JP5686746B2 - 断熱貯蔵タンク - Google Patents

Description

本開示は、断熱貯蔵タンクに関する。より詳細には、本技術は、高温液体又は低温液体を貯蔵するための、モジュール式の断熱貯蔵タンクに関する。

［関連出願の相互参照］
本願は、２００９年２月２０日に出願された米国仮特許出願第６１／２０８，２７５号の利益を主張する。当該出願の全開示は、参照により本明細書に援用される。

本項における記述は、単に本開示に関する背景技術の情報を提供するものであり、従来技術を構成するものではない。

毎日、太陽は、人類が使用するエネルギー量の１００００倍の量のエネルギーを提供する。太陽は、一日に、現在の人類の人口が２７年かけて消費するであろうよりも多くのエネルギーを提供する。北米だけでも、年間２兆ドル近くがエネルギーに費やされていると考えられ、その多くが、再生可能ではない、炭素ベースの供給源、例えば石油、石炭及び他の化石燃料に割り当てられている。米国の平均的な世帯のエネルギー消費の約６５％〜８０％が熱であり、約２０％〜３０％が電気であるとすれば、再生可能な供給源によってこれらの要件の両方を満たす手段を得ることは道理にかなっている。

過去数十年、（移動する水の運動エネルギーを電力に変える）水力タービンや（風力エネルギーを電気エネルギーに変える）風力発電機、（熱エネルギーを供給するために地中温度の安定性を利用する）地熱加熱、（太陽エネルギーを取り込んで電気エネルギーに変えることができる）太陽電池のような再生可能なエネルギー資源を取り込むことに向けて大きな進歩が遂げられている。

代替的な種類の再生可能エネルギーは、太陽光エネルギーを用いて液体を加熱し、それによって加熱又は冷却用の熱エネルギーを供給する太陽熱熱交換器である。この種類のエネルギー利用では、通常、平坦プレートは、太陽熱の放射の吸収を改善するために正面が黒くされ、その黒くされた表面が太陽に面し、収集されるエネルギーを最適化するために好適な角度で傾けられた状態で配置される。一連の管がパネルに固定されており、加熱されるべき水がこれらの管を循環し、パネルが受け取った熱を取り出す。革新的な熱捕捉システムは、循環した加熱水がさらなるエネルギー取り出しのために貯蔵されることを必要とする。太陽熱熱交換器からの温められた水は、通常は別個のタンクを循環するため、温度は、システム内の入熱と熱損失との間で平衡な最大値まで上昇することができる。次いで、この水は、タンク内の熱交換器の使用によって、家庭用の非加熱水を加熱するための給水として用いることができる。

加熱される再循環水の量が、住居用構造体又は商業用構造体に取り付けられている太陽熱熱交換器のサイズにより変わるのに対し、システムの液体のすべてを貯蔵するのに十分なサイズのタンクは現場に維持されることが必要とされる。熱エネルギーの取り込みを最大限にするために、特に、建物構造の外部への貯蔵タンクの配置が、特に冬場のタンクの故障、よく見積もっても、取り込まれる熱エネルギーの損失につながる可能性のある北部の気候では、これらの液体貯蔵タンクは多くの場合、家及び会社の地階に位置付けられる。これらのタンクの最も好適な貯蔵場所が、特に夏場では同様に家又は会社の階下である場合が多い温暖な気候では、同様であるが逆の考慮が、低温液体、冷媒等の貯蔵のために当てはまる。

多くの場合、大型のプレハブ貯蔵タンクは、操作が困難であり、家及び会社の階下及び地階への配置は、平均的なドア幅が貯蔵タンクの寸法よりもはるかに小さい８７ｃｍ〜９２ｃｍ（３４と１／４インチ〜３６と１／４インチ）の範囲であることによって阻まれる。さらに、容量が数百ガロン〜数千ガロンであるプレハブ貯蔵タンクは、それらの嵩及び重量を考えると、予め設置された後で位置を変えることが困難である。

したがって、本技術の目的は、外部タンク又は他の熱捕捉装置への循環のために温度調節された液体を提供することのできる断熱貯蔵タンクを提供することである。

本技術の別の目的は、モジュール式であることで、到達が困難な領域において容易に組み立てられることによって、熱的に高効率の設計である断熱貯蔵タンクを提供することである。

本技術のさらなる目的は、会社又は住居の熱捕捉パネルシステムと相互作用することのできる熱的に調節された貯蔵タンクを提供することである。断熱タンクに貯蔵されている液体は、家庭内又は商業用の使用のために循環水の第２の供給源を加熱又は冷却することができる。貯蔵されている液体が高温である場合、その液体を再循環させて熱捕捉システムに戻し、再び加熱することができる。

最後に、本技術の目的は、据付けが容易であるだけでなく、経済的であると共に製造が簡単である断熱貯蔵タンクを提供することである。

これら及び他の目的は、高温液体と、水、不凍液、圧縮液化ガスを含む低温液体との双方を貯蔵する手段を組み込むように設計されている断熱貯蔵タンクを含む本技術から明らかとなる。断熱貯蔵タンクは、複数の垂直断熱パネルによって支持されている内側ライナーを含む。断熱パネルは、円筒体を形成するように周方向に配置されており、各断熱パネルは、別の断熱パネルの前縁及び後縁と接触している。断熱パネルは独立型であり、外側支持ジャケットによってさらに支持されている。液体は内側ライナー内に入れられ、断熱パネルに対して力を加える。液体の熱エネルギーは断熱蓋によってさらに断熱され、断熱蓋は、断熱パネルの上側円周内に配置されていると共に、内側ライナーと共に断熱シールを形成する。任意に、断熱パネルは、断熱パネルの下側円周によって提供される空隙内に嵌るようなサイズ及び形状である断熱床に載置される。

他の任意の構成要素は、断熱貯蔵タンク室に液体を導入する液体入口ポート及び断熱貯蔵タンク室から液体を除去する液体出口ポートを有する配管ボードと、マイクロプロセッサ及びポンプと、温度センサーと、水位センサーと、断熱タンク内の液体の量及び温度を調節するための他の監視システムとを含むことができる。任意の特徴として同様に意図されるものとしては、断熱貯蔵タンク内の貯蔵液体によって加熱することのできる液体、例えば家庭用飲料水を循環させるように動作可能な熱交換器を含む。飲料水は、洗濯における使用、家の暖房及び他の公知の加熱又は冷却用途のための家の温水タンクを充填するような、家庭内使用の目的で用いることができる。

さらなる適用領域は、本明細書において提供される説明から明らかとなる。説明及び特定の例は、単に例示目的であることが意図されており、本開示の範囲を限定することは意図しないことを理解されたい。

本明細書において説明される図面は単に例示目的であり、本開示の範囲を限定することは決して意図しない。

本技術の好ましい実施形態を含む断熱タンクの斜視図である。 蓋が定位置にある状態の断熱タンクの平面図である。 本技術の好ましい実施形態を含む断熱パネルの斜視図である。 本技術の断熱貯蔵タンクの好ましい実施形態を含む、図３の断熱パネルの側面図である。 本技術の断熱パネルの上部から見た平面図である。 本技術の断熱パネルの底部から見た平面図である。 本技術の断熱貯蔵タンクの好ましい実施形態を含む断熱貯蔵タンクの底部の平面図である。 本技術の断熱貯蔵タンクの好ましい実施形態を含む断熱貯蔵タンクの断面図である。 本技術の断熱貯蔵タンクを組み立てるように動作可能であるステップを示す図である。 断熱パネルの周りに外側支持ジャケットを周方向に適用する前の、円筒状に配置されている断熱パネルの写真である。

図面の複数の図を通して、対応する参照符号は対応する部位を指す。

以下の説明は本質的に単に例示的であり、本開示、用途又は使用を限定することは意図しない。図面を通して、対応する参照符号は、同様の又は対応する部位及び特徴を示すことを理解されたい。

本開示が完全なものとなり、その範囲を当業者に十分に伝えるように、例示的な実施形態が提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、方法の例のような多くの特定の詳細を記載する。当業者には、特定の詳細を必ずしも採用する必要はなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具現することができ、また、本開示の範囲を制限するように解釈されるべきでもないことが明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、公知のプロセス、公知の装置構造、公知の技術は詳細には説明しない。

本明細書において用いられる技術用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定するものであることは意図されていない。本明細書において用いられる場合、単数形は、文脈がそうであることをはっきりと示さない限り複数形も含むことを意図することができる。用語「備える」、「含む」、「有する」は、包括的なものであり、したがって、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び／又は構成要素の存在を明記するものであるが、１つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び／又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。本明細書において記載される方法のステップ、プロセス、動作は、実施の順序として具体的に特定されない限り、説明される又は図示される特定の順序でのそれらの実施を必然的に必要とするものと解釈されるべきではない。また、追加の又は代替的なステップを採用してもよいことを理解されたい。

要素又は層が別の要素又は層「の上に」、「に係合している」、「に接続している」、又は「に連結している」と言及される場合、この要素又は層は、他の要素又は層の上に直接あるか、直接係合しているか、直接接続しているか、若しくは直接連結してもよく、あるいは介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素又は層「の上に直接ある」、「に直接係合している」、「に直接接続している」、又は「に直接連結している」と言及される場合、介在する要素又は層は存在することができない。要素と要素との間の関係を説明するために用いられる他の文言も同様に解釈されるべきである（例えば、「間に」と「間に直接」、「隣接する」と「直接隣接する」等）。本明細書において用いられる場合、用語「及び／又は」は、関連して列挙される事項の１つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。

本明細書において、第１の、第２の、第３の等の用語は、種々の要素、構成要素、領域、層、及び／又はセクションを説明するために用いることができるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び／又はセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層又はセクションを別の領域、層又はセクションから区別するためだけに用いることができる。「第１の」、「第２の」のような用語及び他の数値的な用語は、本明細書において用いられる場合、文脈によってはっきりと示されない限り、シーケンス又は順序を示唆するものではない。したがって、後述する第１の要素、第１の構成要素、第１の領域、第１の層又は第１のセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく第２の要素、第２の構成要素、第２の領域、第２の層又は第２のセクションと称することができる。

「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等のような空間的に相対的な用語は、本明細書において、図面に示されるようなある要素又は特徴部と別の要素又は特徴部との関係を説明するために、説明しやすくするために用いることができる。空間的に相対的な用語は、図面に示される向きに加えて、使用時又は動作時の装置の異なる向きを包含することを意図することができる。例えば、図面の装置を反転させると、他の要素又は特徴部の「下方」又は「下」として説明されていた要素が、他の要素又は特徴部よりも「上方」の向きになることになる。したがって、例示的な用語である「下方」は、上方及び下方の向きの両方を包含することができる。装置はその他の向きとすることもでき（９０度回転又は他の向き）、本明細書において用いられる空間的に相対的な記述はそれにしたがって解釈される。

ここで図面、特に図１及び図２を参照すると、断熱貯蔵タンク１０を含む本技術の好ましい実施形態が示されている。断熱貯蔵タンク１０は、外側支持ジャケット３０と、外側支持ジャケット３０と近接している複数の断熱パネル１００と、断熱貯蔵タンク１０の内側キャビティと一致する内側ライナー４００と、断熱貯蔵タンク１０の円形開口を覆う断熱蓋２０とを備えている。断熱貯蔵タンク１０は、実質的に円筒形の形状を有している。薄い外側支持ジャケット３０は、図２に示されている断熱パネル１００の外側弧状面を囲んでいる。外側支持ジャケット１０は、構造的剛性を提供し、断熱パネル１００が圧潰するか又は分離されないように補助している。外側支持ジャケット３０は、断熱貯蔵タンク１０の外周よりも実質的にわずかに長い長さを有している。外側支持ジャケット３０は、断熱貯蔵タンク１０と通常は同じ高さを有している。外側支持ジャケット３０は、例えば、ソルベイエンジニアードポリマー社（オーバーンヒルズ、ミシガン州、アメリカ合衆国）によって販売されているＳＥＱＵＥＬ Ｅ３０００として市販されている熱可塑性ポリオレフィン（ＴＰＯ）材料を含む、任意の構造的に弾性のポリマー、プラスチック、金属又は木材から作製することができる。

いくつかの実施形態では、外側支持ジャケット３０は、約０．１ｍｍ〜約１０ｍｍ、又は約１ｍｍ〜約１０ｍｍ、又は約２ｍｍ〜約１０ｍｍ、又は約０．１ｍｍ〜約９ｍｍ、又は約０．１ｍｍ〜約７ｍｍ、又は約０．１ｍｍ〜約５ｍｍの範囲の幅を有することができる。外側支持ジャケット３０の端部３５は、図１に示されるように、断熱パネル１００の周りで重ね合わせて共に接着することができる。

いくつかの実施形態では、断熱貯蔵タンク１０は断熱蓋２０を含んでいる。断熱蓋２０は、発泡ポリプロピレン、熱硬化性プラスチックフォーム、熱可塑性ポリオレフィン、繊維ガラス、発泡パーライト、木材、金属、及び断熱貯蔵タンク１０内の液体の熱又は冷たさを保つことができる任意の材料を含む、任意の一般的に公知の断熱材料から作製することができる。フォーム材料が提供する優れた伝熱特性と、比較的製造しやすいことと、その軽量さとから、フォームを用いることが好ましい。図１及び図２に示されるように、断熱蓋２０は、中心線８０に沿って２つのセクションに分けることができ、蓋の一方の半分を定位置に保ったままで他方の半分を開いて取り外すことができる。

断熱蓋２０は、任意に、断熱貯蔵タンク１０に診断機能及び動作機能を与える種々の機械的構成要素及び電気的構成要素を収容し、支持し、かつ一体化することができる。例えば、断熱蓋２０は、タンクの油圧作動要件、例えば液体の供給及び排出並びにサンプリングのすべてを提供するために、給排水ボードと共に取り付けることができる。制御ユニット６０も、種々の機械的構成要素及び電気的構成要素、例えばポンプ及びセンサーといった種々の機械的構成要素及び電気的構成要素に対して電気信号を送受信するために、ロジックボード、継電器、マイクロプロセッサ等のような種々の機械的構成要素及び電気的構成要素を含むことができる。種々のセンサーを含み、断熱蓋２０に取り付けることができ、例えば、水位センサー７５がシール７０を用いて蓋に取り付けられる。水位センサー７５は、独立型とすることができるか、又は断熱貯蔵タンク１０内の液位を求めるために制御ユニット６０及びポンプ（図示せず）と一体化することができる。断熱貯蔵タンク１０内で液体の量が失われると、水位センサー７５は、不足を検出して信号を制御ユニット６０へ送り、タンクをより多くの液体で満たすようにポンプを作動させることができる。温度センサー６５も制御ユニット６０と一体化して、断熱貯蔵タンク１０内の液体の温度を測定することができる。

断熱貯蔵タンク１０内の液体が所定の閾値を下回る場合、温度センサー６５は信号を弁（図示せず）へ送り、住居の屋根を再循環している液体が断熱貯蔵タンク１０へ入る量を低減することができる。代替的に、温度センサー６５は、断熱貯蔵タンク１０内の液体が所定の閾値よりも上昇する場合、システムに警告することができる。そのような場合、温度センサー６５は、信号をポンプ（図示せず）へ送り、断熱貯蔵タンク１０内に入っている熱交換器（図示せず）内を循環している第２の液体の流れを増やし、断熱貯蔵タンク１０内の液体から熱を取り出すことができる。加えて、液体入口５０及び液体出口５５を用いて、材料を断熱貯蔵タンク１０内へ加えるか、又は断熱貯蔵タンク１０内の液体を含む材料を除去することができる。概して、断熱蓋２０は、図８に示される内径５００よりもわずかに大きい直径を有している。断熱蓋２０の厚さは様々とすることができ、重要ではない。しかし、美的な魅力のために、断熱蓋２０の外面は、図３により詳細に示される断熱パネル１００の水平なリム面１１０と実質的に面一とすることができる。

ここで図３〜図６及び図８〜図１０を参照すると、断熱貯蔵タンク１０は、複数の垂直な断熱パネル１００も含んでいる。いくつかの実施形態では、断熱パネル１００は、断熱蓋２０を支持する断熱貯蔵タンク１０の円筒形の側壁である。使用時には、断熱蓋２０を蓋載置棚部１６０に配置する。断熱パネル１００を斜視図で示す図３を参照すると、断熱パネル１００は、リムと、水平なリム面１１０とを有し、リムは、リム側壁１７０及び蓋載置棚部１６０も含んでいる。断熱パネル１００は、前縁接触面１４０と、後縁接触面１５０とを有している。断熱床２５が、床接触壁１８０及び床支持棚部１８５によって形成されているリセスに嵌め込まれている。完全な円筒体が、図９及び図１０に示されるように必要な断熱パネル１００のすべてを断熱床２５と共に整合することによって形成されると、内側ライナー４００を、図９に示されるように断熱パネル１００及び断熱床２５の配置によって作られた空隙に配置することができる。内側ライナー４００は、断熱パネル１００の内側の弧状面１３０に係止すると共に内側弧状面１３０によって支持されている。

断熱パネル１００は、後縁オフセット２１０を有する前縁頂部１４２を形成する前縁接触面１４０を有している。１つの断熱パネル１００の前縁接触面１４０を次の断熱パネル１００の後縁接触面１５０と連続的に（時計回りに）直接接触させて配置することは、驚くべきことに、液体によって生じる静水力に起因して、断熱パネルの半径方向の移動に対するかなりの抵抗を提供することが分かった。断熱パネル１００はすべて、外側弧状面１２０に配置される留め機構を用いて接続することができる。代替的に、断熱パネル１００の前縁接触面１４０及び後縁接触面１５０はそれぞれ、この２つの接触面１４０及び１５０を近づけてこれらを適所に固定することができる雄型及び雌型の相互固定構造を有することができる。好ましくは、断熱パネル１００はすべて、図１及び図９に示されるように外側支持ジャケット３０を外側弧状面１２０の周りに配置することによって、適所に留めるか又は構造的に保持することができる。

１５２ｃｍ（６０インチ）の外径／１．３２ｍ³（３５０ガロン）の断熱貯蔵タンク１０の場合、１．２５ｍ³（３３０ガロン）の水を貯蔵する、１１ｃｍ（４．４インチ）の厚さの断熱パネル及び内側ライナー４００を有する断熱貯蔵タンク１０（１ｍの高さの水柱、６５．０ｃｍ（２５．６インチ）の内側タンクの半径）が完全に組み立てられた後で、１ｍｍの厚さのＴＰＯの外側支持ジャケット３０に加わる圧力は、２１．３７ＭＰａ（３１００ｐｓｉ）のその引張降伏内に十分入るおよそ７．４７４ＭＰａ（１０８４ｐｓｉ）であると決定されている。同じ水柱高さを用いるものの内径が１５５ｃｍ（６１．１インチ）である２ｍｍの厚さのＴＰＯの外側支持ジャケットを有する７．５７ｍ³（２０００ガロン）のタンクの場合、外側支持ジャケット３０にかかる応力はおよそ８．１６７１ＭＰａ（１１８４．５ｐｓｉ）であり、これも同様にその２１．３７ＭＰａ（３１００ｐｓｉ）の引張降伏内に十分入る。

断熱パネル１００も、断熱蓋２０に関して上述したように、任意の好適なモジュール材料で作製することができる。これらの材料としては、発泡ポリプロピレン、熱硬化性プラスチックフォーム、熱可塑性ポリオレフィン、繊維ガラス、発泡パーライト、木材、金属、及び断熱貯蔵タンク１０内の液体の熱又は冷たさを保つことができる任意の材料を挙げることができる。フォーム材料が提供する優れた伝熱特性と、比較的製造しやすいことと、その軽量さとから、フォームを用いることが好ましい。断熱パネル１００の寸法は、断熱貯蔵タンク１０の必要なサイズに応じて変えることができる。例えば、１．２５ｍ³（３３０ガロン）の断熱貯蔵タンクの場合、５枚の断熱パネル１００を用いて完全な円筒体を形成することができる。１．２５ｍ³（３３０ガロン）の断熱貯蔵タンク１０の場合、各断熱パネル１００は、およそ１２０ｃｍ（４７インチ）の高さと、８７．６ｃｍ（３４．５インチ）の円弧長さと、およそ１０ｃｍ（４インチ）の幅とすることができる。いくつかの実施形態では、断熱貯蔵タンク１０を形成するのに用いられる断熱パネル１００の数は変えることができ、好ましくは１つの断熱貯蔵タンク１０あたり５枚の断熱パネル１００がある。

本技術のいくつかの実施形態では、断熱貯蔵タンク１０は、任意に断熱床２５も有することができる。本技術の実行に必須というわけではないが、断熱床２５を断熱パネル１００の底面切欠部と共に用いて、断熱貯蔵タンク１００の壁にかかる静水応力に抵抗するように構成された一体化構造を提供することができる。図７及び図８に示されるように、断熱床２５は、断熱パネル１００に関して上述した任意の断熱材料から作製することができる。断熱床２５は、単一の断熱部品とすることができるか、又は図７に示されるように、線８２によって分割されている２つの半体から作製することができる。

図８に最もよく示されるように、内側ライナー４００は、約０℃〜約２５０℃、好ましくは約４℃〜約１９０℃の範囲の温度を有する液体に耐えることのできる任意の合成材料又は天然材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、内側ライナー４００は、約０℃〜約２５０℃の範囲の液体温度に耐えることのできる合成プラスチック材料、ポリマー材料又は熱可塑性材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、内側ライナー４００はポリ塩化ビニル材料から作製することができる。

ここで図９及び図１０を参照すると、断熱貯蔵タンク１０は、塊状に包装されて輸送コスト及び運送料を節減することができる。モジュール式の断熱貯蔵タンクを収納する配送パッケージの占有面積が小さいことによって、大きく改善された操作性及び据付け場所も提供する。図９に示されるように、断熱貯蔵タンク１０のモジュール式部品は、最初に断熱床２５を準備することによって容易に組み立てることができる。前述したように、断熱床は本発明に必須ではない。しかし、他の形態の断熱床も好ましい。断熱パネルに床接触壁１８０及び床支持棚部１８５を取り付けると、断熱パネル１００を、断熱床２５に隣接して断熱床２５の上部の適所に嵌めることができる。次いで、断熱パネル１００をすべて断熱床の周りに配置し、断熱パネル１００の前縁接触面１４０及び後縁接触面１５０が互いに当接することを確実にする。断熱パネル１００を断熱床２５の周りに位置決めすると、次のステップは、内側ライナー４００を断熱貯蔵タンク１０のキャビティに入れて、内側ライナー４００の突出部を断熱パネル１００の水平なリム面１１０から延びるままにすることである。最後のステップは、外側支持ジャケット３０を断熱パネル１００のすべての外側弧状面の周りに配置することと、外側支持ジャケット３０の端同士を接合して図１に示されるような接合部３５を残すこととを含むことができる。

本技術は、０．１９ｍ³（５０ガロン）〜１８．９３ｍ³（５０００ガロン）の範囲の液体容量を有する断熱貯蔵タンクを現場で準備するための簡単な方法を提供する。断熱貯蔵タンクは、高温液体及び低温液体の両方を貯蔵するために多く用いられている。

好ましい実施形態では、断熱貯蔵タンク１０内に貯蔵されている高温液体は、太陽熱捕捉装置、例えば、２００８年１０月３日に出願された国際特許出願ＰＣＴ／ＵＳ２００８／０７８８２２号に開示されているパワーパネルソーラー／熱捕捉装置を通して再循環する液体（例えば水）を含むことができ、この開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。上記のパワーパネルソーラー／熱捕捉装置を通して再循環する、貯蔵されている高温液体（例えば水）は、７５℃〜１２０℃の範囲の温度に達することができる。本技術の断熱貯蔵タンク１０内の貯蔵されている高温液体は、断熱貯蔵タンク１０内に配置されている熱交換器を用いて、第２の飲料水源（例えば家庭用水源）を加熱するために用いることができる。同様に、二酸化炭素のような圧縮液体を貯蔵している断熱貯蔵タンク内に配置されている熱交換器を用いて、住居用又は商業用の冷却のための第２の液体供給源を冷却することができる。ソーラー／熱エネルギー捕捉装置を通って再循環し断熱貯蔵タンク１０に入る速度は、断熱貯蔵タンク１０内の設定温度を維持するために自動化することができる。

本明細書において記載されている実施形態及び例は、例示的なものであり、本技術の構成及び方法の全範囲を説明する上で限定するものであることは意図していない。本技術の範囲内で、いくつかの実施形態、材料、構成及び方法の同等な変更、修正及び変形を行うことができ、実質的に同じ結果を有する。

Claims (18)

1. 断熱貯蔵タンクであって、
   円周方向パターンで配置されている複数の断熱パネルであって、それぞれが２つの他の断熱パネルと接触して円筒壁を形成している複数の断熱パネルと、
   高温液体又は低温液体で充填される前記円筒壁内に配置されると共に前記断熱パネルと形状が一致している内側ライナーと、
   前記断熱パネルの前記円筒壁の外側弧状面を囲む外側支持ジャケットと
   を備え、
   前記断熱パネルのうちの個々の断熱パネルはそれぞれ、前縁頂部及び後縁オフセットを 形成する前縁接触面と、反対側に位置する後縁接触面とを含み、前記断熱パネルのうちの １つの断熱パネルの前記前縁接触面は、前記断熱パネルの次に続く断熱パネルの前記後縁 接触面と直接接触して配置される断熱貯蔵タンク。
2. 前記円筒壁の内側に面するリム側壁に形成されている蓋載置棚部と、
   該蓋載置棚部に配置されることによって前記断熱貯蔵タンクの中身をシールする実質的に円形の断熱タンク蓋と
   をさらに備える、請求項１に記載の断熱貯蔵タンク。
3. 前記断熱タンク蓋に配置されている制御ユニットと、
   前記断熱タンク蓋に配置されていると共に前記制御ユニットと一体化されている水位センサーであって、前記断熱貯蔵タンク内の液位を測定するように動作すると共に、液体の前記断熱貯蔵タンク内への流れ及び液体の該断熱貯蔵タンクからの流れを制御して前記液位を変えるように前記制御ユニットが用いる信号を生成するように動作する水位センサーと、
   前記断熱タンク蓋に配置されていると共に前記制御ユニットと一体化されている温度センサーであって、前記断熱貯蔵タンク内の液体の温度を測定するように動作すると共に、液体の前記断熱貯蔵タンク内への流れ及び液体の該断熱貯蔵タンクからの流れを制御して液体の温度を変えるように前記制御ユニットが用いる信号を生成するように動作する温度センサーと
   をさらに備える、請求項２に記載の断熱貯蔵タンク。
4. 前記内側ライナーは、液体をおよそ摂氏０度からおよそ摂氏２５０度までの範囲の温度に保つことのできるポリマー材料から構成される、請求項１に記載の断熱貯蔵タンク。
5. 前記外側支持ジャケットは、前記断熱貯蔵タンクの前記円筒壁の外周よりも長い長さと、前記円筒壁の高さと実質的に等しい高さとを有する、請求項１に記載の断熱貯蔵タンク。
6. 前記外側支持ジャケットは、およそ０．１ｍｍから１０ｍｍまでの範囲の幅を有するポリマー材料を含み、互いに重なると共に互いに接続固定される端部を有する、請求項１に記載の断熱貯蔵タンク。
7. 断熱貯蔵タンクであって、
   円周方向パターンで配置されている複数の弧状形状の断熱パネルであって、それぞれが２つの他の断熱パネルと接触して円筒壁を形成している複数の弧状形状の断熱パネルと、
   高温液体又は低温液体で充填される前記円筒壁内に配置されると共に前記断熱パネルと形状が一致している内側ライナーと、
   前記断熱パネルの前記円筒壁の外側弧状面を囲む外側支持ジャケットと、
   前記円筒壁に配置されていると共に前記断熱貯蔵タンクに収容されている液体をシールするように前記内側ライナーと接触している実質的に円形の断熱タンク蓋と、
   前記断熱タンク蓋に配置されている制御ユニットと、
   前記断熱タンク蓋に配置されていると共に前記制御ユニットと一体化されている水位セ ンサーと、
   前記断熱タンク蓋に配置されていると共に前記制御ユニットと一体化されている温度セ ンサーと
   を備え、
   前記断熱タンク蓋は第１の部分及び第２の部分に分割可能であり、前記制御ユニット、 前記水位センサー、前記温度センサーはそれぞれ、前記第１の部分又は前記第２の部分の うちの一方に配置されており、前記制御ユニット又は前記水位センサー若しくは前記温度 センサーいずれの動作にも干渉することなく前記第１の部分又は前記第２の部分のうちの 他方を開くことができる断熱貯蔵タンク。
8. 前記水位センサーは、前記断熱貯蔵タンク内の液位を測定するように動作すると共に、液体の前記断熱貯蔵タンク内への流れ及び液体の該断熱貯蔵タンクからの流れを制御して前記液位を変えるように前記制御ユニットが用いる信号を生成するように動作する、請求項７に記載の断熱貯蔵タンク。
9. 前記温度センサーは、前記断熱貯蔵タンク内の液体の温度を測定するように動作すると共に、液体の前記断熱貯蔵タンク内への流れ及び液体の該断熱貯蔵タンクからの流れを制御して液体の温度を変えるように前記制御ユニットが用いる信号を生成するように動作する、請求項７に記載の断熱貯蔵タンク。
10. 前記円筒壁に作られる床接触壁及び床支持棚部によって形成されているリセスに受け入れられるように嵌め込まれる断熱床をさらに備える、請求項７に記載の断熱貯蔵タンク。
11. 前記内側ライナーは前記断熱床上で支持されている、請求項１０に記載の断熱貯蔵タンク。
12. 前記円筒壁の内側に面するリム側壁に形成された蓋載置棚部をさらに備え、前記内側ライナーは前記蓋載置棚部と接触しており、前記断熱タンク蓋は、前記内側ライナー上に配置されていると共に前記蓋載置棚部によって支持されている、請求項７に記載の断熱貯蔵タンク。
13. ５枚の量の前記弧状形状の断熱パネルが接合されて、前記断熱貯蔵タンクの少なくとも第１の液体容量及び第２の液体容量を作り、前記弧状形状の断熱パネルのそれぞれの円弧長さを変えて、内側タンク半径を変え、前記第１の液体容量及び前記第２の液体容量を異ならせる、請求項７に記載の断熱貯蔵タンク。
14. 断熱貯蔵タンクを構成する方法であって、
    該断熱貯蔵タンクは、
    複数の断熱パネルであって、該断熱パネルのうちの個々の断熱パネルはそれぞれ、前縁頂部及び後縁オフセットを形成する前縁接触面と、反対側に位置する後縁接触面とを含む複数の断熱パネルと、
    内側ライナーと、
    断熱タンク蓋と、
    断熱床と、
    外側支持ジャケットと
    を含み、
    前記方法は、
    前記断熱パネルのそれぞれに床接触壁及び床支持棚部を作ることと、
    前記断熱パネルをすべて前記断熱床の周りに配置して、近接する前記断熱パネルの前記前縁接触面及び前記後縁接触面を互いに当接させて円筒壁を作るように、前記断熱パネルを前記断熱床に隣接して該断熱床の上部の適所に嵌めることと、
    前記内側ライナーが前記断熱床を覆うと共に該断熱パネルの内周を内張りするように、前記断熱パネルによって作られたキャビティに前記内側ライナーを挿入することと、
    すべての前記断熱パネルの外側弧状面の周りに前記外側支持ジャケットを配置することと
    を含む方法。
15. 前記外側支持ジャケットを配置するステップ中に、前記断熱パネルの水平なリム面を越えて延びる前記内側ライナーの突出部を作ることをさらに含む、請求項１４に記載の方法。
16. 前記床接触壁及び前記床支持棚部を作るステップ中に、前記円筒壁の内側に面するリム側壁に蓋載置棚部を形成することをさらに含む、請求項１５に記載の方法。
17. 前記断熱パネルの前記水平なリム面を超えて延びる前記内側ライナー上に前記断熱タンク蓋を配置することをさらに含み、該断熱タンク蓋は、前記蓋載置棚部によって支持される、請求項１６に記載の方法。
18. 前記外側支持ジャケットの対向する両端部を接合して接合部を作ることをさらに含む、請求項１４に記載の方法。

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