JP5745577B2 - Cd40アゴニスト抗体/i型インターフェロン相乗性アジュバントの結合体、それを含む複合体、および細胞性免疫を強化する治療としてのその使用 - Google Patents

Cd40アゴニスト抗体/i型インターフェロン相乗性アジュバントの結合体、それを含む複合体、および細胞性免疫を強化する治療としてのその使用 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2006年5月3日に提出された米国仮出願番号60/796,867、20
06年6月1日に提出された60/809,821、および2006年9月5日に提出さ
れた60/842,009に関し、それら出願のすべては、その全体が参照により組み込
まれる。また本出願は、2006年3月1日に提出された米国仮出願60/777,56
9に関し、その出願も参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
〔0001〕本発明は、概して相乗性アジュバント結合体に関し、それを必要とする対
象において免疫を強化するために使用されてもよい。特に、本発明は(i)I型インター
フェロンおよび(ii)CD40アゴニスト、例えばアゴニスト抗CD40抗体またはC
D40LポリペプチドまたはCD40LフラグメントまたはCD40Lを含む複合体、お
よび任意に(iii)標的抗原をさらに含む、特定の相乗性アジュバント結合体に関する
〔0002〕さらに本発明は、前記相乗性アジュバント結合体を含む、またはコード化
する新規のタンパク質またはDNA複合体、例えば(i)CD40アゴニスト抗体または
可溶性CD40Lタンパク質またはCD40LフラグメントまたはCD40L複合体、お
よび(ii)I型インターフェロン、および任意に(iii)望ましい抗原を含む、また
はコード化するタンパク質およびDNA複合体に関する。
〔0003〕さらに本発明は、抗原特異的な細胞性免疫、例えばCD8+免疫を強化す
るために、そのような相乗性アジュバント結合体またはDNAあるいはタンパク質複合体
を投与するステップを含む、新規の免疫療法を提供する。特に、例えばCD40抗原発現
腫瘍等の癌を含む様々な慢性疾患の治療、およびHIV感染、自己免疫疾患、アレルギー
性および炎症性疾患等の感染症の治療、およびワクチンの有効性増強の目的で、これら新
規のアジュバント結合体および/またはポリペプチド複合体およびDNA複合体を含む組
成物を使用することについても説明する。
〔0004〕また本発明は、例えば、CD40アゴニストを単独で投与した場合に生じ
ることがある肝毒性等の毒性を低減または予防するために十分な量のI型インターフェロ
ンと併用してそのようなCD40アゴニストを投与することにより、CD40Lポリペプ
チドおよび複合体またはアゴニストCD40抗体等のCD40アゴニストの毒性を低減す
る新規の方法を提供する。これは、そうでなければ毒性により妨害される治療用量でのC
D40アゴニストの投与を促進する。
発明の背景
〔0005〕微生物に対する体の防御系、およびその他の慢性疾患、例えば細胞増殖に
影響する慢性疾患に対する体の防御系は、先天性免疫系の初期反応および適応免疫系の後
期反応により媒介される。先天性免疫は、例えば微生物病原体に特徴的であり、哺乳類細
胞には存在しない構造を認識するメカニズムが関与する。そのような構造の例は、細菌リ
ポサッカリド(LPS)、ウイルス二重鎖DNA、および非メチル化CpG DNAヌク
レオチドを含む。先天性免疫反応系のエフェクタ細胞は、好中球、マクロファージ、およ
びナチュラルキラー細胞(NK細胞)を含む。先天性免疫に加えて、哺乳類を含む脊椎動
物は、感染因子への曝露により刺激され、それぞれ特定抗原に対する連続的な曝露により
大きさおよび有効性が増大する免疫学的防御系が発達している。特定の感染または抗原の
損傷に適合する能力のため、この免疫防御メカニズムは適応免疫と称されている。適応免
疫反応には、Bリンパ球により生成される抗体が関与する体液性免疫、およびTリンパ球
により媒介される細胞性免疫の2種類がある。
〔0006〕2種類の主なTリンパ球は、CD8+細胞傷害性リンパ球(CTL)およ
びCD4ヘルパー細胞(Th細胞)と称されている。CD8+T細胞は、T細胞レセプタ
(TFR)を介して、例えばウイルスまたは細菌に感染した細胞上でクラスI MHC分
子により提示される外来抗原を認識するエフェクタ細胞である。外来抗原を認識する際に
、CD8+細胞は活性、成熟、および増殖過程を経る。この分化過程の結果、外来抗原を
表示する標的細胞を破壊する能力を有するCTLクローンが生じる。一方、Tヘルパー細
胞は体液性および細胞媒介性の両形態のエフェクタ免疫反応に関与する。体液性または抗
体免疫反応に関して、抗体は、Th細胞との相互作用を通じてBリンパ球により生成され
る。特に、細胞外抗原、例えば循環細菌は、特殊な抗原提示細胞(APC)により摂取、
処理され、CD4+Th細胞に対するクラスII主要組織適合性複合体(MHC)分子に
関連して提示される。これらのTh細胞は、順にBリンパ球を活性化することにより抗体
を生成する。反対に、細胞媒介性または細胞性免疫反応は、例えば標的細胞の感染が成功
した後、細胞内に局在生息する微生物を中和する働きをする。外来抗原、例えば微生物抗
原は感染した細胞内で合成され、クラスI MHC分子に関連してそのような細胞の表面
に提示される。そのようなエピトープの提示は、上述のCD8+CTLの刺激、順にCD
4+Th細胞によっても刺激される過程に至る。Th細胞は、少なくとも2つの個別の亜
集団、Th1およびTh2細胞で構成される。Th1およびTh2亜型は、抗原に対する
曝露後に共通の前駆体から分化するTh細胞の分極集団を表す。
〔0007〕各Tヘルパー細胞の亜型は、互いに反対し、それぞれの増加および機能を
相互に制御する独特の免疫効果を促進するサイトカインを分泌する。Th1細胞は、大量
のサイトカイン、例えばインターフェロン(IFN)γ、腫瘍壊死因子アルファ(TNF
アルファ)、インターロイキン‐2(IL‐2)、およびIL‐12等、ならびに少量の
IL‐4を分泌する。Th1関連サイトカインは、CD8+細胞傷害性Tリンパ球(CT
L)活性を促進し、細胞内病原体に対する細胞媒介性免疫反応と最も頻繁に関連する。反
対に、Th2細胞は大量のサイトカイン、例えばIL‐4、IL‐13、およびIL‐1
0、少量のIFNγを分泌し、抗体反応を促進する。Th2反応は、特に炭疽菌からの保
護等の体液性反応、および寄生虫感染症の排除に関連する。
〔0008〕結果として生じる免疫反応がTh1またはTh2によるものかどうかは、
主に関与する病原体、およびサイトカイン等の細胞環境における要素に依存する。Tヘル
パー反応、または正しいTヘルパーサブセットを活性できないことで、特定の病原体に対
抗するために十分な反応を実装できないだけでなく、再感染に対して十分な免疫が生成さ
れない可能性がある。多くの感染因子は細胞内病原体であり、予防および/または治療に
おいて、Th1免疫に例示されるような細胞媒介性反応が重要な役割を果たすことが予測
される。さらに、これらの感染因子の多くに関して、不適切なTh2反応の誘導が疾患の
結果に負の影響を与えることが示されている。例として、M結核症、S.マンソン住血吸
虫症、および逆効果を生じるTh2様優位の免疫反応が含まれる。また、らい腫らいも広
汎性だが不適切なTh2様反応を特徴とするように思われる。HIV感染は別の例を表す
。その他のTh細胞集団に対するTh1様細胞の比率の低下、疾患症状への進行に重要な
役割を果たす可能性があることが示唆されている。
〔0009〕感染因子に対する保護手段として、一部微生物からの保護を目的としたワ
クチン接種プロトコルが開発されている。感染性病原体に対するワクチン接種プロトコル
は、多くの場合、不十分なワクチン免疫原性、不適切なタイプの反応(抗体対細胞媒介性
免疫)、長期的な免疫記憶を導出する能力の欠如、および/または所定の病原体の異なる
抗原型に対して免疫を生成できないことにより妨げられる。現行のワクチン接種法は、所
定の抗原型、および多くの一般的な病原体、例えばウイルス抗原型または病原体に特異的
な抗体の導出を目的とする。どの抗原が世界中に広まっているかを監視する努力が繰り返
し為される必要がある。この例は、主要な感染型となることが予想されるインフルエンザ
A抗原型の発生を毎年監視することである。
〔0010〕ワクチン接種プロトコルを支援するため、特定の感染症に対する免疫反応
の生成をサポートするアジュバントがさらに開発された。例えば、比較的安全かつ有効な
ワクチンアジュバントとして、アルミニウム塩を使用し、特定の病原体に対する抗体反応
を強化している。そのようなアジュバントの欠点の1つは、細胞媒介性免疫反応の刺激に
比較的効果がなく、主にTh2偏向された免疫反応を生成することである。
〔0011〕現在、防御免疫の生成は、抗原に対する曝露だけでなく、その抗原に遭遇
する状況にも依存することが広く認識されている。非炎症性の状況において、新規抗原を
宿主細胞に導入することにより、長期免疫ではなく免疫寛容を生成するが、炎症性因子(
アジュバント)の存在下で抗原に曝露することにより免疫を誘導する例は多くある。(M
ondino et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 93
:2245(1996);Pulendran et al.,J.Exp.Med.1
88:2075(1998);Jenkins et al.,Immunity 1:
443(1994);and Kearney et al.,Immunity 1:
327(1994))。
〔0012〕適応免疫を制御することがよく知られている自然発生分子は、CD40で
ある。CD40は、TNFレセプタスーパーファミリに属し、一連の細胞媒介性免疫反応
に不可欠であり、T細胞依存の体液性免疫の開発に必要である(Aruffo et a
l.,Cell 72:291(1993);Farrington et al.,P
roc Natl Acad Sci.,USA 91:1099(1994);Ren
shaw et al.,J Exp Med 180:1889(1994))。その
自然の役割において、CD4+T細胞上に発現されるCD40‐リガンド(配位子)は、
DCまたはB細胞上に発現されるCD40と相互作用し、APCの活性を高めると同時に
T細胞のさらなる活性を促進する(Liu et al Semin Immunol
9:235(1994);Bishop et al.,Cytokine Growt
h Factor Rev 14:297(2003))。DCの場合、CD40連結反
応は、古典的にTLRを通じた刺激と同様の反応、例えば活性化マーカの上方制御および
炎症性サイトカイン生成をもたらす(Quezada et al.Annu Rev
Immunol 22:307(2004);O’Sullivan B and Th
omas R Crit Rev Immunol 22:83(2003))。CD8
反応におけるその重要性は、CD40を通じたAPCの刺激が、CD4細胞の非存在下で
、CD4依存性CD8+T細胞反応を救済したことを示す研究により実証された(Lef
rancois et al.,J Immunol.164:725(2000);B
ennett et al.,Nature 393:478(1998);Ridge
et al.,Nature 393:474(1998);Schoenberge
r et al.,Nature 393:474(1998)。この発見は、一部の疾
患環境において、CD40アゴニストが単独で思わしくないCD8+T細胞反応を救済で
きる可能性があるという推測を誘発した。
〔0013〕しかしその他の研究は、CD40刺激単独では長期免疫を十分に促進しな
いことを示している。一部のモデル系において、抗CD40治療単独では長期免疫を十分
に促進しなかった。特に、抗CD40治療単独では炎症性サイトカインが十分に生成され
ず、抗原特異的T細胞が削除され(Mauri et al.Nat Med 6:67
3(2001);Kedl et al.Proc Natl Acad Sci,US
A 98:10811(2001))、またB細胞反応が終了する可能性がある(Eri
ckson et al.,J Clin Invest 109:613(2002)
)。また、可溶性三量体化したCD40リガンドは、臨床においてCD40経路のアゴニ
ストとして使用されており、報告されている内容は、CD40の刺激単独では、長期的な
CD8+T細胞免疫に必要なすべてのシグナルを再構成できないという結論と一致する(
Vonderheide et al.,J Clin Oncol 19:3280(
2001))。
〔0014〕様々なアゴニスト抗体は、異なるグループにより報告されている。例えば
、mAb CD40.4(5c3)(PharMingen,San Diego Ca
lifornia)は、CD40とCD40Lの間の活性を約30〜40%増加させると
報告されている(Schlossman et al.,Leukocyte Typi
ng,1995,1:547‐556)。また米国特許番号6,843,989において
、Seattle Geneticsは、アゴニスト抗ヒトCD40を使用して抗体ヒト
において癌を治療する方法の提供を主張している。その抗体は、CD40とCD40Lの
相互作用を少なくとも45%強化し、CD40Lの媒介による刺激を高める刺激性シグナ
ルを送達し、生体内で新生物の活性を有するとされている。彼らは、強い成長促進シグナ
ルをBリンパ球に送達することが既に示されているS2C6、アゴニスト抗ヒトCD40
抗体からこの抗体を得た(Paulie et al.,1989,J.Immunol
.142:590‐595)。
〔0015〕先天性および適応免疫反応におけるCD40の役割のため、様々なCD4
0アゴニスト抗体を含むCD40アゴニストをワクチンアジュバントとして、細胞性免疫
を強化することが望ましい治療に使用することが調査されている。最近、本発明者らは、
一部のTLRアゴニストおよび抗CD40治療と併用して抗原を用いた免疫付与(結合T
LR/CD40アゴニスト免疫付与)が、強力なCD8+T細胞の増加を誘導し、いずれ
かのアゴニストを単独で用いる免疫付与より10〜20倍高い反応を導出することを実証
した(Ahonen et al.,J Exp Med 199:775(2004)
)。これは、ウイルスまたは微生物因子との感染の非存在下で、強力なCD8+T細胞反
応を生成できることを初めて示した。結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与により導
出される抗原特異的CD8+T細胞は、溶解機能、γインターフェロン生成、および抗原
感作に対する強化された2次反応を示す。結果としてCD8+T細胞の増加を誘導する抗
CD40を用いた相乗活性は、TLR1/6、2/6、3、4、5、7および9のアゴニ
ストで明らかにされている。
〔0016〕ワクチン接種プロトコルまたは微生物感染において、適応免疫反応の有効
性を高めるため、新規の有効なワクチンアジュバントを開発する必要がある。本発明はこ
の必要性を満たし、その他の利点も提供する。
〔0017〕また、肝毒性等の副作用を導出しない用量において効果的である有効な免
疫アジュバントを開発することが重要である。特に、Vanderheide et a
l.,J Clin.Oncol.25(7)876‐8833(March 2007
)は、典型的なアゴニスト抗体の最大耐量は0.3mg/kgであり、用量が多いほど、
静脈血栓塞栓症、グレード3頭痛、悪寒等の毒作用をもたらすサイトカインの放出、およ
び一時的肝毒性を含む副作用を導出する場合があることを報告している。またVande
rheide et al.,J Clin.Oncol.19(23):4351‐3
(2001)は、そこに記載されているhCD40Lポリペプチドの最大耐量が0.1m
g/kg/日であり、そのポリペプチドが最大用量0.15mg/kg/日で投与された
場合、治療対象において、グレード3または4の肝トランスアミナーゼ値上昇を特徴とす
る肝毒性が観察されたことを報告している。
発明の要約
〔0018〕本発明は、一実施形態において、特定の部分と併用して樹状細胞上のCD
70を上方制御し、免疫に対する相乗効果を導出するという発見に関する。例えば、それ
らはTh1細胞性免疫およびCD8T細胞免疫反応を促進する。特に本発明は、I型イン
ターフェロンおよびCD40アゴニスト、例えばアゴニストCD40抗体またはCD40
LポリペプチドまたはCD40L複合体等が同一または個別の組成物において併用投与さ
れた場合、またさらに望ましい抗原と任意に併用投与された場合、CD8+樹状細胞上の
CD70発現を導出することにより、免疫に対する相乗効果を導出し、さらにCD8+T
細胞の強力な増加およびTh1免疫の強化をもたらすという発見に関する。
〔0019〕この発見に基づいて、本発明は、免疫を強化する手段として、それを必要
とする対象に投与できる新規のアジュバント結合体を提供する。またその有効性を強化す
るため、このアジュバント結合体をワクチンに添加するか、またはそれと併用して投与す
ることができる。
〔0020〕前記発見に関連して、本発明は、(i)I型インターフェロンおよび(i
i)CD40アゴニストをコード化する核酸構造体を提供する。これは、さらに(iii
)望ましい抗原をコード化する核酸配列を任意に含んでもよく、ここで核酸構造体は、そ
れを必要とする宿主細胞に対して、任意に抗原と併用して投与されると、免疫に対する相
乗効果を導出する。そのようなCD40アゴニストは、例としてCD40アゴニスト抗体
およびCD40アゴニスト抗体フラグメント、および可溶性CD40LおよびCD40L
フラグメントおよび複合体、ならびにオリゴマーCD40Lポリペプチド等のその派生物
、例えば三量体CD40Lポリペプチドおよびそれを含む複合体等を含む。
〔0021〕また本発明は、(i)少なくとも1つのI型インターフェロン、(ii)
少なくとも1つのCD40アゴニスト、例えばCD40アゴニスト抗体またはCD40L
ポリペプチドあるいはCD40LフラグメントまたはオリゴマーCD40Lあるいはそれ
を含む複合体等の複合体乃至はその派生物、および任意に(iii)抗原を含むポリペプ
チド複合体を提供する。ここで、これらの部分は、任意の順序で直接または間接的に連結
されてもよく、それを必要とする対象に投与されると、免疫に対する相乗効果を誘導する
〔0022〕特に本発明は、(i)アゴニスト抗ヒトCD40抗体、またはヒトCD4
0Lポリペプチドあるいはフラグメント、その複合体あるいは派生物をコード化する1つ
以上の遺伝子、(ii)例えばヒトアルファまたはヒトベータインターフェロン等のヒト
I型インターフェロンをコード化する遺伝子、および任意に(iii)強化された細胞性
免疫反応が望ましく導出される抗原をコード化する遺伝子を含む核酸構造体を提供する。
〔0023〕また特に本発明は、(i)少なくとも1つのアゴニスト抗ヒトCD40抗
体またはヒトCD40Lポリペプチド、あるいはヒトCD40/CD40L、ヒトアルフ
ァまたはβインターフェロンをアゴナイズするそのフラグメント、および強化された細胞
性免疫反応が望ましく導出される少なくとも1つの抗原を任意に含む新規のポリペプチド
構造体を提供する。
〔0024〕さらに、本発明は、相乗的に有効な量の(i)I型インターフェロン、好
ましくはアルファまたはβインターフェロン、(ii)CD40アゴニスト、好ましくは
アゴニストCD40抗体、モノマーあるいはオリゴマー可溶性CD40Lポリペプチド、
またはそのフラグメントあるいは複合体、および任意に(iii)1つ以上の抗原を含む
アジュバントポリペプチド組成物を提供する。
〔0025〕また本発明は、CD40アゴニストがI型インターフェロンまたはTLR
アゴニストと併用して投与される場合、CD40アゴニストの毒性を有力に低減できると
いう発見に関する。それにより、CD40アゴニストを前述より高い用量で投与できるた
め、本発明はさらに有効なCD40アゴニスト治療を提供する。例えば、I型インターフ
ェロンまたはTLRアゴニストと併用投与される場合のCD40LポリペプチドのMTD
(最大耐量)チドは、0.1mg/kg/日の少なくとも1.5倍、より好ましくは少な
くとも2〜5倍、または10倍以上であってもよく、それにより、少なくとも約.15m
g/kg/日〜1.0mg/kg/日以上の範囲の最大耐量でCD40Lポリペプチドを
投与できる。この結果、CD40関連の悪性腫瘍の治療、および本明細書に公開されるそ
の他の治療等におけるCD40L治療がより効果的となる。さらに、本発明はCD40ア
ゴニスト抗体治療の毒性を低減し、前述の示唆より高いCD40アゴニスト抗体用量の投
与を促進する。特に、上記のようにVonderheide et al.,J Cli
n.Immunol.25(7):876−883(2007)により報告されたアゴニ
ストCD40L抗体のMTDは0.3mg/kgであり、過剰用量は一時的な肝毒性、静
脈血栓塞栓症、グレード3頭痛、サイトカインの放出、および熱、悪寒等の関連毒性なら
びに副作用をもたらすことが報告されている。CD40アゴニスト抗体をI型インターフ
ェロンまたはTLRアゴニストと併用投与することは、副作用を生じることなくMTD抗
体量を例えば1.5〜15倍または5〜10倍、大幅に増加できる可能性がある。それに
より、CD40アゴニスト抗体のMTD量は、約0.45mg/kg〜3.0mg/kg
あるいはそれ以上に増加させてもよい。そのため本発明は、特定のCD40アゴニスト用
量で生じる可能性がある肝毒性等の毒性効果を低減するために十分な量のI型インターフ
ェロンまたはTLRアゴニストをCD40アゴニストと併用投与することを含む。
〔0026〕さらに本発明は、前述のタンパク質またはDNA複合体、あるいは相乗性
アジュバントタンパク質を含む組成物のうちのいずれかを投与するステップを含む新規の
治療を提供する。これらの治療は、免疫アゴニスト(アジュバント)としてのその使用を
含み、例えばワクチンの有効性を相乗的に強化し、強化された免疫性が望まれる状態、例
えば癌、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、炎症性疾患、および遺伝子治療等を治療す
る。
〔0027〕上記および以下に示すように、驚くことに、前述の新規アジュバント結合
体またはタンパク質あるいはそれをコード化するDNA複合体が、CD40アゴニストま
たはI型インターフェロンの単独投与に関して免疫への相乗効果を導出すること、および
/または肝毒性等の副作用を低減または予防する可能性があることが発見されている。そ
のような毒性の低減は、例えば、免疫刺激結合体が肝トランスアミナーゼ値に与える影響
に基づいて特定できる。本発明のアジュバント結合体は、生体内のCD8+樹状細胞上の
CD70発現を著しく誘導(上方制御)することにより、生体内のCD8+T細胞の強力
な増加を誘導するため、この相乗効果が明らかに得られる。
〔0028〕少なくともこのような樹状細胞、CD8+T細胞免疫およびTh1免疫に
対する驚くべき相乗効果に基づいて、これらのアジュバント結合体、核酸構造体、または
ポリペプチド複合体を含む組成物を、それを必要とする宿主細胞に、以下の手段として投
与してもよい。
(i)いずれかのアゴニストを単独で用いる免疫付与と比較して、強化された(指数関数
的に優れた)1次および記憶CD8+T細胞反応を生成する、
(ii)抗原特異的CD8+T細胞の指数関数的な増加を誘導する、および/または
(iii)防御免疫を生成する。
〔0029〕したがって、タンパク質組成物、またはそれをコード化する核酸構造体あ
るいはそれを含むポリペプチド複合体を含んでもよいこれらのアジュバント結合体は、上
述の強化された細胞性免疫反応が治療上望ましい任意の疾患または状態、特に感染症、癌
、アレルギー、自己免疫疾患、炎症性疾患等の増殖性疾患、および強化された細胞性免疫
が望ましい治療転帰であるその他の慢性疾患の治療に使用してもよい。本発明の好ましい
アプリケーションは、特にHIV感染および癌等の感染症の治療を含む。
〔0048〕発明の詳細な説明
〔0049〕上記のように、本発明は、概して相乗性アジュバント結合体およびその使
用に関する。本発明を詳細に説明する前に、以下の定義を提供する。それ以外のすべての
用語は、当該技術分野に精通する者であれば理解されるはずである。
〔0050〕本発明において「アゴニスト」という用語は、レセプタを結合する別のエ
ンティティを用いて複合体を形成する、またはレセプタを直接結合および活性化する別の
化合物の修正を行うことにより、レセプタを直接結合および活性化する、またはレセプタ
を間接的に活性化する任意のエンティティを含む。
〔0051〕「CD40アゴニスト」という用語は、特にCD40/CD40Lをアゴ
ナイズする、および/または1つ以上のCD40またはCD40Lに関連する活性を増加
させる任意のエンティティを含む。これは例として、CD40アゴニスト抗体、そのフラ
グメント、可溶性CD40L、およびオリゴマー等のそのフラグメントおよび派生物(例
えば、二価、三量体CD40L)、およびそれを含む融合タンパク質ならびに組み換えま
たはタンパク質合成により生成されるその変型を含む。さらにそのようなCD40アゴニ
ストは、小分子、および抗体と代替できるRNAまたはDNA分子から成るCD40アプ
タマーを含む。抗原結合部分としてそれを生成および使用する技術は、例えば米国特許番
号5,475,046、5,720,163、5,589,332、および5,741,
679において見つけることができる。これらの特許は、それら全体の参照により本明細
書に組み込まれる。
〔0052〕本発明において「CD40L」または「CD154」という用語は、当該
技術分野において代替的に知られているように、すべての哺乳類、例えばヒト、ラット、
ヒトでない霊長類、マウス等のCD40L、および少なくとも対応する哺乳類CD40ポ
リペプチド、例えばヒトCD40に結合するそのフラグメント、変型、オリゴマー、およ
び複合体を含む。本発明において、投与されるCD40Lは、CD40Lポリペプチドま
たは前記CD40Lポリペプチドをコード化するDNAを含んでもよい。そのようなCD
40LポリペプチドおよびDNAは、特に、Immunex米国特許番号6,410,7
11、米国特許番号6,391,637、米国特許番号5,981,724、米国特許番
号5,961,974および米国公開出願番号20040006006に記載されている
天然CD40L配列およびそのフラグメント、変型、およびオリゴマーを含む。これらの
特許および公開のすべて、およびそこに開示されているCD40L配列は、それら全体の
参照により本明細書に組み込まれる。
〔0053〕本発明において4‐1BBアゴニストという用語は、アゴニスト4‐1B
B抗体および4‐1MMポリペプチドおよびその複合体等の4‐1BBレセプタをアゴナ
イズする任意のエンティティを含む。そのようなアゴニストは、I型インターフェロンま
たはTLRアゴニストと併用投与し、免疫への相乗効果を導出できる可能性がある。
〔0054〕本発明において「I型インターフェロン」という用語は、CD40アゴニ
ストに近接して、またはCD40アゴニストと併用して投与された場合に、強化されたC
D8+免疫反応を導出する任意のI型インターフェロンを包含する。これは、アルファイ
ンターフェロン、ベータインターフェロン、およびI型インターフェロンとして分類され
るその他の種類のインターフェロンを含む。特に、これはエプシロンインターフェロン、
ゼータインターフェロン、およびタウインターフェロン、例えば、タウ1、2、3、4、
5、6、7、8、9、および10を含む。またこれは、フラグメント等のその変型、アル
ファインターフェロン等の異なるI型インターフェロン分子の構造を模倣するコンセンサ
スインターフェロン、そのPEG化バージョン、組み換え発現または突然変異により変質
グリコシル化したI型インターフェロン等を含む。当業者は、商業的に入手可能であり、
治療として使用されているものを含む異なるI型インターフェロンについてよく理解して
いる。好ましくは、I型インターフェロンはヒトI型インターフェロンを含み、最も好ま
しくはヒトアルファインターフェロンを含む。
〔0055〕本発明の文脈において「相乗性アジュバント」または「相乗性結合体」と
いう用語は、レセプタアゴニスト、サイトカイン、アジュバントポリペプチド等の2つの
免疫モジュレータの組み合わせを含み、その組み合わせは、いずれかの単独投与に比べて
免疫に対する相乗効果を導出する。特に本出願は、少なくとも1つのI型インターフェロ
ンおよびCD40アゴニストまたはTLRアゴニストおよびCD40アゴニストまたはT
LRアゴニストまたはI型インターフェロンおよび4‐1BBアゴニストを含む相乗性結
合体を開示する。これらの相乗性結合体は、併用投与または互いに近接して投与されると
、例えば、その他の部分の非存在下でCD40アゴニストまたはI型インターフェロンが
投与される場合と比較して、免疫に対する大きな影響を導出する。例えば、その大きな影
響は、免疫モジュレータまたはアゴニストを単独投与する場合に生じない生体内樹状細胞
上のCD70の上方制御により証明される場合がある。
〔0056〕本発明において「併用投与」とは、I型インターフェロンおよびCD40
アゴニストまたはタンパク質複合体あるいはDNA複合体、乃至はそれをコード化する複
合体を、エンティティ等の異なるエンティティを、例えばCD40アゴニストおよびI型
インターフェロンが免疫に対する相乗効果を導出する、例えば樹状細胞上のCD70の上
方制御および/または肝毒性等の副作用を生じるような条件下で投与することを意味する
。この部分を同一または異なる組成物において投与されてもよく、個別に投与される場合
は、互いに近接して、一般にはそれぞれ24時間以内、より一般的にはそれぞれ約1〜8
時間以内、さらに一般的にはそれぞれ1〜4時間以内、または刺激性投与に近接して行う
。相対量は、望ましい相乗効果が得られる用量である。さらに、DNA複合体の形態で投
与される場合、アゴニストは同一または異なるベクター、プラスミドまたは組み換えウイ
ルスベクター等の同一または異なるベクター、例えばアデノウイルスまたはワクシニアベ
クター上で構成されてもよい。
〔0057〕「ワクチン」は、単独投与または本発明のアジュバント結合体との併用投
与により、免疫に対して抗原特異的な影響を与える組成物を意味する。これは、予防およ
び治療ワクチンを与える予防ワクチンを含む。
〔0058〕「抗体」という用語は、正常抗体または特定の結合用正常抗体と競合する
その結合フラグメントを意味する。結合フラグメントは、組み換えDNA技術、または正
常抗体の酵素的または化学的開裂により生成される。結合フラグメントは、Fab、Fa
b’、F(ab)2、Fvおよび一本鎖抗体を含む。これは、特にキメラ、ヒト、ヒト化
、二重特異性、および非ヒト抗体を含む。さらに、そのような抗体およびフラグメントは
、開裂、グリコシル化、エフェクタ機能等の1つ以上の特性に影響するよう変質されるそ
の変型を含む。
〔0059〕上記のように、強力な抗体特異的T細胞免疫を生成でき、肝毒性等の望ま
しくない副作用を生じない新規ワクチンアジュバントおよび/またはアジュバント製剤を
開発および実装する強い必要性がある。
〔0060〕本発明は、単独投与または既存のワクチンと併用投与し、その有効性を強
化できる新規アジュバントを提供することにより、この必要性を満たす。これらのアジュ
バントは、一般に少なくとも1つのI型インターフェロン、好ましくはアルファまたはβ
ヒトインターフェロン、少なくとも1つのCD40アゴニスト(抗CD40抗体またはそ
のフラグメント)あるいは可溶性CD40Lポリペプチドを含む。
〔0061〕本発明は、少なくとも1つのCD40アゴニスト、好ましくはCD40ア
ゴニスト抗体または可溶性CD40L、ヒトアルファまたはβインターフェロン等のI型
インターフェロン、および任意に標的抗原、例えば腫瘍抗原、自己抗原、アレルゲンまた
はウイルス抗原の結合体を投与することにより、強化された細胞性免疫反応を、それを必
要とする対象において導出する方法を提供する。これらの部分は、CD8+樹状細胞上の
CD70発現を誘導することにより細胞性免疫に対する相乗効果を導出する。特にこの結
合体は、(i)いずれかのアゴニスト単独の場合と比較される1次および記憶CD8+T
細胞反応の生成における指数関数的増加、(ii)CD8+T細胞の指数関数的増加、お
よび(iii)防御免疫の導出を誘導する。上記のとおり、CD8+樹状細胞上のCD7
0発現の誘導は、CD40アゴニスト抗体またはI型インターフェロンを単独投与する場
合には起こらない。そのため、驚くことにCD40アゴニスト/IFN結合体は相乗作用
し、生体内でCD8+DC上のCD70発現およびCD8+T細胞の強力な増加を誘導す
る。
〔0062〕この発見に関連し、本発明は、細胞性免疫を促進する新規の相乗性アゴニ
ストポリペプチド複合体をコード化するDNA構造体をさらに提供する。この構造体は(
i)CD40アゴニスト、好ましくはCD40アゴニスト抗体をコード化するDNAまた
はそのフラグメント、あるいは可溶性CD40Lまたはフラグメント乃至は派生物、およ
び(ii)I型インターフェロン、例えばアルファまたはβインターフェロンをコード化
するDNAを含み、好ましくは(iii)望ましい抗原をコード化するDNAをさらに含
む。
〔0063〕本発明は、細胞性免疫に対する相乗効果を導出する相乗性タンパク質複合
体をさらに提供し、CD40アゴニスト、好ましくはアゴニストCD40抗体またはフラ
グメントあるいはCD40L、I型インターフェロンおよび任意に望ましい標的抗原を含
む。
〔0064〕本発明は、これらのDNA構造体を含む組成物をさらに提供する。宿主細
胞、好ましくはヒトに投与される場合、それらを使用して強化された抗原特異的細胞性免
疫反応を生成できる。
〔0065〕本発明は、前記新規の相乗性アゴニストポリペプチド結合体をコード化す
るDNA構造体を含む発現ベクターおよび宿主細胞をさらに提供する。この結合体は、(
i)特定のCD40アゴニスト、好ましくはアゴニストCD40抗体をコード化する1つ
または複数のDNA、あるいは抗体フラグメント乃至はCD40Lのフラグメント、(i
i)I型インターフェロン、好ましくはアルファまたはβインターフェロンをコード化す
る1つまたは複数のDNA、および(iii)好ましくは強化された抗原特異的細胞性免
疫反応が望ましく導出される抗原、例えばウイルスまたは腫瘍抗原をコード化するDNA
を含む。
〔0066〕また、本発明は、前記ベクターおよび宿主細胞を使用し、前記新規の相乗
性IFN/CD40アゴニスト/抗原ポリペプチド複合体、好ましくはアゴニストCD4
0ab/抗原/I型インターフェロンポリペプチド複合体含む組成物を生成する方法を提
供する。
〔0067〕さらに、本発明は、前記DNA構造体またはそれを含む組成物および担体
を、抗原特異的細胞性免疫反応が望ましく導出される宿主細胞、例えば、好ましくは肝毒
性等の望ましくない副作用を低減または排除する条件下で、癌または感染性あるいはアレ
ルギー性疾患等の慢性疾患のあるヒトに投与する方法を提供する。
〔0068〕さらに本発明は、強化された抗原特異的細胞性免疫反応を導出するため宿
主細胞への投与に好適な、前記新規の相乗性IFN/CD40アゴニスト抗原ポリペプチ
ド複合体を含む組成物を提供する。
〔0069〕また本発明は、治療的使用に好適な組成物を提供し、その組成物は少なく
とも1つのインターフェロン、少なくとも1つのCD40アゴニスト、および任意にその
ような投与を必要とする宿主細胞に投与された場合、細胞性免疫に対する相乗効果を導出
する標的抗原の結合体を含む。
〔0070〕また本発明は、前記新規の相乗性アゴニスト‐抗原ポリペプチド複合体ま
たは前記ポリペプチド複合体をコード化するDNAあるいは少なくとも1つのI型インタ
ーフェロン、少なくとも1つのCD40アゴニスト、および任意に少なくとも1つの標的
抗原を含む1つまたは複数の組成物を、そのような治療を必要とする宿主細胞に投与し、
強化された(抗原特異的)細胞性免疫反応を導出するステップを含む、新規の免疫治療方
法を提供する。好ましい実施形態において、これらの組成物および複合体を、癌、感染症
、特に、ウイルス、細菌または寄生虫、あるいは自己免疫性、炎症性、またはアレルギー
性症状をもたらす慢性疾患のある対象、乃至はそのリスクのある対象に投与する。例えば
、本発明を使用し、HIVに対する抗原特異的細胞性免疫反応を導出してもよい。HIV
は、防御免疫においてウイルスに対して強力かつ生存時間の長い細胞性免疫反応がほぼ確
実に必要となる疾患のよく知られた例である。
〔0071〕また本発明は、ワクチン、特に樹状細胞上のCD70を上方制御する対象
の相乗性アジュバント結合体の組み合わせまたは併用投与により、防御細胞性免疫反応を
誘導することを意図したワクチンの有効性を強化する方法を提供する。好ましい実施形態
において、そのようなアジュバントは、本明細書に開示する特定のアジュバントを含み、
さらにTLR、例えばTLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、
TLR7、TLR8、TLR9、TLR10またはTLR11等の別のアジュバントを任
意に含む。理想的には、この追加アジュバントが、樹状細胞によるCD70発現をさらに
誘導し、それを必要とする対象において強化された免疫反応をもたらす。
〔0072〕本発明は、トール様レセプタ(TLR)およびCD40両方のアゴニスト
の存在下で、抗原を用いた免疫付与(結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与)が、抗
原特異的CD8+T細胞の著しい増加を導出するという本発明者の以前の説明の延長であ
る。この形態のワクチン接種から導出される反応は、いずれかのアゴニスト単独により導
出される反応よりも指数関数的に大きく、従来の方法によるワクチン接種よりもはるかに
優れている。結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与は、強力な1次および2次CD8
+T細胞反応を生成し、免疫付与を2度だけ行った後、循環血液中で50〜70%の抗原
特異的T細胞が得られることが観察されている。しかし、本発明者による以前の発明とは
異なり、この相乗性結合体は、I型インターフェロンおよびCD40アゴニストまたは4
‐1BBアゴニストの結合体を含む。驚くことに、TLR/CD40アゴニスト抗体結合
体およびI型インターフェロン/CD40アゴニスト抗体結合体は、どちらもCD8+D
C上のCD70発現を誘導し、それによって生体内でCD8+T細胞の強力な増加を導出
することが認められている。そのため、CD40経路は、TLRおよびI型IFNシグナ
リング経路の両方と統合され、相乗的に強化されたDC活性の誘導、およびそれによる抗
原特異的細胞性免疫の強力な誘導を提供すると考えられる。
〔0073〕細胞性免疫に対する相乗効果を導出するため、CD40アゴニスト、I型
インターフェロンおよび抗原(存在する場合)は、好ましくは免疫に対する望ましい相乗
効果を生じる条件下で、互いにほぼ近接してまたは同時に、併用または個別に投与されて
もよい個別のポリペプチド部分として投与する。相乗作用が得られるかどうかは、様々な
手段、例えば、投与条件下で樹状細胞上のCD70発現の上方制御に基づいて検出できる
。代替として、これらの部分は、単一のポリペプチド融合またはこれら2つ乃至は3つの
個別エンティティを含む複合体として投与されてもよく、あるいはDNA複合体または前
記2つ乃至は3つの個別エンティティをコード化する複合体の形態で投与されてもよい。
本発明の後半2つの実施形態は、1つのみの活性剤を生成し、治療を必要とする対象、例
えばHIV感染または癌患者に投与する必要があるため、ポリペプチドまたはDNAベー
スのワクチンにおいて有利である。
〔0074〕本発明は、単独または既存のワクチンと併用投与してもよい新規アジュバ
ントを提供することにより、その有効性を強化する必要性を満たす。これらのアジュバン
トは、一般に少なくとも1つのI型インターフェロン、好ましくはアルファまたはβヒト
インターフェロン、少なくとも1つのCD40アゴニスト(抗CD40抗体またはそのフ
ラグメントあるいは可溶性CD40Lポリペプチド)および好ましくは、強化された抗原
特異的細胞性免疫が、腫瘍抗原またはウイルス抗原等として望ましく導出される少なくと
も1つの抗原を含む。本発明の好ましい実施形態において、これらのポリペプチド部分は
、ポリペプチド複合体に含まれるか、または核酸構造体によりコード化される。これは、
宿主細胞における生体外発現時、または宿主細胞に対する生体内投与時に、前記アゴニス
トおよび抗原ポリペプチドの発現、またはこれらのポリペプチドを含む複合体の発現を生
じる。
〔0075〕I型インターフェロンおよびCD40アゴニスト、例えばアゴニストCD
40抗体の投与量は、併用または同時投与において、樹上細胞上のCD70発現および抗
原特異的CD8+T細胞の増加を誘導することにより相乗効果を生じる量を含む。理想的
な用量は、例えば、肝トランスアミナーゼ値に基づいて検出可能な肝毒性等の副作用を生
じない。I型インターフェロンに関して、この量は約1X103単位活性(U)約1X1
010U、より一般的には約104U〜約108Uの間で変化してもよい。アゴニスト抗
体またはCD40Lポリペプチドの量は、約0.00001g〜約5g、より一般的には
約0.001g〜約1gの間で変化してもよい。上記のように、好ましいMTDは0.3
mg/kgを越え、約0.45mg/kg〜約3mg/kgの範囲であってもよい。治療
方法に抗原の投与が含まれる場合は、約0.0001g〜約50g、より一般的には約0
.1g〜約10gの範囲の量でこれを投与してもよい。上記のとおり、これらの部分は、
同一または異なる剤形で投与されてもよい。個別に投与する場合、この部分を任意の順序
、一般にそれぞれ数時間以内、より一般的には実質的に近接する時間に投与してもよい。
〔0076〕上記のように、CD40アゴニストは、CD40/CD40L相互作用を
アゴナイズする任意の部分を含む。一般にこれらの部分は、CD40アゴニスト抗体また
はアゴニストCD40Lポリペプチドとなる。記載のとおり、これらの抗体は例としてヒ
ト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、scFvs、およびCD40/CD
40L結合相互作用を特異的にアゴナイズする抗体フラグメントを含む。最も好ましくは
、抗体はキメラ、完全ヒト、またはヒト化CD40抗体を含む。
〔0077〕ヒトCD40Lおよびその他の哺乳類CD40Lポリペプチドは広く知ら
れており、入手可能である。その可溶性形態、オリゴマーCD40Lポリペプチド、例え
ばImmunex(現在のAmgen)により最初に報告された三量体CD40L等を含
む。またヒトおよびマウスCD40Lの配列も知られており、商業的に入手可能である。
上記のように、CD40L用量は、一般的に少なくとも0.1mg/kg/日、より一般
的には約0.15〜1.0mg/kg/日である。肝毒性等の副作用および肝トランスア
ミナーゼ値の上昇が見られないか、またはI型インターフェロンまたはTLRアゴニスト
の非存在下でCD40Lポリペプチドが投与される場合と比較して、最小またはごくわず
かになるようMTDを選択する。
〔0078〕上記のように、I型インターフェロンは、CD40アゴニストに近接また
は併用して投与される場合、細胞性免疫に対する相乗効果を導出する任意のI型インター
フェロンまたは変型あるいはフラグメントであってよい。そのようなインターフェロンは
、アルファインターフェロン、ベータインターフェロン、タウ1、2、3、4、5、6、
7、8、9、または10等のインターフェロンタウ、インターフェロンオメガ、インター
フェロンエプシロン、インターフェロンゼータ等、特にその変型およびフラグメントを含
んでもよい。これは特に、PEG化インターフェロンおよびコンセンサスインターフェロ
ンならびに変質(非天然またはアグリコシル化)グリコシル化したインターフェロンを含
む。
〔0079〕TLRアゴニストが抗CD40アゴニストと相互作用することにより、C
D8+T細胞免疫を著しく強化することは本発明者らにより既に報告されているが、これ
らの先行研究は、I型インターフェロンおよびアゴニスト抗体等のCD40アゴニストも
細胞性免疫に対する相乗効果を生じることを示唆していない。驚くべきことに、本発明者
は、CD40経路がTLRおよびI型IFNシグナリング経路の両方と統合され、DC活
性の強力な細胞性免疫を誘導することを発見した。さらにこれらの以前の研究は、この過
程におけるCD70の役割を明らかにしていない。
〔0080〕また以前の研究は、TLRアゴニスト/CD40アゴニストの結合体を伴
うため、対象のDNAまたはポリペプチド複合体は、抗原、TLRアゴニスト、およびC
D40アゴニストの個別投与を必要とすることを示唆していない。反対に、本発明は一部
の実施形態において、DNA構造体、および2つまたは3つの異なる部分を含む二分裂ま
たは三分裂ポリペプチド、または単一のDNAまたはポリペプチド分子においてこれら2
つまたは3つの部分をコード化するDNA、例えばCD40アゴニスト抗体、アルファイ
ンターフェロンおよび抗原を含む複合体を提供する。これは(たった1つの分子エンティ
ティを薬学的に許容しうる形態で生成および投与するだけでよいため)、予防または治療
ワクチンの目的でのその使用、および/または強化された細胞性免疫が望まれる癌または
自己免疫疾患等の治療において細胞性免疫を強化するためのその使用を簡素化するはずで
ある。これは、有効な予防または治療免疫のために大量のアジュバントが必要となる場合
がある慢性疾患または状態の治療において特に有利である。
〔0081〕分子試薬のみを使用する結合IFN/CD40アゴニスト免疫付与は、感
染因子を用いた感作後に得られる程度のCD8+T細胞反応を固有に生成する(Ahon
en et al.,J Exp Med 199:775(2004))。そのため、
本発明はHIVおよびウイルス、細菌、真菌または寄生虫が関与するその他慢性感染症、
および癌、自己免疫疾患、アレルギー疾患、および炎症性疾患等の増殖性疾患に対する強
力なワクチンの開発を提供する。それら疾患において有効な治療は、結合IFN(I型)
/CD40アゴニスト免疫付与または樹状細胞上のCD70発現を上方制御するその他の
アジュバント結合体のみが生成できる細胞性免疫の量および性質を必要とする。
発明の適用
〔0082〕本発明は、ここでタンパク質およびDNAベースのワクチンの両方を例示
する。これらは(i)少なくとも1つのCD40アゴニスト、例えば、アゴニスト抗CD
40abまたはCD40Lポリペプチド、(ii)任意に少なくとも1つの標的抗原(例
えば、HIV Gag)および(iii)少なくとも1つのI型インターフェロン(例え
ば、アルファインターフェロン)の結合体を含む。HIVは強化された細胞性免疫反応が
重要な治療可能性を有する慢性感染症であるため、HIVGag40が適切なモデル抗原
である。しかし本発明は、強化された細胞性免疫反応が治療上望ましい任意の抗原を含む
、上述のような複合体の構造を包含する。好ましい実施形態において、少なくとも1つの
標的抗原は、少なくとも1つのI型インターフェロン、および少なくとも1つのCD40
アゴニストを含む、投与する組成物に含まれるか、またはこれらの部分を含むポリペプチ
ド複合体に含まれるか、あるいはこれらの部分をコード化するDNA複合体によりコード
化される。しかし一部の実施形態において、I型インターフェロンおよび抗CD40抗体
を含む複合体は、抗原とは別に投与してもよく、または宿主細胞は抗原に対して自然に曝
露されてもよい。さらに一部の実施形態において、すべての3つの部分、すなわち抗CD
40抗体、I型インターフェロンおよび抗原は、個別の分離したエンティティとして併用
投与されてもよい。好ましくは、これらの部分すべてを実質的に同時に投与し、肝毒性、
静脈血栓塞栓症、サイトカイン毒性、および/または頭痛等の副作用を伴うことなく、細
胞性免疫における望ましい相乗性強化を得る。しかしこれらの部分は、細胞性免疫に対す
る相乗効果を導出することにより、強化されたCD8+T細胞の増加およびCD8+DC
上のCD70発現の誘導を生じる任意の順序で投与されてもよい。
〔0083〕典型的な抗原は、細菌、ウイルス、寄生虫、アレルゲン、自己抗原および
腫瘍関連抗原を含むが、それらに限定されない。DNAベースのワクチンが使用される場
合、抗原は一般に投与されたDNA構造体の配列によりコード化される。代替として、抗
原が複合体として投与される場合、抗原は一般に投与された複合体に含まれるタンパク質
である。さらに、抗原がCD40アゴニストおよびI型インターフェロン部分とは別に投
与される場合、抗原は任意の形態を取ることができる。特に抗原は、タンパク質抗原、ペ
プチド、総不活性有機体等を含むことができる。
〔0084〕本発明で使用できる抗原の特定例は、A型、B型、C型またはD型肝炎、
インフルエンザウイルス、リステリア、ボツリヌス菌、結核、野兎病、大痘瘡(天然痘)
、ウイルス性出血熱、ペスト菌(疫病)、HIV、ヘルペス、パピローマウイルスからの
抗原、および感染因子に関連するその他の抗原を含む。その他の抗原は、腫瘍細胞に関連
する抗原、自己免疫疾患、アレルギーおよび喘息に関する抗原を含む。そのような抗原と
対象アゴニスト結合体I型インターフェロンおよび抗CD40抗体との併用投与を、その
ような疾患状態に対して免疫付与するための治療または予防ワクチンにおいて使用するこ
とができる。
〔0085〕一部の実施形態において、この方法および組成物を使用して感染性因子か
らの抗原を含めることにより、感染症を罹患するリスクのある個人、または感染症を罹患
している個人を治療できる。感染とは、宿主細胞内で繁殖する外来有機体または因子が宿
主細胞に存在することに起因する疾患または状態を意味する。感染症を罹患するリスクの
ある対象は、感染症を発症しやすい対象である。そのような個人は、例えば感染性有機体
または因子に曝露したことが分かっている対象またはその疑いのある対象を含んでもよい
。感染症のリスクのある対象は、感染性因子または有機体に対する免疫反応を増加させる
能力の不全に関連する状態のある対象、例えば先天性または後天性免疫不全の対象、放射
線治療または化学療法を受けている対象、熱傷のある対象、外傷のある対象、手術または
その他の侵襲性医科または歯科治療を受けている対象、または同様に免疫不全の個人を含
んでもよい。
〔0086〕本発明のワクチン組成物を用いて治療または予防される感染症は、細菌性
、ウイルス性、真菌性、および寄生虫性を含む。その他のあまり一般的でないタイプの感
染症は、リケッチア、マイコプラズマ、およびスクレピー、牛海綿状脳症(BSE)、プ
リオン病(例えば、クル(kuru)および散発性クロイツフェルトヤコブ(Creut
zfeldt‐Jacob)病)を生じる因子を含む。ヒトに感染する細菌、ウイルス、
真菌、および寄生虫の例はよく知られている。感染症は、急性、亜急性、慢性、または潜
在性であってもよく、局所性または全身性であってもよい。さらに感染症は、宿主細胞に
おける感染有機体または因子のライフサイクルの少なくとも1つの相の間、主に細胞内ま
たは細胞外にあってもよい。
〔0087〕対象ワクチンおよび方法を使用できる細菌性感染症は、グラム陰性および
グラム陽性細菌の両方を含む。グラム陽性細菌の例は、パスツレラ種、ブドウ球菌種、お
よび連鎖球菌種を含むが、それらに限定されない。グラム陰性細菌の例は、大腸菌、シュ
ードモナス種、およびサルモネラ菌種を含むが、それらに限定されない。感染性細菌の特
定例は、ヘリコバクターピロリ、ボレリアブルグドルフェリ、レジオネラニューモフィラ
、マイコバクテリア種(例えば、結核菌、M.avium、M.intracellil
are、M.kansaii、M.gordonae)、黄色ブドウ球菌、淋菌、髄膜炎
菌、リステリアモノサイトゲネス、化膿連鎖球菌(A群連鎖球菌)、アガラクティエ連鎖
球菌(B群連鎖球菌)、連鎖球菌(ウイルス群)、大便連鎖球菌、ウシ連鎖球菌、連鎖球
菌(嫌気性種)、肺炎連鎖球菌、病原体カンピロバクター種、エンテロコッカス種、ヘモ
フィルスインフルエンザ、炭疽菌、ジフテリア菌、コリネバクテリウム種、豚丹毒菌、ウ
エルシュ菌エンテロトキシン、破傷風菌、エンテロバクターアエロゲネス、肺炎桿菌、パ
スツレラ皮膚壊死毒素、バクテロイデス種、フソバクテリウムヌクレアタム、ストレプト
バシラスモニリフォルミス、梅毒トレポネーマ、苺腫トレポネーマ、レプトスピラ、リケ
ッチア、およびイスラエル放線菌を含むが、それらに限定されない。
〔0088〕ヒトにおいて感染症をもたらすウイルスの例は、レトロウイルス(例えば
、HTLV‐IIIとも称されるHIV‐1等のヒト不全ウイルス)、HIV‐II、L
ACまたはIDLV‐III/LAVまたはHIV‐IIIおよびHIV‐LP等のその
他の分離体、ピコマウイルス(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎、腸ウイルス、ヒトコ
クサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)、カルシウイルス(例えば、胃
腸炎を起こす菌株)、トガウイルス(例えば、馬脳炎ウイルス、風疹ウイルス)、フラビ
ウイルス(例えば、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス)、コロナウイルス(
例えば、コロナウイルス)、ラブドウイルス(例えば、小水胞性ストーマウイルス、狂犬
病ウイルス)、フィロウイルス(例えば、エボラウイルス)、パラミクソウイルス(例え
ば、パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、はしかウイルス、呼吸器合
胞体ウイルス)、オルトロミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ブンガ
ウイルス(例えば、ハターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス、およびナイロ
ウイルス)、アリーナウイルス(出血熱ウイルス)、レオウイルス(例えば、レオウイル
ス、オルビウイルス、ロタウイルス)、ビマウイルス、ヘパドナウイルス(B型肝炎ウイ
ルス)、パルボウイルス(パルボウイルス)、パポバウイルス(パピローマウイルス、ポ
リオーマウイルス)、アデノウイルス(アデノウイルス)、ヘルペスウイルス(例えば、
単純ヘルペスウイルス(HSV)IおよびII、水痘帯状疱疹ウイルス、水痘ウイルス)
およびイリドウイルス(例えば、アフリカ豚熱ウイルス)および未分類のウイルス(例え
ば、海綿状脳障害の病原因子、デルタ肝炎の因子、非A型、非B型肝炎の因子(クラス1
:腸感染;クラス2:C型肝炎等のように経口感染)、ノーウォークおよび関連ウイルス
およびアストロウイルス)を含むが、それらに限定されない。
〔0089〕真菌の例は、アスペルギルス種、コクシジオイデスイミティス、クリプト
コックスネオフォルマンス、カンジダアルビカンスおよびその他のカンジダ種、ブラスト
ミセス症、ヒストプラスマカプスラーツム、クラミジアトラコマチス、ノカルジア種、お
よびニューモシスチスカリニを含む。
〔0090〕寄生虫の例は、血液感染性および/または組織寄生虫、例えばBabes
ia microti、Babesi divergans、赤痢アメーバ、ランブル鞭
毛虫、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア種、ブラジルリーシュマニア、ドノバンリー
シュマニア、熱帯マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、三日熱マラリ
ア原虫、トキソプラズマゴンジ、ガンビアトリパノソーマおよびロードシアトリパノソー
マ(アフリカ睡眠病)、クルーズトリパノソーマ(チャガ病)およびトキソプラズマゴン
ジ、扁虫、および回虫を含むが、それらに限定されない。
〔0091〕上記のように、本発明は、癌等の増殖性疾患の治療における、対象の層状
性結合体またはタンパク質あるいはそれを含む、乃至はこの相乗性結合体をコード化する
DNA複合体の使用を包含する。癌は、体内器官およびシステムの正常な機能を妨げる細
胞の無制約成長の状態である。癌のある対象は、体内に存在する癌細胞を客観的に計測で
きる対象である。癌を発症するリスクのある対象は、例えば家系、遺伝性素因、放射線ま
たはその他の癌をもたらす因子に対する曝露等に基づいて、癌を発症しやすい対象である
。元の位置から移動し、重要臓器に播種する癌は、影響を受けた臓器の機能悪化により、
最終的に対象を死に至らしめる可能性がある。白血病等の造血癌は対象における正常な造
血細胞と競合することにより、(貧血、血小板減少、および好中球減少の形態で)造血障
害をもたらし、最終的に死に至る可能性がある。
〔0092〕転移は、原発腫瘍位置とは異なる癌細胞の領域であり、原発腫瘍からその
他の体の部分に癌細胞が広まることにより生じる。原発腫瘤の診断時に、転移の有無につ
いて対象を監視してもよい。多くの場合、特定症状の監視に加えて、磁気共鳴映像(MR
I)、トモグラフィ断層撮影(CT)、スキャン、血液および血小板数、肝機能検査、胸
部X線および骨スキャンを単独使用または併用することにより、転移が検出される。
〔0093〕本発明の組成物、タンパク質複合体およびDNAワクチンを使用し、腫瘍
関連抗原(TAA)の包含またはDNAコード化によるCD40発現および非発現癌を含
む、様々な癌または癌を発症するリスクのある対象を治療することができる。これは、腫
瘍細胞において発現する抗原である。そのような癌の例は、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣
癌、子宮頸癌、皮膚癌、メラノーマ、大腸癌、胃癌、肝臓癌、食道癌、腎臓癌、咽頭癌、
甲状腺癌、膵臓癌、睾丸癌、脳癌、骨肉腫および白血病、慢性リンパ性白血病等の血液の
癌を含む。本発明のワクチン接種方法を使用して免疫反応を刺激し、腫瘍の成長を阻害ま
たは減速する、あるいは腫瘍のサイズを減少させることにより、腫瘍を治療することがで
きる。腫瘍関連抗原は、必ずしもそうではないが、腫瘍細胞により主に発現される抗原で
あってもよい。
〔0094〕追加の癌は、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨肉種、脳および中枢神経系
(CNS)癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化系の癌、子宮内膜腺癌
、食道癌、眼の癌、頭部および頚部癌、胃癌、上皮内新生物、腎臓癌、咽頭癌、肝臓癌、
肺がん(小細胞および大細胞)、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリン
パ腫;メラノーマ;神経芽細胞腫;口腔癌(例えば、唇、下、口および咽頭);子宮頸癌
;膵臓癌;網膜芽腫;横紋筋肉腫;肛門癌;呼吸器系の癌;肉腫;皮膚癌;胃癌;睾丸癌
;甲状腺癌;子宮癌;泌尿器系の癌、およびその他の癌腫および肉腫を含むが、それらに
限定されない。
〔0095〕本発明の組成物、タンパク質複合体、およびDNAを使用して、多発性硬
化症、関節リウマチ、I型糖尿病、乾癬またはその他の自己免疫疾患等の自己免疫疾患を
治療することもできる。本発明のワクチンおよび免疫アジュバントを用いて治療される可
能性があるその他の自己免疫疾患は、クローン病および潰瘍性大腸炎等のその他の炎症性
腸疾患、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、自己免疫脳脊髄炎、重症筋無力症(MG)、橋本
甲状腺炎、グッドパスチュア症候群、天疱瘡、グレーブス病、自己免疫溶血性貧血、自己
免疫血小板減少性紫斑病、抗コラーゲン抗体を伴う強皮症、混合結合組織疾患、多発性筋
炎、悪性貧血、特発性アジソン病、自己免疫関連不妊症、糸球体腎炎(例えば、半月体形
成性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎)、水疱性類天疱瘡、シェーグレン症候群、乾癬性関
節炎、インスリン抵抗性、自己免疫糖尿病(I型糖尿病;インスリン依存性糖尿病)、自
己免疫性肝炎、自己免疫性血友病、自己免疫性リンパ球増殖性症候群(ALPS)、自己
免疫性ぶどう膜網膜炎、およびGuillain‐Bare症候群を含む。最近は、動脈
硬化およびアルツハイマー病が自己免疫疾患として認められた。そのため、本発明のこの
実施形態において、抗原は、宿主細胞が組織の崩壊および正常な組織の破壊に寄与する望
ましくない免疫反応を導出する自己抗原である。
〔0096〕本発明の組成物、タンパク質複合体およびDNAワクチンを使用し、喘息
およびアレルギー性並びに炎症性疾患を治療することもできる。喘息は、気道の炎症およ
び狭窄、また吸入した因子に対する気道の反応性の増加に特徴付けられる呼吸器系の疾患
である。必ずしもそうとは限らないが、多くの場合、喘息はアトピー性またはアレルギー
性症状に関連する。アレルギーは、物質(アレルゲン)に対する獲得過敏性である。アレ
ルギー症状は、湿疹、アレルギー性鼻炎、または鼻感冒、花粉症、気管支喘息、蕁麻疹、
および食物アレルギーならびにその他のアトピー症状を含む。アレルゲンは、影響を受け
やすい対象においてアレルギー反応または喘息反応を誘導できる物質である。花粉、昆虫
毒、動物鱗屑、塵、真菌胞子、および薬物を含む多くのアレルゲンがある。
〔0097〕天然および植物アレルゲンの例は、イヌ、カクマダニ、リビアヤマネコ、
アンブロージア、ロチウム、スギ、アルテルナリア、アルダー、ハンノキ、カバノキ、コ
ナラ、オリーブ、アルテミシア、シャゼンソウ、ヒカゲミズ、チャバネゴキブリ、ミツバ
チ、イトスギ、ジュニパー、ヒノキ科クロベ、ヒノキ、ゴキブリ、シバムギ、ライムギ、
コムギ、カモガヤ、ウシノケグサ、イチゴツナギ、カラスムギ、シラゲガヤ、ハルガヤ、
リボンガヤ、コヌカグサ、アワガエリ、クサヨシ、スズメノヒエ、モロコシ、およびブロ
ミス属に特異的なタンパク質を含む。
〔0098〕当然のことながら、本発明の組成物、タンパク質複合体、およびDNAワ
クチンは、例えば感染疾患、癌または自己免疫疾患等の特定症状を治療するためのその他
の治療と併用できる。例えば癌の場合、本発明の方法を化学療法または放射線治療と併用
してもよい。
〔0099〕組成物をワクチンとして生成する方法は、当該技術分野に精通する者によ
く知られている。有効な量のタンパク質複合体またはDNAは、経験的に特定できるが、
動物モデルにおいて免疫的に有効な量に基づいてもよい。考慮すべき要素は、抗原性、剤
形、投与経路、投与する免疫用量の数、個人の体調、体重、および年齢等を含む。そのよ
うな要素は当該技術分野に精通する者によく知られており、当業者により決定される(例
えば、Paoletti and Mclnnes.eds.,Vaccines,fr
om Concept to Clinic:A Guide to the Deve
lopment and Clinical Testing of Vaccines
for Human Use CRC Press(1999)を参照)。本明細書に
開示されるように、当然のことながら対象のDNAまたはタンパク質複合体は、単独また
はその他のアジュバントと併用して投与することができる。さらに、対象のアジュバント
を既存のワクチンに添加または併用投与し、その効果を増強することができる。例えば、
これらのアジュバントを使用し、子宮頸癌に対して近年承認されたHPVワクチン等のウ
イルスワクチンの有効性を増強してもよい。またそれらをその他のアジュバントと結合し
てもよい。
〔00100〕本発明のDNAおよびタンパク質複合体は、筋肉内、静脈内、経皮、皮
下、腹腔内、鼻腔内、経口またはその他の粘膜経路を含む、当該技術分野で知られている
任意の方法で、局所的または全身的に投与できる。追加の経路は、頭蓋内(例えば、嚢内
または脳室内)、眼窩内、経眼、関節包内、髄腔内、および局所投与を含む。本発明のア
ジュバントおよびワクチン組成物は、適切な非毒性の薬剤キャリアにおいて投与するか、
またはマイクロカプセルあるいは徐放性インプラントに形成することができる。本発明の
免疫原性組成物は、望ましい細胞性免疫反応を維持するため、必要に応じて複数回投与す
ることができる。適切な経路、剤形、および免疫付与スケジュールは、当該技術分野に精
通する者により決定できる。
〔00101〕本発明の方法において、一部の例では、抗原およびI型IFN/CD4
0アゴニスト複合体を個別に投与するか、または同一剤形に結合して投与してもよい。一
部の例において、幾つかの抗原を含むことが有用な場合がある。これらの組成物は、望ま
しい細胞性免疫の相乗性強化を得る任意の順序で個別に投与するか、または併用投与して
もよい。一般に、これらの組成物はそれぞれ短時間内に投与する。すなわち、数日または
数時間内、最も一般的には約半日〜1時間以内に投与し、治療計画を促進する。
〔00102〕一部の例において、親和性精製を促進する複合体またはDNAに部分を
含むことが有益となる場合がある。そのような部分は、複合体におけるポリペプチドの機
能を妨げない比較的小さい分子を含む。代替として、タグは開裂により除去可能であって
もよい。そのようなタグの例は、ポリヒスチジンタグ、血球凝集素タグ、マルターゼ結合
タンパク質、レクチン、グルタチオン‐Sトランスファーゼ、アビジン等を含む。その他
の適切な親和性タグは、FLAG、緑色蛍光タンパク質(GFP)、myc等を含む。
〔00103〕対象のアジュバント結合体およびタンパク質またはDNA複合体は、生
理食塩水等の生理的に許容しうるキャリアを用いて投与する。また組成物は、別のキャリ
アまたはバッファ等の賦形剤、例えばクエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、および重炭酸塩、
アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質、血清アルブミン
、エチレンジアミン4酢酸、塩化ナトリウム、またはその他の塩、リポソーム、マンニト
ール、ソルビトール、グリセロール等を含んでもよい。本発明の因子は、対応する投与経
路に従って様々な方法で形成できる。例えば、液体製剤を摂取または注射ゲル用に形成す
るか、またはプロシージャを摂取、吸入、または局所アプリケーション用に形成できる。
そのような製剤を形成する方法は、よく知られており、例えば“Remington’s
Pharmaceutical Sciences,”18th Ed.,Mack
Publishing Company,Easton Paにおいて見つけることがで
きる。
〔00104〕上記のように、本発明はDNAベースのワクチンを包含する。これらの
DNAは、裸のDNAとして投与してもよく、または発現ベクターに含まれてもよい。さ
らに、グラフトの移植に先立って、対象の核酸配列をグラフトの細胞に導入してもよい。
好ましくは、このDNAをヒト化し、ヒト対象における発現を促進する。
〔00105〕対象のポリペプチド複合体は、さらに「マーカ」または「レポータ」を
含んでもよい。マーカまたはレポータ分子の例は、ベータラクタマーゼ、クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アミノグリコシドホスホ
トランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸還元酵素、ヒグロマイシンB‐ホスホトランスフェラ
ーゼ、チミジンキナーゼ、lacZ、およびキサンチングアニンホスホリボシルトランス
フェラーゼらを含む。
〔00106〕対象の核酸構造体は、その発現を誘導できる任意のベクター、例えばベ
クターにより変換された細胞を含むことができる。発明者は、バキュロウイルスベクター
を使用した経験が豊富であるため、ここではこのベクターを例示する。使用してもよいそ
の他のベクターは、細菌において使用するT7ベースベクター、イースト発現ベクター、
哺乳類発現ベクター、ウイルス発現ベクター等を含む。ウイルスベクターは、レトロウイ
ルス、アデノウイルス、アデノ関連ベクター、ヘルペスウイルス、シミアンウイルス40
、およびウシパピローマウイルスベクターを含む。
〔00107〕対象ポリペプチド複合体の発現の促進に使用できる原核細胞および真核
細胞は、例として、微生物、植物および動物細胞、例えば、大腸菌、枯草菌等の原核生物
、Sf21細胞等の昆虫細胞、サッカロミセス、カンジダ、クリヴェロミセス、スキゾサ
ッカロミセス、およびピチア等のイースト、およびCOS、HEK293、CHO、BH
K、NIH3T3、HeLa等の哺乳類細胞を含む。当該技術分野に精通する者であれば
、望ましい細胞または有機体に適切な発現ベクター、プロモータ、選択可能なマーカ等を
含む、特定の発現系に適切な構成要素を容易に選択できる。様々な発現系の選択および使
用は、例えば、Ausubel et al.,“Current Protocols
in Molecular Biology,John Wiley and Son
s,New York,N.Y.(1993);およびPouwels et al.,
Cloning Vectors:A Laboratory Manual”:,19
85 Suppl.1987)において見つけることができる。また対象のDNA構造体
を含むおよび発現する真核細胞も提供する。
〔00108〕細胞移植の場合、移植手順または血管壁を通じたカテーテル介在の注射
手順のいずれかを用いて、細胞を投与することができる。一部の場合において、脈管構造
に放出することにより細胞を投与してもよい。次に、細胞はこの脈管構造から血流に分配
され、および/または周辺組織に移動する。
〔00109〕対象ポリペプチド複合体またはDNA構造体は、CD40およびCD4
0L、好ましくはマウスまたはヒトCD40の結合を特異的に結合する、またはアゴナイ
ズするアゴニスト抗CD40抗体、またはCD40Lあるいはそのフラグメントを含む、
またはコード化する。本明細書で使用されるように、「抗体」という用語は、その最も広
範な意味で使用され、多クローンおよびモノクローン抗体、およびその抗原結合フラグメ
ントを含む。これは、例えばFab、F(ab’)2、FdおよびFvフラグメントを含
む。
〔00110〕さらに、「抗体」という用語は、自然発生する抗体および自然発生しな
い抗体、例えば一本鎖抗体、キメラ抗体、二官能性およびヒト化抗体を含む。キメラ、ヒ
ト化、および完全なヒト抗体が本発明における使用に好適である。キメラ、ヒト化、CD
Rグラフト、一本鎖および二官能性抗体を合成する方法は、当業者によく知られている。
さらに、CD40に特異的なアゴニスト抗体は広く知られて入手可能であり、CD40抗
原、好ましくはヒトCD40を用いた好適な宿主細胞の免疫付与により形成される。
〔00111〕抗マウスCD40抗体(FGK45)の使用は、例において実証される
。抗ヒトCD40抗体がマウスCD40を特異的に結合せず、生体内研究がげっ歯類であ
ったため、この抗体を選択した。ヒト治療の場合は、選択したアゴニストCD40抗体を
ヒトCD40に特異的に結合する。ヒトCD40に特異的なアゴニストCD40抗体も当
該技術分野において知られており、周知の方法で生成されてもよい。代替として、CD4
0アゴニストは、ヒトCD40およびCD40Lの相互作用をアゴナイズするCD40L
のフラグメントまたはそれを含む融合タンパク質を含んでもよい。
〔00112〕上記のように、本発明の相乗性結合体は、CD40アゴニストと相互作
用する少なくとも1つのI型インターフェロンまたはそのフラグメントあるいは変型を含
み、CD8+DC上にCD70発現を誘導し、生体内のCD8+T細胞の強力な増加を導
出する。これは、例としてアルファインターフェロン、ベータインターフェロン、オメガ
インターフェロン、タオインターフェロン、ゼータインターフェロン、およびエプシロン
インターフェロンらとともに、その機能的変型およびフラグメントを含む。
〔00113〕当然のことながら、本発明の様々な実施形態の活性に著しく影響しない
修正も、本明細書において提供される発明の定義の範囲内で提供される。
発明者の理論
〔00114〕上述のように、これまでに試験されたすべてのTLRアゴニストは、抗
CD40と相互作用し、CD8+T細胞免疫を誘導する。しかし、一部のTLRアゴニス
ト/抗CD40結合体(TLR3、7、9の場合)は、CD8+T細胞の増加を強化する
ためにI型インターフェロン(IFNαβ)に深く依存するが、その他のTLR/CD4
0アゴニスト結合体(TLR2および5の場合)はそうでないことが観測された。驚くこ
とに、CD4細胞の欠失により、TLR3または7/CD40アゴニスト結合体はCD8
+T細胞反応の生成に対するIFNαβ要件を排除する。これらのデータは集合的に、結
合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続くCD8+T細胞反応の制御におけるIFN
αβおよびCD4細胞の役割を発明者に示唆する。
〔00115〕これらの観察に基づいて、本発明者は、DC上のTNFリガンド誘導が
IFNαβに依存性または非依存性であること、およびこれがIFNαβに対するCD8
+T細胞反応の後次依存性を決定すると仮定した。IFNαβ依存性CD8+T細胞反応
は、CD4の欠失により回復できるため、DC上のCD70発現またはCD8+T細胞反
応のいずれかは、制御T細胞により負の影響を受けると仮定した。それにより、IFNα
βが結合TLR(3、7、または9)/CD40アゴニスト免疫付与に続いて、i)CD
70担持APC(CD8T細胞中心)に対するCD8+T細胞反応を直接増加させる、i
i)TNFリガンド発現のためDCを直接活性化する(DC中心)、iii)APC T
NFリガンド発現またはCD8+T細胞増加に対する制御CD4+T細胞活性を阻害する
(Treg中心)という機能のうちの1つ以上を行うことにより、CD8+T細胞反応に
影響するメカニズムを提案した。CD8+T細胞増加の誘導における抗CD40との相互
活性は、TLR1/2、2/6、3、4、5、7、および9のアゴニストを含む、試験し
たすべてのTLRアゴニストの特性である。これらのデータは集合的に、結合TLR/C
D40アゴニスト免疫付与が、強力な1次CD8+T細胞反応の導出に必要なすべてのシ
グナルを再構成できることを示す。
〔00116〕TLRとCD40との相互作用に関する細胞および分子要件を特定する
ため、抗体を用いたブロッキングまたは欠失により、様々な細胞型または因子が欠失した
ノックアウトおよび/またはマウスにおいて多くの実験を行った。これらの研究は、正常
なCD40およびTRLシグナリング経路(CD40 KOおよびMyD88 KOマウ
スを使用)の必要性を確認した。この相互作用はCD4細胞に依存しないが、観察された
IFNγ、IL‐12、またはIL‐23は、使用されるTLRアゴニストにより、IF
Nαβに対する相互作用に変数依存した。Ahonen,C.L.,C.L.Doxse
e,S.M.McGurran,T.R.Riter,W.F.Wade,R.J.Ba
rth,J.P.Vasilakos,R.J.Noelle,and R.M.Ked
l.2004.Combined TLR and CD40 triggering
induces potent CD8+T cell expansion with
variable dependence on type I IFN.J Exp
Med 199:775.IFNαβに対する依存の程度は、一般に所定のTLRが誘
導したIFNαβの量に関連するようであることが観察された。そのため、TLR3、7
、または9のアゴニストと併用して抗CD40で免疫付与したIFNαβレセプタノック
アウト(IFNαβRKO)マウスは、CD8+T細胞反応を生成できなかった。逆に、
TLR2または5のアゴニストと併用して抗CD40で免疫付与したIFNαβRKOマ
ウスは、CD8+T細胞反応を生成した。これらのデータは、IFNαβが適応免疫の生
成において、以下の例に示されるように、既に理解されているよりもはるかに重要な役割
を果たす可能性があることを発明者に示唆した。
〔00117〕最初に、T細胞反応の生成におけるIFNαβの正確な役割を予測およ
び明確にすることは困難であることを強調する必要がある。その理由の一部は、T細胞機
能に対するIFNαβの影響の多くが間接的であるように思われることである。IFNα
βは、主要な細胞型に関するMHC分子の上昇を含む、APC活性の多くの側面を強化す
る。Tough,D.F.2004.Type I interferon as a
link between innate and adaptive immunit
y through dendritic cell stimulation.Leu
k Lymphoma 45:257;Le Bon,A.,and D.F.Toug
h.2002.Links between innate and adaptive
immunity via type I interferon.Curr Opi
n Immunol 14:432.最近では、IFNαβが外因性抗原のAPC過程を
クラスI経路、クロスプライミングとして知られる過程に進展させることが示された。L
e Bon,A.,N.Etchart,C.Rossmann,M.Ashton,S
.Hou,D.Gewert,P.Borrow,and D.F.Tough.200
3.Cross‐priming of CD8+T cells stimulate
d by virus‐induced type I interferon.Nat
Immunol 4:1009.これにより、外因性タンパク質抗原を投与した後のC
D8+T細胞反応の生成が可能になる。またIFNαβは、T細胞活性化および増殖に対
するその他の影響も持つ。高レベルのIFNαβもナイーブ型の一部活性化および記憶C
D8T細胞の増殖を誘導する。Tough,D.F.,S.Sun,X.Zhang,a
nd J.Sprent.1999.Stimulation of naive an
d memory T cells by cytokines.Immunol Re
v 170:39’Sprent,J.,X.Zhang,S.Sun,and D.T
ough.2000.T‐cell proliferation in vivo a
nd the role of cytokines.Philos Trans R
Soc Lond B Biol Sci 355:317;Sprent,J.200
3.Turnover of memory‐phenotype CD8+T cel
ls.Microbes Infect 5:227;Zhang,X.,S.Sun,
I.Hwang,D.F.Tough,and J.Sprent.1998.Pote
nt and selective stimulation of memory‐p
henotype CD8+T cells in vivo by IL‐15.Im
munity 8:591;Tough,D.F.,and J.Sprent.199
8.Bystander stimulation of T cells in vi
vo by cytokines.Vet Immunol lmmunopathol
63:123.
〔00118〕IFNαβはナイーブ型T細胞を直接刺激して生存させるが、ナイーブ
型T細胞に対するIFNαβの影響はAPCにより一部媒介されてもよい。Marrac
k,P.,J.Kappler,and T.Mitchell.1999.Type
I interferons keep activated T cells ali
ve.J Exp Med 189:521;Marrack,P.,T.Mitche
ll,J.Bender,D.Hildeman,R.Kedl,K.Teague,a
nd J.Kappler..1998.T‐cell survival.Immun
ol Rev 165:279.この生存活性は、T細胞内のSTAT1に依存し、T細
胞における直接IFNαβシグナリングを伴う必要があることを示す。Marrack,
P.,J.Kappler,and T.Mitchell.1999.Type I
interferons keep activated T cells alive
.J Exp Med 189:521.最近では、IFNαが、抗原およびB7媒介性
同時刺激に呼応して、ナイーブ型CD8+T細胞に直接作用し、増殖、エフェクタ機能お
よび記憶の進行を促進することが明らかになっている。Curtsinger,J.M.
,J.O.Valenzuela,P.Agarwal,D.Lins,and M.F
.Mescher.2005.
〔00119〕I型IFNは、3つ目のシグナルをCD8T細胞に提供し、クローン増
殖および分化を刺激する。J Immunol 174:4465.反対に、CD8+記
憶T細胞の増殖に対するIFNαβの影響は間接的であるという説もある。この増殖は、
その他の細胞型からIL‐15の生成を介して生じ、CD4T細胞ではなく記憶CD8の
増殖を選択的に誘導する。Zhang,X.,S.Sun,I.Hwang,D.F.T
ough,and J.Sprent.1998.Potent and select
ive stimulation of memory‐phenotype CD8+
T cells in vivo by IL‐15.Immunity 8:591;
Sprent,J.,X.Zhang,S.Sun,and D.Tough.1999
.T‐cell turnover in vivo and the role of
cytokines.Immunol Lett 65:21.そのため、T細胞の活
性および増殖の開始において、T細胞に対するIFNαβの間接的および直接的影響がど
ちらも観察されている。
〔00120〕反対に、T細胞の成長または機能の制御に対するI型IFNの影響に関
するデータはほとんどない。IFNαとIL‐10の結合体を使用し、ヒト制御性細胞を
生体外で生成可能であることを示す報告がある。Levings,M.K.,R.San
gregorio,F.Galbiati,S.Squadrone,R.de Waa
l Malefyt,and M.G.Roncarolo.2001.IFNα an
d IL‐10 induce the differentiation of hu
man type 1 T regulatory cells.J Immunol
166:5530.
〔00121〕上述のように、また発明の発見に続く例におけるデータが支持するよう
に、I型インターフェロンおよびCD40アゴニストの結合体は、免疫性細胞に対する相
乗効果を導出し、樹状細胞上のCD70を上方制御して、CD8+T細胞の指数関数的な
増加を提供することにより、治療において対象の新規アジュバント結合体が導出する細胞
性免疫の量および性質が必要であると考えられる種類の疾患に対してさらに強力なワクチ
ンの開発を可能にする。
〔00122〕以下の例は、例示の目的で提供する。しかし、当然のことながら本発明
の範囲は請求項により画定される。
以下の例の一部で使用される材料および方法。
〔00123〕C57BL/6、IFNαβRKO、またはCD4欠失のIFNαβR
KOマウスにモデル抗原で免疫付与する。つまり、0.1〜0.5mgの総タンパク質(
オブアルブミンまたはHSV糖たんぱく質B[HSVgB])または50μgのペプチド
(オブアルブミンのSIINFEKL、HSVgBのSSIFFARL、ワクシニアウイ
ルスB8RのTSYKSEFV)をTLRアゴニスト(50μg Pam3Cys、25
μg MALP‐2、100μg PolyIC、150μg 27609、50μg
CpG 1826、または25μg フラジェリン)、抗CD40抗体FGK45(50
μg)、または両方と併用して腹腔内注射する。オブアルブミンは、Sigma Cor
poration(St.Louis,MO)から購入し、前述のようにTritonX
‐114 LPS無毒化方法を使用して汚染LPSを除去する。Adam,O.,A.V
ercellone,F.Paul,P.F.Monsan,and G.Puzo.1
995.A nondegradative route for the remov
al of endotoxin from exopolysaccharides.
Anal Biochem 225:321.総HSVgBタンパク質は、前述のように
バキュロウイルスにおける発現およびニッケルカラム上の精製により形成され、ペンシル
バニア大学のDr.Roselyn Eisenbergから厚意で提供される。Ben
der,F.C,J.C.Whitbeck,M.Ponce de Leon,H.L
ou,R.J.Eisenberg,and G.H.Cohen.2003.Spec
ific association of glycoprotein B with
lipid rafts during herpes simplex virus
entry.J Virol 77:9542.使用されるTLRアゴニストは、購入す
る(Pam3Cys‐InVivogen、MALP‐2‐Alexis Bioche
micals、PolyIC‐Amersham/GE Healthcare、CpG
1826‐Invitrogen)、材料譲渡契約を通じて提供される(27609‐
3M Pharmaceuticals)、あるいは自社で合成する(フラジェリン)。
各TLRアゴニストについて、LimulusアッセイによりLPS汚染を試験し、生体
内に注射した量の5IU未満のLPS活性(約50〜300ng)を有することが分かっ
た。この量のLPSの注射は、生体内の脾臓樹状細胞に対して観測可能な影響をもたらさ
ない(データ表示せず)。自社で分離したフラジェリンの場合、オブアルブミン非毒性化
に関して上述される同様のプロトコルを使用し、汚染LPSを除去した。
〔00124〕これらのTLRアゴニストは、2つの主な理由から本実験に使用するた
め選択した。第1に、2次リンパ系組織における主なDCサブセットは、CD8+および
CD11b+DCであり、どちらも共通および固有のTLRを発現する。選択したTLR
アゴニストは、CD8+DC(ポリIC‐TLR3)、CD11b+DC(27609‐
TLR7およびフラジェリン‐TLR5)、または両DCサブセット(Pam3Cys/
MALP‐2、TLR2刺激)を直接刺激する。第2に、選択した分子は、抗CD40と
併用してCD8+T細胞反応を誘導するためのIFNαβ依存性(ポリIC、27609
、CpG 1826)または非依存性(Malp‐2、Pam3Cys、フラジェリン)
であるTLRアゴニストを表す。
〔00125〕記載の免疫付与は、CD70(FR70)、OX40L/CD134(
RM134L)、または41BBL/CD137L(TKS‐1)をブロッキングする抗
体を併用投与する場合と、しない場合とで行う。250μgの抗体を2日毎に腹腔投与す
ることで、これらのリガンド/レセプタ相互作用それぞれの相互作用を十分にブロックす
る(図5を参照)。ブロッキング実験はこの投与計画を用いて行い、後次の同様の実験を
使用してCD8+T細胞反応に対する影響があるとすれば、それをもたらすために必要な
遮断抗体の最小量を特定した。
〔00126〕抗原特異的CD8+T細胞反応を監視するため、免疫付与の5〜7日後
、前述のように末梢血および/または脾臓細胞を分離し、H‐2Kb/SIINFEKL
またはH‐2Kb/SSIFFARL MHC四量体で染色した。Kedl,R.M.,
M.Jordan,T.Potter,J.Kappler,P.Marrack,an
d S.Dow.2001.CD40 stimulation accelerate
s deletion of tumor specific CD8(+)T cel
ls in the absence of tumor‐antigen vacci
nation.Proc Natl Acad Sci USA98:10811;Ke
dl,R.M.,W.A.Rees,D.A.Hildeman,B.Schaefer
,T.Mitchell,J.Kappler,and P.Marrack.2000
.T cells Compete for Access to Antigen‐b
earing Antigen‐presenting Cells.J.Exp.Me
d.192:1105;Kedl,R.M.,B.C.Schaefer,J.W.Ka
ppler,and P.Marrack.2002.T cells down‐mo
dulate peptide‐MHC complexes on APCs in
vivo.3:27.細胞のエフェクタサイトカイン生成能力の指標として、細胞内イン
ターフェロンγ(IC IFNγ)染色により、CD8+T細胞を分析する。IC IF
Nγ染色は文献において広く利用されており、上述のように実施する。さらに、抗原刺激
後のCD107a発現を抗原特異的細胞溶解機能の指標として分析する。CD107a(
LAMP‐1)は、細胞溶解顆粒の膜タンパク質構成要素であり、抗原刺激後のT細胞プ
ラズマ膜上のその識別は、細胞溶解性顆粒のエクソサイトーシスの表示である。結合した
四量体およびCD107a染色を前述のように行う。つまり、MHC四量体を用いて細胞
を30分間37℃で培養する。次に抗原ペプチド(1μg/ml)および抗CD107a
‐FITC抗体をさらに1時間添加し、その後1μg/mlモネンシンを細胞に添加して
、抗体結合CD107aがリソソームに吸収されるにつれて、統合FITC蛍光の破壊を
抑制する。細胞をさらに3〜4時間37℃で培養し、CD8に対する抗体で染色し、洗浄
、固定してFACSにより分析する。上述のように、結合TLR2‐または‐5/CD4
0アゴニストの免疫付与中に、CD70、41BBL、OX‐40L、およびCD30L
に対する遮断抗体をIFNαβRKOマウスにも同様に注射する。CD8+T細胞反応の
大きさおよび機能は、上述のように、四量体、IC IFNγ染色、およびPBLおよび
/または脾臓細胞のFACS分析により特定する。
〔00127〕記憶CD8+T細胞の増加に対する1次免疫付与中のTNFリガンドブ
ロッキングの影響を判断するため、免疫付与したマウスを少なくとも60日間静養させ、
同一の免疫付与により再度感作し、2次反応を上述のように分析する。実験は、IFNα
βRKOマウス、CD4欠失のIFNαβRKOマウス、および対照として正常かつCD
4欠失のB6マウスにおいて実施する。健康なIFNαβRKOマウスにおいて、IFN
αβ非依存性CD8+T細胞反応を生成するTLR/CD40結合体を分析する。CD4
欠失のIFNαβRKOマウスにおいて、IFNαβ依存性および非依存性TLR/CD
結合体の両方を試験する。代表的なCD4欠失および免疫付与したマウスを、1次免疫付
与後少なくとも60日間静養させた後、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与により
再度感作する。これらの実験を使用し、IFNαβ欠乏宿主細胞、CD4欠失宿主細胞ま
たは欠失でない宿主細胞の免疫付与に続く1次および記憶CD8+T細胞反応が、CD7
0および/またはその他のTNFリガンドに依存するかどうかを判断する。
例1:
結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続くCD8+T細胞の増加はIFNαβへの
可変依存を示す。
〔00128〕すべてのTLRアゴニストは抗CD40と相互作用してCD8+T細胞
の増加を促進したが、本発明者は、特定のTLRアゴニスト/抗CD40結合体から導出
されたCD8+T細胞反応が、完全にIFNαβに依存することに気づいた。それに基づ
いて、本発明者は、上述のように図1および2に含まれる実験において、異なる結合TL
R/CD40アゴニストに関連し、インターフェロンαβレセプタノックアウト(IFN
αβRKO)マウスにペプチド抗原で免疫付与した。
〔00129〕図1に含まれる実験において、オブアルブミンペプチド、抗CD40、
および表示TLRアゴニストで免疫付与したアゴンマウス(agonmice)(最下列
)における結合TLR/CD40アゴニストの投与に続くCD8+T細胞の増加を測定し
た。7日後、四量体染色およびFACS分析により、脾臓におけるオブアルブミン特異的
T細胞反応を測定した。右上四分儀の数字は、総CD8+細胞に占める四量体染色細胞の
パーセンテージを示す。
〔00130〕図2含まれる実験において、IFNαβRKO宿主細胞のCD4欠失が
、アゴニスト抗CD40と併用してIFNαβ依存性TLRアゴニストを用いた免疫付与
に続くCD8+T細胞の反応を回復することが明らかになった。WTおよびIFNαβR
KOマウス、図2に示されるようなCD4欠失または非欠失マウスに、HSV‐1ペプチ
ド、アゴニスト抗CD40抗体、およびポリICを用いて免疫付与した。7日後、HSV
‐1特異的反応を四量体(A)およびIC IFNγ(B)染色PBL細胞により特定し
た。
〔00131〕図2に含まれる結果から分かるように、これらのマウスにおいて、TL
R3、7、または9アゴニストと抗CD40とを併用した免疫付与に対するCD8+T細
胞反応を完全に破棄した(図2)。反対に、残りのTLR/CD40アゴニスト結合体に
対するCD8+T細胞反応は、IFNαβに一部のみ依存するか(TLR4/CD40)
または比較的独立していた(TLR2/6/CD40アゴニスト)(図1)。その他の実
験において、TLR1/2アゴニストPam3Cys、およびTLR5アゴニストフラジ
ェリンも、IFNαβRKOにおいて抗CD40と併用された場合、wtマウスに相当す
るCD8+T細胞反応を生成した(データ表示せず)。これらの結果は、抗CD40が、
TLR2または5アゴニストと併用した場合はIFNαβ非依存性CD8+T細胞反応を
導出するが、TLR3、7、または9アゴニストと併用した場合は、IFNαβ依存性C
D8+T細胞反応を導出することを示す。このため、TLR2または5アゴニストとCD
40経路との相互作用は、IFNαβに非依存であると考えられる。逆に、TLR3、7
、または9アゴニストとCD40経路との相互作用は、IFNαβに依存すると考えられ
る。このデータは、直接T細胞、抗原含有APC、またはその両方を通じてシグナリング
することにより、CD8+T細胞反応の生成におけるIFNαβの役割を本発明者に示唆
した。
〔00132〕例2
結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続くCD8+T細胞の増加は、CD4欠失の
IFNαβRKO宿主細胞において回復する。
〔00133〕IFNαβRKOマウスにおけるCD8+T細胞反応不全は、上述の特
定TLR/CD40アゴニスト結合体により導出される反応においてIFNαβに対する
義務的役割を本発明者に示唆すると思われた。図2の実験で示されるように、Wtおよび
IFNαβRKOマウスは、結合TLR/CD40アゴニストを併用するペプチド免疫付
与の1日前に抗CD4抗体GK1.5を注射したことにより、CD4+T細胞を欠失した
(図2)。結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与から7日後、マウスを犠牲死させ、
PBLおよび脾臓細胞を分離し、四量体および細胞内IFNγ染色により分析した。ペプ
チドおよびポリIC/抗CD40を用いた免疫付与は、IFNαβRKOマウスにおいて
CD8+T細胞反応を生成できなかった。しかしCD4の欠失は、IFNαβRKOマウ
スにおける抗原特異的T細胞の数(総CD8+T細胞のパーセント、図2A)および機能
(図2B)の両方に関して、CD8+T細胞反応を回復した。これは、試験したすべての
TLR/CD40アゴニスト結合体(TLR2、5、および7)に対しても該当し、IF
Nαβ非依存性TLR/CD40アゴニスト結合体(すなわち、TLR2)に対するCD
8+T細胞反応でさえも、非CD4欠失対照と比較して強化された(データ表示せず)。
そのため、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続くIFNαβRKOマウスにお
けるCD8+T細胞反応は、一般にCD4欠失後に強化される。
〔00134〕これらの発見に関する本発明者の懸念の1つは、それらが生理学的に関
連するか否か、または単にIFNαβRKO宿主細胞に固有であるか否かということであ
った。そのため、多クローン性ラビット抗IFN抗体使用し、IFNαβをブロックして
、CD4欠失および欠失でないwt宿主細胞において実験を行った。
〔00135〕図3に示されるように、抗IFNは、CD4欠失により回復されるポリ
IC/CD40媒介性CD8反応をブロックする。この実験において、抗IFNおよび/
またはCD4欠失および欠失でないマウスに、抗IFNおよび/またはCD欠失オブアル
ブミン(結合ポリIC/抗CD40)に対する免疫を付与した。7日目に、抗原特異的T
細胞パーセントに関する材料および方法の段で上述したように、PBLを四量体染色によ
り分析した。
〔00136〕図3に示されるように、結合ポリIC/αCD40を用いて免疫付与し
たwtマウスの場合、抗IFNαβ抗体は、CD8+T細胞反応の程度を著しく減少させ
た(図3)。
IFNαβRKOマウスで見られる結果と一致して、抗IFN処理したマウスのCD4欠
失は、CD8+T細胞反応を完全に回復した。そのため、IFNαβRKO宿主細胞およ
びIFNαβ欠失抗体を注射したwt宿主細胞の両方において、CD4の欠失は、結合T
LR/CD40アゴニスト免疫付与に続くIFNαβに対するCD8+T細胞反応の依存
性を低減するように思われた。これらの結果は、1)CD4+T細胞の小集団が、特定の
TLR/CD40アゴニスト結合体を用いた免疫付与に続くIFNαβRKOマウスのC
D8+T細胞反応を制御する、2)IFNαβは、これらのTLR/CD40アゴニスト
結合体を用いた免疫付与後に、このCD4+T細胞集団の制御能力を阻害する働きをする
場合がある、および3)その他のTLR/CD40アゴニスト結合体(例えば、TLR2
または5)は、IFNαβ非依存様式で制御CD4+T細胞による阻害を回避できること
を発明者に示唆した。
〔00137〕これらの結果は、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与が、使用さ
れるTLRアゴニストに応じてIFNαβに対する関心の可変依存を示す強力な1次およ
び2次CD8+T細胞反応を導出できることを示す。これらの発見は、既に解明されてい
るよりも直接的なCD8+T細胞反応におけるIFNαβの役割を発明者に示唆した。ま
た、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与は、DC上のCD70の上方制御を固有に
誘導し、WTマウスにおける確実なCD8+T細胞反応は、これに大きく依存するようで
あることも明らかになった。この予備データは、活性化したAPC上のCD70発現の増
強、およびCD27を介した抗原特異的T細胞の後次刺激が、結合TLR/CD40アゴ
ニスト免疫付与に応答したCD8+T細胞反応の形成および生存に関する主要チェックポ
イントであることを示唆した。しかし、さらに驚くべきことは、IFNαβRKO(図2
)およびWTマウス(図3)の両方におけるIFNαβ依存性CD8+T細胞反応を、C
D4+T細胞の宿主細胞を欠失させることにより救済できるという本発明者の観測である
。これらの結果は、IFNαβが以下の理由からCD8+T細胞反応に影響する可能性が
あることを示唆する。1)TNFL発現APCに対するCD8+T細胞反応を制御する、
2)APC活性およびTNFリガンドの発現を制御する、3)TNFリガンドのAPC発
現またはTNFL担持APCに対するCD8+T細胞の増加を抑制するCD4+T細胞の
制御機能を阻害する、4)上述のいずれかの組み合わせ。以下の例は、すべて結合TLR
/CD40アゴニスト免疫付与に続く、i)CD8+T細胞反応の媒介におけるIFNα
βの役割、ii)DC活性化におけるIFNαβの役割、およびiii)CD4+制御細
胞機能におけるIFNαβの役割を組織的に検討することにより、これらの仮説の正確性
を最終的に決定する。
〔00138〕例3
IFNαβRKOにおけるCD8+反応に対するTNFリガンドの役割
〔00139〕図4の実験に示されるように、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付
与により生成されたWTマウスにおけるCD8+T細胞反応は、CD70に依存する(図
4を参照)。この実験において、CD4欠失IFNαβRKO宿主細胞において、結合T
LR/CD40免疫付与に続くCD8+T細胞反応を評価した。結果から、CD70に大
きく依存することが分かった。IFNαβRKOマウスはCD4細胞を欠失し、上述のよ
うにHSV‐1ペプチド、ポリIC、および抗CD40抗体を用いて免疫付与した。次に
、図1のように抗TNFリガンド抗体をマウスに注射した。7日目に、PBLを四量体染
色により再度分析した。
〔00140〕前述の実験から明らかなように、IFNαβRKOマウスにおけるCD
8+T細胞反応は、TLR/CD40アゴニスト免疫付与に先立って、IFNαβを刺激
しないTLR/CD40アゴニスト結合体、またはCD4欠失のIFNαβRKO宿主細
胞によってのみ導出可能である点で固有である。図4の結果は、CD70がIFNαβR
KOマウスのCD8+T細胞反応において必要な役割を果たすことをさらに示す。この実
験において、抗CD70は反応を約10倍ブロックしたが、その他のTNFL抗体は、C
D8+T細胞反応を最大2倍まで阻害したことに留意する。これは、wtマウス(図1)
とは反対に、複数のTNFリガンドが、IFNαβRKOマウスのCD8+T細胞反応の
程度に対して、少なくともいくらかの影響をもたらす可能性があることを示唆する。図4
に示されるデータは、最小遮断抗体の注射により得られた。
〔00141〕例4
材料および方法。
〔00142〕可溶性CD70/lg融合タンパク質(sCD70lg)の注射は、S
outhampton General HospitalのDr.Aymen Al−
Shamkhaniによって最初に記載されたように(Rowley,T.F.,and
A.Al‐Shamkhani.2004.Stimulation by solu
ble CD70 promotes strong primary and sec
ondary CD8+ cytotoxic T cells responses
in vivo.J Immunol 172:6039)、生体内でCD27を介して
T細胞にアゴニスト刺激を良好に提供する。Dr.Al‐Shamkhaniから厚意で
提供されたこの試薬を、TLRおよびCD40刺激と併用してIFNαβRKO宿主細胞
に注射する。最初に、sCD70lg試薬を追加注射することにより、IFNαβ依存性
TLR/CD40アゴニストの結合体に対するCD8+T細胞反応の救済を試みる。初期
抗原感作後7日目に、CD8+T細胞反応を再度分析する。Dr.Al‐Shamkha
niの研究室から得たデータは、抗原感作後2〜4日目に250μgのsCD70lgを
毎日注射することにより、CD8+T細胞の増加に最適なCD70媒介性シグナルを提供
することを示している(私信)。本発明者は、このCD70lg注射の時間的経過が、W
TウスにおいてTLRアゴニスト単独に対するCD8+T細胞の反応を増加させることを
確認した(データ表示せず)。抗原およびTLRアゴニスト、抗CD40、または両方を
用いて、ゼロ日目にマウスを腹腔内感作する。抗原注射後2、3、および4日目に、25
0μgのsCD70lgを腹腔内注射した後、元の抗原感作後7日目に血液および/また
は脾臓におけるCD8+T細胞反応を分析した。
〔00143〕図4に示すデータから、CD4欠失のIFNαβRKO宿主細胞は、任
意の組み合わせのTLR/CD40刺激に対して反応するようになることは明らかである
。図4に示されるように、CD70の封鎖は、CD8+T細胞の反応を誘導するためのT
LRアゴニストとCD40アゴニストとの相互作用を排除する。この実験において、抗C
D40+/TLR‐アゴニストの表示結合体を用いてマウスを感作した。代表的なマウス
のサブセットに、抗CD70遮断抗体FR70を注射した(下位ドットプロット)。図4
Aは代表的な四量体染色を示し、図4Bは1群あたりマウス3匹の平均および標準偏差を
示し、図4Cは、5Aと同様にマウスに免疫付与したが抗CD70を与えなかった場合、
1回注射した場合、または2回注射した場合を示す。24時間後にDCを分離し、各サブ
セットにおけるDCの数(上パネル)およびCD70染色(下パネル)を分析した。
〔00144〕WTマウスにおいて、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続く
CD8+T細胞の反応は、CD70に依存することが分かる(図4)。上述および図4に
示されるデータは、少なくともCD4欠失のIFNαβRKO宿主細胞にも該当すること
を示唆する。また図4における結果は、複数のTNFリガンドが、IFNαβRKO宿主
細胞のCD8+T細胞反応において、ある程度関与する場合があることを示唆する。
〔00145〕例5
〔00146〕wtマウスにおける組み換えIFNα+/−抗CD40に続く免疫細胞
反応。
〔00147〕以下の材料および方法を使用して実験を行い、IFNαβ依存性TLR
/CD40アゴニスト結合体を用いて免疫付与した後、IFNαβの作用が単独で十分に
CD8+T細胞の増加を導出するかどうかを判断する。
材料および方法
〔00148〕簡潔に言うと、ポリIC刺激性のB細胞cDNAから新規IFNα配列
をクローン化した。誘導された亜型のうち、このIFNα亜型を選択したのは、グリコシ
ル化配列がないため昆虫細胞において発現可能であり、異常なグリコシル化の心配がない
ためである。親和性精製の目的でTCR CαエピトープタグをC末端に付加し、配列を
pBacベクター(Invitrogen)のp10プロモータ部位にクローン化した。
組み換えバキュロウイルスを生成し、Hi5細胞の感染後、親和性およびサイズクロマト
グラフィにより組み換えIFNαを上澄みから精製した。IFNαの活性は、APC上の
クラスI MHCの上方制御に基づいて生体外および生体内で確認した(データ表示せず
)。
〔00149〕ワクチン環境における組み換えIFNαの使用は、既に公開されており
(Le Bon,A.,and D.F.Tough.2002.Links betw
een innate and adaptive immunity via typ
e I interferon.Curr Opin Immunol 14:432)
、またここで提案される研究において同様のプロトコルが最初に使用される。上述のよう
に、抗原および抗CD40を104‐106単位のIFNαと併用し、野生型マウスを調
整する。次に、結果として生じるCD8+T細胞反応を、結合TLR(3、7、または9
)/CD40アゴニストで免疫付与したマウスと比較し、IFNαと抗CD40が、TL
R刺激と同程度に相互作用し、CD8+T細胞の増加を導出するかどうかを判断する。そ
の他の対照マウスにIFNαまたは抗CD40のみを注射する。CD8+T細胞反応を上
述のように分析する。
〔00150〕図5の実験から分かるように、得られたデータは、組み換えIFNαお
よび抗CD40を用いた免疫付与に対する相乗効果があることを示した。1x105単位
IFNを3回、1x106単位IFNを1回、抗CD40単独、または抗CD40をIF
Nのいずれかの投与計画と併用して注射する状況において、マウスに抗原で免疫付与した
。IFNまたはCD40単独では検出可能なCD8+T細胞反応を刺激したが、結合IF
N/CD40は相互作用し、ポリIC/CD40免疫付与への応答で見られる反応に類似
するCD8+T細胞反応を生成した(図5)。
〔00151〕特にこの実験は、I型インターフェロンおよびアゴニストCD40抗体
の併用投与が、いずれかを単独投与した場合と比較して、抗原特異的CD8+およびT細
胞の指数関数的な増加を誘導することを明らかにする。オブアルブミンおよび抗CD40
、ポリIC、または組み換えIFNの表示結合体をマウスに腹腔内注射した。IFN注射
の場合、マウスに、抗原注射の日から開始して1x105単位のIFNを3日連続で注射
するか、または抗原注射と同時に1x106単位のIFNを1回注射した。7日後にマウ
スを犠牲死させ、末梢血または脾臓のいずれかから得た細胞を四量体で染色して、オブア
ルブミン特異的CD8+T細胞の増加の程度を識別した。細胞をFACSにより分析し、
示されたデータをCD8+B220イベント上にゲートした。図において、5‐(A)は
四量体染色のドットプレート、5(B)は2%四量体および総CD8+T細胞に占める血
液中のCD8+細胞の平均および標準偏差(個別のマウス2匹)である。
〔00152〕図5に示されるデータは、組み換えI型インターフェロンが、TLR/
CD40刺激と同程度にCD40と相互作用することを示し、これらの結果は、バキュロ
ウイルスにおいて生成された組み換えIFNが生体内でも同様に作用することをさらに示
す。さらにこれらの結果は、結合IFNα/CD40刺激が、CD8+T細胞の増加促進
において、TLR/CD40刺激と同程度に相互作用できることを示す。
〔00153〕例6
I型インターフェロンおよびCD40抗体の併用投与はDC上のCD70+発現を誘導す

〔00154〕前述の実験に含まれるデータは、IFNαβに対するDCおよび/また
はCD4+Tregsの反応によりIFNαβ依存性が特定されることを示唆する。本発
明者は、結合IFNα/CD40アゴニスト免疫付与の場合に、IFNαβがそのような
強力なCD8+T細胞免疫を導出するメカニズムにCD70が関与すると仮定した。前述
の例の結果から、特にCD40アゴニストおよびI型インターフェロンは、CD8+免疫
に対する相乗効果を導出することが分かる(図5を参照)。このデータは、APCではな
く、応答するCD8+T細胞に対する結合IFNα/CD40刺激の最終的な影響を示す
。以下の実験を行い、結合IFNα/CD40刺激が抗原含有DCサブセット上のCD7
0および/またはその他のTNFリガンドの発現を誘導するかどうかを調べる。
〔00155〕上述の組み換えIFNαを使用し、104‐106単位のIFNαと併
用して、上述のように抗原および抗CD40を用いてiWTB6マウスを調整した。対照
として、抗CD40単独、IFNα単独、または結合ポリIC/抗CD40陽性対照を用
いてマウスに免疫付与し、DC CD70発現を増加させる。調整後6〜48時間に代表
的なマウスを犠牲死させ、脾臓コラゲナーゼを消化し、DCを染色してFACSにより分
析した。TNFリガンドCD70、41 BBL、OX‐40L、CD30L、およびG
ITRLの発現についてDCを評価する。結果として生じるDC発現型を、結合TLR3
、7、または9/CD40アゴニストで免疫付与したマウスと比較し、IFNαと抗CD
40が、TLR刺激と同程度に相互作用し、CD8+T細胞の増加を導出できるかどうか
を判断する。その他の対照マウスには、IFNαまたは抗CD40のみを注射する。抗原
処理および様々なサブセットの提示に対するIFNαの影響を判断するため、上述のよう
に、マウスを組み換えIFNα V‐+/‐抗CD40と併用して蛍光抗原で感作する。
抗原摂取、抗原提示、およびDC活性とTNFL発現は、上述のように判断する。これら
の実験は、IFNαがどれだけ独立して、また抗CD40と併用して、抗原提示、DC
TNFLの発現、およびCD8+T細胞の増加に影響するかを特定する。
〔00156〕図6の実験から分かるように、I型インターフェロンおよびアゴニスト
CD40抗体の併用投与は、生体内でCD8+T細胞上のCD70発現を誘導するが、い
ずれかを単独投与する場合は誘導しない。この実験において、抗CD40抗体単独、ポリ
IC(陽性対照)、組み換えαインターフェロンまたは抗CD40抗体およびI型インタ
ーフェロンをマウスに注射した。18時間後、脾臓DCを分離し、そのCD70発現を分
析した。図7の右上四分儀の数字は、CD70染色の標準蛍光強度を示す。このデータは
、ポリIC/CD40アゴニストの投与と同様に、CD/IFNもCD8+DC上のCD
70の発現を増加することも明らかにする。
〔00157〕そのため、データ(図6)は、CD8+T細胞反応の導出においてIF
Nα/CD40免疫付与の成功を示し、IFNα/抗CD40を注射したマウスのDCは
、抗原摂取、抗原提示、および/またはTNFL上方制御に関して結合TLR/CD40
アゴニストで免疫付与した対照から得たDCと類似することを示す。特にCD70は、結
合IFNα/αCD40免疫付与に続いて1つ以上のDCサブセット上で増加するが、い
ずれかの刺激単独の感作では増加しない。
〔00158〕例7
〔00159〕CD40アゴニスト抗体を含む、または含まない増加量のαIFNの併
用投与
〔00160〕図7の実験において、アゴニストCD40抗体の有無にかかわらず、多
量のI型インターフェロンを用いること以外は前述の例と同様にマウスに注射した。図の
データは、2匹の個別マウス間の平均CD70MFIとして表され、エラーバーは、標準
偏差を表す。これらの結果からも同様に、I型インターフェロンおよびCD40アゴニス
トの併用投与は、生体内でDC上のCD70発現を増加したが、I型インターフェロンお
よびCD40アゴニストをそれぞれ単独で投与した場合は増加しないことが分かった。
〔00161〕例8
〔00162〕減少用量のIFNαおよびCD40アゴニストまたは抗CD70で免疫
付与したマウスにおける抗原特異的T細胞のパーセンテージ
〔00163〕図8の実験において、抗CD40抗体、IFNαおよび抗CD40抗体
、ポリICおよびCD40抗体をそこに記載されるように異なる減少用量で、またαイン
ターフェロンおよび抗CD40抗体を用いてマウスに免疫付与した。図に示されるデータ
から、低用量のIFNαで抗原(オブアルブミン)特異的T細胞の数が指数関数的に減少
すること、およびIFN/ポリICおよびIFNα/CD40アゴニストを持つ高原特異
的細胞の数がほぼ同じであったこと分かる(図8を参照)。そのため、図6、7および8
のデータは、体外から添加したIFNαが抗CD40と相互作用し、DC上のCD70発
現を上方制御することにより、抗原特異的T細胞の増加をもたらすことを示す。
〔00164〕例9
〔00165〕TLR/CD40アゴニスト結合体を持つIFNαβRKOマウスから
得たDC上のCD70発現
〔00166〕図6および7に見られる結果を実証するため、内因性IFNに関連する
IFNαを体外から添加し、図9に示されるようなIFNαβマウスにおいて実験を行っ
た。図に示されるように実験を行う。ここで、マウスは転移骨髄(この場合は、BM発現
GFP+/‐Bcl‐2)(図9)を用いて正常に再構成され、再構成から8週間後に免
疫付与した後、免疫反応を生成した(図示せず)。
〔00167〕図9の実験で示されるように、結合TLR/CD40アゴニスト投与感
作は、IFNαβRKOマウスにおいて標的TLRを発現するDC上でのみCD70発現
を誘導する。この実験において、抗CD40抗体単独、またはポリICあるいはPam3
Cysと併用してIFNαβRマウスに注射した。Pam3CysはTLR2アゴニスト
であり、ポリICはTLR3アゴニストである。24時間後、脾臓DCを分離し、前述の
ようにCD70発現を染色した。CD8+DCはTLR2およびTLR3を発現するが、
CD11b+DCはTLR3ではなくTLR2を発現する。これらのデータは、IFNα
βシグナリングの非存在下で、TLRおよびCD40の両方を介して直接刺激されたDC
のみがCD70発現を増加できることを示唆する。
〔00168〕以前のデータと併せて、このデータは、CD70発現の増大がCD8+
T細胞の同時増加に関与することをさらに示唆する。
〔00169〕例10
〔00170〕抗原特異的T細胞の数に対するI型IFN/CD40結合体の影響およ
びIL‐2/CD40アゴニスト結合体の影響
〔00171〕図10の実験は、CD40アゴニストと結合された場合のIL‐2の別
のサイトカインおよびI型インターフェロンの影響を比較するよう設計された。上記のよ
うに、IFNα/CD40アゴニスト結合体を用いて得られる相互作用は全く予期せぬこ
とであり、その他のサイトカイン/CD40アゴニスト結合体では見られないと考えられ
る。
〔00172〕この実験において、I型IFN/CD40抗体、IL‐2/CD40抗
体、IL‐2単独、IFNα単独、およびCD40アゴニスト単独の影響を比較した。図
10に示されるこの結果から、IL‐2およびIFN/CD40結合体は、抗原特異的T
細胞免疫細胞のパーセンテージに対して同様の影響をもたらさないことが分かる。ここで
は、オブアルブミン(300mg)を抗CD40(50mg)、組み換えIFNα(1X
106U)、IL‐2(1X106U)、IL‐2およびCD40と併用して、または同
用量のIFNおよびCD40アゴニストを単独でマウスに注射した。7日後に末梢血を採
取し、Kb/ova四量体で染色して抗原特異的T細胞のパーセンテージを識別した。ド
ットプロットにおける数字は、表示された楕円ゲート(四量体+)におけるCD8+T細
胞のパーセントである。棒グラフは、1回の注射あたりマウス2匹の平均および標準偏差
である。その結果は、抗原特異的T細胞の数は、IL‐2/CD40結合体を同量のCD
40アゴニストと併用して投与した場合、および両サイトカインを同一の活性レベルで投
与した場合に比べ、IFN/CD40結合体を投与した動物においてはるかに高かったこ
とを示す。これは、IFN/CD40アゴニスト結合体を用いて得られる相乗効果が予期
されないことをさらに実証する。
〔00173〕例11
〔00174〕転移性メラノーマにおける生存時間に対するIFNαおよびCD40ア
ゴニストの影響
〔00175〕この実験において、ゼロ日目に、C57BI/6マウスに100,00
0のB16.F10メラノーマ細胞を経静脈的に投与した。4日後、100μg腫瘍ペプ
チド(デルタV)、100μgの抗CD40および1X106単位のアルファインターフ
ェロンをマウスに投与した。図に示されるように、抗CD40/IFN結合体を投与した
マウスは、著しく長い生存時間を有した。このデータは、腫瘍ワクチンおよび癌治療にお
ける対象アジュバント結合体の可能なアプリケーションをさらに支持する。
〔00176〕例12
〔00177〕転移性肺癌tに対するCD40アゴニスト/IFNアルファ結合体の影

〔00178〕図12の実験は、対象CD40アゴニスト/IFNアルファ結合体がマ
ウスを転移性肺癌から保護することを示す。この実験において、ゼロ日目に、C57BI
/6マウスに100,000のB16.F10メラノーマ細胞を経静脈的に投与した。4
日後、100μgの腫瘍ペプチド、デルタV、100μg抗CD40抗体、100μgの
S‐27609(TLR7アゴニスト)および1X106単位のアルファインターフェロ
ンをマウスに投与した。腫瘍感作後21日目にマウスを犠牲死させ、肺を取り出し、解剖
顕微鏡により転移性小節を数えた。図のパネルAは、肺を摘出した日における代表的な肺
のデジタル写真を示す。パネルBは、肺転移の計数を示す。ここでN=7〜8マウス/群
である。これらの結果は、その他の治療と比較したCD40アゴニスト/IFNアルファ
結合体の保護効果を示す。
〔00179〕例13
〔00180〕腫瘍のある肺からの肺侵入分析
〔00181〕図13に示される実験は、腫瘍のある肺からのTIL(腫瘍侵入リンパ
球)分析を行った。ゼロ日目に、100,000のB16.F10メラノーマ細胞をC5
7BI/6マウスに静脈投与した。5日後、図に示されるように、100μgの腫瘍ペプ
チド(デルタV)、100μgの抗CD40、および1X106単位のインターフェロン
アルファをマウスに投与した。腫瘍感作後20日目にマウスを犠牲死させた。肺を取り出
し、パーコール勾配遠心法によりTILを分離した。次に、細胞をフローサイトメトリ分
析し、侵入するCD4(13Aおよび13D)、CD8(13Bおよび13E)、および
FoxP3+細胞(13Cおよび13F)の相対数および絶対数を調べた。この実験では
、N=4マウス/群である。
〔00182〕例14
〔00183〕腫瘍のあるマウスにおいて肺に侵入するCD8+T細胞に対する併用免
疫療法の影響
〔00184〕図14に含まれるこの実験において、腫瘍のあるマウスの肺に侵入する
抗原特異的エフェクタCD8+T細胞の生成に対する対象併用免疫療法の影響を分析した
。この実験において、ゼロ日目に、100,000のB16.F10メラノーマ細胞をC
57BI/6マウスに静脈投与した。5日後、図に示されるように、100μgの腫瘍ペ
プチド(デルタV)、100μgの抗CD40、および1X106単位のアルファインタ
ーフェロンを3匹のマウスに投与した。腫瘍感作後20日目にマウスを犠牲死させ、肺を
取り出し、パーコール勾配遠心法によりTILを再度分離した。次に、1μg/ml r
hlL‐2およびブレフェルジンAを用いて12〜18時間、細胞を刺激した後、細胞内
サイトカイン染色を行った。IFNgで染色する前に、まず細胞を抗体でCD8およびC
D44と標識し、次に固定して浸透可能にした。無関係の(SIINFEKL)ペプチド
対照で観察されるバックグラウンドを控除することにより陽性細胞を計算し、次にCD8
+CD44+IFNg+T細胞の正のパーセント(14A)または絶対数(14B)とし
て表示した。この実験では、N=4マウス/群である。
〔00185〕図の結果から、対象IFN/CD40アゴニスト結合体を投与した結果
、抗原特異的CD8+T細胞の数が増加することが明らかである。これらの結果は、さら
に癌ワクチンおよびそのような免疫増強が望まれるその他の治療における対象アジュバン
ト結合体の有効性を実証する。
〔00186〕最後に、本発明についてさらに説明するため、本出願は、例で使用した
典型的アゴニスト抗体の配列を示す図15、および本発明に従って、例えばバキュロウイ
ルス発現系を使用してDNA構造体およびポリペプチド複合体を生成するために好適な方
法および材料を概略的に示す図16および17を含む。
〔00187〕当然のことながら、本発明は上文にリストされる実施形態に限定されず
、その権利は例示の実施形態および以下の請求項の範囲に含まれるすべての修正に対して
確保される。
〔00188〕本明細書で引用される学会誌、特許、およびその他の出版物に対する様
々な言及は最新のものを含み、参照により完全な説明として組み込まれる。
〔0031〕図1は、結合TLR/CD40アゴニスト免疫付与に続くCD8+T細胞の増加がIFNα/βに可変的に依存することを示す図である。WT(最上列)およびIFNαβRKO(最下列)をオブアルブミンペプチド、抗CD40および表示TLRアゴニストで免疫付与した。7日後、四量体染色およびFACS分析により、脾臓におけるオブアルブミン特異的T細胞反応を測定した。右上四分儀の数字は、総CD8+T細胞に占める四量体染色細胞のパーセンテージを示す。 〔0032〕図2は、IFNαβ依存性TLRアゴニストを抗CD40と併用して免疫付与した後、CD4欠失のIFNαβRKO宿主細胞は、CD8+T細胞反応を回復することを示す図である。図のようにCD40欠失、または欠失でないWTおよびIFNαβRKOマウスを上述のようにHSV‐1ペプチド、抗CD40、およびポリICを用いて免疫付与した。7日後、四量体(A)およびポリIC IFNγ(B)染色PBLにより、HSV‐1特異的反応を特定した。 〔0033〕図3は、CD4欠失により回復される抗IFNブロックポリIC/CD40の媒介によるCD8反応を示すグラフである。抗IFNおよび/またはCD4欠失の有無にかかわらず、オブアルブミン(結合ポリIC/アルファCD40)に対してマウスに免疫付与した。上述の四量体染色により、抗原特異的T細胞の7日目PBLを分析した。 〔0034〕図4は、結合TLR/CD40免疫付与に続くCD4欠失のIFNαβRKO宿主細胞におけるCD8+T細胞反応は、主にCD70に依存することを示す図である。IFNαβRKOマウスはCD4細胞を欠失し、上述のようにHSV‐1ペプチド、ポリIC、および抗CD40を用いて免疫付与した。図6に示すように、抗TNFリガンド抗体をマウスに注射した。7日目PBLを四量体染色により分析した。 〔0035〕図5は、指数関数的CD8+T細胞の増加を導出するIFNとCD40の相互作用を示す図である。上述のようにマウスを感作した。最初の抗原感作から7日後、四量体染色によりPBLを分析した。 〔0036〕図6は、I型インターフェロンおよびアゴニスト抗体の結合投与に関する実験結果を含み、この結合体は生体内でCD8+樹状細胞上のCD70発現を誘導するが、いずれかの単独投与では誘導しないことを示す。抗CD40抗体単独、陽性対照としてポリIC、組み換えI型インターフェロン(1X107U)または抗CD40+IFNをマウスに注射した。18時間後、膵臓DCを分離し、CD70の発現を分析した。右上四分儀の数字は、CD70染色の平均蛍光強度を示す。データは、CD40/ポリIC注射と同様に、CD40/IFNもCD8+DC上のCD70発現を増加することを示す図である。 〔0037〕図7は、結合I型インターフェロンおよびアゴニストCD40抗体の投与が生体内でCD8+DC上のCD70発現に与える影響を示す実験を含む。結果は、CD40アゴニストまたはIFN単独ではなく、免疫刺激結合体のみがDC上のCD70発現を誘導することを示すグラフである。 〔0038〕図8は、抗CD40、IFNα、ポリIC/CD40、IFNαおよび抗CD70またはIFNα/CD40を様々な減少IFN用量で投与されたマウスにおける抗原特異性(オブアルブミンT細胞)のパーセンテージを分析した実験を含むグラフである。 〔0039〕図9は、図7における実験と同様に、結合TLR/CD40アゴニスト感作が、IFNαβRKOマウスにおいて標的TLRを発現するDC上でのみCD70を誘導することを示すグラフである。IFNαβRKOマウスに抗CD40単独(aCD40)またはポリIC(+ポリIC)あるいはPam3Cys(+Pam3Cys)と併用して注射した。Pam3CysはTLR2アゴニストであり、PolyICはTLR3アゴニストである。24時間後、膵臓DCを分離し、上述のようにCD70発現を染色した。CD8+DCはTLR2および3を発現したが、CD11b+DCはTLR3ではなくTLR2を発現した。このデータは、IFNαβシグナリングの非存在下で、TLRおよびCD40の両方を介して直接刺激されたDCのみがCD70発現を増加できることを示唆する。 〔0040〕図10は、IL‐2/CD40アゴニスト結合体およびIFNα/CD40アゴニスト結合体がPBLから得た抗原特異的(オブアルブミン)T細胞のパーセンテージに与える影響を比較する実験を含む。そこに含まれる結果は、IL‐2/CD40アゴニスト結合体が、IFNα/CD40アゴニスト結合体としてCD8+T細胞免疫に対して同程度の相乗効果を導出しないことを示す図である。 〔0040〕図10は、IL‐2/CD40アゴニスト結合体およびIFNα/CD40アゴニスト結合体がPBLから得た抗原特異的(オブアルブミン)T細胞のパーセンテージに与える影響を比較する実験を含む。そこに含まれる結果は、IL‐2/CD40アゴニスト結合体が、IFNα/CD40アゴニスト結合体としてCD8+T細胞免疫に対して同程度の相乗効果を導出しないことを示す図である。 〔0041〕図11は、C57BI/6マウスにメラノーマ細胞を注射する実験を含み、IFNα/CD40アゴニスト結合体は、この転移メラノーマ動物モデルにおける生存時間を増加させたグラフである。 〔0042〕図12の実験は、C57BI/6動物モデルにおいてCD40アゴニストおよびIFNαを用いた転移肺癌の対象結合アジュバント治療が、アジュバント結合体を用いて治療した動物において転移性小節の数が減少したことから分かるように、マウスを転移性肺癌から保護することを示す図である。 〔0042〕図12の実験は、C57BI/6動物モデルにおいてCD40アゴニストおよびIFNαを用いた転移肺癌の対象結合アジュバント治療が、アジュバント結合体を用いて治療した動物において転移性小節の数が減少したことから分かるように、マウスを転移性肺癌から保護することを示す図である。 〔0043〕図13の実験では、対象アジュバント結合体および適切な対照を用いて治療したB16.F10メラノーマ細胞を接種したC57BI/6マウスにおいてTIL分析を行った図。対象アジュバント結合体を投与したマウスでは、図のデータに示されるように、TILの数が増加することが明らかになった。 〔0044〕図14は、対象CD40アゴニスト/IFN結合体治療が、腫瘍のあるマウス(B16.F10メラノーマ細胞を接種したC57BI/6マウス)の肺に侵入する抗原特異的エフェクタT細胞を生成することを示す実験を含む図である。 〔0045〕図15Aおよび15Bは、例で使用される典型的なCD40アゴニスト抗体(FGK.45)の軽鎖および重鎖配列を含む図である。 〔0045〕図15Aおよび15Bは、例で使用される典型的なCD40アゴニスト抗体(FGK.45)の軽鎖および重鎖配列を含む図である。 〔0046〕図16は、本発明に従うバキュロウイルス発現系におけるCD40アゴニスト抗体‐抗原‐I型IFN複合体の発現用DNA構造体の概略構造を示す図である。この構造体は、選択の抗原(例えば、HIVgag)およびI型インターフェロン(アルファインターフェロン)に連結した抗CD40抗体の発現を生じる。 〔0047〕図17は、バキュロウイルス発現系において、本発明に従ってCD40ab抗体I型IFN複合体を生成するための構造体、およびDNA免疫付与に使用するベクターを生成するための構造体を示す図である。

Claims (18)

  1. 相乗的に有効な量の(i)アゴニスト抗CD40抗体またはアゴニストCD40抗体フラグメントから選択される、少なくとも1つのCD40アゴニスト、(ii)アルファインターフェロンおよびベータインターフェロンから選択される少なくとも1つのI型インターフェロン、および(iii)少なくとも1つの感染因子抗原の、感染因子に対する免疫への相乗的効果を、それを必要とするヒト対象において導出するための方法に使用される1またはそれ以上の医薬の製造における使用であって、この方法により、抗原特異的CD8 T細胞数の相乗的増加および/または強化された1次および記憶CD8 T細胞反応が結果としてもたらされる、および/または樹状細胞上のCD70発現が誘導される、前記使用。
  2. 感染因子がウイルスである、請求項1に記載の使用
  3. ウイルスが、HIV‐1、HIV‐II、HIV‐III、ポリオウイルス、A型肝炎、腸ウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルスから選択されるか、または、カルシウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、オルトロミクソウイルス、ブニヤウイルス、アリーナウイルス、レオウイルス、ビルナウイルス、ヘパドナウイルス、パルボウイルス、パポバウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、またはイリドウイルスであり、抗原が前記ウイルスに特異的である、請求項2に記載の使用。
  4. 感染因子が細菌である、請求項1に記載の使用
  5. 感染因子がグラム陰性またはグラム陽性細菌である、請求項4に記載の使用
  6. 感染因子が、パスツレラ種、ブドウ球菌種、大腸菌、シュードモナス種、サルモネラ菌種、ヘリコバクターピロリ、ボレリアブルグドルフェリ、レジオネラニューモフィラ、結核菌、M.avium、M.intracellulare、M.kansasii、M.gordonaeから選択されるマイコバクテリア種、黄色ブドウ球菌、淋菌、髄膜炎菌、リステリアモノサイトゲネス、化膿連鎖球菌、アガラクティエ連鎖球菌、連鎖球菌、大便連鎖球菌、ウシ連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、カンピロバクター種、エンテロコッカス種、ヘモフィルスインフルエンザ、炭疽菌、ジフテリア菌、コリネバクテリウム種、豚丹毒菌、ウエルシュ菌、破傷風菌、エンテロバクターアエロゲネス、肺炎桿菌、パスツレラ皮膚壊死毒素、バクテロイデス種、フソバクテリウムヌクレアタム、ストレプトバシラスモニリフォルミス、梅毒トレポネーマ、苺腫トレポネーマ、レプトスピラ、リケッチア、およびイスラエル放線菌から選択される細菌である、請求項4に記載の使用。
  7. CD40アゴニストが、アゴニスト抗ヒトCD40抗体またはアゴニスト抗ヒトCD40抗体フラグメントである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. I型インターフェロンが、アルファインターフェロンである、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. CD40アゴニストがアゴニスト抗ヒトCD40抗体または抗ヒトCD40抗体フラグメントであり、I型インターフェロンがアルファインターフェロンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  10. 抗原、CD40アゴニストおよびインターフェロンが異なる複数の医薬組成物中にある、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 抗原、CD40アゴニストおよびインターフェロンが同一の医薬組成物中にあることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  12. インターフェロンがPEG化されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 相乗的に有効な量の(i)アゴニストCD40抗体またはアゴニストCD40抗体フラグメントから選択される、少なくとも1つのCD40アゴニスト、(ii)アルファインターフェロンおよびベータインターフェロンから選択される少なくとも1つのI型インターフェロン、および(iii)少なくとも1つの感染因子抗原を含有する、感染因子に対する免疫への相乗的効果をそれを必要とするヒト対象において導出する方法に使用される、単一または複数の組成物。
  14. CD40アゴニストが抗ヒトCD40抗体または抗ヒトCD40抗体フラグメントである、請求項13の組成物。
  15. I型インターフェロンがアルファインターフェロンである、請求項13の組成物。
  16. CD40アゴニストがアゴニスト抗ヒトCD40抗体または抗ヒトCD40抗体フラグメントであり、I型インターフェロンがアルファインターフェロンである、請求項13の組成物。
  17. 感染因子抗原、CD40アゴニストおよびインターフェロンが異なる複数の医薬組成物中にあることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 感染因子抗原、CD40アゴニストおよびインターフェロンが同一の医薬組成物中にあることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の組成物。
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