JP5704992B2 - 流体微粒化ノズル装置、流体微粒化装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された二流体微粒化ノズルは、「液体供給器、液膜形成器、気体供給器、気流旋回器、外筒とからなり、前記液膜形成器は、基部から先端の第1の円形開口に延びる回転対称の内周壁面を有し、前記気流旋回器は半径流方式で、前記外筒は、その先端部壁に前記第1の円形開口と同心に第2の円形開口が開口し、気流の一部が気流旋回器を経て前記液膜形成器の内周壁面で囲まれた空間に旋回流となって流入して前記第1の円形開口から噴出する第1の流路と、気流の他の一部が、前記第2の円形開口の内周壁と前記第1の円形開口の外周壁との間の環状開口から噴出する第2の流路を備えるものとし、液体は前記液体供給器の内部に配設された液体溜まりに連通する液体噴出孔から噴出して前記液膜形成器の内周壁面上を流れ、前記第1の円形開口において円筒状液膜となって、内周を前記第1の流路の気流により、外周を前記第2の流路の気流により挟まれて流出して微粒化されるようにした。」というものである。
そのため、液体配管又は気体配管のいずれか一方に自由度を持たせる、すなわちフレキシブルな構造にして配管することが行われる。しかし、フレキシブルな構造、例えば蛇腹のような構造にした場合には、圧力損失が大きくなるし、また振動しやすいために振動防止の対策を別途施す必要がある。
気体配管が接続される気体供給管部と液体配管が接続される液体供給管部とが一体化されてなる流体供給管部と、該流体供給管部の先端に設けられた液体ノズル部と、前記流体供給管部の先端に着脱可能に取り付けられた気体ノズル部とを有し、
前記流体供給管部は気体が通流する主流管に、その先端が主流管内に配置されるように取り付けられ、
前記気体ノズル部は、基端側が開口され、該開口から気体の供給を受け、先端側に気体を噴出する外筒と、該外筒内に該外筒と同軸方向でかつ外筒内壁と空間を介して配置されると共に内部が中空であり、かつ内面の基端側が先端に向かって縮径するように傾斜するテーパ部となっており、それに連続する下流側は先端まで平行部になっている内筒とを有し、
前記気体ノズル部を前記流体供給管部の先端に取り付けたときに、前記液体ノズル部が前記気体ノズル部のテーパ部に配置されることを特徴とするものである。
本実施の形態に係る流体微粒化ノズル装置1は、気体配管3が接続される気体供給管部5と液体配管7が接続される液体供給管部9とが一体化されてなる流体供給管部11と、流体供給管部11の先端に着脱可能に取り付けられる気体ノズル部13と、気体ノズル部13に所定の位置関係で配置される液体ノズル部19を備えてなるものである。
以下詳細に説明する。
流体供給管部11は、気体配管3が接続される気体供給管部5と液体配管7が接続される液体供給管部9とが一体化されてなるものである。
一体化の態様としては、本実施の形態に示されるように、気体供給管部5の内部に同軸状に液体供給管部9が挿入されているものの他、液体供給管部9が気体供給管部5の内面もしくは外面に沿って設けられてなるものでもよい。この場合でも、例えば液体供給管部9の先端が気体供給管部5内に同軸状に開口されるようにすれば、気体供給管部5と液体供給管部9の先端は本実施の形態と同様の配置となる。
気体供給管部5は、主流管15に挿入可能な長さを有し、その先端は主流管15と同軸方向に開口している。またその開口部には図2に示すように雄ねじ17が形成されている。本実施の形態では直管状の主流管15の側壁面から挿入しているため、先端側がほぼ直角に屈曲している。なお、主流管15のエルボ(曲がり)部に直管状の気体供給管部5を挿入してもよい。
液体供給管部9は、気体供給管部5の内部に気体供給管部5との相対位置関係が予め決められて配置されている。液体供給管部9の先端は、図2に示されるように、気体供給管部5の先端に対して所定の位置関係になるように固定されており、その先端に液体ノズル部19が設けられている。
気体ノズル部13は流体供給管部11の先端に着脱可能に取り付けられるものである。本実施の形態の気体ノズル部13は、外筒25と、外筒25内に設置された内筒27とを備えた二重管構造になっている。
外筒25は基端側から気体の供給を受けて先端側で気体を噴出する。外筒25の先端側は外筒中心に向けて徐々に縮径しており、略円錐台のような形状になっている。
外筒25の基端側の内面には雌ねじ29が形成されており、気体供給管部5の先端にねじ込んで取り付けられるようになっている。
なお、外筒25の気体供給管部5先端への接続方法はネジに限定するものではなく、フランジやクランプカップリングなどでも構わない。
内筒27は外筒25内に外筒25と同軸方向でかつ外筒25の内壁と空間を介して配置されている。外筒25内壁と内筒27の外壁との間に形成される空間は、リング状流路31を形成している。
前述したように、外筒25の先端側は外筒中心に向けて徐々に縮径して略円錐台のような形状になっており、このためリング状流路31の断面積が下流側に向かって徐々に小さくなっている。このような形状にすることで、リング状流路31を通過する気体の流速が増すようになっており、これによって液体の微粒化をさらに促進している。
また、内筒27の内部は中空になっており、中央流路33を形成している。中央流路33には流路を遮るものは何らも配置されていない。
内筒27の内面基端側は、下流側に向かって縮径するように傾斜するテーパ部35となっている。内筒27の内面は上流部がテーパ部35になっているが、その下流側は平行部37になっている。
内筒27の外面形状は、図1乃至図7に平行部と縮径テーパ部で構成されるものが示されているが、特にこれに限定されるものではない。
液体ノズル部19は、図4に示すように、液体供給管部9の先端を開口しただけのものでもよいし、あるいは図5に示すように、液体供給管部9の先端に多孔質体21を設置したものでもよいし、またあるいは図6に示すように、液体供給管部9の先端にメッシュリング23を設置したようなものでもよいし、またあるいは図7に示すように、液体供給管部9の先端部の内部に旋回を与える構造、例えば旋回羽根24を有するものでもよい。
なお、液体供給管部9の先端に多孔質体21、メッシュリング23、旋回羽24を設置する場合には、これらを着脱可能にしてもよい。
そして、主流管15の外部において、気体供給管部5に外部からの気体配管3を接続し、また液体供給管部9にも外部からの液体配管7を接続する。
また、気体ノズル部13や液体ノズル部19を着脱可能とすることにより、閉塞時の交換やメンテナンスが容易になるという効果が得られる。
そこで、以下においては、気体ノズル部13を流体供給管部11に設置した状態における液体ノズル部19と内筒27と相対位置関係について説明する。
液体ノズル部19を内筒27と同軸に配置することにより内筒27の中央流路内の流動状態が軸対称となり、均一な微粒化を行う上で望ましい。
また、図8に示すように、液体ノズル部19の外周と内筒27のテーパ部35とで挟まれた流路断面積(リング状の斜線部)が、内筒27における平行部37の流路断面積(楕円状の斜線部)と同程度になるように設定するのが望ましい。このように設定することで、液体ノズル部19から供給された液体と接する気体の流速が平行部11内流速と同程度に保たれ、気体による液体の同伴が確実になるからである。
なお、液体ノズル部19のテーパ部35に対する相対位置を可変にすることで位置決めを容易にすることができる。可変にする方法としては、例えば液体ノズル部19が取り付けられる液体供給管部9の先端部を例えばテレスコピック構造にして軸方向に可変になるようにして所定位置で固定できるようにしてもよいし、あるいは液体ノズル部19を液体供給管部9に挿入する形式にして、その挿入長さによって可変になるようにしてもよい。
気体は気体供給管部5から供給され、液体は液体供給管部9を介して液体ノズル部19から供給される。
気体供給管部5から供給された気体は、内筒27と外筒25で形成される二重管構造の中央流路33とリング状流路31を所定の分配比率で流れる。この分配比率は、中央流路33側の流路断面積と、リング状流路31側の流路断面積の比率によって規定される。
ここで、中央流路33で発生する環状噴霧流について説明する。
図9(a)に示されるように、管内を流れる液相及び気相はそれぞれの流速によってその流動様式が異なるが、気相の流速が約20m/s以上になることで、液相が管壁を環状に流れる環状流となり、さらに、環状になった液相の環内の液を巻き込んで噴霧状になった気相が流れる環状噴霧流(図9(b)右下の図参照)となる。
内筒27内の気体流速が小さくなると、環状流や環状噴霧流状態を保てなくなり、波状流、スラグ流、気泡流などの流動状態に遷移する。その場合、内筒27内での微粒化特性が劣化するのみならず、内筒27出口で液膜を気体の流れで挟み込む状態が形成できないため、微粒化性能は急激に低下することになる。
図10はこの点を従来例と比較して示したものである。ノズル圧力損失と微粒化性能(微粒化径)の関係を示したものであり、横軸がノズル圧力損失、縦軸が微粒化径を示している。縦軸、横軸ともに無次元化している。
同じ径100の液滴を生成するのに、従来技術では圧力損失100超であるのに対して、本実施の形態のノズルでは、圧力損失10未満でよいことを示している。
このように圧力損失が極めて少ないことから、気相供給圧力が低いために従来の微粒化ノズルの適用が困難であるような場合でも、本ノズルでは適用が可能となる
例えば、気化した液化天然ガスに液化石油ガスを液体の状態で供給して増熱し、都市ガスとして送り出すシステムに適用した場合に、圧力損失を抑制しつつ微粒化を行うことができるため、送ガス圧力を損なうことなく確実な増熱効果を得ることが可能となる。
本実施の形態は本発明の流体微粒化ノズル装置1を用いた微粒化装置の例を示したものであり、LNGを気化した天然ガスにLPGを添加することにより増熱して都市ガスを製造する際に用いられるものである。また、本実施の形態2においては、天然ガスが流れる主流管15にベンチュリ管39を設置してベンチュリ型微粒化装置41として構成したものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
液体微粒化ノズル装置1の先端部は、ベンチュリ管のど部51もしくはベンチュリ管のど部51よりも上流側に配置されている。
そのため、液体微粒化ノズル装置1における流路断面積は、都市ガスの最低流量運転のときにも、平行部37を流れる天然ガスの流速が、環状噴霧流発生に必要な流速を保つことができるような径にしておく。
例えば、都市ガス流量の変動範囲が30万Nm3/h〜6千Nm3/hの場合を想定すると、都市ガス流量が最低流量である6千Nm3/hのときには、天然ガスを分岐管43から概略全量流し、このときの平行部37の天然ガス流速が環状噴霧流発生に必要な流速を保つような管径とする。(このとき分岐管43を流れる天然ガス流量は、天然ガス流量として想定される最低流量となる。)
その上で、想定される最低流量分を常に分岐管43に流すようにすれば、制御が簡単で安定したLPGの微粒化・混合が実現できる。以下の説明において、分岐管43におけるLPGの微粒化・混合に必要な流速を与える最小流量を所定値Aという場合がある。
なおベンチュリ管のど部51の径は、設計最大流量時の圧力損失が、その適用システムにとって過大とならないように設計しておく。
流量検出器47は、分岐管43に設けられて分岐管43を流れる天然ガスの流量を検知するものである。
なお、流量検出器47に代えて差圧検知器を設け、分岐管43における圧力損失を検知することで、あらかじめ把握しておいた分岐管43における流量と圧力損失の関係から、分岐管43内を流れる天然ガスの流量を検知するようにしてもよい。
流量調整弁49は、主流管15におけるベンチュリ管39と分岐管43の分岐部との間に設けられて、流量検出器47の検知信号に基づいて主流管15を流れる天然ガス流量を調整し、これによって分岐管43を流れる天然ガス流量が予め定めた所定流量になるようにする。
なお、図9(a)に示されるように、環状噴霧流とするための気相流速は液相流速の影響を受ける。このため、LPG供給管45を流れるLPG量を検知する第2の流量検知器を設け、供給LPG量も加味して分岐管43を流れる天然ガスの所定量を算出・設定することも可能である。ただし、第2の流量検知器を必要とし、制御も複雑となるため、実用上はLPG供給量によらず、一定の天然ガス流量(平行部37で例えば20m/sとなる流量)を所定量とすることが簡便である。
次に上記のように構成された本実施の形態に係るベンチュリ型微粒化装置41の動作を説明する。
上流側から供給される天然ガスは、分岐部を通過する際に分岐管43にも流れ、分岐管43の出口側において流体微粒化ノズル装置1の気体供給管部5に流入する。気体供給管部5に流入した天然ガスは液体ノズル部19に供給されるLPGを巻き込んで内筒27の平行部37で環状噴霧流を発生し、LPGの微粒化・混合が行われ、ベンチュリ管のど部51に流入する。
他方、主流管15を流れる天然ガスもベンチュリ管のど部51に流入する。したがって、ベンチュリ管のど部51には、分岐管43を経由してLPGが添加された天然ガスと、主流管15からの天然ガスが流入し、ベンチュリ管のど部51を通過の際、さらにLPGの混合が促進される。
そこで、流量検出器47で検知される流量が所定値Aよりも減少したら、流量調整弁49の開度を小さくすることによって分岐管43を流れる天然ガス流量が所定値Aを維持するようにする。
分岐管43を流れる天然ガス流量を所定値A以上に維持することで、平行部37における流速が維持されLPGの微粒化・混合効果を確保することができる。
そこで、流量検出器47で検知される流量が所定値Bよりも増加したら、流量調整弁49の開度を大きくして主流管15を流れる量を増やし、分岐管43を流れる天然ガス流量が所定値Bになるようにする。ここで、所定値B≧所定値Aの関係にある。
分岐管43を流れる天然ガス流量を所定値A以上B以下にすることで、分岐管43における流速が所定の範囲に維持されLPGの微粒化・混合を十分にすることができると共に圧力損失の過大な増大を防止することができる。
前述した例と同様、都市ガス流量の変動範囲が30万Nm3/h〜6千Nm3/hの場合を想定すると、都市ガス流量が最低流量である6千Nm3/hのときには、天然ガスを分岐管43から概略全量、すなわち所定値A(=所定値B)の流量を流す。
都市ガス流量が6千Nm3/hより大きくなった場合には、分岐管43に設置された流量検出器47で計測される流量が所定値Aを保つように流量調整弁49の開度を大きくしていき、天然ガス流量増加分を主流管15から流入させるようにする。すなわち、都市ガス流量が変動しても、分岐管43には常に所定値Aの天然ガス流量が流通するようにする。こうすることにより、分岐管43へは常に微粒化・混合に必要な流量が供給されるようになる。また主流管15からの速度成分は、ベンチュリ管のど部51における流速をさらに増大させる方向に寄与する。
なお上記において、所定値Aは[都市ガス最低流量時の天然ガス流量(天然ガス最低流量)]であるが、簡易的には[都市ガス最低流量]としてもよい。
本発明のベンチュリ型微粒化装置41、本発明の流体微粒化ノズル装置1を用いることにより圧力損失を抑制しつつ微粒化を行うことができるため、送ガス圧力を損なうことなく確実な増熱効果を得ることが可能となる。
実施の形態2においては、本発明の流体微粒化ノズル装置1を用いた流体微粒化装置の例として、主流管15にベンチュリ管39を設置して、そのベンチュリ管39内に流体微粒化ノズル装置1を配置した例を示した。
しかし、本発明の流体微粒化装置は、ベンチュリ管39内に液体微粒化ノズル装置1を配置するものに限られず、気体供給管53に直接流体微粒化ノズル装置1を取り付けるようにしてもよい。
例えば図13に示すように、気体ノズル部を、先端部に細管部を有し気体供給管部5の先端に着脱可能に取り付けられる気体ノズル部61とし、液体ノズル部を、液体供給管部9の先端に着脱可能に取り付けられると共に先端部が気体ノズル部61の吐出口近傍に配置される液体ノズル部63としてもよい。
なお、図13の例では流体供給管部11の態様として気体供給管部5の外面に液体供給管部9を沿わせたものが示されている。
3 気体配管
5 気体供給管部
7 液体配管
9 液体供給管部
11 流体供給管部
13 気体ノズル部
15 主流管
17 雄ねじ
19 液体ノズル部
21 多孔質体
23 メッシュリング
24 旋回羽根
25 外筒
27 内筒
29 雌ねじ
31 リング状流路
33 中央流路
35 テーパ部
37 平行部
39 ベンチュリ管
41 ベンチュリ型微粒化装置
43 分岐管
45 LPG供給管
47 流量検出器
49 流量調整弁
51 ベンチュリ管のど部
53 気体供給管
55 流体微粒化装置
57 流量検出装置
59 流量調整弁
61 気体ノズル部
63 液体ノズル部
65 気体ノズル部
67 液体ノズル部
Claims (3)
- 液体を気体によって微粒化する流体微粒化ノズル装置であって、
気体配管が接続される気体供給管部と液体配管が接続される液体供給管部とが一体化されてなる流体供給管部と、該流体供給管部の先端に設けられた液体ノズル部と、前記流体供給管部の先端に着脱可能に取り付けられた気体ノズル部とを有し、
前記流体供給管部は気体が通流する主流管に、その先端が主流管内に配置されるように取り付けられ、
前記気体ノズル部は、基端側が開口され、該開口から気体の供給を受け、先端側に気体を噴出する外筒と、該外筒内に該外筒と同軸方向でかつ外筒内壁と空間を介して配置されると共に内部が中空であり、かつ内面の基端側が先端に向かって縮径するように傾斜するテーパ部となっており、それに連続する下流側は先端まで平行部になっている内筒とを有し、
前記気体ノズル部を前記流体供給管部の先端に取り付けたときに、前記液体ノズル部が前記気体ノズル部のテーパ部に配置されることを特徴とする流体微粒化ノズル装置。 - 前記液体ノズル部の先端の前記内筒に対する相対位置は、前記液体ノズル部の外周と前記内筒の前記テーパ部とで挟まれた流路断面積が、前記内筒における前記平行部の流路断面と同程度になるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の流体微粒化ノズル装置。
- 請求項1又は2に記載の流体微粒化ノズル装置を用いた流体微粒化装置であって、前記流体微粒化ノズル装置に供給される気体の流量を検出する流量検出装置と、該流量検出装置の検出値に基づいて前記流体微粒化ノズル装置内を流れる気体の流速を調整する流量調整弁とを備えたことを特徴とする流体微粒化装置。
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