以下に添付図面を参照して、一実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面では、実質的に同一の機能を有する構成要素は、原則として同一の符号で表す。そして、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。
以下で説明する一実施形態に係るシステム設計装置等は、協働する複数の製品を有するシステムを設計する。この際、システム設計装置等は、既に設計されたシステム(以下「旧システム」という。)から、新たなシステム(以下「新システム」という。)を設計する。より具体的には、システム設計装置等は、旧システムに含まれる複数の製品(以下「旧製品」という。)のうち、少なくとも一部を、これら旧製品と異なる1又は複数の新たな製品(以下「新製品」という。)に置き換えることにより、新システムを設計する。
通常、1つの旧製品を1つの新製品に置き換えるのであれば、該製品に求められる仕様や要求を満足するように、置き換えれば済む。しかしながら、協働する複数の製品を有するシステムでは、例えばシステム内の仕様や組み合わせ等、様々な事情を考慮する必要があり、新たなシステムを設計することは、各製品及びシステム等の様々な事情に精通する必要があり、卓越したシステム設計者であっても容易ではない。
以下で説明する一実施形態に係るシステム設計装置等は、このような設計が容易ではない協働する複数の製品を有するシステムを設計することが可能である。以下、このシステム設計装置等について詳細に説明する。
上記のような協働する複数の製品を有するシステムは、通常、ユーザの要求仕様として、ユーザのインターフェイスやアウトプットに関わる条件(以下「外部条件」という。)で規定される。つまり、ユーザとして第一に要求する仕様は、そのシステムに対するインプットと、そのシステムから得られるアウトプットとが何であるかという事項になる。ここでは、前者を「インプット条件」といい、後者を「アウトプット条件」という。つまり、この外部条件が満たされない限り、ユーザが要求するシステムの機能が発揮し得ないという意味で、外部条件は「必須条件」ともいえる。
一方、このような協働する複数の製品を有するシステムは、通常、ユーザの要求仕様としては、外部条件よりも優先順位が低く、場合によってはユーザには無関心なシステム内部の条件(以下「内部条件」という。)でも規定される。この内部条件には、外部条件には含まれない様々な条件が含まれる。この内部条件としては、例えば、システム全体に必要な接続ラインの本数、接続ラインの種類、システム全体を構成する製品点数、システム全体の価格、システム全体の配置面積等が挙げられる。なお、システム全体の価格や面積等は、必須条件(つまり外部条件)にもなり得るが、ここでは内部条件であるものとして説明する。
なお、複数の製品が協働するシステムを構成させる場合、各製品は、それぞれ特徴を有する。この特徴を表す情報を、ここでは、「製品情報」といい、旧製品のものを「旧製品情報」、新製品のものを「新製品情報」という。この製品情報には、その製品自体の仕様が含まれる。
このように各製品が製品情報を有するが、それらの製品情報の集合としてのシステムが有する特徴を表す情報を、ここでは、「システム情報」といい、旧システムのものを「旧システム情報」といい、新システムのものを「新システム情報」という。一方、製品情報のうち、ユーザの要求仕様に関わりの深い情報が、上記の「外部条件」に適合する必要があり、ユーザの要求仕様に対して比較的関わりが深くない情報が、上記の「内部条件」に相当する。本実施形態における外部条件は、システムに要求される条件であるが、内部条件は、必ずしも要求されるわけではないため「内部状態」とも言える。いずれにしろ、外部条件及び内部条件は、上述の通り、システム自体を規定しており、かつ、システム情報も、製品の集合としての各製品情報から得られるものである。従って、システム情報には、内部条件及び外部条件に規定されている各条件(情報ともいう。)が含まれる。
なお、1つの製品だけであれば、通常は、外部条件を満足する製品情報を有する製品を選択すれば、製品を代替することは容易である。しかしながら、本実施形態に係るシステム設計装置等が設計するシステムは、協働する複数の製品を有するため、それらの製品情報の集合としてのシステム情報が、まず、外部条件を満足する必要がある。従って、このような外部条件を満足する製品の組み合わせを選択することは容易ではない。更に、各製品は、製品情報が要求する仕様を維持しつつ組み合わせる必要があり、その選択は更に容易ではない。仮に外部条件を満足する製品の組み合わせを抽出できたとしても、内部条件の選択肢だけ、その組み合わせには自由度があり、更に製品を組み合わせることを複雑化している。
このように、本実施形態に係るシステム設計装置等は、非常に複雑なシステムを構成することが可能である。なお、本実施形態に係るシステム設計装置等における理解を容易にするために、まず、このシステム設計装置等の概要について説明する。
<0.システム設計装置等の概要>
システム設計装置等は、まず、旧システムを構成する複数の旧製品の構成状態を表す「構成情報」を取得する。この構成情報には、複数の旧製品それぞれの型番等の識別情報が含まれる。一方、システム設計装置等には、各旧製品の識別情報に関連付けられた各旧製品の旧製品情報が予め記憶されており、システム設計装置等は、旧システムに含まれる旧製品群の旧製品情報を検出する。そして、システム設計装置等は、検出された複数の旧製品情報から、旧システム情報を抽出する。この際、旧システム情報には、旧システムの外部条件及び内部条件が含まれる。
一方、システム設計装置等には、更に、新製品の新製品情報が予め記憶されている。そこで、システム設計装置等は、旧システム情報を満足するように、旧システムに含まれる複数の旧製品の少なくとも一部を、1又は複数の新製品に置き換える。なお、この際、システム設計装置等は、旧製品を全く含まない状態から、新製品を組み合わせて、複数の新製品で構成される新システムを設計してもよいが、例えば、システム設計装置等は、旧製品の少なくとも一部を、その旧製品情報に対応した新製品情報を有する新製品に代替させることを1回又は複数回繰り返すことにより、代替の新システムを設計してもよい。
なお、この新製への置き換えの際に、システム設計装置等は、旧システム情報のうち、少なくとも、その旧システム情報に含まれる外部条件を満足するように、新製品を選択し、新システムを構成する。例えば、外部条件に優先順位があり、その優先順位の高い外部条件を満足する新製品を絞り込み、絞り込まれた新製品の新製品情報に含まれる仕様を満足するように、他の新製品を絞り込むという処理を行うことにより、新システムを特定してもよい。
また、この新製品を選択する際、新製品の組み合わせから得られる内部条件(つまり、新システム情報に含まれる内部条件)が、旧システムの内部条件よりも有利になるように、新システムに含まれる新製品に優先順位を与えることが可能である。上記内部条件の例であれば、例えば、価格が安い、製品点数が少ない、配線数が少ない、配置面積が小さい等の基準で、優先順位が設定され得る。なお、どの内部条件を優先順位設定の指標にするかは、予めユーザの選択やデフォルトの設定により、決定されていてもよい。
なお、この優先順位の指標に相当する内部条件は、旧システムにおける欠点となり、新システムにおける利点となる。従って、システム設計装置は、旧システムと新システムとを比較し、新システムがより有利になっている内部条件を、旧システムが有する欠点を表す欠点情報、又は、新システムが有する利点を表す利点情報として抽出して表示することも可能である。例えば、システム設計装置等は、新システムと旧システムとを比較し、部品点数が少ない点が新システムにとって有利な場合、新システムの利点情報として「構成製品点数が少ない」等の情報を抽出し、旧システムの欠点情報として「構成製品点数が多い」等の情報を抽出してもよい。
以上、本実施形態に係るシステム設計装置等の概要について説明した。以下では、添付図面を参照して、システム設計装置等についてより具体的に説明する。
本実施形態では、上述した協働する複数の製品を有するシステムの一例として、サーボシステムを挙げ、既に設計されたサーボシステム(以下「旧サーボシステム」という。)から、新たなサーボシステム(以下「新サーボシステム」という。)を設計する場合を例に挙げて説明する。なお、旧サーボシステムが旧システムの一例に相当し、新サーボシステムが新システムの一例に相当する。
サーボシステムは、製品として、例えば、モータと、モータの駆動を制御するサーボアンプ(モータ制御装置の一例)と、サーボアンプに指令を出力するコントローラ(上位制御装置の一例)等を有する。また、サーボシステムに係る製品には、例えば、コントローラ等の入出力端子を増設するためのI/O(INPUT/OUTPUT)モジュールや、コントローラ等に所定の検出結果等を入力する画像認識モジュール等のような付加的なモジュールが含まれる。更に、サーボシステムに係る製品には、コントローラを制御する更なる上位の制御装置やPLC(Programable Logic Controller)等の外部装置も含まれる。
<1.システム提案機構>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係るシステム提案機構について説明する。図1は、本実施形態に係るシステム提案機構の全体構成の一例について説明するための説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム提案機構1は、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品のうち、少なくとも一部を、1又は複数の新製品に置き換えることにより、新サーボシステムを設計し、提案する機構である。このシステム提案機構1は、1又は複数の端末装置30と、サーバ40(システム設計装置の一例)とを有する。各端末装置30とサーバ40とは、適宜のネットワークNW(例えばインターネット等)を介して相互に情報を伝達可能に接続されている。
端末装置30は、旧サーボシステムに係る上述した構成情報等を入力可能な装置である。この端末装置30は、例えば、サーボシステムの設計サービスを提供する営業所や代理店等に設置されたり営業員等により所持(携帯)され、設計サービスを提供する者(以下「提供者」という。)又は設計サービスを受ける者(以下「ユーザ」という。)により操作される。なお、説明の便宜上、以下では提供者が端末装置30を操作するものとして説明する。
端末装置30としては、旧サーボシステムの構成情報等を入力可能な装置であれば特に限定されるものではないが、例えば、汎用PC(Personal Computer)、タブレットPC、PDA(Personal Digital Assistant)、多機能携帯電話・PHS(Personal Handy−phone System)等が使用可能である。
サーバ40は、端末装置30を介して入力された旧サーボシステムの構成情報等に基づいて、新サーボシステムを設計可能な装置である。サーバ40としては、旧サーボシステムの構成情報等に基づいて新サーボシステムを設計可能な装置であれば特に限定するものではないが、例えば汎用PC等が使用可能である。
(1−1.端末装置)
次に、図2を参照しつつ、本実施形態に係る端末装置30についてより具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る端末装置の構成の一例について説明するための説明図である。
図2に示すように、端末装置30は、入力部301と、入力制御部302と、表示部303と、表示制御部304とを有する。
入力部301は、各種情報を入力可能な入力デバイスであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等により構成される。提供者は、この入力部301を操作することにより、各種情報を入力することが可能である。例えば、提供者は、旧サーボシステムの構成情報の入力画面D1(後述の図7参照)が表示部303に表示された状態で、入力部301を適宜に操作することにより、該構成情報を入力することが可能である。
入力制御部302は、入力部301を介して入力された情報に基づいて生成した信号を表示制御部304又はサーバ40等へ出力する。例えば、入力制御部302は、入力部301を介して上記入力画面D1の表示が要求された場合、該入力画面D1の表示を要求する信号(以下「表示要求信号」という。)をサーバ40へ出力する。また例えば、入力制御部302は、入力部301を介して新サーボシステムの設計が要求された場合、旧サーボシステムの構成情報を含み、新サーボシステムの設計を要求する信号(以下「設計要求信号」という。)をサーバ40へ出力する。
表示部303は、各種情報を表示可能な表示デバイスであり、例えば液晶ディスプレイ等により構成される。
表示制御部304は、入力制御部302又はサーバ40等からの信号に基づいて、対応する情報を表示部303に表示させる。例えば、表示制御部304は、上記表示要求信号に対応してサーバ40から上記入力画面D1を表示させるための信号が入力されると、該信号に基づいて、入力画面D1を表示部303に表示させる。また例えば、表示制御部304は、上記設計要求信号に対応してサーバ40から新サーボシステムを構成する複数の新製品の構成状態等を表す表示画面D2(後述の図8及び図9参照)を表示させるための信号が入力されると、該信号に基づいて、表示画面D2を表示部303に表示させる。
(1−2.サーバ)
次に、図3、図4、及び図5を参照しつつ、本実施形態に係るサーバ40についてより具体的に説明する。図3は、本実施形態に係るサーバの構成の一例について説明するための説明図である。図4は、本実施形態に係る旧製品データベースのデータ構造の一例について説明するための説明図である。図5は、本実施形態に係る新製品データベースのデータ構造の一例について説明するための説明図である。
図3に示すように、サーバ40は、旧製品データベース(図3中では「旧製品DB」と略記)401と、新製品データベース(図3中では「新製品DB」と略記)402と、構成情報取得部403と、検出部404と、旧システム情報抽出部405と、構築部407と、欠点抽出部406と、優先順位付与部410と、利点抽出部409と、出力情報生成部411とを有する。
旧製品データベース401には、図4に示すように、旧サーボシステムに含まれ得る複数の旧製品、つまり旧製品として含まれる可能性のある予め定められた複数の製品(例えば既に発売された製品等)に係る上述した旧製品情報が格納されている。この例では、旧製品データベース401には、旧サーボシステムに含まれ得る複数の旧製品それぞれについて、識別情報と旧製品情報とが関連付けられて格納されている。
旧製品の識別情報には、この例では、旧製品の名称(略称や通称でもよい。)と型番とが含まれる。なお、旧製品の識別情報としては、旧製品の名称と型番とに限定されるものではなく、これら以外の情報が含まれていてもよいし、これらの一部が含まれていなくてもよい。
旧製品情報には、この例では、旧製品自体の仕様が含まれる。例えば、旧製品がモータであれば、その仕様として、モータが駆動する容量、位置決め性能、定格電力、効率、サイズ、価格、回転・直動等の種類、温度測定、アラーム検出等、様々な情報が含まれ得る。また例えば、旧製品がコントローラであれば、その仕様として、入力信号の種類と点数、接続可能なサーボアンプ数、制御可能なサーボアンプ数、接続可能な付加的なモジュールや外部装置の種類、サイズ、価格等、様々な情報が含まれ得る。なお、ここで例示した旧製品の仕様は、あくまで一例である。他の旧製品の仕様については、説明の都合上割愛する。また、旧製品情報としては、旧製品の仕様に限定されるものではなく、これ以外の情報(例えば、旧製品が有する欠点等)が含まれていてもよい。
新製品データベース402には、図5に示すように、新サーボシステムに含まれ得る複数の新製品、つまり新製品として選択可能な予め定められた複数の製品(例えば取り扱い製品等)に係る上述した新製品情報が格納されている。この例では、新製品データベース402には、新サーボシステムに含まれ得る複数の新製品それぞれについて、識別情報と新製品情報とが関連付けられて格納されている。
新製品の識別情報には、この例では、新製品の名称(略称や通称でもよい。)と型番とが含まれる。なお、新製品の識別情報としては、新製品の名称と型番とに限定されるものではなく、これら以外の情報が含まれていてもよいし、これらの一部が含まれていなくてもよい。
新製品情報には、この例では、新製品自体の仕様が含まれる。新製品の仕様は、旧製品の仕様として既に述べた情報と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、新製品情報としては、新製品の仕様に限定されるものではなく、これ以外の情報(例えば、新製品が有する利点等)が含まれていてもよい。
構成情報取得部403は、端末装置30からの上記設計要求信号を入力し、その設計要求信号に含まれる旧サーボシステムの構成情報を取得する。なお、上述したように、旧サーボシステムの構成情報は、旧サーボシステムを構成する複数の旧製品の構成状態を表す情報であり、該構成情報には、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品それぞれの識別情報が含まれる。
検出部404は、構成情報取得部403により取得された構成情報と、旧製品データベース401に格納された複数の旧製品の旧製品情報とに基づいて、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品それぞれの旧製品情報を検出(抽出)する。より具体的には、検出部404は、該構成情報に含まれる複数の旧製品それぞれの識別情報を検索キーに用いて、旧製品データベース401から、該識別情報に関連する旧製品情報、つまり旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品それぞれの旧製品情報を検出する。
旧システム情報抽出部405は、検出部404により検出された複数の旧製品それぞれの旧製品情報に基づいて、旧サーボシステムを規定する上述した外部条件及び内部条件を含む情報を、旧サーボシステムに係る上述した旧システム情報として抽出する。
なお、旧システム情報に含まれる外部条件には、上述したように、インプット条件と、アウトプット条件とがある。本実施形態のようにサーボシステムが対象となる場合、インプット条件としては、例えば、画像認識機能、上位制御装置からの信号を受け付ける機能、センサやスイッチ等の検出信号の入力機能、及び、操作を受け付ける機能等が挙げられる。一方、アウトプット条件としては、例えば、駆動可能なサーボアンプの軸数(モータの台数)、各軸における駆動可能容量、各軸における駆動速度、各軸におけるレスポンス、各軸における位置決め性能、所定条件を満たした場合の発光・発音等の出力機能、及び、上位制御装置等に表示させたり処理させるための出力機能等が挙げられる。
また、本実施形態のようにサーボシステムが対象となる場合、旧システム情報に含まれる内部条件としては、例えば、サーボシステム全体に必要な接続ラインの本数、接続ラインの種類、サーボシステム全体を構成する製品点数、サーボシステム全体の価格、サーボシステム全体の配置面積等が挙げられる。
構築部407は、旧システム情報抽出部405により抽出された旧システム情報と、新製品データベース402に格納された複数の新製品の新製品情報とに基づいて、新サーボシステムを構築する。より具体的には、構築部407は、旧システム情報を満足するように(旧システム情報に適合するように)、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の少なくとも一部を、1又は複数の新製品に置き換え、新サーボシステムを構築する。なお、この際、構築部407は、旧製品を全く含まない状態から新製品を組み合わせて、複数の新製品により構成される新サーボシステムを構築してもよいが、本実施形態では、構築部407は、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の少なくとも一部を、その旧製品情報に対応した新製品情報を有する新製品に置き換えることを1回又は複数回繰り返すことにより、新サーボシステムを構築するものとして説明する。
また、上記の新製品への置き換え際に、構築部407は、旧システム情報のうち、少なくとも、該旧システム情報に含まれる外部条件を満足するように、新製品を選択し、新サーボシステムを構築する。より具体的には、外部条件には優先順位があり、構築部407は、その優先順位の高い外部条件を満足する新製品を絞り込み、絞り込まれた新製品の新製品情報に含まれる仕様を満足するように、他の新製品を絞り込むという処理を行うことにより、新サーボシステムを構築する。
また、上記の新製品の選択の際に、構築部407は、新製品の組み合わせから得られる内部条件(つまり、新サーボシステムに係る上述した新システム情報に含まれる内部条件)が、旧システム情報に含まれる内部条件よりも有利になるように、新サーボシステムに含まれる新製品に優先順位を与えつつ新製品を選択し、新サーボシステムを構築する。このとき、例えば、価格が安い、製品点数が少ない、配線数が少ない、配置面積が小さい等の基準で、優先順位が設定され得る。なお、どの内部条件を優先順位設定の指標にするかは、予め提供者等の選択やデフォルトの設定により、決定されている。また、この優先順位の指標に相当する内部条件は、旧サーボシステムにおける欠点となり、新サーボシステムにおける利点となる。
従って、上記のように、新システム情報に含まれる内部条件が旧システム情報に含まれる内部条件よりも有利になるように、新サーボシステムに含まれる新製品に優先順位を与えつつ新製品を選択し、新サーボシステムを構築することは、換言すれば、旧サーボシステムの欠点情報に基づいて、旧サーボシステムの欠点を補填するように、新製品を選択し、新サーボシステムを構築することともいえる。なお、欠点を補填するとは、欠点を解消する(欠点を無くす)という意味に限定されるものではなく、欠点を減少させるという意味も含むものとする。
なお、構築部407による新サーボシステムの構築方法は、上記の方法に限定されるものではなく、構築部407は、上記の方法以外の方法により新サーボシステムを構築してもよい。
新システム情報抽出部408は、構築部407により構築された新サーボシステムに含まれる複数の製品(置き換えられた新製品と、置き換えられなかった旧製品とを含む)それぞれの製品情報を検出する。そして、新システム情報抽出部408は、検出した新サーボシステムに含まれる複数の製品それぞれの製品情報に基づいて、新サーボシステムを規定する外部条件及び内部条件を含む情報を、新サーボシステムの新システム情報として抽出する。
なお、新システム情報に含まれる外部条件には、上述したように、インプット条件と、アウトプット条件とがある。これらインプット条件及びアウトプット条件は、旧システム情報についての説明の際に述べたものと同様であるので、ここでは説明を省略する。また、新システム情報に含まれる内部条件は、旧システム情報に含まれる内部条件として既に述べたものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
欠点抽出部406は、旧システム情報抽出部405により抽出された旧システム情報に基づいて、旧サーボシステムに係る上述した欠点情報を抽出する。より具体的には、欠点抽出部406は、旧システム情報に含まれる内部条件と、新システム情報抽出部408により抽出された新システム情報に含まれる内部条件とを比較し、新サーボシステムがより有利になっている内部条件(換言すれば、旧サーボシステムがより不利になっている内部条件)を、旧サーボシステムの欠点情報として抽出する。例えば、欠点抽出部406は、部品点数が少ない点が新サーボシステムにとって有利な場合(換言すれば、部品点数が多い点が旧サーボシステムにとって不利な場合)、旧サーボシステムの欠点情報として「構成製品点数が多い」等の情報を抽出する。
なお、欠点抽出部406による旧サーボシステムの欠点情報の抽出方法は、上記の方法に限定されるものではなく、欠点抽出部406は、上記の方法以外の方法により旧サーボシステムの欠点情報を抽出してもよい。
利点抽出部409は、新システム情報抽出部408により抽出された新システム情報に基づいて、新サーボシステムに係る上述した利点情報を抽出する。より具体的には、利点抽出部409は、旧システム情報抽出部405により抽出された旧システム情報に含まれる内部条件と、新システム情報に含まれる内部条件とを比較し、新サーボシステムがより有利になっている内部条件を、新サーボシステムの利点情報として抽出する。例えば、利点抽出部409は、部品点数が少ない点が新サーボシステムにとって有利な場合、新サーボシステムの利点情報として「構成製品点数が少ない」等の情報を抽出する。
なお、利点抽出部409による新サーボシステムの利点情報の抽出方法は、上記の方法に限定されるものではなく、利点抽出部409は、上記の方法以外の方法により新サーボシステムの利点情報を抽出してもよい。
優先順位付与部410は、構築部407が複数の新サーボシステムを構築した場合に、新システム情報抽出部408により抽出された各新サーボシステムの新システム情報に基づいて、各新サーボシステムに優先順位を付与する。
なお、優先順位付与部410による優先順位の付与方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下のような方法が挙げられる。すなわち、優先順位付与部410は、各新サーボシステムの新システム情報に含まれる内部条件のうち、予め当該優先順位設定の指標として決定された所定の内部条件同士を比較し、より有利な所定の内部条件を有する新サーボシステムから順に、優先順位を高く設定していく。例えば、価格が安い、製品点数が少ない、配線数が少ない、配置面積が小さい等の基準で、各新サーボシステムに優先順位が付与され得る。なお、どの内部条件を優先順設定の指標にするかは、予め提供者等の選択やデフォルトの設定により、決定されている。
出力情報生成部411は、構築部407により構築された新サーボシステムの構成状態等を表す情報を、上記設計要求信号の出力元の端末装置30に対する出力情報として生成する。より具体的には、出力情報生成部411は、構成情報取得部403により取得された旧サーボシステムの構成情報、欠点抽出部406により抽出された旧サーボシステムの欠点情報、構築部407により構築された各新サーボシステムの構成情報、優先順位付与部410による優先順位の付与結果、及び、利点抽出部409により抽出された各新サーボシステムの利点情報を含む情報を取得する。そして、出力情報生成部411は、取得したこれらの情報に基づいて、旧サーボシステムの構成状態、該旧サーボシステムの欠点、優先順位の最も高い新サーボシステムの構成状態、及び、該新サーボシステムの利点を表す情報を、出力情報として生成する。そして、出力情報生成部411は、生成した出力情報を、上記設計要求信号の出力元の端末装置30へ出力する。
なお、この例では、出力情報生成部411は、構築部407により構築された複数の新サーボシステムのうち、優先順位の最も高い新サーボシステムの構成状態及び利点を表す情報を生成する場合を例に挙げているが、開示の実施形態はこの例に限定されるものではない。例えば、出力情報生成部411は、構築部407により構築された複数の新サーボシステムのうち、優先順位が所定の順位までに該当する新サーボシステムの構成状態及び利点を表す情報を生成してもよい。また例えば、出力情報生成部411は、構築部407により構築された各新サーボシステムの構成状態及び利点を表す情報を生成してもよい。これらの場合には、出力情報生成部411は、各新サーボシステムの優先順位を表す優先順位情報を併せて生成してもよい。
<2.システム設計方法>
次に、図6を参照しつつ、本実施形態に係るシステム設計方法の一例について説明する。図6は、本実施形態に係るシステム設計方法の一例について説明するための説明図である。
図6に示すように、端末装置30の表示部303に入力画面D1(後述の図7参照)が表示された状態で、提供者により入力部301が適宜に操作されることにより、旧サーボシステムの構成情報が入力されると共に、新サーボシステムの設計が要求されると、ステップS10で、入力制御部302が、上記設計要求信号をネットワークNWを介してサーバ40へ出力する。
そして、ステップS20で、構成情報取得部403が、上記ステップS10で端末装置30の入力制御部302から出力された設計要求信号を入力し、その設計要求信号に含まれる旧サーボシステムの構成情報を取得する。
その後、ステップS30で、検出部404が、上記ステップS20で取得された構成情報に含まれる複数の旧製品それぞれの識別情報を検索キーに用いて、旧製品データベース401から、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品それぞれの旧製品情報を検出する。
そして、ステップS40で、旧システム情報抽出部405が、上記ステップS30で検出された複数の旧製品それぞれの旧製品情報に基づいて、旧サーボシステムの旧システム情報を抽出する。
その後、ステップS50で、構築部407が、新システム情報に含まれる内部条件が、上記ステップS40で抽出された旧システム情報に含まれる内部条件よりも有利になるように、新サーボシステムに含まれる新製品に優先順位を与えつつ新製品を選択することにより、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の少なくとも一部を、1又は複数の新製品に置き換え、新サーボシステムを構築する。なお、以下のステップでは、このステップS50において複数の新サーボシステムが構築されたものとして説明する。
そして、ステップS60で、新システム情報抽出部408が、上記ステップS50で構築された各新サーボシステムに含まれる複数の製品それぞれの製品情報を検出する。そして、新システム情報抽出部408が、検出した各新サーボシステムに含まれる複数の製品それぞれの製品情報に基づいて、各新サーボシステムの新システム情報を抽出する。
その後、ステップS70で、欠点抽出部406が、上記ステップS40で抽出された旧システム情報に含まれる内部条件と、上記ステップS60で抽出された各新サーボシステムの新システム情報に含まれる内部条件とを比較し、旧サーボシステムの欠点情報を抽出する。
そして、ステップS80で、利点抽出部409が、上記ステップS40で抽出された旧システム情報に含まれる内部条件と、上記ステップS60で抽出された各新サーボシステムの新システム情報に含まれる内部条件とを比較し、各新サーボシステムの利点情報を抽出する。
その後、ステップS90で、優先順位付与部410が、上記ステップS60で抽出された各新サーボシステムの新システム情報に基づいて、各新サーボシステムに優先順位を付与する。
そして、ステップS100で、出力情報生成部411が、上記ステップS20で取得された旧サーボシステムの構成情報、上記ステップS70で抽出された旧サーボシステムの欠点情報、上記ステップS50で構築された各新サーボシステムの構成情報、上記ステップS90での優先順位の付与結果、及び、上記ステップS80で抽出された各新サーボシステムの利点情報を含む情報を取得する。そして、出力情報生成部411が、取得したこれらの情報に基づいて、旧サーボシステムの構成状態、該旧サーボシステムの欠点、優先順位の最も高い新サーボシステムの構成状態、及び、該新サーボシステムの利点を表す情報を、出力情報として生成する。そして、出力情報生成部411が、生成した出力情報を、ネットワークNWを介して、上記ステップS10で設計要求信号を出力した端末装置30へ出力する。
その後、ステップS110で、端末装置30の表示制御部304が、上記ステップS100でサーバ40の出力情報生成部411から出力された出力情報を取得する。そして、表示制御部304が、取得した出力情報に基づいて、旧サーボシステムの構成状態、該旧サーボシステムの欠点、優先順位の最も高い新サーボシステムの構成状態、及び、該新サーボシステムの利点を表す表示画面D2(後述の図8及び図9参照)を、表示部303に表示させる。
<3.旧サーボシステムの構成情報の入力手法の例>
次に、図7を参照しつつ、本実施形態に係る旧サーボシステムの構成情報の入力手法の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る旧サーボシステムの構成情報の入力手法の一例について説明するための説明図である。
図7に示すように、本実施形態では、旧サーボシステムの構成情報の入力は、上述のように表示部303に入力画面D1が表示された状態で行われる。すなわち、入力画面D1は、エリアE1と、スクロール操作可能なエリアE2とを含む。
エリアE1は、旧サーボシステムに含まれ得る複数の旧製品に対応する複数の図像Pを、予め定められた製品カテゴリ(例えば、モータ、サーボアンプ、コントローラ、付加的なモジュール、外部装置等)別に含む。なお、図像Pは、実物の製品の写真でもよいし、製品の模式図等でもよい。各図像Pは、提供者が入力部301を適宜に操作し、いわゆるドラッグ・アンド・ドロップすることにより、エリアE2側へ移動可能となっている。
エリアE2には、エリアE1側から移動された複数の旧製品に対応する複数の図像Pの組み合わせにより、旧サーボシステムの構成状態が表される。
すなわち、提供者は、入力部301を適宜に操作し、旧サーボシステムの旧製品に対応する図像Pを、エリアE1側からエリアE2側へドラッグ・アンド・ドロップすることを複数回繰り返し、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品に対応する複数の図像Pを接続ラインで接続しつつ組み合わせることにより、旧サーボシステムの構成情報を入力する。これにより、エリアE2側において、旧サーボシステムの構成状態が表される。そして、提供者が入力部301を適宜に操作し、新サーボシステムの設計を要求すると、入力された旧サーボシステムの構成情報を含む設計要求信号がサーバ40へ出力される。これにより、サーバ40において、新サーボシステムの設計処理が開始される。
なお、ここで説明した旧サーボシステムの構成情報の入力手法は、あくまで一例であって、別の手法により旧サーボシステムの構成情報が入力されてもよいことは言うまでもない。
<4.新サーバシステムの構成状態等の表示の例>
次に、図8及び図9を参照しつつ、新サーバシステムの構成状態等の表示の一例について説明する。図8及び図9は、新サーバシステムの構成状態等の表示の一例について説明するための説明図である。
図8及び図9において、上述のように、サーバ40の出力情報生成部411から出力された出力情報は、端末装置30の表示制御部304により取得される。これにより、表示部303に図8に示す表示画面D2が表示される。図8に示すように、この表示画面D2には、テキストT1、画像SP1、及びテキストT2等が表されている。
テキストT1は、現状の表示内容が旧サーボシステムの構成状態と旧サーボシステムの欠点とであることをテキストである。この例では、テキストT1は「現状システムとその欠点」となっている。なお、「現状システム」とは、旧サーボシステムのことである。
画像SP1は、旧サーボシステムの構成状態に対応する画像である。この例では、画像SP1には、図像P1と、図像P2と、図像P3と、図像P4と、24の図像P5と、24の図像P6と、図像P7と、図像P8等が含まれる。図像P1は、外部装置の一例であるタッチパネルディスプレイに対応する図像である。図像P2は、10のモジュールからなるコントローラに対応する図像である。図像P3は、外部装置の一例である入力装置に対応する図像である。図像P4は、外部装置の一例である出力装置に対応する図像である。図像P5は、サーボアンプに対応する図像である。図像P6は、モータの一例であるサーボモータに対応する図像である。図像P7は、上位ネットワークに対応する図像である。なお、この画像SP1で表される旧サーボシステムの構成状態については、後で図10を参照しつつ説明する。
テキストT2は、旧サーボシステムの欠点を表すテキストである。この例では、テキストT3は3項目にわたっており、1項目目は「位置決めモジュールが多数必要(6モジュール)」、2項目目は「配線コスト・設置面積がかかる」、3項目目は「整理・保守が1軸ごとに必要」となっている。なお、このテキストT2で表される旧サーボシステムの欠点については、後で図10を参照しつつ説明する。
また、このような内容が表示された状態で、提供者が入力部301により適宜の操作(例えば、ページ送り操作やスクロール操作等)を行うと、表示画面D2の内容が図9に示す内容に切り替わる。図9に示すように、この表示画面D2には、テキストT3、画像SP2、及びテキストT4等が表されている。
テキストT3は、現状の表示内容が新サーボシステムの構成状態と新サーボシステムの利点とであることをテキストである。この例では、テキストT1は「代替システムとその利点」となっている。なお、「代替システム」とは、新サーボシステムのことである。
画像SP2は、上記最も優先順位の高い新サーボシステムの構成状態に対応する画像である。この例では、画像SP2には、上記図像P1と、図像P2’と、上記図像P3と、上記図像P4と、24の図像P5’と、24の上記図像P6と、上記図像P7と、図像P8と、図像9と、図像10等が含まれる。図像P2’は、2のモジュールからなるコントローラに対応する図像である。図像P5’は、サーボアンプに対応する図像である。図像P7は、上位ネットワークに対応する図像である。図像P8は、モーションネットワークに対応する図像である。図像P9は、モーションネットワークに対応する図像である。図像10は、外部装置の一例であるリモートI/Oに対応する図像である。なお、この画像SP2で表される新サーボシステムの構成状態については、後で図11を参照しつつ説明する。
テキストT4は、上記最も優先順位の高い新サーボシステムの利点を表すテキストである。この例では、テキストT4は4項目にわたっており、1項目目は「価格がリーズナブルで16軸まで同期制御でき、モーション制御モジュールと併せて32軸まで同期制御可能」、2項目目は「省配線を実現(配線コスト・設置面積の削減)」、3項目目は「PCですべての軸の調整・保守が可能」、4項目目は「サーボアンプ・I/Oの拡張が容易」となっている。なお、このテキストT4で表される新サーボシステムの利点については、後で図11を参照しつつ説明する。
<5.サーボシステムの例>
(5−1.旧サーボシステムの例)
次に、図10を参照しつつ、旧サーボシステムの一例について説明する。図10は、旧サーボシステムの構成の一例について説明するための説明図である。
図10に示す例の旧サーボシステム100は、上記図8中の画像SP1で表される旧サーボシステムの構成状態で示されるシステム構成に対応する。すなわち、この旧サーボシステム100は、タッチパネルディスプレイ140と、コントローラ110と、入力機器150(例えば、センサやスイッチ等)と、出力機器160(例えば、ランプやソレノイド等)と、24のサーボモータ120と、24のサーボモータ130等を有する。従って、これらタッチパネルディスプレイ140、コントローラ110、入力機器150と、出力機器160、24のサーボモータ120、及び24のサーボモータ130は、旧製品に相当する。
コントローラ110は、電源モジュール111と、CPUモジュール112と、通信モジュール113と、6の位置決めモジュール114と、入出力モジュール115等を備える。そして、通信モジュール113は、タッチパネルディスプレイ140と、例えばETHERNET(登録商標)規格に準拠する上位ネットワークNW1及びそれに適合した適宜の接続ラインを介して情報を送受可能に接続されている。また、各位置決めモジュール114は、4のサーボアンプと、パルス列I/F(図示せず)及びそれに適合した適宜の接続ラインを介して接続されている。また、入出力モジュール115は、入力機器150及び出力機器160と、適宜の接続ラインを介して接続されている。
このように構成された旧サーボシステム100の欠点としては、例えば、次のようなものが挙げられる。すなわち、パルス列I/Fであるため、24軸を制御するためには位置決めモジュール114が6モジュール必要となり、設置面積・配線コストがかかり、調整・保守が1軸ごとに必要となる。従って、提供者がこのような欠点を有する旧サーボシステム100の構成情報を端末装置30の入力部301を介して入力すると、サーバ40は、新サーボシステムの新システム情報に含まれる内部条件がこの旧サーボシステム100の旧システム情報に含まれる内部条件よりも有利になるように、新サーボシステムを設計する。
(5−2.新サーボシステムの例)
次に、図11を参照しつつ、新サーボシステムの一例について説明する。図11は、新サーボシステムの構成の一例について説明するための説明図である。
図11に示す例の新サーボシステム200は、新サーボシステムの新システム情報に含まれる内部条件が上記図10に示した旧サーボシステム100の旧システム情報に含まれる内部条件よりも有利になるように設計されたサーボシステムであり、上記図9中の画像SP2で表される新サーボシステムの構成状態で示されるシステム構成に対応する。すなわち、この新サーボシステム200は、上記タッチパネルディスプレイ140と、コントローラ210と、上記入力機器150と、上記出力機器160と、24のサーボアンプ220と、上記24のサーボモータ130と、リモートI/O270等を有する。つまり、この新サーボシステム200では、上記図10に示した旧サーボシステム100に含まれる旧製品であるコントローラ110及び24のサーボアンプ120が、コントローラ210、24のサーボアンプ220、及びリモートI/O270に置き換えられている。従って、これらコントローラ210、24のサーボアンプ220、及びリモートI/O270は、新製品に相当する。
コントローラ210は、基本モジュール211と、モーション制御モジュール212とを有する、いわゆるオールインワンタイプのコントローラである。基本モジュール211は、電源、CPU、通信、16軸のモーション制御機能を備える。モーション制御モジュール212は、16軸のモーション制御機能を備える。そして、基本モジュール211は、タッチパネルディスプレイ140と、上記上位ネットワークNW1及びそれに適合した適宜の接続ラインを介して情報を送受可能に接続されている。また、基本モジュール211は、16のサーボモータ220と、例えばMECHATROLINK(登録商標)規格に準拠するモーションネットワークNW2及びそれに適合した適宜の接続ラインを介して情報を送受可能に接続されている。また、モーション制御モジュール212は、8のサーボモータ220及びリモートI/O270と、例えばMECHATROLINK(登録商標)規格に準拠するモーションネットワークNW3及びそれに適合した適宜の接続ラインを介して情報を送受可能に接続されている。
リモートI/O270は、入力機器150及び出力機器160と、適宜の接続ラインを介して接続されている。
このように構成された新サーボシステム200は、上記図10に示した旧サーボシステム100の欠点が補填されている。また、この新サーボシステム200の利点としては、例えば、次のようなものが挙げられる。すなわち、基本モジュール211は価格がリーズナブルで16軸まで同期制御でき、モーション制御モジュール212と併せると、システム全体で32軸まで同期制御可能である。また、省配線を実現する(配線コスト・設置面積の削減)。PCと接続すると全ての軸の調整・保守が可能となる。更に、サーボアンプ及び入出力機器の拡張が容易化となる。
ここで、本実施形態で説明したサーバ40側で実行される一連の処理(上記図6に示すステップS20〜ステップS100の処理。以下同様。)は、1又は複数の専用のハードウエアにより実行させてもよいが、ソフトウエアにより実行させてもよい。一連の処理をソフトウエアにより行う場合、図12に示すような1又は複数の汎用又は専用のコンピュータであるサーバ40にプログラムを実行させることにより、上記の一連の処理を実現することができる。
図12は、プログラムを実行することにより一連の処理を実現するコンピュータであるサーバの構成例を説明するための説明図である。一連の処理を行うプログラムのコンピュータであるサーバ40による実行について説明すれば、以下のようになる。
図12に示すように、コンピュータであるサーバ40は、例えば、バス911と、CPU(Central Processing Unit)901と、記録装置と、入出力インターフェイス913と、通信装置925と、入力装置915と、ドライブ921と、出力装置917等を有する。これらの各構成は、バス911や入出力インターフェイス913等を介して相互に情報を伝達可能に接続されている。
プログラムは、例えば、記録装置の一例である、HDD(Hard Disk Drive)919・ROM(Read Only Memory)903・RAM(Random Access Memory)905等に記録しておくことができる。
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、各種のCD(Compact Disc)・MO(Magneto Optical)ディスク・DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体927に、一時的又は永続的に記録しておくこともできる。このようなリムーバブル記憶媒体927は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらのリムーバブル記憶媒体927に記録されたプログラムは、ドライブ921により読み出されて、入出力インターフェイス913・バス911等を介して上記の記録装置に記録されてもよい。
更に、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LAN(Local Area Network)・ネットワークNWを介して転送され、通信装置925がこのプログラムを受信する。そして、通信装置925が受信したプログラムは、入出力インターフェイス913・バス911等を介して上記の記録装置に記録されてもよい。
そして、CPU901が、上記の記録装置に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の一連の処理が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記の記録装置からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置925やドライブ921を介して受信する場合、受信したプログラムを記録装置に記録せずに直接実行してもよい。
更に、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置915から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
そして、CPU901は、上記の一連の処理を実行した結果を、例えばモニタ等の表示装置・スピーカやヘッドホン等の音声出力装置等の出力装置917から出力してもよく、更にCPU901は、必要に応じてこの処理結果を通信装置925から送信してもよく、上記の記録装置やリムーバブル記憶媒体927に記録させてもよい。
<6.本実施形態による効果の例>
以上説明した本実施形態では、旧サーボシステムの旧システム情報と、新製品データベースに格納された複数の新製品の新製品情報とを参照しつつ、構築部407が、旧システム情報に適合するように、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の少なくとも一部を、1又は複数の新製品に置き換え、新サーボシステムを構築する。このように本実施形態では、複数の旧製品の少なくとも一部と1又は複数の新製品とを対応させて置き換えるので、旧サーボシステムの特徴に適合する範囲内であっても、新サーボシステムのシステム構成のバリエーションは多岐にわたることとなり、設計可能な新サーボシステムの範囲を大幅に拡大することができる。従って、ユーザのニーズに対応した柔軟な設計を行うことができる。
また、本実施形態では、旧サーボシステムの旧システム情報と、新製品データベースに格納された複数の新製品の新製品情報とを参照しつつ、構築部407が、旧システム情報に適合するように、新サーボシステムを自動的に構築する。これにより、旧サーボシステムの特徴や製品仕様等に対する提供者の知識の多寡に関わらず、旧サーボシステムを代替可能な新サーボシステムを適切に設計することができる。
また、本実施形態では特に、構築された新サーボシステムに含まれる複数の新製品の新製品情報に基づいて、利点抽出部409が、新サーボシステムの利点情報を抽出する。これにより、抽出された新サーボシステムの利点情報を端末装置30へ出力することにより、提供者はユーザに対し新サーボシステムの利点を提示することができる。この結果、旧サーボシステムの欠点と比較する等により新サーボシステムに対する優位性を強調した提案をすることができる。
また、本実施形態では特に、構築部407が、旧サーボシステムの欠点情報に基づいて、旧サーボシステムの欠点を補填するように、旧サーボシステムに含まれる複数の製品の少なくとも一部を、1又は複数の代替製品に置き換え、新サーボシステムを構築する。これにより、旧サーボシステムの欠点を補填することが可能な新サーボシステムを設計することができるので、更にユーザのニーズに対応した設計を行うことができる。
また、本実施形態では特に、予め旧製品データベース401に旧サーバシステムに含まれ得る複数の旧製品の旧製品情報が格納されている。そして、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の旧製品情報に基づいて、欠点抽出部406が、旧サーボシステムの欠点情報を抽出する。これにより、抽出された旧サーボシステムの欠点情報を端末装置30へ出力することにより、提供者はユーザに対し旧サーボシステムの欠点を的確に提示することができる。
また、本実施形態では特に、旧サーボシステムに含まれる複数の旧製品の旧製品情報に基づいて、旧システム情報抽出部405が、旧システム情報を抽出する。これにより、旧サーボシステムの旧製品情報から抽出した旧システム情報に適合するように、新サーボシステムを構築することができる。この結果、旧サーボシステムを代替可能な新サーボシステムをより適切に設計することができる。
また、本実施形態では特に、複数の新サーボシステムを構築された場合に、各新サーボシステムの複数の新製品の新製品情報に基づいて、優先順位付与部410が、これら各新サーボシステムに優先順位を付与する。これにより、価格の最も安いあるいは拡張性が最も大きいといったユーザが所望する項目(内部条件)に応じて優先度の高い新サーボシステムを的確に提示することができる。
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、サーボシステムでは、軸数(モータの台数)、モータの容量、各サーボの応答性、制御性能等、要素が多岐にわたり、システムの特徴を抽出することは、他のシステムに比べて、高度な知識と熟練した技術とが必要である。従って、本実施形態によれば、提供者がそのような高度な知識等を有していなくとも、旧サーボシステムを代替可能な新サーボシステムを適切に設計することができる。
<7.変形例等>
以上、添付図面を参照しながら一実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、技術的思想の範囲は、ここで説明した実施形態に限定されないことは言うまでもない。実施形態の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせ等を行うことに想到できることは明らかである。従って、これらの変更や修正、組み合わせ等の後の技術も、当然に技術的思想の範囲に属するものである。以下、そのような変形例を順次説明する。
(7−1.手入力で旧サーボシステムの構成及び特徴を入力する場合)
上記実施形態では、提案者が端末装置30の入力部301を適宜に操作し、旧サーボシステムの各旧製品に対応する各図像Pをドラッグ・アンド・ドロップすることにより、旧サーボシステムの構成情報を入力する場合について説明した。しかしながら、本開示の実施形態に表されるシステム設計装置等はこの例に限定されるものではない。
例えば、提案者が端末装置30の入力部301を適宜に操作し、テキスト入力したりプルダウン方式による選択等をすることにより、旧サーボシステムの構成情報(構成状態)及び旧システム情報を入力してもよい。入力された旧サーバシステムの構成情報及び旧システム情報を含む設計要求信号は、ネットワークNWを介してサーバ40へ出力される。この場合、サーバ40の旧システム情報抽出部405が、端末装置30からの設計要求信号から、旧システム情報を抽出可能である。従って、この場合には、上記図2中の、構成情報取得部403、検出部404、及び旧製品データベース401を省略することも可能である。本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(7−2.その他)
以上では、サーバ40がモータ、サーボアンプ、コントローラ等を有するサーボシステムを設計する場合を例に挙げて説明したが、本開示の実施形態に表されるシステム設計装置等はこの例に限定されるものではない。システム設計装置等は、サーボシステム以外のシステムを設計する場合にも適用可能である。
また、以上では、1つのサーバ40が上記図2に示す各部の全てを有する場合について説明したが、本開示の実施形態に表されるシステム設計装置等はこの例に限定されるものではない。例えば、複数の装置からなるシステムを設け、該システムの複数の装置が上記図2に示す各部の少なくとも1つを有するように構成してもよい。この場合には、上記複数の装置からなるシステムが、システム設計装置の一例に相当する。更に言えば、本実施形態では、端末装置30とサーバ40とがネットワークNWを介して別体に設けられた例を示したが、例えば、サーバ40の機能と端末装置30の機能とが一体に装置によって発揮されてもよい。
また、上記図2及び図3中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、上記図6に示すフローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。