以下、本発明について図を用いて説明する。なお、以下の実施例において、同一の構造部を持ち、同一の符号を付した部分は原則として同一の動作を行う。
(1)第1の実施の形態
図1は、本実施の形態による計算機システム1の全体構成を示す。図1に示す計算機システム1は、複数の一体型装置10(10a〜10d)を用いて構成されている。一体型装置10は、それぞれ一体型装置10内の接続装置200を介して接続装置50に接続されている。これにより複数の一体型装置10は、接続装置50を介して相互にアクセス可能である。
なお、以下においては、一体化装置とは、予め接続性が保障されている計算機、記憶装置および接続装置を備える装置を意味する。これら計算機、記憶装置および接続装置は、全体として1つのユニットとして扱われるのであれば、同一筐体内に収納されていても、またそれぞれが別個に形成されていても良い。具体的には、例えば計算機、記憶装置および接続装置が物理的に一体として扱われる形態が考えられる。
一体型装置10を管理する管理計算機500は、接続装置50を介して一体型装置10と接続されており、これにより管理計算機500が一体型装置10に含まれる各装置との通信を行い得るようになされている。また、管理計算機500は、インターネット90に接続されており、インターネット90を介して提供される各種情報を入手し得るようになされている。なお、管理計算機500をインターネット90を介して接続装置50に接続するように配置しても良い。クライアントは、インターネット90を介して計算機システム1に接続される。
本実施の形態による一体型装置10は、実装されたアプリケーションソフトウェアに基づいてユーザ業務に応じた各種処理を実行する1台以上の計算機300と、かかる計算機300がデータを読み書きする1台以上の記憶装置100と、計算機300および記憶装置100を上位接続装置50(以下、これを単に接続装置50と呼ぶ)に接続する下位接続装置200(以下、これを単に接続装置200と呼ぶ)とから構成される。計算機300および記憶装置100間や計算機300同士間は接続装置200を介して相互に接続される。計算機300は、一体型装置10内の記憶装置100に対しては、一体型装置内の接続装置200を介してアクセスすることが可能であるが、他の一体型装置内の記憶装置100にアクセスするためには、同じ一体化装置10内の接続装置200、接続装置50および他の一体型装置内の接続装置200を順次介してその記憶装置100にアクセスすることになる。
図2は、図1の接続装置50に代えて、複数の接続装置50を用いて複数の一体型装置50を各一体化装置50間で通信可能な状態に接続した場合の構成例を示す。この構成例では、各一体型装置10内の接続装置200と、各接続装置50とをメッシュ構成で接続することにより図1の接続装置50相当の通信網を構築したもので、一体型装置10を増設する場合など、一体型装置10間を接続する通信網に高い性能が要求される場合でも、一体型装置10の外の接続装置50を増設することで動的に対応することができる。また、図2では複数の接続装置50を一段で構成しているが、これを多段で構成することで、更に、一体化装置10の増設を柔軟にすることができる。また、多段接続装置を段毎に機能を分け、例えば段毎にネットワーク階層構成のレベル2やレベル3と分けて構成することで、接続装置50を機能に分けて構築することが可能となり、計算機システム1の拡張性を増すことができる。
図3は、一体型装置10において、計算機300´および記憶装置100´間を接続する接続装置209と、計算機300´間を接続し、外部の接続装置50と接続される接続装置200との2つの接続装置を用いた形態を示す。この構成では、一体型装置10´(10´a〜10´d)の計算機300´が当該一体型装置10´内の記憶装置100’にアクセスする際に、他の一体型装置10´をアクセスする際に使用する接続装置200を介さないので、図1の構成と比べ計算機300´から記憶装置100´へのアクセス性能を高めることができる。一方、記憶装置100´は接続装置200と直接接続されていないため、他の一体型装置10´の計算機300´が当該記憶装置100´にアクセスする際は、その記憶装置100´が属する一体型装置10´の計算機300´を経由してアクセスすることになる。
本実施の形態では、このような一体型装置10によって構成される計算機システム1において、古くなった一体型装置10を撤去して、新しい一体型装置10を導入する場合の一体型装置10の選定方式と、プログラムやデータおよび仮想計算機の移行方式とを提供する。
例えば、図1において、一体型装置10aを撤去し、新しい一体型装置を導入する場合を示す。導入する一体型装置には、いくつかのバリエーションを用意しており、図1に示すとおり、(a)1台の接続装置と2台の計算機と2台の記憶装置とからなる一体型装置11、(b)1台の接続装置と4台の計算機と1台の記憶装置とからなる一体型装置12、(c)1台の接続装置と8台の計算機と1台の記憶装置とからなる一体型装置13、(d)1台の接続装置と16台の計算機とからなる一体型装置14を追加の候補としている。また、以上の4種類の一体型装置11〜14に加えて、(e)複数の記憶装置のみからなる一体化装置15を追加の候補としている。
(a)〜(c)の一体型構成では、必ず接続装置、計算機および記憶装置が存在する。このタイプの一体型装置11〜13を追加するに際しては、例えば、データ演算の時間を多く必要とする場合には計算機の比率が高い一体型装置を選択し、データ演算に多くのパワーを必要とせず記憶データ量が多い場合には、記憶装置の比率が高い一体型装置を選択すればよい。また(d)の一体型構成では、計算機と接続装置のみが配置され、記憶装置が配置されていないため、計算機パワーのみを増強する場合に選択される。データを記憶する際は他の一体型装置に含まれる記憶装置を利用することになる。なお、見方を変えると(a)〜(d)の一体化構成は、同じ一体型装置11〜14内の計算機および記憶装置間や計算機同士間で通信を行なうため、一体型装置内に接続装置が含まれる構成である。
(e)に示す一体型構成では、1つの記憶装置により一体型装置が構成され、アクセスしてくる計算機は他の一体型装置に存在する計算機からだけであるため、当該に接続装置は不要になる。
以上述べたような複数のバリエーションは、一体型装置を提供するベンダによって予め準備し提供されるものであり、計算機システム1に一体型装置を追加する際、ユーザはこれらのバリエーション(またはシリーズ)の中から追加する一体型装置を選択することが可能である。これにより、ユーザは、計算機、ストレージおよび接続装置のそれぞれを個別に決定する必要がなく、このような決定に要するユーザの労力を低減することができる。
本実施の形態では、これら複数のバリエーションを有する一体型装置は、計算機システム1に追加する単位、また、計算機システム1から撤去する単位としており、この単位で、計算機システム1に対する一体型装置の追加や撤去が管理される。そして、ベンダは、種々の複数の機器から構成されるこの一体型装置を提供し、また、当該一体型装置を、計算機のパワー、記憶装置の記憶容量、機器の使用寿命、機器内のトポロジ、および、外部との接続数等(これらは後述する)の諸特性を用いて管理し、さらに、その一体型装置を特性の点から保障するものとする。そのため、計算機システムを管理するユーザは、一体型装置内の個々の機器を管理する負荷が低減し、ベンダが提供する一体型装置を利用することで、計算機システムの全体の管理が容易になる。
本実施の形態の計算機システム1は、ベンダが提供する、それぞれの装置内では装置内の機器間の接続性が保障された複数の一体型装置を、一体型装置の外部にある接続装置を用いてユーザ管理の下で接続することで、ユーザが希望する計算機パワーや記憶容量を構成したものである。
図4a〜図4fは、計算機システム1において一体型装置を更改する手順を示す。管理計算機500の撤去装置選定プログラム521は、一体型装置の各装置から寿命情報401を入手し、撤去する一体型装置を抽出する(図4a)。
次に、管理計算機500の移行計画策定プログラム523は、管理計算機500が保持する接続パス情報410を参照し、撤去する一体型装置に含まれる仮想計算機と記憶領域を抽出する(図4b)。
次に、管理計算機500の導入装置選定プログラム522は、各一体型装置から、それぞれ一体型装置内構成情報404を入手し、管理計算機500が保持する一体型装置間接続情報411、接続パス情報410、利用率情報412、および、ベンダ側の情報提供計算機80などの外部から入手する接続性保証情報420と、導入予定一体型装置内構成情報421、および、管理者から入手する拡張計画情報430とから、導入する一体型装置11〜14または記憶装置15を選定し、導入装置情報431を管理者に提示する(図4c)。なお、一体型装置を提供するベンダは必ずしも1社である必要がない。他ベンダが、一体型装置内構成情報404や、接続性保障情報420等、一体型装置を計算機システムに追加する際に選択の判断に使用される情報を提供できれば、提供された情報を用いて追加候補になるかを判定し、条件を満足できれば、他ベンダ提供の一体型装置を選定の対象としても良い。
管理計算機500の移行計画策定プログラム523は、計算機システムに新しい一体型装置が接続されることを常に監視している。移行計画策定プログラム523は、新しい一体型装置が接続されたことを検出すると、各一体型装置(新規に接続された一体型装置を含む)から、それぞれ一体型装置内構成情報404を入手し、管理計算機500が保持する一体型装置間接続情報411を更新する。さらに接続パス情報410、利用率情報412および接続性保証情報420と、管理者から入手した拡張計画情報430とに基づいて、撤去する一体型装置内の計算機300上の仮想計算機、および、記憶装置100内の記憶領域の移行計画432を策定する(図4d)。
管理計算機500の移行計画策定プログラム523は、移行計画が管理者によって承認されると、移行計画実行プログラム524を起動し、仮想計算機や記憶領域の移行を開始させる(図4e)。
撤去する一体型装置から、すべての仮想計算機および記憶領域の移行が完了すると、その一体型装置は撤去可能であり、管理計算機500は、撤去可能である旨の移行完了通知433を管理者に通知する(図4f)。かくして管理者は移行完了通知433に従い、一体型装置の撤去を実施する。
なお、仮想計算機や記憶領域を移行した場合、移行後の仮想計算機や記憶領域の位置を管理計算機500が管理し、インターネット90を介して与えられるクライアントからのコマンドを当該管理計算機500が対応する一体型装置に振り分けることになる。
以上のように処理することで、一体型装置を備える計算機システムにおいて、一体型装置の自動選定を可能とし、管理者の負荷を低減することができる。さらに、一体型装置の撤去および導入による記憶領域や仮想計算機の自動移行を可能とし、管理者の負荷を低減することができる。
上記手順は、一体型装置寿命情報401をトリガとする一体型装置の撤去および導入を例に説明を行ったが、同様に、一体型装置の撤去の伴わない一体型装置追加による計算機システムの拡張においても本発明が適用可能である。この場合、管理者が管理計算機500の導入装置選定プログラム523に拡張計画情報430の取得がトリガとなる。また同様に、計算機リソースの不足(計算機パワー)や記憶容量の不足に対応する計算機システムの拡張においても本発明が適用可能である。この場合、利用率情報412の取得がトリガとなる。
また、一体型装置の障害発生をトリガにしてもよい。具体的には、一体型装置が自身を監視し、構成内の一装置に障害が発生した場合に管理計算機500に報告してそれを契機にしたり、管理計算機500が自身の管理範囲である一体型装置を定期的に監視し、応答が無いのを障害と判定して契機にしたりする場合が考えられる。
以下、本発明の一体型装置および計算機システムの詳細を説明する。
図5aは、一体型装置10の構成例を示す。図5aに示す一体型装置10は、4台の計算機300と、1台の記憶装置100と、1台の接続装置200とから構成されている。計算機300および接続装置200間は、それぞれ1本のケーブルで接続されている。また記憶装置100および接続装置200間は、6本のケーブルで接続されている。また接続装置200は、外部の接続装置50と4本のケーブルで接続可能としている。本実施の形態においては、接続装置50として、イーサーネット(登録商標)の規格に準拠したものが適用されているが、イーサーネット(登録商標)以外の規格に準拠したものを適用するようにしても良い。
図5bは、計算機300の構成を示す。計算機300は、プログラムを実行するCPU310と、プログラムやプログラムが利用するデータを格納するメモリ320と、接続装置200に接続するためのイーサーネットコントローラ350とを備えて構成される。
計算機300のメモリ320には、仮想計算機を実行するための仮想計算機実行プログラム321と、仮想計算機322と、計算機の導入時期や稼動時間を管理する寿命管理プログラム328と、寿命管理テーブル329とが格納される。
本実施の形態においては、仮想計算機322上で、データを処理するプロセスを実行する場合を例に説明する。また本実施の形態において、データ処理は、1つ以上のプロセスによって実行されるものとする。プロセスは、正規化計算機パワーを単位として管理計算機500によって管理している。正規化計算機パワーとは、ある時点の計算機の処理能力を1として、正規化した計算機のパワーである。例えば、正規化計算機パワーを「4」必要とするプロセスは、正規化計算機パワーを4以上有する計算機上で実行可能である。プロセスを実行する仮想計算機の計算機パワーの変更は、仮想計算機に割り当てられているリソース(例えば、CPUリソース(コア数))の変更や割当て時間などを変更することにより実現される。
データ処理性能を向上する方法としては、プロセスに割り当てる正規化計算機パワーを増やす方法と、複数のプロセスで平行してデータ処理を実行する方法がある。どちらの方法によりデータ処理性能を向上できるかは、データ処理の種類による。本実施の形態では、プロセスを分割して性能を上げるケースと、プロセスを分割せずに性能を上げるケースの両方のケースを想定する。具体的には、前者としてはWebサイトなどの1つのページを複数の計算機で提供している場合、後者としてはデータベースが分割できない場合などが該当する。
管理計算機500は、負荷の高いプロセスを検出した場合、複数のプロセスで並行してデータ処理を実現できるプロセスについては、プロセス数を増やし並行してデータ処理を実行するため、仮想計算機および記憶領域を作成し、データ処理を並行して行えるようにする。例えば、正規化計算機パワー「1」で実行していたプロセスAの負荷が高くなった場合、管理計算機500は、正規化計算機パワー「1」の仮想計算機および記憶領域を作成し、作成した仮想計算機上でプロセスAを実行する。
管理計算機500は、負荷の高いプロセスを検出した場合、複数のプロセスで並行してデータ処理を実現できないプロセスについては、プロセスに割り当てる正規化計算機パワーを増やす。例えば、正規化計算機パワー「4」で実行していたプロセスBの負荷が高くなった場合、管理計算機は、プロセスBを実行している仮想計算機に割り当てる正規化計算機パワーを「6」に変更する。例えば、正規化計算機パワー「8」の計算機で、正規化計算機パワー「4」の仮想計算機を2個実行している場合、その仮想計算機の正規化計算機パワーを「6」に変更するためには、1個の仮想計算機を他の計算機300に移行する必要がある。
図5cは、記憶装置100の構成を示す。記憶装置100は、計算機300からのプログラムやデータの読み書きを司る記憶装置制御コントローラ150と、プログラムやデータを保持するSSD(solid state drive)101およびHDD(Hard Disk Drive)102などの記憶媒体とから構成される。なお、記憶媒体としては、SSD101およびHDD102のいずれか一方のみを適用するようにしても良い。
記憶装置制御コントローラ150は、プログラムを実行するCPU151と、プログラムやプログラムが利用するデータを格納するメモリ152と、計算機300から書き込まれたデータや記憶媒体(SSD101又はHDD102)から読み出したデータを一時的に保持するキャッシュ153と、接続装置200に接続するためのイーサーネットコントローラ155と、SSD101やHDD102に接続するためのドライブコントローラ156とを備えて構成される。
記憶装置制御コントローラ150のメモリ152には、計算機300からの読書き要求を実行するアクセス処理プログラム160と、他の記憶装置100に対して読書き要求を発行する外部記憶装置アクセスプログラム161と、一体型装置10の中の各装置間の接続関係を保持した一体型装置内構成情報レポートプログラム162と、一体型装置内構成情報テーブル163と、記憶装置100間でのデータコピーを実施するデータコピープログラム164と、記憶装置100の導入時期や稼動時間を管理する寿命管理プログラム168と、寿命管理テーブル169とが格納されている。
図5dは、接続装置200の構成を示す。接続装置200は、プログラムを実行するCPU210と、プログラムやプログラムが利用するデータを格納するメモリ220と、通信交換を制御するスイッチコントローラ250と、計算機300や記憶装置100又は他の接続装置200からのケーブルを接続する接続ポート290とを備えて構成される。
接続装置200のメモリ220には、通信交換を制御するためのスイッチ制御プログラム221と、接続装置200の導入時期や稼動時間を管理する寿命管理プログラム228と、寿命管理テーブル229とが格納されている。
図5eは、管理計算機500の構成を示す。管理計算機500は、プログラムを実行するCPU510と、プログラムやプログラムが利用するデータを格納するメモリ520と、装置の寿命の判定、および、利用率情報412(図4c)の作成に用いるタイマ540と、接続装置200に接続するためのイーサーネットコントローラ550とを備えて構成される。
管理計算機500のメモリ520には、撤去装置選定プログラム521と、導入装置選定プログラム522と、移行計画策定プログラム523と、移行計画実行プログラム524と、各装置から収集した寿命情報を保持する寿命情報保持テーブル530と、各一体型装置10から収集した一体型装置内構成情報404(図4c)を保持する一体型装置内構成情報保持テーブル531と、一体型装置間の接続情報である一体装置間接続情報411(図4c)を保持する一体型装置間接続情報保持テーブル532と、仮想計算機から記憶領域までの接続パス情報410(図4c)を保持する接続パス情報保持テーブル533と、各仮想計算機と各記憶領域との利用率情報412を保持する利用率情報保持テーブル534と、インターネット等を経由して入手した導入予定一体型装置内構成情報421(図4c)を保持する導入予定一体型装置内構成情報保持テーブル535と、管理者が入力した拡張計画情報430(図4c)を保持する拡張計画情報保持テーブル536と、移行計画実行プログラム524が策定した移行計画432(図4d)を保持する移行計画保持テーブル537と、インターネット等を経由して入手した接続性保証情報420(図4c)を保持する接続性保証情報保持テーブル538とが格納されている。
図6aは、図3について上述した一体型装置10´の他の構成例を示す。この一体型装置10´は、4台の計算機300´と、1台の記憶装置100´と、2台の接続装置200,209とから構成される。計算機300´および接続装置200間は、イーサーネットを用いて、それぞれ1本のケーブルで接続されている。また、計算機300´および接続装置209間は、ファイバチャネルを用いて、4本のケーブルで接続されている。記憶装置100´および接続装置209間は、ファイバチャネルを用いて4本のケーブルで接続されている。さらに、記憶装置100´および接続装置200間は、イーサーネットを用いて、2本のケーブルで接続されている。接続装置200,209としては、イーサーネットやファイバチャネル以外を用いても実施可能である。例えば、接続装置209として、ファイバチャネルに代えて、PCI−express等を用いても良い。
図6bは、計算機300´の構成を示す。計算機300´は、計算機300の構成に加え、接続装置209に接続するためのファイバチャネルコントローラ380を備えて構成される。
図6cは、記憶装置100´の構成を示す。記憶装置制御コントローラ150´では、記憶装置制御コントローラ150の6個あるネットワークコントローラのうちの2つがイーサーネットコントローラ155により構成され、残りの4つが接続装置209に接続するためのファイバチャネルコントローラ158により構成されている。
図7aは、一体型装置10,10´を用いた計算機システムの構成例を示す。この計算機システムは、1台の一体型装置10と、1台の一体型装置10´とを備えて構成される。2台の一体型装置10,10´間は、接続装置50を介して接続されている。一体型装置10内の接続装置200および一体型装置10´内の接続装置200は、いずれもイーサーネットに対応したものであるため、接続装置50もイーサーネットに対応したものが適用される。管理計算機500も、接続装置50に接続されている。
図7bは、図7aに加え、さらに管理計算機500の機能の一部を一体型装置10,10’において実行する計算機システムの例を示す。詳細は後述する。
図8は、図5b〜図5d並びに図6aおよび図6bに示す寿命管理テーブル329,169,229の構成例を示す。本実施の形態における計算機300,300´、記憶装置100,100´、および、接続装置200は、それぞれに寿命情報を保持する。寿命情報は、稼動開始日時および実稼働時間と、規定装置寿命および規定稼働時間とから構成される。稼動開始日時から規定装置寿命の期間を経過した場合、もしくは、実稼動時間が規定稼働時間を経過した場合には、その装置は寿命と判断され、撤去の候補となる。
本実施形態においては、一体型装置における稼動開始日時および実稼動時間は、同じになると想定している。これは、一体型装置においては、基本的に、一体型装置内の計算機300,300´、記憶装置100,100´および接続装置200において、個別に電源ON/OFFの処理を行わないため、稼動開始日時および実稼働時間が一致するためである。但し、故障した装置を交換した場合においては、稼動開始日時および実稼働時間がずれた装置が一体型装置内に存在することになる。この場合、寿命を迎えた装置と寿命を迎えていない装置の比率から、寿命を迎えた装置が多い場合(ほとんどの場合はこれに相当する)、一体型装置全体としての寿命は多数を占める寿命を迎えた装置によって判定する。管理計算機500の撤去装置選定プログラム521は、定期的に各装置から寿命情報を収集して、寿命情報保持テーブル530(図5e)に保持する。
なお、情報の保持形態をテーブルとして表現したが、例えばリストなど、内容として実質的に同じものであれば保持形態はどのような形態であっても良い。以降に示す情報についても同様である。
上述のとおり、本実施の形態では、計算機300,300´、記憶装置100,100´および接続装置200のそれぞれに、寿命管理プログラム328,168,228(図5a〜図5d、図6bおよび図6c)と寿命管理テーブル329,169,229(図5a〜図5d、図6bおよび図6c)を持たせた。以下、管理計算機500は、各装置からそれぞれ寿命情報を収集する形態で説明を行うが、一体型装置10,10´の計算機300,300´の一部が、一旦、一体型装置10,10´内の寿命情報を収集し、その収集した情報を、管理計算機500に通知する形態を用いても良い。
この場合、一体型装置10,10´の計算機300,300´上で、寿命収集プログラム328(図5b)を実行し、管理計算機500の撤去装置選定プログラム521(図5e)が、前記寿命収集プログラム328から、一体型装置10,10´の寿命情報を一括して収集する。また、図7bに示すように、一体型装置10,10´内に、一体型装置10,10´内専用の管理計算機501を設けても良い。この場合、一体型装置10,10´内の管理計算機501上で、寿命情報収集プログラムを実行し、管理計算機500の撤去装置選定プログラム521は、当該寿命情報収集プログラム328から、一体型装置の寿命情報を一括して収集する。
図9aおよび図9bは、一体型装置10,10´内の構成情報の構成例を示す。図9aは一体型装置10、図9bは一体型装置10´にそれぞれ対応する。一体型装置10,10´は、一体型装置10,10´の中の各装置間の接続関係を保持した一体型装置内構成情報404(図4c)を持つ。本実施の形態においては、記憶装置100,100’に一体型装置内構成情報テーブル163(図5c、図6c)と、一体型装置内構成情報レポートプログラム162(図5c、図6c)とを配置する。これら一体型装置内構成情報テーブル163および一体型装置内構成情報レポートプログラム162を計算機300,300´に配置しても良く、また接続装置200に配置するようにしても良い。また、図7bのように一体型装置10,10´内に管理計算機501を設け、管理計算機501にこれら一体型装置内構成情報テーブル163および一体型装置内構成情報レポートプログラム162を持たせるようにしても良い。
一体型装置内構成情報404は、その一体型装置10,10´を構成する接続装置200、計算機300,300´、記憶装置100,100´に関して、その種別やその接続形状を表すトポロジ情報、さらには接続装置200の形式、搭載数および外部接続装置との接続数と、計算機300,300´の正規化計算機パワーと、記憶装置100,100´の記憶容量等の情報を含む。
ここで、計算機300,300´の処理能力は、一体型装置10,10´が有する全ての計算機300,300´の合計(図9aおよび図9bでは4台の計算機300,300´の合計)の処理量が正規化計算機パワーとして管理されるので、例えば、一体型装置10,10´を他の一体型装置10,10´を構成する計算機300,300´の合計の正規化計算機パワーと比較することで、一体型装置10,10´間の計算機パワーの大小を見つけることができる。
また、記憶装置100,100´の記憶容量は、一体型装置10,10´に含まれる全ての記憶装置100,100´の合計の記憶容量が管理されるので、例えば、ある一体型装置10,10´の一体型装置内構成情報404の記憶装置100,100´の記憶容量を、他の一体型装置10,10´の記憶容量と比較することで、一体型装置10,10´間の記憶容量の大小が比較できる。
このように、一体型装置内構成情報404を用いれば一体型装置10,10´間のリソース状況を簡単に比較できるので、本実施の形態で述べている一体型装置10,10´単位で計算機システムからの追加と撤去を考える場合、そのリソースの増減の計算が容易になる。即ち、一体型装置10,10´は、一体型装置10,10´の一体型装置内構成情報404で示される一体型装置10,10´内の正規化計算機パワーの合計量若しくはリソースの合計量、又はその両方で管理される単位と考えることができる。
管理計算機500の移行計画策定プログラム522(図5e)や導入装置選定プログラム523(図5e)は、各一体型装置10,10´内の記憶装置100,100´から一体型装置内構成情報404を収集して、一体型装置内構成情報保持テーブル531(図5e)に保持する。
図10は、一体型装置10,10´間の接続情報の例を示す。管理計算機500の移行計画策定プログラム522は、計算機システムに新しい一体型装置10,10´が接続されることを常に監視している。移行計画策定プログラム524は、新しい一体化装置10,10´が接続されたことを検出すると、新規に接続されたものを含むすべての一体化装置10,10´から、一体型装置内構成情報404を入手し、管理計算機500が保持する一体型装置間接続情報411(図4c)を更新する。図10では、接続装置50は、2台の一体型装置10,10’とそれぞれ接続数4で接続されていることが示されている。
図11は、接続パス情報410(図4c参照)の構成例を示す。管理計算機500は、一体化装置10,10´の計算機300,300´上で実行される仮想計算機322(図5b、図6b)と、仮想計算機322が利用する記憶領域との関係を示す接続パス情報410を接続パス情報保持テーブル533(図5e参照)に保持している。本実施の形態の仮想計算機322と記憶領域は、それぞれの固有の識別番号が割り当てられているため一意に識別可能である。例えば図11では、「30001」という仮想計算機322は、「300a」という計算機300上で実行中であり、「100」という記憶装置100内の「10001」という記憶領域を利用中であることが示されている。また図11では、例えば「31007」という仮想計算機322は、「300´c」という計算機300´上で実行中であり、「100」という記憶装置100内の「10007」という記憶領域を利用中であることが示されている。接続パス情報410には、レイテンシポリシを付加することができる。
図11に示す接続パス情報410においては、「30009」という仮想計算機322および「31009」という仮想計算機322について、それぞれレイテンシポリシを「一体型装置内」と指定している。レイテンシポリシに「一体型装置内」と指定されている場合、仮想計算機322が使用する記憶領域は、仮想計算機322が実行される計算機300,300´が存在する一体型装置10,10´と同じ一体型装置10,10´の記憶装置100,100´に用意する必要がある。同じ一体型装置10,10´内に仮想計算機322および記憶領域を設けると、接続装置50を介すことなく仮想計算機322が記憶領域にアクセスすることが可能となるため、レイテンシの長大化を防ぎ性能が改善する。よって、レスポンス性能が求められるプロセスを実行する仮想計算機322に対しては、「一体型装置内」のレイテンシポリシを指定する。レイテンシポリシは、管理計算機500から指定可能である。
また、レイテンシポリシは、仮想計算機322および記憶領域が近傍に存在するか否かを基準としても良い。ここでいう近傍とは、例えば基準となる仮想計算機322又は記憶領域が動作する計算機300,300´又は記憶装置100,100´から、もう一方の仮想計算機322又は記憶装置100,100´までいくつ機器が存在しているかといった物理的な構成や、管理計算機500の管理単位(管理範囲)などが考えられる。
図12は、利用率情報412(図4c参照)の構成例を示す。管理計算機500は、定期的に仮想計算機322および記憶領域の負荷を取得し、その経過をデータ処理単位に利用率情報保持テーブル534(図5e)に格納して保持する。また、管理計算機500は、定期的に記憶領域の利用容量を取得し、その経過を利用率情報保持テーブル534に格納して保持する。
例えば図12では、「90000」というデータ処理が「30009」という仮想計算機322上の「90001」というプロセスによって実行されていることが示されている。また図12では、管理計算機500が仮想計算機322のCPU負荷率および記憶領域の利用容量を1分毎に取得していることが示されている。なお、管理計算機500は、CPU負荷率が高くなった場合、「30009」という仮想計算機322に割り当てる正規化計算機パワーを増やしデータ処理性能を向上する。
また図12では、「91000」データ処理が「30001」という仮想計算機322上の「91001」というプロセスによって実行されていることが示されている。また図12では、管理計算機500が「30001」という仮想計算機322のCPU負荷率および「10001」という記憶領域の利用率を1分毎に取得していることが示されている。そして管理計算機500は、CPU負荷率が高くなった場合に、「30002」という仮想計算機322と「10002」という記憶領域を新たに作成し、「30002」という仮想計算機322上で「91002」というプロセスを起動し、データ処理を並行して実行することでデータ処理性能を向上する。
利用率情報412を用いることで、データ処理単位ごとに正規化計算機パワーの伸び率と記憶容量の伸び率を把握できるため、今後必要となる総正規化計算機パワーと記憶領域の総記憶容量を把握することができる。
図13a〜図13eは、導入予定一体型装置内構成情報421(図4c参照)の構成例を示す。管理計算機500は、インターネット等を通じて、導入予定一体型装置内構成情報421を入手する。導入予定一体型装置内構成情報421は、ベンダが納入可能な一体型装置に関する一体型装置接続情報411(図4c)である。これにより、管理計算機500の導入装置選定プログラム522(図5e)は、この導入予定一体型装置内構成情報421に基づいて、次に導入すべき一体型装置を選定する。
図13aは、図1について上述した一体型装置11に関する導入予定一体型装置内構成情報421の構成例である。この例では、一体型装置11は、2台の計算機300と、2台の記憶装置100とから構成され、記憶装置100の合計の記憶容量は200TBであることが示されている。また図13bは、図1について上述した一体型装置12に関する導入予定一体型装置内構成情報421の構成例である。この例では、一体型装置12は、4台の計算機300と、1台の記憶装置100とから構成され、記憶装置100の記憶容量が100TBであることが示されている。
図13cは、図1について上述した一体型装置13に関する導入予定一体型装置内構成情報421の構成例である。この例では、一体型装置13は、8台の計算機300と、1台の記憶装置100とから構成され、記憶装置100の記憶容量が10TBであることが示されている。また図13dは、図1について上述した一体型装置14に関する導入予定一体型装置内構成情報421の構成例である。この例では、一体型装置14は、16台の計算機300から構成される。一体型装置14は、記憶装置100を持たないため、記憶容量はない。
さらに図13eは、図1について上述した一体型装置15に関する導入予定一体型装置内構成情報421の構成例である。一体型装置15は、1台の記憶装置のみから構成され、その記憶容量が400TBであることが示されている。上述のように一体型装置15は、厳密には一体型装置ではないが他の一体型装置11〜14と同様に扱うために一体型装置として取り扱うものとする。
管理計算機500の導入装置選定プログラム523(図5e)は、インターネット等を通じて導入予定一体型装置内構成情報421を収集して、導入予定一体型装置内構成情報保持テーブル535(図5e)に格納し保持する。なお、図示はしていないが、ベンダの種類と提供されるコストに関する情報を導入予定一体型装置内構成情報421に含んでも良い。
図14は、拡張計画情報430(図4c参照)の構成例を示す。管理者は管理計算機500の入力手段を用いて、拡張計画情報430を入力することができる。拡張計画情報430は、新しい一体型装置を導入して新たに仮想計算機322および記憶領域を配置する計画を示す情報である。図14では、正規化計算機パワーが「4」、記憶容量が「1TB」、レイテンシポリシが「なし」の仮想計算機322と記憶領域との組み合わせを新規に「50個」、また正規化計算機パワーが「16」、記憶容量が「2TB」、レイテンシポリシが「一体型装置内」の仮想計算機322と記憶領域との組み合わせを新規に「8個」必要としていることが示されている。管理計算機500の導入装置選定プログラム522(図5e)は、管理者が入力した拡張計画情報430を、拡張計画情報保持テーブル536(図5e)に格納して保持する。
図15は、撤去装置選定プログラム521により実行される撤去装置選定処理の処理手順を示す。
撤去装置選定プログラム521は、計算機システム1に接続されているすべての計算機300,300´、記憶装置100,100´および接続装置200から、寿命情報401(図4a)を収集し(ステップ1510)、一体型装置毎に寿命判定を行う(ステップ1520)。
寿命判定は、具体的には、一体型装置において規定装置寿命もしくは規定稼働時間を超える装置が多数(例えば8割を超過)の場合、一体型装置の寿命とみなし、撤去する候補とする。例えば一体型装置10´内の各装置から収集した寿命情報が図8に示す内容であった場合、実稼動時間が規定稼動時間を超過しているため、図7aおよび図7bに示す計算機システム1において、一体型装置10´が撤去する候補となる。また、稼働開始日時から、規定装置寿命を超えているかの確認は、管理計算機500に設けたタイマ540(図5e)の現在の日時と比較することで実施しても良い。ただし、一体型装置内のいずれか1つの装置(特に接続装置200)が規定装置寿命もしくは規定稼働時間を超える場合にその一体型装置も寿命であるとみなし、撤去する候補とするようにしても良い。
次に、撤去装置選定プログラム521は、ステップ1520の寿命判定において寿命と判定した一体化装置(以下、一体型装置10´とする)を撤去候補として、導入装置選定プログラム522を起動し(ステップ1530)、この後、この撤去装置選定処理を終了する。
図16は、かかる撤去装置選定処理のステップ1530において起動された導入装置選定プログラム522により実行される導入装置選定処理の処理手順を示す。
導入装置選定プログラム522は、まず接続パス情報保持テーブル533(図5e)に保持されている接続パス情報410(図4c)を参照し、撤去される一体型装置10´に含まれる仮想計算機322および記憶領域を抽出する(ステップ1610)。
次に、導入装置選定プログラム522は、想定期間情報を取得する(ステップ1615)。想定期間情報は、管理計算機500の入力手段を用いて、管理者が入力しても良いし、予め管理計算機500に設定済みとしても良い。想定期間情報としては、計算機システム1を定期的に見直す期間のことで、例えば、6ヶ月や1年、4380時間や8760時間などの期間が適用される。
続いて、導入装置選定プログラム522は、利用率情報保持テーブル534(図5e)に格納されている利用率情報412(図4c)と、想定期間情報とを参照し、計算機システム1全体で、今後想定期間内に必要となる正規化計算機パワーを算出する(ステップ1620)。今後想定期間内に必要となる正規化計算機パワーは、データ処理プロセスの正規化計算機パワーの伸び率をIRP、想定期間をT、当該データ処理プロセスの現在の正規化計算機パワーをCPとして、次式
で与えられる個々のデータ処理プロセスについての正規化計算機パワーの総和として計算される。
次いで、導入装置選定プログラム522は、利用率情報保持テーブル534(図5e)に格納されている利用率情報412(図4c)と、想定期間情報とを参照し、計算機システム1全体で、今後想定期間内に必要となる記憶領域の容量を算出する(ステップ1630)。今後想定期間内に必要となる記憶領域の容量は、記憶領域の記憶容量の伸び率をIRC、想定期間をT、現在の記憶領域の記憶容量をCCとして、次式
で与えられる個々の記憶領域についての記憶容量の総和として計算される。
次に、導入装置選定プログラム522は、ステップ1620で求めた今後想定期間内に必要となる計算機システムの総正規化計算機パワーから、撤去される一体型装置の総正規化計算機パワーを減算する(ステップ1640)。
さらに導入装置選定プログラム522は、ステップ1630で求めた今後想定期間内に必要となる計算機システム1の記憶領域の容量から、撤去される一体型装置の総記憶容量を減算する(ステップ1650)。
続いて導入装置選定プログラム522は、導入予定一体型装置内構成情報保持テーブル535(図5e)に格納されている導入予定一体型装置内構成情報421(図4c)と、一体化装置の撤去により不足する正規化計算機パワーおよび記憶容量とに基づいて、導入すべき一体型装置を選定する(ステップ1660)。
次に、導入装置選定プログラム522は、導入装置情報431(図4c)を作成し、作成した導入装置情報431を管理計算機500の出力手段を介して管理者に提示する(ステップ1670)。
図16に示した処理について、さらに、ステップ1660において、導入すべき一体型装置を選定するにあたり、レイテンシポリシを考慮しても良い。レイテンシポリシに「一体型装置内」と指定されている場合、仮想計算機322が使用する記憶領域は、仮想計算機322が実行される計算機300,300´が存在する一体型装置と同じ一体型装置の記憶装置100,100´に配置する。このため、他の一体型装置に余分な記憶容量がある場合でも、正規化計算機パワーに空きがなければ、新たに記憶容量を用意する必要がある。導入装置選定プログラム522は、この点を考慮し記憶容量を算出する。
また、次のステップを追加し、導入すべき一体型装置を選定するにあたり、拡張計画情報430(図4c)を用いても良い。すなわち、ステップ1615として、管理計算機500の出力手段を用いて、拡張計画情報430の入力を要求する。管理者は拡張計画情報430を入力する。入力された拡張計画情報430は、拡張計画情報保持テーブル536(図5e)に格納されて管理される。
この場合、ステップ1620およびステップ1630における処理は、それぞれ以下のように変更する。これにより、導入すべき一体型装置を選定するにあたり、利用率情報から算出される伸び率に加え、新規に追加する仮想計算機と記憶容量が考慮される。
すなわちステップ1620では、利用率情報保持テーブル534(図5e)に格納されている利用率情報412と、想定期間情報と、拡張計画情報430とを参照し、計算機システム1全体で、今後想定期間内に必要となる正規化計算機パワーを算出する。今後想定期間内に必要となる正規化計算機パワーは、個々のデータ処理プロセスごとに、上述の(1)式により算出された正規化計算機パワーに、拡張計画情報430より認識されるそのデータ処理プロセスの拡張分の正規化計算機パワーを加算したものを計算し、すべてのデータ処理プロセスの総和を計算することにより得ることができる。
またステップ1630では、利用率情報保持テーブル534に格納されている利用率情報412と、想定期間情報と、拡張計画情報430とを参照し、計算機システム1全体で、今後想定期間内に必要となる記憶領域の容量を算出する。今後想定期間内に必要となる記憶領域の容量は、個々の記憶領域ごとに、上述の(2)式により算出された記憶容量に、拡張計画情報430により認識されるその記憶領域の拡張分の記憶容量を加算したものを計算し、すべての記憶領域の記憶容量の総和を計算することにより得ることができる。
図17(A)および(B)は、接続性保証情報420(図4c)の構成例を示す。導入装置選定プログラム522(図5e)は、導入すべき一体型装置を選定するにあたり、インターネット90(図1)を介して入手した接続性保証情報420を用いても良い。管理計算機500は、入手した接続性保証情報420を、接続性保証情報保持テーブル538(図5e)に保持する。図17では、「○」は接続性が保証されていることを示し、「×」は接続性が保証されていないことを示す。よって図17では、計算機300から記憶装置100´は利用できない(接続性が保証されていない)が、計算機300から記憶装置100”は利用できる(接続性が保証されている)ことが示されている。
この場合、導入すべき一体型装置が一体型装置10で計算機が計算機300、計算機システム内に一体型装置10´があり、記憶装置100´に空きの記憶容量がある場合においても、計算機300は、記憶装置100´の空き記憶容量を利用できないため、計算機300に併せて新たに記憶容量を用意必要がある。導入装置選定プログラム522は、この点を考慮し記憶容量を算出する。
すなわち、この接続性保障情報420は、複数の一体型装置(バリエーション、シリーズ)間での接続性を示す情報であり、この情報を用いることで、導入済みの一体型装置の計算機と記憶装置と、導入予定の計算機と記憶装置との間のアクセスの可否を知ることができる。従って、この接続性保障情報420は、導入済み一体型装置と今後導入する一体型装置間の関係を示すものであり、この情報が複数の一体型装置を結び付け、複数の一体型装置をバリエーションまたはシリーズとして体系付けていると考えることができる。
図18は、移行計画策定プログラム523(図5e)により実行される移行計画策定処理の処理手順を示す。
移行計画策定プログラム523は、計算機システム1に新しい一体型装置が接続されることを監視する(ステップ1810)。そして移行計画策定プログラム523は、やがて新しい一体型装置が接続されたことが検出すると、ステップ1820に進む。新しい一体型装置が接続されたことの検出は、例えば、追加された一体型装置が起動されたときに、一体型装置の各装置が発行するネットワーク識別子(IPアドレス)の取得要求を用いても良い。
次いで、移行計画策定プログラム523は、新規に接続されたものを含む各一体型装置から、それぞれ一体型装置内構成情報404(図4c)を入手し、入手した一体型装置内構成除法404に基づいて、管理計算機500の一体型装置間接続情報保持テーブル532(図5e)に格納されている一体型装置間接続情報411(図4c)を更新する(ステップ1820)。
続いて、移行計画策定プログラム523は、接続パス情報保持テーブル533(図5e)に格納されている接続パス情報410(図4c)を参照し、撤去される一体型装置10´に含まれる仮想計算機322および記憶領域を抽出する(ステップ1830)。
さらに移行計画策定プログラム523は、ステップ1830で抽出した記憶領域の移行先を、利用率情報保持テーブル534(図5e)に格納されている利用率情報412(図4c)を参照して決定する(ステップ1840)。また移行計画策定プログラム523は、ステップ1830において抽出した仮想計算機322の移行先を、利用率情報412を参照して決定する(ステップ1850)。
次いで、移行計画策定プログラム523は、一体型装置間接続情報411(図4c)を参照して、記憶領域の移行計画を策定する。一体型装置間での記憶領域の移行(記憶領域内のデータのコピー)は、接続装置50を介して行うことになるため、同時に移行(コピー)する記憶領域の数を制限し、他の仮想計算機322の実行への影響を抑える。策定した移行計画は、移行計画保持テーブル537(図5e)に格納する(ステップ1860)。
続いて、移行計画策定プログラム523は、一体型装置間接続情報411を参照して、仮想計算機322の移行計画432を策定する(ステップ1865)。一体型装置間での仮想計算機322の移行(特に仮想計算機を瞬時に移行する場合の仮想計算機322のメモリのコピー)は、接続装置50を介して行うことになるため、同時に移行(メモリコピー)する仮想計算機322の数を制限し、他の仮想計算機322の実行への影響を抑える。策定した移行計画は、移行計画保持テーブル537(図5e)に格納する。
さらに移行計画策定プログラム523は、策定した移行計画を管理計算機500の出力手段に表示し、管理者の承認を求める(ステップ1870)。移行計画は、移行元の仮想計算機322および記憶領域ごとに移行先を示すこと、かつ、それぞれの移行をどのタイミングで開始するかを示すことであり、管理計算機500の画面に表示される。具体的には、撤去予定である一体型装置の計算機上で操作していた仮想計算機322を、新たに追加/導入した一体型装置の仮想計算機に、何月何日の何時何分に移行を開始するといった具合である。なお、仮想計算機322の移行タイミングは実行するプロセスが多い時期を避けたり、記憶領域のデータ量が大きく移行に伴う転送負荷が大きい移行処理の場合は、他の移行処理を時間的にずらしたりして実行する計画を立てることができる。また、ステップ1870を省略し、移行計画の策定から移行計画実行を連続して実行しても良い。
なお、上述の利用率情報412(図4c)を参照して記憶領域や仮想計算機322の移行先を決めるステップについては、具体的には利用できる記憶領域や計算機パワーの大きい順に移行先の候補として判断する。また、時系列情報を用いて計算することによって(例えば一時近似など)、記憶領域や計算機パワーの伸び率が求められるので、あらかじめ定めた一定以上の伸び率だった場合、移行先の候補としての順番を下げることで、効率的な移行を実現することができる。
続いて、移行計画策定プログラム523は、移行計画実行プログラム524(図5e)を起動し(ステップ1880)、この後、この。移行計画策定処理を終了する。
なお、上述の移行計画策定処理に関し、ステップ1850において、仮想計算機の移行先を決定するにあたり、レイテンシポリシを考慮するようにしても良い。レイテンシポリシに「一体型装置内」と指定されている場合、その仮想計算機322が使用する記憶領域は、仮想計算機322が実行される計算機が存在する一体型装置と同じ一体型装置の記憶装置に配置する必要がある。よって、記憶領域を移行した一体型装置と同じ一体型装置内の計算機に仮想計算機322を配置するように移行計画を策定する。
また、仮想計算機322の移行先を決定するにあたり、インターネット90を介して入手した接続性保証情報420(図4c)を用いるようにしても良い。具体的に、移行計画策定プログラム523は、ステップ1840において決定した記憶領域の移行先の記憶装置と、現時点で仮想計算機322を実行している計算機の間で接続性が保証されていない場合、記憶領域の移行により接続性が保証されなくなる仮想計算機においても移行対象とし、ステップ1850において仮想計算機の移行先を、利用率情報412を参照して決定する。
一方、図19は、移行計画実行プログラム524(図5e)により実行される移行計画実行処理の処理手順を示す。
移行計画実行プログラム524は、まず、移行計画保持テーブル537(図5e)に格納されている移行計画に従って、仮想計算機322および記憶領域の移行処理を開始する(ステップ1910)。
ここで、仮想計算機322および記憶領域の両方を移行する場合、移行計画実行プログラム524は、移行する仮想計算機322(例えば撤去予定の一体型装置の計算機上で稼動中の仮想計算機322)を一旦停止させ、記憶領域(例えば、撤去予定の一体型装置の記憶装置上の記憶領域)を移行先の記憶領域(例えば新たに追加した一体型装置の記憶装置の記憶領域)にコピーするように記憶装置のデータコピープログラム164(図5c)に指示を与える。また移行計画実行プログラム524は、この後、記憶装置のデータコピープログラム164からコピー完了通知を受け取ると、仮想計算機322を移行先の計算機(例えば新たに追加した一体型装置の計算機)上で再開し(ステップ1920)、この後、この移行計画実行処理を終了する。
一方、記憶領域のみを移行する場合、移行計画実行プログラム524は、仮想計算機322を一旦停止させ、記憶領域を移行先の記憶領域にコピーするように記憶装置のデータコピープログラム164に指示する。また移行計画実行プログラム524は、この後、記憶装置のデータコピープログラム164からコピー完了通知を受け取ると、仮想計算機322を再開し(ステップ1930)、この後、この移行計画実行処理を終了する。
他方、仮想計算機322のみを移行する場合、移行計画実行プログラム524は、仮想計算機322を一旦停止させ、仮想計算機322を移行先の計算機上で再開し(ステップ1940)、この後、この移行計画実行処理を終了する。
なお、上述の移行計画実行処理では、ステップ1920、ステップ1930およびステップ1940において、記憶装置が移行元の記憶領域から移行先の記憶領域にデータをコピーしている間、仮想計算機322の処理を中断しているが、コピー中も仮想計算機322の実行を行うためには、記憶領域のコピー中も、記憶領域へのアクセスを実行可能とする必要がある。
そこで、本実施の形態においては、移行先の記憶領域にデータの読み出しが発生した場合、移行先の記憶領域へのコピーが完了していない場合、移行元の記憶領域から当該データを読み出して仮想計算機322にデータを転送すると共に、移行先の記憶領域にデータの書き込みが発生した場合には、移行先の記憶領域と移行元の記憶領域の両方に当該データの書き込みを行う。このように処理することにより、コピーの完了を待たずして、仮想計算機322を再開可能となるため、仮想計算機322の停止時間を短縮することができる。
また、上述の移行計画実行処理において、異なる記憶装置に記憶領域を移行した場合、移行先の記憶装置に新しい記憶領域を作成し、移行元の記憶装置の記憶領域からデータをコピーする場合が多い。このような場合、移行先の記憶装置に作成した新しい記憶領域は、新しい識別番号(例えば新しいファイバチャネルのWWNおよびLUNの組み合わせ)を持つことになる。一旦停止させた仮想計算機322は、再開後、記憶領域の識別番号が変わっていると、記憶領域を発見できないため、再開に失敗する場合がある。そこで移行計画実行プログラム524は、識別番号が変わる場合、接続装置200や仮想計算機322に移行先の新しい識別番号を設定し、設定後、仮想計算機322を再開する。これにより、仮想計算機322は移行後に記憶領域を発見可能となる。
また、記憶装置によっては、移行元の記憶領域の識別番号を異なる記憶装置の移行先において引き継ぐ機能を有している。よって、記憶装置が識別番号を引き継ぐ機能を有していることを検出した場合に、識別番号を引き継ぐ記憶領域の移行を実施する機能を移行計画実行プログラム524に持たせるようにしても良い。これにより、仮想計算機322の再開にあたり接続装置200や仮想計算機322に識別番号を設定する処理を省略することができる。
また、移行元の記憶装置と移行先の記憶装置の間で、記憶領域間のコピーをサポートしていない場合、移行計画実行プログラム524が、移行元の記憶装置と移行先の記憶装置の両方にアクセス可能な計算機を検索し、その計算機上で、データコピープログラムを実行するようにしても良い。
この場合、データコピープログラム164は、移行元の記憶領域からデータを読み出し、移行先の記憶領域にデータを書き込む。またデータコピープログラム164は、データのコピーが完了すると、移行計画実行プログラム524にコピー終了を報告する。そして移行計画実行プログラム524は、かかるコピー終了の報告を受信すると、データコピープログラム164を計算機上から消去する。なお、この場合において、移行計画実行プログラム524が移行計画に従って、複数のデータコピープログラムを実行するようにしても良い。
また、仮想計算機実行プログラム321(図5b)がデータコピープログラムを備えている場合、移行計画実行プログラム524が、仮想計算機実行プログラム321が備えるデータコピープログラムを用いるようにしても良い。
(2)第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、仮想計算機322から直接、記憶領域をアクセスする場合について説明した。本実施の形態では、他の接続形態における移行について説明する。
図20は、4台の一体型装置10を用いて構成した本実施の形態による計算機システムを示し、図21は、本計算機システムにおける接続パス情報410(図4c)の構成例を示す。
計算機300aa上の仮想計算機32001は、計算機300ca上の仮想計算機33001を介して記憶装置100c内の記憶領域13001と、計算機300bb上の仮想計算機33002を介してという記憶装置100b内の記憶領域13002を利用している。本実施の形態では、仮想計算機32001と記憶領域の間に、1段2台の仮想計算機を用いたが、n段m台(nとmは任意)の構成で実施可能である。間に配置した仮想計算機においては、NFSやCIFS等のファイルサービスを実行してもよい。これにより、仮想計算機32001は、NFSやCIFSプロトコルにより記憶領域13001,13002に対してデータを書き込むことができるようになる。また、Webサーバを実行しても良い。これにより、仮想計算機32001は、いくつものWebサーバに処理を振り分け、膨大なWeb処理の処理負荷を分散させることができる。
図21に示す接続パス情報410において、一体型装置10aを撤去し、一体型装置10dを追加する場合、移行計画策定プログラム523は、例えば、撤去する一体型装置10aで実行中の仮想計算機32001を追加する一体型装置10dに移行する移行計画を策定する。移行計画実行プログラム524は、仮想計算機32001を一旦停止し、移行先の一体型装置10dの計算機上で仮想計算機32001を再開する。
本実施例においては、同居ポリシを設定可能としている。同居ポリシに「同居不可」のポリシを指定すると、移行計画策定プログラム523は、仮想計算機32001と、仮想計算機33001と、仮想計算機33002とを異なる一体型装置上で実行するように移行計画を策定する。なお、同居ポリシが設定された場合、一体型装置単位で同居不可とするか、計算機単位で同居不可とするかは選択可能としても良いし、同居ポリシに「計算機内同居不可」「一体型装置内同居不可」、等詳細を記載しても良い。
また、図21に示す接続パス情報410において、一体型装置10bを撤去し、一体型装置10dを追加する場合、移行計画策定プログラム523は、例えば、撤去する一体型装置10bで実行中の仮想計算機33002を追加する一体型装置10dに移行、および、撤去する一体型装置10bの記憶領域13002を追加する一体型装置10dに移行する移行計画を策定する。
そして移行計画実行プログラム524は、仮想計算機33002を一旦停止し、移行計画実行プログラム524は、移行先の記憶装置100dに新しい記憶領域(記憶領域13012)を作成し、記憶装置100bにデータのコピーを指示する。そして移行計画実行プログラム524は、かかるコピーの完了通知を受け取ると、移行先の一体型装置10dの計算機上で仮想計算機33002を再開する。また移行実行計画プログラム524は、仮想計算機33002を移行中、仮想計算機33002へのアクセスを一時停止するように、仮想計算機32001に指示してもよい。この場合、仮想計算機32001は、他の仮想計算機(仮想計算機33001)にアクセスを振り分ける。
(3)第3の実施の形態
本実施の形態では、記憶装置を介して他の記憶装置を接続した形態における移行について説明する。
図22は、4台の一体型装置10で構成した本実施の形態による計算機システムを示し、図23は、本実施形態における接続パス情報410の構成例を示す。
計算機300ba上の仮想計算機34001は、記憶装置100b内の記憶領域14001と、記憶装置100b内の仮想記憶領域14002を介して記憶装置100aの記憶領域14012を利用している。記憶装置100は、外部記憶装置アクセスプログラム161により、他の記憶装置の容量を用いることができる。
仮想記憶領域14002に書き込まれたデータは、外部記憶装置アクセスプログラム161により、実際には記憶装置100aの記憶領域14012に書き込まれる。また、仮想記憶領域14002からのデータの読み出しに対しては、実際には、記憶装置100aの記憶領域14012からデータを読み出し、仮想計算機にデータを転送する。仮想計算機34001から記憶装置14001にアクセスした場合と、記憶装置14002にアクセスした場合では、応答時間(レスポンスタイム)が異なることになる。
図23に示す接続パス情報において、一体型装置10aを撤去し、一体型装置10dを追加する場合、移行計画策定プログラム523は、例えば、撤去する一体型装置10aの記憶領域14012を追加する一体型装置10dに移行する移行計画を策定する。移行計画実行プログラム524は、移行先の記憶装置100dに新しい記憶領域を作成し(記憶領域14013とする)、記憶装置100bのデータコピープログラム164にデータのコピーを指示する。なお、ここでは記憶装置100bからは記憶装置100a,100dが認識可能であるのでコピープログラム164を記憶装置100bに持たせることを想定している。
移行計画実行プログラム524は、コピーの完了通知を受け取ると、記憶装置100bに記憶領域の変更を通知する。変更通知を受け取った記憶装置100bは、仮想記憶領域14002を記憶領域14013と接続する。移行計画策定プログラム523は、接続パス情報を更新する。仮想記憶領域14002を用いることで、仮想計算機34001を一旦停止させることなく記憶領域14012を移行することができる。
なお、コピー中に仮想計算機を実行し続けるためには、記憶領域のコピー中も、仮想記憶領域へのアクセスを実行可能とする必要がある。移行先の記憶領域にデータの読み出しが発生した場合、移行先の記憶領域へのコピーが完了していない場合、移行元の記憶領域から当該データを読み出して仮想計算機にデータを転送する。移行先の記憶領域にデータの書き込みが発生した場合、移行先の記憶領域と移行元の記憶領域の両方に当該データの書き込みを行う。このように処理することにより、コピー中においても仮想計算機を実行し続けることができる。
本実施の形態では、記憶階層ポリシを設定可能としている。記憶階層ポリシに「Tier1」と指定されている場合、移行計画策定プログラム523は、仮想計算機が実行されている一体型装置内に記憶領域を移行するように移行計画を策定する。記憶階層ポリシに「Tier2」と指定されている場合、移行計画策定プログラム523は、仮想計算機322が実行されている一体型装置とは別の一体型装置の記憶装置に移行するように移行計画を策定する。記憶階層ポリシに「Tier2」を指定することで、移行先の選択肢が広がり、計算機システムにおいて余剰の記憶容量の利用率を向上させることができる。
また、移行を契機に接続パスを変更しても良い。図23に示すパス情報410において、一体型装置10aを撤去し、一体型装置10dを追加する場合、移行計画策定プログラム523は、例えば、撤去する一体型装置10aの記憶領域14012を追加する一体型装置10dに移行する移行計画を策定する。
また移行計画実行プログラム524は、移行する仮想計算機322を一旦停止させ、移行先の記憶装置100dに新しい記憶領域を作成し(記憶領域14013とする)、記憶装置100dにデータのコピーを記憶装置100dに指示する。そして移行計画実行プログラム524は、かかるコピーの完了通知を受け取ると、接続装置と仮想計算機34001に対して、記憶領域14002に代えて、記憶領域14013を利用するように設定し、設定後、仮想計算機322を再開する。記憶装置100dが移行元の記憶領域の識別番号を引き継ぎ可能な場合、記憶装置100dに新しく作成した記憶領域に記憶装置100bの識別番号を引き継いでも良い。識別番号を引き継いだ場合、仮想計算機の再開にあたり接続装置200や仮想計算機322に識別番号を設定する処理を省略することができる。
(4)第4の実施の形態
本実施の形態では、接続性保証情報420(図4c)を利用した接続パスの変更について説明する。
図24は、4台の一体型装置10で構成した本実施の形態による計算機システムを示し、図25は、本実施の形態における接続パス情報410の構成例を示す。また図26(a)および(b)は、本実施の形態による接続性保証情報420の構成例を示す。
計算機300ba上の仮想計算機35001は、記憶装置300a内の記憶領域15001を利用している。以下、図25に示す接続パス情報410において、一体型装置10aを撤去し、一体型装置10dを追加する場合を考える。この場合、移行計画策定プログラム523(図5e)は、接続性保証情報420を参照する。図26に示す接続性保証情報420によれば、記憶装置100dに記憶領域を作成した場合、計算機300bは記憶装置100dとの接続性が保証されないため利用することができない。しかし、計算機300bと記憶装置100bの接続性は保証されているため利用することができる。また、記憶装置100bおよび記憶装置100d間の接続性は保証されている。この場合、移行計画策定プログラム523は、以下のような移行計画を策定する。
すなわち、移行計画策定プログラム523は、まず新しい記憶領域15012を記憶装置100dに作成し、記憶領域15001のデータをコピーする。さらに移行計画策定プログラム523は、新しい仮想記憶領域15002を記憶装置100bに作成し、記憶領域15012と接続する(外部記憶装置アクセスプログラム161を利用)。
続いて、移行計画策定プログラム523は、接続装置および仮想計算機35001に対して、記憶領域14002に代えて、記憶領域14013を利用するように設定し、設定後、仮想計算機322を再開する。なお、記憶装置100bが移行元の記憶領域の識別番号を引き継ぎ可能な場合、記憶装置100dに新しく作成した記憶領域に記憶装置100bの識別番号を引き継いでも良い。識別番号を引き継いだ場合、接続装置200や仮想計算機322の再開にあたり仮想計算機322に識別番号を設定する処理を行う必要がない。
以上のように構成し処理することにより、一体型装置を用いて構築された計算機システムにおいて、一体型装置を順次古い装置から新しい装置に更新する際に、追加導入する一体型装置の自動選定を可能とし、運用責任者や管理者の負荷を低減することができる。さらに、一体型装置の追加導入・旧装置撤去時の仮想計算機と記憶領域の自動移行を可能とし、運用責任者や管理者の負荷を低減することができる。
(5)第5の実施の形態
本実施の形態では、一体型計算機を接続装置および記憶装置と、ブレード型の計算機(以下、これを単にブレード型計算機と呼ぶ)とを用いて構築した場合について説明する。
図27は、計算機301としてブレード型計算機を用いて一体型装置を構築した場合における一体型装置の構成例を示す。ブレード型計算機301は、ブレード型計算機格納シャーシ390に格納され、一体型装置に組み込まれる。このときブレード型計算機301を格納しないブレード型計算機シャーシ390のみを格納しておいても良い。
図28に、ブレード型計算機301およびブレード型計算機格納シャーシ390の構成を示す。ブレード型計算機301は、ブレード型計算機格納シャーシ390内に設けられた接続装置309を介して一体型装置内の接続装置50に接続される。ただし、接続装置309を用いることなく、ブレード型計算機格納シャーシ390内の各ブレード型計算機301を直接接続装置50に接続するようにしても良い。
管理計算機500はブレード型計算機格納シャーシ390に、新しいブレード型計算機301が接続されたことを検出すると、その一体型装置の一体型装置内構成情報404(図4c)を更新する。本実施の形態の実施の当たっては、図7bに示すように、一体型装置内に管理計算機501を設けた構成が望ましい。一体型装置内の管理計算機501が一体型装置内構成情報404を更新し、管理計算機500に構成変更を通知する。
(6)他の実施の形態
なお上述の第1〜第5の実施の形態に示した各処理は、集積回路化などして、それを行う処理部としてハードウェアで実現することもできる。また、プログラムについては、あらかじめ計算機内の記憶装置や外部記憶装置に格納されていても良いし、着脱可能な記憶媒体や通信媒体(有線、無線、光などのネットワーク、またはそのネットワーク上の搬送波やデジタル信号)を介して、必要な時に外部記憶装置に導入されても良い。