JP5701026B2 - 排熱回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、主機関を動力源として航行する船舶に設けられる排熱回収システムに関するものである。
従来、排熱回収システムとして、船舶の動力源となるエンジンからの排熱を利用する排熱利用冷凍システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。排熱利用冷凍システムは、エンジン(主機関)の排熱により蒸気を生成するエコノマイザと、生成された蒸気が供給されることで発電を行う蒸気タービン発電機と、蒸気タービン発電機に供給される蒸気の一部が供給される蒸気利用装置と、蒸気利用装置からの余剰蒸気が供給される吸収式冷凍機とを備えている。この排熱利用冷凍システムでは、余剰蒸気を用いて、吸収式冷凍機を作動させることにより、船舶の冷却性能を確保しつつ、余剰蒸気を有効利用することができる。
特開2010−144995号公報
ところで、エンジンの排熱により生成される蒸気は、船舶の航行中、すなわち、エンジンの運転中にのみ発生する一方で、船舶の停泊中、すなわち、エンジンの停止中には発生しない。このとき、船舶の冷却性能は、船舶の航行中のみならず停泊中においても要求される。しかしながら、従来の構成では、船舶が停泊すると、エンジンが停止してしまい、蒸気が生成されないため、余剰蒸気を吸収式冷凍機に供給することができない。これにより、船舶の停泊中は、余剰蒸気による吸収式冷凍機の作動を行うことができず、別途設けられた圧縮式冷凍機により、船舶の冷却性能を確保しなければならない。
そこで、本発明は、船舶の航行中は、主機関の排熱によって加熱された熱媒体の熱を蓄熱器に蓄熱する一方で、冷却器等の装置によって加熱された熱媒体を利用して吸収式冷凍機を作動させ、船舶の停泊中は、蓄熱器に蓄熱された熱を有効利用して、吸収式冷凍機を作動させることができる排熱回収システムを提供することを課題とする。
本発明の排熱回収システムは、主機関を動力源として航行する船舶に設けられる排熱回収システムにおいて、主機関の排熱と熱媒体との間で熱交換を行って、熱媒体が加熱されることにより、主機関の排熱を回収可能な排熱回収器と、熱媒体が供給され、熱媒体と蓄熱材との間で熱交換を行って、蓄熱材が熱媒体により加熱されることで蓄熱する一方で、熱媒体が蓄熱材により加熱されることで放熱可能な蓄熱器と、再生器を有し、蓄熱器からの放熱により加熱された熱媒体によって、再生器を加熱可能な吸収式冷凍機と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、排熱回収器において加熱された熱媒体の熱は、蓄熱器に蓄熱することができる。このため、吸収式冷凍機では、蓄熱器からの放熱によって、再生器を加熱することができる。これにより、船舶が停泊中であっても、吸収式冷凍機は、蓄熱器からの放熱により再生器を加熱することができるため、船舶の航行中および停泊中に関わらず、主機関の排熱を有効利用して、吸収式冷凍機を作動させることができる。
この場合、船舶は、主機関と第1冷却材との間で熱交換を行って、第1冷却材が加熱されることにより、主機関を冷却可能な第1冷却器を有しており、吸収式冷凍機は、主機関により加熱された第1冷却材によって、再生器を加熱可能に構成され、船舶が航行中の場合、主機関によって加熱された第1冷却材は、吸収式冷凍機に供給されて、再生器を加熱し、主機関の排熱によって加熱された熱媒体は、蓄熱器に供給されて蓄熱される一方で、船舶が停泊中の場合、蓄熱器からの放熱により加熱された熱媒体は、吸収式冷凍機に供給されて、再生器を加熱することが好ましい。
この構成によれば、船舶の航行中は、主機関によって加熱された第1冷却材を、吸収式冷凍機に供給することにより、吸収式冷凍機を作動させることができる。このとき、船舶の航行中において、主機関の排熱によって加熱された熱媒体は、蓄熱器に供給されることで、主機関の排熱を蓄熱することができる。一方で、船舶の停泊中は、蓄熱器からの放熱により加熱された熱媒体を、吸収式冷凍機に供給することにより、吸収式冷凍機を作動させることができる。よって、船舶の停泊中における吸収式冷凍機の作動は、船舶の航行中において蓄熱器に蓄熱した主機関の排熱を利用することで動作可能となる。また、船舶の航行中において、主機関から発生する熱を吸収式冷凍機へ供給することができるため、主機関から発生する熱を有効利用することができる。このとき、主機関により加熱される第1冷却材は、その温度が、吸収式冷凍機への供給に適した温度とすることができる。
この場合、船舶は、補機と、補機と第2冷却材との間で熱交換を行って、第2冷却材が加熱されることにより、補機を冷却可能な第2冷却器と、を有し、吸収式冷凍機は、補機により加熱された第2冷却材によって、再生器を加熱可能に構成され、船舶が航行中の場合、補機によって加熱された第2冷却材は、吸収式冷凍機に供給されて、再生器を加熱し、主機関の排熱によって加熱された熱媒体は、蓄熱器に供給されて蓄熱される一方で、船舶が停泊中の場合、蓄熱器からの放熱により加熱された熱媒体は、吸収式冷凍機に供給されて、再生器を加熱することが好ましい。
この構成によれば、船舶の航行中は、補機によって加熱された第2冷却材を、吸収式冷凍機に供給することにより、吸収式冷凍機を作動させることができる。このとき、船舶の航行中において、主機関の排熱によって加熱された熱媒体は、蓄熱器に供給されることで、主機関の排熱を蓄熱することができる。一方で、船舶の停泊中は、蓄熱器からの放熱により加熱された熱媒体を、吸収式冷凍機に供給することにより、吸収式冷凍機を作動させることができる。よって、船舶の停泊中における吸収式冷凍機の作動は、船舶の航行中において蓄熱器に蓄熱した主機関の排熱を利用することで動作可能となる。
この場合、補機は、船舶の航行中においてエンジンにより駆動可能な発電機であることが好ましい。
この構成によれば、船舶の航行中において、発電機から発生する熱を吸収式冷凍機へ供給することができるため、発電機から発生する熱を有効利用することができる。このとき、補機により加熱される第2冷却材は、その温度が、吸収式冷凍機への供給に適した温度とすることができる。
この場合、熱媒体は、水であり、排熱回収器において、主機関の排熱によって加熱された熱媒体は、蒸気となり、蓄熱器には、蒸気となった熱媒体が供給されることが好ましい。
この構成によれば、熱媒体として水を用いることができるため、排熱回収器において主機関の排熱によって加熱された熱媒体を蒸気とすることができる。これにより、蓄熱器には、蒸気となった熱媒体を供給することができる。このとき、蒸気となった熱媒体は、その温度が、蓄熱器への供給に適した温度とすることができる。
本発明の排熱回収システムによれば、船舶の航行中および停泊中に関わらず、主機関の排熱を有効利用して、吸収式冷凍機を作動させることができる。
図1は、本実施例に係る排熱回収システムを概略的に表した概略構成図である。 図2は、蓄熱器を模式的に表した概略構成図である。 図3は、吸収式冷凍機を模式的に表した概略構成図である。 図4は、船舶の運航状態に応じた各機器の状態を表す説明図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の排熱回収システムについて説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
本実施例に係る排熱回収システムは、エンジンを主機関とした船舶に設けられており、主機関からの排熱を回収して利用するものである。なお、船舶としては、例えば、乗用車を運搬する乗用車運搬船であったり、コンテナを運搬するコンテナ船であったりするが、特に限定されない。以下、図1を参照して、排熱回収システムを搭載する船舶について説明する。
図1は、本実施例に係る排熱回収システムを概略的に表した概略構成図である。船舶1は、主機関5と、補機となるエンジン発電機6と、主機関5からの排熱を回収して利用する排熱回収システム20とが設けられている。
主機関5は、重油を燃料としたディーゼルエンジンが用いられており、主機関5からの動力をプロペラ8へ向けて出力している。そして、船舶1は、主機関5がプロペラ8を回転させて推進力を得ることにより、航行可能となっている。この主機関5には、第1冷却器15が設けられており、第1冷却器15は、主機関5に設けられた冷却流路に、冷却水(第1冷却材)を流通させることで、主機関5を冷却している。この第1冷却器15には、後述する吸収式冷凍機32の再生器51が接続されており、第1冷却器15と再生器51との間で熱交換を行っている。つまり、主機関5によって加熱された第1冷却器15の冷却水は、再生器51へ向けて供給され、その温度は、約80〜90℃となる。なお、本実施例では、主機関5として、ディーゼルエンジンに適用して説明したが、ガスタービンエンジンに適用してもよい。
エンジン発電機6は、発電機関となっており、重油を燃料とした小型のディーゼルエンジンを駆動させることで発電可能に構成されている。このエンジン発電機6には、第2冷却器16が設けられており、第2冷却器16は、エンジン発電機7に設けられた冷却流路に、冷却水(第2冷却材)を流通させることで、エンジン発電機7を冷却している。この第2冷却器16にも、第1冷却器15と同様に、後述する吸収式冷凍機32の再生器51が接続されており、第2冷却器16と再生器51との間で熱交換を行っている。つまり、エンジン発電機6によって加熱された第2冷却器16の冷却水は、再生器51へ向けて供給され、その温度は、約80〜90℃となる。
続いて、図1ないし図3を参照して、排熱回収システム20について説明する。図2は、蓄熱器を模式的に表した概略構成図であり、図3は、吸収式冷凍機を模式的に表した概略構成図である。排熱回収システム20は、排熱回収ボイラ21と、蒸気タービン発電機22と、復水器23と、給水ポンプ24とを有している。
排熱回収ボイラ21は、主機関5から排出される排気ガスを流入させ、排気ガスの熱(排熱)を回収した後、回収後の排気ガスを外気へ流出させている。排熱回収ボイラ21は、その内部に、熱媒体として機能する水が流通する熱交換器21aが設けられており、この熱交換器21aが、主機関5の排熱により加熱される。熱交換器21aが加熱されると、水が蒸気となり、蒸気となった熱媒体は、蒸気タービン発電機22へ向けて供給される。このとき、排熱回収ボイラ21に流入する排気ガスの排熱温度は、約160℃となっており、排熱によって生成される蒸気の温度は、約140℃となっている。
蒸気タービン発電機22は、蒸気によって回転可能な蒸気タービン27と、蒸気タービン27の回転により発電可能なタービン発電機28とを有している。蒸気タービン27は、排熱回収ボイラ21の熱交換器21aに接続されており、主機関5の排熱により加熱された蒸気が流入することにより回転する。そして、蒸気タービン発電機22は、発電した電力を、船舶1内で使用される設備に給電している。
復水器23は、蒸気タービン27から流出した蒸気を、冷却し凝縮して、水に戻している。復水器23により水となった熱媒体は、給水ポンプ24によって排熱回収ボイラ21に供給される。
従って、主機関5からの排熱が排熱回収ボイラ21に流入すると、排熱回収ボイラ21の熱交換器21aにおいて流れる水は加熱される。加熱された水は蒸気となって、蒸気タービン発電機22に流入する。蒸気タービン発電機22は、流入する蒸気によって蒸気タービン27が回転させられ、これにより、タービン発電機28が発電する。蒸気タービン発電機22を通過した蒸気は、復水器23に流入する。復水器23は、流入した蒸気を凝縮して水に戻し、復水器23により凝縮された水は、給水ポンプ24により排熱回収ボイラ21に再び供給される。
このように構成された排熱回収システム20には、排熱回収ボイラ21に接続された蓄熱器31と、蓄熱器31に接続された吸収式冷凍機32と、吸収式冷凍機32に接続された空調機60とが設けられている。蓄熱器31には、排熱回収ボイラ21から蒸気タービン27へ向けて流れる蒸気の流路から分岐する流入流路R1が接続され、また、復水器23の下流側の流路へ合流する流出流路R2が接続されている。また、蓄熱器31と吸収式冷凍機32との間には、蓄熱器31と吸収式冷凍機32との間で熱交換可能に循環する循環流路R3が設けられ、循環流路R3内には、熱媒体として機能する水が流れている。
図2に示すように、蓄熱器31は、容器41と、容器41内に設けられた蓄熱材42と、流入流路R1から流入した蒸気により蓄熱材42を加熱する加熱器43と、循環流路R3内を流れる熱媒体としての水と蓄熱材との間で熱交換する熱交換器44とを有している。なお、本実施例では、加熱器43と熱交換器44とを別体としたが、加熱器43と熱交換器44とを一体に構成してもよく、この場合、流入流路R1および流出流路R2と、循環流路R3とを適宜切り替えることが好ましい。
容器41には、熱媒油が貯留されており、貯留された熱媒油に蓄熱材42が浸っている。蓄熱材42は、エリスリトールが用いられ、熱媒油を介して加熱器43および熱交換器44との熱交換を行っている。
加熱器43には、その内部に熱媒油が流通する加熱流路R4が形成されており、容器41から流出した熱媒油は、加熱流路R4を通って、再び容器41へ流入する。また、加熱器43には、流入流路R1が接続されると共に、流出流路R2が接続されている。このため、流入流路R1から蒸気が流入すると、蒸気は、加熱流路R4を流れる熱媒油を加熱すると共に、熱媒油を加熱した後の蒸気は水となって流出流路R2を流れ出る。なお、約140℃の蒸気は、熱媒油をほぼ同じ温度まで加熱し、約140℃の熱媒油は、蓄熱材42と熱交換することで約90℃となり、約90℃となった熱媒油は、再び加熱流路R4に流入して加熱される。
熱交換器44には、その内部に熱媒油が流通する熱交換流路R5が形成されており、容器41から流出した熱媒油は、熱交換流路R5を通って、再び容器41へ流入する。また、熱交換器44には、循環流路R3が接続されており、循環流路R3を流れる水は、吸収式冷凍機32から熱交換器44へ向けて流入し、熱交換器44を通過して、吸収式冷凍機32へ向けて流出する。このため、吸収式冷凍機32から熱交換器44へ水が流入すると、水は、熱交換流路R5を流れる熱媒油と熱交換することで加熱され、加熱された水は吸収式冷凍機32へ向けて流出する。なお、熱交換器44へ流入する水は、約50℃となっており、熱交換器44において加熱された水は、約90℃となる。一方、熱交換流路R5へ流入する熱媒油は、約140℃となっており、熱交換流路R5から流出する熱媒油は、約90℃となる。
従って、蓄熱器31は、排熱回収ボイラ21において加熱された蒸気の一部(余剰蒸気)が流入し、流入した余剰蒸気が熱媒油を介して蓄熱材42を加熱することで蓄熱する。一方で、蓄熱器31は、加熱された蓄熱材42が熱媒油を介して循環流路R3の水を加熱することで放熱する。なお、蓄熱器31に流入する蒸気の温度は、約140℃が好ましく、蓄熱器31に流入する蒸気の温度と、ほぼ同じ温度となる。
図3に示すように、吸収式冷凍機32は、再生器51と、凝縮器52と、蒸発器53と、吸収器54とを有する周知の装置である。再生器51は、冷媒を含む吸収液を加熱して吸収液から冷媒を気化させて分離している。凝縮器52は、凝縮用熱交換器57を有しており、凝縮用熱交換器57には、冷却塔58が接続されている。凝縮器52は、再生器51によって分離した気化冷媒を、凝縮用熱交換器57によって冷却して凝縮し液化させている。蒸発器53は、凝縮器52によって凝縮した液化冷媒を、低気圧状態の雰囲気中において、蒸発用熱交換器56にかけて蒸発させている。吸収器54は、再生器51で分離した吸収液に、蒸発器53で蒸発した気化冷媒を吸収させている。
空調機60は、蒸発器53に設けられた蒸発用熱交換器56に接続されている。空調機60と蒸発用熱交換器56との間には、空調機60の冷媒となる水が流れている。このため、空調機60は、蒸発用熱交換器56において冷却された水と、船舶1の室内の雰囲気との間で熱交換することで、室内の雰囲気の温度を下げる一方で、冷媒となる水の温度を上げる。
このように構成された吸収式冷凍機32において、図1に示すように、再生器51には、蓄熱器31、第1冷却器15および第2冷却器16がそれぞれ接続されている。つまり、再生器51には、蓄熱器31の放熱によって加熱された水が流入することで、再生器51を加熱可能となっている。同様に、再生器51には、第1冷却器15において加熱された冷却水が流入することで、再生器51を加熱可能となっており、第2冷却器16において加熱された冷却水が流入することで、再生器51を加熱可能となっている。なお、再生器51の流入する水(冷却水)の温度は、約80〜90℃が好ましく、蓄熱器31、第1冷却器15および第2冷却器16から供給される水(冷却水)の温度と、ほぼ同じ温度となる。
次に、図4を参照して、船舶の運航状態に応じた排熱回収システムの作動について説明する。図4は、船舶の運航状態に応じた各機器の状態を表す説明図である。船舶1は、港への停泊状態から出港状態となり、出港状態から海洋を航行する航行状態となる。この後、船舶1は、航行状態から港へ入港する入港状態となり、入港状態から再び停泊状態となる。このとき、主機関5の出力は、船舶1が停泊状態となる場合にゼロとなり、船舶1が航行状態となる場合に最大出力(Max)となる。また、主機関5の出力は、船舶1が出港状態および入港状態となる場合に最大出力のほぼ半分となる。
排熱回収ボイラ21において発生する発生蒸気量は、船舶1の停泊状態において主機関5の出力はゼロとなるため、発生蒸気量はゼロとなる。また、発生蒸気量は、船舶1の航行状態において主機関5は最大出力となるため、最大蒸気量(Max)となる。そして、船舶1の出港状態および入港状態において主機関5は最大出力のほぼ半分となるため、発生蒸気量も最大蒸気量のほぼ半分となる。
吸収式冷凍機32に接続された夏場における空調機60の冷房出力は、船舶1の航行状態、出港状態および入港状態において最大出力(Max)で運転可能に構成される。一方で、夏場における空調機60の冷房出力は、船舶1の停泊状態において、最大出力の2〜3割程度の出力で運転可能に構成される。これは、船舶1の停泊中は、船舶の航行中に比べ、空調機60による冷房の需要が減少するからである。なお、冬場における空調機60の冷房出力はゼロである。
このとき、排熱回収ボイラ21において発生する発生蒸気量は、夏場において、鎖線で囲んだ部分が余剰蒸気量となっており、余剰蒸気量を除く発生蒸気量が必要蒸気量となっている。そして、本実施例では、この余剰蒸気を蓄熱器31に流入させて蓄熱している。
蓄熱器31は、排熱回収ボイラ21が余剰蒸気を生成する間、すなわち、船舶1の出港状態から航行状態を経て入港状態となるまでの間、排熱回収ボイラ21から流入する余剰蒸気の熱を蓄熱する。一方で、蓄熱器31は、排熱回収ボイラ21が蒸気を生成しない間、すなわち、船舶1の停泊状態の間、蓄熱した熱を放熱して、吸収式冷凍機32の再生器51へ供給される水を加熱する。
第1冷却器15および第2冷却器16は、主機関5およびエンジン発電機6が運転している間、すなわち、船舶1の出港状態から航行状態を経て入港状態となるまでの間、主機関5により加熱された冷却水、およびエンジン発電機6により加熱された冷却水を吸収式冷凍機32の再生器51へ供給する。一方で、第1冷却器15および第2冷却器16は、主機関5およびエンジン発電機6が停止している間、すなわち、船舶1が停泊状態の間、第1冷却器15および第2冷却器16を流れる冷却水は加熱されない(非加熱状態となる)ため、吸収式冷凍機32の再生器51へ供給されない。
以上から、排熱回収システム20は、船舶1が航行中の場合、第1冷却器15および第2冷却器16によって吸収式冷凍機32の再生器51を加熱する一方で、排熱回収ボイラ21からの余剰蒸気を蓄熱器31に蓄熱する。一方で、排熱回収システム20は、船舶1が停泊中の場合、蓄熱器31によって吸収式冷凍機32の再生器51を加熱する。これにより、吸収式冷凍機32は、船舶1の航行中でも、船舶1の停泊中でも、再生器51が加熱されることにより、図4に示す空調機60の冷房出力を確保することができる。換言すれば、船舶1の航行中において蓄熱器31に蓄熱した熱により、船舶1の停泊中において必要な空調機60の冷房出力を確保することができる。
次に、船舶1の停泊中において空調機60が必要とする仕事量と、船舶1の航行中において蓄熱器31に蓄熱される熱によって得られる仕事量とについて比較する。ここで、船舶1の一般的な運行状態を想定すると、船舶1は、入港状態および出港状態が0.5時間となり、航行状態が24時間となり、停泊状態が12時間となる。
先ず、船舶1の停泊中において空調機60が必要とする仕事量について考える。空調機60の最大出力に必要な仕事量は、例えば「630kW」必要である場合を想定し、以下の計算を実施した。ここで、船舶1の停泊中おいて、空調機60の出力は、最大出力の3割を要求されている。以上から、船舶1の停泊中において空調機60が必要とする仕事量は、「630kW×0.3×12h=2268kWh」で表される。なお、本実施例では、吸収式冷凍機のCOP(Coefficient Of Performance)を、COP=1として計算を行っている。
続いて、船舶1の航行中において蓄熱器31に蓄熱される熱によって得られる仕事量について考える。船舶1の航行状態において発生する余剰蒸気の熱によって得られる1時間あたりの仕事量は、例えば「529kW」である。一方で、船舶1の入港状態および出港状態において発生する余剰蒸気の熱によって得られる1時間あたりの仕事量は、例えば「212kW」となる。以上から、船舶1の航行中において蓄熱器31に蓄熱される熱によって得られる仕事量は、「529kW×24h+212kW×2×0.5h=12908kWh」で表される。
以上から、船舶1の停泊中において空調機60が必要とする仕事量(2268kWh)は、船舶1の航行中において蓄熱器31に蓄熱される熱によって得られる仕事量(12908kWh)で、十分に足りることが分かった。
次に、船舶1の航行中において空調機60が必要とする仕事量と、船舶1の航行中において第1冷却器15および第2冷却器16から得られる仕事量とについて比較する。先ず、船舶1の航行中において空調機60が必要とする仕事量について考える。空調機60の最大出力に必要な1時間あたりの仕事量は、「630kW」である。一方で、第1冷却器15から得られる1時間あたりの仕事量は、「357kW」である。以上から、第1冷却器15から得られる仕事量では、空調機60が必要とする仕事量を満足させることはできない。このとき、第2冷却器16から得られる1時間あたりの仕事量は、「460kW」である。
以上から、船舶1の航行中において空調機60が必要とする1時間あたりの仕事量(630kW)は、第1冷却器15および第2冷却器16から得られる1時間あたりの仕事量(357kW+460kW=817kW)で、十分に足りることが分かった。
以上のように、本実施例の排熱回収システム20によれば、排熱回収ボイラ21において主機関5の排熱によって蒸気となった熱媒体は、蓄熱器31に供給されることで、主機関5の排熱を蓄熱することができる。このため、吸収式冷凍機32では、蓄熱器31からの放熱によって、再生器51を加熱することができる。これにより、船舶1が停泊中であっても、吸収式冷凍機32は、蓄熱器31からの放熱により再生器51を加熱することができるため、船舶1の航行中および停泊中に関わらず、主機関5の排熱を有効利用して、吸収式冷凍機32を作動させることができる。
また、船舶1の航行中は、主機関5によって加熱された冷却水を、吸収式冷凍機32に供給すると共に、エンジン発電機6によって加熱された冷却水を、吸収式冷凍機32に供給することができる。これにより、船舶1の航行中において、主機関5およびエンジン発電機6によって加熱された冷却水を、吸収式冷凍機32に供給することで、吸収式冷凍機32に接続された空調機60の冷房出力を十分に満足させる仕事量を与えることができる。このとき、船舶1の航行中において、主機関5の排熱によって蒸気となった熱媒体は、蓄熱器31に供給されることで、主機関5の排熱を蓄熱することができる。
一方で、船舶1の停泊中は、蓄熱器31からの放熱により加熱された水を、循環流路R3を介して吸収式冷凍機32の再生器51に供給することにより、吸収式冷凍機32を作動させることができる。これにより、船舶1の停泊中において、蓄熱器31からの放熱によって加熱された水を、吸収式冷凍機32に供給することで、吸収式冷凍機32に接続された空調機60の冷房出力を十分に満足させる仕事量を与えることができる。
また、排熱回収システム20では、主機関5およびエンジン発電機6から発生する熱を、吸収式冷凍機32へ供給することができるため、主機関5およびエンジン発電機6から発生する熱を有効利用することができる。このとき、主機関5によって加熱された冷却水の温度、およびエンジン発電機6によって加熱された冷却水の温度を、再生器51への供給に適した温度とすることができるため、調熱を行う必要がない分、システム構成を簡易なものとすることができる。
また、排熱回収システム20では、熱媒体として水を用いたため、排熱回収ボイラ21によって加熱される熱媒体を蒸気とすることができる。このため、生成した蒸気を、蒸気タービン発電機22の駆動源として直接用いることができると共に、蓄熱器31へ供給することがきる。このとき、蒸気となった熱媒体の温度を、蓄熱器31への供給に適した温度とすることができるため、調熱を行う必要がない分、システム構成を簡易なものとすることができる。
なお、本実施例中に記載した仕事量に関する各データは、一実施例の場合であり、各船舶1の主機関5、補機等の仕様や船内の空調機60の仕様により異なるものである。
以上のように、本発明に係る排熱回収システムは、船舶の主機関の排熱を有効利用する場合に有用であり、特に、吸収式冷凍機を搭載する場合に適している。
1 船舶
5 主機関
6 エンジン発電機
15 第1冷却器
16 第2冷却器
20 排熱回収システム
21 排熱回収ボイラ
22 蒸気タービン発電機
31 蓄熱器
32 吸収式冷凍機
51 再生器
52 凝縮器
53 蒸発器
54 吸収器
60 空調機

Claims (4)

  1. 主機関を動力源として航行する船舶に設けられる排熱回収システムにおいて、
    前記主機関の排熱と熱媒体との間で熱交換を行って、前記熱媒体が加熱されることにより、前記主機関の排熱を回収可能な排熱回収器と、
    前記熱媒体が供給され、前記熱媒体と蓄熱材との間で熱交換を行って、前記蓄熱材が前記熱媒体により加熱されることで蓄熱する一方で、前記熱媒体が前記蓄熱材により加熱されることで放熱可能な蓄熱器と、
    再生器を有し、前記蓄熱器からの放熱により加熱された前記熱媒体によって、前記再生器を加熱可能な吸収式冷凍機と、を備え、
    前記船舶は、補機と、前記補機と第2冷却材との間で熱交換を行って、前記第2冷却材が加熱されることにより、前記補機を冷却可能な第2冷却器と、を有し、
    前記吸収式冷凍機は、前記補機により加熱された前記第2冷却材によって、前記再生器を加熱可能に構成され、
    前記船舶が航行中の場合、前記補機によって加熱された前記第2冷却材は、前記吸収式冷凍機に供給されて、前記再生器を加熱し、前記主機関の排熱によって加熱された前記熱媒体は、前記蓄熱器に供給されて蓄熱される一方で、
    前記船舶が停泊中の場合、前記蓄熱器からの放熱により加熱された前記熱媒体は、前記吸収式冷凍機に供給されて、前記再生器を加熱することを特徴とする排熱回収システム。
  2. 前記船舶は、前記主機関と第1冷却材との間で熱交換を行って、前記第1冷却材が加熱されることにより、前記主機関を冷却可能な第1冷却器を有しており、
    前記吸収式冷凍機は、前記主機関により加熱された前記第1冷却材によって、前記再生器を加熱可能に構成され、
    前記船舶が航行中の場合、前記主機関によって加熱された前記第1冷却材は、前記吸収式冷凍機に供給されて、前記再生器を加熱し、前記主機関の排熱によって加熱された前記熱媒体は、前記蓄熱器に供給されて蓄熱される一方で、
    前記船舶が停泊中の場合、前記蓄熱器からの放熱により加熱された前記熱媒体は、前記吸収式冷凍機に供給されて、前記再生器を加熱することを特徴とする請求項1に記載の排熱回収システム。
  3. 前記補機は、船舶の航行中においてエンジンにより駆動可能な発電機であることを特徴とする請求項1または2に記載の排熱回収システム。
  4. 前記熱媒体は、水であり、前記排熱回収器において、前記主機関の排熱によって加熱された前記熱媒体は、蒸気となり、前記蓄熱器には、蒸気となった前記熱媒体が供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の排熱回収システム。
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