<パチンコ遊技機の全体構成>
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄(演出図柄ともいう)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのみを設けるようにし、演出表示装置9の表示画面上には合算保留記憶表示部18cを設けないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、たとえば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。
すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。
この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および飾り図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。
次に、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理を説明する。図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
このタイマ割り込み処理は、図示を省略する以下のメイン処理が行われているときに、タイマ割込がかかることで実行される。先にメイン処理を簡単に説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給が開始されると、割込禁止に設定の上で、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定やその他の各種の初期設定を行った後、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにレジスタの設定を行なう。その後、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。
ここで、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
次に、図4に基づいてタイマ割込処理を説明する。メイン処理の実行中にタイマ割込が発生すると、CPU56は、図4に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、飾り図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。たとえば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
<特定演出>
リーチ演出を伴う変動パターンには、特定演出が実行される変動パターンと特定演出が実行されない変動パターンとがある。特定演出は、本実施の形態では、たとえば、擬似連演出である。
図柄の変動中に特定演出が実行されることによって、その変動の結果が予告される。たとえば、本実施の形態では、特定演出は大当りの示唆である。このため、図柄の変動中に特定演出が実行された場合には、特定演出が実行されない場合に比べて、その表示結果が大当りとなる信頼度が高い。なお、特定演出による予告は、大当りであってもよく、大当りのうちの確変大当りであってもよい。あるいは、リーチ成立前に特定演出を実行する場合には、リーチが特定演出の予告対象であってもよい。さらに、特定演出が実行されると、特定演出による予告対象(たとえば、大当り)が必ず発生するようにしてもよく、所定の確率で発生するものとしてもよい(ただし、特定演出が実行されない場合よりも高い確率)。
<特定演出の具体例>
特定演出の一例として、本実施の形態では擬似連演出を採用している。擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「右」の飾り図柄を一旦仮停止表示させるとともに、「中」の位置に擬似連図柄(飾り図柄、またはキャラクタやマークなど、通常の飾り図柄とは異なる態様の図柄でもよい)を一旦仮停止表示させる。その後、「左」、「中」、「右」の全てを再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行う。
なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
本実施の形態では、たとえば、擬似連の実行回数が多いほど、その擬似連を経て導出表示される表示結果が大当りとなる信頼度が高くなるように、擬似連回数が決定される。すなわち、擬似連は、その実行回数によって、表示結果が大当りになることを示唆する機能を備える。ここで、「示唆する」とは、100%あるいは100%未満の割合である結果を遊技者に予告するという意味である。
なお、特定演出は、擬似連演出に限られず、滑り演出やあるいはその他の演出でもよく、それらの演出の組み合せであってもよい。滑り演出とは、変動中の図柄の変動スピードが緩やかになって、停止しそうな状態あるいは停止した状態からからさらに1コマあるいは複数コマだけ“滑る”ように変動させる演出である。この滑り演出は、たとえば、左の飾り図柄の変動を停止させ、続いて、右の飾り図柄の変動を左図柄とは異なる出目が出た段階で停止させたようにしてはずれのような演出をした後で、さらに右図柄を滑らせてリーチが成立するような演出に用いられる。また、滑り演出として、たとえば、リーチが成立した後に、変動中の図柄の変動スピードが緩やかになって、停止しそうな状態からさらに1コマあるいは複数コマだけ“滑る”ように変動させてもよい。
また、特定演出としては、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作であってもよい。これらの演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知することが考えられる。
また、特定演出は、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行(開始)されるものであってもよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する特定演出の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものであってもよい。
<特定演出と保留記憶数との関係>
ある保留記憶に基づいた図柄の変動パターンが特定演出を含む変動パターンに決定される割合は、その保留記憶が大当りとなる保留記憶であるときの方がはずれとなる保留記憶であるときよりも高い。さらに、はずれとなる保留記憶に基づいた図柄の変動パターンが特定演出を含む変動パターンに決定される割合は、その保留記憶に基づいて変動を開始する直前の保留記憶数が少ないときの方が多いときよりも特定演出を含む変動パターンに決定される割合が高い。
このように、変動開始時の保留記憶数が多いか少ないかによって特定演出を含む変動パターンの実行割合を異ならせるのは次の理由による。すなわち、保留記憶数が少ないときには、表示結果がはずれの保留記憶であっても、特定演出を含む変動パターンで比較的長めの演出をして少ない保留記憶に対する遊技者の大当りへの期待感を盛り上げることが望ましい。
これに対して、保留記憶数が多いときに表示結果がはずれである保留記憶について特定演出(擬似連)を含む長い変動パターンで変動をさせると、保留記憶がなかなか消化されず、遊技者のイライラ感が募ってしまう。そのような状態を低減するために、保留記憶が滞留しているとき(保留記憶が多いとき)は、特定演出を含む変動パターンの実行割合を低くして保留記憶の消化を早くするようにしているのである。また、保留記憶が滞留しているとき、遊技者は、滞留している保留記憶が消化されるまで球の打ち出しを止める“止め打ち”をすることも考えられる。そうすると、そのような止め打ちが行われた分だけ遊技機の稼働率が低下してしまうおそれがある。よって、このような状態を防ぐために保留記憶の消化を促進し、遊技機の稼働率が低下しないようにしている。
ただし、大当りの保留記憶に基づいた変動である場合は、そのときの保留記憶数が多くても、特定演出を実行することによって大当りに対する期待感を高めた上で大当りの表示結果を導出することによって、遊技者の大当りに対する喜びを大きなものとする効果を奏することが期待できる。
このため、本実施の形態では、大当りの保留記憶に基づいた変動の場合には、その変動開始の際の保留記憶数の多少に関わらず、比較的高い割合で特定演出を含む変動パターンによる変動が実行されるようなっている。なお、このような制御に代えて、大当りの保留記憶に基づいた変動である場合にも、その変動開始の際の保留記憶数の多少によって特定演出を含む変動パターンによる変動の実行率を異ならせるようにしてもよい。
<先読み予告(特定演出予告)演出>
本実施の形態では、先読み予告(特定演出予告)演出が実行される場合がある。先読み予告演出とは、ある保留記憶に基づいた可変表示の順番が到来する前に、その保留記憶を先読みして大当りとなるか否かや可変表示パターンを判定して、将来の可変表示がどのようになるものであるのかをそれよりも前の可変表示の段階で予告する技術である。たとえば、4番目に消化される保留記憶が大当りであるときに、1番目から3番目に消化される保留記憶に基づいた各々の可変表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み予告演出である。なお、以下の説明においては、このような予告の対象となる(今の例でいえば4番目に消化される保留記憶に基づく可変表示)可変表示を“ターゲットの可変表示”などとも称する。
特に、本実施の形態では、“ターゲットの可変表示”の結果(大当りか否かなど)を先読み予告の対象とするのではなく、“ターゲットの可変表示”で特定演出(擬似連)が実行されるか否かを先読み予告の対象としている。
このため、保留記憶が複数存在する状態で“ターゲットの可変表示”に対応する始動入賞が発生した時点で、その始動入賞時に変動パターンを先読みして、擬似連有の変動パターンになると予測される場合には、“ターゲットの可変表示”の順番が到来するまでの間で、その予測を示す表示を行なう。これが本実施の形態の先読み予告演出である。特定演出が擬似連である場合には、先読み予告演出として、“ターゲットの可変表示”で擬似連が行われることを示唆するために、保留記憶の表示の態様を変化させる。
<先読み予告演出の具体例>
先読み予告演出の具体例として、本実施の形態では、“ターゲットの可変表示”において擬似連が行われることを可変表示装置の表示画面上で“連??”あるいは、“連?”などのように表示するものを示す(図36参照)。本実施の形態では、“?”の数が少ない態様の方が、“ターゲットの可変表示”において擬似連が行われる可能性の高いことを示す。この“?”の数は先読み予告演出中の保留記憶数の変化に応じて変更される。本実施の形態では、たとえば先読み予告演出を実行中の保留記憶数が多いときは、“連??”と表示し、その後、先読み予告演出中の保留記憶数が少なくなると、“連?”と表示する。このように、保留記憶の表示の態様をそのときの保留記憶数の多少に応じて変化させるようにしている。
<変動パターン>
図5は、予め用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、図5に示す変動パターン名称と対応付けられた変動時間(特図変動時間)のデータが記憶されている。なお、図5に示す特定演出の有無やリーチ演出の有無の情報はサブ基板である演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100が変動パターン別に記憶しており、遊技制御用マイクロコンピュータ560がこれらの情報を記憶している訳ではない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でもこれらの情報を併せて記憶しておくようにしてもよい。
図5に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。
図5に示すように、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンについては、擬似連の演出が行われない。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が4回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2を用いる場合には、再変動が1回行われる。
なお、ノーマルリーチとスーパーリーチとでは後者の方が前者よりもリーチ演出にかかる時間が長く、また、後者の方が前者よりも表示結果が大当りに事前決定されているときの方が選択され易い。
図5に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。
図5において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図5に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が4回行われる。
また、リーチしない場合であって、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−2の変動パターンについては、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合であって、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合であって、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が3回行われる。なお、図5の備考覧に記載された「再変動」の回数は、擬似連演出中の再変動回数である。
この実施の形態では、図5に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(たとえば、擬似連が4回行われるスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連が1回行われるスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
たとえば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(たとえば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御に用いる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
この実施の形態では、変動パターンは、次のようにして決定される。すなわち、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)が用いられて変動パターン種別が決定される。次に、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が用いられて、決定済みの変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定される。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。たとえば、本実施の形態では、表示結果がはずれのときに選択される変動パターン種別が「擬似連有り」のものと「擬似連無し」のものとにグループ分けできる。詳細は図9を用いて後述する。
その他、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、小当りや突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。
また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−3と、ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−6とに種別分けされている。
図4に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数を用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。また、図7(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(C),(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(D)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(C),(D)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の全てに対して判定値が割り当てられているのに対して、大当り種別判定テーブル131bには「通常大当り」と「確変大当り」にのみ判定値が割り当てられている場合を説明する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない(この実施の形態では、時短状態にのみ移行される)大当りである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
たとえば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図8(A),(B)に示すように、この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図8(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図9(A),(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bを示す図である。図9(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満(合算保留記憶数が0〜2)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図9(B)は、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bは、可変表示結果をはずれにする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
このようなテーブルとして、現在の合算保留記憶数によって選択される2つのテーブルが用意されている。図示のとおり、合算保留記憶数が少ない(3未満)ときに選択されるテーブル(図9(A))の方が、合算記憶数が多い(3以上)ときに選択されるテーブル(図9(B))よりも、擬似連を含む変動パターン種別が選択され易くなるように、乱数値範囲と変動パターン種別との関係が規定されている。
その結果、合算保留記憶数が少ないときに開始される変動では、合算保留記憶数が多いときに開始される変動よりも、擬似連を伴う変動となることが多くなる。換言すると、合算保留記憶数が多いときに開始される変動では、擬似連を伴う変動となることが制限される。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が231〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図柄の変動を開始する直前に保留記憶情報を参照して今回の表示結果がはずれであれば、現在の保留記憶数に応じて図9(A)または図9(B)のいずれかのテーブルを用いて今回の変動パターン種別を決定する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ある保留記憶に基づいて図柄の変動を開始する直前よりも遡って、その保留記憶をする始動入賞が発生した時点において、その保留記憶が将来の変動においてはずれとなるものであるか否かを先読み判定し、はずれであれば、始動入賞の際に併せて抽出されているランダム2の値についても先読み判定する。この始動入賞時のランダム2の先読み判定においても、図9(A)、(B)のテーブルが用いられる。すなわち、始動入賞時のランダム2の先読み判定タイミングにおいて、保留記憶数が0〜2であれば(A)のテーブルが用いられる一方、保留記憶数が3以上であれば(B)のテーブルが用いられる。
このように、図9(A),(B)のテーブルは、始動入賞が発生したときの変動パターン種別先読み判定時と、その始動入賞の発生に基づいて変動を開始するときの変動パターン種別決定時との2度のタイミングにおいて、それぞれのタイミングでの保留記憶数の多少によって選択的に用いられる。このため、始動入賞時の保留記憶数と変動開始時の保留記憶数とが違った場合には、先読み判定された変動パターン種別と、変動開始時に決定された変動パターン種別とが異なることも生じる。
たとえば、一の保留記憶に対しての先読み判定時には保留記憶数が2であり、始動入賞時に抽出されたランダム2の値と図9(A)のテーブルとに基づいて擬似連有の変動パターン種別と判定されたものとする。ところが、先の一の保留記憶に基づいた変動開始時の保留記憶数が3以上となると、先読み判定時と同じランダム2の値に基づいて変動開始時に変動パターン種別を決定するにもかかわらず、決定に用いるテーブルが図9(B)に変化することで、最終的には擬似連無の変動パターン種別に決定されることがある。
なお、本実施の形態では、図9(B)のテーブルは、保留記憶数に関わらず、遊技状態が確変状態または時短状態である場合にも用いられる。ただし、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否かに関わらず、保留記憶数が3以上である場合には図9(B)のテーブルを用い、保留記憶数が3未満であれば図9(A)のテーブルを用いるものとしてもよい。
図10は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、図9(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3より少ない)である場合には、図9(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる。
図10に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、擬似連有りとなる割合が少ない。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、図9(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別や非リーチCA2−3の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2や非リーチPA1−4が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、この実施の形態では、図10あるいは図9にも示すように、合算保留記憶数が3以上であるか2以下であるかにかかわらず、はずれで擬似連有りとなる変動パターン種別に対して、共通の判定値(237〜251)が割り当てられている。換言すると、保留記憶されている乱数値(ランダム2)の値が237〜251のいずれかである場合には、図9(A)および図9(B)のいずれのテーブルが参照された場合でも擬似連有の変動パターン種別が選択される。つまり、始動入賞が発生したときに抽出されたランダム2の値が237〜251のいずれかであった場合には、その始動入賞に基づいた変動表示が実際に開始されるときの保留記憶数に関わらず、その始動入賞に基づいた変動表示が擬似連有になることが、その始動入賞の時点から確定することになる。
図11は、始動入賞時に抽出されたランダム2の値と変動カテゴリコマンド(はずれ)の対応関係を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が発生すると、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)を抽出するとともにその抽出値と始動入賞時の保留記憶数とに基づいて、図11に示した変動カテゴリ1〜9のうちから対応する変動カテゴリを選択する。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、選択した変動カテゴリを指定する変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。なお、図11に示す変動カテゴリは、表示結果がはずれの場合のものである。
変動カテゴリは、図11に示されるように、始動入賞時に抽出されたランダム2の値がどの変動パターン種別に対応する範囲にあるかを示すデータである。ただし、図9を用いて既に説明したとおり、表示結果がはずれのときのランダム2の値と変動パターン種別との対応は保留記憶数によって異なる。図11には、変動カテゴリコマンドと、変動パターン種別との関係を保留記憶数が0〜2の場合と3以上である場合とに分けて示している。
図11を参照して、ランダム2が1〜50の範囲の場合は、変動カテゴリ1が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別が非リーチCA2−1(擬似連無し)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別が非リーチCA2−2(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が51〜90の範囲の場合は、変動カテゴリ2が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別が非リーチCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別が非リーチCA2−2(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が91〜100の範囲の場合は、変動カテゴリ3が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2であっても、3以上であっても、いずれも、変動パターン種別が非リーチCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が101〜197の範囲の場合は、変動カテゴリ4が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別がノーマルCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別が非リーチCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が198〜200の範囲の場合は、変動カテゴリ5が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2であっても、3以上であっても、いずれも、変動パターン種別がノーマルCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が201〜230の範囲の場合は、変動カテゴリ6が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別がノーマルCA2−4(擬似連有り)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別がノーマルCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が231〜236の範囲の場合は、変動カテゴリ7が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別がスーパーCA2−6(擬似連有り)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別がノーマルCA2−3(擬似連無し)と先読み判定される。
ランダム2が237〜246の範囲の場合は、変動カテゴリ8が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2の場合には、変動パターン種別がスーパーCA2−6(擬似連有り)と先読み判定される。一方、そのときの保留記憶数が3以上の場合には、変動パターン種別がノーマルCA2−5(擬似連有り)と先読み判定される。
ランダム2が247〜251の範囲の場合は、変動カテゴリ9が選択される。そのときの保留記憶数が0〜2であっても、3以上であっても、いずれも、変動パターン種別がスーパーCA2−6(擬似連有り)と先読み判定される。
以上のように、変動カテゴリ9の場合には、先読み判定される変動パターン種別は保留記憶数が0〜2であるか、3以上であるかに関わらず、スーパーCA2−6(擬似連有り)であり、同じである。このことは、変動カテゴリ3と変動カテゴリ5との場合についても同様である。
また、変動カテゴリ8または9の場合には、先読み判定される変動パターン種別は保留記憶数が0〜2であるか、3以上であるかに関わらず、擬似連有りの変動パターンとなる。
このため、たとえば、始動入賞時に変動パターン種別が「ノーマルCA2−5(擬似連有り)」あるいは「スーパーCA2−6(擬似連有り)」と先読み判定され、かつ、そのときの変動カテゴリが8か9であるならば、その先読み判定された保留記憶の変動の順番が到来したときの保留記憶数が0〜2であるか、3以上であるかに関わらず、必ず、擬似連を含む変動が行なわれることになる。
このような場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連有の変動パターンが確定していることをその変動が行なわれるよりも前に遡って始動入賞の時点から特定可能となる。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するはずれ用の変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンドC600〜コマンドC608は、それぞれ、変動カテゴリ1〜9に対応している。また、そのときのコマンドの内容は、はずれ、かつ、ランダム2の抽出値がそれぞれ、1〜50、51〜90、91〜100、101〜197、198〜200、201〜230、231〜236、237〜246、247〜251の範囲の値であると判定されたことを指定するコマンドである。
図13(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図13(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。
また、図13(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図13(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、たとえば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図14は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aに示すように、非リーチの変動パターン種別である非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、およびノーマルリーチの変動パターン種別であるノーマルCA2−3では擬似連が無しの変動パターンとなっている。それに対し、ノーマルリーチの変動パターン種別であるノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−5、およびスーパーリーチの変動パターン種別であるスーパーCA2−6では擬似連が有りの変動パターンとなっている。
このため、変動パターン種別を特定できれば、それに含まれる変動パターンを特定せずとも、特定演出の一例となる擬似連を含む変動パターンであるか否かを特定できる。
なお、本実施の形態のように、変動パターン種別で特定演出の有無が分類されるようにしてもよいが、1つの変動パターン種別に特定演出有の変動パターンと特定演出無の変動パターンとが含まれるように構成してもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示すコマンドに基づいて特定演出の有無を判別するようにすればよい。あるいは、特定演出の有無を示すためのコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信するようにしてもよい。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示したコマンドのうち、始動入賞時に送信されるコマンドは、「入賞時判定結果指定コマンド」、「第1始動入賞指定コマンド」、「第2始動入賞指定コマンド」、「合算保留記憶数指定コマンド」、および「変動カテゴリコマンド」である。
図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図5に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。入賞時判定結果指定コマンドには、先読み判定結果、すなわち、大当りであるか否か、および大当り種別が含まれる。
このコマンドは、始動入賞時に送信される。このため、これを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞が発生した時点で、その始動入賞による保留記憶に基づいた将来の変動の結果を先読みできる。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドC6XX(H)は、変動カテゴリを指定する演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。この変動カテゴリコマンドは、当り(大当り、小当り等)およびはずれの表示結果別に分かれている。変動カテゴリコマンドは、対象の変動がどのような変動パターンであるかという変動カテゴリを示すものである。たとえば、本実施の形態では、はずれの変動カテゴリコマンドによれば、対象の変動が擬似連を伴う変動であるか否かを先読み可能である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図15に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。なお、保留記憶バッファについては、図20を用いて後述する。
保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17〜図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS241に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりする。さらに、この実施の形態では、それよりも遡って、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、始動口スイッチ通過処理においてステップS219〜S233を実行することによって、予め飾り図柄の変動中に擬似連演出が行われるか否かを予測する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前に予め擬似連演出が行われることを予測し、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって擬似連演出が行われる旨の予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219でYES)、CPU56は、その大当りが第1特別図柄によるものであるか否かを判定する(ステップS220)。そして、大当りが第1特別図柄によるものであった場合(ステップS220でYES)には、CPU56は、図7(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS221)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS223)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219でYES)、CPU56は、その大当りが第1特別図柄によるものであるか否かを判定する(ステップS220)。そして、大当りが第1特別図柄によるものであった場合(ステップS220でYES)には、CPU56は、図7(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS221)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS223)。
次いで、CPU56は、大当り種別が通常大当り、確変大当り、突然確変大当りかによって、図8(A)〜(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルから各大当り種別についての変動パターン種別を選択する(ステップS224)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)と、選択した大当り用変動パターン種別判定テーブルとに基づいて、変動パターン種別を判定するとともに、ランダム2より変動カテゴリコマンドを判定する(ステップS225)。
また、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS219でNO)、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS229)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致すれば、図8(D)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS230)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)と、選択した小当り用変動パターン種別判定テーブルとに基づいて、変動パターン種別を判定するとともに、ランダム2より変動カテゴリコマンドを判定する(ステップS225)。なお、図8(D)に示すように小当りの場合に変動パターン種別は一義的に決定されるが、変動パターン種別を複数設けるようにしてもよい。
また、大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致せず(ステップS219でNO)、大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS229でNO)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、現在の合算記憶保留数の値が3以上であるか3より小さいかを判定する(ステップS231)。合算記憶保留数の値が3以上であれば、図9(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)を選択する(ステップS232)。これに対して、現在の合算保留記憶数が3より小さければ(合算保留記憶数が0〜2)、図9(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル(通常用)を選択する(ステップS233)。
続いて、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)と、選択したはずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用または通常用)とに基づいて、変動パターン種別を判定するとともに、その変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動カテゴリコマンドを判定する(ステップS225)。
次いで、CPU56は、変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS226)。ここで、ステップS226で選択される変動パターンテーブルは、図13に示す当り変動パターン判定テーブル137A、137Bおよび、図14に示すはずれ変動パターン判定テーブルのいずれかである。当り変動パターン判定テーブル137Aは通常大当り、確変大当りの場合に選択されるテーブルであり、当り変動パターン判定テーブル137Bは、突然確変大当り、小当りの場合に選択されるテーブルである。また、はずれの場合には、はずれ変動パターンテーブルが選択される。ここで、はずれ変動パターンテーブルでは、変動パターン種別が非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、およびノーマルCA2−3の場合は擬似連無しとなり、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−5、およびスーパーCA2−6の場合は擬似連有りとなる。
次いで、ステップS215で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)と、変動パターン種別とに基づいて変動パターンを判定する(ステップS227)。この場合に使用される判定テーブルは図13、図14に示すテーブルである。次に、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して得られる入賞時判定結果指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信する(ステップS228)。これらの2つのコマンドは、新たに保留記憶がなされるごとに生成されるコマンドである。この2つのコマンドのうち、入賞時判定結果指定コマンドには、先読み結果、すなわち、大当り/はずれ、大当り種別が含まれている。
S228が終わると処理が終了する。しかし、ここでの処理が第1始動口スイッチオンに基づいて移行してきた処理(S211でYES)であるならば、続いて、図19のS241に移行して第2始動口スイッチオンであるかを判定するようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動口スイッチ通過処理で送信される入賞時判定結果指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに基づいて、ターゲットの可変表示で擬似連が実行される可能性を予測する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ターゲットの可変表示に対して、擬似連の先読み予告演出を行うことが可能となる。
また、ステップS211においCPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンでない場合(ステップS211でNO)、または、第1保留記憶数が上限値であれば(ステップS212でYES)、第2始動口スイッチ14aがオンであるか否かを確認する(ステップS241)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS242)。第2始動口スイッチ14aがオンでない場合(ステップS241でNO)、または、第2保留記憶数カウンタの値が4(ステップS242でYES)であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS243)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS244)。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS245)。なお、ステップS245の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS246)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS247)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS248)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、ステップS245で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219)。大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219でYES)、CPU56は、その大当りが第1特別図柄によるものであるか否かを判定する(ステップS220)。大当りが第1特別図柄によるものでない場合(ステップS220でNO)には、CPU56は、図7(D)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS222)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS224)。その他の処理は上述した第1始動口入賞の場合の処理と同様なので、記載を省略する。
ここで、始動入賞時における合算保留記憶数と実際に変動表示が開始されるときの合算保留記憶数とは必ずしも一致するとは限らない(通常、始動入賞後に増減する)ので、始動入賞時の判定と変動開始時の変動パターン種別の決定とで、選択するはずれ変動パターン種別判定テーブルが一致しない可能性がある。このため、始動入賞時に前もって擬似連が行われることになるか否かを完全に正しく予測することは難しい。
しかし、この実施の形態では、図9(A),(B)に示すように、合算保留記憶数3未満(合算保留記憶数0〜2)で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数3以上で用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとは、いずれもランダム2の乱数値の範囲が237〜251であれば、擬似連有りとなる変動パターン種別となる。このランダム2の乱数値の範囲に該当する変動カテゴリは変動カテゴリ8,9である。このため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果がはずれを示す入賞時判定結果指定コマンドとともに変動カテゴリ8、9のコマンドが送信されてきた場合には、対応する保留記憶について擬似連確定と判断できる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS218で送信された合算保留記憶数指定コマンドに基づいて、現在の合算保留記憶数を把握するが、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドとして、現在の合算保留記憶数を指定したコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、現在の合算保留記憶数の値をEXTデータとして指定して入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを確認することによって、現在の合算保留記憶数を把握するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りが含まれない場合(図7(D)参照)を示しているが、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りも決定されるように構成する場合には、ステップS219で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致すると判定したときに、ステップS220〜S224と同様の処理を実行するようにすればよい。この場合、ステップS222と同様の処理を実行する場合には、第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択し、大当り種別を判定するようにすればよい。そして、ステップS223と同様の処理に従って、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りであると判定した場合にステップS224の処理に移行するようにすればよい。
なお、ステップS213〜218の処理とステップS243〜248の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。なお、ステップS213〜218の処理とステップS243〜248の処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合であっても、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとを、それぞれRAM55の別々の領域に、同じバッファ構造で用意しておく。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。この処理は、特別図柄の変動を開始する際に、保留記憶済みのデータを読出して表示結果を大当りにするか小当たりにするかはずれにするかを決定する処理である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであるか否かを確認する(ステップS52)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであれば、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「第2」を示すデータであれば)、CPU66は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に始動入賞した順番に、対応する特別図柄の変動表示が実行される(すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞に対応して第1特別図柄の変動表示が実行され、第2始動入賞口14への始動入賞に対応して第2特別図柄の変動表示が実行される)。
なお、始動入賞順ではなく、たとえば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS52において、保留特定領域に1つでも「第2」を示すデータがあるか否かを確認する。そして、1つでも「第2」を示すデータがあれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する。一方、「第2」を示すデータが1つもなければ(すなわち、「第1」を示すデータのみが設定されていれば)、CPU56は、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合、保留特定領域を設けなくてもよい。この場合、まず、第2保留記憶バッファに保留記憶があるか否か(ランダムRやランダム1、ランダム2などの値が格納されているか否か)を確認し、保留記憶があれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すればよい。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶がなければ(この場合、第1保留記憶バッファにのみ保留記憶があることになる)、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すればよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第1」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第2」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。
そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61でNO)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62でNO)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(D)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(C),(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、確変大当りが選択される割合が高い。また、この実施の形態では、図7(C),(D)に示すように、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ、突然確変大当りが選択される場合がある。なお、たとえば、第2の特別図柄の変動表示が実行される場合においても、突然確変大当りが選択されるようにしてもよく、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合と第2の特別図柄の変動表示が実行される場合とで、各大当り種別の選択割合を同じにしてもよい。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。この処理は、特別図柄の変動を開始する際に、保留記憶済みのデータを読出して変動パターンを決定する処理である。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図8(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図8(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95でYES)、CPU56は、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95でNO)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96でNO)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95でYES)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96でYES)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図9(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S98の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、図9(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−2が決定される場合があり、非リーチCA2−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図14参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、ステップS95でYESと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97またはS98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図13参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図14参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。たとえば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、ステップS95〜S98,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示すノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、始動口スイッチ通過処理における始動入賞時の判定において、リーチの選択割合が低い方のリーチ判定テーブルを用いてリーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって擬似連演出有りとなるか否かを事前判定して予告演出を行うように構成することが好ましい。
図24は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図15参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。
なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよびおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110でNO)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116でNO)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS139Aに移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS139Aでは、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS139B)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。また、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS141)、時短フラグをリセットする(ステップS142)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142A)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS143)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば2回)をセットする(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS143でNO)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS155でYES)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS156)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS157)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(たとえば100回)をセットする(ステップS158)。そして、ステップS161に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS159)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS160)。そして、ステップS161に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS157,S160でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS161では、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS166)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15参照)であるのか解析する。
図30〜図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、予め決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS663でYES)、そのコマンドを格納し(S664)、S611に戻る。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドでなければ(ステップS663でNO)、受信した演出制御コマンドが変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S665)。変動カテゴリコマンドでなければ、これまでに受信したコマンドに対応するフラグをセットし(S673)、S611に戻る。
受信コマンドが変動カテゴリコマンドであったときには(S665でYES)、そのコマンドを格納する(S666)。次に、格納した変動カテゴリコマンドが擬似連を実行し得る変動カテゴリであるか否かを判定する(S667)。たとえば、はずれに対応する変動カテゴリコマンドであれば、変動カテゴリが6〜9であれば擬似連を実行し得る変動カテゴリであると判定できる(図11参照)。なお、変動カテゴリコマンドは、当り(大当り、小当たり)/外れ別に送信されてくるので、変動カテゴリコマンドを見て、それがはずれに対応するコマンドであるか否かを判断できる。
変動カテゴリコマンドが擬似連を実行し得るものでないときには、その変動カテゴリに応じた態様で保留記憶の表示を変化させる(S669)。その結果、変動カテゴリがはずれに対応し、かつ、リーチもなく、擬似連演出の可能性も無いものである場合には、それに対応する保留記憶は何らの示唆演出も含まない通常の態様で表示する。
これに対して、たとえば、変動カテゴリがリーチや大当りに対応するものである場合には、保留記憶の対応をリーチあるいは大当りに対応する示唆演出の態様で表示する。具体的には、リーチあるいは大当りの場合には、対応する保留記憶の表示部分に吹き出しを付けて「チャンス」と表示する。もちろん、リーチと大当りのときとで、示唆演出の態様を異ならせてもよい。また、変動カテゴリが大当りあるいはリーチのときに必ずS669で変動カテゴリに応じた態様にする必要はなく、抽選により所定確率で変動カテゴリに応じた態様に設定されるように制御してもよい。また、S667で擬似連を実行し得る変動カテゴリと判定された場合でも抽選によって、所定確率で保留記憶を通常の態様で表示したり、あるいは「チャンス」と表示するようにしてもよい。
S667で擬似連を実行し得る変動カテゴリと判定したときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出予告フラグをセットし、特定演出予告態様で保留記憶を表示する(ステップS668)。これにより、先読み予告演出が実行される。
次に、S666で格納された変動カテゴリコマンドが保留数に関わらず擬似連を実行するカテゴリのコマンドであるかが判定される(S670)。たとえば、はずれの変動カテゴリのうち、変動カテゴリ8か9については、図11からも明らかなように保留数に関わらず擬似連有りとなる。そこで、S670での判定対象がこのような変動カテゴリであった場合には、擬似連演出確定となる。このような場合には、擬似連確定フラグをONにセットする(ステップS671)。
S671の後、あるいはS670でNOと判断された後、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に現在記憶されている合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS672)。その後、ステップS611に移行する。なお、変動回数カウンタは、入賞時判定結果指定コマンドで指定されたスーパーリーチとなるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。
図34は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。この演出図柄変動開始処理には先読み予告演出のための処理も含まれている。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。この演出図柄変動中処理には先読み予告演出のための処理も含まれている。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。この演出図柄変動停止処理には先読み予告演出のための処理も含まれている。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。たとえば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図35は特定演出予告処理(先読み予告演出処理)を示すフローチャートである。特定演出予告処理によって、ターゲットの変動で特定演出(擬似連)が実行される可能性があることを示唆する特定演出予告(先読み予告)が行なわれる。このフローチャートには、図34に示した演出制御プロセス処理によって実現される先読み予告演出の処理が概念的に示されている。この特定演出処理は、演出制御プロセス処理中の演出図柄の変動に関わる処理(S801、S802、S803)において実行される。
なお、特定演出予告処理(先読み予告演出処理)は、演出制御プロセスフラグの値に応じたステップS800〜S806の処理よりも前に実行するようにしてもよい。このような場合、S801、S802、S803の処理が事前に行われることとなるので、S800、S804〜S806においては、特定演出予告処理(先読み予告演出処理)を実行しないようにしてもよい。
まず、演出制御用CPU101は、変動開始時か否かを判定する(ステップS811)。変動開始時であれば(ステップS811でYES)、演出制御用CPU101は、特定演出予告フラグがONであるか否かを判定する(ステップS812)。
特定演出予告フラグがONであれば(ステップS812YES)、すでに、ある保留記憶をターゲットとする先読み予告演出を実行中であるということになる。このため、特定演出予告フラグがONであれば、今回の変動開始に対応して先読み予告演出の変動の回を1回減じるべく、先読み予告回数カウンタを1減算する(ステップS813)。なお、先読み予告回数カウンタは、図32のS672でセットされる。
特定予告フラグがONとなっていなければ(ステップS812でNO)、処理を終了する。
次いで、演出制御用CPU101は、擬似連確定フラグがONであるか否かを判断する(ステップS814)。擬似連確定フラグがONであれば、ターゲットの変動での擬似連が確定している。このため、この場合には、擬似連演出の予告態様を信頼度100%の態様(確定態様)に設定する(ステップS818)。これに対して、擬似連確定フラグがONとなっていなければ、演出制御用CPU101は、現在の合算保留記憶数が2以下であるか否かを判定する(ステップS815)。現在の合算保留記憶数が2以下であれば(ステップS815でYES)擬似連演出の予告態様を高信頼度の態様に設定する(ステップS816)。また、現在の合算保留記憶数が2より多ければ(ステップS815でNO)、擬似連演出の予告態様を低信頼度の態様に設定する(ステップS819)。
ステップS815の判定は、飾り図柄の開始時(S811でYES)のみならず、飾り図柄の変動中(S811およびS817でNO)においても繰り返し行なわれている。このため、たとえば、変動中のある瞬間にS815でYESと判定されても、同じ変動中の次の判定タイミングまでに保留記憶数が増加して当該次のS815の判定タイミングでNOと判定されるケースもある。このため、同じ1回の変動中に予告態様が高信頼度の態様に設定されても、始動入賞が発生することによって、その予告態様が低信頼度の態様に設定変更される場合もある(後述する図38(b))。
ステップS811で変動開始時ではないと判定されれば、演出制御用CPU101は、変動終了時か否かを判定する(ステップS817)。変動終了時でなければ(ステップS817でNO)、ステップS814へ移行し、擬似連確定フラグがONとなっているか判定する。
変動終了時であれば(ステップS817でYES)、演出制御用CPU101は、先読み予行回数カウンタの値は1(次回がターゲットの変動)であるか否かを判定する(ステップS820)。ある変動が終了した段階で先読み予行回数カウンタの値が1ということは、次回の変動がターゲットの変動ということになる。そこで、先読み予行回数カウンタの値が1であれば、特定演出予告演出(先読み予告演出)を終了する(ステップS821)。次いで、先読み予告回数カウンタをリセットし、特定演出予告フラグをOFFとし、擬似連確定フラグをOFFとし(ステップS822)、処理を終了する。また、ステップS820で先読み予行回数カウンタの値が1でないと判定されると、次回の変動はターゲットの変動ではないので、そのまま処理を終了する。
以上、説明した特定演出予告処理が実行されることにより、以下に説明する図36のような特定演出予告(先読み予告)を実行可能となり、また、図38(a)および図38(b)のタイミングチャートに示す特定演出予告(先読み予告)を実行可能となる。なお、図37および図38(c)は変形例を示す。
図36は、本実施の形態に係る先読み予告を示す説明図である。図36には、(a)を起点として(b)〜(d)と変化する表示例と、(a)を起点として(e)〜(i)と変化する表示例との2つの表示例が示されている。
図36(a)に示される「連??」を囲む丸印およびその左側に並ぶ丸印は、各々が保留記憶を表示しており、左側から順番に消化される(変動に用いられる)。「連??」は、先読み予告の表示例である。すなわち、図36(a)には、4つの保留記憶のうちの最後に変動の順番が到来する保留記憶をターゲットとする、先読み予告例が示されている。
図36(a)に示すように、ターゲットの可変表示において、擬似連演出が行われることを示すように合算保留記憶表示部18cに「連??」の予告態様T1が表示される。なお、この予告態様T1は?が2個ついていることからも分かるように、ターゲットの可変表示において、擬似連演出が行われる信頼度が低いことを表している。
なお、ここでは、図36(a)の時点でターゲットの変動結果ははずれと先読み判定され、かつ、ターゲットの変動パターンは擬似連有が確定以外(変動カテゴリは8,9以外)と先読み判定されているものとする。
はじめに、図36(a)を起点として(b)〜(d)と変化する表示例を説明する。図36(a)の状態から保留記憶が3つ消化されると、ターゲットの保留記憶の変動の順番が到来する。ところが、この間に、可変入賞球装置15に形成される第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に遊技球が3個入賞したときには、ターゲットの変動開始直前の保留記憶数は、図36(b)に示されるとおり、4つである。
この場合には、図36(a)と同様に「連??」の予告態様T1が表示されている(図36(b))。このようにターゲットの変動開始時の保留記憶数が3以上であったため、ターゲットの変動では飾り図柄の可変表示が開始(図36(c))された後、擬似連演出が行われることなく、ターゲットの変動が停止(図36(d))する。
このように、先読みの段階ではターゲットの変動で擬似連有と判定していても、「連??」のような信頼度の低い先読み予告演出を採用しておき、ターゲットの変動が到来するまでの間でもそのような予告をすることによって、ターゲットの変動では保留記憶数が多くなり擬似連演出が実行されなくなっても、遊技者に不快感を与えたり不信感を与えたりすることを極力防止できる。
次に、図36(a)を起点として(e)〜(i)と変化する表示例を説明する。図36(a)の状態から保留記憶が3つ消化されると、ターゲットの保留記憶の変動の順番が到来する。ところが、この間に、始動入賞が1つも発生しないと、図36(e)のように保留記憶がターゲットのみとなる。すると、ターゲットの変動開始時に保留記憶数が3未満のため、ターゲットの保留記憶が発生したときに抽出されたランダム2の値次第では、先読み時とは異なる「擬似連演出有」の変動パターンが採用されてターゲットの変動が開始されることになる。
このため、図36(e)のとおり、先読み予告の態様が「??」から「連?」の予告態様T2に変更される。この予告態様T2は、?が1つに減少していることからも分かるように、ターゲットの可変表示において、擬似連演出が行われる信頼度が高いことを表している。
この例では、ターゲットの変動開始時に先読み時とは異なる「擬似連(1回)演出有」の変動パターンが採用された場合を想定しいる。このため、ターゲットの変動で飾り図柄の可変表示が開始(図36(f))された後、擬似連演出として、飾り図柄が1回仮停止し(図36(g))、飾り図柄が再び変動(図36(h))し後に、リーチ演出へと変動パターンが進行している(図36(i))。
このように、先読みの段階ではターゲットの変動で擬似連有と判定していても、「連??」のような信頼度の低い先読み予告演出を採用しておき、ターゲットの変動が到来するまでの間に保留記憶数が少なくなって先読み判定した擬似連有の変動パターンが採用される可能性が高まると、先読み予告演出の態様を信頼度の高い態様に変化させることも行なわれる。このような制御が行なわれることによって、先読みした変動パターンでターゲットの変動が行なわれる可能性が高まると、それに応じて先読み予告の態様が信頼度の高いものに変更される。その結果、擬似連に対する遊技者の期待感を徐々に高めることができるとともに、その遊技者の期待を極力裏切らないようにすることができる。
擬似連演出が行われるということは、ターゲットの変動においてリーチとなる可能性や大当りとなる可能性が高いことを示している。よって、予告態様で擬似連演出が高信頼度で行われるT2になることで、遊技者は、ターゲットの変動にリーチや大当りに対する期待を持つことができる。また、保留記憶数に応じて、ターゲット変動直前での予告態様が変化するので、ターゲットの変動が擬似連演出無しではずれとなる場合に、予告態様を低信頼度の表示にすることで、先読み予告態様に対する遊技者の不信感を軽減できる。さらに、保留記憶数が多ければ、変動時間の長い擬似連演出を行う可能性が低くなるが、そのような場合にも擬似連演出が行われることを低信頼度で予測する予告対応とすることで、予告演出と実際のターゲットの変動との間での演出のずれを防ぐことが可能となる。
なお、図36では、ターゲットの変動が始動入賞の発生の段階で早々と擬似連有に確定したときの表示例を示していないが、このような場合には、図36(a)において、「連??」ではなく、「連」と表示し、その後、ターゲットの変動開始までその表示を継続する。あるいは、「連」ではなく、「連確定」といった態様でもよい。さらには、擬似連確定による遊技者の満足感を高めるために、保留記憶の表示部分ではなく、画面の所定箇所に「擬似連確定」と表示し、その確定した保留記憶の丸印部分を他とは異なる態様で表示(たとえば、点滅、色を変えるなど)するようにしてもよい。
また、ターゲットの変動が始動入賞の発生の段階で早々と擬似連有に確定したときでも、ターゲットの変動の順番が到来する所定数前となるまでは「連?」や「連??」と表示しておき、所定数前となったときに擬似連確定態様の先読み予告演出をするようにしてもよい。
あるいは、ターゲットの変動が始動入賞の発生の段階で早々と擬似連有に確定したときでも、ターゲットの変動の順番が到来する所定数前となるまで「連???」、「連??」、「連?」と各変動の回ごとに予告態様を信頼度の高い態様に変化させ、所定数前となったときに擬似連確定態様の先読み予告演出をするようにしてもよい。
図37は、本実施の形態における先読み予告の変形例を示す図である。先に説明した図36とは、(a)を起点として(b)〜(d)と変化する表示例のうちの(b)が異なり、他方の(e)〜(i)の表示例は図36と同じである。
先に説明した図36(b)の場合には、ターゲットの変動開始前においても保留記憶数が多く存在し、ターゲットで擬似連有の変動パターンが採用される可能性が低いことから、先読み予告の態様を信頼度の低い「連??」としている。
この図37(b)の場合には、ターゲットで擬似連有の変動パターンが採用される可能性が低いという観点で先読み予告の態様を変更する点では図36(b)と同じであるが、先読み予告の態様をそれまでの「連」と「?」との組み合せによるものからまったく違うT3の態様「チャンス」に変更している点で図36(b)の例と異なっている。
このように、先読み予告を続ける中で、ターゲットで擬似連有の変動パターンが採用される可能性が低い状況になれば、先読み予告態様をこれまでとはまったく異なる態様に変更することによって、遊技者に対して、先読みが外れている可能性が高いということを間接的に示唆できる。このような示唆の方法は、図36(b)のように「?」の数を増やすことによる示唆の方法よりも、先読みが外れていることが遊技者に伝わりやすく、また、図36(b)のように「?」の数を増やすことによって、可能性が低いにもかかわらず、白々しく先読み予告しているかのような印象を遊技者に与えてしまうようなことも防止できる。
また、この「チャンス」は、既に説明したとおり、ターゲットの変動においてリーチ演出などが起こる可能性が高いことを示す表示として用いられる(図33のS669)。このように、リーチ予告あるいは大当り予告に用いる「チャンス」という示唆演出の態様を擬似連予告の態様に流用しているため、図37の場合には、擬似連演出を行う予告態様からリーチあるいは大当りの予告態様へと変化したように遊技者に思わせることができる。
また、図37には、ターゲットの変動の保留記憶が擬似連変動を示唆する「連??」からリーチあるいは大当りを示唆する「チャンス」に変化する例を示しているが、図37(a)の時点でターゲットの変動の保留記憶をリーチあるいは大当りを示唆する「チャンス」で表示する場合も発生し得る。この場合には、遊技者に対して、ターゲットの変動がリーチまたは大当りになることを期待させることができる。また、図37(a)でターゲットの変動に対応する保留記憶に「チャンス」を表示しておいて、ターゲットの変動の順番が近づいてきたときに、保留記憶数との関係で擬似連有の変動パターンが選択される可能性が高まったときには、「チャンス」の表示を「連?」などの擬似連予告の態様に変更するようにしてもよい。
このように、予告態様の種類を変化させることで、遊技者に擬似連演出の可能性が低いことを示すことができる。よって、ターゲットの変動が信頼度の低いものであることが、予め認識されるので、遊技者は、過度の期待を持つことなく、落胆することが少なくなる。また、ターゲットの変動で行われる演出と予告態様で表示される変出とが異なるようなおそれが無くなり、予告態様に則した演出を実行することが可能となる。
なお、ここでは、擬似連を示唆する予告演出の態様を演出内容が異なる態様に変更する例として、「チャンス」を挙げたが、このような例はこれに限られるものではない。たとえば、「大当りかも?」という表示でもよく、あるいは「リーチかも?」という表示でもよい。さらには、「連??」という表示を消して、ターゲットの保留記憶表示部分をこれまでとは異なる表示色に変更するものであってもよい。
図38は、擬似連の先読み予告演出の態様と保留記憶数との関係を示すタイミングチャートである。図38に示される「変動」および「停止」は、時間軸上における「飾り図柄の変動」および「飾り図柄の変動停止(事前決定されている表示結果の導出)」を表している。したがって、「停止」から「変動」へ立ち上がるライン部分は、保留記憶に基づいた変動開始のタイミングを表し、逆に「変動」から「停止」へ立ち下がるラインは、変動が終了して事前決定されている表示結果が導出表示されるタイミングを表している。
また、変動中を示すライン上に記された丸印は、その時点で残っている保留記憶を表し、特に二重の丸印は、先読み予告のターゲットとなる保留記憶を意味している。なお、複数示された保留記憶は、左から順番に消化されることを想定している。
図38(a)、(b)、(c)は、いずれも1回目の変動では保留記憶が4つ存在しており、かつ、4つ目の保留記憶が先読み予告のターゲットである。ここでは、ターゲットは表示結果がはずれに事前決定されており、かつ、ターゲットの保留記憶が発生した時点(始動入賞時点)では、その変動パターンが擬似連有りが確定以外と先読み判定されているものとする。
図38(a)は、1回目の変動からターゲットの変動へと移行するまでの間に新たな始動入賞が発生しない例である。また、図38(b)は、1回目の変動からターゲットの変動へと移行するまでに新たな始動入賞が発生する例である。いずれの例も、これまでに説明した制御が実行されることによって実現される。これに対して、図38(c)は、保留記憶数の判定タイミングを変動開始時のみとする場合を例示しており、この点において、図38(c)はこれまでに説明した実施の形態の変形例である。
初めに図38(a)を説明する。図38(a)に示すように、保留記憶の4つ目にターゲットの変動が含まれたときの変動a1では、予告態様は「??」で表示される。保留記憶が3つになったときの変動a2での予告態様は、保留記憶が4つの場合と同様「??」となる。さらに、保留記憶が2つになったときの変動a3では、予告態様が「??」から「?」へと変化している。この変化は、これまでに説明したとおり、保留記憶数が3未満となり、ターゲットの変動の開始時において、その変動パターンが擬似連有に決定される可能性が制御的に高まったことに対応したものである。遊技者は、この変化に対して擬似連に対するより高い期待を抱く一方、制御的にもその可能性が高くなるので、遊技者の期待を極力裏切らないようにすることができる。
次いで、保留数が減少し保留が1つ(ターゲットの直前)のときの変動a4での予告態様は「?」である。その後、ターゲットの変動(ターゲットの可変表示)a5の開始時に変動パターンが擬似連有に決定されると、その決定に従い、先読み予告どおり、ターゲットの変動a5において、擬似連の演出が(この例では3回)行われる。
このように、保留記憶数が3個以上と保留記憶数が3個未満で先読み予告態様を変化させることで、ターゲットの変動で擬似連演出が行われる可能性に応じた予告をすることができる。特に、この例では、保留記憶数が少なくなることに応じて先読み予告態様が信頼度の低い態様から信頼度の高い態様に変化するために、遊技者の期待感を段階的に高めることができる。
次に、図38(b)を説明する。図38(b)の場合は、保留記憶の4つ目にターゲットの変動が含まれる変動b1では「??」の予告態様となり、保留記憶数が3の場合の変動b2でも同様に「??」の予告態様となる。さらに、次の変動b3では、保留記憶数が2つとなったために、予告態様が「??」よりも信頼度の高い「?」に変化する。しかしながら、図示のとおり、変動b3の途中に始動入賞が発生すると、始動入賞の前後で保留記憶数が2から3に変化する。このため、ターゲットの変動パターンが擬似連無しに決定される可能性が高まる。すると、変動b3の途中で保留記憶数が3に変化した段階から予告態様が「?」から「??」へと変化する。
このように、本実施の形態では、変動中においても繰り返し保留記憶数の変化を判定しているため(図35のS815参照)、変動中においても、ターゲットで擬似連が発生する可能性に応じた信頼度の予告態様に切り換えることが可能である。また、始動入賞という、遊技者も認識できる入賞のタイミングで予告態様を切り換えることによって、切換えタイミングを遊技者が認識し易い。
なお、上述した「所定のタイミング」とは、ターゲットの変動に対応する保留記憶(保留記憶手段から読み出した一の保留情報)よりも前の時点を指した所定のタイミングのことであり、例えば、始動入賞時、変動開始時、リーチ成立時、変動終了時など様々なタイミングを総称したタイミングのことである。
変動b3が終了して次の変動b4が開始すると、保留記憶数が2に減少する。すると、保留記憶数が3未満となるので、ターゲットの変動開始時において擬似連有の変動パターンが決定される可能性が高くなる。このため、図示のとおり、変動b4では、予告態様が「??」から「?」へと変化する。その後、変動b4を終えると、ターゲットの変動へと移行することになるが、図38(b)では、これ以降の図示を省略している。
このように、変動の途中で始動入賞が生じた際には、保留記憶数が3以上になったか否かに応じて予告態様を信頼度の高い予告から信頼度の低い予告へと変更している。よって、始動入賞が発生する毎に保留記憶数を判定し、それに応じて予告態様を変化させることで、変動中であっても、ターゲットの変動で擬似連が実行される可能性の変化に応じた予告態様とすることが可能となる。
次に、図38(c)を用いて変形例を説明する。この例は、保留記憶数の変化を変動開始時にのみ判定して先読み予告態様を変化させる例である。図38(c)に示すように、保留記憶の4つ目にターゲットの変動が含まれる変動c1では「??」の予告態様となる。変動c1が終了して次の変動c2を開始する際に保留記憶数が判定される。この例では、保留記憶数が3であるため、変動c2でもc1と同様に「??」の予告態様となる。続いて、変動2が終了して次の変動c2を開始する際に保留記憶数が判定される。このとき、保留記憶数は2であるため、予告態様が「??」から信頼度の高い「?」に変化して変動c3が開始される。
変動c3の途中で2つの始動入賞が発生すると、保留記憶数は4つに変化する。この時点では保留記憶数が3以上となるため、ターゲットの変動で擬似連有無りの変動パターンが決定される可能性が低くなる。ところが、この例では、保留記憶数の判定を変動開始時のみに行なうため、予告態様は「?」のまま変化しない。やがて、変動c3が終了して次の変動c4の開始時に保留記憶数が3以上と判定される。すると、変動c3における予告態様が「??」となる。
このように、変動開始時にのみ予告態様の切り替えの判定を行うと、その処理タイミングが固定されるので、処理の効率化が図れる。また、遊技者は、変動開始時に予告態様に注目すればよく、変動中は図柄の演出やその他の演出を満喫することができる。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 先読み予告に関するコマンドの取りこぼし発生時の処理
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される入賞時判定結果指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに基づいて先読み予告を実行する。このため、ノイズ等の要因によって、これらのコマンドの取りこぼし等によるエラーがあった場合、先読み予告に影響が出る。そこで、コマンドの取りこぼしが発生したときには、先読み予告に制限をかけるようにしてもよい。
たとえば、上記コマンドが何らかの影響で不確定なものになっている場合には、そのコマンドに対応する保留記憶が消化されるまで先読み予告を全くやらないようにすればよい。このようにすることで、エラーが生じた場合に信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出を行うことを避けることができ、演出がより正確なものとなる。あるいは、そのような場合でも、先読み予告を行なうものの、その予告態様を信頼度の低いものにすることで、先読み予告に制限をかけることも考えられる。
(2) 上演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドで大当りかつ擬似連無の変動パターンが通知された場合に、ガセの予告として、それをターゲットの変動として、ターゲットの変動の前の変動から「連?」や「連??」といった先読み予告態様を表示するようにしてもよい。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞時判定結果指定コマンドで大当りかつ擬似連無の変動パターンが通知された場合、乱数抽選をして所定の割合でそのようなガセ予告を決定するものとしてもよい。これによって、ガセ予告を含めた多様な先読み予告が可能となり遊技性が向上する。
(3) 図37では、先読み予告の態様をこれまでとは演出内容が異なる態様に変更する例として「チャンス目」を示した。しかしながら、ターゲットの変動が遠い段階(ターゲットの変動より前に多数の保留記憶がある段階)では、擬似連とは関係の無い、あるいは関係の薄いような予告を表示しておき、ターゲットの変動が近づいてきた段階(ターゲットの変動より前に保留記憶が1つあるいは2つ程度しかない段階)で、予告態様を先読み予告の態様(たとえば、「連?」など)に切換えるようにしてもよい。この場合、「擬似連とは関係の無い、あるいは関係の薄いような予告」としては、大当り予告や確変予告、リーチ予告などが考えられる。
(4) 上記の実施の形態では、図9に示したようにはずれに対応する判定テーブルを2種類用意し、保留記憶数が2以下であるか3以上であるかで用いる判定テーブルを異ならせた。しかしながら、判定テーブルの選択基準となる保留記憶数は、このようなものに限られない。たとえば、保留記憶数が4以下であるか5以上であるかで用いる判定テーブルを異ならせてもよい。また、3種類以上の判定テーブルを設けて保留記憶数によってそれらの判定テーブルを使い分けるようにしてもよい。
(5) 図9には、保留記憶数が2以下に対応する判定テーブル(判定テーブルAという)と、保留記憶数が3以上に対応する判定テーブル(判定テーブルBという)とを示した。しかしながら、先読み予告のために用いる判定テーブルとして、ターゲットの変動に対して何回前の変動であるかに応じた判定テーブルを設けるようにしても。たとえば、ターゲットの変動よりも1回前の変動に対する判定テーブルA1,B1と、ターゲットの変動よりも2回前の変動に対する判定テーブルA2,B2と、ターゲットの変動よりも3回前の変動に対する判定テーブルA3,B3と、いう具合に、判定テーブルを複数設けることが考えられる。
(6) この実施の形態では、図8および図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
(7) この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図9(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択され得る場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。
たとえば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
(8) この実施の形態では、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けの異ならせ方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振り分けを異ならせてもよい。この場合、たとえば、合算保留記憶数が0,1用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとを予め用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振り分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
また、このような例に限らず、予め用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組合せは、様々なものが考えられる。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
(9) この実施の形態では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルのみを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい。
すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい。
また、たとえば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
(10) この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。たとえば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい。
また、たとえば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(たとえば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
(11) 本実施の形態では、保留記憶数に応じた複数種類の変動パターン種別判定テーブルは、はずれに対してのみに設けている。しかしながら、大当りに対しても保留記憶数に応じた複数種類の変動パターン種別判定テーブルを設けてもよい。また、小当たりに対しても保留記憶数に応じた複数種類の変動パターン種別判定テーブルを設けてもよい。さらに、事前決定される表示結果がはずれであるか大当りであるか、さらには小当たりであるかによって、複数種類の変動パターン種別判定テーブルのいずれが選択されるかの選択基準となる保留記憶数を異ならせてもよい。
(12) 始動入賞口への入賞に対応する保留記憶は、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとに分類してするのではなく、1つの記憶エリアでまとめて記憶するようにしてもよい。また、保留記憶数の上限数は8以上としてもそれ以下としてもよい。
(13) 変動パターンがはずれで擬似連無しと先読み判定された場合でも、所定の割合で(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が乱数抽選することによって)擬似連を示唆する先読み予告を「連??」のような態様で行なうようにしてもよい。この場合、ターゲットの変動が近づいてきたときの保留記憶数が少なくなれば、先読み予告の態様を「連?」のように、信頼度が高いものに変更するようにしてもよい。
(14) この実施の形態では、変動パターンがはずれで擬似連有と先読み判定され、かつ、変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8または9の場合には、擬似連確定の態様で先読み予告を行なうものとした。しかしながら、このような場合でも、確定態様とせず、信頼度が100%未満の態様のうちで最も高い態様で先読み予告をするものに留めてもよい。たとえば、「擬似連確定?」のように表示することが考えられる。このことは、変動パターンが大当りや小当たりの場合にも同じである。
(15) 上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(16) 上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(17) 保留記憶数によって特定演出を実行するか否かが変化してしまうような保留記憶である場合(たとえば、はずれの変動カテゴリが6や7)には、遊技者の先読み予告に対する不信感を防止するために、特定演出に対する先読みを一切、行なわないようにすることも考えられる。しかしながら、そのように制御すると、先読み予告の実行頻度が低くなってしまうという問題が生じる。その結果、先読み予告に対して遊技者に期待を抱かせる機会が少なくなる。これに対して、本実施の形態のように、保留記憶数によって特定演出を実行するか否かが変化してしまうような保留記憶である場合でも、先読み予告の態様を工夫することによって、先読み予告の実行頻度を高めつつ(先読みの実行頻度を低下させることなく)、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
(18) 本実施の形態を適用可能な遊技機としては、本体から遊技場の島設備(揚送経路)へと玉が排出され、また、島設備から玉が補給されるようなパチンコ遊技機の他、本体に玉などの遊技媒体(メダル等を含む)が封入されている封入式の遊技機が考えられる。
(19) 表示結果が大当りや小当たりなどの当りとなる保留記憶をターゲットとする場合にも、本実施の形態に記載したはずれの保留記憶の場合のように、保留記憶数の多少に応じて特定演出の実行の可能性が変化するように制御してもよい。あるいは、当りの保留記憶については、特定演出の実行の有無が保留記憶数の多少に影響を受けないようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。