JP5729584B2 - 車両用反射器及びリフレックスピン - Google Patents

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Description

本発明は、車両用反射器及びリフレックスピンに係り、特に第1反射面〜第3反射面それぞれの傾斜角度を設定するだけで、従来と同等以上の観測角方向の光度を得ることが可能な車両用反射器及び当該車両用反射器の形成に用いられるリフレックスピンに関する。
従来、車両用反射器の分野においては、観測角方向の光度を高めることが求められており、この要求に応えるものとして、例えば、特許文献1に記載のものが提案されている。
特許文献1に記載の車両用反射器210は、図13に示すように、基準軸AXに対し平行に入射する入射光線Ray0を観測角θ方向に再帰反射する複数の再帰反射素子211を含んでいる。
複数の再帰反射素子211はそれぞれ、略立方体の角部を形成するように隣接配置された第1反射面1、第2反射面2及び第3反射面3を備えている(図14、図15参照)。反射面1〜3はそれぞれ、基準軸AXに対し同一傾斜角度傾斜し(図14参照)、かつ、第2反射面2、第3反射面3はそれぞれ基準軸AXを中心に同一回転角度(120°+β=120°6′、120°+γ=120°6′)回転した位置に配置されている(図15参照)。
上記構成の車両用反射器210においては、図13(a)に示すように、光源230から照射された基準軸AXに対し平行な光線Ray0は、複数の再帰反射素子211(第1〜第3反射面1〜3)に入射し、当該複数の再帰反射素子211(第1〜第3反射面1〜3)の作用により、観測角θ方向に反射される。この観測角θ方向に反射される反射光Ray1〜Ray3は、最上部のポイントP1及びこのポイントP1の下方両側のポイントP2、P3にそれぞれ集光する(図13(b)、図16参照)ため、観測角θ方向の光度を向上させることが可能となる。
特許第3340640号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用反射器210においては、観測角θ方向の光度が向上するものの、基準軸AXに対する第1反射面〜第3反射面それぞれの傾斜角度だけでなく、第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度β、γをも調整しなければならず、調整項目が増加するとともに製造誤差が増大し、最終製品の品質に影響を与えてしまう、という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度β、γを調整することなく、第1反射面〜第3反射面それぞれの傾斜角度を設定するだけで、従来と同等以上の観測角方向の光度を実現することが可能な車両用反射器及び当該車両用反射器の形成に用いられるリフレックスピンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入射光線を観測角方向に再帰反射する複数の再帰反射素子を含む車両用反射器において、前記複数の再帰反射素子はそれぞれ、略立方体の角部を形成するように隣接配置された第1反射面、第2反射面及び第3反射面を含んでおり、前記第1反射面は、左右方向面であり、基準軸に対し35.264°+角度α1傾斜しており、前記第2反射面は、下方向面であり、前記基準軸に対し35.264°+角度α2傾斜し、かつ、前記第1反射面から前記基準軸を中心に120°回転した位置に配置されており、前記第3反射面は、上方向面であり、前記基準軸に対し35.264°+角度α3傾斜し、かつ、前記第1反射面から前記基準軸を中心に前記第2反射面とは反対方向に120°回転した位置に配置されており、前記角度α1、角度α2、角度α3は、−α1=α2=α3又は−α1≒α2=α3(但し、α1とα2の差は±0.002°の範囲以内)の関係を満たすように設定されており、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部は、それぞれ、外形が正面視で六角形であり、前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面は、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部それぞれにおいて、同一の位置関係となるように配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、基準軸を中心とする第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度が120°に設定されているため、従来必要とされていた第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度β、γを調整することなく、−α1=α2=α3(又は−α1≒α2=α3)の関係を満たすように実質的に3つのパラメータ(α1、α2、α3)を設定するだけで、従来と同等以上の観測角方向の光度を実現することが可能となる。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、従来必要とされていた第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度β、γの調整が不要となる分、調整項目が減少し製造誤差を抑えることが可能となるため、最終製品の品質に影響を与えるのを防止(又は低減)することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、入射光線を観測角方向に再帰反射する複数の再帰反射素子を形成するために用いられる先端部を含むリフレックスピンにおいて、前記先端部は、略立方体の角部を形成するように隣接配置された第1傾斜面、第2傾斜面及び第3傾斜面を含んでおり、前記第1傾斜面は、前記再帰反射素子の左右方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α4傾斜しており、前記第2傾斜面は、前記再帰反射素子の下方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α5傾斜し、かつ、前記第1傾斜面から前記リフレックスピンの中心軸を中心に120°回転した位置に配置されており、前記第3傾斜面は、前記再帰反射素子の上方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α6傾斜し、かつ、前記第1傾斜面から前記リフレックスピンの中心軸を中心に前記第2傾斜面とは反対方向に120°回転した位置に配置されており、前記角度α4、角度α5、角度α6は、−α4=α5=α6又は−α4≒α5=α6(但し、α4とα5の差は±0.002°の範囲以内)の関係を満たすように設定されており、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部は、それぞれ、外形が正面視で六角形であり、前記第1傾斜面、前記第2傾斜面及び前記第3傾斜面は、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部それぞれにおいて、同一の位置関係となるように配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、リフレックスピンの中心軸を中心とする第2傾斜面、第3傾斜面それぞれの回転角度が120°に設定されているため、従来必要とされていた第2傾斜面、第3傾斜面それぞれの回転角度β、γを調整することなく、−α4=α5=α6(又は−α4≒α5=α6)の関係を満たすように実質的に3つのパラメータ(α4、α5、α6)を設定するだけで、従来と同等以上の観測角方向の光度を実現することが可能な車両用反射器の形成に用いられるリフレックスピンを形成することが可能となる。すなわち、請求項2に記載の発明によれば、従来必要とされていた第2傾斜面、第3傾斜面それぞれの回転角度β、γの調整が不要となる分、調整項目が減少し製造誤差を抑えることが可能となるため、最終製品の品質に影響を与えるのを防止(又は低減)することが可能となる。
本発明によれば、第2反射面、第3反射面それぞれの回転角度β、γを調整することなく、第1反射面〜第3反射面それぞれの傾斜角度を設定するだけで、従来と同等以上の観測角方向の光度を実現することが可能な車両用反射器及び当該車両用反射器の形成に用いられるリフレックスピンを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態である車両用反射器10の斜視図(背面側)である。 図1に示した車両用反射器10の成形に用いられるリフレックスピン20の斜視図である。 図1に示した車両用反射器10(再帰反射要素11)の一部拡大図である。 基準軸AX1に対する面11a〜11cの傾斜角度を説明するための図である。 面11aに対する面11b、11cの回転角度を説明するための図である。 (a)車両用反射器10、光源30、垂直スクリーンS等の配置を説明するための図、(b)反射光R1〜R3が集光するポイントP1〜P3を説明するための図である。 反射光R1〜R3が集光するポイントP1〜P3を説明するための図である。 角度α1〜α3ごとに、レンズ中心光線Ray1と基準軸AX1との間の角度θ、レンズ左右光線Ray2、3と基準軸AX1との間の角度θ23をまとめた表である。 縦軸が基準軸AXに対する角度、横軸が−α1(=α2=α3)である座標系に、図8の測定結果をプロットしたグラフである。 車両用反射器10、比較例1〜3それぞれの測定ポイント10U-V,H-20L,H-V,H-20R,10D-Vにおける光度、測定ポイントH-Vに対する測定ポイント10U-V,H-20L,H-20R,10D-Vの相対強度、車両用反射器10/比較例1〜3をまとめた表である。 車両用反射器10、比較例1〜3それぞれの測定ポイント10U-V,5U-20L,5U-20R,H-V,5D-20L,5D-20R,10D-Vにおける光度、測定ポイントH-Vに対する測定ポイント10U-V,5U-20L,5U-20R,5D-20L,5D-20R,10D-Vの相対強度、車両用反射器10/比較例1〜3をまとめた表である。 リフレックスピン20の斜視図である。 (a)従来の車両用反射器210、光源230、垂直スクリーンS等の配置を説明するための図、(b)反射光R1〜R3が集光するポイントP1〜P3を説明するための図である。 従来の車両用反射器に形成された再帰反射素子の構成を説明するための図である。 従来の車両用反射器に形成された再帰反射素子の構成を説明するための図である。 従来の車両用反射器(再帰反射素子)により、基準軸AXに対して斜め上方に向かう反射光が集光するポイントP1〜P3を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態である車両用反射器について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の車両用反射器10は、自動車や二輪車等の車両に装着されるいわゆるリフレックスリフレクタである。図1に示すように、周囲車両等からの照射光が入射する表面、その反対側の裏面、当該裏面に図2に示すような複数のリフレックスピン20(先端部21)により定義される複数の再帰反射要素11等を備えている。車両用反射器10は、一般的なリフレックスリフレクタと同様、アクリルやポリカーボネイト等の光透過性材料により形成されている。
[再帰反射要素]
再帰反射要素11は、図1、図3に示すように、左右方向面11a(本発明の第1反射面に相当)、鉛直方向下側に配置される下方向面11b(本発明の第2反射面に相当)及び鉛直方向上側に配置される上方向面11c(本発明の第3反射面に相当)を含んでいる。各面11a〜11cは、略立方体の角部(コーナーキューブ部ともいう)を形成するように隣接配置されている(図1参照)。
図4に示すように、左右方向面11aは、基準軸AX1(回転軸ともいう)に対し第1傾斜角度35.264°+角度α1傾斜している。下方向面11bは、基準軸AX1に対し第2傾斜角度35.264°+角度α2傾斜し(図4参照)、かつ、左右方向面11aから基準軸AX1を中心に下方向回転角度120°回転した位置に配置されている(図5参照)。上方向面11cは、基準軸AX1に対し第3傾斜角度35.264°+角度α3傾斜し(図4参照)、かつ、左右方向面11aから基準軸AX1を中心に下方向面11bとは反対方向に上方向回転角度120°回転した位置に配置されている(図5参照)。
図6(a)に示すように、光源30から照射された基準軸AX1に対し平行な光線Ray0は、再帰反射要素11(各面11a〜11c)に入射し、当該再帰反射要素11(各面11a〜11c)の作用により、各面11a〜11cの領域11a1〜11c2(図3参照)に対応する方向、すなわち、基準軸AX1に対し斜め上方の3方向(観測角方向)と、基準軸AX1に対し斜め下方の3方向と、の合計6方向に反射される。
観測角方向に反射される反射光Ray1〜Ray3は、最上部のポイントP1及びこのポイントP1の下方両側のポイントP2、P3にそれぞれ集光する(図6(b)、図7参照)。一方、基準軸AX1に対し斜め下方の3方向に反射される反射光は、最下部のポイントP4及びこの上方両側のポイントP5、P6にそれぞれ集光する(図6(b)参照)。
本出願の発明者は、図8に示すように、角度α1〜α3ごとに、レンズ中心光線Ray1と基準軸AX1とがなす角度θ、レンズ左右光線Ray2、3と基準軸AX1とがなす角度θ23を測定した結果、次の事実を見出した。
第1に、角度α1〜α3が−α1=α2=α3の関係を満たす場合には、観測角方向に反射される反射光Ray1〜Ray3が、光源30から前方(例えば30.5m離れた位置)に配置された垂直スクリーンS(図6(a)参照)上において、最上部のポイントP1及びこのポイントP1を中心とする半径Rの円内(角度に換算すると0.01°以下。さらに、α1とα2、α3を微調整すれば±0.001°以下)のポイントP2、P3にそれぞれ集光すること(図7参照)。すなわち、角度α1〜α3が−α1=α2=α3の関係を満たす場合には、任意の拡散角において反射光Ray1〜Ray3を上下の中心軸上に重ね合わせることが可能であり、その重ね合わせ位置での光線の強さを3倍にすることが可能となること(図6(b)、図7参照)。
第2に、−α1=α2=α3の関係を満たす場合には、ポイントP1〜P3は完全には重ならない(観測角0〜1.5°の間で最大0.005°ずれる)が、角度α1〜α3を微調整(〜±0.002°の範囲で)し、−α1≒α2=α3の関係を満たすことで、ポイントP1〜P3をほぼ完全に重ね合わせることが可能となること。
第3に、角度α1〜α3が−α1=α2=α3の関係を満たす場合には、角度α1〜α3と平均θ(θとθ23の平均)との間に比例関係があること(図8、図9参照)。従って、図9の関係を用いれば、目的の観測角方向の光度を向上させるための角度条件α1〜α3を直ちに求めることが可能であること。
図10は、観測角0.02°方向の光度を向上させるため、上記知見に基づき、−α1=α2=α3=0.06°の関係を満たすように、車両用反射器10の角度α1、角度α2、角度α3を設定した例である(図8、図9参照)。図10中、車両用反射器10の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.264°+角度α1、35.264°+角度α2、35.264°+角度α3、120°、120°に設定されている。
図10中、比較例1の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.284°、35.284°、35.284°、120.048°、120.048°に設定されている。
図10中、比較例2の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.293°、35.293°、35.293°、120.0°、120.0°に設定されている。
図10を参照すると、全ての測定ポイントにおいて車両用反射器10/比較例1〜2が100%以上であること、すなわち、観測角が0.2°の場合には、−α1=α2=α3の条件を満たすことで、比較例1〜2を上回る効率のよい車両用反射器10を構成することが可能となることが分かる。
図11は、観測角0.33°方向の光度を向上させるため、上記知見に基づき、−α1=α2=α3=0.096°の関係を満たすように、車両用反射器10の角度α1、角度α2、角度α3を設定した例である(図8、図9参照)。図11中、車両用反射器10の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.264°+角度α1、35.264°+角度α2、35.264°+角度α3、120°、120°に設定されている。
図11中、比較例1の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.296°、35.296°、35.296°、120.078°、120.078°に設定されている。
図11中、比較例2の第1傾斜角度、第2傾斜角度、第3傾斜角度、下方向回転角度、上方向回転角度はそれぞれ、35.312°、35.312°、35.312°、120.0°、120.0°に設定されている。
図11を参照すると、全ての測定ポイントにおいて車両用反射器10/比較例1〜2が約100%又はそれ以上であること、すなわち、観測角が0.33°の場合には、−α1=α2=α3の条件を満たすことで、比較例1〜2と同等以上の効率の車両用反射器10を構成することが可能となることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の車両用反射器10によれば、基準軸AXを中心とする下方向面11b(本発明の第2反射面に相当)、上方向面11c(本発明の第3反射面に相当)それぞれの回転角度が120°に設定されているため、従来必要とされていた下方向面11b、上方向面11cそれぞれの回転角度β、γを調整することなく、−α1=α2=α3(又は−α1≒α2=α3)の関係を満たすように実質的に3つのパラメータ(α1、α2、α3)を設定するだけで、観測角(例えば0.2°、0.33°)方向の光度を従来と同等以上に向上させることが可能となる(図10、図11)。すなわち、本実施形態の車両用反射器10によれば、従来必要とされていた下方向面11b、上方向面11cそれぞれの回転角度β、γの調整が不要となる分、調整項目が減少し製造誤差を抑えることが可能となるため、最終製品の品質に影響を与えるのを防止(又は低減)することが可能となる。
すなわち、3つの角度α1〜α3の調整のみで理想的な拡散角を持つ車両用反射器10を製作することが可能であるため、通常の車両用反射器と同じ製造工程で作成することが可能となる。また、5つのパラメータを調整しなければならない従来と比べ、安価に製造することが可能となる。
なお、車両用反射器の規格(ECE0.33°、SAE0.2°)に適合させる場合には、加工精度が0.012°以下であれば、通常の反射器と比較して確実に約3倍の光度UPを実現することが可能となる(従来は1/1000°程度の精度が必要であった)。
また、車両用反射器のSAE規格適合性においては、H-20L/H-20Rの光度低下率が通常の反射器よりも少ない(通常70%低下に対し60%低下)ため、製品の規格適合性を向上させることが可能となる。
なお、実際の車両用反射器10の性能として、拡散角を左右方向に調整したい場合には、各面11a〜11cの角度α1〜α3はそのままで、基準軸AX1を中心に各面11a〜11cを回転させることで調整することが可能である。これは、3つの光線Ray1〜Ray3を重ねた状態のまま、集光位置を回転させることで、規格への対応を行うことを意味する。
これにより、上下方向だけでなく左右方向も含めて任意の規格位置に光度の高い光線を反射させることが可能となる。また、車両用反射器10の必要面積の削減が可能となる。
[リフレックスピン]
次に、上記再帰反射要素11の成形に用いられるリフレックスピン20について説明する。
リフレックスピン20は、図12に示すように、その先端部21に形成された左右方向面21a(本発明の第1傾斜面に相当)、下方向面21b(本発明の第2傾斜面に相当)及び上方向面21c(本発明の第3傾斜面に相当)を含んでいる。各面21a〜21cは、略立方体の角部(コーナーキューブ部ともいう)を形成するように隣接配置されている(図12参照)。
図12に示すように、左右方向面21aは、リフレックスピン20の長手方向に延びる中心軸AX2に対し35.264°+第1傾斜角度α4傾斜している。下方向面21bは中心軸AX2に対し35.264°+第2傾斜角度α5傾斜し、かつ、基準面(左右方向面21a)から中心軸AX2を中心に第1回転角度120°回転した位置に配置されている。下方向面21bは中心軸AX2に対して35.264°+第3傾斜角度α6傾斜し、かつ、基準面(左右方向面21a)から中心軸AX2を中心に下方向面21bとは反対方向に第2回転角度120°回転した位置に配置されている。各角度α4〜α5は、上記知見に基づき、−α4=α5=α6(又は−α4≒α5=α6)の関係を満たすように設定されている。
図12は、各面21a〜21cそれぞれを略正方形に形成し、中心軸AX2に垂直な断面形状が六角形のリフレックスピン20を構成した例である。このリフレックスピン20は、例えば、図2に示すように組み合わされ、図1に示すように複数の再帰反射要素11が配置された車両用反射器10の成形に用いられる。
以上説明したように、本実施形態のリフレックスピン20によれば、リフレックスピンの中心軸AX2を中心とする下方向面21b(本発明の第2傾斜面に相当)、上方向面21c(本発明の第3傾斜面に相当)それぞれの回転角度が120°に設定されているため、従来必要とされていた下方向面21b、上方向面21cそれぞれの回転角度β、γを調整することなく、−α4=α5=α6(又は−α4≒α5=α6)の関係を満たすように実質的に3つのパラメータ(α4、α5、α6)を調整するだけで、観測角(例えば0.2°、0.33°)方向の光度を従来と同等以上に向上させることが可能な車両用反射器10の形成に用いられるリフレックスピンを形成することが可能となる。すなわち、本実施形態のリフレックスピン20によれば、従来必要とされていた下方向面21b、上方向面21cそれぞれの回転角度β、γの調整が不要となる分、調整項目が減少し製造誤差を抑えることが可能となるため、最終製品の品質に影響を与えるのを防止(又は低減)することが可能となる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
10…車両用反射器、11…再帰反射要素11a…左右方向面、11b…下方向面、11c…上方向面、20…リフレックスピン、21a…左右方向面、21b…下方向面、21c…上方向面

Claims (2)

  1. 入射光線を観測角方向に再帰反射する複数の再帰反射素子を含む車両用反射器において、
    前記複数の再帰反射素子はそれぞれ、略立方体の角部を形成するように隣接配置された第1反射面、第2反射面及び第3反射面を含んでおり、
    前記第1反射面は、左右方向面であり、基準軸に対し35.264°+角度α1傾斜しており、
    前記第2反射面は、下方向面であり、前記基準軸に対し35.264°+角度α2傾斜し、かつ、前記第1反射面から前記基準軸を中心に120°回転した位置に配置されており、
    前記第3反射面は、上方向面であり、前記基準軸に対し35.264°+角度α3傾斜し、かつ、前記第1反射面から前記基準軸を中心に前記第2反射面とは反対方向に120°回転した位置に配置されており、
    前記角度α1、角度α2、角度α3は、−α1=α2=α3又は−α1≒α2=α3(但し、α1とα2の差は±0.002°の範囲以内)の関係を満たすように設定されており、
    前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部は、それぞれ、外形が正面視で六角形であり、
    前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面は、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部それぞれにおいて、同一の位置関係となるように配置されていることを特徴とする車両用反射器。
  2. 入射光線を観測角方向に再帰反射する複数の再帰反射素子を形成するために用いられる先端部を含むリフレックスピンにおいて、
    前記先端部は、略立方体の角部を形成するように隣接配置された第1傾斜面、第2傾斜面及び第3傾斜面を含んでおり、
    前記第1傾斜面は、前記再帰反射素子の左右方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α4傾斜しており、
    前記第2傾斜面は、前記再帰反射素子の下方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α5傾斜し、かつ、前記第1傾斜面から前記リフレックスピンの中心軸を中心に120°回転した位置に配置されており、
    前記第3傾斜面は、前記再帰反射素子の上方向面を形成する傾斜面であって、前記リフレックスピンの中心軸に対し35.264°+角度α6傾斜し、かつ、前記第1傾斜面から前記リフレックスピンの中心軸を中心に前記第2傾斜面とは反対方向に120°回転した位置に配置されており、
    前記角度α4、角度α5、角度α6は、−α4=α5=α6又は−α4≒α5=α6(但し、α4とα5の差は±0.002°の範囲以内)の関係を満たすように設定されており、
    前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部は、それぞれ、外形が正面視で六角形であり、
    前記第1傾斜面、前記第2傾斜面及び前記第3傾斜面は、前記複数の再帰反射素子の前記略立方体の角部それぞれにおいて、同一の位置関係となるように配置されていることを特徴とするリフレックスピン。
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