JP5710601B2 - 改良型流量制限要素を有する喫煙物品 - Google Patents

Description

多くの管轄区域では、シガレットに対する最大一酸化炭素、タール、及びニコチン産出量を規定する規則が存在する。

シガレット及び他の喫煙物品には、その喫煙中に発生する副流煙を低減するために低い透過率の包装紙を備えることが公知である。しかし、副流煙を有利に低減するが、低い透過率の包装紙の具備は、そのような喫煙物品によって発生する主流煙の一酸化炭素の産出量、及び従って一酸化炭素対タール比を不利に大きくすると考えられる。

一酸化炭素及びタール送出量を低減するために通気を使用することができるが、高いレベルの通気は、容認できないほど低いレベルの吸引抵抗（ＲＴＤ）を不利にもたらす可能性がある。更に、通気は、気相及び粒子相の送出の両方を低減するので、一酸化炭素対タール比に対する効果が殆どない。

低い透過率の包装紙及び高レベルの通気で喫煙物品の全体的ＲＴＤを満足できるレベルまで上げるために、例えば、１つ又はそれよりも多くの高密度セルロースアセテートフィルタセグメントの具備を用いることができる。しかし、高密度セルロースアセテートフィルタセグメントは、典型的にタール送出量を低減する一方で、一酸化炭素送出量に対する効果が殆ど又は全くない。

ＵＳ−Ａ−５，１５２，３０４ ＵＳ−Ａ−５，１５２，３０４

従って、副流煙低減包装紙と１未満又はそれに等しい一酸化炭素対タール比とを有する喫煙物品を提供することが望ましいと考えられる。

本発明により、喫煙可能材料のロッドと、喫煙可能材料のロッドに取り付けられた流量制限要素を含むフィルタとを含む喫煙物品を提供する。流量制限要素は、第１の上流側一体型管状部分と、第１の管状部分と実質的に同じ外径の第２の下流側一体型管状部分と、第１と第２の管状部分の間に配置された第３の中央一体型管状部分とを含み、第３の管状部分は、第１及び第２の管状部分と比較して外径が小さい。少なくとも１つのオリフィスが設けられた横方向障壁が、第１の管状部分の内側周囲によって部分的に形成された第１の上流側空洞と、第２の管状部分の内側周囲によって部分的に形成された第２の下流側空洞との間に配置される。第２の空洞と連通する通気区間が、フィルタに沿った位置に設けられる。

本発明により、本発明による喫煙物品に具備するための流量制限要素を更に提供し、流量制限要素は、第１の上流側一体型管状部分と、第１の管状部分と実質的に同じ外径の第２の下流側一体型管状部分と、第１及び第２の管状部分の間に配置されて第１の管状部分及び第２の管状部分と比較して外径が小さい第３の中央一体型管状部分と、第１の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第１の空洞及び第２の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第２の空洞の間に配置されて少なくとも１つのオリフィスが設けられた横方向障壁と、第２の空洞と連通する第２又は第３の管状部分の表面における１つ又はそれよりも多くの開口部とを含む。

本発明により、本発明による流量制限要素を含む喫煙物品のためのフィルタも提供する。

本明細書を通して、用語「上流側」及び「下流側」は、喫煙中にフィルタを通して喫煙可能材料のロッドから吸引される主流煙の方向に対する本発明の喫煙物品の構成要素の相対位置を説明するのに使用される。

上に指定した特徴を有する流量制限要素及び通気区間を含むフィルタの具備は、主流煙の一酸化炭素対タール比が満足できるレベルに維持される望ましいＲＴＤを有する本発明による高通気性の喫煙物品の生産を有利に可能にする。以下でより詳細に説明するように、これは、喫煙物品の喫煙可能材料のロッドが副流煙低減包装紙を含む時でさえも当て嵌まる。

上に指定した特徴を有する流量制限要素を含むフィルタを有する本発明による喫煙物品は、有意な修正をする必要なく既存のフィルタ結合及びシガレット製造機器を使用して有利に生成することができる。その形状のために、流量制限要素は、弾力があり、かつ本発明によるフィルタ及び喫煙物品の製造中に、特に、本発明による喫煙物品を生成するために本発明によるフィルタを喫煙可能材料のロッドに取り付ける工程中に圧縮することができる。これは、既存のフィルタ結合及びシガレット製造機器を使用する本発明によるフィルタ及び喫煙物品の製造を有利に容易にする。

流量制限要素の第３の管状部分のその第１及び第２の管状部分と比較した小さい外径は、フィルタの周囲と第３の管状部分の外部との間に通気区間を有利に確立する。同時に、第３の管状部分と比較して流量制限要素の第１及び第２の管状部分の大きい外径は、例えば、喫煙物品が消費者の指の間に保持された時にフィルタが崩壊しないような補強を有利に提供する。

流量制限要素の第１の上流側空洞は、使用中に喫煙可能材料のロッドを通して吸引される主流煙を横方向障壁内の少なくとも１つのオリフィスの周りにその少なくとも１つのオリフィスを通して更に下流に吸引される前に有利に集中させる。更に、第１の上流側空洞は、喫煙中の少なくとも１つのオリフィスの閉塞を防止することを助ける。

横方向障壁内に設けられるオリフィスの数とその寸法は、望ましいＲＴＤ及び一酸化炭素対タール比を達成するように選択することができる。横方向障壁は、好ましくは、単一のオリフィスを含み、より好ましくは、実質的に中央の単一のオリフィスを含む。横方向障壁が単一の実質的に中央のオリフィスを含む場合、オリフィスの直径は、好ましくは、約０．４ｍｍと約０．８ｍｍの間であり、より好ましくは、直径が約０．６ｍｍである。

好ましくは、少なくとも１つのオリフィスの長さは、約０．２ｍｍと約１ｍｍの間であり、より好ましくは、長さが約０．７ｍｍである。本明細書を通して、用語「長さ」は、喫煙物品の縦方向の寸法を意味するために使用される。少なくとも１つのオリフィスの長さは、横方向障壁の厚みに等しい。

好ましくは、少なくとも１つのオリフィスは、喫煙物品が約３０ｍｍＷＧ（水位計）と約１２０ｍｍＷＧの間、より好ましくは、約４０ｍｍＷＧのＲＴＤを有するように十分な圧力降下を付与するように寸法設定される。

煙不透過性の横方向障壁は、あらゆる適切な形状とすることができる。例えば、横方向障壁は、喫煙物品の縦軸線に対して実質的に垂直になるようにすることができる。代替的に、横方向障壁は、フィルタを通して喫煙可能材料のロッドから吸引される主流煙の方向に対して、円錐台形及び収斂形又は発散形とすることができる。更に別の実施形態では、横方向障壁は、フィルタを通して喫煙可能材料のロッドから吸引された主流煙の方向に対して、凹面形又は凸面形とすることができる。好ましくは、横方向障壁は、フィルタを通して喫煙可能材料のロッドから吸引される主流煙の方向に対して凹面形である。それによって本発明によるフィルタ及び喫煙物品の製造中に、特に、本発明による喫煙物品を製造するために本発明によるフィルタを喫煙可能材料のロッドに取り付ける工程中に流量制限要素の圧縮が有利に容易にする。

流量制限要素の第２の下流側空洞は、横方向障壁内に設けられた１つ又はそれよりも多くのオリフィスを通る主流煙の吸引を消費者の口内に吸引を始める前に通気区間を通して吸引された空気と有利に混合させる。

通気区間は、流量制限要素の横方向障壁内の少なくとも１つのオリフィスの下流側位置にあるフィルタの流量制限要素の第２の空洞内の喫煙可能材料のロッドから吸引された主流煙の通気を提供する。好ましくは、横方向障壁内の少なくとも１つのオリフィスの上流では通気が行われない。少なくとも１つのオリフィスの下流だけに通気の備えをすると、消費者が吸煙中に喫煙物品に対してそれをより強く吸引するように試みることができる程度を有利に制限する。吸煙の流量が上昇すると、従来のセルロースアセテートトウフィルタを含む喫煙物品の場合と比較して流量制限要素における圧力降下がより速く増加する。従って、消費者が吸煙中により強く吸引すると、主流煙の通気の増加がむしろ主流煙の煙送出の増加よりも多くなる結果になる。更に、流量制限要素の横方向壁内の少なくとも１つのオリフィスの下流だけに通気を備えることにより、通気区間及び少なくとも１つのオリフィスの機能が有利に分離される（それぞれ、通気レベル及びＲＴＤ）。

好ましくは、フィルタは、実質的に空気不透過性先端紙の帯によって喫煙可能材料のロッドに取り付けられる。好ましくは、通気区間は、先端紙の一部分を通して設けられた少なくとも１つの周方向列の穿孔を含み、より好ましくは、流量制限要素の第３の管状部分の上に重なる先端紙の一部分を通して設けられた少なくとも１つの周方向列の穿孔を含む。

好ましくは、少なくとも１つの周方向列の穿孔は、喫煙物品の唇側端部から少なくとも１２ｍｍに配置される。

先端紙内の穿孔は、従来技術を使用して喫煙物品の構成前又は構成中に作ることができる。例えば、先端紙内の穿孔は、オンラインレーザ穿孔、機械穿孔、又は静電穿孔を使用して生成することができる。好ましくは、先端紙は、事前穿孔される。

一実施形態では、流量制限要素の第１の空洞は、流量制限要素の第１及び第３の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成され、流量制限要素の第２の空洞は、流量制限要素の第２の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成される。

この実施形態では、好ましくは、通気区間の第２の空洞と少なくとも１つの周方向列の穿孔との間に連通経路を形成する第２の管状部分の上流側横方向端面に、１つ又はそれよりも多くの開口部が設けられる。より好ましくは、第２の空洞と通気区間の少なくとも１つの周方向列の穿孔との間に連通経路を形成する第２の管状部分の上流側横方向端面に、複数の実質的に均等に周方向に離間した開口部が設けられる。例えば、第３の管状部分から半径方向外向きに延びる第２の管状部分の上流側横方向端面に、１２個の実質的に均等に周方向に離間した開口部を設けることができる。

好ましくは、１つ又はそれよりも多くの開口部は、約０．３ｍｍと約０．５ｍｍの間、より好ましくは、約０．５ｍｍの直径を有する。

代替的な実施形態では、流量制限要素の第１の空洞は、流量制限要素の第１の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成され、流量制限要素の第２の空洞は、流量制限要素の第２及び第３の管状部分の内側周囲によって少なくとも部分的に形成される。

この実施形態では、好ましくは、第２の空洞と通気区間の少なくとも１つの周方向列の穿孔との間に連通経路を形成する第３の管状部分の円周面に、１つ又はそれよりも多くの開口部が設けられる。

例えば、１対の細長い対向する開口部を第３の管状部分の上流側円周面に設けることができる。

好ましくは、本発明による喫煙物品は、約５０パーセントと約９０パーセントの間、より好ましくは、約６０パーセントと約８０パーセントの間、最も好ましくは、約７０パーセントの通気レベルを有する。

流量制限要素は、あらゆる適切な材料又は材料の組合せから作ることができる。流量制限要素を作ることができる適切な材料は、以下に限定されるものではないが、プラスチック（例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリスルフォン、ポリエステル、及びポリウレタン）、セルロース材料、及びその組合せ又は複合材を含む。

好ましくは、流量制限要素は、生体分解性材料から、より好ましくは、生体分解性ポリマー材料から作ることができる。適切な生体分解性材料は、当業技術で公知であり、Ｍａｔｅｒ−Ｂｉ（登録商標）の銘柄でイタリア国Ｎｏｖａｒａ所在のＮｏｖａｍｏｎｔから、及びＥｃｏｆ１ｅｘ（登録商標）及びＥｃｏｖｉｏ（登録商標）の銘柄でドイツ国Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ所在のＢＡＳＦから市販されている。

好ましくは、流量制限要素は、単一の部品であり、より好ましくは、単一の射出成形部品である。
好ましくは、前記流量制限要素は、長さが少なくとも約１０ｍｍ、より好ましくは、長さが少なくとも約１３ｍｍである。

好ましくは、流量制限要素は、長さが約１０ｍｍと約２０ｍｍの間であり、より好ましくは、長さが約１２ｍｍと約１４ｍｍの間であり、最も好ましくは、長さが約１３ｍｍである。

好ましくは、流量制限要素の第１の管状部分は、長さが少なくとも約４ｍｍであり、より好ましくは、長さが少なくとも約５ｍｍである。

好ましくは、流量制限要素の第２の管状部分は、長さが少なくとも約３ｍｍであり、最も好ましくは、長さが少なくとも約３．５ｍｍである。

好ましくは、流量制限要素の第３の管状部分は、長さが少なくとも約３ｍｍであり、最も好ましくは、長さが少なくとも約３．５ｍｍである。

好ましくは、横方向障壁は、流量制限要素の第２の管状部分の下流側端部から少なくとも約１ｍｍであり、より好ましくは、少なくとも約１．５ｍｍである。

好ましくは、流量制限要素の第１及び第２の管状部分の外径は、約６ｍｍと約９ｍｍの間であり、より好ましくは、約７ｍｍと約８．４ｍｍの間であり、最も好ましくは、約７．５ｍｍと約７．９ｍｍの間である。

好ましくは、流量制限要素の第３の管状部分の外径は、約４ｍｍと約７．５ｍｍの間であり、より好ましくは、約４．５ｍｍと約６．８ｍｍの間であり、最も好ましくは、約４．５ｍｍと約５．５ｍｍの間である。

フィルタは、流量制限要素の上流に１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントを更に含むことができる。代替的に又は追加的に、フィルタは、流量制限要素の下流に１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントを更に含むことができる。好ましい実施形態では、フィルタは、流量制限要素の上流に第１のフィルタセグメント、及び流量制限要素の下流に第２のフィルタセグメントを更に含むことができる。好ましくは、第１及び第２のフィルタセグメントは、約５ｍｍと約１２ｍｍの間の長さであり、より好ましくは、約６ｍｍと約８ｍｍの間の長さであり、最も好ましくは、約７ｍｍの長さである。

フィルタが、流量制限要素の上流に１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメント、及び流量制限要素の下流に１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントを含む場合、上流及び下流側フィルタセグメントは、同じものにするか又は別のものにすることができる。例えば、フィルタは、流量制限要素のいずれかの側に配置されたセルロースアセテートトウの１対の同一のセグメントを含むことができる。代替的に、フィルタは、流量制限要素の上流にセルロースアセテートトウのプラグ、及び流量制限要素の下流に例えば紙、厚紙、又はセルロースアセテートの中空チューブを含むことができる。

好ましくは、１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントは、低い粒子相濾過効率のフィルタ材料を含む。好ましくは、１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントの各々の粒子相濾過効率は、約３０パーセントよりも低く、より好ましくは、約２０パーセントよりも低い。特に好ましい実施形態では、フィルタは、流量制限要素の上流に低い粒子相濾過効率の第１のフィルタセグメント、及び流量制限要素の下流に低い粒子相濾過効率の第２のフィルタセグメントを含む。

１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントは、セルロースアセテートトウのようなセルロース材料、又は低い濾過効率の他の適切な繊維状フィルタ材料を含むことができる。１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントがセルロースアセテートトウを含む場合、望ましい粒子相効率及びＲＴＤを達成するために、フィラメントあたりのデニール及びトウの全体デニールを選択することができる。好ましくは、セルロースアセテートトウは、約８又はそれよりも大きいフィラメントあたりのデニール、及び約２８，０００又はそれよりも小さい全体デニールを有する。

好ましくは、流量制限要素及びもし存在する場合に１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントは、プラグ包装紙の帯によって取り囲まれる。一実施形態では、流量制限要素及び１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントは、実質的に空気不透過性プラグ包装紙の帯によって取り囲まれ、好ましくは、プラグ包装紙の帯は、約７，０００Ｃｏｒｅｓｔａ単位と約２０，０００Ｃｏｒｅｓｔａ単位の間の透過率を有する。代替的な実施形態では、流量制限要素及び１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントは、実質的に空気透過性プラグ包装紙の帯によって取り囲まれる。

好ましくは、プラグ包装紙の帯は、流量制限要素の第１の管状部分の周方向外面に添付される。より好ましくは、プラグ包装紙は、第１の管状部分の外面に実質的に気密シールを確立するために流量制限要素の第１の管状部分の周方向外面に添付される。最も好ましくは、プラグ包装紙の帯は、流量制限要素の第１及び第２の管状部分の周方向外面に添付される。

フィルタが流量制限要素の上流にフィルタセグメントを含む場合、プラグ包装紙の帯は、好ましくは、上流側フィルタセグメントの周方向外面に添付される。より好ましくは、プラグ包装紙は、流量制限要素の第１の管状部分の外面に実質的に気密シールを確立するために流量制限要素の上流側フィルタセグメント及び第１の管状部分の周方向外面に添付される。

フィルタが流量制限要素の下流にフィルタセグメントを含む場合、プラグ包装紙の帯は、好ましくは、下流側フィルタセグメントの周方向外面に添付される。

プラグ包装紙の帯は、例えば、接着剤を使用して流量制限要素と１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントとに添付することができる。プラグ包装紙の帯と流量制限要素の第１の管状部分との間の気密シールは、良好な密着力及び高い表面粘着性を示す接着剤の使用によって達成することができる。適切な接着剤は、当業技術で公知であり、Ａｄｈｅｓｉｎの商標でドイツ国デュッセルドルフ所在のＨｅｎｋｅｌから市販されている。

上述のように、プラグ包装紙の帯を含むフィルタは、好ましくは、実質的に空気不透過性先端紙の帯によって喫煙可能材料のロッドに取り付けられる。

フィルタが実質的に空気不透過性プラグ包装紙の帯を含む場合、通気区間は、好ましくは、喫煙物品の製造中にオンラインで形成される先端紙の一部分及びプラグ包装紙を通して設けられた少なくとも１つの周方向列の穿孔を含む。

フィルタが実質的に空気透過性プラグ包装紙の帯を含む場合、フィルタは、好ましくは、少なくとも１つの周方向列の穿孔を含む予め穿孔された先端紙の帯によって喫煙可能材料のロッドに取り付けられる。

本発明による喫煙物品のＲＴＤは、予め穿孔された先端紙及び空気透過性プラグ包装紙の使用によって調節することができる。流量制限要素の少なくとも１つのオリフィスは、使用中に、先端紙の穿孔及び空気透過性プラグ包装紙内を通って流れる実質的に全ての通気空気が第２の下流側空洞内に流れるように寸法設定することができる。更に、流量制限要素の第３の管状部分の上に重なる先端紙の一部分に穿孔及び従って通気区間を提供することにより、かつ喫煙可能材料のロッドから吸引された主流煙が通気空気と混合する通気区間を第２の下流側空洞から分離することにより、主流煙が上流に流れずに先端紙内の穿孔を通って出て行く。本発明による喫煙物品の通気のレベルは、従って、別の予め穿孔された先端紙、又は空隙率の異なるレベルのプラグ包装紙、又はその組合せの使用により有利に変えることができる。

好ましくは、フィルタは、約２０ｍｍと約３４ｍｍの間、より好ましくは、約２５ｍｍと約３０ｍｍの間、最も好ましくは、約２７ｍｍの全長を有する。

好ましくは、本発明による喫煙物品のフィルタは、約２５０ｍｍＷＧと約３５０ｍｍＷＧの間、より好ましくは、約２７５ｍｍＷＧと約３２５ｍｍＷＧの間の全体封入ＲＴＤを有する。

好ましくは、本発明による喫煙物品のフィルタは、少なくとも３０ｍｍＷＧ、より好ましくは、少なくとも約４０ｍｍＷＧの非封入ＲＴＤを有する。

好ましくは、喫煙可能材料のロッドは、包装紙によって取り囲まれたタバコ、より好ましくは、包装紙によって取り囲まれたタバコカット充填物を含む。

好ましくは、喫煙可能材料のロッドは、結果として副流煙の量を低減する包装紙を含む。本発明による喫煙物品に使用するための適切な副流煙低減包装紙及びそのような包装紙を生成する方法は、当業技術で公知であり、例えば、ＵＳ−Ａ−５，１５２，３０４に説明されている。

好ましくは、包装紙は、高い坪量と低い透過率を有する。より好ましくは、包装紙は、ＵＳ−Ａ−５，１５２，３０４に説明された種類のものである。

好ましくは、包装紙は、少なくとも約３５ｇ／ｍ²の坪量、より好ましくは、約３５ｇ／ｍ²と約６０ｇ／ｍ²の間の坪量、最も好ましくは、約４０ｇ／ｍ²と約５０ｇ／ｍ²の間の坪量を有する。

好ましくは、包装紙は、約１８Ｃｏｒｅｓｔａ単位又はそれ未満、より好ましくは、約４Ｃｏｒｅｓｔａ単位と約１８Ｃｏｒｅｓｔａ単位の間、最も好ましくは、約５Ｃｏｒｅｓｔａ単位と約８Ｃｏｒｅｓｔａ単位の間の透過率を有する。

好ましくは、包装紙は、充填物、好ましくは、無機充填物、最も好ましくは、炭酸カルシウムを含む。好ましくは、包装紙は、重量比で約２０パーセントと約５０パーセントの間、より好ましくは、重量比で約４０パーセントの充填物装填量を有する。

好ましくは、包装紙は、燃焼調節剤を更に含む。より好ましくは、包装紙は、重量比で０．３パーセントと５パーセントの間の燃焼調節剤を含む。適切な燃焼調節剤は、当業技術で公知であり、以下に限定されるものではないが、多価無機酸の１塩基カリウム及びナトリウム塩（リン酸、ピロリン酸、ホウ酸、及び硫酸のような）及びカルボン酸の１カリウム及びナトリウム塩（クエン酸、コハク酸、及びフマル酸のような）を含む無機又は有機酸の酸性塩、少なくとも１つの不安定プロトンを有する多価酸の塩類を含み、熱分解して酸性種などを原位置で生成する化合物、リン酸エステル（α−Ｄ−グルコース１−リン酸のナトリウム塩のような）を含む酸性前駆体である様々なエステル、及びその組合せを含む。好ましくは、燃焼調節剤は、酸性塩であり、より好ましくは、１塩基リン酸カリウムである。

ある実施例においては、前記包装紙は、３５ｇ／ｍ ² と６０ｇ／ｍ ² の間の坪量、重量比で２０パーセントと５０パーセントの間の充填物装荷量、２Ｃｏｒｅｓｔａ単位と１８Ｃｏｒｅｓｔａ単位の間の透過率、及び重量比で０．３パーセントと５パーセントの間の燃焼調節剤を有する。
好ましくは、本発明による喫煙物品は、１未満又はそれに等しい一酸化炭素対タール比を有する。

好ましくは、本発明による喫煙物品は、約３ｍｇと約１２ｍｇの間の全体ニコチンなし乾燥粒子物質（ＮＦＤＰＭ）又は「タール」送出量を有する。

本発明を単なる一例として添付図面を参照して以下に更に説明する。

フィルタの内部構成要素を見せるために先端紙及びフィルタプラグ包装紙を部分的に開いた状態の本発明の第１の実施形態による喫煙物品の拡大斜視図である。 図１の喫煙物品のフィルタの部分縦方向断面図である。 線Ａ−Ａに沿った（図２で破線によって示した）図２の喫煙物品のフィルタの流量制限要素の横方向断面図である。 本発明の第２の実施形態による喫煙物品のフィルタの部分縦方向断面図である。 線Ｂ−Ｂに沿った（図３で破線によって示した）図４の喫煙物品のフィルタの流量制限要素の横方向断面図である。

図１に示す本発明の第１の実施形態による喫煙物品１０は、円筒形のタバコロッド１２とフィルタ１４とを含む。フィルタ１４は、先端紙１６の帯によってタバコロッド１２に取り付けられ、先端紙１６は、フィルタ１４とタバコロッド１２の隣接部分を取り囲み、タバコロッド１２は、高い坪量で低い透過率の包装紙によって取り囲まれたタバコカット充填物１８の装填物を含む。

フィルタ１４は、タバコロッド１２に隣接かつ当接する第１のフィルタセグメント２２と、喫煙物品１０の唇側端部の第２のフィルタセグメント２４と、第１のフィルタセグメント２２と第２のフィルタセグメント２４の間に配置された単体の射出成形流量制限要素２６とを含む。第１及び第２のフィルタセグメント２２、２４は、好ましくは、低粒子効率のセルロースアセテートトウフィルタセグメントである。

第１及び第２のフィルタ要素２２、２４と流量制限要素２６は、プラグ包装紙２８の帯によって取り囲まれる。

図２により詳細に示すように、流量制限要素２６は、好ましくは、生体分解性ポリマー材料で形成されており、第１のフィルタセグメント２２に隣接かつ当接する第１の上流側一体型管状部分３０と、第２のフィルタセグメント２４に隣接かつ当接する第１の管状部分３０と実質的に同じ外径の第２の下流側一体型管状部分３２と、第１及び第２の管状部分３０及び３２の間に配置されかつそれらと比較して外径が小さい第３の中央一体型管状部分３４とを含む。プラグ包装紙２８は、流量制限要素２６の第１の管状部分３０の外面において実質的に気密性を形成するために、接着剤（図示せず）によって流量制限要素２６の第１のフィルタ要素２２及び第１の管状部分３０の周方向外面に添付される。

第１及び第２の管状部分３０と比較して第３の管状部分３４の外径が小さいために、プラグ包装紙２８の内面は、図２に示すように第３の管状部分３４の周方向外面から離間している。以下に詳細に説明するように、先端紙１６のプラグ包装紙２８及び上に重なる帯と第３の管状部分３４の周方向外面との間の空間が通気区間を形成する。

流量制限要素２６は、直径が小さい単一の中央オリフィス３８が設けられた横方向障壁３６を更に含む。図２に示すように、横方向障壁３６は、流量制限要素２６の第１及び第３の管状部分３０、３４の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第１の上流側空洞４０と、流量制限要素の第２の管状部分３２の内側周囲によって部分的に形成された第２の下流側空洞４２との間に配置される。

１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔４４（図１及び２に破線によって示した）は、先端紙１６の一部分と、流量制限要素２６の第３の管状部分３４の上に重なるプラグ包装紙２８とを通して設けられる。図３に示すように、複数の実質的に均等に周方向に離間した開口部４６が、第３の管状部分３４の周りで半径方向外向きに延びる第２の管状部分３２の上流側横方向端面に設けられる。これらの開口部は、図２に示すように、先端紙１６及びプラグ包装紙２８に設けられた１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔４４と第２の空洞４２との間の連通経路を形成する。

使用中に、喫煙物品１０のタバコロッド１２からの主流煙は、フィルタ１４の第１のフィルタセグメント２２を通って流量制限要素２６の第１の空洞４０内に向けて下流に吸引される。第１の空洞４０内に向けて吸引された主流煙は、流量制限要素２６の第２の空洞４２内に向けて中央オリフィス３８を通って更に下流に吸引される前に、流量制限要素２６の横方向障壁３６の中央オリフィス３８の周りに集中する。

通気空気はまた、先端紙１６及びプラグ包装紙２８内の１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔４４と、第２の管状部分３２の上流側横方向端面に設けられた複数の実質的に均等に周方向に離間した開口部４６とを通って第２の空洞４２内に吸引される。横方向障壁３６内の中央オリフィス３８を通して吸引された主流煙は、第２のフィルタ要素２４を通して更に下流に吸引される前に、第２の空洞４２内の通気空気と混合する。

使用中に、タバコロッド１２の高い坪量で低い透過率の包装紙２０は、公知の方式で喫煙物品１０によって発生する副流煙を有利に低減する。

図４及び５に示す本発明の第２の実施形態による喫煙物品は、図１から３に示す本発明の第１の実施形態による喫煙物品１０と構成及び設計が非常に類似している。上述の本発明の第１の実施形態による喫煙物品の特徴に対応する本発明の第２の実施形態による特徴に対して、図４及び５では同様の参照番号が使用される。

図１から３に示す本発明の第１の実施形態による喫煙物品１０と、図４及び５に示す本発明の第２の実施形態による喫煙物品との間の僅かな違いは、先端紙及びプラグ包装紙における１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔と第２の空洞との間に連通経路を形成する開口部の位置と流量制限要素の横方向障壁の位置だけである。

図４に示すように、本発明の第２の実施形態による喫煙物品のフィルタ１４の流量制限要素２６’では、流量制限要素２６’の第１の管状部分３０’の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第１の上流側空洞と、流量制限要素２６’の第２及び第３の管状部分３２’、３４’の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第２の上流側空洞４２’との間に横方向障壁３６’が配置される。

第２の実施形態では、先端紙１６及びプラグ包装紙２８における１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔４４と第２の空洞４２’との間に連通経路を形成する１対の対向する細長い開口部４６’が、図５に示す流量制限要素２６’の第３の管状部分３４’の円周面に設けられる。

使用中に、先端紙１６及びプラグ包装紙２８内の１つ又はそれよりも多くの周方向列の穿孔４４と、第３の管状部分３４’の円周面に設けられた１対の対向する細長い開口部４６’とを通って第２の空洞４２’内に通気空気が吸引され、そこで、それが横方向障壁３６’内の中央オリフィス３８を通って吸引された主流煙と混合する。

本発明の第１及び第２の実施形態による喫煙物品のタバコロッド１２は、従来のシガレットロッド製造機器を使用して構成することができ、タバコカット充填物１８は、移動するベルト上で連続ロッドに空気形成され、高い坪量で低い透過率の包装紙２０の連続リボンを用いて包まれ、これが、次に、その縦方向継ぎ目に沿って接着される。

本発明の第１及び第２の実施形態による喫煙物品のフィルタ１４はまた、公知の結合技術を利用する既存の高速フィルタロッド製造機器を使用して構成することができる。

フィルタ１４及びタバコロッド１２は、次に、公知のフィルタ付きシガレットの生成中にフィルタをタバコロッドに取り付けるために利用される既存の機械を使用してフィルタ１４の周り及びタバコロッド１２の隣接部分に先端紙１６の帯を添付することにより、組み合わされかつ互いに取り付けることができる。

表１は、第１及び第２のフィルタセグメントが低い粒子効率のセルロースアセテートトウのプラグである図１から３に示す本発明の第１の実施形態により構成された第１のシガレット（シガレットＡ）、第２のフィルタセグメントがセルロースアセテートトウの中空円筒形チューブによって置換された以外はシガレットＡと大体同一構成の本発明による第２のシガレット（シガレットＢ）、及びタバコロッドの高い坪量で低い透過率の包装紙が従来の坪量で透過率の包装紙によって置換された以外はシガレットＡと大体同一構成の本発明による第３のシガレット（シガレットＣ）に対する吸煙回数、喫煙ニコチン（ＳＮ）、タール、及び一酸化炭素（ＣＯ）の合計量、及びＣＯ／タール比及びＣＯ／ＳＮ比を提供している。

比較のために、表１はまた、従来のセルロースアセテートトウを有する本発明によらない３つのシガレットに対する吸煙回数、喫煙ニコチン（ＳＮ）、タール、及び一酸化炭素（ＣＯ）の合計量、及びＣＯ／タール比及びＣＯ／ＳＮ比を提供している。これらのシガレットのうちの２つは、高い坪量で低い透過率の包装紙を備えたタバコロッドを有し（シガレットＤ及びＥ）、これらのシガレットのうちの１つは、従来の坪量及び透過率の包装紙を備えたタバコを有する（シガレットＦ）。

（表１）

表１に示すように、従来のセルロースアセテートトウフィルタを有するシガレットに対して、高い坪量で低い透過率の包装紙の具備は（シガレットＤ及びＥ）、一酸化炭素産出量の増加をもたらす。更に、従来のセルロースアセテートトウフィルタ及び高い坪量で低い透過率の包装紙を有するシガレット（シガレットＤ及びＥ）の通気レベルの増加は、一酸化炭素産出量を有意に低減したが、一酸化炭素対タール比には有意な影響を及ぼしていない。

従来のセルロースアセテートトウフィルタを有するシガレットとは対照的に、本発明によるシガレット（シガレットＡ、Ｂ、及びＣ）は、全て１．０よりも低い一酸化炭素対タール比を有した。特に、表１に示すように、高い坪量で低い透過率の包装紙と、セルロースアセテートトウの中空円筒形チューブで構成された第２のフィルタセグメントとを有する本発明によるシガレット（シガレットＢ）の吸煙回数及び吸煙ニコチン（ＳＮ）及びタール産出量は、従来のセルロースアセテートトウフィルタと、従来の坪量及び透過率の包装紙とを有するシガレット（シガレットＦ）のものと非常に類似していた。しかし、副流煙低減包装紙の具備にも関わらず、シガレットＢの一酸化炭素産出量及び一酸化炭素対タール比及び一酸化炭素対喫煙ニコチン比は、シガレットＦと比較して有利に有意に低下した。

本発明は、セルロースアセテートトウのプラグを含む第１及び第２のフィルタセグメントを有するフィルタを含む喫煙物品に関連して上に例示した。しかし、本発明による喫煙物品は、紙（例えば、濾紙又はカーボン紙）、厚紙、プラスチック（例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリスルフォン、ポリエステル、又はポリウレタン）、生体ポリマー、及びその組合せのような他の材料を含む１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントを有するフィルタを含むことができることは認められるであろう。

更に、本発明は、単一の実質的に中央のオリフィスが設けられた横方向障壁を含む流量制限要素を有するフィルタを含む喫煙物品に関連して上に例示したが、本発明による喫煙物品は、単一の非中央オリフィス又は２つ又はそれよりも多くのオリフィスが設けられた横方向障壁を含むフィルタを含むことができることは認められるであろう。

１０ 喫煙物品
１２ 喫煙可能材料のロッド
１４ フィルタ
２６ 流量制限要素
３０ 第１の上流側一体型管状部分
３２ 第２の下流側一体型管状部分
３４ 第３の中央一体型管状部分

Claims (12)

1. 喫煙可能材料のロッド（１２）と、
   前記喫煙可能材料のロッド（１２）に取り付けられた流量制限要素（２６、２６’）を含むフィルタ（１４）であって、該流量制限要素（２６、２６’）が、
   第１の上流側一体型管状部分（３０、３０’）、
   前記第１の管状部分（３０、３０’）と実質的に同じ外径の第２の下流側一体型管状部分（３２、３２’）、
   前記第１及び第２の管状部分（３０、３０’、３２、３２’）の間に位置し、該第１及び第２の管状部分（３０、３０’、３２、３２’）と比較して外径が小さい第３の中央一体型管状部分（３４、３４’）、及び
   前記第１の管状部分（３０、３０’）の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第１の上流側空洞（４０、４０’）と、前記第２の管状部分（３２、３２’）の内側周囲によって少なくとも部分的に形成された第２の下流側空洞（４２、４２’）との間に配置され、少なくとも１つのオリフィス（３８、３８’）が設けられた横方向障壁（３６、３６’）、
   を含む、
   前記フィルタ（１４）と、
   前記フィルタ（１４）に沿った位置で前記第２の空洞（４２、４２’）と連通する通気区間と、
   を含むことを特徴とする喫煙物品（１０）。
2. 前記横方向障壁（３６、３６’）には、０．４ｍｍと０．８ｍｍの間の直径を有する単一の実質的に中央のオリフィス（３８、３８’）が設けられることを特徴とする請求項１に記載の喫煙物品（１０）。
3. 前記フィルタ（１４）は、先端紙（１６）の帯によって前記喫煙可能材料のロッド（１２）に取り付けられ、前記通気区間は、前記流量制限要素（２６、２６’）の前記第３の管状部分（３４、３４’）の上に重なる先端紙（１６）の一部分を通して設けられた少なくとも１つの周方向列の穿孔（４４）を含むことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の喫煙物品（１０）。
4. 前記流量制限要素（２６）の前記第１の空洞（４０）は、前記第１及び第３の管状部分（３０、３４）の内側周囲によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項３に記載の喫煙物品（１０）。
5. １つ又はそれよりも多くの開口部（４６）が、前記第２の空洞（４２）と前記少なくとも１つの周方向列の穿孔（４４）との間に連通経路を形成する前記第２の管状部分（３２）の上流側横方向端面に設けられることを特徴とする請求項４に記載の喫煙物品。
6. 前記流量制限要素（２６’）の前記第２の空洞（４２’）は、前記第２及び第３の管状部分（３２’、３４’）の内側周囲によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項３に記載の喫煙物品。
7. １つ又はそれよりも多くの開口部（４６’）が、前記第２の空洞（４２’）と前記少なくとも１つの周方向列の穿孔（４４）との間に連通経路を形成する前記第３の管状部分（３４）の円周面に設けられることを特徴とする請求項６に記載の喫煙物品。
8. 前記フィルタ（１４）は、前記流量制限要素（２６、２６’）の上流に第１のフィルタセグメント（２２）及び該流量制限要素（２６、２６’）の下流に第２のフィルタセグメント（２４）を更に含むことを特徴とする請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の喫煙物品（１０）。
9. 少なくとも５０パーセントの通気レベルを有することを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の喫煙物品（１０）。
10. 少なくとも６０パーセントの通気レベルを有することを特徴とする請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の喫煙物品（１０）。
11. 前記横方向障壁（３６、３６’）は、前記フィルタ（１４）を通して前記喫煙材料のロッド（１２）から吸引された主流煙の方向に対して凹面形であることを特徴とする請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の喫煙物品（１０）。
12. １未満又はそれに等しい一酸化炭素対タール比を有することを特徴とする請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載の喫煙物品（１０）。

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