JP5648784B2 - 加熱装置 - Google Patents
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Description
このような工業炉では、バーナー等により直接釜を加熱し固体の熱伝導により釜全体を加熱することが一般的である。しかし、このような加熱方式では熱効率が35%程度であるため、従来から熱効率の向上が望まれていた。
また、水蒸気により釜体全体に渡って加熱が行われるため、釜体内部の温度分布を均一化でき、加熱対象を均一に加熱でき、特に材料製造等の際に材料密度の均一化を図れる。
また、加熱手段が設けられた筐体内に水を供給する簡易な構成であるため、装置を大型化及び複雑化することがない。さらには、既存設備に容易に構築できる構造であるため、製造コストを抑えて熱効率の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、水蒸気による熱伝熱を釜体側面に対して十分に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、筐体内に供給する水の量を好適に制御できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る加熱装置1の概略構成を示した縦断面図である。加熱装置1は、水、金属等の加熱対象が投入される釜体2と、釜体2の側面及び底面を囲うとともに釜体2を支持する筐体3と、釜体2と筐体3との間に設けられ釜体2を加熱するバーナー4とを備えている。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図2には、本実施形態に係る加熱装置20の概略構成が示されている。なお、本実施形態において第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号で示し、説明は省略する。
以下では、本発明の上記実施形態に構成の近い家庭用コンロをモデル化し、具体的な条件を付与して本発明の効果を検証した解析結果を説明するものとする。
高温水蒸気発生により流体の体積が膨張すると、流速が増加することが考えられる。流速が大きくなれば、(強制)対流熱伝達率は大きくなる。これが、本発明における対流による熱効率向上の効果である。以下で説明する解析結果は、流速の増加が対流熱伝達促進にどれほど寄与するのか検証したものである。
解析モデルとしては、図3に示すような2次元軸対称系を採用した。上記実施形態の構成を想定し、釜体2(鍋)に相当するアルミニウム金属に燃焼ガスを想定した高温空気を真下から流入させ、温めるものとした。
図3の解析モデル上において、解析領域上部A、および側部Bは解放境界とした。解析領域底部のコンロに相当する部分を除いた領域Cは断熱境界条件とした。空間を満たす空気の初期温度は300Kとし、鍋を想定したアルミニウムの初期温度も300Kに設定した。バーナー(以下、コンロ)に相当する部分(D)での熱源においては熱流束境界条件を設定し、ガスの流入速度は圧力境界条件として与え、鍋を加熱するものとした。なお、鍋の底の半径Rは7cm、鍋の深さhは12cm、鍋の開口の半径rは10cmである。鍋底とコンロとの距離dは4cm、コンロの半径bは5cm、領域Cの幅Wは25cm、側部Bの高さは40cmとした。
使用する燃焼ガスは、都市ガスとして一般的に用いられているプロパンを仮定した。プロパンの標準熱量は45(MJ/m3)=12.5(kW/m3)=4.17(kW)であり、ここで、ガスの消費量を4.2(kW/h)とし、この場合、1時間当たりのガスの消費量は4.2(kW/h)÷12.5(kW/m3)=0.336(m3/h)である。プロパンの密度は、0.1MPa、21℃において1.87(kg/m3)であるから、0.336(m3/h)×1.87(kg/m3)=0.63(kg/h)の質量流量を燃焼させる。このとき、コンロ部の面積を実際のガスコンロから概算すると、0.785×10−2(m2)であることから、水を付与せず、燃焼ガスのみを流入する場合の熱流束は、q=4.17(kW)÷0.785×10−2(m2)=531210(W/m2)となる。
Q1=mct=0.5(g/s)×4.2(J/g・K)×80(K)=168(J/s)=0.168(kW)、
100℃の飽和水を100℃の飽和水蒸気にするための熱量は、
Q2=2.26(MJ/kg)×0.5/1000(kg/s)=1.13(kW)、
100℃の飽和水蒸気を200℃の過熱水蒸気(高温水蒸気)にするための熱量は、
Q3=mc’t=0.5(g/s)×2.1(J/g・K)×200(K)=210(J/s)=0.210(kW)である。
家庭用コンロの燃焼ガスの流速を実測すると、およそu=0.33(m/s)である。
一方、水を付与した場合、飽和水蒸気から過熱水蒸気を生成する過程で体積膨張する。水の付与量は30(cc/min)=0.5(g/s)=0.5×10−6(m3)/S)であり、液体での体積変化は小さいと仮定する。
1秒間を考えると、100℃の飽和水を100℃の飽和水蒸気に変化させた場合、体積は1673倍になり、(0.5×10−6(m3)×1673=0.8365×10−3(m3))、100℃の飽和水蒸気を、200℃の過熱水蒸気に変化させた場合、表1より1.56倍となる(0.8365×10−3(m3)×1.56=1.30×10−3(m3))。なお、表1は、日本機械学会蒸気表(1999)を抜粋した。
数値解析に用いた支配方程式を以下に示す。
質量保存方程式(連続方程式)は、次式(1)のように表すことができる。
慣性(非加速)基準座標における運動量保存式は、次式(2)のように表すことができる。
エネルギー方程式を次式(4)で計算するものとした。
(標準k−εモデル)
標準k−εモデルは、乱流運動エネルギー(k)とその散逸率(ε)の輸送方程式に対する半経験的モデルである。kのモデル輸送方程式は厳密な方程式から導かれるのに対し、εのモデル輸送方程式は、物理的な推理によって得られたものであり、数学的に厳密な輸送方程式とはほとんど似たところがない。
乱流運動エネルギーk、その散逸率εは次式(8)の輸送方程式から得られる。
渦粘性係数または乱流粘性係数μtは、kとεから次式(10)のように計算される。
モデル定数C1ε、C2ε、C3ε、σk、σεは、次のデフォルト値を設定した。
kとεを明示的に指定する代わりに、乱流強度I、代表長さLを用いて、kとεを次式(11),(12)より導いた。
上述の条件である場合、付与した水を高温水蒸気にするためには、上述のように熱源のエネルギーの36%をロスし、この影響で、コンロ入口の温度は1362Kから1043Kへと減少する結果となる。しかしながら、高温水蒸気の発生に伴い体積が膨張し流速が増すことで、効率的な燃焼が行われることがわかる。
実験値と今回の解析結果は開きがあるが、これは実験では炉が断熱材に囲まれていたために、外に逃げる熱がなかった事が影響していると考えられる。
このように水蒸気生成により熱量を消費するものの、流速の増加が対流熱伝達促進に寄与することが解析によっても確認でき、本発明における対流による熱効率向上の効果が確認された。
次に、ふく射による熱効率向上効果の検証をした解析結果を説明する。
水蒸気は温暖化ガスとして知られ、温度が高いほど、ふく射の吸収・再放射が大きくなる。したがって、燃焼場のような高温下で水蒸気量が変化した場合、熱移動に変化が予想される。高温場での水蒸気のふく射物性を波長ごとに導入し、水蒸気量変化に対するふく射伝熱の変化を、実験場を模擬して評価したものが本解析である。
(光線追跡法によるふく射要素法)
本解析では、図9に示すような多面体で構成される任意形状のふく射要素を考える。位置ベクトルr<→>における方向ベクトルs<^>の単色ふく射強度をIλとすると、微小距離Sを通過する際のふく射エネルギーバランスは、次式(13)のように表される。なお、<>内の記号は、係数の上部に表記されるものであるが、ここでは上述と同様に形式的<>内に示すものとした。
Фλ(s<^>’→s<^>)は、方向ベクトルs<^>’からs<^>への位相関数、ωは立体角である。
ふく射要素法では、媒体を有限の要素に分割し、それぞれの要素i内において以下の仮定を満たすものとする。
・ふく射性媒体中での散乱は等方性である。
・散乱されるふく射強度はその要素内では一様である。
次に、解析モデルに成立する、1次元非定常熱伝導方程式は次式(31)で表される。
ふく射・伝導複合伝熱解析においては、有限体積法により上記数式(32)を離散化し、各時間における温度分布を完全陰解法により解くものとした。
解析モデルには、図10に示す一次元解析モデルを用いた。ガスコンロにおける水の入った鍋の加熱を考え、空気層を4cm、鍋底としてアルミニウム層を0.3cm、鍋の中の水として水層を5cmとした。鍋底上面、水面においては自然対流が起こるものとした。初期温度は全要素300Kとし、水の上の空気は初期温度のまま一定とした。また、アルミニウムの放射率は、金属の一般的な値である0.1とした。
ガスコンロの燃料には都市ガス(プロパン)を用いた。都市ガスのふく射強度は、波長2.02μmにおいて相対強度0.02、波長3.07μmにおいて相対強度0.13、波長4.4μmにおいて相対強度1.0である。波長λにおいて単色放射能が最大値を示す黒体放射温度は、次式(33)で表される。
Q1[J/s]=mct=m[g/s]×4.1868[J/g・K]×80[K]、
H20(飽和水)100℃→H20(水蒸気)の過程で消費する熱量は、
Q2[MJ/s]=2.26[MJ/kg]×m/1000[kg/s]。
水の噴射無しの場合と、噴射量1cc/min、2cc/min、3cc/min、4cc/min、5cc/minの場合とで解析を行った。ふく射伝熱と非定常熱伝導との複合伝熱解析を行い、1秒ごとにふく射の計算を更新しながら600秒(10分)間計算を行った。
2 釜体
3 筐体
4 バーナー(加熱手段)
9 排気口
10 多孔質体(吸水体、水供給手段)
11 水供給管(水供給部、水供給手段)
Claims (5)
- 加熱対象が投入される釜体と、前記釜体の側面及び底面を囲うとともに前記釜体を支持する筐体と、前記釜体と前記筐体との間に設けられ前記釜体を加熱する加熱手段とを備えた加熱装置であって、
前記筐体内に水を供給する水供給手段を備え、
前記加熱手段の発熱の一部を利用して前記水供給手段によって供給された水を水蒸気に気化させ、前記加熱手段による加熱とともに水蒸気によって前記釜体を加熱し、
前記水供給手段が、前記筐体内に設けられ水を吸水する吸水性を有する吸水体と、前記吸水体に水を供給する水供給部とで構成され、前記吸水体を前記加熱手段によって加熱することで、水蒸気を発生させることを特徴とする加熱装置。 - 前記加熱手段の発熱によって生じるガス廃棄物を排出する排気口を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
- 前記加熱手段が前記釜体の底部に近接又は当接して配置され、
前記排気口が前記筐体の前記釜体の底部よりも上方に位置する部位に設けられ、
前記釜体の側面と前記筐体との間に螺旋状の流路が設けられており、
前記加熱手段の加熱によって気化させた水蒸気を、前記螺旋状の流路によって前記釜体の側面を回流させ、前記ガス廃棄物とともに前記排気口から排出することを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。 - 前記吸水体が多孔質体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱装置。
- 前記加熱手段の加熱によって気化させる水蒸気には、100度以上の高温水蒸気が含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱装置。
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