JP5681905B2 - 通信システム、通信方法、通信システムにおける無線装置、および通信システムにおける端末装置で実行されるプログラム - Google Patents

通信システム、通信方法、通信システムにおける無線装置、および通信システムにおける端末装置で実行されるプログラム Download PDF

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Description

この発明は、通信システム、通信方法、通信システムにおける無線装置、および通信システムにおける端末装置で実行されるプログラムに関するものである。
従来、低消費電力でサーバをスリープ状態から起動状態へ移行させるホームネットワークが知られている(非特許文献1)。
このホームネットワークは、クライアント端末と、プロキシと、サーバとを備える。プロキシは、クライアント端末とサーバとの間に配置される。そして、クライアント端末は、サーバとの間で直接通信を行うことができ、プロキシを介してサーバと通信を行うこともできる。
クライアント端末は、サーバがスリープ状態である場合、代理起動信号をプロキシへ送信する。プロキシは、代理起動信号をクライアント端末から受信し、その受信した代理起動信号を起動信号に変換する。そして、プロキシは、その変換した起動信号をサーバへ送信する。そうすると、サーバは、プロキシからの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する。
大山他,"超低消費電力Wake−up ICを用いたUPnPホームネットワークの実装",ソサエティ大会,Sep,2011.
しかし、非特許文献1においては、プロキシは、アプリケーション層で代理起動信号を起動信号に変換するため、プロキシにおける起動信号の転送を既存のアクセスポイントに実行させることができないという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、既存のアクセスポイントを介して無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させる通信システムを提供することである。
また、この発明の別の目的は、既存のアクセスポイントを介して無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させる通信方法を提供することである。
更に、この発明の別の目的は、既存のアクセスポイントを介して無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させる通信システムにおける無線装置を提供することである。
更に、この発明の別の目的は、既存のアクセスポイントを介して無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させる通信システムにおける端末装置で実行されるプログラムを提供することである。
この発明の実施の形態によれば、通信システムは、端末装置と、第1および第2の無線装置とを備える。端末装置は、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する。第1の無線装置は、少なくとも1つのフレームを端末装置から順次受信し、その受信した少なくとも1つのフレームの少なくとも1つのフレーム長を有する少なくとも1つの無線フレームをIP層またはMAC層で順次送信することによって少なくとも1つのフレームを転送する。第2の無線装置は、第1の無線装置によって転送された少なくとも1つの無線フレームを順次受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出し、その検出した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
また、この発明の実施の形態によれば、通信方法は、 端末装置が、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する第1のステップと、第1の無線装置が、少なくとも1つのフレームを端末装置から順次受信し、その受信した少なくとも1つのフレームの少なくとも1つのフレーム長を有する少なくとも1つの無線フレームをIP層またはMAC層で送信することによって少なくとも1つのフレームを転送する第2のステップと、第2の無線装置が、第1の無線装置によって転送された少なくとも1つの無線フレームを順次受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出し、その検出した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する第3のステップとを備える。
更に、この発明の実施の形態によれば、無線装置は、受信手段と、検出手段と、制御手段とを備える。受信手段は、端末装置から送信され、かつ、スリープ状態から起動状態へ移行させたい当該無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを少なくとも1つの無線フレームとして転送する転送装置から少なくとも1つの無線フレームを受信する。検出手段は、受信手段によって受信された少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出する。制御手段は、検出手段によって検出された少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が当該無線装置の識別子に一致するとき、当該無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させるための起動信号を生成する。
更に、この発明の実施の形態によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、請求項1に記載の通信システムにおける端末装置の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する第1のステップをコンピュータに実行させる。
この発明の実施の形態による通信システムにおいては、端末装置は、第2の無線装置の識別子をフレーム長変調して生成した少なくとも1つのフレームを送信し、第1の無線装置は、端末装置から送信された少なくとも1つのフレームをIP層またはMAC層で第2の無線装置へ転送する。そして、第2の無線装置は、第1の無線装置から受信した少なくとも1つの無線フレームを復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、起動状態へ移行する。その結果、第1の無線装置は、既存のアクセスポイントの機能をそのまま用いて少なくとも1つのフレームを転送する。
従って、既存のアクセスポイントを介して第2の無線装置を起動状態へ移行させることができる。
また、この発明の実施の形態による通信方法においては、第2の無線装置の識別子をフレーム長変調して生成された少なくとも1つのフレームが端末装置から第1の無線装置へ送信され、少なくとも1つのフレームは、第1の無線装置のIP層またはMAC層で第2の無線装置へ転送される。そして、少なくとも1つのフレームは、識別子に復号され、その復号された識別子が第2の無線装置の識別子に一致するとき、第2の無線装置が起動状態へ移行する。その結果、少なくとも1つのフレームは、既存のアクセスポイントの機能を用いて転送される。
従って、既存のアクセスポイントを介して第2の無線装置を起動状態へ移行させることができる。
更に、この発明の実施の形態による無線装置は、端末装置から送信され、かつ、スリープ状態から起動状態へ移行させたい当該無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを少なくとも1つの無線フレームとして転送する転送装置から少なくとも1つの無線フレームを受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出する。そして、無線装置は、検出した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、自己をスリープ状態から起動状態へ移行させるための起動信号を生成する。
従って、既存の転送装置(アクセスポイント)を介して無線装置を起動状態へ移行させることができる。
更に、この発明の実施の形態によるプログラムは、請求項1に記載した通信システムの端末装置において、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する第1のステップをコンピュータに実行させる。その結果、少なくとも1つのフレームは、第1の無線装置によって少なくとも1つの無線フレームとして転送され、少なくとも1つの無線フレームは、第2の無線装置によって受信され、識別子に復号される。そして、復号された識別子が第2の無線装置の識別子に一致するとき、第2の無線装置は、起動状態へ移行する。
従って、既存のアクセスポイントを介して第2の無線装置を起動状態へ移行させることができる。
この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。 図1に示す端末装置の構成図である。 図1に示すアクセスポイントの構成図である。 図1に示す無線装置の構成図である。 ビット列とフレーム長との関係を示す図である。 複数の無線フレームの送信方法を説明するための図である。 ルーターモードにおける転送方法を説明するための図である。 ブリッジモードにおける転送方法を説明するための図である。 アクセスポイントにおける送信方法を説明するための図である。 無線信号および包絡線の概念図である。 フレーム長の検出方法を説明するための図である。 図1に示す通信システムにおける動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示す通信システム10における動作を説明するための別のフローチャートである。 図1に示す通信システムにおける動作を説明するための更に別のフローチャートである。 図1に示す通信システムにおける動作を説明するための更に別のフローチャートである。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による通信システム10は、端末装置1と、アクセスポイント2と、無線装置3とを備える。
端末装置1は、無線装置3をスリープ状態から起動状態へ移行させるとき、無線装置3の識別子を複数のフレーム長で構成し、複数のフレーム長を有する複数のフレームを有線通信または無線通信によってアクセスポイント2へ順次送信する。
アクセスポイント2は、複数のフレームを端末装置1から受信し、その受信した複数のフレームの複数のフレーム長を有するように複数の無線フレームをCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式に従って無線装置3へ、順次、ブロードキャストまたはユニキャストする。
この場合、アクセスポイント2は、伝送レートを決定して複数の無線フレームをブロードキャストまたはユニキャストする。
無線装置3は、アクセスポイント2に帰属している。無線装置3は、アクセスポイント2から複数の無線フレームを順次受信し、その受信した複数の無線フレームの複数のフレーム長を検出する。そして、無線装置3は、複数のフレーム長を識別子に復号し、その復号した識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
図2は、図1に示す端末装置1の構成図である。図2を参照して、端末装置1は、アンテナ11と、無線モジュール12と、有線モジュール13と、ホストシステム14とを含む。
無線モジュール12は、無線装置3をスリープ状態から起動状態へ移行させる指示信号COM1と、無線装置3の識別子とをホストシステム14から受ける。そして、無線モジュール12は、指示信号COM1に応じて、後述する方法によって無線装置3の識別子を示す複数のフレーム長を生成し、ブロードキャストアドレスからなるヘッダと、複数のフレーム長を有する複数のフレームとをアンテナ11を介してアクセスポイント2へ順次送信する。
この場合、無線モジュール12は、CSMA/CA方式に従って複数のフレームを順次送信する。また、無線モジュール12は、ペイロードサイズと伝送レートとによってフレーム長を決定して複数のフレームを順次送信する。
有線モジュール13は、有線ケーブル20に接続される。そして、有線モジュール13は、指示信号COM1と、無線装置3の識別子とをホストシステム14から受ける。そして、有線モジュール13は、指示信号COM1に応じて、後述する方法によって無線装置3の識別子を示す複数のフレーム長を生成し、ブロードキャストアドレスからなるヘッダと、複数のフレーム長を有する複数のフレームとを有線ケーブル20を介してアクセスポイント2へ順次送信する。
この場合、有線モジュール13は、ペイロードサイズと伝送レートとによってフレーム長を決定して複数のフレームを順次送信する。
ホストシステム14は、無線装置3の識別子を保持している。そして、ホストシステム14は、無線装置3をスリープ状態から起動状態へ移行させる場合、指示信号COM1と、無線装置3の識別子とを無線モジュール12または有線モジュール13へ出力する。
図3は、図1に示すアクセスポイント2の構成図である。図3を参照して、アクセスポイント2は、アンテナ21と、無線モジュール22と、有線モジュール23と、転送手段24,25と、ホストシステム26とを含む。
無線モジュール22は、アンテナ21を介してヘッダおよび複数のフレームを端末装置1から順次受信し、その受信したヘッダおよび複数のフレームをホストシステム26からの指示信号に応じて転送手段24または転送手段25へ出力する。より具体的には、無線モジュール22は、ホストシステム26から指示信号COM2を受けると、ヘッダおよび複数のフレームを転送手段24へ出力し、ホストシステム26から指示信号COM3を受けると、ヘッダおよび複数のフレームを転送手段25へ出力する。
また、無線モジュール22は、転送手段24または転送手段25からヘッダおよび複数のフレーム長を受け、その受けたヘッダと、複数のフレーム長を有する複数の無線フレームとをCSMA/CA方式に従ってアンテナ21を介してブロードキャストまたはユニキャストする。
有線モジュール23は、有線ケーブル20を介してヘッダおよび複数のフレームを端末装置1から順次受信し、その受信したヘッダおよび複数のフレームをホストシステム26からの指示信号COM2,COM3に応じてそれぞれ転送手段24または転送手段25へ出力する。
転送手段24は、MAC(Media Access Control)層に配置され、ブリッジモードで動作する。そして、転送手段24は、無線モジュール22からヘッダおよび複数のフレームを受ける。
転送手段24は、複数のフレームをブロードキャストするとき、複数のフレームの複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長と、有線モジュール23から受けたヘッダとを無線モジュール22へ出力する。
また、転送手段24は、複数のフレームを無線装置3へユニキャストするとき、無線装置3のMACアドレスからなるヘッダを生成するとともに複数のフレームの複数のフレーム長を検出し、ヘッダおよび複数のフレーム長を無線モジュール22へ出力する。
転送手段24は、ブリッジモードにおいて動作するとき、無線装置3がアクセスポイント2に帰属していることを認識しているので、無線装置3のMACアドレスを知っている。従って、転送手段24は、無線装置3のMACアドレスからなるヘッダを生成することができる。
更に、転送手段24は、有線モジュール23からヘッダおよび複数のフレームを受けたときも、上述した動作と同じ動作によってヘッダおよび複数のフレーム長を無線モジュール22へ出力する。
転送手段25は、IP(Internet Protocol)層に配置され、ルーターモードにおいて動作する。そして、転送手段25は、無線モジュール22からヘッダおよび複数のフレームを受ける。
転送手段25は、複数のフレームをブロードキャストするとき、複数のフレームの複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長と、ヘッダとを無線モジュール22へ出力する。
また、転送手段25は、複数のフレームを無線装置3へユニキャストするとき、無線装置3のIPアドレスからなるヘッダを生成するとともに複数のフレームの複数のフレーム長を検出し、ヘッダおよび複数のフレーム長を無線モジュール22へ出力する。
転送手段25は、ルーターモードにおいて動作するとき、アクセスポイント2が送信すべき無線装置が無線装置3であることを認識しているので、無線装置3のIPアドレスを知っている。従って、転送手段25は、無線装置3のIPアドレスからなるヘッダを生成することができる。
更に、転送手段25は、有線モジュール23からヘッダおよび複数のフレームを受けたときも、上述した動作と同じ動作によってヘッダおよび複数のフレーム長を無線モジュール22へ出力する。
ホストシステム26は、アクセスポイント2がブリッジモードで動作するとき、アクセスポイント2の動作モードがブリッジモードであることを指示する指示信号COM2を生成し、その生成した指示信号COM2を無線モジュール22および有線モジュール23へ出力する。
また、ホストシステム26は、アクセスポイント2がルーターモードで動作するとき、アクセスポイント2の動作モードがルーターモードであることを指示する指示信号COM3を生成し、その生成した指示信号COM3を無線モジュール22および有線モジュール23へ出力する。
図4は、図1に示す無線装置3の構成図である。図4を参照して、無線装置3は、アンテナ31と、スイッチ32と、端子33,34と、包絡線検波回路35と、フレーム長検出回路36と、判定回路37と、制御回路38と、無線インタフェース39と、ホストシステム40とを含む。
スイッチ32は、アンテナ31に接続される。端子33は、包絡線検波回路35に接続される。端子34は、無線インタフェース39に接続される。
スイッチ32は、制御回路38からの制御に従って端子33または端子34に接続される。より具体的には、スイッチ32は、L(論理ロー)レベルの信号を制御回路38から受けると、端子33に接続される。また、スイッチ32は、H(論理ハイ)レベルの信号を制御回路38から受けると、端子34に接続される。そして、スイッチ32は、アンテナ31を介して受信信号を受信し、その受信した受信信号を包絡線検波回路35または無線インタフェース39へ出力する。
包絡線検波回路35は、スイッチ32から端子33を介して受信信号を受け、その受けた受信信号を包絡線検波し、その検波した包絡線をフレーム長検出回路36へ出力する。
フレーム長検出回路36は、包絡線を包絡線検波回路35から受ける。そして、フレーム長検出回路36は、サンプリング周期で包絡線をサンプリングしてディジタル信号列に変換し、その変換したディジタル信号列に基づいてフレーム長を検出し、その検出したフレーム長を判定回路37へ出力する。
判定回路37は、フレーム長をフレーム長検出回路36から受け、その受けたフレーム長を復号して識別子を取得する。そして、判定回路37は、その取得した識別子が無線装置3の識別子に一致するか否かを判定する。
判定回路37は、その取得した識別子が無線装置3の識別子に一致するとき、起動信号を制御回路38へ出力し、その取得した識別子が無線装置3の識別子に一致しないとき、スリープ信号を制御回路38へ出力する。
制御回路38は、判定回路37から起動信号を受けると、無線インタフェース39およびホストシステム40をスリープ状態から起動状態へ移行させる。そして、制御回路38は、Hレベルの信号をスイッチ32へ出力する。
また、制御回路38は、判定回路37からスリープ信号を受けると、無線インタフェース39およびホストシステム40のスリープ状態を維持する。
更に、制御回路38は、無線インタフェース39およびホストシステム40が起動状態にあるときに、ホストシステム40が、一定期間、無線通信を行っていないことを検知したとき、無線インタフェース39およびホストシステム40を起動状態からスリープ状態へ移行させ、Lレベルの信号をスイッチ32へ出力する。
無線インタフェース39は、制御回路38からの制御に従ってスリープ状態から起動状態へ移行し、または起動状態からスリープ状態へ移行する。また、無線インタフェース39は、端子34を介してスイッチ32から受信信号を受け、その受けた受信信号を復調および復号してホストシステム40へ出力する。更に、無線インタフェース39は、ホストシステム40から送信信号を受けると、その受けた送信信号を変調して端子34、スイッチ32およびアンテナ31を介して送信する。
ホストシステム40は、制御回路38からの制御に従ってスリープ状態から起動状態へ移行し、または起動状態からスリープ状態へ移行する。また、ホストシステム40は、無線インタフェース39から信号を受ける。更に、ホストシステム40は、送信信号を生成し、その生成した送信信号を無線インタフェース39へ出力する。
なお、無線装置3においては、無線インタフェース39およびホストシステム40が動作を停止し、かつ、包絡線検波回路35、フレーム長検出回路36、判定回路37および制御回路38が動作している状態を「スリープ状態」と言い、包絡線検波回路35、フレーム長号検出回路36、判定回路37、制御回路38、無線インタフェース39およびホストシステム40が動作している状態を「起動状態」と言う。
図5は、ビット列とフレーム長との関係を示す図である。図5を参照して、テーブルTBLは、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
710μsのフレーム長は、ビット列“0000”に割り当てられ、740μsのフレーム長は、ビット列“0001”に割り当てられ、770μsのフレーム長は、ビット列“0010”に割り当てられ、以下、同様にして、1130μsのフレーム長は、ビット列“1110”に割り当てられ、1160μsのフレーム長は、ビット列“1111”に割り当てられる。
例えば、無線装置3の識別子が“1011001011011010”のビット列からなる場合、ビット列“1011001011011010”を4ビットのビット列“1011”,“0010”,“1101”,“1010”に分割する。
そして、1040μsのフレーム長がビット列“1011”に割り当てられ、770μsのフレーム長がビット列“0010”に割り当てられ、1100μsのフレーム長がビット列“1101”に割り当てられ、1010μsのフレーム長がビット列“1010”に割り当てられる。
その結果、識別子“1011001011011010”は、1040μs/770μs/1100μs/1010μsのフレーム長にフレーム長変調される。
端末装置1のホストシステム14は、テーブルTBLを保持している。また、ホストシステム14は、無線装置3の識別子を保持している。
そして、ホストシステム14は、無線装置3の識別子を表すビット列を取得する。その後、ホストシステム14は、その取得したビット列を4ビットのビット列に分割し、テーブルTBLを参照して、その分割した4ビットの各ビット列にフレーム長を割り当てる。
そうすると、ホストシステム14は、ブロードキャストアドレスからなるヘッダHED1と、複数のフレーム長FLとを無線モジュール12または有線モジュール13へ出力する。
なお、ホストシステム14は、無線装置3の識別子がビット列“1011001011011010”以外のビット列からなる場合も、同様にして、無線装置3の識別子を構成するビット列に複数のフレーム長を割り当て、その割り当てた複数のフレーム長とヘッダHED1とを無線モジュール12または有線モジュール13へ出力する。
図6は、複数の無線フレームの送信方法を説明するための図である。図6においては、無線装置3の識別子が4個のフレーム長1040μs/770μs/1100μs/1010μsによって表される場合について、複数の無線フレームの送信方法を説明する。
端末装置1の無線モジュール12は、ヘッダHED1および複数のフレーム長1040μs/770μs/1100μs/1010μsをホストシステム14から受ける。
そして、無線モジュール12は、アンテナ11を介してキャリアセンスを行い、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていると判定したとき、ヘッダHED1および1040μsのフレーム長を有する無線フレームFR1をアンテナ11を介して送信する。この場合、無線モジュール12は、任意のサイズを有するペイロードPyl1を生成し、フレーム長が1040μsになるように伝送レートを調整してペイロードPyl1を送信することによって無線フレームFR1を送信する。
その後、無線モジュール12は、DIFS(Distributed Coordination Function interframe Space)およびバックオフBack offの期間、待機し、770μsのフレーム長を有する無線フレームFR2をアンテナ11を介して送信する。この場合も、無線モジュール12は、任意のサイズを有するペイロードPyl2を生成し、フレーム長が770μsになるように伝送レートを調整してペイロードPyl2を送信することによって無線フレームFR2を送信する。
引き続いて、無線モジュール12は、DIFSおよびバックオフBack offの期間、待機し、1100μsのフレーム長を有する無線フレームFR3をアンテナ11を介して送信する。この場合も、無線モジュール12は、任意のサイズを有するペイロードPyl3を生成し、フレーム長が1100μsになるように伝送レートを調整してペイロードPyl3を送信することによって無線フレームFR3を送信する。
そして、無線モジュール12は、DIFSおよびバックオフBack offの期間、待機し、1010μsのフレーム長を有する無線フレームFR4をアンテナ11を介して送信する。この場合も、無線モジュール12は、任意のサイズを有するペイロードPyl4を生成し、フレーム長が1010μsになるように伝送レートを調整してペイロードPyl4を送信することによって無線フレームFR4を送信する。
なお、無線モジュール12は、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないと判定したとき、ヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4の送信を待機する。
また、無線モジュール12は、無線装置3の識別子が4個のフレーム長1040μs/770μs/1100μs/1010μs以外の複数のフレーム長によって表される場合も、上述した方法によってヘッダHED1および複数の無線フレームを送信する。
無線装置3の識別子が有線通信によってアクセスポイント2へ送信される場合、有線モジュール13は、ヘッダHED1および複数のフレーム長1040μs/770μs/1100μs/1010μsをホストシステム14から受ける。
そして、有線モジュール13は、ホストシステム14から受けたヘッダHED1および複数のフレーム長1040μs/770μs/1100μs/1010μsを有線ケーブル20を介してアクセスポイント2へ順次送信する。
図7は、ルーターモードにおける転送方法を説明するための図である。図7を参照して、アクセスポイント2がルーターモードで動作する場合、無線モジュール22または有線モジュール23は、端末装置1からヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を受信すると、その受信したヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送手段25へ出力する。
そして、転送手段25は、複数の無線フレームをブロードキャストする場合、ヘッダHED1と、複数のフレームFR1〜FR4とを無線モジュール22へ出力する。
そして、無線モジュール22は、ヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送手段25から受けると、アンテナ21を介してキャリアセンスを行い、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、ヘッダHED1と、複数のフレーム長を有する複数の無線フレームFR5〜FR8とを図6に示す方法でアンテナ21を介してブロードキャストする。この場合、無線モジュール22は、予め固定設定された伝送レート、もしくは帰属している全ての無線装置に到達可能な低い伝送レート(例えば、1Mbps)、もしくは最後に無線通信を行ったときの伝送レートに固定して送信する。この固定した1Mbpsの伝送レートを用いて無線フレームを送信した場合、フレーム長が1040μs,770μs,1100μs,1010μsになるように、端末装置1は、予め、複数のフレームFR1〜FR4を送信しておく。従って、無線モジュール22は、複数のフレームFR1〜FR4の伝送レートを1Mbpsに設定することによって、フレーム長が1040μs,770μs,1100μs,1010μsとなるペイロードPyl5〜Pyl8を生成することができる。そして、無線モジュール22は、ペイロードPyl5〜Pyl8を1Mbpsの伝送レートで順次送信することによって複数の無線フレームFR5〜FR8をブロードキャストする。
なお、無線モジュール22は、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、ヘッダHED1および複数の無線フレームFR5〜FR8の送信を待機する。
一方、転送手段25が無線フレームをユニキャストする場合は、無線装置3からのACK応答が無いため、後述するアクセスポイント2におけるユニキャストフレームの送信方法により、無線フレームを送信する。
このように、アクセスポイント2がルーターモードで動作する場合、アクセスポイント2は、IP層に配置された転送手段25によってヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送する。つまり、アクセスポイント2は、IP層でヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送する。
従って、従来のアクセスポイントに新たな機能を追加することなく、ヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送できる。即ち、既存のアクセスポイントを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送できる。
そして、アクセスポイント2の無線モジュール22が固定した伝送レートを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送するのは、既存のアクセスポイントは、予め固定設定された伝送レート、もしくは帰属している全ての無線装置に到達可能な低い伝送レート(例えば、1Mbps)、もしくは最後に無線通信を行ったときの伝送レートに固定してパケットを送受信するからである。従って、固定した伝送レートを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送することによっても、既存のアクセスポイントを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送できる。
図8は、ブリッジモードにおける転送方法を説明するための図である。図8を参照して、アクセスポイント2がブリッジモードで動作する場合、無線モジュール22または有線モジュール23は、端末装置1からヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を受信すると、その受信したヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送手段24へ出力する。
そして、転送手段24は、複数の無線フレームをブロードキャストする場合、ヘッダHED1と、複数のフレームFR1〜FR4とを無線モジュール22へ出力する。
そして、無線モジュール22は、ヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送手段24から受けると、ヘッダHED1と、複数のフレームFR1〜FR4の複数のフレーム長を有する複数の無線フレームFR5〜FR8とを上述した方法によってブロードキャストする。
一方、転送手段24が無線フレームをユニキャストする場合は、転送手段25が無線フレームをユニキャストする場合と同様に、無線装置3からのACK応答が無いため、後述するアクセスポイント2におけるユニキャストフレームの送信方法により、無線フレームを送信する。
このように、アクセスポイント2がブリッジモードで動作する場合、アクセスポイント2は、MAC層に配置された転送手段24によってヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送する。つまり、アクセスポイント2は、MAC層でヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送する。
従って、従来のアクセスポイントに新たな機能を追加することなく、ヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送できる。即ち、既存のアクセスポイントを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送できる。
そして、アクセスポイント2の無線モジュール22が固定した伝送レートを用いてヘッダHED1および複数のフレームFR1〜FR4を転送する理由は、上述したとおりである。
アクセスポイント2が複数の無線フレームFR5〜FR8をブロードキャストした場合、端末装置1の無線モジュール12は、ブロードキャストされた複数の無線フレームFR5〜FR8を受信できる。
そして、端末装置1の無線モジュール12は、複数の無線フレームFR5〜FR8を受信すると、複数の無線フレームFR5〜FR8の伝送レートを検知できる。
従って、端末装置1の無線モジュール12は、それ以降、無線フレームを送信するとき、その検知した伝送レートで所望のフレーム長になるようにペイロードサイズを決定して無線フレームを送信する。
図9は、アクセスポイント2における送信方法を説明するための図である。図9を参照して、アクセスポイント2がユニキャストによって無線フレームを送信する場合、アクセスポイント2の無線モジュール22は、上述したように、最後に無線通信を行ったときの伝送レートR1を用いて無線フレームを無線装置3へ送信する。
そして、アクセスポイント2の無線モジュール22は、伝送レートR1で無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを伝送レートR1から伝送レートR2に低下させて無線フレームを送信する。
また、アクセスポイント2の無線モジュール22は、伝送レートR2で無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを伝送レートR2から伝送レートR3に低下させて無線フレームを送信する。
以下、同様にして、アクセスポイント2の無線モジュール22は、無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを低下させて無線フレームを送信する。
そして、伝送レートR1〜R3は、例えば、それぞれ、54Mbps,48Mbps,32Mbpsである。
このように、アクセスポイント2は、無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを低下させて無線フレームを転送する。これによって、無線フレームのフレーム長が本来のフレーム長よりも短くなる無線通信環境において、無線フレームのフレーム長を本来のフレーム長に設定することができる。その結果、無線装置3が誤って起動状態へ移行したり、無線装置3が誤って起動状態へ移行しないことを抑制できる。
図10は、無線信号および包絡線の概念図である。また、図11は、フレーム長の検出方法を説明するための図である。
包絡線検波回路35は、無線信号をアンテナ21を介して受信し、その受信した受信信号RF(図10の(a)参照)を包絡線検波し、包絡線EVL(図10の(b)参照)を検出する。そして、包絡線検波回路35は、その検出した包絡線EVLをフレーム長検出回路36へ出力する。
フレーム長検出回路36は、包絡線EVLを包絡線検波回路35から受け、その受けた包絡線EVLを閾値と比較して包絡線EVLをアナログ信号からディジタル信号に変換する。この場合、閾値は、例えば、−82[dBm]に設定される。そして、フレーム長検出回路36は、その変換したディジタル信号が“0”,“1”のいずれであるかを判定周期で判定し、“1”の個数をカウントする。判定周期は、例えば、10μsに設定される。
そして、フレーム長検出回路36は、そのカウントした“1”の個数(=10)に判定周期(=10μs)を乗算して無線フレームのフレーム長(=100μs)を検出する(図11参照)。そうすると、フレーム長検出回路36は、その検出したフレーム長を判定回路37へ出力する。
判定回路37におけるフレーム長の復号方法について説明する。無線装置3の識別子が図6に示す4個のフレーム長1040μs,770μs,1100μs,1010μsによってフレーム長変調されて送信される場合、判定回路37は、テーブルTBLを内蔵している。
判定回路37は、1040μsのフレーム長をフレーム長検出回路36から受けると、テーブルTBLを参照して、1040μsのフレーム長をビット列“1011”に変換する。
その後、判定回路37は、770μsのフレーム長をフレーム長検出回路36から受けると、テーブルTBLを参照して、770μsのフレーム長をビット列“0010”に変換する。
以下、同様にして、判定回路37は、1100μsのフレーム長をビット列“1101”に変換し、1010μsのフレーム長をビット列“1010”に変換する。
そうすると、判定回路37は、ビット列“1011001011011010”からなる識別子を取得する。
そして、判定回路37は、その取得したビット列“1011001011011010”が無線装置3の識別子に一致するとき、起動信号を生成して制御回路38へ出力する。一方、判定回路37は、その取得したビット列“1011001011011010”が無線装置3の識別子に一致しないとき、スリープ信号を生成して制御回路38へ出力する。
無線装置3は、アクセスポイント2に帰属する無線装置であるが、一定期間、アクセスポイント2と無線通信を行わないとき、アクセスポイント2は、無線装置3が自己に帰属していないと見做し、端末装置1から送信された複数のフレームFR1〜FR4を転送しない。その結果、端末装置1は、アクセスポイント2を介して無線装置3をスリープ状態から起動状態へ移行させることができない。
そこで、無線装置3は、スリープ状態であるとき、一定間隔(例えば、5秒)で自律的に起動状態へ移行し、中身のないアクセスポイント2宛てのNULLパケットをアクセスポイント2へ送信する。
これによって、アクセスポイント2は、無線装置3との間で通常の無線通信が無くても、無線装置3が自己に帰属していることを認識し、端末装置1から複数のフレームFR1〜FR4を受信すると、その受信した複数のフレームFR1〜FR4を上述した方法によって無線装置3へ転送する。
従って、端末装置1は、いつでも、アクセスポイント2を介して無線装置3をスリープ状態から起動状態へ移行させることができる。
また、無線装置3は、次回、自己を起動させる識別子を含むパケットを一定間隔(例えば、5秒)で端末装置1へ送信する。この場合、無線装置3は、一定間隔毎に識別子を変えて端末装置1へ送信する。つまり、無線装置3は、自己の識別子を一定間隔で更新する。
これによって、通信システム10におけるセキュリティを向上できる。
図12は、図1に示す通信システム10における動作を説明するためのフローチャートである。
図12を参照して、通信システム10における動作が開始されると、端末装置1は、上述した方法によって、無線装置3の識別子をフレーム長変調し、ヘッダHED1と、複数のフレーム長を有する複数のフレームとを有線通信または無線通信によってブロードキャストまたはユニキャストする(ステップS1)。
アクセスポイント2は、有線通信または無線通信によってヘッダHED1および複数のフレームを受信する(ステップS2)。
そして、アクセスポイント2は、上述した方法によって、ヘッダHED1および複数のフレームをIP層またはMAC層でブロードキャストまたはユニキャストによって転送する(ステップS3)。
無線装置3は、ヘッダHED1(またはHED2,3)および複数の無線フレームを受信し(ステップS4)、上述した方法によって複数の無線フレームの複数のフレーム長を検出する(ステップS5)。
そして、無線装置3は、上述した方法によって、複数のフレーム長を識別子に復号し(ステップS6)、その復号した識別子が無線装置3の識別子に一致するか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、復号した識別子が無線装置3の識別子に一致すると判定されたとき、無線装置3は、起動状態へ移行する(ステップS8)。
一方、ステップS7において、復号した識別子が無線装置3の識別子に一致しないと判定されたとき、無線装置3は、スリープ状態を維持する(ステップS9)。
そして、ステップS8またはステップS9の後、一連の動作は終了する。
図13は、図1に示す通信システム10における動作を説明するための別のフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、アクセスポイント2が複数のフレームをユニキャストによって転送する場合のフローチャートである。
図13に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートにステップS10,S11を追加したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図13を参照して、通信システム10における動作が開始されると、端末装置1は、上述したステップS1を実行し、アクセスポイント2は、上述したステップS2,S3を順次実行する。なお、ステップS3において、アクセスポイント2は、ヘッダHED1および複数のフレームをユニキャストによって転送する。
そして、アクセスポイント2は、ステップS3の後、無線装置3からACKを受信したか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、無線装置3からACKを受信しなかったと判定されたとき、アクセスポイント2は、伝送レートを低下させて、ヘッダHED1および複数のフレームをMAC層またはIP層でユニキャストによって転送する(ステップS11)。
その後、一連の動作は、ステップS10へ移行し、ステップS10において、無線装置3からACKを受信したと判定されるまで、ステップS10,S11が繰り返し実行される。
そして、ステップS10において、無線装置3からACKを受信したと判定されると、無線装置3は、上述したステップS4〜ステップS9を順次実行する。これによって、一連の動作が終了する。
なお、ステップS11が少なくとも1回実行された後に、ステップS4〜ステップS9が実行される場合、無線装置3は、ステップS5において、低下された伝送レートを考慮してフレーム長を検出する。
例えば、アクセスポイント2と無線装置3との間で54Mbpsの伝送レートが、通常、用いられている場合に、伝送レートを54Mbpsから48Mbpsへ低下させた場合、無線装置3のフレーム長検出回路36は、図11に示す方法によってフレーム長を検出し、その検出したフレーム長に(48/54)を乗算した乗算結果をフレーム長として検出する。
伝送レートが低下した場合、フレーム長は、伝送レートの低下分だけ長くなるので、伝送レートの低下分を用いてフレーム長を補正し、本来のフレーム長を検出することにしたものである。
これによって、無線装置3の識別子を正確に復号できる。
図14は、図1に示す通信システム10における動作を説明するための更に別のフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートは、アクセスポイント2が複数のフレームをブロードキャストによって転送する場合のフローチャートである。
図14に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップS1をステップS1Aに代え、ステップS12,S13を追加したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図14を参照して、一連の動作が開始されると、端末装置1は、上述した方法によって、無線装置3の識別子をフレーム長変調し、ヘッダHED1と、複数のフレーム長を有する複数のフレームとを有線通信または無線通信によってブロードキャストする(ステップS1A)。そして、アクセスポイント2は、上述したステップS2,S3を順次実行し、無線装置3は、上述したステップS4〜ステップS9を順次実行する。
なお、アクセスポイント2は、ステップS3において、ヘッダHED1および複数のフレームをブロードキャストする。
そして、端末装置1は、アクセスポイント2がステップS3を実行すると、ブロードキャストされたフレームを受信し、その受信したフレームの伝送レートを検出する(ステップS12)。
そして、端末装置1は、伝送レートを、その検出した伝送レートに設定する(ステップS13)。
その後、端末装置1は、ステップS1Aにおいて、その設定した伝送レートを用いて所望のフレーム長になるようにペイロードサイズを決定して複数のフレームをブロードキャストする。
このように、端末装置1は、アクセスポイント2によってブロードキャストされたフレームを受信することによって、即座に伝送レートを把握することができるので、連続した複数のフレームのフレーム長が意図した変化になるように容易に制御できる。
なお、図14に示すフローチャートにおいては、上述したステップS10,S11を追加してもよい。
図15は、図1に示す通信システム10における動作を説明するための更に別のフローチャートである。
図15に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートにステップS14〜ステップS17を追加したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図15を参照して、一連の動作が開始されると、無線装置3は、一定期間が経過したか否かを判定し(ステップS14)、一定期間が経過すると、自己がアクセスポイント2に帰属していることを示す制御パケットCTL(=NULLパケット)を生成してアクセスポイント2へ送信する(ステップS15)。
そして、アクセスポイント2は、制御パケットCTLを受信し(ステップS16)、その受信した制御パケットCTLに基づいて、無線装置3が自己に帰属していることを検知する(ステップS17)。
ステップS14〜ステップS17は、ステップS1〜ステップS9と並行して実行される。
従って、アクセスポイント2は、無線装置3との間で通常の無線通信が行われていない場合も、無線装置3が自己に帰属していることを検知でき、端末装置1から複数のフレームを受信すれば、その受信した複数のフレームを無線装置3へ転送する(ステップS2,S3参照)。
その結果、端末装置1は、アクセスポイント2と無線装置3との間で通常の無線通信が行われていない場合も、無線装置3を起動状態へ移行させることができる。
なお、制御パケットCTLは、無線装置3のホストシステム40によって生成され、無線インタフェース39およびアンテナ31を介して送信される。
また、ステップS15においては、無線装置3の識別子を定期的に変更し、その変更した無線装置3の識別子を含む制御パケットCTLを送信するようにしてもよい。この場合、無線装置3の制御回路38は、無線インタフェース39およびホストシステム40を定期的に起動状態へ移行させ、ホストシステム40は、無線装置3の識別子を定期的に変更し、その変更した無線装置3の識別子を含む制御パケットCTLを無線インタフェース39およびアンテナ21を介して送信する。これによって、通信システム10におけるセキュリティを向上できる。
更に、図15に示すフローチャートにおいては、上述したステップS10,S11を追加してもよく、ステップS12,S13を追加してもよく、ステップS10〜ステップS13を追加してもよい。
図12、図13および図15に示すステップS1は、端末装置1の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成する。また、図14に示すステップS1,S12,S13は、端末装置1の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを構成する。
この場合、端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)およびROM(Read Only Memory)を備えており、ステップS1からなるプログラム、およびステップS1,S12,S13からなるプログラムは、ROMに記憶されている。そして、CPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み出し、その読み出したプログラムを実行する。これによって、端末装置1の動作が実行される。
上記においては、端末装置1は、無線装置3の識別子を示す複数のフレーム長を伝送レートを固定して送信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、端末装置1は、無線装置3の識別子を示す複数のフレーム長を、決められた伝送レートで送信してもよい。
また、上記においては、端末装置1は、無線装置3の識別子を示す複数のフレーム長を有する複数のフレームを有線通信または無線通信で送信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らずに、端末装置1は、無線装置3の識別子を示す所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で送信してもよい。この場合、アクセスポイント2は、少なくとも1つのフレームを端末装置1から受信し、その受信した少なくとも1つのフレームを上述した方法によって転送し、無線装置3は、アクセスポイント2によって転送された少なくとも1つの無線フレームを受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を復号して識別子を取得し、その取得した識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
更に、この発明の実施の形態においては、端末装置1は、自己の受信可能な同報フレームによって無線装置3の識別子を示す少なくとも1つのフレームを送信するようにしてもよい。そして、同報フレームとは、ブロードキャストされるフレームまたはマルチキャストされるフレームである。
更に、上記においては、アクセスポイント2は、無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを低下させて無線フレームを転送すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、アクセスポイント2は、無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを変化させて無線フレームを転送してもよい。つまり、アクセスポイント2は、無線フレームを送信した後、無線装置3からACKを受信しないとき、伝送レートを増加または低下させて無線フレームを転送する。
これによって、無線フレームのフレーム長が変化する無線通信環境において、無線フレームのフレーム長を本来のフレーム長に設定することができる。その結果、無線装置3が誤って起動状態へ移行したり、無線装置3が誤って起動状態へ移行しないことを抑制できる。
そして、アクセスポイント2が伝送レートを変化させて無線フレームを転送する場合、無線装置3は、受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を伝送レートの変化分を加味して補正し、その補正した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られる識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
更に、上記においては、無線装置3は、一定期間が経過すると、自己がアクセスポイント2に帰属していることを示す制御パケットCTL(=NULLパケット)をアクセスポイント2へ送信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、無線装置3は、一定期間が経過すると、自己がアクセスポイント2に帰属していることを示す任意のフレームをアクセスポイント2へ送信してもよい。
更に、上記においては、無線装置3は、自己の識別子を一定間隔で更新すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、無線装置3は、自己の識別子を任意の間隔で更新してもよい。
更に、上記においては、無線装置3は、無線フレームの受信電波を包絡線検波すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、無線装置3は、無線フレームの受信電波を同期検波または再生検波してもよい。この場合、無線装置3は、包絡線検波回路35に代えて同期検波回路または再生検波回路を備える。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、通信システム、通信方法、通信システムにおける無線装置、および通信システムにおける端末装置で実行されるプログラムに適用される。

Claims (16)

  1. スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する端末装置と、
    前記少なくとも1つのフレームを前記端末装置から順次受信し、その受信した少なくとも1つのフレームの少なくとも1つのフレーム長を有する少なくとも1つの無線フレームを送信することによって前記少なくとも1つのフレームを転送する第1の無線装置と、
    前記第1の無線装置によって転送された少なくとも1つの無線フレームを順次受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出し、その検出した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する第2の無線装置とを備える通信システム。
  2. 前記端末装置は、前記第1の無線装置が伝送レートを固定して前記少なくとも1つのフレームを転送するとき、前記第1の無線装置が用いる伝送レートに基づいて所望のフレーム長になるように前記少なくとも1つのフレームを順次送信する、請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記端末装置は、前記第1の無線装置によって転送された無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの伝送レートを検出し、その検出した伝送レートで所望のフレーム長になるようにペイロードサイズを決定して前記少なくとも1つのフレームを順次送信する、請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記端末装置が送信する前記少なくとも1つのフレームは、前記端末装置も受信可能な同報フレームである、請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記第1の無線装置は、前記無線フレームの送信後、前記第2の無線装置から応答がないとき、伝送レートを変化させて前記無線フレームを転送し、
    前記第2の無線装置は、検出したフレーム長を伝送レートの変化分を加味して補正したフレーム長を求め、前記補正したフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する、請求項1に記載の通信システム。
  6. 前記第1の無線装置は、伝送レートを低下させて前記無線フレームを転送し、
    前記第2の無線装置は、検出したフレーム長を伝送レートの低下分を加味して補正したフレーム長を求める、請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置に帰属していることを示す任意のフレームを任意の周期で前記第1の無線装置へ送信する、請求項1に記載の通信システム。
  8. 前記第2の無線装置の識別子は、任意の周期で更新される、請求項1に記載の通信システム。
  9. 端末装置が、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する第1のステップと、
    第1の無線装置が、前記少なくとも1つのフレームを前記端末装置から順次受信し、その受信した少なくとも1つのフレームの少なくとも1つのフレーム長を有する少なくとも1つの無線フレームを送信することによって前記少なくとも1つのフレームを転送する第2のステップと、
    第2の無線装置が、前記第1の無線装置によって転送された少なくとも1つの無線フレームを順次受信し、その受信した少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出し、その検出した少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する第3のステップとを備える通信方法。
  10. 端末装置から送信され、かつ、スリープ状態から起動状態へ移行させたい当該無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを少なくとも1つの無線フレームとして転送する転送装置から前記少なくとも1つの無線フレームを受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された少なくとも1つの無線フレームの少なくとも1つのフレーム長を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された少なくとも1つのフレーム長を復号して得られた識別子が当該無線装置の識別子に一致するとき、当該無線装置をスリープ状態から起動状態へ移行させるための起動信号を生成する制御手段とを備える無線装置。
  11. 一定期間が経過すると、当該無線装置が前記転送装置に帰属することを示す任意のフレームを前記転送装置へ送信する送信手段を更に備える、請求項10に記載の無線装置。
  12. 前記送信手段は、更に、当該無線装置の識別子を任意の周期で更新し、その更新した識別子を前記端末装置へ送信する、請求項11に記載の無線装置。
  13. 前記検出手段は、前記少なくとも1つの無線フレームの伝送レートの変化分を加味して少なくとも1つのフレーム長を検出する、請求項10に記載の無線装置。
  14. 前記検出手段は、前記少なくとも1つの無線フレームの伝送レートの低下分を加味して少なくとも1つのフレーム長を検出する、請求項13に記載の無線装置。
  15. 請求項1に記載の通信システムにおける前記端末装置の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置の識別子を構成する所望のフレーム長を有する少なくとも1つのフレームを有線通信または無線通信で順次送信する第1のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 前記第1の無線装置によって転送された無線フレームを受信し、その受信した無線フレームの伝送レートを検出する第2のステップを更にコンピュータに実行させ、
    前記第1のステップにおいて、前記少なくとも1つのフレームは、前記第2のステップで検出された伝送レートで順次送信される、請求項15に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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