JP5641780B2 - はちみつ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カエデ等の樹液や果実の絞り液を原料としたはちみつの製造方法及びこの方法で製造されたはちみつに関する。
カエデ糖は、カエデの樹液を原料として調製されるものであり、メープルシロップが有名である。日本国内でもカエデ糖を甘味の原料とした菓子類が製造販売されている。
しかし、カエデ糖は、長期保存が効かないという問題があった。糖類以外の種々の天然成分を含有するためと考えられる。カエデ糖の貯蔵安定性の改善に関しては、特許文献1がある。特許文献1には、メープルシロップに転化酵素を添加することでカエデ糖の貯蔵安定性を改善することが記載されている。
また、カナダ産のメープルシロップには、比較的色や味が薄い等級(エクストラライト)から、色や味が濃い等級(ダーク)までの5段階の等級が有る。色や味が濃い等級(ダーク)については、そのままで食用としては提供されず、加工用とされている。
カエデ糖の糖成分は、カエデの種類にもよるが、一般には、主成分がショ糖であり、フルクトース及びグルコースの含有量は、ショ糖に比べると極わずかである。一方、糖類の甘味はフルクトースが最高であり、ショ糖の約1.5倍も甘い。ショ糖の加水分解物には等量のフルクトースとグルコースが含まれており、甘味料として優れ、転化糖と呼ばれる。
特表2004-519257号公報
上記のように、主成分がショ糖であるカエデ糖に含まれるショ糖を加水分解すれば、甘味料として優れたフルクトース含有量の多い転化糖が得られるが、加水分解をするという加工が加わることで、天然由来のカエデ糖の良さが失われるという問題がある。
また、日本国内では、これまでほとんどメープルシロップは生産されておらず、日本国内に生育するカエデの樹液について調査されたこともなかった。本発明者らが、埼玉県の秩父地方において調査した結果、秩父地方に生育するカエデは、主に1月から3月の間、採取できる程度の量の樹液を生成し、初期に比べると後期の方が樹液の生成量は多くなった。また、採取の時期により樹液に含まれる味が変化し、カエデの種類によっても味が異なった。樹液によって、そのまま食用に供することが適したものと、甘みはあるものの渋味や苦みが強く、そのままでは食用に適さないものがあった。傾向として、樹液の生成量が少ない初期の樹液は、そのまま食用に供することが適した味であり、樹液の生成量が多くなる後期の樹液は、カエデの種類にもよるが、甘みはあるものの渋味や苦みが強く、そのままでは食用に適さないものが多くなった。
そのような状況の下、カエデ糖に関する長期保存性の問題及び甘味増強に関する問題を同時に解決でき、さらには、甘みはあるものの渋味や苦みが強く、そのままでは食用に適さないカエデの有効利用を図ることができる新たな手段を提供することが望まれている。
ところで、従来のはちみつは、咲いている花が生産する蜜を、ミツバチにより収集し、蓄積されることで生産される。しかしながら、冬期のように花のない季節には、蜂が生きていくのに必要な最低限のカロリーをショ糖水溶液として与え、春を待つというのが実情である。従って、養蜂業者にとって、冬は蜜を生産できず、ミツバチの生育に費用のかかる季節でもある。養蜂業においては、冬期のように花のない季節にもはちみつの生産が可能な方法の開発が待たれていた。
尚、カエデが盛んに樹液を生成する1〜3月は気温が低く、ミツバチがカエデの樹液を原料としてはちみつを生成するには適さない気候であり、天然には、カエデの樹液を原料としたはちみつは、発明者が知る限り、存在しない。
そこで、本発明は、上記背景技術に鑑み、カエデ糖等の樹液や天然の糖含有液についての問題と養蜂業における問題を同時に解決できる新たな手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々の検討を行った。その結果、カエデの樹液は、糖度は約1〜2%の範囲であったが、このカエデの樹液をそのままミツバチに与えても、はちみつを作らないことが分かった。そこで、種々検討した結果、カエデの樹液を糖度が10〜40%の範囲になるように濃縮し、かつ濃縮だけでもミツバチははちみつを作らなかったことから、さらに、濃縮した液の温度を25〜40℃に調節して与えたところ、初めてはちみつを作ることが分かり、かつ得られたはちみつは、長期保存性に優れたものであり、かつ甘味料として優れたフルクトース含有量の多いものであった。このように、採取したカエデ糖等の天然の糖含有原料を用い、かつ製造条件を特定の条件とすることで、はちみつを調製することができ、かつ得られるはちみつは、長期保存性に優れ、フルクトース及びグルコースの含有量が増加した物であることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明は以下のとおりである。
[1]
樹液または果実の絞り液を糖度が10〜40%の範囲になるように調整し、得られた調整液を25〜40℃に調節した後に蜂に与えてはちみつを生産させ、生産されたはちみつを回収することを特徴とするはちみつの製造方法。
[2]
樹液は、カエデの樹液である、[1]に記載の製造方法。
[3]
カエデの樹液の糖度は1〜2%の範囲である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
はちみつの生産は、女王蜂、雄蜂及び雌蜂が生息する蜂の生息室、給餌器とはちみつ回収するため空巣碑とを備えた養蜂箱を用いて行い、給餌器に25〜40℃に調節した調整液を供給してはちみつを生産させて空巣碑に蓄えさせ、空巣碑に蓄えられたはちみつを回収する、[1] 〜[3] のいずれかに記載の製造方法。
[5]
カエデが、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、サトウカエデ、またはアカカエデである、[2]〜[4] のいずれかに記載の製造方法。
[6]
カエデの樹液が、複数の種類のカエデの樹液の混合物である、[2]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
回収されたはちみつは、糖度が60〜85%の範囲である、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
蜂はミツバチである、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載の方法で製造されたはちみつ。
[10]
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛及び銅を含有し、カリウム含有量が200μg/g以上、カルシウム含有量が30μg/g以上である、濃縮及び希釈をしておらず、かつ添加剤の添加をしていないはちみつ。
[11]
カエデの樹液を原料として調製されたものであり、かつ、カエデが、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、またはウリハダカエデである[10]に記載のはちみつ。
[12]
糖濃度が60〜85%の範囲である[10]または[11]に記載のはちみつ
本発明によれば、カエデ等の樹液や果実の絞り液を原料として、長期保存性に優れ、フルクトース及びグルコースの含有量が増加した甘味料であるはちみつを、最終製品に対して人工の手段を加えることなく提供することができる。
本発明で用いる養蜂箱の概略図を示す。 給餌器の概略図を示す。 女王蜂生息室又は空巣碑の概略図を示す。
本発明のはちみつの製造方法は、
(1) 樹液または果実の絞り液を糖度が10〜40%の範囲になるように調整する工程、
(2)得られた調整液を25〜40℃に調節した後に蜂に与えてはちみつを生産させる工程、
(3)生産されたはちみつを回収する工程
を含むものである。
本発明のはちみつの製造方法の原料は、樹液または果実の絞り液である。樹液としては、カエデの樹液を例示できるが、これに限定されない。果実の絞り液は、種々の果実を皮ごとまたは果肉だけ絞ることで得られる液である。果実に限定はないが、例えば、みかん等の柑橘類、リンゴ、ナシ、桃、苺、ブドウ、メロン、柿等を挙げることができるが、これらの限定される意図ではない。
以下、原料としてカエデの樹液を用いる場合を例として説明する。カエデの樹液は、カエデに樹液が出やすい用に小さな傷(例えば、直径10〜50mm、深さ5〜100mmの孔)を空け、傷からしみ出る樹液を採取するための樹液採取器を取り付けて採取することができる。カエデ以外の樹液の採取も同様に行うことができる。採取された樹液は、カエデの種類により、糖成分やその他の成分に違いがある。カエデの種類には特に制限はないが、例えば、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、サトウカエデ、及びアカカエデを挙げることができる。イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、及びウリハダカエデは日本国内に多く生育するカエデであり、一方、サトウカエデ、及びアカカエデは、カナダを初め諸外国において多く生育するカエデである。カエデの樹液は、単独の種類のカエデの樹液であっても、複数の種類のカエデの樹液を適当な混合比で混合した混合物であってもよい。また、カエデの樹液は、採取の時期やカエデの種類によって微量成分の組成が変化する。本発明の方法では、比較的そのままでは食用に適さない、渋味や苦みの成分が多いカエデ樹液であっても原料として用いることができ、渋味や苦みの成分が多いカエデ樹液を原料として用いても、生成するはちみつは、樹液が有していた渋味や苦みをほとんど有さず、そのまま食用とできるという利点がある。
カエデの樹液の糖度は、通常、1〜2%の範囲である。但し、カエデ樹液の糖度はこの範囲に限定する意図ではない。本発明では、蜂がはちみつの原料として好適に利用するという観点から、カエデの樹液を糖度が10〜40%の範囲になるように調整する。糖度が10%未満の樹液では蜂がはちみつの原料とせず、はちみつをほとんど生産しないことが本発明者らの検討の結果、明らかになった。一方、糖度が高くなる程、濃度調整にコストがかかり、また、樹液の安定性も低下することから、糖度の上限は40%である。好ましくは15〜35%の範囲、より好ましくは15〜30%の範囲である。カエデから採取された糖度1〜2%の樹液を、例えば、減圧下で加熱濃縮して、上記範囲の糖度とすることができる。濃縮倍率は、カエデ樹液の糖度により適宜選択でき、例えば、10〜30倍の範囲である。
糖度を調整した調整液は、次いで温度を25〜40℃の範囲に調節する。本発明者らの検討の結果、糖度を調整した調整液を加温せず、常温(例えば、10〜20℃程度)で蜂に与えてもはちみつはほとんど生産しなかった。それが、上記範囲に加温することで、はちみつの生産性は、驚くほど向上した。一方、40℃を超える温度では、暑くなりすぎて蜂の活動が低下し、最悪の場合には死に至る場合もある。糖度を調整した調整液の温度は、好ましくは30〜35℃の範囲に調節する。
本発明のはちみつの製造方法は、養蜂箱を用いて実施することができる。以下、養蜂箱について説明する。養蜂箱は、通常のミツバチの生育と花蜜に由来するはちみつの生産に用いられるものと同様のものであることができる。但し、本発明では、通常の養蜂箱の内部にある空巣碑の一部を撤去し、同じ大きさの給餌器を挿入して用いる。図1に本発明で用いる養蜂箱50の概略図を示す。養蜂箱50は、給餌器10、女王蜂、雄蜂及び雌蜂が生息する蜂の生息室20、はちみつを回収する空巣碑30を備える。
本発明のはちみつの製造方法は、給餌器10に25〜40℃に調節した調整液を供給してはちみつを生産させて空巣碑30に蓄えさせる。但し、はちみつの生産開始直後は、働きバチは、女王蜂にはちみつを運搬する。そこで、はちみつ生産開始初期の段階は、給餌器10aにカエデの樹液調整液以外の糖原料液(例えば、砂糖水(ショ糖水溶液))を供給して、女王蜂が生息する生息室20をはちみつで満たし、その後に、給餌器10bにカエデの樹液調整液を供給して、空巣碑30に生産したはちみつを蓄えさせることが好ましい。その際、給餌器10aと10bの間に両者の間を遮断する分割板40を設ける。尚、本発明の製造方法で用いる蜂はミツバチであることができる。しかし、ミツバチ以外のはちみつを蓄積する習性を有する蜂も同様に用いることができる。
図2に、給餌器10の説明図を示す。給餌器10中には、樹液を濃縮して得た調整液(樹液濃縮液)11を適量供給し、その上に蜂が止まることのできるフロート12を浮かせることができる。働き蜂13はフロート12の上に止まり、濃縮液11を吸うことができる。濃縮液を吸った働き蜂は空巣碑30に生産したはちみつを蓄える。図3に空巣碑30の内部構造を示す。濃縮液を吸った働き蜂は、空巣碑30内の蜜嚢31にはちみつを蓄える。
上記方法でのはちみつの生産は、養蜂箱50の大きさやミツバチの生育数にもよるが、カエデの濃縮樹液を供給した後1〜7日程度で、空巣碑30に蓄えられたはちみつを定法に従い回収することができる。はちみつの回収は、例えば、遠心分離法で行うことができる。
回収されたはちみつは、カエデの濃縮樹液にもよるが、例えば、糖度は60〜85%の範囲であり、好ましくは70〜85%の範囲である。また、カエデの濃縮樹液ではなく、果実の絞り液を用いた場合もほぼ同様である。本発明の製造方法で得られるはちみつは、花蜜由来のはちみつと異なり、カエデ等の樹液の種類や果実の種類に応じた特色のあるはちみつである。即ち、樹液や果実の絞り液に含まれる微量のミネラル等が、本発明の方法で得られたはちみつに反映されるので、本発明の製造方法で得られるはちみつは、従来のはちみつに無い味覚や栄養素を含むことができる。また、本発明の方法によれば、渋味や苦みの成分が多く含まれ、そのままでは食用に適さないカエデ樹液、メープルシロップであっても、そのような渋味や苦みが低減または消失したはちみつを得ることができる。
また、従来のはちみつは、国際規格で次の二種類が定義されている。その一つは、花はちみつまたは花蜜はちみつと呼ばれ、植物の花蜜に由来するはちみつである。他の一つは甘露はちみつと呼ばれ、主として植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫の排泄物に由来するはちみつである。本発明の樹液や果実の絞り液に由来するはちみつは、上記国際規格に当てはまらない第3のはちみつと分類することもできる。
本発明は、上記本発明の方法により、カエデ樹液を原料として調製された、新たなはちみつも特許請求の対象とする。本発明のはちみつは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛及び銅を含有し、カリウム含有量が200μg/100g以上、カルシウム含有量が30μg/100g以上である、濃縮及び希釈をしておらず、かつ添加剤の添加をしていないはちみつである。
上記本発明のはちみつは、カエデの樹液を原料として、かつこの樹液を濃縮(糖度調整)したものを用いて調製されたものであり、かつ、カエデが、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、またはウリハダカエデである。これらのカエデは、樹液に含まれるミネラル分が豊富であり、この樹液を原料として生産されたはちみつも豊富なミネラル分を含有する。樹液中のミネラル分含有量は、カエデの種類により、また生育する地方の土壌により変化するが、例えば、秩父地方に生育するカエデの場合、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛及び銅を含有し、カリウム含有量が20μg/g以上、カルシウム含有量が7μg/g以上であり、カエデの種類によっては、カリウム含有量が80μg/g以上、カルシウム含有量が30μg/g以上であるものもある。これらを濃縮すると、例えば、濃縮倍率にもよるが、カリウム含有量が400μg/g以上、カルシウム含有量が100μg/g以上であり、カエデの種類によっては、カリウム含有量が1000μg/g以上、カルシウム含有量が500μg/g以上であるものもある。本発明では、原料であるカエデ樹液またはカエデの濃縮樹液の組成を選択することで、はちみつのミネラル分含有量をコントロールすることが可能である。
本発明のはちみつは、糖濃度が60〜85%の範囲であり、好ましくは70〜85%の範囲である。本発明のはちみつは、ミネラル分含有量が高く、ミネラル補給源用の食品としても有用である。
通常のはちみつ製造は、花蜜が豊富な季節にのみ行われているが、本発明の方法によれば、花蜜が乏しい季節である晩秋から早春にかけても、カエデの樹液は採取できることから、この季節にもはちみつ製造が可能となり、はちみつ製造業の稼働率向上にも寄与できる。
さらに、各地で有名となっている樹木の樹液や果実を原料としたはちみつを地域ブランド商品とし、地域活性化や自然環境保全の手段としても利用できる。特に樹液を原料とした場合、樹木の保全が山林の保全に繋がることが期待される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜3
(1)カエデの樹液を採取する工程
カエデの幹に直径約15mm、深さ約30mmの穴をあけ、ホースを接続し、タンクに樹液を受ける。1本のカエデから、1シーズンで約40Lの樹液を採取することができる。このようにして、カエデ樹液を採取した。
(2)カエデ樹液の濃縮工程
採取した樹液の糖度が30%になるように減圧濃縮し、濃縮液50Lを得た。これを90℃に加熱し、殺菌した。
(3)約20℃に保温した図1に示す養蜂箱50(幅37cm、高さ25.5cm、奥行き48.6cm)には、約2万匹のミツバチが飼われていた。給餌器10aにショ糖水溶液を供給して、はちみつを生産させ、女王蜂生息室20をはちみつで満たした。ついで、35℃に調節した濃縮樹液を、図1に示す養蜂箱50の給餌器10bに供給し、空巣碑30内の蜜嚢31にはちみつを生産させた。濃縮樹液10Lを2日間で供給した。
(4)蜜嚢31を遠心分離機で処理し、はちみつを3L回収した。
回収したはちみつの糖組成と原料であるカエデ濃縮樹液の糖組成を表1に示す。また、参考にはなはちみつの糖組成も表1に示す。
Figure 0005641780
さらに、実施例1〜3のはちみつの糖度、透明度、香り及び味覚について表2に示す。参考にはなはちみつの糖度、透明度、香り及び味覚も表2に示す。
尚、実施例1及び3で原料として用いた樹液は、2月中旬〜3月中旬の比較的後期に採集した樹液である。また、実施例2で原料として用いた樹液は、2月中旬〜3月中旬の比較的後期に採集した、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデの樹液の混合物(各25%)である。いずれの樹液も渋味や苦みが強く、そのままでは食用に適しないものであった。
Figure 0005641780
実施例1〜3で製造したはちみつ及び原料であるカエデ樹液(糖度を30%まで濃縮したもの)のミネラル分等の含有量の分析結果を表3に示す。分析は、ナトリウム、カリウムは原子吸光分析法(日立ハイテクノロジーズ製Z2300)により行い、その他の元素はICP発光分光分析法(PerkinElmer製Optima4300DVまたはエスアイアイ・ナノテクノロジー製SPS4000)により行った。分析結果は3回の分析結果の平均値である。参考として通常の花はちみつのミネラル分等の含有量(公表値)も表3に示す。
Figure 0005641780
はちみつ及びメープルシロップ製造に関する分野に有用である。
10, 10a, 10 給餌器
11 濃縮樹液
12 フロート
13 働き蜂
20 女王蜂生息室
30 空巣碑
31 蜜嚢
40 分割板
50 養蜂箱

Claims (7)

  1. 糖度が1〜2%の範囲であるカエデの樹液を採取し、採取した糖度が1〜2%の範囲であるカエデの樹液を糖度が10〜40%の範囲になるように濃縮し、得られた濃縮液を25〜40℃に調節した後に蜂に与えてはちみつを生産させ、生産されたはちみつを回収することを特徴とするはちみつの製造方法。
  2. カエデが、イタヤカエデ、ヒナウチワカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチワカエデ、ウリハダカエデ、サトウカエデ、またはアカカエデである、請求項1に記載の製造方法。
  3. カエデの樹液が、複数の種類のカエデの樹液の混合物である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 回収されたはちみつは糖度が60〜85%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. はちみつの生産は、女王蜂、雄蜂及び雌蜂が生息する蜂の生息室、給餌器とはちみつ回収するため空巣碑とを備えた養蜂箱を用いて行い、給餌器に25〜40℃に調節した濃縮液を供給してはちみつを生産させて空巣碑に蓄えさせ、空巣碑に蓄えられたはちみつを回収する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 蜂はミツバチである、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 回収されたはちみつは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛及び銅を含有し、カリウム含有量が200μg/g以上、カルシウム含有量が30μg/g以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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