JP5695360B2 - 多層模様層箸 - Google Patents

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Description

本発明は、多層模様層箸の製造方法と、その方法によって製造される多層模様層箸に関する。
詳しくは、漆や合成塗料を用いた複雑で時間を要し熟練技能を要する従来の箸の模様層形成方法に比較して、時間、コストがかからず、しかも意匠効果の高い、熱収縮性を有するフィルムを使用した簡易な多層模様層箸の製造方法と、その方法によって製造される多層模様層箸に関する。
食事用の箸は、木、竹、プラスチック、金属等を素材として製造される。そして、これらの素材を箸形状に形成した素材箸には、割り箸等の類は別として塗装により模様層を形成することが主流となっている。
この模様層の形成については、色漆のように母材表面を塗りつぶして色漆の色や光沢を活かした模様層の形成や、生漆のように素材が透過されて、素材表面の特徴を活かした模様層の形成等がある。
これら模様層の形成は、漆にとどまらず合成塗料を使用した塗装においても同様のことがなされる。
模様層には、単色のものや模様を有するもの、更には、漆を貝殻等とともに塗重ね、これを研磨して、貝殻の光沢や塗重ねた多色の漆を箸表面に浮き立たせた伝統的なもの等がある。
素材箸に単色や模様を有する模様層を形成して、これを完成品とする場合もあるし、更にその持ち手の部分等に模様層を重ねて形成する場合もある。
このように模様層の形成は、箸の意匠効果や耐久性、機能性を高める手段として行われてきた。
ところが、上記したような漆や合成塗料を塗布する伝統的技法による模様層の形成には、高度な熟練技の能が求められ、時間、コストがかかる問題があった。
そして、塗料塗布による意匠付加には、そのデザインに限界があり、製造する立場からは、これらの問題を解消すると同時に高い意匠効果を有し、消費者の満足のいく、簡易で効果的な模様層の形成手段が強く求められてきた。
これらの問題を解決すべく、簡易な模様付け方法として印刷等の他の手段も提案されたが十分な解決策にはなり得なかった。
例えば、特許文献1に示すように、模様や文字を昇華性染料インキで印刷した転写紙を箸に巻き付け、これを加熱処理して箸表面に転写印刷する手段が提案されている。
しかし、この手段は、必要なデザインを印刷するのみで模様層の形成とは言い難いものであった。
このような従来の模様付け方法の問題点を解決する手段の一つに、熱収縮性筒状フィルムを使用したものがある。
例えば、特許文献2に示すように、模様を印刷した熱収縮性筒状フィルムを素材箸に外挿し、これを熱処理して素材箸に熱固定する方法が提案されている。
また、その改良案として、特許文献3に示されるように上記方法にホログラム効果などの他の方法を加えて意匠効果を上げる手段等も提案されている。
特開2008−221480号公報 実開昭49−37276号公報 特開平10−108776号公報
上記の特許文献2、3の提案は、熱収縮性を有するチューブ状のフィルム、つまり熱収縮性チューブ状フィルムに模様が施されていて、このフィルムを素材箸に外挿した後、熱処理により熱固定する方法で模様付けを行っている。
これらの方法は、手段としては複雑な工程が省かれ、簡易に模様付けができる利点はあるものの、あくまでも素材箸に一つの模様を付けると言った付加的なものであり、多様化した消費者の要望に応え得る模様層の形成手段とは言い難いものであった。
以上のように、従来の方法は、漆等を用いる伝統的技法においては、複雑な工程と時間を要し、コストがかさむ問題があるのみならず熟練技能を必要としたし、模様を施した熱収縮性チューブ状フィルムを利用した技法においては、簡易である利点は得られるものの、模様が限定的で単純なものとなり、期待する意匠効果を得ることが困難である問題が残った。
このような背景において、単に一つの模様を付加する従来技術の範疇を超えて、伝統技術による模様層の形成に遜色のない、簡易で低コストの多層模様層形成手段が生産者の立場からも使用者の立場からも強く要望されていた。
本発明は以上のような諸事情を背景になされたものである。
すなわち本発明の目的は、従来の伝統的な箸の模様層の形成は、複雑で時間を要し、コストがかさむ、更には熟練技能を必要とする等の問題点を有していたこと、そして、伝統的技法の問題点を解決すべく提案された従来の熱収縮性チューブ状フィルムによる箸の模様付けおいては、意匠付加が単純で限定的にならざるを得ない欠点を有していたことを解決すべくなされたものであり、印刷を施された熱収縮性チューブ状フィルムを何層にも重ね合わせて、その組み合わせにより、極めて意匠効果の高い多層模様層を形成する簡易で効果的な方法と、その方法によって得られる多層模様層箸を提供するところにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、模様が印刷された熱収縮性を有するチューブ状フィルム、つまり、熱収縮性模様チューブ状フィルム2を素材箸1に外挿位置決めして、これを熱処理により固定することを繰り返し、熱収縮性模様チューブ状フィルム2を何層にも重ね合わせて、これに仕上げ加工を施すことにより極めて意匠効果の高い多層模様層を形成する本発明の完成にいたった。
即ち、本発明は、(1)、複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムが素材箸に外挿された状態で熱固定されて多層の模様層に形成されている多層模様層箸であって、複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムは、それぞれ異なる長さを有し、長いチューブ状フィルムが内側に設けられ、短いチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、長いチューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、各熱収縮性模様チューブ状フィルムの模様が露出するように配置された多層模様層が形成された多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、(2)、 複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムが素材箸に外挿された状態で熱固定されて多層の模様層に形成されている多層模様層箸であって、複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムは、それぞれ異なる長さを有し、最長チューブ状フィルムが最内位置に設けられ、次の長さのチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、最長チューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、さらに次の長さのチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、直ぐ下側のチューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、各熱収縮性模様チューブ状フィルムの模様が露出するように配置された多層模様層が形成された多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、(3)、熱収縮性模様チューブ状フィルムが4つ以上重ねて設けられている上記(2)記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、(4)、多層模様層の最外に更に仕上げ層が形成されている上記(1)〜(3)のいずれか1記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、()、仕上げ層が、熱収縮性透明チューブ状フィルムが外挿された状態で熱固定されているものである上記(4)記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、()、仕上げ層が、仕上げ剤が塗布されることで形成されているものである上記()記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、()、切り込みが付与された熱収縮性模様チューブ状フィルムの切り込みが熱収縮により拡張して拡張部を形成している上記(1)〜(3)のいずれか1記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、()、拡張部の周縁が外側に巻き込まれて立体的な玉縁部が形成されている上記(7)記載の多層模様層箸に存する。
即ち、本発明は、()、熱収縮性模様チューブ状フィルム下に隆起形成部材が挿入されている上記(1)〜(3)のいずれか1記載の多層模様層箸に存する。
本発明の箸の多層模様層箸の製造方法においては、素材箸に熱収縮性模様チューブ状フィルムを外挿位置決めして熱固定することを繰り返して多層模様層箸を製造するので、複雑な加工工程や高度な熟練技能を必要とせず、簡単に高い意匠効果を得ることができる。
そして、素材箸に複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムにより形成された多層模様層を、熱収縮性を有する透明のチューブ状フィルム、つまり、熱収縮性透明チューブ状フィルムを外挿、熱固定して仕上げ層を形成する場合には、表面が滑らかで光沢感を有し、簡単に、使い心地や見栄えを向上させることができる利点がある。
そして、仕上げ層を透明樹脂塗料等を塗布して形成する場合には、一度に大量の素材箸に仕上げ層を形成することができ、素材箸の全長に渡って滑らかな使用感や光沢感を得ることができる。
そして、切り込みが付与された熱収縮性模様チューブ状フィルムを使用して多層模様層を形成する場合には、切り込みが熱収縮により開く方向に拡張して拡張部が形成され、拡張部からその下に位置する模様層が表出し、その対比による意匠効果が得られる。
加えて、拡張部の周縁は、外側に捲れて玉縁部が形成され、立体的で厚みのある意匠効果が得られる。
そして、熱収縮性模様チューブ状フィルムの下に隆起形成部材を挿入して多層模様層を形成する場合には、隆起形成部材が熱収縮性模様チューブ状フィルムや熱収縮性透明チューブ状フィルムの被覆に、よりなだらかな隆起状を呈し、視覚的に立体変化のある意匠効果をもたらす。
また例えば、機能面でも箸の把持力を増す効果等を発揮することも可能である。
そして、熱収縮性模様チューブ状フィルムや熱収縮性透明チューブ状フィルムが前もって扁平化されて素材箸に外挿される場合には、扁平化された熱収縮性模様チューブ状フィルムや熱収縮性透明チューブ状フィルムが、素材箸に外挿され拡張された際、元の扁平形状に戻ろうとする復元力が生じ、この復元力により素材箸表面に仮固定され、その位置決め精度が高くなる効果が得られる。
そして、拡張部の周縁や玉縁部が捲れたり、手に違和感を与えることがない。
多層模様層上に熱収縮性透明チューブ状フィルムを外挿、熱固定させて仕上げ加工を行う場合には、先に熱固定した複数の熱収縮性模様チューブ状フィルム同士の段差を被覆してなだらかな仕上げ層を形成すると共に、熱収縮性模様チューブ状フィルムに拡張部が形成されている。
以上のように、本模様付け方法においては、素材箸の模様層や、拡張部から表出する模様層、或いは拡張部の玉縁部など、各々の特徴を活かして、これらを巧みに組み合わせた模様付けができるので製作者の意図、感覚が活かされ、大量生産の箸には見られない格調の高い意匠を有する箸の提供が可能となる。
図1(A)は、素材箸に扁平化した熱収縮性模様チューブ状フィルムを外挿した概略図(一部省略)である。 図1(B)は、素材箸に多層模様層を形成した概略図(一部省略)である。 図2は、模様層を形成した素材箸の概略図(一部省略)である。 図3は、多層模様層を形成した素材箸を熱収縮性透明チューブ状フィルムで被覆、熱固定した概略図(一部省略)である。 図4は、素材箸に熱収縮性模様チューブ状フィルムを重ねて多層模様層を形成した断面概略図(一部省略)である。 図5は、素材箸に多層模様層を複数箇所、形成した概略図(一部省略)である。 図6は、多層模様層に拡張部を形成した概略図(一部省略)である。 図7は、拡張部、並びに玉縁部の断面概略図(一部省略)である。 図8は、熱収縮性模様チューブ状フィルム下に隆起形成部材を挿入した概略図(一部省略)である。 図9は、隆起形成部材の挿入状態を示す素材箸の長手方向の断面概略図(一部省略)である。 図10は、扁平化した熱収縮性模様チューブ状フィルムの復元力を説明した断面概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、まず、図2(一部省略、並びに模様層11を部分的除去)に示すように全長に塗料を塗布して模様層11が形成された素材箸1を得る。
模様層11は、いわゆる下地層でありチューブ状フィルムを被せて熱収縮したもの或いは塗料を塗ったものがあり、模様、色彩が付与されたもの或いは透明でも良い。
この後、この素材箸1の持ち手部分に、図1(A)(一部省略)に示すように、扁平化された長さが大寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム2を外挿、位置決めする。
そして、以下、図1(B)(一部省略)に示すように、これを熱処理して、熱収縮させ素材箸1に熱固定する。
ついで、同様にして、長さが中寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム22を大寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム21上に互いの長手方向の中心を略共有する位置に熱固定する。
そして、同様に長さが小寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム23を中寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム22上に熱固定する。
外挿、位置決めした後の熱収縮させるための熱処理は、熱風、熱水、或いは電熱器等による放射熱等を用いる。
このように大、中、小の熱収縮性模様チューブ状フィルム2を素材箸1に、順次重ねて熱固定し、図1(B)に示すように、下から第1模様層31、次に第2模様層32、そして最外の第3模様層33とで多層模様層3が形成される。
こうして得られた箸には、その素材箸1に塗布され形成された模様層11(下地層)を基盤に、上方から見て、順に、第1模様層31の模様、次に第2模様層32の模様、そして第3模様層33の模様、再び第2模様層32の模様、そして再び第1模様層31の模様とそれぞれ模様が配列表出される。
つまり、大、中、小の3つの熱収縮性模様チューブ状フィルム2の模様が、5つの模様の区域に表現されることとなり、効率的で変化に富んだ意匠効果が得られる。
なお、本発明で言う模様の概念には単色も当然含まれる。
こうして得られた多層模様層3を有する素材箸1に、仕上げ加工が施される。
仕上げ加工には樹脂塗料(例えば透明のポリエステル系樹脂塗料)を塗布する方法と熱収縮性透明チューブ状フィルム4を使用する方法があるが、本実施の形態では、仕上げ加工は、図3(一部省略)に示すように、透明の被覆用熱収縮性チューブ状フィルム4を素材箸1の多層模様層3全体に渡って外挿、被覆し、これを熱固定して行われる。
このように熱収縮性透明チューブ状フィルム4を使用して仕上げ層を形成することで、全体に滑らかで更には光沢感のある箸が完成する。
ここで、熱収縮性模様チューブ状フィルム2、並びに熱収縮性透明チューブ状フィルム4としては、高い熱収縮性を発揮するポリエチレンテレフタレート製のものを使用することが好ましい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、多層模様層3を形成するそれぞれの熱収縮性模様チューブ状フィルム2は、その中心部を共有する位置にバランス良く熱固定されるが、これを互いに適宜ずらして熱固定することで更に変化のある多層模様層3の形成が可能となる。
第2の実施の形態では、図4の断面概略図(一部省略)に示すように第1模様層31に第2模様層32を一部重ねて熱固定し、次に第3模様層33を、第1模様層31と第2模様層32が重ね合う部分を覆うように熱固定する。
このように構成することで、箸の上方から見て、第1模様層31、第3模様層33、第2模様層32と、順に3つの模様が表出する。
ここで、第1の実施の形態と第2の実施の形態を比較する。
2つの実施の形態では、同様に大、中、小の長さの異なる3つの熱収縮性模様チューブ状フィルム2を使用しているが、その重ね位置の変化により表出される多層模様層3は異なるものとなる。
このように、同じ寸法の材料を使っても、その重ね方により種々の異なった意匠表現が可能となる。
仕上げ加工については、第1の実施の形態と同様の処理がなされ、同様の効果が得られる。
また、図5に示すように、第1の実施の形態例や他の形態例の多層模様層3の形成を、1本の素材箸1の複数箇所に自在の組み合わせで形成することは、当然可能である。
そして、複数箇所の多層模様層3どうしは、隙間無く、或いは一定の間隔をおいて形成される。
一定の間隔をおいて形成した場合には、その隙間から素材箸1の塗料による模様層11が表出し、新たな意匠効果が得られる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、多模様層3を形成する複数の熱収縮性模様チューブ状フィルム2に切り込み(図示しない)が付与された熱収縮性模様チューブ状フィルム2を用いる。
使用する熱収縮性模様チューブ状フィルムの内、すべてに切り込みが付与されていても良いし、その一部であっても良い。
図6(一部省略)に示すように、それぞれの上端が揃えられた大、中、小の熱収縮性模様チューブ状フィルムで形成される多層模様層3の内、第1模様層31、第2模様層32に切り込みが付与され、熱処理により開く方向に拡張されて拡張部24が形成されている。
すなわち拡張部24は穴状となっている。
第3模様層33には、切り込みは付与されていない。
そして、この拡張部24が形成される際、熱収縮性模様チューブ状フィルム2が熱により縮径して切り込みの周縁が巻き込まれ、その結果、図7の断面概略図(図6のX、X部分での断面図、一部省略)に示すように拡張部24の周縁は外側に巻き込まれて立体的な玉縁部25が形成される。
この状態で、熱収縮性透明チューブ状フィルム4により被覆されるが、拡張部24、並びに玉縁部25の発現は、視覚的な意匠効果に加えて、箸を使用する際に、指の当たるところに立体的な玉縁部25が位置することとなり、滑りがなく把持力が増す効果が得られる。
仕上げ加工については、第1の実施の形態と同様の処理がなされる。
ここで、切り込みを付与した熱収縮性模様チューブ状フィルム2に表裏異なる模様を施した場合には、玉縁部25の表面には熱収縮性模様チューブ状フィルム2の裏面が表出し、拡張部24に表出した下側に位置する模様層とが、相まって極めて効果的な意匠表現が可能となる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、図8(一部省略)、図9(素材箸1の長手方向断面概略図、一部省略)に示すように多層模様層3を形成する熱収縮性模様チューブ状フィルム2の下に隆起形成部材5が挿入される。
隆起形成部材5には、経時硬化する粘土系のものや熱硬化性樹脂等が使用される。
隆起形成部材5は、例えば細い紐状に形成され、これを素材箸1に螺旋形状に巻き付ける。
巻き付け位置は、素材箸1に直接巻き付ける場合や熱収縮性模様チューブ状フィルム2間に巻き付けても良い。
多層模様層3が何層であっても最外の熱収縮性模様チューブ状フィルム2の下に位置すれば、隆起形成部材5が露出することはない。
隆起形成部材5は、熱収縮性模様チューブ状フィルム2に被覆されて、なだらかな隆起状を呈する。
隆起形成部材5の挿入により、視覚的な意匠効果の向上に加えて、場合によっては箸を把持した際に把持力が増す等の機能面の効果が得られる。
隆起形成部材5の素材や挿入する際の形状については多様な変化が可能である。
仕上げ加工については、第1の実施の形態と同様の処理がなされ、同様の効果が得られる。
以上、実施の形態を説明したが、これらに使用する熱収縮性模様チューブ状フィルム2、並びに熱収縮性透明チューブ状フィルム4は扁平状に付型されたものを使用している。
そのため図10に示すように扁平化された熱収縮性模様チューブ状フィルム2や熱収縮性透明チューブ状フィルム4が素材箸1に外挿され拡張された際、元の扁平形状に戻ろうとする復元力が生じ、この復元力により熱収縮性模様チューブ状フィルムや熱収縮性透明チューブ状フィルムは素材箸表面に仮固定され、その位置決め精度が高くなる効果が得られる。
また、熱収縮性模様チューブ状フィルムの切り込みの付与に関しては、切れ目を熱収縮性模様チューブ状フィルム2の軸方向、円周方向、或いは斜め方向に入れることで拡張部24を縦、横、斜めに形成するとことができる他、これらの組み合わせも可能で、変化のある意匠効果が得られる。
更に、素材箸1に外挿する扁平化した熱収縮性模様チューブ状フィルム2の形状は、長方形に限らず、平行4変形やその他の変形形状が採用可能である。
以上、本発明をその実施の形態を例に説明したが、本発明は要旨の変更のない限り、実施の形態のみに限定されるものではなく多様な変形例が可能である。
例えば、多層模様層3の形成について、本実施の形態では3層模様層を例に説明したが、2層、4層、5層と層を増減することは当然可能である。
また、素材箸1の形状について、その断面は四角形に限らず、円形、その他各種形状が採用可能である。
更に、本発明の多層模様層形成方法を従来の技法で製造された完成品に施すことにより新しい意匠を付与して製品の付加価値を上げることが可能となる。
また、仕上げ加工に用いる熱収縮性透明チューブ状フィルム2の一部に模様を施したものを採用すれば更に変化に富んだ透かし意匠効果が得られる。
そして、熱収縮性模様チューブ状フィルム2に色を施す場合、印刷に依らず、フィルムの液状原料に顔料等を入れて色を得る原着方法が可能である。
また、使用する熱収縮性模様チューブ状フィルム2や熱収縮性透明チューブ状フィルム4の厚みについては、極薄のものから厚手のものまで(例えば、0.1μm〜10μm)、適宜選択可能であることは言うまでもない。
更に、素材箸1に対する熱収縮性模様チューブ状フィルム2や熱収縮性透明チューブ状フィルム4の被覆領域は、その一部でも箸全体に渡っても良い。
本発明は、熱収縮性模様チューブ状フィルム2を素材箸1に外挿位置決めして、これを熱処理により固定することを繰り返し、熱収縮性模様チューブ状フィルム2を何層にも重ね合わせて、多層模様層3を形成し、これに仕上げ加工を施すことを基本技術とした簡易な製造方法であるので、棒状や柱状形態の製品であれば容易に本多層模様層箸の製造方法を使用することができる。
例えば、フライパン等のキッチン用品の取手や、傘、杖、物干し棹等の生活用品などにも採用可能であるし、ゴルフセットや釣り竿等のスポーツ関連製品、或いは階段の手すり等のような建築用部材にも十分採用可能である。
1…素材箸
11…模様層
2…熱収縮性模様チューブ状フィルム
21…大寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム
22…中寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム
23…小寸の熱収縮性模様チューブ状フィルム
24…拡張部
25…玉縁部
3…多層模様層
31…第1模様層
32…第2模様層
33…第3模様層
4…熱収縮性透明チューブ状フィルム
5…隆起形成部材
P…復元力

Claims (9)

  1. 複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムが素材箸に外挿された状態で熱固定されて多層の模様層に形成されている多層模様層箸であって、
    前記複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムは、それぞれ異なる長さを有し、
    長いチューブ状フィルムが内側に設けられ、短いチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、長いチューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、各熱収縮性模様チューブ状フィルムの模様が露出するように配置された多層模様層が形成されたことを特徴とする多層模様層箸。
  2. 複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムが素材箸に外挿された状態で熱固定されて多層の模様層に形成されている多層模様層箸であって、
    前記複数の熱収縮性模様チューブ状フィルムは、それぞれ異なる長さを有し、
    最長チューブ状フィルムが最内位置に設けられ、次の長さのチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、最長チューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、さらに次の長さのチューブ状フィルムがその外側に重ねて設けられ、直ぐ下側のチューブ状フィルムの両端部の模様が露出され、各熱収縮性模様チューブ状フィルムの模様が露出するように配置された多層模様層が形成されたことを特徴とする多層模様層箸。
  3. 熱収縮性模様チューブ状フィルムが4つ以上重ねて設けられていることを特徴とする請求項2記載の多層模様層箸
  4. 多層模様層の最外に更に仕上げ層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の多層模様層箸。
  5. 仕上げ層が、熱収縮性透明チューブ状フィルムが外挿された状態で熱固定されているものであることを特徴とする請求項4記載の多層模様層箸。
  6. 仕上げ層が、仕上げ剤が塗布されることで形成されているものであることを特徴とする請求項4記載の多層模様層箸。
  7. 切り込みが付与された熱収縮性模様チューブ状フィルムの切り込みが熱収縮により拡張して拡張部を形成していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の多層模様層箸。
  8. 前記拡張部の周縁が外側に巻き込まれて立体的な玉縁部が形成されていることを特徴とする請求項7記載の多層模様層箸。
  9. 熱収縮性模様チューブ状フィルム下に隆起形成部材が挿入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の多層模様層箸。
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