JP5665330B2 - ニコランジル分解抑制剤、経皮吸収製剤及び貼付剤 - Google Patents
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Description
ニコランジルは非特許文献1に記載の分解機序等により分解し得る不安定な薬物であるが、本実施形態に係るニコランジル分解抑制剤によれば、その分解が抑制され、長期間にわたって経皮吸収製剤等の製剤中に保持することが可能となる。
すなわち、ニコランジルの薬学的に許容される塩は、当該塩から遊離したニコランジルが非特許文献1に記載の分解機序等により分解されると考えられる。そして、本実施形態に係るニコランジル分解抑制剤によれば、上記塩から遊離したニコランジルの分解を抑制できるため、上記塩の保存安定性を向上させることができると考えられる。
エタノール中に、ニコランジル5質量%、塩化アルミニウム5質量%を添加し、ガラスバイアル中に封入した。これを40℃のインキュベーター中で保存し、7日経過後と14日経過後にサンプルを取り出した。取り出したサンプルについて、それぞれ高速液体クロマトグラフィー法によって、ニコランジルの含有量を定量した。ニコランジルの対初期残存比率(初めに添加したニコランジルの量を100%としたときの所定日経過後のサンプル中のニコランジルの量)は、表1に示す通りであった。
エタノール中に、ニコランジル5質量%、塩化マグネシウム5質量%を添加し、ガラスバイアル中に封入した。これを実施例1と同様の条件で保存し、7日経過後にサンプルを取り出した。取り出したサンプルについて、それぞれ高速液体クロマトグラフィー法によって、ニコランジルの含有量を定量した。ニコランジルの対初期残存比率は、表1に示す通りであった。
エタノール中に、ニコランジル5質量%、塩化カルシウム5質量%を添加し、ガラスバイアル中に封入した。これを実施例1と同様の条件で保存し、7日経過後にサンプルを取り出した。取り出したサンプルについて、それぞれ高速液体クロマトグラフィー法によって、ニコランジルの含有量を定量した。ニコランジルの対初期残存比率は、表1に示す通りであった。
エタノール中に、ニコランジル5質量%を添加し、ガラスバイアル中に封入した。これを実施例1と同様の条件で保存し、7日経過後と14日経過後にサンプルを取り出した。取り出したサンプルについて、それぞれ高速液体クロマトグラフィー法によって、ニコランジルの含有量を定量した。ニコランジルの対初期残存比率は、表1に示す通りであった。
薬物としてニコランジルを5質量%、ニコランジル分解抑制剤として塩化アルミニウムを5質量%、粘着基剤としてDuro−Tak 387−2287(ヘンケル社製)の溶液を固形分として90質量%となるように秤取して、混合し、均一な分散溶液とした。この溶液を、主面の一方にシリコン処理が施されている厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)の、シリコン処理が施されている主面上に、一定の厚みで塗布し、乾燥させて粘着剤層を形成した。乾燥後の粘着剤層の厚みは、100μmであった。次いで、粘着剤層上に、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を積層して、経皮吸収製剤を得た。この経皮吸収製剤を適宜裁断して、アルミラミネートプラスチックフィルムで包装し、包装体とした。この包装体を、後述する保存安定性の試験に用いた。
なお、Duro−Tak 387−2287(ヘンケル社製)は、水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート感圧接着剤である。
薬物としてニコランジルを5質量%、ニコランジル分解抑制剤として塩化マグネシウムを5質量%、溶解剤として乳酸を15質量%、粘着基剤としてDuro−Tak 387−2287(ヘンケル社製)の溶液を固形分として75質量%となるように秤取して、混合し、均一な分散溶液とした。この溶液を用いて、実施例4と同様にして経皮吸収製剤を得た。また、この経皮吸収製剤から実施例4と同様にして包装体を得て、後述する保存安定性の試験に用いた。
薬物としてニコランジルを5質量%、ニコランジル分解抑制剤として塩化カルシウムを5質量%、溶解剤として乳酸を15質量%、粘着基剤としてDuro−Tak 387−2287(ヘンケル社製)の溶液を固形分として75質量%となるように秤取して、混合し、均一な分散溶液とした。この溶液を用いて、実施例4と同様にして経皮吸収製剤を得た。また、この経皮吸収製剤から実施例4と同様にして包装体を得て、後述する保存安定性の試験に用いた。
薬物としてニコランジルを5質量%、粘着基剤としてDuro−Tak 387−2287(ヘンケル社製)の溶液を固形分として95質量%となるように秤取して、混合し、均一な分散溶液とした。この溶液を用いて、実施例4と同様にして経皮吸収製剤を得た。また、この経皮吸収製剤から実施例4と同様にして包装体を得て、後述する保存安定性の試験に用いた。
ニコランジル分解抑制剤にかえて、表2に記載の添加剤5質量%を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、経皮吸収製剤を得た。また、この経皮吸収製剤から実施例4と同様にして包装体を得て、後述する保存安定性の試験に用いた。
ニコランジル分解抑制剤にかえて、表2に記載の添加剤5質量%を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、経皮吸収製剤を得た。また、この経皮吸収製剤から実施例4と同様にして包装体を得て、後述する保存安定性の試験に用いた。
実施例4〜6、比較例2〜28で得られた包装体を、40℃のインキュベーターで2週間保存した後、これを取り出し、高速液体クロマトグラフィー法によって製剤中のニコランジルの残存量を定量し、当初配合量(5質量%)に対する残存比率を%で求めた。結果は表1に示す通りであった。
Claims (4)
- 多価金属の塩化物からなる、溶解状態のニコランジル又はその薬学的に許容される塩の分解を抑制するニコランジル分解抑制剤。
- 前記多価金属の塩化物は、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のニコランジル分解抑制剤。
- ニコランジル及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種の薬物と、請求項1又は2に記載のニコランジル分解抑制剤とを含有し、
前記ニコランジル分解抑制剤の配合量が、前記薬物の配合量1質量部に対して、0.5〜5質量部である、経皮吸収製剤。 - 支持体と、該支持体上に積層された粘着剤層とを備える貼付剤であって、
前記粘着剤層は、ニコランジル及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種の薬物、並びに、請求項1又は2に記載のニコランジル分解抑制剤を含有し、
前記ニコランジル分解抑制剤の配合量が、前記薬物の配合量1質量部に対して、0.5〜5質量部である、貼付剤。
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