JP5709269B2 - ビット検査方法 - Google Patents

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本発明は、トンネル掘削機などで使用されたビットの超硬チップと母材とのろう付面を検査するビット検査方法に関する。
近年、環境影響負荷を低減させるために、一度使用したビットを再利用することが求められている。ビットを再利用するには、その健全性をチェックする必要がある。健全として評価する場合、超硬チップ周辺の強度のチェックが考えられる。ビットの強度は、超硬チップ自体の強度と、この超硬チップと母材の接合界面、すなわち、ろう付面における接合強度のうちの低い方の強度で決定することができる。これらの強度を比較すると、ろう付面の接合強度が低くなるのが一般的であることから、ろう付面の接合強度を評価できれば、ビットを再利用できるかどうかが判断できる。
超硬チップと母材などの部材同士のろう付面を検査する方法として、超音波探傷検査が知られている。超音波探傷検査は、超音波探触子から超音波を送信して、ろう付面で反射させ、反射した超音波(エコー)を受信波として超音波探触子で取り込み、ろう付面の状況を計測することで、傷や空隙などの接合不良箇所を発見する。ところで、超音波探傷検査では、探傷面(ろう付面)への入射角度や、探傷面の焦点距離からの位置関係が異なると、探傷位置ごとに受信波の測定値精度が異なってしまうため、適切な評価を行うことができない。そこで、超音波の探傷面への入射角度を一定にし且つ探傷面で焦点距離が合うようにするために、超音波探触子の位置や向きを適宜変化させる方法があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−279144号公報
探傷対象物の表面と探傷面が平行でない場合、特許文献1のような超音波探傷方法では、超音波探触子の向きや探傷対象物との距離を変化させる必要があるが、これは煩雑な設定であり多くの手間を要する。また、前記の超音波探傷方法では、探傷面に焦点距離を合わせるために、超音波探触子と探傷対象物表面との距離が異なっているので、水中における超音波の減衰効果が一定ではない。さらに、前記の超音波探傷方法では、探傷対象物表面から探傷面までの物質内における超音波伝播距離の相違による減衰効果の違いも考慮されていない。そのため、前記の超音波探傷方法では、探傷面全体にわたって一様な評価(同じ精度での欠損箇所判定)を与えることができないという問題もある。
このような観点から、本発明は、超音波探触子の移動が容易であり、探傷面全体にわたって同等の精度で探傷を行えるビット検査方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するための請求項1に係る発明は、使用されたビットの超硬チップと母材とのろう付面を検査するビット検査方法であって、表面と背面とが非平行である使用済の超硬チップの前記表面から前記背面までの厚さ寸法を測定する形状測定工程と、測定された前記厚さ寸法の平均値を基準厚さ寸法とする基準厚さ寸法決定工程と、各測定点における前記厚さ寸法と前記基準厚さ寸法との差からエコー値の補正係数を算出する補正係数算出工程と、前記基準厚さ寸法を有する位置に対応するろう付面が超音波探触子の焦点に合うように設定するとともに、その超音波探触子を前記超硬チップの表面に沿って移動させて、前記ろう付面を探傷面として超音波探傷検査を行う超音波探傷検査工程と、前記超音波探傷検査工程で得られた各測定点の測定エコー値に、対応する前記超硬チップの厚さ寸法から得られる前記補正係数を乗じて補正エコー値を算出する補正工程と、前記補正エコー値に基づいてろう付状態の良否を判定する判定工程と、を備えたことを特徴とするビット検査方法である。
このような方法によれば、ろう付面全体にわたって超硬チップ内における超音波伝播距離の相違による誤差を補正する補正係数を算出しているので、探傷面全体にわたって同等の精度で探傷検査を行うことができる。また、超音波探触子を超硬チップの表面に沿って移動させているので、各測定点における水中での超音波伝播距離が等しく超音波の減衰効果が一定である。これによって、水中での超音波の減衰効果を考慮しなくてもよい。また、超音波探触子の移動も複雑ではなく容易になる。
本発明のビット検査方法によれば、超音波探触子の移動を容易に行えるとともに、探傷面全体にわたって同等の精度で探傷を行うことができる。
本発明の実施形態に係るビット検査方法の超音波探傷工程を説明するための図である。 超音波探触子から送信される超音波ビームの模式図である。 超音波探触子のZ軸特定測定結果の一例を示したグラフである。 (a)は、水中でのZ軸特定測定結果の近似曲線を示したグラフ、(b)は超硬チップ内でのZ軸特定測定結果の近似曲線を示したグラフである。 (a)は、減衰係数の測定を説明するための概略図、(b)は、減衰係数の測定データを示したグラフである。 各測定点における減衰効果の補正率を示した図である。 各測定点における減衰係数の補正率を示した図である。 本発明の実施形態に係る超音波探傷方法の超音波探傷検査状況を示した図である。 超音波エコーの補正画像を示した平面図である。
本発明の実施形態に係るビット検査方法は、トンネル掘削機などで使用したビットが再利用可能か否かを判定するための発明である。以下、ビット検査方法を、添付した図面を参照しながら説明する。なお、図1において、紙面左右方向をX軸方向、紙面垂直方向をY軸方向、紙面上下方向をZ軸方向とする。
図1に示すように、ビット1は、地山を掘削する超硬チップ10を備えている。超硬チップ10は、炭化タングステンとコバルトなどの粉末を混合・圧縮成形し、焼結等して得られた超硬合金からなる。超硬チップ10は、例えば銀ろうを用いて母材20にろう付されている。母材20は、例えば炭素鋼やニッケルやクロム、モリブデン、マンガン等を含む合金鋼からなる。超硬チップ10は、厚さが一定ではなく、その表面11と背面12(母材20との接合面)とが平行でない(非平行である)場合が多い。超硬チップ10の表面11は、地山と接触して磨耗する場合もあるが、概ね平面状(断面で見ると直線状)になっている。
超音波探傷検査は、超音波が異なる物質面において反射するという性質を利用して行うものである。具体的には、水中にビット1と超音波探触子2を浸けて、超音波探触子2から超音波を送信する。送信された超音波は、水中を伝播し、超硬チップ10の表面11側から内部に入って超硬チップ10内を伝播し、ろう付面(接合面)3で反射する。反射した反射波(エコー)は、超硬チップ10内を伝播し、超硬チップ10の表面11側から水中に戻り水中を伝播したのちに、超音波探触子2で取り込まれる。そして、取り込まれたエコー値からろう付面3の状況を計測することで、ろう付面3の傷や空隙などの接合不良箇所を発見する。詳しくは、超硬チップ10内を伝播した超音波が正常なろう付面に達した場合は、銀ろうがあるので反射強度が小さくなり、超音波が傷や空隙がある部分に達した場合は、空気があるので反射強度が大きくなる。この反射波の違いを読み取ることで、空隙等の状況を判断する。
超音波は、水中や超硬チップ10内で減衰するが、複数の測定点で測定を行う場合、測定点ごとに水中での伝播距離や超硬チップ10内での伝播距離が異なることがある。この場合、超音波の減衰量が異なるため、そのままでは同一の精度で測定することができない。
そこで、本実施形態に係るビット検査方法は、図1に示すように、超音波探触子2と超硬チップ10の表面11との距離を一定にするとともに、超硬チップ10の厚さ寸法に応じて補正係数を設定して、各測定点で得られた測定エコー値に補正係数を乗じて補正エコー値を算出するようにした。
具体的には、ビット検査方法は、形状測定工程と、基準厚さ寸法決定工程と、補正係数算出工程と、超音波探傷検査工程と、補正工程と、判定工程と、を備えている。
(形状測定工程)
形状測定工程は、表面11と背面12とが非平行である超硬チップ10の表面11から背面12までの厚さ寸法を複数の測定点Pで測定する工程である。本実施形態の説明上では測定点P(以下、区別が必要な場合は「PA,PB,PC」とする)を3つとした例を挙げて説明する。3つの測定点PA,PB,PCは、超硬チップ10の厚さが変化するX軸方向に間隔をあけて設定されている。超硬チップ10の厚さ寸法が厚い方から、測定点PA,PB,PCの順で設定されている。なお、測定点Pの位置および数は、超硬チップの形状に応じて適宜設定される。測定点PBは、測定点PA,PCの中間点である。超硬チップ10の表面11の背面12に対する傾斜角度をθ、隣り合う測定点PA,PB間の距離をe1、隣り合う測定点PB,PC間の距離をe2(=e1)としている。
測定点PAにおける超硬チップ10の厚さ寸法と、測定点PBにおける超硬チップ10の厚さ寸法との差x1は、下記の式(1)で表される。
1=e1・tanθ・・・式(1)
また、測定点PBにおける超硬チップ10の厚さ寸法と、測定点PCにおける超硬チップ10の厚さ寸法との差x2は、下記の式(2)で表される。
2=e2・tanθ・・・式(2)
本実施形態では、x1=x2となっており、測定点PAからPB,PCに移るにしたがって、x1(=x2)ずつ超硬チップ10の厚さ寸法が小さくなっている。
(基準厚さ寸法決定工程)
基準厚さ寸法決定工程は、測定された厚さ寸法の平均値を基準厚さ寸法とする工程である。本実施形態では、測定点PBにおける超硬チップ10の厚さ寸法が基準厚さ寸法となる。
(補正係数算出工程)
補正係数算出工程は、各測定点における厚さ寸法と基準厚さ寸法との差からエコー値の補正係数を算出する肯定である。超硬チップ10の厚さ寸法に応じた補正について説明する。この補正は焦点距離による補正と、減衰による補正を組み合わせて行う。
(1)焦点距離による補正
まず、焦点距離による補正を説明する。焦点距離による補正は、超音波探触子2の距離振幅特性を超硬チップ10内の距離振幅特性に変換し、超音波探触子の焦点距離から離れた点におけるエコー高の低下の効果を補正するものである。
本実施形態のように、探傷対象物である超硬チップ10の表面11と、探傷面であるろう付面3とが平行でない場合、超音波探触子2と超硬チップ10の表面11との距離を一定にすると、ろう付面3で超音波探触子2の焦点が合わないことになる。そのため、測定したエコー値をそのまま使用してろう付面の評価を行うと、測定値の精度がろう付面3内において異なることになり、適切な評価を得ることができないので補正を行う。
図2に示すように、超音波探触子2から送信された超音波(超音波ビーム)は、焦点距離においてエコー高が最も大きくなり(ここでのエコー高を100%とする)、焦点距離からずれるにしたがってエコー高は小さくなっていく。つまり、焦点距離における測定精度が最も高く、焦点距離から近い方向および遠い方向に離れるにしたがって測定精度が低くなる。
本実施形態では、図1に示すように、各測定点Pごとに超音波の超硬チップ10内の伝播距離が異なっているので、エコー高も異なっている。伝播距離は超硬チップ10の厚さ寸法によって変わってくるので、厚さ寸法に着目して補正を行う。
そこで、焦点距離からの離隔距離xにおけるエコー高f(%)をxの関数f(x)で表わし、xにおける超音波測定値(エコー値)E(x)をf(x)で補正する。このとき、補正エコー値E’(x)は、下記の式(3)によって表される。
E’(x)=E(x)/f(x)・・・式(3)
この際、エコー高の分布状況{f(x)}がどのような分布を示すかが精度にも大きく影響を及ぼすことから、実際の超音波探触子2の特性を確認する。
超音波探触子の特性測定結果例を図3に示す。ここでは超音波探傷検査で用いる超音波探触子2の一例を挙げて特性測定を行っている。特性測定は、4mm径の鋼球の反射エコーをピーク点においてエコー高を100%に合わせ、超音波探触子を鋼球から直線状に離れるように走査してエコー高を記録されている。
この超音波探触子2のエコー高90%の範囲は水中距離で144(mm)〜165(mm)程度、エコー高50%の範囲は水中距離で130(mm)〜185(mm)程度である。この測定結果においてエコー高50%〜100%間のデータを焦点距離(ピーク値)154(mm)を原点として近似曲線化すると、図4の(a)が得られる。ただし、上記のデータは水中における集束距離に対するエコー高の関係であり、これを超硬チップ内の関係に変換する必要がある。水中の焦点距離をFw、水中の音速をCw、金属中の音速をCmとすると、金属の焦点距離Fmは、下記の式(4)によって表され、結局、音速の比で決まる。
m=(Cw/Cm)×Fw・・・式(4)
図3の結果の場合、Fwは154(mm)で、Cwは1480(m/s)、Cmは6727(m/s)とすると、焦点距離Fmは、33.88(mm)と算出される。したがって、図4の(a)の横軸をFm/Fw倍することで超硬チップ内のエコー高の分布状況が得られる。その結果を図4の(b)に示す。
ビット1の超硬チップ10の厚さ寸法は、一般に10〜15(mm)程度であり、その差は5(mm)程度である。大型のビットを考慮してもその差は10(mm)程度である。超硬チップ10のX軸方向(図1参照)中央において探傷面(ろう付面3)に焦点距離が一致するようにセットして超音波探傷を行えば、図4の(b)において横軸−5(mm)から+5(mm)の範囲で測定を行うことができる。このときのエコー高は55%〜100%の範囲となっている。焦点距離から離れた距離に対応する割合が、補正係数となる。
(2)減衰による補正
次に減衰による補正について説明する。減衰による補正は、超硬チップ10内において超音波の伝播距離が異なることによる減衰効果の誤差を補正するものである。図5の(a)に示すように、上面と下面が平行な厚さLの試験片に、上面直角方向から超音波を送信すると、試験片を0回往復する(表面で反射する)反射波W1、1回往復する反射波W2、2回往復する反射波W3・・・(図5の(b)参照)といった反射波が得られる。
このとき、音圧の減衰係数αは一般に下記の式(5)によって表される。
次式で表わされる。
α=−20×log(P/P)/2L [dB/mm]・・・式(5)
1:一回目の反射波の音圧(Pa)
2:二回目の反射波の音圧(Pa)
L:材料の厚さ(mm)
そして、式(1)を変形すると、下記の式(6)が得られる。
2/P1=10^(−α・2L/20)
1/P2=10^(α・2L/20)・・・式(6)
式(6)において、P1を減衰無しの場合の音圧P’、P2を減衰有りの場合の音圧Pdとし、試験片通過距離2Lを、超硬チップ10の厚さ2tに置き換えると、下記の式(7)となる。
P’/Pd=10^(α・2t/20)・・・式(7)
超硬チップ10の減衰係数αが既知の場合、式(7)の左辺は超硬チップ10の厚さtによる減衰効果の補正率と考えられる。そこで、P’/Pdを減衰効果の補正率Rp(t)とし、下記の式(8)で表わす。
Rp(t)=10^(α・t/10)・・・式(8)
図6のように超音波探傷において、焦点距離を合わせた位置の超硬チップの厚さ寸法をt、そこから離れた位置(他の測定点)の厚さをそれぞれt+Δtおよびt−Δtとすると、それぞれの位置の減衰効果の補正率は次式のようになる。
Rp(t+Δt)=10^{α・(t+Δt)/10}
Rp(t)=10^(α・t/10)
Rp(t−Δt)=10^{α・(t−Δt)/10}
ここで、焦点距離を合わせた位置における減衰効果を基準として、端部の減衰効果の補正を行うことを考えると、減衰効果の補正係数At(Δt)は、下記の式(9)のように設定できる。
At(Δt)=Rp(t+Δt)/{Rp(t)}
=10^{α・(t+Δt)/10}/{10^(α・t/10)}
=10^(α・t/10)×10^(α・Δt/10)/{10^(α・t/10)}
=10^(α・Δt/10)・・・式(9)
式(9)より、各測定点PA,PB,PCにおける補正係数は、図7に示すようになる。ここで、測定点PBにおける厚さ寸法が基準厚さ寸法であるので、測定点PBの補正係数は1である。
前記の補正については、超硬チップ10の形状、超音波探触子2の距離振幅特性、超硬チップ10の減衰係数などを入力データとしてプログラム処理することによって、比較的容易に超音波探傷に連動して行うこともできる。
(超音波探傷検査工程)
超音波探傷検査工程は、複数の測定点Pにおいてろう付面3を探傷面として超音波探傷検査を行う工程である。本工程での測定点Pは任意の位置でよく、形状測定工程における測定点と同一でなくてもよい。本工程では、水槽(図示せず)内にビット1と超音波探触子2を漬けて、水中で超音波探傷を行う。水槽内には、ビット1を設置する設置台(図示せず)が設けられている。設置台は、設置角度が調整可能になっており、超硬チップ10の表面11が上向きで且つ水平になるように、ビット1が設置される。図8に示すように、超音波探触子2は、基準厚さ寸法を有する位置(図7の測定点PB)に対応するろう付面3が超音波探触子2の焦点に合うとともに、超音波がろう付面3に直角に入射するように設置される。また、超音波探触子2は、超硬チップ10の表面11に沿って移動させる。これによって、超音波探触子2と超硬チップ10の表面11との距離を一定にしている。このようにしたことで、他の測定点Pにおける測定と比較して、超音波の水中での伝播距離が等しくなるので、測定点Pごとの超音波の水中での減衰量が一定となり、補正対象から外すことができる。本実施形態では、超硬チップ10の表面11が水平になっているので、超音波探触子2は水平に移動すれば、超硬チップ10の表面11に沿って移動することとなり、移動の制御が容易になる。超音波探触子2は、X,Y,Z軸の各方向に移動可能な走査装置(図示せず)に吊り下げされており、水平面に沿って移動可能になっている。
(補正工程)
次に、補正工程を行う。補正工程は、超音波探傷検査工程で得られた各測定点の測定エコー値に、対応する超硬チップ10の厚さ寸法から得られる補正係数を乗じて補正エコー値を算出する工程である。なお、各測定点の厚さ寸法は、測定位置と厚さ寸法の関係式である式(1)または式(2)から近似的に求める。そして、この厚さ寸法と基準寸法との差を式(9)に代入して、補正係数を得る。補正工程では、「焦点距離による補正」と「減衰による補正」を組み合わせて補正を行う。なお、「焦点距離による補正」と「減衰による補正」は、適宜一方のみを行ってもよい。超音波の補正エコー値E”(Δt)は、焦点距離による補正によって補正された第一の補正エコー値E’(x)を用いて、下記の式(10)で表される。
E”(Δt)=At(Δt)×E’(x)・・・式(10)
なお、Δtも焦点距離を合わせた位置からの距離x(超硬チップの厚さ寸法が大きくなる方を正、反対を負とする)の関数(式(1)および式(2))で表わされる。
例えば、α=0.2、Δt=2.5(mm)とすると補正係数At(+2.5)=1.122、At(−2.5)=0.891となる。
前記の補正による効果を実測して検証した。実測検証は、超硬チップの異なる厚さ寸法の部分に同径の穴を複数あけて、超音波探触子によって超音波探傷検査を行った。この実測検証によれば、補正なしのものより、焦点距離による補正を行ったものの方が、エコー値の誤差が小さく、さらに、焦点距離による補正と減衰による補正を組み合わせて行うと、各測定点における同径の穴の補正エコー値が略等しくなり、同一の精度で検査できることがわかった。
(判定工程)
判定工程は、補正エコー値に基づいてろう付面3のろう付状態の良否を判定する工程である。判定工程では、各測定点Pでの補正エコー値を比較して、反射強度が大きくなっている部分を空隙部分Sと判定する。補正エコー値の比較は、エコー値を二値化して行えば、容易である。また、図9に示すように、補正エコー値の比較は、数値をモニター信号に変換し色彩化処理して画像表示すれば、視覚的に判定しやすくなる。空隙部分Sは、正常な部分と色分けしたり輝度を変えたりして表示される。空隙部分Sが一定割合未満であれば、再利用可能と判定し、一定割合以上であれば、再利用不可であると判定する。
以上説明したビット検査方法によれば、ろう付面3の全体にわたって超硬チップ10の厚さ寸法と基準厚さ寸法との差からエコー値の補正係数を算出して、補正しているので、探傷面全体にわたって同等の精度で探傷検査を行うことができる。したがって、ろう付面3の全体で一様な評価を行うことができ、ろう付状態の良否を正確に判定することができる。特に、「焦点距離による補正」と「減衰による補正」を組み合わせて補正を行っているので、各測定点Pにおける精度をより一層等しくすることができる。
また、超音波探触子2を超硬チップ10の表面11に沿って移動させているので、各測定点Pにおける水中での超音波伝播距離が等しく超音波の減衰効果が一定である。これによって、水中での超音波の減衰効果を考慮しなくてもよいので、補正が容易になる。
また、超音波探触子2は直線状に移動させることができるので、移動が複雑ではなく制御が容易になる。さらに、超硬チップ10の表面11を水平に設置しているので、超音波探触子2の移動も水平に移動させればよく、制御がより一層容易になる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態では、超硬チップ10の表面11が平面状であるが、これに限定されるものではなく、磨耗状況によっては、若干湾曲している場合もある。この場合は、近似的に平面形状であると判断して、前記各工程を実施すればよい。
1 ビット
2 超音波探触子
3 ろう付面
10 超硬チップ
11 表面
12 背面
20 母材

Claims (1)

  1. 使用されたビットの超硬チップと母材とのろう付面を検査するビット検査方法であって、
    表面と背面とが非平行である使用済の超硬チップの前記表面から前記背面までの厚さ寸法を測定する形状測定工程と、
    測定された前記厚さ寸法の平均値を基準厚さ寸法とする基準厚さ寸法決定工程と、
    各測定点における前記厚さ寸法と前記基準厚さ寸法との差からエコー値の補正係数を算出する補正係数算出工程と、
    前記基準厚さ寸法を有する位置に対応するろう付面が超音波探触子の焦点に合うように設定するとともに、その超音波探触子を前記超硬チップの表面に沿って移動させて、前記ろう付面を探傷面として超音波探傷検査を行う超音波探傷検査工程と、
    前記超音波探傷検査工程で得られた各測定点の測定エコー値に、対応する前記超硬チップの厚さ寸法から得られる前記補正係数を乗じて補正エコー値を算出する補正工程と、
    前記補正エコー値に基づいてろう付状態の良否を判定する判定工程と、を備えた
    ことを特徴とするビット検査方法。
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