JP5744926B2 - 脊髄小脳性運動失調5型に関する遺伝子の同定、及び使用方法 - Google Patents

脊髄小脳性運動失調5型に関する遺伝子の同定、及び使用方法 Download PDF

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Description

本出願は、2005年2月22日に出願された米国仮出願番号60/655,172号の利益を主張し、その全内容を本出願中に援用する。
本発明の一部は、国立衛生研究所により承認された認可番号第NS33958号、及び同第PO1NS33718号の下、政府の支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
優性脊髄小脳性運動失調(SCA)は、歩行、四肢及び目の動きの協調運動失調、不明瞭な発語、並びに嚥下困難により特徴付けられる神経変性障害の混成群である。SCA変異として知られる11個のうち9個は、マイクロサテライト反復拡張である{非特許文献1:Schols et al.,Lancet Neurol 3, 291-304 (2004)}。1994年に、SCA5は、抑制された組み換えを有するセントロメア領域である11q13にマップされた{非特許文献2:Ranum et al.,Nature Genetics 8, 280-284 (1994)}。MRI、及び剖検所見は、小脳皮質萎縮、プルキンエ細胞消失、及び分子層の非薄化を示す{非特許文献3:Liquori et al.,Spinocerebellar ataxia type 5 (SCA5) in cerebellar Ataxias ed. M. Pandolfo, Cambridge University Press pp445-450. in The cerebellum and its Disorders (eds. Manto, M. U. & Pandolfo, M.) 445-450 (Cambridge University Press, Cambridge, 2002)}。フランス及びドイツ出身のさらなるSCA5ファミリーは、似たような臨床所見、神経放射線所見を報告された{非特許文献4:Stevanin et al., Neurology 53, 1355-1357 (1999)、及び非特許文献5:Burk et al., Neurology 62, 327-329 (2004)}。
運動失調遺伝子を同定する重要性は、当該疾患を有する個人の診断のための改良方法を提供し、運動失調のよりよい分類のための出生前診断/発症前診断の可能性を考慮に入れる。
Schols et al.,Lancet Neurol 3, 291-304 (2004) Ranum et al.,Nature Genetics 8, 280-284 (1994) Liquori et al.,Spinocerebellar ataxia type 5 (SCA5) in cerebellar Ataxias ed. M. Pandolfo, Cambridge University Press pp445-450. in The cerebellum and its Disorders (eds. Manto, M. U. & Pandolfo, M.) 445-450 (Cambridge University Press, Cambridge, 2002) Stevanin et al., Neurology 53, 1355-1357 (1999) Burk et al., Neurology 62, 327-329 (2004)
本発明は、(SPTBN2遺伝子によりコードされる)タンパク質β−IIIスペクトリンと、脊髄小脳性運動失調5型疾患(SCA5)との間の新たに発見された相関関係に関する。β−IIIスペクトリン変異は、リンカ−ン大統領の祖父の子孫である11世代に及ぶアメリカ人親族、及び2つのさらなる家系において、SCA5を引き起こすことが発見されている。β−IIIスペクトリンは、プルキンエ細胞中に高発現され、グルタミン酸輸送体であるEAAT4を細胞膜表面で安定化することが示される。EAAT4とGluRδ2との劇的な違いは、SCA5病理解剖組織におけるウエスタン、及び細胞画分法により見出された。細胞培養試験は、野生型β−IIIスペクトリンは、EAAT4を細胞膜で安定化するが、変異型β−IIIスペクトリンはしないことを示した。スペクトリンの変異は、グルタミン酸シグナル伝達に関与する膜タンパク質に影響を与える、運動失調及び神経変性疾患の新たな原因である。
ある態様において、本発明は、SCA5ポリヌクレオチドを分析し、そして当該SCA5ポリヌクレオチドが変異を含むかどうかを決定することを含む方法を提供する。当該SCA5ポリヌクレオチドは、被験者から入手され得、ここで、SCA5を有する危険にさらされている被験者は、SCA5ポリヌクレオチド中に変異を有し、又はSCA5を有する危険にさらされていない被験者はSCA5中に変異を有さない。当該被験者は、少なくとも1つの運動失調の症状を示すかもしれないし又は示さないかもしれない。当該SCA5ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドか又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドとなり得る。当該分析は、当該SCAポリヌクレオチドの増幅、第2ポリヌクレオチドとの当該SCA5ポリヌクレオチドのハイブリダイゼ−ション、当該SCA5ポリヌクレオチドの一部のシ−クエンシング、又はそれらの組み合わせを含み得る。当該SCA5ポリヌクレオチドは変異を含み得、そして当該変異はエキソン中に存在し得る。エキソン中の変異は、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するSCA5ポリペプチドをもたらし得る。当該変異の型は、例えば、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン7に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン12に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン14に相当するヌクレオチドにおける変異、又はそれらの組み合わせとなり得る。
本発明は、脊髄小脳性運動失調5型を発現する危険にさらされていない被験者を識別するための方法も提供する。当該方法は、SCA5ポリヌクレオチドのヌクレオチドを分析し、そして当該ポリヌクレオチドが変異を含むかどうか決定することを含み、ここで、SCA5を有する危険にさらされていない被験者はSCA5ポリヌクレオチドにおける変異を有さない。
当該SCA5ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチド又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドとなり得る。当該分析は当該SCA5ポリヌクレオチドの増幅、第2ポリヌクレオチドとの当該SCA5ポリヌクレオチドのハイブリダイゼ−ション、当該SCA5ポリヌクレオチドの一部のシ−クエンシング、又はそれらの組み合わせを含む。当該SCA5ポリヌクレオチドは変異を含み得、そして当該変異はエキソン中に存在し得る。エキソン中の変異は、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するSCA5ポリペプチドをもたらし得る。当該変異の型は、例えば、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン7に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン12に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン14に相当するヌクレオチドにおける変異、又はそれらの組み合わせとなり得る。
本発明は、脊髄小脳性運動失調5型を発現する危険にさらされている被験者を識別するための方法をさらに提供する。当該方法は、SCA5ポリヌクレオチドのヌクレオチドを分析し、そして当該ポリヌクレオチドが変異を含むかどうか決定することを含み、ここで、SCA5を有する危険にさらされている被験者はSCA5ポリヌクレオチドにおける変異を有する。
当該被験者は、少なくとも1つの運動失調の症状を示すかもしれないし、示さないかもしれない。当該SCA5ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチド又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドとなり得る。当該分析は当該SCA5ポリヌクレオチドの増幅、当該SCA5ポリヌクレオチドと第2ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼ−ション、当該SCA5ポリヌクレオチドの一部のシ−クエンシング、又はそれらの組み合わせを含む。当該SCA5ポリヌクレオチドは変異を含み得、そして当該変異はエキソン中に存在し得る。エキソン中の変異は、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するSCA5ポリペプチドをもたらす。当該変異の型は、例えば、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン7に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン12に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン14に相当するヌクレオチドにおける変異、又はそれらの組み合わせとなり得る。
本発明は、被験者が脊髄小脳性運動失調5型(SCA5)を有するかどうかを決定するための方法を提供する。当該方法は、変異についてSCA5ポリヌクレオチドを分析し、そして当該被験者がSCA5の症状を示すかどうか測定することを含み、ここで、SCA5ポリヌクレオチド中に変異を有すること、及びSCA5の症状を示すことは、当該被験者がSCA5を有することを示す。
当該SCA5ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチド又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドとなり得る。当該分析は当該SCA5ポリヌクレオチドの増幅、第2ポリヌクレオチドと当該SCA5ポリヌクレオチドのハイブリダイゼ−ション、当該SCA5ポリヌクレオチドの一部のシ−クエンシング、又はそれらの組み合わせを含む。当該SCA5ポリヌクレオチドは変異を含み得、そして当該変異はエキソン中に存在し得る。エキソン中の変異は、配列番号2のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するSCA5ポリペプチドをもたらす。当該変異の型は、例えば、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン7に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン12に相当するヌクレオチドにおける変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン14に相当するヌクレオチドにおける変異、又はそれらの組み合わせとなり得る。
本発明において、SCA5ポリヌクレオチドの一部を増幅するだろうプライマ−対を含む、SCA5ポリヌクレオチドを検出するためのキットも含まれる。本発明は、配列番号1の変異体又はその一部を含む、単離ポリヌクレオチドも提供する。当該ポリヌクレオチド中に存在する変異は、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン7に相当するヌクレオチド中の変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン12に相当するヌクレオチド中の変異、当該SCA5ポリヌクレオチドのエキソン14に相当するヌクレオチド中の変異、又はそれらの組み合わせとなり得る。当該単離ポリヌクレオチドは、15〜500ヌクレオチドとなり得る。本発明の単離ポリヌクレオチドを含むベクター、及び当該ベクターを含む細胞もまた本発明に含まれる。
用語「含む」、及びそれらの変化形は、これらの用語が明細書及び請求項中に見られるところを限定する意味を有さない。特段の定めがなければ、「a」、「an」、「the」、及び「少なくとも1つ」は、相互交換的に使用され、1又は1超(複数)を意味する。
図1A及びBは、リンカ−ンSCA5ファミリーの家系を示す。図1Aにおいて、11世代SCA5親族は、大統領であるエイブラハム・リンカーンの父方の祖父母から伝わった。四角形と丸形はそれぞれ男性と女性を表し、黒塗り記号は病気に冒された個体を表し、点の付いた記号は偏性変異キャリアを示し、そして斜線は死亡した個体を示す。記号の真下のアスタリスクは、分析のために血液サンプルを得た個体を示す。図1Bは、2つの分家の共通の先祖及びそれらのリンカーン大統領との関係を示す家系の一部の拡大を示す。当該2つの分家の家系は短くされ、そしてジョサイアとメアリー、及びIII、IV、V世代における個体の性別は図1において隠され、守秘義務を保っている。 図1A及びBは、リンカ−ンSCA5ファミリーの家系を示す。図1Aにおいて、11世代SCA5親族は、大統領であるエイブラハム・リンカーンの父方の祖父母から伝わった。四角形と丸形はそれぞれ男性と女性を表し、黒塗り記号は病気に冒された個体を表し、点の付いた記号は偏性変異キャリアを示し、そして斜線は死亡した個体を示す。記号の真下のアスタリスクは、分析のために血液サンプルを得た個体を示す。図1Bは、2つの分家の共通の先祖及びそれらのリンカーン大統領との関係を示す家系の一部の拡大を示す。当該2つの分家の家系は短くされ、そしてジョサイアとメアリー、及びIII、IV、V世代における個体の性別は図1において隠され、守秘義務を保っている。 図2は、SCA5変異体のマッピング及びクロ−ニングを示す。 (a)3つのSCA5ファミリーにおける組み換え現象により定義される危険領域を、黒矢印により示す。フランス危険領域の境界は定義されておらず、これは、組み換え現象が病気に冒された家族間に見られないという理由による。マ−カ−は組み換え現象を定義し、他の刊行されたマ−カ−と共に示される。 (b)全SCA5領域のBACマップを示す。445の新規ジ、トリ、テトラ、及びペンタヌクレオチド反復マ−カ−の一団を使用し、SCA5領域を絞り込み、そして家族間のハプロタイプ保存を検索した。 病気に冒された又は正常な11番染色体についての染色体分離細胞系ハプロイドを、病気に冒されたアメリカ系ファミリーから産生し、そしてこのスクリーニングに使用し、病気に冒されるハプロタイプを直接的かつ明白に定義した。灰色に強調された拡大されたBACは、アメリカ系ファミリーとフランス系ファミリー間のハプロタイプ保存の255kb領域に渡り、11個の新規多型STRマーカー、及び8個のSNPを含む(サイズ、及びNCBI受託番号に留意。)。病気に冒されたSCA5ハプロイド細胞系から産生された3つのBACを、それらの相対位置、及びサイズと共に、黒色において記載する。SCA5特異的BACクロ−ン上に存在する遺伝子のおよそのサイズ及び位置を、黒色ボックスにより図解する。灰色のブロックは、SPTBN2遺伝子を表す。 (c)SPTBN2遺伝子(上)、及びタンパク質構造(下)の図解を示す。3’/5’−UTR及びエキソンの相対的サイズ及び位置を、それぞれ透明で無地の四角形により示す。当該3つの変異の位置を、遺伝子図及びタンパク質図における矢印により示す。β−IIIスペクトリンは、4つの他のヒトβスペクトリンタンパク質と高い相同性の2390アミノ酸タンパク質である。当該タンパク質中の知られたドメインを、17個のスペクトリン反復と共に特定する。カルポニン相同(CH)/アクチン結合ドメイン(ABD)、アンキリン結合ドメイン(ANK)、及びプレクストリン相同ドメイン(PH)を、灰色で示す。スペクトリンの機能ユニットは、典型的に、2つのアルファ及び2つのベータスペクトリンサブユニットからなる非共有結合された四量体複合体である。アスタリスク(*)は、11q染色体に対してSPTBN2転写の方向を逆転することを示す。 図3A〜Cにおいて、3つのSCA5変異、及びβ−IIIスペクトリン発現を示す。PCR分析、及び3つのSCA5ファミリーについての対応する遺伝子型を、各変異について示す。配列電気泳動図、及び対応するアミノ酸配列をも示す。 (a)アメリカ系SCA5変異。PCR分析は、222bpの正常な対立遺伝子、及び183bpの欠失対立遺伝子を産生した。SCA5 BAC DNAの配列は、対照と比較して欠失変異を伴うことを示す。2つの矢印は、2つの可能性のある欠失部位を示し、及び2つの隣接TGGAテトラヌクレオチドの内の1つを含む類似する39塩基の欠失に下線を引いている。当該2つのTGGAテトラヌクレオチド隣接アメリカ系欠失は、スリップミス対合により引き起こされた欠失を連想させる{Krawczak et al.,Hum Genet 86,425−441(1991)}。 図3A〜Cにおいて、3つのSCA5変異、及びβ−IIIスペクトリン発現を示す。PCR分析、及び3つのSCA5ファミリーについての対応する遺伝子型を、各変異について示す。配列電気泳動図、及び対応するアミノ酸配列をも示す。 (b)フランス系SCA5変異を示す。[γ−33p]ATP標識されたPCRは、105bpの正常な対立遺伝子と、90bpの欠失対立遺伝子を産生した。ヘテロ接合、及び欠失特異的PCR産物の配列を示す。矢印は変異部位を示し、そして15塩基の欠失に下線を引く。 図3A〜Cにおいて、3つのSCA5変異、及びβ−IIIスペクトリン発現を示す。PCR分析、及び3つのSCA5ファミリーについての対応する遺伝子型を、各変異について示す。配列電気泳動図、及び対応するアミノ酸配列をも示す。 (c)ドイツ系SCA5変異を示す。ロイシンをプロリンに転換するT塩基からC塩基への変化を示す。対立遺伝子特異的PCRは、177bpの正常対立遺伝子、及び158bpの変異対立遺伝子を産生した。ドイツ系SCA5変異(L253P)を含む領域、5個のヒトベータスペクトリン及び他の種由来のベータスペクトリンのアミノ酸配列比較を示す。ドイツ系ファミリーにおいて変異されるロイシン残基(矢印で示されたもの)は、全5つのヒトベータスペクトリンタンパク質において保存され、多重種において進化的に保存される。アミノ酸整列をClustalW(ワールドワイドウェブを通じた有用なオンライン、例えば京都大学バイオインフォマティックスセンターのもの)で実施した。以前に報告された多型が各ファミリーにおいても見出されるが、本発明の変異は、未報告の相違のみであり、かつ対応するタンパク質を変化させるだろう変化のみであった。 (d)アメリカ系SCA5及び対照の小脳組織のRT−PCR分析を示す。正常なSPTBN2増幅産物は227bpであり、欠失を含む産物は188bpである。RT−又はRNAなしの対照レーンにおいて増幅はなかった。SCA5−cbl RT+、逆転写酵素を伴うSCA5病理解剖由来の小脳;SCA5−cbl RT−、逆転写酵素なしのSCA5病理解剖由来の小脳(対照であって、産物が見られるべきでない);Cont−cbl RT+、逆転写酵素を伴う正常な病理解剖由来の小脳;Cont−cbl RT−、逆転写酵素なしの正常な病理解剖由来の小脳(対照であって、産物が見られるべきでない)。 (e)対照及びアメリカ系SCA5小脳組織の免疫組織化学を示す。区分をβ−IIIスペクトリンのN末端に対して明るくする抗体(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA)で染色し、そして200×の倍率で視覚化した。プルキンエ細胞の拡大イメ−ジも示す(630×)。プルキンエ細胞消失、樹状突起の萎縮、及び分子層の著しい菲薄化が、対照と比較して、SCA5に見られる。 ウエスタン、免疫組織化学、及びTIRF顕微鏡検査:EAAT4に関する変異型β−IIIスペクトリンの効果を示す。RIPAバッファー(a、c)又は8Mの尿素、及び4%SDS(b、d)で抽出された溶解物のEAAT4免疫ブロット比較を示す。EAAT4、及びカルビンジンは双方とも、プルキンエ細胞内で高く発現し、小脳皮質内の他の細胞においてほとんど又は全く発現しない。可能であれば、サンプルを、プルキンエ細胞消失についてカルビンジンで標準化した。カルビンジン対照と比較して顕著に消失したEAAT4が、RIPA抽出物における対照組織と比較されるヒトSCA5小脳から抽出されたが(a)、より厳しい8M尿素、4%SDSバッファーにおいては、対照と似たようなレベルのEAAT4が見られた(b)。対照として、我々は、ホモ接合性の生後12週間のSCA1 B05マウスからのマウス抽出物を試験したが、RIPA抽出物に対する尿素におけるEAAT4の似たような増大を観察しなかった(c、d)。アメリカ系SCA5のEAAT4の免疫組織化学(e)、マウスSCA1のEAAT4の免疫組織化学(f)、及び対応するヒト及びマウスの対照を示す。区分をEAAT4で染色し、そして200×の倍率で視覚化した。プルキンエ細胞の拡大イメ−ジも示す(630×)。SCA5プルキンエ細胞体においてより暗いEAAT4染色を観察したが(代表サンプル)、SCA1遺伝子導入マウス又は対照由来のプルキンエ細胞においてはそうではなかった。 (g〜i)EAAT4の素早い側方輸送は、β−IIIスペクトリン相互作用により調節される。(g)多重焦点イメ−ジは、HEK293細胞において空のベクターと発現させたときEAAT4の総側方運動を示す(矢印)。(h)EAAT4を野生型β−IIIスペクトリンとコトランスフェクションしたところ、素早い側方運動は見られなかった。(i)EAAT4を、39bpのSCA5欠失を含む変異β−IIIスペクトリンとコトランスフェクションしたところ、素早い側方運動が再度見られた(矢印)。 EAAT4、及びGluRδ2の細胞内分布を示す。ヒトSCA5及び対照病理解剖組織由来の小脳ホモジネ−トの細胞下画分を、EAAT4及びGluRδ2、対照としてクラスリン軽鎖抗体でのウエスタンブロットにより分析した。P1は核ペレットであり、S1は核後上清であり、P2は粗シナプトソ−ム画分であり、S2は粗シナプトソ−ム画分の上清であり、LP1はシナプトソ−ムの溶解後に得られるペレットである。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。 図6(A〜Z、AA)は、ゲノムのSPTBN2遺伝子のヌクレオチド配列であり、SPTBN2ポリペプチドのアミノ酸配列である。エキソンを、大文字で示し、イントロンを小文字で示す。一塩基変異多型(SNP)の位置を下線で示し、当該dbSNP#クラスタ−idを各SNPの上に示す。rs5792396はCの有無であり、rs10702473はAAAの有無であり、rs5792395は下線Cの直前のGの有無であり、rs11286358はAの有無である。当該配列リストは、各々の残留SNPで存在し得る異なるヌクレオチドを反映する。
構成
本発明は、SCA5関連ポリヌクレオチド、当該ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、並びにかかるポリヌクレオチド、及びポリペプチドを同定する方法を含む。
本明細書中において使用されるように、用語「ポリヌクレオチド」とは、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのいずれかのいかなる長さのヌクレオチドの多量体型をいう。ポリヌクレオチドは、異なる機能を有するヌクレオチド配列を含み得、当該配列は、例えば、エキソンの如きコード配列、及びイントロンの如き非コード配列、調節配列などである。ポリヌクレオチドは、天然起源から直接的に入手され得、又は組み換え技術、酵素技術又は化学技術で製造され得る。ポリペプチドは、トポロジーにおいて直線状又は環状となり得、及び例えば、発現ベクター又はクローニングベクターの如きベクターの一部、あるいはその断片となり得る。ポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖となり得、第二相補鎖の配列は、第一鎖の配列により決定される。それ故、当該用語「ポリヌクレオチド」は、一本鎖核酸ポリマー、その相補体、及びそれらにより形成される二本鎖を包含するように、広範に解釈される。
ポリヌクレオチドの「相補性」は、互いに塩基対となる2つの一本鎖ポリヌクレオチドの能力をいい、1つのポリヌクレオチドのアデニンは、他方のポリヌクレオチドのチミジン(RNAの場合にはウラシル)と塩基対になるだろうし、1つのポリヌクレオチドのシチジンは、他方のポリヌクレオチドのグアニンと塩基対になるだろう。2つのポリヌクレオチドは、一方のポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配列が第2ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配列と塩基対になり得るとき、互いに相補的である。例えば、5’−ATGCと5’−GCATは完全に相補的であり、5’−GCTAと5’−TAGCも同様である。
本明細書中に使用されるような用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合により互いに結合した複数のアミノ酸のポリマーを広範にはいう。当該用語「ポリペプチド」は、ジスルフィド結合により連結される複数のポリペプチドを含む分子、あるいはマルチマー(例えば、ダイマー、テトラマー)のように、共有的又は非共有的に共に結合されるポリペプチドの複合体も含む。それ故、当該用語「ペプチド」、「オリゴペプチド」、及び「タンパク質」は、ポリペプチドの定義に全て含まれ、そしてこれらの用語は、相互交換的に使用される。これらの用語は、特定の長さのアミノ酸ポリマーを暗示するわけではなく、当該ポリペプチドが組み換え技術、化学又は酵素的合成を使用して製造されたかどうか、あるいは天然に生じたのかどうかを暗示又は識別することを意図するものでもないことを理解すべきである。
ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、単離され得る。用語「単離」ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、自然環境から抽出されたポリペプチド又はポリヌクレオチドを意味する。ポリペプチド又はポリヌクレオチドは精製され得、すなわち、いかなる他のポリペプチド又はポリヌクレオチド、及び関連細胞生産物又は他の不純物も本質的に存在しなくなり得る。「精製された」ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、天然に関連する他成分が少なくとも60%存在しない、好ましくは75%存在しない、及び最も好ましくは90%存在しないものである。例えば、化学的又は組み換え手段を通じた、天然に生ずる生体外部で製造されたポリペプチド、及びヌクレオチドは、定義により単離及び精製されたと考えられる、というのは、それらは決して自然環境には存在しないからである。
本発明のポリヌクレオチドは、SCA5ポリヌクレオチド及びSPTBN2ポリヌクレオチドとして相互交換的に本明細書中において言及され、マイクロサテライトマーカーのKADSCA5−184とD11S970の間のヒト11番染色体の長腕(11q13)に由来するポリヌクレオチドである。SCA5ポリペプチドは、ゲノムポリヌクレオチド又はプロセスポリヌクレオチドとなり得る。ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドは、非プロセスpreRNA(すなわち、エキソンとイントロンの両方を含むRNA分子)、及びpreRNAをコードするポリヌクレオチドを含む。適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドは、mRNAを製造する。当該ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドの境界は、通常、その5’末端での転写開始部位、及びその3’末端の転写ターミネーターにより決定される。ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドは、通常、イントロンとエキソンを含む。調節配列は、実施可能に連結されるゲノム配列の発現を調節するポリヌクレオチドである。調節配列の非制限的な例は、プロモーターを含む。用語「実施可能に連結」とは、近位をいい、記載された構成成分が所望のやり方で機能できる関係にある。調節配列は、ゲノム配列の発現が当該調節配列と適合性のある条件下で達成されるように連結するとき、ゲノム配列に「実施可能に連結」する。
ゲノムSCA5ポリヌクレオチドの例を、図6(配列番号1)に示す。他の例は、Genbank受託番号NM006946、及びAB008567で開示される。ゲノムSCA5ポリヌクレオチドは、通常、37個のエキソンを含み、2,390アミノ酸のポリペプチドをコードする{Stankewich et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,95:14158−14163(1998)}、例えば、配列番号2である。このポリペプチドは、しばしば本分野において、βIIIスペクトリンとして言及される。プロセスされたSCA5ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドの転写に由来するmRNAであり、その後イントロンに相当するヌクレオチドを除去される。プロセスされたSCA5ポリヌクレオチドの例は、イントロンに相当するヌクレオチドのない配列番号1である。プロセスされたSCA5ポリヌクレオチドは、cDNAの如き、mRNA由来のDNAポリヌクレオチドも含む。さらに、本発明のSCA5ポリヌクレオチドは、当該ゲノムの又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドの相補体も含む。
本発明のSCA5ポリヌクレオチドは、1又は複数の変異を含む。配列番号1として記載される当該SCA5ポリヌクレオチドは、正常な変異していないゲノムSCA5ポリヌクレオチドの例であり、本明細書中において、野生型ゲノムSCA5ポリヌクレオチドとしても言及される。同様に、野生型でプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドは、イントロンに相当する配列のない配列番号1に記載のヌクレオチド配列を有する。いくつかの一塩基変異多型(SNP)は、正常なSCA5ポリヌクレオチド中に同定される。これらのSNPの位置を図6に示す。当該SCA5ポリヌクレオチド中のSNPの存在は、変異とは考えない。当業者は、さらなるSNPが、継続的に、及び増加的に、ヒトゲノムの最近のシ−クエンシングに関して発見されそうであることを理解するだろう。配列番号1と比較されるとき、SCA5ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列中のいかなる変化も変異と考える。
変異は、5’上流領域、5’非翻訳領域(UTR)、エキソン、イントロン、3’UTR又は3’下流領域に相当するヌクレオチド中に存在する。変異は、SCA5ポリヌクレオチドにより、例えばゲノムSCA5ポリヌクレオチドの転写を変化させること又は(例えば、不安定化する)mRNAの翻訳を変化させることにより、産生されるポリペプチドの量に影響を与え得る。変異は、SCA5ポリペプチドのアミノ酸配列を変化させ得る。変異の例は、例えば、欠失、挿入、重複、及び点変異を含む。変異は、例えば、フレームシフト、アミノ酸置換、アミン酸の挿入又は欠失、及び/又はストップコドンの存在を介する翻訳の未成熟終了をもたらす。
ある態様において、SCA5ポリヌクレオチド中の変異はエキソン中にあり、配列番号2に記載されるアミノ酸配列と比較したとき異なるアミノ酸配列をもたらす。よく知られるように、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対する多くの変異は、サイレント変異をもたらし得る、すなわち、当該ヌクレオチド変異は、アミノ酸配列上に影響を与えない。コドンに存在する第3番目の塩基の縮重に起因して、当該コドンの第3番目の塩基はしばしば重要ではなく、コドンの3番目のヌクレオチドは、しばしば異なるアミノ酸をもたらさない。例えば、コドンAAAとコドンAAGは両方ともアミノ酸リジンをコードする。SCA5ポリヌクレオチドにおける変異は、変化された活性を有するSCA5ポリペプチドをもたらし得る。変化された活性は、プルキンエ細胞の細胞膜でのEAAT4の低減された安定性を含む。
変異は、SCA5ポリヌクレオチドの本質的にいかなる位置にも存在し得、好ましくはエキソンに相当する位置に存在することが見込まれる。例えば、変異は、アクチン結合ドメイン、又は第3スペクトリン反復ドメインを非制限的に含むスペクトリン反復ドメインの内の1つの如き、SCA5ポリペプチドのアミノ末端領域をコードする領域内に存在し得る。限定する意図はないが、いくつかの変異がSCA5ポリヌクレオチド中に検出されている。例えば、変異は、7654−7769全ヌクレオチドを含む、エキソン7に相当する配列中に検出され、特に、7755ヌクレオチドでTをCに(非コード鎖においてAをGにする)する。変異は、13582−13884全ヌクレオチドを含む、エキソン12に相当する配列中に検出され、特に、13,823−13,861又は13,827−13,865ヌクレオチドの欠失である。変異は、15932−16802全ヌクレオチドを含む、エキソン14に相当する配列中に検出され、特に、16010−16024ヌクレオチドの欠失である。
本発明は、ゲノムの又はプロセスされたSCA5ポリヌクレオチドの一部に相当する、より短いポリヌクレオチドも含む。ある態様において、当該より短いポリヌクレオチドは、プライマー、及びプローブとして本明細書中に言及される。本発明のこの態様のポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列に相当するヌクレオチド配列又はそれらの相補体を含む。
ある態様において、本発明のこの態様のポリヌクレオチドは、配列番号1の1−159、160−316、317−5418、5419−5570、5571−6004、6005−6178、6179−6992、6993−7084、7085−7228、7229−7309、7310−7653、7654−7769、7770−10370、10371−10483、10484−10630、10631−10818、10819−12380、12381−12498、12499−13100、13101−13259、13260−13581、13582−13884、13885−15562、15563−15716、15717−15931、15932−16802、16803−19678、19679−19816、19817−20117、20118−20874、20875−21791、21792−21994、21995−22317、22318−22408、22409−22614、22615−22761、22762−24859、24860−25123、25124−27036、27037−27261、27262−27538、27539−27628、27629−27953、27954−28214、28215−28399、28300−28430、28431−28659、28660−28864、28865−29741、29742−30116、30117−31115、31116−31360、31361−31455、31456−31594、31595−32218、32219−32303、32304−32549、32550−32746、32747−33087、33088−33230、33231−33319、33320−33395、33396−33480、33481−33531、33532−33751、33752−33972、33973−34231、34232−34405、34406−34958、34959−35001、35002−35294、35295−35525、35526−36147ヌクレオチドから選択された連続ヌクレオチド、又はそれらの相補体を含む。これらのポリヌクレオチドの一部も含まれ、ここで当該部分は、少なくとも100連続ヌクレオチド、少なくとも200連続ヌクレオチド、少なくとも300連続ヌクレオチド、少なくとも400連続ヌクレオチド、又は少なくとも500連続ヌクレオチドである。本発明のこの態様の他のポリヌクレオチドは、表1で示されるポリヌクレオチド(配列番号3〜77)、又はそれらの相補体を含む。
ある態様において、本発明のこの態様のポリヌクレオチドは変異を含む。例えば、ポリヌクレオチドは、13773−13822及び13867− 13917ヌクレオチド(すなわち、本明細書中に詳細に記載されるアメリカ系変異の内の1つを反映する)を含み、13777−13826及び13867−13920ヌクレオチド(すなわち, 本明細書中に詳細に記載されるアメリカ系変異の内の1つを反映する)を含み、15879−15929及び16803−16853ヌクレオチド(すなわち, 本明細書中に詳細に記載されるアメリカ系変異の内の1つを反映する)を含む、又はそれらの相補体を含む。典型的に、本発明のこの態様のポリヌクレオチドは、当該プライマーがハイブリダイズする標的配列と、少なくとも約95%の配列同一性、好ましくは少なくとも約97%の配列同一性、最も好ましくは約100%の配列同一性を有する。
プライマー対も本発明に含まれる。本明細書中に使用される用語「プライマー対」は、増幅させるために、ポリペプチドの領域の側面に位置するように設計された2つのオリゴヌクレオチドを意味する。当該増幅されるポリペプチドは、鋳型ポリヌクレオチドとして言及され得る。ある態様において、当該鋳型ポリヌクレオチドは、ゲノムのSCA5ポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドを増幅する方法を本明細書内において議論する。1つのプライマーは、鋳型ポリヌクレオチドの一方の端の一本鎖に存在するヌクレオチドと相補的であり、そしてもう1つのプライマーは、当該鋳型ポリヌクレオチドの他の末端の他の鎖に存在するヌクレオチドと相補的である。
例えば、ある態様において、当該プライマー対のプライマーは、1又は複数のエキソンに相当するヌクレオチド、又はエキソンの一部に相当するヌクレオチドを増幅するために使用され得る。当該鋳型ポリヌクレオチドがゲノムDNAから入手されるとき、当該プライマー対のプライマーの一方又は両方は、イントロンに相当するヌクレオチドと相補的となり得る。プライマー対の例は、表1に開示され、当業者は、他のプライマー対が、配列番号1の配列、及び決まりきったやり方を使用して容易に作り得ることを認識するだろう。
本発明のこの態様のポリヌクレオチドは、好ましい増大順に、少なくとも15連続ヌクレオチド、少なくとも18連続ヌクレオチド、少なくとも20連続ヌクレオチド、少なくとも24連続ヌクレオチド、又は少なくとも27連続ヌクレオチドを含む。典型的には、本発明のこの態様のポリヌクレオチドは、当該プライマーがハイブリダイズする標的配列と、少なくとも約95%の配列同一性、好ましくは少なくとも約97%の配列同一性、最も好ましくは約100%の配列同一性を有する。
本発明のポリヌクレオチドは、ベクターに挿入され得る。ベクターは、プラスミド、ファージ又はコスミドの如き複製ポリヌクレオチドであり、もう1つのポリヌクレオチドは、接合されたポリヌクレオチドの複製を引き起こすために接合され得る。本発明のポリヌクレオチドを含むベクターの構築は、本分野において知られる標準的ライゲーション技術を使用する。例えば、Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)を参照のこと。
ベクターは、さらなるクローニング(当該ポリペプチドの増幅)すなわちクローニングベクター、あるいはコーディング領域によりコードされるポリペプチドの発現、すなわち発現ベクターを提供する。当該用語「ベクター」は、非制限的に、プラスミドベクター、ウイルス性ベクター、コスミドベクター、又は人工染色体ベクターを含む。典型的に、ベクターは、大腸菌の如きバクテリア性宿主の中で複製できる。好ましくは、当該ベクターはプラスミドである。ベクターの選択は、選択マーカー、ベクター複製速度などの如きコンストラクトをもたらす際の様々な所望の特徴に依存する。本明細書中に記載されるベクターをクローニング又は発現するための好適な宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞である。当該ベクターは、全SCA5ポリヌクレオチド、あるいはエキソン、イントロンに相当するヌクレオチドの領域の如きそれらの一部、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。本発明は、ベクターに挿入される本発明のポリヌクレオチドを含む細胞、及びベクターに挿入される本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを含む細胞も含む。
本発明は、1又は複数の変異を含むSCA5ポリペプチドも含む。配列番号2に記載される当該SCA5ポリペプチドは、正常な変異のないゲノムSCA5ポリペプチドの例であり、本明細書中において、野生型SCA5ポリペプチドとしても言及される。いくつかの一塩基変異多型(SNP)は、正常なSCA5ポリペプチド中に同定される。これらのSNPの位置を図6に示す。SCA5ポリペプチド中のSNPに起因する変化したアミノ酸配列の存在は、変異とは考えない。配列番号2と比較されるとき、SCA5ポリペプチドのアミノ酸配列中のいかなる変化も変異と考え、本発明のポリヌクレオチドとする。変異は、アクチン結合ドメインの如きアミノ末端内、第3スペクトリン反復ドメインを非制限的に含むスペクトリン反復ドメインの内の1つ、あるいはカルボキシ末端内に変異を含むSCA5ポリペプチドをもたらす。
使用方法
疾患に関連するゲノム配列の同定は、当該疾患の改良された診断を可能とする。本発明は、SCA5ポリヌクレオチドにおける変異が脊髄小脳性運動失調5型(SCA5)に関連することを開示する。本発明は、SCA5ポリヌクレオチドにおいて変異を含むSCA5ポリヌクレオチドの如き本発明のポリヌクレオチドを、検出する方法、SCA5を発現する危険にさらされていない被験者を同定する方法、及びSCA5を発現する危険性を有する又は有している被験者を同定する方法を含む。本発明の方法は、典型的に、SCA5ポリヌクレオチド、通常はSCA5ポリヌクレオチドの一部分を分析すること、そして当該SCA5ポリヌクレオチドが変異を含むかどうか決定することを含む。
本明細書中に記載される用語「危険にさらされている」は、変異を含むSCA5ポリヌクレオチドを有する被験者を記載する。好ましくは、当該変異は、エキソンに相当するヌクレオチド中に存在する。好ましくは、当該変異は、配列番号2で開示されるアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有するSCA5ポリヌクレオチドをもたらす。複数の変異が存在し得る。危険にさらされている被験者は、SCA5の少なくとも1つの症状を現し得る個体、並びに、将来SCA5の少なくとも1つの症状を発現し得る個体を含む。SCA5の症状は、歩行、手足、及び目の動きの協調運動失調、不明瞭な発語、及び嚥下障害を含む。かかる症状の査定は、ありふれたものであり、当業者により容易に達成される。本明細書中に記載の変異を含むSCA5ポリヌクレオチドを有さない被験者は、彼又は彼女の人生の間、SCA5の症状を発現することはないと予想され、「危険にさらされていない」と考えられる。
本発明の方法は、SCA5ポリヌクレオチドを分析すること、そして当該SCA5ポリヌクレオチドが変異を有するかどうか決定することを含む。当該ポリヌクレオチドの起源は、通常、ゲノムDNA、及び/又はプロセスされたRNAを含む生体サンプルである。本明細書中に記載される用語「生体サンプル」とは、例えば、非制限的に、血液、血しょう、血清又は組織を含む個体から得られた材料のサンプル(固体又は液体)をいう。生体サンプルは、例えばDNA又はRNAであるポリヌクレオチドを得るために処理され得る。個体は、ラット、マウス、ヒト、チンパンジー又はゴリラとなり得、好ましくはヒトである。分析される当該SCA5ポリヌクレオチドは、全SCA5ポリヌクレオチドなり得、そして、典型的には、SCA5ポリヌクレオチドの一部である。
本発明は、SCA5ポリヌクレオチドの少なくとも一部を含む、SCA5ポリヌクレオチドを分析するための方法を提供する。ある態様において、当該方法は、好ましくはエキソンに相当する増幅されたヌクレオチドを含む、増幅されたポリヌクレオチドを形成するために被験者のSCA5ポリヌクレオチドのヌクレオチドを増幅すること、及び当該増幅されたポリヌクレオチドを検出することを含む。好ましくは、ヌクレオチドはPCRにより増幅される。PCRにおいて、プライマー対のモル過剰分が、ポリヌクレオチド、好ましくはゲノムのDNAを含む生体サンプルに添加される。当該プライマーは伸長され、所望の増幅されたポリヌクレオチドを合成するための鋳型として作用する相補的プライマー伸長産物を形成する。PCRによるポリヌクレオチドを増幅するための条件は、使用されたプライマーのヌクレオチド配列に依存して変化し、かかる条件を決定するための方法は、本分野においてありふれたものである。
様々なタイプの増幅技術が知られ、ごく普通に使用されており、当該技術は、例えば、対立遺伝子特異性PCR、コールドPCR、ホットPCR、逆転写酵素PCRなどである。これらの及び他の増幅技術は、本分野において知られており、ごく普通に使用される。配列番号1の開示に関して、当業者は、SCA5ポリヌクレオチド中の変異を特定する際に使用される増幅技術を、容易に適応させ得る。本発明の方法において使用され得るプライマーの例は、表1に記載されるものを含む(配列番号3〜77)。
増幅後、増幅されたポリヌクレオチドのサイズが、例えばゲル電気泳動により決定され得、そして比較される。当該増幅されたポリヌクレオチドは、(例えばエチジウムブロマイドで)染色すること、又は放射性及び非放射性標識を含む当業者に知られた好適な標識で標識することにより視覚化され得る。典型的な放射標識は、33Pを含む。非放射性標識は、例えば、ビオチン又はジゴキシゲニンの如きリガンド、並びにホスファターゼ又はペルオキシダーゼの如き酵素、又はルシフェリンの如き化学発光剤、又はフルオレセインのような蛍光化合物、及びその類似体を含む。場合により、増幅されたポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、決定され得る。
変異を含むSCA5ポリヌクレオチドを分析するための方法の他の態様において、ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレオチドにハイブリダイズするものを使用した。本明細書中における用語「ハイブリダイズしている」、及び「ハイブリダイズ」は、プローブが、標準条件下で標的ポリヌクレオチドと非共有相互作用を形成することを意味する。標準ハイブリダイズ条件とは、プローブが標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることを可能とする条件である。かかる条件は、本分野においてよく知られる技術を使用して、プローブと当該標的ポリヌクレオチドについて容易に決定され、例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory ManuaL;Cold Spring Harbor Laboratory:New York(1989)を参照のこと。本発明において使用される好ましいプローブは、60℃で1時間、ハイブリダイゼーションバッファー、好ましくはRAPID−HYBバッファー(Amersham,Piscataway,NJ)におけるプレハイブリダイゼーション、及び60℃で一晩のハイブリダイゼーションを使用することにより、標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズする。好ましくは、1分あたり少なくとも4×10カウント(cpm)の当該標識された総プローブが、当該ハイブリダイゼーションにおいて使用される。
使用されるプローブが少なくとも約200ヌクレオチドであるとき、使用される洗浄条件は、2×SSC(20×SSCの1リットルは、pH7.0で、175.3グラムのNaCl、及び88.2グラムのクエン酸ナトリウムを含む)及び0.05%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む溶液における、室温で各々5分間の2回洗浄、その後、0.15×SSC及び0.1%SDSを含む溶液における、52℃で各々30分間の2〜3回洗浄である。
プローブが少なくとも約200ヌクレオチドであるときに使用される他のハイブリダイゼーション条件は、上記のような同様のプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション条件を使用するが、使用される洗浄条件は、2×SSC及び0.05%SDSを含む溶液における、室温で各々5分間の2回洗浄、その後0.15×SSC及び0.1%SDSを含む溶液における、50℃で15分間の1回洗浄、その後0.15×SSC及び0.1%SDSを含む溶液における、50℃で10分間の1回洗浄である。
使用されるプローブが約20〜22ヌクレオチドであるとき、上記のような同様のプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション条件を使用するが、使用される洗浄条件は、2×SSC及び0.1%SDSを含む溶液における、45℃で15分間の2回洗浄である。
標的DNA分子のヌクレオチド配列は、通常、当該プローブに相補的な配列である。ハイブリダイズするプローブは、非共有相互作用を形成することに干渉しない1〜10のハイブリダイズしないヌクレオチド、好ましくは5超、より好ましくは2超のハイブリダイズしないヌクレオチドを含み得る。プローブの当該ハイブリダイズしないヌクレオチドは、ハイブリダイズするプローブの末端及びその中に位置し得る。それ故、プローブは、標準条件下でハイブリダイゼーションされる限り、標的DNAの全ヌクレオチドに相補的である必要はない。
本発明の態様において、本方法は、制限エンドヌクレアーゼで被験者のゲノムDNAを消化しポリヌクレオチドを入手すること、及びハイブリダイズする条件下、検出可能に標識されたプローブで当該ポリヌクレオチドをプローブすることを含む。エンドヌクレアーゼでのゲノムDNAの消化は本分野においてありふれており、多くのエンドヌクレアーゼが知られている。通常、消化により得られるポリヌクレオチドは、例えばゲル電気泳動により画分され、変性され一本鎖ポリヌクレオチドを得、次いで、ハイブリダイズする条件下、当該プローブにさらされる。当該ポリヌクレオチドにハイブリダイズされたプローブは、次いで、検出され、次いで、ハイブリダイズされたポリヌクレオチドの大きさが決定され得る。
変異の有無は、当該検出されたポリヌクレオチドのおよその分子量により推測される。変異の存在は、そのヒトが危険にさらされているか否かを示唆し、変異の不存在はそのヒトが危険にさらされてはいないことを示唆する。
他の方法が、SCA5ポリヌクレオチドを分析するために使用され得る。例としては、リガーゼ媒介検出技術(Landegren、米国特許第4,988,617号)、蛍光in situハイブリダイゼーション(Stokke,米国特許第5,633,365号、及びPinkel,米国特許第5,665,549号)、ダイレクトDNAシークエンシング、PFGE分析、サザン又はノザンブロッティング、一本鎖配座解析(SSCA)、リボヌクレアーゼ保護アッセイ、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(Wallace,米国特許第5,639,611号)、ドットブロット分析、変性勾配ゲル電気泳動(Borresen,米国特許第5,190,856号)、RFLP(Helentjaris,米国特許第5,324,631号)、及びPCR−SSCPを非制限的に含む。例えば生体液中における、変異された遺伝子及びがん遺伝子の如き遺伝子配列を検出し定量するための方法がSorenson(米国特許第5,496,699号)に記載される。
本発明は、被験者がSCA5を発現する危険にさらされているか否かを同定するためのキットも提供する。当該キットは、少なくとも1つのアッセイのために十分な量で、好適な包装材料中に、上記のプライマー及び/又はプローブを含む。場合により、本発明を実施するために必要とされる緩衝液及び溶液の如き他の試薬もまた含まれる。
本明細書中に使用される語句「包装材料」は、当該キットの内容物を収納するために使用される1又は複数の物理的構造をいう。当該包装材料は、よく知られた方法により構築され、一般的に滅菌された汚染物質のない環境を提供する。当該ポリペプチドは、被験者がSCA5を発現する危険にさらされているか否かを同定するために、使用され得ることを示唆する標識を、当該包装材料は有し得る。さらに、当該包装材料は、どのように当該キット内の材料が使用されるかを示唆する説明書を含む。
本明細書中に使用される用語「包装」又は「容器」は、定められた限度内で当該プライマー及び/又はプローブを保持し得る、ガラス、プラスチック、紙、ホイルなどの如き容器をいう。それ故、例えば、包装は、ミリグラム量のプライマー対を含むために使用されるプラスチックバイアルとなり得る。「使用のための説明書」は、試薬濃度又は少なくとも1つのアッセイ方法パラメーターを記載する具体的な表現を通常含む、ここで当該パラメーターとは、例えば、混ぜるための試薬とサンプルとの相対量、試薬/サンプル混合物の維持時間、温度条件、緩衝液条件などである。
本発明は、以下の実施例により例証される。特定の実施例、材料、量、及び手法は、上述のような本発明の範囲及び本質に従って広く解釈されることが理解される。
材料及び方法
ヒト被験者。この試験に参加する全ての被験者、及び対照となる個人は、ミネソタ大学の被験者委員会又は参加機関により認可されたインフォームドコンセント用紙にサインした。関係のない対照DNAサンプルを、CEPHパネル、及び健常な北アメリカの住人から入手した(n=500)。DNAをPuregeneキット(Gentra Systems,Plymouth,MN)を使用して抹消静脈血から抽出した。
染色体分離細胞系の産生。11番染色体の病気に冒された又は正常なコピーについてのマウス/ヒトのハイブリッド細胞系ハプロイドを、前述の{Papadopoulos et al.,Nat Genet 11,99−102(1995)}のように、マウスE2細胞と病気に冒されたアメリカ系家族由来のヒトリンパ芽球様細胞とを融合することによりGMPジェネティクス(Waltham,MA)で産生した。概要として、病気に冒された個人由来のリンパ芽球様細胞を、マウスE2細胞に電気融合し、そしてHATプラスジェネティシンを使用し、非融合のE2細胞とリンパ芽球様細胞とをそれぞれ選択した。生き残りのコロニーを拡大させ、そして病気に冒された又は正常な11番染色体の単一コピーのみを含むクローンを、SCA5領域をつなぐマイクロサテライトマーカーを検査することにより選択した。
SCA5領域におけるマイクロサテライト反復マーカーのスクリーニング。マイクロサテライト反復マーカーを、[γ−33P]ATP標識されたプライマーを使用するPCRにより増大した。生成物を、4%変性ポリアクリルアミドゲル上で分離し、そしてオートラジオグラフィーにより視覚化した。
単一の病気に冒された染色体の遺伝型は、非多型マーカーにおける反復拡張変異の排除を可能とした。E2マウスDNAをネガティブコントロールとして使用し、増幅された生成物がマウスDNAではなくヒトDNAに特異的であることを確認した。全ての多型マーカーを、SCA5ファミリーの各々の病気に冒されたハプロタイプを決定するために、その後使用した。
病気に冒されたSCA5ハプロイド細胞系由来のBACライブラリーの構築、及びショットガンDNAシークエンシング。不十全なHindIII消化を、病気に冒された11番染色体を含むハプロイド細胞系由来のDNAで実施し、plndigoBAC−5ベクター(Epicentre,Madison,WI)に導入し、次いで、それを使用し、約352,000個の組み換えクローンのBACライブラリーを準備した。当該BACライブラリーを、マイクロサテライトマーカーを使用するPCRによりスクリーニングし、その後、ポジティブBACクローンをハイブリダイゼーションにより単離した。
Lark Technologies Inc.(Houston,TX)は、ショットガン・シークエンシングを実施し、組み立てた。簡潔にいうと、ショットガン・ライブラリーを、3つのBAC(VI−C、VI−C11、IV−H4)について構築し、そして当該断片化されたDNAをpUC57ベクター中にサブクローニングすることにより、アメリカ系のSCA5ファミリーとフランス系のSCA5ファミリーとの間のハプロタイプ保存領域をつないだ。当該3つのショットガン・ライブラリーのシークエンシング反応を実施し、その後、ABI3730xlDNA配列上で分析した。当該配列データをPhred−Phrap−Consedソフトウエアを使用して組み立て(Gordon et al.,Genome Res 8,195−202(1998))、そしてインターネットサイトであるUCSCゲノムバイオインフォマティックス及び全米バイオテクノロジー情報センターを通じた有用なオンラインのデータを使用し、特異的遺伝子に対してBLASTした。
SCA5ファミリーにおけるSPTBN2遺伝子のシークエンシング、及び対照における変異シークエンシング。病気に冒されたフランス人及びドイツ人のSCA5患者のゲノムDNAを使用し、PCRによりSPTBN2エキソンを増幅し、そして得られた産生物をシークエンシングした。アメリカ人とフランス人の変異を同定した後、家族及び1,000人の対照染色体を、PCRによりこれらの欠失変異についてスクリーンした。PCRを、[γ−33P]ATPで、各フォワードプライマーの5’末端を標識することにより実施した。当該得られた産生物を4%の変性ポリアクリルアミドゲル上で分離し、オートラジオグラフィーにより視覚化した。対立遺伝子特異的PCR分析を使用し、ドイツ人のミスセンス変異についてスクリーンした。2つのフォワードプライマーであって、1つはその3’末端で変化したヌクレオチド(C)を含み、もう1つは5’末端で19bpの尾を含む当該プライマーを、単一反応に使用し、変異のある対立遺伝子(より短い産生物)、及び正常な対立遺伝子(より長い産生物)の両方を、各々増幅した。得られた産生物を、4%のアガロースゲル上で分離し、そしてエチジウムブロマイドにより視覚化した。その後、PCRを、関係のない1000人の染色体について実施し、ドイツ人の変異についてスクリーンした。当該PCRプライマー配列とSPTBN2シークエンシング及び変異スクリーニングのために使用される条件を、表1に示す。
Figure 0005744926
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RT−PCR分析。RNAを、TRIzol(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用して、アメリカ人のSCA5患者、及び対照個人由来の小脳病理解剖組織の〜100mgから収穫した。第1鎖合成を、RT−PCRキットとしてInvitrogen Superscript(登録商標)第1鎖合成システム(Invitrogen,Carlsbad,CA)、及びエキソン14由来のSPTBN2遺伝子特異的プライマーを使用して実施した。当該アメリカ人のSCA5欠損領域の側面に位置するPCRプライマーを、エキソン12及び13のそれぞれの中に位置づけた。産生物を2%アガロースゲル上で分離し、そしてエチジウムブロマイドで視覚化した。当該アメリカ人のSCA5欠損のRT−PCR分析のプライマー、及び条件を表1に示す。
免疫組織化学。アメリカ系SCA5家族、及び神経系の病気のない対照個人由来の病理解剖組織、並びに対照、及びSCA1B05遺伝子導入マウス由来の脳を、パラフィン中に埋め込み、そして5μm部分を分離した。これらの部分を0.3%H中に、30分間インキュベートし、内因性ペルオキシダーゼ活性を失活させ、次いで、pH6.0で10mMのクエン酸塩緩衝液中、スチーマーにより加熱した。当該部分を、2次抗体を産生する動物由来の5%の正常血清中でブロックした。スライドを、β−IIIスペクトリンあるいは、1:500又は1:100で各々希釈されたEAAT4抗体(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA)と共に、4℃で、一晩、インキュベートした。ポジティブ染色法を、色原体としてのジアミノベンジジンと共に、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ・コンプレックス方法(Vector,Burlingame,CA)により視覚化し、そしてヘモトキシリンで対比染色した。
免疫分析。SCA5アメリカ系家族、対照となるヒト、対照となるマウス、及びSCA1B05遺伝子導入マウス由来の小脳組織を、ウエスタン分析のために使用した。組織を、RIPA溶解バッファー(1×PBS,1%のNonidetP−40,0.5%のデオキシコール酸ナトリウム,0.1%SDS,100μg/mlのPMSF,50KIU/mlのアプロチニン,1mMのオルトバナジウム酸ナトリウム)中、Polytronホモゲナイザーで抽出した。タンパク質抽出の効率性を確実なものとするために、当該同じ小脳組織を、8M尿素、4%SDS、O.125MのTris−HCl(pH6.8)、12mMのEDTA、3%β−メルカプトエタノール、及び1×プロテアーゼ阻害剤(Complete,Roche,Indianapolis,IN)を含む、より強い溶解バッファー中で再抽出した。EEAT4がプルキンエ細胞の損失に起因して予期される量を超えて低減されるかどうか決定するために、ロードされるタンパク質の量をプルキンエ細胞特異的タンパク質カルビンジンと比較して標準化した。可溶化後、サンプルを、SDS−PAGEにより分離し、そして、ニトロセルロース膜に移し、そして4℃で一晩、それぞれ1:200又は1:6,000で希釈されたEAAT4又はカルビンジン(Sigma−Aldrich,Saint Louis,MO)抗体と共に、インキュベートした。
免疫ブロットを、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ結合二次抗体で視覚化し、そして化学発光分析(Amersham Biosciences,Uppsala,Sweden)で強化した。
細胞下分画。細胞下分画分析を、わずかな改良を施した{Lee et al.,Neuropharmacology 41,680−692(2001)}に記載のように実施した。簡潔にいうと、アメリカ系SCA5、及び対照の病理解剖脳由来の小脳組織(各500mg)を、5mlのバッファー源{0.32Mのスクロース、5mMのTris(pH7.5),0.5mMのCaCl、1mMのMgCl、及び1×プロテアーゼインヒビター(Complete,Roche,Indianapolis,IN)}におけるPolytron均質化により再懸濁した。組織を、18ゲージ針を繰り返し通過させることによりせん断し、そして、そのライセートを500×g、10分間で、ペレットとした(P1画分)。その上清(S1)を、2つの0.5mlの分割量に分離し、そして全分割量を10,500×gで15分間、遠心した。当該分割量の1つについて、上清(S2)及びペレット(P2)を単離した。他の分割量について、10,500×g回転からのペレット(P2)を再懸濁し、(1×プロテアーゼインヒビターと共に)50μlの氷冷H0の添加、及び10回の18ゲージ針の通過より低浸透圧で溶解した。
この混合物を、次いで、25,000×gで20分間、遠心し、LS1(上清)、及びLP1(ペレット)画分を産生した。全てのペッレットとなり得る画分(P1、P2、及びLP1)を、8Mの尿素、4%SDS、0.125MのTris−HCl(pH6.8)、12mMのEDTA、3%のβ−メルカプトエタノール、及び1×プロテアーゼインヒビターを含む、溶解バッファー中で再懸濁した。全ての得られた画分を、次いで、SDS−PAGE、及びウエスタンブロッティングにより分析した。細胞下分画分析において試験されたタンパク質に対する抗体を、以下の希釈: EAAT4(1:200)、GluRδ2(1:1,000、BD Biosciences、San Jose、CA)、及びクラスリン軽鎖(1:1,000、Synaptic Systems、Goettingen、Germany)で使用した。
EAAT4及びβ−IIIスペクトリンのコンストラクトのクローニング、細胞培養、及びトランスフェクション。標準的技術を、β−IIIスペクトリンの対照及び欠損コンストラクト、並びにEAAT4−GFPコンストラクトの構築において使用した。簡潔には、全長SPTBN2 pBluescriptのcDNAクローン(KIAA0302、Kazusa DNA Research Institute)を、哺乳類発現ベクターであるpcDNA3.1(Invitrogen, Carlsbad,CA)の中に再クローンし、そして重なり合うプライマーセット(セット1:SPΔ39−1f、及びSPΔ39−1r、並びにセット2:SPΔ39−2f、及びSPΔ39−2r)を使用するPCRにより修飾した。アメリカ系ファミリーの欠損を、分離PCR産物(SPΔ39プライマーセット1及び2)を産生することにより作り出し、その後、第3PCR反応(プライマーSPΔ39−1f、及びSPΔ39−2r)により、当該アメリカ系親族において見出される39bp欠損変異体(SP−Δ39)を産生した。
これらのPCR産物を、次いで、BsmBI、及びAgeI消化を使用してサブクローンした。その後、mycタグを、野生型(SP−WT)及び変異コンストラクトの両方のATGスタートコドンのすぐ下流に、PCR(myc−f1及びmyc−r、その後、myc−f2及びmyc−rプライマー)により導入し、そして次いで、KpnI及びPmlIの消化を使用してサブクローンした。シークエンシングを実施し、当該タグ及び全CDNAの完全性を照合し、コーディングエラーを、QuikChange II XL Site−Directed Mutagenesisキット(Stratagene,La Jolla,CA)を使用して修理した。当該β−IIIスペクトリンコンストラクトを産生するためのプライマー配列、及びPCR条件を、表1に示す。
当該EAAT4−GFPコンストラクトを、適切な制限酵素認識部位を含むプライマー、及び重複伸長PCRに基づく戦略を使用して産生した。得られたEAAT4PCR産物を、真核生物発現ベクターであるpEGFP−C2(Clonetech)中にクローンし、コーディング領域をシークエンシングにより確かめた。
HEK293細胞を、標準的プロトコールに従って、FuGene6(Roche,Indianapolis,IN)を使用してトランスフェクト(0.5μg/皿)した。細胞を、ガラス底の培養皿上に直接蒔き(MatTek,Ashland,MA)、トランスフェクション後24時間撮影した。
TIRF顕微鏡検査及び分析。イオンレーザーからの光を、反転落射蛍光顕微鏡(IX81,オリンパス)に誘導し、当該光をTIRFM対物レンズ(PlanApo 60×/1.45NA,オリンパス)の後焦点面に焦点を合わせた。ガラスカバースリップ上のトランスフェクトされた細胞を、温度調節機(Harvard apparatus)を使用して37℃で維持し、10mMのHepesによりpH7.4とした。画像をMetamorph6.3(Universal Imaging)で動作されたEM電荷結合素子カメラ(オリンパス)により集めた。コマ抜き画像を、450msec毎に得た。トラッキング(異なる画像の単一射影)及び領域計算を含む分析を、Metamorphを使用して実施した。各回折点を、(高域フィルター>3ピクセル)及び(低域フィルター<30ピクセル)の2度フィルターにかけた。EAAT4の側方運動は、単一画像を重ね合わせて画像化し輸送運動の総領域を測定した、一方、回折点の総トラッキング距離を、Metamorphトラッキングモジュールを使用して計算した。
結論
当該アメリカ系ファミリーは、エイブラハム・リンカーン大統領の父方の祖父母から降りる2つの主要分枝を有する(図1)。家族による「リンカーン病」といわれるSCA5は、リンカーン大統領の父方の伯父であるジョサイア、及び伯母であるメアリーの子孫に見られ、このことは、リンカーン大統領の父方の祖父母のいずれかがSCA5変異を有していることを示唆する。家族のこれらの2つの分鎖を、図1に示す。
臨床評価、及びDNA採取を、病気に冒された90人(発病年齢4〜68歳)を含む299家族に実施した。幾人かの疾患は比較的軽く、大統領、彼の父であるトーマス、及びトーマスの子孫(1960年以後全員死亡)の臨床状態は知られていないので、大統領がSCA5変異を引き継いでいた事前確率は、25%である。遺伝子組み換えを使用し、当該危険領域を、〜100遺伝子を含む2.99メガ塩基対に絞り込んだ。家族間のハプロタイプ比較は、アメリカ系家族とフランス系家族との間で255kbの有力な保存領域を同定した。このハプロタイプは、対照の染色体の3/84(3.5%)にも見つかるけれども、この保存が共通の先祖の変異によりもたらされる可能性があるため、この領域を優先させた。
アメリカ系SCA5変異を含むことが知られる、病気に冒された染色体分離細胞系由来のDNAを使用して、BACライブラリー、及び当該領域のコンティグを構築し、ハプロタイプ保存領域にかかる患者由来のBACクローン(VI−2、VI−C11、及びIV−H4)のショットガン・シークエンシングを、実施した(図2b)。
39塩基対の欠損を、β−IIIスペクトリン遺伝子(SPTBN2)のエキソン12内に見つけた、ここで当該欠損は、17スペクトリン反復の内の3番目内にフレーム単位で13アミノ酸の欠失(p.E532 M544del)を引き起こす(図2c、3A、表2)。PCRにより検出可能な変異(図3A)を、全90人の病気に冒された個人(試験時の年齢は、7〜80歳であって、平均45歳)、及び発病前のキャリアである35人の(試験時の年齢は、13〜67歳であって、平均34歳)に見出した。
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アメリカ系とフランス系ファミリーは、共通のハプロタイプを共有しているけれども、当該39bpのアメリカ系の欠失は、フランス系ファミリーには見出されなかった。当該アメリカ系のファミリーと同様に、フランス系のファミリーは、エキソン14内の15塩基対の欠失からなる同じスペクトリンの反復におけるフレーム単位の欠失を有する(c.1886−1900del;p.L629−R634delinsW)(図2c、3B)。
トリプトファンの挿入を除いて、この欠失は、オープンリーディングフレームの残余を中断させない(図3B)。フランス系の変異を、全6人の病気に冒されている可能性のある個人、及び1人の明らかに発病の前段階のキャリア(24歳)中に見出した。
ドイツ系ファミリーにおいて、ロイシンからプロリンへの変化(p.L253P)を引き起こすエキソン7におけるTをCとする対変異(c.758T>C)を、アクチン/ARP1結合部位を含むカルポニン相同ドメイン内に見出した。この領域は、全5人のヒトのβスペクトリンタンパク質内に見られるロイシン253残基を伴い高く保存され、チンパンジー、マウス、ラット、イヌ、及びハエについても同様である(図3C)。当該ドイツ系の変異は、12人の病気に冒されている可能性のある個人における病気と一緒に分離される。3つのSCA5変異は、1000人の対照染色体上に見出されなかった。
プルキンエ細胞内に高発現される2,390アミノ酸タンパク質である{Ohara et al.,Brain Res MoI Brain Res 57,181−192(1998)}、{Stankewich et al.,Proc. Natl.Acad.Sci.USA 95,14158−14163(1998)}、β−IIIスペクトリンは、ゴルジ及び小胞膜と関連するタンパク質として記載され{Stankewich et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,14158−14163(1998)}、及びダイナクチン・サブユニットARP1に結合することが報告され、輸送において可能性のある役割を示唆している{Holleran et al.,J.Biol Chem 276,36598−36605(2001)}。
βスペクトリンの他の機能は、膜タンパク質の安定化である{Parkinson et al.,Nat Genet 29,61−65(2001)};特に、β−IIIスペクトリンは、プルキンエ細胞特異的グルタミン酸輸送体EAAT4を安定化する{Jackson et al.,Nature 410,89−93(2001)}。RT−PCR分析は、正常及び欠失β−IIIスペクトリン転写産物の両方が、病気に冒されている小脳病理解剖組織において発現されること(図3D)を、SCA5における著しいプルキンエ細胞の欠損を有するSCA5及び対照の両方の小脳におけるプルキンエ細胞体、樹状突起、及び軸索の染色を示す免疫組織化学(図3E)と共に示す。
ウエスタン分析を小脳病理解剖組織に関して実施し、39bpスペクトリン欠失変異がEAAT4に影響を与えるのかどうか調査した。放射性免疫沈降法アッセイ(RIPA)バッファーにより抽出されるSCA5小脳におけるEAAT4のタンパク質レベルは、プルキンエ細胞特異的な対照であるカルビンジンと比較して劇的に低減された(図4a)。驚くべきことに、より厳しい抽出バッファー(8Mの尿素、及び4%のSDS)を使用するとき、EAAT4/カルビンジンのおよそ等しい比率が、SCA5及び対照において見られ(図4b)、そのことは、EAAT4の溶解度又は分布が、変異体βIIIスペクトリンにより影響を受けることを示唆する。
低減されたEAAT4転写レベルは、プルキンエ細胞の欠失に先立って、SCA1トランスジェニックマウスにおいて既に報告されており{Lin et al.,Nat Neurosci 3,157−163(2000)}、EAAT4の欠失又は機能障害が共通の下流分子変化となり得ることを示唆する。SCA5におけるEAAT4の抽出性の違いがプルキンエ細胞の変性により引き起こされる非特異的変化かどうか測定するために、EAAT4抽出性を、著しくプルキンエ細胞を欠失するSCA1トランスジェニックマウスにおいて試験した(図4c、4d)。
以前の報告と一致するEAAT4の低減されたレベルをウエスタンにより見い出し、そしてSCA5とは対照的に、EAAT4レベルは、RIPA及び尿素抽出物において同様に低減された。
SCA5における残りのプルキンエ細胞のEAAT4免疫染色は、樹状突起の樹の一貫した菲薄化、及び当該細胞体のより暗い染色を示し(図4e)、一方SCA1トランスジェニック動物は、より明るい染色を除いて均一性を示した(図4f)。これらの結果は、SCA5におけるEAA4の再分配がプルキンエ細胞の変性により引き起こされないこと、及びEAAT4はSCA1とSCA5とにおける異なる機構により変化しそうであることを示唆する。
EAAT4をさらに試験するため、及び変異体スペクトリンがプルキンエ細胞タンパク質を結合する他の膜においても変化を引き起こすのかどうか決定するため、小脳組織の細胞下分画、そしてその後、ウエスタン分析を実施した(図5)。P1及びS1画分内にロードされる総タンパク質量を、BCAアッセイにより決定した、各レーン内のタンパク質量は以下:P1対照(40.5μg)、S1対照(5.5μg)、P1 SCA5(71.4μg)、S1 SCA5(3.9μg)であった。タンパク質ローディングを、クラスリン軽鎖に対するウエスタンブロット膜の標準化によっても見積もった、ここで当該クラスリン軽鎖は、原形質と小胞膜とを断続的に循環し、膜リッチでペレットとなり得る画分に豊富に存在することで知られる、広く発現する調節タンパク質である。予想通り、かなり豊富なクラスリンを、予測される核画分(P1)、粗シナプトソーム画分(P2)、及び豊富なシナプトソーム画分(LP1)画分において観察した。
SCA5 S1(3.9対5.5μg)画分においては対照と比較して僅かに少ないタンパク質であるが、P1画分(71.4対40.5μg)、P2及びLP1画分(クラスリンローディング対照を参照)においてはSCA5対対照におけるより多くのタンパク質をロードした。SCA5小脳抽出物由来のEAAT4及びGluRδ2の細胞下分画は、対照である小脳と異なる。例えば、より多くのタンパク質を、SCA5 P2及びLP1画分 対 対照P2及びLP1画分にロードした(クラスリンにより測定される)ので、もしSCA5のEAAT4及び対照ホモジネートが同じように画分化されたならば、過剰なSCA5 P2及びLP1画分において、より多くのEAAT4が検出されることが予測される。しかしながら、これらのSCA5シナプトソームリッチ画分内(P2、LP1)に見られるEAAT4は、劇的に少ない。GluRδ2の似たような再分配において、対照P2及びLP1と比較してSCA5 P2及びLP1において予測される、GluRδ2の量よりも際だって少ないことが見られた。対照と比較して、シナプス膜タンパク質であるEAAT4及びGluRδ2は、SCA5組織のシナプトソーム画分内において豊富とならなかった、このことは、変異β−IIIスペクトリンがこれらのタンパク質の細胞内局在に影響を与えることを示唆する。
EAAT4に関する変異β−IIIスペクトリンの生理的影響をさらに特徴付けるため、一連の対照とされる細胞培養実験を実施した。HEK293細胞をeGFP−EAAT4でトランスフェクトし、そして全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡検査を使用して、細胞の膜上のグルタミン酸輸送体の側方運動を追跡した。当該グルタミン酸輸送体は、通常2つの主な状態間を数秒内で変化していた、ここで当該2つの主な状態とは、細胞の膜上における素早い動作とサブマイクロメーター領域内の制限された動作の期間である(図4g〜i)。
EAAT4を空の対照ベクターと共に発現させたとき、細胞膜で又はその付近でおよそ40%のEAAT4回折点が活発に動いており(〜4ミクロン)、一方、ゆっくりと動く回折点は、通常、固定化された小領域(1ミクロン未満)内で動作を制限された(図4g、表3)。
EAAT4と野生型β−IIIスペクトリンとの間の相互作用の生理的関連性をさらに調査するため、EAAT4をβ−IIIスペクトリンと共トランスフェクションし、そしてEAAT4の細胞内輸送を追跡した。以前の生化学試験{Jackson et al.,Nature 410,89−93(2001)}と一致して、野生型β−IIIスペクトリンの共発現は、膜で又はその付近でたった5%の回折点の動きを伴ってEAAT4を安定化し、大きな側方運動(>4ミクロン)を示さなかった(図4h、表1)。しかしながら、39bpの欠失を伴う変異β−IIIスペクトリンの存在する場合、EAAT4の安定はなくなり、当該輸送体は、観察された4ミクロン超の多くの側方運動を伴う高運動性となった(図4i、表3)。
EAAT4とβ−IIIスペクトリンとの間の特異的相互作用を確認するために、β−IIIスペクトリンをEAAT3と共トランスフェクションした、ここで他のグルタミン酸輸送体もプルキンエ細胞内に発現していた。野生型(表3)も変異型β−IIIスペクトリンもEAAT3安定性に関していかなる実質的効果もなかった。EAAT3に関する影響の欠落は、当該変異型β−IIIスペクトリンが他の膜タンパク質に影響を与える可能性を排除しない。しかしながら、これらの試験は、変異型β−IIIスペクトリンがEAAT4の安定性を崩壊させ得る証拠を提供する、なぜならば、当該膜におけるEAAT4の発現の変化はプルキンエ細胞の損傷/分解を増大することが知られているからであり、それ故、SCA5におけるプルキンエ細胞の分解の一因となり得る{Welsh et al.,Adv Neurol 89,331−359(2002)}。
表3:変異型β−IIIスペクトリンは、グルタミン酸輸送体の側方細胞内輸送を変える。HEK293細胞のTIRF顕微鏡検査を実施し、画像化された細胞のデジタルムービーを、Metamorphを使用して評価した。各回折点を別々に分析した。各条件について、3〜6の異なる実験を異なるディッシュ、及び異なる日にちから記録した。当該結果は平均値±SDである。
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我々は、SCA5に関与するβ−IIIスペクトリン遺伝子(SPTBN2)における3つの別々の変異の同定を伴う脊髄小脳性運動失調についての新規変異機構を報告する。アメリカ系及びフランス系ファミリーは、似ているが、第3スペクトリン反復内に別々のフレーム単位の欠失を有し、当該反復の高秩序のトリプル・アルファ・へリックス構造を崩壊させ、四量体アルファ−ベータ−スペクトリン複合体の全形状を変化しそうである。
アメリカ系ファミリーとフランス系ファミリーとの間の共有のハプロタイプのいくつかの特徴は微少欠損を導くことが可能だけれども、当該共有のハプロタイプは、対照染色体の3.5%にこのハプロタイプが見られるのでより明らかに偶然の一致となりそうである。ドイツ系ファミリーは、カルポニン相同ドメイン中に1つのミスセンス変異を有し、それはスペクトリンのアクチン細胞骨格に結合する能力を崩壊させ得、そして同様に、膜タンパク質の安定性に影響を与え得るか、又はARP1及びダイニンモーター複合体への結合を崩壊させることにより輸送における変化を引き起こし得る{Holleran et al.,J.Biol.Chem 276,36598−36605)}。
細胞画分試験は、変異型β−IIIスペクトリン(39bp欠失)がシナプトソームタンパク質であるEAAT4及びGluRδ2の局在に影響を与えることを示唆する。興味深いことに、EAAT4は、SCA1トランスジェニックマウスにおいて、転写量の下方制御にも影響を与える{Lin et al.,Nat Neurosci 3,157−163(2000)}及び{Serra et al.,Hum MoI Genet 13,2535−2543(2004)}。運動失調におけるEAAT4の可能な役割についてのさらなる証拠は、進行性失調症をもたらすラットの嚢内アンチセンス・ノックダウン実験に由来する{Raiteri et al.,Prog Neurobiol 68,287−309(2002)}。さらに、GluRδ2における変異は、lurcher及びhotfootマウスの両方において、運動失調を引き起こす{Lalouette et al.,Genomics 50,9−13(1998)}及び{Zuo et al.,Nature 388,769−773(1997)}。SCA5における細胞膜でのEAAT4及びGluRδ2の欠失は、グルタミン酸シグナル伝達異常を導き得、時間の経過により、SCA5におけるプルキンエ細胞の死を引き起こし得る。
スペクトリンとダイナクチン−ダイニンモーター複合体との報告された相互作用は、SCA5変異が他の神経変性疾患のようにタンパク質細胞内輸送に影響を与え得ることを示唆する。これらの障害は、p150Glued、ダイナクチン(DCTN1)のサブユニットにより引き起こされる優性遺伝性神経疾患{PuIs et al.,Nat Genet 33,455−456(2003)}、及びマウス・ダイニン重鎖遺伝子(Dnchc1)におけるミスセンス変異により引き起こされるモーター神経細胞傷害{Hafezparast et al.,Science 300,808−812(2003)}を含む。ハンチントン病において、ハンチントン/HAP1/p150Glued複合体の変化は、輸送傷害、及び神経毒性の一因となる神経栄養援助の欠損を導き{Gauthier et al.,Cell 118,127−138(2004)}、そして軸索内輸送欠陥は、アルツハイマーの患者及びマウスのモデルに見られる{Stokin et al.,Science 307, 1282−1288)).
未知の変異を有するファミリーにおいて運動失調を引き起こすSPTBN2におけるさらなる変異の同定は、β−IIIスペクトリンの機能、及び神経変性疾患の分枝機構へのさらなる洞察を提供するだろう。特に、SPTBN2における変異が、その臨床領域がSPTBN2を含む臨床的に異なる形式の運動失調であるSCA20も引き起こすかどうか決定することが着目のものとなるだろう{Knight et al.,Brain 127,1172−1181(2004)}。
SCA11及びSCA25の臨床領域のそれぞれに位置するSPTBN5又はSPTBN1における変異が運動失調も引き起こすのかどうかどうか決定することも重要となるだろう{Worth et al.,Am J Hum Genet 65,420−426(1999)}及び{Stevanin et al.,Ann Neurol 55,97−104(2004)}。βスペクトリンが疾患においてさらなる役割を担う可能性と一致して、ベータスペクトリン相同体における優性遺伝性変異は、C.elegansにおける非協調表現型(unc−70)を引き起こし、ヒトβ−IVスペクトリン(SPTBN4)の相同分子種である、マウス・スペクトリンβ4遺伝子(Spnb4)における劣勢変異は、後肢麻痺を伴う進行性失調症、難聴、及び震えるマウス(qv)における身震いを引き起こす{Parkinson et al.,Nat Genet 29,61−65(2001)}。
28の優性運動失調の遺伝子座の推定は、根本的な原因を定義するために人類遺伝学の使用機会を提供し、この群の神経変性疾患を構成する共通の分子経路を提供する{Schols et al.,Lancet Neurol 3,291−304(2004)}。興味深いことに、2匹のマウス運動失調モデル、SCA1トランスジェニックマウス、及びstaggererマウス{Gold et al.,Neuron 40,1119−1131(2003)}において、SCA1におけるマイクロアレイ分析により見出されたβ−IIIスペクトリンとEAAT4の転写の両方の下方制御は、異なる変異により引き起こされる相近発病機構を示唆する。
よく知られた細胞骨格タンパク質をコードする遺伝子におけるSCA5変異の同定は、SCA5及び他の神経変性疾患に共通する下流分子機構の洞察を提供するだろう膜タンパク質の不安定化、グルタミン酸調節異常、及び媒体細胞内輸送欠損を含む疾患発病の特定の仮定を試験することを可能とするだろう。
リンカーンファミリーにおける運動失調の歴史は、エイブラハム・リンカーン大統領がSCA5変異を有していたかどうかという疑問を抱かせる。歴史的記述は、当該大統領は、不規則な歩行、つまり運動失調の初期の徴候を有していたことを示唆する。1861年、3月27日、ロンドンタイムズのレポーターであったウィリアム・ラッセルは、リンカーンについて、「程なく、ぐずぐずした、だらしのない、正規兵ではない、ほとんど不安定な足取りで、背が高く、やせ細ったやせ男が入ってきた」と書いた。SCA5変異の同定は、彼のDNAを含む保存された埋蔵物を使用してリンカーン大統領が変異を有するかどうか明白に決定することを、可能とさせた。1991年、マルファンの遺伝子の同定が、リンカーン大統領の高い身長がその疾患からもたらされ得たものかどうか決定するためにリンカーン大統領のDNAを試験することを考慮する論議の火付け役となった。マルファン症候群とは違い、リンカーンの家系は、リンカーン大統領がSCA5を発病する危険にさらされていたことを示唆する。SCA5に関連してリンカーン大統領の状態を判定することは、歴史的興味であり、運動失調や神経変性病の社会認識を増大するだろう。
本明細書中に引用された全特許、特許出願、及び刊行物、並びに電子化され利用可能な材料(例えば、GenBankやRefSeqなどのヌクレオチド配列の寄託、SwissProt、PIR、PRF、PDBのアミノ酸配列寄託、及びGenBankやRefSeqの注釈されたコード領域に由来する翻訳を含む)の完全な開示を、引用によりその全内容を援用する。上記詳細な説明、及び実施例は、理解を明確にするためだけのものである。それらから理解されるものに限定するものではない。本発明は、示され記載された正確な詳細に限定されず、本発明は、当業者にとって明らかな変化について、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲に含まれるものである。
特段の指示がなければ、本明細書、及び特許請求の範囲において使用される構成要素、分子量などの量を表示する全数字は、「約」の条件により、すべての場合において、修正されるものとして理解される。従って、それとは反対の特段の指示がなければ、本明細書及び特許請求の範囲に説明された数値パラメーターは、本発明により得られると思われる所望の特性に依存して変化し得る概算値である。最低限でも、及び特許請求の範囲と同等の原則を制限することを意図せず、各数値パラメーターは、少なくとも、報告された重要な数字の数の観点において、及び通常の端数技術を適用することにより理解すべきである。
広範にわたる本発明を説明する数値範囲及び数値パラメーターが概算値であるにもかかわらず、特定の実施例に説明された数値は、できるだけ正確に報告する。しかしながら、全ての数値は、本質的に、各試験の測定において見られた標準偏差からやむを得ず生ずる領域を含む。
全見出しは、読者の利便性のためのものであり、特に特定されなければ、当該見出しの後の本文の意味を限定するために使用されるべきではない。

Claims (9)

  1. ヒト対象が脊髄小脳性運動失調5型疾患(SCA5)の危険を有するか否かを決定する方法であって、前記ヒト対象由来の核酸試料について、配列番号1のヌクレオチド13823〜13861又は13827〜13865の欠失があるか否かを分析することを含み、ここで配列番号1のヌクレオチド13823〜13861又は13827〜13865の欠失が、SCA5の危険を有することを示す、方法。
  2. 前記核酸試料がSCA5ポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分析がハイブリダイゼーションを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記SCA5ポリヌクレオチドがゲノムSCA5ポリヌクレオチドである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記SCA5ポリヌクレオチドが処理されたSCA5ポリヌクレオチドである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記分析が前記SCA5ポリヌクレオチドの増幅を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記分析が前記SCA5ポリヌクレオチドの部分配列の決定を含む、請求項2に記載の方法。
  8. 前記増幅がプライマーAGAGGCACTGTCCCTTGGT(配列番号19)及びGCTGGTTCACACTCCACAGA(配列番号20)の使用を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記SCA5ポリヌクレオチドがエクソン7、エクソン14、又はその双方に変異を含むか否かを決定することを更に含むとともに、エクソン7の変異が、配列番号1のヌクレオチド7755のTからCへの変化を含み、エクソン14の変異が、配列番号1のヌクレオチド16010〜16024の欠失を含む、請求項2に記載の方法。
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