JP5743007B1 - 巨峰の栽培方法及び巨峰 - Google Patents

巨峰の栽培方法及び巨峰 Download PDF

Info

Publication number
JP5743007B1
JP5743007B1 JP2014105896A JP2014105896A JP5743007B1 JP 5743007 B1 JP5743007 B1 JP 5743007B1 JP 2014105896 A JP2014105896 A JP 2014105896A JP 2014105896 A JP2014105896 A JP 2014105896A JP 5743007 B1 JP5743007 B1 JP 5743007B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fertilization
kyoho
period
flowering
fertilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014105896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015221000A (ja
Inventor
弘 國武
弘 國武
Original Assignee
弘 國武
弘 國武
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 弘 國武, 弘 國武 filed Critical 弘 國武
Priority to JP2014105896A priority Critical patent/JP5743007B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5743007B1 publication Critical patent/JP5743007B1/ja
Publication of JP2015221000A publication Critical patent/JP2015221000A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fertilizers (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

【課題】充分に肥大しかつ高品質な果実が栽培可能な栽培方法及び巨峰を提供する。【解決手段】本発明を適用した巨峰の栽培方法の一例である栽培方法1は、開花期前から収穫までの間に、開花前施肥工程2と、開花後施肥工程3と、着色期後施肥工程4と、灌水工程5を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、巨峰の栽培方法及び巨峰に関する。詳しくは、充分に肥大しかつ高品質な果実が栽培可能な栽培方法及び巨峰に係るものである。
巨峰は日本種である石原早生とヨーロッパ種であるセンテニアルを交配させて作出したぶどう品種の一つであり、他の種類のぶどうと比較して実が大きい特徴を有し、ぶどうの基幹品種となっている。果実の大きさは、一般的には10gから12g程度といわれている。
また、巨峰の栽培は全国各地で行われており、その品質を高めるために、種々の工夫がなされている。例えば、消費者のニーズに合わせて種無しの巨峰にするために、ジベレリン処理を施し、果実を無核化させる栽培方法はその1つである。
巨峰は、主に以下の生育段階を有している。1)休眠期(12月〜3月)。2)萌芽期(4月上旬〜4月下旬)。3)開花期(5月下旬〜6月上旬)。4)硬核期(6月下旬〜7月上旬)。5)着色期(7月上旬〜7月下旬)。6)収穫期(8月中旬〜9月上旬)。なお、ここで記載の時期は、栽培する土地の気候により、若干の変動が存在し、その点を加味して所定の期間で記載している。
また、前述した生育段階に加え、巨峰の果実(果粒)が肥大する期間として、次の3つの肥大期間が存在するとされる。1)第1肥大期(開花後の5月下旬〜6月上旬)。2)第2肥大期(6月中旬〜6月下旬)。3)第3肥大期(7月上旬〜7月下旬)。
巨峰の栽培では、前述した生育段階及び肥大期の期間を考慮した上で、栽培に関する作業がなされており、例えば、非特許文献1に記載の巨峰の栽培方法が行われている。
ここで、非特許文献1には、図2に示すような巨峰の生育段階と栽培に関する主な作業が記載されている。この方法では、開花期前の5月中旬に無機リン酸肥料100を施肥している。また、実止まり決定後の6月中旬に窒素を含む無機硝酸カルシウム101を施肥している。
更に、着色期前の7月中旬に無機リン酸肥料及び重炭酸カリ102を施肥している。また、開花前から着色期にかけて灌水103を行っている。無機リン酸肥料は、水溶性リン酸が38〜40%含まれ、肥効が早いものとなっている。また、窒素を含む無機硝酸カルシウムも肥効が早いものとなっている。
「四倍体ブドウをつくりこなす」鈴木英夫著 社団法人 農山漁村文化協会発行
しかしながら、非特許文献1に記載の巨峰の栽培方法では、開花前から収穫までの間に施肥される肥料の種類は無機肥料が主体となっている。無機肥料は、植物への吸収が速い、即ち、速効性を有する特徴があるが、土壌に施肥した際には、施肥後、約1、2週間の肥効を生じるものとなっている。
この場合、施肥後の短期間は効力が得られるが、所定の期間存在する果実の肥大化期間において、充分かつ継続的な効力が得られず、充分に果実が肥大しない結果となる。また、短期間の間に無機肥料を複数回施すと、果実の肥大化より枝葉の徒長の方へと肥効が働いてしまう場合もある。
また、無機肥料を主体として栽培した巨峰では、傾斜地で栽培した際に、葉の色が薄くなり、房から果実が落ちる脱粒が早くなる傾向が見られるようになる。
また、非特許文献1に記載の栽培方法では、長期間に亘って灌水を行うが、過剰な水分は、却って巨峰の育成の妨げになるおそれがあるものと考えられる。
一方、前述した、種無しの巨峰にする栽培方法では、ジベレリン処理を行うが、ジベレリン処理を経て無核化した果実は、肥大化を試みたものでも17〜18g程度の大きさが限界であり、それ以上に肥大化させることが困難となっている。
また、ジベレリン処理を施した巨峰では、種を有するものと比較して、糖度が落ち、淡泊な味になってしまう欠点を有している。また、消費者イメージが良くないという不都合も存在する。
また、その他の従来の巨峰の栽培方法として、開花前から収穫までの間に施す肥料に、有機質肥料や、有機質と無機質を混合させた配合肥料を用いる方法は存在するが、収穫時の巨峰の品質を高めながら、果実の充分な肥大化を両立させた方法は存在しない。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、充分に肥大しかつ高品質な果実が栽培可能な栽培方法及び巨峰を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の巨峰の栽培方法は、5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に第一リン酸カリウム、ホウ酸、及び過リン酸石灰を施肥する第1の施肥工程と、実止まり決定後に硫酸アンモニウムを施肥する第2の施肥工程と、該第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥する第3の施肥工程と、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に第一リン酸カルシウム及びホウ酸を施肥し、灌水を行う第4の施肥工程とを備える。
ここで、第1の施肥工程で、5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に第一リン酸カリウムを施肥することによって、窒素分の吸収を抑えることができる。より詳しくは、開花前の時期に、枝や茎が間延びして延びる徒長を抑え、葉の光合成能力を高めることができる。なお、本明細書における「5月」等の時期は、日本の暦における月を意味するものである。
また、第1の施肥工程で、5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間にホウ酸を施肥することによって、巨峰の生育に必須の微量要素の1つであるホウ酸を補うことができる。より詳しくは、枝葉の徒長を抑えて固くし、実止まりを生じやすくさせることができる。なお、実止まりとは、開花後、受粉した子房が果実になることを意味する。
また、第1の施肥工程で、5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に過リン酸石灰を施肥することによって、実止まりを生じやすくさせ、単為結果を防ぐことができる。単為結果とは、受精をせずに果実ができることをいい、この場合には、通常無核化し、果実は小さくなってしまう。
また、第2の施肥工程で、実止まり決定後に硫酸アンモニウムを施肥することによって、速効性のある肥効で、枝葉や第1肥大期及び第2肥大期の果実の生長を促進させることができる。なお、ここでいう速効性とは、施肥日から約1〜2週間の間に効力を生じるものを意味する。
また、第3の施肥工程で、第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥することによって、遅効性のある肥効で、巨峰の果実が最も肥大する第3肥大期に、充分かつ長い効力を生じさせることができる。即ち、肥料に含まれる有機質が、施肥後から土壌微生物によりゆっくりと分解されて、第3肥大期のタイミングに植物が吸収可能な硝酸態窒素として果実の肥大化に効力を生じさせることができる。
また、第4の施肥工程で、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に第一リン酸カルシウムを施肥することによって、果実の生長を促すことができる。より詳しくは、光合成で得られたエネルギーを蓄積させ、細胞膜の形成を促し、果実の肥大、着色を促進させることができる。
また、第4の施肥工程で、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間にホウ酸を施肥することによって、巨峰の生育に必須の微量要素の1つであるホウ酸を補うことができる。より詳しくは、枝葉の徒長を抑えて固くし、樹勢を落ち着かせて適度に維持することができる。
また、第4の施肥工程で、灌水を行うことによって、巨峰の果実が最も肥大する第3肥大期に適度な水分を付与し、果実が肥大化しやすくすることができる。また、有機質配合肥料の肥効と相まって、その効力をより高めることができる。
また、有機質配合肥料が少なくとも植物油かす類、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、化成肥料及び骨粉質類を含む場合には、植物油かす類及び骨粉質類の有機質成分による遅効性の肥効と、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム及び化成肥料の無機質成分による速効性の肥効とを両立させることができる。なお、無機質成分は、枝葉や第2肥大期の果実の肥大に効果を及ぼすものとなる。
また、有機質配合肥料が施肥した日から約30日後〜約70日後の期間に肥効が生じる
場合には、遅効性のある肥効で、第3肥大期に、充分かつ長い効力を生じさせることができる。
また、第4の施肥工程は4〜5日間隔で灌水を行う場合には、適度な水分を巨峰に与えることが可能となり、また、効率よく水分を吸収させることができる。
また、第1の施肥工程で、開花前14〜20日のタイミングと開花前7〜10日のタイミングに施肥を行う場合には、より確実に巨峰の実止まりを生じさせ、かつ、生長を促すことができる。
また、第4の施肥工程で、期間中に2回の施肥を行い、1回目と2回目の間に約10日の間隔を設けた場合には、より確実に果実の生長を促し、適切な樹勢を維持することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の巨峰は、5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に第一リン酸カリウム、ホウ酸、及び過リン酸石灰を施肥する第1の施肥工程と、実止まり決定後に硫酸アンモニウムを施肥する第2の施肥工程と、該第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥する第3の施肥工程と、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に第一リン酸カルシウム及びホウ酸を施肥すると共に、灌水を行う第4の施肥工程とを有する栽培方法で栽培される。
ここで、第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥する第3の施肥工程によって、遅効性のある肥効で、巨峰の果実が最も肥大する第3肥大期に、充分かつ長い効力を生じさせることができる。
また、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に灌水を行う第4の施肥工程によって、巨峰の果実が最も肥大する第3肥大期に適度な水分を付与し、果実が肥大化しやすくすることができる。また、有機質配合肥料の肥効と相まって、その効力をより高めることができる。
また、巨峰の果実の少なくとも一部に1粒の重量が約20g以上である果実を有する場合には、通常の巨峰に比べて、充分に果実が肥大した巨峰となる。この場合の大きさは、果実の1粒が、500円玉硬貨よりも大きなものとなる。
本発明に係る巨峰の栽培方法は、充分に肥大しかつ高品質な果実が栽培可能な方法となっている。
また、本発明に係る巨峰は、充分に肥大しかつ高品質な果実を有するものとなっている。
本発明を適用した巨峰の栽培方法の一例の栽培スケジュールの概略図である。 従来の栽培方法の一例を示す概略図である。
以下、本発明を適用した巨峰の栽培方法の一例について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の内容は本発明の実施の形態の一例に過ぎず、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明を適用した巨峰の栽培方法の一例の栽培スケジュールの概略図である。
図1に示すように、本発明を適用した巨峰の栽培方法の一例である栽培方法1は、開花期前から収穫までの間に、開花前施肥工程2と、開花後施肥工程3と、着色期後施肥工程4と、灌水工程5を備えている。
以下、各工程の詳細を説明していく。
(開花前施肥工程)
開花前施肥工程2は、5月下旬の開花に向けて、主に実止まりを起こさせるために行う追肥の期間となる。開花前施肥工程2では、第1リン酸カリウムとホウ酸の1回目の葉面散布6及び2回目の葉面散布7を行う。
開花前施肥工程2では、第1リン酸カリウムの1000倍希釈用液及び、ホウ酸の3000倍希釈用液を用いる。また、1回目の葉面散布6は開花前の14〜20日、2回目の葉面散布7は開花前7〜10日のタイミングでそれぞれ行う。
また、開花前施肥工程2では、過リン酸石灰の1回目の土壌施肥8及び2回目の土壌施肥9を行う。過リン酸石灰は、10a(1,000m)の面積の畑に対して、1回に約20kg使用する。
開花前施肥工程2では、リン酸を付与することで、枝の徒長を防ぎ、植物体内に炭水化物を蓄積しやすくすることができる。リン酸は、芽や根の先端に移動して細胞の増加に寄与し、その後の生長を良好にする。
また、開花前施肥工程2では、カリウムを付与することで、葉の光合成能力を高めることができる。また、根の発育と細胞内の浸透圧調節にも寄与するものとなる。
また、開花前施肥工程2では、ホウ酸を付与することで、枝葉の徒長を抑えて固くし、実止まりを生じやすくさせることができる。ホウ酸は、細胞分裂を促進し、細胞壁を強くする役割を果たしている。また、ホウ酸は、リン酸の働きで作られた炭水化物の植物体内での移動を促す役割を果たしている。
更に、開花前施肥工程2では、過リン酸石灰を付与することで、窒素分の吸収を抑えて実止まりを生じやすくし、単為結果を防ぐことができる。過リン酸石灰は、水溶性リン酸を多く含有することで、速効性を有している。その肥効は、施肥後の約1〜2週間の間に効力が生じ、開花前の実止まりに必要なリン酸を植物体に効率よく吸収させるものとなっている。
(開花後施肥工程)
開花前施肥工程3は、実止まり決定後に、実止まり後の果実を肥大させるために行う追肥の期間となる。開花後施肥工程3では、硫酸アンモニウムの施肥10と、有機質配合肥料の施肥11を行う。
硫酸アンモニウム10の施肥は、開花後7〜15日後の期間に、10aの面積の畑に対して、約10kgを土壌に施肥する。なお、この期間は、巨峰の果実の第1肥大期中の期間である。
また、有機質配合肥料の施肥11では、硫酸アンモニウム10の施肥後で、開花と硬核期の間の6月上旬に、10aの面積の畑に対して、約20kgを土壌に施肥する。なお、この時期は、巨峰の果実の第2肥大期16の初期である。
有機質配合肥料は、有機質成分として、植物油かす類、骨粉質類を含んでいる。植物油かす類としては、例えば、なたね油かすや大豆油かすが挙げられる。また、骨粉質類としては、例えば、豚や鳥類の肉骨粉、魚粉類、魚かす粉末が挙げられる。
また、有機質配合肥料は、無機質成分として、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム及び化成肥料を含んでいる。化成肥料とは、無機質肥料を複合した肥料であり、成分中に窒素、リン酸、カリウムの三成分のうち、いずれか二成分以上を含有する肥料を意味する。
更に、有機質配合肥料を詳細に述べると、全肥料中に質量パーセント濃度で、約9%の窒素、約8%のリン酸、及び約8%のカリウムが含まれている。また、全肥料中で約40%が有機質成分となっている。
開花後施肥工程3では、硫酸アンモニウムの施肥10を行うことで、植物体の根から充分な量の窒素を施用吸収させることが可能となる。また、速効性のある肥効で、枝葉や第1肥大期12及び第2肥大期16の果実の生長を促進させることができる。施肥後の約20日間程度の効力を有し、開花後の果実の第1肥大期12に該当する時期に効き目を生じる肥料となっている。
また、開花後施肥工程3では、有機質配合肥料の施肥11を行うことで、着色期後の最も果実が肥大する第3肥大期17に、有機質成分により、充分な肥効を生じさせることが可能となる。即ち、土壌微生物の働きにより有機体窒素が分解され、アンモニア態窒素、硝酸態窒素へと変化し、第3肥大期17の時期に吸収されるものとなる。また、その肥効は、施肥日から約30日後に効力が生じ、約70日後まで継続的に効力が生じるものとなっている。
また、穏やかに効力を生じるため、栄養成分が過剰となりにくく、生長が樹勢側に偏らず、果実の適度な生長を維持しやすいものとなっている。
また、有機質配合肥料の施肥11により、施肥後の果実の第2肥大期の生長にも効力を生じさせることができる。即ち、成分の内、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム及び化成肥料が速効性のある肥効を有するため、第2肥大期においても、果実の肥大を促進させることができるものとなっている。
ここで、有機質配合肥料の成分は詳細に限定されるものではなく、遅効性を有し、果実の第3肥大期17の期間に、充分な効力が生じるものであればよい。
(着色期後施肥工程及び灌水工程)
着色期後施肥工程4は、着色期に入った巨峰の生長を促し、適切な水分を与える期間となる。着色期後施肥工程4では、第1リン酸カルシウムとホウ酸の1回目の葉面散布13及び2回目の葉面散布14を行う。
着色期後施肥工程4では、第1リン酸カルシウムの1000倍希釈用液及び、ホウ酸の3000倍希釈用液を用いる。また、1回目の葉面散布13と、2回目の葉面散布14の間は約10日の期間を空けたタイミングで行う。
また、灌水工程5では、着色期初期後の約25日間の間に、4〜5日間隔で1回、灌水15を行う。灌水15は、10aの面積の畑に対して、スプリンクラーを用いて、約2時間程度の散水を行う。
着色期後施肥工程4では、リン酸を付与することで、枝の徒長を防ぎ、植物体内に炭水化物の蓄積量を増加させることができる。リン酸は、芽や根の先端に移動して細胞の増加に寄与し、その後の生長を良好にする。
また、着色期後施肥工程4では、カルシウムを付与することで、細胞膜の形成を促進し、細根の発生しやすくすることができる。
また、着色期後施肥工程4では、ホウ酸を付与することで、枝葉の徒長を抑えて固くし、樹勢を落ち着かせて適度に維持することができる。ホウ酸は、細胞分裂を促進し、細胞壁を強くする役割を果たしている。
灌水工程5では、灌水15を行うことで、果実の第3肥大期17における植物体の生長に充分な水分を与えることができる。また、この時期には、有機質配合肥料の肥効が生じ、リン酸等の吸収が盛んな状態での水分の吸収となるので、より一層果実が肥大しやすいものとすることができる。
以上で説明した巨峰の栽培方法では、巨峰の果実が肥大する期間に適切な肥効が生じるため、果実を充分に肥大化させることが可能となっている。本方法によれば、巨峰の収穫時の果実は、1粒の重量が20g以上の大きさになる。これは1房に500円玉硬貨よりも大きな果実がなった状態となる。これがまさに4倍体ぶどうと思われる。
また、露地栽培でも、気候条件が揃えば、全収穫量の70%から90%の巨峰を、その果実が通常よりも肥大したものとすることができる。
また、樹勢や枝葉の生長も適切に維持でき、有核の品種であるため、果実が肥大化しても、糖度の低下が見られず、高い品質を保つことができる。なお、参考までに、本発明を適用した栽培方法で栽培した巨峰の写真を参考図に掲載する。
また、有機質配合肥料の緩やかな肥効により、果実が肥大化しても、脱粒が早く生じにくいという利点も有している。また、巨峰の一房が大きいため、出荷時の箱詰め作業が容易にすることができる。
以上のように、本発明に巨峰の栽培方法は、充分に肥大しかつ高品質な果実が栽培可能な方法となっている。
また、本発明の巨峰は、充分に肥大しかつ高品質な果実を有するものとなっている。
1 栽培方法
2 開花前施肥工程
3 開花後施肥工程
4 着色期後施肥工程
5 灌水工程
6 1回目の葉面散布
7 2回目の葉面散布
8 1回目の土壌施肥
9 2回目の土壌施肥
10 硫酸アンモニウムの施肥
11 有機質配合肥料の施肥
12 第1肥大期
13 1回目の葉面散布
14 2回目の葉面散布
15 灌水
16 第2肥大期
17 第3肥大期

Claims (5)

  1. 5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に第一リン酸カリウム、ホウ酸、及び過リン酸石灰を施肥する第1の施肥工程と、
    実止まり決定後に硫酸アンモニウムを施肥する第2の施肥工程と、
    該第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥する第3の施肥工程と、
    7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に第一リン酸カルシウム及びホウ酸を施肥し、灌水を行う第4の施肥工程とを備える
    巨峰の栽培方法。
  2. 前記有機質配合肥料は少なくとも植物油かす類、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、化成肥料及び骨粉質類を含む
    請求項1に記載の巨峰の栽培方法。
  3. 前記第4の施肥工程は4〜5日間隔で灌水を行う
    請求項1または請求項2に記載の巨峰の栽培方法。
  4. 前記第4の施肥工程は期間中に2回の施肥を行い、1回目と2回目の間に10日の間隔を設けた
    請求項1、請求項2または請求項3に記載の巨峰の栽培方法。
  5. 5月上旬の開花期前から5月下旬の開花期の間に第一リン酸カリウム、ホウ酸、及び過リン酸石灰を施肥する第1の施肥工程と、実止まり決定後に硫酸アンモニウムを施肥する第2の施肥工程と、該第2の施肥工程の後の6月上旬に有機質配合肥料を施肥する第3の施肥工程と、7月上旬の着色期初期から7月下旬の間に第一リン酸カルシウム及びホウ酸を施肥すると共に、灌水を行う第4の施肥工程とを有する栽培方法で栽培し、
    巨峰一房の中の少なくとも一部に、1粒の重量が20g以上である果実を有する
    巨峰。
JP2014105896A 2014-05-22 2014-05-22 巨峰の栽培方法及び巨峰 Active JP5743007B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105896A JP5743007B1 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 巨峰の栽培方法及び巨峰

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105896A JP5743007B1 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 巨峰の栽培方法及び巨峰

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5743007B1 true JP5743007B1 (ja) 2015-07-01
JP2015221000A JP2015221000A (ja) 2015-12-10

Family

ID=53537053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014105896A Active JP5743007B1 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 巨峰の栽培方法及び巨峰

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5743007B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109479609A (zh) * 2019-01-07 2019-03-19 芜湖南农园艺研究所有限公司 一种葡萄施肥方法
CN114617021A (zh) * 2022-04-08 2022-06-14 新疆农垦科学院 日光温室夏黑葡萄两控一促二次结果栽培方法
CN114946503A (zh) * 2022-06-14 2022-08-30 重庆德孝农业科技有限公司 一种优质李子的调控种植方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109479609A (zh) * 2019-01-07 2019-03-19 芜湖南农园艺研究所有限公司 一种葡萄施肥方法
CN114617021A (zh) * 2022-04-08 2022-06-14 新疆农垦科学院 日光温室夏黑葡萄两控一促二次结果栽培方法
CN114617021B (zh) * 2022-04-08 2023-11-14 新疆农垦科学院 日光温室夏黑葡萄两控一促二次结果栽培方法
CN114946503A (zh) * 2022-06-14 2022-08-30 重庆德孝农业科技有限公司 一种优质李子的调控种植方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015221000A (ja) 2015-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pariari et al. Integrated nutrient management of chilli (Capsicum annuum L.) in Gangetic alluvial plains
CN106942008A (zh) 夏黑葡萄一年两收的栽培方法
CN104012357A (zh) 一种沙田蜜柚栽植方法
CN104170572A (zh) 红提葡萄施肥方法
CN105815071B (zh) 一种香叶天竺葵的栽培方法
CN108668666A (zh) 桃树的种植方法
Manna et al. Impact of biozyme on growth, yield and quality of chilli (Capsicum annuum L.)
Bhoyar et al. Effect of foliar spray of zinc, iron and boron on the growth, yield and sensory characters of guava (Psidium guajava L.) Cv. Sardar L-49
Singh et al. Effect of organic manures and inorganic fertilizers on growth and flower yield of marigold (Tagetes erecta L.) var. Pusa Narangi Gainda
JP5743007B1 (ja) 巨峰の栽培方法及び巨峰
CA2804600C (en) Methods for improving bud break
CN104521575A (zh) 一种桃子嫁接育苗种植方法
CN103936511A (zh) 油菜专用天然叶面肥
CN103053371A (zh) 无花果树高产的栽培技术
Anand et al. Pre-mature fruit drop and coffee production in India: a review
Monish et al. Effect of nitrogen and phosphorus levels on growth, flowering and yield of China aster
CN104641869A (zh) 一种番茄增产的栽培方法
CN110720343B (zh) 一种促进莲雾花芽分化的栽培方法
Ghimire et al. Effects of organic manures and their combination with urea on sweet pepper production in the mid-hills.
Jordan et al. The effect of autumn N supply on the architecture of young peach (Prunus persica L.) trees
Polara et al. Effect of nitrogen and phosphorus nutrition on growth, flowering, flower yield and chlorophyll content of different varieties of African marigold (Tagetes erecta L.)
Rathore et al. Optimization of nitrogen application and irrigation for improved growth and spike production of tuberose (Polianthes tuberosa Lin.)
Sarkar et al. Effect of cutting frequencies and nitrogen levels on growth, green and seed yield and quality of water spinach (Ipomoea reptans Poir.)
Barad et al. Effect of nitrogen levels and cuttings (main and ratoon) on golden rod (Solidago canadensis L.) during summer and rainy season planting
Chauhan et al. Effect of salinity levels and plant spacing on growth and flowering behaviour of marigold

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5743007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250