JP5698757B2 - 関節の運動シミュレーションに関するシステム及び方法 - Google Patents

関節の運動シミュレーションに関するシステム及び方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2009年11月9日に出願された米国仮特許出願第61/259,360号明細書及び2009年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/286,672号明細書の利益を主張するものであり、それらの教示全体が引用により本明細書に組み込まれる。
人工器官(人工関節)インプラントのメカニズムが失敗することは多い。中でも最も一般的な失敗の原因は、ポリエチレンの摩耗、無菌性の緩み、感染、及び位置合わせのずれである。ポリエチレンの摩耗は、今日のインプラント失敗の最も大きな識別可能な単一の原因を成す。さらに、ポリエチレンの摩耗は、再形成された組織に対する負荷が増大する結果、インプラントを緩みやすくする恐れがある。インプラント技術が進化するにつれて、摩耗、破損、及び故障の新しくより複雑な形態が確認されている。これらのことの結果として、人間の動きの機微を再現可能なシミュレータ機での厳格なインプラントライフサイクルテストに対する必要性が非常に高い。
シミュレータ機は、新しい人工器官装置及び既存の人工器官装置が加速寿命テストを使用して評価される非人間環境を提供することにより、インプラントの寿命問題に対処する。これらの機械により、研究者は設計の欠点を割り出して研究し、材料の問題を特定して修正し、最終的に、医師及び患者により長い寿命の人工器官(人工関節)システムを提供することができる。シミュレータ機は人間の関節の動きを近似する。明らかなことに、人間の関節の動きを近似する程度が高いほど、結果はより信頼できるものとなる。
米国特許第7823460号明細書
今日まで、シミュレータ機は良くてもせいぜい、膝の動き等の人間の関節の動きの複雑さの、非常に大まかな近似しか提供しなかった。利用可能な変位制御される機械は、人工器官の設計のバリエーションをほとんど又はまったく認めずに、関連する体の部分の運動学の先験的な説明に依存し、インプラント装置にこれら規定された動きをライフサイクルテストの持続時間にわたって受けさせる。他の機械は、生理学的な運動中に体の部分(例えば、膝)が受ける力及びトルクの集合を人工器官装置に受けさせる力制御システムを使用する。しかし、一旦患者にインプラントされると、人工器官(人工関節)は体の軟組織により支持され拘束される。したがって、正確性を向上させるために、力制御された機械は、これらの軟組織の力の自然な拘束をなんらかの方法で模倣すべきである。シミュレータ機によっては、複雑な機械ばねシステムを使用してそのような拘束を提供しようとするものがある。しかし、これらのばねは、機能するには非実用的であり、膝の軟組織等の人体の複雑な特徴を模倣する能力がごく限られていることが明らかになっている。
図1は、本発明の実施形態で用いられてもよい人工器官シミュレータテスト機10の一例を示す。上記特許文献1(その教示全体が引用により組み込まれる)に記載のように、人工器官シミュレータ10は、人工器官装置、特に、膝人工器官等のインプラント装置を人体内の状況を近似するようにテストするために使用される非人間環境(人間をテストに利用しないもの)である。シミュレータ10は、好ましくは、「摩耗加速」テストを実行でき、このテストでは、人工器官は、人体内で受ける可能性が高い多数の所定の動きのサイクル(例えば、2000万回サイクル)を経験する。図1に示される実施形態では、シミュレータ10は3つのステーション11a、11b、11cを備え、各ステーションは、人工器官を駆動して、様々なタイプの体の動きを模倣するサーボ油圧アクチュエータ等の1つ又は複数のアクチュエータを有する。このシミュレータは任意の数のステーションを有し得ることが理解されよう。
図2は、膝人工器官インプラントのシミュレータステーション11の一例の概略200を示す。この概略200は、膝シミュレータの典型的な制御自由度及び非制御自由度を示す。図1及び図2に示されるような膝シミュレータの力制御は、機械の機械的アクチュエータの動作と調和して、膝にわたって(膝全体に)作用する複雑な力系統を直交力系統に低減する均等原理に依存する。膝にわたる力は、3つのグループにまとめることができる:1)筋肉の能動的な力、2)靱帯及び被膜構造(関節包)の受動的な力、並びに3)関節面に対して作用する接触力。
典型的なシミュレーション装置では、機械のアクチュエータが能動的な力の模倣に使用され、ハードウェア拘束システム(機械的なばね装置等)が、受動的な力の模倣に使用され、接触力は脛骨と大腿骨との接触から直接生じる。
仮想軟組織制御システムは、同様の力の区分を利用し得るが、軟組織の拘束に、単純な機械的ばね装置ではなく柔軟なモデルに基づくソフトウェアシステムを採用する。モデリングされる軟組織拘束は、軟組織の力の非線形非対称特徴を組み込み、現実的に軟組織を模倣する機会を提供する。
図3は、人工器官シミュレータの制御システム300の概略である。人工器官シミュレータステージ11は、デジタル制御システム101の制御下で1つ又は複数のサーボ油圧アクチュエータ15により駆動される。さらに詳細に後述するように、この実施形態による制御システムは、仮想軟組織モデルシステム及び反復学習制御システムの両方を含む。
シミュレータは、シミュレータステージの脛骨トレイの下に取り付けられた多軸力/トルク変換器19を含み、それにより、大腿骨と脛骨との接触力(及び動き)の3成分を監視することができる。変換器19は、6チャネル歪みゲージ変換器でもあり得る。
シミュレータは、1つ又は複数の位置センサ又は変換器21も含み、シミュレータの大腿骨構成要素(大腿骨に相当する部分)22及び脛骨構成要素(脛骨に相当する部分)23の相対的な並進移動位置及び回転位置(旋回位置)を測定することができる。位置センサ21は、好ましくは、人工器官(図2に示される)の屈曲/伸展角度31、内側/外側(IE)回旋角度33、前方/後方(AP)並進移動35、及び垂直(圧縮/伸延)位置37を監視する。内外側(ML)の膝並進移動39及び回旋41を監視することもできる。
力変換器19及び位置センサ21は、シミュレータステージ11での人工器官の力及び動きに関するフィードバックデータを提供する。
仮想軟組織制御システム300は、入れ子ループ設計を含む。入れ子ループ設計は、内ループ7及び外ループを含む。内ループ7は、多軸力/トルク変換器19からフィードバックを取得し、離散数値アルゴリズムを介して従来の比例積分微分制御(PID)を提供する。内ループ7は、サーボ油圧アクチュエータ15の力制御を提供する。内ループ7への入力は、力設定点又は時変力波形(時間変動する力波形)である。力の制御のみで、閉ループサーボ油圧システムは、力変換器の出力が力設定点に等しくなるまで機械のアクチュエータを駆動しようとする。
仮想軟組織アルゴリズムは、入れ子ループ設計の外ループ9において実行される。外ループ9は、位置変換器21から、又は内側−外側(IE)回旋の場合には角位置変換器からフィードバックを導出する。この位置フィードバックは、区分的3次スプライン補間アルゴリズム8への入力を提供し、このアルゴリズムは、適切な係数の選択により、人体内で受ける様々な軟組織力変位関係を表すようにプログラムすることができる。区分的3次スプライン係数は、所望の軟組織モデルに基づいてオフラインで計算し、続けてコントローラにダウンロードすることができる。3次スプラインアルゴリズムは、伝達関数8(F=S(x))を使用して示される。スプライン補間アルゴリズムは、シミュレータ装置の現在の構成(ここで、構成は、人工器官構成要素の相対的な位置及び向きを意味する)と、膝の軟組織の弾性復元力を模倣する拘束力との関係を確立する。計算された拘束力は、基準力又はトルク波形6から減算され、残りが内ループ7の入力に渡され、内ループ7内で、制御方式の力制御部への基準入力になる。
各制御自由度には、それ自体の独立した制御ループが備えられ、制御ループの単一のチャネルが図3に概略的に示される。特定の実施形態では、単一の制御変数が各スプライン近似アルゴリズムを駆動する。他の実施形態では、複数の入力を使用して、膝の関節の複雑性に対応することができる。
デジタル信号プロセッサコードが、シミュレータアクチュエータ15への駆動信号の提供に使用される同期される8つの任意波形生成器(図示せず)を実行し得る。各波形生成器は、コンピュータからダウンロード可能な256ポイントのデータアレイを介してプログラムすることができる。このデータは、関連付けられたデジタル/アナログ変換器(DAC)及び接続されたアクチュエータの反復制御のテンプレートを提供する。24ビット位相生成器方式は、数時間から0.33秒までの波形期間を提供する。波形生成器は、1次補間方式を利用して、テンプレートアレイポイント間の中間値を決定し得る。波形生成器の出力は、デジタル比例積分微分(PID)計算ブロックの入力にマッピングし得る。
一例では、並列形態のPID制御アルゴリズムを実行する8つのPID計算ブロックが、機械のアクチュエータの閉ループ制御を提供するために利用可能である。PID計算ブロックの入力は、波形生成器ブロック又は別のPID計算ブロックのいずれかにマッピングし得る。同様に、PID計算の出力は、別のPIDブロックの入力に、又はシステム出力DACに直接マッピングし得る。PID計算は、以下の式(a)に示されるように実施される。
Figure 0005698757
式中、vは出力電圧であり、kは比例利得定数であり、tは積分時間定数であり、tは微分時間定数であり、e(t)は誤差信号(基準入力とフィードバック信号との差)である。
軟組織モデルは、2つのPID制御ブロックを連結することにより、図3に概略的に示されるように実行される。内ループPID計算ブロックは、適切な力チャネル又はトルクチャネルをフィードバックに選択することにより、サーボ油圧アクチュエータの従来の力制御を提供するようにセットアップされる。外ループフィードバック源に対しては、以下のように3次関数が作用する。
Figure 0005698757
このようにして、位置入力は、軟組織の予期される拘束に類似する拘束力に変換される。軟組織モデルは、8区分3次スプラインアルゴリズムとして実現される。このアルゴリズムへの入力は、ユーザにより選択される変位入力である。通常、これはAP位置信号又はIE角位置信号である。スプライン計算は、式(c)に示されるように実現される。係数ajk及び節点tkは、プログラムされた軟組織モデルが制御プロセッサにダウンロードされる場合、コンピュータの仮想軟組織ソフトウェアによりオフラインで決定することができる。係数のルックアップテーブルには、選択された変位変換器から戻されるxの現在値が索引付けられる。係数が決定されると、三次方程式は、DSPにおいて3回の乗算・累積サイクルのみを必要とする計算効率的な形態を介して評価される。以下の式を使用して、3次スプラインアルゴリズムを指定し得る。
Figure 0005698757
人工器官要素を駆動するシミュレータは、人工器官要素を駆動する人工器官駆動機構と、人工器官要素に加えられる、トルクを含む力を測定するセンサと、制御システムとを含む。制御システムは、センサ及びシミュレーション入力に応答して人工器官駆動機構を駆動する。制御システムは、靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを含む。
靱帯の表現は、靱帯の三次元幾何学的形状、靱帯の機械的特性、及び靱帯の異なる(種々の)繊維の特性を含み得る。靱帯の幾何学的形状は、靱帯の適切な端部での挿入部位により定義し得る。各繊維は異なる挿入部位を含み得る。シミュレータは、人工器官要素の変位を測定する変位センサを含み得る。変位センサは、位置変位センサ及び角度変位センサを含み得る。計算モデルは、変位センサに応答する制御システムの動作を緩和する靱帯の拘束力又は拘束トルクを決定し得る。
制御システムは入れ子ループ設計を含み得る。本発明の別の態様は、人工器官要素を駆動する際に使用する制御システムに関する。制御システムは、靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを含み得る。靱帯の表現は、靱帯の三次元挿入部位及び機械的特性を含み得る。
計算モデルは、それぞれが各自の弾性及び/又は粘弾性特性を有する靱帯及び繊維のモデルを組み込んだ軟組織構造のソフトウェアモデルであり得る。
上記は、添付図面に示されるように、以下の実施形態例のより具体的な説明から明らかになり、図面中、同様の参照文字は異なる図通じて同じ部分を指す。図面は必ずしも一定の縮尺であるわけではなく、本発明の実施形態を説明することに重点が置かれている。
人工器官シミュレータ機を示す。 人工器官装置のシミュレータステージの概略図である。 3次スプラインアルゴリズムの形態の仮想軟組織モデルを特徴とする人工器官シミュレータの制御システムの概略図である。 単一の繊維として表現される各靱帯を有する膝に対して作用する力の図である。 膝の動きを記述するために特定の実施形態により使用される座標系及び変換を示す。 複数繊維靱帯モデルに情報を与え得る、実験的に測定された靱帯の力対靱帯の歪み(損傷、ねじれ)の割合と共にこの歪みの割合の近似との関係を示すプロットを含む。 複数繊維靱帯の図である。 4Daに示される複数繊維靱帯の数学的近似の図である。 特定の実施形態による人工器官シミュレータの制御システムの概略である。 力の拘束を決定する図である。 膝に組み込まれた複数繊維靱帯構造の表現例を示す。 膝に組み込まれた複数繊維靱帯構造の表現例を示す。 膝に組み込まれた複数繊維靱帯構造の表現例を示す。 自然の膝を示す。 シミュレータステーションに取り付けられた膝人工器官を示す。 フィードバック制御システムを利用して、軟組織制御を実行する本発明の特定の実施形態の図である。
本発明の好ましい実施形態の説明は以下の通りである。
各実施形態の例は、人工器官(人工関節)シミュレータに関し、特に、人工器官シミュレータを制御しテストする方法及びシステムに関する。人工器官シミュレータは、体内の状況、特に人間及び動物の関節に関して綿密に近似するために使用することができ、人間又は動物の体内の様々な部分に使用される人工器官をテストし評価するために使用することができる。以下の説明では、膝人工器官をテストするためのシミュレータが説明されるが、本明細書に記載の原理及び実施形態を、股関節、腕、肩、肘、手首、脊椎、足首、顎関節、又は人間若しくは動物の体の他の任意の関節構成部分のための人工器官シミュレータ装置に、容易に適用可能なことが理解されよう。
本発明の実施形態は、満足のいく長期術後結果を提供するために、インプラント可能な整形外科人工器官装置を実行しなければならない機械的な使用状況を再現するテストプラットフォームに関する。テストプラットフォームは、人工器官装置を駆動して、関節の動きをシミュレートすることが可能な機械的システムを、関節の構造的応答を決定可能な計算アルゴリズム及び毎日の生活の活動のうちの1つ又は複数を表す数学的モデルを入力として受け入れながら、必要な制御信号を提供可能な制御システムと組み合わせる。
特定の実施形態は、関節の軟組織構造の数学的表現である計算モデルを利用し得る。活動モデルは、生理学的活動を実行するために必要な負荷(及び/又は動き)の数学的モデルである。全体モデルは、材料的(又は物理的な)インプラント構成要素、計算軟組織モデル、及び活動モデルで構成される。この計算/材料混成モデリング手法は、関節の動きを機械的(力学的)にシミュレーションして、長期耐用性、摩耗、疲労、及び他の破損形態に関して人工器官装置を評価する試験台を提供する。一般には、人工器官要素にわたる力は2つのグループ:能動的な力(作用力)及び反応的な力(反応力)に分けることができる。
能動的な力は、筋肉の運動、体の動力学、及び重力から生じる力として定義される。これらの力は作業固有であり、進行中の生理学的活動の性質により特徴付けられる。さらに、膝の能動的な力は、特定の生理学的作業を実行するために必要な力である。
反応的な力は、与えられる負荷に対する膝の機械的な構造の反応である。これらの反応は多くの場合、弾性、摩擦、及び粘弾性の法則により支配され、関節が能動的な力により変形される場合の関節の応答を表す。反応的な力は、能動的な力とバランスをとるか、又は平衡を確立すると言われる。反応的な力は、受動的な構造から生じるため、受動的な力と呼ぶこともできる。
反応的な力は、a)結合組織内で作用する張力及びb)関節の関節面間の固体接触点に作用する圧縮力及び剪断力に分けることができる。
人工関節要素を取り囲む結合組織に対して作用する力は、「受動的な」軟組織力と呼ばれ、材料接触力は「接触」力と呼ばれる。
特定の実施形態は、人工器官要素にわたって作用する力を能動的な力、受動的な力、及び接触力に分け、これらの力が平衡状態を保つことを要求する。具体的には、平衡式は、
Figure 0005698757
として表現し得、式中、factiveは人工器官要素に対して作用する能動的な力を示し、fpassiveは、人工器官要素の受動的な力を示し、fcontactは、人工器官要素の接触力を示す。本明細書に使用される「力」という用語は、軸方向圧縮力又は張力、剪断力、ねじれモーメント(トルク)、及び曲げモーメントのうちの少なくとも1つであり得る。
図4Aは、膝に作用する力の図400Aである。具体的には、図4Aは、視覚化のために2つの靱帯及び2つの筋肉を有する簡略化された膝の矢状方向の平面図を示す。下付き文字「m」で記される要素(例えば、fmy、fmz)は、筋肉の腱が付く部位に作用する筋肉の力を表す。下付き文字「c」で記される要素(例えば、fcy、fcz)は、テスト中の人工器官システムの実際の接触力を表す。下付き文字「s」で記される要素(例えば、fsy、fsz)は、軟組織(例えば、靱帯)の力を表す。軟組織に対して作用する受動的な力は、構成又は姿勢に依存する(ここで、構成は、関節の隣接部分の相対位置及び向きを暗に示す)。「姿勢」という用語は、何等かの基準系(又は基準姿勢)に対する三次元空間内の剛体の現在の位置及び向きを指す。任意の所与の姿勢において、結合構造要素(靱帯)は、張力が要素のうちのいくつか又はすべてで誘発されるように弾性的に変形する。この張力は、受動的な(fpassive)力を表す直交力成分に分解することができる。この受動的な力は、関節の姿勢のみによって決まり、適切な構造モデルを使用して計算し得る。
式(d)は、能動的な力が拘束力の和に等しく、逆符号になることを示すように変形し得る。
Figure 0005698757
式(e)の絶対値を考えると、式(d)を
Figure 0005698757
として書き換えることができる。
特定の実施形態では、シミュレータ機(後に図4D〜図7に関連して示される)は、fcontact(接触から生じる実際の物理的な関節反応力)を測定する機器を含み、その一方で、制御システム(例えば、図3に示される制御システム300)は、軟組織モデル並びに人工器官構成要素の現在の位置及び向きの測定値を使用してfpassiveを計算することが可能なものである。
そして、計算される受動的な力fpassiveを能動的な力factiveから減算して、平衡を達成するために人工器官構成要素に加えなければならない力の大きさが決定される。式(f)は、平衡関係としての役割を果たし、仮想軟組織制御の核心と見なすことができる。
軟組織拘束モデルは、関節軟組織の計算構造モデルである。モデルは、モデルの結合組織要素の張力の計算に使用される計算アルゴリズムを含む。一実施形態では、人工器官構成要素がシミュレータ機で物理的に運動するため、モデルの幾何学的形状は、人工器官構成要素の現在の位置及び向きの測定値から決定される。モデルは、自然の膝軟組織の解剖学的特性及び物理的特性を表す幾何学的情報及び機械的情報のデータベースを含むこともできる。
図4Bは、特定の実施形態が、仮想軟組織制御システムで使用するために採用する、膝の動きの記述に使用する座標系及び変換400Bを示す。2つの座標系O及びOが定義され、Oは脛骨491に固定され、脛骨491と共に動き、Oは大腿骨492に固定され、大腿骨492と共に動く。2つの座標の原点は一致し、x軸、y軸、及びz軸は最初、位置合わせされる。脛骨に対する大腿骨の向きは、角度θ、θ、及びθによって決まり、これらの角度は屈曲−伸展(θ)、内反−外反の回旋(θ)、及び内側−外側の回旋(θ)のそれぞれの解剖学的回転に対応する。回転した大腿骨の軸はx’、y’、及びz’で示される。
軸x、y、及びzを中心とした角度θ、θ、及びθを通して行われる一連の回転は、カルダン角度シーケンス(テイト−ブライアン(Tait−Bryan)角度としても知られる)に対応する。脛骨に対する大腿骨の回転は、回転変換Rとして行列形態で記述し得る。
Figure 0005698757
式中、
Figure 0005698757
である。行列表現Rは、ある剛体の別の剛体に対する三次元回転を定義する。脛骨491に対する大腿骨492の並進移動(並進)も、並進移動行列Aとして行列形態で記述することができる。
Figure 0005698757
脛骨に対する大腿骨の現在の構成は、6つの変数α、α、及びα並びにθ、θ、及びθにより記述することができ、α、α、及びαの項は、脛骨原点Oから大腿骨固定原点Oまで延びるベクトルαの座標を表し、θ、θ、及びθの項は、3つのカルダン角度で表される頸骨491に対する大腿骨492の向きを表す。
靱帯組織は、非線形応力−歪み挙動、ヒステリシス、速度依存剛性、応力緩和、及びクリープを呈する。現象的な近似を使用して、通常の生理学的機能に関連する様々な状況にわたる個々の靱帯繊維の機械的挙動を決定し得る。例えば、靱帯材料の応力歪み関係の時間から独立した成分は、
Figure 0005698757
として二次形態で表されており、式中、σは応力であり、εは歪みであり、kは接線剛性である。
この近似は、剛性の応力依存性を考慮し、拡張応力−歪みデータにフィッティングし得る。しかし、この近似は、比較的大きく、運動学及び制御に大きく影響し得るヒステリシス現象を無視している。さらに、靱帯は、独立した弾性項及び粘弾性項との単純な構成関係によってより良く近似し得る。具体的には、式(i)の二次方程式の靱帯は、
Figure 0005698757
として書くことができ、式中、σは応力であり、εは歪みであり、k及びkは材料固有の係数であり、dε/dtは現在の歪みを表す(ベルンシュタイン、カースリー、及びザパス(Bernstein,Kearsley,and Zapas)による)。
式(g)に基づいて、限られた範囲の歪み及び応力率にわたって程々に良好なフィッティングを提供する二次関係を得ることができる。
Figure 0005698757
式中、k及びkは、非線形弾性数量のフィッティング係数であり、kは歪み率依存性を提供し、正味の力が正になることを保証するために1未満の値に設定される。二次関係(h)は、歪みに依存する剛性を表す時間から独立した数量(第1の項)と、歪み率に依存する剛性及びヒステリシスを提供する時間に依存する数量(第2の項)とを含む。この表現は、歪み率に依存する剛性及びヒステリシス挙動の両方に対応するため、式(i)を改良する。この関係は物理的なモデルではなく、靱帯挙動の有界領域に限定される適用可能性を有し得る。
図4Cは、靱帯の実験的に測定された歪み割合499を、式(h)から得られるこの歪み割合の近似498と共に示すプロット400Cを含む。図4Eに示されるように、フィッティング係数k、k、及びkを適宜選択した状態でモデリングされる近似は、広い歪み範囲にわたって(すなわち、通常の生理学的歪み率で)測定された歪み割合に密接に従う。破損閾値497は、大きな靱帯破損が生じ得るポイントを表す。破損閾値を超える歪みを生じさせるいかなる動きも、自動的にテストを終了させ、警告出力を生じさせ得る。
自然の(インプラントされていない)膝及びインプラントされた膝の両方で、結合組織が、関節の大腿骨部分と脛骨部分を連結し、関節の機械的な安定性を提供する。この結合組織は、靱帯束と、外装様の(外装のような)皮膜構造(関節包)とを含む。そして、靱帯束及び外装様の構造は、強靱な弾性コラーゲン繊維を含む。これらの構造はまとめて、関節の軟組織構造と呼ばれる。これらの軟組織は、挿入部位と呼ばれる部位で骨構造に結合する。挿入部位は、明確に画定され、骨面上の有限面積にわたって延びる傾向を有する。靱帯は、近位挿入部位から遠位挿入部位まで延びる多数の繊維の束としてイメージすることができる。自然の膝の挿入幾何学的形状を表す挿入部位が上手く選択された状態で、繊維数を少数に低減することにより、妥当な機械的モデルを考案し得ることが実証されている。
靱帯の機械的特性は、死体の靱帯標本のテストから分かっている。各靱帯は、いくつかの繊維に細分され、繊維束として表し得る。束の個々の繊維には、束がまとめて、解剖学的靱帯全体と同様の特性を示すように、弾性特性及び粘弾性特性を割り当てることができる。
複数繊維靱帯モデルが、本明細書では、膝の人工器官と併せて説明されるが、移植(インプラント)中に靱帯又は関節が取り囲む、当分野において既知の他の任意の人工器官と併せて使用し得ることを理解されたい。
図4Da及び図4Dbは、解剖学的靱帯挿入部位及び対応する数学的近似を示す。自然の膝及び移植された膝の両方で、結合組織が、関節の大腿骨部分と脛骨部分とを連結し、関節の機械的安定性を提供する。この結合組織は、靱帯束及び外装様の皮膜構造からなり、これらはすべて強靱な弾性コラーゲン繊維で構成される。これらの構造はまとめて、関節の軟組織構造と呼ばれる。これらの軟組織は、挿入部位と呼ばれる部位で骨構造に結合(付着)する。挿入部位は、明確に画定される傾向を有し、骨面上の有限面積にわたって延びる。靱帯自体は、遠位挿入部くらいの近傍から延びる多数の繊維の束としてイメージすることができる。自然の膝の挿入幾何学的形状を表す挿入部位が上手く選択された状態で、繊維数を少数に低減することにより、妥当な機械的モデルを考案し得ることが実証されている。靱帯の機械的(力学的)特性は、死体の靱帯標本のテストからよく知られている。靱帯全体は、各靱帯が繊維束として表されるように、いくつかの繊維に細分し得る。束の個々の繊維には、束がまとめて、解剖学的靱帯全体と同様の特性を示すように、弾性特性及び粘弾性特性を割り当てることができる。
このモデリングは、単一の靱帯構造である図4DaのMCL(内側側副靱帯)444の深層について示される。図4Dbに示される数学的靱帯近似は、いくつかの独立した繊維から構成される。図4Dbは、MCLの深層に定義された2本の繊維:k番目の原繊維446及びk+1番目の原繊維448を示す。軟組織構造の近似に使用し得る原繊維数に理論的な制限はない。多数の原繊維はより現実的なモデルに向かう傾向があるのに対して、少数の原繊維は、機械的なシミュレーションを解くために必要な計算ステップを低減する。従来の研究により、主要な靱帯構造毎に2又は3本の原繊維が、関節の機械的な挙動を程々に良好に近似するのに十分であることが実証されている。
情報のデータベースが、原繊維の全体的な集まりに関して保持される。近位挿入部位p[x,y,z]及び遠位挿入部位p[x,y,z]が原繊維毎に定義される。選択された挿入部位は、靱帯の解剖学的挿入部位の幾何学的形状を近似する。原繊維の初期座標は、膝が完全に伸展し、負荷がなく、自然な中立回転にある状態の基準姿勢での挿入部位の位置を表す。この基準姿勢での脛骨座標系OTを基準とした各挿入部位のx、y、及びz座標が記憶される。データベースは、各靱帯原繊維の機械的特徴を記述する情報も、非線形弾性挙動(k及びk)と、歪み率に依存する挙動(k)とのフィッティング係数のセットとして保持する。任意の時間ステップで歪みを計算するために、各靱帯繊維の歪みのない長さl0が定義される。図4Eは、特定の実施形態による、複数繊維靱帯アルゴリズムの形態での仮想軟組織モデルを特徴とする人工器官シミュレータの制御システム400Eの概略である。仮想軟組織アルゴリズムは、靱帯、関節、及び被膜構造(例えば、膝の靱帯、関節、及び被膜構造)による軟組織拘束をモデリングすることができる。軟組織又は複数繊維靱帯モデル102は、シミュレータ装置内の人工器官の現在の構成(ここで、構成は人工器官構成要素の相対的な位置及び向きを意味する)と、膝の軟組織及び靱帯構造の弾性復元力を模倣する拘束力との関係を確立する。生体力学的仮想軟組織モデルは、膝の靱帯及び被膜構造の複数繊維アルゴリズム的な説明に基づき、シミュレータ制御のために閉ループ制御システム内にモデルを組み込むことができる。
生体力学的仮想軟組織モデル102は、図3に示される3次スプラインアルゴリズム8に代えて使用し得る。図4Eのシミュレータ101が図3のシミュレータ10と同等な構成要素を含み得ることを理解されたい。
図3のシミュレータと同様に、図4Daおよび図4Dbのシミュレーションは、内ループ7及び外ループ9を特徴とする入れ子ループ設計を含む。内ループ7は、多軸力/トルク変換器19から生成されるフィードバックを利用する。内ループ7は、離散数値アルゴリズム53を介して従来の比例積分微分制御(PID)も提供する。入れ子ループ設計は外ループ9も含み、外ループ9は位置変換器21からのフィードバックを利用する。この位置フィードバックは、入力を生体力学モデルに提供する。複数の位置変換器21及び向き変換器を使用し得る(位置変位センサ及び角度変位センサ)。
角度入力θ、θ、及びθは、それぞれ、屈曲角度、内反−外反角度、及び内側回転(回旋)角度である。位置入力a、a、及びaは、それぞれ、人工器官の内側−外側変位、前方−後方変位、及び軸方向変位である。これらのパラメータは、適切な位置測定機器及び向き測定機器により測定される。測定されたパラメータはすべて、複数繊維(マルチファイバ)靱帯モデル102に入力され、任意の瞬間について、各繊維に対する、トルクを含む拘束力を計算することができる。したがって、軟組織モデルのシミュレーションの各反復内で、各繊維に対する拘束力が計算される。内ループ及び外ループの組み合わせは、人工器官駆動機構を駆動するフィードバック制御システムとして機能する。各反復において、前回の反復からの測定誤差を利用して、続く運動の反復の駆動信号を決定する。測定誤差は、人工器官装置の駆動波形と、人工器官装置の結果として生じる力又は動きとの差を定量化する。
複数繊維靱帯モデルにより提供されるすべての計算をリアルタイム且つオンラインで(例えば、外部計算システムを使用せずに)実行し得ることを理解されたい。
<膝モデル計算>
制御システムは、2000Hzの速度の時間ステップで動作し得る。時間ステップ間の期間内で、必要とされるすべての情報が収集され、モデル及び制御の計算が実行される。時間ステップ期間の終わりに、必要とされるすべての制御出力が更新される。時間ステップ毎に、脛骨に対する大腿骨の現在の構成が、3つの直交位置変数a、a、及びa並びに3つの独立した角度変数θ、θ、及びθを測定可能な位置センサ及び角度センサによって特定される。
Figure 0005698757
が、脛骨原点から、脛骨
Figure 0005698757
及び大腿骨
Figure 0005698757
上の基準位置でのj番目の靱帯挿入部位までの位置ベクトルを示すものとする。
Figure 0005698757
を、脛骨原点から、位置及び又は向きを任意に変更した後の脛骨
Figure 0005698757
及び大腿骨
Figure 0005698757
上のj番目の靱帯繊維挿入部位までの位置ベクトルを示すものとする。位置ベクトルの要素は、
Figure 0005698757
等として示される。
脛骨に対する大腿骨の任意の位置及び向きにおいて、大腿骨のj番目の靱帯繊維挿入部位を示す位置ベクトルは、回転行列及び並進移動行列(式(g)及び(h))を使用して計算される。
Figure 0005698757
測定システムは、すべての動きが静止した脛骨挿入部位に対して表現されるように確立されているため、座標は単に、
Figure 0005698757
である。
j番目の靱帯繊維の長さlは、位置ベクトル
Figure 0005698757
の要素から計算することができる。
Figure 0005698757
j番目の靱帯繊維の歪みεは、
Figure 0005698757
として得ることができ、式中、l0jはj番目の靱帯繊維の歪みのない長さ(恐らくデータベースから得られる)である。歪み率は、
Figure 0005698757
として、前の時間ステップでの歪みε0j及び現在の歪みから特定され、式中、Δt=t−tである。
j番目の靱帯繊維の応力は、
Figure 0005698757
として計算することができる。
原繊維張力fは、
Figure 0005698757
として特定することができ、式中、cはj番目の靱帯繊維の断面積である。さらに、j番目の靱帯繊維の方向余弦を計算することができる。
Figure 0005698757
φxj、φyj、φzjはj番目の靱帯繊維の角度を示し、x、y、及びzは脛骨基準系の軸を示す。
各繊維から生じる各軸上の張力の成分は、
Figure 0005698757
として計算することができる。
脛骨原点を基準とした各靱帯繊維内の張力から生じる力のモーメントは、脛骨挿入部位位置ベクトルと、繊維張力を表す力ベクトルとの外積として計算することができる。
Figure 0005698757
軟組織拘束計算の最終ステップは、個々の繊維力及びモーメント成分を3つの直交力成分及び3つの直交モーメント成分に加算することである。
Figure 0005698757
解剖学的には、Fは内側−外側拘束力であり、Fは前方−後方拘束力、及びFは軸方向拘束力である。モーメントMは、関節が屈曲−伸展に対して提供する受動的な力がわずかであるため、ゼロに近く、モーメントMは、内反−外反回転(回旋)への抵抗であり、モーメントMは軸方向回転(内側−外側回転(回旋))への抵抗である。この力及びモーメントの全体を使用して、制御システム駆動信号を軽減することができる。
図4Fは、体内に移植された場合の各繊維に対する人工器官要素の変位により直面する変形拘束に関わる手続き400Fの高レベル図である。角度入力θ、θ、及びθ並びに位置入力a、a、a(402)を含む人工器官の現在の構成を使用して、トルクを含む拘束力に関する係数を得る。上述したように、数学的靱帯近似は、いくつかの独立した繊維で構成し得る。第1に、挿入点の位置に基づいて、各繊維の長さが計算される。任意の瞬間での各繊維に関する拘束力及びトルクも計算し得る(403)。これらの値を使用して、対応する靱帯歪み値(420)を特定し得る。例えば、4本の靱帯繊維、すなわち、繊維A、B、C、及びDが利用されるものと仮定すると、繊維毎に対応する歪み値ε、ε、ε、及びεを特定することができる。これらの歪み値を使用して、対応する靱帯張力値σ、σ、σ、及びσが得られる。靱帯の弾性又は粘弾性特性(409)を使用して、靱帯張力値(410)を特定することもできる。張力値(410)を使用して、人工器官に対する現在の力(411)が特定され、分解される。
特定の実施形態では、現在の構成(402)を使用して、人工器官要素の位置変化(すなわち、変位)を特定し、最終的には、人工器官装置の駆動波形と、人工器官装置の結果として生じる力又は動きとの差を定量化した誤差を特定することができる。計算された誤差を使用して、次の反復の駆動信号が決定される。
複数繊維靱帯軟組織モデルは、膝の生体力学の情報を提供する幾何学的形状及び特性を有する任意の数の靱帯繊維を利用することができる。特定の実施形態では、個々の靱帯、1つ若しくは複数の靱帯構造、又は1つ若しくは複数の靱帯群(靭帯のグループ)を利用し得る。靱帯構造は、実際の医療処置から生じると予期されるものに対応するように選択し得る。
軟組織構造の近似に使用し得る繊維数に理論的な制限はない。多数の繊維を使用することにより、実施形態はより現実的なモデルを得ることができるのに対して、少数の繊維は、機械的シミュレーションを解くために必要な計算ステップを低減する。特定の実施形態では、主要な靱帯構造毎に2又は3本の繊維が、関節の機械的な挙動の程々に良好な近似を得るのに十分であると仮定される。
情報のデータベースを、繊維の全体的な集まりに関して保持し得る。さらに、近位挿入部位p:(x,y,z)及び遠位挿入部位p:(x,y,z)を繊維毎に定義し得る。選択された挿入部位は、靱帯の解剖学的挿入部位の幾何学的形状を近似する。繊維の初期座標は、膝が完全に伸展し、負荷がなく、自然な中立内側回転にある状態の基準姿勢での挿入部位の位置を表す。この基準姿勢での脛骨基準系Oを基準とした各挿入部位のx、y、及びz座標を記憶し得る。データベースは、各靱帯繊維の機械的特徴を記述する情報も、非線形弾性挙動(k及びk)と、歪み率に依存する挙動(k)とのセットとして保持し得る。任意の時間ステップで歪みを計算するために、各靱帯繊維の歪みのない長さlが定義される。靱帯の歪みεは式(l)を使用して特定し得る。具体的には、歪みのない長さ又は靱帯挿入部位間の初期距離と、靱帯挿入部位間の伸展距離とを使用し得る。
図5A〜図5Cは、膝の機械的特徴をモデリングするために使用される靱帯構造の表現例を示す。図5A〜図5Cに示されるように、複数繊維靱帯軟組織モデルは、後内側構成要素80及び/又は後外側構成要素81の靱帯繊維を含み得る。後内側構成要素80は、後内側靱帯挿入部位82、深内側側副84、後皮膜(後方関節包)85、及び浅内側側副86の幾何学的形状及び特性についての情報を含み得る。後外側構成要素81は、後外側靱帯挿入部位83、膝窩腓骨85、及び外側側副87の幾何学的形状及び特性についての情報を含み得る。さらに、複数繊維靱帯軟組織モデルは、繊維特性が動きと共に変化し得ることを考慮し得る。隣接する筋肉及び重力等の他の力を考慮することもできる。
軟組織モデルは、図5Bに示されるように、大腿骨構成要素492と、脛骨構成要素491との間に接続される靱帯繊維を含むこともできる。靱帯繊維(a)及び(b)は、前十字91の靱帯ACL(前十字靭帯)を表し、この靱帯は通常、人工膝関節全置換術(TKA)中に切除される。靱帯繊維(c)及び(d)は、後十字92の靱帯(PCL(後十字靭帯))の部分を表し、この靱帯は十字靱帯温存に依存する。靱帯繊維(e)、(f)、及び(g)は外側側副靱帯(LCL)を表し、靱帯(h)、(I)、及び(j)は内側側副靱帯(MCL)を表す。靱帯(k)及び(l)は、後皮膜を表す。
後内側構成要素80、後外側構成要素81、大腿骨構成要素90、及び脛骨構成要素91は、二次力変位、靱帯力変位、線形剛性、総合接線剛性、及び原位置歪みの幾何学的形状及び特性についての情報をさらに含み得る。複数繊維靱帯軟組織モデルに利用される生体力学的情報は、死体の膝の研究の使用を通して得ることができる。
これらの靱帯は、膝の主要な受動的な耐荷重構造を構成し、損傷がない場合、これらの構造は膝の機械的(力学的)安定性を提供する。外科処置及び術後の靱帯状況が、処置の機械的(且つ臨床的)な結果に影響する。種々の移植装置及び外科戦略では、多くの場合、前後の十字靱帯のうちの一方又は両方を除去する必要がある。処置におけるこれらのバリエーションに対応するために、十字靱帯をモデル内で除去して、外科状況を模倣し得る。同様に、内側側副靱帯層の状況及び緩みも関節の運動学に大きな役割を果たし得る。そのようなバリエーションに対応するために、モデリングされる靱帯繊維の緩み及び剛性も、所望の機械的挙動を達成するように調整し得る。各靱帯構造は、機械的表現に1つ又は複数の繊維を必要とする。そして、各繊維は、ソフトウェアデータベース内に上記幾何学的形状及び機械的データの定義を必要とする。図5A〜図5Cでは、モデリングされる個々の繊維は黒い線として示され、その端点の円は幾何学的挿入部位を示す。各靱帯は、それぞれがそれ自体の機械的特性及び幾何学的挿入部位を有する複数の繊維で構成される束を使用してソフトウェアでモデリングし得る。
図6Aは自然の膝600を示す。図6Bは、シミュレータステーションに取り付けられた膝人工器官601を示す。シミュレータの回転運動(回旋運動)は、屈曲−伸展の回旋、外転−内転の回旋、及び内側−外側の回旋という解剖学的回旋に対応するθ、θ、及びθとして識別される。x軸、y軸、及びz軸に沿った並進移動(並進)は、解剖学的な内側−外側、前方−後方、及び圧縮−伸延の各並進移動に対応する。関節反応力F、F、及びF並びにモーメントM、M、及びMは、脛骨構成要素の下にある多軸力変換器に伝えられる。内側側副靱帯の深部繊維を表す2つの計算靱帯繊維(計算による靭帯繊維)610、615が示される。完全な計算モデルは、7本の主要靱帯及び被膜構造を表す15本以上の繊維で構成し得る(図5A〜図5C参照)。シミュレータは、回旋運動及び並進運動を駆動する複数のサーボ油圧又は電子機械アクチュエータで構成される。運動を、線形式及び回転式のポテンショメータ等の複数の測定機器を介して監視して、大腿骨構成要素(大腿骨に相当する部分)及び脛骨構成要素(脛骨に相当する部分)の現在の位置及び向きを特定し得る。これらの位置及び向きの測定値は、関節反応力及びトルクと共にフィルタリングされ、調整され、アナログ/デジタル変換器を使用してデジタル化される。デジタル化された測定値は、デジタル信号プロセッサシステムにより読み取られ、制御アルゴリズム及び計算アルゴリズムの駆動に利用可能となる。
図7は、フィードバック制御システムを利用して、軟組織制御を実行する本発明の特定の実施形態の図700である。図4Dの制御システムの同様の高レベル図である。運動の制御される各軸は同様のループにより駆動される。ループ設計は、いくつかのアクチュエータチャネルの異なるニーズに対応するような柔軟性を有する。運動信号と運動学的信号の全体が、シミュレータ機により生成される運動及び力を制御する(例えば、基準波形6)。各基準波形6は、1サイクルの運動中の力、トルク、変位、又は角度を支配する(各チャネルに適切なように)時系列データであり得る。特定の実施形態では、内反−外反の自由回旋を許しながら、屈曲運動を角度変位制御下に置くと共に、内側−外側の回旋をトルク制御下に置くことができる。軸方向運動(圧縮−伸延)を力制御下に置くことができる。さらに、内側−外側の運動の自由並進移動を許しながら、前方−後方の変位を力制御下に置くことができる。
力又はトルク制御下に置かれる運動の軸は、仮想軟組織制御から恩恵を受ける。変位制御される運動及び自由運動は、仮想軟組織モデルに直接頼らない。しかし、これらの運動は、適した機器を使用して監視され、人工器官構成要素の現在の構成が特定される。
制御システム700は、A、B、C、及びDにより識別されるいくつかの入れ子制御ループ710、720、730、790を含む。対応するフィードバック信号710F、720F及び730Fは、それぞれ、FA、FB及びFCと示される。制御システムのセットアップは非常に柔軟であり、様々なフィードバック信号及び又は駆動信号を異なる制御チャネルにマッピングすることができる。
ループAと記されるループ710は最も内側のループである。このループは、機械の動作前のサンプルのセットアップ中の機械アクチュエータを制御するためにほとんど使用される位置制御ループである。モードスイッチは、いくつかの利得を制御すると共に、法則パラメータを制御して、仮想軟組織モードと位置制御モードとの間の衝撃のない(滑らかな)遷移を可能にする。このループの制御法則は、
Figure 0005698757
である標準形態のPID制御法則に従う。誤差信号は、yref(n)とy(n)との差として式(r)により定義され、yref(n)及びy(n)はそれぞれ、基準信号のn番目の値及び測定されたプロセス変数(この場合、位置)のn番目の値である。値u(n)は、アクチュエータに供給されるn番目の出力サンプルであり、e(n)はn番目のエラーサンプルであり、K、K、及びKは、制御ループ(PID)750の比例動作、積分動作、及び微分動作のユーザ設定可能な利得である。
仮想軟組織制御モードで動作中の場合、フィードバック信号をヌルに強制しながら、単位利得(unity)の伝達関数を生成するように、コントローラパラメータを設定することによって、前記ループを省略することができる。
ループBとして記されるループ720は、制御中のアクチュエータチャネルに応じて力及び/又はトルク制御にセットアップされる。ループA 710と同様に、このループ720も、式(r)及び(s)により記述される制御法則を実施する標準形態のPIDループである。この場合、yref(n)基準入力6はfactive−fpassiveに対応し、これは、上述したように、式(d)に記述される力平衡要件を満たすために、人工器官の接触力学により供給しなければならない力のバランスである。ポイントFB 720Fでのフィードバック信号はy(n)に対応し、人工器官構成要素の材料接触から生じる関節反応力に対応する、測定される接触力又はトルクである。
contactを表す信号factive−fpassiveは、別のループ730(後述するループC)で計算し得る。この差は加算接点S2 740に提示され、加算接点S2 740において、測定された接触力を減算することにより、誤差信号が計算される。ループは、従来の力制御ループとして働き、測定される接触力を、軟組織モデルにより計算される受動的な力よりも小さい能動的な力に等しいレベルにまでサーボ制御しようとする。
ループCとして記されるループ730は、軟組織制御システムに関する。このループは複数遷移拘束モデル755に依存する。複数遷移拘束モデル755は、測定される位置(A、A、及びA)及び向き(θ、θ、及びθ)の測定値に関する現在の構成760を受け入れる。上述した解析的計算がリアルタイムで実行されて(例えば、2000サンプル/秒で)、受動的な力(f、f、及びf)並びにトルク(m、m、及びm)の拘束値に関して拘束出力770が決定される。チャネルの使用に応じて、これらの値は平衡式(d)内のfpassiveを表す。信号モデル計算ブロックはすべてのチャネルに供給し得る。モデルは、6つの運動入力760を受け入ることができ、6つの運動出力770を生成する。運動出力770は、適切なアクチュエータ制御チャネルにマッピングされ、平衡式が満たされる。計算された受動的な力及びトルク770は、コントローラの6つのチャネルのそれぞれの加算接点S1 745において、能動力信号から減算される。いくつかの実施形態では、4つの制御チャネル、すなわち、圧縮−伸延、前方−後方の並進移動、前側−後側の並進移動、及び内側−外側の回旋のチャネルが、仮想軟組織制御下に置かれる。
加算接合点S1 745の出力は、差factive−fpassiveを表し、そしてこれは加算接合点S2 740に伝えられる。
ループDとして記されるループ790は、制御ループ全体を包む反復学習制御(ILC)ループである。ILCループは、シミュレータの1運動サイクルを表すデータセット全体に対して作用する反復学習制御アルゴリズム775を含む。ILCアルゴリズム775は、モデリングされる活動の期間にわたる全サイクルデータを保持するいくつかのメモリアレイを有する。誤差信号e(t)は1メモリアレイに保持され、第2のアレイはフィードフォワード信号の蓄積に使用され、フィードフォワード信号は、加算接点S4 747においてリアルタイム制御信号が加算される。ILC制御法則は、
Figure 0005698757
により記述することができ、式中、vp+1(t)は更新された制御信号であり、v(t)は制御信号の前の反復であり、ktoは学習制御利得であり、e(t)は誤差信号であり、tは時間であり、Tは周期的活動の期間である。
人工器官構成要素の接触の摺動接触性により、関節反応力は摩擦力により支配され得る。複雑な運動の結果は、1サイクルの過程中の複数の運動反転であり、各運動反転時に、離脱力(最大静止摩擦力)が生じ得る。通常、摩擦離脱には、チャッター及びノイズ並びに瞬間的に高い力レベルを伴う。厳密なPID制御下で、これらの異常は制御が難しいか、不可能である。ILCアルゴリズム775は、これらの問題を解消し、平滑で正確な追跡性能に役立つ。
上記実施形態例は、膝人工器官移植のテストシステムに関するが、体の他の部分の人工器官の摩耗テストを実行するようにシステムを開発し得ることを理解されたい。
本明細書の流れ図若しくはブロック図に示されるか、又は本明細書の他のどこかに記載されるような手続きを、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアの形態で実施し得ることを理解されたい。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアは、本明細書における教示に一致して、任意のソフトウェア言語で実施し得、当分野において既知又は後に開発される任意のコンピュータ可読媒体に記憶し得る。通常、命令の形態のソフトウェアは、当分野において理解されるように符号化し、プロセッサにより実行することができる。
本発明について、特に、本発明の好ましい実施形態を参照して示し説明したが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱せずに、形態及び詳細に様々な変更を行い得ることが当業者には理解されよう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
〔態様1〕
人工器官の要素を駆動するシミュレータであって、
前記人工器官の要素を駆動する人工器官駆動機構と、
前記人工器官要素に加えられる力を測定するセンサと、
前記センサ及びシミュレーション入力に応答して、前記人工器官駆動機構を駆動する制御システムであって、靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを有する、制御システムとを備えた、シミュレータ。
〔態様2〕
前記表現は前記靱帯の三次元幾何学的形状を含む、態様1に記載のシミュレータ。
〔態様3〕
前記靱帯の前記三次元幾何学的形状は、前記靱帯の両端部の挿入部位によって画定される、態様2に記載のシミュレータ。
〔態様4〕
前記表現は前記靱帯の力学的特性を含む、態様1〜3のいずれか一態様に記載のシミュレータ。
〔態様5〕
前記靱帯の前記力学的特性は、前記靱帯の弾性又は粘弾性の特性のうちの少なくとも1つを含む、態様4に記載のシミュレータ。
〔態様6〕
前記表現は、前記靱帯の種々の繊維の各特性を含む、態様1〜5のいずれか一態様に記載のシミュレータ。
〔態様7〕
前記繊維のそれぞれが異なる挿入部位を有する、態様6に記載のシミュレータ。
〔態様8〕
前記人工器官の要素の変位を測定する変位センサをさらに備えた、態様1〜7のいずれか一態様に記載のシミュレータ。
〔態様9〕
前記変位センサは、位置及び角度の変位センサである、態様8に記載のシミュレータ。
〔態様10〕
前記モデルは、前記変位センサに応答して、前記制御システムの動作を緩和する、靱帯の拘束力又は拘束トルクを判定する、態様7または8に記載のシミュレータ。
〔態様11〕
前記制御システムは入れ子ループ設計を含む、態様1〜10のいずれか一態様に記載のシミュレータ。
〔態様12〕
人工器官の要素を駆動するのに用いられる制御システムであって、靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを含む、制御システム。
〔態様13〕
靱帯の前記表現は、前記靱帯の三次元挿入部位及び力学的特性を含む、態様12に記載の制御システム。
〔態様14〕
人工器官の要素を駆動するシミュレータであって、
前記人工器官の要素の加速摩耗試験中に、前記人工器官の要素を駆動するように構成された人工器官駆動機構と、
前記人工器官の要素に加えられる力を測定するセンサ機構と、
前記人工器官の要素の変位を測定する、位置及び角度の変位センサと、
当該シミュレータの動作を表すシミュレーション入力と、
前記センサに応答して、前記駆動機構に対する駆動信号を決定する閉ループフィードバック制御システムであって、靱帯繊維の挿入部位の三次元幾何学的形状及び力学的特性を含む、靱帯繊維の力学的表現を組み込んだ計算モデルを含み、前記モデルは、前記位置及び角度の変位センサに応答して、靱帯の拘束力を判定し、前記判定された拘束力及び測定された力を前記シミュレーション入力と組み合わせる、制御システムとを備えた、シミュレータ。
〔態様15〕
シミュレータにおいて人工器官の要素を駆動する方法であって、
前記人工器官の要素を駆動する制御システムにシミュレーション入力を加える工程と、
前記人工器官の要素に加えられた力を検知する工程と、
前記人工器官の要素の変位を検知する工程と、
靱帯の表現を組み込んだ計算モデルにおいて、前記検知された変位に応答して、前記靱帯の拘束力を判定する工程と、
前記人工器官の要素を駆動する際に、前記シミュレーション入力を、前記判定された拘束力及び前記測定される力と組み合わせる工程とを備えた、方法。
〔態様16〕
前記表現は前記靱帯の三次元幾何学的形状を含む、態様15に記載の方法。
〔態様17〕
前記靱帯の適切な端部における挿入部位によって前記靱帯の前記幾何学的形状を画定する工程をさらに備えた、態様16に記載の方法。
〔態様18〕
前記表現は前記靱帯の力学的特性を含む、態様15〜17のいずれか一態様に記載の方法。
〔態様19〕
前記靱帯の前記力学的特性は、前記靱帯の弾性又は粘弾性の特性のうちの少なくとも1つを含む、態様18に記載の方法。
〔態様20〕
前記表現は、前記靱帯の種々の繊維の各特性を含む、態様15〜19のいずれか一態様に記載の方法。
〔態様21〕
前記繊維のそれぞれが異なる挿入部位を有する、態様20に記載の方法。
〔態様22〕
変位を検知する前記工程は、位置及び角度の変位を検知することを含む、態様15〜21のいずれか一態様に記載の方法。

Claims (17)

  1. 人工器官の要素を駆動するシミュレータであって、
    前記人工器官の要素を駆動する人工器官駆動機構と、
    前記人工器官の要素に加えられる力を測定する力センサと、
    前記人工器官の要素の変位を測定する変位センサと、
    前記力センサ、前記変位センサ及びシミュレーション入力に応答して、前記人工器官駆動機構を駆動する制御システムであって、複数の靭帯の個々の靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを有する、制御システムとを備え、
    各靭帯は少なくとも2本の繊維によって表現され、各繊維の力学的特性は独立して定義され調整され、各繊維の各端部が、関節の動きをシミュレートする間に少なくとも1つの挿入部位に結合され、前記挿入部位は、三次元空間において独立して画定され調整され、
    前記モデルは、前記変位センサに応答して、前記繊維の挿入部位の位置に基づいて各靭帯繊維の長さを特定し、各繊維の前記力学的特性および長さを用いて、各靭帯繊維の拘束力またはトルクを特定し、前記制御システムが、前記特定された拘束力もしくはトルクおよび前記測定された力を前記シミュレーション入力と組み合わせて、前記人工器官駆動機構を駆動する、シミュレータ。
  2. 前記繊維の前記力学的特性は、前記繊維の粘弾性の特性を含む、請求項1に記載のシミュレータ。
  3. 前記変位センサは、位置及び角度の変位センサである、請求項1に記載のシミュレータ。
  4. 前記制御システムは入れ子ループ設計を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシミュレータ。
  5. 人工器官の要素を駆動するのに用いられる制御システムであって、
    複数の靭帯の個々の靱帯の表現を記憶するデータベースであって、各靭帯は少なくとも2本の繊維によって表現され、各繊維の力学的特性は独立して定義され調整され、各繊維の各端部が、関節の動きをシミュレートする間に少なくとも1つの挿入部位に結合され、前記挿入部位は、三次元空間において独立して画定され調整される、データベースと、
    計算モデルを実行するプロセッサであって、前記計算モデルは、前記靭帯繊維の表現を組み込み、前記人工器官の要素の変位を測定する変位センサに応答して、前記繊維の挿入部位の位置に基づいて各靭帯繊維の長さを特定し、各繊維の前記力学的特性および長さを用いて、各靭帯繊維の拘束力を特定する、プロセッサと、
    前記特定された拘束力、および前記人工器官の要素に加えられた力であって、測定された力を、シミュレーション入力と組み合わせて、前記人工器官の要素を駆動する人工器官駆動機構を駆動する制御システムとを備えた、制御システム。
  6. 人工器官の要素を駆動するシミュレータであって、
    前記人工器官の要素の加速摩耗試験中に、前記人工器官の要素を駆動するように構成された人工器官駆動機構と、
    前記人工器官の要素に加えられる力を測定するセンサ機構と、
    前記人工器官の要素の変位を測定する、位置及び角度の変位センサと、
    当該シミュレータの動作を表すシミュレーション入力と、
    前記センサに応答して、前記駆動機構に対する駆動信号を決定する閉ループフィードバック制御システムであって、複数の靭帯の個々の靱帯の力学的表現を組み込んだ計算モデルを含む制御システムとを備え、
    各靭帯は少なくとも2本の繊維によって表現され、各繊維の力学的特性は独立して定義され調整され、各繊維の各端部が、関節の動きをシミュレートする間に少なくとも1つの挿入部位に結合され、前記挿入部位は、三次元空間において独立して画定され調整され、
    前記モデルは、前記位置および角度の変位センサに応答して、前記繊維の挿入部位の位置に基づいて各靭帯繊維の長さを特定し、各繊維の前記力学的特性および長さを用いて、各靭帯繊維の拘束力を特定し、前記制御システムが、前記特定された拘束力および前記測定された力を前記シミュレーション入力と組み合わせて、前記駆動信号を特定する、シミュレータ。
  7. シミュレータにおいて人工器官の要素を駆動する方法であって、
    複数の靭帯の個々の靱帯の表現を組み込んだ計算モデルを提供する工程であって、各靭帯は少なくとも2本の繊維によって表現され、各繊維の力学的特性は独立して定義され調整され、各繊維の各端部が、関節の動きをシミュレートする間に少なくとも1つの挿入部位に結合され、前記挿入部位は、三次元空間において独立して画定され調整される、工程と、
    前記人工器官の要素を駆動する制御システムにシミュレーション入力を加える工程と、
    前記人工器官の要素に加えられた力を検知する工程と、
    前記人工器官の要素の変位を検知する工程と、
    前記計算モデルにおいて、前記検知された変位に応答して、前記繊維の挿入部位の位置に基づいて各靭帯繊維の長さを特定し、各靭帯繊維の前記力学的特性および長さを用いて、各繊維の拘束力を特定する工程と、
    前記人工器官の要素を駆動する際に、前記シミュレーション入力を、前記特定された拘束力及び前記測定される力と組み合わせる工程とを備えた、方法。
  8. 前記繊維の前記力学的特性は、前記繊維の粘弾性の特性を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 変位を検知する前記工程は、位置及び角度の変位を検知することを含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記モデルが、さらに、前記変位センサに応答して、各繊維の前記長さに基づいて各繊維における歪みを特定し、各繊維の前記力学的特性および各繊維における歪みに基づいて各繊維における応力を特定する、請求項1に記載のシミュレータ。
  11. 歪みに依存する剛性を表す、時間から独立した数量と、歪み率に依存する剛性およびヒステリシスを提供する、時間に依存する数量とを計算することによって、各繊維における応力が特定される、請求項10に記載のシミュレータ。
  12. 前記モデルが、さらに、前記変位センサに応答して、各繊維の前記長さに基づいて各繊維における歪みを特定し、各繊維の前記力学的特性および各繊維における歪みに基づいて各繊維における応力を特定する、請求項5に記載の制御システム。
  13. 歪みに依存する剛性を表す、時間から独立した数量と、歪み率に依存する剛性およびヒステリシスを提供する、時間に依存する数量とを計算することによって、各繊維における応力が、特定される、請求項12に記載の制御システム。
  14. 前記モデルが、さらに、前記位置及び角度の変位センサに応答して、各繊維の前記長さに基づいて各繊維における歪みを特定し、各繊維の前記力学的特性および各繊維における歪みに基づいて各繊維における応力を特定する、請求項6に記載のシミュレータ。
  15. 歪みに依存する剛性を表す、時間から独立した数量と、歪み率に依存する剛性およびヒステリシスを提供する、時間に依存する数量とを計算することによって、各繊維における応力が特定される、請求項14に記載のシミュレータ。
  16. 前記検知された変位に応答することが、さらに、前記検知された変位に応答して、各繊維の前記長さに基づいて各繊維における歪みを特定し、各繊維の前記力学的特性および各繊維における歪みに基づいて各繊維における応力を特定する、請求項7に記載の方法。
  17. 歪みに依存する剛性を表す、時間から独立した数量と、歪み率に依存する剛性およびヒステリシスを提供する、時間に依存する数量とを計算することによって、各繊維における応力が特定される、請求項16に記載の方法。
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