以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.一実施形態に係る干渉制御モデル
1−1.周波数帯の二次利用による干渉の例
1−2.干渉制御モデルの説明
1−3.二次利用のためのチャネルの比較
1−4.第2の通信サービス間の干渉の検討
1−5.第2の通信サービス間の送信電力の分配
1−6.二次利用のためのフレームワーク
1−7.衝突の検知及び回避方法
1−8.二次利用という用語の範囲
2.第1の実施形態
2−1.通信システムの概要
2−2.管理ノードの構成例
2−3.二次利用ノード(SSC)の構成例
2−4.二次利用ノード(SUE)の構成例
2−5.第1の実施形態のまとめ
3.第2の実施形態
3−1.通信システムの概要
3−2.管理ノードの構成例
3−3.二次利用ノード(SSC)の構成例
3−4.第2の実施形態のまとめ
4.TVバンドへの適用
<1.一実施形態に係る干渉制御モデル>
[1−1.周波数帯の二次利用による干渉の例]
まず、図1A及び図1Bを参照しながら、周波数帯の二次利用により一次利用ノードが干渉を受ける簡略化された事例について説明する。図1A及び図1Bは、それぞれ、周波数帯の二次利用により一次システムに含まれるいずれかの一次利用ノードが干渉を受ける一例を示す模式図である。
図1Aを参照すると、第1の通信サービスのセル10の内部に、一次利用ノードPn1及びPn2が位置している。このうち、一次利用ノードPn1は、セル10の内部に位置する端末装置(ユーザ機器(UE:User Equipment)ともいう)に第1の通信サービスを提供する基地局(PBS:Primary Base Station)である。第1の通信サービスは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、又は移動体通信サービスなどを含む任意の通信サービスであってよい。一方、一次利用ノードPn2は、第1の通信サービスの提供を受ける端末装置(PUE:Primary User Equipment)である。一次利用ノードPn1と一次利用ノードPn2及び図中の他の一次利用ノードは、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を使用して無線信号を送受信することにより、一次システムを形成する。
また、図1Aには、セル10の内部に位置する複数の二次利用ノードSn1、Sn2、Sn3及びSn4も示されている。これら二次利用ノードは、所定のスペクトラムポリシー(周波数利用規定)に従って、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して(即ち、当該周波数帯を二次利用して)第2の通信サービスを運用し、二次システムを形成する。第2の通信サービスは、例えば、IEEE802.11a/b/g/n/s、Zigbee、又はWiMediaなどの任意の無線通信プロトコルに従って実現される無線通信サービスであってよい。1つのセル内において複数の二次システムが形成されてもよく、図1Aの例では、セル10の内部の領域12a、領域12b、及び領域12cにおいてそれぞれ異なる二次システムが形成されている。なお、ここでは説明の明瞭さの観点から一次利用ノードと二次利用ノードとを分けて説明しているが、一次利用ノードの一部が二次利用ノードとして動作してもよい。
図1Aに示したように、第1の通信サービスのセル10の内部で第2の通信サービスが運用される場合、その第2の通信サービスのために送信される無線信号が第1の通信サービスに干渉するおそれがある。図1Aの例は、二次利用ノードSn1、Sn2及びSn3から送信された無線信号が一次利用ノードPn2から一次利用ノードPn1へ送信されたアップリンク信号に干渉する可能性を示している。この場合、一次利用ノードPn1は、アップリンク信号を正常に受信できず、又は受信できたとしても所望のサービス品質を得られないおそれがある。
図1Aと同様に、図1Bにおいても、第1の通信サービスのセル10の内部に、一次利用ノードPn1及びPn2が位置し、基地局である一次利用ノードPn1から端末装置である一次利用ノードPn2に第1の通信サービスが提供されている。また、第1の通信サービスのセル10の内部に、二次利用ノードSn1、Sn2、Sn3及びSn4が示されている。図1Bの例では、二次利用ノードSn1、Sn2、Sn3及びSn4から送信された無線信号が一次利用ノードPn1から一次利用ノードPn2へ送信されたダウンリンク信号に干渉する可能性を示している。この場合、一次利用ノードPn2は、ダウンリンク信号を正常に受信できず、又は受信できたとしてもやはり所望のサービス品質を得られないおそれがある。
周波数帯の二次利用によるこのような干渉を防ぎ、第1の通信サービスに通信品質の低下などの悪影響を与えないための1つの解決策は、二次利用ノードからの無線信号の送信に使用される送信電力を低くすることである。その反面、送信電力が低いと第2の通信サービスの通信容量が減少し通信品質も低下する。そのため、第1の通信サービスへの干渉を与えない範囲で、第2の通信サービスのための送信電力を可能な限り高めることが有益である。そこで、次に、周波数帯の二次利用による第1の通信サービスへの干渉と二次利用ノードにおいて使用される送信電力との間の関係について説明する。
[1−2.干渉制御モデルの説明]
二次利用により干渉を与える側の二次利用ノードと干渉を受ける側の一次利用ノード(以下、被干渉ノードという)との1対1の関係に着目した場合に、その干渉が当該被干渉ノードにおいて許容されるためには、次の関係式(1)が満たされている必要がある。なお、被干渉ノードとは、例えば、図1Aの一次利用ノードPn1又は図1Bの一次利用ノードPn2に相当し得る。
ここで、SINRrequiredは、被干渉ノードにおいて要求される最小のSINR(信号対干渉及び雑音比:Signal to Interference and Noise Ratio)を表す。SINRrequiredは、例えば、被干渉ノードの最小受信感度、又はQoS(Quality of Service)に応じて与えられる最小のSINRなどであってよい。また、Prx_primary,primaryは第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の受信レベル、Prx_primary,secondaryは二次利用ノードから送信される無線信号の被干渉ノードにおける受信レベルをそれぞれ表す。また、Nprimaryは、被干渉ノードに適用され得る干渉又は雑音レベル(干渉レベル及び雑音レベルの一方又は双方を含む)を表す。
また、無線信号の受信レベルは、次の式(2)及び(3)に示したように、無線信号の送信電力と経路損失とにより表される。
ここで、Ptx_secondaryは二次利用ノードにおける無線信号の送信電力、Lpath_tx_secondaryは二次利用ノードから被干渉ノードまでの通信経路上の経路損失を表す。また、Ptx_primaryは第1の通信サービスにおける無線信号の送信電力、Lpath_tx_primaryは第1の通信サービスにおける無線信号の通信経路上の経路損失を表す。よって、上記関係式(1)は、次式のように変形される。
なお、式(1)、式(4)に含まれる干渉又は雑音レベルNprimaryは、一例として、ボルツマン定数k=1.38×10-23[J/K]、絶対温度T[K]、雑音指数(ノイズ・フィギュア)NF及び帯域BW[Hz]を用いて、次式のように計算され得る。
ここで、Iprimaryは、第1の通信サービスにおける隣接セル間干渉、並びにフェムトセル、小規模セル若しくはリレーノードがマクロセルにオーバレイされるようなヘテロジーニアス環境下におけるセル内の干渉、又は帯域外放射による干渉などを含み得る。また、無線信号の通信経路上の経路損失は通常は2つのノード間の距離dに依存し、一例として、次式のように計算され得る。
ここで、d0は参照距離、λはキャリア周波数の波長、nは伝播係数である。
次に、関係式(4)はさらに次式のように変形される。
この関係式(7)が充足されるように二次利用ノードの送信電力が制御されれば、少なくとも二次利用ノードと被干渉ノードとの局所的な1対1の関係においては、その干渉は被干渉ノードにおいて許容され得る。さらに、複数の二次利用ノードが存在する場合には、干渉源となる二次利用ノードの総数をnとすると、次の関係式を満たすことが求められる。
従って、第2の通信サービスにおいても可能な限り大きな通信容量又は高い通信品質を確保することを前提とすれば、全体として第2の通信サービスに許容される干渉電力レベルIacceptableは、次式で与えられる。
ここで、式(9)における右辺のパラメータ及び左辺の経路損失Lpath_tx_secondary,iの値は既知であるため、干渉電力レベルIacceptableに応じた送信電力Ptx_secondary,iのみが決定すべきパラメータとなる。式(9)は、二次システムが一次システムに与えることが許容される干渉電力の総和量を評価するための評価式であると理解されてもよい。
即ち、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する二次利用ノードは、個々の被干渉ノードに着目した場合に、送信電力が全体として式(9)を満たす範囲で、送信電力を制御することが望ましい。
[1−3.二次利用のためのチャネルの比較]
図2A〜図2Dは、第1の通信サービスに使用される通信方式及びチャネル方向に応じた、二次利用の際の干渉の影響について説明するための模式図である。
各図には、基地局である一次利用ノードPn1、並びにPUEである3つの一次利用ノードPn2、Pn3及びPn4が示されている。これら一次利用ノードPn1、Pn2、Pn3及びPn4は、図2A及び図2Bの例では、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多重アクセス)方式を使用して一次システムを形成する。その場合の一次システムは、例えば、WiMAX(登録商標)システム、LTE(Long Term Evolution)システム、又はLTE−A(LTE−Advanced)システムなどであってよい。また、一次利用ノードPn1、Pn2、Pn3及びPn4は、図2C及び図2Dの例では、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重アクセス)方式を使用して一次システムを形成する。その場合の一次システムは、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)又はW−CDMA(Wideband-CDMA)などであってよい。
また、各図には、二次利用ノードSn1も示されている。二次利用ノードSn1は、領域12d内に位置する他の二次利用ノードとの間で第2の通信サービスのための無線信号(二次信号)を送受信し、それにより一次利用ノードPn1、Pn2、Pn3及びPn4への干渉が生じ得る。その干渉の影響範囲は、以下に説明するように、二次利用の対象となる第1の通信サービスの通信方式及びチャネル方向に依存する。
まず、図2Aに関し、OFDMA方式のアップリンクチャネルが二次利用される場合、干渉は、一次システムのいずれか1つのPUEから基地局へのアップリンク信号についてのみ生じ得る。図2Aの例では、一次利用ノードPn2から一次利用ノード(基地局)Pn1へのアップリンク信号に、二次利用ノードSn1からの二次信号が干渉している。この場合、他のPUEからのアップリンク信号は、異なるリソースブロック(又は異なる周波数スロット若しくは時間スロット)に予め割当てられるため、二次信号の影響を受けない。
次に、図2Bに関し、OFDMA方式のダウンリンクチャネルが二次利用される場合、干渉は、一次システムの基地局から各PUEへのダウンリンク信号について生じ得る。図2Bの例では、一次利用ノード(基地局)Pn1から一次利用ノードPn2、Pn3及びPn4へのダウンリンク信号に、二次利用ノードSn1からの二次信号が干渉している。これは、ダウンリンク信号(例えば制御チャネルの信号)が、複数のPUEについて共通的なリソースブロック等を用いて送信され得るためである。
次に、図2Cに関し、CDMA方式のアップリンクチャネルが二次利用される場合、干渉は、一次システムの各PUEから基地局へのアップリンク信号について生じ得る。図2Cの例では、一次利用ノードPn2、Pn3及びPn4から一次利用ノード(基地局)Pn1へのアップリンク信号に、二次利用ノードSn1からの二次信号が干渉している。一般的に、CDMA方式においては、一次信号が各PUEに割当てられる拡散符号を用いて帯域全体に拡散され同時に送信されるため、このように複数のPUEからの一次信号に二次信号が干渉し得る。
次に、図2Dに関し、CDMA方式のダウンリンクチャネルが二次利用される場合、干渉は、一次システムの基地局から各PUEへのダウンリンク信号について生じ得る。図2Dの例では、一次利用ノード(基地局)Pn1から一次利用ノードPn2、Pn3及びPn4へのダウンリンク信号に、二次利用ノードSn1からの二次信号が干渉している。これは、ダウンリンク信号(例えば制御チャネルの信号)が、複数のPUEに共通的に受信され得ること、及びCDMA方式のアップリンクチャネルと同様に一次信号が帯域全体に拡散され同時に送信されることが原因である。
上述した4種類のチャネルを二次利用のために使用する場合の、干渉の影響範囲及び技術的要件を、表1にまとめる。
表1を参照すると、上で述べたように、干渉の影響範囲はOFDMA方式のアップリンクチャネルが最も小さい。即ち、OFDMA方式のアップリンクチャネルを二次利用する場合には、1つのUE(“a UE”)から基地局へのリンクに干渉が生じ得るのみであるのに対し、他のチャネルを二次利用する場合には、複数のUEに関連するリンクに干渉が生じ得る。機能要件の観点では、CDMA方式では一次信号のセンシングのために拡散符号を検知することが必要となるのに対し、OFDMA方式ではUL(Uplink)又はDL(Downlink)同期のみでよいため、OFDM方式の方が実現が容易である。さらに、最小受信感度は、例えばCDMA方式では−120dBm(UMTSの場合)であるのに対し、OFDMA方式では−90dBm(WiMAXの場合)であり、OFDMA方式の方が干渉を受け難いと言える。従って、周波数帯の二次利用に際しては、OFDMA方式を使用する第1の通信サービスの周波数帯のうち、特にアップリンクチャネルの周波数帯を二次利用するのが望ましいと言うことができる。そこで、本明細書で後述する一実施形態では、OFDMA方式のアップリンクチャネルを二次利用することを前提として説明を行う。但し、本発明は、OFDMA方式のダウンリンクチャネル、又はOFDMA方式以外の通信方式を使用するチャネルにも適用可能である。
[1−4.第2の通信サービス間の干渉の検討]
ここまで、周波数帯の二次利用が第1の通信サービスに与える干渉について説明した。次に、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する第2の通信サービスが複数存在する場合の、第2の通信サービス間の干渉について説明する。
図3A及び図3Bは、第2の通信サービス間の干渉について説明するための模式図である。このうち、図3Aは、隣接する異なるセルにおいてそれぞれ第2の通信サービスが運用される例を示している。一方、図3Bは、同一のセルにおいて2つの第2の通信サービスが運用される例を示している。
図3Aを参照すると、セル10dの内部に位置する基地局である一次利用ノードPn1d、及びセル10eの内部に位置する基地局である一次利用ノードPn1eが示されている。また、セル10dの内部には、二次利用ノードSn1d及びSn2d、並びに二次利用ノードSn2eが含まれる。セル10eの内部には、二次利用ノードSn1e及びSn2e、並びに二次利用ノードSn2dが含まれる。このうち、二次利用ノードSn1d及びSn2dは、領域12dの内部において第2の通信サービスを運用する。また、二次利用ノードSn1e及びSn2eは、領域12eの内部において第2の通信サービスを運用する。
ここで、第1の通信サービスが例えばOFDMA方式を使用する場合、典型的には、隣接セル間の干渉回避アルゴリズムにより、隣接セル間において使用されるチャネル周波数には異なる周波数が割当てられる。図3Aの例では、セル10dのアップリンクチャネル周波数はF1、セル10eのアップリンクチャネル周波数はF2である。そのため、OFDMA方式のアップリンクチャネルを二次利用の対象とする場合、二次利用ノードSn1dとSn2dとの間の通信に使用される周波数はF1、二次利用ノードSn1eとSn2eとの間の通信に使用される周波数はF2となる。その結果、図3Aの例では領域12dと領域12eとが互いに重複しているものの、重複した場所に位置する二次利用ノードSn2d及び二次利用ノードSn2eがそれぞれ送受信する二次信号は、互いに干渉(又は衝突)することがない。
一方、図3Bを参照すると、セル10dの内部に位置する基地局である一次利用ノードPn1dが示されている。また、セル10dの内部には、二次利用ノードSn1d及びSn2d、並びに二次利用ノードSn1f及びSn2fが含まれる。このうち、二次利用ノードSn1d及びSn2dは、領域12dの内部において第2の通信サービスを運用する。また、二次利用ノードSn1f及びSn2fは、領域12fの内部において第2の通信サービスを運用する。この場合、二次利用ノードSn1dとSn2dとの間の通信に使用される周波数、及び二次利用ノードSn1fとSn2fとの間の通信に使用される周波数は、共にF1である。その結果、領域12dと領域12fとが重複する場所に位置している二次利用ノードSn2d及び二次利用ノードSn2fにおいて、両者が送受信する二次信号が干渉(又は衝突)する可能性がある。
従って、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、例えばOFDMA方式のアップリンクチャネルを二次利用して第2の通信サービスを運用する場合、少なくとも同一セル内の他の第2の通信サービスの存在を考慮することが望ましいことが理解される。
[1−5.第2の通信サービス間の送信電力の分配]
上述した干渉制御モデルに従って第2の通信サービスの許容干渉電力を決定したとき、同一セル内に2以上の第2の通信サービスが存在する場合には、それら第2の通信サービスの間で、許容干渉電力に応じた送信電力をさらに分配する必要がある。例えば、複数の二次利用ノードがコーディネータとして周波数帯の二次利用を開始する場合には、各コーディネータが送信するビーコンの送信電力が全体として上記許容干渉電力を満たすように、それぞれの送信電力が制御されるべきである。また、第2の通信サービスに加入する二次利用ノードの間でさらに送信電力が分配されることも考えられる。そのような送信電力の分配の基準として、均等型、非均等型、及び与干渉マージン低減型の3つの基準を提案する。
(均等型)
均等型とは、上述した干渉制御モデルに従って決定した許容干渉電力に応じた送信電力を、2以上の第2の通信サービスに均等に割当てる分配基準である。均等型の分配基準では、n個の第2の通信サービスのうちi番目(i=1,…,n)の第2の通信サービスに割当てられる送信電力の値Ptx_secondary,iは、次式に従って導かれる。
式(10)の右辺は、式(9)の右辺を経路損失Lpath_tx_secondary,iに基づく係数Kで割ったものである。このような送信電力の分配基準によれば、個々の第2の通信サービスのコーディネータに均等に通信機会を与えることができるため、ユーザの視点からはサービスとして公平かつ明瞭である。但し、二次利用ノードが一次利用ノードへ与える個々の干渉レベルは不均一となる。なお、送信電力を第2の通信サービスに加入する二次利用ノードの間で分配する場合には、係数のKの決定におけるnの値は、第2の通信サービスの総数の代わりに、第2の通信サービスに加入する二次利用ノードの総数であってよい。
(非均等型)
非均等型とは、上述した干渉制御モデルに従って決定した許容干渉電力に応じた送信電力を、2以上の第2の通信サービスに非均等に割当てる分配基準である。非均等型の分配基準では、送信電力の値Ptx_secondary,iは、二次利用ノードと被干渉ノードとの間の距離に依存し、次式に従って導かれる。
式(11)の右辺は、式(9)の右辺を第2の通信サービスの総数nで割った値を、さらに経路損失の総和に対する個々の二次利用ノードについての経路損失の割合で重み付けしたものである。このような送信電力の分配基準によれば、被干渉ノードまでの距離が遠い二次利用ノードほど、多くの通信機会又は通信距離を得ることができる。それにより、全体としての通信範囲も最大化され得る。
(与干渉マージン低減型)
与干渉マージン低減型とは、干渉源となる二次利用ノードの数を余剰数を含むように見積もることで、一次利用ノードに干渉を与えるリスクをさらに低減させる(即ち、“干渉マージン”を設ける)分配基準である。与干渉マージン低減型の分配基準では、送信電力の値Ptx_secondary,iは、次式に従って導かれる。
式(12)のNestimationは、干渉源となる二次利用ノードの総数を余剰数を含むように見積もった値を表す。例えば、Nestimationの値を、干渉源となる二次利用ノードの総数が10個であれば送信電力が10[dB]減少し、100個であれば送信電力が20[dB]減少するように設定することができる。
このような3つの送信電力分配基準の特徴を、表2にまとめる。
なお、送信電力を分配するノードは、上述した3つの送信電力分配基準のうち、予め選択した1つの基準に従って送信電力を分配してもよい。その代わりに、送信電力を分配するノードは、全ての二次利用ノード(若しくは優先度の高い二次利用ノード)に与えられる通信容量の合計、又は確立される二次リンクの総数などの評価値が結果的に最大となる基準を適応的に選択して送信電力を分配してもよい。
[1−6.二次利用のためのフレームワーク]
上述した干渉制御モデルに従った許容送信電力の決定処理、及び送信電力の分配処理においては、一次システムの被干渉ノード(例えば基地局など)の位置データ、二次利用ノードの位置データ、及び経路損失などを含むデータが用いられる。従って、周波数帯の二次利用に際しては、一次システムの被干渉ノードの位置データ等にアクセス可能な特別な(典型的には1つの)二次利用ノードを用いて、セントリックに第2の通信サービスが制御されるのが好適である。本明細書では、このような第2の通信サービスの制御の中心となる二次利用ノードを、SSC(Secondary Spectrum Coordinator)という。
図4は、第2の通信サービスをSSCがセントリックに制御することを前提とした、二次利用のためのフレームワークについて説明するための説明図である。
図4を参照すると、ビーコン周期Tbに相当する周期をもって繰り返されるフレーム構造が、時間軸に沿って示されている。1つの繰返し周期には、第1の区間(#1)から第6の区間(#6)までの6つの区間が含まれる。このうち、第2の区間(#2)から第6の区間(#6)は、第2の通信サービスのためのスーパーフレームを構成する。
第1の区間(#1)は、一次信号観測区間(Primary Sensing Period)である。第1の区間では、SSCにより一次信号のセンシング(観測)が行なわれる。例えば、SSCは、第1の区間内で、第1の通信サービスの制御チャネルを識別し、アップリンクチャネルの同期を獲得する。また、例えば、SSCは、第1の区間において、制御チャネル上で送信される被干渉ノード(例えば、一次システムの基地局など)の位置データ、許容送信電力の値、スペクトラムマスク、又は二次利用のために使用すべき変調方法などを受信する。それに応じて、SSCは、第2の通信サービスの通信を制御するために使用する送信電力、周波数、又は変調の次数などのパラメータ値を決定することができる。
また、第1の区間(#1)において、制御チャネル上で、図4に例示したスーパーフレームのタイミングを複数のSSCの間で同期させるための基準信号が供給されてもよい。基準信号は、例えば、第1の区間(#1)の開始タイミングとビーコン周期Tbとを通知する信号であってもよい。また、基準信号は、例えば、クロック信号を含んでもよい。基準信号は、例えば、周波数帯の二次利用を共通的に管理する管理ノードから複数のSSCに供給され得る。この場合、後に説明する第2の区間(#2)以降の通信機会は、ランダムバックオフの手順を用いて均等に(あるいは公平に)与えられ、又は各SSCの優先権に応じて非均等に与えられ得る。
なお、SSCは、一次信号のセンシングの結果として第2の通信サービスの運用のために十分な送信電力を用いることができないと判断される場合には、二次利用に用いるべき他のチャネルを検出するために、第1の区間内でさらなるセンシングを試みてもよい。また、SSCは、1度に複数のチャネルのセンシングをすることが可能な場合には、当該複数のチャネルについてセンシングを行い、第2の通信サービスの通信を制御するためのパラメータ値をそれぞれ決定してもよい。その場合、SSCは、後に説明する第3又は第4の区間内で、SUEが二次利用に用いることのできる2以上のチャネルの選択肢を、ビーコンを用いて提示することができる。このとき、選択肢として提示される2以上のチャネルをできる限り周波数の近いチャネルとしておくことで、第2の通信サービスに加入する装置の負荷が軽減され得る。センシングの対象となる複数のチャネルとは、例えば、隣接する2以上のセルにおいて一次利用されているチャネル、又はLTE−Aで採用されるスペクトラムアグリゲーションなどにより1つのセルにおいて複合的に利用されている2以上のチャネルなどであってよい。個々のチャネルは、典型的には、ある中心周波数を基準とする1つのまとまった帯域として区別され得る(例えば、LTEの場合には、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの各帯域幅の運用モードが存在する)。その代わりに、例えば、リソーススケジューリングの最小単位(例えば、LTEの場合には、OFDMの12本のサブキャリアを含むリソースブロックがリソーススケジューリングの最小単位となる)を個々のチャネルとして扱ってもよい。
次に、第2の区間(#2)は、二次信号観測区間(Secondary Sensing Period)である。第2の区間では、SSCにより二次信号のセンシングが行なわれる。ここでのセンシングは、主に、隣接するサブセル間での二次信号の衝突を回避する目的で行なわれる。即ち、SSCは、第2の区間内で、他の通信装置から送信される二次信号の有無を観測する。そして、SSCは、他の通信装置から送信される二次信号が検知されなかった場合に、第2の区間に続く第3の区間内で後述するビーコンを送信する。一方、SSCは、第2の区間内で二次信号が検知された場合には、所定の時間が経過した後にあらためてビーコンの送信を試みる。かかる点に関し、SSCは、例えば、自ら送信するビーコン(及び他の二次信号)に、スーパーフレームが終了するまでの時間又はスーパーフレームの終了時刻に関する情報を含めておくのが好適である。それにより、第2の区間内で二次信号を検知した他のSSCは、二次信号を復号して当該情報を取得することで、自らのビーコンが送信可能となるまでの待機時間(上記所定の時間)を把握することができる。
次に、第3の区間(#3)は、制御フレーム送信区間(Control Frame Transmission Period)である。SSCは、例えば、第2の区間内で他の通信装置から送信される二次信号が検知されなかった場合に、第3の区間内で、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。その際、例えば、ビーコンの送信電力の値は、第1の区間内で受信した無線信号に基づいて決定された値に設定される。また、ビーコンには、例えば、第2の通信サービスを個々に識別するための識別子(サブセルIDなど)、及びビーコンの送信電力を示す送信電力値などのデータが含められる。かかるビーコンは、SSCの周囲に位置する二次利用ノード(SUE:Secondary User Equipment)により受信される。そして、第2の通信サービスによるデータ通信を望むSUEは、第3の区間に続く第4の区間内で、第2の通信サービスへの接続要求をSSCへ送信する。
また、SSCは、二次利用に用いることのできる2以上のチャネルが存在する場合には、第3の区間内で、それぞれのチャネル上でビーコンを並列的に送信してもよい。その場合、各ビーコンには、当該ビーコンに対応するチャネルについて決定された上記パラメータ値がそれぞれ含まれ得る。
次に、第4の区間(#4)は、接続及びスケジューリング区間(Connection and Scheduling Period)である。SSCは、第4の区間において、上記第2の通信サービスへの接続要求をSUEから受信する。そうすると、SSCは、受信した接続要求についてアソシエーション及び認証を実行した後、接続を許可するSUEについてスケジューリングを行なう。より具体的には、SSCは、例えば、後述する第5の区間に含まれるスロット1〜nのいずれかに、接続を許可する各SUEを割当てる(早い者勝ちの基準などであってよい)。そして、SSCは、スロットごとのSUEの割当て情報(スケジューリング情報)をブロードキャストする。それにより、各SUEは、自らに割当てられたスロットを認識し、割当てられたそのスロットにおいて、第2の通信サービスによるデータ通信を行うことができる。
なお、その時点のスーパーフレームにおいて第2の通信サービスによる通信の対象とすべきデータが発生していないSUEは、第3の区間までに引続き一次信号又は二次信号のセンシングを行い、第4の区間において、そのセンシングの結果をSSCへ報告してもよい。その代わりに、当該SUEは、そのセンシングの結果を、次の接続の機会においてスロットを獲得した第5の区間内でSSCへ報告してもよい。ここで報告されるセンシングの結果には、例えば、一次信号若しくは二次信号の受信レベル、又は近傍の一次利用ノード若しくは二次利用ノードの存在などを示す、通信状況に関するデータが含まれ得る。それにより、SSCは、周囲の通信状況をより的確に把握し、干渉制御の正確性を向上させることができる。
また、SUEは、二次利用に用いることのできる2以上のチャネル上でビーコンが並列的に送信されている場合には、当該2以上のビーコンを受信し、最も受信条件のよいチャネル(例えば、ビーコンの受信レベルが最も高いチャネルなど)を選択してもよい。その場合、SUEは、選択したチャネル上で、ビーコンへの応答としての接続要求をSUEへ送信し得る。
次に、第5の区間(#5)は、データ通信区間(Data Communication Period)である。第5の区間は、図4に示したように、典型的には、複数のスロット1〜n(時間、周波数若しくは符号又はそれらの組合せにより互いに区別され得る)を含む。そして、各SUEは、第4の区間内でSSCから提供されるスケジューリング情報に従って、これら複数のスロット1〜nのいずれかにおいて第2の通信サービスによるデータ通信を行う。
次に、第6の区間(#6)は、ガードタイム区間(Guard Time Period)である。第6の区間は、ガードインターバルという用語でも言及され得る。第6の区間が設けられることにより、通信経路上で遅延した無線信号と次のサイクルで送信される無線信号とが干渉して通信品質が劣化することを避けることができる。第6の区間の長さは、例えば、第5の区間の最後のスロットにおいて送信されたパケットがSSCに到達するまでの時間Tdに一定の時間αを加えた時間Td+αなどとして設定され得る。
上述したように、図4に示した第2の区間から第6の区間は、第2の通信サービスのための1つのスーパーフレームを構成する。また、これら各区間は、ビーコン周期Tbに相当する周期をもって繰り返される。但し、第1の区間において一次信号をセンシングした結果から、例えば第2の通信サービスの運用のために十分な送信電力を用いることができないと判断される場合には、SSCは、一次信号のセンシングを継続する。即ち、この場合、第2の区間から第6の区間までを含むスーパーフレームが周期的に現れる代わりに、SSC(及び/又はSUE)により、一次信号のさらなるセンシングが行なわれる。
また、図4に示したビーコン周期Tbは、必ずしも一定の周期でなくてもよい。即ち、ビーコン周期Tbは、例えば、第2の通信サービス上で実現されるべきアプリケーションのための要求データレートが高い場合に、スーパーフレームに占めるデータ通信区間(第5の区間)の割合を高めるために、より長い周期へと動的に変更されてもよい。例えば、図5の例では、図4に示したビーコン周期Tbと同等の長さを有するビーコン周期Tb1(5a参照)がビーコン周期Tb2に変更されることで(5b参照)、1つのスーパーフレームに占めるデータ通信区間の割合が高められている。なお、この場合、SSCは、第3の区間において送信するビーコンに次のビーコン周期の値を挿入するのが好適である。それにより、ビーコンを受信したSUE(又は周囲に位置する他のSSC)は、自装置の動作を、新たなビーコン周期に自律的に同期することができる。さらに、ビーコンを受信してビーコン周期の変更を検知したSUEは、同じスーパーフレーム内で自ら送信するフレームに、当該新たなビーコン周期の値を挿入してもよい。それにより、SSCからのビーコンを直接受信できない位置にいるSUE(又は他のSSC)も、ビーコン周期の変更を知ることができる。
なお、上で第1の区間においてSSCが1度に複数のチャネルをセンシングし得る点について述べたが、1度に複数のチャネルをセンシングするための受信機の構成としては、次のような構成が考えられる。即ち、例えば、SSCは、広帯域フィルタ又はフィルタバンク等を用いて複数のチャネルにわたる無線信号を同時に受信し、受信信号の信号レベル(RSSIなどアナログ領域又はデジタル領域のいずれでもよい)が所定の閾値以上であるチャネルに合わせて、その後の復調処理を行う。それにより、SSCは、1度に複数のチャネルをセンシングすることができる。例えば、IEEE802.11nの40Mモードでは、レガシー端末との共存を想定して、A/D変換後のベースバンド信号のFFT処理結果について電力を測定し、40Mのフルチャネル又は40MHzのうち下位20MHz若しくは上位20MHzのうちいずれが使用されているかが判定され得る。そして、その判定結果に応じて、その後のデジタル復調の動作が動的に変更される。このような受信機の構成を、SSCによる複数のチャネルのセンシングに応用することができる。
[1−7.衝突の検知及び回避方法]
図4及び図5を用いて説明したフレームワークに従って、第2の通信サービスは、コーディネータとしての役割を有するSSCによりセントリックに制御される。この場合、上述した干渉制御モデルに従って、ビーコンの送信電力は、SSCにより決定される。また、SUEが接続要求の送信又はデータ通信に使用すべき送信電力は、SSCから送信されるビーコンに基づいてSUEが決定し得る(かかる点については後にさらに説明する)。その結果、周波数帯の二次利用により一次システムにおいて実質的な干渉が生じることは防がれる。但し、このフレームワークでは、特に第2の区間及び第3の区間においてCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式での通信手順を採用していることから、二次信号同士の衝突が生じる可能性がある。そこで、図6及び図7を用いて、二次信号同士の衝突を検知し、これを回避する手法について説明する。
(第1のシナリオ)
図6A及び図6Bは、図4を用いて説明したフレームワークにおいて二次信号の衝突が発生する第1のシナリオについて説明するための説明図である。このうち、図6Aは、第1のシナリオにおける二次利用ノードの位置関係を示している。一方、図6Bは、第1のシナリオに沿った通信の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6Aを参照すると、セル10dの内部で第1の通信サービスを提供する基地局Pn1d、並びに第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する二次利用ノードSn1g、Sn2g、Sn1h及びSn2hが示されている。このうち、二次利用ノードSn1gは、第2の通信サービスのコーディネータの役割を有し、領域12gの内部に位置する二次利用ノードへ、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。一方、二次利用ノードSn1hもまた、第2の通信サービスのコーディネータの役割を有し、領域12hの内部に位置する二次利用ノードへ、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。しかし、図6Aにおいて、領域12hの内部には、二次利用ノードSn1gが存在する。また、領域12gの内部には、二次利用ノードSn1hが存在する。そのため、二次利用ノードSn1g及び二次利用ノードSn1hが同時にビーコンを送信すると、それらビーコンが衝突する可能性がある。
このような位置関係において、図6Bのシーケンス図では、二次利用ノードSn1gが二次利用ノードSn1hよりも先に二次利用を開始したものとする。図6Bを参照すると、まず、二次利用ノードSn1gは、第2の通信サービスの開始にあたり、第1の区間内で、一次信号をセンシング(観測)する(ステップS10)。そして、二次利用ノードSn1gは、センシングにより同期を獲得すると共に、ビーコンの送信電力を決定する。
次に、二次利用ノードSn1gは、第2の区間内で、二次信号をセンシング(観測)する(ステップS12)。そして、二次利用ノードSn1gは、他の二次利用ノードから二次信号が送信されていないことを確認すると、第3の区間内で、ステップS10において決定した送信電力を用いて、領域12gの内部に第2の通信サービスのためのビーコンを送信する(ステップS14)。
一方、二次利用ノードSn1gからビーコンが送信された時に、二次利用ノードSn1hもまた二次利用を開始しようとしていたとする。その場合、二次利用ノードSn1hは、第1の区間内で一次信号をセンシングした後(ステップS16)、第2の区間内で二次信号をセンシングする(ステップS18)。このとき、二次利用ノードSn1hは、二次利用ノードSn1gから送信されたビーコンを検知すると、その後に続く第3の区間内での自らのビーコンの送信を中止し、所定の時間待機する(ステップS28)。ここで、所定の時間とは、上述したように、例えば、二次利用ノードSn1gから送信されたビーコンを復号して取得されるスーパーフレームの終了時刻から把握される時間などであってよい。
なお、図示していないが、二次利用ノードSn1hは、ステップS28において所定の時間だけ待機する代わりに、他に二次利用することのできるチャネルの候補が存在する場合には、そのチャネル上でスーパーフレームの形成を試みてもよい。
一方、二次利用ノードSn1hが待機している間、二次利用ノードSn1gからのビーコンを受信した二次利用ノードSn2gは、第4の区間内で二次利用ノードSn1gへ接続要求を送信する(ステップS20)。そうすると、二次利用ノードSn1gにより認証及びスケジューリングが行われ、接続許可(スケジューリング情報を含む)が二次利用ノードSn1gから二次利用ノードSn2gへ送信される(ステップS22)。その後、二次利用ノードSn2gは、第5の区間内の割当てられたスロットを用いて、データ通信を行う(ステップS24)。
また、上記所定の時間が経過すると、二次利用ノードSn1hは、再び第1の区間内で一次信号をセンシングした後(ステップS30)、第2の区間内で二次信号をセンシングする(ステップS32)。そして、二次利用ノードSn1hは、他の二次利用ノードから二次信号が送信されていないことを確認すると、第3の区間内で、領域12hの内部に第2の通信サービスのためのビーコンを送信する(ステップS34)。その後、二次利用ノードSn1hからのビーコンを受信した二次利用ノードSn2hは、第4の区間内で二次利用ノードSn1hへ接続要求を送信する(ステップS36)。なお、その後の通信の流れはステップS20〜S24と同様であるため、その説明を省略する。
(第2のシナリオ)
図7A及び図7Bは、図4を用いて説明したフレームワークにおいて二次信号の衝突が発生する第2のシナリオについて説明するための説明図である。このうち、図7Aは、第2のシナリオにおける二次利用ノードの位置関係を示している。一方、図7Bは、第2のシナリオに沿った通信の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7Aを参照すると、セル10dの内部で第1の通信サービスを提供する基地局Pn1d、並びに第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する二次利用ノードSn1i、Sn2i、Sn1j及びSn2jが示されている。このうち、二次利用ノードSn1iは、第2の通信サービスのコーディネータの役割を有し、領域12iの内部に位置する二次利用ノードへ、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。一方、二次利用ノードSn1jもまた、第2の通信サービスのコーディネータの役割を有し、領域12jの内部に位置する二次利用ノードへ、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。ここで、図7Aにおいて、二次利用ノードSn2i及び二次利用ノードSn2jは互いに近くに位置する。そのため、二次利用ノードSn2iが二次信号を送信すると、その二次信号が二次利用ノードSn2jにおいて受信されるべき他の無線信号(例えば二次利用ノードSn1jからのビーコン)と衝突する可能性がある。
このような位置関係において、図7Bのシーケンス図では、二次利用ノードSn1iが二次利用ノードSn1jよりも先に二次利用を開始したものとする。図7Bを参照すると、まず、二次利用ノードSn1iは、第2の通信サービスの開始にあたり、第1の区間内で、一次信号をセンシング(観測)する(ステップS60)。そして、二次利用ノードSn1iは、センシングにより同期を獲得すると共に、ビーコンの送信電力を決定する。
次に、二次利用ノードSn1iは、第2の区間内で、二次信号をセンシング(観測)する(ステップS62)。そして、二次利用ノードSn1iは、他の二次利用ノードから二次信号が送信されていないことを確認すると、第3の区間内で、ステップS60において決定した送信電力を用いて、領域12iの内部に第2の通信サービスのためのビーコンを送信する(ステップS64)。次に、二次利用ノードSn1iからのビーコンを受信した二次利用ノードSn2iは、第4の区間内で二次利用ノードSn1iへ接続要求を送信する(ステップS66)。そうすると、二次利用ノードSn1iにより認証及びスケジューリングが行われ、接続許可(スケジューリング情報を含む)が二次利用ノードSn1iから二次利用ノードSn2iへ送信される(ステップS68)。その後、二次利用ノードSn2iは、第5の区間内の割当てられたスロットを用いて、データ通信を行う(ステップS70)。
一方、二次利用ノードSn2iによりデータ通信が行われている時に、二次利用ノードSn1j及びSn2jもまた二次利用を開始しようとしていたとする。その場合、二次利用ノードSn1jは、第1の区間内で一次信号をセンシングした後(ステップS80)、第2の区間内で二次信号をセンシングする(ステップS82)。そして、二次利用ノードSn1jは、他の二次利用ノードから二次信号が送信されていないことを確認すると、第3の区間内で、領域12jの内部に第2の通信サービスのためのビーコンを送信する(ステップS84)。このとき、二次利用ノードSn2jに、同じタイミングで二次利用ノードSn2iから送信されたデータ信号と二次利用ノードSn1jから送信されたビーコンとが届くと、これら2つの二次信号の衝突が発生する。そうすると、二次利用ノードSn2jは、二次利用ノードSn1jから送信されたビーコンを正常に受信することができない。例えば、二次利用ノードSn2jは、自らもセンシングを行ってSINRのレベルを予め把握しておき、SINRが十分なレベルにあるにも関わらずビーコン(又は他の二次信号)を受信できない場合には、二次信号の衝突が発生したと判断することができる。
この場合、二次利用ノードSn2jは、第4の区間内で二次信号の衝突が発生したことを二次利用ノードSn1jへ通知する(ステップS86)。そうすると、二次利用ノードSn1jは、例えば、二次利用ノードSn2jをスケジューリングの対象から除外し、又は他の二次利用チャネルの候補にチャネルを切り替えるなど、衝突を回避するための動作を行なう。
また、二次利用ノードSn2jは、二次利用ノードSn1j及び他のコーディネータのいずれからのビーコンも正常に受信できない場合には、干渉信号を観測することにより、当該干渉信号が近隣の二次利用ノードSn2iからの信号であると判断してもよい。二次利用ノードSn2jは、近隣の二次利用ノードSn2iから干渉信号を受信していると判断すると、次に接続機会を得た場合に、他の第2の通信サービスに加入している近隣のSUEの存在を、二次利用ノードSn1jへ通知することができる。その場合にも、二次利用ノードSn1jは、例えば、二次利用ノードSn2jをスケジューリングの対象から除外し、又は他の二次利用チャネルの候補にチャネルを切り替えるなど、衝突を回避するための動作を行なう。また、二次利用ノードSn1jは、二次信号の再送の回数を監視し、再送の回数が多くなった場合に二次信号の衝突が発生していると自ら判断してもよい。
このように、周波数帯の二次利用に際して、コーディネータの役割を有する二次利用ノードが図4に示したフレームワークに従ってセントリックに第2の通信サービスを制御することで、周囲の通信状況に応じて信号の衝突を検知又は回避し、及び干渉を抑制することができる。
[1−8.二次利用という用語の範囲]
ここで、本明細書において、“二次利用”という用語は、典型的には、上述したように、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して追加的あるいは代替的な通信サービス(第2の通信サービス)を利用することをいう。そして、“二次利用”という用語の意味において、第1の通信サービスと第2の通信サービスとは、異なる種類の通信サービスであってもよく、又は同一の種類の通信サービスであってもよい。異なる種類の通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、移動体通信サービス、無線LANアクセスサービス、又はP2P(Peer To Peer)接続サービスなどの任意の通信サービスから選択し得る2以上の異なる種類の通信サービスをいう。一方、同一の種類の通信サービスとは、例えば、移動体通信サービスにおける、通信事業者により提供されるマクロセルによるサービスと、ユーザ又はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)により運用されるフェムトセルによるサービスとの間の関係を含み得る。また、同一の種類の通信サービスとは、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE−Advanced)などに準拠した通信サービスにおける、基地局により提供されるサービスと、スペクトラムホールをカバーするために中継局(リレーノード)により提供されるサービスとの間の関係をも含み得る。さらに、第2の通信サービスは、スペクトラムアグリゲーション技術を用いて集約された複数の断片的な周波数帯を利用するものであってもよい。さらに、第2の通信サービスは、基地局により提供されるサービスエリア内に存在する、フェムトセル群、中継局群、基地局よりも小さなサービスエリアを提供する中小基地局群により提供される補助的な通信サービスであってもよい。本明細書において説明する本発明の各実施形態の要旨は、このようなあらゆる種類の二次利用の形態に広く適用可能なものである。
ここまで、提案する干渉制御モデル及び二次利用のフレームワークについて説明すると共に、関連する技術的な検討事項についてその要点を順に述べた。次に、これらに基づいて、周波数帯の二次利用に際して信号の衝突を回避し及び干渉を抑制するための、通信制御方法の2つの実施形態について説明する。
<2.第1の実施形態>
[2−1.通信システムの概要]
図8は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。
図8を参照すると、第1の通信サービスが運用される一次システム102、並びにそれぞれ第2の通信サービスが運用される二次システム202a及び202bが示されている。このうち、一次システム102は、管理ノード100及び複数の一次利用ノード104を含む。
管理ノード100は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の二次利用を管理する役割を有する一次利用ノードである。図8の例では、管理ノード100として基地局を示しているが、管理ノード100は、かかる例に限定されない。即ち、管理ノード100は、基地局以外の一次利用ノードであってもよく、又は基地局と有線若しくは無線で接続される他のノード(例えばデータサーバなど)であってもよい。本実施形態において、管理ノード100は、一次システム102に含まれる一次利用ノードの位置を表す位置データを保持しているデータベース106にアクセスすることができる。
一次利用ノード104は、一次システム102において、第1の通信サービスのための無線信号を送受信するノードである。一次利用ノード104が一次システム102に加入すると、その位置を表す位置データがデータベース106に登録される。
データベース106は、典型的には、地理位置情報データベースとして実装される。本実施形態において、データベース106は、管理ノード100からの要求に応じて、一次利用ノードごとの位置データを管理ノード100へ出力する。なお、データベース106は、管理ノード100と一体に構成されてもよく、又は管理ノード100とは別体の装置として構成されてもよい。
一方、二次システム202aは、SSC200a及び複数のSUE204aを含む。同様に、二次システム202bは、SSC200b及び複数のSUE204bを含む。
SSC200a及び200bは、第2の通信サービスを制御する上述したコーディネータの役割を有する二次利用ノードである。即ち、SSC200a及び200bは、それぞれ、所定のスペクトラムポリシーに従って二次利用の可否を判断し、管理ノード100から送信電力の割当てを受けて、SUE204a又は204bと共に第2の通信サービスを開始する。SSC200a及び200bは、例えば、コグニティブ無線のためのエンジン(CE:Cognitive Engine)として動作してもよい。
SUE204a及び204bは、二次システム202a及び202bにおいてそれぞれ第2の通信サービスのための無線信号を送受信する二次利用ノード(あるいは端末装置、又はUE)である。
なお、本明細書の以降の説明においては、特にSSC200aと200bとを相互に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略してSSC200と総称する。また、二次システム202aと202b(二次システム202)、SUE204aと204b(SUE204)についても同様とする。
[2−2.管理ノードの構成例]
(各機能ブロックの説明)
図9は、図8に示した管理ノード100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図9を参照すると、管理ノード100は、通信部110、データベース入出力部120、記憶部130、及び制御部140を備える。
通信部110は、第1の通信サービスの所定の通信方式に従い、アンテナ、RF回路、及びベースバンド回路等を含み得る通信インタフェースを用いて、一次利用ノード104との間で無線信号を送受信する。また、通信部110は、後にさらに説明するように、SSC200から当該SSC200の位置データを受信し、受信した位置データを制御部140へ出力する。
データベース入出力部120は、制御部140によるデータベース106へのアクセスを仲介する。即ち、データベース入出力部120は、制御部140からの要求に応じて一次利用ノード104の位置を表す位置データをデータベース106から取得し、取得した位置データを制御部140へ出力する。また、データベース入出力部120は、新たに一次システム102に加入した一次利用ノード104から通信部110を介して位置データが受信されると、その位置データをデータベース106に登録する。さらに、データベース入出力部120は、外部装置からの問い合わせに応じてデータベース106に記憶されている位置データを取得して出力してもよい。
記憶部130は、例えばハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体を用いて、管理ノード100の各部の動作のために使用されるプログラム及びデータを記憶している。さらに、本実施形態において、記憶部130は、上述した干渉制御モデルに従った送信電力の計算に必要とされる各種パラメータを記憶する。記憶部130に記憶されるパラメータには、例えば、第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質に関するパラメータ(例えば、要求される無線信号の受信レベル、及び信号対干渉及び雑音比)、及び第1の通信サービスにおける干渉又は雑音レベルに関するパラメータが含まれ得る。なお、これらパラメータの値は、動的に更新されてもよい。例えば、要求される無線信号の品質の値は、一次利用ノードに提供されるべきアプリケーションの種類などに応じて動的に更新され得る。また、例えば、干渉又は雑音レベルの値は、通信部110を介したセンシングにより動的に更新され得る。
制御部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの制御装置を用いて、管理ノード100の機能全般を制御する。また、本実施形態において、制御部140は、SSC200が第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する場合に、上述した干渉制御モデルに従って第2の通信サービスに許容する送信電力を決定する。制御部140が行う送信電力決定処理については、後により具体的に説明する。さらに、制御部140は、2以上の第2の通信サービスが存在する場合には、決定した送信電力を当該2以上の第2の通信サービスに分配する。制御部140が行う送信電力分配処理については、後により具体的に説明する。そして制御部140は、決定し又は分配した送信電力値を通信部110を介して各SSC200に通知する。
(送信電力決定処理の流れ)
図10は、管理ノード100の制御部140により第2の通信サービスに許容する送信電力を決定するための送信電力決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10を参照すると、まず、制御部140は、通信部110を介して、SSC200から当該SSC200の位置データを受信する(ステップS102)。本明細書において、位置データとは、例えば、GPS機能を用いて測定される緯度及び経度の値、又は到来方向推定アルゴリズムなどを応用して測定される所定の基準点を原点とした座標値などを含んでよい。また、制御部140は、SSC200の位置データだけではなく、各SUE204の位置データをSSC200から受信してもよい。
次に、制御部140は、データベース入出力部120を介して、データベース106から一次利用ノードの位置データを取得する。また、制御部140は、記憶部130から必要なパラメータを取得する(ステップS104)。なお、図2Aに示した例のように、OFDMA方式のアップリンクチャネルが二次利用される場合には、被干渉ノードは基地局のみである。そのため、かかる場合には、ステップS104において、制御部140は、一次利用ノードの位置データとして基地局である管理ノード100の位置データのみを取得すればよい。また、ステップS104における必要なパラメータとは、例えば、上述した第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質、及び第1の通信サービスにおける干渉若しくは雑音レベル(又はこれらレベルを計算するためのパラメータ)などに相当する。
次に、制御部140は、ステップS102において受信し、ステップS104において取得した位置データ及びパラメータに基づいて、第2の通信サービスに許容される干渉電力を決定する(ステップS106)。より具体的には、制御部140は、例えば、上述した干渉制御モデルにおける式(9)に従って、第2の通信サービスに許容される干渉電力を決定することができる。その際、例えば、第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質は、式(9)のPrx_primary,primary/SINRrequiredの項に対応する。また、干渉又は雑音レベルは式(9)のNPrimaryの項に対応する。さらに、式(9)の経路損失Lpath_tx_secondary,iの値は、一次利用ノードの位置データ及び各SSC200の位置データから導かれる距離dを用いて、式(6)に従ってそれぞれ算出され得る。なお、制御部140は、例えば、個々の経路損失Lpath_tx_secondary,iの値を位置データから算出する代わりに、ステップS102において各SSC200から個々の経路損失Lpath_tx_secondary,iの値を受信してもよい。経路損失Lpath_tx_secondary,iの値は、例えば、基地局からのダウンリンク信号の送信電力値と各SSC200における当該ダウンリンク信号の受信レベルとの差として計算され得る。
次に、制御部140は、送信電力の値を分配する必要があるか否かを判定する(ステップS108)。例えば、図8に例示したように、2以上のSSC200により二次利用が行われる場合には、制御部140は、送信電力の値を当該2以上のSSC200の間で分配する必要があると判定される。その場合、処理はステップS110へ移動し、制御部140により送信電力分配処理が行われる(ステップS110)。一方、例えば二次利用を行うSSC200が1つのみ存在し、送信電力の値を分配する必要がない場合には、ステップS110はスキップされ得る。
そして、制御部140は、決定され又は分配された送信電力の値を、通信部110を介して各SSC200へ通知する(ステップ112)。なお、このとき、制御部140は、周波数帯の二次利用に際して二次利用ノードが順守すべきポリシー(例えば送信スペクトラムマスク、変調方法など)などの追加情報を、送信電力の値と共に各SSC200へ通知してもよい。その後、SSC200と各SUE204との間で、第2の通信サービスが開始され得る。
(送信電力分配処理の流れ)
図11は、2以上のSSC200が存在する場合、即ち、同一のセル内で2以上の第2の通信サービスが運用される場合の、管理ノード100の制御部140による送信電力分配処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11を参照すると、まず、制御部140は、図10のステップS106において決定された許容される干渉電力に応じた送信電力(許容送信電力)を、第1の基準に従って分配する(ステップS202)。次に、制御部140は、ステップS202と同じ干渉電力に応じた送信電力を、第2の基準に従って分配する(ステップS204)。ここでの第1の基準及び第2の基準は、例えば、それぞれ上述した均等型の送信電力分配基準及び非均等型の送信電力分配基準であってよい。
次に、制御部140は、第1の基準に従って分配された送信電力、及び第2の基準に従って分配された送信電力を、所定の評価条件により評価する(ステップS206)。所定の評価条件とは、例えば、結果的に全てのSSC200に与えられる合計通信容量であってもよい。その場合、合計通信容量Cは、次式に従って評価され得る。
ここで、Ptx_secondary,iはi番目のSSC200に分配された送信電力、Niはi番目のSSC200の雑音レベルを表す。
また、制御部140は、式(13)において、n個のSSC200のうち、優先度が高いSSC200のみを通信容量の集計の対象としてもよい。ここでの優先度とは、例えば、第2の通信サービスの種類又は内容などによって与えられ得る。例えば、動画配信又は通信型のゲームなど、低遅延が要求されるサービスについて高い優先度が定義されてもよい。また、一定のサービス品質が保証されるようにサービス料が高く設定されたサービスについて高い優先度が定義されてもよい。そして、当該優先度は、例えば、図10のステップS102において、SSC200の位置データと共に受信され得る。
また、制御部140は、ステップS206において、式(13)のような通信容量の代わりに、分配された送信電力を使用して確立することのできる第2の通信サービスのリンクの総数を評価してもよい。その場合、まず、各SSC200に分配された送信電力に応じて、通信を希望する個々の二次利用ノードのペアが通信を確立することができるか否かが判定される。そして、通信を確立することができると判定されたリンクの数が、第2の通信サービスのリンクの総数として集計され得る。
次に、制御部140は、ステップS206で評価した通信容量又はリンク総数を比較することにより、第1の基準と第2の基準のいずれが適しているかを判定する(ステップS208)。例えば、第1の基準に従って分配した送信電力の方が、第2の基準に従って分配した送信電力よりも多くの通信容量を達成できる場合には、第1の基準の方が適していると判定され得る。また、第2の基準に従って分配した送信電力の方が、第1の基準に従って分配した送信電力よりも多くの通信容量を達成できる場合には、第2の基準の方が適していると判定され得る。ここで、第1の基準の方が適していると判定された場合には、処理はステップS210へ進む。一方、第2の基準の方が適していると判定された場合には、処理はステップS212へ進む。
ステップS210では、より適していると判定された第1の基準に従って分配された送信電力が、各SSC200に割当てられる(ステップS210)。一方、ステップS212では、より適していると判定された第2の基準に従って分配された送信電力が、各SSC200に割当てられる(ステップS212)。そして、図11に示した送信電力分配処理は終了する。
なお、ここでは、特に均等型と非均等型とに相当し得る第1の基準と第2の基準とを、通信容量又は確立できるリンク数の観点で評価する例について説明した。しかしながら、かかる例に限定されず、例えば、均等型及び非均等型以外の送信電力分配基準が採用されてもよい。また、3つ以上の送信電力分配基準について評価がなされてもよい。
[2−3.二次利用ノード(SSC)の構成例]
(各機能ブロックの説明)
図12は、図8に示したSSC200の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図12を参照すると、SSC200は、第1通信部210、第2通信部220、記憶部230、及び制御部240を備える。本実施形態において、SSC200は、第1通信部210を介して管理ノード100との間で通信できると共に、第2通信部220を介して第2の通信サービスのための無線信号を送受信することができる。
第1通信部210は、所定の通信方式に従い、管理ノード100との間で通信を行う。第1通信部210と管理ノード100との間の通信に使用されるチャネルは、例えば、制御用チャネルであるコグニティブパイロットチャネル(CPC)などであってもよい。CPCは、例えば、既存の通信システム(例えば一次システム102)においてCPC情報が外挿されるインバンドCPC、又はCPC情報が内挿される専用のチャネルであるアウトバンドCPCを含み得る。
例えば、第1通信部210は、周波数帯の二次利用の開始等の指示(ユーザによる指示操作又は他のノードからの要求)に応じて、自装置の位置を表す位置データを管理ノード100へ送信する。自装置の位置を表す位置データは、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて測定されたデータなどであってよい。その後、第1通信部210は、上述した手法に従って決定された許容送信電力の値を管理ノード100から受信し、制御部240へ出力する。また、第1通信部210は、二次利用が開始された場合に干渉を受ける被干渉ノードの位置データを管理ノード100から受信し、制御部240へ出力する。なお、本実施形態において、二次利用が開始された場合に干渉を受ける被干渉ノードとは、一次システム102の基地局である管理ノード100に相当する。
第2通信部220は、所定の通信方式に従い、SUE204との間で無線信号を送受信する。例えば、第2通信部220は、まず、第1の通信サービスの無線信号をセンシングし、アップリンクチャネルの同期を獲得する。そして、第2通信部220は、同期を獲得した当該アップリンクチャネルを使用して、周囲のSUE204へ定期的にビーコンを送信する。このとき、第2通信部220により使用される送信電力は、制御部240からの制御を受けて、一次利用ノードへ実質的な干渉を与えない範囲内に制限される。また、周囲のSUE204へ送信されるビーコンには、上記第1通信部210により受信された許容干渉電力の値、並びに、被干渉ノード及びSSC200の位置データが含められる。これら許容干渉電力の値及び各位置データは、後にさらに説明するように、SUE204による送信電力制御処理のために使用される。
なお、第1通信部210と管理ノード100との間の通信リンクが無線リンクである場合には、第1通信部210及び第2通信部220は、アンテナ、RF回路、及びベースバンド回路等を含み得る物理的に同一の通信インタフェースを共用してもよい。第1通信部210と管理ノード100との間の通信リンクは、バックホールリンクと呼ばれる場合がある。
記憶部230は、例えばハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体を用いて、SSC200の各部の動作のために使用されるプログラム及びデータを記憶している。さらに、本実施形態において、記憶部230は、第2の通信サービスの運用及び送信電力の制御のための各種パラメータを記憶する。記憶部230に記憶されるパラメータには、例えば、自装置(及び、必要に応じて第2の通信サービスに加入する他の二次利用ノード)の位置データ、並びに管理ノード100から通知された許容送信電力、スペクトラムマスク、及び変調方法などが含まれ得る。
制御部240は、例えばCPUなどの制御装置を用いて、SSC200の機能全般を制御する。例えば、本実施形態において、制御部240は、第2通信部220により無線信号の送信に使用される送信電力の値を、管理ノード100から通知された許容送信電力の範囲内の値に設定する。そして、制御部240は、第2通信部220から、上述した許容干渉電力の値及び各位置データを含むビーコンを送信させる。さらに、制御部240は、当該ビーコンを受信したSUE204から第2の通信サービスに対する接続要求を受信すると、その接続要求の認証、及びSUE204のスケジューリング(スロットの割当て)などを行なう。
(二次利用開始処理の流れ)
図13は、SSC200による二次利用開始処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13において、例えば二次利用の開始の指示が検知されると、第1通信部210は、管理ノード100へSSC200の位置データを送信する(ステップS302)。このとき、SSC200の位置データだけではなく、他のSUE204の位置データが管理ノード100へ送信されてもよい。
次に、第1通信部210は、上述した干渉制御モデルに従って決定された許容送信電力の値、及び、想定される被干渉ノードである管理ノード100の位置データを、当該管理ノード100から受信する(S304)。また、例えば、許容送信電力に加えて、送信スペクトラムマスク及び変調方法などの追加情報が受信されてもよい。
次に、制御部240は、一次信号観測区間内で一次信号をセンシングし、第1の通信サービスのアップリンクチャネルの同期を獲得する(ステップS306)。また、制御部240は、二次信号観測区間内で二次信号をセンシングし、周囲の通信装置から二次信号が送信されていないことを確認する(ステップS308)。ここで、周囲の通信装置からの二次信号が検知された場合には、処理はステップS316へ進む。一方、周囲の通信装置からの二次信号が検知されない場合には、処理はステップS312へ進む。
ステップS312では、制御部240は、ステップS304において受信された許容送信電力の範囲内の送信電力を用いて、制御フレーム送信区間内で、第2通信部220から第2の通信サービスのためのビーコンを送信させる(ステップS312)。かかるビーコンには、第2の通信サービスに割当てられた上記許容送信電力の値、並びに被干渉ノード及びSSC200の位置データが含められる。
次に、制御部240は、接続及びスケジューリング区間内で、第2通信部220を介してSUE204から第2の通信サービスへの接続要求を受信すると、その接続要求を認証し、SUE204をスケジューリングする(ステップS314)。それにより、SUE204は、データ通信区間内で、第2の通信サービスによるデータ通信を行うことが可能となる。このとき、SUE204は、ステップS312においてSSC200から送信されたビーコンに含まれる許容送信電力の値及び各位置データに基づいて、第2の通信サービスのための無線信号の送信に使用する送信電力を制御する。なお、ここでのSUE204による送信電力制御処理については、後にさらに説明する。
一方、ステップS316では、制御部240は、他の通信装置から送信される二次信号と自ら送信するビーコンとが衝突することを避けるために、所定の時間だけ待機する(ステップS316)。その後、処理はステップS306へ戻る。
このような二次利用開始処理により、SSC200は、自ら送信するビーコン及びSUEから送信される二次信号の送信電力を一次システムに実質的な干渉を与えない範囲に抑制すると共に、二次信号同士の衝突を回避することができる。
[2−4.二次利用ノード(SUE)の構成例]
上述したように、本実施形態において、SUE204は、第2の通信サービスのためのビーコンをSSC200から受信する。そして、SUE204は、受信したビーコンに含まれるSSC200及び被干渉ノードの位置データ等に基づき、接続及びスケジューリング区間内で送信する接続要求、並びにデータ通信区間内で送信するデータ信号の送信電力を制御する。そこで、本節では、まず、図14Aを用いて、SUE204による上記位置データに基づく送信電力制御の概要について説明する。
図14Aは、二次利用ノード(SUE)による位置に基づく送信電力制御の概要について説明するための説明図である。また、図14Bは、二次利用ノード(SUE)の位置の分類について説明するための説明図である。
図14Aの左上には、本実施形態において第2の通信サービスにより干渉を受ける管理ノード100(被干渉ノードである側面に着目する場合には、主に基地局100と言及される)が示されている。基地局100は、部分的に示された境界101に囲まれるセル内に、第1の通信サービスを提供する。また、図14Aには、第2の通信サービスのコーディネータであるSSC200も示されている。SSC200は、基地局100との間で距離D1を有する。そして、SSC200は、上述した干渉制御モデルに従って決定された許容送信電力を超えない送信電力を用いて、境界201に囲まれる範囲内で受信可能な第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。
さらに、図14Aには、複数のSUE204(204−1〜204−4)が示されている。SUE204は、基地局100及びSSC200との間の位置関係に応じて、4つのタイプ(タイプ1〜4)に分類される。
(タイプ1)
タイプ1に分類されるのは、被干渉ノード(即ち基地局100)から自装置までの距離が被干渉ノードからビーコンの送信元ノード(即ちSSC200)までの距離よりも長く、かつ上記ビーコンを受信可能な領域に位置するSUEである。例えば、図14Aにおいて、基地局100とSSC200との間の距離はD1である。また、SSC200から送信されるビーコンを受信可能な位置とは、境界201の内部の位置である。従って、図14Bにおいて斜線で網掛けした領域R1に位置するSUE204は、タイプ1に分類される。
より具体的には、図14Aに示されたSUE204−1a及び204−1b(SUE204−1と総称する)は、タイプ1に分類される。SUE204−1は、SSC200と比較して基地局100から遠くに位置するため、SSC200から受信されるビーコンの送信電力と同等の送信電力を使用して、基地局100に干渉を与えることなく二次信号を送信することができる。また、SUE204−1は、例えば、SSC200からのビーコンを受信できないUEに対し、アドホック通信により二次信号をリレー(中継)するゲートウェイとして動作してもよい。
(タイプ2)
次に、タイプ2及びタイプ3も、上記ビーコンを受信可能な領域に位置するSUEである。このうち、タイプ2に分類されるのは、被干渉ノードから自装置までの距離が、被干渉ノードからビーコンの送信元ノードまでの距離よりも近く、かつ被干渉ノードから自装置までの距離が、自装置からビーコンの送信元ノードまでの距離よりも遠い領域に位置するSUEである。例えば、図14Aにおいて、上述したように、基地局100とSSC200との間の距離はD1である。また、点線D2は、基地局100への距離とSSC200への距離が等しい位置を辿る直線である。従って、図14Bにおいてドットで網掛けした領域R2に位置するSUE204は、タイプ2に分類される。
より具体的には、図14Aに示されたSUE204−2は、タイプ2に分類される。SUE204−2は、SSC200から受信されるビーコンの送信電力と同等の送信電力を使用すると、基地局100に許容し得ないレベルの干渉を与えるリスクが生じる。しかし、SUE204−2は、ビーコンの送信電力よりも小さい適切な送信電力を使用することで、基地局100に干渉を与えることなく二次信号を送信することができる。また、SUE204−2は、例えば、より基地局100の近くに位置するUEに対し、アドホック通信により二次信号をリレーするゲートウェイとして動作してもよい。
(タイプ3)
また、タイプ3に分類されるのは、被干渉ノードから自装置までの距離が、被干渉ノードからビーコンの送信元ノードまでの距離よりも近く、かつ被干渉ノードから自装置までの距離が、自装置からビーコンの送信元ノードまでの距離よりも近い領域に位置するSUEである。即ち、図14Bにおいて横線で網掛けした領域R3に位置するSUE204は、タイプ3に分類される。
より具体的には、図14Aに示されたSUE204−3は、タイプ3に分類される。SUE204−3は、SSC200へ二次信号を直接送信すると、基地局100に許容し得ない干渉を与える可能性がある。そのため、SUE204−3は、SSC200からビーコンを受信できたとしても、そのビーコンに直接応答しないことが望ましい。そこで、SUE204−3は、SSC200と自装置との中間に位置する他のノード(例えば図14AのSUE204−2)が検知されるまで、ビーコンへの応答の送信を待機する。そして、SUE204−3は、例えば、SUE204−2から送信されるリレー用のビーコンを受信すると、SUE204−2のみに受信可能な低い送信電力を用いて、当該リレー用のビーコンへの応答を送信する。この場合、SUE204−2がSUE204−3からの応答をSSC200へリレーすることにより、SUE204−3も第2の通信サービスに加入することが出来る。なお、SUE204−2からのリレー用のビーコンは、例えば、二次信号をリレーするためのアドホック通信により、被干渉ノードに干渉を与えないレベルの低い送信電力を用いて送信され得る。
(タイプ4)
次に、タイプ4に分類されるのは、上記ビーコンを受信することができない領域に位置するSUEである。より具体的には、図14Aに示されたSUE204−4は、タイプ4に分類される。SUE204−4は、SSC200からビーコンを受信することができないため、直接的には第2の通信サービスに加入することができない。そこで、SUE204−4は、二次信号をリレーする他のノード(例えば図14AのSUE204−1b)が検知されるまで待機する。そして、SUE204−4は、例えば、SUE204−1bから送信されるリレー用のビーコンを受信すると、当該リレー用のビーコンへの応答を送信する。この場合、SUE204−1bがSUE204−4からの応答をSSC200へリレーすることにより、SUE204−4も第2の通信サービスに加入することが出来る。なお、SUE204−1bからのリレー用のビーコンもまた、例えば、二次信号をリレーするためのアドホック通信により、被干渉ノードに干渉を与えないレベルの低い送信電力を用いて送信され得る
このように、SUE204は、典型的には4つのタイプに分類される基地局100及びSSC200との間の位置関係に応じて送信電力を制御することで、基地局100に干渉を与えることなく、安全に第2の通信サービスのための接続要求又はデータ信号を送信することができる。
(各機能ブロックの説明)
図15は、上述した考え方に従って構成されるSUE204の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図15を参照すると、SUE204は、通信部205、記憶部206、及び制御部207を備える。
通信部205は、所定の通信方式に従い、第2の通信サービスのためのビーコンをSSC200から受信することができる。また、通信部205は、制御部207からの制御を受けて、一次利用ノードへ実質的な干渉を与えない範囲の送信電力を用いて、接続要求又はデータ信号を送信する。
記憶部206は、例えばハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体を用いて、SUE204の各部の動作のために使用されるプログラム及びデータを記憶している。さらに、本実施形態において、記憶部206は、例えば、通信部205により受信されるビーコンに含まれる送信電力の値、及び位置データなどを記憶する。
制御部207は、例えばCPUなどの制御装置を用いて、SUE204の機能全般を制御する。例えば、本実施形態において、制御部207は、通信部205により二次信号の送信に使用される送信電力の値を、上述したように、基地局100及びSSC200との間の位置関係に応じて制御する。制御部207による具体的な送信電力制御処理の流れについては、図16を用いて説明する。
(送信電力制御処理の流れ)
図16は、SUE204による送信電力制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16において、例えば二次利用の開始の指示が検知されると、SUE204の制御部207は、通信部205における第2の通信サービスのビーコンの受信を待ち受ける(ステップS352)。この間、制御部207は、通信部205を介して二次信号をセンシングし、第2の通信サービスの通信状況に関するデータ(例えばSINRなど)を取得してもよい。そして、所定の期間の間、第2の通信サービスのビーコンが受信されない場合には、処理はステップS356へ進む。一方、例えばSSC200から送信されるビーコンが通信部205により受信された場合には、処理はステップS358へ進む(ステップS354)。
ステップS356では、制御部207は、第2の通信サービスのビーコンが受信されなかったことから、上述したタイプ4に従った処理として、二次信号を送信することなく、リレー用のビーコンの受信を待ち受ける(ステップS356)。なお、図16には示していないが、制御部207は、ビーコンが受信されなかった原因が二次信号の衝突であると判断した場合には、リレー用のビーコンの受信を待ち受ける代わりに、二次信号の衝突が発生したことをSSC200へ通知してもよい。
一方、ステップS358では、制御部207は、通信部205により受信されたビーコンに含まれるSSC200及び基地局100の位置を表す位置データを取得する(ステップS358)。
次に、制御部207は、取得した位置データ及び自装置の位置データを用いて、被干渉ノードである基地局100から自装置までの距離が、基地局100からSSC200までの距離よりも遠いか否かを判定する(ステップS360)。ここで、基地局100から自装置までの距離の方が遠い場合には、処理はステップS364へ進む。一方、基地局100から自装置までの距離の方が近い場合には、処理はステップS362へ進む。
ステップS362では、制御部207は、通信部205からビーコンへの応答としての二次信号をSSC200へ直接送信すると、基地局100に実質的な干渉を与えることとなるか否かを判定する(ステップS362)。例えば、基地局100から自装置までの距離が自装置からSSC200までの距離よりも近い場合には、二次信号をSSC200へ直接送信すれば基地局100に実質的な干渉を与えると判定され得る。その場合、処理はステップS374へ進む。一方。ビーコンの送信電力よりも小さい送信電力を使用して、基地局100に実質的な干渉を与えることなく二次信号をSSC200へ直接送信できると判定される場合には、処理はステップS366へ進む。
ステップS364では、基地局100から自装置までの距離が基地局100からSSC200までの距離よりも遠いことから、制御部207は、自装置が上述したタイプ1に分類されることを認識する。この場合、制御部207は、SSC200から受信したビーコンと同等の送信電力を通信部205に設定する(ステップS364)。
また、ステップ366では、基地局100から自装置までの距離が基地局100からSSC200までの距離よりも近いものの、二次信号をSSC200へ直接送信できることから、制御部207は、自装置が上述したタイプ2に分類されることを認識する。この場合、制御部207は、SSC200から受信したビーコンよりも小さい送信電力を通信部205に設定する(ステップS364)。ここで設定される送信電力の値は、基地局100には実質的な干渉を与えない一方で、SSC200により二次信号を受信することのできる値である。
次に、制御部207は、ステップS364又はステップ366において設定された送信電力を用いて、ビーコンに対する応答として、SSC200へ第2の通信サービスへの接続要求を送信する。そうすると、SSC200による認証及びスケジューリングの後、制御部207は、SSC200から送信されるスケジューリング情報を受信する。その後、SUE204は、データ通信区間内の割当てられたスロットにおいて、第2の通信サービスによるデータ通信を行うことができる(ステップ368)。
さらに、制御部207は、例えば、自装置の周囲に位置する他のSUE204(例えばSUE204−3又はSUE204−4)に対するアドホックゲートウェイとして動作するために、リレー用のビーコンを周囲に送信してもよい(ステップS370)。
一方、ステップS374では、制御部207は、二次信号をSSC200へ直接送信すれば基地局100に実質的な干渉を与えてしまうことから、自装置が上述したタイプ3に分類されることを認識する。この場合、制御部207は、二次信号を送信することなく、リレー用のビーコンの受信を待ち受ける(ステップS374)。
次に、制御部207は、リレー用のビーコンの受信を待ち受けている状況(即ち、タイプ3又はタイプ4の場合)において、通信部205によりリレー用のビーコンが受信されると、そのビーコンへの応答として、第2の通信サービスへの接続要求を送信する。ここでの接続要求の送信に使用される送信電力は、基地局100へ実質的な干渉を与えないレベルの値に設定される。そうすると、接続要求は、アドホックゲートウェイとして動作する他のSUE204により、SSC200へリレーされる。そして、SSC200による認証及びスケジューリングの後、制御部207は、SSC200から送信され他のSUE204により中継されるスケジューリング情報を受信する。その後、SUE204は、データ通信区間内の割当てられたスロットにおいて、第2の通信サービスによるデータ通信を行うことができる(ステップ378)。
[2−5.第1の実施形態のまとめ]
ここまで、図8〜図16を用いて、本発明の第1の実施形態について説明した。本実施形態によれば、SSC200は、図4〜図7Bを用いて説明した二次利用のためのフレームワークに従って、第2の通信サービスを制御する。より具体的には、SSC200は、例えば、周波数帯の二次利用に際して、一次信号観測区間(第1の区間)内で一次信号を受信し、受信した当該一次信号に基づいて、二次信号の送信に使用する送信電力、周波数、又は変調の次数などのパラメータ値を決定する。そして、SSC200は、二次信号観測区間(第2の区間)内で二次信号が検知されなかった場合に、制御フレーム送信区間(第3の区間)内で、上述したパラメータ値に基づいて、第2の通信サービスのためのビーコンを送信する。それにより、周波数帯の二次利用に際して、一次信号と二次信号、又は二次信号同士の信号の衝突を回避すると共に、干渉を効果的に抑制することができる。
また、上述した干渉制御モデルによれば、SSC200から送信されるビーコンの送信電力は、第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質、第1の通信サービスにおける干渉又は雑音レベル、及び1以上の二次利用ノードについての通信経路上の経路損失に基づいて、被干渉ノードにおける干渉が許容される範囲内となるように決定される。それにより、一部の一次利用ノードにおいて局所的に一次信号の受信が困難となるリスクをなくす(又は少なくとも緩和する)ことができる。
また、本実施形態によれば、SUE204は、制御フレーム送信区間(第3の区間)内で送信されたビーコンを受信する。そして、SUE204は、受信したビーコンに含まれる位置データに基づいて認識される位置関係に応じて、接続及びスケジューリング区間(第4の区間)内で送信する接続要求、又はデータ通信区間(第5の区間)内で送信するデータ信号の送信電力を制御する。それにより、SUE204は、ビームフォーミング技術などを用いることなく、簡易な仕組みで一次システムに与える干渉を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第2の通信サービスの開始の際の通信の制御の一例について主に説明した。しかしながら、上述した二次利用のためのフレームワーク及び送信電力制御の手法は、第2の通信サービスの開始の後のどの時点についても適用可能である。
また、本実施形態では、第1の通信サービスのアップリンクチャネルが二次利用される場合、即ち、第1の通信サービスの基地局のみを被干渉ノードとして考慮すればよい例について説明した。しかしながら、被干渉ノードが複数存在する場合にも本発明が適用可能であることは言うまでもない。
<3.第2の実施形態>
本発明の第1の実施形態では、第2の通信サービスに割当てられる許容送信電力は、一次利用ノードの位置データを保持するデータベースにアクセス可能な一次利用ノード(管理ノード)により決定された。これは、SSCの視点からは受動的な手法である。これに対し、SSCが必要なパラメータを取得し、第2の通信サービスのために許容される送信電力を能動的に決定することもできる。そこで、本節では、本発明の第2の実施形態として、二次利用を行う端末装置が能動的に許容される送信電力を決定する例について説明する。
[3−1.通信システムの概要]
図17は、本発明の第2の実施形態に係る通信システムの概要について説明するための説明図である。
図17を参照すると、第1の通信サービスが運用される一次システム302、並びにそれぞれ第2の通信サービスが運用される二次システム402a及び402bが示されている。このうち、一次システム302は、管理ノード300及び複数の一次利用ノード104を含む。
管理ノード300は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の二次利用を管理する役割を有する一次利用ノードである。図17の例では、管理ノード300として基地局を示しているが、管理ノード300は、かかる例に限定されない。本実施形態において、管理ノード300は、一次システム302に含まれる一次利用ノードの位置を表す位置データを保持しているデータベース106にアクセスすることができる。
一方、二次システム402aは、SSC400a及び複数のSUE204aを含む。同様に、二次システム402bは、SSC400b及び複数のSUE204bを含む。
SSC400(400a及び400b)は、第2の通信サービスを制御する上述したコーディネータの役割を有する二次利用ノードである。即ち、SSC400は、それぞれ、所定のスペクトラムポリシーに従って二次利用の可否を判断し、管理ノード100から必要なパラメータを取得して許容される送信電力を決定した後、第2の通信サービスのためのビーコンを周囲のSUE204へ送信する。SSC400は、例えば、コグニティブ無線のためのエンジン(CE)として動作してもよい。
[3−2.管理ノードの構成例]
図18は、図17に示した管理ノード300の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図18を参照すると、管理ノード300は、通信部310、データベース入出力部120、記憶部130、及び制御部340を備える。
通信部310は、第1の通信サービスの所定の通信方式に従い、アンテナ、RF回路、及びベースバンド回路等を含み得る通信インタフェースを用いて、一次利用ノード104との間で無線信号を送受信する。また、通信部310は、後にさらに説明するように、データベース106に記憶されている一次利用ノード104の位置データ、及びデータベース106又は記憶部130に記憶されている送信電力の決定に使用されるパラメータを、SSC400へ送信する。
制御部340は、例えばCPUなどの制御装置を用いて、管理ノード300の機能全般を制御する。また、本実施形態において、制御部340は、SSC400が上述した干渉制御モデルに従って許容送信電力を決定する際に使用する上記位置データ及びパラメータを、通信部310(又は他のバックホールリンク)を介してSSC400へ送信させる。位置データ及びパラメータの送信は、例えば、CPCなどの所定のチャネルを使用して定期的に行われてもよい。その代わりに、位置データ及びパラメータの送信は、例えば、SSC400からの送信要求への応答として行われてもよい。
[3−3.二次利用ノード(SSC)の構成例]
(各機能ブロックの説明)
図19は、図17に示したSSC400の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図19を参照すると、SSC400は、第1通信部410、第2通信部220、記憶部430、及び制御部440を備える。
第1通信部410は、所定の通信方式に従い、管理ノード300から送信される上記データ及びパラメータを含む無線信号を受信する。第1通信部410と管理ノード300との間の通信に使用されるチャネルは、制御用のチャネルである上述したCPCなどであってもよい。
より具体的には、第1通信部410は、例えば周波数帯の二次利用の開始等の指示に応じて、管理ノード300から送信電力の決定に使用されるデータ及びパラメータの受信を試みる。送信電力の決定に使用されるデータ及びパラメータには、例えば、被干渉ノードの位置データ、並びに第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質、及び第1の通信サービスにおける干渉又は雑音レベルなどが含まれ得る。また、送信電力の決定に使用されるデータには、他の二次利用ノードの位置を表す位置データが含まれていてもよい。そして、第1通信部410は、これらデータ及びパラメータを管理ノード300から受信すると、受信した当該データ及びパラメータを制御部440へ出力する。また、第1通信部410は、信号の受信環境が良好でないなどの理由で必要なデータ及びパラメータを受信できない場合には、その旨を制御部440へ通知する。
記憶部430は、例えばハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体を用いて、SSC400の各部の動作のために使用されるプログラム及びデータを記憶している。さらに、本実施形態において、記憶部430は、第2の通信サービスのための許容送信電力の決定及び送信電力の制御のための各種パラメータを記憶する。記憶部430に記憶されるパラメータには、例えば、自装置(及び、必要に応じて第2の通信サービスに加入する他の二次利用ノード)の位置データ、並びに管理ノード300から第1通信部410を介して受信される上記パラメータなどが含まれ得る。
制御部440は、例えばCPUなどの制御装置を用いて、SSC400の機能全般を制御する。例えば、本実施形態において、制御部440は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する場合に、上述した干渉制御モデルに従って第2の通信サービスのための許容送信電力を決定する。その際、制御部440は、管理ノード300からの無線信号を受信できず一次利用ノードの最新の位置データ及び必要なパラメータを取得できない場合には、一次利用ノードに干渉を与える可能性を低減するためのマージンを算入して許容送信電力を決定する。そして、制御部440は、第2通信部220により第2の通信サービスのためのビーコン、及び他の二次信号の送信に使用される送信電力の値を、決定した許容送信電力の範囲内に制御する。
(二次利用開始処理の流れ)
図20は、SSC400による二次利用開始処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20を参照すると、まず、制御部440は、通信部410を介して管理ノード300から無線信号(一次信号)を受信することが可能か否かを判定する(ステップS502)。ここで、管理ノード300からの無線信号を受信できる場合には、処理はステップS504へ進む。一方、管理ノード300からの無線信号を受信できない場合には、処理はステップS508へ進む。
ステップS504では、制御部440は、通信部410を介して管理ノード300から受信された被干渉ノードとなる一次利用ノードの位置データを取得する。また、制御部440は、同様に管理ノード300から受信されたパラメータを取得する(ステップS504)。なお、図2Aに示した例のように、OFDMA方式のアップリンクチャネルが二次利用される場合には、被干渉ノードは基地局のみである。そのため、かかる場合には、制御部440は、一次利用ノードの位置データとして基地局である管理ノード300の位置データのみを取得すればよい。また、ステップS504における必要なパラメータとは、例えば、上述した第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質、及び第1の通信サービスにおける干渉若しくは雑音レベル(又はこれらレベルを計算するためのパラメータ)などに相当する。
次に、制御部440は、ステップS504において受信された位置データ及びパラメータに基づいて、第2の通信サービスに許容される干渉電力に応じた送信電力を決定する(ステップS506)。より具体的には、制御部440は、例えば、上述した干渉制御モデルにおける式(9)に従って、第2の通信サービスに許容される干渉電力に応じた送信電力を決定することができる。その際、例えば、第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質は、式(9)のPrx_primary,primary/SINRrequiredの項に対応する。また、干渉又は雑音レベルは式(9)のNPrimaryの項に対応する。さらに、式(9)の経路損失Lpath_tx_secondary,iの値は、一次利用ノードの位置データ及びSSC400の位置データから導かれる距離dを用いて、式(6)に従って算出され得る。なお、制御部440は、例えば、経路損失Lpath_tx_secondary,iの値を位置データから算出する代わりに、経路損失Lpath_tx_secondary,iの値を基地局からのダウンリンク信号の送信電力値と当該ダウンリンク信号の受信レベルとの差として計算してもよい。さらに、制御部440は、他の第2の通信サービスが存在している場合には、均等型の式(10)、又は非均等型の式(11)に従って、送信電力を分配してもよい。
一方、管理ノード300からの無線信号を受信できない場合には、ステップS508において、制御部440は、送信電力を決定するための位置データ及びパラメータを記憶部430から取得する(ステップS508)。例えば、制御部440は、管理ノード300との間の通信が可能となった時に第1通信部を介して被干渉ノードの位置データ及び必要なパラメータを受信し、それらを後の使用のために記憶部430に記憶させておくことができる。また、例えば、二次利用の対象とする第1の通信サービスの種類が予めいくつかの候補に限定されている場合には、当該第1の通信サービスにおいて要求される無線信号の品質などを表すパラメータを既定値として記憶部430に記憶させておいてもよい。
次に、制御部440は、ステップS508において取得された位置データ及びパラメータに基づいて、第2の通信サービスに許容される干渉電力に応じた送信電力を決定する(ステップS510)。但し、この場合、送信電力の決定に使用できるパラメータは、最新のものではない可能性がある。そのため、制御部440は、一次利用ノードに干渉を与える可能性を低減するために、送信電力の値に所定のマージンを算入する。より具体的には、制御部440は、例えば、上述した与干渉マージン低減型の式(12)に従って送信電力を決定することができる。式(12)におけるNestimaionの値は、例えば、第2の通信サービスへの加入が見込まれるSUE204の数に応じて、余剰数を含むように決定される。
次に、制御部440は、管理ノード300からの一次信号を受信できる場合には、一次信号をセンシングして第1の通信サービスのアップリンクチャネルの同期を獲得する(ステップS516)。管理ノード300からの一次信号を受信できない場合には、ステップS516はスキップされ得る。次に、制御部440は、二次信号観測区間内で二次信号をセンシングし、周囲の通信装置から二次信号が送信されていないことを確認する(ステップS518)。ここで、周囲の通信装置からの二次信号が検知された場合には、処理はステップS526へ進む。一方、周囲の通信装置からの二次信号が検知されない場合には、処理はステップS522へ進む(ステップ520)。
ステップS522では、制御部440は、ステップS506又はステップS510において決定した送信電力を用いて、制御フレーム送信区間内で、第2通信部220から第2の通信サービスのためのビーコンを送信させる(ステップS522)。かかるビーコンには、第2の通信サービスに割当てられた上記許容送信電力の値、並びに被干渉ノード及びSSC400の位置データが含められる。
次に、制御部440は、接続及びスケジューリング区間内で、第2通信部220を介してSUE204から第2の通信サービスへの接続要求を受信すると、その接続要求を認証し、SUE204をスケジューリングする(ステップS524)。それにより、SUE204は、データ通信区間内で、第2の通信サービスによるデータ通信を行うことが可能となる。このとき、SUE204は、ステップS522においてSSC400から送信されたビーコンに含まれる許容送信電力の値及び各位置データに基づいて、接続要求及びデータ信号の送信電力を決定する。
一方、ステップS526では、制御部440は、他の通信装置から送信される二次信号と自ら送信するビーコンとが衝突することを避けるために、所定の時間だけ待機する(ステップS526)。その後、処理はステップS516(管理ノード300からの一次信号を受信できない場合にはステップS518)へ戻る。
このような二次利用開始処理により、SSC400は、自ら送信するビーコン及びSUEから送信される二次信号の送信電力を一次システムに実質的な干渉を与えない範囲に抑制すると共に、二次信号同士の衝突を回避することができる。
[3−4.第2の実施形態のまとめ]
ここまで、図17〜図20を用いて、本発明の第2の実施形態について説明した。本実施形態によれば、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯を二次利用する第2の通信サービスにおいて許容される送信電力が、上述した干渉制御モデルに従い、第2の通信サービスのコーディネータの役割を有するSSC400により決定される。それにより、SSC400は、第2の通信サービスに使用する送信電力を能動的に決定した上で、一次信号と二次信号、又は二次信号同士の信号の衝突を回避すると共に、干渉を効果的に抑制することができる。
また、SSC400が管理ノード300からの無線信号を受信できず一次利用ノードの最新の位置データを取得できない場合には、許容される送信電力は、一次利用ノードに干渉を与える可能性を低減するためのマージンを算入して決定される。それにより、SSC400がシャドウイング(遮蔽)又はフェージングなどの影響により信号の受信状況が比較的良好でない領域に位置している場合であっても、SSC400は、自律的かつ安全に周波数帯の二次利用を開始することができる。
[4.TVバンドへの適用]
図21は、上述した第1又は第2の実施形態のTVバンドへの適用について説明するための説明図である。図21の例において、一次利用ノード900は、テレビジョン放送の放送局である。また、一次利用ノード910a〜910cは、テレビジョン放送の受信局である。一次利用ノード900は、境界902又は904の内部に位置する一次利用ノード910a〜910cに、周波数帯F1上でデジタルTV放送サービスを提供する。境界902の内部は、デジタルTV放送サービスのサービスエリアである。また、斜線で示された境界902と境界904との間の領域は、周波数帯の二次利用が制限されるガードエリアである。一方、境界904と境界906との間の領域はTVホワイトスペースである。二次利用ノード920a〜920cは、かかるTVホワイトスペースに位置し、例えば周波数帯F1とは異なる周波数帯F3上で第2の通信サービスを運用する。しかし、例えば第1の通信サービスの周波数帯F1と第2の通信サービスの周波数帯F3との間にガードバンドを設けたとしても、例えば位置P0において二次システムのみならず一次システムへの致命的な干渉が生じるリスクがある。このようなリスクは、例えば、ガードエリアの幅を拡張することにより低減される。しかし、ガードエリアの幅を拡張することは、周波数帯の二次利用機会の減少を意味する。これに対し、上述した第1又は第2の実施形態に従って第2の通信サービスに使用する送信電力を制御することにより、ガードエリアの幅を過度に拡張することなく、一次システムに与える干渉を許容される範囲内に抑制することができる。
なお、本明細書において説明した第1、及び第2の実施形態に係る一連の処理をハードウェアで実現するかソフトウェアで実現するかは問わない。一連の処理又はその一部をソフトウェアで実行させる場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、例えばROM(Read Only Memory)などの記録媒体に予め記憶され、RAM(Random Access Memory)に読み込まれた後、CPUを用いて実行される。
本明細書において説明した各実施形態の要旨は、上述したように様々な二次利用の形態に広く適用可能である。例えば、上述したように、第1の通信サービスのスペクトラムホールをカバーするためのリレーノード又はフェムトセルの運用は、周波数帯の二次利用の一形態ということができる。また、互いに共通する周波数帯を使用するマクロセル、RRH(Remote Radio Head)、Hotzone、リレーノード又はフェムトセルなどの相互の関係も、周波数帯の二次利用の一形態(例えば、ヘテロジーニアスネットワークなど)を形成し得る。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属すものと了解される。