JP5685518B2 - 情報配信システム及び方法、通信装置 - Google Patents
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Description
回線交換方式と比較した場合のパケット交換方式の大きな特徴は、通信装置が互いに同期されていないことにある。この特徴により、パケット通信網ではベストエフォート方式の通信を基本とする。より確実にデータを送信したい場合は、送達確認用プロトコル(TCP/IP)が用いられた。
これまでの標準時刻配信は、メールやデータ等のやりとりにおけるタイムスタンプの利用(時刻の整合性をとること)が主なアプリケーションであった。NTPや既存電話線を使用した標準時刻配信における時刻精度は数msec程度であるが、これはPCやサーバの時刻調整においては十分な精度である。何故ならば、従来のアプリケーションの範囲では、ネットワーク上に存在する装置の時刻を、それぞれ単独に確認することが目的であったからである。例えばメール着信時刻はネットワーク上での伝送遅延などの影響を受けるため、送信時刻との差は非常に大きいが、その利用に当たってその差を重要視していなかった。しかし近年、電子商取引が普及するにつれ、時刻同期の精度が重要になってきている。
パケット通信網を対象とするOAM及びプロテクション技術は、既存の回線交換網において確立されたOAM技術を様々なパケット通信プロトコルに対しても適用しようとするものである。ここには時刻或は同期といった概念が含まれていない。これは、従来の伝送網では通信装置間が同期されていることが前提とされており、その仮定に基づき同期機能を含まない(含む必要のない)OAM技術が確立されてきたためである。OAMやプロテクション技術のフレームワークがほぼ完成した現在、パケット通信網を介した正確な時刻情報の伝達は、通信キャリアや企業内通信網(イントラネット)における通信網の状態を把握する上で不可欠な機能として検討が開始されている。同期技術とOAM技術との融合と、その双方を取り込んだ網管理技術に関しては、現在議論が行われており明確な最終形については推測の域を出ない。但し、これまでの文献を見るといくつかの試みが見られる。例えば特開2000−174815号公報(特許文献1)には、「送信するパケット各々にタイムスタンプを付加し、受信端のノードにおいてパケットタイムスタンプ比較部で現用系及び予備系各々のパケットに付加されたタイムスタンプを比較する」と記載されている(段落0054参照)。
これに対して、これまでの情報配信システムにおける系選択方法の検討は必ずしも十分ではない。特開2000−174815号公報では、具体的なタイムスタンプの送信方法、比較結果の利用方法については開示されていない。一般的なパケット通信網向けリニアプロテクション技術ではCCMフレームの到着間隔のみを監視しており、現用系と予備系の通信所要時間の差異や伝送効率については考慮されない。更に既存のOAM技術はP2P(Point−to−Point)接続を基本構成として検討されてきており、MP2P/MP2MP(Multipoint−to−Point/Multipoint)接続への対応に関する検討が遅れている。
a.同期網が存在する。サーバと中継網は予めクロック同期がとれている状態である。
b.時刻サーバより時刻情報が配信され、中継装置全体の時刻同期をとる。
このとき中継装置(時刻情報の受信装置)側で、時刻配信サーバ選択を行う。
c.時刻提供中の時刻配信サーバ(又は経路)を優先的にコンテンツ配信サーバ(又は経路)として利用することにより、情報配信時間の短縮を図る。
また、コンテンツ配信サーバと時刻配信サーバとは別の装置で構成することができる。必ずしも時刻配信とコンテンツ配信の両機能を単体サーバで収容する必要ない。なお、サーバ機能を実装する上で、これら両機能を同一ハードウェアで構成することも可能である。その際に、ハードウェア識別子を、発信サーバ識別子として利用できる。
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムであって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信システムが提供される。
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける情報配信方法であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信方法が提供される。
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける通信装置であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする通信装置が提供される。
図1は、本発明の実施の形態で想定する時刻配信サーバを含む通信システムの基本構成を示すネットワーク図である。
本図のネットワークは、複数のユーザ端末(又は企業内サーバ)610、620を収容するCE(Customer Edge)510を含む地域網(又はLAN)310と、同様にユーザ端末(又は企業サーバ)630を収容するCE520を含む地域網320とを、パケット通信網100で接続する構成である。パケット中継網100は多数の通信装置の組合せで構成されるが、ここでは説明を簡単にするため、TE(Transport Edge)110、120、TN(Transport Node)150を用いた構成例を示している。TE120、TN150には時刻情報ToD(Time of Day)を格納するストレージ(或はメモリ)121、151を備える。一般的には経路101、102、103は複数の通信装置で構成され、TE110、120、TN150以外にも多くの通信装置が相互に接続されパケット中継網100を構成する。
時刻配信信号20001−1〜3,2000i−1〜3、2000N−1〜4は、各時刻配信信号が配信される宛先の通信装置にて終端される。各通信装置は、自装置宛ての時刻情報の中から、最適なものを選択して採用する時刻情報を決定する。この時刻情報の選択方法については後述する。本図では、TE120では時刻配信サーバ200−1からの時刻を採用し、当該時刻をToDデータベース121に保持した状態を示す。TN150では、時刻配信サーバ200−iから提供される時刻情報を採用し、ToDデータベース151に当該情報を保持する。時刻配信サーバ200−Nは、TE120とTN150の双方に時刻情報を提供しているものの、TE120、TN150では、後述するアルゴリズムに基づき、時刻配信サーバ200−Nではなく、他の時刻配信サーバから受信する時刻情報を取得している。
時刻配信サーバは、通常データセンタ内に設置される。本図では時刻配信サーバ200−1がデータセンタ2000−1、時刻配信サーバ200−iがデータセンタ2000−i、時刻配信サーバ200−Nがデータセンタ2000−Nに、それぞれ設置される様子を示す。
通信装置210はデータセンタ2000−1において、TE120向けインタフェースを担うエッジ装置である。
TE120には、時刻情報を受信した際に当該受信時刻を自装置に設定すべきか否かを判定する時刻配信サーバセレクタ700を備える。時刻配信サーバ200−1と200−Nは、それぞれマスタークロックを備えるか、それぞれがGPS(Global Positioning System)など高精度の時刻発信源を参照する機能を備える。そのため、サーバ200−1と200−Nの相互の時刻ズレは無視できるものとする。
TE120は、時刻配信サーバ200−1と時刻配信サーバ200−Nから時刻情報を含むフレームを受け取る。TE120の時刻配信サーバセレクタ700は、それぞれのサーバから受信した時刻通知フレームに含まれる時刻情報と、当該フレームを受信した時点の時刻(セレクタ自体に設定されている標準時刻)との差分を比較する。経路201と204の双方から受信する時刻情報を比較参照した結果に基づき、受信フレームに含まれる時刻情報と受信時刻との時刻差分の少ない系を現用系とする。
時刻配信サーバセレクタ700がサーバから受信するユーザフレームについては、TE120内部にてコンテンツ種別判定を行い、該ユーザフレームに含まれるコンテンツ種別に応じて、そのまま受信フレームをユーザ端末宛てに配信するか、現用系から配信されたユーザフレームのみを配信し、予備系から配信されたユーザフレームを廃棄するかを決定する。ユーザフレームの通過経路は、例えば本図の構成例に従えば、TN150などの中継ノードを通りTE110に配信、またはLAN320のCE520に配信する。TE110は、受信したユーザフレームをLAN310を中継してCE510に配信、その後CE510がユーザ端末610や620に配信する。また、CE520は、受信したユーザフレームをユーザ端末630に配信する。TE120におけるユーザフレームの廃棄或は転送に係る判断については、後の図を用いて詳述する。
図3は、時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120の装置構成例を示す機能ブロック構成図である。セレクタ機能を備える通信装置(例えば図1のTN150、TE110)は共に機能ブロック構成は共通であるため、ここではTE120を例として説明する。本図を用いて、TE120における装置管理並びに通信信号処理について説明する。
TE120には、他の通信装置やサーバ、或いは端末装置等と接続するために、一つ又は複数の通信インタフェース11−1〜11−Nを備える。これらのインタフェース11をインタフェース部10に含み、インタフェース11を通じて受信した信号は入力バッファ21−1へ蓄積する。入出力管理部21は、入力バッファ21−1内部への書き込み開始や、入力バッファ21−1から入力フレーム処理部31へフレーム転送する際のタイミング指示を行う。信号受信有無の判定では、後述の図8〜10で示すように、特定の信号パターンが入力された場合を信号有りと判定する。該判定処理は、インタフェース部10にて当該パターンの監視を行うことにより実現する。インタフェース部10で信号入力を検知すると、入出力管理部21に当該情報をインプットし、入出力管理部21の指示に従い、入力バッファ21−1の所定のアドレスに入力信号を記録する。経路81及び81−1は、それぞれインタフェース部10から入出力管理部21、入力バッファ21−1への信号伝送又は状態通知に用いる信号経路である。
受信フレームが入力バッファ21−1から入力フレーム処理部31に転送され、入力フレーム処理部31において、受信信号の種別判定(プロトコル識別、主信号/制御信号識別など)やフレームヘッダの抽出、宛先確認、ヘッダ情報の付与・変換・削除を行う。受信フレームの宛先確認では、入力フレーム処理部31は、受信フレームの宛先を示すヘッダ情報を抽出し、該情報を経路表71と照合する。経路表71には該当する宛先へ向けて該フレームを送出するための情報を保持する。この情報には、送出インタフェース識別子、送出時に該フレームに付与すべきヘッダ情報を含む。
スイッチ50は、入力されるフレームの転送先(インタフェースボード、或いはインタフェースグループ)を決定する際に、当該フレームのヘッダ情報と経路切替表73とを比較参照することにより決定する。
また、図18以降で説明するように、入力フレーム処理部31では、上り信号に含まれるユーザアクションが対象とするサービスを識別する機能及び下り信号に含まれるユーザ宛てコンテンツを識別する機能を備える。本処理では、上りフレームに含まれるサービス識別子(Service ID:図15;1016−5)を参照する。入力フレーム処理部31は、上り信号受信に伴いサービス管理データベース74を参照することにより、当該サービス識別子1016−5に対応するサービスの提供状態及びユーザアクションの受付手段を確認する。サービス管理のためのシステム動作の詳細については、図14以降に示す実施の形態を用いて説明する。
サービス管理データベース74は、TE120が収容するサービスリスト及びその利用状況を保持するためのデータベースである。サービス管理データベース74の利用方法については、後述の図14にて説明する。
発信サーバ識別子4001、4005は、発信元のサーバや通信経路201〜204又はデータセンタ2000又はエッジ装置210等を表す識別子である。発信サーバ識別子は、同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)では、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信することができる。
装置内のレジスタ設定例(B)の、エントリ4060は、冗長系毎に1エントリ保持する。エントリ総数は実装に依存する。即ち、小型装置であれば装置全体で一つのテーブル(B)を備え、一つ又は複数の冗長系エントリを格納する。中型又は大型装置であればインタフェースカード毎にテーブルを備えて各テーブルに一つまたは複数の冗長系エントリを格納できる。本テーブルには、装置時刻4004、発信サーバ識別子4005、発信サーバ選択時刻4006、比較周期4007を含む。通信所要時間を比較する周期4007は、例えば、オペレータが入力することで予め設定される。ここで設定した比較周期を元に、ToDデータベース(A)に保持する時刻差分を比較する。比較周期4007の設定値はオペレータ等が変更しない限り固定の値となる。その他のフィールド4004〜4006の設定値は通信状態に応じて常に変動する。具体的には、装置の現在時刻、すなわちTE120がGPS等から受信している標準時刻を、装置時刻としてフィールド4004に格納する。更に、通信所要時間が短い経路を現用系として選択し、現用経路の時刻配信サーバの発信サーバ識別子を4005に格納する。また、フィールド4005に発信サーバ識別子を格納した時刻を発信サーバ選択時刻4006に格納する。
図5は、時刻配信サーバセレクタが複数の時刻配信サーバから一つを選択する際の処理手順を示すシーケンス図である。
本図では時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120の動作を示す。この例では、時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120へ時刻情報を配信するサーバは2つ、サーバA(図1の200−1)とサーバB(図1の200−N)である。サーバA(200−1)は、処理5010にて先ず標準時刻を入手する。標準時刻の入手方法は、GPSやマスタークロック(以降、MCと称する)、或は既設電話網のために敷設されているDCS(Digital Clock Supply)等から供給される時刻情報を抽出することが一般的である。標準時刻情報は、TE120宛てに時刻通知フレームとして配信する(5100)。
この時点で、接続された全サーバからの時刻情報がTE120へ通知されていない場合、或は一つのサーバからのみ時刻情報を受信する場合がある。この時は当該サーバと他のサーバとの通信所要時間比較ができないため、その段階で受信した時刻情報のうち最も良いもの(上記手段より算出した通信所要時間が最も短いもの。本図の例ではサーバA(200−1)に相当する)を時刻配信サーバとして仮選択し、TE120内(図4(B)のフィールド4004〜4006)に仮登録する。「仮」と称している理由は、その後より良いサーバ又は経路が存在することが判明した場合には、当該登録を改訂するためである。
複数の時刻配信サーバ(ここではサーバAとサーバBとする。)からの時刻情報を受信した場合、図4(B)の比較周期4007に基づき、それぞれのサーバからTE120への通信所要時間を比較して、TE120が利用するべき時刻配信サーバを選択する(5080)。ここでは両サーバからの通信所要時間のうち、より時間的に近い位置にあるサーバを選択する。時間的に近いことと、物理的距離が近いこととは必ずしも一致しない。その好例として、大容量回線にはトラフィックが集中する傾向があり輻輳が起きやすいのに対し、低速回線ではユーザトラフィックの集中が少なく、時刻通知フレーム程度であれば経路上(中継装置)の最低限の処理遅延のみで宛先へ届く場合がある。
処理5090では、TE120は、処理5050で仮登録していたサーバA(200−1)の受信時刻、またはサーバB(200−N)の受信時刻のうち、時刻配信サーバとして採用されたサーバから受信した受信時刻をTE120の装置設定時刻として採用し、図4(B)の発信サーバ選択時刻4006に登録する。また、TE120は、TE120の装置内時刻と採用されたサーバの識別子を、図4(B)の装置時刻4004と発信サーバ識別子4005に登録する。
図21は、時刻情報(ToD)を保持するデータベースの構成例及びセレクタ内の他のレジスタ設定例である。この図では、図4の発信サーバ識別子4001、4005の代わりに、通信経路識別子2101、2105が記憶される。図5における、時刻配信サーバセレクタが複数の時刻配信サーバから一つを選択する際の処理手順において、図4の発信サーバ識別子4001、4005を、図21のデータベースの通信経路識別子2101、2105に置き換えればよい。
先ずステップ6001では、時刻配信サーバセレクタ700は、受信フレームが時刻通知フレームか否かを判定する。受信フレームに時刻情報が付与されていない場合は、時刻配信サーバセレクタ700は、そのフレームをユーザフレームと見做して転送し(6012)、本フローを終了する。
受信フレームに時刻情報が付与されている場合、時刻配信サーバセレクタ700は、当該フレームを時刻通知フレームと見做して以下の処理を行う。時刻配信サーバセレクタ700は、先ず当該時刻通知フレームの送信元である時刻配信サーバを、フレームの配信元アドレス(SA)または経路識別子を確認することにより特定する(6002)。本図では、時刻配信サーバセレクタ700は、このステップに於いて、時刻情報の配信元サーバが現用系(時間的距離が近く、TE120に対する時刻配信サーバとして選択中のサーバを指す)か、或は予備系(その他の時刻配信サーバを指す)かの判別を行う。具体的には、フレームの配信元アドレス(SA)または経路識別子と、図4(B)の発信サーバ識別子4005または図14の経路識別子4014が、一致すれば現用系サーバ、不一致ならば予備系サーバから配信されたフレームであると判別できる。当該フレームの送信元が現用系時刻配信サーバの場合は、時刻配信サーバセレクタ700は、当該フレームに含まれている時刻情報を抽出し図4(A)のフィールド4002に記録する(6003)。ここでは該時刻情報を仮にSとする(6003)。時刻配信サーバセレクタ700は、更に当該時刻通知フレームがTE120に到着した時刻を図4(A)のフィールド4000に記録しておき、その時刻を仮にXとする(6004)。
時刻配信サーバセレクタ700は、受信フレームから、時刻情報S又はT、及び当該受信フレームの到着時刻X又はYを記録した後、更に時刻通知フレームを受信する可能性があるか否かを次のように判断する(6021)。図4で述べたように、図4(B)の比較周期(P)4007内であれば、時刻配信サーバセレクタ700は、更に別の時刻通知フレームを受信する可能性があるため待機する。そして、時刻配信サーバセレクタ700は、比較周期が終了した時点で、当該比較周期内に受信した時刻情報を比較開始する。
(X−S)と(Y−T)の大きさの比較を行う(6008)。(X−S)≦(Y−T)の場合、現用系時刻配信サーバ情報を継続利用する(6010)。(X−S)>(Y−T)の場合、時刻配信サーバセレクタ700は、{(X−S)−(Y−T)} がある一定の値TH1(即ち、前述の「時刻精度の分散を」考慮した一定の閾値)以下か否かを確認し(6009)、閾値TH1以下である場合は現用系時刻配信サーバを継続利用する(6010)。通信所要時間がある閾値TH1を超える場合は参照時刻配信サーバを、より時間的距離の近いサーバへ切替える(6011)。つまり、図4(B)の発信サーバ識別子4005を時間的距離の近いサーバのサーバ識別子に更新する。
図7は、本発明の実施の形態で想定する通信プロトコル構成方法を示すプロトコルスタック図である。本プロトコルスタックは、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルに基づく。
レイヤ3001〜3007は本プロトコルスタックを構成する各レイヤを示す。OSIレイヤ1に相当する物理媒体層はレイヤ3001である。本レイヤに分類される伝送媒体の例として光ファイバや同軸ケーブル、無線電波などが挙げられる。レイヤ3006は、OSIモデルのレイヤ2(リンク層)に相当する。本レイヤは主に電話網を代表とする既設通信網で用いられてきた伝送プロトコルを含む。伝送プロトコルの例としてEthernet、OTN、ATM、SONET/SDHが挙げられる。レイヤ1(3001)とレイヤ2(3002)とを合わせて物理層と呼ばれることがある。例えば、EthernetやSONET/SDH規格では伝送プロトコルと伝送媒体の双方を規定する規格を策定している。
レイヤ3006及び3007は、伝送プロトコル又はネットワーク層プロトコルにより運搬される情報、及び前記プロトコルを用いて実現される情報サービスを含むレイヤである。本レイヤは、OSI参照モデルのアプリケーション層に相当する。運搬される情報の例としてはGPS等で得られる時刻情報や、ユーザがWebページを閲覧する際のコンテンツが代表的である。伝送プロトコルを用いて実現されるアプリケーションには、例えばWeb記述言語であるHTTP、ファイル転送プロトコルであるFTP、時刻情報配信プロトコルであるNTPなどが挙げられる。レイヤ3007は、HTTP等の上位プロトコルを用いて実現されるアプリケーション群を指す。アプリケーションの例として動画配信、音声通信、音楽配信、Webコンテンツを効率的に配信するCDN(Content Delivery Network)、クラウドコンピューティングなどが挙げられる。本図の通信サービスモデルにおいて、トランスポート(レイヤ3001〜3004)以外のレイヤ(3005〜3007)を、トランスポート機能を基盤として提供されるアプリケーション(トランスポートプロトコルで運搬されるペイロード信号)という概念で捉えると、クライアント信号層と呼ぶことができる。
Ethernetでは個々の物理回線に対し、それぞれ複数の論理回線を設定できる。この論理回線(VLAN;Virtual Local Area Network)を識別するための識別子がVID(VLAN ID)である。VIDはVLANタグ1014内に含まれている。VLANタグの具体的な構成については図9で説明する。
CRC1017はビット誤りをチェックするために用いるフィールドで、Ethernetフレームの標準的な構成要素である。
VLAN タグ1015には、VLANタグを識別するTPID(1015−1)、優先度(PCP;Priority Code Point又はCoS;Class of Service)1015−2、CFI(1015−3)、発信サーバ識別子1015−5を含む。本構成の場合には、時刻情報(タイムスタンプ)は、通常、論理回線を識別するためのVIDフィールドの領域1015−4に挿入する。領域1015−4を用いる理由は、VLANタグフォーマットが予め国際的に決まったものであり、ベンダ毎の都合でフォーマットを変更してしまうと、通信システム構成及び拡張に重大な制約を課す可能性があるためである。タイムスタンプに利用できるフィールド長は全12ビットである。ここでは一例として、タイムスタンプ1015−4に8bit、発信サーバ識別子1015−5に4bitを割り当てた構成を示す。本構成を利用する場合には、タイムスタンプ運搬を目的とするTPID(1015−1)値を新たに設定しておく。こうすることにより既存のVLANタグ処理に準拠しつつ時刻情報を運搬するためのフレームを構成できる。
MPLSフレームはイーサネットフレームと同様に、ヘッダとペイロードとからなる。MPLSフレームのヘッダはOSI参照モデルのリンク層(レイヤ2)ヘッダ1021とMPLS特有のSHIMヘッダ1031〜1033で構成される。SHIMヘッダの数はMPLSを適用するシステムにより異なるが、MPLS対応装置による信号伝送を行うには、最低一つのSHIMヘッダが含まれている必要がある。尚、L2ヘッダとは、例えばリンク層プロトコルとしてイーサネットを想定すると、図8又は図9で示したような、DA1011、SA1012、Type1013を含むイーサネットヘッダ構成となる。また必要ならば、更にVLANタグが付与されることもあり、その場合にはVLANタグを含んだ(SHIMヘッダ以前の)ヘッダ部分を(本図では)L2ヘッダと称している。
SHIMヘッダには、MPLS対応装置が当該フレームを中継する際に(転送先を確認するために)参照するMPLSラベル、当該フレームの処理優先度を表すCoSフィールド1033−3、ラベルが続いた場合に該フレームが,ラベル・スタックの最後かどうかを指定するSフィールド1033−4、パケットの生存時間を示すTTL1033−5で構成される。MPLSフレームでは、SHIMヘッダに続きペイロード部1040を含む。
尚、MPLSフレームフォーマットを用いる場合もペイロード部1040を用いて時刻情報を通知することが可能である。この場合のペイロード1040部分の信号構成例は、図8でイーサネットフレームを例に説明した構成例と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
図2〜図10に示す時刻配信サーバ選択方法を、時刻配信以外のアプリケーション(図7のカテゴリ3006及び3007)へ適用することができる。即ち、図2〜図10で示す時刻配信サーバ選択を完了した後、選択された時刻配信サーバの属するデータセンタ(或は該サーバを管理するコンテンツプロバイダ)からユーザ端末610宛てに配信されるコンテンツを、他のプロバイダから提供されるコンテンツよりも優先的に処理する。
この処理は、時刻配信サーバセレクタ700において行うことができる。即ち、優先的に転送するべきコンテンツがTE120へ到達する(物理的又は論理的)経路は、TE120が時刻配信サーバから時刻情報を受信する経路と同一か、或は同一経路グループに属する。経路のグループ化は、例えばEthernetではVLAN、MPLSではSHIMヘッダを用いて実現できる。この特徴を利用して、複数のコンテンツ配信サーバからユーザ端末610宛てに同種のコンテンツを受信した場合、上記時刻配信経路(若しくはその経路が属するグループ、図1、図2;201)から受信するコンテンツを優先転送し、別経路(図1、図2;204)から(遅れて)受信した同コンテンツを廃棄する、という処理が可能となる。
同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバでは、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信する。
TE120は、コンテンツ配信サーバから何らかのコンテンツを受信すると、本フローチャートに従い転送要否の判断を実施する。先ず、TE120は、受信したコンテンツについて当該コンテンツを発信しているコンテンツ配信サーバの位置(コンテンツがTE120へ配信される経路)を、図4(B)を参照して、受信したフレームに含まれる経路情報(VLAN、SHIMヘッダ)または発信サーバ識別子を見ることにより配信元サーバが現用か予備系かの判別を行う(11001)。サーバの識別には、経路識別子(図14;4014)と発信サーバ識別子(図4;4001、図14;4015)のいずれか、あるいは両方を用いることができる。以降、これらをまとめて発信サーバ識別子と称する。
図12は、図3の構成に、コンテンツ配信サーバを選択するコンテンツサーバセレクタ900を加えた構成を示す。
時刻配信サーバセレクタ700により、時刻配信サーバ200−1又は200−Nのいずれかが選択された状態において、図7のプロトコルスタックにおけるカテゴリ3006又は3007に属する情報を中継する。即ち、コンテンツ配信に先立ち、TE120内部の時刻設定(ToDデータベース72への書込み)、選択中の時刻配信サーバ情報(図4(B)を参照)が完了していることを想定する。コンテンツサーバセレクタ900及び関連する各機能ブロックの処理は、後の図で説明する。
図13は、OAMフレームを用いた時刻通知方法を示すシーケンス図である。基本的な処理の流れは図2〜図10に示したものと同様である。本図の方法では、時刻配信サーバ200−1及び200−Nから通信装置TE120宛てに時刻情報を通知するため、既存の通信網保守管理(OAM)技術及びOAM信号通信用のフレームフォーマットを利用する。本図は、OAMの対象区間として、図14(後述)に示すようにコネクション設定されている状態を想定する。即ち、時刻配信サーバ200−1又は200−Nから通信装置120を通過し、中継網100の対向エッジ装置CE510までの区間を監視することを想定したシーケンス図である。
尚、図11に述べたように、本シーケンスにより時刻設定並びに情報は、時刻配信サーバ又は同経路の選択が完了した後、該情報を時刻情報以外(放送等)のデータ配信に適用できる。OAM監視区間を流れるコンテンツが異なり(時刻では無く、ビデオ・音声・画像等になる)、該コンテンツは通常OAM信号とは異なる信号フォーマットで構成し、定期的に送受信するOAM信号の間に挿入して送受する。この時、TE120におけるコンテンツ受信時の処理は図11に従う。このときのメリットは以下の通りである。
1.EtoEのOAMコネクションに対して適用できる。つまり、システムを拡張してユーザ端末まで時刻を配信できる。
2.情報配信のコネクションを継続したままで低レイヤ(例えば物理層)の接続(現用系と予備系)を動的に切り替えられる。
データ4070〜4110は、セッション情報データベース74のエントリを表す。本データベースには、コンテンツ配信サーバ800からセッション開始を表すフレームを受信した時刻(セッション開始時刻)4008、セッション終了を表すフレームを受信した時刻(セッション終了時刻)4009、セッションID(4010)、セッションの終了を表す終了フラグ4013が格納される。セッションID(4010)はユーザID(4011)とServiceID(4012)を含む。セッションの開始と終了を判定する方法は図15で説明する。コンテンツ配信サーバ800から配信されるコンテンツがTE120に到着すると、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、セッションID(4010)と終了フラグ4013を参照し、該コンテンツを収容するセッションが新規セッションか、継続中のセッションかを判別することができる。即ち、サービス管理データベース74のセッションID(4010)に受信したコンテンツのセッションIDが存在しない場合は新規セッションである。新規セッションである場合には、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、データベース74へ新たにエントリを追加する。また、受信したコンテンツのセッションIDが存在する場合は、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、終了フラグ4013を参照し、“0”である場合はセッションが継続中であり、“1”である場合はセッションが終了していることがわかる。
また、本ブロックに経路識別子4014、発信サーバ識別子4015、優先度などその他の情報4016を追加することもできる。例えば、経路識別子4014を追加することにより、サーバからユーザまでどの経路を用いてコンテンツが配信されるかがわかる。つまり、セッションを管理する精度が高まる。
図4(B)と同様に、比較周期4016をオプションとして追加することも可能である。全エントリ4120〜4150に同じ値を入れるか、エントリ毎に異なる値を設定するかはどちらでも良い。比較周期4016を設定しない場合は、いずれの時刻配信サーバから時刻情報を受信するたびに発信サーバ識別子の切替を行うか、または、各サーバから最後に受信した時刻情報を保持しておき、新しくいずれかの時刻配信サーバから時刻情報を受信する度に双方のサーバから最後に受信した配信時刻同士を比較し、時刻情報またはコンテンツを取得するための選択サーバを決定する方法がある。各サーバから最後に受信した時刻情報を保持する場合、サーバ又は通信経路に異常が生じた後も当該サーバを選択し続けることを回避するため、一定時間で時刻情報をクリアする。
図18は、時刻情報配信におけるサーバ選択方法を、コンテンツ配信に適用した場合のシステム概要を示すネットワーク構成図である。
本図の基本的な構成は図2のネットワーク図と同様である。時刻配信サーバ200をコンテンツ配信サーバ800に変更し、時刻配信サーバセレクタ700をコンテンツ配信サーバセレクタ900に変更した構成である。
本図の情報配信システムに於いて、ユーザ端末610は、コンテンツ配信サーバ800−1、800−Nの双方との通信が可能な接続状況にある。コンテンツ配信サーバ800−1と800−Nは相補的な関係にあり、共に同じ内容のコンテンツを保持し、ユーザ要求に応じて当該コンテンツを配信する機能を備えるものとする。このようなコンテンツ配信サーバの冗長化構成は、例えばエンドユーザに近い位置に多数のキャッシュサーバを備える大規模CDN(Content Delivery Network)や、ケーブルテレビなどネットワークを媒体としてユーザへコンテンツを提供する事業体が有するコンテンツ配信用データセンタ(地理的に近いデータセンタを複数構築するか、データセンタ内部に負荷分散などのため複数の配信サーバを備える)の場合に想定される。また、本発明の課題で述べた地震速報や避難勧告などの、携帯電話やテレビ画面へのプッシュ型コンテンツ配信サーバも、気象庁や携帯電話キャリアの持つコンテンツ配信サーバが地域ごとに分散配置されており、本図に示す構成の適用例に相当する。
データセンタ2000−1に属するコンテンツ配信サーバ800−1は、パケット中継網100のTE120を通過し、CE510に至る経路20001−10、1130を用いてユーザ端末へコンテンツを提供する。同様にコンテンツサーバ800−NもTE120を介してユーザへコンテンツを配信する機能を有する。これらのサーバはいずれもMEPとしての機能を備え、コネクション20001−10及び2000N−20に沿ってCCMフレームを送出する。
本図18ではTE120による選択処理の結果、サーバ800−1が選択され、ユーザ端末(或はCE510)へ向けて、ユーザ要求のあったコンテンツを提供する様子を示す。ユーザ端末610が発信し、CE510を介してTE120に至る信号1110が、前記要求フレームを表す。TE120は、該要求フレーム1110を受信すると、当該フレームを転送する宛先となるサーバを選択するため、自装置120内に保持される時刻配信サーバレジスタ(図4(B)のフィールド4005)を参照する。そして本レジスタのフィールド4005の登録に従い、コンテンツ配信サーバ(正確には時刻配信サーバが含まれるデータセンタを選択する。コンテンツ配信サーバは、当該データセンタ内又はその近辺に設置されていることを想定している)を選択し、当該サーバに対しユーザ要求1110を転送する(1120)。
なお、発信サーバ識別子4005は、同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)では、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信する。
本処理は、ユーザ要求が発生した時点で都度行われるため、同一ユーザが同一コンテンツの配信を要求する場合でも、要求を発信するタイミングにより選択されるサーバが異なる可能性がある。即ち、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、各時点で最も時間的距離の近いコンテンツ配信サーバを選択するように動作する。そのため或るコンテンツを配信中に時刻配信経路における通信所要時間が変動し、TE120が優先的に利用する時刻配信サーバを切替える必要が生じた場合、配信中の当該コンテンツについては継続中のセッションを維持して通信の継続性を確保する。その一方で、時刻配信サーバ切替後にユーザ要求を受信した場合には、更新した優先経路情報に基づいてユーザ要求の転送先サーバ/経路を決定する。このようにコンテンツの配信状況によっては、サービス継続性を維持するために、同時に複数のコンテンツ配信サーバを使用する状況が生じ得る。これを実現するためには、TE120内にコンテンツ配信状況(セッション継続状況)を管理するデータベースが必要である。該データベースには、(1)現在継続中のセッション、(2)当該セッションを維持するために選択中の経路ID若しくはサーバ/データセンタID、(3)セッション開始時間(ユーザ要求受け付け時刻、若しくはサーバのデータ配信開始時刻)、(4)セッション終了(予定)時刻を含む。終了時刻については、例えばオペレータによる静的経路設定を行う場合には予測可能であるが、コンテンツ毎に動的に変化し得る通信継続時間を予測することは現実的に不可能である。そこで(4)についてはオプション設定とし、ランダムに発生するユーザ要求に対し、動的に監視区間を設定してコンテンツ配信を行う場合には、コンテンツ配信が継続中か否かだけを参照すればよい。このデータベースの構成は、図14に示したテーブル構成例と同様であるため図示を省略する。
ユーザ端末610は、CE510にユーザ要求を表すフレームを送信し(7010)、CE510はその要求をTE 120に転送する(7011)。TE120は、レジスタの値(図4(B)のフィールド4005)をもとに参照元のコンテンツ配信サーバを選択し(7000)、その後ユーザ要求をコンテンツ配信サーバに転送できるように宛先をフレームに書き換え(7001)、そのフレームをサーバA800−1に転送する(7012)。コンテンツ配信サーバがユーザにコンテンツを配信する時、ユーザ610とサーバA800−1をネットワーク層におけるTCP/IPセッションの確立をする必要がある(7030)。ここでは、まず、TE120がユーザ要求を受信した際にセッション開始を確認できる。次に配信サーバはコンテンツの終了時にFINメッセージをTE120に送信する。するとTE120はセッションを終了する準備を行う。TE120がユーザからACKを受信すると、セッションが終了する。TCP/IPセッションの確立が完了すると、サーバA800−1は順次TE120に対してコンテンツの配信を行う(7020、7021、7022…、7029)。TE120は受信したコンテンツをCE510に転送し(7040…、7049)、CE510はユーザ端末610にそのフレームを転送する(7050…、7059)。TE120は、最終フレームを受信すると(具体的には、図15の説明にあるように、フレームに最終ビットがわかるようなフィールドを設けることにより最終フレームと判断することができる、または、FINメッセージ受信時にも最終フレームと判断することができる)、ユーザ端末610とサーバA800−1のTCP/IPセッションを終了し、サーバA800−1のコンテンツ配信が終了となる(7003)。サーバA800−1のコンテンツの配信が開始してから終了するまで、参照元サーバの変更ができないようブロックしておき、参照元サーバを変更しない(7100)。
また、「時刻」、「時刻情報」には、クロック信号(位相、タイミング)同期等の様々な時刻に関する情報を含めることができる。
120 中継網エッジ装置
200 時刻配信サーバ
700 時刻配信サーバセレクタ
Claims (10)
- 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムであって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1に記載の情報配信システムであって、
前記情報配信装置が前記通信装置に対し前記時刻情報を通知するための信号構成は、イーサネット(登録商標)を通信プロトコルとして用いる通信網における保守管理(OAM)信号の構成、又は、MPLS(MultiProtocol Label Switching)を通信プロトコルとする通信網における保守管理(OAM)信号の構成を採用することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1又は2に記載の情報配信システムであって、
前記レジスタは、
前記第1の時刻差と前記第2の時刻差とを比較する処理の周期を規定する比較周期をさらに保持し、
前記通信装置は、前記レジスタに設定された前記比較周期に基づき、前記第1及び第2の時刻差を比較し、時刻差が少ない前記第1又は第2の時刻配信装置を選択することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の情報配信システムであって、
前記通信装置は、
前記第1の時刻差と前記第2の時刻差の大小関係が逆転した場合に、時刻差の小さい方の前記第1又は第2の時刻配信装置を選択するよう変更し、
変更後の前記第1又は第2の時刻配信装置の装置識別子又は経路識別子を、前記レジスタに保持することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の情報配信システムであって、
前記通信装置は、
前記利用者端末から送出された情報配信要求信号を受信した際、前記情報配信要求信号が対象とする情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する前記第1及び第2の情報配信装置のうち、前記レジスタを参照して、時刻差が小さい装置識別子又は経路識別子の前記第1又は第2の情報配信装置へ、前記情報配信要求信号を転送することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項5に記載の情報配信システムであって、
前記通信装置は、
利用者優先度を識別するための利用者優先度データベースと、情報種別による優先度を識別するための情報優先度データベースとのいずれか又は双方を備え、
複数の前記利用者端末から複数の前記情報配信要求信号を受信した際、前記利用者優先度データベース及び/又は前記情報優先度データベースを参照し、前記利用者優先度と前記情報優先度のいずれか又は双方の情報に基づき、優先度の高い情報配信要求信号を送信した前記利用者端末に対し優先的に、前記選択された時刻差の少ない前記第1又は第2の情報配信装置に該情報配信要求信号を転送することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の情報配信システムであって、
前記通信装置は、
前記選択された前記第1又は第2の時刻配信装置の切替を実施する場合、提供中のサービスのセッションが継続中であった場合には、サーバ切替禁止期間中と判別し、前記セッションが終了するサーバ切替禁止期間後に前記第1又は第2の時刻配信装置の切替を実施することを特徴とする情報配信システム。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の情報配信システムであって、
前記第1又は第2の時刻配信装置は、GPS(Global Positioning System)或いはマスタークロック装置を含む標準時刻提供装置から受信する標準時刻情報を参照し、前記時刻情報を生成し、
前記通信装置は、前記時刻情報を自装置の設定時刻として処理すること、又は、前記標準時刻情報を参照して自装置の設定時刻を算出若しくは設定若しくは修正することを特徴とする情報配信システム。 - 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける情報配信方法であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信方法。 - 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける通信装置であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする通信装置。
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