JP5636078B1 - 仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Cycle構造をもつような仮想ネットワークの配置において、仮想リンクのコストを最小化する。【解決手段】 本発明は、仮想ノードリストを読み出して、仮想ネットワークを低次、高次の誘導部分グラフにし、複数の仮想ノードからなる誘導部分グラフHと、該誘導部分グラフを包含する誘導部分グラフKを既存の方法により配置計算し、該誘導部分グラフHの物理ノードへの配置の組Zが、該誘導部分グラフKから該誘導部分グラフHを除いた誘導部分グラフの物理ノードへの配置のうち、最小コストを与える組Yを決定する際に、該誘導部分グラフKを誘導部分グラフHに置き換える。【選択図】 図6

Description

本発明は、仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置及び方法に係り、特に、仮想ネットワークの性能条件が与えられ、当該性能条件を満たす物理資源の組が複数存在する場合に、物理資源の使用量、もしくは物理資源を使用する際の費用(コスト)が最小となる組を選択するための仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置及び方法に関する。
従来、資源要求量を満たす物理ノードと物理リンクを選択して仮想ネットワークを生成する方法として、仮想ネットワークを誘導部分グラフに分けて配置計算を行うことで計算量を低減する方法である、漸次的簡約解法がある(例えば、非特許文献1参照)。
以下に、漸次的簡約解法について説明する。
なお、以下では、物理ノードと物理リンクは複数種類の資源を持ち、例えば、物理ノードではプロセッサ、揮発メモリ、不揮発ストレージ、周辺機器などを有し、物理リンクではキュー、信号周波数、タイムスロットなどがあり得る。また、プロセッサなどは命令セットなどによっても資源の種類が細分化され得る。要求される種類の資源を持たない物理ノードもしくは物理リンクは当該資源の資源量が0であることと等価に扱われる。
また、仮想ネットワークが使用するリソース量(例えば、物理リンク数)、もしくは、その量に応じて必要なコストをなるべく少なくするように仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置を決定したい(以降では、目的関数コストで統一するものとする)。
当該解法では、例えば図1に示す仮想ネットワーク例aが与えられ、当該仮想ネットワーク例aを図1に示す物理ネットワーク例bに配置する場合において、コストが最小となる物理ノード(及び物理リンク)配置の組を計算するにあたり、仮想ネットワーク例aを、仮想ノードv6をRoot(根ノード、もしくは根)とするTree構造として捉え、図2(A)、(B)に示すように、Line構造とStar構造といった、Tree構造よりも最小コストを与える物理ノード配置の組を計算するコストが小さな誘導部分グラフに分解し、それぞれの誘導部分グラフについて最小コストを与える物理ノード配置を計算して、それら誘導部分グラフ毎に算出された最小コストを与える物理ノードの配置を統合することを繰り返すことで、Tree構造の最小コストを与える物理ノード配置の組をそのまま計算するよりも少ない計算量で、最小コストを与える物理ノード配置の組を算出する。なお、図2の各矢印の意味は、ある仮想ノード(例えば、図2(A)の仮想ノードv3)について、矢印の先が指し示す配置候補の物理ノード(例えば図2(A)の仮想ノードv3の配置候補の物理ノードp3)を、当該仮想ノードの配置先として選択した場合に、矢印の元は、当該仮想ノードの隣接仮想ノード(例えば、図2(A)の仮想ノードv2)の候補最小コスト(例では、最小ホップ数)の物理リンクを与える物理ノード配置の組を示す。
図2(A),(B)の各誘導部分グラフについて最小コストを与える物理ノード配置の組を算出し、更にv5とv6における最小コストを与える物理ノード配置の組を算出することで、最小コストを与える根(v6)の物理ノードが算出され、これによって、最小コストを与える仮想ネットワークaの物理ノード配置の組が全て決定する。最小コストを与える根の物理ノードが最小コストの経路となる。|VP|を物理ノード数、|EL|を仮想リンク数とすると、この当該解法の計算量はO(|VP|2|EL|)となる。ただし、当該解法は、事前に全ての物理ノード間のコスト計算が必要であり、その計算量はO(|VP|3)となる。
以下に、仮想ネットワークは図1の仮想ネットワーク例aを例とし、物理ネットワークは図1の物理ネットワーク例bを例として、図2の仮想ノードv1、v2、v3、v4、v5に対する漸次的簡約解法について詳細に説明する。
なお、Tree構造はどの点を根としても必ずTree構造となることに留意されたい。
ここでは、事前準備として、図1の物理ノード間のコストの表のように、全ての物理ノード間の最小コストを与える経路をdijkstra法などにより予め計算しておくものとする。当該解法は以下の4つの手順からなる。
(1)まず、仮想ネットワーク(例えば図1の仮想ネットワーク例a)から任意の仮想ノード(例えば図1のv6)を選択して根とする。
(2)最小コストを与える物理ノード配置の計算が未完了の仮想ノードの集合とそれらの仮想ノードの隣接仮想ノードの集合からなる誘導部分グラフにおいて、次数1の仮想ノードと次数2の仮想ノードのみの連結からなる構造(Line構造)の誘導部分グラフのそれぞれに対し、最小コストを与える物理ノード(および物理リンク)配置を計算する。
(3)最小コストを与える物理ノード配置の計算が未完了の仮想ノードの集合とそれらの仮想ノードの隣接仮想ノードの集合からなる誘導部分グラフにおいて、次数1の仮想ノード複数と次数3以上の仮想ノード一つの連結からなる構造(Star構造)の誘導部分グラフのそれぞれに対して、最小コストを与える物理ノード(および物理リンク)配置を計算する。
(4)上記の手順(2)と(3)を全ての仮想ノードの最小コストを与える物理ノード配置の組の計算が終了するまで繰り返す。
手順(2)を補足すると、葉側の仮想ノードからの根側の仮想ノードに向かい、各仮想リンク配置について、最小のコストを与える物理ノード配置の組をホップ毎に選択(等コストのものが複数ある場合はいずれかを任意に選択)していく。前ホップの最小コストの計算結果c'を次ホップの最小コストcの計算結果に利用する。コストは物理リンクのホップ数や物理リンク容量に基づく重み値、物理ノードのプロセッシング速度に基づく重み値などを様々な係数値が考えられるが、本明細書では、説明を明瞭にするために物理リンクのホップ数だけを考慮する。
図3のLine構造部分グラフの計算例1,Line構造部分グラフの計算例2は、v1→v2の仮想リンク配置と、v2→v3の仮想リンク配置について、物理ノード(および物理リンク)配置の組に対するコストを計算した結果を例示したものであり、例えば仮想ノードv1とv2の組への物理ノード配置を、物理ノードp6とp4にそれぞれした時(図3のLine構造部分グラフの計算例1のハッチ部分)の物理ノード間(物理リンク)のコストは、図1の物理ノード間のコストの表の物理ノードp6とp4の間のコストより3が入力される。仮想ノードv2の配置を物理ノードp2に固定して、仮想ノードv1の物理ノード配置のうち最小コストのものを選択すると、p6となる。仮想ノードv2の配置を物理ノードp3に固定して、仮想ノードv1の物理ノード配置のうち最小コストのものを選択する場合のように、候補となる物理ノードの複数が最小コストとなるような場合には、いずれかを任意に選択し、例えば本明細では物理ノード名の下付き文字が小さいものを選択することとする。
仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置に関して、明示的に指定がされない限り、前ホップと次ホップの仮想ノード同士は、別の物理ノードに割り当てる。つまり、仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置を計算するアルゴリズム、およびその実装装置に対して、ある複数の仮想ノードを同一物理筐体(例えば仮想マシンサーバ)の物理ノード(例えば仮想マシン)へ割り当てるための命令を与えない限り、複数の仮想ノードが同一物理筐体の物理ノードへ割り当てることは禁止し、コストの計算結果も、例えば図3Line構造部分グラフの計算例2のv2とv3をともにp3に配置する場合のコストの計算結果のように、NA(Not available)などを付与する。
物理ノードと物理リンクの資源量と仮想ノードと仮想リンクの資源要求量とを比較して、資源要求量が資源量より大きくなるような組は割り当て候補から除外する。
手順(3)を補足すると、根側の仮想ノードで次数3以上のものに直結する葉側の仮想ノードで次数1のもの全ての仮想リンク配置について、最小コストを与える物理ノード配置の組を選択(等コストのものが複数ある場合はいずれかを任意に選択)する。
図3のStar構造部分グラフの計算例は、仮想ノードv5の物理ノード配置をある物理ノード(例えばp5)に固定した時に、v3→v5の仮想リンク配置とv4→v5の仮想リンク配置について、物理ノード(および物理リンク)の配置の組に対するコストを計算した結果を例示したものであり、例えば、v3への物理ノード配置を選んだ場合にv1とv2の最小コストを与える物理ノード配置が図3のLine構造誘導部分グラフの計算例1と2によって決定しているため、これらの計算結果がc'として利用されており、例えば、v3をp3、v4をp6に配置するとそれぞれコスト9となり、それらの合計で18のコストがかかることを示しており、例えばv5をp5に配置する場合にはv3とv4をp3とp6に配置すると最小コストであることを示している。
図1の仮想ネットワーク例aについて、手順の(2)と(3)を繰り返して、根の仮想ノード(v6)の最小コストを与える物理ノードが決定すると、仮想ネットワーク例aの最小コストを与える物理ノード配置の組も計算過程を辿ることで決定できる。
隣り合った2つの仮想ノードの物理ノード配置の仕方は、|VP|×|VP|=|VP|2通りであり、漸次的簡約解法において仮想ネットワークを物理ネットワークへ配置するための計算は、隣り合った2つ仮想ノード同士の配置(|VP|2通り)を仮想リンク数|EL|回だけ繰り返すことから計算量がO(|VP|2|EL|)となり、加えて、Dijkstra法で全ての物理ノード間の最短経路とその距離・コストを予め計算しておくための計算量O(|VP|3)が必要であるため、漸次的簡約解法全体の計算量はO(|VP|2|EL|+|VP|3)となる。
Khanh-Toan Tran, N. Agoulmine, Y. Iraqi, "Cost-effective complex service mapping in cloud infrastructures", Network Operations and Management Symposium (NOMS), 2012.
しかしながら、従来における漸次的簡約解法は、Tree構造、Line構造、もしくStar構造といったCycle(閉路)構造を持たないトポロジの仮想ネットワークを物理ネットワークへ配置する計算には適用できるが、Cycle構造を持つトポロジの仮想ネットワークを物理ネットワークへ配置する計算に適用しようすると計算対象の仮想ノードが循環し、計算が終了しないため適用できないという問題がある。循環を検知して計算を終了することは可能であるが、最小コストの物理ノード配置となることが保証されない。
図4にCycle構造のある仮想ネットワークの例を4つ示す。一般的に商用ネットワークは冗長構成を採り、図4のようなCycle構造が現れるため、仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置アルゴリズムにおいて、Cycle構造への対応は重要な課題である。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、Cycle構造をもつような仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置において、仮想リンクのコストを最小化できる仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置及び方法を提供することを目的とする。
一態様によれば、仮想ネットワークの性能条件が与えられ、該性能条件を満たす物理ノードと物理リンクの組が複数存在する場合に、該物理ノードと該物理リンクのコストが最小となる組を選択する仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置であって、
Cycle構造を有する仮想ネットワークの仮想ノードのリスト(仮想ノードリスト)を格納した仮想ノードリスト記憶手段と、
前記仮想ノードリストを読み出して、前記仮想ネットワークを低次、高次の誘導部分グラフに分割するグラフ分割手段と、
低次の誘導部分グラフから先に配置計算を行う簡約処理手段と、
を有し、
前記簡約処理手段は、
複数の仮想ノードからなる誘導部分グラフHと、該誘導部分グラフHを包含する誘導部分グラフKを既存の方法により配置計算し、該誘導部分グラフHの物理ノードへの配置の組Zが、該誘導部分グラフKから該誘導部分グラフHを除いた誘導部分グラフの物理ノードへの配置のうち、最小コストを与える組Yを決定する際に、該誘導部分グラフKを該誘導部分グラフHに置き換える手段を含む仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置が提供される。
一態様によれば、仮想ネットワークの誘導部分グラフのうち、最小次数が2の仮想ノードからなるCycle構造のものについて、1仮想ノードの物理ノード配置を一つ選択して固定し、その仮想ノードから周回する方路の一方に向かって1周するように最小コストを与える物理ノード配置の組を計算することで、従来のアルゴリズムでは計算が終了しないCycle構造の誘導部分グラフのうち、最高次数が2の仮想ノードからなるものについて、最小コストを与える物理ノード配置を、計算量O(|VP|3|EL|)にて計算することが可能となる。また、仮想ネットワークの誘導部分グラフのうち、最小次数がD(3以上)の仮想ノードからなるCycle構造のものについても、最低次数の仮想ノードを簡約仮想ノードとして一つ選択し、該簡約仮想ノードの接続先仮想ノードから物理ノード配置の組を一つ選択し、該物理ノード配置の組から前記配置計算により最小コストを与える該簡約仮想ノードの物理ノード配置を一つ選択する処理を、全ての物理ノード配置の組に対して行い、各組に対するコストをD次元配列として記憶手段に格納することによって、最小コストを与える物理ノード配置を計算量O(|VP|D+1|EL|)にて計算することが可能となる。また、仮想ネットワークの誘導部分グラフのうち、フルメッシュ構造となるものについても、仮想ノードを一つ選択し、該仮想ノードを中心とするStar構造とみなして、最小コストを与える物理ノード配置の組を算出する処理を、全ての仮想ノードに対してそれぞれ行い、各仮想ノードを中心とするStar構造における物理ノード配置のコストの最小値を相互に比較して、コストの最小値が最も小さくなるような物理ノード配置の組を選ぶことによって、当該仮想ネットワークの誘導部分グラフの物理ノード配置の組のうち最小コストを与えるものを、計算量O(|VP|2|EL|)にて計算できる。仮想ネットワークを次数の低い仮想ノードからなる誘導部分グラフに分け、前記最小次数に応じた誘導部分グラフの最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する方法を順次実施し、最小コストを与える物理ノード配置の組の算出が完了した仮想ノードを当該仮想ネットワークから取り除く操作を繰り返すことで、計算量が大きな高次の仮想ノードに対する最小コストを与える物理ノード配置の組の算出の計算量を小さくすることができる。
仮想ネットワークの例である。 従来の漸次的簡約解法である。 従来の漸次的簡約解法によるLine構造とStar構造の誘導部分グラフの計算例である。 Cycle構造のある仮想ネットワーク例である。 本発明の一実施の形態における仮想ネットワーク配置装置の構成例である。 本発明の一実施の形態における仮想ネットワーク配置装置の全体動作のフローチャートである。 本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフの簡約処理部の処理概要のフローチャートである。 本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフ簡約の例(その1)である。 本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフの簡約の例(その2)である。 本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフの簡約処理のTree-root判定処理のフローチャートである。 本発明の一実施の形態における次数2誘導部分グラフの簡約処理のフローチャートである。 本発明の一実施の形態における次数2誘導部分グラフの簡約(次数3以上の仮想ノードが一つ存在するかもしくは存在しないCycle構造の簡約)の例である。 本発明の一実施の形態における図11のステップ160の詳細フローチャートである。 本発明の一実施の形態における次数2誘導部分グラフの簡約(次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約)の例である。 本発明の一実施の形態における図13のステップ1604の処理の例である。 本発明の一実施の形態における図11のステップ166の詳細フローチャートである。 本発明の一実施の形態における図6のステップ170の詳細処理(次数Dが3以上(高次)の非フルメッシュ構造の誘導部分グラフの簡約処理)である。 本発明の一実施の形態における図6のステップ180の詳細処理(フルメッシュの簡約処理)である。
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、Cycle構造の誘導部分グラフの1仮想ノードの物理ノード配置を一つ選択して固定し、その仮想ノードから周回する方路の一方に向かって1周するように最小コストを与える物理ノード配置の組を計算することで、従来のアルゴリズムでは計算が終了しないCycle構造の誘導部分グラフの最小コストを与える物理ノード配置を計算できるようにするものである。
最初に、以下で用いる用語について説明する。
・P2(3):物理ノード2を経由する場合の累積コストの値が3という意味である。
・コスト:リンクやノードが使う資源の量やそれを使うために掛かる費用、ホップ数(ホップ数で例示しているが、ホップ数以外であってもよい)等。
・リソース:CPUやメモリや帯域などの演算や通信などに必要な資源。
・リソースの使用量:資源を使用する量。
・誘導部分グラフ:グラフのノード(頂点)集合の部分集合を取り出して、両端点が取り出したノード集合に属する全てのリンク(辺)をリンク集合とするグラフ。
・次数:ノードに接続されたリンクの数。
・Cycle(Cycle構造):ノードに接続されたリンクを折り返すことなく辿ることで元のノードにたどり着くことができるような構造を持つグラフ。
・Line(Line構造):ノードとリンクが直線的に接続されたグラフ。より厳密には、2つの次数1のノードと0つ以上の次数2のノードの連結によってなるグラフ。
・Star(Star構造):ある1つのノードに3つ以上のノードがリンクで直接接続されたStar構造グラフ。より厳密には、3つ以上の次数1のノードと1つ以上の次数3位上のノードの連結によってなるグラフ。
・Tree(Tree構造):Cycleを持たないような2つ以上のノードからなるグラフ。Tree構造はLine構造とStar構造を包含する。
・葉:Tree構造のグラフにおける葉(葉ノード)。
・根:Tree構造のグラフにおける根(根ノード)。
・フルメッシュ(フルメッシュ構造、もしくは、完全グラフ):グラフの任意の2頂点間に辺があるグラフ。
・多重辺:2頂点間に複数の辺があるときのそれらの辺。本発明では、多重辺の仮想リンクは、それぞれの仮想リンクのコストを重ねあわせて単一辺として扱う。
まず、本発明の概要を説明する。
本発明は、Cycle構造から高次の仮想ノード(図12のv1)を基準点として取り出し、その基準点から任意の方向で周回する方路(例えば、(v1,v2,v3,v1))の最小コストを計算する。最小コストの計算に際しては、基準点の候補物理ノード一つずつに対して、方路の向きへ非特許文献1のアルゴリズムを適用する。この操作により、基準点の各候補物理ノードを選択した際の最小コストを与える組(v1,v2,v3)={(p1,p3,p2),(p6,p4,p3)}が得られる。これをv1の計算結果v'として保存する。後述する図12に示すように、v1に他のCycle構造(v1,v2,v5,v1)が接続されている場合には、v1の計算結果v'を用いてv1に接続された残りのCycle構造を図12の方法で逐次計算し、最小コストを与える物理ノード配置の組を算出することができる。
上記の処理では、非特許文献1のアルゴリズムをO(|VP|)回繰り返すため、本発明の処理による計算量はO(|VP|3|EL|))である。
図5は、本発明の一実施の形態における仮想ネットワーク配置装置の構成例を示す。
同図示す仮想ネットワーク配置装置は、仮想ノードリスト作成部10、仮想ノードリスト記憶部20、仮想ノード次数判定部30、次数1仮想ノード簡約処理部40、次数2仮想ノード簡約処理部50、高次数仮想ノード簡約処理部60、フルメッシュ処理部70、メモリ80を有する。メモリ80には、1次元配列記憶領域、2次元配列記憶領域、D次元配列記憶領域、フルメッシュ物理ノード記憶領域があるものとする。
図6は、本発明の一実施の形態における仮想ネットワーク配置装置の全体動作のフローチャートである。
以下の処理を行う前に、仮想ネットワークのグラフの作成を行っておく。具体的には、仮想リンクをその両端点となる2つの仮想ノードで表したリスト形式のデータ[{仮想リンクe1の端点仮想ノードv1、仮想リンクe2の端点仮想ノードv2},…]を何らかの記憶手段(例えば、仮想ノードリスト記憶部20、もしくは、メモリ80)に格納する。また、各処理部のステップに含まれる誘導部分グラフのデータや複製グラフのデータは、上記のデータ列と同じリスト形式であり、メモリ80に保管する。
ステップ110) まず、仮想ノードリスト作成部10は、入力された仮想ノードの情報に基づいて仮想ノードリストを生成し、仮想ノードリスト記憶部20に格納する。仮想ノードリストは、例えば、リスト形式のデータ[{仮想ノード名v1,仮想ノード次数3,仮想ノードスペック},{仮想ノード名v2,仮想ノード次数1},…]のような構成を有する。なお、各簡略処理部40,50,60から参照され、変数(v,v',v"など)は各簡略処理にて生成される。
ステップ120) 仮想ノード次数判定部30が、仮想ノードリスト記憶部20の仮想ノードリストを読み込み、当該仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値と仮想ノード次数最大値が同じであるか否かを判定する。同じである場合には、ステップ180に移行し、異なる場合は、ステップ130に移行する。
ステップ130) 仮想ノード次数判定部30は、次に、仮想ノードリストの仮想ノード度次数の最小値が"1"、"2"、または、それ以外の高次数であるかを判定し、次数=1である場合はステップ140に移行し、次数=2である場合はステップ150に移行し、次数=高次数である場合にはステップ160に移行する。
ステップ140) 次数1仮想ノード簡約処理部40が図5に示す処理を行う。
ステップ150) 次数2仮想ノード簡約処理部50が、図11に示す処理を行う。
ステップ170) 高次数仮想ノード簡約処理部60が、図17に示す処理を行なう。
ステップ180) フルメッシュ処理部70が、図18に示す処理を行なう。
<次数1仮想ノード簡約処理部40>
次数1仮想ノード簡約処理部40は、Tree、Line、Starとなる誘導部分グラフを簡約する。
図7は、本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフ簡約処理部の全体のフローチャートである。
ステップ141) まず、次数1仮想ノード簡約処理部40は、図8に示す簡約対象の誘導部分グラフの根(以下、Tree-root、図中T)とする。
1) 次数1の仮想ノードを取り除いて次数2以上となる部分(仮想ネットワークのCycle構造箇所)を取り出す。
2) 取り出された仮想ノードにTree、Line、Starのいずれかの誘導部分グラフが接続されている場合、その仮想ノードはTree-rootとなる。
ステップ142) 次数1仮想ノード簡約処理部140は、非特許文献1の技術によって簡約対象の誘導部分グラフのそれぞれにおいて、最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。詳細は後述する。
ステップ143) 簡約対象の誘導部分グラフをTree-rootによって置き換える。
図9の例では、v5をTree-rootとし、Tree-root(v5)を根として最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。Tree-rootへの割り当ての候補の物理ノードに対する最小コスト(図7のv5の値)を一次元配列(v5')として記憶する。
上記のステップ141の処理を詳細に説明する。
図10は、本発明の一実施の形態における次数1誘導部分グラフの簡約におけるTree-root判定処理のフローチャートである。
ステップ1411) 次数1仮想ノード簡約処理部140は、グラフを複製(複製グラフ)し、何らかの記憶手段(例えばメモリ80)に格納する。
ステップ1412) 仮想ノードリスト記憶部20の仮想ノードリストを読み込んで複製し、メモリ(図示せず)に格納する。
ステップ1413) 仮想ノードリストの複製(複製リスト)の仮想ノードの次数の最小値が0,1,または、2以上であるかを判断する。1である場合はステップ1414に移行し、0である場合はステップ1418に移行し、2以上である場合はステップ1419に移行する。
ステップ1414) 複製リストの仮想ノードの次数の最小値=1である場合は、複製リストから次数1の仮想ノードを一つ取り出してvとする。
ステップ1415) vに隣接する仮想ノードを複製リストにてマークする。
ステップ1416)複製グラフからvを削除する。
ステップ1517) 複製リストからvを削除し、ステップ1413の処理に戻る。
ステップ1418) 複製リストの仮想ノードの次数の最小値=1である場合は、複製リストに含まれる仮想ノードをTree-rootと判定し、図6の処理に移行する。
ステップ1419) 複製リストの仮想ノードの次数の最小値≧2である場合は、複製リストに残った仮想ノードでマークされたものをTree-rootと判定し、図6の処理に移行する。
次に、次数2仮想ノード簡約処理部50及び図6のステップ150の次数2誘導部分グラフの簡約処理について説明する。
図11は、本発明の一実施の形態における次数2誘導部分グラフの簡約処理のフローチャートである。
ステップ151) 次数2仮想ノード簡約処理部50は、仮想ノードリスト記憶部20から仮想ノードリストを読み出し、複製してメモリ(図示せず)に格納する。
ステップ152) 複製リストから次数2の仮想ノードを任意に一つ選択してvとする。
ステップ153) vに隣接する二つの仮想ノードのうち一方をv'もう一方をv"とする。
ステップ154) 複製リストのv、v'、v"をマークする。
ステップ155) 上記のv'の次数について、v'の次数が2、または、v'の次数が3以上であるかを判定する。v'=2の場合はステップ156に移行し、v'≧3である場合はステップ161に移行する。
ステップ156) v'=2の場合は、v'の隣接可能ノードを新たにv'とする。
ステップ157) 複製リストにおいてv'をマークする。
ステップ158) v'とv"の次数が等しいか(v'=v")を判定する。v'=v"であればステップ159に移行し、v'≠v"であればステップ155に戻る。
ステップ159) v'をuとする。
ステップ160) 次数3以上の仮想ノードが一つ存在するか、もしくは、存在Cycle構造の簡約処理を行い、ステップ167に移行する。詳細については、図13で説明する。
ステップ161) ステップ155において、v'の次数が3以上の場合(v'≧3)は、v"の次数が2(v"=2)であるか3以上(v"≧3)であるかを判定し、v"=2の場合はステップ162に移行し、そうでない場合はステップ165に移行する。
ステップ162) v"=2の場合は、v"の隣接仮想ノードを新たにv"とする。
ステップ163) 複製リストにてv"をマークする。
ステップ164) v'の次数とv"の次数が等しいか(v'=v")を判定し、v'=v"であれば、ステップ159に移行し、v'≠v"である場合はステップ161に戻る。
ステップ165) ステップ161において、v"の次数が3以上の場合は、v'とv"をそれぞれ、u1、u2とし、ステップ166に移行する。
ステップ166) 次数が3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約処理を行い、ステップ167に移行する。
ステップ167) メモリ上の仮想ノードのリストから次数2の計算済み仮想ノードを削除する。
上記のステップ160の次数2部分の簡約を行うにあたり、次数3以上の仮想ノードが一つ存在するか、もしくは、存在しないCycle構造の簡約について図12に沿って説明する。
1) 次数3以上の仮想ノードが一つ存在するか、もしくは、存在しないCycle構造において、次数3以上の仮想ノードが一つ存在する場合は、その仮想ノードを起点仮想ノードとし、存在しなければ任意の仮想ノードを起点仮想ノードとする。図12の例ではv1を起点仮想ノードとする。
2) 起点仮想ノードへ割り当てる物理ノードを一つ選択する。図12の例では、p1またはp6を選択する。
3) 起点仮想ノードから2つの方路のうち任意の方路を選び、起点仮想ノードを起点とする周回路について、非特許文献1のアルゴリズムにより最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。
4) 上記の2)、3)を起点仮想ノードの割り当て候補となる全ての物理ノードについて行う。
5) 起点仮想ノードへの割り当て候補の物理ノードに対する最小コストを1次元配列として記憶する。
図13は、本発明の一実施の形態における図11のステップ160の詳細フローチャートであり、次数2誘導部分グラフの簡約処理において、次数3以上の仮想ノードが一つ存在するか、もしくは、存在しないCycle構造の簡約処理を示す。
ステップ1601) 次数2仮想ノード簡約処理部50は、複製リストにてマークされた仮想ノードからなる誘導部分グラフをHとする。
ステップ1602) ステップ159におけるuへの配置候補となる物理ノードから配置計算がなされていないものを一つ選択する。
ステップ1603) uから2つの方路のうち任意の方路を選ぶ。
ステップ1604) uを起点とする誘導部分グラフHの周回路について、非特許文献1のアルゴリズムにより、最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。
ステップ1605) uへの配置候補となる物理ノードが全て配置計算済みかを確認し、計算が済んでいない場合は、ステップ1602に戻り、計算済みの場合はステップ1606に移行する。
ステップ1606) uへの物理ノード配置の組に対する最小コストを2次元配列としてメモリ(図示せず)に記憶する。
上記の次数2誘導部分グラフの簡約処理における、次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約について、図14にその例を示す。なお、同図中の"*"はコスト未決定を示している。
1) 次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造において、次数2の仮想ノードのLineの両端点となる次数3以上の仮想ノードを2つそれぞれ起点仮想ノード1と起点仮想ノード2とする。
2) 起点仮想ノード1への配置候補となる物理ノード全てに対して行う。
3) 2)を起点仮想ノード1への配置候補となる物理ノード全てに対して行う。
4) 起点仮想ノード1と起点仮想ノード2への配置物理ノードの組に対する最小コストを2次元配列として、メモリ80の2次元配列記憶領域に記憶する。
次に、図13における、ステップ1604の次数2誘導部分グラフの簡約において、次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約処理において、2次元配列領域に記憶された2次元配列を用いた配置計算は、図15に示すように、物理ノード配置の組に対するコストを計算するときにおいて、物理ノード間を直接結んだ時のコストの代わりに2次元配列記憶部55に記憶された2次元配列を用いる。
図16は、本発明の一実施の形態における図11のステップ166の詳細フローチャートであり、次数2誘導部分グラフ簡約処理において、次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約を行うものである。
ステップ1661) 複製リストにてマークされた仮想ノードからなる誘導部分グラフをHとする。
ステップ1662) u1への配置候補となる物理ノードから配置計算がなされていないものを一つ選択する。
ステップ1663) 誘導部分グラフHにおけるu1からu2に向かう方路について、非特許文献1のアルゴリズムにより、最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。
ステップ1664) u1への配置候補となる物理ノードの組に対する最小コストを2次元配列としてメモリ80の2次元配列記憶領域に記憶する。
次に、図6のステップ120において、仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値が仮想ノード次数の最大値と異なり、かつ、仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値が=3である場合に高時点仮想ノード簡約処理部60が実行するステップ170の処理について説明する。
図17は、本発明の一実施の形態における図6のステップ170の詳細処理(次数Dが3以上(高次)の非フルメッシュ構造の誘導部分グラフの簡約処理)を示す。
ステップ120において、仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値と仮想ノードの次数の最大値が等しく、次数(D)が3以上の場合の誘導部分グラフの簡約処理は以下のように行う。
1) 最低次数Dの仮想ノード(図17の例では、例えば、v1)を簡約仮想ノードとして一つ選ぶ。
2) 簡約仮想ノードの接続先仮想ノード(v2,v3,v4)から物理ノード配置の組を一つ選び、そのときに最小コストを与える簡約仮想ノードの物理ノードを一つ選ぶ。
3) 2)を全ての物理ノード配置の組にて行い、それぞれの組に対するコストをメモリ80のD次元配列記憶領域に格納する。図17の例では、v2とv3とv4の物理ノード配置を決定するとv1の物理ノード配置のうち最小コストを与えるものが決定するので,そのときのコストを3次元配列として例えば、C[v2=p1; v3=p2; v4=p3]=3をD時点配列記憶部65に記憶する。
次に、図6のステップ120において、仮想ノードリストの仮想次数ノードの最小値と仮想ノード次数の最大値が等しい場合に実行されるフルメッシュ処理について説明する。
図18は、本発明の一実施の形態における図6のステップ180の詳細処理であり、次数Dが3以上のフルメッシュ構造の誘導部分グラフの簡約処理(フルメッシュ処理)の例を示す。
当該ケースは、仮想ネットワークが降るメッシュ構造となる場合、もしくは仮想ネットワークの簡約を繰り返して現れた誘導部分グラフがフルメッシュ構造となる場合の簡約法である。
フルメッシュ処理部70は、配置を行う仮想ネットワークの仮想ノードを一つ選び、その仮想ノードを中心とするStar構造とみなして、非特許文献1の配置アルゴリズムを適用して最小コストを与える物理ノード配置の組を算出する。同様に他の全ての仮想ノードを中心とするStar構造に対して、非特許文献1の配置アルゴリズムを適用して最小コストを与える物理ノード配置の組を算出し、各仮想ノードを中心とするStar構造に対する最小コストを与える物理ノード配置の組によって与えられる最小コストをそれぞれ比較して、それらの最小コストのうち最も小さい組が、当該仮想ネットワークの最小コストを与える物理ノード配置の組となる。
なお、このようにして簡約を繰り返してフルメッシュ構造となる仮想ネットワークをStar構造とみなした場合のスパニング部分(図18の点線部分)のコストを計算せずともフルメッシュの最小コストを保証することができる。この場合の計算量はO(|VP|2|EL|)となる。つまり、仮想ノード数を| VL |として、各Star構造の計算量がO((| VL |−1)|VP|2)であり、それを|VL|回繰り返すため、
O(|VL|(|VL|−1)|VP|2)=O(2((|VL|(|VL|−1))/2)|VP|2)=O(2|EL||VP|2)=O(|EL||VP|2
となる。ただし、フルメッシュにおいて|VL|(|VL|−1))/2=|EL|となることを用いた。
図18において、フルメッシュ構造の最小コストを与える物理ノード配置の組を求める場合、以下の処理を行う。以下では、図18(A)に示す仮想ネットワーク、同図(B)に示す物理ノードを用いるものとする。
1) 図18(A)の各仮想ノードを中心とするStar構造とみなして、非特許文献1の配置アルゴリズムを適用し、最小コストを与える物理ノード配置の組を計算する。
2) 図18(B)の各Star構造で算出した最小コスト同士で最小なものを与える物理ノード配置の組(図18(B)の例では、Star構造3にてコストが12となる物理ノード配置の組)がフルメッシュ構造の最小コストを与える物理ノード配置の組となるのでそれを計算結果としてメモリ80のフルメッシュ記憶領域に格納する。
なお、図5に示す仮想ネットワーク配置装置の構成要素の動作をプログラムとして構築し、仮想ネットワーク配置装置として利用されるコンピュータにインストールして実行させる、または、ネットワークを介して流通させることが可能である。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
10 仮想ノードリスト作成部
20 仮想ノードリスト記憶部
30 仮想ノード次数判定部
40 次数1仮想ノード簡約処理部
50 次数2仮想ノード簡約処理部
60 高次数仮想ノード簡約処理部
70 フルメッシュ処理部
80 メモリ

Claims (8)

  1. 仮想ネットワークの性能条件が与えられ、該性能条件を満たす物理ノード配置、および、物理リンク配置の組が複数存在する場合に、該物理ノード又は該物理リンクの少なくとも一方のコストが最小となる組を選択する仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置であって、
    Cycle構造を有する仮想ネットワークの仮想ノードのリスト(仮想ノードリスト)を格納した仮想ノードリスト記憶手段と、
    前記仮想ノードリストを読み出して、前記仮想ネットワークを最小次数に応じて誘導部分グラフに分けるグラフ分割手段と、
    次数の低い(小さい)誘導部分グラフから先に配置計算を行う簡約処理手段と、
    を有し、
    前記簡約処理手段は、
    複数の仮想ノードからなる誘導部分グラフHと、該誘導部分グラフHを包含する誘導部分グラフKを既存の方法により配置計算し、該誘導部分グラフHの物理ノードへの配置の組Zが、該誘導部分グラフKから該誘導部分グラフHを除いた誘導部分グラフの物理ノードへの配置のうち、最小コストを与える組Yを決定する際に、該誘導部分グラフKを該誘導部分グラフHに置き換える手段を含む
    ことを特徴とする仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  2. 前記簡約処理手段は、
    前記仮想ノードリストの仮想ノードの次数の最小値が仮想ノードの次数の最大値と異なり、かつ、該仮想ノードリストの仮想ノードの次数の最小値が1である場合は、Tree構造を有する誘導部分グラフ、ノードとリンクが直線的に接続されたLine構造を有する誘導部分グラフ、1つのノードに3つ以上のノードがリンクで直接接続されたStar構造を有する誘導部分グラフの簡約処理を行う第1の簡約処理手段と、
    前記仮想ノードリストの仮想ノードの次数の最小値が仮想ノードの次数の最大値と異なり、かつ、該仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値が2である場合は、次数3以上の誘導部分グラフが一つ存在するかもしくは存在しないCycle構造の簡約処理、及び、次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造の簡約処理を行う第2の簡約処理手段と、
    前記仮想ノードリストの仮想ノードの次数の最小値が仮想ノードの次数の最大値と異なり、かつ、該仮想ノードリストの仮想ノード次数の最小値が3である場合には、高次数の誘導部分グラフの簡約処理を行う第3の簡約処理手段と、
    前記仮想ノードリストの仮想ノードの次数の最小値が仮想ノードの次数の最大値と等しい場合は、フルメッシュ構造の誘導部分グラフの簡約を行う第4の簡約処理を行う第4の簡約処理手段と、
    を含む請求項1記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  3. 前記第1の簡約処理手段は、
    次数1の仮想ノードとその接続仮想リンクを全て取り除く操作を繰り返して残る次数2以上の仮想ノードであり、かつ、次数1の仮想ノードとその接続仮想リンクを全て取り除く操作を行う前にTreeが接続されていた仮想ノードを根とするTreeを選択し、配置計算により根の全ての候補となる物理ノードへの経路の最小コストを求め、該最小コストの物理ノードを一次元配列として記憶手段に格納する手段を含む
    請求項2記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  4. 前記第2の簡約処理手段は、
    次数3以上の仮想ノードが一つ存在するか、または、存在しないCycle構造において、
    次数3以上の仮想ノードが一つ存在する場合は、該仮想ノードを起点仮想ノードとし、存在しなければ任意の仮想ノードを起点仮想ノードとし、該起点仮想ノードに割り当てる物理ノードを一つ選択する手段と、
    前記起点仮想ノードから2つの方路のうち、任意の方路を選択し、該起点仮想ノードを起点とする周回路について、配置計算により最小コストとなる物理ノードの組を求める処理を、該起点仮想ノードの割り当て候補となる物理ノードに対して繰り返す手段と、
    前記起点仮想ノードの割り当て候補の物理ノードに対する最小コストを一次元配列として記憶手段に格納する手段を含む
    請求項2記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  5. 前記第2の簡約処理手段は、
    次数3以上の仮想ノードが2つ以上存在するCycle構造において、
    次数2の仮想ノードのLineの両端となる次数3以上の仮想ノード2つをそれぞれ起点仮想ノードAと起点仮想ノードBとする手段と、
    前記起点仮想ノードAへの配置候補となる物理ノードを一つ選び、前記起点仮想ノードBに向かう方路について、配置計算により最小コストを計算する処理を該起点仮想ノードAへの配置候補となる物理ノード全てに対して行う手段と、
    前記起点仮想ノードAと前記起点仮想ノードBへの物理ノード配置の組に対する最小コストを2次元配列として記憶手段に格納する手段を含む
    請求項2記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  6. 前記第3の簡約手段は、
    最低次数の仮想ノードを簡約仮想ノードとして一つ選択し、該簡約仮想ノードの接続先仮想ノードから物理ノード配置の組を一つ選択し、該物理ノード配置の組から配置計算により最小コストを与える該簡約仮想ノードの物理ノード配置を一つ選択する処理を、全ての物理ノード配置の組に対して行い、各組に対するコストをD次元配列として記憶手段に格納する手段を含む
    請求項2記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  7. 前記第4の簡約手段は、
    仮想ノードを一つ選択し、該仮想ノードを中心とするStar構造とみなして、配置計算により最小コストを与える物理ノードの組を算出する処理を全ての仮想ノードに対して行い、最小コストを|VL|個の一次元配列として記憶手段に格納する手段を含む
    請求項2記載の仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置装置。
  8. 仮想ネットワークの性能条件が与えられ、該性能条件を満たす物理ノードの組が複数存在する場合に、該物理ノードのコストが最小となる組を選択する仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置方法であって、
    Cycle構造を有する仮想ネットワークの仮想ノードのリスト(仮想ノードリスト)を格納した仮想ノードリスト記憶手段と、
    グラフ分割手段と、簡約処理手段と、を有する装置において、
    前記グラフ分割手段が、前記仮想ノードリストを読み出して、前記仮想ネットワークを低次、高次の誘導部分グラフに分割するグラフ分割ステップと、
    前記簡約処理手段が、複数の仮想ノードからなる誘導部分グラフHと、該誘導部分グラフHを包含する誘導部分グラフKを既存の方法により配置計算し、該誘導部分グラフHの物理ノードへの配置の組Zが、該誘導部分グラフKから該誘導部分グラフHを除いた誘導部分グラフの物理ノードへの配置のうち、最小コストを与える組Yを決定する際に、該誘導部分グラフKを該誘導部分グラフHに置き換える簡約処理ステップと、
    を行うことを特徴とする仮想ネットワークの物理ネットワークへの配置方法。
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