ところで、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、デザインパネルと照明装置は、前扉本体に別個にネジ止めされている。このため、上記スロットマシンの製造工程では、まず、照明装置を装着凹部内に装着してネジ止めし、しかる後に、デザインパネルを装着凹部に装着してネジ止めしなくてはならなかった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、デザインパネルと照明装置の取付構造が簡素なスロットマシンの提供を目的とする。
本発明は、筐体に枢支される前扉本体と、該前扉本体の前面に形成された装着凹部を閉塞するように配設されるデザインパネルと、前記装着凹部内に配設されて、前記デザインパネルを背面側から照らす照明装置とを備えるスロットマシンであって、前記デザインパネル、前記照明装置、及び前記前扉本体は、前後方向に配置される締結部を夫々備え、該夫々の締結部で共締めされていることを特徴とするスロットマシンである。
本発明では、さらに、共締め前に、前記照明装置を前記装着凹部内に仮止めする照明仮固定手段と、共締め前に、前記デザインパネルを、前記装着凹部を閉塞する位置に位置決めするパネル位置決め手段とを備えるようにしてもよい。
本発明にあっては、例えば、照明装置を装着凹部に装着して照明仮固定手段によって仮止めした後に、デザインパネルを装着凹部に装着し、しかる後に、照明装置とデザインパネルと前扉本体とを共締めすることによって、照明装置及びデザインパネルを装着凹部に固定できる。ここで、本発明に係る「照明仮固定手段」とは、ネジ止めによるものでなく、係合や嵌合等によって対象物を保持するものであり、照明装置の「仮止め」は、照明装置を装着してからデザインパネルを装着して共締めするまでの間に、前扉が開閉したり振動しても、照明装置が装着位置からずれないように留める程度で足りる。また、「位置決め手段」とは、対象物を所定位置に装着する際に、当該位置へ装着するガイドとなるものを意味する。また、本発明に係る「装着凹部」は、全体として凹んだ形状であればよい。「装着凹部」は、不正器具の侵入を防止するために、背面側に開口させないことが好ましいが、照明装置の配線等を背面側に通す開口部を形成する場合には、照明装置で隠れる位置に当該開口部を形成して、不正器具の侵入を防止することが好ましい。
したがって、本発明によれば、デザインパネル及び照明装置を前扉本体に取り付けるのに要するネジの本数を削減でき、これにより、スロットマシンの部品点数削減や、ネジ止め作業回数の低減が可能となる。また、本発明では、照明仮固定手段とパネル位置決め手段を備えることにより、共締めする前に、照明装置を装着凹部内に仮止めし、デザインパネルを位置決めすることができるため、共締めを容易に行うことができるという利点がある。
本発明にあって、前記パネル位置決め手段は、前記デザインパネルの外周縁と、該外周縁と当接する前記装着凹部の内周縁とからなる凹部側パネル位置決め手段と、前記デザインパネルの背面側と前記照明装置の前面側とに夫々形成されて相互に嵌合する一対又は複数対のパネル−照明嵌合部からなる照明側パネル位置決め手段とを備えることが提案される。ここで、パネル−照明嵌合部は、相互に密嵌するものに限らず、遊嵌するものも含む。また、凹部側パネル位置決め手段は、デザインパネルの外周縁と装着凹部の内周縁の全周で構成されるものに限らず、外周縁と内周縁の一部(例えば、側縁部分)によって構成されていてもかまわない。
かかる構成にあっては、装着凹部との間に設けられた凹部側パネル位置決め手段と、照明装置との間に設けられた照明側パネル位置決め手段の双方によってデザインパネルを位置決めできるため、デザインパネルの位置決め精度を向上できる。特に、デザインパネルの装着時に、パネル−照明嵌合部がパネル装着側(前面側)から視認し難いのに対し、デザインパネルの外周縁と装着凹部の内周縁は、デザインパネル装着側から容易に視認できるため、かかる構成では、照明側パネル位置決め手段だけの構成に比べて、デザインパネルの位置決めを容易に行うことができる。
また、前記凹部側パネル位置決め手段にあって、前記デザインパネルと前記装着凹部の相互に当接する側縁は、夫々非直線状に形成されており、前記相互に当接する側縁によって、共締め前に、前記デザインパネルが前記装着凹部に対して保持される構成が提案される。
すなわち、かかる構成は、凹部側パネル位置決め手段を構成するデザインパネルの外周縁と装着凹部の内周縁のうち、少なくとも左右一方の、相互に当接する側縁を夫々非直線形状とすることによって該側縁に凹凸形状を形成し、かかる凹凸形状を当接させることによって、デザインパネルを装着凹部に保持するようにする。かかる構成によれば、装着凹部に装着したデザインパネルを共締めするまで保持できるため、デザインパネルと照明装置の共締め作業を一層容易に行うことができる。特に、本構成では、装着凹部にデザインパネルを装着する際に、デザインパネル及び装着凹部の側縁を目視確認できるため、側縁同士を容易に嵌合させることができる。また、非直線形状としたデザインパネルの側縁形状は、デザインパネルの意匠としても機能するため、かかる構成によれば、デザインパネルの取付作業の簡易化と意匠性の向上とを同時に実現可能となる。なお、本発明に係るデザインパネルの「保持」は、手で押さえていなくてもデザインパネルが装着凹部から外れないよう留める程度で足り、照明装置の「仮止め」よりも弱いもので構わない。これは、照明装置は、デザインパネルを装着すると、デザインパネルの背面側に隠れて触れなくなり、位置がずれた時に直す手間が大きいのに対し、デザインパネルは共締めするまで触れることができ、位置が多少ずれても簡単に直せるためである。
また、本発明にあって、前記デザインパネルの前記締結部の背面側に開口する締結用穴部と、前記照明装置の締結部に形成される照明側締結用貫通孔と、前記前扉本体の締結部に形成される本体側締結用貫通孔とを備え、前記照明仮固定手段は、共締め前に、前記照明装置を、前記装着凹部内で、前記照明側締結用貫通孔と前記本体側締結用貫通孔が重なる位置に仮止めし、前記パネル位置決め手段は、共締め前に、前記デザインパネルを、前記装着凹部を閉塞するとともに、前記締結用穴部が前記照明側締結用貫通孔と重なることとなる位置に位置決めするものであり、前記デザインパネル、前記照明装置及び前記前扉本体は、前記前扉本体の背面側から、前記本体側締結用貫通孔及び前記照明側締結用貫通孔に挿通されて、前記締結用穴部と螺合するネジ部材によって共締めされている構成が提案される。
かかる構成にあっては、ネジ部材の頭部が前扉の背面側に露出するため、前扉を閉じた状態ではデザインパネルを取り外すことができず、遊技店の営業中に遊技者がデザインパネルを取り外して持ち帰ってしまうといったトラブルが生じない。また、かかる構成では、ネジ止め作業自体は、比較的作業性の悪い前扉背面側で行う必要があるが、デザインパネルや照明装置は、比較的作業性のよい前扉前面側から装着できるから、ネジ止め作業が煩雑となることがない。
また、本発明にあって、前記パネル位置決め手段は、前記デザインパネルの背面側と前記照明装置の前面側とに夫々形成されて相互に嵌合する一対又は複数対のパネル−照明嵌合部からなる照明側パネル位置決め手段を備え、前記パネル−照明嵌合部は、前記照明装置及び前記デザインパネルの、前記締結部に夫々形成されている構成が提案される。
デザインパネルを装着する際には、締結部がデザインパネルの背面側に隠れてしまうため、締結部同士を目視しながら位置合わせすることができないが、かかる構成にあっては、デザインパネルと照明装置の締結部にパネル−照明嵌合部が形成されているため、夫々の締結部の位置合わせを正確に行うことができる。
また、上記構成にあって、前記デザインパネルは、背面側へ突出し、共締め用のネジ部材が螺合する締結用穴部が先端に形成されたボス部を備えるとともに、前記照明装置は、前記ボス部を内嵌させ、前記ネジ部材を挿通する照明側締結用貫通孔が底部に形成されたボス嵌合穴を前面に備え、前記ボス部及び前記ボス嵌合穴は、前記デザインパネル及び前記照明装置の前記締結部を構成するとともに、前記パネル−照明嵌合部を構成するものである構成が提案される。
かかる構成によれば、背面側に突出するボス部をデザインパネルの締結部とすることで、共締めに用いるネジ部材の長さを抑えることができ、これにより、共締めの作業性を向上させることができる。また、かかるボス部をパネル位置決め手段として利用することで、デザインパネルに独立した位置決め手段が不要となり、デザインパネルの構成を簡素化できるという利点もある。
また、上記構成にあって、前記照明側パネル位置決め手段は、共締め前に、前記パネル−照明嵌合部が密嵌することによって、前記デザインパネルを、前記装着凹部を閉塞する位置に位置決めするとともに、当該位置に保持するものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、装着凹部に仮止めされた照明装置にデザインパネルを保持することで、前記デザインパネル及び前記照明装置を、共締めするまで装着凹部に保持することができ、これにより、共締め作業を一層容易に行うことが可能となる。また、かかる構成では、照明側パネル位置決め手段によってデザインパネルの保持を行うことで、デザインパネルを保持する独立した保持手段が不要となる。
また、本発明は、共締め前に、前記照明装置を前記装着凹部内に位置決めする照明位置決め手段を備え、該照明位置決め手段は、前記照明装置の背面側と、前記前扉本体の前面側とに形成されて相互に嵌合する一対又は複数対の凹部−照明嵌合部であることを特徴とする。
かかる構成によれば、照明装置を装着凹部内に迅速かつ正確に取り付けることが可能となる。
また、上記構成にあって、前記凹部−照明嵌合部は、前記装着凹部及び前記照明装置の、前記締結部に夫々形成されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、装着凹部と照明装置の締結部において、凹部−照明嵌合部が嵌合することで、装着凹部と照明装置の締結部の位置を正確に合わせることができ、これにより、締結部における共締めを一層容易に行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記照明装置は、光源と、前記光源の照射光によって略均一に面発光する発光板とを備え、前記デザインパネルは、所定意匠が形成され、前記装着凹部の前面側開口部を閉塞するように配置されるデザイン部を備え、前記発光板は、前記デザイン部の略全域と前後に重なるように、正面視において前記装着凹部の略全域に亘って配設されており、前記照明装置の前記締結部が、前記発光板の外周部近傍に形成されるとともに、前記デザインパネルの前記締結部が、前記デザイン部の外周部近傍に形成される構成が提案される。
かかる構成にあっては、照明装置は、デザイン部の背面側全域から略均一に光を照射する。ここで、デザインパネル及び照明装置の締結部は、発光板とデザイン部の外周部近傍に設けられているため、発光板の照射光は、締結部で遮られることなくデザイン部に到達し、デザイン部に形成された意匠を斑なく、均一に照らし出すことができ、これにより、デザインパネルの意匠性を向上させることが可能となる。
以上に述べたように、本発明によれば、デザインパネルと照明装置の取付構造を簡素化して部品点数を削減することができる。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
なお、下記実施例にあって、本発明に係る照明位置決め手段(凹部−照明嵌合部)は、装着凹部12の位置決め用凸部25と、照明装置13の位置決め用凹部42とによって構成される。また、本発明に係る照明仮固定手段は、装着凹部12の係合孔27と、照明装置13の係合爪44とによって構成される。また、本発明に係る凹部側パネル位置決め手段は、デザインパネル14の側板52aと、装着凹部12の前側壁部23bによって構成される。また、本発明に係る照明側パネル位置決め手段(パネル−照明嵌合部)は、デザインパネル14のボス部56と、照明装置13のボス嵌合穴43とによって構成される。
図1は、本発明を適用したスロットマシンである。図1に示すように、リール4等を収容したスロットマシン1の筐体2は前方に開放しており、ヒンジ部材5,5によって枢支された前扉3によって前方から覆われている。
前扉3は、図2〜4に示すように、主体となる前扉本体6の表裏に各種部材を配設してなるものである。詳述すると、前扉本体6は、矩形板状をなす枠体であり、その左側部を筐体2に枢支される。前扉本体6の上部から中央部には、矩形の開口部7が設けられており、該開口部7を閉塞するように、上部パネルユニット8が取り付けられている。この上部パネルユニット8は、演出ランプやスピーカ等を組み付けて一体化してなるものであり、その下部中央には、リール4を視認可能とする視認窓10が配設される。また、図2に示すように、前扉本体6の前面には、上部パネルユニット8の直下に、各種の操作スイッチを具備する操作部11が配設される。そして、前扉本体6の前面にあって、操作部11の直下には、本発明に係るデザインパネル14が配設され、該デザインパネル14の直下には、メダルを受け入れる受皿部材15が配設される。また、デザインパネル14の両側には、演出用ランプ17,17が配設される。一方、前扉本体6の背面下部には、図1に示すように、メダルセレクタ18やスピーカ19が配設される。
図5に示すように、前扉本体6の前面下部には、正面視横長矩形状の装着凹部12が形成されており、前記デザインパネル14は、該装着凹部12を前方から閉塞するように装着される。そして、装着凹部12の内部には、デザインパネル14を背面側から照らす照明装置13が配設される。装着凹部12、照明装置13及びデザインパネル14の四隅には、前後方向に重なる締結部24,38,56が夫々設けられており、装着凹部12に装着した照明装置13及びデザインパネル14は、図6に示すように、夫々の締結部24,38,56をネジ部材90で共締めすることによって前扉本体6に固定される。
装着凹部12は、図7,8に示すように、正面視横長矩形状をなし、前方に開放する浅底の凹部であり、凹部の底部を形成する背面側の底壁部21と、底壁部21の四辺から前方に延出して凹部の内周縁を形成する内周壁部22とによって構成される。共締め用の前記締結部24は装着凹部12の四隅に形成される。締結部24には、底壁部21の前方に突出する位置決め用凸部25が形成され、各位置決め用凸部25に、共締め用のネジ部材90が貫通する本体側締結用貫通孔26が形成されている。また、底壁部21の両側縁には、照明装置13を前扉本体6に係止して装着凹部12に仮止めするための係合孔27が夫々形成される。また、底壁部21の左側部には、照明装置13の配線を背面側に通す配線用開口部28が配設される。また、底壁部21の右上部には、前面側に膨出して、背面側にメダルの流路を形成する膨隆部20が配設される。
装着凹部12の内周縁を形成する内周壁部22のうち、左右両側を形成する側壁部23は、図7に示すように、底壁部21寄りに位置する後側壁部23aと、該後側壁部23aの前方に位置し、後側壁部23aよりも外側に配設される前側壁部23bとで構成される。このうち、前側壁部23bは、デザインパネル14の装着時にデザインパネル14の外周縁に外側から当接することにより、デザインパネル14を装着凹部12に対して位置決めする機能を有する。また、後側壁部23a及び前側壁部23bは、その上部が外側に大きく湾曲した非直線形状をなし、装着凹部12の上部両側隅に、外側に切り込んだ嵌入部29を形成している。この嵌入部29は、図2に示すように、デザインパネル14の上部両側隅に形成された突出部54と嵌合することにより、共締めするまでデザインパネル14を装着凹部12に保持する機能を有する。また、後側壁部23aと前側壁部23bの境界部分には、後述するデザインパネル14のつまみ片68を挿入するつまみ片挿入穴30が形成される。
照明装置13は、図5,9に示すように、横長矩形板状をなしており、正面視において、装着凹部12の底壁部21の全体を覆うように装着凹部12の内部に装着される。この照明装置13は、図10〜12に示すように、照明装置13の主体を構成する横長矩形板状のベース部材31と、該ベース部材31の前面側を覆う発光板32とを備えている。
ベース部材31は、図10〜12に示すように、前面側が凹んだ板状の白色樹脂成形品である。このベース部材31の背面側には、LED基板33が装着される。LED基板33は、照明装置13の光源を構成する4個のLED34を前面側に横並びに実装してなるものであり、背面側に設けられたコネクタ37を介して筐体2内部の制御基板(図示省略)と接続される。LED基板33上のLED34は、ベース部材31に形成されたLED用開口部35を介してベース部材31の前面側に露出しており、各LED34の照射光はベース部材31の前方に放出される。ここで、ベース部材31の前面全体は、浅く凹んだ白色の反射凹部36を形成しており、該反射凹部36で反射したLED34の照射光も、ベース部材31の前方に照射されるよう構成される。すなわち、ベース部材31は、LED34の照射光を前方に反射するリフレクタとしての機能を有している。なお、反射凹部36は、光を反射し易い白色であるだけでなく、照射光の反射率を高めるために、鏡面処理した金型を用いて鏡面状に成形されている。また、ベース部材31の上部両側には、前面側に膨出して背面側に凹部を形成する膨出部40,40が1つずつ形成される。右側の膨出部40は、背面側に位置する装着凹部12の膨隆部20と干渉しないよう形成されたものである。一方、左側の膨出部40は、右側の膨出部40の膨らみによって、ベース部材31のリフレクタとしての機能が左右で不均一とならないようにするために、右側の膨出部40と左右対称位置に形成されたものである。
発光板32は、図10〜12に示すように、二片の矩形樹脂板によって構成され、ベース部材31の反射凹部36を完全に閉塞するようにベース部材31の前面側に配設される。この発光板32は、光を透過しない樹脂材で構成されたものであり、LED34の照射光は、樹脂材部分でなく、発光板32に貫設された多数の光透過孔39を介して前方に透過するよう構成されている。光透過孔39は、発光板39の全域にわたって等間隔に配設されており、また、各光透過孔39のサイズは、LED34の正面部分で最も小さく形成され、LED34からの距離が遠くなるほど大きく形成される。このようにLED34からの距離に応じて光透過孔39のサイズを変更することにより、各光透過孔39を透過するLED34の照射光の光量が均一となるよう調整し、LED34の点灯時に発光板32の前面全体が均一に面発光して見えるようにしている。
また、図12に示すように、ベース部材31には、反射凹部36の下縁前側部分には、発光板32で覆われない、透光溝45が形成される。この透光溝45は、幅方向に延びる切欠状をなしており、該透光溝45を介してLED34の照射光が下方に照射されるよう構成されている。また、図6に示すように、装着凹部12の内周壁部22の下側部分は、他の部分に比べて前方への突出幅が小さくなっており、照明装置13の下方は、光を透過するデザインパネル14の下部によって覆われている。かかる構成によれば、透光溝45から照明装置13の下方に照射されるLED34の照射光が、デザインパネル14を透過して直下の受皿部材15を照らすこととなるから、照明装置13を、受皿部材15を照らす照明として兼用することができる。
照明装置13の前記締結部38は、図10〜12に示すように、ベース部材31の四隅に形成される。各締結部38には、共締め用のネジ部材90が貫通する照明側締結用貫通孔41が形成される。照明装置13は、図13に示すように、装着凹部12への装着時に、照明側締結用貫通孔41が、本体側締結用貫通孔26と前後に重なるよう装着される。また、各締結部38の背面側には、位置決め用凹部42が形成される。装着凹部12に照明装置13を装着する際に、この位置決め用凹部42を、装着凹部12の位置決め用凸部25と嵌合させることで、照明装置13を共締めする位置、すなわち、照明側締結用貫通孔41と本体側締結用貫通孔26とが前後に重なる位置に位置決めすることができる。すなわち、本実施例にあって、本発明に係る照明位置決め手段(凹部−照明嵌合部)は、装着凹部12の位置決め用凸部25と、照明装置13の位置決め用凹部42とによって構成される。また、図10に示すように、照明装置13の各締結部38の前面側には、デザインパネル14の締結部56と嵌合するボス嵌合穴43が形成される。照明側締結用貫通孔41は、このボス嵌合穴43の底部に形成されている。
さらに、ベース部材31の両側縁には、図10〜12に示すように、背面側に突出する係合爪44が設けられる。この係合爪44は、照明装置13を装着凹部12に装着した状態で、装着凹部12の係合孔27と係合し、照明装置13が動かないように装着凹部12に仮止めする。すなわち、本実施例にあって、本発明に係る照明仮固定手段は、装着凹部12の係合孔27と、照明装置13の係合爪44とによって構成される。
デザインパネル14は、図14〜16に示すように、前方に膨らんだ略横長矩形状のパネルであり、所定意匠が形成され、デザインパネル14の前面側を構成するデザイン部51と、該デザイン部51の外周部から背面側に延出し、デザインパネル14の外周縁を構成する外枠部52とで構成される。
デザインパネル14は、正面視において装着凹部12と略同形状をなしており、図2,14に示すように、デザインパネル14を装着凹部12に装着した状態にあって、装着凹部12の前面側開口部は、デザイン部51によって閉塞される。また、かかる装着状態では、デザインパネル14の左右両側縁を形成する側板52a,52aが、装着凹部12の左右両側縁を形成する前側壁部23bに内側から当接する。デザインパネル14を装着凹部12に装着する際には、この側板52aを前側壁部23bに当接させることにより、デザインパネル14を共締めする位置に位置決めすることができる。すなわち、本実施例にあって、本発明に係る凹部側パネル位置決め手段は、デザインパネル14の側板52aと、装着凹部12の前側壁部23bによって構成される。また、側板52a,52aは、その上部が外側に大きく湾曲した非直線形状をなし、デザインパネル14の上部両側隅に、外側に突出する突出部54,54を形成している。この突出部54,54は、デザインパネル14の意匠を形成するものであり、また、デザインパネル14の装着状態にあっては、装着凹部12の嵌入部29と嵌合することにより、デザインパネル14を装着凹部12に対して保持する保持手段としても機能する。
デザインパネル14の前記締結部56は、図14〜16に示すように、デザイン部51の四隅に形成されて背面側に突出するボス部によって構成される。各ボス部56の先端には、共締め用のネジ部材90を螺着する締結用穴部57が開口している。デザインパネル14は、図17に示すように、装着凹部12への装着時に、各締結用穴部57が、照明側締結用貫通孔41の前方に重なるよう装着される。ここで、デザインパネル14の装着状態にあって、各ボス部56の先端は、照明装置13のボス嵌合穴43に内嵌するよう構成されており、デザインパネル14を装着する際には、各ボス部56を対応するボス嵌合穴43に内嵌させることで、デザインパネル14を共締めする位置、すなわち、締結用穴部57が照明側締結用貫通孔41の前方に重なる位置に位置決めできる。すなわち、本実施例にあって、本発明に係る照明側パネル位置決め手段(パネル−照明嵌合部)は、デザインパネル14のボス部56と、照明装置13のボス嵌合穴43とによって構成される。
また、デザインパネル14の下縁中央部には、下方に延出する押さえ片58が形成される。この押さえ片58は、後述するパネルカバー70によってデザインパネル14を前扉本体6に押さえつけるためのものである。
デザインパネル14は、図18,19に示すように、デザインシート59と、該デザインシート59の前面を保護するカバー体60と、該デザインシート59の背面を保護するベース体61とを組み付けてなる三層構造をなしている。デザインシート59は、透光性の樹脂シートであり、その表面には、デザイン部51の意匠を構成する機種名やキャラクタ等が形成(印刷)されている。カバー体60とベース体61は、略同形状の透明樹脂部材であり、ベース体61が、カバー体60の背面側に重なり合うように嵌合することで、カバー体60とベース体61との間にデザインシート59を挟持し、デザインシート59の表裏を保護している。
カバー体60とベース体61について詳述すると、図18に示すように、カバー体60は、デザイン部51を形成する正面板部62aと、外枠部52を形成する外周板部63aとを備え、外周板部63aには、上部に係止孔64が形成され、左右両側部には係止凹部65が形成される。一方、ベース体61も、デザイン部51を形成する正面板部62bと、外枠部52を形成する外周板部63bとを備え、その外周板部63bには、前記係止孔64と係合する係止突片66と、前記係止凹部65と係合する係止爪67が形成される。カバー体60とベース体61は、係止孔64と係止突片66を係合させるとともに、係止凹部65と係止爪67を係合させることで一体的に組み付けられる。ここで、係止爪67には、つまみ片68が後方に延成されており、つまみ片68を内方に操作することにより、係止凹部65と係止爪67の係合を解除し、カバー体60とベース体61を分離させ得るよう構成されている。ここで、本実施例では、図14,16に示すように、つまみ片68を外周板部63aの内側に形成することで、デザインパネル14と装着凹部12の隙間に薄い工具を入れたとしても、つまみ片68に到達し難いようにするとともに、デザインパネル14の装着状態で、つまみ片30を装着凹部12のつまみ片挿入穴30に内嵌して内方へ操作不能とすることで、前扉3の前面側からカバー体60とベース体61を分離できないようにしている。
以下に、前扉本体6と、照明装置13と、デザインパネル14を共締めする際の作業手順について説明する。
上述のように、装着凹部12、照明装置13、及びデザインパネル14には、締結部24,38,56が4つずつ設けられており、装着凹部12、照明装置13、及びデザインパネル14を共締めする際には、これらの締結部24,38,56が前後に重なり合うように、照明装置13とデザインパネル14を装着凹部12に装着し、かかる装着状態で、前扉本体6の裏側からネジ部材90で締結部24,38,56を締結する。
詳述すると、まず、照明装置13とデザインパネル14を装着する前に、前扉本体6を筐体2に枢支し、その後、前扉本体6の装着凹部12に、照明装置13、デザインパネル14の順番で装着する。照明装置13を装着する際には、図13に示すように、装着凹部12の位置決め用凸部25と照明装置13の位置決め用凹部42とを嵌合させることにより、照明装置13を共締めする位置に容易に位置決めできる。また、照明装置13を当該位置に装着すると、照明装置13の係合爪44が、装着凹部12の係合孔27と係合することとなり、これにより、照明装置13を共締めするまで当該位置に仮止めすることができる。
また、デザインパネル14を装着する際には、図14,17に示すように、デザインパネル14の側板52aを、装着凹部12の前側壁部23bの内側面に当接させ、また、デザインパネル14のボス部(締結部)56を、装着凹部12のボス嵌合穴43に内嵌させることで、デザインパネル14を共締めする位置に容易に位置決めできる。また、デザインパネル14を当該位置に装着すると、デザインパネル14の突出部54と、装着凹部12の嵌入部29が嵌合することとなり、これにより、デザインパネル14を共締めするまで当該位置に保持しておくことができる。
そして、照明装置13とデザインパネル14を装着した後は、図6に示すように、前扉本体6の背面側から装着凹部12の各本体側締結用貫通孔26にネジ部材90を挿入し、該ネジ部材90をデザインパネル14の締結用穴部57に螺合する。なお、締結用穴部57には、予め雌ネジを形成してもよいし、雌ネジを形成せず、ネジ部材90にタッピングネジを採用してもよい。これにより、前扉本体6、照明装置13及びデザインパネル14が締結部24,38,56で共締めされ、照明装置13及びデザインパネル14が装着凹部12に固定される。なお、図1に示すように、装着凹部12の各締結部24は、スロットマシン1の完成状態で前扉3の背面側に露出するよう構成されており、前扉3を開放しさえすれば、他の部品を取り外すことなく、ネジ部材90を回転させ得るよう構成されている。
また、本実施例では、照明装置13及びデザインパネル14を装着凹部12に固定し、さらに、前扉本体6の前面下部に受皿部材15を装着した後に、図20に示すように、デザインパネル14の下端にパネルカバー70を装着する。このパネルカバー70は、不正や悪戯目的でデザインパネル14の下縁から針金等を挿入されないように、デザインパネル14や受皿部材15を前扉本体6に押し付けて密着させるためのものである。詳述すると、パネルカバー70は、図21に示すように、横長の樹脂片の背面側に、先端にネジ穴72が形成された締結ボス71,71を設けてなり、図20,22に示すように、デザインパネル14の押さえ片58に前方から当接するように前扉3に装着される。かかる装着状態にあって、パネルカバー70の締結ボス71,71は、図23に示すように、受皿部材15の上端に形成された切欠状のボス挿通溝75を貫通し、前扉本体6に形成されたボス穴76(図20参照)に内嵌しており、パネルカバー70は、該締結ボス71において前扉本体6に螺着される。このように、本実施例では、パネルカバー70を前扉本体6に螺着することで、デザインパネル14の押さえ片58及び受皿部材15の上端部を前扉本体6に押さえ付け、これにより、デザインパネル14の下縁から異物を挿入されるのを防止している。
以上のように、本実施例にあっては、照明装置13及びデザインパネル14を前扉本体6と共締めしているため、従来構成に比べて、照明装置13及びデザインパネル14を前扉本体6にネジ止めするためのネジ部材の本数を削減できるという利点がある。また、従来構成では、照明装置の装着→照明装置のネジ止め→デザインパネルの装着→デザインパネルのネジ止め、の順番で作業を行っていたため、デザインパネルの装着時に電動ドライバーを一旦放して、デザインパネルのネジ止め時に握り直す必要があったが、本実施例にあっては、照明装置の装着→デザインパネルの装着→照明装置及びデザインパネルのネジ止め、の順番で作業を行うため、電動ドライバーを握り直す必要がなく、また、ネジの本数が少ない分、ネジ止めの作業回数も少なくて済むため、従来構成に比べて、照明装置13及びデザインパネル14の取付作業を簡素化できるという利点がある。
また、本実施例では、照明装置13を装着凹部12に装着する際に、照明装置13を装着凹部12内に位置決めし、共締めするまで当該位置に仮止めでき、また、デザインパネル14を装着する際には、装着凹部12を閉塞する位置にデザインパネル14を位置決めし、共締めするまで当該位置に保持できるため、照明装置13及びデザインパネル14の装着から共締めまでを、迅速かつ容易に行うことができるという利点がある。
具体的には、照明装置13を装着凹部12に取り付ける際には、装着凹部12の位置決め用凸部25と、照明装置13の位置決め用凹部42とを嵌合させることにより、照明装置13を共締めする位置に容易に位置決めできる。
特に、位置決め用凸部25と位置決め用凹部42は、装着凹部12と照明装置13の締結部24,38に夫々形成されているため、本体側締結用貫通孔26と照明側締結用貫通孔41が前後に重なり合う位置に、照明装置13を正確に位置決めできるという利点がある。
また、装着凹部12に装着した照明装置13は、装着凹部12の係合孔27と照明装置13の係合爪44との係合によって、共締めするまで当該位置に仮止めできるから、デザインパネル14を装着する際などに、照明装置13が不適切な位置に動いてしまうことがない。
また、デザインパネル14を装着凹部12に装着する際には、デザインパネル14の外枠部52の側板52aと、装着凹部12の前側壁部23bとを内外に当接させることにより、デザインパネル14を適切な位置に位置決めすることができる。また、デザインパネル14のボス部(締結部)56を、照明装置13のボス嵌合穴43に内嵌させることによっても、デザインパネル14を適切な位置に位置決めできる。このように、本実施例では、側板52aと前側壁部23bの当接と、ボス部56とボス嵌合穴43の嵌合の双方によってデザインパネル14を位置決めできるため、高い位置決め精度を実現できるという利点がある。
特に、デザインパネル14の装着時に、ボス部56とボス嵌合穴43がデザインパネル14の背面側に隠れて視認し難いのに対し、側板52aと前側壁部23bはデザインパネル14の背面側に隠れることなく、前面側から容易に視認できるため、デザインパネル14を装着する際は、側板52aと前側壁部23bとを目視しながら当接させることで、デザインパネル14を容易に位置決めできるという利点がある。
一方で、ボス部56とボス嵌合穴43は、デザインパネル14と照明装置13の締結部を夫々構成するものであるため、デザインパネル14の装着時に視認し難いものの、ボス部56とボス嵌合穴43の嵌合によって、締結用穴部57が照明側締結用貫通孔41と重なるように、デザインパネル14を正確に位置決めできるという利点がある。
特に、本実施例では、デザインパネル14のボス部(締結部)56を、照明装置13と嵌合する位置決め手段(パネル−照明嵌合部)として用いているため、デザインパネル14側に、照明装置13と嵌合する位置決め手段を独立して設ける必要がないという利点がある。また、デザインパネル14の締結部をボス部56によって構成することで、ボス部56が突出している分だけ、背面側から締結するネジ部材90の長さを短くでき、共締めの作業性を向上できるという利点もある。また、共締めに用いるネジ部材90を短くすれば、他の箇所の締結に用いられる通常のネジ部材との共通化を図ることも可能となる。
また、デザインパネル14の装着状態にあっては、デザインパネル14の突出部54と、装着凹部12の嵌入部29とが嵌合することで、デザインパネル14が装着凹部12に対して保持されるため、共締めするまでデザインパネル14を装着した位置に留めておくことができる。特に、突出部54及び嵌入部29は、デザインパネル14と装着凹部12の隅に形成されるため、デザインパネル14の装着時に目視確認しながら両者を容易に嵌合させることができる。また、突出部54は、デザインパネル14の意匠として機能するから、デザインパネル14の意匠性と、取付作業の簡易化とを同時に実現できるという利点もある。
また、本実施例では、前扉本体6、照明装置13及びデザインパネル14を、前扉本体6の背面側からネジ部材90によって共締めしているため、前扉3を開放しない限りネジ部材90を緩めることができず、遊技者によってデザインパネル14が取り外されるのを防止できる。なお、かかる構成では、前扉背面側でのネジ止め作業は、前扉前面側で行うのに比べて作業性に劣るが、照明装置13やデザインパネル14の装着は、比較的作業性のよい前扉前面側で行うことができ、また、装着した照明装置13やデザインパネル14は、共締めするまで当該位置に留めておくことができるため、前扉背面側でのネジ止め作業が煩雑となることはない。
また、本実施例では、照明装置13の発光板32を、デザインパネル14のデザイン部51の略全体と前後に重なるように配設し、さらに、発光板32とデザイン部51の外周部近傍に締結部38,56を設け、照射光が該締結部38,56で遮られないようにしているため、デザインパネル14のデザイン部51を背面側から均一に照らし、デザイン部51の意匠を斑なく、均一に光らせることができる。特に、本実施例では、デザインパネル14の上部両隅に配設されたボス部(締結部)56を外側に突き出た突出部54に形成することで、該ボス部56を可及的外側に配置しているため、発光板32からの照明光がボス部56で反射・干渉し難いという利点がある。
以上に、本発明の実施例を説明したが、本発明のスロットマシンは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、上記実施例では、図24(a)に示すように、デザインパネル14のボス部56と、照明装置13のボス嵌合穴43との間に遊びを設け、両者を遊嵌させるようにしているが、図24(b)に示すように、ボス部56とボス嵌合穴43aが密嵌するように構成してもよい。かかる構成によれば、ボス部56とボス嵌合穴43aの嵌合によって、照明装置13を介してデザインパネル14を装着凹部12に保持することが可能となる。
同様に、上記実施例では、図24(a)に示すように、装着凹部12の位置決め用凸部25と、照明装置13の位置決め用凹部42との間にも遊びを設け、両者を遊嵌させるようにしているが、図24(b)に示すように、位置決め用凸部25aと位置決め用凹部42とが密嵌するように構成してもよい。かかる構成とすれば、位置決め用凸部25aと位置決め用凹部42の嵌合によって、照明装置13を装着凹部12に仮止め可能となるため、上記実施例における係合孔27と係合爪44のような、独立した照明仮固定手段を省略可能となる。
また、上記実施例では、装着凹部12、照明装置13及びデザインパネル14の四隅に設けられた締結部24,38,56において共締めしているが、本発明に係る締結部の数や位置はこれに限定されたものでなく、適宜設定可能である。また、上記実施例では、前扉本体6と照明装置13とデザインパネル14のみを共締めしているが、本発明にあっては、前扉本体と照明装置とデザインパネルと同時に、その他の部材を共締めすることもできる。
また、上記実施例では、本発明に係る照明側パネル位置決め手段(パネル−照明嵌合部)を、照明装置13とデザインパネル14の締結部24,38に配設しているが、本発明に係る照明側パネル位置決め手段は、締結部以外の場所に配設してもかまわない。