JP5729332B2 - 多成分ガス測定システム及び測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、環境負荷ガス中の分子種をモニタリングする測定システム及び測定方法に関する。
近年、環境負荷ガスの大気中への放出が大きな社会問題となっており、法規制も年々厳しくなっている。特に、工場から排出される排ガスや車の排ガス等への環境に関する取り組みは重要となっている。これらの排ガス中に含まれる環境負荷ガスの低減などの対策を行う上で重要なことは、排ガスに含まれる多種類の環境負荷ガスの発生挙動を正確且つ迅速に測定することである。そこで、多成分ガスの各成分を秒単位でリアルタイムに測定するための有効な方法が求められている。
一般に、大気中の環境負荷ガスの成分とされる有機化合物の検出や同定には、質量分析(MS)法が用いられることが多い。質量分析法は、原子、分子等を何らかの方法でイオン化し、イオン化した原子、分子等を、真空中に飛行させ電磁気力により質量電荷比(m/z)ごとに分離して質量スペクトルを記録するものである。さらに、ガスクロマトグラフと質量分析装置とを直結したガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)法が有機化合物の測定法として一般的に用いられている。GC/MS法は、大気中の環境負荷分子を高感度に検出することができる。しかし、GC/MS法は、測定に長時間を要するため、予期なく有害分子が発生したときに、有害分子を迅速に検出することが困難である。また、有害分子をクロマトグラフで分離するのに時間が掛かるため、有害分子を、秒単位でリアルタイムに測定することができない。
さらにまた、レーザーと質量分析装置とを組み合わせたレーザーイオン化質量分析装置を使ったものとして、共鳴多光子イオン化(REMPI:Resonance Enhanced Multi Photon Ionization)法を用いたMS法(REMPI-MS法)や、一光子イオン化(SPI:Single Photon Ionization)法を用いたMS法(SPI-MS法)等により、多成分ガスの各成分を、リアルタイムで測定することの報告例がある。
REMPI-MS法では、熱分解時に発生するダイオキシン類の前駆体であるクロロベンゼン等の分子の測定を高感度に行うことが可能であると共に、異性体の識別も可能であるとの報告がなされている(特許文献1を参照)。しかし、REMPI-MS法では、一度の測定で単一の種類の分子しか測定できない。一方、SPI-MS法では、複数の分子を同時に測定することが可能である(非特許文献1を参照)。ただし、これらのレーザーイオン化質量分析装置は、COやCO2、分子量の小さい炭化水素といった分子の測定には不向きである。そこで、これらの分子をリアルタイムでモニタリングするために、FT-IR(フーリエ変換赤外分光)法を利用することが考えられる。しかし、FT-IR法では、測定の対象となる分子の分子量が大きくなると、ベンゼン等の限られた芳香族分子を測定することが可能であっても、感度が低く、測定する分子の種類が複数である場合には、それらを識別することが出来ないことが多い。このため、FT-IR法では、複数種類の分子を同時に測定することは困難である。
FT-IR法、SPI-MS法のそれぞれが測定の対象とすることができる種類の分子だけをリアルタイムでモニタリングするだけでは、自動車や工場から排出される排ガス中に含まれる分子を、正確にモニタリングするには十分ではない。そのため、さらに広範囲な種類の分子をリアルタイムで測定する技術が求められていたが、そのような技術はこれまで存在しなかった。測定のために連続して採取している排ガスの成分組成は刻々変化する。複数の成分を測定するため、採取したガスを2種類以上の装置に導入しても、それぞれの装置のガス吸引量は一定ではなく測定条件により変化する。このため、ガスを採取した後、そのガスが、それぞれの装置に到達するまでの時間は装置毎に異なる。よって、それぞれの装置毎に一定の時間差をつけて測定しても、同一の時間に発生したガスの成分を測定したことにはならない。
以上のように、秒単位のリアルタイム性を持たせながらも、多種類の分子を同時に且つ高感度に測定することが出来るガス測定方法が求められていた。
特許第3626940号公報 特開2003−022777号公報
N. Kanno and K. Tonokura., Appl. Spectrosc., 61 (8), (2007) pp. 896-902
以上のような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、多成分ガス中の各分子種を正確に測定できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多成分ガス測定システムは、ガスに含まれる分子種の質量スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の検出強度と測定経過時間との関係を示すMS時間分解スペクトルを測定する質量分析装置と、ガスに含まれる分子種の赤外吸収スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の吸収強度と測定経過時間との関係を示すIR時間分解スペクトルを測定する赤外分光装置と、前記質量分析装置と、前記赤外分光装置に向けてキャリアガスを配管に送出するキャリアガス送出部と、測定対象ガスを発生させて前記キャリアガスの流れに導入する測定対象ガス発生部と、前記測定対象ガスに含まれる分子種とは異なる特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入する基準ガス導入部と、を備え、前記基準ガス導入部は、前記特定の分子の濃度の時間変化がスパイク状となるように、当該特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入し、前記質量分析装置は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のMS時間分解スペクトルを測定し、前記赤外分光装置は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のIR時間分解スペクトルを測定し、記特定の分子のスペクトルのピークの位置を基準とした時間に、前記MS時間分解スペクトル前記IR時間分解スペクトルの時間軸を一致させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定システムの一態様例では、特定の分子は、炭素数が3つ又は4つの不飽和炭化水素であることを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定システムの一態様例では、前記キャリアガス送出部と前記測定対象ガス発生部とを結ぶ配管と、前記測定対象ガス発生部と前記基準ガス導入部とを結ぶ配管と、前記基準ガス導入部と、前記質量分析装置及び前記赤外分光装置とを結ぶ配管と、を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定システムの一態様例では、前記キャリアガス送出部と前記基準ガス導入部とを結ぶ配管と、前記配管と前記測定対象ガス発生部と結ぶ配管と、前記基準ガス導入部と、前記質量分析装置及び前記赤外分光装置とを結ぶ配管と、を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定システムの一態様例では、前記質量分析装置は、SPI-MS(一光子イオン化質量分析)装置であり、前記赤外分光装置は、FT-IR(フーリエ変換赤外分光)装置であることを特徴とする。
本発明の多成分ガス測定方法は、ガスに含まれる分子種の質量スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の検出強度と測定経過時間との関係を示すMS時間分解スペクトルを測定することを質量分析装置により行う質量分析工程と、ガスに含まれる分子種の赤外吸収スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の吸収強度と測定経過時間との関係を示すIR時間分解スペクトルを測定することを赤外分光装置により行う赤外分光工程と、を有する多成分ガス測定方法であって、前記質量分析装置と、前記赤外分光装置に向けてキャリアガスを配管に送出するキャリアガス送出工程と、測定対象ガスを発生させて前記キャリアガスの流れに導入する測定対象ガス発生工程と、前記測定対象ガスに含まれる分子種とは異なる特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入する基準ガス導入工程と、を有し、前記基準ガス導入工程は、前記特定の分子の濃度の時間変化がスパイク状となるように、当該特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入し、前記質量分析工程は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のMS時間分解スペクトルを測定し、前記赤外分光工程は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のIR時間分解スペクトルを測定し、記特定の分子のスペクトルのピークの位置を基準とした時間に、前記MS時間分解スペクトル前記IR時間分解スペクトルの時間軸を一致させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定方法の一態様例では、特定の分子は、炭素数が3つから4つの不飽和炭化水素であることを特徴とする。
また、本発明の多成分ガス測定方法の一態様例では、前記質量分析装置は、SPI-MS(一光子イオン化質量分析)装置であり、前記赤外分光装置は、FT-IR(フーリエ変換赤外分光)装置であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、熱分解により発生したガスであるCO、CO2といった分子量の小さい分子から、ナフタレン等の多環芳香族分子といった分子量が大きい分子までの多成分からなるガスの各成分を識別して測定することができる。
多成分ガス同時リアルタイム測定システムの構成の一例を示す図である。 多成分ガス同時リアルタイム測定システムの構成の変形例を示す図である。 プロピレンの時間分解スペクトル一例を概念的に示す図である。 SPI-MS装置の概略構成の一例を模式的に示す図である。 直噴型のSPI-MS装置における試料導入部の一例を概念的に示す図である。 プロピレンの時間分解スペクトルの一例を示す図である。 プロピレンとメタンのIR時間分解スペクトルと、プロピレンとトルエンのMS時間分解スペクトルの一例を示す図である。 IR時間分解スペクトルとMS時間分解スペクトルとをプロピレンの位置を揃えて同一の時間軸上に示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の多成分ガス測定システムの一例である多成分ガス同時リアルタイム測定システムの構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の多成分ガス同時リアルタイム測定システムは、キャリアガス送出部11、測定対象ガス発生部12、基準ガス導入部13、SPI-MS装置14、FT-IR装置15、キャリアガス送出部11と測定対象ガス発生部12とを結ぶ配管16、測定対象ガス発生部12と基準ガス導入部13とを結ぶ配管17、基準ガス導入部13とSPI-MS装置14とを結ぶ配管18、基準ガス導入部13とFT-IR装置15とを結ぶ配管19、余剰ガス排出口20、及び基準ガス導入部13と余剰ガス排出口20とを結ぶ配管21を備えて構成される。本実施形態の多成分ガス同時リアルタイム測定システムは、SPI-MS装置14とFT-IR装置15とが同期できる(同じ時刻に発生したガスを測定することができる)システムとなっている。
測定対象ガス発生部12では、熱分解等により測定対象ガスが発生する。
キャリアガス送出部11は、キャリアガスを、任意の混合比にして測定対象ガス発生部12に向かって一定速度で送り出す。
このようにすることによって、キャリアガスと測定対象ガスとが混合する。キャリアガスとして、測定したい反応場に応じたガスを選定することが可能である。具体的にキャリアガス(排気ガス)としては、空気や酸素、Ar等の希ガスが考えられる。
また、図2に示すように、測定対象ガス発生部12で発生した測定対象ガスを配管23で導いて、配管22内のキャリアガスの流れに乗せてもよい。このように、キャリアガス送出部11と測定対象ガス発生部12とを結ぶ配管16と、測定対象ガス発生部12と基準ガス導入部13とを結ぶ配管17の代わりに、キャリアガス送出部11と基準ガス導入部13とを結ぶ配管22と、この配管22から分岐する配管であって、測定対象ガス発生部12と配管22とを結ぶ配管23と、を多成分ガス同時リアルタイム測定システムが備えていてもよい。
図1の説明に戻り、測定対象ガス発生部12の直後(下流側)には、基準ガス導入部13が配置されている。基準ガス導入部13は、例えば、注射器やプッシュ缶、分岐したバルブを開閉させること等、短時間にガスを導入することが出来るガス導入機器で基準ガスを導入する。基準ガス導入部13を過ぎると配管は三手に分岐し、第1の配管19はFT-IR装置15に、第2の配管18はSPI-MS装置14にそれぞれ導かれ、それぞれに、測定対象ガスが含まれたガスが測定用ガスとして送られる。2つの分析装置(SPI-MS装置14、FT-IR装置15)に余剰な量のガスは第3の配管21を通じて余剰ガス排出口20へ送られる。
SPI-MS装置14とFT-IR装置15で測定対象ガスの測定を開始した後、基準ガス導入部13は、基準ガスを、その濃度の変化が、スパイク状の時間波形の電気信号でSPI-MS装置14とFT-IR装置15で検出されるように導入する。スパイク状の時間波形とは、例えば、50ミリ秒〜10秒程度の短時間で立ち上がり、同様の時間間隔程度の短時間で立ち下がる波形をいう。このようなスパイク状の時間波形が得られるようにするために、基準ガス導入部13は、例えば、1秒間に導入する基準ガスの量を制御することができる。具体的に本実施形態では、1秒間に20cc程度の基準ガスを導入するようにしている。
また、本実施形態では、測定対象ガスの測定タイミングの基準(二手に別れたガスが同一時間に発生した測定対象ガスを含むガスであることを示す基準)として、プロピレン等の分子がFT-IR装置15とSPI-MS装置14で用いられる。このような、測定対象ガスの測定タイミングの基準として用いる分子を、以下の説明では、必要に応じて「スパイク分子」と称する。スパイク分子は、測定対象ガスを含むガスの流れに乗って、基準ガス導入部13とSPI-MS装置14とを結ぶ配管18、および基準ガス導入部13とFT-IR装置15とを結ぶ配管19の中を移動し、SPI-MS装置14とFT-IR装置15にスパイク状の時間波形で濃度が変化する形で送り込まれる。
図3は、FT-IR装置15で測定されるプロピレンの時間分解スペクトル(図3(a))の一例と、SPI-MS装置14で測定されるプロピレンの時間分解スペクトル(図3(b))の一例を概念的に示す図である。本実施形態では、後述するように、図3(a)に示すようなプロピレンの検出時間を基準にして、FT-IR装置15で測定された他の分子種が判定される。また、図3(b)に示すようなプロピレンの検出時間を基準にして、SPI-MS装置14で測定された他の分子種が判定される。
図4は、SPI-MS装置14の概略構成の一例を模式的に示す図である。
SPI-MS装置14は、測定対象ガス発生部12で発生した測定対象ガスをSPI-MS装置14内へ導入するためのガス導入部40、真空紫外光(レーザー光)発生部41、イオン化部42、及び飛行時間型質量分析部43を備えて構成される。測定対象ガスとスパイク分子は、レーザー光の照射によりイオン化され一定の空間を飛行した後、イオンの質量電荷比に応じてマルチチャンネルプレート(MCP)検出部43aに到達して検出され、質量スペクトルとして測定される。
SPI-MS法では、レーザー光を照射して芳香族分子等の有機分子を一光子でイオン化するために、真空紫外領域のレーザー光が必要である。真空紫外領域のレーザー光として、測定対象である芳香族分子を1光子でイオン化することが可能であり、且つ、ミラーを用いた光学系を構築することが容易である「100nm〜150nmの波長を有するレーザー光」を使用することができる。このようなレーザー光の中でも、1台のレーザーで済むためハンドリングが良く、装置全体がコンパクトになることから、下記に示す、118nmの波長を有する真空紫外レーザー光を用いるのが最も好適である。
118nmの波長を有する真空紫外レーザー光を発生させるための真空紫外発生部41は、例えば、以下の様に構成することができる。即ち、Nd:YAGレーザー光(波長1064nm)を非線形光学結晶で3倍波(355nm)に変換した紫外光を、Xeガスを適切な圧力で封入したガスセルに入射し、その焦点で再度3倍波に変換して、118nmの波長を有する真空紫外光を発生させることができる。Nd:YAGレーザーのパルス幅を、100ns〜100fs程度にすることが高い変換効率を得られる観点から好適であり、3ns〜10nsにすることが最も好適である。Nd:YAGレーザーのパルス繰り返し周波数は高いほどよいが、市販のNd:YAGレーザーを用いる場合は、そのパルス繰り返し周波数を10Hz〜30Hzにすることが一般的である。本発明者らが鋭意検討した結果によれば、安定性と感度を両立させる点で、Nd:YAGレーザーのパルス繰り返し周波数を20Hzにすることが最も好適である。
ここで、イオン化に必要な光は、118nmの波長を有する真空紫外光である。118nmの波長を有する光を発生させるための基本波である「Nd:YAGレーザーの第3高調波の紫外光(波長355nm)」が、真空紫外光(波長118nm)に混じってイオン化部42に入射すると、紫外光を吸収した分子が分解する可能性が高い。測定している分子に紫外光が入射しないようにするには、真空紫外光から紫外光を分離して真空紫外光のみがイオン化部42へ入射する様に、光学系を設計すればよい。そのためには、紫外光と真空紫外光に対する集光レンズの屈折率の違いを利用し、集光レンズの角度と位置を調整することが有効である。
SPI-MS法において測定の対象となる分子に入射するレーザー光の光子エネルギー(=hν)が分子のイオン化ポテンシャル(=EIP)に対し、以下の(1)式の条件を満たすとき、レーザー光は分子をイオン化することが可能となる。
IP<hν ・・・(1)
ここで、h:プランク定数、ν=c/λ(c:光速度、λ:レーザー光波長)である。つまり、真空紫外レーザー光の光子エネルギー(=hν)よりも低いイオン化ポテンシャル(=EIP)を有する分子は、真空紫外レーザー光の照射により、1ステップでイオン化され、MSで検出することが可能となる。
SPI-MS装置14の「イオン化部42と飛行時間型質量分析部43」を、例えば、ロータリーポンプと2台のターボ分子ポンプとを用いて、真空状態にしてから質量スペクトルの測定が行われる。SPI-MS装置14の「ガス導入部40と飛行時間型質量分析部43」の配置として垂直導入型と直噴型との2種類があり、いずれかを用いることができる。
垂直導入型は、加速電極である2枚の水平に並んでいる平板電極の軸に対し、垂直方向にガス噴き出し口が配置され、ガス噴き出し口は、2枚の平板電極の間にガスを噴き出すことができる方向を向いている。垂直導入型では、ガスが導入された後、イオン化した分子を直角に曲げて飛行時間型質量分析部43に導入する。
直噴型(特許文献2を参照)は、加速電極自体がガス噴き出し口を兼ねている。直噴型では、イオン化した分子の進行方向を曲げずにガス噴き出し口と同軸で飛行時間型質量分析部43にイオンが進入する。
図5は、直噴型のSPI-MS装置14における試料導入部(イオン化部42と飛行時間型質量分析部43の連結部分)の一例を概念的に示す図である。
直噴型は、図5に示されるように、出鼻電極40a(電極1)とイオン引き込み電極40b(電極2)とが直線上に配置される。このため、イオン化効率及びイオンの飛行時間型質量分析部43への導入効率が高い。従って、測定対象ガスを高感度に測定することを必要とする場合には、直噴型を用いることが好ましい。出鼻電極40a(電極1)のガス噴き出し口40cから、SPI-MS装置14のイオン化部42に進入したガス51は、真空紫外レーザー光52が照射されることによりイオン化点53でイオン化される。出鼻電極40a(電極1)とイオン引き込み電極40b(電極2)により形成された電場により、イオン化した分子54は加速され、イオン引き込み電極40b(電極2)のイオン引き込み口40dから飛行時間型質量分析部43に進入する。
飛行時間型質量分析部43内を飛行するイオン化した分子54は、図4に示されるように、リフレクトロン43bにより折り返され、MCP検出部43aで検出される。MCP検出部43aで検出された「イオン化した分子54」の信号は電流値として出力される。イオン化した分子54をパルス的に加速し、MCP検出部43aで検出するまでの時間差を検出することで質量スペクトルを得る。つまり、質量電荷比が大きいイオンであるほどMCP検出部43aに到達するまでの飛行時間が長くなることを利用し、質量スペクトルを得る。得られた質量スペクトルをコンピューターにより処理を行うことで、測定対象ガス中に含まれる分子を特定できる。そして、この質量スペクトルから、SPI-MS装置14における分子の検出強度と測定経過時間との関係を示すMS時間分解スペクトルが得られる(図7の下図を参照)。
図1の説明に戻り、FT-IR装置15としては、市販されている一般的な装置を用いることができる。FT-IR装置15では、まず、光源から発した赤外光が、半透鏡と固定鏡と移動鏡とで構成された干渉計を通って、干渉光となる。この干渉光は、測定対象ガスを含むガスが導入されている試料室を通過し、検知器で測定される。固定鏡からの反射光と移動鏡からの反射光の光路差に応じて干渉光の強度が変動する。よって、検知器からの出力信号を、コンピューターを用いてフーリエ変換することにより、赤外吸収スペクトルを得ることができる。得られた赤外吸収スペクトルをコンピューターにより処理を行うことで、測定対象ガス中に含まれる分子を特定できる。そして、この赤外吸収スペクトルから、FT-IR装置15における分子の吸収強度と測定経過時間との関係を示すIR時間分解スペクトルが得られる(図7の上図を参照)。
SPI-MS装置14とFT-IR装置15のいずれかの装置のみを使用するのでは、正確には多成分ガスを測定することはできない。MSでは、質量電荷比の異なる分子種を区別して測定することはできない。一方、IRでは、分子振動によって双極子モーメントが変化する分子しか測定することができない。また、一般的にイオン化ポテンシャルが高くイオン化し難いようなCOやCO2、メタン等の比較的分子量が小さい分子の測定には向かない。MSは、芳香族を中心とした比較的分子量が大きい分子種の測定に威力を発揮する。本実施形態では、SPI-MS装置14で得られたMS時間分解スペクトルとFT-IR装置15で得られたIR時間分解スペクトルとを照合することによって、多種類の分子を定性・定量することができるようにする。
これらSPI-MS装置14とFT-IR装置15の2種類の装置を用いて、同一時刻に発生したガスを同一のガスとしてそれぞれの装置で測定を行うためには、両装置での測定のタイミングを同期させる必要がある。そのために、両装置に向かうガスの流れに、濃度変化がスパイク状の時間波形となるように基準ガスを導入し、双方の装置における基準ガスの測定時刻を、測定時間のタイミングの基準とした。
基準ガスとして使用できる分子には、次のような要件が求められる。
(1)SPI-MS装置14とFT-IR装置15で共に観測可能である分子であること。
(2)感度がよい分子であること。
(3)毒性が無く扱い易い分子であること。
(4)配管への付着等が無くて時間応答性がよい分子であること。
(5)不純物が混入しても影響を受け難い分子であること。
(6)安価である分子であること。
以上の(1)〜(6)を満たす分子として、本発明者が鋭意検討を行った結果、プロピレンや1-ブテンやイソブテン等の「炭素数が3つから4つ程度(3つ又は4つ)の不飽和炭化水素」が好適であることが明らかとなり、プロピレンが最も好適であることが明らかとなった。ここで、不飽和炭化水素が飽和炭化水素よりも適しているのは、不飽和炭化水素の方が飽和炭化水素に比べイオン化ポテンシャルが低いので、SPI-MS装置14で測定可能な分子だからである。また、炭素数が2つの不飽和炭化水素はイオン化ポテンシャルが高く、SPI-MS装置14で測定することができず、炭素数が5つ以上の不飽和炭化水素は、液体や固体であることが多い。このため、炭素数が3つ又は4つ程度の不飽和炭化水素が本実施形態の目的に適している。プロピレン分子は、常温で気体であり、配管等に滞留することなく観測することができるので、プロピレンに対応するMSにおける検出強度のピーク及びIRにおける吸収強度のピークのそれぞれのピークの立ち上がり及びピークの立下りの応答性がよい。そのため、それぞれの装置で測定したプロピレンの観測時刻を基準にすることで、その後の測定において、短い時間スケールでも、それぞれの装置のガスの測定時間を合わせることが可能となる。その結果、それぞれの装置で検出した分子を短い時間スケールで測定することができるため、それぞれの装置で観測した分子の全ての時間変化を調べることができる。
ここで実際に、プロピレンを基準ガスとして、図1に示す基準ガス導入部13から配管に2秒間連続的に導入した。今回のセットアップでは、基準ガスの導入後、FT-IR装置14では12秒後に、SPI-MS装置15では14秒後に、プロピレンに相当する波長及び質量数の位置にそれぞれスペクトルが観測された。このように、FT-IR装置15とSPI-MS装置14とでは、2秒ずれた別々の時刻にプロピレンの時間分解スペクトルが観測される。試料はキャリアガスの流れに乗ってやってくるので、同じ時刻に観測しても、FT-IR装置15とSPI-MS装置14とでは、同じ試料を観測していることにはならない。また、本発明者は、FT-IR装置15とSPI-MS装置14のそれぞれの装置で測定した時間分解スペクトルの半値全幅(FWHM)を調べてみた。
図6は、FT-IR装置15とSPI-MS装置14のそれぞれの装置で測定した、プロピレンの時間分解スペクトルの一例を示す図である。図6に示すように、FT-IR装置15で測定したIR時間分解スペクトル61の半値全幅(FWHM)は1.6秒であり、SPI-MS装置14で測定したMS時間分解スペクトル62の半値全幅(FWHM)は1.4秒であり、これらは同程度であった。そこで、FT-IR装置15で測定した時間分解スペクトルと、SPI-MS装置14で測定した時間分解スペクトルの2つのスペクトルを時間軸方向にずらし、プロピレン分子のピークの位置が一致するようにすれば、FT-IR装置15とSPI-MS装置14の時間軸の各時点で同一の試料を測定していることになる。このように、プロピレンを基準ガスとして用いることにより、FT-IR装置15の測定とSPI-MS装置14の測定とを秒単位で同期させて使用することができる。
ここで、SPI-MS装置14で測定された質量スペクトルから得られたMS時間分解スペクトルと、FT-IR装置15で測定された赤外吸収スペクトルから得られたIR時間分解スペクトルを、コンピューターに入力し、当該コンピューターが、測定対象ガスの各分子種を前述したようにして特定し、表示装置に表示することができる。
このようにする代わりに、SPI-MS装置14で測定されたMS時間分解スペクトルと、FT-IR装置15で測定されたIR時間分解スペクトルをユーザが読み取ることにより、それらの時間分解スペクトルに含まれるプロピレンのスペクトルのピークの位置を基準として、その他の分子種をユーザが特定するようにしてもよい。
以上のように、基準ガス導入部13からプロピレンを導入した後、測定対象ガスを導入し、SPI-MS装置14とFT-IR装置15のそれぞれで、プロピレンと測定対象ガスに含まれる分子とを含む時間分解スペクトルを得る。このようにすることにより、SPI-MS装置14とFT-IR装置15のそれぞれで得られた時間分解スペクトルの、相互に対応する時間を決定することができ、同一の時間に発生した測定対象ガスの分子種を、SPI-MS装置14とFT-IR装置15のそれぞれで得られた時間分解スペクトルから特定することができる(すなわち、SPI-MS装置14とFT-IR装置15を同期させることができる)。このようなプロピレンの導入と測定対象ガスの導入を繰り返し行うことにより、測定対象ガスに含まれる各分子種の時間変化を継続的にモニタリングすることができる。
尚、SPI-MS装置14とFT-IR装置15のそれぞれで得られた「プロピレンに対応する時間分解スペクトル」を測定のタイミングの基準としていれば、プロピレンの導入と測定対象ガスの導入の順序は限定されない。また、質量スペクトルを測定することができれば、質量分析装置はSPI-MS装置14に限定されない。同様に、赤外吸収スペクトルを測定することができれば、赤外分光装置はFT-IR装置15に限定されない。
測定対象ガス発生部12で発生するガスの測定対象の例としては、石炭等の試料を加熱することにより試料が熱分解するときに生成される熱分解発生ガス等がある。これらの試料を測定対象ガス発生部12でヒーターやバーナー、赤外ランプ等を用いて加熱して熱分解することで、熱分解発生ガスを発生させる。熱分解が進行するに伴い、熱分解発生ガス中の成分(分子種)も変化する。発生した熱分解発生ガスをSPI-MS装置14とFT-IR装置15の両測定装置に連続的に導入し、ガス中に含まれる複数種類の分子の質量スペクトルとIR(赤外吸収)スペクトルとを測定することにより、熱分解発生ガスの成分の時間変化をリアルタイムで測定することができる。
ただし、石炭等の物質を加熱した際に発生するガスに含まれるナフタレン等の高沸点分子は、温度低下等の要因により、配管等に吸着する可能性がある。そのため、高沸点分子を検出することができないか、もしくは高沸点分子の検出強度が低下することがある。そこで、高沸点分子でも途中で吸着されることなく測定装置(SPI-MS装置14、FT-IR装置15)に導入されるようにするために、測定対象ガス発生部12から発生したガスの測定装置(SPI-MS装置14、FT-IR装置15)までの導入経路を加熱することが有効である。加熱温度は、観測対象とする分子の沸点によるが、一般に、3環以上の多環芳香族分子を測定する際には200℃以上の温度に導入経路の温度を保つ必要があるが、測定装置の耐熱限界の関係から220℃程度に保って測定することが一般的である。
以上のようにして多成分ガス同時リアルタイム測定システムを構成し、多成分ガス同時リアルタイム測定システムを用いて測定対象ガスに含まれる各分子を測定することによって、CO、CO2といった分子量の小さい分子から、ナフタレン等の多環芳香族分子といった分子量が大きい分子までの多成分からなるガスの各成分を識別して、秒単位で同時に且つリアルタイムでモニタリングすることができる。このように、多種類の分子の発生の時間変動を秒単位で測定することができるので、例えば、熱分解過程などの短時間で起こる化学反応過程も明らかにすることができる。
以下では、本実施形態の多成分ガス同時リアルタイム測定システム及び測定方法を適用して、FT-IR装置15とSPI-MS装置14を1秒単位で同期することにより、複数種類の分子を同時に且つリアルタイムでモニタリングした実施例を示すが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
本実施例では、石炭を熱分解させて発生したガスに含まれるCO、CO2、メタン等に加え、ベンゼン等の芳香族分子と、ナフタレン等の多環芳香族分子とを、FT-IR装置15とSPI-MS装置14で測定した。本実施例の多成分ガス同時リアルタイム測定システムの概略構成は、図1に示す通りである。キャリアガス送出部11から、空気を測定対象ガス発生部12に向けて一定速度で吹き込んだ。尚、本実施例では、余剰ガス排出口20からガスが内部に入らないように調整した。
測定対象ガス発生部12で、石炭を熱分解させて測定対象ガスを発生させ、キャリアガス流れに乗せた。そして、前述した方法で、測定対象ガスのリアルタイム測定を行った。まず、石炭を加熱する10秒前に、基準ガス導入部13に、50mlのプロピレンを、その濃度変化がスパイク状の時間波形となるように、2秒間注入して、プロピレンをキャリアガスの流れに乗せた。その後、測定対象ガス発生部12が備えるヒーターで、石炭を加熱し熱分解させた。FT-IR装置15とSPI-MS装置14には、キャリアガスの流れに乗って、まず基準ガスであるプロピレンが、次いで、石炭を熱分解させることにより発生した測定対象ガスが到達する。
図7は、FT-IR装置15により測定したプロピレン(スパイク分子)及びメタン(測定対象分子)に対応するIR時間分解スペクトル(上図)と、SPI-MS装置14により測定したプロピレン(スパイク分子)及びトルエン(測定対象分子)に対応するMS時間分解スペクトル(下図)の一例を示す図である。図7の横軸は、経過時間(秒)であり、縦軸は観測された分子の検出強度・吸収強度(任意単位)である。時間分解スペクトル71、73は、プロピレンの発生量の時間変化を示し、時間分解スペクトル72は、メタンの発生量の時間変化を示し、時間分解スペクトル74は、トルエンの発生量の時間変化を示す。
図7の上下の時間分解スペクトルでは、プロピレンに対する時間分解スペクトル71、73のピークの位置が2秒程度ずれている。図8は、図7に示した「FT-IR装置15により測定したIR時間分解スペクトルと、SPI-MS装置14により測定したMS時間分解スペクトル」を、プロピレンの時間分解スペクトルのピークの位置を揃えて同一の時間軸上に示した図である。
それぞれの測定装置で、プロピレンに対応する時間分解スペクトル71、73が観測された後、15秒後に先ずは、FT-IR装置15でメタンに対応する時間分解スペクトル72が観測され、その後3秒後にSPI-MS装置14でトルエンに対応する時間分解スペクトル74が観測された。このように、FT-IR装置14とSPI-MS装置15のどちらか一方のみでは測定できない「石炭の熱分解時に発生するガス中の複数種の成分」を、FT-IR装置14とSPI-MS装置15の測定タイミングを同期させてリアルタイムで測定することが可能になった。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、コンピューターが実行する部分は、コンピューターがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態及び実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 キャリアガス送出部
12 測定対象ガス発生部
13 基準ガス導入部
14 SPI-MS装置
15 FT-IR装置
16、17、18、19、21、22、23 配管
20 余剰ガス排出口

Claims (8)

  1. ガスに含まれる分子種の質量スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の検出強度と測定経過時間との関係を示すMS時間分解スペクトルを測定する質量分析装置と、
    ガスに含まれる分子種の赤外吸収スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の吸収強度と測定経過時間との関係を示すIR時間分解スペクトルを測定する赤外分光装置と、
    前記質量分析装置と、前記赤外分光装置に向けてキャリアガスを配管に送出するキャリアガス送出部と、
    測定対象ガスを発生させて前記キャリアガスの流れに導入する測定対象ガス発生部と、
    前記測定対象ガスに含まれる分子種とは異なる特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入する基準ガス導入部と、を備え、
    前記基準ガス導入部は、前記特定の分子の濃度の時間変化がスパイク状となるように、当該特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入し、
    前記質量分析装置は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のMS時間分解スペクトルを測定し、
    前記赤外分光装置は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のIR時間分解スペクトルを測定し、
    記特定の分子のスペクトルのピークの位置を基準とした時間に、前記MS時間分解スペクトル前記IR時間分解スペクトルの時間軸を一致させるようにしたことを特徴とする多成分ガス測定システム。
  2. 特定の分子は、炭素数が3つ又は4つの不飽和炭化水素であることを特徴とする請求項1に記載の多成分ガス測定システム。
  3. 前記キャリアガス送出部と前記測定対象ガス発生部とを結ぶ配管と、
    前記測定対象ガス発生部と前記基準ガス導入部とを結ぶ配管と、
    前記基準ガス導入部と、前記質量分析装置及び前記赤外分光装置とを結ぶ配管と、を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の多成分ガス測定システム。
  4. 前記キャリアガス送出部と前記基準ガス導入部とを結ぶ配管と、
    前記配管と前記測定対象ガス発生部と結ぶ配管と、
    前記基準ガス導入部と、前記質量分析装置及び前記赤外分光装置とを結ぶ配管と、を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の多成分ガス測定システム。
  5. 前記質量分析装置は、SPI-MS(一光子イオン化質量分析)装置であり、
    前記赤外分光装置は、FT-IR(フーリエ変換赤外分光)装置であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の多成分ガス測定システム。
  6. ガスに含まれる分子種の質量スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の検出強度と測定経過時間との関係を示すMS時間分解スペクトルを測定することを質量分析装置により行う質量分析工程と、
    ガスに含まれる分子種の赤外吸収スペクトルを測定して、前記分子種を特定し、特定した分子種の吸収強度と測定経過時間との関係を示すIR時間分解スペクトルを測定することを赤外分光装置により行う赤外分光工程と、を有する多成分ガス測定方法であって、
    前記質量分析装置と、前記赤外分光装置に向けてキャリアガスを配管に送出するキャリアガス送出工程と、
    測定対象ガスを発生させて前記キャリアガスの流れに導入する測定対象ガス発生工程と、
    前記測定対象ガスに含まれる分子種とは異なる特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入する基準ガス導入工程と、を有し、
    前記基準ガス導入工程は、前記特定の分子の濃度の時間変化がスパイク状となるように、当該特定の分子のガスである基準ガスを前記キャリアガスの流れに導入し、
    前記質量分析工程は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のMS時間分解スペクトルを測定し、
    前記赤外分光工程は、前記特定の分子と、前記測定対象ガスに含まれる複数の分子種の少なくとも1つの分子のIR時間分解スペクトルを測定し、
    記特定の分子のスペクトルのピークの位置を基準とした時間に、前記MS時間分解スペクトル前記IR時間分解スペクトルの時間軸を一致させるようにしたことを特徴とする多成分ガス測定方法。
  7. 特定の分子は、炭素数が3つ又は4つの不飽和炭化水素であることを特徴とする請求項6に記載の多成分ガス測定方法。
  8. 前記質量分析装置は、SPI-MS(一光子イオン化質量分析)装置であり、
    前記赤外分光装置は、FT-IR(フーリエ変換赤外分光)装置であることを特徴とする請求項6又は7に記載の多成分ガス測定方法。
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