JP5657354B2 - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents
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Description
また、複数の元素を含む混合薄膜(多元系の薄膜)により表面処理されたものは、耐熱性、耐摩耗性、導電性等が向上することから、摺動機械部品や半導体LSI、光磁気ディスク等の幅広い分野で用いられている。
このようなスパッタ法等では、ターゲットとして、形成する薄膜の組成比に応じた1枚の合金ターゲットや組成に応じた異なる材料からなる複数のターゲットが用いられている。これらのターゲットは、被処理体の表面積に比べてターゲット粒子の放出範囲が大きくなるように設けられ、成膜範囲は略円状とするのが一般的である。このため、被処理体が小さい場合には、複数の被処理体をヤトイ等の治具に詰めてバッチ方式で成膜を行われることが多い。
例えば、特許文献1には、処理容器内に断面が内側に向けて傾斜されて環状に形成され、可変直流電源が接続されたCuMnターゲットが設けられ、処理容器内にプラズマを発生させて、被処理体である半導体ウエハに対してCuMnターゲットのスパッタリングを行い、CuMnターゲットに印加するバイアス電圧、処理容器内の圧力、印加電力等を変えて第1および第2の成膜工程を行うことにより、組成比の異なる合金膜を成膜するスパッタ成膜方法およびスパッタ成膜装置が記載されている。
特許文献1に記載の装置では、CuMnターゲットからスパッタされたターゲット粒子が円環状に拡がって半導体ウエハよりも面積の大きな円状に成膜範囲が形成されている。
特許文献1に記載の技術をはじめとする従来の技術では、装置内の一定位置に配置された被処理体に確実に成膜を行うため、成膜範囲が被処理体の表面積よりも広く設定されている。このため、被処理体に成膜されないターゲット粒子が大量に発生し、ターゲットの使用効率が悪いという問題がある。
ターゲットの使用効率を向上するために、複数の被処理体をヤトイ等の治具に詰めてバッチ方式で成膜を行うことも考えられるが、治具に詰め込んだり取り出したりする作業に時間がかかり、成形が終了した被処理体バッチを次の被処理体バッチに入れ替える際に成膜装置を真空排気し直すなどの時間が必要となり、生産性が悪いという問題がある。
まず、本発明の実施形態に係る成膜装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す模式的な正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す模式的な平面図である。図3は、図2におけるA−A断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る成膜装置の成膜制御部の機能構成を示す機能ブロック図である。図5は、本発明の実施形態に係る成膜装置で成膜された薄膜の膜構成の一例を示す模式的な断面図である。
なお、各図は模式図のため、寸法関係や形状は誇張されている(以下の図面も同様)。
また、スパッタ装置1は、真空容器2の内部に、スパッタリングを行う装置部分であるターゲット部8(ターゲット)、バッキングプレート7(共用部電極)、マグネットユニット6、電極E1、…、En(ただし、nは、2以上の整数)、被処理体移動部9、および移動ガイド10を備える。なお、電極E1、…、Enの個数nは、本実施形態では、一例として、n=35を採用している。
また、スパッタ装置1は、真空容器2の外部に、真空容器2の内部の装置部分を動作させる第1電源11、第2電源12、スイッチ部13、および成膜制御ユニット50(成膜制御部、図4参照)を備える。
不活性ガス供給管路2aで供給される不活性ガスは、例えば、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスを挙げることができる。
また、投入室3は、被処理体Wを投入するため、側部に設けられた不図示の開口を開閉し閉止時に気密を保つゲートバルブ3aと、ゲートバルブ3aで開放された開口から投入した被処理体Wを内部に載置する載置台3cと、載置台3c上に載置された被処理体Wを把持して真空容器2に向けて移動する移載ロボット3dと、移載ロボット3dに把持された被処理体Wを真空容器2の内部に移動するため、真空容器2との境界に設けられた不図示の開口を開閉し、閉止時に気密を保つゲートバルブ3bとを備える。
なお、投入室3には投入室3内を減圧するため不図示の真空ポンプなどからなる減圧手段が接続されている。このため、投入室3は、ゲートバルブ3a、3bを閉止した状態で、この減圧手段を駆動することにより、投入室3の内部を真空容器2と同等の真空度に減圧することができるようになっている。
また、ゲートバルブ3a、3b、移載ロボット3dは、不図示の制御部によって操作者が遠隔操作可能に設けられている。
また、排出室4は、真空容器2内で成膜が終了した被処理体Wを真空容器2から移動するため真空容器2との境界に設けられた不図示の開口を開閉し、閉止時に気密を保つゲートバルブ4bと、ゲートバルブ4bの開放時に真空容器2内を移動した被処理体Wを把持して排出室4内に移動させる移載ロボット4dと、移載ロボット4dで移動した被処理体Wを内部に載置する載置台4cと、載置台4c上に載置された被処理体Wを外部に排出するため側部に設けられた不図示の開口を開閉し、閉止時に気密を保つゲートバルブ4aとを備える。
なお、排出室4には、投入室3と同様に、排出室4内を減圧するため不図示の真空ポンプなどからなる減圧手段が接続されている。このため、排出室4は、ゲートバルブ4a、4bを閉止した状態で、この減圧手段を駆動することにより、排出室4の内部を真空容器2と同等の真空度に減圧することができるようになっている。
また、ゲートバルブ4a、4b、移載ロボット4dは、不図示の制御部によって操作者が遠隔操作可能に設けられている。
各ターゲット片Tiの形状や材質は、被処理体Wの形状や被処理体Wに形成する薄膜の膜構成に応じて適宜設定する。本実施形態では、各ターゲット片Tiの大きさは、短辺長さ×長辺長さが、a×b(ただし、a<b)である。
また、被処理体Wに形成する薄膜15の膜構成は、図5に示すように、被処理体Wの被処理面である厚さ方向の一方の表面に、厚さt1が300nmのシリコン(Si)膜層L1と、厚さt2が600nmのダイヤモンドライクカーボン(diamond-like carbon、以下、DLCと略称する)膜層L2とがこの順に積層される多層膜構成である。
ここで、DLC膜層L2は、被処理体Wの表面の表面平滑性および耐摩耗性を向上する表面層として設けられ、Si膜層L1は、DLC膜層L2の接合強度を向上するための中間層として設けられる。
また、各ターゲット片Tiの材質は、Si膜層L1、DLC膜層L2を成膜するために、一例として、ターゲット片T1〜T10までの10枚がSiで、ターゲット片T11〜T35までの25枚が炭素(C)で構成されている。
各ターゲット片Tiの厚さは、成膜時のターゲット材料の消費量、被処理体Wの処理個数等に応じて、適宜設定すればよい。
このような構成により、本実施形態のターゲット部8は、平面視の形状が、幅30mm、長さ525mmの矩形帯状に形成されている。
本実施形態では、ターゲット部8の平面視の外形よりもわずかに大きい銅製の矩形板を採用している。このため、ターゲット部8の下面の全体が受けられている。
また、本実施形態では、各ターゲット片Tiは、バッキングプレート7の表面に直接ボンディングされている。ターゲット片Tiとバッキングプレート7は、ボンディングの他にネジ止めや単に載置するだけでも成膜は可能であるが、成膜時にターゲットに発生する熱を効率よく伝達させてターゲット温度上昇を低減するにはバッキングプレート7上にターゲット片Tiをボンディングで固定するのが望ましい。
このような構成のバッキングプレート7は、真空容器2の内部から外部に向かって導かれた陰極配線11b、12bを介して、第1電源11、第2電源12の各陰極と電気的に接続されている。このため、各ターゲット片Tiは、等電位となる平面上に保持されている。
このため、マグネットユニット6には、ターゲット部8の短手方向の中心に対応する位置にS極6aが設けられ、ターゲット部8の短手方向の両端部にそれぞれN極6bが設けられている。本実施形態では、S極6a、N極6bはいずれも永久磁石を採用している。
このようなマグネットユニット6により、ターゲット部8上には、各ターゲット片Tiの長手方向に沿う断面において、各ターゲット片Tiの長手方向の両端部から中心に向かうとともにターゲット部8の表面から凸状の弓形をなす磁界14が形成されている。
本実施形態では、各電極Eiは、短手方向の幅が対応するターゲット片Tiの幅よりもわずかに短い1対の金属板からなる。各電極Eiは、長手方向が鉛直軸に沿うとともに、それぞれ、ターゲット片Tiを間に挟んで水平方向に対向する姿勢とされ、各ターゲット片Tiの短辺の近傍に設置されている。
具体的には、図3に電極E1、ターゲット片T1の例を示すように、各電極Eiは、各ターゲット片Tiの短辺に対して水平方向にd=1(mm)だけ離間された近傍位置に配置されている。また、各電極Eiの上端は、各ターゲット片Tiの上面に対して、h1=5(mm)だけ突出されている。
また、電極E1、…、Enには、図1に示すように、真空容器2の内部から外部に向かって導かれた個別の配線w1、…、wnが接続され、それぞれ後述するスイッチ部13の第1スイッチ13A、第2スイッチ13Bの端子に電気的に接続されている。
被処理体移動部9は、真空容器2の内部に移動ガイド10に移動可能に取り付けられている。
また、被処理体移動部9における被処理体Wの保持機構としては、被処理体Wの側面を中心に向かって把持するチャッキング機構などを採用することができる。
また、被処理体移動部9は、不図示の配線を介して、後述する成膜制御ユニット50と通信可能に接続され、成膜制御ユニット50からの制御信号に基づいて、起動、停止、および移動速度が制御されるようになっている。
また、被処理体移動部9は、例えば、エンコーダ、位置センサ等の位置検出手段を備えており、移動経路における移動位置の情報を成膜制御ユニット50に通知できるようになっている。
移動ガイド10の各ターゲット片Ti上での配置は、図3にターゲット片T1に対する位置関係を示すように、被処理体移動部9に保持された被処理体Wの中心が各ターゲット片Tiの長手方向(ターゲット部8の短手方向)の中心に対向し、被処理体Wの下面が各ターゲット片Tiの上面から距離h2だけ離間された配置とされている。
このため、被処理体移動部9による被処理体Wの移動経路は、ターゲット部8上では、各ターゲット片Tiをその長手方向の中心の上方で横断する経路になっている。
移動経路上における被処理体Wの各ターゲット片Tiに対する離間距離h2は、被処理体Wの大きさとターゲット材料の使用効率の観点から適宜設定する。
本実施形態では、各ターゲット片Tiから放出されるターゲット粒子が良好に被処理体Wの表面に付着する領域である成膜領域の平面視の大きさが、移動経路に直交する方向において、同方向の被処理体Wの被処理面の大きさをわずかに上回るとともに、移動経路に直交する方向の成膜領域の大きさが、同方向の被処理体Wの処理面の大きさよりも小さくなるように、距離h2を設定している。
本実施形態では、一例として、h2=50(mm)とすることにより、このような成膜領域を実現している。
移動ガイド10を閉曲線状に設ける場合、被処理体移動部9が複数であっても、これら複数の被処理体移動部9を一方向に循環移動させることで、ターゲット部8の上方では投入室3から排出室4に向かう一方向に、複数の被処理体移動部9を同時に移動させることができる。
第1電源11および第2電源12の陰極は、図1に示すように、それぞれ陰極配線11b、12bを介してバッキングプレート7に電気的に接続されている。
また、第1電源11および第2電源12の陽極は、それぞれ陽極配線11a、陽極配線12aを介して、スイッチ部13に電気的に接続されている。
各第1スイッチ13Aの一方の接点は、陽極配線11aを介して第1電源11の陽極に電気的に接続されている。また、各第2スイッチ13Bの一方の接点は、陽極配線12aを介して第2電源12の陽極に電気的に接続されている。
また、各第1スイッチ13Aおよび各第2スイッチ13Bの他方の接点は、各電極Eiと電気的に接続された各配線wiとそれぞれ個別に接続されている。
スイッチ部13は、図4に示すように、成膜制御ユニット50と電気的に接続され、成膜制御ユニット50から制御信号に基づいて、各第1スイッチ13A、各第2スイッチ13Bのオン・オフ状態が制御されるようになっている。
また、成膜制御ユニット50には、操作者が成膜条件を入力したり、記憶部53に記憶された制御条件を選択したりする操作入力を行うため、例えば、入力バッド、キーボード、マウスなどからなる操作入力部20を備えている。
記憶部53に予め記憶しておく制御条件の情報としては、被処理体Wに成膜する膜構成の情報、膜構成に応じた被処理体Wの移動位置の制御情報、各ターゲット片Tiの形状や材質の情報、各ターゲット片Tiに供給する電力と成膜速度との相関関係の情報、被処理体Wの移動位置と各ターゲット片Tiの設置位置との対応関係の情報などを挙げることができる。
例えば、操作入力部20によって、Si膜層L1、DLC膜層L2を成膜する指示が入力されたとすると、このような膜構成を記憶部53内で検索し、この膜構成に対応した被処理体Wの移動位置の制御情報を記憶部53から読み出して、起動位置、停止位置、移動速度等の制御データを被処理体移動制御部51に送出する。また、この膜構成に対応して、ターゲット片T1、…、Tnに供給すべき電力の情報を出力制御部52に送出する。
また、条件設定部54は、操作入力部20からの成膜開始の指示に応じて、被処理体移動制御部51および出力制御部52の制御動作を開始させる。
また、被処理体移動制御部51は、出力制御部52と電気的に接続され、被処理体移動部9から通知される被処理体移動部9の移動位置の情報を出力制御部52に送出できるようになっている。
このため、出力制御部52は、条件設定部54、スイッチ部13、第1電源11、および第2電源12に電気的に接続され、条件設定部54からの制御信号および被処理体移動部9からの移動位置の上方に基づいて、スイッチ部13、第1電源11、および第2電源12の動作を制御できるようになっている。
図6(a)は、本発明の実施形態に係る成膜装置の動作を説明する動作説明図である。図6(b)は、図6(a)におけるB−B断面図である。
このため、真空容器2の内部には、複数のターゲット片を独立に出力設定可能な複数の電源の陰極に電気的に接続された共用部電極上に設置するとともに、複数のターゲット片のいずれかの近傍に配置され電源の陽極にそれぞれ電気的に接続可能に設けられた複数の電極を設置した構成が実現されている。
まず、ゲートバルブ3b、4bを閉止した状態で、不図示の減圧手段によって真空容器2の内部雰囲気を吸引管路2bから吸引して、真空容器2の内部を減圧する。そして、不活性ガス供給管路2aからArガスを供給し、真空容器2内の真空度を、1×10−2Paに調節する。
また、操作入力部20から初期化を指示することにより、成膜制御ユニット50から制御信号を送出し、被処理体移動部9、スイッチ部13、第1電源11、第2電源12を初期状態にリセットする。すなわち、被処理体移動部9を真空容器2内においてゲートバルブ3bの近傍に移動し、スイッチ部13の第1スイッチ13A、第2スイッチ13Bをすべてオフに設定し、第1電源11、第2電源12は、出力可能な状態に待機させる。
操作者は、操作入力部20に操作入力して、被処理体移動部9に被処理体Wを保持させる。これにより、図1に被処理体WBとして示すように、被処理体Wが被処理体移動部9に受け渡される。そこで、移載ロボット3dを投入室3内に退避させて、ゲートバルブ3bを閉じる。
なお、薄膜15の膜厚は、被処理体Wの移動速度と、電極E1、…、Enに供給する電力とによって変化する。本実施形態では、移動速度および出力電力を一定に保ち、成膜に寄与するターゲット片Tiの枚数によって所望の膜厚を得る場合の例で説明する。
本実施形態では、各ターゲット片Tiのすべての寄与によって、薄膜15を成膜するため、移動位置の制御情報としては、ターゲット片T1〜T35上を停止することなく順次移動する、といった情報が記憶されている。
ただし、被処理体Wを特定のターゲット片Ti上に停止させて成膜を行う場合には、停止位置の情報も記憶されている。
条件設定部54は、記憶部53に記憶された膜構成の情報と、各ターゲット片Tiの形状や材質の情報と、移動位置の制御情報とから、Si膜層L1、DLC膜層L2の成膜工程を以下のように解釈する。
まず、被処理体Wが、ターゲット片T1〜T10までの150mm(=15(mm)×10)の移動経路上を一定の移動速度v1で移動する間に、ターゲット片T1〜T10から放出されるSiのターゲット粒子によってそれぞれ膜厚30nmずつの成膜を行って、膜厚300nmのSi膜層L1を成膜する。
次に、被処理体Wが、ターゲット片T11〜T35までの375mm(=15(mm)×25)の移動経路上を一定の移動速度v2で移動する間に、ターゲット片T11〜T35から放出されるCのターゲット粒子によってそれぞれ膜厚24nmずつの成膜を行って、膜厚600nmのDLC膜層L2を成膜する。
一方、記憶部53には、ターゲット片T1等のSiターゲット片では、電極E1等に供給する出力電力が1kWのとき、成膜速度が20nm/minになり、ターゲット片T11等のCターゲット片では、電極E11等に供給する出力電力が1kWのとき、成膜速度が16nm/minになるといった出力電圧と成膜速度との関係の情報が記憶されている。
そこで、条件設定部54は、これらの情報に基づいて、ターゲット片T1〜T10までの被処理体Wの移動速度v1を、10mm/min(=150×20/300)、ターゲット片T11〜T35までの被処理体Wの移動速度v2を、10(mm/min)(=375×16/600)、として算出する。
ターゲット片Tiの種類による成膜速度の違いによっては、このように算出される移動速度v1、v2は異なることがあるが、本実施形態では、上記したように、Siターゲット片と、Cターゲット片との成膜速度の違いと、それぞれによって成膜する膜厚の設定とを考慮して、ターゲット部8を構成するSiターゲット片とCターゲット片との枚数を、それぞれ10枚、25枚に設定しているため、被処理体Wの移動速度がv1=v2になっている。
ここで、本実施形態における各ターゲット片Tiに供給すべき電力の情報の設定方法について説明する。
本実施形態では、ターゲット片Tiによる成膜領域は、移動経路に沿う方向では同方向の被処理体Wの外形よりも狭いため、移動経路上を移動する被処理体Wは、最大でも移動経路に沿って隣接する2つのターゲット片Ti、Ti+1のターゲット粒子しか付着しない。
このため、被処理体Wが成膜領域に入ったターゲット片Tiのみからターゲット粒子が放出されるように、このターゲット片Tiの短辺の外側に設置された電極Eiに出力電力が供給すれば、各ターゲット片Tiの使用効率を最大化することができる。
したがって、ターゲット片Tiごとの移動経路上における成膜領域の分布が知られている場合には、被処理体Wの移動位置に応じて被処理体Wと重なる成膜領域に対応するすべてのターゲット片Tiを特定し、これに対応する電極Eiの電力をオンにし、他の電極Eiの電力をオフにするスイッチ部13の制御データを出力制御部52に送出すればよい。
本実施形態では、移動経路に沿う成膜領域の大きさはターゲット片Tiの短手方向の幅に近いため、被処理体Wがターゲット片Tiと重なる領域に移動するとともに、ターゲット片Tiに対応する電極Eiの電力をオンにするスイッチ部13の制御データを出力制御部52に送出するようにしている。
具体的には、被処理体Wの移動位置に応じて、被処理体Wが重なる1枚のターゲット片Ti、または被処理体Wが重なるターゲット片Ti、Ti+1に対して、第1電源11または第2電源12からの電力を供給する制御データを出力する。
なお、被処理体Wに重なるターゲット片Tiの添字iが奇数のときは第1スイッチ13Aをオンとし、偶数のときは第2スイッチ13Bをオンに設定する。
被処理体移動制御部51は、被処理体移動部9を速度v1で排出室4側に向かって移動させる。被処理体Wの移動位置の情報は、逐次、被処理体移動部9から出力制御部52に通知される。
出力制御部52は、被処理体移動部9から通知される被処理体Wの移動位置の情報に基づいて、薄膜15の成膜に寄与するターゲット片Tiに対応する電極E1、…、Enの少なくともいずれかに選択的に電力を供給するように、スイッチ部13のオン・オフ制御を行う。
具体的には、被処理体Wが、ターゲット片T1に重なる領域に移動すると、電極E1に接続された第1スイッチ13Aがオンされる。これにより、電極E1のみに1kWの電力が供給される。
被処理体Wは、v1=10(mm/min)で移動するため、被処理体Wの移動方向の先端がターゲット片T1に重なり始めてから1分30秒後に、被処理体Wの全体がターゲット片T1と重なり、同時に被処理体Wの移動方向の先端がターゲット片T2との境界に到達する。このため、被処理体移動部9からこのような移動位置が通知されると、電極E2に接続された第2スイッチ13Bがオンされる。これにより、電極E1、E2の両方にそれぞれ1kWの電力が供給される。
また、被処理体Wの移動方向の先端がターゲット片T1に重なり始めてから3分後には、被処理体Wは、ターゲット片T1を横断し終わり、被処理体Wの移動方向の先端がターゲット片T3と境界に到達する。このため、被処理体移動部9からこのような移動位置が通知されると、電極E1に接続された第1スイッチ13Aがオフされ、電極E3に接続された第1スイッチ13Aがオンされる。これにより、電極E2、E3の両方にそれぞれ1kWの電力が供給される。
このようにして、被処理体Wの移動位置に応じて、電力が供給される電極Eiが順次切り替えられていく。
例えば、電極E1に1kWの電力が供給されると、ターゲット片T1は第1電源11、第2電源12の陰極に接続されたバッキングプレート7と等電位に保持されているため、図6(a)に示すように、各電極E1とターゲット片T1との間に空間放電によって電流16が流れ、電子が流動することによってArがイオン化される。そしてこれらのArイオンがターゲット片T1に衝突することによって、ターゲット片T1がスパッタリングされる。
ターゲット片T1上には、マグネットユニット6の作用によって、ターゲット片T1の両端部から中心部に向かう弓形の磁界14が形成されている。このため、電流16による電子密度は、ターゲット片T1の長手方向の両端部と中心との2箇所の中間部において高くなる。Arイオンはこれらの電子密度が高い領域に集中するため、ターゲット片T1は、長手方向の両端部と中心との2箇所の中間部を中心としてスパッタリングされる。
したがって、図6(a)に示すように、被処理体Wとターゲット片T1の表面との距離h2を適宜設定することにより、ターゲット片T1の長手方向の成膜領域の大きさを被処理体Wの外形よりわずかに大きくしたとき、これと直交する方向では、図6(b)に示すように、被処理体Wの外形よりも狭い成膜領域が形成される。
このとき、バッキングプレート7は、第1電源11、第2電源12の陰極側の電気回路の共用部であり、第1電源11、第2電源12から供給された電流が、それぞれ同時に流れる。これらの電流の大きさは第1電源11、第2電源12の陽極から流れた電流の合算値であり、第1電源11、第2電源12が陰極配線11b、12bを介して回収する電流量も、それぞれ陽極から出力した電流と同量となる。そのため、独立に出力電力を設定できる第1電源11、第2電源12によって、第1電源11、第2電源12の陽極から供給する電流量を調整することで、電極E1、ターゲット片T1間の放電電流量と、電極E2、ターゲット片T2と間の放電電流量とを独立して制御することができる。
また、被処理体Wは、ターゲット片T11〜T35を横断する移動経路上では、下面側からターゲット片T11〜T35によって順次C原子が放出される成膜領域を順次横断するため、各成膜領域における成膜速度に応じてC原子が付着、堆積して、非晶質性のCの薄膜が形成され、ターゲット片T35を通過した時点で、Si膜層L1上に膜厚600nmとなるDLC膜層L2が成膜される。
また、被処理体移動制御部51は、被処理体移動部9を排出室4のゲートバルブ4bの近傍位置まで移動した後、被処理体移動部9を停止させる。
一方、被処理体移動制御部51は、被処理体移動部9の保持を解除して、被処理体移動部9を投入室3の近傍位置まで移動させる。これにより、次に成膜を行う被処理体Wを保持することが可能となる。
このようにして、薄膜15が成膜された被処理体Wが製造される。
以上を繰り返すことにより、複数の被処理体Wを順次投入室3に投入し、真空容器2内で薄膜15の成膜を行った後に、排出室4から排出することで、真空容器2を大気開放することなく、被処理体Wに、予め定められた一定の膜構成を有する薄膜15を成膜することができる。
また、本実施形態では、ターゲット部8においてターゲット片Tiの種類や、枚数を、成膜する膜構成に応じて予め設定するだけで成膜を行うことができる。このため、膜構成に応じて、被処理体Wの移動速度や第1電源11、第2電源12の出力電力を複雑に変化させることなく成膜を行うことができるため、薄膜の組成や膜厚の調整が容易となる。
したがって、薄膜の成膜工程において成膜の効率を向上することができる。
このため、複数の被処理体Wをヤトイ等の治具に詰めてバッチ式の成膜を行う場合に比べて、被処理体Wのヤトイ詰めの手間や、バッチ交換する際の真空容器2の減圧などの作業時間、待機時間を低減できるため、生産効率を向上することができる。
また、真空容器2は、被処理体を1個ずつ直線的に移動できればよいため、真空容器2の移動経路に沿う断面積を低減することができる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、本発明の実施形態の第1変形例に係る成膜装置の主要部の構成を示す模式的な断面図である。図8は、本発明の実施形態の第1変形例に係る成膜装置で成膜された薄膜の膜構成の一例を示す模式的な断面図である。
スパッタ装置1Aは、図8に示すように、上記実施形態と同様のSi膜層L1とDLC膜層L2との間に、SiとCとが混合した組成を有する混合膜層L3を有する薄膜15Aを成膜する装置である。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
ターゲット片TAjの材質は、jが偶数の場合はSi、jが奇数の場合はCから構成される。このため、ターゲット片T10に隣接するターゲット片TA1の材質はSiからなり、ターゲット片T11に隣接するターゲット片TANの材質はCからなる。
ターゲット片TAjの枚数Nは、成膜すべき混合膜層L3の膜厚に応じて適宜の枚数に設定する。
また、特に図示しないが、スイッチ部13の第1スイッチ13A、第2スイッチ13Bの数は、それぞれN個ずつ増加され、各電極EAjは、上記実施形態の電極Eiと同様、配線wiに相当する個別の配線を介して、陽極配線11a、12aに電気的に接続された第1スイッチ13A、第2スイッチ13Bに接続されている。
このため、上記実施形態と同様にして、ターゲット片T1〜T10上では、Si膜層L1が、ターゲット片T11〜T35上ではDLC膜層L2が成膜される。
このため、被処理体Wの下面には、jの奇遇に応じて、ターゲット片TAj、TA(j+1)から、Si原子とC原子とがスパッタリングされる。しかも、被処理体Wの通過位置では、これらのターゲット粒子の成膜領域SAj、SA(j+1)が重なり合っているため、被処理体Wには、Si原子とC原子とが混合した混合膜層L3が成膜される。
このような混合膜層L3は、上記実施形態の成膜方法であっても、SiC合金で構成したターゲット片をターゲット片T10、T11の間に挿入すれば、成膜することができるが、本変形例によれば、このようなSiC合金のターゲット片を製造することなく混合膜層L3を形成することができるため、成膜の準備工程が簡素化される。
また、合金が製造しにくい2種類の材料の混合膜を容易に形成することができる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図9は、本発明の実施形態の第2変形例に係る成膜装置の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
ターゲット片Takの材質はSiからなり、ターゲット片Tbkの材質はCからなる。
ターゲット片Tak、Tbkの各枚数Mは、成膜すべき混合膜層L3の膜厚に応じて適宜の枚数に設定する。
このため、電極EBkに電力が供給されると、図9に示すように、ターゲット片Tak、Tbkはそれぞれが隣接する長辺の近傍のスパッタリング領域で同時にスパッタリングされ、成膜領域SBkには、Si原子とC原子とが同時に放出される。
このように、ターゲット片Tak、Tbkからは放出されるターゲット粒子は、電極EBkに供給する電力では、独立に制御することはできない。このため、本変形例では、条件設定部54は、ターゲット片Tak、Tbkが電極EBkに対応して、1枚のターゲット片を構成していると見なして、スイッチ部13のオン・オフ制御の設定を行う。
すなわち、被処理体Wが、ターゲット片Takまたはターゲット片Tbkに重なる位置に移動したら、電極EBkに接続された第1スイッチ13Aまたは第2スイッチ13Bをオンにする制御データを出力制御部52に送出する。
このため、上記実施形態と同様にして、ターゲット片T1〜T10上では、Si膜層L1が、ターゲット片T11〜T35上ではDLC膜層L2が成膜される。
また、合金が製造しにくい2種類の材料の混合膜を容易に形成することができる。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の実施形態の第3変形例に係る成膜装置の概略構成を示す模式的な正面図および平面図である。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
直線経路10a上には、2個の被処理体移動部9が同時に移動できるようになっている。
スイッチ部23の構成は、上記実施形態の第1スイッチ13Aおよび第2スイッチ13Bに加え、第1電源21からの直流電流をオン・オフする第1スイッチ23Aと、第2電源22からの直流電流をオン・オフする第2スイッチ23Bとを有するn個のスイッチユニット23aを備える。
各第1スイッチ23Aの一方の接点は、陽極配線21aを介して第1電源21の陽極に電気的に接続されている。また、各第2スイッチ23Bの一方の接点は、陽極配線22aを介して第2電源22の陽極に電気的に接続されている。
また、各第1スイッチ23Aおよび各第2スイッチ23Bの他方の接点は、電極E1、…、Enと電気的に接続された配線w1、…、wnとそれぞれ個別に接続されている。
スイッチ部23は、図4に示すように、成膜制御ユニット50と電気的に接続され、成膜制御ユニット50から制御信号に基づいて、各第1スイッチ13A、23A、各第2スイッチ13B、23Bのオン・オフ状態を制御できるようになっている。
このため、成膜制御ユニット50は、各被処理体移動部9の移動位置の情報の通知を受けて、それぞれの被処理体移動部9に保持された被処理体W(図示の被処理体Wb、Wa)に対して、上記実施形態と同様にして、その下方のターゲット片Tiをスパッタリングして薄膜15を成膜する。
その際、第1電源11、第2電源12は、例えば、被処理体Waの成膜に用い、第1電源21、第2電源22は、被処理体Wbの成膜に用いる。
このため、本変形例では、被処理体Wa、Wbの移動位置に応じて、それぞれ1枚または2枚のターゲット片Tiに、電力が印加され、真空容器2内の2箇所で同時並行的にスパッタリングが行われる。
この場合、同時に成膜を行う個数に応じて、スパッタリングを行うため電極に電力を供給する電源は、移動個数に応じて増設する。
また、陰極を共用部電極に接続していれば、陽極となるすべての電極対に異なる電源を接続し、電源の出力をオン・オフする制御を行ってもよい。
この場合、被処理体の移動速度が一定でも、ターゲット片ごとに成膜速度を変更することができるため、膜厚の変更がさらに容易となる。
この場合、電源の出力電力を調整可能な構成とすれば、1つのターゲット片の2箇所からのターゲット粒子の放出量を変化させることができる。
このようにして、異種材質が配置されたスパッタリング領域で同時にスパッタリングを行うことによっても、混合膜を成膜することができる。
また、さらにスパッタリング領域に寄与する電極に接続された電源の出力を独立に調整できるようにすることで、混合膜の組成比を変更することができる。
したがって、このような構成を移動経路に沿って複数設け、移動方向に沿って混合膜の組成比を変化させるようにすれば、段階的な傾斜層の成膜を行うことができる。
例えば、第1変形例の構成において、j=2とし、電極EA1、EA2に供給する出力電力を0%〜100%の範囲で独立に調整できる構成とすれば、被処理体Wをターゲット片TA1、TA2の境界上に停止させた状態で、電極EA1の出力電力を100%から0%に、電極EA2の出力電力を0%から100%に、それぞれ同時に変化させることによって、Siの組成が100%から0%に、Cの組成が0%から100%に漸次連続的に変化する傾斜層を成膜することができる。
これにより、スパッタ装置1の構成を変えることなく、Si膜層L1の膜厚が300nmより薄い薄膜や、DLC膜層L2の膜厚が600nmよりも薄い薄膜を成膜することができる。
また、スパッタ装置1において、被処理体Wの移動速度を変えたり、停止時間を設けたり、電源の出力を変えたりすることで、膜厚を変える構成としてもよい。この場合、成膜に用いるターゲット片を間引いても、薄膜15と同様な膜構成を成膜することができる。
この場合、成膜量検出手段は、被処理体Wとともに移動させてもよいし、各ターゲット片上の成膜領域に配置してもよい。
例えば、ターゲット片を細長い扇形状に形成して、円弧状、円環状等の湾曲形状に配列してターゲットを構成し、移動経路を、このターゲット上で各ターゲット片を横断する円弧、円等の曲線状に設けてもよい。
2 真空容器
3 投入室
4 排出室
6 マグネットユニット
7 バッキングプレート(共用部電極)
8、8A、8B ターゲット部(ターゲット)
9 被処理体移動部
10、10A 移動ガイド
11、21 第1電源(電源)
11a、12a、21a、22a 陽極配線
11b、12b、21b、22b 陰極配線
12、22 第2電源(電源)
13、23 スイッチ部
15、15A 薄膜
50 成膜制御ユニット(成膜制御部)
51 被処理体移動制御部
52 出力制御部
53 記憶部
54 条件設定部
E1、…、E35、Ei、EAj、EBk 電極
L1 Si膜層
L2 DLC膜層
L3 混合膜層
S1、SAj、SBk 成膜領域
T1、…、T35、Tn、Ti、TA1、TAj、TAN、Ta1、Tak、Tb1、Tbk ターゲット片
W、WA、WB、WC、Wa、Wb、Wc 被処理体
Claims (7)
- 真空容器の内部で、ターゲットの表面からターゲット粒子を放出させ、該ターゲット粒子を被処理体の表面に付着させて薄膜を形成する成膜方法であって、
前記ターゲットを、材料の種類が2種類以上からなる複数のターゲット片から構成し、該複数のターゲット片を、独立に出力設定可能な複数の電源の陰極に電気的に接続された共用部電極上に設置するとともに、前記複数のターゲット片のいずれかの近傍に配置され前記電源の陽極にそれぞれ電気的に接続可能に設けられた複数の電極を設置し、
前記被処理体を、前記複数のターゲット片を横断する移動経路に沿って移動させ、
前記被処理体の移動位置に基づいて、前記複数の電極の少なくともいずれかに選択的に電力を供給し、
前記複数のターゲット片のうち少なくともいずれかから、選択的にターゲット粒子を放出させて、
前記被処理体の表面に予め定められた材料構成が一定の膜構成の成膜を行うとともに、
前記被処理体が、種類の異なるターゲット片を横断する際に、前記被処理体の移動速度および前記電源の出力電力の大きさの少なくともいずれかを変化させることによって、薄膜の組成が連続的に変化する傾斜層を形成する
ことを特徴とする成膜方法。 - 前記被処理体を、前記移動経路上に時間差を設けて2個以上移動させ、
前記被処理体のそれぞれに対して前記膜構成の成膜を並行して行う
ことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。 - 真空容器を有し、該真空容器の内部で、ターゲットの表面からターゲット粒子を放出させ、該ターゲット粒子を被処理体の表面に付着させて薄膜を形成する成膜装置であって、
出力電力の大きさを独立に設定可能な複数の電源と、
前記ターゲットを構成する複数のターゲット片と、
前記複数の電源の陰極に電気的に接続され、前記複数のターゲット片を保持する共用部電極と、
前記複数のターゲット片の近傍に設置され、前記複数の電源の陽極に個別の配線を介して電気的に接続された複数の電極と、
前記被処理体を、前記複数のターゲット片を横断する移動経路に沿って移動させる被処理体移動部と、
該被処理体移動部から通知される前記被処理体の移動位置の情報と、予め記憶された材料構成が一定の膜構成の情報とに基づいて、前記複数の電極の少なくともいずれかに選択的に電力を供給して、前記複数のターゲット片のうち少なくともいずれかから、選択的にターゲット粒子を放出させる成膜制御部と、
を備え、
前記複数のターゲット片は、それぞれ平面視矩形状に形成され、それぞれの長辺が隣接するようにして、前記共用部電極上に設置され、
前記複数の電極は、前記ターゲット片を短辺側から挟んで対向する位置に配置された
ことを特徴とする成膜装置。 - 前記被処理体移動部は、前記被処理体を、前記移動経路上に時間差を設けて2個以上移動させ、
前記成膜制御部は、前記被処理体移動部から通知される前記被処理体のそれぞれの移動位置の情報と、前記膜構成の情報とに基づいて、前記被処理体のそれぞれに向けてそれぞれに対応する前記ターゲット粒子を放出させる
ことを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。 - 前記複数のターゲット片の材料の種類は、2種類以上からなることを特徴とする請求項3または4に記載の成膜装置。
- 前記複数の電源は、0%〜100%の範囲で出力電力を独立に調整可能であり、
前記成膜制御部は、前記出力電力の大きさを制御できるようにした
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の成膜装置。 - 前記真空容器に隣接して、
前記真空容器と同一雰囲気を形成した状態で、前記被処理体を前記真空容器に投入する投入室と、
前記真空容器と同一雰囲気を形成した状態で、成膜が終了した前記被処理体を前記真空容器から排出する排出室と、
が設けられた
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の成膜装置。
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