以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施例になるプレイヤードの全体概略を示し、プレイヤードが展開された使用状態を示す。図5および図6は、スライド部材を拡大して示す正面図である。図7は、プレイヤードの全体概略を示す下面図である。図8〜図10はプレイヤードの折り畳み状態を示す。プレイヤード10は、プレイヤード10の骨格を構成するフレーム構造体11と、フレーム構造体11に取り付けられてフレーム構造体11の外周を包囲する布状部材12と、フレーム構造体11に着脱可能に取り付けられた棒部材13と、棒部材13に支持される敷板41とを備える。
本実施例のプレイヤード10は、平面視略長方形であるため、便宜上、1対の長辺部分をプレイヤード一方側、プレイヤード他方側、プレイヤード左側、プレイヤード右側、プレイヤード側部、プレイヤード両側部、もしくはプレイヤード左右側部と称する。また1対の短辺部分をプレイヤード一端部、プレイヤード他端部、プレイヤード前端部、プレイヤード後端部、プレイヤード端部、プレイヤード両端部、もしくはプレイヤード前後端部と称する。プレイヤード10は、乳幼児を遊ばせる枠囲いとして使用できるほか、後述するように乳幼児を寝かせる寝台としても好適に使用可能である。
まずフレーム構造体11につき説明すると、フレーム構造体11は上下方向に延びる4本の柱材14と、プレイヤード両側部に設けられた1対の横材15L,15Rと、プレイヤード両端部に設けられた1対の横材16,16と、平面視において対角線となるよう配置されたクロスパイプ17とを含む。
柱材14は平面視において四隅の角部で直立するよう配置される。プレイヤード一端部に配置された2本の柱材14,14間には、横材16が架設される。同様に、プレイヤード他端部に配置された2本の柱材14,14間にも、横材16が架設される。同様に、プレイヤード一方側に配置された2本の柱材14,14間には、横材15Rが架設される。具体的には、横材16,15Rの端部は柱材14の上端部ブロック14Bと回動可能に連結し、プレイヤードの折り畳み時には、横材16,15Rが柱材14に近づくよう回動可能である。また横材16は、中央部に設けられた中央連結部材20と、中央連結部材20から長手方向一方へ延びるパイプ161と、中央連結部材20から長手方向他方へ延びるパイプ162とで構成される。パイプ161およびパイプ162は同じ長さである。
また横材15Rは、中央部に設けられた中央連結部材20と、中央連結部材20から長手方向一方へ延びるパイプ151と、中央連結部材20から長手方向他方へ延びるパイプ152とで構成される。パイプ151およびパイプ152は同じ長さであり、パイプ161,162よりも長い。
プレイヤードの使用状態において、中央連結部材20は中央連結部材20から長手方向一方へ延びるパイプ161および長手方向他方へ延びるパイプ162をロックし、横材16は図3に示すように一直線に保持される。しかし中央連結部材20のロックを解除すると横材16が中央部で折れ変形可能にされる。したがってプレイヤード10を折り畳むと、後述する図9に示すように中央連結部材20からパイプ161,162が上方へ延び、横材16はV字形状にされる。横材15Rも同様に中央連結部材20が設けられ、プレイヤードの使用状態では一直線にされ、プレイヤードの折り畳み状態では中央部で折れ変形する。そして中央連結部材20からパイプ151,152が上方へ延び、横材15RはV字形状にされる。
なお、複数本の横材のうち横材15Lのみ、プレイヤード右側2箇所のスライド部材18を介して、柱材14に回動可能かつ摺動可能に連結される。具体的には、スライド部材18に上下方向に延びる貫通孔72が形成されて、この貫通孔72に柱材14が貫通し、1対のスライド部材18は柱材14に沿って摺動可能である。通常、スライド部材18は後述する留め具19で摺動不能にされており、スライド部材18がプレイヤード右側に配置された1対の柱材14の上端部にそれぞれ固定保持される。またスライド部材18は横材15Lの端部と連結軸71で回動可能に連結し、プレイヤード10の折り畳み時には横材15Lが柱材14に近づくよう回動可能である。なお、横材15Lの長手方向一方のパイプ151は横材15Rの長手方向一方のパイプ151よりもスライド部材18の寸法分短くされる。同様に横材15Lの長手方向他方のパイプ152は横材15Rの長手方向他方のパイプ152よりもスライド部材18の寸法分短くされる。
スライド部材18の上部は、連結軸71を越えて中央連結部材20側へ延びる庇形状の受け部77が形成される。受け部77は図5および図6に示すようにパイプ151を受け止めることから、連結軸71回りにパイプ151がスライド部材18よりも上方に回動することはない。しかしパイプ151は連結軸71回りにスライド部材18よりも下方に回動可能である。なおパイプ152も同様にスライド部材18に回動連結される。同様に横材15Rのパイプ151、152と、横材16のパイプ161,162も、上端部ブロック14Bに回動連結される。
横材15Lはプレイヤードの使用状態において図2〜図4に示すように一直線に延びている。しかしプレイヤードの折り畳み状態では中央部で折れ変形する。そして図8に示すように、中央連結部材20からパイプ151,152が上方へ延び、横材15LはV字形状にされる。
スライド部材18のうち、連結軸71と貫通孔72との間には貫通孔72と平行に延びる直線状のパイプ73が取り付け固定される。パイプ73の上端は連結軸71と略同じ位置とされ、パイプ73の長さは、柱材14の約半分である。パイプ73には、パイプ73と直交する留め具19が設けられる。留め具19は、パイプ73に穿設されて横断方向に延びる貫通孔73hを貫通し、両端が貫通孔73hから突出する軸部74と、軸部74の先端に固定された鍔付帽子形状の先端部75と、軸部74の外周を覆うよう螺旋状に延びるとともに先端部75の鍔部とパイプ73の外周面との間に縮設されたリターンスプリング76と、軸部74の後端に固定された把持部77とを有する。
軸部74はリターンスプリング76によって柱材14側へ付勢され、先端部75は柱材14に当接する。リターンスプリング76の付勢力よりも大きな力で把持部77を引っ張ることにより、先端部75は柱材14から離れる。なお把持部77および先端部75の寸法が貫通孔73hの内径よりもよりも大きいことから、軸部74が貫通孔73hから抜け落ちることはない。
スライド部材18が柱材14の上端部に位置する場合、留め具19の先端部75は柱材14に形成された穴14hに入り込んで係合する。かかるオン状態で、スライド部材18は摺動不能にされ、柱材14に沿って摺動することができない。
乳幼児の保護者が、リターンスプリング76の付勢力に抗して留め具19を引っ張ると、先端部75が穴14hから抜け出し、係合が解除される。かかるオフ状態でスライド部材18は摺動不能にされ、柱材14に沿って摺動することができない。各スライド部材18,18の留め具19をそれぞれ引っ張り1対のスライド部材18を摺動可能とすると、図6に矢で示すように横材15Lは1対のスライド部材18とともに下方へ移動する。そして図4に示すように、上下方向中間部の位置にされる。これにより、横材15Lを越えてプレイヤード10への乳幼児の出し入れが容易になる。また、保護者は横材15Lを越えてプレイヤード10内の乳幼児に簡単に手をのばすことができる。なお保護者からみて横材15Lは4本の横材のうち最も近い位置にあることから、前枠とも称する。
横材15Lは、図4に示すように、フレーム構造体11の上下方向中間部に取り付けられた壁板53の上端縁と略同じ高さ位置まで下降可能である。壁板53の下端縁は敷板41と連結する。フレーム構造体11の上下方向中間部に取り付けられた敷板41は乳幼児を寝かせる寝台として利用される。このようにスライド部材18および横材18Lをフレーム構造体11の上下方向中間部まで押し下げることにより、保護者は容易に就寝中の乳幼児の世話をすることが可能になる。
クロスパイプ17は、X字形状であって、図7に示すように長方形のプレイヤード10下面で、対角線状に配置される。クロスパイプ17は、具体的に、X字の中央に配置された中央連結部材23と、中央連結部材23および各柱材14と連結する4本のパイプ171〜174で構成される。パイプ171〜174の一方端は柱材14とそれぞれ回動可能に連結する。またパイプ171〜174の他方端は中央連結部材23とそれぞれ回動可能に連結する。中央連結部材23は、4本のパイプ171〜174が中央連結部材23の下方へ向かうよう回動することを許容するが、中央連結部材23の上方へ向かうよう回動することを規制する。プレイヤードの使用状態においてクロスパイプ17はX字に展開された状態を保持することができる。また図8〜図10に示すように、プレイヤードの折り畳み状態において、4本のパイプ171〜174は中央連結部材23の下方に集約され、クロスパイプ17は小さく折り畳まれる。
プレイヤード他端に配置された2本の柱材14,14の下端には、車輪21と、車輪21の外周を包囲する車輪カバー22が設けられる。車輪21は車輪カバー22の下端から突出してプレイヤード設置床面Sに接地する。また図2を参照して、車輪カバー22のうちプレイヤード内側の一部22sは、車輪カバー22のうちプレイヤード外側の一部よりもさらに下方へ突出してプレイヤード設置床面Sに接地する。このため、プレイヤード設置床面Sにすべての柱材14を接地させる通常の使用状態においては、車輪21がプレイヤード設置床面Sで転動することが阻止される。
しかしながらプレイヤード10を使用しないときなど、図2の紙面左側に示されるプレイヤード10の一端部Aを持ち上げると、車輪カバー突出部22sが設置床面Sから離れるとともに車輪21が設置床面Sに接地する。このため、展開された状態および折り畳み状態のプレイヤード10を傾け、プレイヤード一端部の柱材14を床面Sから離し、プレイヤード他端部の柱材14下端の車輪21のみを接地させることによって容易にプレイヤード10を運搬することができる。
これまで説明したように、横材15L,15R,16は中央部でそれぞれ折れ変形可能であり、クロスパイプ17は中央部で折れ変形可能であり、横材15L,15R,16およびクロスパイプ17の端部は柱材14と回動可能に連結することから、フレーム構造体11は、図1〜図4に示す展開された使用状態と、図8〜図10に示す折り畳み状態の2形態に変形することができる。
次に布状部材12につき説明すると、布状部材12は数mm程度の網目のネットや、布地などの素材で形成され、4本の柱部材14の間の4面にそれぞれ張設される。そして布状部材12の上端は横材15L,15R,16に吊り下げられる。また布状部材12の下端はクロスパイプ17と略同じ高さ位置にある。これにより布状部材12、クロスパイプ17よりも上方に設けられる敷板41を確実に囲繞する。
ここで付言すると、横材15Lに吊り下げられる布状部材12のうち、上側領域の両縁は一対のパイプ73,73に取り付けられ、下側領域の両縁は一対の柱材14,14に取り付けられる。これにより、横材15Lを柱材14の上端部から押し下げると、布状部材12も横材15Lとともに下方へ移動する。
次に棒部材13につき説明すると、棒部材13は、プレイヤード両側部において直線状に延びる1対の棒状体であって、水平な姿勢にされて、両端が柱材14に取り付けられる。棒部材13は、図2に示すように、柱材14の下端部に取り付けることができる。また棒部材13は、図3に示すように、柱材14の中央部に取り付けることができる。このように棒部材13は柱材14の下端部および中央部に選択的に取り付けることができる。
すなわち図2および図3を参照して、各柱材14には高さ位置の異なる2個のブラケット31,32が取付固定される。ブラケット31は柱材の下端領域にあってクロスパイプ17よりもやや上方に固定される。ブラケット32は、柱材14の中央部に固定される。ブラケット31,32は棒部材13の端部を支持する。硬質の棒部材13は乳幼児の荷重に加え乳幼児が活発に動く際の衝撃荷重にも耐え得るよう十分な曲げ強度およびせん断強度を有するパイプであり、両端部を除く中央領域が敷板41下面に沿って延び、両端部がブラケット31またはブラケット32に取り付けられる。これにより棒部材13は、敷板41上面に乗せられる乳幼児を安定して支持する。そして乳幼児が敷板の上で活発に活動しても、横材15L,15R,16が折れ変形することを防止することができる。
次に敷板41につき説明する。本実施例の敷板41は、平面視長方形であるため、便宜上、1対の長辺部分を一方側縁、他方側縁、あるいは両側縁と称する。また1対の短辺部分を一端部、他端部、あるいは両端部と称する。
図7に示すように、敷板41は両端開口の細長い筒状部材42を有する。筒状部材42は布製であって、両側縁において敷板41の下面に貼着されている。左右1対の筒状部材42には、棒部材13がそれぞれ挿通され、棒部材13の両端が筒状部材42から突出する。
敷板41は、乳幼児の荷重によって変形しないよう、十分な強度を有する硬質の芯材を含み、表面が相対的に軟質な材料で形成される。また敷板41は、図7に示すようにプレイヤード短辺方向に延びる屈曲線43が3本等間隔に形成される。敷板41はこれら屈曲線43で折れ変形可能であり、プレイヤードの折り畳み時には四角筒にされて、図7に示すように折り畳まれたフレーム構造体11を包囲する。また四角筒にされた敷板41は、折り畳まれたフレーム構造体11と、1対の棒部材13と、敷板41の両側縁に連結される壁板53,54を束ねる。
敷板41を展開して平坦に伸ばし敷板41の下面に棒部材13を取り付けた状態で、図1に示すように、硬質の棒部材13の中央領域が3本の屈曲線43と略直交に交差して敷板41を支持する。
図11は、敷板41および壁板を取り出して示す分解斜視図である。敷板41には、プレイヤード一端部において第1の壁板51が延設され、プレイヤード他端部において第2の壁板52が延設される。第1壁板51および第2壁板52も、敷板41と同じ強度を有する硬質の芯材を含み、表面が相対的に軟質な材料で形成される。すなわち第1壁板51、敷板41、および第2壁板52は1部材である。
敷板41と第1壁板51との境界線55は屈曲線であって、図11に示すように第1壁板51は境界線55で90度折れ変形して水平な敷板41から立ち上がる。敷板41と第2壁板52との境界線55も屈曲線であって、第2壁板52も敷板41から立ち上がる。
図11に示すように、敷板41の両側縁には両端開口の筒状部材56,57が取付固定される。筒状部材56,57の一端開口部58は第1壁板51に取付固定され、筒状部材56,57の他端開口部59は第2壁板52に取付固定される。また筒状部材56は敷板41の一方側縁に沿って取付固定され、筒状部材57は敷板41の他方側縁に沿って取付固定される。
筒状部材56,57は布製であって、第1壁板51を敷板41上に倒すとともに第2壁板52を敷板41上に倒すことにより、敷板41の上面に沿って折り畳まれる。また図11に示すように第1壁板51を敷板41に対して90度の角度で立ち上げるとともに第2壁板52を敷板41に対して90度の角度で立ち上げることにより、布製の筒状部材56,57も立ち上がり、敷板41の四方が壁板51,52および筒状部材56,57で包囲される。
図11に矢で示すように、他端開口部59から筒状部材56に第3の壁板53を挿入可能であり、他端開口部59から筒状部材57に第4の壁板54を挿入可能である。筒状部材56には第3壁板53が挿入され、筒状部材57には第4壁板54が挿入されることにより、4枚の壁板51〜54が敷板41から立ち上がって四方を包囲する。4枚の壁板51〜54の立ち上がり高さは、敷板41の上面から15cm以上ある。これにより、敷板41に幼児用布団を敷き、幼児用布団の上に乳幼児を寝かせても、乳幼児の頭部が壁板51〜54と幼児用布団との間の隙間に挟まれる懸念が解消される。
敷板41および壁板51〜54は箱状体61を構成する。第1壁板51は敷板41の一方側縁から他方側縁まで広がり、第2壁板52も敷板41の一方側縁から他方側縁まで広がる。また第3壁板53は敷板41の一端部から他端部まで広がり、第4壁板54も敷板41の一端部から他端部まで広がる。したがって組み立てられた箱状体61において、各壁板は隣り合う壁板と略隙間なく立ち上がる。
プレイヤード10を組み立てる際には、敷板41を展開し、真直ぐ延びる1対の棒部材13を敷板下面の筒状部材42にそれぞれ通し、一端開口部58または他端開口部59から壁板53,54を挿入して箱状体61を形成する。またフレーム構造体11を展開し、展開されたフレーム構造体11の上方から箱状体61を入れ込んで、棒部材13の端部をフレーム構造体11のブラケット31またはブラケット32に取り付ける。これによりプレイヤード10は使用状態にされる。
敷板41の上面は乳幼児が遊んだり寝たりする場所を提供する。本実施例では特に、保護者がブラケット31またはブラケット32を選択して棒部材を取り付けることが可能である。このようにして敷板41の高さ位置を選択的に変化させることにより、プレイヤードおよびベビーベッドとして使用可能である。
図2に示すように、棒部材13の端部を相対的に低いブラケット31に係合させて敷板41を相対的に低い第1位置にセットする。このように敷板41をフレーム構造体11の下部に取り付けることで、布状部材12がフレーム構造体11の上部まで直立し、乳幼児を遊ばせる枠囲い(プレイヤード)として好適に用いることができる。
図3に示すように、棒部材13の端部を相対的に高いブラケット32に係合させて敷板41を相対的に高い第2位置にセットする。このように敷板41をフレーム構造体11の上下方向中間部に取り付けることで、敷板41が上述したプレイヤードの場合よりもフレーム構造体11の上部に近づき、乳幼児を寝かせる寝台(ベビーベッド)として好適に用いることができる。
プレイヤード10を折り畳む際には、上述とは逆の手順でフレーム構造体11から箱状体61を取り出して分解し、フレーム構造体11を折り畳む。なお他端開口部59から壁板53,54を出し入れする他、図示はしなかったが、一端開口部58から壁板53,54を出し入れするものであってもよい。
次に中央連結部材20およびパイプ151,152を有するプレイヤード両側部の横材15L,15Rと、中央連結部材20およびパイプ161,162を有するプレイヤード両端部の横材16,16につき詳細に説明する。なお、これらの横材15L,15R,16はパイプの長さが異なるだけであり、中央連結部材20における折れ変形の機構についてはすべて共通するため、代表して横材16につき説明する。
図12は横材の中央部を取り出して示す平面図であり、中央連結部材20を断面にして表す。図13は横材の中央部を取り出して示す正面図であり、紙面右側は一部断面で表される。図14は、図12のXIV−XIVにおける断面を示す説明図である。図15は、図8のXV−XVにおける断面を示す説明図である。これら図12〜図15はすべて回動不能にロックされた状態を表す。図16は中央連結部材を取り出して示す正面図である。
横材16は、長手方向一方部材になるパイプ161と、長手方向他方部材になるパイプ162と、長手方向中央部にあってこれらパイプ161およびパイプ162と回動可能に連結する中央連結部材20と、パイプ161と中央連結部材20を相対回動不能にする一方ロック機構としての一方ロック部材241と、パイプ162と中央連結部材20を相対回動不能にする他方ロック機構としての他方ロック部材242と、これら双方のロック機構を同時に解除して双方のロック解除を保持するロック動作機構としてのボタン25を有する。
説明の便宜のため、中央連結部材20からみてパイプ161を左方とし、パイプ162を右方として、以下、左右方向と称する。図12および図13に示すように、中央連結部材20は左右方向中央を通過する中心線Cに関し左右対称に形成され、パイプ161およびパイプ162中心線Cに関し左右対称に配置される。
図13に示すように、パイプ161の両端のうち、長手方向中央側の端部は連結軸261を介して中央連結部材20の一方端と回動可能に連結する。またパイプ162の両端のうち、長手方向中央側の端部は連結軸262を介して中央連結部材20の他方端と回動可能に連結する。中央連結部材20は間隔を伴って対向する1対の壁部201,202を有する。これら壁部201,202には、連結軸261,262が架設される。なお図13に示されないパイプ161,162の他方端部は、柱材14の上端部ブロック14Bと回動可能に連結する。中央連結部材20は中間壁部203をさらに有し、中間壁部203は1対の壁部201,202の上端とそれぞれ結合する。図14および図15の断面図に示すように、壁部201〜203は断面視コ字状に配置される。
水平方向に延びるパイプ161は連結軸261よりも端部側で壁部203と当接することから、中央連結部材20よりも下方への回動が規制される。これに対し、パイプ161は中央連結部材20よりも上方への回動が許容される。しかしながらパイプ161は、連結軸261よりも端部側で一方ロック部材241と係合している間は上方への回動も規制され、これによりパイプ161は中央連結部材20に対し相対回動不能にロックされる。
水平方向に延びるパイプ162も連結軸262よりも端部側で壁部203と当接することから、中央連結部材20よりも下方への回動が規制される。これに対し、パイプ162は中央連結部材20よりも上方への回動が許容される。しかしながらパイプ162は、連結軸262よりも端部側で他方ロック部材242と係合している間は上方への回動も規制され、これによりパイプ162は中央連結部材20に対し相対回動不能にロックされる。
図13に示すように、中央連結部材20は互いに平行に延びる連結軸261,262からみて下方へ張り出しており、これらの連結軸261,262を含む仮想平面よりも下方にロック部材241,242が取り付けられる。
ここで付言すると、互いに平行に延びる連結軸261,262は中央連結部材20の中央を通過する仮想の中心面に関して左右対称形状かつ左右対称配置となる。かかる中心面は図12、図13、図16、および後述の図17、図18において中心線Cで表される。
4本の横材15L,16,15R,16によって四方を包囲される乳幼児収容領域をプレイヤード内側とし、乳幼児収容領域の外をプレイヤード外側として、壁部202はプレイヤード内側に配置され、壁部201はプレイヤード外側に配置される。
壁部201の内外両面のうち壁部202から遠い側の外側面には、センターロックカバー30が取付固定される。図13に示すようにセンターロックカバー30は正面視で楕円形状であり、図12、図14、図15に示すように外縁から中央にむかって外側へ膨らんだ立体的形状である。センターロックカバー30の中央にはセンター孔30hが形成される。センター孔30hは壁部201の垂直方向に延び、ボタン25を収容する。プレイヤード10の使用状態でボタン25は通常、図12、図14、図15に示すように壁部201から離れた原位置にされている。ボタン25には壁部202に向かって突出する脚部251,252が設けられる。図12に示すように、脚部251,252は左右方向中央を通過する中心線Cに関し左右対称に配置されて、脚部251,252先端が、壁部201に穿設された1対の貫通孔20cをそれぞれ貫通する。
図12および図13に示すように左右方向中央を通過する中心線Cを境界にして、一方ロック機構に含まれる一方ロック部材241は左側に配置され、他方ロック機構に含まれる他方ロック部材242は右側に配置され、両者241,242の形状は中央連結部材20の中央を通過する仮想の中心面に関して左右対称形状かつ左右対称配置となる。そこで説明の重複を避けるため、以下、主に他方ロック部材242につき説明する。
図13に示すように、他方ロック部材242は、1対の壁部201,202の間に介在する。そして、左右方向中央の中心線C上に合わせて円形断面の貫通孔244が形成される。貫通孔244は、同様に形成された一方ロック部材242の貫通孔243と整列し、これら貫通孔243,244を、共通する1本の連結ピン27が貫通する。
図13に示すように、壁部201,202には左右方向中央の中心線C上に1対の長孔20aが穿設される。図13に示す正面視において1対の長孔20aは同一形状、同一寸法、同一位置にあり、上下方向に延び、連結ピン27の両端とそれぞれ係合する。これにより連結ピン27は長孔20aに案内されて上下方向に移動可能である。なお長孔20aは連結ピン27の延在方向と直角方向に延びることから、連結ピン27は中心線Cに沿ってピン延在方向と直角に移動する。
他方ロック部材242のうち中心線Cから最も遠い下端部には、断面円形の他方支持ピン246の中央領域が固定される。そして他方支持ピン246の両端が壁部201,202に向かってそれぞれ突出し、中心線Cよりも右側で壁部201,202にそれぞれ穿設されて左右方向に延びる1対の長孔20bと係合する。図13に示す正面視において1対の長孔20bは同一形状、同一寸法、同一位置にあるため、他方支持ピン246は右側の長孔20bに案内されて左右方向に移動可能である。同様に壁部201,202のうち中心線Cよりも左側にも1対の長孔20bが穿設される。また他方支持ピン246と同様に、一方ロック部材241に一方支持ピン245が固定され、一方支持ピン245は中心線Cよりも左側の長孔20bに案内されて左右方向に移動可能である。
図16に示すように、壁部201,202には中心線Cに沿って一対の長孔20aが穿設され、中心線Cに関し左右対称に二対の長孔20bが穿設される。また壁部201には中心線Cに関し左右対称に配置された一対の貫通孔20cが穿設される。この他に、壁部201,202には連結軸261が挿通固定される1対の貫通孔261hと、連結軸262が挿通固定される1対の貫通孔262hが穿設される。貫通孔261hと貫通孔262hは中心線Cに関し左右対称に配置される。
他方ロック部材242のうち他方支持ピン246および連結ピン27の双方から離れた位置には傾斜面282が形成される。傾斜面282は他方ロック部材242の上端部に配置されて連結ピン27および他方支持ピン246の延在方向に対し傾斜し、図14に示すように壁部201寄りに指向する。傾斜面282の傾斜は、最も壁部201寄りの部位で最も下側にあり、壁部202に近づくにつれて徐々に上方に向かう。
傾斜面282は他方ロック部材242のうち壁部201寄りに形成される。これに対し他方ロック部材242のうち壁部202寄りには、連結ピン27および他方支持ピン246の軸線と平行な面284が形成される。平行面284および傾斜面282は連結ピン27および他方支持ピン246の軸線方向に連続して形成される。
また傾斜面282は、ボタン25から突出して壁部202に向かって延びる脚部252の先端と近接する。脚部252の先端の下端側には、傾斜面282と対応するよう切り欠いて形成された脚部傾斜面252cが形成される。同様に一方ロック部材241には傾斜面281および平行面283が形成され、傾斜面281は脚部251の先端に形成された脚部傾斜面251cと近接する。
他方ロック部材242のうち他方支持ピン246および連結ピン27の双方から最も離れた位置には上向きに突出する係合突起292が形成される。係合突起292は他方ロック部材242の上縁のうち中心線Cから最も離れた位置、つまりパイプ162の近傍にある。そして図15に示すように係合突起292の先端がパイプ162の外周面と対応する円弧状の凹曲面にされる。したがって係合突起292の先端形状は壁部201寄りの部位および壁部202寄りの部位が壁部201,202の中間の部位よりも上向きに突出する。
他方ロック部材242のロック位置で、連結ピン27は長孔20a上端にされ、他方支持ピン246は長孔20bのうち中心線Cに近い方の端にされて、他方ロック部材242の係合突起292は、下方からパイプ162の外周面を係合支持する。これによりパイプ162は連結軸262回りの回動を不能にされる。
同様に一方ロック部材241の係合突起291は、下方からパイプ161の外周面を支持するように係合する。これによりパイプ161は連結軸261回りの相対回動を不能にされる。また図13に示す他方ロック部材242のロック位置で、連結ピン27は長孔20aの上端に位置し、他方支持ピン246は長孔20bのうち中心線Cに最も近い端に位置する。そして脚部252は壁部202から最も離れた位置にある。また図12および図14に示す一方ロック部材241および他方ロック部材242のロック位置で、2個のロック部材241,242を同時に動作させる操作子であるボタン25は、壁部201から最も離れた位置にされる。そして脚部傾斜面252cは傾斜面282のうち最も壁部201寄りの部位と接触する。
これまで説明したように、一方ロック部材241および他方ロック部材242は、中央連結部材20にそれぞれ支持されて、図12〜図15に示すようにパイプ161,162の回動を不能にするロック位置にされる。また一方ロック部材241および他方ロック部材242は、図17〜図19に示すようにパイプ161,162の回動を許容するフリー位置に選択的にされる。
図17はロック解除された横材の中央部を取り出して示す平面図であり、中央連結部材20を断面にして表す。図18はロック解除された横材の中央部を取り出して示す正面図であり、紙面右側は一部断面で表される。図19は図17のXIX−XIXにおける断面を示す説明図である。
ボタン25が前述した図12、図14、および図15に示すように壁部201から離隔した原位置にあるとき、脚部251の先端は傾斜面281の最も壁部201寄りの部位と接触するとともに、脚部252の先端は傾斜面282の最も壁部201寄りの部位と接触する。
2個のロック部材241,242を同時に動作させる共通の操作子であるボタン25はセンター孔30h内を摺動可能であり、壁部201の垂直方向に移動することができる。ボタン25を押し込むと、ボタン25は壁部201に当接するまで前進し、1対の脚部251,252を介して一方ロック部材241および他方ロック部材242を同時にロック位置からフリー位置にする。図17〜図19はこれらロック部材241,242のフリー位置を示す。一方ロック部材241はフリー位置で中央連結部材20に対するパイプ161の回動を許容する。他方ロック部材242もフリー位置で中央連結部材20に対するパイプ162の回動を許容する。
具体的には、ボタン25が押し込み操作されて壁部201に向かって前進すると、脚部251,252がピン245,246,27の軸線方向に前進して傾斜面281,282をそれぞれ同時に押し込む。そうすると押し込み力を受けてロック部材241,242は下方へ移動する。このとき連結ピン27は長孔20aに沿って下方へ移動し、支持ピン245,246は長孔20bに沿って中央線Cから離れる方向へ移動する。これによりロック部材241,242は移動して姿勢を変える。
ボタン25が壁部201に隣接する操作位置まで前進すると、脚部251,252は傾斜面281,282をそれぞれ下方へ押し退け、脚部251,252の先端が壁部202に達する。これによりロック部材242は図17〜図19に示すフリー位置にされ、ロック部材241も中心線Cに関して左右対称な姿勢でフリー位置にされる。かくしてボタン25は、原位置から操作位置に操作されることにより一方ロック部材241および他方ロック部材242をロック位置からフリー位置に動作させる。
他方ロック部材242のフリー位置で、連結ピン27は長孔20a下端にされ、他方支持ピン246は長孔20bのうち中心線Cから遠い方の端にされて、係合突起292がパイプ162から離れて中心線Cに近づくように引き込まれる。これによりパイプ162は連結軸262回りに回動自在にされる。
同様に一方ロック部材241の係合突起291は、パイプ161から離れて中心線Cに近づくように引き込まれる。これによりパイプ161は連結軸261回りに回動自在にされる。
図19に示すように、他方ロック部材242のフリー位置で、脚部252は傾斜面282と接触しない。そして脚部252は平行面284と平行に延び、平行面284における壁部201側から壁部202側まで連続して接触する。したがって、他方ロック部材242が何らかの力を受けて脚部252を上方へ押す場合であっても、脚部252は他方ロック部材242によって動かされることはなく、他方ロック部材242のフリー位置を保持する。同様に脚部251は一方ロック部材241のフリー位置を保持する。これによりボタン25はロック解除を保持する。
なお、ロック動作機構は操作子であるボタン25を原位置に復帰させるリターンスプリングをさらに含んでもよい。かかるリターンスプリングは壁部201とボタン25との間に介挿されて、ボタン25を壁部201から離れるよう付勢する。
ところで本実施例のプレイヤード10は、乳幼児収容空間の外周に間隔をおいて配置されて上下方向に延びる複数の柱材14、および隣り合う柱材14,14に架設されて水平方向に延びる複数の横材15L,15R,16を有し、横材15L,15R,16が中程で折れ変形することにより折り畳み可能なフレーム構造体11と、中程で折れ変形可能な横材15Lの両端部を、隣り合う柱材14,14に、図5に示す上側位置および図6に示す下側位置に変位可能に連結する1対の連結部材としてのスライド部材18と、中程で折れ変形可能な横材15Lの端部を上側位置に保持する留め具19とを備える。これにより横材15Lの高さ位置が変更可能であり、1対のスライド部材18を下方へ移動させておけば横材15Lの高さ位置を下げておくことが可能になる。したがって保護者は、高さ位置が下げられた横材15Lを越えて乳幼児をプレイヤードに容易に出し入れしたり、プレイヤード内の乳幼児と同じ目線から手を差し出したりすることができる。
また本実施例によれば、乳幼児収容空間は、平面視において長方形を構成し、スライド部材18は、平面視において長方形の長辺になる横材15Lの両端に配置された2本の柱材14,14にそれぞれ設けられる。これにより保護者は前枠と称する長方形の長辺の横材15Lを越えて乳幼児を出し入れすることができる。
また本実施例によれば、横材15Lと柱材14を連結する連結部材としてのスライド部材18は、柱材14が挿通される貫通孔72が形成され柱材14に沿って摺動する。そして、留め具19はスライド部材18に設けられて、オン状態で貫通孔72に挿通される柱材14に対するスライド部材の摺動を規制し、オフ状態で貫通孔に挿通される柱材に対するスライド部材の摺動を許容する。これにより所望の高さ位置で摺動部材を柱材に確りと固定することが可能となる。
また本実施例のプレイヤード10は、フレーム構造体11の下部または上下方向中間部に選択可能に取り付けられて乳幼児収容空間の底面を構成する敷板41をさらに備え、スライド部材19は、フレーム構造体11の上部または上下方向中間部に選択可能に固定される。これにより敷板41をフレーム構造体11の上下方向中間部に取り付け、敷板41の上に乳幼児を寝かせることにより、プレイヤード10を乳幼児を寝かせる寝台としても利用することができ、機能が向上する。そして、スライド部材18をフレーム構造体11の上下方向中間部まで押し下げることにより、保護者は容易に就寝中の乳幼児の世話をすることが可能になる。
また本実施例によれば、両端部が1対のスライド部材18と連結する横材15Lは、一方端部が一方のスライド部材18と回動可能に連結するパイプ151と、一方端部が他方のスライド部材18と回動可能に連結するパイプ152と、パイプ151の他方端部およびパイプ152の他方端部と回動可能に連結する中央連結部材20と、パイプ151と中央連結部材20を回動不能にする一方ロック部材241と、パイプ152と中央連結部材20を回動不能にする他方ロック部材242と、これら双方のロック部材241,242を同時に解除して双方のロック解除を保持するボタン25を有する。これによりプレイヤード10の折り畳み操作を容易に行うことができる。
また本実施例によれば、横材16が長手方向一方に延びるパイプ161と、長手方向他方に延びるパイプ162と、長手方向中央部にあってこれらパイプ161およびパイプ162と回動可能に連結する中央連結部材20と、パイプ161と中央連結部材20を回動不能にする一方ロック機構としての一方ロック部材241と、パイプ162と中央連結部材20を回動不能にする他方ロック機構としての他方ロック部材242と、これら双方のロック機構を同時に解除して双方のロック解除を保持するロック動作機構としてのボタン25を有する。また横材15L,15Rも同様に構成される。
これにより、プレイヤード10を折り畳む際に乳幼児の保護者がロック動作機構を操作すると、一方ロック機構も他方ロック機構も確実にロック解除される。この結果、プレイヤードの折り畳み作業中に、一方のパイプ161が回動自在にされるが他方のパイプ162が回動不能のままであり、折り畳み作業が煩雑になるという不都合が解消される。したがって保護者はプレイヤード10の折り畳み操作を容易に行うことができる。
また本実施例によれば、ロック動作機構として、一方ロック部材241および他方ロック部材242を同時にロック位置からフリー位置にする共通の操作子としてのボタン25を含むことから、簡易なボタン操作によって、2個のロック部材241,242は確実にロック解除される。したがってロック動作機構を好適に実現することができる。
また操作子としてのボタン25が原位置から操作位置に操作されることにより一方ロック部材241および他方ロック部材242をロック位置からフリー位置に動作させる本実施例によれば、ロック動作機構はボタン25を原位置に復帰させるリターンスプリングをさらに含んでもよい。この結果、ボタン25を押し込まない限り、ロック部材241,242がロック位置にされる、したがって、パイプ161,162のロックが不用意に解除されることがない。
また本実施例によれば、一方ロック部材241および他方ロック部材242は、貫通孔243,244がそれぞれ形成され、これらの貫通孔243,244を共通する1本の連結ピン27が貫通し、中央連結部材20は連結ピン27の両端と係合する中央案内部として長孔20aが形成され、連結ピン27は長孔20aに沿って移動する。これにより、一方ロック部材241および他方ロック部材242がピン27で連結されて連動することができる。したがってロック動作機構として、双方のロック機構を同時に解除する構造を好適に実現することが可能になる。
また本実施例によれば、一方ロック部材241は中央連結部材20の左方に配置され、他方ロック部材242は中央連結部材20の右方に配置され、中央連結部材20の中央を通過する仮想の中心面(中心線C)に関してこれら一方ロック部材241および他方ロック部材242は対称形状かつ対称配置され、連結ピン27は中心線Cに沿ってピン延在方向と直角に上下移動する。これにより、双方のロック部材241,242が中心線Cに関して対称に挙動し、双方のロック部材241,242を同時に解除する構造を好適に実現することが可能になる。
また本実施例によれば、一方ロック部材241は連結ピン27と平行に延びる一方支持ピン245および一方支持ピン245の延在方向に対して傾斜する傾斜面281が設けられる。同様に他方ロック部材242は連結ピン27と平行に延びる他方支持ピン246および他方支持ピンの延在方向に対して傾斜する傾斜面282が設けられる。中央連結部材20は中心面(中心線C)に関し左方および右方に対称配置される対称形状の左方案内部および右方案内部になる長孔20bが形成される。左方の長孔20bは一方支持ピン245の両端と係合して、一方支持ピン245をピン延在方向と直角に案内し、右方の長孔20bは他方支持ピン246の両端と係合して、他方支持ピン246をピン延在方向と直角に案内する。ボタン25は傾斜面281,282にそれぞれ当接する1対の脚部251,252を有し、ボタン25が操作されることにより、脚部251,252が支持ピン245,246の延在方向に前進して傾斜面281,282を同時に押し込み一方ロック部材241および他方ロック部材242を動かす。
これにより、双方のロック部材241,242が中心面(中心線C)に関して対称に挙動することから、双方のロック機構を同時に解除する構造を好適に実現することが可能になる。しかもボタンの脚部が支持ピン245,246の延在方向に前進して一方ロック部材の傾斜面281および他方ロック部材の傾斜面282を同時に押し込む。したがって、ボタン25のピン延在方向の前進をロック部材241,242のピン直角方向の動きに変換することが可能となることから、ボタン25の操作によって確実にロックを解除することができる。
また本実施例によれば、一方ロック部材241および他方ロック部材242は、傾斜面281,282に隣接して連結ピン27と平行な面283,284がそれぞれ設けられ、傾斜面281,282を押し込んだ脚部251,252は、さらに前進しこれらの平行面283,284と平行に延びて接触する。これにより、ロック部材241,242が何らかの力を受けて脚部251,252を上方へ押す場合であっても、脚部251,252はロック部材241,242によって動かされることはなく、ロック部材241,242のフリー位置を保持することができる。
また本実施例によれば、フレーム構造体11は、平面視において矩形を構成し、柱材14は、この矩形の角部にそれぞれ配置され、横材15L,15Rは、平面視においてフレーム構造体11の輪郭をなし、互いに平行となるよう配置される。同様に2本の横材16も互いに平行となるよう配置される。これにより、折り畳みの際には横材15L,15Rを効率よく折れ変形させることができる。あるいは2本の横材16を効率よく折れ変形させることができる。
つまり、矩形のフレーム構造体11において短辺の横材16,16は互いに平行となるよう配置されることから、短辺同士を折れ変形させることができ、フレーム構造体11を短辺方向に縮小させることができる。あるいは長辺の横材15L,15Rは互いに平行となるよう配置されることから、長辺同士を折れ変形させることができ、フレーム構造体を長辺方向に縮小させることができる。あるいは短辺および長辺のすべてを折れ変形させることができ、フレーム構造体11を短辺方向および長辺方向に縮小させることができる。
また本実施例によれば、プレイヤード10が、一端側および他端側がそれぞれフレーム構造体11に着脱可能に取り付けられ、中央領域が屈曲線43と交差するよう敷板41の下面に取り付けられて敷板41を支持する硬質の棒部材13を備えることから、乳幼児の荷重により屈曲線43で敷板41が折れ変形することがなく、さらに乳幼児が敷板41の上で活発に活動しても敷板41が折れ変形することがなく、乳幼児を安定して支持することができる。また、4本の柱材14のみが敷板41を支持することから、従来のプレイヤードのように敷板から下方に延びて設置床面に接地する短脚をさらに設ける必要がない。したがって、敷板41と設置床面Sとの間の隙間空間をすっきりさせることができる。
また本実施例によれば、フレーム構造体11は、乳幼児収容空間の周囲に沿って間隔をおいて配置される複数の柱材14と、隣り合う柱材同士を互いに連結する複数の横材15L,15R,16とを含み、少なくとも横材15L,15Rが、中程で折れ変形可能であり、棒部材13は直線棒状体とされ、平面視において、中程で折れ変形可能な横材15L,15Rと平行に配置される。これにより、棒部材を直線状の丸パイプ、角パイプ、あるいはアングル部材といった棒状体にすることが可能となり、曲げ強度を大きくすることができる。したがって折れ変形可能なプレイヤードにおいて、簡易な構成によりフレーム構造体の剛性を向上させることができる。
また本実施例によれば、乳幼児収容空間は平面視において矩形であり、柱材14は矩形の4隅に配置され、横材15L,15R,16は矩形の4辺を構成し、これら横材のうち平行に延びる2辺1対の横材15L,15Rが中程で折れ変形可能であり、棒部材13は2本1対とされ、その両端部が、中程で折れ変形可能な横材15L,15Rの両端に配置された2本の柱材14にそれぞれ取り付けられ、敷板41は乳幼児収容空間の矩形の4辺に対応する第1辺〜第4辺を輪郭線とし、これらのうち第1辺および第2辺は互いに平行に延び、これらのうち第3辺および第4辺は第1辺および第2辺と直交して延び棒部材13にそれぞれ支持され、屈曲線43は第1辺および第2辺と平行に延びる。これにより矩形のプレイヤード10において乳幼児を安定して支持することができる。
また本実施例によれば、敷板41はその下面に固定されて棒部材13が挿通される布または柔らかいシート製の筒状部材42を有する。これにより乳幼児が敷板41上で活発に動いても敷板41が前後左右に揺れ動くことがなく、乳幼児を安定して支持することができる。
また本実施例によれば、柱材14は、相対的に低い第1の位置に、棒部材13の端部が取り付けられて該棒部材を相対的に低い位置で水平に支持する第1のブラケット31を有し、相対的に高い第2の位置に、棒部材13の端部が取り付けられて該棒部材を相対的に高い位置で水平に支持する第2のブラケット32を有することから、棒部材13および敷板41は相対的に低い第1位置および相対的に高い第2位置に選択可能に取り付けられる。このように相対的に低いフレーム構造体の第1位置に取り付けることにより、敷板の高さをプレイヤードの下部にすることが可能となり、乳幼児がフレーム構造体を乗り越えてプレイヤードから出ることがない。したがってプレイヤードとして好適に使用することができる。また敷板および棒部材を、相対的に高いフレーム構造体の第2位置に取り付けることにより、敷板の高さをプレイヤードの中央部ないし上部にすることが可能となり、乳幼児が眠るベビーベッドとして好適に使用することができる。そして保護者は乳幼児まで容易に手をのばして世話することができる。かくして保護者は、本実施例のプレイヤード10を、乳幼児が遊ぶプレイヤードとして、あるいは乳幼児が眠るベビーベッドとして、好適に兼用することができる。
また本実施例によれば、敷板41の上面から15cm以上立ち上がって四方を包囲する壁板51〜54をさらに備える。これにより、敷板41は、柔らかく変形自在な布状部材12ではなく、硬質の壁板51〜54に囲繞される。したがって、敷板41上に幼児用布団を敷き幼児用布団の上で乳幼児が睡眠中に、乳幼児の頭部が布状部材12と幼児用布団との間に挟まれる懸念を解消することができる。
また本実施例によれば、壁板は、敷板41の第1辺に取り付けられる板片である第1壁板51と、敷板41の第2辺に取り付けられる板片である第2壁板52と、敷板41の第3辺に取り付けられる板片である第3壁板53と、敷板41の第4辺に取り付けられる板片である第4壁板54とを含む。これら敷板41および壁板51〜54によって構成される箱状体61は立体構造であり、敷板のみの平板構造と比較して強度が大きいため、敷板41の強度を従来のプレイヤードの敷板よりも大きくすることが可能となる。
また本実施例によれば、第1壁板51は敷板41の第1辺を折れ変形可能な境界線55として敷板41と接続し、第2壁板52は敷板41の第2辺を折れ変形可能な境界線55として敷板41と接続する。このように敷板と壁板が連続することから、プレイヤード10の折り畳み作業および組み立て作業を円滑に行うことができる。
また本実施例によれば、敷板は、第3辺に固定されてこの辺と平行に延びる布または柔らかいシート製の筒状部材56と、第4辺に固定されてこの辺と平行に延びる布または柔らかいシート製の筒状部材57とを有し、第3壁板53は第3辺の筒状部材56に取り外し可能に挿通され、第4壁板54は第4辺の筒状部材57に取り外し可能に挿通される。これにより、筒状部材56,57は壁板53,54が挿通されない状態で屈曲線43に追従して容易に折り畳まれる。したがって、敷板41を容易に折り畳むことができる。またプレイヤード10の使用状態で、壁板53,54が屈曲線42と直交して敷板41と連結されることから、敷板41の曲げ変形を一層防止することができる。
また本実施例によれば敷板41は、第3辺に固定されてこの辺と平行に延びるとともに両端が第1壁板51および第2壁板52にそれぞれ固定される布または柔らかいシート製の筒状部材56と、第4辺に固定されてこの辺と平行に延びるとともに両端が第1壁板51および第2壁板52にそれぞれ固定される布または柔らかいシート製の筒状部材57を有する。したがって敷板41および壁板51〜54が、上面を有しない5面の箱状体61を構成することが可能となり、乳幼児を好適に支持して収容することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。