以下、MRI装置およびMRI方法の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるMRI装置20の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、MRI装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石22と、静磁場用磁石22の内側において軸を同じにして設けられた筒状のシムコイル24と、傾斜磁場コイル26と、RFコイル28と、制御系30と、被検体Qが乗せられる寝台32とを備える。
ここでは一例として、装置座標系の互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。まず、静磁場用磁石22およびシムコイル24は、それらの軸方向が鉛直方向に直交するように配置されているものとし、静磁場用磁石22およびシムコイル24の軸方向をZ軸方向とする。また、鉛直方向をY軸方向とし、寝台32は、その天板の載置用の面の法線方向がY軸方向となるように配置されているものとする。
制御系30は、静磁場電源40と、シムコイル電源42と、傾斜磁場電源44と、RF送信器46と、RF受信器48と、寝台駆動装置50と、シーケンスコントローラ56と、コンピュータ58とを備える。
傾斜磁場電源44は、X軸傾斜磁場電源44xと、Y軸傾斜磁場電源44yと、Z軸傾斜磁場電源44zとで構成されている。また、コンピュータ58は、演算装置60と、入力装置62と、表示装置64と、記憶装置66とで構成されている。
静磁場用磁石22は、静磁場電源40に接続され、静磁場電源40から供給された電流により撮像空間に静磁場を形成させる。シムコイル24は、シムコイル電源42に接続され、シムコイル電源42から供給される電流により、この静磁場を均一化する。静磁場用磁石22は、超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源40に接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。なお、静磁場電源40を設けずに、静磁場用磁石22を永久磁石で構成してもよい。
傾斜磁場コイル26は、X軸傾斜磁場コイル26xと、Y軸傾斜磁場コイル26yと、Z軸傾斜磁場コイル26zとを有し、静磁場用磁石22の内側で筒状に形成されている。X軸傾斜磁場コイル26x、Y軸傾斜磁場コイル26y、Z軸傾斜磁場コイル26zはそれぞれ、X軸傾斜磁場電源44x、Y軸傾斜磁場電源44y、Z軸傾斜磁場電源44zに接続される。
X軸傾斜磁場電源44x、Y軸傾斜磁場電源44y、Z軸傾斜磁場電源44zからX軸傾斜磁場コイル26x、Y軸傾斜磁場コイル26y、Z軸傾斜磁場コイル26zにそれぞれ供給される電流により、X軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzが撮像空間にそれぞれ形成される。
即ち、装置座標系の3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを合成して、論理軸としてのスライス選択方向傾斜磁場Gss、位相エンコード方向傾斜磁場Gpe、および、読み出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Groの各方向を任意に設定できる。スライス選択方向、位相エンコード方向、および、読み出し方向の各傾斜磁場は、静磁場に重畳される。
RF送信器46は、シーケンスコントローラ56から入力される制御情報に基づいて、核磁気共鳴を起こすためのラーモア周波数のRFパルス(RF電流パルス)を生成し、これを送信用のRFコイル28に送信する。RFコイル28には、ガントリに内蔵されたRFパルスの送受信用の全身用コイルなどがある。
送信用のRFコイル28は、RF送信器46からRFパルスを受けて被検体Qに送信する。受信用のRFコイル28は、被検体Qの内部の原子核スピンがRFパルスによって励起されることで発生したMR信号(高周波信号)を受信し、このMR信号は、RF受信器48により検出される。
RF受信器48は、検出したMR信号に前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D(analog to digital)変換を施すことで、デジタル化された複素データである生データ(raw data)を生成する。RF受信器48は、生成したMR信号の生データをシーケンスコントローラ56に入力する。
演算装置60は、MRI装置20全体のシステム制御を行うものであり、これについては後述の図2を用いて説明する。
シーケンスコントローラ56は、演算装置60の指令に従って、傾斜磁場電源44、RF送信器46およびRF受信器48を駆動させるために必要な制御情報を記憶する。ここでの制御情報とは、例えば、傾斜磁場電源44に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報である。
シーケンスコントローラ56は、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源44、RF送信器46およびRF受信器48を駆動させることにより、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場GzおよびRFパルスを発生させる。また、シーケンスコントローラ56は、RF受信器48から入力されるMR信号の生データ(raw data)を受けて、これを演算装置60に入力する。
寝台駆動装置50は、シーケンスコントローラ56を介して演算装置60に接続される。シーケンスコントローラ56は、演算装置60の指令に従って寝台駆動装置50を制御することで寝台32の天板(table)を移動させ、これにより例えば、moving table法などによる撮像を行う。なお、moving table法は、撮像時に寝台32の天板を連続移動することで移動方向に大きな撮像視野(FOV:field of view)を得る技術である。
図2は、図1に示すコンピュータ58の機能ブロック図である。図2に示すように、コンピュータ58の演算装置60は、MPU(Micro Processor Unit)86と、システムバス88と、画像再構成部90と、画像データベース94と、画像処理部96と、表示制御部98と、ナビゲート部102とを備える。
MPU86は、撮像条件の設定、撮像動作および撮像後の画像表示において、システムバス88等の配線を介してMRI装置20全体のシステム制御を行う。また、MPU86は、撮像条件設定部としても機能し、入力装置62からの指示情報に基づいてFETシーケンス等のパルスシーケンスを含む撮像条件を設定し、設定した撮像条件をシーケンスコントローラ56に入力する。
そのために、MPU86は、表示制御部98を制御して、撮像条件の設定用画面情報を表示装置64に表示させる。
入力装置62は、撮像条件や画像処理条件を設定する機能をユーザに提供する。
画像再構成部90は、内部にk空間データベース92を有する。画像再構成部90は、k空間データベース92に形成されたk空間において、シーケンスコントローラ56から入力されるMR信号の生データをk空間データとして配置する。画像再構成部90は、k空間データに2次元フーリエ変換などを含む画像再構成処理を施して、被検体Qの各スライスの画像データを生成する。画像再構成部90は、生成した画像データを画像データベース94に保存する。
画像処理部96は、画像データベース94から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施し、画像処理後の画像データを表示用画像データとして記憶装置66に記憶させる。
記憶装置66は、上記の表示用画像データに対し、その表示用画像データの生成に用いた撮像条件や被検体Qの情報(患者情報)等を付帯情報として付属させて記憶する。
表示制御部98は、MPU86の制御に従って、撮像条件の設定用画面や、撮像により生成された画像データが示す画像を表示装置64に表示させる。
ナビゲート部102は、後述の図5に示す受信装置178に接続されている。寝台32近傍に接続忘れのRFコイル装置が存在する場合、ナビゲート部102は、そのRFコイル装置からの識別情報を、電波信号として受信装置178により受信することで取得する。
また、ナビゲート部102は、接続先を間違えて接続されたRFコイル装置に対応した別の接続ポートの位置情報や、寝台32近傍の接続忘れのRFコイル装置の正しい接続先の情報を、表示制御部98に入力することで表示装置64(のモニタ)に表示させる。
図3は、第1の実施形態で用いられる頭部用RFコイル装置の構成の一例を示す模式的斜視図である。図3に示すように、頭部用RFコイル装置120は、筺体124と、ケーブル126と、コネクタ128とを有する。筺体124内には、ループ状の要素コイル132、134、136が配設されている。また、筺体124内には、内蔵型バッテリー138と、電波発信装置140とが配置されている。
頭部用RFコイル装置120は、RF信号の送信およびMR信号の受信が可能な送受信用コイルとして構成され、この送受信は要素コイル132、134、136により行われる。要素コイル132、134、136は、筺体124内における増幅回路等を含む公知の回路構成によって、個別にケーブル126内の別々の配線に電気的に接続されている(図示せず)。コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(後述の図5のP1〜P6)に接続されることで、要素コイル132、134、136は、ケーブル126を介してRF送信器46およびRF受信器48に接続される。
頭部用RFコイル装置120への電力は、コネクタ128がMRI装置20の接続ポートに接続された場合に、ケーブル126を介してMRI装置20から供給される。
内蔵型バッテリー138は、コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(P1〜P6)に接続されている期間に充電され、コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(P1〜P6)に接続されていない期間には電波発信装置140に電力を供給する。
電波発信装置140は、コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(P1〜P6)に接続されていない期間において、頭部用RFコイル装置120の識別情報が含まれる電波信号を発信する。この電波信号がMRI装置20側に検出されることによって、接続忘れの場合にユーザへのナビゲート表示がなされる(詳細は後述する)。
この電波信号の強さは、寝台32近傍の接続忘れのRFコイル装置を検出できればよいので、例えば、半径1.5m〜3mぐらいの範囲で検出可能な強さであることが望ましく、本実施形態ではその範囲にされている。
電波発信装置140は、頭部用RFコイル装置120に電力が外部から供給された場合、電波信号の発信を停止する。常に電波を発信していると、イメージングのときに支障をきたすおそれがあるからである。但し、電波発信装置140は、頭部用RFコイル装置120への電力の供給に拘らず、常に電波信号を発信するように構成してもよい。この場合の電波信号は、イメージングに支障をきたさないよう、静磁場強度に応じたラーモア周波数とは十分に離れており、整数倍しても、整数で割ってもラーモア周波数に合致しない周波数が望ましい。
なお、頭部用RFコイル装置120は、不図示の制御回路と、頭部用RFコイル装置120の識別情報を記憶した記憶素子とを筺体124内に有する。コネクタ128がMRI装置20の接続ポートに接続された場合、頭部用RFコイル装置120の識別情報は、この制御回路から接続ポート内の照合装置194(後述の図7参照)に入力されると共に、MRI装置20内の配線を介して図2のナビゲート部102にも入力される。
図4は、脊髄用RFコイル装置160の構成の一例を示す平面模式図である。図に示すように、脊髄用RFコイル装置160は、カバー部材162と、ケーブル126と、コネクタ128とを有する。脊髄用RFコイル装置160は、ここでは一例として、MR信号の受信用RFコイル装置として構成される。
カバー部材162は、可撓性を有する材料によって折り曲げ等の変形が可能に形成されている。このように変形可能な部分としては、例えば特許文献1に記載の可撓性を有する回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)などを用いることができる。
カバー部材162における、図4内の破線で2等分した上側半分の内部には、被検体Qの背面側に対応した20個の要素コイル166(図4の太線部分)が配設されている。カバー部材162を2等分した下側半分は、被検体Qの胸部上および腹部上に被さるように構成され、その内部には、被検体Qの前面側に対応した20個の要素コイル168(破線で示す)が配設されている。
また、カバー部材162内には、内蔵型バッテリー138と、電波発信装置140’とが配置されている。電波発信装置140’は、頭部用RFコイル装置120と同様に、コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(P1〜P6のいずれか)に接続されていない期間に、脊髄用RFコイル装置160の識別情報が含まれる電波信号を発信する。
なお、脊髄用RFコイル装置160は、不図示の制御回路と、頭部用RFコイル装置120の識別情報を記憶した記憶素子とをカバー部材162内に有する。コネクタ128がMRI装置20の接続ポート(P1〜P6のいずれか)に接続された場合、頭部用RFコイル装置120の識別情報は、この制御回路から接続ポート内の照合装置194(後述の図7参照)に入力されると共に、MRI装置20内の配線を介して図2のナビゲート部102にも入力される。RFコイル装置の識別情報の出力については、MRI装置20とは別個である他のRFコイル装置(図示せず)についても同様である。
第1の実施形態では、胸部用RFコイル装置、腹部用RFコイル装置、肩用RFコイル装置、心臓用RFコイル装置、腰用RFコイル装置、足用RFコイル装置、膝用RFコイル装置など、MRI装置20とは別個である各種RFコイル装置が用いられる。これらのRFコイル装置は、識別情報を発信する内蔵型バッテリー138と、電波発信装置140とを従来構成に追加したものである(図示せず)。
図5は、第1の実施形態におけるRFコイル装置用の接続ポートの配置の一例を示す模式的斜視図である。図5に示すように、ガントリ21内からガントリ21外に亘ってレール台176が固定されている。ガントリ21内には、図1に示した静磁場磁石22やシムコイル24、傾斜磁場コイル26、RFコイル28等が含まれる。寝台32は、レール台176上を移動することで、ガントリ21内の磁場中心と所定の位置関係なるように寝台制御装置50(図1参照)によって制御される。
ガントリ21の入口の両側にはそれぞれ、RFコイル装置の接続用の接続ポートP1、P2が配設されている。また、寝台32の天板上の4角にはそれぞれ、ガントリ21側に接続ポートP3、P4が配設されていると共に、その反対側に接続ポートP5、P6が配設されている。
さらに、寝台32の天板(テーブル面)の中心の真下には、電波発信装置140、140’からの電波信号を受信する受信装置178が埋設されている。受信装置178は、寝台32近傍(所定範囲内)に存在するRFコイル装置のみを検出するため、例えば半径1.5m〜3mぐらいの範囲に存在するRFコイル装置からの電波信号を検出する。
受信装置178は、電波信号に基づいて、寝台32近傍に存在する全てのRFコイル装置の識別情報を取得し、これら識別情報を不図示の配線によってナビゲート部102に入力する。受信装置178によってその電波信号が検出されたにも拘らず、どの接続ポートP1〜P6にも接続されていないRFコイル装置は、ナビゲート部102によって「接続忘れ」と判定される。
図6は、各種のRFコイル装置の接続可能な接続ポートと、同時使用できないRFコイル装置の組み合わせとを示すテーブルデータの一例を示す表である。
ナビゲート部102は、胸部用、腹部用、肩用、心臓用、腰用、足用、膝用などの各種のRFコイル装置が接続ポートP1〜P6のどれに接続可能であるかをテーブルデータとして記憶している。
なお、ここでは一例として、接続ポートP1〜P6のどれが各RFコイル装置の正しい接続先であるかは、固定であって、撮像条件によって変わることはないものとする。
また、第1の実施形態において接続ポートP1〜P6に接続されるRFコイル装置は、送受信兼用のもの、送信専用のもの、受信専用のもの、の全てを含むが、図6では特に区別していない。
即ち、接続ポートP1〜P6は、送受信兼用のRFコイル装置が接続されている場合にはRF信号の送信およびMR信号の受信を中継し、送信専用のRFコイル装置が接続されている場合にはRF信号の送信を中継し、受信専用のRFコイル装置が接続されている場合にはMR信号の受信を中継する。
さらに、ナビゲート部102は、胸部用、腹部用、肩用、心臓用、腰用、足用、膝用などの各種のRFコイル装置の内、同時に使用できないRFコイル装置の組み合わせもテーブルデータとして記憶している。本実施形態では一例として、脊髄用RFコイル装置は、胸部用RFコイル装置、腹部用RFコイル装置、腰用RFコイル装置のどれとも同時使用できない情報が記憶されている。
なお、接続ポート数が6個であるが、これは一例にすぎず、接続ポートの数は7以上でも5以下でもよい。
図7は、第1の実施形態における接続ポートP3の構成の一例を示す模式的斜視図である。図7に示すように、接続ポートP3は、例えば略直方体状の筺体190の一側面にRFコイル装置のコネクタを接続する差し込み口192を形成した構造である。差し込み口192は、RF送信器46およびRF受信器48に電気的に接続されている。
筺体190内には、照合装置194と、アラート装置196とが内蔵されている。さらに、筺体190上面には発光装置198が配設されている。発光装置198は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの発光体を有し、これによって発光する。
照合装置194には、接続可能なRFコイル装置のみの識別情報が登録(記録)されている。接続ポートP3の場合、図6のテーブルデータの例では、肩用RFコイル装置、胸部用RFコイル装置、腹部用RFコイル装置のみが接続可能なRFコイル装置として照合装置194に登録されている。
照合装置194に登録されていないRFコイル装置が差し込み口192に接続された場合、照合装置194は、アラート装置196と、発光装置198とに以下の動作を行わせる。即ち、照合装置194は、接続間違いのRFコイル装置が外されるまで、例えば「このコイルの接続先は違います」といったメッセージ音或いは「ピー」といった警告音を、アラート装置196から発信させる。同時に、照合装置194は、接続間違いのRFコイル装置が外されるまで、発光装置198を例えば赤で点滅表示させる。
照合装置194に登録されているRFコイル装置が差し込み口192に接続された場合、照合装置194は、例えば緑などの上記警告時とは異なる有彩色で発光装置198を継続的に発光させ、アラート装置196は動作しない。照合装置194は、RFコイル装置が差し込み口192に接続されていない場合には、発光装置198を発光させない。また、照合装置194は、シーケンスコントローラ56を介して、演算装置60内のナビゲート部102に接続されている。
なお、他の接続ポートP1、P2、P4、P5、P6も、接続ポートP3と同様の構成である。
図8は、各接続ポートP1〜P6に対するRFコイル装置の接続状況として、接続間違いおよび接続忘れがなく、接続中のRFコイル装置の組み合わせに問題がない場合の表示の一例を示す模式図である。
図9は、各接続ポートP1〜P6に対するRFコイル装置の接続状況として、接続間違いがある場合の表示の一例を示す模式図である。
図10は、各接続ポートP1〜P6に対するRFコイル装置の接続状況として、接続忘れがある場合の表示の一例を示す模式図である。
図11は、各接続ポートP1〜P6に対するRFコイル装置の接続状況として、同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている場合の表示の一例を示す模式図である。
表示装置64のモニタ上には、図8〜図11のようにガントリ21および寝台32を鉛直方向上側から平面的に見た模式図的に、各接続ポートP1〜P6の位置関係を示す配置図が表示される。図8〜図11において、太線の長方形状の枠が寝台32に対応し、破線の長方形の枠がガントリ21に対応する。
また、図8〜図11において、モニタの下側には、接続間違いの有無、接続忘れの有無、RFコイル装置の組み合わせに問題があるか否か、RFコイル装置の正しい接続先、を文字情報として示すナビゲート欄200が表示される。
さらに、図8〜図11において、接続ポートP1〜P6は、多数の点を内側に散りばめた長方形領域として示されている。画面上で各接続ポートP1〜P6の右側には、その接続ポートに接続されているRFコイル装置の種類がここでは一例として文字情報として表示される。
図8の例では、接続ポートP1には頭部用RFコイル装置、接続ポートP6には膝用RFコイル装置がそれぞれ接続されており、接続ポートP2、P3、P4、P5にはRFコイル装置が接続されていない。
図9の例では、接続ポートP3には肩用RFコイル装置、接続ポートP4には腰用RFコイル装置、接続ポートP6には膝用RFコイル装置がそれぞれ接続されており、接続ポートP1、P2、P5にはRFコイル装置が接続されていない。
図10の例では、接続ポートP4には胸部用RFコイル装置が接続されており、接続ポートP1、P2、P3、P5、P6にはRFコイル装置が接続されていない。
図11の例では、接続ポートP3には胸部用RFコイル装置が、接続ポートP4には脊髄用RFコイル装置が接続されており、接続ポートP1、P2、P5、P6にはRFコイル装置が接続されていない。
各接続ポートP1〜P6に接続されているRFコイル装置の識別情報は、各接続ポートP1〜P6の照合装置194によって取得される。照合装置194は、取得した認識情報を、シーケンスコントローラ56を介してナビゲート部102に入力する。
この後、ナビゲート部102は、各接続ポートP1〜P6に接続されているRFコイル装置の情報を表示制御部98に入力し、図8〜図11に示すように各接続ポートP1〜P6に接続されているRFコイル装置の情報を表示装置64に表示させる。
また、ナビゲート部102は、前記テーブルデータ(図6参照)と照合して、接続先が違うRFコイル装置があればそれを特定する。ナビゲート部102は、接続先が違うRFコイル装置の正しい接続先の接続ポートの内、何も接続されていないものを接続先としてナビゲート欄200に表示させる。
例えば図9の例では、腰用RFコイル装置は本来接続ポートP5またはP6に接続されるべきところ(図6参照)、誤って接続ポートP4に接続されている。正しい接続先の内、接続ポートP6には膝用RFコイル装置が正しく接続されている。このため、ナビゲート部102は、表示制御部98を制御して、腰用RFコイル装置の正しい接続先として接続ポートP5を表示装置64のナビゲート欄200に表示させる(図9参照)。
上記のように接続先を間違えたRFコイル装置がある場合、ナビゲート部102は、同時に以下の2つの処理も行う。第1に、ナビゲート部102は、接続間違いのRFコイル装置に対する正しい接続先の接続ポートの照合装置194を制御して、当該正しい接続先の発光装置198を発光させる。このときの発光色は、例えば、接続間違いの場合と同様の色(前述の例では赤)でよい。
第2に、ナビゲート部102は、表示装置64上で、接続間違いの接続ポートと、正しい接続先の接続ポートとを識別的に点滅表示させる。図9の例では、ナビゲート部102は、間違って腰用RFコイル装置が接続された接続ポートP4と、その正しい接続先の接続ポートP5とに相当する長方形領域を例えばピンクなどの周囲とは異なる有彩色で点滅表示させる。
また、ナビゲート部102は、前述のように電波信号によって寝台32近傍に存在することが検出されたRFコイル装置の識別情報を受信装置178から取得する。ナビゲート部102は、受信装置178から取得した識別情報に該当するRFコイル装置の中で、全接続ポートP1〜P6のどれにも接続されていないものがあれば、そのRFコイル装置が「接続忘れ」であると判定する。この場合、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置の正しい接続先の接続ポートの情報をテーブルデータに基づいて判定する。
接続忘れのRFコイル装置が存在する場合、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置の名称およびその正しい接続先の接続ポート名を、表示制御部98を制御してナビゲート欄200に表示させる。図10の例では膝用RFコイル装置が接続忘れであり、その正しい接続先として接続ポートP6がナビゲート欄200に表示される。
接続忘れのRFコイル装置がある場合、ナビゲート部102は、同時に以下の2つの処理も行う。第1に、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置の正しい接続先の接続ポート(図10の例ではP6)に相当する長方形領域を例えばピンクなどの周囲とは異なる有彩色で、表示装置64上で点滅表示させる。第2に、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置に対する正しい接続先の接続ポートの照合装置194を制御し、当該正しい接続先の発光装置198を発光させる。このときの発光色は、例えば、接続間違いの場合と同様の色(前述の例では赤)でよい。
さらに、ナビゲート部102は、接続ポートP1〜P6に接続中の全てのRFコイル装置は同時使用できるものか否かを、前記テーブルデータに基づいて判定する。
同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている場合、ナビゲート部102は、表示制御部98を制御することで、その旨をナビゲート欄200に文字情報として表示させる。図11の例では、同時使用できない脊髄用RFコイル装置と、胸部用RFコイル装置とが接続中であるので、両者は同時使用できない旨が表示される。同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている場合、ナビゲート部102は、同時に以下の2つの処理も行う。
第1に、ナビゲート部102は、同時使用できないRFコイル装置が接続された複数の接続ポート(図11の例ではP3、P4)に相当する長方形領域を、例えばピンクなどの周囲とは異なる有彩色で、モニタ上で識別的に点滅表示させる。第2に、ナビゲート部102は、同時使用できないRFコイル装置が接続された複数の接続ポートの各照合装置194を制御し、それら接続ポートの発光装置198を発光させる。このときの発光色は、例えば、接続間違いの場合と同様の色(前述の例では赤)でよい。
接続先の違うRFコイル装置もなく、接続忘れのRFコイル装置もなく、同時使用できない複数のRFコイル装置が同時接続されていることもない場合、ナビゲート部102は、表示制御部98を制御して、その旨をナビゲート欄200に表示させる(図8参照)。
図12は、図4の脊髄用RFコイル装置160が使用された場合における、コイル位置計測シーケンスによって検出された各要素コイルの位置の表示の一例を示す模式図である。コイル位置計測シーケンスは、RFコイル装置内の複数の要素コイルの内、どれを撮像に用いるかを選択するために、被検体Qに装着されたRFコイル装置内の各要素コイルの配置を被検体Qとの位置関係で計測するものである。コイル位置計測シーケンスについては、後述の図14のステップS5以降で説明する。
図12では脊髄用RFコイル装置160が用いられているので、一例として、前面側と背面側に分けて計測された20個ずつの要素コイル166、168の位置が長方形として示されている。そして、ここでは一例として、磁場中心を通る装置座標系のX軸に平行な直線が太線で示される。
図13は、図12の表示の後、イメージングに使用する要素コイルの選択画面の一例を示す模式図である。図12の表示状態において、ユーザは、入力装置62を介して例えばマウスやキーボード等で入力することにより、撮像に用いる要素コイル166、168を選択できる。図12の一例では、選択された要素コイル166、168の長方形枠が太線で、その枠内が多数の点を散りばめて識別表示される。選択された要素コイル166、168を非選択の要素コイル166、168とは異なる有彩色(例えば青など)で識別表示してもよい。
図14は、第1の実施形態におけるMRI装置20の動作の流れを示すフローチャートである。第1の実施形態は、チャンネル選択に際して、コイル位置計測シーケンスを実行可能なRFコイル装置については実行する場合に対応する。
上記チャンネルとは、RFコイル装置からそれぞれ出力され、RF受信器48に入力されるまでの複数のアナログのMR信号の各経路とする。具体的には、チャンネル数はRF受信器48の入力受付数以下に設定される。従って、各チャンネルで伝送され、RF受信器48に1信号として入力されるアナログのMR信号は、1の要素コイルのMR信号のみから構成される場合もあるし、複数の要素コイルのMR信号の合成信号の場合もある。
ユーザがマニュアル操作のみによってチャンネルを選択する場合については、第2の実施形態として述べる。以下、前述した各図を適宜参照しながら、図14に示すステップ番号に従って、第1の実施形態におけるMRI装置20の動作を説明する。
[ステップS1]MPU86(図2参照)は、入力装置62に対して行われた入力情報等に基づいて、MRI装置20の初期設定を行う。これにより、MPU86は、造影撮像、非造影撮像などの撮像条件の一部を設定する。ナビゲート部102は、表示制御部98を制御して、表示装置64のモニタにコイル設定画面の表示を開始させる。この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]RFコイル装置が各接続ポートP1〜P6に接続された場合、その接続の都度、接続が行われた接続ポート(P1〜P6)の照合装置194は、接続されたRFコイル装置の識別情報を取得する。照合装置194に登録されていないRFコイル装置が差し込み口192に接続された場合、照合装置194は、接続間違いのRFコイル装置が外されるまで、警告音をアラート装置196から発信させると共に、発光装置198を例えば赤など有彩色で警告色として点滅表示させる。この状態は、警告状態に相当する。
照合装置194に登録されているRFコイル装置が差し込み口192に接続された場合、照合装置194は、例えば緑などの上記警告状態とは異なる有彩色で発光装置198を継続的に発光させる。照合装置194は、RFコイル装置が差し込み口192に接続されていない場合には、発光装置198を発光させない。
なお、照合装置194は、取得したRFコイル装置の認識情報を、シーケンスコントローラ56を介してナビゲート部102に入力する。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]ナビゲート部102は、各接続ポートP1〜P6に接続されているRFコイル装置の情報を表示制御部98に入力し、各接続ポートP1〜P6に接続されているRFコイル装置の情報を表示装置64のモニタ上に表示させる(図8〜図11参照)。
ナビゲート部102は、テーブルデータ(図6参照)と照合して、接続先が違うRFコイル装置があればそれを特定する。接続間違いがある場合、ナビゲート部102は、接続先が違うRFコイル装置の正しい接続先の接続ポート(P1〜P6のいずれか)の内、何も接続されていないものを接続先として表示装置64上のナビゲート欄200に表示させる(図9参照)。
同時に、ナビゲート部102は、接続間違いのRFコイル装置に対する正しい接続先の接続ポート(P1〜P6のいずれか)の発光装置198を発光させ、接続間違いの接続ポートと、正しい接続先の接続ポートとを表示装置64上で識別的に点滅表示させる。
また、ナビゲート部102は、電波信号で寝台32近傍に存在することが検出されたRFコイル装置の識別情報を受信装置178から取得する。ナビゲート部102は、受信装置178から取得した識別情報に該当するRFコイル装置の中で、全接続ポートP1〜P6のどれにも接続されていないものがあれば、そのRFコイル装置が「接続忘れ」であると判定する。
「接続忘れ」がある場合、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置の正しい接続先の接続ポートの情報をテーブルデータに基づいて判定する。この後、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置の名称およびその正しい接続先の接続ポート名をナビゲート欄200に表示させ(図10参照)、正しい接続先の接続ポートに相当する長方形領域を表示装置64上で識別的に点滅表示させる。また、接続忘れのRFコイル装置がある場合、ナビゲート部102は、接続忘れのRFコイル装置に対する正しい接続先の接続ポートの発光装置198を前述のように発光させる。
また、ナビゲート部102は、接続ポートP1〜P6に接続中の全てのRFコイル装置は同時使用できるものか否かを、テーブルデータに基づいて判定する。同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている場合、ナビゲート部102は、その旨をナビゲート欄200に表示させ(図11参照)、同時使用できないRFコイル装置が接続された複数の接続ポートの領域を周囲とは異なる有彩色によって表示装置64上で点滅表示させる。同時に、ナビゲート部102は、同時使用できないRFコイル装置が接続された複数の接続ポートの発光装置198を発光させる。
上記のように、接続ポートP1〜P6からの警告音、接続ポートP1〜P6の発光、表示装置64のナビゲーション表示などの支援情報によって、RFコイル装置の正しい接続先がガイドされる。RFコイル装置の接続箇所を間違えた場合、ユーザは、上記支援情報に従って、RFコイル装置を正しく接続する。
これにより、接続先の違うRFコイル装置もなく、接続忘れのRFコイル装置もなく、同時使用できない複数のRFコイル装置が同時接続されていることもなくなった場合、ナビゲート欄200は図8のような表示状態となり、ナビゲート部102は、RFコイル装置の接続状態が正常である旨をMPU86に入力する。同時に、ナビゲート部102は、接続されている各RFコイル装置の識別情報およびその接続ポート名をMPU86に入力する。この後、ステップS4に進む。
[ステップS4]MPU86は、接続されている各RFコイル装置の識別情報に基づいて、当該RFコイル装置にコイル位置計測機能があるか否かを判定する。コイル位置計測機能がある場合(コイル位置計測シーケンスによって、RFコイル装置内の各要素コイルの位置を計測可能な場合)、ステップS5に進み、そうではない場合、ステップS8に進む。
[ステップS5]MPU86は、コイル位置計測シーケンスの条件をシーケンスコントローラ56に入力する。シーケンスコントローラ56は、傾斜磁場電源44やRF送信器46、RF受信器48などの各部を制御することで、不図示の全身用コイル(RFコイル28)からRF信号を送信後、接続ポートP1〜P6のいずれかに接続中のRFコイル装置からMR信号を収集する。MPU86は、収集されたMR信号に基づいて、コイル位置決め用のプロファイルデータを生成する。この後、ステップS6に進む。
[ステップS6]MPU86は、前記プロファイルデータに基づいて、RFコイル装置内の要素コイルごとの位置を算出する。この後、ステップS7に進む。
[ステップS7]MPU86は、算出した要素コイルの位置を寝台32の天板に対する相対座標に変換し、相対座標に変換したコイル位置を含む計測結果情報を記憶装置66に保存する。この後、ステップS8に進む。
[ステップS8]MPU86は、記憶装置66内の計測結果情報を参照して、各要素コイルの位置を表示装置64上に表示させる。このとき、MPU86は、表示装置64上において、磁場中心を重畳表示させる(図12参照)。なお、以上のステップS5〜ステップS8のコイル位置計測シーケンスについては、特許文献2に詳細に記載されているので、さらなる説明を省略する。この後、ステップS9に進む。
[ステップS9]表示制御部98は、ユーザによって選択された有効範囲内の要素コイルを選択し、選択した要素コイルを表示装置64のモニタ上で識別表示する(図12参照)。なお、その後にユーザによって要素コイルが新たに選択し直された場合、表示制御部98は、新たに選択された要素コイルを識別表示する。
この後、入力装置64に対して、「使用する要素コイル確定」の入力がなされると、ステップS10に進む。
[ステップS10]MPU86は、接続ポート(P1〜P6の少なくともいずれか)に接続中のRFコイル装置における、ステップS9で最終的に選択されている各要素コイルを、撮像に使用するものとして設定する。これに基づいて、MPU86は、チャンネルなどの撮像条件の一部を設定する。この後、ステップS11に進む。
[ステップS11]位置決め画像の撮像が行われる。具体的には、寝台32に被検体Qがセットされ、静磁場電源40により励磁された静磁場用磁石22によって撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源42からシムコイル24に電流が供給されて、撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置62からMPU86に撮像開始指示が入力されると、MPU86は、パルスシーケンスを含む撮像条件をシーケンスコントローラ56に入力する。シーケンスコントローラ56は、入力されたパルスシーケンスに従って傾斜磁場電源44、RF送信器46およびRF受信器48を駆動させることで、被検体Qがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させると共に、RFコイル28からRF信号を発生させる。
このため、被検体Qの内部の核磁気共鳴により生じたMR信号がRFコイル28により受信されて、RF受信器48により検出される。RF受信器48は、検出したMR信号に所定の信号処理を施した後、これをA/D変換することで、デジタル化したMR信号である生データを生成する。RF受信器48は、生成した生データをシーケンスコントローラ56に入力する。シーケンスコントローラ56は、生データを画像再構成部90に入力し、画像再構成部90は、k空間データベース92に形成されたk空間において、生データをk空間データとして配置する。
画像再構成部90は、k空間データベース92からk空間データを取り込み、これにフーリエ変換を含む画像再構成処理を施すことで画像データを再構成し、得られた画像データを画像データベース94に保存する。
画像処理部96は、画像データベース94から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施すことで2次元の表示用画像データを生成し、この表示用画像データを記憶装置66に保存する。この後、ステップS12に進む。
[ステップS12]MPU86は、表示制御部98を制御して、記憶装置66に保存された位置決め画像を表示装置64上に表示させる。この後、いわゆる本スキャンの撮像条件が設定される。この後、ステップS13に進む。
[ステップS13]ステップS12で設定された本スキャンの撮像条件に従って、位置決め画像の撮像時と同様に各部が動作し、本スキャンの撮像画像の画像データが生成され、記憶装置66に保存される。そして、本スキャンの撮像画像が表示装置64に表示される。以上が本実施形態のMRI装置20の動作説明である。
このように本実施形態では、各接続ポートP1〜P6内に照合装置194、アラート装置196、発光装置198を設け、登録されていないRFコイル装置が接続された瞬間から、警告音の発信や警告色での点滅発光を開始する(ステップS2)。このため、RFコイル装置の接続箇所を間違えた場合、ユーザは、間違えたことを容易かつ瞬時に知ることができる。
また、間違った接続ポートに接続されたRFコイル装置の正しい接続箇所を表示装置64上に表示すると共に、正しい接続箇所の接続ポートを点滅発光させる(ステップS3)。従って、ユーザは、説明書を読んで正しい接続ポートを探すといったことをしなくとも、正しい接続箇所を容易に知ることができる。
また、ナビゲート部102は、受信装置178が電波信号に基づいて取得した識別情報により、寝台32近傍の全てのRFコイル装置の存在を情報として取得する。このため、接続ポートP1〜P6のどれにも接続されていないRFコイル装置があれば、容易に接続忘れであることを判定できる。接続忘れがある場合、その旨が表示装置64上に表示され、接続忘れのRFコイル装置に対する正しい接続先の接続ポートの発光装置198を発光させるので、ユーザは、接続忘れを容易に知り、対処することができる。
さらに、ナビゲート部102は、同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている場合、その旨を表示装置64に表示すると共に、同時使用できないRFコイル装置が接続された複数の接続ポートの発光装置198を発光させる。このため、ユーザは、同時使用できない複数のRFコイル装置を誤って接続したことに容易に気づいて対処することができる。
さらに、接続先の違うRFコイル装置もなく、接続忘れのRFコイル装置もなく、同時使用できない複数のRFコイル装置が同時接続されていることもなくなった場合、ナビゲート部102は、接続状態が正常である旨をMPU86に入力し、MRI装置20は次の処理(ステップS4)に移行する。即ち、接続先の違うRFコイル装置があるか、接続忘れのRFコイル装置があるか、同時使用できない複数のRFコイル装置が接続されている間は、MRI装置20の動作は次のステップに移行しない。
従って、RFコイル装置の接続状態が正常ではないまま、撮像が行われてRFコイル装置が破損するおそれはない。即ち、本実施形態のMRI装置20では、RFコイル装置の正しい接続方法を極めて安全かつ分かり易くナビゲートできる。
以上説明した実施形態によれば、MRI装置の接続ポートとRFコイル装置との接続状況に応じて、両者の正しい接続方法をユーザに支援することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のMRI装置20は、第1の実施形態と装置構成は同じである。第2の実施形態は、コイル位置計測シーケンスを実行せず、ユーザが手動でチャンネルを選択する場合に対応する。
図15は、第2の実施形態におけるMRI装置20の動作の流れを示すフローチャートである。以下、図15に示すステップ番号に従って、第2の実施形態の動作を説明する。
[ステップS21〜S23]第1の実施形態のステップS1〜S3と同様であるので、重複する説明を省略する。接続先の違うRFコイル装置もなく、接続忘れのRFコイル装置もなく、同時使用できない複数のRFコイル装置が同時接続されていることもなくなった場合、表示装置64は図8のような表示状態となり、第1の実施形態と同様にしてステップS24に進む。
[ステップS24]MPU86は、現在接続ポートP1〜P6に接続中のRFコイル装置の情報と共に、コイル選択画面を表示装置64に表示させる。
[ステップS25]ユーザは、入力装置62を介したマニュアル操作によって、要素コイルの選択およびチャンネル設定をする。なお、要素コイルが1つしか存在しないRFコイル装置の場合には、MPU86が自動的にチャンネルを設定する。この後、MPU86は、設定されたチャンネルに基づいて撮像条件の一部を設定する。この後、ステップS26に進む。
[ステップS26〜28]第1の実施形態のステップS11〜S13と同様に、位置決め画像の撮像、本スキャンの撮像条件の設定、本スキャンのイメージングが行われる。
以上が第2の実施形態の動作説明である。
このように第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(実施形態の補足事項)
[1]接続間違いの場合、警告音の発信および警告用の色での点滅発光の双方を行う例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。接続間違いの場合、警告音の発信および警告用の色での点滅発光の一方のみを行ってもよい。
[2]各接続ポートP1〜P6内に照合装置194を設け、照合装置194に接続間違いか否かを照合装置194によって判定して発光装置198およびアラート装置196を動作させる例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。
各接続ポートP1〜P6から照合装置194を省き、ナビゲート部102が接続間違いか否かを判定して、ナビゲート部102が発光装置198およびアラート装置196を動作させてもよい。
[3]MRI装置20として、RF受信器46がガントリ21外に存在する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。RF受信器46がガントリ内に含まれる態様でもよい。
具体的には例えば、RF受信器46に相当する電子回路基盤をガントリ21内に配設する。そして、受信用RFコイルによって電磁波からアナログの電気信号に変換されたMR信号を、当該電子回路基盤内のプリアンプによって増幅し、デジタル信号としてガントリ21外に出力し、シーケンスコントローラ56に入力してもよい。
[4]請求項の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
各接続ポートP1〜P6内の各照合装置194は、請求項記載の照合部の一例である。
各接続ポートP1〜P6内のアラート装置196および発光装置198は、請求項記載の接続ガイド部の一例である。
ナビゲート部102は、請求項記載のナビゲート部の一例である。
表示制御部98および表示装置64は、請求項記載の表示部の一例である。
ナビゲート部102が記憶しているテーブルデータ(図6参照)は、請求項記載の組み合わせ情報の一例である。
[5]本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。