JP5649595B2 - 管径測定装置及び管径検査方法 - Google Patents
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Description
この種の配管は、クリープ損傷によって徐々に膨張する。クリープ損傷が進行するとクリープ破壊が起きる可能性があるため、クリープ損傷の進行の程度を把握することは重要である。クリープ損傷の進行の程度は、配管の膨張率に基づいて把握することができる。そこで、配管の膨張率を調査するために、配管の外径の測定が実施されている。
例えば、特許文献1が開示する管の外径及び肉厚測定装置はデジタルノギスを有し、デジタルノギスを用いて、管の外径が測定される。
特に、伝熱管同士の狭い隙間にデジタルノギスを挿入して測定を行う場合、作業性が悪いことから測定方向がずれ易く、測定結果が不正確になり易いという問題がある。
この場合、膨出部が有れば、膨出部にジョーが引っかかるので、これにより膨出部の位置を確認することができる。また、このスクリーニングによれば、ジョーの間隔を段階的に広げることで、膨出部の大凡の外径を確認することもでき、最大膨出部を発見することができる。
また、このようなスクリーニングを行った場合、ジョーが短時間で摩耗し、ジョーの間隔が拡がってしまうので、膨出部の位置や大凡の外径を確認することが短時間で困難になる。つまり、基準となるジョーの間隔が現実として変わってしまうという問題がある。
この構成によれば、第2ジョー部の第2接触部及び第1ジョー部の第1接触部が、配管の長手方向に一致する方向にて3mm以上15mm以下の厚さを有する。このため、第1接触部及び第2接触部は、配管を挟んだときに、配管に対して長手方向に沿って線接触する。この結果として、この管径測定装置によれば、測定方向が配管の直径方向に正確に一致し、配管の外径が正確且つ容易に測定される。
この構成によれば、第1ジョー部の外面が湾曲面によって構成されているので、測定対象の配管の隣に配管が存在する場合に、第1ジョー部が隣の配管に衝突しない。このため、この管径測定装置によれば、配管の外径が所望の測定方向にて容易に測定される。
この構成によれば、湾曲部の内面の曲率半径が、配管の外周面の曲率半径よりも小さいので、湾曲部の内面と配管の外周面との間に隙間が確保される。このため、配管が膨張していても、湾曲部の内面に対して配管の外周面が接触することが防止され、外径の測定が正確に行われる。
この構成によれば、表示部が、第1ジョー部、第2ジョー部及び支持部材と別体に設けられているので、作業者は、狭い場所で作業をしていても、表示部に表示された測定結果を容易に読み取ることができる。
本発明の一態様の管径検査方法によれば、上記した管径測定装置を使用するため、配管の外径が正確且つ容易に測定される。
この構成によれば、標準ゲージを用いることによって、測定対象の配管が迅速に選択される。
この構成によれば、スクリーニング工程において、基準面の間隔が相対的に小さい標準ゲージを用いて膨出部を発見してから、基準面の間隔が相対的に大きい標準ゲージを用いて最大の膨出部を発見する。このように、間隔が小さい標準ゲージから使用することによって、最大の膨出部を効率的に発見することができる。
この構成によれば、配管の外径を複数の測定方向にて測定することで、最も膨張している方向での配管の外径を測定することができる。一方、この構成によれば、上述した管径測定装置を使用するため、隣に配管が存在しても、第2ジョー部が隣の配管に衝突せず、複数の測定方向にて配管の外径が正確且つ容易に測定される。
図1は、一実施形態の管径測定装置10の概略的な構成を示す図である。測定対象の配管12の種類は特には限定されないが、配管12は、例えば、陸用ボイラ、舶用ボイラ又は化学プラント等で用いられる配管である。本実施形態では、配管12は、ボイラの伝熱管であり、伝熱管は高温・高圧下で使用される。
固定ブロック24は、例えば四角柱形状のメインフレーム部26と、メインフレーム部26の一端に一体に連なる固定ジョー部(第1ジョー部)28とを有する。メインフレーム部26の一端側には、円柱形状の支持部材30が螺子32によって固定されている。支持部材30の軸線方向は測定方向に一致しており、支持部材30は、メインフレーム部26と直交する方向に延びている。
従って、固定ジョー部28は、支持部材30の一端(基端)側に固定され、支持部材30から測定方向と交差する方向に突出している。
従って、可動ジョー部36は、連結部34を介して、支持部材30によって測定方向に移動可能に支持され、支持部材30から測定方向と交差する方向に突出している。
変位量調整機構は、作業者によって回転させられるべき回転ノブ40を有する。回転ノブ40は、測定方向にて、固定ブロック24又は固定ジョー28部から可動ジョー部36とは反対側に向けて突出している。回転ノブ40はスピンドル42に同軸的に連結されている。スピンドル42は、メインフレーム部26の他端側を測定方向に貫通している。
軸部56は、スピンドル42と平行に延びており、従って、測定方向に延びている。軸部56は、メインフレーム部26の中間部を貫通しており、メインフレーム部26に同軸上に設けられた2つのラジアル軸受58,60を介して、メインフレーム部26によって回転可能に支持されている。ラジアル軸受58,60は、好ましくは、バックラッシュ防止機構を有するラジアルボールベアリングからなる。
好ましくは、回転ノブ40は、ラチェットストップ機構を内蔵している。ラチェットストップ機構を用いた場合、スピンドル42に作用するトルクが所定値を超えると、回転ノブ40を回転させてもスピンドル42が回転せず、可動ブロック22が移動しない。
ロータリエンコーダ66は、継手68を介して、駆動螺子54に連結されている。従って、駆動螺子54の回転量がロータリエンコーダ66に入力される。例えば、駆動螺子54のピッチは0.5mmであり、ロータリエンコーダ66は、1回転当たり500パルス出力する。この場合、測定ユニット14は、測定方向にて0.001mmの分解能を有する。
図2は、可動ブロック22及び固定ブロック24を概略的に示す斜視図である。図1及び図2を参照すると、固定ジョー部28は、先端に固定接触部(第1接触部)69を有し、固定接触部69は、測定対象の配管12側に固定接触面70を有する。固定接触面70は、測定方向に対し垂直な平坦面からなる。
換言すれば、固定外側湾曲面74は、固定ジョー部28の突出方向にて支持部材30の軸線に近付くほど、測定方向にて可動ジョー部36から離れるように湾曲している。
可動接触部76は、可動接触面80を有し、可動接触面80は、測定方向に対し垂直な平坦面からなる。測定の際、可動接触面80は、固定接触面70と共に、配管12を測定方向にて挟む。
湾曲部78は、可動内側湾曲面82及び可動外側湾曲面84を有する。可動内側湾曲面82は、可動接触面80に連なっている。可動内側湾曲面82は、測定対象の配管12の外周面が可動接触面80に接触している状態で、配管12の外周面との間に隙間が確保されるような曲率で湾曲している。
可動外側湾曲面84は、可動内側湾曲面82に沿うように湾曲しており、可動外側湾曲面84の曲率中心は、可動接触面80に対し、可動内側湾曲面82の曲率中心と同じ側にある。
本実施形態では、可動ブロック22及び固定ブロック24は、焼き入れされたSKD11からなり、61.5のロックウェル硬さ(HRC)及び740のビッカース硬さ(HV)を有する。
以下、図3及び図4を参照して、標準ゲージ100について説明する。図3及び図4は、それぞれ標準ゲージ100の概略的な平面図及び斜視図である。
管径測定装置10は、測定対象の配管12の外径を正確に測定する用途に適している。標準ゲージ100は、検査対象として多数の配管12が存在する場合に、外径を正確に測定すべき配管12の部位を選択する用途(スクリーニング)に好適である。外径を正確に測定すべき配管12の部位とは、膨張している部分であり、なかでも、最も膨張している部分である。
また好ましくは、標準ゲージ100は、60以上65以下のロックウェル硬さ(HRC)を有し、或いは、697以上832以下のビッカース硬さ(HV)を有する。そのために、好ましくは、標準ゲージ100は焼き入れされた合金工具綱からなる。
以下、標準ゲージ100及び管径測定装置10を用いた配管の外径の検査方法(管径検査方法)について説明する。この検査方法は、スクリーニング工程及び管径測定工程を有する。
スクリーニング工程は、標準ゲージ100を用いて行われる。検査対象の配管12の仕様上の直径が40mmであれば、まず、間隔dが40.1mmの標準ゲージ100が用いられる。スクリーニング工程では、基準面102,104で配管12を挟んだ状態で、標準ゲージ100を配管12の長手方向に移動させることによって、配管12の膨張部を探す。また、基準面102,104で配管12を挟んだ状態で、標準ゲージ100を配管12の周方向に回転させることで、膨張方向を探す。標準ゲージ100の移動又は回転が妨げられることによって膨張部又は膨張方向が発見される。
管径測定工程では、スクリーニング工程にて、複数の配管12のうちから選択された配管12の外径が、管径測定装置10を用いて測定される。
複数の配管12は、例えば、ボイラの伝熱管であり、図5に示したように、ヘッダ管106に対して、互いに並列に接続されている。
管径測定装置10による外径の測定は、好ましくは、図5乃至図8に示したように45度間隔で4つの測定方向について行われる。なお、管径測定装置10は、配管12の外径を全方向にて測定可能である。管径測定装置10は、例えば、配管12同士の間隔が9.5mmでも、全方向にて測定を行うことが出来る。
上述した一実施形態の管径検査方法では、好ましい態様として、標準ゲージ100を用いることによって、測定対象の配管12が迅速に選択される。
更に、上述した一実施形態の管径検査方法では、好ましい態様として、スクリーニング工程において、基準面の間隔dが相対的に小さい標準ゲージ100を用いて膨出部を発見してから、基準面の間隔dが相対的に大きい標準ゲージ100を用いて最大の膨出部を発見する。このように、間隔dが小さい標準ゲージ100から使用することによって、最大の膨出部を効率的に発見することができる。
例えば、管径測定装置10では、固定ジョー部(第1ジョー部)28が支持部材30に対して固定され、可動ジョー部(第2ジョー部)36が支持部材30に移動可能に支持されていたが、第2ジョー部が支持部材に対して固定され、第1ジョー部が支持部材によって移動可能に支持されていてもよい。
12 配管
28 固定ジョー部(第1ジョー部)
30 支持部材
34 連結部
36 可動ジョー部(第2ジョー部)
40 回転ノブ
42 スピンドル
50 駆動歯車
52 従動歯車
54 駆動螺子
66 ロータリエンコーダ
68 継手
69 固定接触部(第1接触部)
70 固定接触面
76 可動接触部(第2接触部)
78 湾曲部
80 可動接触面
Claims (11)
- 配管の外径を測定するための管径測定装置であって、
メインフレーム部と、
前記メインフレーム部の一端側に固定され、測定方向に延びる支持部材と、
前記支持部材の一端側に設けられ、前記支持部材及び前記メインフレーム部から前記測定方向と交差する方向に突出する第1ジョー部と、
前記支持部材の他端側に設けられ、前記支持部材から前記測定方向と交差する方向に突出する第2ジョー部と、
前記測定方向における前記第1ジョー部と前記第2ジョー部の間隔を測定する測定手段と、を備え、
前記第2ジョー部は、
前記支持部材の他端から前記測定方向に突出するとともに、前記測定方向にて前記支持部材の他端から離れるに連れて前記支持部材の軸線から離れるように湾曲している湾曲部と、
前記湾曲部に連なり、測定対象の配管の外周面に接触させられるべき第2接触部と、
を有し、
前記第1ジョー部は、
前記第2接触部から前記測定方向に離間し、測定対象の配管の外周面に接触させられるべき第1接触部を有する、
ことを特徴とする管径測定装置。 - 前記第1接触部及び前記第2接触部は、測定対象の配管の長手方向に一致させられるべき方向にて、3mm以上15mm以下の厚さをそれぞれ有する
ことを特徴とする請求項1に記載の管径測定装置。 - 測定対象の配管とは反対側に位置する前記第1ジョー部の外面は、前記支持部材の軸線に近付くに連れて、前記測定方向にて前記第2ジョー部から離れるように湾曲している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管径測定装置。 - 測定対象の配管と同じ側に位置する前記湾曲部の内面は、測定対象の配管の外周面の曲率半径よりも小の曲率半径を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の管径測定装置。 - 前記測定手段は、
前記第2ジョー部と前記第1ジョー部を連結する螺子と、
前記螺子の回転量に基づいて前記間隔を測定するロータリエンコーダと、
前記第1ジョー部、前記第2ジョー部及び前記支持部材とは別体に設けられ、前記ロータリエンコーダによって測定された結果を表示する表示部と、
を含む
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の管径測定装置。 - 並列に設置された複数の配管の中から選択された測定対象の配管の外径を、請求項1乃至5の何れか一項に記載の管径測定装置を用いて測定する管径測定工程を備えることを特徴とする管径検査方法。
- 標準ゲージを用いて、並列に設置された複数の配管の中から、前記測定対象の配管として、膨出部を有する配管を選択するスクリーニング工程を更に備え、
前記標準ゲージは、前記配管の外径を検査するための相互に離間した2つの基準面を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の管径検査方法。 - 前記スクリーニング工程において、
前記基標面の間隔が相互に異なる複数の前記標準ゲージを用意し、
前記基準面の間隔が相対的に小さい前記標準ゲージを用いて前記配管の外径を検査して、前記配管における膨出部を発見し、
発見した前記配管の膨出部について、前記基準面の間隔が相対的に大きい前記標準ゲージを用いて更に外径を検査し、前記配管における最大の膨出部を発見する、
ことを特徴とする請求項7に記載の管径検査方法。 - 前記管径測定工程において、前記管径測定装置が前記測定対象の配管の周りで段階的に回転させられ、前記測定対象の配管の外径が複数の測定方向にて測定されることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の管径検査方法。
- 標準ゲージを用いて、並列に設置された複数の配管の中から、測定対象の配管として、膨出部を有する配管を選択するスクリーニング工程と、
選択された測定対象の配管の外径を、管径測定装置を用いて測定する工程とを備え、
前記管径測定装置は、
測定方向に延びる支持部材と、
前記支持部材の一端側に設けられ、前記支持部材から前記測定方向と交差する方向に突出する第1ジョー部と、
前記支持部材の他端側に設けられ、前記支持部材から前記測定方向と交差する方向に突出する第2ジョー部と、
前記測定方向における前記第1ジョー部と前記第2ジョー部の間隔を測定する測定手段と、を備え、
前記第2ジョー部は、
前記支持部材の他端から前記測定方向に突出するとともに、前記測定方向にて前記支持部材の他端から離れるに連れて前記支持部材の軸線から離れるように湾曲している湾曲部と、
前記湾曲部に連なり、測定対象の配管の外周面に接触させられるべき第2接触部と、
を有し、
前記第1ジョー部は、
前記第2接触部から前記測定方向に離間し、測定対象の配管の外周面に接触させられるべき第1接触部を有し、
前記標準ゲージは、前記配管の外径を検査するための相互に離間した2つの基準面を有する、
ことを特徴とする管径検査方法。 - 前記スクリーニング工程において、
前記基標面の間隔が相互に異なる複数の前記標準ゲージを用意し、
前記基準面の間隔が相対的に小さい前記標準ゲージを用いて前記配管の外径を検査して、前記配管における膨出部を発見し、
発見した前記配管の膨出部について、前記基準面の間隔が相対的に大きい前記標準ゲージを用いて更に外径を検査し、前記配管における最大の膨出部を発見する、
ことを特徴とする請求項10に記載の管径検査方法。
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