゲームでアイテムを獲得する確率を、同期演出モードが開始されてからの遊技に関する情報(押圧回数)に応じて変化させることを説明した。
しかしながら、1つの同期演出モードにおいて、楽曲公演およびカプセル抽選ゲームが実行される構成であれば、同期演出モードにおける楽曲公演およびカプセル抽選ゲーム各々の実行時期は特に限定されない。また、カプセル抽選ゲームが開始されるまでに行われた遊技に関する情報に応じて、カプセル抽選ゲームでアイテムを獲得する確率が変化する態様であれば、同期演出モードが開始されてからの遊技に関する情報に限定されない。
例えば、図43(b)に示すように、同期演出モードにおいて、カプセル抽選ゲーム行った後に楽曲公演を行ってもよい。この場合、カプセル抽選ゲームでアイテムを獲得する確率を、上述の第1の実施形態あるいは第2の実施形態のように、大当たり回数に応じて変化させる。この構成は、カプセル抽選ゲームに参加したい遊技者にとって、遊技を継続させる動機付けとなり得る。なお、カプセル抽選ゲームの抽選結果に応じて、楽曲公演で演奏される楽曲の種類や、楽曲公演の長さ、楽曲公演画像P192の種類や寸法あるいは解像度等変化させる構成も考えられる。
また、図43(c)に示すように、同期演出モードにおいて、楽曲公演からカプセル抽選ゲームへ移行し、このカプセル抽選ゲーム後に再び楽曲公演へ移行してもよい。この場合、カプセル抽選ゲームよりも前の楽曲公演は、複数のパチンコ遊技機100が一律の楽曲を演奏し、カプセル抽選ゲームよりも後の楽曲公演は、カプセル抽選ゲームの抽選結果に応じてパチンコ遊技機100ごとに変化させる構成が考えられる。このことにより、遊技者のカプセル抽選ゲームに対する興味をより高めることができる。なお、この変形例においては、カプセル抽選ゲームでアイテムを獲得する確率を、押圧回数、大当たり回数、あるいは押圧回数および大当たり回数の合計回数に応じて変化させてもよい。
また、図43(d)に示すように、同期演出モードにおいて、楽曲公演とカプセル抽選ゲームとを同時に実行してもよい。この構成においては、上述の図43(a)乃至(c)の構成と比較して、同期演出の実行期間を短く設定することができる。ここで、同期演出モードにおいて、カプセル抽選ゲームおよび楽曲公演とが実行される時期が重複すればよく、カプセル抽選ゲームおよび楽曲公演のいずれかの一部のみが、実行される時期において他方と重複する構成であってもよい。
なお、上記の説明とは異なり、カプセル抽選ゲームが開始される時期までに行われた遊技に関する情報に応じて、1つの同期演出モードにおいて楽曲公演およびカプセル抽選ゲームが実行される態様と、1つの同期演出モードにおいて楽曲公演だけが実行される態様とを切り替える構成であってもよい。言い換えると、所定の期間に行われた遊技に関する情報に応じて、カプセル抽選ゲームを実行するか否かを切り替えてもよい。
〔その他〕
さて、上記第1の実施の形態乃至第3の実施の形態の説明においては、同期演出において実行されるゲームとして、カプセル抽選ゲームおよびルーレットゲームとを説明したが、例えば演出ボタン161や演出キー162を操作することで進行するゲームであれば、これらのゲームに限定されない。例えば、予め定めたアイテムを収集するアイテム収集ゲームや宝探しゲームが考えられる。あるいは、質問と回答を繰り返すクイズゲーム、演出ボタン161が押されたタイミングで回転している的に矢を放つ的当てゲーム、あるいは演出ボタン161を押すことでサイコロを振って出た目の数だけ先に進むことができるすごろくゲーム等が考えられる。
また、上記の説明においては、実行タイミングまでに行われた遊技に関する情報として、大当たり回数に基づいて、同期演出モードで実行されるゲームを制御することを説明した。
しかしながら、実行タイミングまでに行われた遊技に関する情報は、大当たり回数に限定されるものではなく、例えば、特別図柄あるいは普通図柄を変動させた回数である変動回数、あるいはリーチ演出を行いながら特別図柄抽選で大当たりしなかった回数であるリーチ外れ回数等に基づいて、同期演出モードで実行されるゲームを制御してもよい。
あるいは、パチンコ遊技機100が演出画像に用いられるキャラクタやアイテムの遊技者による選択を受け付ける構成を有し、実行タイミングまでにキャラクタやアイテムの選択がなされた場合には、この選択内容に基づいて、同期演出モードで実行されるゲームを制御してもよい。具体的には、例えば選択できるキャラクタやアイテムのうち、予め定められたキャラクタやアイテムを遊技者が選択した場合にのみ、同期演出モードで実行されるゲームの内容を変化させてもよい。
あるいは、発射装置(不図示)により発射されて遊技領域111(図1参照)に送り込まれた遊技球の球数を計数する発射球数センサ、あるいは遊技領域111の外に排出される遊技球の球数を計数する排出球数センサ等、遊技で使用した遊技球の数を検知する構成をパチンコ遊技機100が備える場合には、計数した遊技球の球数に基づいて同期演出モードで実行されるゲームの内容を変化させてもよい。
あるいは、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う構成を備える場合に、事前判定の結果に基づき、同期演出モードで実行されるゲームの内容を変化させてもよい。具体的には、第1始動口121(図1参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のステップ808、809参照)に先立って、事前判定を行う(図6のステップ605、611参照)。そして、この事前判定の結果が、大当たりまたは小当たりであった場合にのみ、同期演出モードで実行されるゲームの内容を変化させてもよい。
例えば、この事前判定の結果が、大当たりまたは小当たりであった場合に、ゲームが予め定めた結果となるように設定してもよい。なお、ここでのゲームにおいて予め定めた結果とは、カプセル抽選ゲームでアイテム「A」(図30(a)参照)を獲得することや、ルーレットゲームで当選すること等が考えられる。また、例えば大当たり回数等、実行タイミングまでに行われた遊技に関する情報に基づいて、事前判定の結果を遊技者に報知する確率を変化させてもよい。すなわち、ゲームの結果に対する信頼度を、遊技に関する情報に基づいて変化させてもよい。なお、ゲームの結果に対する信頼度を、遊技に関する情報に基づいて変化させない構成であってももちろんよい。
さて、上記の説明においては、実行タイミングまでに行われた遊技に関する情報に基づいて、同期演出モードで実行されるゲームを制御することを説明したが、遊技に関する情報と関連なく同期演出モードでゲームを実行してもよい。すなわち、予め定められた時間ないし時刻が到来すると、必ず同期演出モードとしてゲームを実行してもよい。このとき、遊技者が演出ボタン161や演出キー162などを操作することを、ゲームを進行させることの要件としてもよいし、あるいはゲームを進行させることの要件としなくともよい。
ここで、RTC304を用いる同期演出(RTC演出)に関する制御例について言及する。
同期演出を開始するタイミングは、上述したような所定の開始時間(実行時間)になったときのほかに種々のものが考えられる。
すなわち、次変動開始時や、大当たり遊技のインターバル中、大当たり遊技の次ラウンド開始時、同期演出実行部10が新たなコマンドを受信したとき、同期演出実行部10が新たなコマンドを受信した後などを同期演出の開始タイミングとする制御例である。
なお、同期演出の開始タイミングが到来したとしても、エラーが発生しているときにはエラーを優先して処理する制御例が考えられる。
また、同期演出の実行時間になっても、所定の場合に同期演出を実行しない制御例も考えられる。
すなわち、特定の演出表示(例えばSPSP、ラウンド中昇格演出等)の際に同期演出の実行時間になっても特定の演出中は同期演出を実行しない制御例や、特定の変動パターンで変動している際に同期演出の実行時間になっても変動が終了するまで同期演出を実行しない制御例である。
また、大当たり遊技終了の際に所定画像が表示される間は同期演出を表示しない制御例もある。ここにいう所定画像としては、例えばパチンコ遊技機100を製造した会社を示す会社ロゴ画像や、プリペイドカードを取り忘れないように注意喚起する画像等を挙げることができる。
さらに、大当たり遊技のエンディング中にも同期演出を表示しない制御例もある。
また、同期演出の終了タイミングは、例えば所定の終了時間となったときや、次変動開始時、大当たり遊技のインターバル中、大当たり遊技の次ラウンド開始時、同期演出実行部10が新たなコマンドを受信したとき、同期演出実行部10が新たなコマンドを受信した後、所定の終了時間の時(終了時)に溜まっている保留が消化された後などが考えられる。
また、同期演出の種類についての種々のものが考えられる。すなわち、同期演出の開始60秒前に、同期演出の開始を示唆する演出を始める第1カウントダウン演出である。また、画像表示部114(図1参照)に表示されるメニュー画面または客待ち画面で同期演出の開始までの残り時間を表示する第2カウントダウン演出や、同期演出が終了するまでの時間を報知する第3カウントダウン演出などもある。
このようなカウントダウン演出において、客待ち中の演出ボタン161(図1参照)等の操作に基づく第1表示中には第2カウントダウン演出を表示し、第1表示中以外の第2表示中には、第2カウントダウン演出を非表示とする制御例も考えられる。
また、同期演出として、次回の同期演出の内容を示唆する示唆演出を含ませる制御例も考えられ、また、同期演出の度に同期演出の一部または全部が変更されたり日によって同期演出の内容が異なったりする制御例も考えられる。また、同期演出に基づいて解放された演出を、以降の大当たり中に選択可能にする制御例も考えられる。
同期演出として、通常演出とは異なる特別演出ないし追加演出を含ませる制御例も考えられる。ここにいう通常演出としては、変動演出や大当たり演出、ラウンド演出、遊技の進行に伴って実行する演出、遊技者が選択する演出(選択演出)を挙げることができる。このような特別演出を複数とし、いずれか一を選ぶ制御を採用することも考えられる。
また、同期演出として、特別演出の演出内容を示唆する先行演出を含ませる制御例も考えられる。このような先行演出は、特別演出の演出内容が関連するものとすることができる。
さらに説明すると、先行演出と特別演出を連続して実行したり、特別演出に先立って先行演出を実行したり、選択演出を中止し、追加演出を実行したりする制御例も考えられる。また、所定の日を経過した(第2条件)後、特定の時間となる(第1条件)と同期演出における所定公演を実行する制御例も考えられる。また、複数種の特別遊技の実行タイミングを設定するタイミング設定手段を備え、設定されたタイミングで特別演出を実行する制御例も考えられる。
また、特別演出実行後に別の特別演出を実行する制御例も考えられる。また、通常演出(音、表示)よりも同期演出を優先する制御例も考えられる。
また、客待ち画面表示が所定時間経過すると節電状態に移行するパチンコ遊技機100においては、そのような節電状態(節電時、節電中)のときには同期演出を、節電用の同期演出とする制御例も考えられる。また、節電中には、音および/またはランプにて同期演出を行ったり画像表示部114(図1参照)以外の表示装置(不図示)で同期演出を行ったりする制御例も考えられる。
また、節電状態からの復帰(節電解除)が演出ボタン161(図1参照)の操作または始動口121,122(同図参照)への入球ないし入賞で行われる場合、節電解除後には節電対象である画像表示部114(同図参照)にて同期演出を実行する制御例も考えられる。
さて、上記においてはパチンコ遊技機100を用いて説明を行ったが、上記構成は、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
なお、上述の第1の実施形態乃至第3の実施形態のいずれかの実施形態の説明で言及した変形例を、他方の実施形態に適用することが可能であることは言うまでもない。
また、パチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
RTC304(図3または図27参照)は、提供手段の一例であり、演出制御部300のCPU301(図3または図27参照)は、第1演出制御手段の一例であり、判断手段の一例であり、第2演出制御手段の一例であり、第3演出制御手段の一例であり、取得手段の一例である。
第1始動口スイッチ211にて検出された検出信号は、始動信号の一例である。装飾図柄の変動表示は、第1演出の一例である。同期演出は、第2演出の一例である。カプセル抽選ゲームは、第3演出の一例である。ルーレット停止画像P152の表示は、選択表示の一例である。獲得コイン画像P163の表示は、選択表示後の演出の一例である。
100…パチンコ遊技機(遊技機)
301…CPU(演出制御手段、判断手段、演出ゲーム制御手段、取得手段)
304…RTC(提供手段)

Claims (2)

  1. 遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段を備える遊技機であって、
    所定の判定条件を満足したことを契機として、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段と、
    始動信号を基に所定の図柄変動を行うとともに、前記判定手段による前記判定の結果が反映される第1演出を表示制御する第1演出制御手段と、
    時間情報を提供する提供手段と、
    前記提供手段により提供される時間情報を基に前記演出制御手段により、前記判定手段による前記判定の結果が反映されない第2演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により許可された場合に前記第2演出を表示制御する第2演出制御手段と、
    前記第1演出および前記第2演出とは異なる演出ゲームを実行するとともに、前記判定手段による前記判定の結果が反映されない第3演出を表示制御する第3演出制御手段と、
    を備え、
    前記第3演出制御手段は、
    前記第2演出が実行されることを契機として前記第3演出を実行するとともに、
    前記第3演出において複数の選択肢の中から少なくとも1つを選択した状態を表示する選択表示をし、当該選択表示後の演出を当該選択された選択肢を基に変更可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技の制御に応じて演出の制御を行う演出制御手段を備える遊技機であって、
    始動信号を基に所定の図柄変動を行う第1演出を表示制御する第1演出制御手段と、
    時間情報を提供する提供手段と、
    前記提供手段により提供される時間情報を基に前記演出制御手段による第2演出を実行することが許可されるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により許可された場合に前記第2演出を表示制御する第2演出制御手段と、
    前記第1演出および前記第2演出とは別の第3演出を表示制御する第3演出制御手段と、
    前記第2演出が実行される前までに行われた遊技に関する情報を取得する取得手段と、
    遊技者の操作を検出する検出手段と
    を備え、
    前記第3演出制御手段は、前記検出手段が遊技者の操作を検出したことを契機として、前記第3演出を開始するとともに、前記取得手段によって取得される前記遊技に関する情報を基に当該第3演出が遊技者にとって有利な条件で行われるか否かを判断する
    ことを特徴とする遊技機。
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