JP5721129B2 - 圧縮空気熱機関 - Google Patents

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Description

本発明は、余剰動力を圧力エネルギーとして蓄圧し、再生時に圧力エネルギーに熱エネルギーを加えて熱効率の向上とエネルギーバッファー機能を有する機関である。
従来,慣性エネルギー等の余剰動力を有効利用する方法としてハイブリッドカーなどでは発電機を用いて電気エネルギーとしてバッテリーを介して行うことが主流であり、回生するためには高価な発電兼用高出力モーター及び大出力バッテリーが必要であった。
(たとえば特許文献1)
また、車両の慣性を回生再生するために、回生エネルギーを圧縮空気として畜圧して利用することが可能で、出力の大きな空圧機械をエンジンと併用することはコストが増え装置が大きくなる欠点があった。
(たとえば特許文献2)
また、内燃機関に空気機械と同様の機能を組み合わせて、圧縮空気を利用しての原動機の始動等、あるいは圧縮空気と共に燃料を燃焼室に供給するなどの総合効率を高める工夫が成される提案あるが構造が複雑であった。
また文献では2サイクルの内燃機関と説明されているが、永続的内燃機関サイクルとして給気圧縮行程が別行程に必然となるので、別行程を合わせると気筒あたりでは従来の4サイクル相当であり実質排気量あたりの出力の増加も望めるものではなかった。
(たとえば特許文献3)
さらに内燃機関の排熱を再利用するために一部蒸気機関とする提案もあるが、機構が複雑であり、水を高圧で供給及び蒸気機関車のように水の補給をする必要があった。
(たとえば特許文献4)
また、内燃機関からの排熱回収手段としてスターリングサイクル等を利用した熱空気エンジンなどの外燃機関が利用可能であるが装置が複雑化し簡単に利用で出来るものではなかった。
(たとえば特許文献5)
また、内燃機関からの排熱回収手段としてエリクソンサイクルを利用した熱空気エンジンと内燃機関を組み合わせた機構が発案されているが内燃機関と熱空気機関の組み合わせにより装置が複雑化し簡単に利用で出来るものではなかった。
(たとえば特許文献6)
特開2010−89619号公報 ハイブリッド車の回生制御装置
特開平8−175216号公報 回生ブレーキ
国際公開番号 WO2005/042942 原動機
特開2010−151064号公報 複合サイクル・ハイブリッドレシプロエンジン
特開平10−306747号公報 熱空気エンジン
特開2004−84564号公報 排気熱回収装置
解決しようとする問題点は、既存のガソリンエンジン及びディーゼルエンジン機構に大きな改変なく、またバッテリー及びモーターのような高価な部品を用いることなく、耐久性のある回生及び排熱エネルギーの有効利用を図ることである。
本発明は、内燃機関の1サイクルにて行われる熱サイクルを予め蓄圧した圧縮空気を用いて、従来1サイクルでは行えなかった熱サイクルを行い、外燃機関及び内燃機関を同時サイクルとして行うことを可能とすると共に、
余剰動力の蓄圧のための空気圧縮機及び動力再生のための空気機関としても作動することを可能とするものであり、空気機械として作動に熱空気機関として複合して熱効率の向上および排熱の利用を可能とするものである。
(1)畜圧器からの圧縮空気にて空気機関として作動する時に膨張室に流入する圧縮空気を加熱膨張することを特徴とすることにおいて。
蓄圧器の容量は圧縮膨張の1行程によって、圧力変動の無視できる容量として、熱機関として少なくとも熱サイクル作動中のサイクル中の蓄圧器の圧力変動があっても膨張による仕事量が圧縮に必要な仕事量以上になるように容量を確保しておく。
蓄圧器から膨張室に至る流路にて、圧縮空気を加熱すると圧縮空気は流路途中にて膨張して蓄圧器と同じ圧力で膨張して膨張室に流入し、蓄圧器から流入した流量とそれに加熱による膨張分が仕事をすることが出来る。
定常的な熱サイクルでは、蓄圧器から膨張室に流入したと等量の空気を圧縮して蓄圧器に再充填すれば差し引き加熱による膨張分が仕事量となり定常運転が可能となる。
この時、蓄圧器の圧力を高く保てば一般的な内燃機関の圧縮比を大きくしたと同様の効果にて熱効率が高くなり比出力も増大し、ガソリンエンジンの圧縮率が10程度ものであれば燃焼時の最高シリンダー内圧が4MPaとなるので、同程度の圧力を蓄圧していれば、空気圧のみにても同等以上の出力が得られ、加熱及び燃焼により圧縮空気は膨張して消費量は減少して圧縮される空気量と同量となったとき熱サイクルの定常運転となる。
また、ディーゼル機関ではさらに高圧の燃焼圧力で運転されて熱効率の向上が図られているが、蓄圧圧力を同程度とすれば同様の熱効率が得られ、さらに高圧とすることも可能であり、一般的な高圧ボンベにて15MPa程度の耐圧があり蓄圧器の構造に特別な配慮も必要なく高圧にて作動させることが可能である。
また、蓄圧器の容量容積が小さいと膨張行程にて圧縮空気の吐出に従い蓄圧器自体の圧力が下がり、継続動作に必要な定圧膨張とならないため熱サイクルの継続が不能となるので、動作に必要な十分な容量を持たせる必要がある。
図1にて、各行程にて説明する。
上死点にて、ピストン14の上面に蓄圧器1より圧縮空気を流入させ、蓄圧器1と同圧力としてピストン14を押し下げる。この時の圧縮空気の流れから流路にて加熱すると膨張してシリンダー16に流入し、シリンダーに流入する圧縮空気にさらに燃料を混合して燃焼を開始すれば、シリンダー16内に高圧燃焼ガスを吹き込むことになり、圧縮空気の消費量は減少する。
また、燃焼開始時に制御バルブ5を閉じて燃焼ガスの逆流防止のため蓄圧器からの圧縮空気の供給は停止して、燃焼ガスの加熱膨張によりピストン14を押し下げることで、蓄圧器1の圧より高い圧力にて作動させることが可能となる。
膨張行程にて、加熱膨張した圧縮空気の流入を停止して排気ポート10が開くまでの間は断熱膨張させ、ピストン14下面は吸入した大気を圧縮する。ピストン上面圧力と下面圧力はピストンロッド15の断面積の差分により上圧力より下圧力を大きくすることも可能で高圧縮の空気を蓄圧器1に充填が可能となる。
下死点にて、シリンダー内にてピストン14下面側の圧力は体積最小となるため圧縮空気を最高圧力まで圧縮して蓄圧器1に蓄圧し、ピストン14上面では蓄圧器1より膨張流入した空気をシリンダー側面の排気ポート10より排気放熱する。
圧縮行程にて、ピストン上面では排気放熱後の残留排気を再度圧縮し、ピストンロッド側は外気を吸引する。
このサイクルにて、シリンダー上面圧力と下面圧力の平均差分が仕事量として出力され、図3に示すPV線図として表すことが出来、線図の1−2はピストン14下面側により行われる断熱圧縮過程、2−3はピストン14上面における圧縮加熱空気流入による定圧膨張過程、3−4はピストン14上面における圧縮加熱空気流入停止後の断熱膨張過程、4−1はピストン14上面における排気とピストン14下面における吸気による等容冷却となる。
本発明の実サイクルでは断熱圧縮過程と定圧膨張過程及び断熱膨張過程が同時進行するため、圧縮過程を予め準備して膨張過程と圧縮過程のサイクル位相を補完するように動作する。
また、内燃機関では始動時に外力にてクランキングが必要であるが、本発明は予め圧縮過程が修了しているのでピストンが膨張過程にあれば外力によるクランキングが不要であり、多気筒構成でシリンダー数が3以上の等位相であればクランクの角度に依らず膨張過程のシリンダーが1以上になり起動可能となる。
起動後も圧縮と膨張が同時に行われるため緩慢な動作速度を維持でき、超低速から十分なトルクを発生させることが可能で、圧縮空気の供給タイミングをピストン位置が膨張過程と圧縮過程を入れ替えればクランクの逆転も可能となる。
また、この熱サイクルはディーゼル機関と同じ定圧サイクルで外燃による加熱と内燃による燃焼過程が同時に共存可能となっている。このため比較的低い温度の外熱で初段の加熱を行い次段で混合気の燃焼により高温に加熱出来るため、比較的低い排熱でも効率よく利用が可能となる。
圧縮と膨張を専用過程の圧縮機と膨張器で行うとガスタービンと同様のサイクルとなり、再熱による熱効率の向上が容易に行える。
上記のサイクルをピストン両面で同時進行させると2ストローク/熱サイクルとなり、バルブ開閉によりピストン片面のみで作動させると4ストローク/熱サイクルとなり、外部圧縮機を用いて圧縮させるとピストン片面のみの作動でも2ストローク/熱サイクルとなる。
尚、4ストロークでも作動できるが、2ストロークによる動作の方が単純な機構で機械損失も低くなり、装置も小型化が容易となり、ピストン下面から潤滑油にて潤滑しても圧縮後の空気より潤滑油の分離回収も可能である。
また、ピストン14及びシリンダー16をファインセラミックスにて構成して、無潤滑油で気密を保ち、2ストロークの潤滑に係わる問題を回避して、さらに高温になるシリンダー16より熱回収して、従来冷却損となっていた熱の回収も可能となる。
また、従来の2ストロークでは掃気が十分に行われない構造となっていたが、シリンダー上部から圧縮空気を吹き込み、及び配管中の圧縮空気の膨張により掃気することで、排ガスと空気の置換がより完全に近くなる特徴も有する。
また、蓄圧量が十分であるときは空気機関としてのみの作動も可能であり、逆負荷の懸かったときは空気圧縮機として作動して蓄圧が可能であり、これらの作動の切換は制御バルブ5による蓄圧器から圧縮空気の吐出量制御だけで行え、吐出量を多くすれば空気機関及び熱機関として出力が大きくなり、吐出量を減少させれば出力は負となり圧縮機関として圧力の蓄圧することとなる。
このとき、内燃機関としての作動は吐出量に見合った燃料の供給とし、外部加熱は供給量が無くなればそれに比例して熱の供給も停止するので、外部熱源は熱容量が大きくても吐出量の制御により細やかな制御が可能となる。
(2)加熱の手段を外熱により圧縮空気を熱交換により間接加熱することを特徴とすることで
蓄圧器から膨張室に至る間に熱交換器にて圧縮空気を加熱して、膨張室に流入する圧縮空気は流路内にて加熱され膨張して熱サイクルに供給されることとなる。
蓄圧圧力が高いほど、配管径を小さくでき圧縮空気の比熱も大きくなるため熱伝達もよくなる効果もある。
外熱としては、各種排熱との熱交換またはボイラの様な燃焼室であっても良く、地熱及び太陽光を集熱しても良く熱源及び燃料を選ばない運転が可能となる。
また、圧縮機関として動作するときの断熱圧縮熱を空気機関として動作するときに吐出圧縮空気の加熱をして再熱の用に供することも可能で、動作切換に時間差がある場合は蓄熱して時間差を補完することも可能であり、再熱により熱効率の低下を防げ、蓄圧される圧縮空気の温度を下げることにより蓄圧空気量を大きくすることが可能である。
また、冷却は大気開放であるので熱交換器は加熱側のみでよく、一般的な熱空気機関で必要な放熱器は不要で冷却効率も良くなる。
また、外熱より加熱しないときに膨張行程は熱の出入りが無ければ断熱膨張となり、圧縮空気は膨張して温度が下がることになり外熱を吸熱することになる。
これは、本発明の熱サイクルが可逆であり、原動機及びヒートポンプとして動作が可能で理想効率のカルノーサイクル又はスターリングサイクルと同等の性能を持つサイクルで有ると言える。
このサイクルをヒートポンプとするときは、圧縮行程後の空気は発熱するので高温熱源となり、圧縮後膨張する時は温度が下がり低温熱源とすることが出来る。
(3)加熱の手段を燃料の混合をもって圧縮空気の燃焼による直接加熱することを特徴とすることで
蓄圧器から膨張室に至る流路に燃料を供給し圧縮空気と混合して着火させ、発生熱量と発生ガスによる膨張により熱サイクルに供給されることとなる。
これは内燃機関と同様の熱伝達となるので、蓄圧圧力が高ければ、燃焼ガスも高温高圧となり高効率高出力が可能となる。
また、外熱より加熱後の圧縮空気を燃焼させることで、比較的低い温度の低い外熱の熱回収も可能となり、加熱された圧縮空気に燃料を供給することで着火性も良くなる。
また燃焼反応も高圧高温となる気流中で進行するので、気流の滞留が無く燃料の拡散が早く均一燃焼及び希薄燃料での燃焼が望め、混合気に触媒と接触させて通常では燃焼できないほど希薄な空燃比でも燃焼させることが可能となる。
(4)蓄圧器と加熱部の間に圧縮空気の流量を制御する弁を設けることを特徴とすることで、
膨張室に流入させる圧縮空気の流量制御は、膨張室近辺で有る必要がなく、動作流体の温度の低いところで制御が可能となり、弁機構の熱対策が不要となる。
また、制御バルブ遮断後は加熱器または膨張室での加熱膨張による高圧は低温の制御バルブにて遮断され、バルブ部には加熱前の流体が滞留するために熱の逆流することもなく、配管の伝熱があったとしても蓄圧器からの流出にて蓄圧器の温度に冷却される。
制御バルブを低温で作動させることで、シール材の選択が可能となり機密性が保たれ、駆動動力も小さく、制御の簡単な電磁弁が利用可能となり、各種センサーからの信号に準じての数値制御が低コストになり応答性も向上し、弁機構に機械カムの駆動が無くなることで、装置コストの低減と信頼性の向上が計れることになり、高速動作に置いても機械の慣性重量が小さく応答性が良くなる。
また、高圧縮された密度の高い状態で、流量の制御が行えるため、弁自体を小型化でき高速動作も可能となり、動作のためのエネルギーも小さくて済む。
(5)圧縮行程の一部を圧縮専用行程とすることにより吐出する圧縮空気を高圧縮して畜圧器に畜圧することを特徴とすることで、
圧縮行程の上死点以前に加熱空気流入用のポートを設けて、加熱空気流入ポートが開いているときは、配管及び加熱部の容積を含めた低圧縮段として、ポートが閉じた後は上死点での残留容積を極力小さくして高圧の圧縮空気を蓄圧出来るようにする。
このような構造にすることで、シリンダーヘッド部にバルブの為の空隙の必要が無く、ピストンとシリンダーヘッドの隙間を無くすことが可能となり、空気圧縮機として作動するとき高圧縮比が1ストロークで得られる。
図2にて行程を示すと、
上死点にて、高圧縮の空気が高圧逆止弁21を介して蓄圧器1に蓄圧後に圧縮残圧にてピストンが下がり始めて膨張行程となる。
膨張行程では、蓄圧器1の制御バルブ5を開き圧縮空気を流入して加熱膨張させると共に燃焼を開始して、ピストン14の下降と共に加圧ポート24が開き加熱空気が流入してピストン14を押し下げ、ある程度押し下げたところで、制御バルブ5を遮断して圧縮空気の供給を停止して、その後断熱膨張として熱の有効利用を計る。
制御バルブ5の閉じるタイミングを排気ポート10が開くまで長く開けると、熱効率は下がるが出力は高くなり、短くすると熱効率は上がるが出力は減少し、さらに短くすると制動として働き外部動力を圧縮蓄圧するようになる。
下死点にて、排気ポート10が開き切り断熱膨張した後の空気または排ガスを排気ポート10より排出し、給気ポート20からクランク室にて圧縮された大気にてシリンダー内を掃気する。
このとき、排気ガスは加圧ポート24より配管中の残留圧力によって未燃空気により排気ポート10に押し出されるため排ガスの排出は給気ポート20からの掃気に対して効果が高くなる。
圧縮行程では、給気ポート20及び排気ポート10を閉じた後にシリンダー圧縮容積に加えて配管と加熱部の容積比となり低圧縮比で圧縮し、加圧ポート24が閉じると配管と加熱部の圧力はそれ以上圧縮されず、シリンダー部のみ圧縮容積まで高圧縮率にて圧縮する。
この時、シリンダーヘッドの高圧逆止弁21より蓄圧器1の圧力まで蓄圧され、蓄圧器の最高圧力は高圧縮比の最高圧力までの加圧が1ストロークで可能となる。
また、加圧ポート24には掃気後の大気が低圧縮状態で逆流することとなり、圧縮容積分の大気が圧縮されたことになる。
クランク室での給気圧縮行程は2ストロークディーゼル機関の様に外部圧縮器を用いても可能であり、機械が大きくなるがクランク室の潤滑が容易になる。
(6)圧縮行程にて蓄圧器より圧縮空気を圧縮室に加減圧して圧縮行程とすることにより圧縮率を可変とする。
蓄圧器に大きなエネルギーの蓄積をさせるためには圧縮機関として高圧縮率で高い圧力を得る必要がある。
しかし、通常の内燃機関では圧縮時のみ高圧縮率とすることが難しく、複数のシリンダーを多段階に利用して多段階圧縮とすることも出来るが、配管等の構造が複雑でバルブ作動空間など圧縮率を上げることは問題となる。
また、高圧縮とする手段として、専用の圧縮機関を設けるか、低圧縮の空気を圧力ブースターにてさらに加圧圧縮する手段が有るが、いずれも機構が増え機械損失も増加することとなる。
ここで、一旦圧縮された圧縮空気を圧縮行程でシリンダーに再充填すれば、圧縮空気をさらに圧縮することとなり多段圧縮と同様の効果を得ることが簡単な構造で可能となる。
また、制動回生時の様に逆負荷が加わるときに圧縮空気の再圧縮とすればピストンにかかる圧力が大きくなり制動力も大きくなり、静止から逆転トルクの発生までが可能となる。
また、蓄圧された圧縮空気より直接動力の再生を行うばかりではなく、圧縮空気を利用して機関の熱効率および出力を高める方法もあり、過給効果として効率を上げて内燃サイクルの一部として再生が可能である。
内燃機関の動作においても本手段にて圧縮率を可変増大することが容易で、出力の必要なときに圧縮行程にて蓄圧器1から圧縮空気をシリンダー内に導入して圧縮することで過給と同様の効果を得ることが可能となり、回生による圧力を利用することで過給動力も不要で高効率で出力向上させることが可能となる。
また、内燃機関の圧縮行程にてシリンダーから蓄圧器1に圧縮空気を抜き出せば、圧縮行程よりも膨張行程を大きくしたものと同じ効果があり、アトキンソンサイクル又はミラーサイクルとして知られる容積型内燃機関の熱効率を改善する効果を得ることも可能である。
(7)混合気流路に触媒を設け、混合気と触媒の接触をもって発熱燃焼反応させることを特徴とすることで、
圧縮空気に可燃燃料を加えて可燃混合気とした後の発熱反応を白金等の触媒に接触させ発熱させると、火花着火および自然発火では発熱反応を継続できない希薄混合気であっても触媒反応によって発熱反応が可能となる。
混合気が爆発限界外にあるときは、加圧及び加熱によっても燃焼開始することは無く、流路の任意の位置に触媒を設けることで任意の位置で発熱させることが可能となる。
予混合気であっても、触媒以外の場所で発火することがないため、安全な貯溜が可能で触媒以外の点火装置を必要としなくなる。
以下に項目別に効果を説明する。
(1)畜圧器からの圧縮空気にて空気機関として作動する時に膨張室に流入する圧縮空気を加熱膨張することの効果は、
1 内燃機関だけでは実現が困難であった、ハイブリッドの特質である位置及び慣性の制動回生エネルギーを利用するため省エネルギー効果が高い。
2 現在普及が始まった内燃機関と電動動力ハイブリッドと比較してもコストの懸かる高性能モーターとバッテリーが不要となるばかりでなく、従来技術の援用で可能なことから耐久性に優れる
3 従来構造の機械に大きな変更を加えずに装置を小型軽量化出来ることから、車両の慣性重量が小さくなり、より少ない発生動力でも十分な運動性能を確保できるためエネルギー効率が良くなる。
4 比較的低温の排熱であっても、他の熱源と組み合わせて総合効率を高めることが出来る。
5 始動のための機器が不要になりアイドリング運転も不要となる。
6 始動から低速及び逆転の制御が可能となり、クラッチ、ギヤなどが不要になる。
(2)加熱の手段を外熱により圧縮空気を熱交換により間接加熱することの効果は、
1 排熱等の多種の雑熱エネルギーが利用できる。
2 低温排熱でも利用可能となる。
(3)加熱の手段を燃料の混合をもって圧縮空気の燃焼による直接加熱することの効果は、
1 外燃機関と内燃機関の複合として、内燃機関の排熱の有効利用が可能である。
2 高出力となり、変動にたいして制御性が良い。
3 高圧作動により熱効率が高い。
(4)蓄圧器と加熱部の間に圧縮空気の流量を制御する弁を設けることの効果は
1 弁の作動温度が低いため一般的な制御弁が利用でき、低コストで耐久性に優れる。
2 直動電磁弁とすれば制御性に優れる。
3 複雑な機構が不要となり機械損失が減少する。
(5)圧縮行程の一部を圧縮専用行程とすることにより吐出する圧縮空気を高圧縮して畜圧器に畜圧することの効果は、
1 強力な制動力を得られ、制動エネルギーの回収もされるためエネルギー効率にも優れる。
2 高圧縮率の圧縮空気が得られ、少ない容積で多大なエネルギーの保存ができる。
(6)圧縮行程にて蓄圧器より圧縮空気を圧縮室に加減圧して圧縮行程とすることにより圧縮率を可変とすることの効果は、
1 強力な制動力を得られ、制動エネルギーの回収もされるためエネルギー効率にも優れる。
2 高圧縮率の圧縮空気が得られる。
3 過給圧の可変制御により、比出力の向上及び熱効率の向上が計れる
4 過給に回生エネルギーを利用できるためエネルギー効率に優れる
5 過給のための機器が不要であり、機械重量及び機械損失の低減が計れる。
6 膨張行程に対して圧縮比を小さく可変することにより熱効率を向上させる。
(7)混合気流路に触媒を設け、混合気と触媒の接触をもって発熱燃焼反応させることの効果は、
1 希薄混合気の完全燃焼が望める
2 水素燃料等の爆発限界外での作動により安全性を高められる。
3 点火装置が不要となる。
以上の様な利点があり、用途に応じ適宜最適組み合わせにて利用する。
本発明の1実施形態を示すものであり、基本的構成である。
以下にその各要素を実施例において説明する。
図4に複室2ストローク機関(実施例1)を示し、これを説明する。
シリンダー16の上部に燃料噴射ノズル13を備えた加熱配管4を接続し、下部にはエアクリーナー8より逆止弁9にてシリンダー内に方向性をもって流れる大気の吸引部と逆止弁9をもってシリンダー外に方向性をもって流れる圧縮空気を圧力配管2にて畜圧器1に接続する。
シリンダー16内にはピストン14が機密を保って往復運動可能にピストンロッド15より連接棒17とクランクシャフト18により回転運動が往復直線運動となるよう接続され、往復運動により開閉される排気ポート10を設け排気管11より消音器12を介して大気に開放される。
畜圧器1から吐出配管3で制御バルブ5を介してバーナー7等より加熱される熱交換器6を経て加熱配管4にてシリンダー16の上部に接続される。
図1の複室2ストローク動作図にて、この作動を説明すると
1 上死点より、制御バルブ5を開き畜圧器1より圧縮空気は熱交換器6を介して外熱加熱し、さらに燃料噴射ノズル13より燃料を加熱圧縮空気に混合して燃焼させ、シリンダー16の上部に吹き込むとピストン14はその圧力より押し下げられる。
2 膨張行程にて、ある程度ピストン14が押し下げられたところで制御バルブ5を閉じ、合わせて燃料噴射ノズル13からの燃料の供給を停止し加熱膨張から断熱膨張に移行させ、シリンダー16下部では吸引大気の圧縮となり圧力が上がり畜圧器1の圧力以上となったところで逆止弁9より吐出される。
3 下死点までにピストン14がさらに押し下げられたところで排気ポート10から加熱配管4内の加熱空気に押し出される形で燃焼ガスが排出されシリンダー16内の圧力は大気圧まで下がり、膨張した燃焼ガスにより熱が大気に放出される。
4 圧縮行程にてシリンダー16内の残留加熱空気と加熱配管4内の加熱空気の圧縮がなされシリンダー16上部の圧力は上昇し、下部では負圧により大気の吸引が行われる。
以上の動作行程でサイクルが構成され、出力が必要なときは、制御バルブ5の開時間を長くしてピストン14の受圧平均圧力を上昇させて出力を上昇させる。
図1のシリンダー上圧力とシリンダー下圧力の線図は各工程における圧力変化を大まかに表した物で、シリンダー上圧力とシリンダー下圧力の最高圧力は蓄圧器1の蓄圧圧力となり、シリンダー上圧力の最高圧力が長くなるほど出力は大きくなる。
この時吸気量以上の吐出量とすると出力は熱サイクル以上の出力となるが、畜圧器1の圧力は消費される。
また蓄圧器1の容積がピストン14の行程容積より十分に大きくないと、膨張行程にて膨張に要する圧縮空気流量の増大により、熱膨張だけでは容積の増大を補えず蓄圧器1自体の圧力降下を生じて十分な平均押し下げ圧力を保持できないため、熱サイクルだけの作動であっても十分な容量を確保しておく必要がある。
より出力が必要なときは、燃料噴射ノズル13からの燃料を多くして燃焼ガスをさらに高温として、制御バルブ5を閉じると熱交換器6と加熱配管4の圧力が畜圧器1の圧力を超えて作動するため高出力化も可能である。
また、排気時に制御バルブ5を開き圧縮空気をシリンダー16に吹き込めば、空気により排気ガスが押し出されて掃気がより完全となり、燃料の増加にてさらに高出力化も可能となる。
出力が不要なときは、制御バルブ5を閉じると圧縮空気の流量に従い熱が供給されなくなり、シリンダー16上部は圧縮と膨張の繰り返しで空転し、下部は圧縮のみの作動となり、機関部の慣性エネルギーまたは逆負荷分が圧縮のために費やされて畜圧器1に蓄圧して機関は減速から停止に至る。
外部より逆負荷が持続するときは、空気圧縮を続けて畜圧器1に蓄圧してエネルギーの保存を計る。
複数のシリンダー16をクランクシャフト18の位相を120度以下で多気筒すれば、いずれの停止時にもピストン14が膨張過程となるので、膨張過程にあるピストン14に制御バルブ5を制御して圧力を掛ければ静止状態から低速起動でき、圧縮過程の位置であれば逆回転にて起動することになる。
このとき、ピストン14に加わる圧力は上と下が同じ圧力となるが、下の圧力はクランクが下死点近辺であるためクランクと連接棒7の倍力機構により倍力されてピストン14を押し下げるため同じ圧力以上の圧縮能力があり低速回転であってもクランクシャフト18慣性に依らず圧縮が可能となる。
また、制御バルブ5の制御はクランクシャフト18の回転角をセンサーにて検出して制御バルブ5を電磁弁として電気制御すれば制御は機構的には簡単になり細かい数値制御も容易となり、電機系を用いない場合はカム駆動のバルブまたはクランクシャフト18の回転角によりロータリーバルブとして切り換えても可能である。
また、耐熱性の制御バルブ5を用いるならば、蓄圧器1からシリンダー16の間の任意の位置に配置することが可能である。
また、燃料を流路に噴射するだけでは燃焼開始に至らない条件のときは、流路に燃焼開始に必要な温度を与えるグロープラグのような熱源を配置しておけば、混合気の気流が接触することにより燃焼を開始する。
また、本実施例を外燃機関としてのみ動作させるときは、排気は排熱とある程度の圧力をもって大気成分のまま排出されるので、そのままバーナー7の供給空気とすれば排熱回収が容易に可能となり、シリンダー16等の冷却及び排気管11の排気熱に係わる排熱及び圧縮配管2に生じる断熱圧縮生成熱も吐出配管3に熱伝達して再熱して熱回収も可能である。
また本実施例では圧縮膨張室が往復式であるが、ロータリーエンジンのような回転型であっても容積の圧縮膨張サイクルは同じであるので本実施例を適用可能であり、圧縮過程と膨張過程が専用のポンプとエアモーターの様な組み合わせであっても実現可能となる。
また、熱空気機関としてのエリクソン機関では膨張室を加熱するためにピストンとシリンダーのシール性及び潤滑の問題から高温のガスを利用しにくかったが、本発明によれば加熱後の高温ガスのシリンダー内の流入により作動するため、シリンダー及びピストンを冷却して低温で作動させることが可能となっている。
また、排気を冷却させてから吸気して再循環させることも可能であり、スターリング機関のように排気音のない静粛な機関としての作動も可能であり、作動流体が大気である必要がなくなりスターリング機関と同様にヘリウム等を高圧封止して効率を向上させることも可能である。
さらに、作動流体を封止する場合は、加熱膨張時は加熱した作動流体をシリンダーに流入させて仕事の後は、往復容積式機関では再び圧縮行程となるため膨張後の作動流体を冷却用熱交換器に通して冷却後に蓄圧器1に循環させることで、圧縮膨張室は単室でも可能となる。
以上のように、従来の内燃機関と大きな違いの無い装置にて構成することが可能であり、制御も容易であり、低コストで耐久性のある動力の入出力が可能でエネルギー利用効率の優れた装置となる。
図5に2段圧縮2ストローク機関(実施例2)を示し、これを説明する。
気密構造のクランク室19の中に回転するクランクシャフト18より連接棒17を介してピストン14に回転運動がシリンダー16内にて気密を保って往復直線運動となるよう接続され、往復運動により開閉される排気ポート10を設け排気管11より熱交換器6を介して消音器12を介して大気に開放される。
また、シリンダー16にピストン14の上死点と排気ポート10の行程間に加圧ポート24を設けて畜圧器1より吐出配管3にて制御バルブ5を介して熱交換器6から触媒42を設けた燃焼器22を経て接続される。
また、シリンダー16の上面にはピストン14が上死点にて空隙が最小となるように高圧逆止弁21を介して吐出のみ可能に圧縮配管2にて畜圧器1に接続される。
また、気密構造のクランク室19には逆止弁9を介してエアクリーナー8より大気が吸引のみ可能に設け、シリンダー16に下死点にて開く給気ポート20を設ける。
図2の2段圧縮2ストローク動作図にて、この動作を説明すると、
1 上死点より、圧縮空気は高圧逆止弁21を介して吐出後、残留圧縮空気の膨張と慣性によりピストン14が下降して加圧ポート24が開くと、制御バルブ5を開き畜圧器1より圧縮空気は熱交換器6を介して外熱加熱し、燃料噴射ノズル13より燃料を加熱圧縮空気に混合して燃焼させ、加圧ポート24部に吹き込むとピストン14はその圧力より押し下げられる。
2 膨張行程にて、ある程度ピストン14が押し下げられたところで制御バルブ5を閉じ、合わせて燃料噴射ノズル13からの燃料の供給を停止し加熱膨張から断熱膨張に移行させ、クランク室19では吸引大気の圧縮となり圧力が上がりクランク室19に蓄圧する。
3 下死点までにピストン14がさらに押し下げられたところで排気ポート10から熱交換器6と燃焼器22の残留圧縮空気に押し出されて燃焼ガスが排出されシリンダー16内の圧力は大気圧まで下がり、膨張した燃焼ガスにより熱が大気に放出され、次に給気ポート20が開きクランク室19に蓄圧された吸引大気がシリンダー16内に吹き込まれて掃気される。
4 圧縮行程にて掃気により吹き込まれた大気の圧縮がなされ、燃焼器22及び熱交換器6の容積とシリンダー16の行程により低圧縮率にて圧力は上昇し、クランク室19では負圧により逆止弁9を介して大気の吸引が行われる。
さらに上昇して加圧ポート24をピストン14が閉じると圧縮された大気は高圧縮率の状態となり高圧逆止弁21を介して畜圧器1の圧力以上にて吐出され畜圧器1に蓄圧される。
このように作動して実施例1と同様のサイクルを一般的な2ストローク内燃機関の基本構造を変更せずに実行でき、圧縮機関としての作動では高圧縮比を確保できる。
また、さらに高圧縮とする場合は、圧縮行程に加圧ポート24が開いているときに制御バルブ5を開き圧縮空気を再充填すれば高圧縮が可能となる。
また、排気ポート10が開きシリンダー16の排ガス圧力が下がったときに制御バルブ5を開き、加圧ポート24より圧縮空気を吹き込めば給気ポート20からの吹き込みと合わせて掃気がより完全となる。
また、排気ガスに含まれる排熱は排気管11より熱交換器6にて圧縮空気の再熱によって熱効率を向上させることになり、同時に排気は冷却され収縮するため消音器12の管路抵抗が減少し消音効果も高くなる。
また、シリンダー16及びピストン14をセラミックのような耐熱材を用いて、潤滑を固体潤滑として潤滑油の燃焼を防ぎ、高温となるシリンダー16より圧縮空気の加熱を行うことにより冷却熱の回収が可能となる。
また、触媒42による混合気の燃焼による場合は燃料の噴射によるだけでなく、大気からの吸引時に大気圧での爆発限界以下での予混合により安全に蓄圧も可能であり、点火装置が無くても触媒42の位置にて燃焼して逆火すること無しに作動が可能である。
触媒42による燃焼または通常燃焼の切換は触媒42をバイパスとすることで通常燃焼時の触媒42の管路抵抗を小さくすることも出来、熱交換器6もバイパスして管路抵抗を低減して比出力を上げることも可能である。
また、燃料自体が圧力を持っているLPガスなどであれば排気時に大気開放となった時点では低圧にて燃料噴射ノズル13より加圧無しに燃焼器22に供給が可能となり、制御バルブ5の開きにより加圧温度上昇による自然発火及び外部着火あるいは触媒42の通過により燃焼させることも可能である。
また、本実施例をヒートポンプとして作動させるには、クランクシャフト18に外部動力を与えて、圧縮配管2を高温熱源とし、熱交換器6を低温熱源とすれば、外部動力によって圧縮された大気は圧縮配管2にて断熱圧縮により高温となり、熱交換器6では断熱膨張により低温となって膨張後に大気に放出される。
尚、排気ポート10とエアクリーナー8を接続して作動流体に冷媒ガスを封入すれば冷凍機と同等となり、シリンダー16とピストン14は単純にポンプとして作動する。尚、ヒートポンプとしては、原動機としての熱源である燃料噴射ノズル13と燃焼器22は不要となる。
以上のように、従来の内燃機関に機構を追加して簡易に構成することが可能である
図6に可変圧縮比機関(実施例3)を示し、これを説明する。
気密構造のクランク室19の中に回転するクランクシャフト18より連接棒17を介してピストン14に回転運動がシリンダー16内にて気密を保って往復直線運動となるよう接続され、往復運動により開閉される排気ポート10を設け排気管11より消音器12を介して大気に開放される。
また、シリンダー16の上部には点火プラグ23と制御バルブ5を介して圧縮配管2にて畜圧器1に接続され、気密構造のクランク室19には逆止弁9を介して燃料噴射ノズル13からの燃料混合気としてエアクリーナー8より大気が吸引のみ可能に設け、シリンダー16が下死点にて開く給気ポート20を設ける。
本構造は、一般的な燃料噴射式ガソリンエンジンの2ストローク内燃機関と同じであり、シリンダーヘッドから制御バルブ5にて畜圧器1との圧縮空気の流量制御のみ追加した形である。
作動は、制御バルブ5を閉じたままであれば、燃料噴射式ガソリンエンジンと変わりなく作動し、制動時は燃料の供給を停止してピストン14が圧縮過程となり圧縮圧が畜圧器1の圧力より高くなったとき制御バルブ5を開き畜圧器1に蓄圧する。
過給して出力を増大するときは、ピストン14が圧縮過程となったとき制御バルブ5を開き畜圧器1より蓄圧された圧縮空気をシリンダー16に充填してシリンダー16内の圧力を高めて圧縮すると自然吸気に充填圧縮空気が加算されて圧縮率が高くなり、充填空気量が増えて出力の増加が可能となる。
この過給効果は、過給に使われる動力が制動時のエネルギーを持って為されるので、圧縮行程のポンプ損失が低減され高圧縮による熱効率及び出力の向上が可能となる。
車では加速後には必ず減速するので、減速時のエネルギーを蓄圧しておけば、多くの場合は減速分の加速時に過給して出力増大が望める。
また、出力が小さくてもよい場合は、圧縮行程にてシリンダー16内の圧力を制御バルブ5にて一時的に蓄圧器1に蓄圧すれば圧縮行程が短くなったと同じ効果があり、膨張行程が長くなり熱サイクルの効率が上昇して低エネルギー運転が可能となり、圧縮に費やされたエネルギーは蓄圧器1に保存される。
これは、吸気時に気化器より混合気を吸気する場合は蓄圧器1に混合気が流入することになるが、蓄圧器1と別個に混合気の専用蓄圧部を設け、過給が必要なときに混合気にて過給する手段とすることでも可能で、シリンダー内に燃料を噴射する形式ではこのような手段も必要ない。
また、蓄圧量が十分であれば、圧縮空気により膨張過程のピストン14を押し下げてクランキング及び走行自体も可能となり、足りなければ外部より圧縮空気を充填すれば、電気自動車の様に充電に時間を要することもなく瞬時の充填が可能である。
また、小型のコンプレッサーを常備しておけば、始動に係わる圧力不足を小電流で補填できるため、従来のクランキングのような大電流による始動が必要なくなるため、セルモーターが不要でバッテリーも大電流に対応する必要が無くなり、長期のバッテリー自己放電による始動不可能と言ったトラブルも防げる様になる。
また、蓄圧量が十分であれば空気機関として作動することもできるので、低速走行及び逆転駆動してバックギヤ無しでバックすることも可能であり、スタートアップのクラッチも削減できる。
また、2ストローク内燃機関ではエンジンブレーキが利きにくいが、圧縮行程初期に制御バルブ5を開いて高圧縮とすれば、制動力も上がり同時に制動エネルギーの回収もなされ、制御バルブ5の開くタイミングにより逆回転させることも可能である。
以上のように、従来の内燃機関に機構を追加して簡易に構成することが可能である
図7に4ストローク機関(実施例4)を示し、これを説明する。
回転するクランクシャフト18より連接棒17を介してピストン14に回転運動がシリンダー16内にて気密を保って往復直線運動となるよう接続され、排気弁27を介して排気管11より熱交換器6を介して消音器12を介して大気に開放され、吸気弁25を介してエアクリーナー8より大気が吸引され、シリンダー16内に燃料噴射ノズル13を設ける。
これら従来構造に加えて、高圧弁26より逆止弁9にて吐出配管3に方向制御されて畜圧器1に接続され、排気管11より加熱される熱交換器6を経た圧縮空気は逆止弁9により方向制御されて高圧弁26に接続され、
ピストン14により圧縮された空気はそのまま蓄圧器1に蓄圧され、蓄圧器1から吐出された圧縮空気は熱交換器6を経て加熱される流路とする。
動作は高圧弁26を除いて従来のガソリン及びディーゼル機関の4ストローク内燃機関と同じであり、吸気ー圧縮ー膨張ー排気の4行程である。
ここで制動時には圧縮行程で高圧弁26を開き大気を畜圧器1に蓄圧し、蓄圧量が十分なときは、以下の方法で蓄圧による動力の再生が可能である。
1 膨張行程で高圧弁26を開き熱交換器6より排気熱で加熱された圧縮空気でピストン14を押し下げて後に排気行程となる熱空気機関として作動させる。
2 空気機関として作動後に再圧縮して燃料噴射ノズル1より燃料噴射して燃焼によって再度ピストン14を押し下げる。
3 排気行程後の排気弁27を閉じた後、吸気及び圧縮行程を省略して上死点通過後に高圧弁26を開くと同時に燃料噴射ノズル13より燃料を噴射して燃焼させ圧縮空気を燃焼して燃焼ガスによりピストン14を押し下げてから排気する。
また、ガソリン機関のように自然吸気にて混合気を燃焼させる場合は、予め濃い混合気を吸気してから、圧縮行程で高圧弁26を開いて混合気と圧縮空気を充填混合して高圧縮とし作動することで動力の一部として再生させることが可能である。
このように、実施例1から3までの2ストロークのポートタイミングをバルブタイミングに置換することで全ての機能が適用可能である。
以上のように、従来の内燃機関に機構を追加して簡易に構成することが可能である
図8に電力バッファリングシステム(実施例5)を示し、これを説明する。
工場32より廃棄される排熱及びヘリオスタットアレイ34にて集熱器33に集められた太陽熱を熱配管39にて圧縮空気熱機関31の熱源とする。
太陽電池パネル35及び風力発電機36により発電された電力と送電線41に受送電するための変圧器38を電気配線40にて圧縮空気熱機関31に動力接続された発電機37に接続する。
圧縮空気熱機関31には圧力エネルギーを保存するための畜圧器1と随時内燃機関として発電機37を回し発電可能なように内燃機関の燃料タンク30で構成されるシステムである。
これにて電力のバッファリングを行うとき送電線41側に電力を供給する場合は、
工場32より廃棄される排熱及びヘリオスタットアレイ34にて集熱器33に集められた太陽熱が利用可能なときは圧縮空気熱機関31の熱源として発電機37にて発電して送電し、太陽電池パネル35及び風力発電機36の利用が可能なときはそのまま電力を送電する。
すべての外部エネルギーを総合しても電力が供給量に達しなければ、畜圧器1より圧力エネルギーを再生し、それでも尚不足であれば内燃機関を起動して燃料タンク30内の燃料を消費してそれを補う。
この時、送電に要する電力以上の利用可能エネルギーが生じた場合は、電気エネルギーの余剰では発電機37を原動機として圧縮空気熱機関31に動力を与え、熱エネルギーが余剰の時は、圧縮空気熱機関31の一部を熱空気エンジンとして作動させ残りを圧縮機として作動させ畜圧器1に圧力エネルギーとして蓄積させる。
また、送電線41側に電力の余剰を生じた場合は、余剰電力と外部発電電力にて発電機37を原動機として圧縮空気熱機関31を圧縮機として作動させ畜圧器1に圧力エネルギーとして蓄積させ、外部熱エネルギーが利用できるときであれば、圧縮空気熱機関31の一部を熱空気エンジンとして作動させて全てのエネルギーを畜圧器1に圧力エネルギーとして蓄積させる。
畜圧器1に圧力エネルギーとして蓄積させるとき、断熱圧縮により発生した熱は畜圧器1を断熱保温により、圧力と共に熱エネルギーとしても貯蔵可能で、畜圧器1以前に断熱圧縮生成熱を蓄熱して置き、動力再生時に蓄熱にて圧縮空気を再熱して再熱定圧サイクルとして熱効率を高めて運転することも出来る。
電力バッファー容量を大きくするには畜圧器1の畜圧圧力と容積に比例するが、圧力タンクは他の手段である蓄電器または溶融塩等の蓄熱より建設コストが低くメンテナンスも容易で総合コストが低く抑えられ、負荷に対するレスポンスが良い特徴もあり、小型から大規模まで低コストで建造可能である。
また、畜圧器1は深海の水圧を利用して海底の風船状の膜構造でも構築可能であり、岩盤の強度が高い地層にあっては地中に圧力を封じ込める手段も可能で断熱効果もあるので大規模では蓄電容量比がさらに低コストでの建造が可能となる。
また、圧力でのエネルギー保存は気密講造だけで圧力漏れが無ければ長期にわたるエネルギーの保存が可能であり設備の劣化も殆ど無い。
変動の大きな自然エネルギーのバッファーとして利用すれば安定な電源をえられるだけでなく、緊急時は内燃機関として起動できるので、常用または緊急電源の役割も果たすことが可能である。
また、小規模のバッファーシステムとしては、家庭用の冷暖房および給湯として冷熱の利用と太陽電池パネル及び地域送電の余剰電力バッファーとして総合効率の優れたものとなり、合わせて緊急時の無停電電源としての役目も果たすことが可能である。
圧縮空気熱機関31の空気を圧縮するときの断熱圧縮熱および蓄圧圧力の膨張時の吸熱は空調及び給湯の熱源としてのヒートポンプの役目を果たし、太陽電池からの余剰電力は圧力としてエネルギーの保存が可能で圧縮空気熱機関31は必要なエネルギーの種類に応じた出力形態を取ることができエネルギーの利用において無駄がなくなる。
小規模であっても、燃料電池を用いた家庭用コジェネ等よりも低コストで構築でき、設備寿命もバッテリー以上の期待ができ、圧縮空気が余剰の時は本発明による車両搭載の圧縮空気熱機関31に利用も可能ともなり、圧縮空気だけでもホームエレベーター等の動力源として利用も可能となる。
以上のように用途により、実施例を単独及び複合してシステムを構成する。
本発明により構成されたシステム及び装置は、構造が簡単で製造コストは少なく、構成機構も実績のある機構であるため小型で耐久性に優れる。
利用可能用途別に以下に列記する。
A 車両、船舶のエンジンとして
1 現存のエンジンに少量の機構変更で利用可能となる。
2 圧力タンクは構造部材を中空とすることで、重量増加も少なくコンパクトに出来る。
3 電動回生ハイブリッドと変わらない省エネ性を高価な部品を利用することなく構築できる。
4 クラッチ及びクランキング装置を除外できる。
5 熱効率の向上が見込まれる。
6 一部機能を空気ヒートポンプとして作動させて冷暖房が可能になる。
B クレーン、エレベーター等の荷役機械装置の原動機として
1 荷役の位置エネルギーが再利用できるので省エネが計れる
2 ブレーキシステムの耐久性が向上し安全性が保たれる
3 従来技術の援用であるので信頼性が高い。
4 従来装置と製造コストが余り違わない。
5 既存装置の基本的な機構が流用できる。
C 分散電源、スマートグリッドの安定化として
1 自然エネルギーの不安定出力にたいするバッファーとして電源の安定化を図る。
2 従来のディーゼル発電機などに改造することでも対応でき、現存設備の利用が可能である。
4 エネルギー効率が高くなる
5 小規模の緊急発電装置として分散配置すれば、スマートグリッドとしても安定化が計れる。
6 家庭用総合エネルギー利用の効率化が計れる。
複室2ストローク動作図 2段圧縮2ストローク動作図 基本熱サイクルPV線図 複室2ストローク機関(実施例1) 2段圧縮2ストローク機関(実施例2) 可変圧縮比機関(実施例3) 4ストローク機関(実施例4) 電力バッファリングシステム(実施例5)
1 畜圧器
2 圧縮配管
3 吐出配管
4 加熱配管
5 制御バルブ
6 熱交換器
7 バーナー
8 エアクリーナー
9 逆止弁
10 排気ポート
11 排気管
12 消音器
13 燃料噴射ノズル
14 ピストン
15 ピストンロッド
16 シリンダー
17 連接棒
18 クランクシャフト
19 クランク室
20 給気ポート
21 高圧逆止弁
22 燃焼器
23 点火プラグ
24 加圧ポート
25 吸気弁
26 高圧弁
27 排気弁
30 燃料タンク
31 圧縮空気熱機関
32 工場
33 集熱器
34 ヘリオスタットアレイ
35 太陽電池パネル
36 風力発電機
37 発電機
38 変圧器
39 熱配管
40 電気配線
41 送電線
42 触媒

Claims (1)

  1. 熱機関において、圧縮空気を貯める畜圧器と空気圧縮機関及び空気機関として作動する同一容積において圧縮及び膨張を行う4ストローク以下の機関であって、圧縮時に蓄圧器に蓄圧し、畜圧器からの圧縮空気にて空気機関として作動する時に膨張室に流入する圧縮空気を流路にて加熱膨張する圧縮空気熱機関。
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