JP5704965B2 - プレスボードまたは巻線絶縁紙による電力用変圧器の余寿命診断方法 - Google Patents
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Description
以下、図1乃至図3に示すフローチャートに従って、本発明の実施の形態の電力用変圧器の余寿命診断方法について説明する。
新品のプレスボード(重合度残率DPpb=100%)、絶縁油および設定した水分量を封入した密閉容器を加熱し、加熱温度が設定温度になり、プレスボード−油間の水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時にプレスボードと絶縁油とを取り出し、それぞれの水分量を測定する。同様な試験を設定温度Tpbと水分量とを変えて繰り返して行い、プレスボード中水分量Wpbと絶縁油中水分量Woとを測定する。こうして得られるプレスボード中水分量Wpbと絶縁油中水分量Woとの関係を求めると、図4のような関係が得られる。これを余寿命診断に用いる第1マスターカーブとする。
寿命損失比(熱履歴)Vr’は、プレスボードの加熱劣化試験で得られる加熱温度をθpbi、その継続時間をhpbiとすると、次式で求めることができる。
プレスボードの加熱劣化試験において、試験を開始する段階で、加熱温度がある値になり水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時にプレスボードを1つ取り出して、プレスボード中の水分量を測定し、これを加熱開始時の初期プレスボード中水分量とする。また、加熱劣化試験の加熱時間内の要所でプレスボードを1つずつ取り出し、平均重合度残率DPpbを測定する。
劣化したプレスボード、絶縁油および設定した水分量を封入した密閉容器を加熱し,加熱温度が設定温度になり、プレスボード−絶縁油間の水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時にプレスボードと絶縁油とを取り出し、それぞれの水分量を測定する。同様な試験を設定温度Tpb、水分量、プレスボードの重合度残率(DPpb=DPpbk%)を変えて繰り返して行い、プレスボード中水分量Wpbと絶縁油中水分量Woとを測定する。こうして得られるプレスボード中水分量Wpbと絶縁油中水分量Woとの関係を求めると、図7のような関係が得られる。これを余寿命診断に用いる第4マスターカーブとする。
新品の巻線絶縁紙(重合度残率DP=100%)、絶縁油および設定した水分量を封入した密閉容器を加熱し、加熱温度が設定温度になり、絶縁紙−油間の水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時に絶縁紙と絶縁油とを取り出し、それぞれの水分量を測定する。同様な試験を設定温度Tpと水分量とを変えて繰り返して行い、絶縁紙中水分量Wと絶縁油中水分量Woとを測定する。こうして得られる絶縁紙中水分量Wと絶縁油中水分量Woとの関係を求めると、図8のような関係が得られる。これを余寿命診断に用いる第5マスターカーブとする。
寿命損失比(熱履歴)Vrは、巻線絶縁紙の加熱劣化試験で得られる加熱温度をθi、その継続時間をhiとすると、次式で求めることができる。
巻線絶縁紙の加熱劣化試験において、試験を開始する段階で、加熱温度がある値になり水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時に巻線絶縁紙を1つ取り出して、絶縁紙中の水分量を測定し、これを加熱開始時の初期紙中水分量とする。また、加熱劣化試験の加熱時間内の要所で巻線絶縁紙を1つずつ取り出し、平均重合度残率DPを測定する。
劣化した巻線絶縁紙、絶縁油および設定した水分量を封入した密閉容器を加熱し、加熱温度が設定温度になり、絶縁紙−絶縁油間の水分の移動がなくなる状態(水分平衡状態)となった時に巻線絶縁紙と絶縁油とを取り出し、それぞれの水分量を測定する。同様な試験を設定温度Tp、水分量、巻線絶縁紙の重合度(DP=DPl%)を変えて繰り返して行い、絶縁紙中水分量Wと絶縁油中水分量Woとを測定する。こうして得られる絶縁紙中水分量Wと絶縁油中水分量Woとの関係を求めると、図11のような関係が得られる。これを余寿命診断に用いる第8マスターカーブとする。
次に、余寿命を診断する電力用変圧器の巻線最高点温度部および最高油温度部の寿命損失比を求める。まず、変圧器の過去の負荷記録(日時、負荷率等)や、変圧器が設置されている場所に最も近い気象観測地点で観測された外気温度データ、運転時における点検の際に測定した絶縁油温度等を用いて巻線最高点温度および最高油温度を算出する。
θ0[℃]=θt[℃]+θL[K] (9)
θ0[℃]:継続時間h[hour]における任意負荷時の巻線最高点温度
θt[℃]:継続時間h[hour]における任意負荷時の外気温度
θL[K]:継続時間h[hour]における任意負荷時の巻線最高点温度上昇値
1.継続時間hにおける負荷率Lf
Lf[p.u.]=Px/Pn(=(負荷データ[kW]/力率)/変圧器定格容量[kVA]) (i)
Px[kVA]:継続時間h[hour]における任意負荷時の容量
Pn[kVA]:定格容量
Wcx[kW]=(Lf)2×Wcn (ii)
Wcn[kW]:定格負荷時の負荷損(工場試験記録データ引用)
3.継続時間hにおける任意負荷時の最高油温度上昇値θoil
(電気学会 電気規格調査会標準規格:JEC-2200-1995「変圧器」参照)
θoil[K]={(Wcx+Wfn)/(Wcn+Wfn)}0.8×θoiln (iii)
Wfn[kW]:無負荷損
θoiln[K]:定格負荷時の最高油温度上昇値(工場試験記録データ引用)
Δθwmn[K]=θwn+εmn(=15または10)−θoiln (iv)
θwn[K]:定格負荷時の中央部平均巻線温度上昇値
εmn[K]:巻線最高点温度と抵抗法によって測定される巻線平均温度との差
(油自然循環の場合には15[K]、油強制循環の場合には10[K])
5.継続時間hにおける任意負荷時の巻線最高点温度−最高油温度間の温度差Δθwm
(JEC-2200-1995「変圧器」ならびに図14参照)
Δθwm[K]=(Lf)1.6×Δθwmn (v)
θL[K]=θoil+Δθwm (vi)
7.継続時間hにおける任意負荷時の最高油温度θoilest
θoilest[℃]=θt+θoil (vii)
θ[℃]=θ0[℃]+(θoilmeasav[℃]−θoilestav[℃]) (10)
θoilh[℃]=θoilest[℃]+(θoilmeasav[℃]−θoilestav[℃]) (11)
θ[℃]:継続時間hにおける任意負荷時の補正巻線最高点温度
θ0[℃]:継続時間hにおける任意負荷時の巻線最高点温度
θoilh[℃]:継続時間hにおける任意負荷時の最高油温度
θoilmeasav[℃]:実測最高油温度
(定期的な巡視により測定される最高油温度記録の年間平均値)
θoilestav[℃]:最高油温度
((vii)式により得られる毎月の推定最高油温度最大値の年間平均値)
この処理により、図15に示すような補正が行われ、実際の温度に近い巻線最高点温度および最高油温度の推定を行うことができる。
Ta[℃]=(θ(1)+θ(2)+θ(3)+・・・・・・・・・・・+θ(p))/p (12)
TH[℃]=(θoilh (1)+θoilh(2)+θoilh(3)+・・・+θoilh(q))/q (13)
紙中水分量を推定する際、実測した絶縁油中水分量と、その時のダイヤル温度計すなわち最高油温度の値とを基に、絶縁紙中水分量を求めていく。そのため、まず、図4〜図7の第1〜第4マスターカーブを使用して、図16に示すダイヤル温度計に近い上部プレスボードのプレスボード中水分量を推定し、平均的なプレスボード中水分量を求め、そこから最適な絶縁油中水分量Woを決定する。次に、図16に示すように、絶縁油中水分量Woは、冷却装置による対流があることから、Woの値のまま巻線部も対流していると考え、図8〜図11の第5〜第8マスターカーブを使用して、巻線上部の巻線最高点温度部の温度と油中水分量Woとから、最適な紙中水分量Wlを求める。
電力用変圧器については、日頃から定期的にその絶縁油中水分や絶縁油温度を測定しているから、撤去変圧器についても、そのデータを容易に得ることができる。表1〜表3には、その撤去変圧器毎に、複数回測定したときの油中水分の実測値を示す。
Wpb0[%]=(Wpb0(1)+Wpb0(2)+Wpb0(3)+・・・・+Wpb0(m))/m
(14)
そこで、(14)式で求めたプレスボード中水分量の平均値Wpb0と上記プレスボードの寿命損失比Vr’との値を図5にプロットし、両者の交点から、変圧器のプレスボード中水分初期値Wpb0’を求めることができる(ステップ16)。
|DPpb−DPpbe|<ΔDPpb (15)
ここでは、DPpb=100、DPpbe=DPpb1を(15)式に代入して判別を行う。(15)式を満足する場合は、プレスボードの重合度残率の推定最終値DPpbにDPpb1を代入してプレスボードの重合度残率とし、絶縁油中水分量の推定最終値WkにWoを代入して絶縁油中水分量とする(ステップ19)。図3に示す絶縁紙の重合度残率および絶縁紙中水分量の算出のステップに移行する。(15)式を満足しない場合は、k=1とし、プレスボードの重合度DPpbにDPpbk(k=1)を代入して、次の劣化プレスボードによる算出に移行する(ステップ20)。
Wpbk[%]=(Wpbk(1)+Wpbk(2)+Wpbk(3)+・・・・+Wpbk(m))/m (16)
絶縁油中水分量:Wk[ppm]
絶縁油最高油温度の平均温度:TH[℃]
上部プレスボード中水分量:Wpbk[%]
上部プレスボードの重合度残率:DPpbk[%]
以上の手順により、プレスボードの初期紙中水分量Wpbk’が求められることから、図6に示す寿命損失比とプレスボードの平均重合度残率の関係から、参照すべきマスターカーブが決定される。図19は巻線絶縁紙の場合を示しているが、プレスボードの場合にも同様に考えられるため、図19を参照すると、決定されたマスターカーブにおける寿命レベル(図19中ではDP=45%)の寿命損失比をV0とすると、(11)式および(1)式で求めた診断時の寿命損失比Vr’との差から、診断対象変圧器の余寿命損失比Vrmを次式で算出することができる。
Vrm=V0−Vr’ (17)
Vrm=Σ{∫exp(bθ1i)dh2i} (18)
(18)式が(17)式と等価となる時が寿命到達点であることから、次式のように表される。
V0−Vr=exp(bθ11)×h21+exp(bθ12)×h22+・・・+exp(bθ1n)×h2n
(19)
(19)式の時間の総和を求めた値が余寿命h2iとなり、次式で表される。
h2i=h21+h22+・・・・・・・・・・・・+h2n (20)
(20)式から、プレスボードによる変圧器の余寿命を計算することができる。
ここまでは、変圧器中のプレスボードの平均重合度残率等の推定、およびプレスボードによる余寿命の診断について説明してきたが、変圧器の余寿命の診断では、変圧器中の絶縁紙の平均重合度残率等の推定が必要であるから、以下、変圧器中の絶縁紙の重合度残率等の推定について、具体的に説明する。
そこで、図8で求めた紙中水分量Wと上記巻線絶縁紙の寿命損失比Vrとの値を図9にプロットし、両者の交点から、変圧器の初期の紙中水分量W0’を求める(ステップ30)。
|DP−DPe|<ΔDP (21)
ここでは、DP=100、DPe=DP1を(21)式に代入して判別を行う。(21)式を満足する場合は、絶縁紙の重合度残率の推定最終値DPにDP1を代入して絶縁紙の重合度残率とし、絶縁紙中水分量の推定最終値としてWを代入して絶縁紙中水分量とし、これらの値を絶縁紙の重合度残率および絶縁紙中水分量の最終的な推定値とする(ステップ33)。(21)式を満足しない場合は、l=1とし、絶縁紙の重合度DPにDPl(l=1)を代入して、次の劣化紙による算出に移行する(ステップ34)。
絶縁油中水分量:Wk[ppm]
巻線最高点温度の平均温度:Ta[℃]
巻線上部絶縁紙の紙中水分量:W[%]
巻線上部絶縁紙の絶縁紙重合度残率:DPl[%]
以上の手順により、巻線上部絶縁紙の初期紙中水分量Wl’が求められることから、図10に示す寿命損失比と絶縁紙重合度残率の関係から、参照すべきマスターカーブが決定される。図19に示すように、そのマスターカーブにおける寿命レベル(図19中ではDP=45%)の寿命損失比をV0とすると、(5)式で求めた診断時の寿命損失比Vrとの差から、診断対象変圧器の余寿命損失比Vrmを次式で算出することができる。
Vrm=V0−Vr (22)
診断対象の変圧器が、今後も現在と同じ運転状況で運転されると仮定すれば、(18)式〜(20)式を使用して、巻線絶縁紙による変圧器の余寿命を計算することができる。
ここまで、変圧器中のプレスボードの平均重合度残率等の推定およびプレスボードによる余寿命の診断、ならびに、変圧器中の巻線絶縁紙の平均重合度残率等の推定および巻線絶縁紙による余寿命の診断について説明してきた。ここで、より実勢にあった余寿命の診断を行うためには、実測した絶縁油中水分ではなく、油温の影響を加味した絶縁油中水分Wkを使用して巻線絶縁紙中の水分量および平均重合度残率の推定を行うことが望ましい。
こうして、変圧器(No.1〜11)について求めた紙中水分量および平均重合度残率を、それぞれ表1〜表3の「紙中水分W」および「平均重合度残率DP」に示す。
以上の手順により、巻線上部絶縁紙の初期紙中水分量Wl’が求められることから、図10に示す寿命損失比と絶縁紙重合度残率の関係から、参照すべきマスターカーブが決定される。図19に示すように、そのマスターカーブにおける寿命レベル(図19中ではDP=45%)の寿命損失比をV0とすると、(10)式および(5)式で求めた診断時の寿命損失比Vrとの差から、診断対象変圧器の余寿命損失比Vrmを(22)式で算出することができる。診断対象の変圧器が、今後も現在と同じ運転状況で運転されると仮定すれば、(18)式〜(20)式を使用して、変圧器の余寿命を計算することができる。
ここで、変圧器(No.1〜11)について求めた変圧器の余寿命を、表1〜表3の「余寿命年数」に示す。
Claims (5)
- 電力用変圧器の絶縁油に含まれる絶縁油中水分量と絶縁油温度とを測定する第1のステップと、
あらかじめ水分平衡試験によって得られた電力用変圧器の新品のプレスボードに含まれるプレスボード中水分量と絶縁油中水分量と絶縁油温度とに関する第1マスターカーブに基づいて、前記第1のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記電力用変圧器のプレスボード中の水分量を求める第2のステップと、
少なくとも前記電力用変圧器の運転時に記録した絶縁油温度から、前記電力用変圧器の絶縁油最高油温度の履歴とその継続時間とを求めて前記第1のステップの測定時の前記プレスボードの寿命損失比を計算する第3のステップと、
あらかじめプレスボードの加熱劣化試験によって得られた初期プレスボード中水分量ごとの寿命損失比とプレスボード中水分量とに関する第2マスターカーブ、および寿命損失比とプレスボードの重合度残率と初期プレスボード中水分量とに関する第3マスターカーブに基づいて、前記第2のステップで求められた前記プレスボード中の水分量と前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比とから、劣化の指標となる前記プレスボードの重合度残率を求める第4のステップと、
あらかじめ求められた劣化したプレスボードの重合度残率ごとの絶縁油温度と絶縁油中水分量と劣化したプレスボードの水分量とに関する第4マスターカーブに基づいて、前記第4のステップで求められた前記プレスボードの重合度残率と前記第1のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記プレスボード中の水分量を補正する第5のステップと、
前記第2マスターカーブおよび前記第3マスターカーブに基づいて、前記第5のステップで補正された前記プレスボード中の水分量と前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比とから、前記プレスボードの重合度残率を補正する第6のステップと、
前記第5のステップで補正された前記プレスボード中の水分量と、前記第6のステップで補正された前記プレスボードの重合度残率とから、前記第3マスターカーブに基づいて、前記電力用変圧器の寿命レベルの寿命損失比を求め、前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比との差から前記電力用変圧器の余寿命を診断する第7のステップとを、
有することを特徴とするプレスボードによる電力用変圧器の余寿命診断方法。 - 前記第7のステップは、前記第6のステップで補正された前記プレスボードの重合度残率と、補正前の前記プレスボードの重合度残率との差が所定の値より小さくなるまで前記第5のステップおよび前記第6のステップを繰り返し、前記所定の値より小さくなったときの前記プレスボード中の水分量と前記プレスボードの重合度残率とから、前記第3マスターカーブに基づいて、前記電力用変圧器の寿命レベルの寿命損失比を求め、前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比との差から前記電力用変圧器の余寿命を診断することを、特徴とする請求項1記載のプレスボードによる電力用変圧器の余寿命診断方法。
- 電力用変圧器の絶縁油に含まれる絶縁油中水分量と絶縁油温度とを測定する第8のステップと、
あらかじめ水分平衡試験によって得られた電力用変圧器の新品の巻線絶縁紙に含まれる絶縁紙中水分量と絶縁油中水分量と絶縁油温度とに関する第5マスターカーブに基づいて、前記第8のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記電力用変圧器の巻線絶縁紙中の水分量を求める第9のステップと、
少なくとも前記電力用変圧器の運転時に記録した外気温度データ、負荷履歴、および運転時における点検の際に測定した絶縁油温度から、前記電力用変圧器の巻線最高点温度の履歴とその継続時間とを求めて前記第8のステップの測定時の前記巻線絶縁紙の寿命損失比を計算する第10のステップと、
あらかじめ巻線絶縁紙の加熱劣化試験によって得られた初期絶縁紙中水分量ごとの寿命損失比と絶縁紙中水分量とに関する第6マスターカーブ、および寿命損失比と巻線絶縁紙の重合度残率と初期絶縁紙中水分量とに関する第7マスターカーブに基づいて、前記第9のステップで求められた前記巻線絶縁紙中の水分量と前記第10のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比とから、劣化の指標となる前記巻線絶縁紙の重合度残率を求める第11のステップと、
あらかじめ求められた劣化した巻線絶縁紙の重合度残率ごとの絶縁油温度と絶縁油中水分量と劣化した絶縁紙中水分量とに関する第8マスターカーブに基づいて、前記第11のステップで求められた前記巻線絶縁紙の重合度残率と前記第8のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記巻線絶縁紙中の水分量を補正する第12のステップと、
前記第6マスターカーブおよび前記第7マスターカーブに基づいて、前記第12のステップで補正された前記巻線絶縁紙中の水分量と前記第10のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比とから、前記巻線絶縁紙の重合度残率を補正する第13のステップと、
前記第12のステップで補正された前記巻線絶縁紙中の水分量と、前記第13のステップで補正された前記巻線絶縁紙の重合度残率とから、前記第7マスターカーブに基づいて、前記電力用変圧器の寿命レベルの寿命損失比を求め、前記第10のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比との差から前記電力用変圧器の余寿命を診断する第14のステップとを、
有することを特徴とする巻線絶縁紙による電力用変圧器の余寿命診断方法。 - 前記第14のステップは、前記第13のステップで補正された前記巻線絶縁紙の重合度残率と、補正前の前記巻線絶縁紙の重合度残率との差が所定の値より小さくなるまで前記第12のステップおよび前記第13のステップを繰り返し、前記所定の値より小さくなったときの前記巻線絶縁紙中の水分量と前記巻線絶縁紙の重合度残率とから、前記第7マスターカーブに基づいて、前記電力用変圧器の寿命レベルの寿命損失比を求め、前記第10のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比との差から前記電力用変圧器の余寿命を診断することを、特徴とする請求項3記載の巻線絶縁紙による電力用変圧器の余寿命診断方法。
- 電力用変圧器の絶縁油に含まれる絶縁油中水分量と絶縁油温度とを測定する第1のステップと、
あらかじめ水分平衡試験によって得られた電力用変圧器の新品のプレスボードに含まれるプレスボード中水分量と絶縁油中水分量と絶縁油温度とに関する第1マスターカーブに基づいて、前記第1のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記電力用変圧器のプレスボード中の水分量を求める第2のステップと、
少なくとも前記電力用変圧器の運転時に記録した絶縁油温度から、前記電力用変圧器の絶縁油最高油温度の履歴とその継続時間とを求めて前記第1のステップの測定時の前記プレスボードの寿命損失比を計算する第3のステップと、
あらかじめプレスボードの加熱劣化試験によって得られた初期プレスボード中水分量ごとの寿命損失比とプレスボード中水分量とに関する第2マスターカーブ、および寿命損失比とプレスボードの重合度残率と初期プレスボード中水分量とに関する第3マスターカーブに基づいて、前記第2のステップで求められた前記プレスボード中の水分量と前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比とから、劣化の指標となる前記プレスボードの重合度残率を求める第4のステップと、
あらかじめ求められた劣化したプレスボードの重合度残率ごとの絶縁油温度と絶縁油中水分量と劣化したプレスボードの水分量とに関する第4マスターカーブに基づいて、前記第4のステップで求められた前記プレスボードの重合度残率と前記第1のステップで測定された前記絶縁油中水分量と前記絶縁油温度とから、前記プレスボード中の水分量を補正する第5のステップと、
前記第2マスターカーブおよび前記第3マスターカーブに基づいて、前記第5のステップで補正された前記プレスボード中の水分量と前記第3のステップで計算された前記プレスボードの寿命損失比とから、前記プレスボードの重合度残率を補正する第6のステップと、
前記第5のステップで補正された前記プレスボード中の水分量と、前記第6のステップで補正された前記プレスボードの重合度残率と、前記第1のステップで測定された前記絶縁油温度とから、前記第4マスターカーブに基づいて前記絶縁油中水分量を補正する第7のステップと、
あらかじめ水分平衡試験によって得られた電力用変圧器の新品の巻線絶縁紙に含まれる絶縁紙中水分量と絶縁油中水分量と絶縁油温度とに関する第5マスターカーブに基づいて、前記第7のステップで補正された前記絶縁油中水分量と、前記第1のステップで測定された前記絶縁油温度とから、前記電力用変圧器の巻線絶縁紙中の水分量を求める第8のステップと、
少なくとも前記電力用変圧器の運転時に記録した外気温度データ、負荷履歴、および運転時における点検の際に測定した絶縁油温度から、前記電力用変圧器の巻線最高点温度の履歴とその継続時間とを求めて前記第1のステップの測定時の前記巻線絶縁紙の寿命損失比を計算する第9のステップと、
あらかじめ巻線絶縁紙の加熱劣化試験によって得られた初期絶縁紙中水分量ごとの寿命損失比と絶縁紙中水分量とに関する第6マスターカーブ、および寿命損失比と巻線絶縁紙の重合度残率と初期絶縁紙中水分量とに関する第7マスターカーブに基づいて、前記第8のステップで求められた前記巻線絶縁紙中の水分量と前記第9のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比とから、劣化の指標となる前記巻線絶縁紙の重合度残率を求める第10のステップと、
あらかじめ求められた劣化した巻線絶縁紙の重合度残率ごとの絶縁油温度と絶縁油中水分量と劣化した絶縁紙中水分量とに関する第8マスターカーブに基づいて、前記第10のステップで求められた前記巻線絶縁紙の重合度残率と、前記第7のステップで補正された前記絶縁油中水分量と、前記第1のステップで測定された前記絶縁油温度とから、前記巻線絶縁紙中の水分量を補正する第11のステップと、
前記第6マスターカーブおよび前記第7マスターカーブに基づいて、前記第11のステップで補正された前記巻線絶縁紙中の水分量と前記第9のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比とから、前記巻線絶縁紙の重合度残率を補正する第12のステップと、
前記第11のステップで補正された前記巻線絶縁紙中の水分量と、前記第12のステップで補正された前記巻線絶縁紙の重合度残率とから、前記第7マスターカーブに基づいて、前記電力用変圧器の寿命レベルの寿命損失比を求め、前記第9のステップで計算された前記巻線絶縁紙の寿命損失比との差から前記電力用変圧器の余寿命を診断する第13のステップとを、
有することを特徴とする電力用変圧器の余寿命診断方法。
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