JP5642446B2 - 生体測定装置、生体測定方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

生体測定装置、生体測定方法、制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、生体の状態を検出する生体測定装置に関するものである。
咳症状の診断は、従来、患者の自己申告に基づいて診断され、客観的な評価がなされていなかった。
そこで、特許文献1に開示されているように、マイクロフォンを使って被験者の喉部からの音を検出し、検出した音に含まれる周波数帯域を解析することにより咳を精度高く評価する検出装置が提案されている。
また、特許文献2には、被験者の音声をマイクロフォンで検出するとともに、被験者の体動を加速度計で検出し、上記音声と体動とに基づいて咳を検出する咳検出装置が開示されている。
特開2009−233103号公報(2009年10月15日公開) 国際公開第2007/040022号パンフレット(2007年4月12日公開)
ところが、上記特許文献1の発明では、被験者が咳をしたかどうかの判定は、被験者が発する咳音のみに基づいているため、その判定精度は低い。
一方、特許文献2の発明では、被験者が咳をしたかどうかの判定は、被験者が発する咳音および被験者の体動に基づいているが、被験者の体動は咳を発したとき以外のときでも生じるため、その判定精度(換言すれば、咳の検出精度)は必ずしも高くない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、生体(例えば、被験者)の状態を精度高く検出することができる生体測定装置を提供することにある。
本発明に係る生体測定装置は、上記の課題を解決するために、生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得手段と、上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得手段と、上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出手段とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る生体測定方法は、上記の課題を解決するために、生体の状態を測定する生体測定装置における生体測定方法であって、生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得ステップと、上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得ステップと、上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、検出手段は、生体音パラメータ取得手段が取得した生体音パラメータと、生体パラメータ取得手段が取得した生体パラメータとに基づいて生体の状態を検出する。
生体音パラメータは、生体から取得された生体音信号情報(例えば、咳音)から得られるパラメータである。生体パラメータは、上記生体音パラメータとは異なるパラメータであり、生体の生体音信号情報または生体の他の生体信号情報から得られる別のパラメータである。
このように本発明の生体測定装置は、生体音パラメータに加え、生体の他の生体パラメータを用いて生体の状態を検出するため、生体の状態を検出する精度を高めることができる。
また、上記生体パラメータは、上記生体の生理状態を反映したものであることが好ましい。
上記の構成により、生体音パラメータに加え、生体の生理状態を反映した生体パラメータを用いて生体の状態を検出するため、生体の状態を検出する精度を高めることができる。
また、上記検出手段は、上記生体音パラメータおよび上記生体パラメータの経時的変化に基づいて生体の状態を検出することが好ましい。
上記の構成により、生体の状態の経時的な変化を検出することができる。
また、上記検出手段は、上記生体音パラメータが変化した時点を基準とする所定期間における、上記生体パラメータの変化に基づいて生体の状態を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、生体音パラメータが変化した時点から所定の期間内に生体パラメータが変化したかどうかに基づいて生体の状態が検出される。
それゆえ、生体音パラメータが変化してから生体パラメータが変化するまでの間にタイムラグがある場合でも、生体の状態変化を精度高く検出できる。
また、上記生体音信号情報が所定の条件に合致する場合に、上記生体パラメータ取得手段は、上記生体パラメータを取得し、上記検出手段は、上記生体の状態を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、生体パラメータは、生体音信号情報が所定の条件に合致する場合に取得されるため、生体パラメータを継続的に取得する構成よりも消費電力を節約できる。
また、上記生体パラメータ取得手段は、上記生体パラメータとして、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度を取得することが好ましい。
また、上記検出手段は、上記生体による咳の発出状態を検出してもよい。
上記の構成によれば、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度が生体パラメータとして取得され、生体音パラメータと、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度とに基づいて生体の咳の発出状態が検出される。
生体が発する音(または生体の周囲の音)には、咳以外の音も含まれる可能性があり、音が発生したからといって、その音が咳音であるとは言い切れない。
一方、咳をすれば、その間は呼吸ができないため、動脈血の酸素飽和度が低下する可能性が高い。それゆえ、生体が発する音と、動脈血酸素飽和度の変化とを共に検出することにより、生体の咳を精度高く検出できる。
また、上記検出手段は、上記咳の発出状態として、該咳の重症度を併せて検出することが好ましい。
上記の構成により、咳をしたかどうかの検出に加え、その咳の重症度が併せて検出されるため、生体の状態をより正確に示すことができる。
また、上記検出手段は、上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値と、上記変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出することが好ましい。
経皮的動脈血酸素飽和度は、同じ生体でもその時々で変化するため、経皮的動脈血酸素飽和度を咳の検出に用いる場合には、咳をした時点の近傍の時点における、咳をしていない状態での経皮的動脈血酸素飽和度を取得することが好ましい。
上記の構成によれば、生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における経皮的動脈血酸素飽和度の統計値(例えば、咳音が検出されてから所定時間が経過するまでの間に測定された経皮的動脈血酸素飽和度の平均値)と、生体音パラメータの変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度とを比較することにより、生体パラメータの変化が検出される。
それゆえ、咳をしていない状態の経皮的動脈血酸素飽和度を上記統計値として算出し、咳をすることによって変化した経皮的動脈血酸素飽和度を所定時間後の経皮的動脈血酸素飽和度として取得することができる。この両者を比較することで、咳に伴う経皮的動脈血酸素飽和度の変化をより正確に検出できる。
また、上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値とは、該変化時点から少なくとも20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値であることが好ましい。
少なくとも20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度を平均することにより、咳をしていない状態における経皮的動脈血酸素飽和度の変化や測定誤差の影響を少なくすることができる。
また、上記検出手段は、上記変化時点から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度の、上記経皮的動脈血酸素飽和度の平均値に対する変化率に基づいて、咳の発出状態を検出することが好ましい。
咳を発してから経皮的動脈血酸素飽和度が変化(低下)するまでに約20秒かかる。それゆえ、咳をしていない状態における経皮的動脈血酸素飽和度の平均値と、生体音パラメータの変化時点から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度とを取得し、前者に対する後者の変化率を求めることで生体パラメータとしての経皮的動脈血酸素飽和度の変化を精度高く検出できる。
また、上記生体音信号情報に基づいて咳音の発生を推定する咳音推定手段を備え、上記生体パラメータ取得手段は、上記咳音推定手段が、上記咳音の発生を推定した場合にのみ、上記経皮的動脈血酸素飽和度を取得することが好ましい。
上記の構成によれば、咳音推定手段が、咳音の発生を推定した場合にのみ、経皮的動脈血酸素飽和度を取得するため、継続的に経皮的動脈血酸素飽和度を取得する構成よりも消費電力を節約できる。
また、上記生体から上記生体音信号情報を取得する生体音センサー、および、上記生体から上記生体信号情報を取得する生体センサーのうち、少なくとも生体音センサーと通信する通信部を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、通信部は、生体音センサーおよび生体センサーのうち、少なくとも生体音センサーと通信する。それゆえ、生体音センサーまたは生体センサーから生体(音)信号情報を通信により取得できる。
また、上記生体から上記生体音信号情報を取得する生体音センサーに内蔵されている生体測定装置も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、コンピュータを、上記生体測定装置の各手段として機能させるための制御プログラムおよび当該制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明に係る生体測定装置は、生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得手段と、上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得手段と、上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出手段とを備えている構成である。
また、本発明に係る生体測定方法は、生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得ステップと、上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得ステップと、上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出ステップとを含む構成である。
それゆえ、生体の状態を検出する精度を高めることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る症状検出装置の構成を示す概略図である。 音響センサーの構成を示す断面図である。 上記症状検出装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における実験結果を示す図である。 本発明の別の実施例における実験結果を示す図である。 図5に示す実験結果をグラフとして示した図である。
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明の生体測定装置の一例として、咳の症状を検出する症状検出装置40について説明する。なお、本発明は、咳の症状を検出する症状検出装置に限定されず、くしゃみを検出する症検出装置など、被験者の状態を検出する他の検出装置として実現されてもよい。
また、以下の説明では、症状検出装置40の測定対象として人間(被験者)を想定しているが、本発明の生体測定装置は、人間以外の動物(例えば犬など)を測定対象としてもよい。すなわち、本発明の生体測定装置の測定対象は生体であると表現できる。
(症状検出装置40の構成)
図1は、症状検出装置40の構成を示す概略図である。同図に示すように、症状検出装置40は、解析装置(生体測定装置)1、音響センサー(生体音センサー)20およびパルスオキシメータ(生体センサー)30を備えている。
<音響センサー20>
音響センサー20は、被験者の胸などに装着され、当該被験者が発する咳音を検出する密着型のマイクロフォンである。音響センサー20として、例えば特開2009−233103号公報に記載の密着マイクロフォンを利用できる。図2は、音響センサー20の構成を示す断面図である。同図に示すように、音響センサー20は、いわゆるコンデンサマイクロフォン方式の集音ユニットであり、円柱形状で一端面が開口した筐体部21と、筐体部21の開口面を閉塞するように筐体部21に密着したダイアフラム23とを備えている。また、音響センサー20は、第1変換部25および第2変換部27を搭載した基板28と、第1変換部25および第2変換部27に電源を供給するバッテリ部29とを備えている。
ダイアフラム23の表面には粘着剤層24が設けられており、この粘着剤層24によって音響センサー20が被験者の体表面(H)に装着される。音響センサー20の装着位置は、例えば、胸、または喉の下方であり、咳音が効果的に拾える箇所であればよい。
ダイアフラム23は、患者が咳や呼吸、嚥下などを行うことにより生体音を発すると、この生体音の波長に合わせて微小振動する。このダイアフラム23の微小振動は、上面及び下面が開口した円錐形状の空気室壁26を伝って第1変換部25に伝搬される。
空気室壁26を介して伝えられえた振動は、第1変換部25によって電気信号に変換され、第2変換部27によってデジタル信号に変換されて、解析装置1の咳音判定部3に送信される。
このように、音響センサー20が検出した生体音は、生体音データ(生体音信号情報)として解析装置1の咳音判定部3へ出力される。音響センサー20は、所定の音量以上の生体音を検出した場合にのみ生体音データを解析装置1へ出力してもよいし、常時生体音データを出力してもよい。ただし、音響センサー20は、バッテリ部29の電力で駆動しているため、消費電力を節約し、駆動時間を長くするためには、所定の音量以上の生体音を検出した場合にのみ生体音データを解析装置1へ出力する方が好ましい。
また、音響センサー20にタイマを内蔵し、生体音データに、当該生体音データを得た時刻を示す情報を含めてもよい。
音響センサー20と解析装置1とは、通信可能に接続されていればよく、有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。また、音響センサー20に解析装置1が内蔵されていてもよい。
<パルスオキシメータ30>
パルスオキシメータ30は、被験者の経皮的動脈血酸素飽和度を所定の時間間隔で測定する測定装置である。この経皮的動脈血酸素飽和度は、経皮的に測定した動脈血酸素飽和度であり、被験者が咳をすることによって変化する可能性のある当該被験者の生理的指標のひとつである。
図1に示すように、パルスオキシメータ30は、センサー部31および本体32を備え、本体32は、表示部33および主制御部34を備えている。
センサー部31は、赤色光を出射する赤色LED31a、赤外光を出射する赤外光LED31b、およびこれらのLEDからの出射光が被験者の指先を透過した結果生じる透過光を受光する受光センサー31cを備えている。
主制御部34は、解析装置1からの命令に従ってセンサー部31を制御するとともに、受光センサー31cが受光した赤色光および赤外光の透過光量の変動成分の比率から動脈血酸素飽和度を算出する。算出された経皮的動脈血酸素飽和度は、表示部33(例えば、液晶ディスプレイ)に表示されるとともに、解析装置1の測定装置制御部4へ測定データとして出力される。当該測定データでは、経皮的動脈血酸素飽和度の測定値と、当該測定値を得た時刻とが対応付けられている。
パルスオキシメータ30は、解析装置1の咳音判定部3が生体音データに咳音が含まれていると判定した場合に、経皮的動脈血酸素飽和度の測定を開始する。パルスオキシメータ30に常時測定させてもよいが、パルスオキシメータ30が内蔵する電池によって駆動する場合には、消費電力を節約し、駆動時間を長くするために、解析装置1から測定開始命令を受信した時のみ測定を行うことが好ましい。
パルスオキシメータ30と解析装置1とは、通信可能に接続されていればよく、有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。また、解析装置1はパルスオキシメータ30に内蔵されていてもよい。
<解析装置1>
解析装置1は、音響センサー20が生成した生体音データと、パルスオキシメータ30が生成した経皮的動脈血酸素飽和度の測定データ(生体パラメータ)とを用いて被験者の咳を検出する。具体的には、解析装置1は、音響センサー20が被験者の咳音を検出したことを契機として、パルスオキシメータ30が測定した被験者の動脈血酸素飽和度の変化に基づいて咳の有無を検出する。
生体音パラメータとは、被験者が発する音に関する情報の総称であり、音量、音量の経時的変化、音の周波数などの情報を含み得るものである。より具体的には、生体音パラメータとは、被験者に装着された音響センサー20または被験者の周囲に配置された音響センサー20によって得られた、当該被験者が発する音に関する情報である。
以下では、音響センサー20から出力された音声データに含まれる生体音(生体音信号情報)を分析することによって得られる情報を生体音パラメータとして説明する。
また、生体パラメータとは、生体音パラメータとは異なるパラメータであり、被験者の生理状態を反映したパラメータである。本実施形態においては、生体パラメータは経皮的動脈血酸素飽和度である。
なお、生体パラメータは、生体音信号情報に基づくものでもよく、例えば、心臓音を分析することによって得られる心臓疾患の指標や、呼吸音を分析することによって得られる呼吸の程度を示す指標でもよい。
本実施形態では、上述のように、パルスオキシメータ30において、受光量(生体信号情報)に基づいて経皮的動脈血酸素飽和度が算出され、算出された経皮的動脈血酸素飽和度が解析装置1へ出力される。そのため、解析装置1では生体信号情報を直接分析することは行わず、パルスオキシメータ30から生体パラメータを取得する。
経皮的動脈血酸素飽和度以外の生体パラメータを用いる場合には、生体信号情報を分析することによって生体パラメータを取得してもよい。例えば、口または鼻における気流(生体信号情報)を分析することによって、呼吸に関する生体パラメータを取得してもよい。
解析装置1は、主制御部2、記憶部7、操作部8および表示部9を備えており、主制御部2は、咳音判定部(生体音パラメータ取得手段、咳音推定手段)3、測定装置制御部(生体パラメータ取得手段)4、統計処理部5および症状検出部(検出手段)6を備えている。
<咳音判定部3>
咳音判定部3は、音響センサー20から出力された生体音データを取得し、当該生体音データに基づいて咳音の発生を推定する。すなわち、咳音判定部3は、生体音データに咳音が含まれているかどうかを判定する。この場合、生体音データを分析することによって咳音に関する生体音パラメータを取得すると見なすことができる。
生体音データに咳音が含まれているかどうかの判定方法は、公知の方法を用いればよい。例えば、音信号の立ち上がり勾配および音信号の変化の時間幅を咳音の特徴として咳音の有無を判定してもよいし、特許文献1に記載のように複数の帯域信号を音声データから抽出し、抽出した帯域信号の対応関係から咳音の有無を判定してもよい。
また、咳音判定部3は、自身が利用可能なタイマー(不図示)を参照し、生体音データを取得した時刻(または、音響センサー20が生体音を検出した時刻)と、当該生体音データとを対応づけて記憶部7に記録する。
<測定装置制御部4>
測定装置制御部4は、咳音判定部3が生体音データに咳音が含まれていると判定した場合に、パルスオキシメータ30の主制御部34に測定開始命令を出力する。この測定開始命令を受けてパルスオキシメータ30が経皮的動脈血酸素飽和度を測定し、その測定データが出力されると、測定装置制御部4は、当該測定データを取得し、統計処理部5へ出力する。上記測定開始命令は、所定の時間(例えば、20秒間)経皮的動脈血酸素飽和度を測定することを命じるものであってもよいし、測定開始命令とは別に測定終了命令が出力されてもよい。
なお、生体音データに含まれる生体音に咳音が含まれているかどうかの判定を行わず、何らかの生体音が検出された場合に、測定装置制御部4がパルスオキシメータ30に測定を開始させてもよい。すなわち、測定装置制御部4は、生体音データに含まれる生体音が所定の条件(例えば、所定の音量以上)に合致する場合に、パルスオキシメータ30の測定データ(すなわち、経皮的動脈血酸素飽和度の測定値)を取得してもよい。
<統計処理部5>
統計処理部5は、時系列的に得られた経皮的動脈血酸素飽和度の測定値を統計処理する。例えば、統計処理部5は、音響センサー20によって生体音が検出された時点(生体音パラメータの変化時点)を基準とする所定期間における経皮的動脈血酸素飽和度の統計値(例えば、平均値、中央値など)を算出する。
より具体的には、上記統計値は、音響センサー20によって生体音が検出された時点を基準として設定された期間かつ約20秒間の期間における経皮的動脈血酸素飽和度の平均値である。例えば、上記統計値は、音響センサー20によって生体音が検出された時点から20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値である。
経皮的動脈血酸素飽和度は、同一被験者において常に一定であるわけではなく、時々によって変化し得るものである。また、測定された経皮的動脈血酸素飽和度には測定誤差が含まれていると考えられる。
そこで、音響センサー20が生体音を検出した時点を基準として、約20秒間の測定期間を定め、その測定期間内に得られた経皮的動脈血酸素飽和度の測定値を統計処理することによって、被験者が咳をしていない状態における経皮的動脈血酸素飽和度をより正確に算出できる。
被験者が咳をしてから経皮的動脈血酸素飽和度が実際に変化するまでに20秒程度のタイムラグがあるため、生体音が検出された時点から20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値を算出した場合でも、被験者が咳をする前の経皮的動脈血酸素飽和度を算出できる。
ただし、経皮的動脈血酸素飽和度の測定期間が、長すぎる場合には、咳の影響を受けて低下した経皮的動脈血酸素飽和度も平均値に含まれる可能性がある。特に咳をする間隔が短い場合には、この問題が生じやすい。そのため、経皮的動脈血酸素飽和度の測定期間は、10〜30秒間程度が好ましい。
常に経皮的動脈血酸素飽和度を測定する構成では、生体音が検出された時点より前の時点における経皮的動脈血酸素飽和度を上記統計値の算出に用いてもよい。例えば、生体音が検出された時点の前後10秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値を算出してもよい。
<症状検出部6>
症状検出部6は、統計処理部5が算出した統計値と、所定の時点における経皮的動脈血酸素飽和度とを比較することによって、被験者による咳の発出状態および咳の重症度を検出する。
具体的には、症状検出部6は、音響センサー20が生体音を検出した時点を基準とする所定期間における経皮的動脈血酸素飽和度の変化に基づいて被験者の咳を検出する。より具体的には、症状検出部6は、音響センサー20が生体音を検出した時点から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度の、上記時点から20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値に対する低下率(変化率)に基づいて、咳の発出状態を検出する。
咳をすることにより呼吸が不十分になった場合には、体内に取り込まれる酸素飽和度が低下し、その結果、動脈血中の酸素飽和度が低下する。咳を発してから経皮的動脈血酸素飽和度が低下するまでに約20秒かかる。それゆえ、咳をしていない状態における経皮的動脈血酸素飽和度の統計値(平均値)と、生体音が検出された時点から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度とを取得し、前者に対する後者の低下率を求めることで経皮的動脈血酸素飽和度の変化(低下)を精度高く検出できる。
なお、症状検出部6は、上記統計値と、咳によって経皮的動脈血酸素飽和度が低下すると推定される時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出すればよく、20秒後というタイミングはあくまで一例である。
また、上記統計値と比較する経皮的動脈血酸素飽和度の測定値は、生体音が検出された時点を基準とする所定期間における、複数の経皮的動脈血酸素飽和度の測定値を統計処理した値であってもよい。例えば、症状検出部6は、生体音が検出された時点から20秒経過した時点と、生体音が検出された時点から25秒経過した時点との間の5秒間に取得された複数の経皮的動脈血酸素飽和度の統計値(例えば、平均値)を算出し、上記20秒間の統計値(咳の影響が出る前の値)と、上記5秒間の統計値(咳の影響が出た後の値)とを比較することにより、経皮的動脈血酸素飽和度の変化を検出してもよい。
また、本発明の検出手段は、生体音パラメータ(またはその経時的変化)と生体パラメータ(またはその経時的変化)とに基づいて被験者の状態を検出するものであればよく、咳を検出するものに限定されない。
<記憶部7>
記憶部7は、主制御部2が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部7は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
なお、生体音データおよび測定データを保存するために、脱着可能な記憶装置が解析装置1に備えられていてもよい。
<操作部8>
操作部8は、解析装置1に各種の設定値を入力したり、各種の命令を入力するための入力装置であり、例えば、入力ボタン、切り替えスイッチなどである。
<表示部9>
表示部9は、解析装置1の設定情報または解析結果などを表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイである。
(症状検出装置40における処理の流れ)
次に症状検出装置40における処理(生体測定方法)の流れの一例について説明する。図3は、症状検出装置40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、被験者の胸に装着された音響センサー20は、生体音のモニタリングを継続的に行い(S1)、所定の音量以上の生体音を検出すると(S2にてYES)、当該生体音を含む生体音データを解析装置1の咳音判定部3へ出力する。
咳音判定部3は、生体音データを受け取ると(生体音パラメータ取得ステップ)、この生体音データを受け取った時点の時刻である生体音検出時刻を記憶部7に記録するとともに、当該生体音データに咳音が含まれているかどうかを判定する(S3)。
咳音判定部3が、生体音データに咳音が含まれていると判定した場合(S3にてYES)、測定装置制御部4は、パルスオキシメータ30の主制御部34に対して測定開始命令を出力する。
主制御部34は、この測定開始命令を受信すると、センサー部31に経皮的動脈血酸素飽和度(SpO)の測定を所定の期間(例えば、20秒間)行わせ、得られた経皮的動脈血酸素飽和度の測定値と当該測定値を得た時刻とが対応付けられて含まれている測定データを解析装置1の測定装置制御部4へ順次出力する(S4)。なお、パルスオキシメータ30は、所定の測定期間において得られた測定値をまとめて解析装置1へ送信してもよい。
一方、咳音判定部3が、生体音データに咳音が含まれていないと判定した場合(S3にてNO)、そのまま生体音のモニタリングを続行する(S1に戻る)。
パルスオキシメータ30が経皮的動脈血酸素飽和度の測定を開始した後に、測定装置制御部4は、経皮的動脈血酸素飽和度の測定値を受け取ると(生体パラメータ取得ステップ)、当該測定値を記憶部7に順次格納する。
統計処理部5は、記憶部7に記録された生体音検出時刻から20秒を経る間に測定された経皮的動脈血酸素飽和度の平均値を算出し、その平均値を症状検出部6へ出力する(S5)。
症状検出部6は、生体音検出時刻から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度の測定値を記憶部7から取得し、統計処理部5が算出した平均値に対する上記測定値の低下率を算出する(S6)。
症状検出部6は、この低下率が0.1%以上であると判定すれば(S7にてYES)、重度の咳が発出されたと判定し、その判定結果を表示部9に表示するとともに記憶部7に格納する(S8)(検出ステップ)。
一方、症状検出部6は、上記低下率が0.1%未満であると判定すれば(S7にてNO)、軽度の咳が発出されたと判定し、その判定結果を表示部9に表示するとともに記憶部7に格納する(S9)。
記憶部7に格納された判定結果は、その後被験者によって再度確認することができるとともに、他の装置へ送信することができる。また、判定結果を脱着可能な記憶装置(メモリ)に格納してもよく、この場合、当該記憶装置を他の機器に装着することで当該機器において判定結果を利用できる。
(変更例)
解析装置1は、パルスオキシメータ30および音響センサー20と常時接続される必要はなく、パルスオキシメータ30の測定データおよび音響センサー20の生体音データが、パルスオキシメータ30および音響センサー20とは異なる情報記憶装置に格納され、この情報記憶装置から解析装置1へ測定データおよび生体音データが出力されてもよい。解析装置1をパーソナルコンピュータを用いて実現する場合にはこの構成を用いればよい。また、上記情報記憶装置は、他のパーソナルコンピュータが備える記憶装置(例えば、ハードディスク)であってもよいし、パルスオキシメータ30および/または音響センサー20に対して装着および脱着可能な記憶装置(メモリ)であってもよい。また、解析装置1は、他の情報記憶装置から生体音データおよび測定データを受信するための通信部を備えていてもよい。この通信部は、例えば、インターネット、LAN(local area network)等の通信ネットワークを介して通信を行うものである。
このように、他の情報記憶装置から生体音データおよび測定データを取得する場合には、測定データにおいて、経皮的動脈血酸素飽和度の複数の測定値と、各測定値を得た時刻とが対応付けられていることが好ましい。また、生体音データには、当該生体音データが得られた時刻を示す情報が含まれていることが好ましい。
このように測定データおよび音声データが得られた時刻の情報が当該データに含まれていることにより、咳が発生した時刻と経皮的動脈血酸素飽和度の経時的変化とを、測定時刻よりも後に対比することができ、咳が発生したかどうかの判定をリアルタイムで行う必要がなくなる。
また、解析装置1は、生体音に咳音が含まれているかどうかを判定しない場合には、音響センサー20から生体音の音声データを取得する必要は必ずしもなく、生体音を検出したことを示す生体音検出情報を音響センサー20から取得してもよい。この生体音検出情報に生体音を検出した時刻の情報が含まれていてもよいし、解析装置1が生体音検出情報を受信した時点で、その時点の時刻を当該生体音検出情報と対応づけて記憶部7に格納してもよい。この場合には、生体音検出情報を生体音パラメータと見なすことができる。
また、音響センサー20が検出する生体音は、咳音に限定されず、くしゃみに伴う音であってもよい。くしゃみをした場合にも動脈血酸素飽和度が低下する可能性があるため、咳の検出と同様にくしゃみの検出を行うことができる。
また、咳やくしゃみの他に、喘息など音の発生を伴う他の症状を検出してもよい。
(実施例1)
次に、実際に被験者の咳を検出した実施例について説明する。
被験者の胸に音響センサー20を貼り付けて生体音のセンシングを継続的に行うとともに、経皮的動脈血酸素飽和度測定のためにパルスオキシメータ30としてコニカミノルタセンシング製PULSOX−300iを腕に装着し、そのセンサー部を指先に取り付けた。
音響センサー20で検出した音から特定アルゴリズムにより咳音を検出し、同時に経皮的動脈血酸素飽和度の測定を継続的に行った。そして、音響センサー20が生体音を検出した時間t(秒)から15秒間の平均値(15秒平均値)を算出し、その平均値に対する、t+20(秒)における経皮的動脈血酸素飽和度(リアルタイム値)の変化率を算出した。この変化率は、次の(1)式で示されるものである。
(変化率)=(リアルタイム値)/(15秒平均値)−1.0 ・・・(1)
上記変化率がプラスの数値の場合には増加率を意味し、マイナスの数値の場合には低下率を示す。
図4は、実施例1の実験結果を示す図である。同図に示すように、t=5〜9の時点で咳音が検出され、その20秒後(t=25〜29)に、15秒平均値からの経皮的動脈血酸素飽和度の低下がみられた。その低下率は、いずれも0.1%以上であるため、重度の咳であると判定された。
実際に、t=5〜9の時点で咳が発生しており、発生した咳が確実に検出されていることが確かめられた。
また、t=13,14に咳音が発生していると判定されているが、t=33において経皮的動脈血酸素飽和度は低下していないため、軽度の咳であると判定された。
しかし、実際には、t=13,14の時点では咳は検出されていない。これは、咳音検出のアルゴリズムによる誤判定が原因であると考えられる。すなわち、音響センサー20が拾った雑音を咳音であると判定したことが原因であると考えられる。
この場合でも、t=13の20秒後のt=33、およびt=14の20秒後のt=34では経皮的動脈血酸素飽和度は低下していないため、重度の咳であるとは判定されず、軽度の咳という判定に留められている。この結果から、咳音検出のアルゴリズムのみに頼るよりも、経皮的動脈血酸素飽和度の変化を併せて考慮した方が、咳検出の精度が高まることが明らかとなった。
なお、上述のように軽度の咳には雑音を検出した場合も含まれる可能性があるため、経皮的動脈血酸素飽和度が0・1%以上低下した場合のみ咳が発生したと判定してもよい。このようなアルゴリズムにすれば、t=13,14における音は、咳によるものではないと判定される。
(実施例2)
次に、実施例1と同じ測定データを用いて、経皮的動脈血酸素飽和度の平均値を15秒間の平均値ではなく20秒間の平均値にした場合の実験結果について説明する。図5は、実施例2の実験結果を示す図である。また、図6は、図5に示す結果をグラフとして示した図である。
図5および図6に示すように、経皮的動脈血酸素飽和度の20秒間の平均値を算出した場合でも、最終的な判定結果は実施例1と同じであるが、20秒間の平均値をとる方が、咳をしていない状態の経皮的動脈血酸素飽和度をよりバラつきが少なく算出できる。特に、動脈血酸素飽和度の変化が激しい状態の被験者の咳を検出する場合や、パルスオキシメータ30の測定精度が低い場合には、20秒以上の平均値をとることが好ましい。
(症状検出装置40の効果)
以上のように、症状検出装置40は、音響センサー20から出力された生体音データと、パルスオキシメータ30から出力された経皮的動脈血酸素飽和度の測定データとに基づいて、被験者の咳の有無(および咳の重症度)を判定する。経皮的動脈血酸素飽和度は、音を発する被験者の症状(すなわち、咳)によって変化する可能性のある当該被験者の生理的指標である。
つまり、症状検出装置40では、症状の検出を行うときに、当該症状によって発生する音(例えば、咳音)に関する情報(生体音パラメータ)のみを用いるのではなく、その症状に伴って変化する可能性のある、その他の生理的な生体パラメータ(例えば、経皮的動脈血酸素飽和度)の変化を共に検出する。
この構成により、症状を直接反映した生体音パラメータのみを利用する場合よりも、当該症状の検出精度を高めることができる。
また、症状検出装置40では、定量的な解析が可能な経皮的動脈血酸素飽和度を第2のパラメータとして用いているため、経皮的動脈血酸素飽和度の変化率に応じて段階的に咳の重症度を判定できる。それゆえ、単に咳をしたかどうかの判定では得られない、咳の重症度という医学的に有用な情報を提供でき、医師による診断、治療等をより強力にサポートできると考えられる。
また、音響センサー20で咳の可能性のある音を検出した時のみ経皮的動脈血酸素飽和度測定を行うため、消費電力が少なくモバイル用途に適したシステムとなっている。
なお、特許文献2の発明では、被験者が咳をしたかどうかの判定を、被験者が発する咳音および被験者の体動に基づいて行っているが、被験者の体動を示す情報は上記生体パラメータではない。咳をしていない時にも被験者が体を動かすことは頻繁に起こるため、被験者の体動に基づいて咳の検出を行うことにより、咳の検出精度はさほど高まらない可能性がある。
(その他の変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した症状検出装置40の各ブロック、特に解析装置1の主制御部2は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、症状検出装置40は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである症状検出装置40の制御プログラム(症状検出プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記症状検出装置40に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、症状検出装置40を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明は、音響センサーにより検出された音データと経皮的動脈血酸素濃度の変化の両方のデータから、咳を検出する咳検出センサーである。
また、上記咳検出センサーは、20秒以上の経皮的動脈血酸素濃度平均値からの変化を検出することが好ましい。
また、上記咳検出センサーは、音響センサーの値と20秒後から20秒以上の経皮的動脈血酸素濃度の平均値との相関から咳の検出を検出することが好ましい。
また、上記咳検出センサーは、音響センサーで咳と推定する音を検出したときのみ経皮的動脈血酸素濃度の計測を行うことが好ましい。
また、本発明は、音データを含む複数のパラメタから被験者の状態を検出する検出装置であるとも表現できる。
また、上記検出装置は、前記パラメタの任意の期間の変化から前記被験者の状態を検出することが好ましい。
また、上記検出装置は、前記パラメタの相関から前記被験者の状態を検出することが好ましい。
また、上記検出装置は、前記音データが任意の条件に合致する場合に前記パラメタの計測を行い前期被験者の状態を検出することが好ましい。
また、前記パラメタは経皮的動脈血酸素濃度を含むことが好ましい。
また、前記被験者の状態は咳である。
また、上記検出装置は、20秒以上の前記経皮的動脈血酸素濃度平均値からの変化から咳を検出することが好ましい。
また、上記検出装置は、前記音データと、20秒後の前期経皮的動脈血酸素濃度の20秒以上の平均値との相関から咳を検出することが好ましい。
また、上記検出装置は、前記音データで咳と推定する音を検出したときのみ前記経皮的動脈血酸素濃度の計測を行うことが好ましい。
また、前記パラメタは、音センサを含む1つないし複数のセンサで検出されたデータであることが好ましい。
また、前記音センサは、検出したい被験者の状態に応じて人体の任意の位置に装着されることが好ましい。
本発明は、被験者の状態を精度高く検出することができるため、医療機関における患者のモニタリング装置、または家庭における自己診断用の健康機器などに適用できる。
1 解析装置(生体測定装置)
3 咳音判定部(咳音推定手段、生体音パラメータ取得手段)
4 測定装置制御部(生体パラメータ取得手段)
6 症状検出部(検出手段)
20 音響センサー(生体音センサー)
30 パルスオキシメータ(生体センサー)
31 センサー部(生体センサー)
40 症状検出装置(生体測定装置)

Claims (16)

  1. 生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得手段と、
    上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得手段と、
    上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出手段とを備え
    上記生体パラメータ取得手段は、上記生体パラメータとして、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度を取得し、
    上記検出手段は、
    上記生体による咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値と、上記変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値とは、該変化時点から少なくとも20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値である
    ことを特徴とする生体測定装置。
  2. 生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得手段と、
    上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得手段と、
    上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体の状態を検出する検出手段とを備え
    上記生体パラメータ取得手段は、上記生体パラメータとして、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度を取得し、
    上記検出手段は、
    上記生体による咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値と、上記変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間とは、咳によって経皮的動脈血酸素飽和度が低下すると推定される時点の時間として予め設定された時間である
    ことを特徴とする生体測定装置。
  3. 上記生体パラメータは、上記生体の生理状態を反映したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の生体測定装置。
  4. 上記検出手段は、
    上記生体音パラメータおよび上記生体パラメータの経時的変化に基づいて生体の状態を検出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の生体測定装置。
  5. 上記検出手段は、
    上記生体音パラメータが変化した時点を基準とする所定期間における、上記生体パラメータの変化に基づいて生体の状態を検出することを特徴とする請求項4に記載の生体測定装置。
  6. 上記生体音信号情報が所定の条件に合致する場合に、
    上記生体パラメータ取得手段は、上記生体パラメータを取得し、
    上記検出手段は、上記生体の状態を検出することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の生体測定装置。
  7. 上記検出手段は、上記咳の発出状態として、該咳の重症度を併せて検出することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の生体測定装置。
  8. 上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値とは、該変化時点から少なくとも20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値であることを特徴とする請求項2に記載の生体測定装置。
  9. 上記検出手段は、
    上記変化時点から20秒後の経皮的動脈血酸素飽和度の、上記経皮的動脈血酸素飽和度の平均値に対する変化率に基づいて、咳の発出状態を検出することを特徴とする請求項1または8に記載の生体測定装置。
  10. 上記生体音信号情報に基づいて咳音の発生を推定する咳音推定手段を備え、
    上記生体パラメータ取得手段は、
    上記咳音推定手段が、上記咳音の発生を推定した場合にのみ、上記経皮的動脈血酸素飽和度を取得することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の生体測定装置。
  11. 上記生体から上記生体音信号情報を取得する生体音センサー、および、上記生体から上記生体信号情報を取得する生体センサーのうち、少なくとも生体音センサーと通信する通信部を備えていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の生体測定装置。
  12. 当該生体測定装置は、上記生体から上記生体音信号情報を取得する生体音センサに内蔵されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の生体測定装置。
  13. 生体の状態を測定する生体測定装置における生体測定方法であって、
    生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得ステップと、
    上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得ステップと、
    上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体測定装置が上記生体の状態を検出する検出ステップとを含み、
    上記生体パラメータ取得ステップでは、上記生体パラメータとして、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度を取得し、
    上記検出ステップでは、
    上記生体による咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値と、上記変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値とは、該変化時点から少なくとも20秒間の経皮的動脈血酸素飽和度の平均値である
    ことを特徴とする生体測定方法。
  14. 生体の状態を測定する生体測定装置における生体測定方法であって、
    生体から取得された生体音信号情報に基づく生体音パラメータを取得する生体音パラメータ取得ステップと、
    上記生体音信号情報または上記生体から取得された他の生体信号情報に基づく、上記生体音パラメータとは異なる生体パラメータを取得する生体パラメータ取得ステップと、
    上記生体音パラメータと上記生体パラメータとに基づいて上記生体測定装置が上記生体の状態を検出する検出ステップとを含み、
    上記生体パラメータ取得ステップでは、上記生体パラメータとして、少なくとも経皮的動脈血酸素飽和度を取得し、
    上記検出ステップでは、
    上記生体による咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間における上記経皮的動脈血酸素飽和度の統計値と、上記変化時点から所定時間経過した時点の経皮的動脈血酸素飽和度との比較結果に基づいて、咳の発出状態を検出し、
    上記生体音パラメータの変化時点を基準とする所定期間とは、咳によって経皮的動脈血酸素飽和度が低下すると推定される時点の時間として予め設定された時間である
    ことを特徴とする生体測定方法。
  15. コンピュータを、請求項1から12までのいずれか1項に記載の生体測定装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
  16. 請求項15に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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