JP5685518B2 - 情報配信システム及び方法、通信装置 - Google Patents

情報配信システム及び方法、通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5685518B2
JP5685518B2 JP2011263563A JP2011263563A JP5685518B2 JP 5685518 B2 JP5685518 B2 JP 5685518B2 JP 2011263563 A JP2011263563 A JP 2011263563A JP 2011263563 A JP2011263563 A JP 2011263563A JP 5685518 B2 JP5685518 B2 JP 5685518B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
information
distribution
communication
server
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011263563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013118425A (ja
Inventor
綾 佐藤
綾 佐藤
水谷 昌彦
昌彦 水谷
真央 新部
真央 新部
克剛 鈴木
克剛 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2011263563A priority Critical patent/JP5685518B2/ja
Publication of JP2013118425A publication Critical patent/JP2013118425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5685518B2 publication Critical patent/JP5685518B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)

Description

本発明は、情報配信システム及び方法、通信装置に係り、特に、時刻やコンテンツ等の情報を配信するサーバが複数存在する情報配信システムにおける、配信サーバ選択技術及び/又は経路選択技術に関する。本発明は、具体的には、例えば、サーバとユーザを接続する通信経路上に設置する伝送装置(セレクタ)において、セレクタとサーバとの通信状態(通信所要時間)に基づき最適なサーバを選択する通信経路の動的構築技術に関する。情報配信システムが取り扱う情報には、時刻情報、メール、P2P通信におけるファイル共有情報、SNSにおける相互通信情報、Webコンテンツ等を含む。
電話回線をベースに構築されてきた通信網は、現在IP(Internet Protocol)などインターネット技術を源泉とするパケット通信技術に移行しようとしている。従来の回線交換に比較すると、パケット多重技術により帯域を有効活用できることが特徴のひとつである。インターネットの普及当初は、LAN(Local Area Network)の伝送速度よりもWAN(Wide Area Network)の方が高速であったため、回線交換技術を用いる既存電話網上でパケットフォーマットの電気信号を送受する方法が主に検討されてきた。しかし2010年にLANの通信規格であったEthernet(登録商標であり、以下同様)規格を議論する標準化団体IEEEにおいて40Gbps及び100Gbpsイーサネット(登録商標であり、以下同様)規格が定められたことにより、史上初めて、LAN規格の伝送速度がWAN規格を超える現象が生じた。これにより回線交換に変わり、パケット通信向けの媒体(例えばイーサネット)を用いた高速大容量のパケット通信技術が通信キャリア網など業務用通信網に導入され始めている。
回線交換方式と比較した場合のパケット交換方式の大きな特徴は、通信装置が互いに同期されていないことにある。この特徴により、パケット通信網ではベストエフォート方式の通信を基本とする。より確実にデータを送信したい場合は、送達確認用プロトコル(TCP/IP)が用いられた。
近年、通信キャリア向けのパケット通信網内での通信網同期技術が盛んに議論されている。最新の技術では、マスタークロックを具備する装置からスレーブクロック装置への時刻/クロック配信を行うことにより、互いに接続される通信装置間において、或る精度での同期を確立できる。一方、通信キャリア以外に目を向けると、時刻或はクロックを、通信網を介して配信する技術は以前から検討されている。例えば一般ユーザ向けに従来提供されてきた時刻配信サービスには、電波を用いた時刻配信、電話回線を使用した時刻通知サービス、及びインターネットを利用した方法がある。電波を使用する時刻配信技術の典型的な応用例には電波時計がある。インターネット上の時刻配信として、例えばNTP(Network Time Protocol)を用いた時刻同期方法がある。
これまでの標準時刻配信は、メールやデータ等のやりとりにおけるタイムスタンプの利用(時刻の整合性をとること)が主なアプリケーションであった。NTPや既存電話線を使用した標準時刻配信における時刻精度は数msec程度であるが、これはPCやサーバの時刻調整においては十分な精度である。何故ならば、従来のアプリケーションの範囲では、ネットワーク上に存在する装置の時刻を、それぞれ単独に確認することが目的であったからである。例えばメール着信時刻はネットワーク上での伝送遅延などの影響を受けるため、送信時刻との差は非常に大きいが、その利用に当たってその差を重要視していなかった。しかし近年、電子商取引が普及するにつれ、時刻同期の精度が重要になってきている。
パケット通信網の整備が進められる中、通信障害が発生した場合の通信継続性を保証するための技術として、イーサネットやMPLS(Multi Protocol Label Switching)網を対象とするOAM(Operation,Administration and Maintenance)技術やプロテクション切替技術の規格化が進められ、通信キャリア網へ導入され始めている。通信装置同士が同期していないため、通信状況を監視する場合には、監視対象区間の端点(装置)から対向端点(装置)まで一定間隔で制御信号を送信し、その到着状況から、通信経路の状態(輻輳や障害の有無)を判断する手段が確立されている。
パケット通信網を対象とするOAM及びプロテクション技術は、既存の回線交換網において確立されたOAM技術を様々なパケット通信プロトコルに対しても適用しようとするものである。ここには時刻或は同期といった概念が含まれていない。これは、従来の伝送網では通信装置間が同期されていることが前提とされており、その仮定に基づき同期機能を含まない(含む必要のない)OAM技術が確立されてきたためである。OAMやプロテクション技術のフレームワークがほぼ完成した現在、パケット通信網を介した正確な時刻情報の伝達は、通信キャリアや企業内通信網(イントラネット)における通信網の状態を把握する上で不可欠な機能として検討が開始されている。同期技術とOAM技術との融合と、その双方を取り込んだ網管理技術に関しては、現在議論が行われており明確な最終形については推測の域を出ない。但し、これまでの文献を見るといくつかの試みが見られる。例えば特開2000−174815号公報(特許文献1)には、「送信するパケット各々にタイムスタンプを付加し、受信端のノードにおいてパケットタイムスタンプ比較部で現用系及び予備系各々のパケットに付加されたタイムスタンプを比較する」と記載されている(段落0054参照)。
現在、ネットワークの高速化や、家庭や企業におけるIT環境の整備により、ユーザがインターネットを介して情報を受け取る状況が増えてきている。例えばサーバからのメール配信(天気予報、ニュース速報など)である。また、ハイビジョンTVの普及などにより、データが大容量化してきている。ネットワークの複雑化、データの大容量化に伴い、通信帯域を有効に割り当てる必要がある。こうしたニーズの変遷を鑑みると、今後の通信網には更に高機能な網管理技術が求められる。
特開2000−174815号公報
緊急地震速報や避難勧告などのプッシュ型情報配信、特に緊急性の高い情報配信を考えた場合、一刻も早いメール配信が必要である。つまり、情報配信時に、より配信効率の良い通信経路を選択することが重要である。同様に、緊急時に備え、通信帯域占有率を低減することが必要である。そのためには、通常のコンテンツ配信においても最も効率の良い通信経路を選択することが求められる。
これに対して、これまでの情報配信システムにおける系選択方法の検討は必ずしも十分ではない。特開2000−174815号公報では、具体的なタイムスタンプの送信方法、比較結果の利用方法については開示されていない。一般的なパケット通信網向けリニアプロテクション技術ではCCMフレームの到着間隔のみを監視しており、現用系と予備系の通信所要時間の差異や伝送効率については考慮されない。更に既存のOAM技術はP2P(Point−to−Point)接続を基本構成として検討されてきており、MP2P/MP2MP(Multipoint−to−Point/Multipoint)接続への対応に関する検討が遅れている。
本発明の目的は、以上の点に鑑み、複数のサーバがユーザへの情報発信を行う通信システムにおいて、サーバからユーザに対し最も効率的に情報伝達できる通信経路を選択し、また同時に不要な通信パケットを選択的に廃棄することにより、通信網リソースの利用効率を改善することである。
本発明においては、特に、次のような特徴を有することができる。
a.同期網が存在する。サーバと中継網は予めクロック同期がとれている状態である。
b.時刻サーバより時刻情報が配信され、中継装置全体の時刻同期をとる。
このとき中継装置(時刻情報の受信装置)側で、時刻配信サーバ選択を行う。
c.時刻提供中の時刻配信サーバ(又は経路)を優先的にコンテンツ配信サーバ(又は経路)として利用することにより、情報配信時間の短縮を図る。
また、コンテンツ配信サーバと時刻配信サーバとは別の装置で構成することができる。必ずしも時刻配信とコンテンツ配信の両機能を単体サーバで収容する必要ない。なお、サーバ機能を実装する上で、これら両機能を同一ハードウェアで構成することも可能である。その際に、ハードウェア識別子を、発信サーバ識別子として利用できる。
本発明のひとつの態様によると、複数の時刻配信サーバより、パケット中継網を構成する通信装置に対して、時刻情報を配信する。複数の時刻配信サーバから時刻情報を受信した通信装置は、配信された時刻情報(配信時刻)と、該時刻情報を含む信号を実際に受信した時刻(受信時刻)及び前記配信時刻と前記受信時刻の差分を合わせて該装置内バッファに蓄える。通信装置は、前記時刻情報の差分の少ない経路から受信した配信時刻を装置内レジスタに記録しておき、通常のコンテンツ配信時にも、該通信装置と時間的距離の近いコンテンツ配信サーバを優先的に利用するよう信号受信経路を選択する。該通信装置がユーザ要求を受信した場合は、レジスタに記録されている時刻配信サーバの発信サーバ識別子を参照し、その時刻配信サーバの含むデータセンタ内のコンテンツ配信サーバを優先的に利用するようユーザ要求を転送する。
本発明の第1の解決手段によると、
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムであって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける情報配信方法であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする情報配信方法が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
で構成される情報配信システムにおける通信装置であって、
前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
ことを特徴とする通信装置が提供される。
本発明によると、緊急地震速報など緊急性(優先度)の高い情報を遅延なくより確実に配信できる。また、本発明によると、中継網リソースの利用効率を改善し、ユーザに対する情報配信効率を高めることができる。更に、本発明の通信経路選択技術を一般的な情報配信網に適用することにより、従来技術に比べユーザリクエストに対するサーバのレスポンス向上が見込まれる。更に、本発明によると、情報中継経路上のトラフィックの増大を抑止できるため、通信設備への投資コストを抑えられ、且つ通信網の輻輳等の異常状態を低減できることから運用の安定化が期待できる。
本発明の実施の形態で想定する時刻配信サーバを含む通信システムの基本構成を示すネットワーク図である。 図1からTE120に対する時刻配信に係るネットワーク構成装置を抽出したネットワーク図である。 時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120の装置構成例を示す機能ブロック構成図である。 時刻情報(ToD)を保持するデータベースの構成例及びセレクタ内のレジスタ設定例である。 時刻配信サーバセレクタを含むTE120が複数の時刻配信サーバから一つを選択する際の処理手順を示すシーケンス図である。 時刻配信サーバセレクタ700が時刻供給サーバの選択を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態で想定する通信プロトコル構成方法を示すプロトコルスタック図である。 時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレーム構成例を示す信号構成図である。 時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレームの別の構成例を示す信号構成図である。 時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレームの更に別の構成例を示す信号構成図である。 時刻配信サーバ選択後のコンテンツ配信手順を示すフローチャートである。 図3の構成に、コンテンツ配信サーバを選択するコンテンツサーバセレクタ900と、セッション管理データベース74を加えた構成図である。 TE120への時刻配信時に、時刻通知フレームに該フレームの発信時刻情報を付与する形態での時刻通知方法を示すシーケンス図である。 コンテンツ配信サーバセレクタ900がセッション情報を保持するためのデータベースの構成例である。 図15は、ユーザがコンテンツ配信サーバに対してコンテンツの要求をする場合のフレーム構成例を示す信号構成図である。 図16は、時刻配信サーバセレクタが配信元サーバの切替を行う際の、切替可否を考慮した切替手順を示すフローチャートである。 コンテンツ配信サーバセレクタ900が配信元サーバを切り替えた時刻を管理するデータベースの構成例である。 時刻情報配信におけるサーバ選択方法を、コンテンツ配信に適用した場合のシステム概要を示すネットワーク構成図である。 ユーザ要求に対するコンテンツ配信サーバ選択方法を示したシーケンス図である。 ユーザ要求を受信した際の、コンテンツ配信サーバセレクタにおけるコンテンツ配信サーバ選択手順を示すフローチャートである。 時刻情報(ToD)を保持するデータベースの構成例及びセレクタ内の他のレジスタ設定例である。
1.システム

図1は、本発明の実施の形態で想定する時刻配信サーバを含む通信システムの基本構成を示すネットワーク図である。
本図のネットワークは、複数のユーザ端末(又は企業内サーバ)610、620を収容するCE(Customer Edge)510を含む地域網(又はLAN)310と、同様にユーザ端末(又は企業サーバ)630を収容するCE520を含む地域網320とを、パケット通信網100で接続する構成である。パケット中継網100は多数の通信装置の組合せで構成されるが、ここでは説明を簡単にするため、TE(Transport Edge)110、120、TN(Transport Node)150を用いた構成例を示している。TE120、TN150には時刻情報ToD(Time of Day)を格納するストレージ(或はメモリ)121、151を備える。一般的には経路101、102、103は複数の通信装置で構成され、TE110、120、TN150以外にも多くの通信装置が相互に接続されパケット中継網100を構成する。
パケット中継網の内外には複数の時刻配信サーバ200−1、200−i、200−N(以降、一般的に時刻配信装置を指す場合は200を用いる)が存在する。これら時刻配信サーバ200は、パケット中継網100を構成する通信装置TE120、TN150等の通信装置に対し時刻情報を配信する。本図の例では、TE120に対して時刻配信サーバ200−1、200−Nが時刻情報を提供する。これら時刻配信サーバ200は、一般的な時刻配信サービスに用いられるサーバと同様の構成であり、例えば、自装置内にマスタークロックを備えるか、GPS(Global Positioning System)等の装置から時刻情報を入手しているものとする。時刻配信サーバ200は、本図ではパケット中継網100の外側に設置されているように見えるが、同様のサーバ機能をパケット中継網100内部に備えていても良い。またパケット中継網100を構成する通信装置のうち一つまたは複数がこれと同等の機能を備えていても良い。
時刻配信サーバ200−1はTE120の他、複数の通信装置に対して時刻情報を発信できる。図ではTE120宛ての時刻情報配信を20001−1、その他の通信装置への時刻情報配信を信号20001−2、20001−3で示す。時刻配信サーバ200−Nは、TE120、TE150に対して、それぞれ通信経路204及び203を用い、時刻情報2000N−1及び2000N−2を配信する。更にその他の通信装置に対し時刻情報2000N−3、2000N−4を配信する。同様に、時刻配信サーバ200−iはTN150への経路202を介した時刻情報2000i−1と、その他通信装置に対する時刻情報2000i−2、2000i−3を配信する。
時刻配信信号20001−1〜3,2000i−1〜3、2000N−1〜4は、各時刻配信信号が配信される宛先の通信装置にて終端される。各通信装置は、自装置宛ての時刻情報の中から、最適なものを選択して採用する時刻情報を決定する。この時刻情報の選択方法については後述する。本図では、TE120では時刻配信サーバ200−1からの時刻を採用し、当該時刻をToDデータベース121に保持した状態を示す。TN150では、時刻配信サーバ200−iから提供される時刻情報を採用し、ToDデータベース151に当該情報を保持する。時刻配信サーバ200−Nは、TE120とTN150の双方に時刻情報を提供しているものの、TE120、TN150では、後述するアルゴリズムに基づき、時刻配信サーバ200−Nではなく、他の時刻配信サーバから受信する時刻情報を取得している。
尚、パケット中継網100内の通信装置全てがTE120やTN150のように時刻情報取得機能を備えている場合と、一部の装置のみがこの時刻情報取得機能を備える場合の二通りの構成が可能である。本発明及び本実施の形態では、通信網全体が同期しているか否かについては不問とする。即ち、少なくともパケット通信経路を構成する一つの通信装置が上述の時刻情報取得機能を備えている場合を想定する。
時刻配信サーバは、通常データセンタ内に設置される。本図では時刻配信サーバ200−1がデータセンタ2000−1、時刻配信サーバ200−iがデータセンタ2000−i、時刻配信サーバ200−Nがデータセンタ2000−Nに、それぞれ設置される様子を示す。
通信装置210はデータセンタ2000−1において、TE120向けインタフェースを担うエッジ装置である。
図2は、図1からTE120に対する時刻設定に係るネットワーク構成装置を抽出したネットワーク図である。既に説明した図1に示された同一の符号を付された構成と同一の機能を有する構成要素については、説明を省略する。
TE120には、時刻情報を受信した際に当該受信時刻を自装置に設定すべきか否かを判定する時刻配信サーバセレクタ700を備える。時刻配信サーバ200−1と200−Nは、それぞれマスタークロックを備えるか、それぞれがGPS(Global Positioning System)など高精度の時刻発信源を参照する機能を備える。そのため、サーバ200−1と200−Nの相互の時刻ズレは無視できるものとする。
TE120は、時刻配信サーバ200−1と時刻配信サーバ200−Nから時刻情報を含むフレームを受け取る。TE120の時刻配信サーバセレクタ700は、それぞれのサーバから受信した時刻通知フレームに含まれる時刻情報と、当該フレームを受信した時点の時刻(セレクタ自体に設定されている標準時刻)との差分を比較する。経路201と204の双方から受信する時刻情報を比較参照した結果に基づき、受信フレームに含まれる時刻情報と受信時刻との時刻差分の少ない系を現用系とする。
予備系、すなわち時刻差分の大きい方の通信経路(本図では経路204)を介して配信された時刻配信フレームは時刻配信サーバセレクタ700で廃棄するか、ユーザ端末側へ転送される。ここで時刻配信フレームを廃棄するか転送するかは、通信網の経路構成(オペレータの通信網運用ポリシ)に依存する。本ポリシを含む代表的な通信網構成例については後述する。例えば、ユーザ端末装置TE110、CE510、地域網310、ユーザ端末610、620等がネットワーク経由での時刻情報通知を必要とする場合には、TE120又はTN150から時刻情報を配信できる。
時刻配信サーバセレクタ700がサーバから受信するユーザフレームについては、TE120内部にてコンテンツ種別判定を行い、該ユーザフレームに含まれるコンテンツ種別に応じて、そのまま受信フレームをユーザ端末宛てに配信するか、現用系から配信されたユーザフレームのみを配信し、予備系から配信されたユーザフレームを廃棄するかを決定する。ユーザフレームの通過経路は、例えば本図の構成例に従えば、TN150などの中継ノードを通りTE110に配信、またはLAN320のCE520に配信する。TE110は、受信したユーザフレームをLAN310を中継してCE510に配信、その後CE510がユーザ端末610や620に配信する。また、CE520は、受信したユーザフレームをユーザ端末630に配信する。TE120におけるユーザフレームの廃棄或は転送に係る判断については、後の図を用いて詳述する。
2.TE(1)

図3は、時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120の装置構成例を示す機能ブロック構成図である。セレクタ機能を備える通信装置(例えば図1のTN150、TE110)は共に機能ブロック構成は共通であるため、ここではTE120を例として説明する。本図を用いて、TE120における装置管理並びに通信信号処理について説明する。
TE120には、他の通信装置やサーバ、或いは端末装置等と接続するために、一つ又は複数の通信インタフェース11−1〜11−Nを備える。これらのインタフェース11をインタフェース部10に含み、インタフェース11を通じて受信した信号は入力バッファ21−1へ蓄積する。入出力管理部21は、入力バッファ21−1内部への書き込み開始や、入力バッファ21−1から入力フレーム処理部31へフレーム転送する際のタイミング指示を行う。信号受信有無の判定では、後述の図8〜10で示すように、特定の信号パターンが入力された場合を信号有りと判定する。該判定処理は、インタフェース部10にて当該パターンの監視を行うことにより実現する。インタフェース部10で信号入力を検知すると、入出力管理部21に当該情報をインプットし、入出力管理部21の指示に従い、入力バッファ21−1の所定のアドレスに入力信号を記録する。経路81及び81−1は、それぞれインタフェース部10から入出力管理部21、入力バッファ21−1への信号伝送又は状態通知に用いる信号経路である。
本図の中で、インタフェース部に接続する回線10−1〜10−Nは、物理回線又は論理回線を示す。後述の図8〜図10で示すように、信号フレームはVLANやMPLSタグを用いて論理的に識別されることが通例である。例えばインタフェース10−1〜10−Nを物理インタフェースと見做すと、個々のインタフェースには複数の論理回線10−1−1〜10−1−m1、10−2−1〜10−2−m2、10−N−1〜10−N−mNを含むことができる。個々の論理回線には、更に複数の論理回線を設定できる。例えば、後述の図9及び図10の信号構成例を参照すると、VLANタグを複数使用するか、MPLSでフレーム転送に用いられるシムヘッダを複数挿入することにより、多段階層から成る論理回線設定が可能である。
受信フレームが入力バッファ21−1から入力フレーム処理部31に転送され、入力フレーム処理部31において、受信信号の種別判定(プロトコル識別、主信号/制御信号識別など)やフレームヘッダの抽出、宛先確認、ヘッダ情報の付与・変換・削除を行う。受信フレームの宛先確認では、入力フレーム処理部31は、受信フレームの宛先を示すヘッダ情報を抽出し、該情報を経路表71と照合する。経路表71には該当する宛先へ向けて該フレームを送出するための情報を保持する。この情報には、送出インタフェース識別子、送出時に該フレームに付与すべきヘッダ情報を含む。
送出先が決定したフレームは、スイッチ50を介して宛先毎に振り分ける。即ちスイッチ50は複数のインタフェースボード間を接続する役割を担っており、スイッチ50に入力されるフレームに付属するヘッダ情報(フレーム本体のヘッダ情報又は装置内部のみで使用する「内部ヘッダ」情報)に基づき、当該フレームを送出すべきインタフェースを備えるインタフェースボード宛てに転送される。本図では通信装置の機能ブロックの相関関係を簡略化して図示しているため具体的な実現方法には触れていないが、このようなスイッチ50の役割を担う信号処理基盤と、個々のインタフェースを含むインタフェース用基板とをバックプレーンを用いて相互に接続する構成は一般的に用いられる。一般的には本図の中でスイッチ50のみ別基盤上に実装される。但し、具体的な実装方法の差異は本発明及び本実施の形態の本質とは関係しないため、詳細な説明は割愛する。
スイッチ50は、入力されるフレームの転送先(インタフェースボード、或いはインタフェースグループ)を決定する際に、当該フレームのヘッダ情報と経路切替表73とを比較参照することにより決定する。
以上の流れから、スイッチ50から出力フレーム処理部32が受信するフレームは、当該出力フレームが属するインタフェースボード上のインタフェース部10より外部に転送されるべきフレームである。出力フレーム処理部32では、入力フレーム処理部31と同様の処理を行う。即ち、受信信号の種別判定(プロトコル識別、主信号/制御信号識別など)やフレームヘッダの抽出、宛先確認、ヘッダ情報の付与・変換・削除を行う。受信フレームの宛先確認では、入力フレーム処理部31は受信フレームの宛先を示すヘッダ情報を抽出し、該情報を経路表71と照合する。一般的に、入力フレームと出力フレーム(入力フレームに対しヘッダ情報などを加工した転送用フレーム)が同一の通信プロトコルを使用している場合、入力フレームに対するほぼ全ての変更処理は入力フレーム処理部31で行い、その結果(ヘッダ変更結果)を参照してのスイッチ50処理と、出力インタフェースへの転送処理を行う。一方、例えば入力フレームと出力フレームが使用する通信プロトコルが互いに異なる場合や、同一の宛先に対して複数の送出インタフェースを利用可能な場合(典型的な例は、現用系と予備系の複数の経路から構成する冗長系で、一方の系における障害発生時に他方の系を用いるプロテクション機能を使用する場合などがある。)には、出力フレーム処理部32において、出力先経路の状態管理や出力フレームの宛先インタフェースの最終決定処理を行う。そのため、出力フレーム処理部32にも、上述のような経路表へのアクセス機能やインタフェース識別機能を備える。
出力フレーム処理部32は、受信フレームをインタフェース部10宛てに送出する迄の最後の処理を行うブロックである。本ブロックの機能には、ヘッダ情報の処理や、優先度別の送出処理(フレーム順序調整)、配信時刻(後述)までのフレーム保持が含まれる。出力フレーム処理部32にて、スイッチ50から受信したフレームを具体的に送出するインタフェース11−1〜11−Nを選択する。この処理には出力インタフェース設定表40−1を参照する。本データベース40−1には、フレームの宛先や論理経路情報(VLAN、MPLSラベルなど)とインタフェース11−1〜11−Nとの対応表を保存する。ヘッダ情報の処理は、例えば装置内部におけるフレーム処理に用いる内部ヘッダの削除、入力側と出力側とでプロトコルが異なる場合等の、ヘッダ情報の変更・付加・削除或いは処理状況を記録しておくためのフレーム情報の読取り処理が必要な場合に実施する。更に優先度処理は、フレーム優先度に応じて一部のフレームを処理する間、他のフレームを待機バッファ41に保持しておく処理、或いは待機バッファを利用してフレーム優先順位を確認し、出力バッファ22−1へ送る順序を並べ替える処理を含む。
時刻配信サーバセレクタを含むTE120の重要な役割として、サーバ200から配信される時刻情報を取り込み、自装置が時刻情報を受信するべきサーバ(若しくは該サーバと接続されている経路)選択を行わなければならない。この時にTE120はサーバ200−1と200−Nの双方から時刻情報を受信する。図1で述べたように、中継網100、時刻配信サーバ200は互いに時刻同期がとれている状態であるため、各サーバから受信する時刻情報が自装置(TE120)に到達した時刻を記録し、該到着時刻と時刻通知フレーム内に記録されている時刻情報を比較することで、いずれのサーバからの時刻情報がより短時間でTE120に到達したかを判断できる。ここで選択した時刻配信サーバから与えられる時刻情報は、TE120に設定されている時刻情報を最新の状態の保つ(時間経過に伴う制度劣化を抑える)ために用いる。
また、図18以降で説明するように、入力フレーム処理部31では、上り信号に含まれるユーザアクションが対象とするサービスを識別する機能及び下り信号に含まれるユーザ宛てコンテンツを識別する機能を備える。本処理では、上りフレームに含まれるサービス識別子(Service ID:図15;1016−5)を参照する。入力フレーム処理部31は、上り信号受信に伴いサービス管理データベース74を参照することにより、当該サービス識別子1016−5に対応するサービスの提供状態及びユーザアクションの受付手段を確認する。サービス管理のためのシステム動作の詳細については、図14以降に示す実施の形態を用いて説明する。
上述のサービス識別のための動作を以下に説明する。TE120は、情報(時刻)配信サーバ200−1又は200−Nからユーザ端末610又は620宛ての下り信号を受信すると、当該フレームに含まれるサービス識別子1016−5と、(もし含まれていれば)VLANタグ(図8、9)やSHIMヘッダ(図10)などの経路識別子、該サービスの有効期限(終了予定時刻)、時刻情報(timestamp:図8;1016−2、図9;1015−4、図10;1033−1)を含むサービス管理情報を抽出する。これらのうち、サービス識別子1016−5についてサービス管理データベース74を参照し、当該サービス識別子1016−5が既に記録されているか否かを確認する。既に登録されていれば該サービスについて有効期限の確認及び(必要な場合に)有効期限の更新を行う。未登録のサービス識別子である場合は、新たにサービス管理データベース74へ当該サービス情報(サービス識別子、有効期限を含む)を登録する。経路識別子が含まれている場合には、既存サービスについては経路を確認するために用いる。経路識別子をサービス識別子と共にサービス管理テーブル74に記録しておく実装も可能である。この時は、サービス識別子と経路識別子とを組み合わせてより細分化した情報管理が可能となる。
サービス管理データベース74は、TE120が収容するサービスリスト及びその利用状況を保持するためのデータベースである。サービス管理データベース74の利用方法については、後述の図14にて説明する。
以下、時刻情報の処理方法について補足する。下り信号から抽出した時刻情報については、入力フレーム処理部31から時刻(ToD;Time of Day)データベース121に格納する。本情報は、TE120内部の装置設定時刻乃至装置内動作クロックを調整するために利用する。本ToD情報は下り信号をユーザ端末610又は620宛てに転送する際の送出時刻(転送開始時刻)を調整するためにも用いることができる。更に本情報は、標準時刻情報をユーザ端末(610、620)方向の各通信装置或いは端末宛てに通知する際の基準時刻として、または、TE120がサーバ200から受信した下りフレーム(コンテンツを含むユーザフレーム等)を情報管理装置が受信した時刻からの(相対的な)待機時刻を判定するためにも利用することができる。
例えば、TE120がユーザフレームをユーザ端末610宛てに転送する際に、(A)当該フレームの出力フレーム処理部32から出力バッファ22−1への信号転送時刻を決定するために用いる、或いは、(B)当該フレームの出力バッファ22−1からインタフェース部10への信号読出し時刻を決定するために用いる。より詳細には、指定時刻まで待機した後に待機バッファから出力バッファ22−1へ転送するか、指定時刻に読出し制御部22から出力バッファ22−1又は待機バッファに格納した該フレームを強制的に読み出し、インタフェース部10へ送出するなどの手段が可能である。配信時刻対象サービスであるか否かは、サービス管理データベース74を参照するか、ユーザフレームに格納されるIP(Internet Protocol)のToS(Type of Service)又はEthernetフレーム(VLANタグ)に含まれるCoS(Class of Service)或いはMPLSフレーム(SHIMヘッダ)に含まれるCoSフィールドを参照することで判定できる。時刻調整サービスの対象としては、例えばビデオのネットワーク配信サービスにおける予約配信設定や、ビデオストリームをユーザが滑らかに視聴できるよう、他の非優先サービスを一定時間、TE120で待機させる場合などが挙げられる。
図4は、TE120が時刻情報(ToD)を保持するためのデータベース121の構成例(A)及びセレクタ内のレジスタ設定例(B)である。データ4010〜4050は、ToDデータベースのエントリを表す。本データベースは、時刻配信サーバ200からToDを受信した時刻4000、発信サーバ識別子4001、ToD情報発信時刻4002が格納される。更にToD受信時刻4000とToD情報発信時刻4002の差分(4000から4002までの経過時間)を、通信所要時間4003として格納する。このToD情報発信時刻は、時刻通知フレームに含まれる。該時刻情報を受信フレームから抽出し、該フレーム受信時刻とともに本テーブルのフィールド4000と4002に格納する。
発信サーバ識別子4001、4005は、発信元のサーバや通信経路201〜204又はデータセンタ2000又はエッジ装置210等を表す識別子である。発信サーバ識別子は、同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)では、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信することができる。
時刻配信サーバ200−1、200−2からそれぞれ配信された時刻配信フレームの通信所要時間4003を比較する手段は、後述の図6で説明する。
装置内のレジスタ設定例(B)の、エントリ4060は、冗長系毎に1エントリ保持する。エントリ総数は実装に依存する。即ち、小型装置であれば装置全体で一つのテーブル(B)を備え、一つ又は複数の冗長系エントリを格納する。中型又は大型装置であればインタフェースカード毎にテーブルを備えて各テーブルに一つまたは複数の冗長系エントリを格納できる。本テーブルには、装置時刻4004、発信サーバ識別子4005、発信サーバ選択時刻4006、比較周期4007を含む。通信所要時間を比較する周期4007は、例えば、オペレータが入力することで予め設定される。ここで設定した比較周期を元に、ToDデータベース(A)に保持する時刻差分を比較する。比較周期4007の設定値はオペレータ等が変更しない限り固定の値となる。その他のフィールド4004〜4006の設定値は通信状態に応じて常に変動する。具体的には、装置の現在時刻、すなわちTE120がGPS等から受信している標準時刻を、装置時刻としてフィールド4004に格納する。更に、通信所要時間が短い経路を現用系として選択し、現用経路の時刻配信サーバの発信サーバ識別子を4005に格納する。また、フィールド4005に発信サーバ識別子を格納した時刻を発信サーバ選択時刻4006に格納する。
実際の運用では、時刻配信サーバ200−1と200−Nから送信される時刻通知フレームが常に同時刻にTE120へ到達する訳ではない。経路長や当該経路を構成する中継装置における処理負荷の大小により、時刻配信フレームの到着時刻は随時変化する。そこで、両サーバからの時刻情報を比較するために、一定の比較周期4007を設ける。この比較周期4007はオペレータ等が任意に設定できる。セレクタ120では、比較周期4007内に到着した両サーバからの時刻情報を参照し、経路201と204を用いた場合の、両サーバとの通信所要時間を、当該フレームに格納されているサーバからの配信時刻から当該フレームの受信時刻を引くことにより算出する。このとき、もし一つの時刻配信サーバから、複数の時刻配信フレームが一つの比較周期4007内に到着した場合には、比較方法として2つの手段が考えられる。一つには、各サーバからの最新情報(即ち最後に受信した時刻情報)を当該サーバからの時刻情報として採用する方法である。もう一つの方法は、ある比較周期内に到着した時刻情報を統計的に処理し、その平均値や分散を比較する方法である。平均値を比較することは通信時間の長短を比較することになり、また分散を比較することは、当該経路の安定度を比較することになる。
3.時刻配信サーバ選択(1)

図5は、時刻配信サーバセレクタが複数の時刻配信サーバから一つを選択する際の処理手順を示すシーケンス図である。
本図では時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120の動作を示す。この例では、時刻配信サーバセレクタ700を含むTE120へ時刻情報を配信するサーバは2つ、サーバA(図1の200−1)とサーバB(図1の200−N)である。サーバA(200−1)は、処理5010にて先ず標準時刻を入手する。標準時刻の入手方法は、GPSやマスタークロック(以降、MCと称する)、或は既設電話網のために敷設されているDCS(Digital Clock Supply)等から供給される時刻情報を抽出することが一般的である。標準時刻情報は、TE120宛てに時刻通知フレームとして配信する(5100)。
TE120は時刻通知フレーム5100を受信すると(5030)、当該フレームの受信時刻を確認し、同時に該フレームに含まれる時刻情報を抽出する。TE120は、受信時刻、時刻通知フレームの発信サーバ識別子、抽出した時刻をToDデータベース(図4(A)の4000,4001,4002)に記録する。TE120は、これらの情報を用いて、個々のサーバからTE120までの通信所要時間を、当該フレームに格納されているサーバからの配信時刻から当該フレームの受信時刻を引くことにより算出し、ToDデータベース(図4(A)のフィールド4003)に記録する(5040)。
この時点で、接続された全サーバからの時刻情報がTE120へ通知されていない場合、或は一つのサーバからのみ時刻情報を受信する場合がある。この時は当該サーバと他のサーバとの通信所要時間比較ができないため、その段階で受信した時刻情報のうち最も良いもの(上記手段より算出した通信所要時間が最も短いもの。本図の例ではサーバA(200−1)に相当する)を時刻配信サーバとして仮選択し、TE120内(図4(B)のフィールド4004〜4006)に仮登録する。「仮」と称している理由は、その後より良いサーバ又は経路が存在することが判明した場合には、当該登録を改訂するためである。
一方、サーバB(200−N)からも同様にTE120宛てに時刻方法を配信する。TE120は、処理5030〜5040と同様に、サーバB(200−N)から送出される時刻通知フレーム5200を終端し、当該フレームの到着時刻と、当該フレームの発信サーバ識別子と、当該フレーム内に記載されている時刻情報を抽出し、ToDデータベース(図4(A)のフィールド4000,4001,4002)に記録する。また、TE120は、サーバからTE120までの通信所要時間を、当該フレームに格納されているサーバからの配信時刻から当該フレームの受信時刻を引くことにより算出し、ToDデータベース(図4(A)の4003)に保存する。
複数の時刻配信サーバ(ここではサーバAとサーバBとする。)からの時刻情報を受信した場合、図4(B)の比較周期4007に基づき、それぞれのサーバからTE120への通信所要時間を比較して、TE120が利用するべき時刻配信サーバを選択する(5080)。ここでは両サーバからの通信所要時間のうち、より時間的に近い位置にあるサーバを選択する。時間的に近いことと、物理的距離が近いこととは必ずしも一致しない。その好例として、大容量回線にはトラフィックが集中する傾向があり輻輳が起きやすいのに対し、低速回線ではユーザトラフィックの集中が少なく、時刻通知フレーム程度であれば経路上(中継装置)の最低限の処理遅延のみで宛先へ届く場合がある。
つぎに、TE120は、例えばサーバA(200−1)を選択した場合、サーバB(200−N)に標準時刻配信の停止または配信頻度の抑制を指示することができる(5300)。但し、本機能は必須ではなく、常時両サーバからの時刻を受信し続ける方法でも運用可能である。サーバAを時刻供給サーバとして選択した後も、サーバAとTE120とを接続する回線の伝送性能は、トラフィック状況により随時変化する。そのため常時両(全)サーバから時刻供給を受けておくことにより、最も時刻精度の高い(時間的距離の短い)サーバを随時選択可能である。サーバBに対して時刻情報配信を抑止、或は送信時間間隔を広げるように指示する(5300)ことのメリットは、サーバBとTE120との通信回線におけるユーザデータ向け通信帯域を確保する(帯域リソースを効率的に利用する)ことにある。
処理5090では、TE120は、処理5050で仮登録していたサーバA(200−1)の受信時刻、またはサーバB(200−N)の受信時刻のうち、時刻配信サーバとして採用されたサーバから受信した受信時刻をTE120の装置設定時刻として採用し、図4(B)の発信サーバ選択時刻4006に登録する。また、TE120は、TE120の装置内時刻と採用されたサーバの識別子を、図4(B)の装置時刻4004と発信サーバ識別子4005に登録する。
ここで、発信サーバ識別子は、通信経路識別子と置き換えることも可能である。この場合、TE120等の中継装置から見た上流装置を選択する際に、接続経路(ポート)ID等の通信経路識別子を用いるか、接続先装置ID等の発信サーバ識別子を用いるかの違いである。
図21は、時刻情報(ToD)を保持するデータベースの構成例及びセレクタ内の他のレジスタ設定例である。この図では、図4の発信サーバ識別子4001、4005の代わりに、通信経路識別子2101、2105が記憶される。図5における、時刻配信サーバセレクタが複数の時刻配信サーバから一つを選択する際の処理手順において、図4の発信サーバ識別子4001、4005を、図21のデータベースの通信経路識別子2101、2105に置き換えればよい。
図6は、時刻配信サーバセレクタ700が時刻配信サーバの選択を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、時刻配信サーバ200−1又は200−Nからの下り信号を受信した場合に実行する。
先ずステップ6001では、時刻配信サーバセレクタ700は、受信フレームが時刻通知フレームか否かを判定する。受信フレームに時刻情報が付与されていない場合は、時刻配信サーバセレクタ700は、そのフレームをユーザフレームと見做して転送し(6012)、本フローを終了する。
受信フレームに時刻情報が付与されている場合、時刻配信サーバセレクタ700は、当該フレームを時刻通知フレームと見做して以下の処理を行う。時刻配信サーバセレクタ700は、先ず当該時刻通知フレームの送信元である時刻配信サーバを、フレームの配信元アドレス(SA)または経路識別子を確認することにより特定する(6002)。本図では、時刻配信サーバセレクタ700は、このステップに於いて、時刻情報の配信元サーバが現用系(時間的距離が近く、TE120に対する時刻配信サーバとして選択中のサーバを指す)か、或は予備系(その他の時刻配信サーバを指す)かの判別を行う。具体的には、フレームの配信元アドレス(SA)または経路識別子と、図4(B)の発信サーバ識別子4005または図14の経路識別子4014が、一致すれば現用系サーバ、不一致ならば予備系サーバから配信されたフレームであると判別できる。当該フレームの送信元が現用系時刻配信サーバの場合は、時刻配信サーバセレクタ700は、当該フレームに含まれている時刻情報を抽出し図4(A)のフィールド4002に記録する(6003)。ここでは該時刻情報を仮にSとする(6003)。時刻配信サーバセレクタ700は、更に当該時刻通知フレームがTE120に到着した時刻を図4(A)のフィールド4000に記録しておき、その時刻を仮にXとする(6004)。
TE120が受信した時刻通知フレームの送信元が予備系時刻配信サーバであった場合は、時刻配信サーバセレクタ700は、同様に受信フレームに記載されている時刻情報を配信時刻T、フレームの受信時刻Yを図4(A)のフィールド4002、4000に記録する。
時刻配信サーバセレクタ700は、受信フレームから、時刻情報S又はT、及び当該受信フレームの到着時刻X又はYを記録した後、更に時刻通知フレームを受信する可能性があるか否かを次のように判断する(6021)。図4で述べたように、図4(B)の比較周期(P)4007内であれば、時刻配信サーバセレクタ700は、更に別の時刻通知フレームを受信する可能性があるため待機する。そして、時刻配信サーバセレクタ700は、比較周期が終了した時点で、当該比較周期内に受信した時刻情報を比較開始する。
先ず、時刻配信サーバセレクタ700は、比較周期内に複数の時刻配信サーバからの時刻情報を受信したか、一つのサーバからのみ情報を受信したかを確認する(6007)。ここで両系から配信された時刻情報の格納が完了したことが確認されると、時刻配信サーバセレクタ700は、
(X−S)と(Y−T)の大きさの比較を行う(6008)。(X−S)≦(Y−T)の場合、現用系時刻配信サーバ情報を継続利用する(6010)。(X−S)>(Y−T)の場合、時刻配信サーバセレクタ700は、{(X−S)−(Y−T)} がある一定の値TH1(即ち、前述の「時刻精度の分散を」考慮した一定の閾値)以下か否かを確認し(6009)、閾値TH1以下である場合は現用系時刻配信サーバを継続利用する(6010)。通信所要時間がある閾値TH1を超える場合は参照時刻配信サーバを、より時間的距離の近いサーバへ切替える(6011)。つまり、図4(B)の発信サーバ識別子4005を時間的距離の近いサーバのサーバ識別子に更新する。
なお、比較周期内に単一のサーバからのみ時刻情報を受信した場合は、該サーバを時刻供給サーバとして登録する。即ち、現用系時刻配信サーバのみが時刻情報を供給する状況では、現用系時刻配信サーバを継続利用する(6010、6013)。比較周期内に時刻情報を提供するサーバが予備系(現用系ではない)サーバからのみであった場合は、そのサーバが該測定時点での唯一の時刻供給サーバと判断し、時刻供給サーバのTE120内での登録(図4(B)の発信サーバ識別子4005)を更新する(6011、6013)。つまり、図4(B)の発信サーバ識別子4005を予備系サーバのサーバ識別子に更新する。
4.プロトコルスタック構成及びフレーム構成

図7は、本発明の実施の形態で想定する通信プロトコル構成方法を示すプロトコルスタック図である。本プロトコルスタックは、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルに基づく。
レイヤ3001〜3007は本プロトコルスタックを構成する各レイヤを示す。OSIレイヤ1に相当する物理媒体層はレイヤ3001である。本レイヤに分類される伝送媒体の例として光ファイバや同軸ケーブル、無線電波などが挙げられる。レイヤ3006は、OSIモデルのレイヤ2(リンク層)に相当する。本レイヤは主に電話網を代表とする既設通信網で用いられてきた伝送プロトコルを含む。伝送プロトコルの例としてEthernet、OTN、ATM、SONET/SDHが挙げられる。レイヤ1(3001)とレイヤ2(3002)とを合わせて物理層と呼ばれることがある。例えば、EthernetやSONET/SDH規格では伝送プロトコルと伝送媒体の双方を規定する規格を策定している。
レイヤ3003は、近年需要が急増している通信網同期プロトコルにより提供されるサービスである。通信網同期には、時刻同期、クロック同期、位相同期等の種類があり、これらを実現するためのプロトコルとしてPTP、PTPv2などが策定されている。本発明及び本実施の形態の通信システム及び通信装置では、レイヤ3003で実現される同期通信網を基盤として、通信装置、サーバ、ユーザ端末間で通信信号を送受する。本図では信号種別を2種類に分類して示している。一つは通信網の保守管理(OAM;Operation、Administration and Maintenance)機能、もう一つはユーザデータである。パケット通信網を例とすると、OAMフレームとユーザデータフレームのいずれも、EthernetやMPLS(又はMPLS−TP)等の汎用通信プロトコルを利用して送受される。EthenetやMPLS,MPLS−TPを伝送プロトコルとして使用するレイヤ3003、3004が、OSI参照モデルのレイヤ2(リンク層)に相当する。即ち、レイヤ3003で実現する時刻同期機能と、レイヤ3004で実現するOAM機能は、リンク層プロトコルに対する拡張機能と考えることができる。更に、電話網等の伝統的な通信網モデルに則れば、物理層(レイヤ3001、3002)とリンク層(レイヤ3003、3004)をまとめてトランスポート層と称する。Ethernetは物理層からリンク層までを包含する規格であるため、本図に示すトランスポート(レイヤ3001〜3004)全体に係る規定であると言える。
レイヤ3005は、OSI参照モデルのネットワーク層及びセッション層に相当する。TCP/IPやUDP/IPがレイヤ3005における代表的なプロトコルである。本発明及び本実施の形態では、通信セッション管理を行うために本レイヤ3005の情報を利用する(図14参照)。
レイヤ3006及び3007は、伝送プロトコル又はネットワーク層プロトコルにより運搬される情報、及び前記プロトコルを用いて実現される情報サービスを含むレイヤである。本レイヤは、OSI参照モデルのアプリケーション層に相当する。運搬される情報の例としてはGPS等で得られる時刻情報や、ユーザがWebページを閲覧する際のコンテンツが代表的である。伝送プロトコルを用いて実現されるアプリケーションには、例えばWeb記述言語であるHTTP、ファイル転送プロトコルであるFTP、時刻情報配信プロトコルであるNTPなどが挙げられる。レイヤ3007は、HTTP等の上位プロトコルを用いて実現されるアプリケーション群を指す。アプリケーションの例として動画配信、音声通信、音楽配信、Webコンテンツを効率的に配信するCDN(Content Delivery Network)、クラウドコンピューティングなどが挙げられる。本図の通信サービスモデルにおいて、トランスポート(レイヤ3001〜3004)以外のレイヤ(3005〜3007)を、トランスポート機能を基盤として提供されるアプリケーション(トランスポートプロトコルで運搬されるペイロード信号)という概念で捉えると、クライアント信号層と呼ぶことができる。
尚、レイヤ3003及び3006に含まれる時刻情報は、GPSやマスタークロック(MC)と呼ばれる時刻供給装置/システムから入手できる。本発明及び本実施の形態では時刻情報の入手元の違いは効果に影響しないためどのような手段を用いても良い。図1〜図10に示す実施の形態1に於いて、通信システム(図1、少なくとも中継網100と複数の時刻配信サーバ200)については、レイヤ3003の機能により網同期が確立されている。一方、時刻配信サーバからTE120へ通知する時刻情報は、レイヤ3006で表わされるアプリケーション情報として扱い、時刻配信サーバ200が送出した時刻情報は、TE120へ到達するまでの経路途上で変更/修正されたり失われたりすることが無い。
図8は、時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレーム構成例を示す信号構成図である。イーサOAMフレームは大きく分けるとヘッダとペイロードとから成り、ヘッダの先頭はフレームの先頭を表すプリアンブル1001、デリミタ1002と続く。更に、宛先アドレスを示すDA(Destination Address)1011、発信元アドレスを示すSA(Source Address)1012、Ethernetの上位プロトコル種別を示すType1013が含まれる。DA1011、SA1012、Type1013がEthernetフレームの基本的なヘッダ構成要素である。
Ethernetでは個々の物理回線に対し、それぞれ複数の論理回線を設定できる。この論理回線(VLAN;Virtual Local Area Network)を識別するための識別子がVID(VLAN ID)である。VIDはVLANタグ1014内に含まれている。VLANタグの具体的な構成については図9で説明する。
本信号構成図では、ペイロード部1016に時刻情報を挿入してTE120宛て配信する方法を示す。ペイロード1016は、通常Ethernetフレームが上位プロトコル或はサービス情報を搭載するために使用する。本信号構成では、このペイロード部1016に時刻情報を記載してTE120宛て配信する。ここでペイロード部1016に記載する情報には、時刻情報(タイムスタンプ)1016−2を少なくとも含む。また、時刻情報以外の上位プロトコル又はサービス情報を同時に一つのペイロード1016へ搭載することも可能である。このような場合には、ペイロード開始位置8000(タイムスタンプの開始位置)から、タイムスタンプフィールドの終了位置までの長さ(タイムスタンプ長)を示すための情報が必要となる。本信号構成例に於いては、追加ヘッダ長フィールド1016−1がその役割を担う。即ち、ペイロード開始位置8000から追加ヘッダ長1016−1だけ過ぎた位置が、時刻情報以外の上位プロトコル/サービス情報の開始位置となる。発信サーバ識別子1016−3は、発信元のサーバや、通信経路201〜204又はデータセンタ2000又はエッジ装置210等を表す識別子である。発信サーバ識別子は、同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバでは、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信することができる。
CRC1017はビット誤りをチェックするために用いるフィールドで、Ethernetフレームの標準的な構成要素である。
図9は、時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレームの別の構成例を示す信号構成図である。本図は図8で示したフレーム内の時刻情報を示すフィールド(タイムスタンプ)1016−2を、ペイロード部1016ではなくVLAN タグ1015に挿入する場合のフレーム構成例である。
VLAN タグ1015には、VLANタグを識別するTPID(1015−1)、優先度(PCP;Priority Code Point又はCoS;Class of Service)1015−2、CFI(1015−3)、発信サーバ識別子1015−5を含む。本構成の場合には、時刻情報(タイムスタンプ)は、通常、論理回線を識別するためのVIDフィールドの領域1015−4に挿入する。領域1015−4を用いる理由は、VLANタグフォーマットが予め国際的に決まったものであり、ベンダ毎の都合でフォーマットを変更してしまうと、通信システム構成及び拡張に重大な制約を課す可能性があるためである。タイムスタンプに利用できるフィールド長は全12ビットである。ここでは一例として、タイムスタンプ1015−4に8bit、発信サーバ識別子1015−5に4bitを割り当てた構成を示す。本構成を利用する場合には、タイムスタンプ運搬を目的とするTPID(1015−1)値を新たに設定しておく。こうすることにより既存のVLANタグ処理に準拠しつつ時刻情報を運搬するためのフレームを構成できる。
図10は、時刻配信サーバから通信装置への時刻情報配信に使用する時刻通知フレームの更に別の構成例を示す信号構成図である。図8、図9にてイーサネットフレームをベースとする信号構成方法を示したのに対し、本図では別の伝送プロトコルとしてMPLSを想定した場合の信号構成例を示す。
MPLSフレームはイーサネットフレームと同様に、ヘッダとペイロードとからなる。MPLSフレームのヘッダはOSI参照モデルのリンク層(レイヤ2)ヘッダ1021とMPLS特有のSHIMヘッダ1031〜1033で構成される。SHIMヘッダの数はMPLSを適用するシステムにより異なるが、MPLS対応装置による信号伝送を行うには、最低一つのSHIMヘッダが含まれている必要がある。尚、L2ヘッダとは、例えばリンク層プロトコルとしてイーサネットを想定すると、図8又は図9で示したような、DA1011、SA1012、Type1013を含むイーサネットヘッダ構成となる。また必要ならば、更にVLANタグが付与されることもあり、その場合にはVLANタグを含んだ(SHIMヘッダ以前の)ヘッダ部分を(本図では)L2ヘッダと称している。
SHIMヘッダには、MPLS対応装置が当該フレームを中継する際に(転送先を確認するために)参照するMPLSラベル、当該フレームの処理優先度を表すCoSフィールド1033−3、ラベルが続いた場合に該フレームが,ラベル・スタックの最後かどうかを指定するSフィールド1033−4、パケットの生存時間を示すTTL1033−5で構成される。MPLSフレームでは、SHIMヘッダに続きペイロード部1040を含む。
MPLSフレームを用いて時刻情報を配信する際には、MPLSラベル値を挿入するフィールド1033−2にタイムスタンプを挿入する。この場合、タイムスタンプとして使用できるフィールドは16ビットとなる。本フォーマットを利用するには、転送用ラベルを含むSHIMヘッダと時刻情報を運搬する(SHIMヘッダ形式の)フィールドとを識別する必要がる。例えば、Sフィールド1033−4は転送用ラベルの最後を表すため、時刻情報を含むSHIMフィールドの一段前のSHIMヘッダでSビットを“1”とするなどの工夫が必要である。また、SHIMヘッダには、発信サーバ識別子1033−1を含むこともできる。
尚、MPLSフレームフォーマットを用いる場合もペイロード部1040を用いて時刻情報を通知することが可能である。この場合のペイロード1040部分の信号構成例は、図8でイーサネットフレームを例に説明した構成例と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
5.コンテンツ配信(1)

図2〜図10に示す時刻配信サーバ選択方法を、時刻配信以外のアプリケーション(図7のカテゴリ3006及び3007)へ適用することができる。即ち、図2〜図10で示す時刻配信サーバ選択を完了した後、選択された時刻配信サーバの属するデータセンタ(或は該サーバを管理するコンテンツプロバイダ)からユーザ端末610宛てに配信されるコンテンツを、他のプロバイダから提供されるコンテンツよりも優先的に処理する。
この処理は、時刻配信サーバセレクタ700において行うことができる。即ち、優先的に転送するべきコンテンツがTE120へ到達する(物理的又は論理的)経路は、TE120が時刻配信サーバから時刻情報を受信する経路と同一か、或は同一経路グループに属する。経路のグループ化は、例えばEthernetではVLAN、MPLSではSHIMヘッダを用いて実現できる。この特徴を利用して、複数のコンテンツ配信サーバからユーザ端末610宛てに同種のコンテンツを受信した場合、上記時刻配信経路(若しくはその経路が属するグループ、図1、図2;201)から受信するコンテンツを優先転送し、別経路(図1、図2;204)から(遅れて)受信した同コンテンツを廃棄する、という処理が可能となる。
尚、TE120が非優先経路204で受信したコンテンツを廃棄するか否かは、コンテンツ種別と本システムに関するオペレータの運用ポリシに依存する。例えばTE120が一方の経路から受信するコンテンツを廃棄し、中継網100へ転送するコンテンツ量を抑えることによって、中継網100内部における通信網リソースの消費が抑えられ、通信性能の安定化(品質向上)につながる。また別の例として、地震速報などの緊急性を伴う情報については両サーバ(経路201及び204)から受信する該情報を全て転送することにより、ユーザ端末610に対する情報配信の耐障害性を向上し、より確実な通知を行うことができる。この判断に必要な情報は、サービス管理データベース74に格納する。該データベース74は、(1)コンテンツ種別、コンテンツ識別子(例えばグローバルに固有な識別子、又はプロバイダ内で固有の識別子を適用できる)、コンテンツプロバイダ識別子のうち一つまたは複数の組合せで判断できるエントリと、個々のテーブルエントリ毎に設定する転送要否に関する情報を含む。
図11は、上述した時刻配信サーバ選択後のコンテンツ配信手順を示すフローチャートである。
同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバでは、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信する。
TE120は、コンテンツ配信サーバから何らかのコンテンツを受信すると、本フローチャートに従い転送要否の判断を実施する。先ず、TE120は、受信したコンテンツについて当該コンテンツを発信しているコンテンツ配信サーバの位置(コンテンツがTE120へ配信される経路)を、図4(B)を参照して、受信したフレームに含まれる経路情報(VLAN、SHIMヘッダ)または発信サーバ識別子を見ることにより配信元サーバが現用か予備系かの判別を行う(11001)。サーバの識別には、経路識別子(図14;4014)と発信サーバ識別子(図4;4001、図14;4015)のいずれか、あるいは両方を用いることができる。以降、これらをまとめて発信サーバ識別子と称する。
受信フレームの発信サーバ識別子(例えば、図8;1016−3、図9;1015−5、図10;1033−1)が現用系経路(選択中の時刻受信経路と同一又は同一グループに属する経路)と一致した場合、即ち図4(B)の発信サーバ識別子4005が、受信フレームの発信サーバ識別子(図8;1016−3、図9;1015−5、図10;1033−1)と同一であった場合、TE120は、該コンテンツを中継網100へ転送し(11002)、処理を終了する。予備系経路或はその他の経路からコンテンツを受信した場合、即ち受信フレームの発信サーバ識別子(図8;1016−3、図9;1015−5、図10;1033−1)が図4(B)の発信サーバ識別子4005と異なる場合、TE120は、当該コンテンツと同一のコンテンツを他経路から既に受信し転送しているか否か(11003)、またコンテンツが重複した場合に、該コンテンツを廃棄する設定になっているか否か(11004)を確認する。当該コンテンツと同一のコンテンツを他経路から既に受信しているか否かは、例えば、TE120は、時刻配信サーバセレクタ700内のバッファに一時的に受信フレームを保存し、同一フレームの有無により確認することができる。具体的には、フレームにコンテンツIDを設け、コンテンツIDを比較することにより同一フレームの有無を確認することができる。該コンテンツを廃棄する設定は、オペレータが任意に設定することができる。ステップ11003、11004のいずれにも該当する場合は、当該コンテンツを廃棄する(11005)。その他の場合には該コンテンツを中継網100へ転送する。
ここで、サーバの識別に、経路識別子(図14;4014)を用いる場合は、図21に示した、時刻情報(ToD)を保持するデータベースの構成例及びセレクタ内の他のレジスタ設定例を参照して、図11における、上述した時刻配信サーバ選択後のコンテンツ配信手順を示すフローチャートによる処理を実行すればよい(図4の発信サーバ識別子4001、4005を、図21のデータベースの通信経路識別子2101、2105に置き換えること)。
6.TE(2)

図12は、図3の構成に、コンテンツ配信サーバを選択するコンテンツサーバセレクタ900を加えた構成を示す。
時刻配信サーバセレクタ700により、時刻配信サーバ200−1又は200−Nのいずれかが選択された状態において、図7のプロトコルスタックにおけるカテゴリ3006又は3007に属する情報を中継する。即ち、コンテンツ配信に先立ち、TE120内部の時刻設定(ToDデータベース72への書込み)、選択中の時刻配信サーバ情報(図4(B)を参照)が完了していることを想定する。コンテンツサーバセレクタ900及び関連する各機能ブロックの処理は、後の図で説明する。
7.時刻配信サーバ選択(2)

図13は、OAMフレームを用いた時刻通知方法を示すシーケンス図である。基本的な処理の流れは図2〜図10に示したものと同様である。本図の方法では、時刻配信サーバ200−1及び200−Nから通信装置TE120宛てに時刻情報を通知するため、既存の通信網保守管理(OAM)技術及びOAM信号通信用のフレームフォーマットを利用する。本図は、OAMの対象区間として、図14(後述)に示すようにコネクション設定されている状態を想定する。即ち、時刻配信サーバ200−1又は200−Nから通信装置120を通過し、中継網100の対向エッジ装置CE510までの区間を監視することを想定したシーケンス図である。
時刻配信サーバ200−1が時刻配信を先に開始したと想定すると、該サーバはサービス開始(16)後、GPS又はマスタークロックから標準時刻情報を入手して、自装置(サーバ200−1)内における時刻設定を行うと共に、TE120宛てに時刻情報を配信し始める(17)。TE120宛ての時刻情報(12001)はOAM信号形態で送信する。TE120はこれを受信し(20)、該OAM信号に含まれている時刻情報を入手し自装置の図4(A)のフィールド4002へ格納する(21)。この時点で、TE120は、当該OAM信号をTE120が受信した時刻も同時に図4(A)のフィールド4000に記録し、時刻配信サーバ200−1からTE120までの通信所要時間を、当該OAM信号を受信した時刻から該OAM信号に含まれている時刻情報を引くことにより算出し、図4(A)のフィールド4003に記録する。更に別の時刻配信サーバ200−Nが時刻配信サービスを開始した場合に、サーバ200−NからTE120へ同様にOAM信号形態を用いて時刻情報が通知される(12002)。該フレームを受信(24)、時刻情報入手(25)を完了した時点で、TE120において両サーバから受信した時刻情報を比較し、より遅い方の時刻(即ち、当該OAM信号を受信した時刻から該OAM信号に含まれている時刻情報を引くことにより算出された前記通信所要時間が短い側のサーバから受信した時刻)をTE120の設定時刻として採用し、図4(B)のフィールド4006に格納する(26)。このとき、TE120は、図4(B)のフィールド4004、4005に、装置時刻、発信サーバ識別子も格納する。
時刻情報を抽出した後、TE120はOAM信号をCE510宛てに転送する。TE120とCE510をつなぐ区間はOAM信号の監視対象であるため、TE120は時刻情報の選択完了後は、サーバ200−1及び200−NとCE510とを接続する通信経路上の中継装置として動作する。本図ではTE120からTE110へ転送するOAM信号12003、更にCE510へ転送するOAM信号12004にてこの動作を表す。前記通信所要時間が長い側のサーバから受信した時刻情報はTE120で廃棄する。
尚、図11に述べたように、本シーケンスにより時刻設定並びに情報は、時刻配信サーバ又は同経路の選択が完了した後、該情報を時刻情報以外(放送等)のデータ配信に適用できる。OAM監視区間を流れるコンテンツが異なり(時刻では無く、ビデオ・音声・画像等になる)、該コンテンツは通常OAM信号とは異なる信号フォーマットで構成し、定期的に送受信するOAM信号の間に挿入して送受する。この時、TE120におけるコンテンツ受信時の処理は図11に従う。このときのメリットは以下の通りである。
1.EtoEのOAMコネクションに対して適用できる。つまり、システムを拡張してユーザ端末まで時刻を配信できる。
2.情報配信のコネクションを継続したままで低レイヤ(例えば物理層)の接続(現用系と予備系)を動的に切り替えられる。
図14は、サービス管理データベース74がセッションを管理するためのデータベース74の構成例である。セッションは、コンテンツ配信サーバ800がコンテンツ配信サーバセレクタ120にコンテンツを配信開始する時に確立され、セッション終了時まで保持される。
データ4070〜4110は、セッション情報データベース74のエントリを表す。本データベースには、コンテンツ配信サーバ800からセッション開始を表すフレームを受信した時刻(セッション開始時刻)4008、セッション終了を表すフレームを受信した時刻(セッション終了時刻)4009、セッションID(4010)、セッションの終了を表す終了フラグ4013が格納される。セッションID(4010)はユーザID(4011)とServiceID(4012)を含む。セッションの開始と終了を判定する方法は図15で説明する。コンテンツ配信サーバ800から配信されるコンテンツがTE120に到着すると、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、セッションID(4010)と終了フラグ4013を参照し、該コンテンツを収容するセッションが新規セッションか、継続中のセッションかを判別することができる。即ち、サービス管理データベース74のセッションID(4010)に受信したコンテンツのセッションIDが存在しない場合は新規セッションである。新規セッションである場合には、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、データベース74へ新たにエントリを追加する。また、受信したコンテンツのセッションIDが存在する場合は、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、終了フラグ4013を参照し、“0”である場合はセッションが継続中であり、“1”である場合はセッションが終了していることがわかる。
コンテンツがTE120に到着したら、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、本データベース74で該コンテンツのセッションが新規セッションであるか否かを判別し、新規セッションの場合は図4(B)フィールド4005で示されるサーバを選択する。新規セッションでない場合は、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、セッションが継続中であるか否かを判別し、セッションが継続中の際のコンテンツ配信サーバの選択方法は図17で説明する。セッションが終了している場合は、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、新規セッションの場合と同様に図4(B)4005に格納されたサーバを選択する。
また、本ブロックに経路識別子4014、発信サーバ識別子4015、優先度などその他の情報4016を追加することもできる。例えば、経路識別子4014を追加することにより、サーバからユーザまでどの経路を用いてコンテンツが配信されるかがわかる。つまり、セッションを管理する精度が高まる。
図15は、ユーザ宛てにコンテンツを配信する際に使用するフレーム構成例を示す信号構成図である。本図は図8で示したペイロード部1016に、コンテンツを識別するServiceID(1016−5)及びユーザを識別するUserID(1016−6)、Start/Stop ID(1016−7)を加えた構成例である。Start/Stop ID(1016−7)は、セレクタ900での処理を簡単にするためにコンテンツの開始/終了を表すフィールドであり、オプションとしてフレームのペイロード部1016に含むことができる。Start/Stop ID(1016−7)は、例えば、そのフレームがコンテンツの始まり(Start)を表す値を01、継続中コンテンツを表す値を10、コンテンツの終了(Stop)を表す値を11とし、00をリザーブとすることにより、セッションの利用状況を示すことができる。なお、セッション開始/終了判定は、例えばFINメッセージの受信、Start/Stop ID(1016−7)がStart/Stopを示すフレームの受信、またはVLAN/MPLSなど論理または物理パスの開始/解除をトリガとすることにより実現可能である。
図16は、時刻配信サーバセレクタ700における、時刻配信サーバ(或は時刻配信経路)の切替可否を判断するための処理フローを示すフローチャートである。時刻配信サーバセレクタ700は、参照先時刻サーバの切替実施の通知を受信した場合(6100)、サーバ切替禁止期間中であるかを判別する(6101)。サーバ切替禁止期間は、時刻配信サーバセレクタ700がコンテンツ情報を受信した際、コンテンツ配信サービスの継続性を維持するために設ける。時刻配信サーバセレクタ700がコンテンツ情報を受信した時点で、つまりFINメッセージの受信時、Start/Stop ID(1016−7)がStopを示すフレームの受信時、またはVLAN/MPLSなど論理または物理パスの解除時点で、フレーム処理部31が時刻配信サーバセレクタ700に対して継続中コンテンツに関する経路切替を回避するよう指示(或はセッション管理データベース74の該当エントリに切替禁止フラグを設定)する。時刻配信サーバセレクタ700は、当該コンテンツの配信が完了した際、すなわち、コンテンツの終了を検知した時点で、サーバ切替(回避)期間を解除する。図16のステップ6103参照先時刻サーバの切替(図4(B)4005の更新)が必要になるまでの期間は、常に時刻配信サーバセレクタ700は図4(B)4005に保持される時刻配信サーバ情報を利用する(6102)。
図17は、コンテンツ配信サーバセレクタ900が配信元サーバを切り替えた時刻を管理するデータベース構成例である。データ4120〜4150は、セッション情報データベースのエントリを表す。本データベースには、コンテンツ配信サーバセレクタ900が配信元サーバを切り替えた時刻4015と、切替時点での発信サーバ識別子4014を順次格納する。TE120がコンテンツを受信した際には、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、先述したように図14のテーブルを参照する。その際、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、該セッションが継続中であった場合には本テーブルを参照し、その受信したセッションが開始した時点で選択されていたサーバを時刻配信サーバとして選択する。即ち、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、コンテンツを受信した際に図14のセッションID 4010を元に、該セッションの開始時刻4008を参照する。例えばエントリ4080、即ちセッションの開始時刻が09:01:000010の場合、図17のテーブルを参照すると時刻08:59:955340で発信サーバ識別子がBからAに切り替わってからは時刻09:02:000120まで配信サーバの切替が行われていない為、エントリ4120に格納された発信サーバ識別子4014であるAを参照元サーバとして選択する。これにより、コンテンツ配信中は発信サーバの切替を行わず、コンテンツの終了まで同じサーバからコンテンツを受信することが可能である。
なお、本構成は、時刻配信サーバセレクタ700が時刻配信サーバを切り替えた時刻を管理するためにも用いることができる。(図4(B)の別の構成例。)
図4(B)と同様に、比較周期4016をオプションとして追加することも可能である。全エントリ4120〜4150に同じ値を入れるか、エントリ毎に異なる値を設定するかはどちらでも良い。比較周期4016を設定しない場合は、いずれの時刻配信サーバから時刻情報を受信するたびに発信サーバ識別子の切替を行うか、または、各サーバから最後に受信した時刻情報を保持しておき、新しくいずれかの時刻配信サーバから時刻情報を受信する度に双方のサーバから最後に受信した配信時刻同士を比較し、時刻情報またはコンテンツを取得するための選択サーバを決定する方法がある。各サーバから最後に受信した時刻情報を保持する場合、サーバ又は通信経路に異常が生じた後も当該サーバを選択し続けることを回避するため、一定時間で時刻情報をクリアする。
8.コンテンツ配信(2)

図18は、時刻情報配信におけるサーバ選択方法を、コンテンツ配信に適用した場合のシステム概要を示すネットワーク構成図である。
本図の基本的な構成は図2のネットワーク図と同様である。時刻配信サーバ200をコンテンツ配信サーバ800に変更し、時刻配信サーバセレクタ700をコンテンツ配信サーバセレクタ900に変更した構成である。
本図の情報配信システムに於いて、ユーザ端末610は、コンテンツ配信サーバ800−1、800−Nの双方との通信が可能な接続状況にある。コンテンツ配信サーバ800−1と800−Nは相補的な関係にあり、共に同じ内容のコンテンツを保持し、ユーザ要求に応じて当該コンテンツを配信する機能を備えるものとする。このようなコンテンツ配信サーバの冗長化構成は、例えばエンドユーザに近い位置に多数のキャッシュサーバを備える大規模CDN(Content Delivery Network)や、ケーブルテレビなどネットワークを媒体としてユーザへコンテンツを提供する事業体が有するコンテンツ配信用データセンタ(地理的に近いデータセンタを複数構築するか、データセンタ内部に負荷分散などのため複数の配信サーバを備える)の場合に想定される。また、本発明の課題で述べた地震速報や避難勧告などの、携帯電話やテレビ画面へのプッシュ型コンテンツ配信サーバも、気象庁や携帯電話キャリアの持つコンテンツ配信サーバが地域ごとに分散配置されており、本図に示す構成の適用例に相当する。
本構成例では、コンテンツ配信サーバ800−1及び800−Nからユーザ端末610側の通信装置TE110又はCE510に対してパケット通信向けのコネクションが設定されているものとする。即ち、イーサネット用OAM技術(OAM Mechanisms for Ethernet Networks,以下「イーサOAM」と称する)を例に説明すると、TE110又はCE510を一方の端点(MEP;Maintenance entity group End Point)とし、コンテンツ配信サーバ800−1及び800−Nを他方の端点(MEP)とするコネクションを設定する。コネクションの設定方法の詳細について以下に述べる。本図ではCE510がコネクションのユーザ側端点(MEP)となる場合を例に説明する。
TE120は、本構成例ではコンテンツ配信元サーバ(コンテンツサーバ800−1又は800−N)を選択する機能を備える。本実施の形態では、図1〜図10で述べた第1の実施の形態により、TE120に対する時刻配信サーバがデータセンタ2000−1に属している状況を想定する。この時、データセンタ2000−1が2000−Nに比べて時間的距離が近い状態にあり、その情報はTE120内部の時刻配信サーバセレクタ700により決定及び記録されている。この状況を利用し、時刻情報以外のコンテンツ(Webデータや放送など)及び双方向アプリケーション(オンラインショッピングサイトや行政サービス窓口など)についても、通信状況の良い(時間的距離の近い)データセンタ2000−1を利用する。
データセンタ2000−1に属するコンテンツ配信サーバ800−1は、パケット中継網100のTE120を通過し、CE510に至る経路20001−10、1130を用いてユーザ端末へコンテンツを提供する。同様にコンテンツサーバ800−NもTE120を介してユーザへコンテンツを配信する機能を有する。これらのサーバはいずれもMEPとしての機能を備え、コネクション20001−10及び2000N−20に沿ってCCMフレームを送出する。
TE120は、サーバ200−1及びサーバ200−Nからユーザ端末側のCE510へ向けて設定されたコネクションの中継点としての役割を持つ。即ち、サーバ200−1又はサーバ200−NとCE510とは単一のコネクションを用いた1対1(Point−to−Point)接続の形態をとり、ユーザ端末側(CE510)からは、当該コネクションがどちらのサーバへ接続されているかを認識せず通信を開始、継続できる。TE120は、サーバ200−1がコンテンツを配信している状態ではサーバ200−1とTE120をつなぐセグメント(コネクションの一部)20001−10と、セグメント1130とを接続し、サーバ200−1から送信される当該コネクションの接続監視フレーム(CCMフレーム)をこれら両コネクション間で相互に送受するための信号中継を行う。一方、通信所要時間をモニタした結果、利用サーバ(データセンタ)が他系(ここではデータセンタ2000−N)に切替った場合は、サーバ200−NとTE120を接続するセグメント2000N−20と、TE120とCE510をつなぐセグメント1130とを接続し、CCMフレームをはじめとするOAMフレームの疎通をサポートする。
次に、図18を参照しつつコンテンツ配信サービスにおける信号の流れを説明する。例えば、ユーザ端末610からWebコンテンツを閲覧したい、という要求が発生した場合(具体的にはWebブラウザを立ち上げる、ページ上の何らかのリンクをクリックする、などのユーザアクションにより生じる)、当該要求を受信するTE120では、該要求に対して応答すべきコンテンツ配信サーバを選択する。ここではコンテンツ配信サーバ800−1又は800−Nが配信サーバの候補となる。TE120におけるコンテンツ配信サーバ選択処理の具体的な動作例については、図19で説明する。
本図18ではTE120による選択処理の結果、サーバ800−1が選択され、ユーザ端末(或はCE510)へ向けて、ユーザ要求のあったコンテンツを提供する様子を示す。ユーザ端末610が発信し、CE510を介してTE120に至る信号1110が、前記要求フレームを表す。TE120は、該要求フレーム1110を受信すると、当該フレームを転送する宛先となるサーバを選択するため、自装置120内に保持される時刻配信サーバレジスタ(図4(B)のフィールド4005)を参照する。そして本レジスタのフィールド4005の登録に従い、コンテンツ配信サーバ(正確には時刻配信サーバが含まれるデータセンタを選択する。コンテンツ配信サーバは、当該データセンタ内又はその近辺に設置されていることを想定している)を選択し、当該サーバに対しユーザ要求1110を転送する(1120)。
なお、発信サーバ識別子4005は、同一の通信経路201〜204又はエッジ装置210を用いる時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)、又は、同一のデータセンタ2000に属する時刻配信サーバ200(図1及び図2等)及びコンテンツ配信サーバ800(図18等)では、同一の発信サーバ識別子4001が予め設定されており、時刻通知フレーム又はコンテンツ配信フレームに発信サーバ識別子を含めて送信する。
コンテンツ配信サーバセレクタ900は、ユーザ端末610からコンテンツ配信要求があった場合に、図13のシーケンスに従ってコンテンツ配信サーバを選択する。具体的には、コンテンツ配信要求が発生すると、入力フレーム処理部31がコンテンツ配信サーバセレクタ900へ該要求を通知する。これに伴い、コンテンツ配信サーバセレクタ900は時刻配信サーバ選択状況(図4(B)のフィールド4005)を参照し、当該時刻配信サーバ側へ向かう経路上にあるコンテンツ配信サーバを選択する。入力フレーム処理部31は、前記選択結果を受け、当該経路へ向けてユーザ要求を転送するように(スイッチ部50と出力フレーム処理部32を通過して選択された経路へ送出されるように)、装置内処理用ヘッダ(一般的に内部ヘッダと称する)を生成する。
本処理は、ユーザ要求が発生した時点で都度行われるため、同一ユーザが同一コンテンツの配信を要求する場合でも、要求を発信するタイミングにより選択されるサーバが異なる可能性がある。即ち、コンテンツ配信サーバセレクタ900は、各時点で最も時間的距離の近いコンテンツ配信サーバを選択するように動作する。そのため或るコンテンツを配信中に時刻配信経路における通信所要時間が変動し、TE120が優先的に利用する時刻配信サーバを切替える必要が生じた場合、配信中の当該コンテンツについては継続中のセッションを維持して通信の継続性を確保する。その一方で、時刻配信サーバ切替後にユーザ要求を受信した場合には、更新した優先経路情報に基づいてユーザ要求の転送先サーバ/経路を決定する。このようにコンテンツの配信状況によっては、サービス継続性を維持するために、同時に複数のコンテンツ配信サーバを使用する状況が生じ得る。これを実現するためには、TE120内にコンテンツ配信状況(セッション継続状況)を管理するデータベースが必要である。該データベースには、(1)現在継続中のセッション、(2)当該セッションを維持するために選択中の経路ID若しくはサーバ/データセンタID、(3)セッション開始時間(ユーザ要求受け付け時刻、若しくはサーバのデータ配信開始時刻)、(4)セッション終了(予定)時刻を含む。終了時刻については、例えばオペレータによる静的経路設定を行う場合には予測可能であるが、コンテンツ毎に動的に変化し得る通信継続時間を予測することは現実的に不可能である。そこで(4)についてはオプション設定とし、ランダムに発生するユーザ要求に対し、動的に監視区間を設定してコンテンツ配信を行う場合には、コンテンツ配信が継続中か否かだけを参照すればよい。このデータベースの構成は、図14に示したテーブル構成例と同様であるため図示を省略する。
また、TE120は、ユーザ要求に含まれるユーザの優先度を識別するためのユーザ優先度データベース、コンテンツ種別による優先度を識別するためのコンテンツ優先度データベースを持つこともできる。前記ユーザ優先度と前記コンテンツ優先度は、入力フレーム処理部31で識別することが可能である。複数のユーザから複数のコンテンツ配信信号を受信した際、入力フレーム処理部31で前記ユーザ優先度と前記コンテンツ優先度を識別し、その情報に応じて優先度の高いコンテンツ配信要求信号を優先的に時間的距離の近いサーバに転送する。これにより、優先度の高いコンテンツを優先的にユーザに配信することが可能となる。
図19は、TE120における、ユーザ要求受信時のコンテンツ配信サーバ選択方法を示したシーケンス図である。本図ではサーバA800−1が現用系である場合を示す。
ユーザ端末610は、CE510にユーザ要求を表すフレームを送信し(7010)、CE510はその要求をTE 120に転送する(7011)。TE120は、レジスタの値(図4(B)のフィールド4005)をもとに参照元のコンテンツ配信サーバを選択し(7000)、その後ユーザ要求をコンテンツ配信サーバに転送できるように宛先をフレームに書き換え(7001)、そのフレームをサーバA800−1に転送する(7012)。コンテンツ配信サーバがユーザにコンテンツを配信する時、ユーザ610とサーバA800−1をネットワーク層におけるTCP/IPセッションの確立をする必要がある(7030)。ここでは、まず、TE120がユーザ要求を受信した際にセッション開始を確認できる。次に配信サーバはコンテンツの終了時にFINメッセージをTE120に送信する。するとTE120はセッションを終了する準備を行う。TE120がユーザからACKを受信すると、セッションが終了する。TCP/IPセッションの確立が完了すると、サーバA800−1は順次TE120に対してコンテンツの配信を行う(7020、7021、7022…、7029)。TE120は受信したコンテンツをCE510に転送し(7040…、7049)、CE510はユーザ端末610にそのフレームを転送する(7050…、7059)。TE120は、最終フレームを受信すると(具体的には、図15の説明にあるように、フレームに最終ビットがわかるようなフィールドを設けることにより最終フレームと判断することができる、または、FINメッセージ受信時にも最終フレームと判断することができる)、ユーザ端末610とサーバA800−1のTCP/IPセッションを終了し、サーバA800−1のコンテンツ配信が終了となる(7003)。サーバA800−1のコンテンツの配信が開始してから終了するまで、参照元サーバの変更ができないようブロックしておき、参照元サーバを変更しない(7100)。
図20は、ユーザ要求を受信した時にコンテンツ配信サーバセレクタ900が参照元のコンテンツ配信サーバを選択するフローチャートである。コンテンツ配信サーバセレクタ900はユーザ端末からユーザ要求を受信すると(6200)、その後コンテンツ配信が完了するまでの一定期間、参照先サーバの切替を禁止する。そのために、入力フレーム処理部31は、該要求の受信をコンテンツ配信サーバセレクタ900へ伝達する。コンテンツ配信サーバセレクタ900はセッション管理テーブルの新規セッションを登録する。その後コンテンツ配信サーバセレクタ900は、図16に従い当該セッションに関するサーバ切替可否を判断する(6201)。サーバ切替を禁止するための通知フレーム生成指示後、TCP/IPセッションの確立をし(6202)、図4(B)のフィールド4005に保持されるサーバにユーザ要求の転送指示を行い(6203)、コンテンツ配信サーバからコンテンツが配信される。コンテンツ配信サーバから配信されるコンテンツの受信が完了した時、すなわち、FINメッセージを受信した時(6204)、TCP/IPセッションを終了する準備をし(6205)、参照元サーバ切替禁止の解除を表すフレーム(FINメッセージに対するACKメッセージ)を受信した時点で(6206)、参照元サーバの切替禁止を解除する。尚、セッション終了は、FINメッセージの受信、Start/Stop ID(1016−7)がStopを示すフレームの受信、またはVLAN/MPLSなど論理または物理パスの解除により判定可能である。
以上、コンテンツ配信及びコンテンツ配信サーバを例に説明したが、本発明は、様々な情報配信及び情報配信サーバに適用することができる。
また、「時刻」、「時刻情報」には、クロック信号(位相、タイミング)同期等の様々な時刻に関する情報を含めることができる。
100 パケット中継網
120 中継網エッジ装置
200 時刻配信サーバ
700 時刻配信サーバセレクタ

Claims (10)

  1. 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
    前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
    で構成される情報配信システムであって、
    前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
    前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
    前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
    ことを特徴とする情報配信システム。
  2. 請求項1に記載の情報配信システムであって、
    前記情報配信装置が前記通信装置に対し前記時刻情報を通知するための信号構成は、イーサネット(登録商標)を通信プロトコルとして用いる通信網における保守管理(OAM)信号の構成、又は、MPLS(MultiProtocol Label Switching)を通信プロトコルとする通信網における保守管理(OAM)信号の構成を採用することを特徴とする情報配信システム。
  3. 請求項1又は2に記載の情報配信システムであって、
    前記レジスタは、
    前記第1の時刻差と前記第2の時刻差とを比較する処理の周期を規定する比較周期をさらに保持し、
    前記通信装置は、前記レジスタに設定された前記比較周期に基づき、前記第1及び第2の時刻差を比較し、時刻差が少ない前記第1又は第2の時刻配信装置を選択することを特徴とする情報配信システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の情報配信システムであって、
    前記通信装置は、
    前記第1の時刻差と前記第2の時刻差の大小関係が逆転した場合に、時刻差の小さい方の前記第1又は第2の時刻配信装置を選択するよう変更し、
    変更後の前記第1又は第2の時刻配信装置の装置識別子又は経路識別子を、前記レジスタに保持することを特徴とする情報配信システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の情報配信システムであって、
    前記通信装置は、
    前記利用者端末から送出された情報配信要求信号を受信した際、前記情報配信要求信号が対象とする情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する前記第1及び第2の情報配信装置のうち、前記レジスタを参照して、時刻差が小さい装置識別子又は経路識別子の前記第1又は第2の情報配信装置へ、前記情報配信要求信号を転送することを特徴とする情報配信システム。
  6. 請求項5に記載の情報配信システムであって、
    前記通信装置は、
    利用者優先度を識別するための利用者優先度データベースと、情報種別による優先度を識別するための情報優先度データベースとのいずれか又は双方を備え、
    複数の前記利用者端末から複数の前記情報配信要求信号を受信した際、前記利用者優先度データベース及び/又は前記情報優先度データベースを参照し、前記利用者優先度と前記情報優先度のいずれか又は双方の情報に基づき、優先度の高い情報配信要求信号を送信した前記利用者端末に対し優先的に、前記選択された時刻差の少ない前記第1又は第2の情報配信装置に該情報配信要求信号を転送することを特徴とする情報配信システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の情報配信システムであって、
    前記通信装置は、
    前記選択された前記第1又は第2の時刻配信装置の切替を実施する場合、提供中のサービスのセッションが継続中であった場合には、サーバ切替禁止期間中と判別し、前記セッションが終了するサーバ切替禁止期間後に前記第1又は第2の時刻配信装置切替を実施することを特徴とする情報配信システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の情報配信システムであって、
    前記第1又は第2の時刻配信装置は、GPS(Global Positioning System)或いはマスタークロック装置を含む標準時刻提供装置から受信する標準時刻情報を参照し、前記時刻情報を生成し、
    前記通信装置は、前記時刻情報を自装置の設定時刻として処理すること、又は、前記標準時刻情報を参照して自装置の設定時刻を算出若しくは設定若しくは修正することを特徴とする情報配信システム。
  9. 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
    前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
    で構成される情報配信システムにおける情報配信方法であって、
    前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
    前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
    前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
    ことを特徴とする情報配信方法。
  10. 通信装置に対し通信環境を提供する情報中継網と、
    前記情報中継網に接続され、前記情報中継網を介して情報配信サービスを利用する利用者端末に対し通信環境を提供する第1の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第1の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第1の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第2の通信網と、
    前記情報中継網の前記通信装置と接続され、前記通信装置に対し時刻情報を提供する機能を備える第2の時刻配信装置と、前記第1の通信網の前記利用者端末へ情報配信サービス及び/又は情報処理サービスを提供する第2の情報配信装置と、に対し通信環境を提供する第3の通信網と、
    で構成される情報配信システムにおける通信装置であって、
    前記第1の時刻配信装置と前記第1の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、及び、前記第2の時刻配信装置と前記第2の情報配信装置とに対して同一の装置識別子又は同一の経路識別子が設定され、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の時刻配信装置から、時刻情報と、装置識別子又は経路識別子とを含む第1及び第2の時刻通知信号を、それぞれ受信し、
    前記通信装置は、前記第1の時刻通知信号に含まれる第1の時刻情報と、前記第1の時刻通知信号を受信した第1の受信時刻とから、前記第1の時刻配信装置と自装置との第1の時刻差を算出し、及び、前記第2の時刻通知信号に含まれる第2の時刻情報と、前記第2の時刻通知信号を受信した第2の受信時刻とから、前記第2の時刻配信装置と自装置との第2の時刻差を算出し、前記第1又は第2の時刻差のうち少ない方に該当する前記第1又は第2の時刻配信装置を選択し、
    前記通信装置は、前記選択した前記第1又は第2の時刻配信装置に対する、装置識別子又は経路識別子と、前記第1又は第2の時刻情報とを、レジスタに保持し、
    前記通信装置は、前記第1及び第2の情報配信装置から同一又は同種の情報配信サービス及び/又は情報処理サービスが提供された場合に、前記レジスタを参照し、前記選択された前記第1又は第2の情報配信装置からのサービスを前記利用者端末に提供し、他の前記第2又は第1の情報配信装置からのサービスを廃棄する
    ことを特徴とする通信装置。
JP2011263563A 2011-12-01 2011-12-01 情報配信システム及び方法、通信装置 Expired - Fee Related JP5685518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011263563A JP5685518B2 (ja) 2011-12-01 2011-12-01 情報配信システム及び方法、通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011263563A JP5685518B2 (ja) 2011-12-01 2011-12-01 情報配信システム及び方法、通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013118425A JP2013118425A (ja) 2013-06-13
JP5685518B2 true JP5685518B2 (ja) 2015-03-18

Family

ID=48712721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011263563A Expired - Fee Related JP5685518B2 (ja) 2011-12-01 2011-12-01 情報配信システム及び方法、通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5685518B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013118425A (ja) 2013-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6032824B2 (ja) パケット交換通信網におけるスケジューリング方法、エンドノード及びコアネットワークスイッチ
US8472325B2 (en) Network availability enhancement technique for packet transport networks
US9166874B2 (en) Communication network system and communication network configuration method
US9967638B2 (en) Optical switching
EP2395700B1 (en) Managing access to stream hosted on duplicating switches
EP2667552B1 (en) Method for service transmission over optical transport network, device and system for realizing same
CN111565323A (zh) 一种流量控制方法、装置、电子设备及存储介质
US9438367B2 (en) Method and system for providing an external optical data packet to a destination node of a packet optical network
JP2013058882A (ja) 通信システム
JP3691816B2 (ja) 遅れを許容しないデータ・サービス提供における性能推定方法
JP4761078B2 (ja) マルチキャストノード装置とマルチキャスト転送方法ならびにプログラム
CN100550840C (zh) 路由受限标记交换路由器的平稳重启方法
JP2011188046A (ja) パケット通信システム及びパケット通信装置制御方法
EP2413545B1 (en) Routing device, communications system, and routing method
WO2023116457A1 (zh) 报文处理方法及装置、通信系统
JP5685518B2 (ja) 情報配信システム及び方法、通信装置
JP2002252636A (ja) 利用時間予約型ipネットワークサービス方法
US20090086754A1 (en) Content Aware Connection Transport
JP2002252637A (ja) Ipネットワークサービス方法
JP2014072796A (ja) パス接続管理装置、通信ノード装置、パス接続制御方法、及びプログラム
Firth Challenges in building a large scale MPLS broadcast network
Cobb Providing quality of service guarantees without per-flow state
JP2016005095A (ja) 通信装置及び通信レート調整装置及びアプリケーション実行装置及び通信システム及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5685518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees