JP5671421B2 - 細骨材の表面水低下装置と低下方法 - Google Patents
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Description
したがって、コンクリートを構成する細骨材としては、含水量の少ない細骨材を使用する必要があり、骨材プラントで製造した細骨材に含んだ水分を除去して所定の表面水率に調整しなければならない。
そのような水切り工程として従来は、図4に示すように細骨材aをコンクリート床bに傾斜をつけたヤードに一時仮置きして、周囲の溝cへ時間をかけて自然流下をさせる方法を採用している。
<1> 細骨材の表面の水が自然に流下する現象を待つだけであるから、仮置き時間が長く、その後の工程を遅らせる原因となっていた。
<2> 仮置きに時間がかかるから、広い面積の仮置き場所が必要であり、その敷地の確保、整地、全範囲を覆う屋根の設置など、多額の設備投資が必要であった。
<3> 自然排水は気温、湿度、風力などの気象状況により変動が大きく、気温の低い時には蒸発効果も低いために特に水切りに時間を要するものであった。
<4> 自然の排水とともに、水だけでなく砂も流出するので、その砂が排水溝に流れ込み、排水機能を低下させる原因となっていた。
<5> 排水溝の清掃が不可欠の作業であって、そのすべてが人力による作業であるために作業効率が悪く、さらに排水時間が長くなる原因となっていた。
また本発明の細骨材の表面水低下方法は、上記の装置を使用し、ストック床に積載した細骨材に挿入した差し込み吸水管、およびストック床下部に設置したストレーナを介して、真空ポンプにより排水を行うことを特徴とするものである。
<1> 自然現象に依存していた細骨材の水切りを、差し込み吸水管からの吸水によって強制的に行うことから、水切りの時間を大幅に短縮できる。そのためにコンクリートの製造量を増やすことができる。
<2> コンクリート製造量が増加する結果、RCD工法などのような硬練りコンクリートによるダムなどの高速施工、出来高の向上が可能となる。
<3> 水切りのサイクルが短くなるために、仮置きスペースが小さいもので足り、その整地作業が簡単になり、屋根の構築面積なども減少することができる。
<4> 自然現象に依存する水切りではないから、排水溝の砂詰まりが発生しにくく、排水溝の人力による清掃作業が不要で、メンテナンス費用を大幅に削減することができる。
<5> 例えば、濁水処理施設、脱水スクリーン、サンドスタビライザーなど、大規模な設備を設置すれば高速で水切りを行うことも可能である。しかしその場合には、設備投資額の増加だけでなく、稼働中の電力量の増大や、撤退時の大量の基礎コンクリートの産業廃棄物処理が必要となる。その点本願発明の装置、方法は簡易なポンプ、差し込み吸水管を使用するだけなので、その設置や移動も簡単できわめて経済的である。
本発明の装置は、屋根で被覆したストック床1と、真空ポンプ2と、真空ポンプ2に接続した吸水ホース31と、吸水ホース31の先端に接続した差し込み吸水管3とより構成する。
細骨材をストックするためのコンクリート製の床面である。
自然流下も活用するために中央から山形に、あるいは全体に一方向へ向けた傾斜をつけおくこともできる。
ストックした細骨材に雨が当たらないよう、ストック床1の周囲に支柱41を立て、その上に屋根4を設けてストック床1の全体を屋根4で覆う。
一般にはこの屋根4の上にベルトコンベア42が設置してあり、骨材プラントで製造した細骨材を吐出口から落下させてストック床1上に積載する。
ストック床1の近傍、あるいは後述する吸水ホース31が届く範囲に真空ポンプ2を設置する。
この真空ポンプ2は市販のものである。たとえば軽量で台車付きの、100Vでの稼働が可能なものが多く市販されているが、定置式のものでも利用できる。
この真空ポンプ2に吸水ホース31の一端を接続する。
吸水ホース31とは一般の市販のホースである。
図1では説明を簡単にするために、1台の真空ポンプ2に1本の吸水ホース31を接続した状態を示しているが、図2の平面図に示すように1台の真空ポンプ2に複数本の吸水ホース31を接続することができる。
この複数本の吸水ホース31の各他端には、差し込み吸水管3を接続する。
この差し込み吸水管3は、小口径の孔を多数開口した筒体であり、やはり市販されているものを利用する。
孔の直径が細骨材の粒径より小さければ、細骨材を吸引せず、表面水だけを吸引することができる。
差し込み吸水管3と真空ポンプ2の間にバルブ32を介在させれば、吸水が完了したホース31での吸引作用を閉じることができる。
以上のような簡単な設備、部品によって本発明の装置を構成するから、設置、維持、撤去も簡単できわめて経済的である。
上記の装置を使用し、細骨材aの表面水の低下を行う方法を説明する。
まずストック床1の上にはベルトコンベア42の吐出口43から吐出した細骨材aが積載してあり、山状に形成される。
その細骨材aの山の山腹に、異なった方向から真空ポンプ2の先端の差し込み吸水管3を差し込み、小径孔が細骨材aの内部に位置するまで挿入する。
そして真空ポンプ2を駆動する。
その結果多数本の差し込み吸水管3の多数の小径の孔から、細骨材aの表面水のみを吸水することができる。
吸水した水は、真空ポンプ2の排水管21を通して外部に排水する。
吸水状態をみて、各吸水ホース31と真空ポンプ2の間に介在させたバルブ32を閉じて差し込み吸水管3からの無駄な負圧駆動を停止する。
実験例では図3に示すように、約2000トンの細骨材aの円錐の直径を23mとし、外縁から4mの円上に16本の差し込み吸水管3を挿入した。
その結果、内部の表面水の水位は、2〜3mまで減縮した。
コンクリートのストック床1の下部に、複数本の埋設管5を埋設しておくこともできる。
この埋設管5は、中空の鋼管であり、その先端にストレーナ51を取り付けて構成する。
ストレーナ51とは濾過用の網であり、ステンレス鋼板に規定のピッチで穴をあけた多孔穴板スクリーン、あるいはステンレス線による平織・畳織の金網、あるいはこの金網に補強用多孔穴板を取付けた二重構造スクリーンも市販されている。
この孔の直径を、細骨材aの外径よりも小さく設定しておけば、細骨材aの侵入を阻止して表面水のみを埋設管5の内部に流入させることができる。
ストレーナ51を、ストック床1のほぼ中央に位置させ、その網面がストック床1の表面に露出する状態で設置する。
このように一端にストレーナ51を取り付け、ストック床1の下に埋設した埋設管5の他端は、ストック床1の外部に導出して真空ポンプ2に接続する。
すると真空ポンプ2を稼働させることで、埋設管5の先端に設置して床面に開放したストレーナ51によって吸引した表面水を、真空ポンプ2を通して外部に排水することができる。
2:真空ポンプ
21:排水管
3:差し込み吸水管
31:吸水ホース
4:屋根
5:埋設管
51:ストレーナ
Claims (2)
- 屋根で被覆したストック床と、
真空ポンプと、
真空ポンプに接続した吸水ホースと、
吸水ホースの先端に接続した差し込み吸水管と、
ストック床の下部に設置した埋設管と、
埋設管の先端に取り付けたストレーナと、
埋設管の他端に接続した真空ポンプとより構成した、
細骨材の表面水低下装置。 - 請求項1記載の装置を使用し、
ストック床に積載した細骨材に差し込み吸水管を挿入して真空ポンプを駆動し、
さらにストック床下部に設置したストレーナに接続した真空ポンプを駆動して排水を行う、
細骨材の表面水低下方法。
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