本発明は、細菌関連の状態を処置、予防および/または管理するための新しい化合物、組成物および方法の必要があるという認識を包含する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
細菌によって引き起こされるまたは悪化する上皮の状態に罹患しているまたは罹患しやすい被験体に、有効量の式Iの化合物
または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む方法
[式中、
R 1 は、−C(O)X(Xは、独立に、保護基、ハロゲン、R、−OR、−SR、−N(R) 2 、置換または非置換ヒドラジン、置換または非置換の6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5〜6員のヘテロアリール環である);−NO 2 ;−PO 3 H;−SO 3 H;−CN;置換もしくは非置換ヘテロアリール;または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 3 は、−NH 2 、ペプチドまたは−N(R 4 )(R 5 )であり、
R 4 は、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、環式基、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 5 は、ヘテロアリール;−C(=N−R 6 )(R 7 )(ここで、R 6 は、水素、脂肪族および−N(R) 2 から選択され、R 7 は、水素、脂肪族、アリール、シアノおよび−SO 2 Rから選択される);またはC(O)LR 8 (ここで、Lは、共有結合、または二価の、有枝鎖もしくは非有枝鎖の、飽和もしくは不飽和のC 2 〜C 6 炭化水素鎖であり、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH 2 )−またはC 3 〜C 6 シクロアルキレンによって置き換えられており、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、R 8 は、−R、−OR、−N(R) 2 、環式基、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分である)であり、
Zは、−S−、−O−、−NH−、−Se−、−S(=O)−、−S(=N)−、−SO 2 −、−Se(=O)−または−SeO 2 −である]。
(項目2)
前記式Iの化合物が、抗炎症活性および抗菌活性を示す、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記化合物が、式Iaの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、
Xは、−OH、ハロゲン、メチル、−SH、−NH 2 または−N(R) 2 であり、ここで、Rは、水素またはC 1〜3 アルキルであり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 8 は、C 1〜3 アルキルである]。
(項目4)
前記化合物が、式Ibの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、
R 1 は、−CO 2 H、−CO 2 R、−CONH 2 、−NO 2 、−PO 3 H、−CNまたは−SO 3 Hであり、Rは、本明細書で定義の通りであり、
R 2 は、ファルネシル、フィチル、ゲラニルゲラニル、置換ファルネシル、置換フィチルまたは置換ゲラニルゲラニルであり、
R 3 は、−NH 2 またはペプチドである]。
(項目5)
前記化合物が、式Icの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、R 2 およびR 8 は、本明細書に記載の通りであり、
R 1 は、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 8 は、−R、−OR、−N(R) 2 、環式基、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO 2 −または−NH−である]。
(項目6)
前記化合物が、式Idの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、
R 1 は、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 4 は、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、環式基、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 5 は、ヘテロアリールまたは−C(=NR 6 )(R 7 )であり、R 6 およびR 7 は、本明細書に記載の通りであり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO 2 −または−NH−である]。
(項目7)
前記化合物が、式Ieの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 9 は、−C(O)Xであり、Xは、独立に、R、−C(O)NHNH 2 、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環であり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族もしくはC 1〜6 ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Lは、二価の、有枝鎖または非有枝鎖の、飽和または不飽和のC 2 〜C 6 炭化水素鎖であり、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF 2 −、−C(=CH 2 )−、−CH=CH−、または必要に応じて置換されているアリーレン、ヘテロアリーレン、C 3 〜C 6 シクロアルキレン、C 3 〜C 6 ヘテロシクロアルキレン、または8〜10員の二環式複素環式部分によって置き換えられており、
そしてここで、Lは、ハロゲン、C 1 〜C 6 アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH 2 −フェノール、−CH(フェニル) 2 、−OH、−NH 2 、−NHC(O)CH 3 、−NHC(O)NHCH 2 CH 3 、−C(O)NH 2 、−C(O)NHCH 2 CH 3 、−CH 2 C(O)OCH 2 フェニル、−(CH 2 ) 2 SCH 3 、−(CH 2 ) 2 C(O)NH 2 、−(CH 2 ) 2 C(O)OH、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、
Mは、−C(O)−、−C(S)または−SO 2 −であり、
R 10 は、水素、F、CF 3 、C 1 〜C 4 アルキル、−OH、−C(O)CH 3 、−NH(OR E )、−NR E 2 、−NHNR E 2 、−SO 2 R E 、−NH−フェニル、−SO 2 −フェニル、−フェニル−NO 2 または−OR E であり、ここで、各R E は、独立に、水素、酸素、またはC 1〜6 脂肪族もしくはC 1〜6 ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO 2 −、−Se(O)−または−Se(O) 2 −である]。
(項目8)
前記化合物が、式Ifの化合物である、項目1に記載の方法
[式中、
Yは、天然または非天然アミノ酸であり、
vは、両端を含めて1から100の間の整数であり、
R 11 は、水素、保護基、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基である]。
(項目9)
投与が局所である、項目1に記載の方法。
(項目10)
投与が吸入によって行われる、項目1に記載の方法。
(項目11)
投与が非経口である、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記上皮の状態が、皮膚の状態、呼吸器の状態、眼の状態、膣の状態、口の状態、外耳の状態、尿生殖器の状態または直腸の状態から選択される、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記皮膚の状態が、膿痂疹、尋常性ざ瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎、感染性皮膚炎、乾癬、酒さ、紅斑、壊死性蜂巣炎、皮膚炭疽、蜂巣炎、丹毒、膿瘡、皮膚炭疽、壊死性筋膜炎、壊疽、敗血症、膿皮症、心内膜炎、足趾間の感染症、鬚毛瘡、せつおよびよう、ブドウ球菌性熱傷性皮膚症候群、水疱形成性の遠位指炎、急性爪囲炎、毛包炎、皮膚ジフテリア、紅色陰癬、および開放創の細菌集落形成から選択される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記呼吸器の状態が、肺炎、過敏性肺炎、上下気道感染症、慢性閉塞性肺疾患、ジフテリア、気管支肺異形成、百日咳、レジオネラ症および咽頭炎から選択される、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記鼻の状態が、細菌性鼻炎および副鼻腔炎から選択される、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記眼の状態が、慢性眼瞼炎および眼内炎から選択される、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記膣の状態が、細菌性膣炎、軟性下疳、梅毒、ドノバン症、淋病、性病性リンパ肉芽腫、非淋菌性尿道炎およびブドウ球菌感染症から選択される、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記口の状態が、歯肉炎、う蝕および幼児期う蝕から選択される、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記外耳の状態が中耳炎である、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記状態が、尿生殖器の細菌に関係する状態および直腸の細菌に関係する状態から選択される、項目12に記載の方法。
(項目21)
前記上皮の状態が尋常性ざ瘡である、項目12に記載の方法。
(項目22)
前記上皮の状態が呼吸器の状態である、項目12に記載の方法。
(項目23)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Actinomycesの種、Bacillusの種、Corynebacteriumの種、Enterococcusの種、Gardnerellaの種、Mobiluncusの種、Mycobacteriumの種、Mycoplasmaの種、Nocardiaの種、Propionibacteriumの種、Staphylococcusの種およびStreptococcusの種から選択される、項目12に記載の方法。
(項目24)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Actinobacillusの種、Bordatellaの種、Branhamella(Moraxella)の種、Calymmatobacteriumの種、Chlamydiaの種、Chlamydophilaの種、Eikenellaの種、Enterobacterの種、Escherichiaの種、Fusobacteriumの種、Gardnerellaの種、Granulomaの種、Haemophilusの種、Histophilusの種、Klebsiellaの種、Legionellaの種、Mannheimiaの種、Neisseriaの種、Ornithobacteriumの種、Pasteurellaの種、Pneumocystisの種、Prevotellaの種、Proteusの種、Psuedomonasの種、Treponemaの種、Ureaplasmaの種、Vibrioの種およびYersiniaの種から選択される、項目12に記載の方法。
(項目25)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidisおよびStaphylococcus pyogenesから選択される、項目23に記載の方法。
(項目26)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Propionibacterium acnesである、項目23に記載の方法。
(項目27)
表面の細菌増殖を阻害し、または表面の細菌を除菌するステップを含む方法であって、該方法は、
式Iの化合物
または薬学的に許容されるその組成物
[式中、R 1 は、−C(O)X(ここで、Xは、独立に、保護基、ハロゲン、R、−OR、−SR、−N(R) 2 、置換または非置換ヒドラジン、置換または非置換の6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5〜6員のヘテロアリール環である);−NO 2 ;−PO 3 H;−SO 3 H;−CN;置換もしくは非置換ヘテロアリール;または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 3 は、−NH 2 、ペプチドまたは−N(R 4 )(R 5 )であり、
R 4 は、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、環式基、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 5 は、ヘテロアリール;−C(=N−R 6 )(R 7 )(ここで、R 6 は、水素、脂肪族および−N(R) 2 から選択され、R 7 は、水素、脂肪族、アリール、シアノおよび−SO 2 Rから選択される);またはC(O)LR 8 (ここで、Lは、共有結合、または二価の、有枝鎖もしくは非有枝鎖の、飽和もしくは不飽和のC 2 〜C 6 炭化水素鎖であり、ここで、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH 2 )−またはC 3 〜C 6 シクロアルキレンによって置き換えられており、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、R 8 は、−R、−OR、−N(R) 2 、環式基、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分である)であり、
Zは、−S−、−O−、−NH−、−Se−、−S(=O)−、−S(=N)−、−SO 2 −、−Se(=O)−または−SeO 2 −である]
を表面に投与するステップを含む、方法。
(項目28)
式Iの前記化合物が、抗炎症活性を示す、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記化合物が、式Iaの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、
Xは、−OH、ハロゲン、メチル、−SH、−NH 2 または−N(R) 2 であり、ここで、Rは、水素またはC 1〜3 アルキルであり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 8 は、C 1〜3 アルキルである]。
(項目30)
前記化合物が、式Ibの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、
R 1 は、−CO 2 H、−CO 2 R、−CONH 2 、−NO 2 、−PO 3 H、−CNまたは−SO 3 Hであり、Rは、本明細書で定義の通りであり、
R 2 は、ファルネシル、フィチル、ゲラニルゲラニル、置換ファルネシル、置換フィチルまたは置換ゲラニルゲラニルであり、
R 3 は、−NH 2 またはペプチドである]。
(項目31)
前記化合物が、式Icの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、R 2 およびR 8 は、本明細書に記載の通りであり、
R 1 は、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 8 は、−R、−OR、−N(R) 2 、環式基、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO 2 −または−NH−である]。
(項目32)
前記化合物が、式Idの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、
R 1 は、置換もしくは非置換ヘテロアリール、または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分であり、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 4 は、水素、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、環式基、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基であり、
R 5 は、ヘテロアリールまたは−C(=NR 6 )(R 7 )であり、R 6 およびR 7 は、本明細書に記載の通りであり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO 2 −または−NH−である]。
(項目33)
前記化合物が、式Ieの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、
R 2 は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC 10 〜C 25 脂肪族部分であり、
R 9 は、−C(O)Xであり、Xは、独立に、R、−C(O)NHNH 2 、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環であり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC 1〜6 脂肪族もしくはC 1〜6 ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Lは、二価の、有枝鎖または非有枝鎖の、飽和または不飽和のC 2 〜C 6 炭化水素鎖であり、ここで、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF 2 −、−C(=CH 2 )−、−CH=CH−、または必要に応じて置換されているアリーレン、ヘテロアリーレン、C 3 〜C 6 シクロアルキレン、C 3 〜C 6 ヘテロシクロアルキレン、または8〜10員の二環式複素環式部分によって置き換えられており、
そしてここで、Lは、ハロゲン、C 1 〜C 6 アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH 2 −フェノール、−CH(フェニル) 2 、−OH、−NH 2 、−NHC(O)CH 3 、−NHC(O)NHCH 2 CH 3 、−C(O)NH 2 、−C(O)NHCH 2 CH 3 、−CH 2 C(O)OCH 2 フェニル、−(CH 2 ) 2 SCH 3 、−(CH 2 ) 2 C(O)NH 2 、−(CH 2 ) 2 C(O)OH、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、
Mは、−C(O)−、−C(S)または−SO 2 −であり、
R 10 は、水素、F、CF 3 、C 1 〜C 4 アルキル、−OH、−C(O)CH 3 、−NH(OR E )、−NR E 2 、−NHNR E 2 、−SO 2 R E 、−NH−フェニル、−SO 2 −フェニル、−フェニル−NO 2 または−OR E であり、ここで、各R E は、独立に、水素、酸素、またはC 1〜6 脂肪族もしくはC 1〜6 ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO 2 −、−Se(O)−または−Se(O) 2 −である]。
(項目34)
前記化合物が、式Ifの化合物である、項目27に記載の方法
[式中、
Yは、天然または非天然アミノ酸であり、
vは、両端を含めて1から100の間の整数であり、
R 11 は、水素、保護基、またはC 1〜6 脂肪族、C 1〜6 ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基である]。
(項目35)
投与が局所である、項目27に記載の方法。
(項目36)
投与が吸入によって行われる、項目27に記載の方法。
(項目37)
投与が非経口である、項目27に記載の方法。
(項目38)
前記上皮の状態が、皮膚の状態、呼吸器の状態、眼の状態、膣の状態、口の状態、外耳の状態、尿生殖器の状態または直腸の状態から選択される、項目27に記載の方法。
(項目39)
前記皮膚の状態が、膿痂疹、尋常性ざ瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎、感染性皮膚炎、乾癬、酒さ、紅斑、壊死性蜂巣炎、皮膚炭疽、蜂巣炎、丹毒、膿瘡、皮膚炭疽、壊死性筋膜炎、壊疽、敗血症、膿皮症、心内膜炎、足趾間の感染症、鬚毛瘡、せつおよびよう、ブドウ球菌性熱傷性皮膚症候群、水疱形成性の遠位指炎、急性爪囲炎、毛包炎、皮膚ジフテリア、紅色陰癬、および開放創の細菌集落形成から選択される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記呼吸器の状態が、肺炎、過敏性肺炎、上下気道感染症、慢性閉塞性肺疾患、ジフテリア、気管支肺異形成、百日咳、レジオネラ症および咽頭炎から選択される、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記鼻の状態が、細菌性鼻炎および副鼻腔炎から選択される、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記眼の状態が、慢性眼瞼炎および眼内炎から選択される、項目38に記載の方法。
(項目43)
前記膣の状態が、細菌性膣炎、軟性下疳、梅毒、ドノバン症、淋病、性病性リンパ肉芽腫、非淋菌性尿道炎およびブドウ球菌感染症から選択される、項目38に記載の方法。
(項目44)
前記口の状態が、歯肉炎、う蝕および幼児期う蝕から選択される、項目38に記載の方法。
(項目45)
前記外耳の状態が中耳炎である、項目38に記載の方法。
(項目46)
前記状態が、尿生殖器の細菌に関係する状態および直腸の細菌に関係する状態から選択される、項目38に記載の方法。
(項目47)
前記上皮の状態が尋常性ざ瘡である、項目38に記載の方法。
(項目48)
前記上皮の状態が呼吸器の状態である、項目38に記載の方法。
(項目49)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Actinomycesの種、Bacillusの種、Corynebacteriumの種、Enterococcusの種、Gardnerellaの種、Mobiluncusの種、Mycobacteriumの種、Mycoplasmaの種、Nocardiaの種、Propionibacteriumの種、Staphylococcusの種およびStreptococcusの種から選択される、項目38に記載の方法。
(項目50)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Actinobacillusの種、Bordatellaの種、Branhamella (Moraxella)の種、Calymmatobacteriumの種、Chlamydiaの種、Chlamydophilaの種、Eikenellaの種、Enterobacterの種、Escherichiaの種、Fusobacteriumの種、Gardnerellaの種、Granulomaの種、Haemophilusの種、Histophilusの種、Klebsiellaの種、Legionellaの種、Mannheimiaの種、Neisseriaの種、Ornithobacteriumの種、Pasteurellaの種、Pneumocystisの種、Prevotellaの種、Proteusの種、Psuedomonasの種、Treponemaの種、Ureaplasmaの種、Vibrioの種およびYersiniaの種から選択される、項目38に記載の方法。
(項目51)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidisおよびStaphylococcus pyogenesから選択される、項目49に記載の方法。
(項目52)
上皮の状態を引き起こすまたは悪化させる前記細菌が、Propionibacterium acnesである、項目49に記載の方法。
本発明は中でも、表面の細菌を死滅させ、不活化し、除菌し(decolonize)、sosite/または細菌の増殖を阻害するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、細菌によって引き起こされるまたは悪化する上皮に関係する状態の症状の処置、予防または緩和を必要としている被験体における、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、細菌によって引き起こされるまたは悪化する上皮に関係する状態に関連する炎症の症状を処置、予防および/または緩和する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、皮膚の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、呼吸器の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、鼻の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、眼の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、口の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、外耳の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、膣の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、尿生殖器の状態が含まれる。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態には、直腸の状態が含まれる。
いくつかの実施形態では、皮膚の状態には、膿痂疹、尋常性ざ瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎、感染性皮膚炎、乾癬、酒さ、紅斑、壊死性蜂巣炎、皮膚炭疽、蜂巣炎、丹毒、膿瘡、皮膚炭疽、壊死性筋膜炎、壊疽、敗血症、膿皮症、心内膜炎、足趾間の(toe web)感染症、鬚毛瘡、せつおよびよう(furuncle and carbuncle)、ブドウ球菌性熱傷性皮膚症候群、水疱形成性の遠位指炎(blistering distal dactylitis)、急性爪囲炎、毛包炎、皮膚ジフテリア、紅色陰癬、開放創(例えば、切り傷、病変、擦り傷(scrape)、熱傷、裂傷、慢性創傷、感染動物の咬傷、潰瘍等)の細菌集落形成が含まれる。
いくつかの実施形態では、呼吸器の状態には、肺炎、過敏性肺炎、上下気道感染症(例えば、慢性気管支炎および喘息(asma)の二次細菌感染症、慢性閉塞性肺疾患)、ジフテリア、気管支肺異形成、百日咳、レジオネラ症(例えば、レジオネラ病、ポンティアック熱、咽頭炎等)が含まれる。
いくつかの実施形態では、鼻の状態には、細菌性鼻炎、副鼻腔炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、眼の状態には、慢性眼瞼炎、眼内炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、口の状態には、歯肉炎、う蝕、幼児期う蝕等が含まれる。
いくつかの実施形態では、外耳の状態には、中耳炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、膣の状態には、細菌性膣炎、軟性下疳(chanchroid)、梅毒、ドノバン症、淋病、性病性リンパ肉芽腫、非淋菌性尿道炎、ブドウ球菌感染症、外陰膣炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、尿生殖器の状態には、例えば、鼠径部肉芽腫(Granuloma inquinale)、肛門周囲の感染症等が含まれる。
いくつかの実施形態では、細菌はPropionibacterium acnesである。
いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連していることがある。
いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連していないことがある。
いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連している。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、上皮に関係する状態の処置を必要としているヒトを含む動物における該状態の処置に有用である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、上皮に関係する状態の処置を必要としている獣医学的動物を含む動物における該状態の処置に有用である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、有効量の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIの化合物および/または記載のそのクラスおよびサブクラスを、投与を必要としているヒトを含む動物に投与するステップを含む。
本明細書のいくつかの実施形態では、皮膚または医療デバイス等の表面などの表面を消毒するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明はまた、式Iの化合物を提供する
[式中、Z、R
1、R
2およびR
3は、本明細書で定義の通りである]。
いくつかの実施形態では、本発明はまた、式IIの化合物を提供する
[式中、Z、G
1〜4、R
12、R
13、R
A、R
BおよびR
Cは、本明細書で定義の通りである]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗炎症活性を示す。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗炎症剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗菌活性を示す。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗菌剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗炎症活性ならびに抗菌活性の両方を示す。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗ざ瘡効果を示し、炎症性尋常性ざ瘡に関連する症状の処置、予防または緩和に有用である。いくつかの実施形態では、本発明は、P.acnesによって引き起こされるまたは悪化する尋常性ざ瘡の症状を処置、予防および/または緩和する方法を提供する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗ざ瘡活性を示すとみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗ざ瘡剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載され、定義されている式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの1つ以上の記載のイソプレニル化合物、ならびに薬学的に許容されるキャリアを含む、本発明による有用な薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載され、定義されている式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの化合物、ならびに薬用化粧上(cosmeceutically)許容されるキャリアを含む、本発明による有用な化粧品組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載され、定義されている式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの記載のイソプレニル化合物、ならびにキャリアを含む、本発明による有用な局所組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、消毒特性を示す。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、消毒剤として有用であり得る。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、消毒に有用であり、例えば消毒用組成物である。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、消毒剤として有用であり得る。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、表面(例えば、上皮表面、医療デバイス等)での使用に適し得る。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、上皮表面(例えば、皮膚、粘膜等)での使用に適し得る。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、粘膜(例えば、呼吸器、鼻腔、眼、口、膣、尿生殖器等の粘膜)での使用に適し得る。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌を死滅させる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌を不活化する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌の増殖を阻害する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌を除菌する(decolonize)。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、表面のバイオフィルムの細菌を除菌する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、表面でのバイオフィルムの形成を予防する。
定義
「N−アセチル−ファルネシル−S−システイン化合物」または「AFC化合物」または「記載のAFC化合物」または「イソプレニル化合物」または「記載のイソプレニル化合物」:本明細書で使用される場合、「N−アセチル−ファルネシル−S−システイン化合物」(または「AFC化合物」または「記載のAFC化合物」または「イソプレニル化合物」または「記載のイソプレニル化合物」)は、N−アセチル−ファルネシル−S−システイン(AFC)に構造的に関係する低分子化合物である。例えば、いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Iまたは式IIに記載の構造を有する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、構造Ia〜Ifのいずれかに記載の構造を有する。かかるいくつかの特定の実施形態では、Xは−OHである。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、表1に図示した化合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物はAFCである。
いくつかの実施形態では、用語「イソプレニル化合物」は、式I、式IIおよびIa〜Ifの化合物のプロドラッグおよび/またはエステルを包含し得る。本明細書で論じる通り、イソプレニル化合物は、塩の形態で提供され得る。特に、いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物は、上に列挙した式または本明細書に記載し、定義した式のクラスおよびサブクラスのいずれか1つの化合物の薬学的に許容される塩として提供される。
記載のイソプレニル化合物は、特に幾何異性体または立体異性体で存在することができる。本発明は、本発明の範囲に含まれるシス−およびトランス−異性体、R−およびS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物、および他のその混合物を含むすべてのかかるイソプレニル化合物を企図する。さらなる不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基内に存在することができる。すべてのかかる異性体、ならびにその混合物が、本発明に含まれるものとする。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に概説の構造のいずれかによって表される、単一の立体異性体であるイソプレニル化合物に関する。
「アシル」:本明細書で使用される場合、用語「アシル」は、ヒドロキシル基の除去により有機酸から形成される基を指す。
「追加の活性成分」:本明細書で使用される場合、句「追加の活性成分」は、薬理学的、皮膚科学的または任意の他の有益な活性を発揮する、記載のイソプレニル化合物以外の薬剤を指す。「他の有益な活性」は、本発明の組成物を使用して初めて被験体によってそれ自体感知される活性であり得ることを理解されたい。一般に、追加の活性成分は、その用語が本明細書で使用される場合、本発明の記載のイソプレニル化合物と組み合わせて投与される薬学的に活性な薬剤を指す。
「脂肪族」:用語「脂肪族」は、本明細書で使用される場合、1つ以上の官能基で必要に応じて置換されている、飽和および不飽和両方の、直鎖(すなわち、非有枝鎖)、有枝鎖、非環式、環式または多環式脂肪族炭化水素が含まれる。当業者に理解される通り、「脂肪族」は、本明細書では、それに限定されるものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル部分を含むことを企図する。したがって、本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖、有枝鎖および環式アルキル基(以下参照)を含む。「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般用語にも、類似の慣習が適用される。さらに、本明細書で使用される場合、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等は、置換基および非置換基の両方を包含する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜25個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜25、1〜24、1〜23、1〜22、1〜21、1〜20、1〜19、1〜18、1〜17、1〜16、1〜15、1〜14、1〜13、1〜12、1〜11、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜3または3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9、9〜10、10〜11、11〜12、12〜13、13〜14、14〜15、15〜16、16〜17、17〜18、18〜19、19〜20、20〜21、21〜22、22〜23、23〜24または24〜25個の脂肪族炭素原子を含有する。特定の実施形態では、「低級アルキル」は、本明細書で使用される場合、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、有枝鎖または非有枝鎖)を示すために使用される。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルなどの用語の一部が異なる総称(例えば、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ)の中で使用されるいくつかの実施形態では、存在する炭素原子の数に関して類似の慣習が適用されることを理解されたい。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルなどの用語の一部が異なる総称(例えば、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ)の中で使用されるいくつかの実施形態では、存在する炭素原子の数に関して類似の慣習が適用されることを理解されたい。
「アルケニル」:本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、単一の水素原子の除去により、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または有枝鎖の脂肪族部分に由来する一価の基を示す。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルケニル基は、10〜25個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルケニル基は、10〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルケニル基は、10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルケニル基は、15個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルケニル基は、20個の炭素原子を含有する。アルケニル基には、例えば、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘニコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ならびにオクタデカ−9,12−ジエニル、オクタデカ−9,12,15−トリエニルおよびエイコサ−5,8,11,14−テトラエニルを含む多価不飽和のアルケン等が含まれる。
「アルキル」:本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、単一の水素原子の除去により、1〜25個の炭素原子を含有する脂肪族部分に由来する、飽和、直鎖または有枝鎖の炭化水素基を意味する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、10〜25個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、10〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキル基は、10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキル基は、15個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキル基は、20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を含有する。アルキル基の例には、それに限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ファルネシル、フィチル、ゲラニル、ゲラニルゲラニル等が含まれる。
「アルキルアミノ」:用語「アルキルアミノ」は、R’が本明細書で定義の脂肪族である構造−NHR’を有する基を指す。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。特定の他の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、本発明で使用される脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。アルキルアミノ基の例には、それに限定されるものではないが、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソ−プロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n−ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が含まれる。特定の実施形態では、「アルキルアミノ」基の「アルキル」部分は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。
「アルキレン」:用語「アルキレン」は、二価の置換または非置換のアルキル基を指す。別段特定されない限り、アルキレン基は、1〜25個の脂肪族炭素原子を含有する。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち−(CH2)n−であり、ここで、nは、正の整数、好ましくは1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜3または3〜4、4〜5、5〜6である。置換アルキレン鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が置換基で置き換えられているポリメチレン基である。適切な置換基には、置換脂肪族基について本明細書に記載の置換基が含まれる。
「アルキニル」:本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、単一の水素原子の除去により、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖または有枝鎖の炭化水素部分に由来する一価の基を示す。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキニル基は、10〜25個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキニル基は、10〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキニル基は、10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキニル基は、15個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキニル基は、20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用されるアルキニル基は、3個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基には、それに限定されるものではないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル等が含まれる。
「アルコキシ」または「チオアルキル」:用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書で使用される場合、酸素原子または硫黄原子を介して親分子に結合している既に定義のアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族(alipahtic)炭素原子を含有する。特定の他の実施形態では、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。アルコキシの例には、それに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシおよびn−ヘキソキシが含まれる。チオアルキルの例には、それに限定されるものではないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ等が含まれる。特定の実施形態では、「アルコキシ」または「チオアルキル」基の「アルコ(alk)」または「アルキル」部分は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。
「動物」:動物という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトならびに例えば哺乳動物、鳥、爬虫類、両生類および魚を含む非ヒト動物を指す。好ましくは、非ヒト動物は、哺乳動物である(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類またはブタ)。非ヒト動物は、トランスジェニック動物であってよい。いくつかの実施形態では、動物という用語は、獣医学的動物(例えば、鳥、ウマ、ウシ、霊長類、イヌ、ネコ、マウス、げっ歯類またはブタ)を指すために使用される。
「抗ざ瘡剤」:本明細書で使用される場合、用語「抗ざ瘡剤」は、ざ瘡面皰(comedomes)または微小面皰(microcomedomes)部位に局所投与される場合に尋常性ざ瘡の上皮の状態に関連する症状を目に見えるほど低減する化学物質の群を指す。代表的な抗ざ瘡剤には、例えば、サリチル酸、硫黄、グリコール酸、ピルビン酸、レゾルシノールおよびN−アセチルシステイン;ならびにレチノイン酸およびその誘導体(例えば、シスおよびトランスエステル)などのレチノイドなどの角質溶解薬が含まれる。
「抗菌剤」:本明細書で使用される場合、用語「抗菌剤」は、細菌の増殖を阻害し、または細菌を死滅させ、または表面の細菌を除菌する薬剤を指す。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、殺菌効果を有することができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、静菌(bacteristatic)効果を有することができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、殺菌効果および静菌効果の両方を有することができる。本明細書で使用される場合、用語「抗菌剤」は、抗菌化合物または薬学的に許容されるその塩の両方を指す。
「抗生物質剤」:本明細書で使用される場合、用語「抗生物質剤」は、主に感染性疾患の処置に使用される、細菌および他の微生物の増殖を阻害し、または細菌および他の微生物を破壊する能力を有する、天然源から単離される、または天然源から単離された抗生物質剤に由来する化学物質の群のいずれかを意味する。抗生物質剤の例には、それに限定されるものではないが、ペニシリンG;メチシリン;ナフシリン;オキサシリン;クロキサシリン;ジクロキサシリン;アンピシリン;アモキシシリン;チカルシリン;カルベニシリン;メズロシリン;アズロシリン;ピペラシリン;イミペネム;アズトレオナム;セファロチン;セファクロール;セフォキシチン;セフロキシム;セフォニシド;セフメタゾール(Cefinetazole);セフォテタン;セフプロジル;ロラカルベフ;セフェタメト;セフォペラゾン;セフォタキシム;セフチゾキシム;セフトリアキソン;セフタジジム;セフェピム;セフィキシム;セフポドキシム;セフスロジン;フレロキサシン;ナリジクス酸;ノルフロキサシン;シプロフロキサシン;オフロキサシン;エノキサシン;ロメフロキサシン;シノキサシン;ドキシサイクリン;ミノサイクリン;テトラサイクリン;アミカシン;ゲンタマイシン;カナマイシン;ネチルマイシン;トブラマイシン;ストレプトマイシン;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;エリスロマイシン;エリスロマイシンエストレート;エチルコハク酸エリスロマイシン;グルコヘプタン酸エリスロマイシン;ラクトビオン酸エリスロマイシン;ステアリン酸エリスロマイシン;バンコマイシン;テイコプラニン;クロラムフェニコール;クリンダマイシン;トリメトプリム;スルファメトキサゾール;ニトロフラントイン;リファンピン;ムピロシン;メトロニダゾール;セファレキシン;ロキシスロマイシン;Co−アモキシクラブアネート(amoxiclavuanate);ピペラシリンおよびタゾバクタムの組合せ;ならびにそれらの様々な塩、酸、塩基および他の誘導体が含まれる。抗菌抗生物質剤には、それに限定されるものではないが、ペニシリン、セファロスポリン、カルバセフェム、セファマイシン、カルバペネム、モノバクタム、アミノグリコシド、グリコペプチド、キノロン、テトラサイクリン、マイクロライド、スルホンアミド、フルオロキノロンおよびリンコサミドが含まれる。
「消毒剤」:本明細書で使用される場合、用語「消毒(antiseptic)剤」は、病原菌または非病原菌を死滅させる化学薬剤を指す。消毒剤は、特に硬質表面を処理するために使用される場合、「消毒(disinfectant)剤」と呼ばれることがある。
「ふけ防止剤」:本明細書で使用される場合、用語「ふけ防止剤」は、白色または灰色がかった小鱗片となって剥がれる、特に頭皮の皮膚上に形成されるふけを低減し、排除し、または予防する薬剤である。本発明の状況で使用できる例示的なふけ防止成分には、それに限定されるものではないが、ブトコナゾール、クリンバゾール、コールタール、クロトリマゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、イミダゾール(例えば、フルコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、亜硝酸ミコナゾール(miconazolenitrite)、ポビドンヨード、スルコナゾール、チオコナゾール)、サリチル酸、セレンスルフィド、シェール油等(例えば、スルホン化シェール油)、硫黄、亜鉛ピリチオン等、ならびにアンスラリン、ピロクトンオラミン(Octopirox)、セレンスルフィドおよびシクロピロックスオラミンなどのその任意の可能な立体異性体、ならびにその組合せが含まれる。
「抗ヒスタミン剤」:本明細書で使用される場合、用語「抗ヒスタミン剤」は、体内のヒスタミンに対抗し、アレルギー反応(枯草熱など)および感冒症状を処置するために使用される薬剤である。本発明の状況で使用できる抗ヒスタミン剤の非限定的な例には、アステミゾール、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、ピペリジン、ピペラジン、プロメタジン、テルフェナジンおよびトリポリジン(tripolidine)、ならびにその組合せが含まれる。
「抗刺激剤」:用語「抗刺激剤」は、本明細書で使用される場合、体部位(例えば、皮膚)の触痛、荒れまたは炎症を予防または低減する薬剤である。現在公知の抗刺激剤は、水溶性抗刺激剤および水不溶性抗刺激剤に分類することができる。かかる組成物の代表例は、例えば参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,482,710号に記載されている。本発明の状況で使用できる適切な抗刺激剤には、例えばステロイド系および非ステロイド系抗炎症剤、またはアラントイン、アロエベラ、アルファ−ビサボロール、カフェイン、カモミレ、コーラノキ(cola nitida)抽出物、緑茶抽出物、グリシルリジン酸、甘草抽出物、ティーツリー油もしくは他のキサンチンおよびその組合せなどの他の材料が含まれる。
「抗酸化剤」:本明細書で使用される場合、用語「抗酸化剤」は、酸素またはペルオキシドまたは他のフリーラジカルおよび/またはフリーラジカル中間体によって促進される酸化または反応を阻害する薬剤である。本発明の状況で使用できる抗酸化剤の非限定的な例には、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、アルギニンピロレート(pilolate)、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、脂肪酸、アスコルビン酸等のアスコルビルエステル(例えば、アスコルビルリン酸マグネシウム(magnesium ascorbyl phosphate)、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルソルビン酸)、バイオフラボノイド、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびそれらの塩、クルクミン、ジヒドロキシフマル酸およびその塩、没食子酸およびそのアルキルエステル(例えば、没食子酸プロピル、尿酸およびその塩、ならびにアルキルエステル)、グリシンピドロ酸(glycine pidolate)、ブドウの果皮/種子抽出物、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商標Trolox(登録商標)で市販)、リポ酸、リシン、メラニン、メチオニン、ノルジヒドログアヤレチン酸、プロリン、ローズマリー抽出物、シリマリン、ソルビン酸およびその塩、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、スーパーオキシドジスムターゼ、茶抽出物、酢酸トコフェロール、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロールおよびトコフェロールの他のエステル、ならびにその組合せが含まれる。
「皮膚萎縮防止剤(abti−skin atrophy agent)」:本明細書で使用される場合、用語「皮膚萎縮防止剤」は、自然な落屑過程を促進または維持することによって表皮層を補充または回復させるのに有効な薬剤である。本発明の状況で使用できるしわ防止活性剤および抗皮膚萎縮活性剤の例には、アルファ−ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸および乳酸)、リポ酸、リゾホスファチジン酸、フィチン酸、レチノイン酸、そのプロドラッグ、異性体(例えば、シスおよびトランス)およびその類似体、サリチル酸等、硬化剤または硬化薬、皮膚剥離剤(例えば、フェノール等)、硫黄を含有するDおよびLアミノ酸等および関係する塩(例えば、N−アセチルL−システインなどのN−アセチル誘導体)、ならびにチオール(例えば、エタンチオール)が含まれる。
「麻酔薬」:用語「麻酔薬」は、本明細書で使用される場合、感覚の低減または喪失をもたらす薬剤である。本発明の状況における使用に適した麻酔薬物の非限定的な例には、ブピバカイン、クロロプロカイン(chlorprocaine)、コカイン、ジブカイン、ジクロニン、エチドカイン、ヘキシルカイン、ケタミン、リドカイン、メピバカイン、フェノール、プラモキシン、プロカインおよびテトラカインの薬学的に許容される塩が含まれる。
「アリール」および「ヘテロアリール」:一般に、単独で、または「アリールアルキル」、「アリールオキシ」、「ヘテロアリールオキシ」もしくは「ヘテロアリールアルキル」に見られるより大きい部分の一部として使用される用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する安定な単環式または多環式、複素環式およびポリヘテロ環式不飽和部分を指し、その炭素のそれぞれは置換されていても置換されていなくてもよい。置換基には、それに限定されるものではないが、安定な化合物を形成する前述の置換基、すなわち脂肪族部分または本明細書に開示の他の部分について列挙した置換基のいずれかが含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、「アリール」は、それに限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル等を含む1つまたは2つの芳香族環を有する単環式または二環式の炭素環式環系を指す。本発明のいくつかの実施形態では、用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、5〜10個の環原子を有する環式芳香族基を指し、そのうち1個の環原子は、S、OおよびNから選択され、0個、1個または2個の環原子は、S、OおよびNから独立に選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素であり、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどの環式芳香族基は、環原子のいずれかを介して分子の残りに結合している。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用することができる。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」と交換可能に使用することができる。
アリール基およびヘテロアリール基は、非置換であるか、または置換されていてよく、ここで、置換には、それに限定されるものではないが以下の、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;−F;−Cl;−Br;−I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rx(ここで、Rxのそれぞれの存在には、独立に、それに限定されるものではないが、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルが含まれる)を含む部分の任意の1つ以上による、そのアリール基およびヘテロアリール基上の水素原子の1個、2個、3個または4個以上の置き換えが含まれ、ここで、上記および本明細書に記載の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖の、環式または非環式であってよく、そして、ここで、上記および本明細書に記載のアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換されていても置換されていなくてもよいことを理解されよう。一般に適用できる置換基のさらなる例は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって例示される。
「アリーレン」および「ヘテロアリーレン」:用語「アリーレン」は、炭素環式および芳香族である、置換されていないか、または置換されている二価の基を指す。いくつかの実施形態では、アリーレン基の環は、互いに縮合している。いくつかの実施形態では、アリーレン基の環は縮合していないが、それにもかかわらず、結合している。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、いくつかの縮合環およびいくつかの結合環(connected ring)を含む。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、芳香族環を含む。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、非芳香族環を含む。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、いくつかの芳香族環およびいくつかの非芳香族環を含む。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、最大5個の環、最大4個の環、最大3個の環、最大2個の環、または1個の芳香族環を有する。例えば、アリーレン基はフェニレンであってよい。例示的なアリーレン基には、「アリール」基から対応する「アリーレン」基に到達するのに二価性が必要とされるという理解の下で、本明細書に列挙した「アリール」部分のいずれかが含まれる。「アリーレン」基の例示的な置換基には、独立に、本明細書で定義の「アリール」および「ヘテロアリール」に対して適用できる部分の任意の1つ以上による、そのアリーレン基上の1個、2個、3個または4個以上の水素原子の置き換えが含まれる。「アリーレン」の炭素環原子は、S、OおよびNから独立に選択される1個、2個または3個のヘテロ原子によって置き換えることができると同時に、残りの環原子は炭素であり、二価の基は任意の2つの環原子を介して分子の残りに結合して「ヘテロアリーレン」を形成することを、当業者は理解されよう。例示的な「ヘテロアリーレン」基には、「ヘテロアリール」基から対応する「ヘテロアリーレン」基に到達するのに二価性が必要とされるという理解の下で、本明細書に列挙した「ヘテロアリール」部分のいずれかが含まれる。
「関連する」:2つの実体が本明細書に記載の通り互いに「関連する」場合、2つの実体は、直接的または間接的な共有結合性または非共有結合性の相互作用によって連結している。好ましくは、関連は共有結合性である。望ましい非共有結合性の相互反応には、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁気相互作用、静電相互作用等が含まれる。
「収斂薬」:本明細書で使用される場合、用語「収斂薬」は、身体組織を一緒に引き寄せ、または収縮させ、血液または他の分泌物の流れを停止させるのに有効な薬剤である。いくつかの実施形態では、収斂薬は血液を凝固させ、したがって出血を抑止するために使用することができる。いくつかの実施形態では、収斂薬は、治癒を促進し、皮膚を強靭にし、そして/または発汗を低減させる。いくつかの実施形態では、収斂薬は、タンパク質沈殿剤である。一般に、収斂薬は細胞浸透性が低く、したがってそれらの作用は、細胞表面および/または間質(interstitial space)に限定される。いくつかの実施形態では、収斂薬の作用は、収斂薬が適用される組織を収縮させ、しわを寄せることによって達成される。いくつかの実施形態では、収斂薬の適用は、レシピエントの組織を漂白する(blanch)ことによって達成される。いくつかの実施形態では、収斂薬は、アルミニウム、ビスマス、鉄、マンガン、亜鉛などの1つ以上の薬剤を含む。あるいはおよび/またはさらに、かかる薬剤は、例えば薬学的に許容される塩の形態を含む様々な形態のいずれかで提供することができる。
「二価の、有枝鎖または非有枝鎖の、飽和または不飽和のC2〜C6(例えば、C2、C3、C4、C5またはC6)炭化水素鎖」:本明細書で使用される場合、用語「二価の、有枝鎖または非有枝鎖の、飽和または不飽和のC2〜C6(例えば、C2、C3、C4、C5またはC6)炭化水素鎖」は、本明細書で定義の通り、直鎖または有枝鎖の二価のアルキレン、アルケニレンおよびアルキニレン鎖を指す。
「キャリア」:用語「キャリア」は、薬学的組成物に含まれるが、やはり該組成物に含まれる薬学的に活性な薬剤(複数可)の生物学的活性を抑制しない材料を指すために、当技術分野で理解されているその意味に従って使用される。一般に、キャリアは、かかる組成物が投与されることになる動物にとって毒性が非常に低い。いくつかの実施形態では、キャリアは不活性である。いくつかの実施形態では、キャリアは、積極的に有益である(例えば、薬学的および/または化粧上の利益を提供する)。いくつかの実施形態では、記載の式I、I’および/またはIaのイソプレニル化合物は、許容されるキャリアとして作用する。いくつかの実施形態では、AFCは、許容されるキャリアとして作用する。いくつかの実施形態では、用語「キャリア」は、薬学的状況で使用される場合(例えば、薬学的に許容されるキャリア)、薬剤が組成物中に存在するが、組成物中に存在する別の薬剤(複数可)の生物学的活性を抑制しないことを意味する。いくつかの実施形態では、用語「キャリア」は、化粧上の状況で使用される場合(例えば、化粧上許容されるキャリア)、薬剤が組成物中に存在するが、組成物中に存在する別の薬剤(複数可)の生物学的活性および/または審美的効果を抑制しないことを意味する。いくつかの実施形態では、化粧上許容されるキャリアは、化粧品に含まれる記載のイソプレニル化合物が安定であり、生体利用可能なままである、化粧品を局所投与するために使用される。本明細書で定義の「化粧上許容されるキャリア」および「キャリア」は、性質が、しばしば同じとは言わないまでも類似していることを理解されよう。いくつかの実施形態では、用語「キャリア」は、薬用化粧上の状況で使用される場合(例えば、薬用化粧品のキャリア)、薬剤が組成物中に存在するが、組成物中に存在する別の薬剤(複数可)の生物学的活性および審美的効果を抑制しないことを意味する。
「腐食剤」:本明細書で使用される場合、用語「腐食剤」は、化学作用によって上皮組織を破壊または侵食することができる薬剤である。腐食剤は、死滅した皮膚細胞を除去するために使用することができる。例えば、強力な角質溶解(kerolytic)効果を有する天然由来の酸であるベータ−ヒドロキシ酸は、問題のある皮膚または剥離に有用である。
「キレート剤」:用語「キレート剤」は、本明細書で使用される場合、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)および銅(Cu2+)などの金属イオンと結合して、キレートとして公知の金属錯体を形成する薬剤である。いくつかの実施形態では、キレート剤はリガンドである。いくつかの実施形態では、キレート剤は原子である。いくつかの実施形態では、キレート剤はイオンである。いくつかの実施形態では、キレート剤は電子供与体である。いくつかの実施形態では、薬学的(pharmaceuctical)組成物は、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、EDTA誘導体またはその組合せなどの弱い薬剤)を含有することができる。いくつかの実施形態では、キレート剤は、組成物の保存剤または保存系を強化する。
「着色剤」:本明細書で使用される場合、用語「着色剤」は、化粧上の利益が必要とされる場合に、毛髪の色を変化させるのに使用される色素および/もしくは染料またはその組合せを指す。いくつかの実施形態では、「着色剤」に含まれる色素には、それに限定されるものではないが、酸化鉄および酸化チタンが含まれる。いくつかの実施形態では、「着色剤」に含まれる染料には、D&C承認の着色剤、FD&C承認の着色剤、ならびに欧州および日本での使用が承認されている染料が含まれる。参照によって本明細書に組み込まれるMarmion,D. M.、Handbook of US Colorants for Food,Drugs,Cosmetics,and Medical Devices、第3版、1991年参照。
「適合性がある」:用語「適合性がある」は、本明細書で使用される場合、通常の使用条件下で組成物の効力を実質的に低減するおそれがある相互作用が生じないような方式で、かかる組成物の構成要素を互いに組み合わせることができることを意味する。
「除菌」:本明細書で使用される場合、用語「除菌」は、必ずしも直接の臨床症状を引き起こさない、皮膚表面などの組織内部または組織表面に存在する細菌の数を低減することを指す。
「粘滑薬」:本明細書で使用される場合、用語「粘滑薬」は、主に、特に粘膜または擦過組織への刺激を軽減するために使用される薬剤である。例示的な粘滑薬には、アカシア、寒天、アルギネート、漿剤、安息香、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロゲル、デキストリン、デンプン、特定の糖類およびポリマー性多価グリコール、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガント、ならびにその組合せが含まれる。
「脱臭剤」:本明細書で使用される場合、用語「脱臭剤」は、発汗または他の体臭を阻害または遮蔽するための物質を指す。本発明の状況で使用できる脱臭剤の代表例には、それに限定されるものではないが、第4級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ラウロイルサルコシン、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、N−ラウリルサルコシンナトリウム、N−パルミチル(palmlthyl)サルコシンナトリウム、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシンカリウム、ステアリル、塩化トリメチルアンモニウム、塩化トリセチルメチルアンモニウム、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、L−リシンヘキサデシルアミドなどのジアミノアルキルアミド、クエン酸、サリチル酸、およびピロクトース(piroctose)の重金属塩、特にその亜鉛塩およびその酸、ピリチオンの重金属塩、特に亜鉛ピリチオン、およびフェノールスルホン酸亜鉛が含まれる。他の脱臭剤には、それに限定されるものではないが、炭酸塩および重炭酸塩(例えば、炭酸および重炭酸のアルカリ金属塩、炭酸アンモニウムおよび重炭酸アンモニウムおよび炭酸テトラアルキルアンモニウムおよび重炭酸テトラアルキルアンモニウム、特にナトリウムおよびカリウム塩として)またはその組合せなどの、匂いを吸収する材料が含まれる。
「ジアルキルアミノ」:用語「ジアルキルアミノ」は、構造−NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ本明細書で定義の脂肪族基である)を有する基を指す。RおよびR’は、ジアルキルアミノ(dialkyamino)部分において同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。特定の他の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、本発明で使用される脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらなる他の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。ジアルキルアミノ基の例には、それに限定されるものではないが、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソ−プロピル)アミノ、ジ(シクロプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジ(ネオペンチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(ヘキシル)アミノ、ジ(シクロヘキシル)アミノ等が含まれる。いくつかの実施形態では、RおよびR’は連結して環式構造を形成する。得られた環式構造は、芳香族または非芳香族であり得る。環式ジアミノアルキル基の例には、それに限定されるものではないが、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、1,3,4−トリアゾリル(trianolyl)およびテトラゾリルが含まれる。特定の実施形態では、「ジアルキルアミノ」基の「アルキル」部分は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。
「有効量」:一般に、活性剤(例えば、治療剤、組成物および/または処方物)の「有効量」は、所望の生物学的応答を引き出すのに十分な量を指す。いくつかの実施形態では、物質の治療有効量は、疾患、障害および/または状態に罹患しているまたは罹患しやすい被験体に投与される場合に、その疾患、障害および/または状態の1つ以上の症状を処置し、診断し、予防し、そして/またはその発症を遅延させるのに十分な量である。当業者に理解される通り、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、化合物の薬物動態、標的細胞または組織、処置を受ける疾患、投与方法、および患者などの因子に応じて変わり得る。例えば、疾患、障害および/または状態を処置するための組成物および/または処方物の有効量は、その疾患、障害および/または状態の1つ以上の症状または特徴を軽減、緩和、救済、阻害し、その発症を遅延させ、重症度を低減し、そして/または発生率を低減する量である。一般に、治療有効量は、一連の個々の用量全体にわたって投与されることを当業者は理解されよう。いくつかの実施形態では、用語「有効量」は、薬学的状況で使用される場合(例えば、薬学的に有効な量)は、薬剤が所望の治療効果を達成するのに十分な量で存在することを意味する。いくつかの実施形態では、用語「有効量」は、化粧上の状況で使用される場合(例えば、化粧上有効な量)、薬剤が審美的効果を達成するのに十分な量で存在することを意味する。いくつかの実施形態では、用語「有効量」は、薬用化粧上の状況で使用される場合(例えば、薬用化粧上有効な量)、薬物が治療上および/または審美上の効果を達成するのに十分な量で存在することを意味する。
「皮膚軟化剤」:本明細書で使用される場合、用語「皮膚軟化剤」は、組織の含水量を増大することにより、皮膚を柔らかく、より柔軟にする薬剤を指す。皮膚の含水量の増大は、湿潤剤により皮膚の保水能を増大させ、または最外皮膚層である角質層の落屑を変化させて、閉塞性の水非混和性バリアにより水の喪失を予防することによって達成され得る。いくつかの実施形態(embodiements)では、「皮膚軟化剤」は、一般に、特に皮膚に局所適用できる無刺激性の脂肪材料または油性材料である。有用な皮膚軟化剤には、セチルアルコール、グリセリン、親水性ワセリン、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン、鉱油、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、パラフィン、ワセリン、鯨ろう、植物油、ワックス、白色軟膏、白色ワセリン、黄色軟膏またはその組合せが含まれる。
「乳化剤」:用語「乳化剤」は、本明細書で使用される場合、エマルジョンの形成および安定化を促進する。適切な乳化剤は、天然材料または合成材料の微粉化固体であってよい。天然乳化剤は、動物源のまたは植物源のいずれかに由来し得る。動物源由来の乳化剤には、カゼイン、コレステロール、卵黄、ゼラチンもしくは羊毛脂、またはその組合せが含まれる。植物源由来の乳化剤には、アカシア、ツノマタ属、ペクチンもしくはトラガント、またはその組合せが含まれる。具体的にはセルロース誘導体由来の植物源には、粘度を増加させるためのカルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースが含まれる。微粉化乳化剤には、水酸化アルミニウム、ベントナイト、水酸化マグネシウムまたは三ケイ酸(trisylicate)マグネシウムが含まれる。合成薬剤には、アニオン性、カチオン性または非イオン性薬剤が含まれ、塩化ベンザルコニウム、モノステアリン酸ポリエチレングリコール400、ラウリル硫酸ナトリウムまたはその組合せが含まれる。
「芳香剤」:本明細書で使用される場合、用語「芳香剤」は、心地良い芳香を有する薬剤を指す。適切な芳香剤には、それに限定されるものではないが、合成ショウノウ、カモミレ、チョウジ油、ユーカリ油、ラベンダー、ペパーミント油等が含まれる。
「ヘアコンディショニング剤」:本明細書で使用される場合、用語「ヘアコンディショニング剤」は、毛髪の調子を整えるため(例えば、毛髪の状態をさらに改善するため)に使用するのに適した薬剤を指す。いくつかの実施形態では、代表的なヘアコンディショニング剤には、例えば、1つ以上のアルコキシル化アルコール、アルコキシル化アミド、アルコキシル化カルボン酸、カチオン性界面活性剤、コラーゲン、ジメチコンポリオール、エステル(例えば、グリセリルエステル)、ハロゲン化第4級アンモニウム化合物、ケラチン、変性シリコーン、タンパク質、ポリマーエーテル、第4級アンモニウム化合物もしくはソルビタン誘導体、またはその組合せが含まれる。
「ハロ」および「ハロゲン」:用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
「ヘテロ脂肪族」:用語「ヘテロ脂肪族」、本明細書で使用される場合、例えば、炭素原子の代わりに1つ以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子を含有する脂肪族部分を指す。ヘテロ脂肪族部分は、有枝鎖、非有枝鎖の、環式または非環式であってよく、これには、モルホリノ、ピロリジニルなどの飽和および不飽和の複素環が含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、それに限定されるものではないが、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;−F;−Cl;−Br;−I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rx(ここで、Rxのそれぞれの存在には、独立に、それに限定されるものではないが、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルが含まれる)を含む1つ以上の部分により、そのヘテロ脂肪族部分上の水素原子の1つ以上が独立に置き換えられることによって置換されており、ここで、上記および本明細書に記載の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖の、環式または非環式であってよく、そして、ここで、上記および本明細書に記載のアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換または非置換であってよい。一般に適用できる置換基のさらなる例は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって例示される。
「ヘテロ原子」:本明細書で使用される場合、用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素の1つ以上を意味する(窒素、硫黄、リンもしくはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または複素環式環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルに見られるような)、NH(ピロリジニルに見られるような)またはNRx(N置換ピロリジニルに見られるような)を含む)。
「複素環」または「ヘテロシクリル」:本明細書で使用される場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式基」および「複素環式環」は交換可能に使用され、飽和しているか、または部分的に不飽和であり、炭素原子に加えて窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1つ以上の、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する安定な3〜7員の単環式または7〜10員の二環式複素環式部分を指す。複素環の環原子に言及して使用される場合、用語「窒素」には、置換されている窒素が含まれる。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、飽和しているか、または部分的に不飽和の環では、その窒素はN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルに見られるような)、NH(ピロリジニルに見られるような)またはNRx(N置換ピロリジニルに見られるような)であってよい。
複素環式環は、そのペンダント基に、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で結合していてもよく、その環原子のいずれかは、必要に応じて置換されていてもよい。かかる飽和しているか、または部分的に不飽和の複素環式基の例には、それに限定されるものではないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキザゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキソアゼピニル(oxazepinyl)、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが含まれる。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」および「複素環式基」は、本明細書では交換可能に使用され、これには、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの、ヘテロシクリル環が1つ以上のアリール、ヘテロアリールまたは脂環式環に縮合している基も含まれ、この場合、結合基または結合点はヘテロシクリル環上にある。特定の実施形態では、ヘテロシクリル環の1つ以上の炭素原子は、オキソ基で置換されていてもよい。かかる基の例には、それに限定されるものではないが、インドリン−1,3−ジオン部分が含まれる。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であってよい。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルによって置換されているアルキル基を指し、そのアルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立に、必要に応じて置換されている。
「ホルモン」:本明細書で使用される場合、用語「ホルモン」は、血液によって移動して他の場所で活性を誘起する、身体器官によって生成される天然物質またはそれらの合成類似体を指す。本発明の状況における使用に適したホルモンには、それに限定されるものではないが、カルシフェロール(ビタミンD3)およびその産物、アンドロゲン、エストロゲンならびにプロゲステロンが含まれる。
「炭化水素」:用語「炭化水素」は、本明細書で使用される場合、水素および炭素を含む任意の化学基を指す。いくつかの実施形態では、炭化水素は、水素および炭素からなる。炭化水素は、置換されていても置換されていなくてもよい。炭化水素は、不飽和、飽和、有枝鎖、非有枝鎖、環式または多環式であってよい。例示的な炭化水素には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル、n−ブチル、tert−ブチル、エチニル、シクロヘキシル、メトキシ、ジエチルアミノ等が含まれる。当業者に公知の通り、どんな置換をもたらすにもすべての原子価が満たされなければならない。本明細書で使用される場合、「二価の炭化水素」は、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン等を指す。
「脱色剤」:本明細書で使用される場合、用語「脱色剤(hypopigmenting agent)」は、皮膚を脱染料することができる物質を指す。適切な脱色剤には、ヒドロキノン、メキノール、ならびにセリンプロテアーゼ阻害剤、活性な大豆およびレチノイン酸を含む様々なプロテアーゼ阻害剤が含まれる。
「組み合わせて」:本明細書で使用される場合、句「組み合わせて」は、被験体に同時に投与される薬剤を指す。被験体が薬剤の両方(またはそれより多く)に同時に曝露されるときはいつでも、2つ以上の薬剤が「組み合わせて」投与されるとみなされることを理解されよう。2つ以上の薬剤のそれぞれは、異なるスケジュールに従って投与することができるが、異なる薬剤の個々の用量が同時に、または同じ組成物として投与される必要はない。むしろ、両方(またはそれより多く)の薬剤が被験体の体内に残存する限り、それらの薬剤は「組み合わせて」投与されるとみなされる。
「独立に選択される」:用語「独立に選択される」は、本明細書では、R基が同じでも異なっていてもよいことを示すために使用される。
「刺激物質」:本明細書で使用される場合、用語「刺激物質」は、皮膚上で局所的に作用して、刺激物質の濃度に基づいて充血、炎症および乾燥を誘発する材料である。刺激剤には、それに限定されるものではないが、アルコール、芳香アンモニア精、安息香チンキ、ショウノウ トウガラシおよびコールタール抽出物が含まれる。いくつかの実施形態では、刺激物質は発赤剤である。
「角質溶解薬」:本明細書で使用される場合、「角質溶解薬」(落屑剤)は、角質層の外層を除去する作用をする。これは特に、角質増殖性領域において有用である。角質溶解薬には、ベンゾイルペルオキシド、フルオロウラシル、レゾルシノール、サリチル酸、トレチノイン等が含まれる。
「保湿剤」:本明細書で使用される場合、「保湿剤」は、皮膚に湿気を添加または回復させる物質である。本発明で使用できる保湿剤または湿潤剤の代表例には、それに限定されるものではないが、アセトアミドモノエタノールアミンウラゾール、アロエベラ、その様々な形態のいずれか(例えば、アロエベラゲル)、アラントイン、グアニジン、グリコール酸およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウム塩および四級アルキルアンモニウム塩)、ヒアルロン酸、ラクトアミドモノエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシアルコール(例えば、ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール等)、糖類およびデンプン、糖およびデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、ならびにその任意の組合せが含まれる。
「非ステロイド系抗炎症剤」:本明細書で使用される場合、用語「非ステロイド系抗炎症剤」は、アセトアミノフェン、Advil(登録商標)、Aleve(登録商標)、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウムおよびTylenol(登録商標)を含む、それらの作用がアスピリンに似ている薬剤の大きな群を指す。本発明の状況で使用できる非ステロイド系抗炎症剤のさらなる例には、それに限定されるものではないが、酢酸誘導体(例えば、アセメタシン(acematacin)、クリンダナク、ジクロフェナク、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンチアザク、フロフェナク、インドメタシン、イソキセパク(isoxepac)、ケトロラク、オキセピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシンおよびゾメピラク(zomepirac))、ベノリレート、ジフルニサル、ジサルシド、フェナメート(例えば、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸およびトルフェナム酸)、フェンドサル、オキシカム(例えば、CP−14,304、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicarn)およびテノキシカム)、プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン(indopropfen)、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェンおよびチオキサプロフェン)、ピラゾール(例えば、アザプロパゾン、フェプラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾンおよびトリメタゾン)、サファプリン(safapryn)、ソルプリン(solprin)、トリリセート(trilisate)が含まれる。
「浸透促進剤」および「薬学的に許容される浸透促進剤」:用語「浸透促進剤」および「薬学的に許容される浸透促進剤」は、本明細書で使用される場合、局所組成物の生体利用能を改善する非毒性の薬剤である。いくつかの実施形態では、浸透促進剤は、皮膚を介する物質の送達を加速することが公知である(例えば、微生物および毒素に対する皮膚のバリア効果を損なうことなく、皮膚のバリア機能を撹乱する)。一般に、浸透促進剤は、予定のレシピエント(例えば、ヒト)の皮膚に対して非毒性であるように選択される。また浸透促進剤は、共に投与される任意の薬学的に活性な薬剤と適合性があることが望ましい。代表的な浸透促進剤には、例えばそれに限定されるものではないが、1−置換アザシクロヘプタン−2−オン(例えば、1−n−ドデシルシクロアザシクロヘプタン(cyclazacycloheptan)−2−オン、Whitby Research Incorporated、Richmond、Va.から商標Azone(登録商標)で利用可能)、双極性−非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(「DMA」)、デシルメチルスルホキシド(「C10MSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)およびN−メチル−2−ピロリドン(「NMP」))、リン脂質(例えば、アラントイン、脂肪酸アルコール、レシチン、グリセロールを含むアルコール、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート(「PGML」)、グリセロールモノラウレート(「GML」)、ウラゾール等)などの薬剤が含まれる。浸透促進剤は、それに限定されるものではないが、トウモロコシ油、綿実油、ベニバナ油およびオリーブ油などの植物油であってもよい。さらなる浸透促進剤は、一般に、参照によって本明細書に組み込まれるRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版(Gennaro、A. R.ら編集)Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia(2000年)に見出すことができる。
「pH調整剤」:本明細書で使用される場合、用語「pH調整剤」は、本明細書で使用される場合、適切なpHの特性(例えば、実質的に中性のpH)を本明細書で提供される組成物に付与する薬剤であり、組成物のpHは、該組成物の具体的な利用に応じて決まる。いくつかの実施形態では、皮膚のpHが5.5である場合、約4.0〜約7.0の範囲、または約5.0〜6.0の範囲、または約5.5、または実質的に5.5のpH値を有する、局所皮膚適用のための組成物を処方することが望ましい(刺激を回避するため)。適切なpH調整剤には、例えば、それに限定されるものではないが、1つ以上のアジピン酸、緩衝剤、クエン酸、水酸化カルシウム、グリシン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、またはその組合せが含まれる。
「薬学的に許容されるエステル」:用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加水分解されるエステルを指し、これにはヒトの体内で容易に分解して親化合物またはその塩を離すエステルが含まれる。適切なエステル基には、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカノン酸、アルケノン酸、シクロアルカノン酸およびアルカン二酸に由来する基が含まれ、これらの基の各アルキルまたはアルケニル部分は、有利には6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例には、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが含まれる。いくつかの実施形態では、エステルは、エステラーゼなどの酵素によって開裂する。
「薬学的に許容されるプロドラッグ」:用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、本明細書で使用される場合、良好な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしにヒトおよび低級動物の組織と接触させて使用するために適しており、妥当な損益比に見合っており、それらの予定の使用に対して有効な本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに可能な場合には本発明の化合物の双性イオン形態を指す。用語「プロドラッグ」は、インビボで急速に形質転換して、例えば血中の加水分解によって上記の式の親化合物をもたらす化合物を指す。詳細な議論は、T. HiguchiおよびV. Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、A.C.S. Symposium Seriesの第14巻、ならびにEdward B. Roche編集、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年に記載されており、これらは共に参照によって本明細書に組み込まれる。
「保存剤」:本明細書で使用される場合、用語「保存剤」は、当技術分野で理解されているその意味を有し、組成物中の1つ以上の構成要素の望ましくない化学修飾を防ぐ(例えば、活性成分の望ましくない化学修飾を防ぐ)薬剤を指す。本発明の組成物における使用に適した保存剤には、それに限定されるものではないが、1つ以上のアルカノール、EDTA二ナトリウム、EDTA塩、EDTA脂肪酸コンジュゲート、イソチアゾリノン(isothioazolinone)、メチルパラベンおよびプロピルパラベンなどのパラベン、ポリプロピレングリコール、ソルベート、ジアゾリジニル(diazolindinyl)尿素などの尿素誘導体、またはその組合せが含まれる。
「噴射剤」:本明細書で使用される場合、用語「噴射剤」は、例えば、気化形態、エアロゾル噴霧形態またはスプレー形態の組成物の送達を推進する薬剤を指す。噴射剤は、喘息および他の呼吸器障害の処置、ならびに糖尿病用のインスリンなどの全身処置のための定量吸入器で使用される。噴射剤は、例えば、アレルギー性鼻炎の処置のための鼻吸入器、局所スプレー、経口スプレーおよび他のエアロゾル適用にも使用される。かかる噴射剤の例は、それに限定されるものではないが、DuPont(商標)(Wilmington、DE)製の薬学的噴射剤のDymel(登録商標)である。
「保護基」:本明細書に記載の合成法は様々な保護基を利用することを、当業者は理解されよう。用語「保護基」とは、本明細書で使用される場合、ある反応が多官能性化合物の別の反応性部位で選択的に実施され得るように、特定の官能性部分、例えばO、SまたはNを一時的に遮断することを意味する。好ましい実施形態では、保護基は、良好な収率で選択的に反応して、予測される反応に対して安定な保護された基質(substrate)をもたらし、該保護基は、他の官能基を攻撃しない、容易に利用可能な、好ましくは非毒性の試薬によって良好な収率で選択的に除去可能であるべきであり、該保護基は、容易に分離可能な誘導体を形成し(より好ましくは、新しい不斉中心の発生なしに)、該保護基は、さらなる反応部位を回避するための最小限のさらなる官能基を有している。本明細書に詳説の通り、酸素、硫黄、窒素および炭素保護基を利用することができる。ヒドロキシル保護基には、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカルボネート、9−フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、アルキルエチルカルボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボネート、アルキルビニルカルボネートアルキルアリルカルボネート、アルキルp−ニトロフェニルカルボネート、アルキルベンジルカルボネート、アルキルp−メトキシベンジルカルボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカルボネート、アルキルo−ニトロベンジルカルボネート、アルキルp−ニトロベンジルカルボネート、アルキルS−ベンジルチオカルボネート、4−エトキシ−1−ナフチル(napththyl)カルボネート、メチルジチオカルボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルファート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)が含まれる。1,2−または1,3−ジオールの保護のために、保護基にはメチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カルボネート、環状ボロネート、エチルボロネート、およびフェニルボロネートが含まれる。アミノ保護基には、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカル
バメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド(o−nitrocinnamide)、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロオリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドが含まれる。例示的な保護基を本明細書に詳説する。しかし、本発明はこれらの保護基に限定されず、様々なさらなる等価な保護基が上記の基準を使用して容易に同定され、本発明の方法で利用され得ることを理解されよう。さらに、様々な保護基がProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Greene、T.W.およびWuts、P.G.編集、John Wiley & Sons、New York:1999年に記載されており、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
「保護剤」:本明細書で使用される場合、用語「保護剤」は、有害なまたは不快な刺激から皮膚または他の膜の露出した表面を隔離する薬剤を指す。例示的な保護剤には、ダスティングパウダー、吸着剤、機械的保護剤および硬膏剤が含まれる。機械的保護剤は、一般にコロジオンまたは硬膏剤のいずれかであり、それには、例えば水酸化アルミニウムゲル、コロジウム、ジメチコン、ワセリンガーゼ、吸収性ゼラチンフィルム、吸収性ゼラチンスポンジ、亜鉛ゼラチン、カオリン、ラノリン、無水ラノリン、鉱油、鉱油エマルジョン、軽油、オリーブ油、ピーナッツ油、ワセリン、シリコーン、親水コロイド等が含まれる。いくつかの実施形態では、保護剤には、材料および処方物ならびにそれらが適用される方式に応じて可撓性または半剛性であり得る粘着性の持続性フィルムが含まれる。いくつかの実施形態では、「保護剤」は、本明細書に記載の通り「粘滑薬(demulscent)」であってよい。
「ラセミ」:本明細書で使用される場合、ラセミ混合物は、分子のすべてのキラル中心に関してある鏡像異性体が約50%であり、その対応する鏡像異性体が約50%であることを意味する。本発明の化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性体が富化されたラセミ混合物を包含することができる。
「硬化剤」:本明細書で使用される場合、用語「硬化剤」は、硬化療法において静脈に注入される薬剤(例えば、化学的刺激物質)である。例示的な硬化薬には、ラウレス9およびオレイン酸エタノールアミン、モルイン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムが含まれる。
「低分子」:一般に、本明細書で使用される場合、用語「低分子」は、実験室で合成されるか、または天然に見出される有機化合物を指す。一般に、低分子は、いくつかの炭素−炭素結合を含有し、1500未満の分子量を有することを特徴とするが、この特徴付けは、本発明の目的を制限するものではない。本明細書に記載の結合剤として作用する低分子は、一般に、塩基性窒素部分を有する低分子である。
「可溶化剤」:本明細書で使用される場合、用語「可溶化剤」は、溶質を溶解させることができる物質である。本発明の状況で使用できる可溶化剤の代表例には、それに限定されるものではないが、複合体を形成する可溶化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸塩、メタリン酸ナトリウム、コハク酸、尿素、シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、ジエチルアンモニウム−オルト−安息香酸塩等)、n−アルキルアミンn−オキシド、ミセルを形成する可溶化剤(例えば、TWEEN80(登録商標)を含むTWEEN(登録商標))、有機溶媒(例えば、アセトン、リン脂質およびシクロデキストリン)、ポロキサマー(polyoxamer)、ポリオキシエチレンn−アルキルエーテルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含まれる。
「ステロイド系の抗炎症剤」:本明細書で使用される場合、用語「ステロイド系抗炎症剤」は、17個の炭素の4環系を含有する数々の化合物のいずれか1つを指し、それには、ステロール、様々なホルモン(アナボリックステロイドとして)およびグリコシドが含まれる。ステロイド系抗炎症薬の代表例には、それに限定されるものではないが、アルファ−メチルデキサメタゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾンおよびそのエステルの均衡物(balance)、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クレスシノロン、吉草酸クロベタゾール、クロコルトロン(clocortelone)、コルチゾン、コルトドキソン、デソニド、酢酸デスオキシコルチコステロン、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン−ホスフェート、ジクロリゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、二酢酸ジフルオロゾン、二酢酸ジフルロゾン(diflurosone)、ジフルプレドナート(diflurprednate)、フルアドレノロン、フルセトニド、フルクロロロンアセトニド、フルクロロニド、フルコルチンブチルエステル、フルドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメタロン、フルオシノロンアセトニド、フルペロロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルプレドニゾロン、フルラドレノロンアセトニド、フルラドレノロン、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルタメート、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシクロペンチルプロピオネート、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンおよびその組合せなどのコルチコステロイドが含まれる。
「置換されている」:本明細書に記載の化合物は、任意の数の置換基または官能性部分で置換されていてよいことを理解されよう。一般に、用語「必要に応じて」が先行していようといまいと、用語「置換されている」および本発明の式に含有される置換基は、所与の構造の水素基(radical)が、特定の置換基の基(radical)によって置き換えられていることを指す。任意の所与の構造の2つ以上の位置が特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、位置ごとに同じでも異なっていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「置換されている」は、有機化合物のすべての許容できる置換基を含むことを企図する。広範な一態様では、許容できる置換基には、有機化合物の非環式および環式、有枝鎖および非有枝鎖、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容できる置換基を有することができる。さらに本発明は、いかなる方式でも、有機化合物の許容できる置換基によって制限されないものとする。本発明によって想定される置換基および変数の組合せは、好ましくは、例えば感染性疾患または増殖性障害の処置に有用な安定な化合物を形成する組合せである。用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、好ましくは、検出されるのに十分な期間、好ましくは本明細書に詳説の目的に有用な十分な期間、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、化合物の完全性を維持する化合物を指す。
本発明の化合物の上記の脂肪族(および他の)部分の置換基のいくつかの例には、それに限定されるものではないが、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;−F;−Cl;−Br;−I;−OH;−NO2;−CN;−CF3;−CH2CF3;−CHCl2;−CH2OH;−CH2CH2OH;−CH2NH2;−CH2SO2CH3;−C(O)Rx;−CO2(Rx);−CON(Rx)2;−OC(O)Rx;−OCO2Rx;−OCON(Rx)2;−N(Rx)2;−S(O)2Rx;−NRx(CO)Rxが含まれ、ここで、Rxのそれぞれの存在には、独立に、それに限定されるものではないが、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルが含まれ、ここで、上記および本明細書に記載の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖の、環式または非環式であってよく、そして、ここで、上記および本明細書に記載のアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換されていても置換されていなくてもよい。一般に適用できる置換基のさらなる例は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって例示されている。
「増粘剤」:本明細書で使用される場合、用語「増粘剤」は、組成物の密度を増大し、または粘稠度を粘性にする薬剤を指す。本発明の状況で使用され得る適切な増粘剤には、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(商標Natrosol(登録商標)250または350で市販)などの非イオン性の水溶性ポリマー、Polyquat37(商標Synthalen(登録商標)CNで市販)などのカチオン性の水溶性ポリマー、脂肪アルコール、脂肪酸、アニオン性ポリマーおよびそれらのアルカリ塩、ならびにその混合物が含まれる。
「チオ」:単独で、または「アルキルチオ」、「アリールチオ」、「ヘテロアルキルチオ」もしくは「ヘテロアリールチオ」に見られるより大きい部分の一部として使用される用語「チオ」は、硫黄原子の存在(例えば酸素の置換えとしての)を指す。例えば、「アルキルチオ」は、硫黄原子を介して親分子に結合している、既に定義のアルキル基を指す。同様に、「アリールチオ」は、硫黄原子を介して親分子に結合している、既に定義のアリール基を指す
「処置する」、「処置している」および「処置」:本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置している」および「処置」は、患者が特定の疾患または障害に罹患している間に行われる、疾患または障害の重症度を低減する動作を企図する。したがって、「処置する」、「処置している」および「処置」は、被験体の状態(例えば、1つ以上の症状)の改善、疾患の進行の遅延、疾患の発症の予防または遅延等を含む、疾患に罹患している被験体に利益を付与する任意の種類の処置を指す。
「米国第5,043,268号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第5,043,268号化合物」は、米国特許第5,043,268号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第5,202,456号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第5,202,456号化合物」は、米国特許第5,202,456号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第5,705,528号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第5,705,528号化合物」は、米国特許第5,705,258号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第2005/0277694号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第2005/0277694号化合物」は、米国特許出願公開第2005/0277694号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第2007/0004803号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第2007/0004803号化合物」は、米国特許出願公開第2007/0004803号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第2009/0155186号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第2009/0155186号化合物」は、米国特許出願公開第2009/0155186号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第2009/0170917号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第2009/0170917号化合物」は、米国特許出願公開第2009/0170917号に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第12/867,796号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第12/867,796号化合物」は、米国特許出願第12/867,796号(国際公開WO2009/102997に基づく)に記載の任意の化合物を企図する。
「米国第12/616,781号化合物」:本明細書で使用される場合、句「米国第12/616,781号化合物」は、米国特許出願第12/616,781号に記載の任意の化合物を企図する。
「ビタミン」:本明細書で使用される場合、用語「ビタミン」は、特に代謝過程の制御において補酵素および補酵素の前駆体として作用する、ほとんどの動物の栄養にとって必須の微量の様々な有機物質のいずれかを指す。本発明の状況で使用できるビタミンの非限定的な例には、ビタミンA、ならびにその類似体および誘導体:レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、トレチノイン、イソ−トレチノイン(まとめてレチノイドとして公知)、ビタミンE(トコフェロールおよびその誘導体)、ビタミンC(L−アスコルビン酸およびそのエステルおよび他の誘導体)、ビタミンB3(ナイアシンアミドおよびその誘導体)、アルファヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等)およびベータヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸等)が含まれる。
驚くべきことに、本発明者らは、特定のイソプレニル化合物が抗菌活性を示し、したがって抗菌剤と呼ぶことができることを発見した。かかる抗菌剤は、細菌細胞増殖の阻害、または細菌細胞死もしくは表面からの細菌の除菌、ならびに/または細菌関連の状態の処置、予防および管理に有用である。
本明細書に記載の通り、本発明は、AFCに関係し、したがってイソプレニル化合物と呼ばれる特定の化合物に関する。
本発明の方法
いくつかの実施形態では、本発明は、中でも、細菌によって引き起こされるまたは悪化する上皮に関係する疾患、障害または状態の症状の処置を必要としている動物、特にヒトにおける、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。いくつかの実施形態では、提供される方法は、上皮に関係する状態(例えば、皮膚の状態、呼吸器の状態、鼻の状態、眼の状態、口の状態、外耳の状態、膣の状態、尿生殖器の状態、直腸の状態、類似組織の細菌に関係する状態等)に対して有用である。
いくつかの実施形態では、例示的な皮膚の状態には、膿痂疹、尋常性ざ瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎、感染性皮膚炎、乾癬、酒さ、紅斑、壊死性蜂巣炎、皮膚炭疽、蜂巣炎、丹毒、膿瘡、皮膚炭疽、壊死性筋膜炎、壊疽、敗血症、膿皮症、心内膜炎、足趾間の感染症、鬚毛瘡、せつおよびよう、ブドウ球菌性熱傷性皮膚症候群、水疱形成性の遠位指炎、急性爪囲炎、毛包炎、皮膚ジフテリア、紅色陰癬、開放創(例えば、切り傷、病変、擦り傷、熱傷、裂傷、慢性創傷、感染動物の咬傷、潰瘍等)の細菌集落形成が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な呼吸器の状態には、肺炎、過敏性肺炎、上下気道感染症(例えば、慢性気管支炎、喘息(asma)の二次細菌感染症等)、慢性閉塞性肺疾患、ジフテリア、気管支肺異形成、百日咳、レジオネラ症(例えば、レジオネラ病、ポンティアック熱、咽頭炎等)が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な鼻の状態には、細菌性鼻炎、副鼻腔炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な眼の状態には、慢性眼瞼炎、眼内炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な口の状態には、歯肉炎、う蝕、幼児期う蝕等が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な外耳の状態には、中耳炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な膣の状態には、細菌性膣炎、軟性下疳(chanchroid)、梅毒、ドノバン症、淋病、性病性リンパ肉芽腫、非淋菌性尿道炎、ブドウ球菌感染症、外陰膣炎等が含まれる。
いくつかの実施形態では、例示的な尿生殖器の状態には、例えば、鼠径部肉芽腫(Granuloma inquinale)、肛門周囲の感染症等が含まれる。
いくつかの実施形態では、細菌には、グラム陽性菌が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌には、グラム陰性菌が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌には、グラム不定菌(Gram variable)が含まれる。特に関連するグラム陽性菌には、例えば、Actinomycesの種(例えば、Actinomyces israelli等)、Bacillusの種(例えば、Bacillus anthracis等)、Corynebacteriumの種(例えば、Corynebacterium diphtheriae等)、Enterococcusの種(例えば、Enterococcus faecalis等)、Gardnerellaの種(例えば、Gardnerella vaginalis等)、Mobiluncusの種(例えば、Mobiluncus curtisii、Mobiluncus mulieris等)、Mycobacteriumの種(例えば、Mycobacterium immunogenum、Mycobacterium tuberculosis等)、Mycoplasmaの種(例えば、Mycoplasma pneumonia、Mycoplasma hyopneumoniae、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma synoviae、Mycoplasma meleagridis、Mycoplasma gallinarum、Mycoplasma anatis、Mycoplasma hominis等)、Nocardiaの種(例えば、Nocardia asteroides、Nocardia brasiliensis、Nocardia caviae等)、Propionibacteriumの種(例えば、Propionibacterium acnes、Propionibacterium propionicus、Propionibacterium freudenreichii等)、Staphylococcusの種(例えば、Staphylococcus aureus、Staphylococcus pseudintermedius、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophyticus、Staphylococcus pyogenes等)、Streptococcusの種(例えば、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus mutans、Streptococcus mitis、Streptococcus salivarius、Streptococcus pyogenes等)が含まれる。
特に関連するグラム陰性菌には、例えば、Actinobacillusの種(例えば、Actinobacillus pleuropneumoniae等)、Bordatellaの種(例えば、Bordatella pertussis等)、Branhamella(Moraxella)の種(例えば、Branhamella catarrhalis等)、Calymmatobacteriumの種(例えば、Calymmatobacterium granulomatis等)、Chlamydiaの種(例えば、Chlamydia trachomatis等)、Chlamydophilaの種(例えば、Chlamydophila pneumoniae等)、Eikenellaの種(例えば、Eikenella corrodens等)、Enterobacterの種(例えば、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae等)、Escherichiaの種(例えば、Escherichia coli等)、Fusobacteriumの種(例えば、Fusobacterium nucleatum等)、Gardnerellaの種(例えば、Gardnerella vaginalis等)、Haemophilusの種(例えば、Haemophilus influenza、Haemophilus ducreyi等)、Histophilusの種(例えば、Histophilus somnus等)、Klebsiellaの種(例えば、Klebsiella pneumoniae等)、Legionellaの種(例えば、Legionella pneumophila等)、Mannheimiaの種(例えば、Mannheimia haemolytica等)、Neisseriaの種(例えば、Neisseria gonorrhoeae等)、Ornithobacteriumの種(例えば、Ornithobacterium rhinotracheale等)、Pasteurellaの種(例えば、Pasteurella multocida等)、Pneumocystisの種(例えば、Pneumocystis carinii等)、Prevotellaの種(例えば、Prevotella melaninogenica、Prevotella intermedia等)、Proteusの種(例えば、Proteus vulgaris、Proteus mirabilis、Proteus penneri等)、Psuedomonasの種(例えば、Psuedomonas aeruginosa等)、Treponemaの種(例えば、Treponema pallidum等)、Ureaplasmaの種(例えば、Ureaplasma urealyticum等)、Vibrioの種(例えば、Vibrio vulnificus等)、Yersiniaの種(例えば、Yersinia pestis等)等が含まれる。特に関連するグラム不定菌には、例えばGardnerellaの種(例えば、Gardnerella vaginalis等)が含まれる。
いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連していることがある。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連していないことがある。いくつかの実施形態では、上皮に関係する状態は、臨床適応症(例えば、感染症)に関連している。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、上皮に関係する状態の処置を必要としているヒトを含む動物における該状態の処置に有用である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、上皮に関係する状態の処置を必要としている獣医学的動物を含む動物における該状態の処置に有用である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、有効量の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIの化合物および/または記載のそのクラスおよびサブクラスを、投与を必要としているヒトを含む動物に投与するステップを含む。
本明細書のいくつかの実施形態では、皮膚または医療デバイス等の表面などの表面を消毒するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、提供される方法は、表面の細菌を死滅させ、不活化し、その増殖を阻害し、そして/または除菌する。いくつかの実施形態では、提供される方法は、表面のバイオフィルムにおける細菌を死滅させ、不活化し、その増殖を阻害し、そして/または除菌するのに有用である。いくつかの実施形態では、提供される方法は、細菌が増殖または集落形成して表面にバイオフィルムを形成するのを予防するのに有用である。
いくつかの実施形態では、本発明は、細菌増殖に対する特定のイソプレニル化合物の投与効果によって測定される通り、該化合物が、当技術分野で公知の抗菌剤と比較して優れた抗菌活性を示すという発見を包含する。例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)と比較して改善された抗菌特性を有する例示的な記載のイソプレニル化合物には、それに限定されるものではないが、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物J、化合物Kおよび化合物Lが含まれる。いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物は、細菌によって引き起こされるまたは悪化する1つ以上の状態に罹患しているまたは罹患しやすい被験体に投与される。いくつかの実施形態では、消毒効果を有するイソプレニル化合物は、細菌が集落形成しているか、または細菌集落形成を受けやすい表面(例えば、上皮表面)に投与される。
いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、細菌攻撃は、特定の免疫応答および/または炎症応答を引き出す特定のシグナル伝達カスケードを誘起し、その結果、サイトカインおよびケモカインなどの一組の炎症性メディエーターが放出されると考えられる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、炎症性メディエーター、例えばサイトカインのレベルをモジュレートする。記載のイソプレニル化合物およびその組成物によってモジュレートされる炎症性メディエーターの非限定的な例には、それに限定されるものではないが、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12/IL−23 p40、IL13、IL−17、IL−18、TGF−β、IFN−γ、GM−CSF、Groα、MCP−1およびTNF−αが含まれる。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、記載のイソプレニル化合物およびその組成物は、様々なシグナル伝達経路に関連する炎症性メディエーターのレベルをモジュレートすると考えられる。サイトカインなどの炎症性メディエーターの放出をもたらすシグナル伝達経路の非限定的な例には、それに限定されるものではないが、G−タンパク質媒介性、PPAR媒介性、Toll様受容体媒介性およびTNF−α受容体媒介性の経路が含まれる。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、特定のイソプレニル化合物およびその組成物は、T−ヘルパー細胞浸潤および蓄積をモジュレートすると考えられる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、炎症性サイトカイン、例えば、TNF IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12/IL−23 p40、IL13、IL−17、IL−18、TGF−β、IFN−γ、GM−CSF、Groα、MCP−1およびTNF−αなどの炎症性メディエーターのレベルまたは生成を低減することによって、細菌攻撃により誘起される炎症応答を有効に阻害することができる。特に本発明は、特定の記載のイソプレニル化合物が、動物および細胞ベースの炎症性モデルにおける炎症促進性サイトカインのレベルまたは生成の阻害(%)によって測定される通り、同じクラスの他の化合物よりも優れた活性を有するという発見を包含する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌によって引き起こされるか、または悪化し、炎症に関連する1つ以上の状態に罹患しているまたは罹患しやすい被験体に投与される。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、細菌攻撃によって誘起される炎症応答を有効に阻害することができる。したがって、記載のイソプレニル化合物は、好中球(ミエロペルオキシダーゼの活性によって測定される通り)、リンパ球、単球、マスト細胞などの炎症細胞の浸潤および活性化の阻害剤、ならびに/または細胞表面接着分子(例えば、VCAM−1およびICAM−1)の発現および活性化の阻害剤であり、したがって本明細書に記載の通り、細菌によって引き起こされるか、または悪化し、炎症に関連する1つ以上の状態を処置するために有用である。
一般に、特定の患者に投与される記載のイソプレニル化合物の実際の量は、適応症の重症度および種類、投与方法、使用される特定の化合物、使用される処方物、ならびに所望の応答に応じて変動することになり、必要に応じて、患者に投与され得る他の医薬品、患者の習性または全体的な健康等を含む患者の状態によってさらに影響を受けることがある。
当業者に理解される通り、処置に適した投与量は、上記の手段または当技術分野で公知の任意の他の手段のいずれかによる、所望の治療効果をもたらすのに十分な量の投与である。したがって、治療有効量には、具体的には抗菌効果、抗炎症効果、または抗菌かつ抗炎症効果を含む所望の効果を誘導するのに十分な複合体または組成物の量が含まれる。一般に、本発明の複合体は活性が高い。例えば、記載のイソプレニル化合物は、選択される具体的な複合体、所望の治療応答、投与経路、処方物および当業者に公知の他の因子に応じて、体重1kg当たり約10μg〜約50mgで投与することができる。
尋常性ざ瘡
尋常性ざ瘡(ざ瘡)は、米国の約40〜50百万人に影響を及ぼしている最も一般的な皮膚障害の1つである(James、W.D.、N Engl J Med、2005年、352巻:1463〜1472頁)。現在、ざ瘡の病因には、遺伝的機構、ホルモン機構、微生物学的機構ならびに免疫学的機構が関わると考えられている(Akhavanら、Am J Clin Dermatol、2003年、4巻:473〜492頁に概説されている)。ざ瘡の病変形成は、微小面皰(microcomedomes)と呼ばれる病態生理学的な微細構造を形成する、粘着性ケラチノサイトの濾胞閉塞およびホルモンによって誘起される皮脂分泌によって開始される。微小面皰は肥大して、しばしば開放面皰または閉鎖面皰と呼ばれる目に見える非炎症性ざ瘡病変を形成することがある。かかる非炎症性ざ瘡病変の炎症性ざ瘡段階への変換は、主に、主として共生性でありヒト皮膚細菌叢の一部を構成する、耐気性嫌気性(anerobic)グラム陽性菌であるPropionibacterium acnesによる微小面皰および面皰への集落形成の結果として生じる。例示的な炎症性メディエーター、例えばざ瘡の炎症段階(微小面皰および面皰へのP.acnesの集落形成の際)の間にレベルが増大し得るサイトカインには、TNFα、ILβ、IL−6、IL−8、MCP−1およびGroαが含まれる。
最も一般的な局所ざ瘡処置の選択肢には、抗菌効果もしくは抗炎症効果を有するが、その両方は有していない局所抗生物質、局所レチノイド、過酸化ベンゾイル、サリチル酸、硫黄およびアゼライン酸が含まれる。さらに、ざ瘡に対して最も一般に使用される抗炎症処置の選択肢は、炎症性メディエーター放出に対する効果をほとんど有していない。
驚くべきことに、本発明者らは、特定の記載のイソプレニル化合物が、抗菌効果および細菌によって誘起される炎症を防止する効果を示し、したがってざ瘡の症状の処置、予防および/または緩和に有用であることを発見した。したがってかかる実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗ざ瘡剤であるとみなされる。いくつかの実施形態では、本発明の記載のイソプレニル化合物は、抗炎症効果を示し、ここで、炎症性メディエーターのレベルが阻害される。いくつかの実施形態では、本発明の記載のイソプレニル化合物は、過酸化ベンゾイル(BPO)などの当技術分野で公知の他の抗菌化合物と比較して優れた抗菌効果を有する。
一態様によれば、本発明は、IC50によって測定して約300μg/mL未満の細菌増殖に対する抗菌効果を有する、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの、治療上有効な用量の1つ以上の記載のイソプレニル化合物を、投与を必要としている被験体に投与するステップを含む、Propionibacterium acnesなどの細菌によって引き起こされ、悪化する尋常性ざ瘡などの上皮に関係する状態の症状を処置、予防または緩和することを必要としている被験体における、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、最小殺菌濃度によって測定して約200μg/mL未満の抗菌効果を有する、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの、治療上有効な用量の1つ以上の記載のイソプレニル化合物を、投与を必要としている被験体に投与するステップを含む、Propionibacterium acnesなどの細菌によって引き起こされ、悪化する尋常性ざ瘡などの上皮に関係する状態の症状を処置、予防または緩和することを必要としている被験体における、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。
一態様によれば、本発明は、好中球浸潤の阻害によって例示され、MPO活性アッセイにおいて約30%を超える阻害によって測定され、モデルの炎症がP.acnesの攻撃によって誘発されるマウス耳のインビボモデルを使用して決定される抗炎症効果を有する、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの、治療上有効な用量の記載のイソプレニル化合物を、投与を必要としている被験体に投与するステップを含む、Propionibacterium acnesなどの細菌によって引き起こされ、悪化する尋常性ざ瘡などの上皮に関係する状態の症状を処置、予防または緩和することを必要としている被験体における、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、炎症性メディエーター放出の阻害によって例示され、メディエーター放出アッセイにおいて約30%を超える阻害によって測定され、マウス耳モデルまたは細胞ベースモデルを使用して決定される抗炎症効果を有する、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのいずれかの、治療上有効な用量の記載のイソプレニル化合物を、投与を必要としている被験体に投与するステップを含む、Propionibacterium acnesなどの細菌によって引き起こされ、悪化する尋常性ざ瘡などの上皮に関係する状態の症状を処置、予防または緩和することを必要としている被験体における、該症状を処置、予防または緩和する方法を提供する。例えばサイトカインなどの例示的な炎症性メディエーターには、Il−6、TNF−α、IL−8、IL−1β、MCP−1およびGroαが含まれる。
イソプレニル化合物
本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物には、N−アセチル−ファルネシル−システイン(「AFC」、N−アセチル−S−トランスまたはトランス−ファルネシル−L−システインとも呼ばれる)と構造的な類似性を有する化合物が含まれる。
本発明によれば、記載のイソプレニル化合物には、例えば、式Iの化合物が含まれる
[式中、
R
1は、−C(O)X(ここで、Xは、独立に、保護基、ハロゲン、R、−OR、−SR、−N(R)
2、置換または非置換ヒドラジン、置換または非置換の6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5〜6員のヘテロアリール環である);−NO
2;−PO
3H;−SO
3H;−CN;置換もしくは非置換ヘテロアリール;または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、独立に、水素、またはC
1〜6脂肪族、C
1〜6ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基であり、
R
2は、置換または非置換の、有枝鎖または非有枝鎖のC
10〜C
25脂肪族部分であり、
R
3は、−NH
2、ペプチドまたは−N(R
4)(R
5)であり、
R
4は、水素、またはC
1〜6脂肪族、C
1〜6ヘテロ脂肪族、環式基、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基であり、
R
5は、ヘテロアリール;−C(=N−R
6)(R
7)(ここで、R
6は、水素、脂肪族および−N(R)
2から選択され、R
7は、水素、脂肪族、アリール、シアノおよび−SO
2Rから選択される);またはC(O)LR
8(ここで、Lは、共有結合、または二価の、有枝鎖もしくは非有枝鎖の、飽和もしくは不飽和のC
2〜C
6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH
2)−またはC
3〜C
6シクロアルキレンによって置き換えられており、ここで、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、R
8は、−R、−OR、−N(R)
2、環式基、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC
1〜6脂肪族、C
1〜6ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくは環式基から選択される必要に応じて置換されている基;または置換もしくは非置換ペプチド部分である)であり、
Zは、−S−、−O−、−NH−、−Se−、−S(=O)−、−S(=N)−、−SO
2−、−Se(=O)−または−SeO
2−である]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Iaに図示した構造を有する
[式中、R
2は、本明細書で定義の通りであり、
Xは、−OH、ハロゲン、メチル、−SH、−NH
2または−N(R)
2であり、ここで、Rは、水素またはC
1〜3アルキルであり、
R
8は、C
1〜3アルキルである]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Ibに図示した構造を有する
[式中、
R
1は、−CO
2H、−CO
2R、−CONH
2、−NO
2、−PO
3H、−CNまたは−SO
3Hであり、Rは、本明細書で定義の通りであり、
R
2は、ファルネシル、フィチル、ゲラニルゲラニル、置換ファルネシル、置換フィチルまたは置換ゲラニルゲラニルであり、
R
3は、−NH
2またはペプチドである]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Icに図示した構造を有する
[式中、R
2およびR
8は、本明細書に記載の通りであり、
R
1は、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、または以下の部分の1つであり、
ここで、Rは、本明細書に記載の通りであり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO
2−または−NH−である]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Idに図示した構造を有する
[式中、R
2およびR
4は、本明細書に記載の通りであり、
R
1は、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、または以下の部分の1つであり、
ここで、Rは、本明細書に記載の通りであり、
R
5は、ヘテロアリールまたは−C(=NR
6)(R
7)であり、R
6およびR
7は、本明細書に記載の通りであり、
Zは、−S−、−O−、−Se−、−SO−、−SO
2−または−NH−である]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Ieに図示した構造を有する
[式中、
R
2は、本明細書に記載の通りであり、
R
9は、−C(O)Xであり、ここで、Xは、独立に、R、−C(O)NHNH
2、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員のアリール環、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環であり、ここで、各Rは、独立に、水素、またはC
1〜6脂肪族もしくはC
1〜6ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Lは、二価の、有枝鎖または非有枝鎖の、飽和または不飽和のC
2〜C
6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1つ以上のメチレン単位は、独立に、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF
2−、−C(=CH
2)−、−CH=CH−、または必要に応じて置換されているアリーレン、ヘテロアリーレン、C
3〜C
6シクロアルキレン、C
3〜C
6ヘテロシクロアルキレン、または8〜10員の二環式複素環式部分によって置き換えられており、
そして、ここで、Lは、ハロゲン、C
1〜C
6アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH
2−フェノール、−CH(フェニル)
2、−OH、−NH
2、−NHC(O)CH
3、−NHC(O)NHCH
2CH
3、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
2CH
3、−CH
2C(O)OCH
2フェニル、−(CH
2)
2SCH
3、−(CH
2)
2C(O)NH
2、−(CH
2)
2C(O)OH、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式ヘテロシクリル環から選択される1つ以上の基によって必要に応じて置換されており、
Mは、−C(O)−、−C(S)または−SO
2−であり、
R
10は、水素、F、CF
3、C
1〜C
4アルキル、−OH、−C(O)CH
3、−NH(OR
E)、−NR
E 2、−NHNR
E 2、−SO
2R
E、−NH−フェニル、−SO
2−フェニル、−フェニル−NO
2または−OR
Eであり、ここで、各R
Eは、独立に、水素、酸素、またはC
1〜6脂肪族もしくはC
1〜6ヘテロ脂肪族から選択される必要に応じて置換されている基であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO
2−、−Se(O)−または−Se(O)
2−である]。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式Ifに図示した構造を有する
[式中、
Yは、天然または非天然アミノ酸であり、
vは、両端を含めて1から100の間の整数であり、
R
11は、水素、保護基、またはC
1〜6脂肪族、C
1〜6ヘテロ脂肪族、アリールもしくはヘテロアリールから選択される必要に応じて置換されている基である]。
上記の構造IおよびIa〜Ifのいずれかのいくつかの実施形態では、R1は、次式の1つの必要に応じて置換されているヘテロアリール部分である。
いくつかの実施形態では、R
1は、−CO
2Hである。
いくつかの実施形態では、上記の式の記載のイソプレニル化合物が提供され、ただしLおよびR10は、一緒になってC1〜C3非置換非ハロゲン化アルキルになることはできない。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、R2がファルネシル基である式Iおよび/またはIa〜Ifのいずれかの化合物である。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、R3が−NHCOCH3である式Iおよび/またはIa〜Ifのいずれかの化合物である。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、Zが−Sである式Iおよび/またはIa〜Ifのいずれかの化合物である。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、Xが−OHである式Iおよび/またはIa〜Ifのいずれかの化合物である。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、式IIに図示した構造を有する
[式中、G
1、G
2、G
3およびG
4のそれぞれは、NまたはCR
Dであり、
Zは、S、O、Se、SO、SO
2またはNHであり、
R
12は、−C(O)Xであり、ここで、Xは、独立に、保護基、ハロゲン、R、−OR、−SR、−N(R)
2、置換もしくは非置換ヒドラジン、置換もしくは非置換の6〜10員のアリール環、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換の5〜6員のヘテロアリール環;−NO
2;−PO
3H;−SO
3H;−CN;置換もしくは非置換ヘテロアリール;または以下の部分の1つであり、
ここで、各Rは、本明細書に記載の通りであり、
R
13は、必要に応じて置換されている脂肪族基であり、
R
A、R
B、R
CおよびR
Dは、独立に、H、−NO
2、−OR
14、ハロゲン、アルキルN(R
14)
2、−N(R
14)
2、−C(=O)R
14、−C(=O)OR
14、−S(R
14)、アジド、−S−C≡N、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニルまたは環式基であり、ここで、R
A、R
B、R
CおよびR
Dは、必要に応じてさらに置換されており、
R
14は、H、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニルまたは環式基であり、ここで、R
14は、必要に応じてさらに置換されている]。
いくつかの実施形態では、G1、G2、G3およびG4の少なくとも1つがNであり、いくつかの実施形態では、G1、G2、G3およびG4の少なくとも2つがNであり、いくつかの実施形態では、G1、G2、G3およびG4の少なくとも3つがNであり、いくつかの実施形態では、G1、G2、G3およびG4の少なくとも4つがNである。いくつかの実施形態では、G1がNである。いくつかの実施形態では、G1がNであり、G2、G3およびG4の少なくとも1つがNである。
AFCおよび多くのイソプレニル化合物は、カルボキシル末端の−−CAAXモチーフ(ここで、C=システイン、A=任意の脂肪族アミノ酸、X=任意のアミノ酸)を有するタンパク質のメチル化を低減する能力を特徴とする(Rando、米国特許第5,202,456号参照)。阻害されるメチル化反応は、−−CAAXモチーフを含めた一連の翻訳後修飾の一部である。これらの修飾は、−−CAAXモチーフのシステインのポリイソプレニル化(硫黄上)、カルボキシル末端の3つのアミノ酸(−−AAX)のタンパク質分解、およびシステインのカルボキシル基のメチル化を含む。
本発明に従って使用するための例示的なイソプレニル化合物を、下の表1に記載する。
表1.例示的化合物
いくつかの実施形態では、本発明は、表1に図示したイソプレニル化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を企図する。
本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図するいくつかの実施形態では、化合物は、A、B、C、DおよびEからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、A、CおよびEからなる群から選択される。
本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図するいくつかの実施形態では、化合物は、A、C、D、EおよびIからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、D、EおよびIからなる群から選択される。
本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図するいくつかの実施形態では、化合物は、G、H、I、J、K、LおよびMからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、GおよびHからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、I、J、K、LおよびMからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図するいくつかの実施形態では、化合物は、G、JおよびKからなる群から選択される。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、J、K、LおよびMからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物がA、C、G、HおよびIからなる群から選択される、表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する。本発明が表1に図示したイソプレニル化合物の使用を企図する特定の実施形態では、化合物は、G、HおよびIからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に定義し、記載した米国第5,043,268号化合物、米国第5,202,456号化合物、米国第5,705,528号化合物、米国第2005/0277694号化合物、米国第2007/0004803号化合物、米国第2009/0155186号化合物、米国第2009/0170917号化合物、米国第12/867,796号化合物および米国第12/616,781号化合物からなる群から選択されるイソプレニル化合物の使用を企図する。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第5,043,268号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第5,202,456号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第5,705,528号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第2005/0277694号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第2007/0004803号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第2009/0155186号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第2009/0170917号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第12/867,796号化合物である。
いくつかの実施形態では、本発明に従って使用するためのイソプレニル化合物は、本明細書に定義し、記載した米国第12/616,781号化合物である。
本明細書に開示の式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIの化合物は、本発明に従って、様々な有用な形態のいずれかで、例えば薬学的に許容される塩として、特定の結晶形等として提供される。いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIの1つ以上の化合物のプロドラッグが提供される。例えば、Bundgaard(編集)、Design of Prodrugs、Elsevier(1985年);Widderら(編集)、Methods in Enzymology、第4巻、Academic Press(1985年);Kgrogsgaard−Larsenら(編集);「Design and Application of Prodrugs」、Textbook of Drug Design and Development、第5章、113〜191頁(1991年);Bundgaardら、Journal of Drug Delivery Reviews、8巻:1〜38頁(1992年);Bundgaardら、J. Pharmaceutical Sciences、77巻:285頁以下参照(1988年);ならびにHiguchiおよびStella(編集)、Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems、American Chemical Society(1975年)に論じられている通り、様々な形態のプロドラッグが当技術分野で公知である。
別段指定されない限り、本明細書に図示した構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性、ジアステレオ異性および幾何(geometric)(または配座(conformational)))の形態、例えば、各不斉中心に関するRおよびS配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびE配座異性体を含むことも意味する。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体ならびに鏡像異性、ジアステレオ異性および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲に含まれる。別段指定されない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体の形態が本発明の範囲に含まれる。
別段指定されない限り、本発明は、本明細書に図示した化合物のラセミ体、ならびにすべての鏡像異性体および立体異性体、すなわち立体異性的に(stereomerically)純粋な形態(例えば、幾何的に純粋な、鏡像異性的に純粋な、またはジアステレオ異性的に純粋な)ならびに鏡像異性および立体異性混合物の両方を包含する。
化合物は、特定のキラル中心に関して約90%ee(鏡像異性体過剰率(enantiomeric excess))以上、好ましくは95%ee以上で存在する場合に、キラル中心に関して光学的に活性である、または鏡像異性的に純粋である(すなわち、実質的にR形態または実質的にS形態)とみなすことができる。化合物は、約80%eeを超える、好ましくは約85%eeを超える鏡像異性体過剰率で存在する場合に、鏡像異性体が富化しているとみなすことができる。本明細書で使用される場合、ラセミ混合物は、分子中のすべてのキラル中心に関してある鏡像異性体が約50%であり、その対応する鏡像異性体が約50%であることを意味する。したがって、本発明の化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性体が富化したラセミ混合物を包含することができる。
鏡像異性および立体異性混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、もしくはキラル溶媒中での化合物の結晶化などの周知の方法によって、または化合物、その前駆体もしくはその誘導体の酵素分割によって、混合物の構成要素である鏡像異性体または立体異性体に分割することができる。鏡像異性体および立体異性体は、周知の不斉合成法によって、立体異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から得ることもできる。
さらに別段指定されない限り、本発明は、1つ以上の同位体富化原子が存在する場合にのみ、本明細書に明確に図示した化合物と異なる化合物を包含する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、または13C−もしくは14C−の富化炭素による炭素の置き換えを含む本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲に含まれる。かかる化合物は、例えば、分析ツール、生物学的アッセイのプローブ、または本発明の治療剤として有用である。いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのR1基は、1つ以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのR2基は、1つ以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIのR3基は、1つ以上の重水素原子を含む。異性体の混合物は、それに限定されるものではないが、カラムクロマトグラフィーを含む、当業者に公知の技術によって分離および/または精製することができる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の活性は、様々な細胞ベースまたは動物ベースモデルを含む様々なインビトロまたはインビボアッセイを使用して特徴付けることができる。
いくつかの実施形態では、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、Ifおよび/またはIIの記載のイソプレニル化合物は、抗菌剤である。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗菌効果を示す。例えば、細菌増殖(bacterial growth)を死滅させ、不活化させ、そして/または阻害する、記載のイソプレニル化合物の能力は、細菌増殖の50%阻害(IC50)を得るのに必要なイソプレニル化合物の量を測定する1つ以上のアッセイを使用して評価することができる。かかる一例示的なアッセイは、本明細書の実施例14に記載されている。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.5μg/mL、1.0μg/mL、2.0μg/mL、5.0μg/mL、10.0μg/mL、20.0μg/mL、30.0μg/mL、40.0μg/mL、50.0μg/mL、100.0μg/mL、200.0μg/mLまたは300.0μg/mLのIC50をもたらす場合に、細菌増殖の阻害剤であるとみなされる。いくつかの実施形態では、例えば、細菌増殖を死滅させ、不活化させ、そして/または阻害する、記載のイソプレニル化合物の能力は、細菌増殖を阻害するイソプレニル化合物の最小濃度(最小殺菌濃度または「MBC」)を測定する1つ以上のアッセイを使用して評価することができる。かかる一例示的なアッセイは、本明細書の実施例15に記載されている。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.5μg/mL、1.0μg/mL、2.0μg/mL、5.0μg/mL、10.0μg/mL、20.0μg/mL、30.0μg/mL、40.0μg/mL、50.0μg/mL、100.0μg/mL、200.0μg/mLまたは300.0μg/mLのMBCをもたらす場合に、細菌増殖の阻害剤であるとみなされる。
特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、抗炎症効果を示す。例えば、細菌に攻撃されると炎症応答をモジュレートする記載のイソプレニル化合物の能力は、ミエロペルオキシダーゼ(「MPO」)の阻害を評価する1つ以上のアッセイを使用して評価することができる。かかる一例示的なアッセイは、本明細書の実施例16に記載されている。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、MPO活性アッセイにおいて、例えば0.8mg/20μLの用量で提供される際、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90または95%の阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤であるとみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、MPO活性アッセイにおいて、例えば0.4mg/20μLの用量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90または95%の阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤であるとみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、MPO活性アッセイにおいて、例えば0.2mg/20μLの用量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90または95%の阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤であるとみなされる。
いくつかの実施形態では、細菌に攻撃されると抗炎症効果を示す記載のイソプレニル化合物の能力は、例えば、例えば、サイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする該化合物の能力によって評価することができる。例示的なかかるサイトカインには、それに限定されるものではないが、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12/IL−23 p40、IL13、IL−17、IL−18、TGF−β、IFN−γ、GM−CSF、Groα、MCP−1およびTNF−αが含まれる。さらなる実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、G−タンパク質媒介性経路によって誘導されるサイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする。さらなる実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、例えばToll様受容体(「TLR」)を含む他のシグナル伝達経路によって誘導されるサイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする。さらなる実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、例えばATPγS−プリン作動性受容体を含む他のシグナル伝達経路によって誘導されるサイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする。さらなる実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、例えばTNFα受容体を含む他のシグナル伝達経路によって誘導されるサイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPAなどの化学物質によって誘起されるサイトカインなどの炎症性メディエーターのレベルをモジュレートする。
細菌に攻撃されると炎症応答をモジュレートする記載のイソプレニル化合物の能力は、炎症性サイトカインのレベルを測定する1つ以上のアッセイを使用して、例えばインビボまたは細胞ベースの炎症モデルを使用して評価することができる。特定の例示的なかかるモデルには、例えば、実施例17に記載の通り、IL−6、TNF−α、IL−8およびIL−1βなどの炎症性メディエーターの阻害を測定するためのP.acnes誘発性のマウス耳炎症モデル、または実施例18に記載の通り、IL−8などの炎症性メディエーターの阻害を測定するための正常ヒト表皮ケラチノサイト(「NHEK」)細胞培養物におけるP.acnes誘発性サイトカイン放出炎症モデル、または実施例19に記載の通り、IL−8などの炎症性メディエーターの阻害を測定するためのヒト微小血管内皮細胞系(「HMEC−1」)におけるLPS−TLR4誘発性サイトカイン放出炎症モデル、または実施例20に記載のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害を測定するための正常ヒト表皮ケラチノサイト(「NHEK」)細胞培養物におけるPGN−TLR2誘発性サイトカイン放出炎症モデル、または実施例21に記載の通り、IL−8、MCP−1およびGroαなどの炎症性メディエーターの阻害を測定するためのHMEC−1細胞系におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性サイトカイン放出炎症モデル、または実施例22に記載の通り、IL−8およびTNF−αなどの炎症性メディエーターの阻害を測定するための正常ヒト表皮ケラチノサイト細胞系(「NHEK」)におけるTPA誘発性サイトカイン放出炎症モデル、または実施例23に記載の通り、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)培養物におけるTNF−アルファ誘発性サイトカイン放出モデルが含まれる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、P.acnes誘発性のマウス耳炎症モデルにおいて、例えば0.2mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のTNF−α、IL−1β、IL−8/KCおよびIL−6などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、P.acnes誘発性のマウス耳炎症モデルにおいて、例えば0.4mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、例えば、P.acnes誘発性のマウス耳炎症モデルにおいて0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、NHEK細胞系におけるP.acnes誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば少なくとも約0.001μg/20μL、0.0025μg/20μL、0.005μg/20μL、0.0075μg/20μL、0.01μg/20μL、0.001μg/20μL、0.025μg/20μL、0.05μg/20μL、0.075μg/20μL、0.1μg/20μL、0.25μg/20μL、0.5μg/20μL、0.75μg/20μL、1μg/20μL、10μg/20μL、25μg/20μL、50μg/20μL、0.1mg/20μL、0.2mg/20μL、0.4mg/20μLまたは0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるLPS−TLR4誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.2mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるLPS−TLR4誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.4mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるLPS−TLR4誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、NHEK細胞系におけるPGN−TLR2誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば少なくとも約0.001μg/20μL、0.0025μg/20μL、0.005μg/20μL、0.0075μg/20μL、0.01μg/20μL、0.001μg/20μL、0.025μg/20μL、0.05μg/20μL、0.075μg/20μL、0.1μg/20μL、0.25μg/20μL、0.5μg/20μL、0.75μg/20μL、1μg/20μL、10μg/20μL、25μg/20μL、50μg/20μL、0.1mg/20μL、0.2mg/20μL、0.4mg/20μLまたは0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のIL−8などの炎症性メディエーターの阻害(%)を示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.2mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8、MCP−1およびGroαなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.4mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8、MCP−1およびGroαなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、HMEC−1細胞系におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8、MCP−1およびGroαなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、NHEK細胞系におけるTPA誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.2mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8およびTNF−αなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、NHEK細胞系におけるTPA誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.4mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8およびTNF−αなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、NHEK細胞系におけるTPA誘発性サイトカイン放出炎症モデルにおいて、例えば0.8mg/20μLの投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の、IL−8およびTNF−αなどの炎症性メディエーターの阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TPA誘発性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.25%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば0.50%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%のサイトカイン放出の阻害(%)示す場合に、炎症の阻害剤とみなされる。特定の実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、TNFα誘発性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定して、例えば1.00%の投与量で提供される際、マウス耳1個当たり少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35または0.40μgのサイトカインのED50をもたらす場合に、炎症の阻害剤とみなされる。
本発明に従って利用される記載のイソプレニル化合物の投与量は、投与形態および/または処置を受ける特定の被験体によって変わり得る。一般に、記載のイソプレニル化合物は、最も望ましくは、任意の有害なまたは有毒な副作用を引き起こすことなく有効な結果をもたらす濃度レベルで投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.5〜約500mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約5〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約20〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約30〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約40〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約50〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約60〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約70〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約80〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約90〜約100mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約20mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日〜約40mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日〜約30mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日〜約20mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日〜約10mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10mg/kg/日〜約40mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10mg/kg/日〜約30mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10mg/kg/日〜約20mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約20mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約20mg/kg/日〜約40mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約20mg/kg/日〜約30mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約25mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約30mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約30mg/kg/日〜約40mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約40mg/kg/日〜約50mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約10mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約5mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約2mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約1mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.1mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.01mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.001mg/kg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0mg/kg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08または0.09mg/kg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.1mg/kg/日〜約1mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、約0.001mg/kg/日〜約0.01mg/kg/日の範囲の用量で投与される。
本発明に従って利用される記載のイソプレニル化合物の局所投与量は、投与形態および/または処置を受ける特定の被験体によって変わり得る。一般に、記載のイソプレニル化合物は、最も望ましくは、任意の有害なまたは有毒な副作用を引き起こすことなく有効な結果をもたらす濃度レベルで局所投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、適用の1cm2当たり約0.25〜約25mgの範囲の局所用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、適用の1cm2当たり約1〜約10mgの範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、適用の1cm2当たり約2.5〜約5mgの範囲の局所用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、適用の1cm2当たり約5〜約25mgの範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の適用頻度は、時々(<週1回)から毎日4回の範囲である。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の適用頻度は、毎日1回または2回である。
本発明に従う疾患、障害および/または状態の症状の処置、予防および/または管理における記載のイソプレニル化合物の効力は、医療分野で公知の任意の方法を使用して評価し、追跡調査することができる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、皮膚の状態に関連する症状の処置に使用され、皮膚科学分野の当業者に公知の任意の方法を使用して評価することができる。例示的なかかる方法には、例えば、身体検査、被験体による評価、本明細書の実施例24に記載の写真撮影および皮膚分光光度計(dermospectrophotometer)の読取り等が含まれる。
合成法
記載のイソプレニル化合物は、米国特許第5,043,268号、第5,202,456号、第5,705,528号、米国特許出願公開第2005/0277694号、米国特許出願公開第2007/0004803号、米国特許出願公開第2009/0155186号、米国特許出願公開第2009/0170917号、国際公開WO2009/102997号および米国特許出願第12/616,781号の1つ以上に開示の当技術分野で公知の方法に従って調製または合成することができ、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。当業者に理解される通り、記載の合成法は、本発明の範囲から逸脱することなく改変することができる。例えば、異なる出発材料および/または異なる試薬を、本発明の合成法において使用することができる。
組成物
本発明は、本明細書に記載のイソプレニル化合物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、追加の構成要素を含有する。いくつかの実施形態では、すべてのかかる追加の構成要素は、薬学的に許容され、提供される組成物は、薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、すべてのかかる追加の構成要素は、化粧上許容され、提供される組成物は、化粧用(cosmetic)組成物である。いくつかの実施形態では、すべてのかかる追加の構成要素は、薬用化粧上許容され、提供される組成物は、薬用化粧用組成物である。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物、化粧用組成物または薬用化粧用組成物は、1つ以上のイソプレニル化合物、薬学的に許容される不活性成分(例えば、キャリア)および必要に応じて追加の活性成分を含む。特定の実施形態では、イソプレニル化合物は、式Ia、Ib、Ic、Id、IeまたはIfおよび/またはIIの化合物である。特定の実施形態では、イソプレニル化合物は、式Ia、Ib、Ic、Id、IeまたはIfおよび/またはIIの化合物である。
一般に、本発明の1つ以上の化合物は、少なくとも1つの記載のイソプレニル化合物を、所望に応じて賦形薬(diluent)、バインダーなどの賦形剤(excipient)、ならびに安定剤、保存剤、可溶化剤および緩衝剤などの添加剤(additive)を含む1つ以上の薬学的に許容されるキャリアと一緒に含む薬学的組成物に処方することができる。処方物の賦形剤には、例えば、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、ポリエチレングリコール、マンニトール(manniton)、塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムが含まれ得る。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の1つ以上を含む組成物は、薬学的に許容されるキャリアを含有する。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の1つ以上を含む組成物は、化粧上許容されるキャリアを含む。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物の1つ以上を含む組成物は、薬用化粧上許容されるキャリアを含む。
薬学的キャリアは、一般に、1つ以上のキャリアを、処置を受ける被験体への投与に適したものにするのに十分に純度が高く、十分に毒性が低い。薬学的キャリアはさらに、活性剤(例えば、記載のイソプレニル化合物)の安定性および生体利用能を維持する。薬学的キャリアは、液体または固体であってよく、所与の組成物の活性剤および/または他の構成要素と組み合わせる場合、所望のかさ、粘稠度等を提供するために計画された投与方式を考慮して選択される。
本発明による特定の組成物中のキャリアは、液体を含むことができ、特に緩衝等張水溶液を含むことができる。
薬学的に許容されるキャリアを含むキャリアは、以下に記載の例えば、賦形薬、バインダー(例えば、結合剤)などの賦形剤、ならびにまたは安定剤、保存剤、可溶化剤および/もしくは緩衝剤などの添加剤であってよく、またはそれらを含むことができる。薬学的キャリアには、それに限定されるものではないが、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはアルファ化(pregelatinised)トウモロコシデンプン等)、充填剤(例えば、リン酸水素カルシウム 硫酸カルシウム、エチルセルロース、ゼラチン、ラクトースおよび他の糖類、微結晶性セルロース、ペクチン、ポリアクリレート等)、崩壊剤(例えば、グリコレート、デンプンナトリウム、デンプン等)、滑沢剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、硬化植物油、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、金属ステアリン酸塩、シリカ、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク等)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)が含まれる。追加の薬学的に許容されるキャリアには、例えばワセリン(Vaseline(商標))および石油(petroleum)が含まれる。
本発明の組成物の追加のための適切なキャリアには、それに限定されるものではないが、アルコール、アミロース、動物油、抗刺激剤、キレート剤、着色剤、脱臭剤、乳化剤、芳香剤、ゼラチン、ヘアコンディショニング剤、ヒドロキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム 保湿剤(例えば、湿潤剤)、微晶質(microcrystalline)、鉱油、天然ポリマー(例えば、コラーゲン、アラビアゴム、ポリオールおよびキサンタン等)、有機オゾケライトワックスおよび無機ワックス、パラフィン、浸透促進剤、pH調整剤、保存剤、噴射剤、塩溶液、ケイ酸、界面活性剤 タルク、可溶化剤、増粘剤、粘性パラフィンならびに水、ならびにその組合せが含まれる。いくつかの実施形態では、本発明のイソプレニル化合物は、許容されるキャリア(複数可)および/または賦形剤(複数可)として作用する。特定の実施形態では、イソプレニルは、許容されるキャリアおよび/または賦形剤として作用する。いくつかの実施形態では、参照によって本明細書に組み込まれるWenningerおよびCanterbery編集のCTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第8版(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association、Inc.、Washington、D.C.、2000年)に記載の通り、化粧用組成物にキャリアを使用することが望ましい。本明細書で上記したキャリアも含まれる。
いくつかの実施形態では、組成物の薬学的に許容されるキャリアには、徐放または遅延放出キャリアが含まれる。かかるキャリアは、記載のイソプレニル化合物を徐放または遅延放出して、提供されるイソプレニル化合物の投与頻度の低減、および/または投与量の低減、取扱いの容易さ、および、処置を受け、予防され、または促進される疾患、障害、状態、症候群等に対する効果の延長、または遅延をもたらす、より効率的な投与を提供することができる任意の材料であってよい。かかるキャリアの非限定的な例には、天然および合成ポリマーのリポソーム、マイクロスポンジ、ミクロスフェアまたはマイクロカプセル等が含まれる。1つ以上の提供されるイソプレニル化合物の皮膚層内への局所送達を強化することができるリポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
注射用処方物または他の液体投与処方物について、一般に、少なくとも1つ以上の緩衝化構成成分を含有する水が利用されるが、安定剤、保存剤および可溶化剤を使用することもできる。いくつかの実施形態では、提供される薬学的組成物は、等張溶液であり、または等張溶液を含む。
固体投与処方物について、デンプン、糖類、脂肪酸などの様々な増粘剤、充填剤、増量剤およびキャリア添加剤のいずれかを使用することができる。本発明の局所組成物は、皮膚または粘膜に局所適用することができ、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、乳液、洗浄剤、保湿剤、スプレー剤、皮膚パッチ等を含む任意の形態であってよい。
ほとんどの薬学的処方物に関して、非活性成分の方が、調製物の多くの重量部または体積部を構成することになる。薬学的処方物について、様々な正確に計られた(measured)放出、緩慢放出(slow−release)または時間放出性の処方物および添加剤のいずれかを使用することができ、その結果、長期間にわたって記載の化合物を送達させるようにその投与量を処方し得ることも企図される。例えば、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/または他のセルロース系賦形剤を含有させて、特に皮下および筋肉内注射による投与のための、時間放出性またはより緩慢放出性の処方物を提供することができる。
実際の使用では、記載のイソプレニル化合物は、従来の薬学的調合技術に従って、混合物中の活性成分(複数可)としてそれを薬学的キャリアと組み合わせることができる。本発明の薬学的組成物は、例えば、経口経路、非経口(静脈内を含む)経路、尿道経路、膣経路、鼻経路、局所(例えば、皮膚、経皮)経路、肺経路、肺深部経路、吸入経路、頬側経路、舌下経路等を含む様々な経路のいずれかによる送達に合わせて処方することができる。
局所(topical)(すなわち、局所(local))などの皮膚投与のための1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含有する組成物の調製では、かかる組成物は、薬学的キャリア(例えば、滅菌または非滅菌水溶液、アルコールなどの一般的な溶媒中の非水性溶液、または液体もしくは固体油基剤(oil base)中の記載のイソプレニル化合物の溶液)を含むことができる。かかる薬学的キャリア溶液は、緩衝剤、賦形薬および他の適切な添加剤を含有することもできる。
非経口投与(例えば、筋肉内または皮下投与)のための記載のイソプレニル化合物を含有する組成物の調製では、かかる組成物は、薬学的キャリア(例えば、滅菌および非滅菌水溶液、アルコールなどの一般的な溶媒中の非水性溶液、または液体もしくは固体油基剤中の記載のイソプレニル化合物の溶液)を含むことができる。かかる薬学的キャリア溶液は、緩衝剤、賦形薬および他の適切な添加剤を含有することもできる。
経口使用に適した代表的な組成物には、例えば、口腔洗浄薬、洗口剤、経口スプレー、懸濁物、デンタルゲル等が含まれる。当技術分野で公知の一般的な経口キャリアを、本発明において使用することができる。例示的な薬学的および/または化粧用キャリアは、水、エタノール、および水−エタノール混合物である。水−エタノール混合物は、一般に、それぞれ約1:1〜約20:1、好ましくは約3:1〜約20:1、最も好ましくは約3:1〜約10:1の重量比で使用される。経口ビヒクルのpH値は、一般に約4〜約7、好ましくは約5〜約6.5である。約4未満のpH値を有する経口局所ビヒクルは、一般に口腔に対して刺激があり、約7を超えるpH値を有する経口ビヒクルは、一般に不快な口内感覚をもたらす。
1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む経口局所組成物は、普通はこれらの生成物に使用される従来の添加剤を含有することもできる。本明細書に記載の従来の添加剤には、着色剤、乳化剤、フッ素提供化合物(fluorine providing compound)、湿潤剤、甘味剤およびpH調整剤が含まれるが、ただしかかる添加剤は、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む組成物の治療上、化粧上または薬用化粧上有益な特性を妨害しない。本発明の組成物に使用することができる追加の成分には、本明細書に記載の、フッ素提供化合物(fluoride providing compound)、追加の活性成分、新しい賦形剤、保護剤および粘滑薬が含まれる。
フッ素提供化合物は、完全にまたはわずかに水溶性であってよく、フッ化物イオンまたはフルオリド含有イオンを水中に放出するそれらの能力、および組成物中の他の構成要素とのそれらの反応の欠如を特徴とする。一般的なフッ素提供化合物には、水溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属塩、例えばモノおよびジ−フルオロリン酸アルミニウム、フッ化アンモニウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ素化ピロリン酸ナトリウムカルシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロジルコン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第2スズ、フッ化第1スズおよびフッ化亜鉛、フッ化ナトリウムおよびフッ化第1スズなどのモノフルオロリン酸塩、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズならびにその組合せなどのアルカリ金属フッ化物、無機フッ化物塩が含まれる。
本明細書で提供される本発明の経口、局所用組成物に存在するフッ素提供化合物の量は、使用されるフッ素提供化合物の種類、フッ素化合物の溶解度、および最終的な本発明の経口用組成物の性質に応じて決まる。使用されるフッ素提供化合物の量は、非毒性の量でなければならない。一般に、フッ素提供化合物は、使用される場合には本明細書で提供される本発明の経口局所用組成物の重量の最大約1%、約0.001%〜約0.1%、および約0.001%〜約0.05%の量で存在することになる。
天然および人工甘味料の両方の甘味料を含む、当技術分野で周知の一般的な甘味剤(甘味料)を使用することができる。使用される甘味剤は、水溶性甘味剤、水溶性人工甘味剤、天然に存在する水溶性甘味剤由来の水溶性甘味剤、ジペプチドベースの甘味剤およびタンパク質ベースの甘味剤、ならびにその混合物を含む広範な材料から選択することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書で提供される組成物のイソプレニル化合物によって提供される効果に加えて、別の薬学的、化粧上または薬用化粧上の効果を有する組成物を提供することを目的とした1つ以上の追加の(本明細書で定義の通り「適合性がある」)活性成分をさらに含むことができる。
本発明による追加の活性成分には、それに限定されるものではないが、保護剤、皮膚軟化薬、収斂薬、刺激物質、角質溶解薬、日焼け止め薬、日焼け用薬剤、抗生物質剤、抗真菌剤、抗ウイルス薬、抗原虫薬、麻酔剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、止痒薬、抗酸化剤、化学療法剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、ホルモン、ふけ防止剤、しわ防止剤、皮膚萎縮防止剤、硬化剤、クレンジング剤、腐食剤および色素脱失(hypo−pigmenting)剤の1つ以上が任意の組合せで含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物の少なくとも1つの記載のイソプレニル化合物は、活性成分である。
したがって、1つ以上の追加の活性成分をさらに含む本発明による組成物は、上皮に関係する状態のための処置としてのそれらの使用に加えて、追加の活性成分の適用が有益である任意の医学上、化粧上および/または薬用化粧上の状態の処置においてさらに効率的に使用することができる。
本明細書に記載の保護剤は、ダスティングパウダー、吸着剤、機械的保護剤(mechanical protective agent)および硬膏剤の形態をとることができる。ダスティングパウダーは、上皮表面、潰瘍および創傷を被覆し、保護するために使用される相対的に不活性な不溶性材料である。通常、これらの物質は、湿気を吸収し、乾燥剤(dessicant)として作用することができる微細粉化された粉末である。皮膚の湿気吸収は、摩擦を低減し、特定の細菌増殖も阻止する。保護性吸着剤として使用される材料のいくつかには、ベントナイト、ビスマスの不溶性塩、ホウ酸、炭酸カルシウム(沈殿)、セルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛が含まれる。
いくつかの実施形態では、保護剤を皮膚に投与して、材料および処方物ならびにそれらが適用される方式に応じて可撓性または半剛性であり得る粘着性の持続性フィルムを形成することもできる。この材料は、外部環境からの閉鎖の提供、化学的支持の提供、および他の医薬品のためのビヒクルとしての働きを含むいくつかの目的を果たすことができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物に含まれる保護剤は、粘滑薬である。粘滑薬は、領域を容易に被覆し、薬用となり得る粘性、粘着性の調製物として表面に適用されることが多い。いくつかの化学物質が、粘滑特性を有している。
実際の使用では、本明細書に記載のイソプレニル化合物は、従来の薬学的調合技術に従って、混合物中の活性成分としてそれを薬学的キャリアと組み合わせることができる。キャリアは、投与、例えば経口、非経口(静脈内を含む)、尿道、膣内、経鼻、皮膚、経皮、肺、肺深部、吸入、頬側、舌下等に望ましい調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。
経口剤形のための組成物の調製では、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤などの経口液体調製物の場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などの通常の薬学的媒体、または例えば、散剤、硬質および軟質カプセル剤ならびに錠剤などの経口固体調製物の場合、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、賦形薬、造粒剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤などのキャリアのいずれかを使用することができる。錠剤、丸剤、カプセル剤等は、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプンもしくはゼラチンなどのバインダー;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;トウモロコシデンプン、バレイショデンプンもしくはアルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;および/またはスクロース、ラクトースもしくはサッカリンなどの甘味剤を含有することもできる。カプセル剤は、上記の種類の材料に加えて、脂肪油などの液体キャリアを含有することもできる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物、キャリア、および必要に応じて追加の活性成分は、本明細書にさらに記載の溶液、エマルジョンまたはゲル懸濁物の形態の組成物に形成される。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物、薬学的または化粧用キャリア、および必要に応じて1つ以上の追加の活性成分は、溶液の形態である。溶液は、水またはアルコールなどの有機溶媒(例えば、エタノールまたはイソプロパノール、アセトン)などの溶媒キャリア中で、溶質または溶解物質(本発明の記載のイソプレニル化合物および必要に応じて1つ以上の活性成分(複数可))を均一に混合することによって調製され得る。
いくつかの実施形態では、溶液は、記載のイソプレニル化合物が、任意の生理学的に許容されるpH、一般に約pH4〜約pH7であり得る食塩水、アセテート、ホスフェート、シトレート、アセテートまたは他の緩衝剤を用いて適切に緩衝化され得る水溶液である。リン酸緩衝食塩水、食塩水および酢酸バッファーなどの緩衝剤の組合せを使用することもできる。食塩水の場合、0.9%食塩水溶液を使用することができる。アセテート、ホスフェート、シトレート、アセテート等の場合、50mM溶液を使用することができる。緩衝剤に加えて、適切な保存剤を使用して、細菌および他の微生物の増殖を予防または制限することができる。使用され得るかかる保存剤の1つは、0.05%塩化ベンザルコニウムである。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物、キャリアおよび他の必要に応じた成分を含む本発明の組成物は、エマルジョンの形態で提供される。エマルジョンは、2つの非混和性液体キャリアを組み合わせることによって調製される二相系であり、そのうちの一方は、他方の中に均一に分散し(disbursed)、最大のコロイド粒子の直径以上の直径を有する小球からなる。小球サイズは非常に重要であり、その系が最大限の安定性を達成するようなサイズでなければならない。通常、二相の分離は、第3の物質である乳化剤が組み込まれない限り生じない。したがって、本発明の状況におけるベースエマルジョンは、一般に、2つ以上の構成要素(例えば、2つの非混和性液体キャリア、乳化剤および1つ以上の記載のイソプレニル化合物)を含有する。いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物は、乳化剤であってよい。一般に、エマルジョンは、水相を非水相に組み込む(またはその逆)。しかし、非水性非混和系グリセリンおよびオリーブ油の、主に非水性の、例えばアニオン性およびカチオン性の界面活性剤であるエマルジョンを調製することが可能である。例示的な乳化剤は、本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、AFCを含むエマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、非脂質ベースのビヒクルは、AFCの親油性の性質に起因してAFCを含むエマルジョンにおいて有用である。
いくつかの実施形態では、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む本発明の組成物は、ペースト、散剤、軟膏、クリーム、ローション、ヒドロゲル等を形成するためのゲル懸濁剤(半固体キャリア)または固体キャリアの形態で提供される。ゲル懸濁物として調製することができる例示的な軟膏には、上皮への外部からの適用を企図された半固体調製物が含まれる。一般に、軟膏基剤は、基剤として白色ワセリンを使用することができる炭化水素基剤(油性)、親水性石油または無水ラノリンを使用することがある吸着基剤(無水)、エマルジョン基剤(水中油(water and oil)型)、エマルジョン基剤(油中水型)、ならびに軟膏基剤としてポリエチレングリコールを使用することが多い水溶性基剤に分類される。
記載のイソプレニル化合物の1つ以上を含む追加の組成物は、Mack Publishing Company(Easton、Pa)社による出版のRemington’s Pharmaceutical Sciences、第18版または第19版に記載の通り、当技術分野で公知の技術を使用して容易に調製することができる。
また本明細書では、記載のイソプレニル化合物が乾燥微粒子形態であり得ることが可能であり、そのように企図される。特定の実施形態では、粒子は約0.5〜6.0μmであり、したがってこの粒子は、肺表面に沈降し、吐き出されないように十分な大きさを有するが、肺に到達するまでに気道表面に沈着しないよう十分に小さい。それに限定されるものではないが、微細製粉(micro−milling)、スプレー乾燥および急速冷凍エアロゾル(quick freeze aerosol)後の凍結乾燥を含む様々な異なる技術のいずれかを使用して、乾燥粉末微粒子を生成することができる。微粒子を用いることにより、記載のイソプレニル化合物は、肺深部に沈着し、したがって血流への急速で効率的な吸収をもたらすことができる。さらに、かかる手法を用いることにより、経皮、鼻または経口の粘膜送達経路の場合とは時には異なり、浸透促進剤が不要になる。噴射剤ベースのエアロゾル、噴霧器、単回用量用の乾燥粉末吸入器および複数回用量用の乾燥粉末吸入器を含む、様々な吸入器のいずれかを使用することができる。現在使用されている一般的なデバイスには、喘息、慢性閉塞性肺疾患等の処置のための医薬品を送達するのに使用される定量吸入器が含まれる。例示的なデバイスには、通常約6.0μm未満の粒径を有する微粉の霧またはエアロゾルを形成するように設計された乾燥粉末吸入器が含まれる。
平均寸法分布を含む微粒子サイズは、その生成方法を用いて制御することができる。微細製粉では、ミルヘッドのサイズ、回転子の速度、処理時間等によって微粒子サイズが制御される。スプレー乾燥では、ノズルサイズ、流速、乾燥機の熱等によって微粒子サイズが制御される。急速冷凍エアロゾル後の凍結乾燥を用いる生成では、ノズルサイズ、流速、エアロゾル化される溶液の濃度等によって微粒子サイズが制御される。これらのパラメータ等を使用して、微粒子サイズを制御することができる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、時間放出注射可能な処方物の注射、一般に臀部筋または三角筋などの深層筋肉内注射を用いて、処置のために投与することができる。いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、ポリ(エチレングリコール)3350などのPEG、ならびに必要に応じて、それに限定されるものではないが、pH等を調整するための塩、ポリソルベート80、水酸化ナトリウムまたは塩酸などの賦形剤を含む1つ以上の追加の賦形剤および保存剤と共に処方される。いくつかの実施形態では、本発明の記載の化合物は、ポリマー主鎖における変化する百分率のうちのいずれかの乳酸を有する自触媒ポリ(オルトエステル)であってよいポリ(オルトエステル)、および必要に応じて1つ以上の追加の賦形剤と共に処方される。一実施形態では、ポリ(D,L−ラクチド−コ(co)−グリコリド)ポリマー(PLGAポリマー)、好ましくはBoehringer Ingelheim、Inc.(Ingelheim、ドイツ)製のPLGA RG502Hなどの親水性末端基を有するPLGAポリマーが使用される。
かかる処方物は、例えば、メタノールなどの適切な溶媒中、記載の1つ以上の記載のイソプレニル化合物をPLGAの塩化メチレン溶液と混合し、反応器中、適切な混合条件下でそれにポリビニルアルコールの連続相溶液を添加することによって生成することができる。一般に、好ましくは接着性ポリマーでもあるいくつかの注射可能な生分解性ポリマーのいずれかを、時間放出注射可能な処方物において使用することができる。米国特許第4,938,763号、第6,432,438号および第6,673,767号の教示、ならびにこれらに開示の生分解性ポリマーおよび処方の方法は、参照によって本明細書に組み込まれる。処方物は、記載の化合物の濃度および量、ポリマーの生分解速度、ならびに当業者に公知の他の因子に応じて、毎週、毎月、または他の周期に基づいて注射が必要とされるような処方物であってよい。
いくつかの実施形態では、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む組成物は、水性懸濁物として処方され、この場合、1つ以上の記載のイソプレニル化合物は、賦形剤、添加剤との混合物であり、そして/または水性懸濁物の製造に適している。かかる添加剤および/または賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムであり、分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの天然に存在するホスファチド、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyl eneoxycetanol)、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合生成物、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。水性懸濁物は、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、およびスクロースまたはサッカリンなどの1つ以上の甘味剤を含有することもできる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む組成物は、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油または流動パラフィンなどの鉱油)に懸濁させることによって油性懸濁物として処方される。油性懸濁物は、増粘剤(例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコール)を含有することができる。本明細書に記載のものなどの甘味剤および香味剤を添加して、美味な経口組成物を提供することができる。かかる組成物は、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)の添加によって保存することができる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の記載のイソプレニル化合物を含む組成物は、分散性散剤として処方され、そして/または顆粒は、水の添加による水性懸濁物の組成物に適している。かかる分散性散剤および/または顆粒に処方される1つ以上の記載のイソプレニル化合物は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1つ以上の保存剤との混合物で提供される。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、本明細書で既に言及したものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤が存在することもできる。
本発明の組成物は、水中油エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば流動パラフィン、またはその混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアカシアガムまたはトラガカントガム、天然に存在するホスファチド、例えば大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、ならびに部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。エマルジョンは、甘味剤および香味剤を含有することもできる。
本発明の組成物は、シロップ剤およびエリキシル剤として処方することもできる。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと共に処方することができる。かかる処方物は、粘滑薬、保存剤、ならびに香味剤および着色剤を含有することもできる。粘滑薬は、主に、特に粘膜または擦過組織への刺激を軽減するために使用される保護剤である。いくつかの化学物質が、粘滑特性を有している。これらの物質には、アルギネート、粘液(mucilage)、ガム、デキストリン、デンプン、特定の糖類およびポリマー性多価グリコールが含まれる。他には、アカシア、寒天、安息香、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガント、ヒドロゲル等が含まれる。
併用療法
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の記載のイソプレニル化合物は、1つ以上の他の治療活性剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、組み合わせて投与される活性剤は、単一組成物の一部として投与され、いくつかの実施形態では、組み合わせて投与される活性剤は、別個の組成物として投与される。
いくつかの例を挙げると、いくつかの実施形態では、本発明の異なる複合体が組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、1つ以上の他の抗炎症剤と一緒に投与される。代表的なかかる抗炎症剤には、例えば、アセトアミノフェン(Acetominaphen)(タイレノール)、アスピリン、セレコキシブ(セレブレックス)、ジクロフェナク(ボルタレン)、ジフルニサル(ドロビッド)、エトドラク(ロジン)、イブプロフェン(モトリン)、インドメタシン(インドシン)、ケトプロフェン(オルヂス)、ケトロラク(トラドール)、ナブメトン(レラフェン)、ナプロキセン(アリーブ、ナプロシン)、オキサプロジン(ダイプロ)、ピロキシカム(フェルデン)、サルサラート(アミゲシック(Amigesic))、スリンダク(クリノリル)、トルメチン(トレクチン)、サリチル酸などのNSAID;および/またはグルココルチコイドなどのステロイド、例えば、クロベタゾール(クロベックスまたはオラックス(Olux))、デキサメタゾン、コルチゾール、テストステロン(testoterone)、エストロゲン、エストラジオール、プロゲステロン等が含まれる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、1つ以上の疼痛緩和剤と一緒に投与される。代表的なかかる疼痛緩和剤には、例えば、アセトアミノフェン(タイレノール)、アスピリン、セレコキシブ(セレブレックス)、ジクロフェナク(ボルタレン)、ジフルニサル(ドロビッド)、エトドラク(ロジン)、イブプロフェン(モトリン)、インドメタシン(インドシン)、ケトプロフェン(オルヂス)、ケトロラク(トラドール)、ナブメトン(レラフェン)、ナプロキセン(アリーブ、ナプロシン)、オキサプロジン(ダイプロ)、ピロキシカム(フェルデン)、サルサラート(アミゲシック)、スリンダク(クリノリル)、トルメチン(トレクチン)などのNSAID;および/またはグルココルチコイドなどのステロイド、例えば、クロベタゾール(クロベックスまたはオラックス)、デキサメタゾン、コルチゾール、テストステロン、エストロゲン、エストラジオール、プロゲステロン等が含まれる。あるいはまたはさらには、代表的な疼痛緩和剤には、例えば、アルチカイン、ベンゾカイン、ブピバカイン、カルチカイン、クロロプロカイン、シンコカイン/ジブカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン(dimethyocaine)/ラロカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン/リグノカイン、メピバカイン(mepvacaine)、ピペロカイン、プリロカイン、プロポキシカイン、プロカイン/ノボカイン、プロパラカイン、ロピバカイン、サキシトキシン、テトラカイン/アメトカイン、トリメカインおよび/またはその組合せが含まれる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、グルココルチコイド(glucocortocoid)、アスピリン、ジクロフェナク、リドカイン等、および/またはその組合せと一緒に投与される。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、1つ以上の他の抗菌剤と一緒に投与される。代表的なかかる抗菌剤には、ペニシリン、セファロスポリン、カルバセフェム、セファマイシン、カルバペネム、モノバクタム、アミノグリコシド、グリコペプチド、キノロン、テトラサイクリン、マイクロライド、スルホンアミド、フルオロキノロンおよびリンコサミドなどの抗生物質剤、ならびに過酸化ベンゾイルおよび硫黄などの他の抗菌剤が含まれる。
いくつかの実施形態では、記載のイソプレニル化合物は、1つ以上の角質溶解剤と一緒に投与される。代表的な角質溶解剤には、過酸化ベンゾイル、フルオロウラシル、レゾルシノール、サリチル酸、トレチノイン等が含まれる。
本発明によって提供される記載のイソプレニル化合物は、当技術分野で公知の任意の方法によって調製することができる。本発明の複合体を調製するための非限定的な例を、以下に例示する。
記載のイソプレニル化合物は、当技術分野で公知の方法に従って調製または合成することができる。いくつかの例を挙げると、記載のイソプレニル化合物は、それらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,043,268号、第5,202,456号、第5,705,528号、米国特許出願公開第2005/0277694号、米国特許出願公開第2007/0004803号、米国特許出願公開第2009/0155186号、米国特許出願公開第2009/0170917号、国際公開WO2009/102997号および米国特許出願第12/616,781号の1つ以上に開示の方法によって調製または合成することができる。
以下の実施例に示す通り、特定の例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般手順に従って調製される。一般法によって本発明の特定の化合物の合成を示すが、以下の一般法および当業者に公知の他の方法は、本明細書に開示のこれらの化合物のそれぞれのあらゆるクラス、サブクラスおよび種に適用できることを理解されよう。
出発材料として利用されるS−トランス,トランス−ファルネシル−L−システインを含む記載のイソプレニル化合物は、当技術分野で公知の方法に従って合成することができ、またはその開示が参照によって本明細書に組み込まれるBrownら、J Am Chem Soc、1991年、113巻:3176〜3177頁に開示の方法によって合成することができる。S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システインメチルエステルなどの他の出発材料は、当技術分野で公知の方法に従って合成することができ、またはTroutmanら、Bioconjugate Chem、2005年、16巻:1209〜1217頁に開示の方法によって合成することができる。
以下の一般的な実験手順を、下記の実施例1〜9に対して使用した。プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)分光法は、Bruker 500MHz分光計で記録し、ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)、メタノール(CD3OD)またはクロロホルム(CDCl3)を1H−NMR溶媒として使用した。重水素化溶媒の残留プロトン吸収を、内部標準として使用した。すべての1H−NMR化学シフトを100万分の1(ppm)のδ値として報告する。分裂パターン略語は以下の通りである:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;br、ブロード;m、多重線;dd、二重線の二重線;dt、三重線の二重線。HPLC分析は、phenomenex luna C18(2)50×4.6mmカラムを使用して実施した。移動相は、最初の2.5分間は1分当たり2mLの流速で0.05%トリフルオロ酢酸を含有する60%水、40%アセトニトリルとし、その後0.05%TFAを含有する100%アセトニトリルまでの勾配を10分かけて行う。溶離液を214nmで観測する。
(実施例1)
(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸)(化合物B)の合成:S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)のTHF溶液に、K
2CO
3の最初の部分(2mmol)を添加し、得られた溶液を激しく撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、無水コハク酸(308mg、3.1mmol)を滴下添加する一方で、K
2CO
3の別の部分(4mmol)を用いてpHを9.0〜10.0に維持した。混合物を室温で2時間撹拌すると、HPLC分析によって反応の完了が示された。次に、2NのHCl溶液を添加することによって反応混合物のpHを2.0に調整した。酸性溶液を酢酸エチル10mLで3回抽出した。混合した有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して粗化合物Bを得、これを分取HPLCによってさらに精製して、化合物Bを得た(535mg、82%)。
1H−NMR (500 MHz,CDCl
3): δ 1.59 (s,6H),1.66 (s,6H),2.05 (m,8H),2.60 (m,2H),2.48 (m,2H),2.86 (dd,1H),2.94 (dd,1H),3.10 (dd,1H),3.12 (dd,1H),4.68 (dd,1H),5.06 (m,2H),5.20 (t,1H).
13C−NMR (125 MHz,CDCl
3): δ 16.0,16.1,17.7,25.7,26.5,26.7,29.4,29.8,30.5,32.6,39.6,39.7,52.2,119.3,123.8,124.3,131.3,135.4,140.3,173.4,174.2,176.8;ES−MS:化学式C
22H
35NO
5Sについて算出された質量425.6。実測値(M+Na)m/z448。
(実施例2)
((E)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタ−2−エン酸)(化合物A)の合成:S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)のTHF溶液およびK
2CO
3の最初の部分(3mmol)を激しく撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、無水マレイン酸(302mg、3.07mmol)を少しずつ添加する一方で、K
2CO
3の別の部分(3mmol)を用いてpHを9.0〜10.0に維持した。混合物を室温で3時間撹拌すると、HPLC分析によって反応の完了が示された。次に、2NのHCl溶液を添加することによって反応混合物のpHを2.0に調整した。酸性溶液を酢酸エチル15mLで3回抽出した。混合した有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、次に濃縮して粗化合物Aを得、これを分取HPLCによってさらに精製して、化合物Aを得た(552mg、85%)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 1.50(bs,6H),1.57(s,3H),1.59 (s,3H),1.85 − 2.10 (m,8H),2.68 (dd,J=6.5,14.5,1H),2.95 (dd,J=4.5,14.0 Hz, 1H),3.07 (dd,J=7.0,13.0 Hz,1H),3.17 (dd,J=8.5,13.5 Hz,1H),4.59 (dd,J=4.5,8.5),4.97 − 5.02 (m,2H),5.12 (t,J=7.5,1H),6.21 (d,J=13.0 Hz,1H),6.47 (d,J=13.0 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CDCl
3): δ 16.2,16.3,17.8,25.3,26.0,27.4,27.8,30.3,33.3,40.8,40.9,54.0,121.5,125.1,125.5,132.1,133.3,134.4,136.3,140.7,167.7,168.0,172.9;ES−MS:化学式C
22H
33NO
5Sについて算出された質量423.6。実測値(M+Na)m/z446。
(実施例3)
((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)および((R)−2−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸))の混合物(化合物D)の合成:100mLの丸底フラスコ中、N−アセチル−L−セリン(1.0mmol)、カップリング試薬(PBOP520mgまたはHATU380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH
2Cl
2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、終夜室温で撹拌した。CH
2Cl
2を回転蒸発によって除去した。得られた残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解させた。有機溶液をNH
4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLC(160mg、35%)によって精製して、異性体化合物:(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)および((R)−2−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)の1:1比の混合物、すなわち異性体化合物Dを得た。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):δ1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−2.03(m,11H),2.72−2.79(m,1H),2.87−2.96(m,1H),3.07−3.14(m,2H),3.65−3.69(m,1H),3.70−3.77(m,1H),4.33(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.40(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.98−5.02(m,2H),5.14(dd,J=5.0,15.0Hz,1H)。
13C−NMR(125MHz,CD
3OD):δ16.12,16.28,17.79,22.61,22.71,25.95,27.52,27.80,30.74,30.78,35.19,35.25,40.79,40.90,55.57,55.94,56.87,57.17,63.18,63.37,121.78,121.80,125.24,125.48,132.09,136.15,140.03,140.11,171.84,171.91,173.35,173.54,177.14,177.15 ;ES−MS:化学式C
23H
38N
2O
5Sについて算出された質量454.62。実測値(M+)m/z455.3、(M+Na)m/z477.3。
(実施例4)
((R)−2−((2S,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸および(R)−2−((2R,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)の混合物(化合物E)の合成:100mLの丸底フラスコ中、N−アセチル−L−イソロイシン(1.0mmol)、カップリング試薬(PBOP520mgまたはHATU380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH
2Cl
2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、終夜室温で撹拌した。CH
2Cl
2を回転蒸発によって除去した。得られた残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解させた。有機溶液をNH
4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLC(220mg、46%)によって精製して、(R)−2−((2S,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸(化合物E−1)および(R)−2−((2R,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸(化合物E−2)の異性体混合物を得た(E−1対E−2比は1:1である)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 0.80−0.86 (m,6H),1.06−1.33 (m,3H),1.50 (s,6H),1.57 (s,3H),1.60 (s,3H),1.79−2.01 (m,11H),2.71−2.77 (m,1H),2.87−2.94 (m,1H),3.09−3.11 (m,2H),4.17−4.43 (m,2H),4.99−5.00 (m,2H),5.26 (t,J=10.0 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CD
3OD): δ 11.68,12.14,15.00,16.13,16.28,17.80,22.52,22.58,25.86,25.96,27.48,27.52,27.53,27.80,30.80,30.88,35.51,35.56,38.02,38.31,40.80,40.90,55.37,55.62,57.97,59.80,121.83,121.88,125.23,125.48,132.08,136.14,139.92,140.02,172.89,173.01,173.39,173.46,176.84,177.09;ES−MS:化学式C
26H
44N
2O
4Sについて算出された質量480.70。実測値(M+)m/z481.4、(M+Na)m/z503.4。
(実施例5)
((R)−2−(3−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)チオウレイド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物F)の合成:100mLの丸底フラスコ中、エチル−3−イソチオシアナト(isothiocynato)プロピオネート(159mg、1mmol)およびS−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)のTHF(5mL)懸濁物に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を滴下添加した。溶液を終夜室温で撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5NのHCl(10mL×1)、H
2O(10mL×1)およびブライン(10mL×1)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、化合物Fを得た(220mg、45%)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 1.17 (t,J=5.0 Hz,3H),1.50 (s,3H),1.51 (s,3H),1.57 (s,3H),1.59 (s,3H),1.86−2.06 (m,8H),2.54 (t,J=5.0 Hz,2H),2.77 (dd,J=5.0,15.0 Hz,1H),2.95−2.96 (m,1H),3.05−3.06 (m,1H),3.16−3.20 (m,1H),3.68 (広幅,2H),4.06 (q,J=5.0 Hz,2 H),5.00−5.01 (m,2H),5.09−5.14 (m,2H).
13C−NMR (125 MHz,CD
3OD): δ 14.65,16.19,16.31,17.83,25.97,27.39,27.80,30.70,33.22,33.91,34.80,40.80,40.90,57.89,61.03,61.71,61.93,121.35,121.70,125.16,132.11,136.24,140.52,173.76,174.47,210.16;ES−MS:化学式C
24H
40N
2O
4S
2について算出された質量484.72。実測値(M+)m/z485.3、(M+Na)m/z507.3。
(実施例6)
((R)−2−(3−(フラン−2−イル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物G)の合成:3−(2−フリル)プロピオン酸(168mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウム塩化物(DMTMM、332mg、1.2mmol)のCH
2Cl
2(5mL)溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。10分間撹拌した後、S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)をゆっくり添加した。溶液を終夜室温で撹拌し、次に酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を0.5NのHCl(10mL×1)、H
2O(10mL×1)およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、化合物Gを得た(333mg、74%)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 1.50 (s,6H),1.57 (s,3H),1.59 (s,3H),1.86−1.89 (m,2H),1.95−2.06 (m,6 H),2.51 (t,J=8.0 Hz,2H),2.57−2.62 (m,1H),2.83−2.869 (m,3H),3.05 (dd,J=7.5,13.5 Hz,1H),3.12−3.16 (m,1H),4.49 (dd,J=4.5,8.0 Hz,1H),4.99−5.01 (m,2H),5.13 (t,J=7.5 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CD
3OD): δ 16.15,16.24,17.80,24.96,25.95,27.39,27.79,30.11,33.41,35.08,40.79,40.89,53.30,106.28,111.19,121.61,125.14,125.46,132.12,136.27,140.49,142.36,155.72,174.00,174.78;ES−MS:化学式C
25H
37NO
4Sについて算出された質量447.63。実測値(M+1)m/z448.3、(M+23)m/z470.2。
(実施例7)
((R)−2−(モルホリン−4−カルボキサミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物H)の合成:100mLの丸底フラスコ中、S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1.0mmol)および炭酸カリウム(1.3g、10mmol)をTHF(50mL)に溶解させた。4−モルホリンカルボニル塩化物(160mg、1.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で47時間撹拌した。THFを回転蒸発によって除去した。粗材料を、水(10mL)および1NのHCl溶液(10mL)で洗浄した。残りの粗材料を分取HPLCによって精製して、化合物Hを得た(120mg、収率27%)。
1H−NMR (500 MHz,CDCl
3) δ 1.60 (bs,6H),1.66 (s,3H),1.67 (s,3H),1.95 − 2.12 (m,8H),2.94 − 3.02 (m,2H),3.10 − 3.20 (m,2H),3.40 − 3.44 (m,4H),3.71 (t,J =4.8 Hz,4H),4.55 (dd,J=6.3,11.6 Hz,1H),5.09 (t,J=6.9 Hz,2H),5.19 (t,J=7.6 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CDCl
3): δ 16.0,16.2,17.7,25.7,26.4,26.7,29.9,33.0,39.6,39.7,44.0,53.0,66.3,119.4,123.7,124.3,131.3,135.4,140.2,157.7,174.1;ES−MS:化学式C
23H
38N
2O
4Sについて算出された質量438.3(M+)。実測値(M+Na)m/z461.4。
(実施例8)
(N−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)アセトアミド)(化合物I)の合成:50mLの丸底フラスコ中、N−アセチル−S−ファルネシル−L−システイン(368mg、1.0mmol)を、ジクロロメタン(10mL)に溶解させた。N−シクロヘキシルカルボジイミド,N’−メチルポリスチレンHL(1.7g、3.3モル、NovabioChemから)を添加した後、十分なジクロロメタンを添加して、樹脂を膨潤させ、反応物の可動性を維持し、混合物を30分間穏やかに磁気撹拌した。THF中ヒドラジン5mL(1M)を反応溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。使用した樹脂を濾過によって除去し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させると、粗反応混合物が得られた。所望の生成物を分取HPLCによって精製して、化合物Iを得た(305mg、収率80%)。
1H−NMR (500 MHz,CDCl3): δ 1.60 (s,6H),1.67 (s,6H),1.70 (S,3H),1.92 − 2.09 (m,8H),2.75 (dd,J=7.9,13.9 Hz,1H),2.88 (dd,J=5.7,13.6 Hz,1H),3.20 (d,J=7.9 Hz,2H),4.51 (dd,J=7.6,13.6 Hz,1H),5.10 (m,2H),5.24 (t,J=7.6 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CDCl3): δ 16.0,16.1,16.2,17.6,17.7,23.2,23.4,23.5,25.7,25.8,26.2,26.3,26.5,26.7,30.0,31.8,31.9,32.9,33.2,39.6,39.7,39.9,51.3,51.4,119.6,120.3,123.6,124.2,131.4,131.6,135.5,135.6,135.8,140.2,140.3,170.2,171.1;ES−MS:化学式C
20H
35N
3O
2Sについて算出された質量381.2(M+)。実測値(M+Na)m/z404.3。
(実施例9)
化合物Hの合成:100mLの丸底フラスコ中、S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1.0mmol)および炭酸カリウム(1.3g、10mmol)をTHF(50mL)に溶解させた。4−モルホリンカルボニル塩化物(160mg、1.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で47時間撹拌した。THFを回転蒸発によって除去した。粗材料を水(10mL)および1NのHCl溶液(10mL)で洗浄した。残りの粗材料を分取HPLCによって精製した(120mg、収率27%)。
1H−NMR (500 MHz,CDCl
3) δ 1.60 (bs,6H),1.66 (s,3H),1.67 (s,3H),1.95 − 2.12 (m,8H),2.94 − 3.02 (m,2H),3.10 − 3.20 (m,2H),3.40 − 3.44 (m,4H),3.71 (t,J =4.8 Hz,4H),4.55 (dd,J=6.3,11.6 Hz,1H),5.09 (t,J=6.9 Hz,2H),5.19 (t,J=7.6 Hz,1H);
13C−NMR (125 MHz,CDCl
3) δ 16.0,16.2,17.7,25.7,26.4,26.7,29.9,33.0,39.6,39.7,44.0,53.0,66.3,119.4,123.7,124.3,131.3,135.4,140.2,157.7,174.1;ES−MS:化学式C
23H
38N
2O
4Sについて算出された質量438.3(M+)。実測値(M+Na)m/z461.4。
(実施例10)
((R)−2−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)アセトアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物J)の合成:24mLのバイアル中、5−ヒドロキシルインドール−3−酢酸(191mg、1.0mmol)、HATU(380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、THF(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を終夜室温で撹拌した。THFを回転蒸発によって除去した。得られた残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解させた。有機溶液を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCによって精製して、化合物Jを得た(210mg、42%)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 1.49 (s,9H),1.56 (S,3H),1.85 − 1.98 (m,6H),2.62 (dd,J=8.0,14.0 Hz,1H),2.80 (dd,J=4.5,14.0 Hz,1H),2.88 (dd,J=7.0,13.0 Hz,1H),2.98 (dd,J=8.5,13.0 Hz,1H),3.55 (dd,J=6.5,22.5 Hz,2H),4.49 (dd,J=5.0,8.0 Hz,1H),4.98 (bs,2H),6.57 (d,J=8.5 Hz,1H),6.84 (s,1H),7.07 (d,J=6.5 Hz,2H).
13C−NMR (125 MHz,CD
3OD): δ 16.2,17.8,26.0,27.3,27.4,27.8,28.8,30.2,33.3,33.8,40.7,40.9,53.4,103.7,108.2,112.7,112.8,121.5,125.2,125.5,125.8,129.3,132.1,133.0,136.2,140.5,151.5,173.9,174.9;ES−MS:化学式C
28H
38N
2O
4Sについて算出された質量498.3(M+)。実測値(M+1)m/z499.2。
(実施例11)
((R)−2−(3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物K)の合成:3−(2−チエニル)プロパン酸(187mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウム塩化物(DMTMM、332mg、1.2mmol)のCH
2Cl
2(5mL)溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。5分間撹拌した後、S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で4時間撹拌し、次に酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を、NH
4Cl飽和溶液(15mL×2)、H
2O(10mL×1)およびブライン(15mL×1)で逐次的に洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、化合物Kを得た(310mg、67%)。
1H−NMR (500 MHz,CD
3OD): δ 1.50 (s,6H),1.57 (s,3H),1.59 (s,3H),1.86−1.89 (m,2H),1.96−2.06 (m,6 H),2.54 (t,J=7.5 Hz,2H),2.56−2.61 (m,1H),2.87 (dd,J=4.5,14.0 Hz,1H),3.00−3.06 (m,3H),3.11−3.15 (m,1H),4.49 (dd,J=5.0,8.5 Hz,1H),5.00−5.01 (m,2H),5.12 (t,J=7.5 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,CD
3OD): δ 16.16,16.25,17.81,25.96,26.74,27.40,27.79,30.13,33.42,38.74,40.79,40.89,53.32,121.62,124.36,125.14,125.47,125.75,127.81,132.11,136.27,140.47,144.46,174.98,174.64;ES−MS:化学式C
25H
37NO
3S
2について算出された質量463.70。実測値(M+23)m/z486.2。
(実施例12)
(N−[1−カルボキシ−2−(3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデカ−2−エニルスルファニル)−エチル]−スクシンアミド酸)(化合物L)の合成:100mLの丸底フラスコ中、フィトール(トランス:シス(2:1)異性体混合物34.9mL、100mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL、10mmol)をトルエン(100mL)に添加し、反応混合物を−78℃に冷却した。三臭化リン(4.7mL、50mmol)を滴下添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。水(100mL)を滴下添加して、反応をクエンチした。酢酸エチル(200mL)を添加し、次に水(50mL×2)およびブライン(50mL×2)で逐次的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、化合物Lの1:1トランス異性体および1:1シス異性体の粗混合物を得た(トランス異性体対シス異性体の比は7:3である)。粗混合物(1mmol)およびLiOH(126mg、3mmol)を、THF(3mL)および水(3mL)中で混合した。反応溶液を室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次に1NのHCl(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で逐次的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、部分的に精製された混合物を得、それをHPLCによって精製して、2つの画分を得た。
第1の画分によって、化合物Lの1:1トランス異性体および1:1シス異性体の混合物を得た(トランス異性体対シス異性体の比は1:1である)(50mg、20%)。1H−NMR (500 MHz,MeOH−d4): δ 0.76−0.79 (m,12H),1.00−1.46 (m,19H),1.58および1.63 (s,3H),1.90−1.93 (m,2H),2.46−2.49 (m,4H),2.62−2.66 (m,1H),2.87 (dd,J=4.5,14.0 Hz,1H),3.04−3.07(m,1H),3.14−3.18 (m,1H),4.46−4.49 (m,1H),5.12 (t,J=7.5 Hz,1H). 13C−NMR (125 MHz,MeOH−d4): δ 16.11,20.13,20.17,20.23,23.06,23.15,23.59,25.53,25.95,26.31,26.65,29.19,30.25,30.29,30.41,31.41,31.44,32.88,33.56,33.79,33.83,33.94,33.98,37.62,37.72,37.92,38.01,38.41,38.47,38.51,40.57,40.96,53.43,53.44,53.56,121.44,121.90,140.86,141.00,174.02,174.05,174.47,174.52,176.17,176.19;ES−MS:化学式C27H49NO5Sについて算出された質量499.3。実測値(M+Na)m/z522.3。
第2の画分によって、化合物Lのトランス異性体の1:1混合物を得た(45mg、23%)。1H−NMR (500 MHz,MeOH−d4): δ 0.76−0.79 (m,12H),1.00−1.46 (m,19H),1.58 (s,3H),1.90−1.93 (m,2H),2.46−2.49 (m,4H),2.63 (dd,J=8.5,13.5 Hz,1H),2.87 (dd,J=4.5,14.0 Hz,1H),3.02−3.07(m,1H),3.14−3.18 (m,1H),4.46−4.49 (m,1H),5.11 (t,J=7.5 Hz,1H). 13C−NMR (125 MHz,MeOH−d4): δ 16.10,16.11,20.11,20.16,20.22,23.05,23.14,25.52,25.94,25.95,26.30,26.32,29.19,30.23,30.23,30.28,31.40,33.54,33.55,33.79,33.82,33.94,33.97,37.61,37.71,38.40,38.47,38.50,38.53,40.56,40.95,53.43,121.44,140.87,174.03,174.53,176.19;ES−MS:化学式C27H49NO5Sについて算出された質量499.3。実測値(M+Na)m/z522.3。
(実施例13)
((R)−2−(4−メトキシ−4−オキソブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物M)の合成:100mLの丸底フラスコ中、モノ−メチルスクシネート(132mg、1mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.1mg、1.1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を、THF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を終夜室温で撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次に飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で逐次的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、粗化合物Mを得た。粗化合物MをHPLCによって精製して化合物Mを得た(110mg、25%)。
1H−NMR (500 MHz,MeOH−d
4): δ 1.50 (s,6H),1.57 (s,3H),1.58 (s,3H),1.85−1.88 (m,2H),1.91−1.96 (m,4H),1.99−2.03 (m,2H),2.46−2.54 (m,4H),2.68 (dd,J=7.5,13.5 Hz,1H),2.90 (dd,J=4.5,13.5 Hz,1H),3.09−3.12 (m,2H),3.21 (s,3H),4.35 (dd,J=4.5,7.0 Hz,1H),4.98−5.02 (m,2H),5.14 (t,J=7.5 Hz,1H).
13C−NMR (125 MHz,MeOH−d
4): δ 16.12,16.25,17.79,25.94,27.48,27.79,30.40,30.69,31.73,35.49,40.77,40.89,52.24,55.45,121.82,125.22,125.47,132.08,136.15,139.97,173.57,174.80,177.17;ES−MS:化学式C
23H
37NO
5Sについて算出された質量439.2。実測値(M+Na)m/z462.2。
生物学的実施例
細菌増殖の阻害(実施例14)および最小殺菌濃度(「MBC」)の決定(実施例15)によって測定される通り、化合物の抗菌特性を含む記載の化合物の生物学的活性を測定するために使用したアッセイを、以下に記載する。
(実施例14)
Propionibacterium acnesの増殖の阻害
本発明の実施例は、特定の記載のイソプレニル化合物が、周知の抗菌かつ抗ざ瘡剤である過酸化ベンゾイルと比較して優れた、または類似の抗菌活性を示すことを実証する。Propionibacterium acnes菌の増殖の阻害に関するアッセイは、他のところに記載されている(Nakatsujiら、J Invest Dermatol、2009年、129巻:2480〜2488頁)。簡潔には、P.acnesの菌株ATCC6919(American Type Culture Collection、Manassas、VA)を、5%(v/v)脱線維素ヒツジ血液、ビタミンK(5mg/ml、Remel、Lenexa、KS)およびヘミン(50mg/ml、Remel、Lenexa、KS)を補充したブルセラ寒天(RO1254、Remel、Lenexa、KS)上で、嫌気条件下でGas−Pak(BD、Sparks、MD)を使用して37℃で培養した。単一コロニーを強化クロストリジウム培地(英国ハンプシャー州オックスフォード)に播種し、37℃において嫌気条件下で培養した。記載のイソプレニル化合物A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、KおよびLのそれぞれを、100%(v/v)DMSOに溶解させた。次に、それぞれの記載のイソプレニル化合物の試料および過酸化ベンゾイル(「BPO」)溶液を、96ウェルマイクロプレート(1ウェル当たり100μL)中強化クロストリジウム培地において、1mL当たり1×106CFUの濃度のP.acnesの接種物と共に、嫌気条件下で72時間、それぞれインキュベートした。それぞれ記載のイソプレニル化合物の試料を、1ウェル当たり0.25μg/mL、0.5μg/mL、1.0μg/mL、1.95μg/mL、3.9μg/mL、7.8μg/mL、15.625μg/mL、31.25μg/mL、62.5μg/mL、125μg/mL、250μg/mLおよび500μg/mLの最終濃度で試験した。対照ウェルには、記載のイソプレニル化合物の試料の代わりに5%(v/v)DMSOだけを入れた。嫌気条件下において72時間インキュベーションした後、96ウェルマイクロプレート中のP.acnes培養物を十分に混合し、次に600nmで吸光度を読み取って、細菌増殖を決定した。P.acnes増殖曲線をプロットし、細菌増殖の50%阻害(IC50)をもたらした各々の試験された記載のイソプレニル化合物の濃度を、SigmaPlotを使用して決定した。BPO、ドキシサイクリン(deoxycycline)、AFC、化合物A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、KおよびLに関して、提供されたイソプレニル化合物のP.acnesの増殖阻害に対する効果を実証するIC50範囲を、図1の列1に列挙する。BPO、AFC、化合物Gおよび化合物Hについて決定したP.acnesの増殖曲線を、図2に示す。
(実施例15)
最小殺菌濃度の決定
本発明の実施例は、特定の記載のイソプレニル化合物が抗菌活性を示し、低い最小殺菌濃度を示すことを実証する。P.acnesに対する記載のイソプレニル化合物の最小殺菌濃度(「MBC」)を、以下の方法を使用して決定した。100%(v/v)DMSOに溶解させた記載のイソプレニル化合物、例えばAFCおよび化合物Aの試料溶液を、1ウェル当たり総培養物100μlを入れた96ウェルマイクロプレート中、1×107CFU/mLの濃度のP.acnes接種物と共に、嫌気条件下でそれぞれインキュベートして、1ウェル当たり1μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、25μg/mL、50μg/mL、100μg/mLおよび200μg/mLの最終化合物濃度を得た。対照ウェルには、記載のイソプレニル化合物の試験溶液の代わりに5%(v/v)DMSOだけを入れた。5時間インキュベーションした後、反応混合物をPBSで連続(1:10〜1:106)希釈した。希釈した培養物(5μl)をブルセラ寒天プレート(RO1254、Remel、Lenexa、KS)上に播種することによって、MBCを決定した。播種の72時間後に、プレート上のコロニーを計数し、CFU(コロニー形成単位)を算出し、そのデータを、SigmaPlotを使用してプロットした。各化合物のMBCを決定するための、異なる濃度のAFC(パネルA)および化合物A(パネルB)によって得られたP.acnesの細菌濃度(CFU/mL)を、図3に示す。
(実施例16)
P.acnes誘発性のマウス耳炎症モデル−MPOエンドポイント
P.acnesの炎症モデルのための方法は、他のところに記載されている(Nakatsujiら、J. Invest. Dermatol.、2008年、128巻:2451〜2457頁)。本発明の実施例は、P.acnes誘発性の炎症のためにこのマウスのインビボモデルを使用して、特定の記載のイソプレニル化合物が、細菌攻撃によって誘発される炎症の部位に局所適用される場合に、好中球浸潤(MPO好中球マーカー)などの一般に使用される炎症性エンドポイントに対する効果から明らかなように、インビボで抗炎症活性を示すことを実証する。本発明の実施例は、P.acnesによる炎症のためにこのマウスのインビボモデルを使用して、特定の記載のイソプレニル化合物が、細菌攻撃により、例えばP.acnesにより誘発される炎症の部位に局所適用される場合に、好中球浸潤(MPO好中球マーカー)などの一般に使用される炎症性エンドポイントに対する効果から明らかなように、インビボで抗炎症活性を示し、したがって抗ざ瘡剤として有用であることをさらに実証する。
P.acnes菌の攻撃を使用してマウス耳に炎症を誘発するためのプロトコルを、過去に記載の方法(Natatsujiら、2008年)からわずかに改変した。簡潔には、Swiss Webster(ICR、6〜8週齢)マウス耳に、生きたP.acnesの培養物を皮内注射した。PBSに懸濁させた、一定分量20μlの量の生きたP.acnes(ATCC6919、3×106CFU)を、耳の中心部に皮内注射した。対照として、PBS20μlを対照動物に注射した。細菌注射の24時間後に、P.acnesを注射した耳には著しい皮膚紅斑、耳の膨潤(浮腫)および肉芽腫性応答(MPO活性)が観測されたが、リン酸緩衝食塩水(PBS)注射では誘発されなかった。
記載のイソプレニル化合物による皮膚の好中球浸潤の阻害についてアッセイするために、標準法を使用した(Bradleyら、J Invest Dermatol、1982年、78巻:206〜209頁;Youngら、J Invest Dermatol、1983年、80巻:48〜52頁;De Youngら、Agents Actions、1989年、26巻:335〜41頁;およびRaoら、Inflammation、1993年、17巻:723〜41頁参照)。簡潔には、化合物で処置した耳ならびに処置していない対照の耳の両方から取った6mmの生検パンチを、Fast Prep 24(MP Biomedicals、Solon、OH)を使用して、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム400μl中でホモジナイズした。上清を、モデルEL340の96ウェルプレートリーダー(BioTek Instruments、Winooski、VT)を使用してMPO活性についてアッセイした。平均MPOレベルを、それぞれの記載のイソプレニル化合物の存在下および存在しない状態で比較することによって、これらの化合物による好中球浸潤の阻害(%)を決定した。MPOの阻害(%)を、化合物で処置した耳の平均MPO活性を測り、それをP.acnesの攻撃を受けた12個の耳のみの平均MPO活性で割り、その値を100%から減算することによって決定した。これらの値を、P.acnesで処理しなかった同腹子の対照の正常なマウス耳のMPO活性に対して補正した。デキサメタゾン(1.6mg/20μLの用量で投与した)、クロベタゾール(0.1mg/20μLの用量で投与した)、サリチル酸(0.4mg/20μLの用量で投与した)、AFC(0.8mg/20μLの用量で投与した)、化合物A(0.8mg/20μLの用量で投与した)、化合物D(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物F(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物G(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物I(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物J(0.4mg/20μLの用量で投与した)、K(0.4mg/20μLの用量で投与した)およびL(0.4mg/20μLの用量で投与した)についてMPO活性アッセイから決定したMPO活性範囲の概要を、図4に示す。
(実施例17)
P.acnes誘発性のマウス耳炎症モデル−サイトカイン放出
P.acnesを使用してマウス耳に急性炎症を誘発するためのプロトコルは、他のところに記載されており(Nakatsujiら、J Invest Dermatol、2008年、128巻:2451〜2457頁)、実施例15に記載のプロトコルに類似している。本発明の実施例は、接触刺激のためにこのマウスのインビボモデルを使用して、特定の記載のイソプレニル化合物が、局所適用される場合にIL−6、TNF−α、IL−8およびIL−1βなどの炎症促進性サイトカインレベルを部分的に阻害して、実施例15で実証された通り好中球浸潤(MPO好中球マーカー)の炎症性エンドポイントに対して観測された効果をもたらすことによって、P.acnesにより誘発される炎症の部位においてインビボで抗炎症活性を示すことを実証する。したがって本発明の実施例は、特定の記載のイソプレニル化合物が、細菌誘発性の炎症の処置に有用であり、したがって抗ざ瘡剤として有用であることを実証する。
P.acnes菌の攻撃を使用してマウス耳に炎症を誘発するためのプロトコルを、過去に記載の方法(Natatsujiら、2008年)からわずかに改変した。簡潔には、Swiss Webster(ICR、6〜8週齢)マウス耳に、生きたP.acnes(菌株ATCC6919)の培養物を皮内注射した。PBSに懸濁させた、一定分量20μlの量の生きたP.acnes(ATCC6919、3×106CFU)を、耳の中心部に皮内注射した。対照として、PBS20μlを対照動物に注射した。細菌注射の24時間後に、P.acnesを注射した耳には著しい皮膚紅斑、耳の膨潤(浮腫)および肉芽腫性応答(MPO活性)が観測されたが、リン酸緩衝食塩水(PBS)注射では誘発されなかった。化合物で処置した耳および処置していない対照の耳の両方から取った生検耳組織(6mm)を得、Fast Prep 24(MP Biomedicals、Solon、OH)を使用して、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含む哺乳動物の抽出緩衝液(Pierce)中Lysing Matrix Aを用いて45秒の2サイクルでホモジナイズした。上清を、酵素結合免疫吸着法(ELISA)によって、適切なタンパク質標準品(BD Pharmigen)を使用してIL−6、TNF−α、IL−8およびIL−1βの刺激性放出についてアッセイした。
デキサメタゾン(1.6mg/20μLの用量で投与した)、クロベタゾール(0.1mg/20μLの用量で投与した)、サリチル酸(0.4mg/20μLの用量で投与した)、AFC(0.8mg/20μLの用量で投与した)、化合物A(0.8mg/20μLの用量で投与した)、化合物D(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物F(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物G(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物I(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物B(0.4mg/20μLの用量で投与した)、化合物J(0.4mg/20μLの用量で投与した)、K(0.4mg/20μLの用量で投与した)およびL(0.4mg/20μLの用量で投与した)で決定されたサイトカイン活性範囲の概要を、IL−6レベルについては図5に示し、TNF−αレベルについては図6に示し、IL−8レベルについては図7に示し、IL−1βレベルについては図8に示す。
(実施例18)
NHEK細胞におけるP.acnes誘発性サイトカイン放出
P.acnesを使用してヒト細胞系に炎症応答を誘発するためのプロトコルは、他のところに記載されている(Nakatsujiら、J Invest Dermatol、2008年、128巻:2451〜2457頁)。本発明の実施例は、NHEK細胞系におけるサイトカイン放出モデルのこのP.acnes誘発性阻害を使用して、特定の記載のイソプレニル化合物が、P.acnesにより誘導される場合のIL−8などの炎症促進性サイトカインレベルを部分的に阻害することによって、ヒトケラチノサイト培養物において抗炎症活性を示すことを実証する。簡潔には、正常な一次成人ケラチノサイト(NHEK)を、プールしたドナーから得、Cascade Biologics(Gibco;カリフォルニア州カールズバッド)またはScienCell Research Labs(カリフォルニア州カールズバッド)から購入した。細胞処理は、1ウェル当たり5〜10×103個の細胞を播いた96ウェルプレート中、第2および第3継代においてのみ実施した。NHEK細胞を、EGF(10ng/ml)、ヒドロコルチゾン(1μg/ml)、ウシインスリン(5μg/ml)およびヒト脳下垂体抽出物(2mL)を補充したケラチノサイト増殖培地(KGM;Gibco)中、無血清環境において5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の任意の免疫調節作用を回避するために、細胞を、処理前の24時間、EGFもヒドロコルチゾンも補充していないKGM(枯渇培地)で維持した。処理当日、細胞を新しい枯渇培地中で、記載のイソプレニル化合物(0.1〜100μM;1%v/vエタノール)とともに、三つ組みでプレインキュベートした。プレインキュベーションした後、細胞を、DMSO中P.acnes(1×107CFU/ml)により37℃で24時間処理した。その後、上清を収集し、−80℃で保存し、細胞をMTTアッセイ(Promega;Madison、WI)による生存率試験にかけた。NHEK細胞におけるP.acnes誘発性の炎症モデルを使用して化合物Kにより得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図9に示す。
(実施例19)
HMEC−1細胞におけるLPS−TLR4誘発性の炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
細菌エンドトキシンの一般的なクラスであるリポ多糖(LPS)によるToll様受容体4(TLR4)の活性化は、重要な免疫応答および炎症応答を媒介するのに必要な炎症促進性サイトカインの放出を誘導する(Yong−Chenら、Cytokines、2008年、42巻:145〜151頁に概説される)。本発明の実施例は、特定の記載のイソプレニル化合物が、TLR4炎症シグナル伝達経路を阻害して、例えばIL−8の炎症促進性サイトカイン放出を低減することを実証する。ヒト微小血管内皮細胞(HMEC)を、0.5%ウシ胎仔血清(FBS)、上皮増殖因子(EGF)(10ng/mL)ヒドロコルチゾン(1μg/mL)および100U/mLのペニシリン/100μg/mLのストレプトマイシンを補充したEC基本培地(EBM;Cambrex、Walkersville、MD)(補充培地と呼ばれる)中、5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の免疫調節作用を回避するために、細胞を、0.5%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンだけを補充し、EGFもヒドロコルチゾンも補充していないEBM(枯渇培地と呼ばれる)で、ある期間にわたって維持した。細胞を、12ウェルプレート中、0.25×106個の細胞/ウェルの濃度で補充培地に蒔いた。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地に変更した。24時間後、枯渇培地を除去し、様々な濃度のAFCおよび化合物Aを含有する新しい枯渇培地を、適切なウェルに三つ組みで添加した。2時間後、炎症促進性応答を誘導するために、LPS(100μM)を別個のウェルに添加した(三つ組みで)(Benderら、Exp Dermatol、2008年、17巻:752〜60頁;およびSeiffertら、J Invest Dermatol、2006年、126巻:1017〜27頁)。細胞培養物を、トリパンブルー排除および3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムの還元(MTSアッセイ;Promega、Madison、WI)によって生存率について調査して、様々な処理濃度のAFCおよび化合物Aの生存細胞の百分率を決定した。6時間インキュベーションした後、上清を収集し、酵素結合免疫吸着法(ELISA)によって、IL−8の刺激性放出について適切なタンパク質標準品(BD Pharmigen)を使用してアッセイした。HMEC−1細胞におけるLPS−TLR4誘発性の炎症モデルを使用してAFC(パネルA)および化合物A(パネルB)で得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図10に示す。
(実施例20)
NHEK細胞におけるPGN−TLR2誘発性の炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
細菌エンドトキシンの一般的なクラスであるペプチドグリカン(PGN)によるToll様受容体2(TLR2)の活性化は、重要な免疫応答および炎症応答を媒介するのに必要な炎症促進性サイトカインの放出を誘導する(Linら、Int Immunopharmacol、2010年、10巻、883〜891頁)。本発明の実施例は、特定の記載のイソプレニル化合物が、TLR2炎症シグナル伝達経路を阻害して、例えばIL−8の炎症促進性サイトカイン放出を低減することを実証する。簡潔には、正常な一次成人ケラチノサイト(NHEK)を、プールしたドナーから得、Cascade Biologics(Gibco;カリフォルニア州カールズバッド)またはScienCell Research Labs(カリフォルニア州カールズバッド)から購入した。細胞処理は、1ウェル当たり5〜10×103個の細胞を播いた96ウェルプレート中、第2および第3継代においてのみ実施した。NHEK細胞を、EGF(10ng/ml)、ヒドロコルチゾン(1μg/ml)、ウシインスリン(5μg/ml)およびヒト脳下垂体抽出物(2mL)を補充したケラチノサイト増殖培地(KGM;Gibco)中、無血清環境において5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の任意の免疫調節作用を回避するために、細胞を、処理前の24時間、EGFもヒドロコルチゾンも補充していないKGM(枯渇培地)で維持した。処理当日、細胞を新しい枯渇培地中、記載のイソプレニル化合物(0.1〜100μM;1%v/vエタノール)とともに、三つ組みでプレインキュベートした。プレインキュベーション後、細胞を、DMSO中PGN(10μg/ml)で、37℃において24時間処理した。その後、上清を収集し、−80℃で保存し、細胞をMTTアッセイ(Promega;Madison、WI)による生存率試験にかけた。NHEK細胞におけるPGN−TLR2誘発性の炎症モデルを使用して化合物Kを用いて得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図11に示す。
(実施例21)
HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性の炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
特に上皮表面に対する細菌攻撃は、ATPなどの細胞外シグナル伝達ヌクレオチド分子の放出を誘起することが示されている。細胞外シグナル伝達分子として働くATPは、大血管内皮細胞および微小血管内皮細胞(EC)を含む免疫応答および炎症応答に関与する様々な細胞に発現するプリン作動性P2受容体を活性化することが公知である。かかる上皮に関係する障害の病態生理が生じている間、皮膚微小血管ECは、白血球を含む炎症細胞を、IL−6、IL−8、GroαおよびMCP−1などの炎症促進性メディエーターの放出によって部分的に誘起される皮膚上などの細菌攻撃部位に動員する(Swerlickら、J Invest Dermatol、1993年、100巻:111S〜115S頁)。ATPの非加水分解性の類似体、すなわちATPγSは、P2プリン作動性受容体シグナル伝達をモジュレートすることにより、ヒト皮膚の微小血管(microcascular)内皮細胞において炎症促進性サイトカインの生成を誘導することが既に実証されている(Seiffertら、J Invest Dermatol、2006年、126巻:1017〜27頁)。
過去に記載されている通り、ATPγSによるヒト微小血管内皮細胞(HMEC)の炎症促進性サイトカインの生成を誘導するためのプロトコルは、試験化合物の抗炎症活性を研究するための細胞ベースのモデルとして働く。本発明の実施例は、この細胞ベースのモデルを使用して、特定の記載のイソプレニル化合物が、IL−8およびMCP−1などの炎症促進性メディエーターのATPγS誘発性−プリン作動性受容体媒介性放出の阻害から明らかなように、抗炎症活性を示すことを実証する。簡潔には、HMECを、0.5%ウシ胎仔血清(FBS)、上皮増殖因子(EGF)(10ng/mL)、ヒドロコルチゾン(1μg/mL)および100U/mLのペニシリン/100μg/mLのストレプトマイシンを補充したEC基本培地(EBM;Cambrex、Walkersville、MD)(補充培地と呼ばれる)中、5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の免疫調節作用を回避するために、細胞を、0.5%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンだけを補充し、EGFもヒドロコルチゾンも補充していないEBM(枯渇培地と呼ばれる)で、ある期間にわたって維持した。細胞を、12ウェルプレート中、0.25×106個の細胞/ウェルの濃度で補充培地に蒔いた。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地に変更する。24時間後、枯渇培地を除去し、様々な濃度の化合物Aを含有する新しい枯渇培地を、適切なウェルに三つ組みで添加した。2時間後、炎症促進性応答を誘導するために、ATPγS(100μM)を別個のウェルに添加した(三つ組みで)(Benderら、Exp Dermatol、2008年、17巻:752〜60頁;およびSeiffertら、J. Invest. Dermatol.、2006年、126巻:1017〜27頁)。細胞培養物を、トリパンブルー排除および3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムの還元(MTSアッセイ;Promega、Madison、WI)によって生存率について調査して、様々な処理濃度の化合物Aについての生存細胞の百分率を決定した。6時間インキュベーションした後、上清を収集し、酵素結合免疫吸着法(ELISA)によって、MCP−1およびIL−8の刺激性放出について適切なタンパク質標準品(BD Pharmigen)を使用してアッセイした。HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性の炎症モデルを使用してAFC(パネル(i))および化合物A(パネル(ii))で得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図12に示す。HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性の炎症モデルを使用してAFC(パネル(i))および化合物A(パネル(ii))で得られたMCP−1レベル(pg/mL)を、図13に示す。HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン作動性受容体誘発性の炎症モデルを使用してAFCで得られたGroαレベル(pg/mL)を、図14に示す。
(実施例22)
NHEK細胞におけるTPA誘発性の炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
本発明の実施例は、本発明の特定の記載のイソプレニル化合物が、ヒトケラチノサイト細胞系(NHEK)におけるIL−8などの炎症促進性メディエーターのTPA誘発性放出の阻害から明らかなように、TPA誘発性のマウス耳のインビボ炎症モデルに対する効果と類似の抗炎症活性を示すことを実証する。NHEK細胞を、EGF(10ng/ml)、ヒドロコルチゾン(1μg/ml)、ウシインスリン(5μg/ml)およびヒト脳下垂体抽出物(2mL)を補充したケラチノサイト増殖培地(KGM;Gibco、カリフォルニア州カールズバッド)中、無血清環境において5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の任意のモジュレート効果を回避するために、細胞を、EGFもヒドロコルチゾンも補充していないKGM(枯渇培地)で維持した。細胞を、12ウェルプレート中、0.25×106個の細胞/mLの濃度で補充培地に蒔いた。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地に変更した。24時間後、枯渇培地を除去し、様々な濃度の化合物Aを含有する新しい枯渇培地を、適切なウェルに三つ組みで添加した。8時間後、培地を、化合物Aを含まない培地に変更した。16時間後、細胞生存率をトリパンブルー排除およびMTSアッセイによって決定して、様々な処理濃度の化合物Aからの生存率(%)を決定した。細胞をTPA(5ng/mL)中で培養して、炎症促進性応答およびIL−8の放出を誘導した。5時間のインキュベーションの後、上清を収集し、ELISAによって、IL−8の刺激性放出についてアッセイした。様々な濃度の化合物Aを、組織培養ウェルに三つ組みで2時間添加した後、TPAならびにTPAに曝露されていない細胞を添加した。二つ組の実験(刺激期間の最後に細胞を洗浄し、TPAも化合物Aも含まない新しい培地を添加した)において刺激を与えた16時間後に、細胞生存率をトリパンブルー排除およびMTSアッセイによって決定した。NHEK細胞におけるTPA誘発性の炎症モデルを使用して化合物Aで得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図15に示す。
(実施例23)
HUVEC細胞におけるTNFα誘発性の炎症モデル−TNFα誘発性サイトカイン放出の阻害
TNF−αは、炎症促進機能および免疫調節機能を有する多面的な(plieotropic)サイトカインである。炎症におけるTNF−αの病原的役割は、TNF−αがTNF受容体と相互作用し、例えば、TNF−α(それ自体)、IL−8などの炎症促進性サイトカインを誘導することによって媒介される。本発明の実施例は、本発明の特定の記載のイソプレニル化合物が、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)においてTNF受容体媒介性シグナル伝達により媒介されるIL−8などの炎症促進性サイトカインの低減から明らかなように、抗炎症活性を示すことを実証する。簡潔には、HUVEC細胞を、低血清環境(2%FBS)においてEGM−2 Bullet Kit(Lonza)を補充した内皮増殖培地−2(EGM−2;Lonza;Walkersville、MD)中、5%CO2を用いて37℃で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処理中に生じ得るこれらの薬剤の任意のモジュレート効果を回避するために、細胞を、血清も増殖因子も補充していないEGM−2(枯渇培地)で維持した。細胞を、96ウェルプレート中、1×105個の細胞/mLの濃度で補充培地に蒔いた。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地に変更した。24時間後、培地を除去し、様々な濃度のAFC、化合物Aおよび化合物Bを含有する新しい枯渇培地を、適切なウェルに三つ組みで添加した。30分間のプレインキュベーションの後、細胞を組換えヒトTNF−α(1×104U/mL;Millipore、Billerica、MA)で刺激して、炎症促進性応答およびIL−8の放出を誘導した。4時間のインキュベーションの後、上清を収集し、ELISAによってIL−8の刺激性放出についてアッセイした。細胞生存率を、様々な処理濃度のAFC、化合物Aおよび化合物Bからの生存率(%)を決定するためのトリパンブルー排除およびMTSアッセイによって決定した。HUVEC細胞におけるTNF−α誘発性の炎症モデルを使用して、AFC、化合物Aおよび化合物Bで得られたIL−8レベル(pg/mL)を、図16に示す。
(実施例24)
ヒトざ瘡試験
軽度から中程度の顔面ざ瘡の処置における二重盲検ビヒクル対照試験を12週間実施して、軽度から中程度の顔面ざ瘡を有する被験体で、記載のイソプレニル化合物の効力および耐用性を実証する。紅斑および炎症性の丘疹を特徴とする軽度から中程度の顔面ざ瘡を有する被験体で、ビヒクル中の記載のイソプレニル化合物の効力および耐用性を実証するために、軽度から中程度のざ瘡を有する18歳以上の50人の男女の被験体が、この12週間の二重盲検ビヒクル対照試験に登録される。25人の被験体には、ビヒクル中の試験化合物を被験体の顔面全体に使用し、残りの25人の被験体にはビヒクル対照を使用する。被験体を、年齢およびざ瘡の重症度の平衡がとれる2つの群に無作為化する。研究者による評価、被験体による評価、写真撮影、および皮膚分光光度計の読取りを、ベースライン、2週目、4週目、8週目および12週目に行う。皮膚分光光度計の読取値を、それぞれの頬部の隆起(malar eminence)から得る。被験体は、ベースラインと12週目にDermatology Life Quality IndexおよびVisual Analog Scaleの評価を完了する。被験体を、以下の時点:ベースライン、2週目、4週目、8週目、12週目に評価する。被験体にざ瘡の発赤が生じないようにするために、2週間の休薬後にベースライン訪問を行う。
等価物
本発明を特定の実施形態への参照と共に本明細書に記載してきたが、これらの実施形態は、本発明の原則および適用の単なる例示であると理解されることを、当業者は日常的な程度の実験法を使用して認識し、または確認することができる。したがって、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、数々の改変を例示的な実施形態に加えることができ、他の設定が考案され得ることを理解されたい。
特許請求の範囲では、「a」、「an」および「the」などの項目は、そうでないと示されない限り、または状況から別段明らかでない限り、1つまたは2つ以上を意味することがある。ある群の中の1つ以上のメンバーの間に「または」を含む特許請求の範囲または記載は、そうでないと示されない限り、または状況から別段明らかでない限り、その群の1つ、2つ以上またはすべてのメンバーが所与の生成物または方法において存在し、使用され、または他の方法でそれらに関連する場合に満足するとみなされる。本発明は、群のちょうど1つのメンバーが所与の生成物または方法において存在し、使用され、または他の方法でそれらに関連する実施形態を含む。本発明は、群の2つ以上またはすべてのメンバーが所与の生成物または方法において存在し、使用され、または他の方法でそれらに関連する実施形態を含む。さらに本発明は、列挙した請求項の1つ以上に由来する1つ以上の制限、要素、節、説明用語等が、別の請求項に導入されるすべての変形形態、組合せおよび置換を包含することを理解されたい。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項を改変して、ベースとなる同じ請求項に従属する任意の他の請求項において見られる1つ以上の制限を含むようにすることができる。
例えばマーカッシュ群形式で要素が一覧に提示されている場合、その要素のそれぞれのサブグループも開示されており、任意の要素(複数可)をその群から除去できることを理解されたい。一般に、本発明または本発明の態様が、特定の要素、特徴等を含むものとして言及される場合、本発明のいくつかの実施形態または本発明の態様は、かかる要素、特徴等からなり、または本質的になることを理解されたい。簡素化する目的で、これらの実施形態は、本明細書ではこの通りの言葉では具体的に記載されていない。用語「含む」は、オープンであり、追加の要素またはステップの包含を認めるものであることに留意されたい。
範囲が示されている場合、その端点が含まれる。さらに、別段指定されない限り、または状況および当業者の理解から別段明らかでない限り、範囲として表されている値は、本発明の様々な実施形態に記載の範囲内の任意の具体的な値または部分範囲を、状況によって別段明示されない限りその範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得ることを理解されたい。
さらに、従来技術に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は、本特許請求の範囲の任意の1つ以上から明確に排除できることを理解されたい。かかる実施形態は当業者に公知であるとみなされるので、これらの実施形態は、その排除が本明細書に明確に記載されない場合でも排除することができる。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の標的部分、任意の疾患、障害および/または状態、任意の投与方法、任意の治療上の適用等)は、従来技術の存在に関わろうが関わるまいが、任意の理由で任意の1つ以上の請求項から排除することができる。
上記および本文の全体で論じた刊行物は、本願の出願日以前の該刊行物の開示のためにのみ記載される。本明細書では、先行の開示を理由として本発明者らがかかる開示に先行しているという資格がないことの認定と解釈されるべきではない。
したがって、これらの実施形態を具体的に参照することにより本発明を詳細に説明してきたが、他の実施形態によって同じ結果が達成されることもある。本発明の変更および改変は、当業者に明らかであり、すべてのかかる改変物および等価物が包含されるものとする。上記および/または添付書類に引用したすべての参考文献、特許出願文書、特許文書および刊行物、ならびに対応する出願文書(複数可)のすべての開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。