JP5654962B2 - 視線位置推定装置及び視線位置推定プログラム - Google Patents
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例えばテレビ番組において、起→承→転→結のストーリーがある画像を一画面に表示する場合に、前記した起承転結に相当する部分に順序通りに観察者の視線を誘導することができなければ、本来伝えたい情報をうまく伝えられないおそれがある。
また、商業広告が並ぶWebページにおいては、観察者の視線が向かう順序は、広告料金を左右する重要な要素であると考えられる。
しかし、観察者の興味や意図は観察者ごとに異なるため、視線がどこに向かうかは個人差が大きい。
したがって、実際にテレビ番組、Webページ等を見る観察者の視線が被験者の視線データによって予測された視線位置に向かうとは限らない。
かかる個人差を取り除くためには、相当数の被験者の視線データを収集することが必要となり、画像のデザインに要する作業を圧迫するおそれがある。
顕著性マップモデルでは、まず、画像における初期視覚特徴の特徴量(輝度、色等)を画素値としたグレースケール画像である複数の特徴量マップを生成し、続いて、複数の特徴量マップの線形和である顕著性マップを生成する。
顕著性マップから視線位置を推定する際には、一度見た方向には続けて視線が向かいにくいという復帰抑制の影響を受けながらも、顕著性マップにおける最も画素値が高い場所に視線が向かうという仮定(WTA:Winner-Take-All)が用いられる。
かかる顕著性マップモデルによって画像のみから視線位置を推定することができれば、(1)相当数の被験者による視線計測の手間を省き、視線位置の推定とデザインの手直しを何度も繰り返し、よりよいデザインの画像を生成することができる、(2)顕著性マップという客観的・定量的な判断に基づいて画像の特徴が視線に与える影響を調整することができる、といったメリットを享受することが可能となる。
そして、注意予測決定部は、前記顕著性マップの画素値の大きさに基づいて前記注意予測を決定するとともに、前記顕著性マップの所定範囲内に存在する前記注意予測を1つのみとして前記注意予測を決定し、視線位置推定部は、i番目の前記注意予測の位置をri、i番目の前記注意予測の重みをMi、前記視線位置をrcとしたとき、
また、本発明によれば、顕著性マップの全体から好適に注意予測を決定することができる。
また、本発明によれば、視線位置の分布を好適に推定することができる。
また、本発明によれば、注意予測の数に応じて視線位置を好適に推定することができる。
さらに、本発明によれば、複数の特徴量マップから顕著性マップを好適に生成することができ、また、視線ベースの特徴量マップを用いてヒトの視線の分布傾向(バイアス)を考慮した顕著性マップを好適に生成することができる。
記憶部11には、顕著性マップ生成部13で用いられる視線ベースの特徴量マップと、視線位置推定部15で用いられる一様乱数と、が予め記憶されている。
特徴量マップ生成部12は、外部装置(カメラ、記録媒体等)から画像データを取得し、取得された画像データから、複数の特徴量マップを生成し、顕著性マップ生成部13へ出力する。
ここで、特徴量マップは、画像データから抽出した特徴量をグレースケール画像の画素値として表すマップである。
本実施形態では、特徴量マップ生成部12は、複数の特徴量マップとして、少なくとも輝度に関する特徴量マップ及び色に関する特徴量マップを生成し、さらに、点滅に関する特徴量マップ、運動に関する特徴量マップ、及び、方位に関する特徴量マップを生成する。
顕著性マップ生成部13は、特徴量マップ生成部12から出力された複数の特徴量マップを取得し、取得された特徴量マップに基づいて顕著性マップを生成し、注意予測決定部14へ出力する。
本実施形態において、顕著性マップ生成部13は、複数の特徴量マップの線形和を算出することよって、顕著性マップを生成する。すなわち、顕著性マップは、画素ごとに、各特徴量マップの画素値の線形和を当該顕著性マップの画素値として有するグレースケール画像である。
注意予測決定部14は、顕著性マップ生成部13から出力された顕著性マップを取得し、顕著性マップにおける所定個数(1以上の自然数)の注意予測の位置(座標)を決定し、決定された注意予測の位置を視線位置推定部15へ出力する。
ここで、注意予測は、画像において視線位置に影響を及ぼす箇所を予測したものであり、注意予測決定部14は、顕著性マップにおいて画素値が大きい位置を注意予測の位置として決定する。
視線位置推定部15は、注意予測決定部14から出力された所定個数の注意予測の位置を取得し、取得された注意予測に重み付けを行い、重み付けされた注意予測に基づいて視線位置を推定し、推定された視線位置を外部装置(表示装置等)へ出力する。かかる視線位置推定部15は、i番目の注意予測の位置をri、i番目の注意予測の重みをMi、視線位置をrcとしたとき、
これは、観察者の視線位置が目立つ箇所に向かうとは必ずしも限らないことを、画像処理として具現化するための措置である。
続いて、本発明の実施形態に係る視線位置推定装置1の動作例について、図1〜4を参照し、主に注意予測の個数を「2」とした場合を例にとって説明する。
また、本発明の実施形態に係る視線位置推定装置1は、重み付けされた特徴量マップの線形和を算出することによって顕著性マップを生成することも可能であり、この場合には、特徴量ごとの視線位置への影響を考慮し、より好適に視線位置を推定することができる。
また、本発明の実施形態に係る視線位置推定装置1は、得られた視線位置分布を、WTA等のアルゴリズムによる視線移動のシミュレーションに適用することも可能である。利用者(例えば、映像デザイナ)は、シミュレーション結果を見ながら、意図した順序で視線が移動するように画像をデザインすることができているかを確認しながら画像制作を進行することができる。
11 記憶部
12 特徴量マップ生成部
13 顕著性マップ生成部
14 注意予測決定部
15 視線位置推定部
Claims (6)
- 画像データから、当該画像データの複数の特徴量のそれぞれを画素値とするグレースケール画像である複数の特徴量マップを生成する特徴量マップ生成部と、
前記複数の特徴量マップに基づいて、顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部と、
前記顕著性マップにおいて、視線位置に影響を及ぼす所定個数の注意予測を決定する注意予測決定部と、
乱数を用いて、前記注意予測に対する重み付けを行うとともに、重み付けされた前記注意予測に基づいて、視線位置を推定する視線位置推定部と、
を備え、
前記注意予測決定部は、前記顕著性マップの画素値の大きさに基づいて前記注意予測を決定するとともに、前記顕著性マップの所定範囲内に存在する前記注意予測を1つのみとして前記注意予測を決定し、
前記視線位置推定部は、i番目の前記注意予測の位置をri、i番目の前記注意予測の重みをMi、前記視線位置をrcとしたとき、
ことを特徴とする視線位置推定装置。 - 前記視線位置推定部は、重み付けを繰り返し行い、繰り返し重み付けられた前記注意予測に基づいて、前記視線位置を繰り返し推定することによって前記視線位置の分布を得る
ことを特徴とする請求項1に記載の視線位置推定装置。 - 前記注意予測決定部は、前記所定個数を変更し、異なる個数の前記注意予測を決定し、
前記視線位置推定部は、異なる個数の前記注意予測に基づいて前記視線位置を推定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の視線位置推定装置。 - 前記顕著性マップ生成部は、前記複数の特徴量マップの線形和を算出することによって、前記顕著性マップを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の視線位置推定装置。 - 前記画像データにおける視線の分布傾向を表す視線ベースの特徴量マップが記憶された記憶部を備え、
前記顕著性マップ生成部は、前記複数の特徴量マップの線形和と前記視線ベースの特徴量マップとの線形和を算出することによって、前記顕著性マップを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の視線位置推定装置。 - コンピュータを、
画像データから、当該画像データの複数の特徴量のそれぞれを画素値とするグレースケール画像である複数の特徴量マップを生成する特徴量マップ生成部、
前記複数の特徴量マップに基づいて、顕著性マップを生成する顕著性マップ生成部、
前記顕著性マップにおいて、視線位置に影響を及ぼす所定個数の注意予測を決定する注意予測決定部、及び、
乱数を用いて、前記注意予測に対する重み付けを行うとともに、重み付けされた前記注意予測に基づいて、視線位置を推定する視線位置推定部として機能させ、
前記注意予測決定部に、前記顕著性マップの画素値の大きさに基づいて前記注意予測を決定させるとともに、前記顕著性マップの所定範囲内に存在する前記注意予測を1つのみとして前記注意予測を決定させ、
前記視線位置推定部に、i番目の前記注意予測の位置をri、i番目の前記注意予測の重みをMi、前記視線位置をrcとしたとき、
ことを特徴とする視線位置推定プログラム。
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