JP5715812B2 - 気液分離器 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気や圧縮空気や各種ガス等の気体中に混入している復水や凝縮水等の液体をケーシング内に旋回流を起こし遠心力によって分離する気液分離器に関し、特にケーシング内に流体をろ過するフィルターを配置したものに関する。
従来の気液分離器は、例えば特許文献1に開示されている。これは、ケーシングと排気管で形成する環状空間に旋回羽根を配置し、旋回羽根の上方を入口に連結し、排気管の内側の孔を通してその上方を出口に連結し、環状空間の下方に液溜室を形成して該液溜室の下端を排液口に連結し、排気管と液溜室の間に流体をろ過する上流側円筒フィルター配置すると共に上流側円筒フィルターの内側に下流側円筒フィルターを配置し、上流側円筒フィルターのろ過粒度を下流側円筒フィルターのろ過粒度よりも大きく形成し、上流側円筒フィルターの全長を下流側円筒フィルターの全長の概略半分の長さに形成したものである。
特開2010−162480号公報
上記従来の気液分離器は、上流側円筒フィルターで粒度の小さな異物を捕捉し、下流側円筒フィルターで粒度の微小な異物を捕捉することにより、下流側円筒フィルターが早期に詰まることを防止できるものであるが、上流側円筒フィルターの全長が下流側円筒フィルターの全長の概略半分の長さであるために、上流側円筒フィルターが比較的早期に詰まりを生じ、頻繁に分解して上流側円筒フィルターを洗浄したり交換したりしなければならない問題点があった。
したがって本発明が解決しようとする課題は、上流側円筒フィルターが比較的早期に詰まることを防止できる気液分離器を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の気液分離器は、ケーシングと排気管で形成する環状空間に旋回羽根を配置し、旋回羽根の上方を入口に連結し、排気管の内側の孔を通してその上方を出口に連結し、環状空間の下方に液溜室を形成して該液溜室の下端を排液口に連結し、排気管と液溜室の間に流体をろ過する上流側円筒フィルター配置すると共に上流側円筒フィルターの内側に下流側円筒フィルターを配置し、上流側円筒フィルターのろ過粒度を下流側円筒フィルターのろ過粒度よりも大きく形成したものにおいて、上流側円筒フィルターの全長を下流側円筒フィルターの全長と概略同じ長さに形成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、上流側円筒フィルターの全長を下流側円筒フィルターの全長と概略同じ長さに形成したことにより、上流側円筒フィルターが比較的早期に詰まることを防止でき、上流側円筒フィルターを頻繁に洗浄したり交換したりする必要がないという優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態に係わる気液分離器の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。ケーシングは円筒状本体1と出入口部材2をクランプ継手3で結合し、本体1の下部に底蓋4を溶接により結合して形成する。出入口部材2には左右同軸上に入口6と出口7を設け、上端中央にプラグ孔5を設ける。プラグ孔5は逆洗用の流体配管を接続したり圧力計を接続したりするために使用する。底蓋4には下端中央に排液口8を設ける。出入口部材2に連通口9を開けた弁座16をネジ結合する。出入口部材2と弁座16の間には排気管10の上端の内向きフランジを間に挟むことにより、排気管10を出入口部材2に固定する。排気管10は二重のほぼ円筒形状で、内側円筒の上下端部を末広がりに形成する。排気管10の外側円筒は省略して本体1で兼用することもできる。排気管10の内外円筒の間に形成される環状空間11に、排気管10と一体に旋回羽根12を形成する。
入口4は連通孔13を通して下方の環状空間11に連結し、排気管10の内側は弁座16の連通口9を介して上方の出口5に連結する。本体1の下部内面と底蓋6の内面との間に旋回室14と、この旋回室14の下方に液溜室15を形成し、液溜室15の下端を排液口8に連結する。旋回室14と排気管10の内側に長尺円筒状の中空の下流側円筒フィルター22を配置する。下流側円筒フィルター22は上端を弁座16に溶接により固定し、下端部にプラグ23を溶接により固定して閉止状態とする。下流側円筒フィルター22は多数の微細な貫通孔を有し、入口4と環状空間11を流下してきた流体からゴミやスケール等の異物を捕捉して流体を出口5側へ排出するものである。下流側円筒フィルター22のろ過粒度は0.5マイクロから10マイクロ程度が好適である。下流側円筒フィルター22は全長の約半分が排気管10内に位置し、残りの約半分が旋回室14内に位置する。
旋回室14と排気管10の内側の下流側円筒フィルター22の外側に長尺円筒状の中空の上流側円筒フィルター24を配置する。上流側円筒フィルター24は上端を弁座16に溶接により固定し、下端部にプラグ23を溶接により固定して閉止状態とする。上流側円筒フィルター24は多数の微細な貫通孔を有し、入口4と環状空間11を流下してきた流体からゴミやスケール等の異物を捕捉して流体を下流側円筒フィルター22側へ排出するものである。上流側円筒フィルター24のろ過粒度は20マイクロから100マイクロ程度が好適である。上流側円筒フィルター24の全長は下流側円筒フィルター22の全長と概略同じ長さに形成する。上流側円筒フィルター24は全長の約半分が排気管10内に位置し、残りの約半分が旋回室14内に位置する。旋回室14と液溜室15の間に隔壁部材17を配置する。隔壁部材17は円板形状で外周に4個の突起18を有し、突起18の外端を底蓋6に溶接によりして固定する。突起18の間の隔壁部材17外周縁と底蓋6内周壁との間に液体通過用隙間19を形成する。
上記の気液分離器の動作は次の通りである。入口6から入った液体やゴミやスケール等の異物を含む気体は旋回羽根12で旋回される。質量の大きな液体や粒度の大きな異物は遠心力の作用で外側に振り出されて分離され、本体1の内周壁に沿って流下し、突起18の間の液体通過用隙間19を通って液溜室15に流入し、排液口8から系外に排出される。旋回流に含まれる粒度の小さな異物は、上流側円筒フィルター24を通過する際に捕捉されて分離される。上流側円筒フィルター24の内側へ通過した粒度の微小な異物は、下流側円筒フィルター22を通過する際に捕捉されて分離される。下流側円筒フィルター22の内側へ通過した気体は連通口9を通して出口5から流出する。
上流側円筒フィルター24の全長を下流側円筒フィルター22の全長と概略同じ長さに形成したことにより、上流側円筒フィルター24が比較的早期に詰まることを防止でき、上流側円筒フィルター24を頻繁に洗浄したり交換したりする必要がない。
本発明は、気体中に混入している液体をケーシング内に旋回流を起こし遠心力によって分離すると共にケーシング内に流体をろ過するフィルターを配置したあらゆる種類の気液分離器に利用することができる。
1 本体
2 出入口部材
3 クランプ継手
4 底蓋
5 プラグ孔
6 入口
7 出口
8 排液口
9 連通口
10 排気管
11 環状空間
12 旋回羽根
13 連通孔
14 旋回室
15 液溜室
16 弁座
17 隔壁部材
18 突起
19 液体通過用隙間
22 下流側円筒フィルター
23 プラグ
24 上流側円筒フィルター

Claims (1)

  1. ケーシングと排気管で形成する環状空間に旋回羽根を配置し、前記旋回羽根の上方を入口に連結し、前記排気管の内側の孔を通してその上方を出口に連結し、前記環状空間の下方に液溜室を形成して前記液溜室の下端を排液口に連結し、前記排気管と前記液溜室の間に流体をろ過する上流側円筒フィルター配置すると共に前記上流側円筒フィルターの内側に下流側円筒フィルターを配置し、前記上流側円筒フィルターのろ過粒度を前記下流側円筒フィルターのろ過粒度よりも大きく形成したものにおいて、前記上流側円筒フィルターの全長を前記下流側円筒フィルターの全長と概略同じ長さに形成して前記上流側円筒フィルターで前記下流側円筒フィルターの概略全体を囲い、前記上流側円筒フィルターの概略上半分のみを前記排気管内に前記排気管から離間させて配置したことを特徴とする気液分離器。
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