[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ機の正面図であり、図3はパチンコ機の側面図であり、図4はパチンコ機の平面図であり、図5はパチンコ機の背面図であり、図6はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置400が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図12を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図10は、同外枠2の正面図であり、図11は、同外枠2の背面図であり、図12は、図10のB−B断面図(A)と図12(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。また、図13は本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図であり、図14は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。更に、図15は軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図であり、図16はロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9において、本実施形態に係る外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13とを、夫々の端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方に夫々形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図9の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図69を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図12(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図11に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図12(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図8に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図12(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図8及び図12(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図9に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12とカバー補強金具14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13とカバー補強金具14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図121を参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定されるカバー補強金具14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、カバー補強金具14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45とカバー補強金具14の一側上面に沿って取付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図71を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図72を参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、装飾カバー板15を介してカバー補強金具14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取付けたときに、図10及び図11に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取付けることができる。また、下支持金具66を取付けたときにも、カバー補強金具14の上面と下支持金具66の上面とが略同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具45の裏面には、図14に示すようにロック部材80が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図14(A)に示すように、上支持金具45の支持突出片46は、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片46の外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁46aが形成される。この垂下壁46aにより、上支持金具45の支持突出片46の強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材80が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材80の弾性片80cの先端当接部が当接する部位として利用したりロック部材80が支持突出片46から外側に飛び出さないように停止部として利用している。また、支持突出片46に形成される支持鉤穴47は、垂下壁46aが形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴47の傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン504の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。
また、上記した垂下壁46aは、支持鉤穴47の前方の入口端部から支持突出片46及び上支持金具45の外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴47の前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部47aとなっている。また、支持突出片46の略中央に取付穴46bが穿設され、取付穴46bにロック部材80がリベット81によって回転自在に軸支されている。ロック部材80は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部80aと操作部80bとがL字状に形成され、また操作部80bと反対側に円弧状の弾性片80cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部80aと操作部80bとがなすL字状の基部にリベット81が挿通される取付穴80dが形成されている。しかして、ロック部材80がリベット81によって取付穴46bに取付けられて支持突出片46の裏面に回転自在に固定した状態においては、図14(B)に示すように、弾性片80cの先端当接部が垂下壁46aの内側面と当接しており、ストッパー部80aが支持鉤穴47の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部80aの先端部分は、支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴47の先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部80aの先端側方が入口端部の停止垂下部47aに対向している状態(この状態ではストッパー部80aの先端側方と停止垂下部47aとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン504とストッパー部80aの先端面80eとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン504が支持鉤穴47の先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン504からストッパー部80aの先端面80eへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材80の弾性片80cに対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図15(A)に示すように、ストッパー部80aの先端面80eが操作部80bを操作して回動したときにロック部材80がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面80eの円弧中心は、リベット81の中心(ロック部材80の回転中心)である。
このため、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80eに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80eとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80eの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)を向くため、ロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン504がロック部材80のストッパー部80aの先端部と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン504の作用力がロック部材80にかかった状態でも、ロック部材80の弾性片80cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部80aの先端部の一側方が停止垂下部47aに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることはない。
また、図15(A)に示す実施形態においては、ストッパー部80aの円弧状先端面80eの円弧中心がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)であることにより、軸支ピン504に対し支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材80に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図15(B)に示すように、ストッパー部80aの円弧状先端面80fの曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材80のリベット81による軸支位置を支持突出片46の内側にした場合に、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80fに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80fとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80fの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材80を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないし、ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることもない。
つまり、図15(A)及び図15(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部80aの先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記のように構成されるロック部材80の作用について図16を参照して説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板506(図71を参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具66の支持突起68が挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504をロック部材80のストッパー部80aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材80が弾性片80cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン504を支持鉤穴47に挿入することができる。そして、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン504とストッパー部80aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材80が弾性片80cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材80のストッパー部80aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴47の入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部80aの先端部分が軸支ピン504と対向して軸支ピン504が支持鉤穴47から抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片46の裏面に差し入れてロック部材80の操作部80bを反時計方向に回動することにより、ロック部材80が弾性片80cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部80aの先端部分が支持鉤穴47から退避した状態となるため、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板506に形成される支持穴と下支持金具66の支持突起68との係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取り外すことができる。
上記したように、第二実施形態に係る外枠2の上支持金具45に設けられるロック部材80は、ストッパー部80aと操作部80bと弾性片80cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具45の裏面に極めて簡単に取付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができると共に、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図22を参照して説明する。図17は、扉枠の正面図であり、図18は、扉枠の背面図である。また、図19は、扉枠を右前方から見た斜視図であり、図20は、扉枠を左前方から見た斜視図である。図21は、扉枠の正面から見た分解斜視図であり、図22は、扉枠の背面から見た分解斜視図である。
図17、図18、図21及び図22に示すように、扉枠5は、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状が縦長の多角形状とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部に取付けられる横長のトップランプ電飾ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット450と、ガラスユニット450の後側下部を被覆するように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる防犯カバー470とを備えている。この扉枠5における扉枠ベースユニット100には、詳細な説明は後述するが、遊技窓101の左右両側にサイドスピーカ電飾ユニット120を備えており、このサイドスピーカ電飾ユニット120、トップランプ電飾ユニット200、及び皿ユニット300によって、遊技窓101の外周が囲まれた形態となっている。また、扉枠5には、皿ユニット300の正面視左側(開放側)に遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400が備えられている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図23乃至図31を参照して説明する。図23(A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。図24は、扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図26は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図27は、図26を後ろから見た分解斜視図である。図28は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図29は、図28を後ろから見た分解斜視図である。更に、図30は、扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。また、図31(A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。
図示するように、扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長で多角形状に形成された遊技窓101を有した扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左右両側に固定されるサイドスピーカ電飾ユニット120と、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強板金140と、補強板金140の後側に固定される横長の装着台160と、装着台160に固定され皿ユニット300から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ送る球送りユニット170と、扉枠ベース本体110の後側で補強板金140及び装着台160を介して固定される球送りユニット170の略下側に配置され、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の回転操作を打球発射装置650へ伝達させるジョイントユニット180とを主に備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左下側に固定される左下装飾基板190と、扉枠ベース本体110における皿ユニット300の球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112を閉鎖する球抜き経路カバー191と、扉枠ベース本体110の後側で遊技窓101よりも下側に固定される扉装飾駆動基板192と、扉装飾駆動基板192を後方から覆う扉装飾駆動基板カバー193と、扉枠ベース本体110の後側でジョイントユニット180の直上に固定されるハンドル中継端子板194と、遊技窓101の下側で扉枠ベース本体110の後側に形成され左下装飾基板190やハンドル中継端子板194からの配線等を収容可能な配線収容溝110bを後側から閉鎖する配線カバー195と、遊技窓101の左右上部に夫々配置され扉枠ベース本体110の後側に回動可能に軸支される止めレバー196とを備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強板金140が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、トップランプ電飾ユニット200や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
また、扉枠ベースユニット100における左下装飾基板190は、その前面に複数のLED190aが実装されており、後述する皿ユニット300の左端部を発光装飾させることができるようになっている。一方、扉装飾駆動基板192は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(各基板等に実装されたLEDやランプ、スピーカ121,391、ハンドル装置400の操作ハンドル部410内に設けられるスイッチ、貸球ユニット301、操作ボタンユニット370等)からの配線が集約して接続され、その扉装飾駆動基板192からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板4100(図189を参照)に接続されている。
[1−2A−1.扉枠ベース本体]
まず、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図24及び図25等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で多角形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強板金140の上側補強板金141、軸支側補強板金142、及び開放側補強板金143の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域を容易に形成することができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110における遊技窓101よりも下方には、軸支側(正面視で左側)の上部に皿ユニット300の賞球連絡樋343が貫通する賞球通過口111と、賞球通過口111の下方で皿ユニット300における球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112と、開放側(正面視で右側)の上部に球送りユニット170を装着するための球送り開口113と、球送り開口113のさらに開放側寄りに後述するシリンダ錠1010が挿通する錠穴114と、球送り開口113の下側でハンドル装置400のカム416が挿通可能なカム挿入開口115とが、扉枠ベース本体110を貫通するように夫々形成されている。
更に、扉枠ベース本体110には、遊技窓101の下端の左右両側に詳細は後述するが防犯カバー470の装着弾性片473を装着するための装着開口部116と、装着開口部116の夫々左右外側に配置され後述するサイドスピーカ電飾ユニット120における左右下側のサイドスピーカ121の後端を逃がすためのスピーカ用開口117とが、貫通するように夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110の後側には、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット450の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の下側で下側補強板金144の前面と略対応する位置に前側へ凹んで形成され配線を収容可能な配線収容溝110bと、カム挿入開口115が開口し前側へ向かって凹みジョイントユニット180を取付けるためのジョイントユニット装着凹部110cとを備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110d,110eが形成されており、これら扉枠突片110d,110eが、後述する本体枠3の係合溝584,585内に挿入されることで、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止されるようになっている。なお、扉枠突片110dの後方への突出量は、扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、図示するように、その前面上部に、トップランプ電飾ユニット200を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110hが備えられていると共に、その後面に、止めレバー196を回転可能に軸支するための止めレバー取付部110iが備えられている。また、その他に、扉枠ベース本体110には、サイドスピーカ電飾ユニット120、補強板金140、装着台160、皿ユニット300等を固定するための取付ボスや、取付穴が適宜位置に多数形成されている。
[1−2A−2.サイドスピーカ電飾ユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120は、扉枠5の前面で遊技窓101の左右両側を電飾(発光装飾)すると共に、遊技窓101の四隅に配置された四つのサイドスピーカ121によって所定の音楽や効果音等を遊技者に対して発することができるものであり、遊技窓の101の軸支側(正面視で左側)に配置される左サイドスピーカ電飾ユニット120Lと、遊技窓101の開放側(正面視で右側)に配置される右サイドスピーカ電飾ユニット120Rとを備えている。このサイドスピーカ電飾ユニット120は、左右のユニット夫々に、縦長の電飾部122と、電飾部122の上下に夫々配置されサイドスピーカ121を有する音響部130とを備え、略左右が対称の構成となっている。
詳述すると、サイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、図26乃至図29に分解して示すように、縦長の半円柱状で透明なサイド電飾レンズ123と、サイド電飾レンズ123の後側に配置されサイド電飾レンズ123と共に円柱を構成する透明なサイド電飾リフレクタ124と、サイド電飾リフレクタ124の後側に配置されるサイド電飾ベース125と、サイド電飾ベース125の後側に固定されるサイド装飾基板126と、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124の上端及び下端を夫々前側から包み込むように形成されサイド電飾ベース125に取付けられることでサイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124を支持するサイド電飾フラッシュカバー127と、サイド電飾フラッシュカバー127のフラッシュ開口127aを後側から閉鎖する透光性を有したフラッシュレンズ128と、フラッシュレンズ128の後側に配置されサイド電飾ベース125の前面に支持されるフラッシュ基板129とを備えている。
このサイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、サイド電飾基板126の前面に、上下方向に所定間隔で様々な色に発光可能な複数のカラーLED126aと、複数のLED126aの上下に高輝度の白色LED126bとが夫々実装されている。また、サイド電飾リフレクタ124及びサイド電飾ベース125におけるサイド電飾基板126のLED126a,126bと対応する位置には、夫々前後方向に貫通する開口部124a,125aが形成されており、サイド装飾基板126に実装されたLED126a,126bからの光が、サイド電飾ベース125の開口部125a、及びサイド電飾リフレクタ124の開口部124aを通して前方へ照射することができるようになっている。
また、電飾部122では、サイド電飾レンズ123とサイド電飾リフレクタ124の透明な円柱内の内側に、サイド電飾レンズ123の内周全体とサイド電飾リフレクタ124の内周の一部にかかるように断面略U字状のサイドレンズシート123aが配置されている。このサイドレンズシート123aは、透過光や反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートにより形成されおり、遊技者側から見ると、このサイドレンズシート123aによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124により形成された透明な円柱(パイプ)内に、あたかも蛍光管(蛍光管)が配置されたような外観を呈することができるようになっている。
更に、電飾部122では、サイド電飾リフレクタ124に、サイド装飾基板126の複数のLED126aと対応して形成された複数の開口部124aを、上下方向に三つのグループに分割する分割壁124bを備えており、この分割壁124bによって所定のLED126aからの光が他のグループへ進入するのを抑制するようにしている。つまり、分割壁124bによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管を上中下の三つに明確に分割することができるようになっている。従って、サイド装飾基板126に実装された複数のLED126aを適宜発光させることで、蛍光管を全体的あるいは部分的に発光させたり、上中下の各部分毎に様々な色に発光させたりすることができるようになっている。
また、サイド電飾リフレクタ124には、サイド装飾基板126における上下のLED126bと対応した位置に、前側から凹んだレンズ凹部124cが形成されており、このレンズ凹部124cに前側から半円形状のサブレンズ122a(図28及び図29を参照)が挿入されるようになっている。本例の電飾部122は、このサブレンズ122a及びLED126bにより、LED126aを発光させる前に、LED126bのみを強く発光させることで、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管をあたかも本物の蛍光灯のように、両端のみが光ってから点灯するような発光演出をすることができるようになっている。
更に、電飾部122は、サイド電飾フラッシュカバー127の後側に支持されるフラッシュ基板129の前面に強い光を発光可能なフラッシュライト129a(例えば、超高輝度白色LED等)が取付けられており、このフラッシュライト129aを発光させることで、閃光(フラッシュ)を遊技者側へ照射させることができるようになっている。
サイドスピーカ電飾ユニット120の音響部130は、最前部に配置され略円形のスピーカ開口131aを有したスピーカ飾り131と、スピーカ飾り131のスピーカ開口131aを後側から閉鎖するパンチングメタルからなる略円盤状のスピーカカバー132と、スピーカカバー132の後側に配置されスピーカ飾り131と協働してスピーカカバーを狭持し円形のスピーカ前支持口133aを有した飾りスペーサ133と、飾りスペーサ133のスピーカ前支持口133aを後側から閉鎖するように配置されるサイドスピーカ121と、サイドスピーカ121の外周に後側から嵌合するスピーカ嵌合口134aを有した裏押え部材134とを主に備えている。
この音響部130は、図示するように、スピーカ飾り131や飾りスペーサ133、及び裏押え部材134の形状が、取付けられる位置に応じて異なる形状とされている。具体的には、図26及び図27に示すように、正面視で左上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成された上で左側から外方へ延び出す装飾部131bを有し、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状とされると共に、裏押え部材134にはスピーカ飾り131の装飾部131bと組になる裏押え装飾部134bが形成されている。なお、左上の音響部130には、裏押え部材134の裏押え装飾部134bの上部に配置され補強板金140における上軸支部146の軸ピン145よりも下側を覆うヒンジカバー135を更に備えている。また、正面視で左下の音響部130では、スピーカ飾り131が装飾部131bを有した板状に形成されると共に、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の装飾部131bと組になるスペーサ装飾部133bを有した板状に形成され、裏押え部材134がリング状に形成されている。
一方、図28及び図29に示すように、正面視で右上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成されると共に、飾りスペーサ133と裏押え部材134とがスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状に形成されている。また、正面視で右下の音響部130では、スピーカ飾り131が円環状に形成された上で、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の後面と当接するスペーサ装飾部133bを有した平板状に形成されると共に、裏押え部材134がリング状に形成されている。なお、右下の音響部130では、裏押え部材134の更に後側に、裏押え部材134を前側から挿通固定可能な貫通する裏押え部材固定口136aを有した飾りベース136を更に備えている。
本例のサイドスピーカ電飾ユニット120における四つのサイドスピーカ121は、図示するように、遊技窓101の上下左右の四隅に配置されており、蓋然的に、遊技する遊技者の頭部に対しても上下左右の位置に配置されるようになっているので、各サイドスピーカ121に対して独立した音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。なお、本例のサイドスピーカ121は、主に中音域から高音域を担当し、下部スピーカ391は、低音域を担当するものとなっている。
[1−2A−3.補強板金]
次に、扉枠ベースユニット100における補強板金140は、主に図24及び図25に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金141と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金142と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金143と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金144と、が相互にビス等で締着されて方形状に形成されている。
この補強板金140は、図24に示すように、軸支側補強板金142の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン145を有する上軸支部146と、その下面に軸ピン147(図18を参照)を有する下軸支部148と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン145,147が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
また、補強板金140の下側補強板金144は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片149となっており(図25を参照)、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片150となっているものの、その両側部の上折曲突片150に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片151となっている。下折曲突片149の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片149が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片150の突出量は下折曲突片149の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金144の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片151である。
この垂直折曲突片151は、その上端縁形状が後述するガラスユニット450のユニット枠451の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット450を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片151の上端片がガラスユニット450のユニット枠451における幅方向(前後方向)の略中央の外周に沿って形成される係合溝451cに係合するようになっている。なお、下側補強板金144には、扉枠ベース本体110に形成された賞球通過口111の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部152が形成されている。
また、補強板金140の開放側補強板金143には、上側補強板金141と下側補強板金144との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々形成されており、開放側外折曲突片153よりも開放側内折曲突片154の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、上側補強板金141には、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片155,156が夫々形成されている。更に、軸支側補強板金142には、その長辺の外側端に後方へ延び出した軸支側L字状折曲突片157が形成されている。また、開放側補強板金143の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー158が取付けられている。
[1−2A−4.装着台・球送りユニット]
次に、扉枠ベースユニット100における装着台160及び球送りユニット170について説明する。まず、装着台160は、図18、図24、及び図25に示すように、扉枠ベースユニット100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられ、防犯カバー470と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されている。この装着台160は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台160の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されており、装着台160の後面に球飛送誘導面161が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台160には、その軸支側上部に下側補強板金144に形成される賞球通過口被覆部152の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口162が形成されており、その開放側下部に球送りユニット170を取付ける球送りユニット取付凹部163が形成されている。この球送りユニット取付凹部163から斜め方向の領域が球飛送誘導面161となっている。
また、装着台160の中程下部には、後述する球抜き経路カバー191、扉装飾駆動基板192及び扉装飾駆動基板カバー193を取り外す際に指を入れることができる蓋用切欠き164が形成されていると共に、装着台160の上辺の一部には、垂直に立設される立壁165が形成されている。この立壁165は、図18に示すように、防犯カバー470を取付けたときに、防犯カバー470の前面と当接して防犯カバー470の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、この装着台160には、上述した球飛送誘導面161の下方から賞球通過口用開口162にかけて斜め状に後方へ向かって突設された防犯突片166を備えている。この防犯突片166は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
一方、球送りユニット170は、図30に示すように、球送りユニット取付凹部163に固定される箱状の本体部171と、本体部171の支持軸171aに回動可能に軸支された球送り部材172と、球送り部材172の球受部を上方へ回動させると共に回転可能に球送り部材172に軸支された錘173とを備えている。この球送りユニット170は、球送り部材172が後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動することで、皿ユニット300の第三傾斜面311cの流下端にある球を、本体部171に形成された打球供給口171bを通して発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。
なお、図中の符号174は、Eリングであり、本体部171の支持軸171aから球送り部材172が抜けるのを防止したり、球送り部材172から錘173が抜けるのを防止したりするものである。
[1−2A−5.ジョイントユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるジョイントユニット180について説明する。ジョイントユニット180は、図31に示すように、扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cの内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体182と、スライド体182が収納された状態でジョイントユニット装着凹部110cの前面を被覆するカバー体184とから構成されている。
扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cは、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口115が開設されている。また、ジョイントユニット装着凹部110cの一つの略対角線状に位置する隅部には、ジョイントユニット180のカバー体184を固定するための一対の取付穴110fが形成されている。更に、ジョイントユニット装着凹部110cの内側面の上辺及び底辺には、スライド体182の上下辺の外側面と当接してスライド体182がスムーズに移動できるようにするための円弧状の当接凸部110g(図31(B)では下辺の当接凸部110gだけを図示し、上辺の当接凸部110gは図示省略されている。)が突設されている。
一方、ジョイントユニット180のスライド体182は、ジョイントユニット装着凹部110cとカバー体184とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるように、ジョイントユニット装着凹部110cよりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面壁には、後方へ所定量突出し略水平方向に並んで配置された二つの案内突起182aと、背面視で右側の案内突起182aの下側に配置され後方へ突出する板状のスライド突片183と、二つの案内突起182aの間でスライド突片183よりも背面視で左側に後述するハンドル装置400の配線通し筒部428が貫通するように穿設された矩形状の筒部材貫通開口182bとを備えている。このスライド体182のスライド突片183は、スライド時の進行方向(背面視で右方向)が斜めにカットされた傾斜辺183aとなっている。また、スライド体182の前面壁には、ハンドル装置400における回転軸415の先端部に固定されるカム416が収納されるカム係合凹部182cがリブによってコ字形状に形成されている。そして、カム係合凹部182cを形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部182c内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム416と当接するカム当接部182dとなっている。
また、ジョイントユニット180のカバー体184は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体182の前面に突設される円筒ボス状の案内突起182aが挿入されてスライド体182の移動を案内する横長穴状の2つの案内横穴194aと、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183が挿通される挿通横穴184bと、操作ハンドル部410の後握り部材413の後端に取付けられてカム挿入開口115から挿入される配線通し筒部428の後端部が臨む配線開口184cと、ジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fと対応する位置から外方へ突出するように形成された取付穴184dとを備えている。この取付穴184dを介してジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fへ所定のビス(図示しない)を止着することで、カバー体184をジョイントユニット装着凹部110cに取付けることができるようになっている。
ジョイントユニット180のスライド体182とカバー体184とをジョイントユニット装着凹部110cに組み付けるには、ジョイントユニット装着凹部110cにスライド体182を収納し、その状態でカバー体184を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起182aが案内横穴194aに、スライド突片183が挿通横穴184bに、夫々挿通するようにする。そして、被覆した後には、取付穴184dを介して取付穴110fにビスで螺着することにより、スライド体182を内部に収納した状態となってジョイントユニット180の組み付けが終了する。
[1−2B.トップランプ電飾ユニット]
次に、扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200について、主に図32乃至図39を参照して説明する。図32(A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図であり、図33はトップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。図34(A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。また、図35はトップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図であり、図36は図35を後から示す分解斜視図である。更に、図37はトップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図であり、図38はトップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図であり、また、図39はトップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200は、図33にも示すように、左右方向に並んだ三つの回転灯244,264,284(所謂、パトライト(登録商標))を備えており、それら回転灯244,264,284の大きさは正面視で左側から順に大きなものが配置されている。このトップランプ電飾ユニット200は、横長で箱状のトップランプベース210と、トップランプベース210の前面に固定されると共にトップランプベース210を挟んで扉枠べースユニット100の前面上部に固定されるトップランプリフレクタユニット220と、トップランプリフレクタユニット220の前面に取付けられる左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280と、左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280の前面を夫々覆いトップランプリフレクタユニット220に取付けられる回転灯カバー201,202,203と、トップランプリフレクタユニットの略中央下面を覆うリフレクタインナ204と、を主に備えている(図34を参照)。
また、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプベース210の前側右に固定されるトップランプ電源基板205と、トップランプベース210の後側に固定される二つのトップランプ装飾駆動基板206とを更に備えている。このトップランプ電源基板205は、トップランプ電飾ユニット200内の各基板224,226,231やLED244a,266a,231a、各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285や各基板248,268,288,296のLED、後述するガラスユニット450のLED453a等へ電源基板1136(後述する)からの電源を中継して供給するためのものである。また、トップランプ装飾駆動基板206は、トップランプリフレクタユニット220内のLEDや、中央回転灯ユニット280内のLED、及び各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285等の発光や駆動を、後述する周辺基板4010(周辺制御基板4140)からの制御信号に基づいて駆動させるためのものである。
[1−2B−1.トップランプベース]
次に、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプベース210は、図35及び図36に示すように、上面及び左右側面が扉枠ベースユニット100の上辺及び左右側辺と略沿った形状とされると共に、下面が扉枠ベースユニット100の遊技窓101と略沿った形状とされ、横長で前後方向の中間で仕切られたような箱状に形成されている。このトップランプベース210は、その外周沿った位置に、後側から扉枠ベース本体110の取付ボス110hが挿通されると共に、前側からトップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する取付ボス221iの後端が嵌合して夫々を位置決めし、所定のビスが挿通可能な挿通孔を有した略筒状の取付ボス部211を複数備えている。この取付ボス部211に対して、後方から扉枠ベースユニット100の取付ボス110hの先端を挿入すると共に、前方からトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iの後端を挿入し、扉枠ベースユニット100の後側から所定のビスをトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iへ止着することで、トップランプベース210(トップランプ電飾ユニット200)が扉枠ベースユニット100に取付固定されるようになっている。
また、トップランプベース210には、トップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する固定ボス221jの後端が嵌合し所定のビスが通過可能な挿通孔を有した複数の固定ボス部212が備えられている。この固定ボス部212を介して後側からトップランプリフレクタユニット220の固定ボス221jへ所定のビスを止着することで、トップランプベース210とトップランプリフレクタユニット220とを互いに組付けることができるようになっている。
更に、トップランプベース210には、正面視で右側端部付近に、トップランプ電源基板205の接続コネクタ205aが挿通可能なコネクタ開口部213を備えており、このコネクタ開口部213を介してコネクタ205aがトップランプベース210の後側から臨むようになっている。また、トップランプベース210の後側の左右には、夫々基板取付部214が備えられており、この基板取付部214にトップランプ装飾駆動基板206が取付けられるようになっている。
[1−2B−2.トップランプリフレクタユニット]
続いて、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプリフレクタユニット220について説明する。本実施形態のトップランプリフレクタユニット220は、図35及び図36にも示すように、トップランプベース210を前方から被覆可能とされ後側が開放された箱状のリフレクタベース221を備えている。このリフレクタベース221は、前面に三つの回転灯244,264,284が並んで取付けられる、中央の回転灯284と左右の回転灯244,264との間が、前方へ大きく突出する筒状の円筒部221aと、円筒部221aから下方へ垂下すると共に下方へ向かうに従って後方へ傾斜する傾斜部221bとによって仕切られている。このリフレクタベース221は、円筒部221aには略円形の開口部が形成されていると共に、傾斜部221bには上下方向に三つ並んだ矩形状の開口部が形成されている(図33を参照)。また、リフレクタベース210には、左右両端に前方へ突出する縦長の膨出部221eを備えており、この膨出部221eの前面に縦長に開口する矩形状のスリット221fが形成されている。このリフレクタベース211は、図示するように、二つの円筒部221a及び傾斜部221bと、二つの膨出部221eによって、三つの回転灯244,264,284の取付位置が後方へ凹んだような形状となっている。
また、リフレクタベース221は、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間(中央の回転灯284が配置される位置)が、後方へ凹んだ緩やかな湾曲面形状とされていると共に、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間に、左右方向略中央を挟んだ左右に正面視で略台形状に貫通するレンズ開口部221gが形成されている。更に、リフレクタベース221には、各回転灯244,264,284を備えた各回転灯ユニット240,260,280の回転灯ユニットベース241,261,281の前端が後側から通過可能な回転灯取付口221hが形成されている。また、リフレクタベース221には、トップランプベース210の取付ボス部211と嵌合する後方へ突出した複数の取付ボス221iと、トップランプベース210の固定ボス部212と嵌合し後方へ突出した複数の固定ボス221jとを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、リフレクタベース221には、トップランプベース210を介さずに、扉枠ベースユニット100へ直接取付けられる取付ボス221kも備えられている。
ところで、トップランプリフレクタユニット220は、リフレクタベース221の他に、リフレクタベース221の後側で左右方向略中央に固定される一対のトップインナレンズ222と、トップインナレンズ222の後側でリフレクタベース221のレンズ開口部221gと対応した位置に配置される一対のレンズシート223と、レンズシート223の後側に配置され前面に複数のカラーLED224aが実装された一対のリフレクタ装飾基板224と、リフレクタベース210における円筒部221a内に後側から挿入され開口部221cを閉鎖する透明な丸レンズ225と、丸レンズ225及びトップインナレンズ222を挟んでリフレクタベース210の円筒部221a及び傾斜部221bの後側に配置され前面にLED226aが実装された一対の仕切装飾基板226とを備えている。
このトップインナレンズ222は、透明な樹脂により形成されており、リフレクタベース221のレンズ開口部221gを閉鎖する略台形で湾曲面状の湾曲レンズ部222aと、リフレクタベース221における傾斜部221bの三つの開口部221dを閉鎖する仕切レンズ部222bと、丸レンズ225の後端と当接する丸レンズ支持部222cとを備えている。なお、湾曲レンズ部222aの上下辺には鋸状の拡散レンズ部222dが形成されており、湾曲レンズ部222aとは異なる態様で発光することができると共に、発光していない時でも前側からの光を乱反射させることができるようになっている。
また、トップインナレンズ222には、拡散レンズ部222dの後側から後方へ板状に突出する突出片222eと、上下の突出片に挟まれ湾曲レンズ部222aの後側にレンズシート223を支持する支持凹部222fとが形成されている。なお、図示するように、リフレクタ装飾基板224では複数のLED224aが、トップインナレンズ222の突出片222eと対応した位置に列設されていると共に、トップインナレンズ222の湾曲面レンズ部222aと対応した位置にも分散配置されている。これにより、トップインナレンズ222の湾曲レンズ部222aと拡散レンズ部222dとでは、夫々異なる態様で発光させることができるようになっている。
なお、レンズシート223は、リフレクタ装飾基板224に実装されたLED224aからの透過光や、他の光源等からの反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートとされている。また、仕切装飾基板226に実装されたLED226aは、超高輝度LEDとされており、強い閃光を発することができるようになっている。
更に、トップランプリフレクタユニット220には、リフレクタベース221の左右の膨出部221eに形成された縦長のスリット221fを閉鎖するトップサイドレンズ227と、トップサイドレンズ227の上端を前側から固定するトップサイドレンズ押え228と、トップサイドレンズ227及びリフレクタベース221の後側に配置されるレンズシート229と、リフレクタベース221の後側に固定されることでレンズシート229を狭持するトップサイド基板ベース230と、トップサイド基板ベース230に固定されレンズシート229を介して前方のトップサイドレンズ227へ光を照射可能なカラーLED231aが前面に実装されたトップサイド基板231とを更に備えている。
このトップサイドレンズ221は、透明な樹脂により平面視でく字状に形成されると共に、上下の端部に夫々係止片227a,227bが形成されており、下端の係止片227bをリフレクタベース221におけるスリット221fの下端と係止させた上で、上端の係止片227aをトップサイドレンズ押え228により押えることで、リフレクタベース221に取付けられるようになっている。また、トップサイドレンズ221の後側に配されるレンズシート229は、上記のレンズシート223と同様の光学シートで形成されていると共に、図示するように、湾曲状に形成されており、リフレクタベース221に取付けられることで、トップサイドレンズ227の後側に、あたかも円柱状の蛍光管が配置されているような外観を呈することができるようになっている。
また、トップサイド基板ベース230は、図示するように、縦長の矩形枠状に形成され、その枠内を通して後側に固定されるトップサイド基板231のLED231aからの光が、レンズシート229及びトップサイドレンズ227を介して前面へ光を照射することができるようになっている。
[1−2B−3.回転灯ユニット]
次に、トップランプ電飾ユニット200における三つの回転灯ユニット240,260,280について説明する。まず、左回転灯ユニット240は、図37に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口241aを有し、その開口241aがリフレクタベース221の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース241と、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース241の上面に固定される略円環状の回転部ベース242と、回転部ベース242と同軸上に配置され回転部ベース242の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア243と、回転灯ベースギア243から垂下するようにその下面に固定される回転灯244と、回転灯ベースギア243の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸245aが回転灯ユニットベース241の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース241の下面に固定される左回転灯モータ245と、左回転灯モータ245の回転軸245aに固定され回転灯ベースギア243と噛合する伝達ギア246と、回転灯ベースギア243の全体及び伝達ギア246の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア243を回転部ベース242と協働して軸支し、回転灯ユニットベース241に固定される回転部ホルダ247と、回転灯ベースギア243と同軸上で回転部ホルダ247の下面に固定され、下方の回転灯244へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した左回転灯基板248と、を備えている。
また、左回転灯ユニット240は、回転部ホルダ247を上方から覆う回転灯ユニットカバー249と、回転灯244の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250と、左回転位置検出センサ250が実装された左回転位置検出基板251と、を更に備えている。
この左回転灯ユニット240の回転灯ユニットベース241は、その上面に開口241aの内周に略沿って形成された取付段部241bと、開口241aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部241cと、開口241aの後側に配置され左回転灯モータ245を固定するモータ固定部241dとを備えており、この取付段部241b内に上方から回転部ベース242が嵌合するようになっている。また、回転部ベース242には、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上で小径の軸支口242aと、回転灯ベースギア243の外周よりも外側となる上面の所定位置に左回転位置検出基板251の下端を支持する基板支持部242bと、基板支持部242bよりも後方に配置され左回転灯基板248及び左回転位置検出基板251に接続される配線を係止する配線係止部242cとを備えている。
また、回転灯ベースギア243は、外径が回転部ベース242の軸支口242aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース242の軸支口242a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴243aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片243bとを備えている。この回転灯ベースギア243の軸筒の外径は、回転部ベース242の軸支口242aの内径よりも若干小径とされており、軸支口242a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア243が軸支口242aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、左回転灯ユニット240では、回転灯ベースギア243の回転位置検出片243bを、左回転位置検出センサ250で検出することで、回転灯244の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ247は、図示は省略するが、回転部ベース242の軸支口242aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア243の軸支穴243a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア243の軸支穴243aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア243の軸支穴243aへ挿入することで、回転灯ベースギア243をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の左回転灯ユニット240では、回転部ベース242の軸支口242a、回転灯ベースギア243のギア軸筒及び軸支穴243a、回転部ホルダ247のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア243が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ247のホルダ軸筒の下端に、左回転灯基板248が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ247には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース242の基板支持部242bと対応する位置に、左回転位置検出基板251の上端を支持する基板支持部が形成されており、左回転位置検出基板251が回転部ベース242と回転部ホルダ247とで狭持固定されるようになっている。
また、左回転灯ユニット240の回転灯244は、図示するように、回転灯ベースギア243の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ252と、回転灯レンズ252の下側に配置され回転灯ベースギア243の下面に固定されるリフレクタ253と、リフレクタ253を覆うリフレクタカバー254とで構成されている。この回転灯244のリフレクタ253は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部253aと、ベース部253aの中央に穿設された開口部253bと、ベース部253aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部253cと、ベース部253aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア243と当接可能な複数の取付ボス253dと、を備えている。
この回転灯244は、リフレクタ253の開口部253bから回転灯レンズ252の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ252にはリフレクタ253の取付ボス253dを挿通可能な挿通孔252aが形成されており、挿通孔252aに取付ボス253dを挿通させた上で、取付ボス253dを回転灯ベースギア243へ固定することで、回転灯レンズ252が回転灯ベースギア243とリフレクタ253との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯244のリフレクタカバー254は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ253における反射部253cの内面側と対向する側面に開口部254aが形成されている。
続いて、右回転灯ユニット260は、図38に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口261aを有し、その開口261aがリフレクタベース221の左側の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース261と、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース261の上面に固定される略円環状の回転部ベース262と、回転部ベース262と同軸上に配置され回転部ベース262の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア263と、回転灯ベースギア263から垂下するようにその下面に固定される回転灯264と、回転灯ベースギア263の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸265aが回転灯ユニットベース261の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース261の下面に固定される右回転灯モータ265と、右回転灯モータ265の回転軸265aに固定され回転灯ベースギア263と噛合する伝達ギア266と、回転灯ベースギア263の全体及び伝達ギア266の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア263を回転部ベース262と協働して軸支し、回転灯ユニットベース261に固定される回転部ホルダ267と、回転灯ベースギア263と同軸上で回転部ホルダ267の下面に固定され、下方の回転灯264へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した右回転灯基板268と、を備えている。
また、右回転灯ユニット260は、回転部ホルダ267を上方から覆う回転灯ユニットカバー269と、回転灯264の回転位置を検出する右回転位置検出センサ270と、右回転位置検出センサ270が実装された右回転位置検出基板271と、を更に備えている。
この右回転灯ユニット260の回転灯ユニットベース261は、その上面に開口261aの内周に略沿って形成された取付段部261bと、開口261aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部261cと、開口261aの後側に配置され右回転灯モータ265を固定するモータ固定部261dとを備えており、この取付段部261b内に上方から回転部ベース262が嵌合するようになっている。また、回転部ベース262には、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上で小径の軸支口262aと、回転灯ベースギア263の外周よりも外側となる上面の所定位置に右回転位置検出基板271の下端を支持する基板支持部262bと、基板支持部262bよりも後方に配置され右回転灯基板268及び右回転位置検出基板271に接続される配線を係止する配線係止部262cとを備えている。
また、回転灯ベースギア263は、外径が回転部ベース262の軸支口262aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース262の軸支口262a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴263aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片263bとを備えている。この回転灯ベースギア263の軸筒の外径は、回転部ベース262の軸支口262aの内径よりも若干小径とされており、軸支口262a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア263が軸支口262aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、右回転灯ユニット260では、回転灯ベースギア263の回転位置検出片263bを、右回転位置検出センサ270で検出することで、回転灯264の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ267は、図示は省略するが、回転部ベース262の軸支口262aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア263の軸支穴263a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア263の軸支穴263aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア263の軸支穴263aへ挿入することで、回転灯ベースギア263をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の右回転灯ユニット260では、回転部ベース262の軸支口262a、回転灯ベースギア263のギア軸筒及び軸支穴263a、回転部ホルダ267のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア263が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ267のホルダ軸筒の下端に、右回転灯基板268が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ267には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース262の基板支持部262bと対応する位置に、右回転位置検出基板271の上端を支持する基板支持部が形成されており、右回転位置検出基板271が回転部ベース262と回転部ホルダ267とで狭持固定されるようになっている。
また、右回転灯ユニット260の回転灯264は、図示するように、左回転灯ユニット240の回転灯244よりも全体的に大きく、回転灯ベースギア263の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ272と、回転灯レンズ272の下側に配置され回転灯ベースギア263の下面に固定されるリフレクタ273と、リフレクタ273を覆うリフレクタカバー274とで構成されている。この回転灯264のリフレクタ273は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部273aと、ベース部273aの中央に穿設された開口部273bと、ベース部273aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部273cと、ベース部273aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア263と当接可能な複数の取付ボス273dと、を備えている。
この回転灯264は、リフレクタ273の開口部273bから回転灯レンズ272の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ272にはリフレクタ273の取付ボス273dを挿通可能な挿通孔272aが形成されており、挿通孔272aに取付ボス273dを挿通させた上で、取付ボス273dを回転灯ベースギア263へ固定することで、回転灯レンズ272が回転灯ベースギア263とリフレクタ273との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯264のリフレクタカバー274は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ273における反射部273cの内面側と対向する側面に開口部274aが形成されている。
次に、中央回転灯ユニット280は、図39に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口281aを有し、その開口281aがリフレクタベース221の左右方向中央の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース281と、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース281の上面に固定される略円環状の回転部ベース282と、回転部ベース282と同軸上に配置され回転部ベース282の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア283と、回転灯ベースギア283から垂下するようにその下面に固定される回転灯284と、回転灯ベースギア283の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸285aが回転灯ユニットベース281の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース281の下面に固定される中央回転灯モータ285と、中央回転灯モータ285の回転軸285aに固定され回転灯ベースギア283と噛合する伝達ギア286と、回転灯ベースギア283の全体及び伝達ギア286の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア283を回転部ベース282と協働して軸支し、回転灯ユニットベース281に固定される回転部ホルダ287と、回転灯ベースギア283と同軸上で回転部ホルダ287の下面に固定され、下方の回転灯284へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した中央回転灯基板288と、を備えている。
また、中央回転灯ユニット280は、回転部ホルダ287を上方から覆う回転灯ユニットカバー289と、回転灯284の回転位置を検出する中央回転位置検出センサ290と、中央回転位置検出センサ290が実装された中央回転位置検出基板291と、を更に備えている。
この中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットベース281は、その上面に開口281aの内周に略沿って形成された取付段部281bと、開口281aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部281cと、開口281aの後側に配置され中央回転灯モータ285を固定するモータ固定部281dとを備えており、この取付段部281b内に上方から回転部ベース282が嵌合するようになっている。また、回転部ベース282には、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上で小径の軸支口282aと、回転灯ベースギア283の外周よりも外側となる上面の所定位置に中央回転位置検出基板291の下端を支持する基板支持部282bと、基板支持部282bよりも後方に配置され中央回転灯基板288及び中央回転位置検出基板291に接続される配線を係止する配線係止部282cとを備えている。
また、回転灯ベースギア283は、外径が回転部ベース282の軸支口282aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース282の軸支口282a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴283aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片283bとを備えている。この回転灯ベースギア283の軸筒の外径は、回転部ベース282の軸支口282aの内径よりも若干小径とされており、軸支口282a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア283が軸支口282aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、中央回転灯ユニット280では、回転灯ベースギア283の回転位置検出片283bを、中央回転位置検出センサ290で検出することで、回転灯284の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ287は、図示は省略するが、回転部ベース282の軸支口282aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア283の軸支穴283a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア283の軸支穴283aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア283の軸支穴283aへ挿入することで、回転灯ベースギア283をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の中央回転灯ユニット280では、回転部ベース282の軸支口282a、回転灯ベースギア283のギア軸筒及び軸支穴283a、回転部ホルダ287のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア283が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ287のホルダ軸筒の下端に、中央回転灯基板288が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ287には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース282の基板支持部282bと対応する位置に、中央回転位置検出基板291の上端を支持する基板支持部が形成されており、中央回転位置検出基板291が回転部ベース282と回転部ホルダ287とで狭持固定されるようになっている。
また、中央回転体ユニット280の回転灯294は、図示するように、その大きさが左回転灯ユニット240の回転灯244と、右回転灯ユニット260の回転灯264との中間の大きさとされ、回転灯ベースギア283の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ292と、回転灯レンズ292の下側に配置され回転灯ベースギア283の下面に固定されるリフレクタ293と、リフレクタ293を覆うリフレクタカバー294とで構成されている。この回転灯284のリフレクタ293は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部293aと、ベース部293aの中央に穿設された開口部293bと、ベース部293aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部293cと、ベース部293aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア283と当接可能な複数の取付ボス293dと、を備えている。
この回転灯284は、リフレクタ293の開口部293bから回転灯レンズ292の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ292にはリフレクタ293の取付ボス293dを挿通可能な挿通孔292aが形成されており、挿通孔292aに取付ボス293dを挿通させた上で、取付ボス293dを回転灯ベースギア283へ固定することで、回転灯レンズ292が回転灯ベースギア283とリフレクタ293との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯284のリフレクタカバー294は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ293における反射部293cの内面側と対向する側面に開口部294aが形成されている。
ところで、本実施形態の中央回転灯ユニット280は、図示するように、回転部ホルダ287と回転灯ユニットカバー289との間に、回転灯ユニットカバー289の前側の三つの側面に形成された複数の切欠き部289a内へ後側から挿入される複数の突出部295aを有したカバーレンズ295と、カバーレンズ295の後側に配置され表面に複数のカラーLED296aが実装されたカバー装飾基板296とを更に備えている。これらカバーレンズ295及びカバー装飾基板296は、回転部ホルダ287の前端に形成された溝状のレンズ支持部287a及び基板支持部287bに夫々下端が支持されると共に、回転灯ユニットカバー289に形成された図示しない溝状のレンズ支持部及び基板支持部に夫々上端が支持されることで取付けられるようになっている。本例では、カバー装飾基板296のLEDを発光させることで、中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットカバー289の前端を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C.皿ユニット]
次に、扉枠5における皿ユニット300について、主に図40乃至図63を参照して説明する。図40は皿ユニットの正面斜視図であり、図41は皿ユニットの背面斜視図であり、図42は皿ユニットの平面図である。図43は、図42におけるA−A断面図である。図44は皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図であり、図45は皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。また、図46は皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図であり、図47は図46を後ろから示す分解斜視図である。また、図48は皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図であり、図49は図48を後ろから示す分解斜視図である。更に、図50は皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図であり、図51は皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。また、図52は皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図であり、図53は皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図であり、図54は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図であり、図55は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。
また、図56は扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図であり、図57はハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図であり、図58はハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。更に、図59は操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図であり、図60はハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図であり、図61はハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。更に、図62(A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。また、図63は、皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球ユニット800から払出され遊技球を貯留することができると共に、貯留した遊技球を球送りユニット170を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。この皿ユニット300は、図46及び図47にも示すように、上方及び後方が開放され所定量の遊技球を貯留可能な貯留皿311を有した皿体310と、皿体310の前面を覆う皿ユニット本体320と、皿ユニット本体320及び皿体310の後面を覆う板状の皿奥板340と、皿体310の貯留皿311に貯留された遊技球を全て排出可能な第一球抜き機構350と、皿体310の貯留皿に貯留された遊技球の一部残して排出可能な第二球抜き機構360と、パチンコ機1に隣接して設置された図示しない球貸し機(CRユニットとも称す)を作動させる貸球ユニット301と、皿体310の上面に固定され遊技状態(遊技状況)によって遊技者が操作可能な操作ボタンユニット370と、皿体310の下側で皿ユニット本体320と皿奥板340との間に配置され扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大型の下部スピーカ391を有した下部スピーカユニット390と、皿ユニット本体320の正面視右下隅に配置されるハンドルベース303と、ハンドルベース303に支持され遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400とを主に備えている。なお、符号302は、後述する皿ユニット本体320における皿電飾基板336と接続される電気配線を覆う配線カバーである。また、図示するように、皿奥板340の正面視で左側には、皿ユニット本体320の左端を発光装飾させる左下装飾基板190が配置されている。
この皿ユニット300における貸球ユニット301は、図示するように、左右方向の略中央で皿奥板340の上辺に固定されており、貸球ボタン301aと、貸球ボタン301aの横に配置された返却ボタン301bと、貸球ボタン301aと返却ボタン301bとの間に配置され球貸し機に現金やプリペイドカードの残数を表示する貸出残表示器(図示せず)と、を備えている。この貸球ユニット301は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン301aを押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の貯留皿311内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン301bを押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
また、皿ユニット300における操作ボタンユニット370のメインボタン371及び二つのサブボタン372は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置1400等で行われる遊技内容(遊技演出)に遊技者が参加する際に操作するものである。
[1−2C−1.皿体]
まず、皿ユニット300における皿体310は、図示するように、平面視で左端から全体の略2/3を占め上方及び後方に開放された所定深さの貯留皿311と、貯留皿311内の底部の所定位置に配置され上下方向に貫通する第二球抜き口312と、貯留皿312の右端から貯留皿311と連続し第三傾斜面311cの下流側に配置されると共に遊技球が流通可能とされ遊技球を第二球抜き口312の略直下まで誘導可能な第一球抜き経路313(図44及び図47を参照)と、貯留皿311の右側で略菱形状に上方へ開放し操作ボタンユニット370を装着可能な操作ボタンユニット装着凹部314と、操作ボタンユニット装着凹部314の後側で略円形状に開口し第一球抜き機構350の第一球抜きボタン351が装着される第一球抜きボタン装着口315と、第一球抜きボタン装着口315の略直下に配置され第一球抜き機構350を支持する第一球抜き機構支持部316と、を主に備えている。
この皿体310における貯留皿311は、皿奥板340の球流入口341の前面に配置され平面視で右側及び前側へ向かって低くなる第一傾斜面311aと、第一傾斜面311aの右側端部の後部と連続し右側及び後側へ向かって低くなる第二傾斜面311bと、第二傾斜面311bの右側端部と連続し奥皿板340の球供給口342へ向かって低くなる第三傾斜面311cと、第一傾斜面311aの右側端部の前部及び第二傾斜面311bの前側端部と連続し右側及び第二傾斜面311bへ向かって低くなる第四傾斜面311dと、第四傾斜面311dの右側端部と連続し第四傾斜面311dへ向かって低くなる第五傾斜面311eと、を備えている(図42及び図43等を参照)。
また、貯留皿311には、第五傾斜面311eの後側端部から上方へ立上り遊技球が越境不能とされた仕切壁311fと、仕切壁311fと第三傾斜面311cとの間に配置され第三傾斜面311cへ向かって低くなる第六傾斜面311gとを更に備えている。なお、第二球抜き口312は、第一傾斜面311aと第二傾斜面311bとの間に配置されている。また、第二球抜き口312は、通常は第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364により閉鎖された状態となっている。
本実施形態の貯留皿311では、図示するように平面視で、第一傾斜面311aは、貯留皿311の大きさの略半分を占める大きさの四角形状(台形状)とされていると共に、第二傾斜面311bは、左右方向の長さが貯留皿311の長さの約1/4で前後方向の奥行きが第三傾斜面311cへ向かって狭くなるような変五角形状とされ、更に、第三傾斜面311cは、前後方向の奥行きが遊技球の外径よりも若干大きい横長の区形状とされている。また、第四傾斜面311dは、左右方向の長さが第二傾斜面311bと略同じ長さで第二傾斜面311bへ向かうに従って長さが短くなる四角形状(台形状)とされている。更に、第五傾斜面311eは、その後側端部が左端部から右方向へ第三傾斜面311cと略平行に所定距離延びた上で後方の第三傾斜面311cへ向かって斜めに延びた後に仕切壁311fを挟んで第三傾斜面311cに沿って延びると共に、前側端部(右側端部)が後側端部の右端部へ向かって右方向へ向かうに従って後方へ向かうように延び、全体として逆へ字状に形成されており、仕切壁311fが第五傾斜面311eの後側端部に沿って形成されている。
また、この貯留皿311は、図示するように、第一傾斜面311aの左側端部と前側端部、第四傾斜面311dの前側端部、及び第五傾斜面の前側端部(右側端部)から上方へ立上る外周壁311hを備えており、この外周壁311hにより貯留皿311が皿体310の上面から下方へ所定量凹んだ形態となっている。また、貯留皿311の外周壁311hは、第一傾斜面311a、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eの前側端部では右方向へ向かうに従って前方へ向かうような緩い円弧状に形成されており、球流入口341から第一傾斜面311a上へ流入した遊技球が、外周壁311hにおける球流入口341と対向する位置と当接すると、第五傾斜面311eの方向へ反射して第五傾斜面311d上へ流通するようになっている。また、第五傾斜面311eは、球流入口341から貯留皿311内へ流入してきた遊技球が登坂可能な緩斜面とされており、第五傾斜面311eの右端部まで登坂した後に、その向きを変えて第四傾斜面311dの方向(左方向)へ流下するようになっている。つまり、本例の貯留皿311は、球流入口341から流入した遊技球を、一旦第五傾斜面311eへ迂回させてから球供給口342への供給路となる第三傾斜面311cへ流入させるようになっている。
また、貯留皿311における第六傾斜面311gは、他の傾斜面311a〜311eと比較して傾斜角度が急になっており、その下流側となる第三傾斜面311c上で複数の遊技球を球供給口342へ向かって左右方向へ一列に整列させ易くすることができるようになっている。なお、第三傾斜面311cには、ステンレス製のレール体304が装着されるようになっており、流通する遊技球による耐摩耗性を向上させるようにしていると共に、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
更に、貯留皿311の第三傾斜面311cは、図44及び図47に示すように、その右側端部が、斜め右下へ潜り込んだ上で下方へ垂下し後側が開放された溝状に形成されていると共に第一球抜き経路313と連続するように形成されており、第一球抜き経路313と連続することで左右方向に対して折り返すような流路が形成されている。この第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分は、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356により流路が閉鎖されるようになっており、この第一球抜きスライド356に望むように皿奥板340の球供給口342が開口している。これにより、第三傾斜面311cを流下してきた遊技球が、第一球抜きスライド356により流下を遮られることで、球供給口342側へと流通するようになっている。
なお、皿体310における第一球抜き機構支持部316には、第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の横(正面視で右側、図44では左側)に第一球抜きスライド356が左右方向へスライド可能に挿入配置されるスライド溝316a、スライド溝316aを挟んで第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の反対側には後述する第一球抜きバネ357の下端部を係止する鉤部316bとが形成されている。
[1−2C−2.皿ユニット本体]
次に、皿ユニット300における皿ユニット本体320は、図48及び図49に示すように、皿ユニット300の前面を構成し皿体310と下部スピーカユニット390の前面を被覆し上方及び後方が開放された箱状の本体部321を備えている。この本体部321は、正面視で左側の約3/4が前方へ膨出したような形態となっており、この膨出した部分の内側(後側)に下部スピーカユニット390が収容されるようになっている。また、本体部321には、その膨出した部分の前面の中央右寄りで下部スピーカユニット390の下部スピーカ391と対応する位置に貫通するように形成されたスピーカ用開口321aと、スピーカ用開口321aの左側に形成されたダミー開口321bと、ダミー開口321bの左側に形成された第二球抜きボタン用開口321cとが夫々貫通するように形成されている。更に、本体部321には、右下隅部にハンドルベース303を取付けるための楕円形状のハンドルベース取付口321dと、ハンドルベース取付口321dの上側に配置され後述するシリンダ錠1010が臨む錠用開口321eと、ハンドルベース取付口dの左側で前側へ膨出した部分の右側面に開口する区形状のダクト用開口321fと、左右方向の略中央下部に開口する区形状の球排出口321gと、を備えている。
また、皿ユニット300における皿ユニット本体320には、本体部321のスピーカ用開口321aとダミー開口321bとを前側から覆う前面裏板322と、前面裏板322のスピーカ用開口322aを通して本体部321のスピーカ用開口321aと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切り落とされた板状の右カバー323と、右カバー323の前面の略中央に配置され右カバー323よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の右飾りベース324と、右飾りベース324の前面の略中央に配置され右飾りベース324よりも小型で板状の右飾り325と、前面裏板322における本体部321のダミー開口321bと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切落とされた板状の左カバー326と、左カバー326の前面の略中央に配置され左カバー326よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の左飾りベース327と、左飾りベース327の前面の略中央に配置され左飾りベース327よりも小型で板状の左飾り328と、本体部321のスピーカ用開口321a、ダミー開口321b、及び第二球抜きボタン用開口321cの周縁を装飾する枠状の前面本体329と、を主に備えている。この皿ユニット本体320における前面裏板322には、本体部321のスピーカ用開口321aへ望むように貫通する複数の透孔322aが形成されており、これら透孔322a及び右飾りベース323のパンチング孔(図示は省略)を介して下部スピーカ391からの音を外部へ良好に伝達させることができるようになっている。
また、本例の皿ユニット本体320は、左下装飾基板190の前側で本体部321の左端に固定される本体左飾りベース330と、本体左飾りベース330の前面に固定され表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体左飾り331と、を更に備えている。この本体左飾りベース330は、透光性を有しており、本体左飾りベース330の後側に配置される左下装飾基板190のLED190aによって発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット本体320は、本体部321のダクト用開口321fを覆うパンチングメタルからなる板状のダクト用カバーと、ダクト用カバーが表面から臨むようなダクト用切欠き部333aが形成され、本体部321における前側へ膨出した部分の右側面全体を覆うと共に表面に金属光沢のメッキ処理を施した本体右飾り333と、を更に備えている。
また、皿ユニット本体320は、本体部321の上縁に沿って配置され上下方向に貫通する横長のスリット334aを複数有し、表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体上飾り334と、本体上飾り334の下側で本体部321内に配置され、本体上飾り334のスリット334a内へ挿入される導光部335aを有した上飾りレンズ335と、上飾りレンズ335の下側に配置され上面に複数のカラーLED336aが実装された皿電飾基板336と、を備えている。この皿電飾基板336のLED336aを適宜発光させることで、上飾りレンズ335を介して本体上飾り334、つまり、皿ユニット本体320の上縁を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C−3.皿奥板]
続いて、皿ユニット300における皿奥板340は、図46及び図47等に示すように、全体が横長の板状に形成され、正面視で左上隅部に配置され横長の区形状で前後方向に貫通する球流入口341と、球流入口341よりも右下方向へ所定距離はなれて配置され遊技球が通過可能な区形状で貫通する球供給口342と、球流入口341と連通し後方へ延出する角筒状の賞球連絡樋343と、を主に備えている。この皿奥板340の球流入口341は、図43等に示すように、皿体310の貯留皿311内へ向かって開口すると共に、左右方向の長さが貯留皿311の第一傾斜面311aの長さと略同じ長さとされている。また、球供給口342は、貯留皿311における第三傾斜面331cの右端で第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356と対応した位置に配置されている。また、賞球連絡樋343は、球流入口341に対して正面視で左端に偏った位置に配置されていると共に、左右方向の長さが球流入口341の長さに対して約半分の長さとされ、後端が扉枠ベース本体110の賞球通過口111を貫通して後述する満タンユニット900における前方誘導通路920の流下端(前端)の出口921と連通するようになっている。
また、皿奥板340は、賞球連絡樋343の前端が球流入口341に対して後方へ所定量控えた位置に配置されており、球流入口341と賞球連絡樋343との間に、球流入口341の左右方向全長に亘って延び遊技球が流通可能な棚部344を更に有している。この棚部344により賞球連絡樋343を流通してきた遊技球を、貯留皿311の第二球抜き口312よりも下流側へ流入させることができるようになっている。
更に、奥皿板340は、後述する下部スピーカユニット390の球抜き経路393と対応し略L字状に貫通した球抜き経路用開口345と、球抜き経路用開口345の正面視左上で球流入口341(皿体310における第二球抜き口312)の下側に配置され、後述する第二球抜き機構360のラッチユニット366の後端が挿通される区形状に貫通したラッチ用開口346と、正面視で右上隅部に配置され略区形状に貫通する配線挿通口347と、球流入口341と配線挿通口346との間で奥皿板340の上辺に配置され貸球ユニット301を取付けるための貸球ユニット取付部348と、を備えている。
[1−2C−4.第一球抜き機構]
次に、皿ユニット300における第一球抜き機構350は、図44、図45及び図50等に示すように、遊技者が押圧操作する第一球抜きボタン351と、第一球抜きボタン351を上下方向へスライド可能に支持すると共に皿体310の第一球抜きボタン装着口315に対して下側から挿入される第一球抜きボタンベース352と、第一球抜きボタンベース352の上部に皿体310を挟んで第一球抜きボタン351が上方へ突出するように固定される第一球抜きボタン装飾体353と、第一球抜きボタン装飾体353と第一球抜きボタンベース352とで支持された第一球抜きボタン351の下端の正面視で右側(図50では左側)となる皿体311の第一球抜き機構支持部316の位置に支持される回動軸354と、回動軸354に回動可能に軸支され一端側が第一球抜きボタン351の下端部と当接すると共に他端側が下方へ延出した逆L字状の第一球抜きクランク355と、第一球抜きクランク355の他端側の下端と当接可能とされると共に皿体311の第一球抜き機構支持部316に略左右方向へスライド可能に支持され、皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖可能な第一球抜きスライド356と、第一球抜きクランク355が所定方向へ回動するように付勢する第一球抜きバネ357と、を備えている。
この第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356は、皿体310における第一球抜き機構支持部316のスライド溝316a内に挿入配置されることで左右方向へスライドすることができるようになっていると共に、その状態で、第一球抜きクランク355が回動することで第一球抜きクランク355の他端側の下端によって左右方向へスライドさせられるようになっている。この第一球抜きスライド356は、左右方向へスライドすることで先端部が皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内に対して進退することができるようになっており、境界部分へ前進して流路を閉鎖すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を球供給口342へ供給することができ、境界部分から後退して流路を開放すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を第一球抜き経路313側へ供給(排出)することができるようになっている。
また、第一球抜きクランク355には、回動軸354を挟んで第一球抜きボタン351の下端部と当接する一端側とは反対側に第一球抜きバネ357の上端部を係止する鉤部355aが形成されている。この第一球抜きバネ357は、その上端部を第一球抜きクランク355の鉤部355aに係止すると共に、下端部を皿体310における第一球抜き機構支持部316の鉤部316bに係止することで、第一球抜きクランク355を、第一球抜きスライド356が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖する位置、及び第一球抜きボタン351が最も上昇した位置となる方向へ回動するように付勢することができるようになっている。
この第一球抜き機構350は、遊技者によって第一球抜きボタン351が押圧されると、第一球抜きボタン351の下端部と当接する当接ピン355bを介して、第一球抜きクランク355が第一球抜きバネ357の付勢力に抗してその一端側が下方へ移動する方向へ回動すると共に、その他端側が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へ移動する。そして、第一球抜きスライド356が第一球抜きクランク355の下端と共に第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へと移動し、第一球抜きスライド356の先端が境界部分の流路内から後退して第三傾斜面311cと第一球抜き経路313とが連通した状態となり、第三傾斜面311cつまり貯留皿311内の全ての遊技球を、第一球抜き経路313を介して外部へ排出することができるようになっている。
なお、第一球抜きボタン351の押圧を解除すると、第一球抜きバネ357の付勢力により第一球抜きクランク355が回動して、第一球抜きボタン351が上昇すると共に、第一球抜きスライド356の先端が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内へ前進してその流路を閉鎖し、第三傾斜面311c上(貯留皿311内)の遊技球を、球供給口342を介して打球発射装置650へ供給することができるようになっている。
[1−2C−5.第二球抜き機構]
続いて、皿ユニット300における第二球抜き機構360は、図51等に示すように、皿ユニット本体320における本体部321の第二球抜きボタン用開口321cから前方へ向かって突出する第二球抜きボタン361と、第二球抜きボタン361が先端に嵌合固定され後述する下部スピーカユニット390によって前後方向へスライド可能に支持された第二球抜きスライド362と、第二球抜きスライド362の前後方向の移動を伝達し下部スピーカユニット390により左右方向へ延びる軸回りに回動可能に軸支された棒状の第二球抜きクランク363と、第二球抜きクランク363の回動により皿体310における第二球抜き口312を閉鎖する閉位置と第二球抜き口312を開放する開位置との間で上下方向へ延びる軸周りに回動可能とされた第二球抜きシャッター364と、第二球抜きシャッター364を第二球抜き口312が閉鎖される閉位置へ付勢する第二球抜きバネ365と、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きシャッター364を開位置へ保持可能なラッチユニット366と、第二球抜きシャッター364の下面を摺動可能に支持すると共に第二球抜き口312と対応した開口部367aを有し、皿体310の下側に固定される第二球抜きベース367と、第二球抜きスライド362の後端を摺動可能に保持すると共にラッチユニット366を支持し、後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392と協同して第二球抜きクランク363を回動可能に軸支する第二球抜き機構支持体368(図44及び図47を参照)と、を備えている。
この第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362には、その後端部に上方へ開放され第二球抜きクランク363の下端部が挿入される伝達溝362aと、後端部から後方へ突出しラッチユニット366の係合爪366aと係合可能な係合突起362bとを備えている。また、第二球抜きクランク363は、略上下方向へ延びた棒状の部材とされ、その下端部が第二球抜きスライド362の伝達溝362a内へ上方から挿入されると共に、上下方向の略中間部分で下部スピーカユニット390のスピーカボックス392により回動可能に軸支されている。而して、第二球抜きスライド362が前後方向へスライドすると、その伝達溝362aのスライドに伴って第二球抜きクランク363の下端部が移動し、第二球抜きクランク363が回動すると共に、第二球抜きクランク363の上端部が下端部とは反対方向へ移動するようになっている。
また、第二球抜きシャッター364は、図示するように、第二球抜きスライド362よりも上方に配置され、皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aを閉鎖可能な平面視略半円形状(D字状)で板状の閉鎖部364aと、閉鎖部364aから左右方向の一方(正面視で左方向、図51では右方向)へ延びる棒状の棹部364bとを備えており、全体として略P字状に形成されている。また、この第二球抜きシャッター364は、棹部364bの先端が皿体310と第二球抜きベース367とによって上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支されていると共に、棹部364bの後側で左右方向の略中間部分に、第二球抜きクランク363の上端部が当接するようになっている。更に、第二球抜きシャッター364における棹部364bの後側基端部分に第二球抜きバネ365の前端部が係止されるようになっている。なお、図示は省略するが、第二球抜きバネ365の後端部は、皿体310の下面から下方へ垂下する係止ボスに係止されるようになっており、第二球抜きバネ365により、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する閉位置(図51に示す位置)となるように付勢されている。
また、第二球抜き機構360の第二球抜きベース367は、開口部367aと第二球抜きシャッター364を軸支する位置との間に、第二球抜きクランク363の上端部が通過可能な前後方向へ延びるスリット367bを備えており、このスリット367bを介して第二球抜きベース367の下側で軸支された第二球抜きクランク363の上端部が、第二球抜きベース367の上面に配置された第二球抜きシャッター364の棹部364bと当接することができるようになっている。なお、第二球抜きベース367は、図示するように、浅い皿状に形成されており、皿体310とで第二球抜きシャッター364を収容する収容空間を形成することができるようになっている。また、第二球抜きシャッター364を収容する収容空間の高さは、遊技球の外径よりも小さく低い高さとされており、第二球抜きシャッター364が回動して第二球抜き口312が開状態となっても、皿体310と第二球抜きベース367との間に遊技球が進入しないようになっている。
本実施形態の第二球抜き機構360は、遊技者が皿ユニット本体320の前面から前方へ突出する第二球抜きボタン361を押すと、第二球抜きスライド362が後方へスライドすると共に、第二球抜きスライド362の伝達溝362aに案内されて第二球抜きクランク363の下端部が後方へと移動するように第二球抜きクランク363が回動する。そして、第二球抜きクランク363が回動することでその上端部が下端部とは反対方向の前方へ移動することとなり、第二球抜きクランク363の上端部と当接する第二球抜きシャッター364が、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して棹部364bの先端を中心として閉鎖部364aが前方へ移動するように回動する。このようにして閉鎖部364aが前方へ移動して皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aが開放されると、貯留皿311における第二球抜き口312よりも上流側に貯留された遊技球が第二球抜き口312を通って皿ユニット300の下方外部へ排出されることとなる。
なお、本例の第二球抜き機構360には、ラッチユニット366を備えており、第二球抜きボタン361を押して第二球抜きスライド362の後端の係合突起362bがラッチユニット366における一対の係合爪366aの間に当接すると、一対の係合爪366aが係合突起362bを挟むように閉じて係合し、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きボタン361が押された状態、つまり、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aにより第二球抜き口312が開いた(開放され)位置に保持することができるようになっている。この状態で、第二球抜きボタン361を押すと、ラッチユニット366の一対の係合爪366aが開いて、係合突起362bとの係合が解除され、第二球抜きバネ365の付勢力により第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する位置へと復帰できるようになっている。
[1−2C−6.操作ボタンユニット]
次に、皿ユニット300における操作ボタンユニット370は、図52乃至図55等に示すように、皿ユニット300における皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるものであり、平面視で正方形の四隅を切落とした八角形状のメインボタン371と、メインボタン371の左右両側に夫々対称に配置され平面視でホームベース形状の左サブボタン372L及び右サブボタン372Rからなる一対のサブボタン372と、メインボタン371とサブボタン372を上下方向へ摺動可能に保持すると共に皿体310の操作ボタン装着凹部314内へ挿入される操作ボタンユニットベース373と、操作ボタンユニットベース373の上面を装飾する板状の操作ボタンユニット装飾部材374と、操作ボタンユニットベース373の下側に固定され操作ボタンユニット370を発光装飾させるカラーLED375aが上面に複数実装された操作ボタンユニット基板375と、を備えている。
また、操作ボタンユニット370には、メインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376と、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lと、右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rと、を更に備えている。これらメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L及び右サブボタンセンサ377Lは、夫々発光部と受光部とを備えたフォトセンサとされており、操作ボタンユニット基板375の所定位置に夫々固定されている。
この操作ボタンユニット370における操作ボタンユニットベース373には、図示するように、平面視で略菱形形状とされ、メインボタン371を上方から収容可能なメインボタン収容凹部373aと、メインボタン収容部373aの内周面に形成されメインボタン371を上下方向へ案内するために上方が開放された上下方向へ延びる複数の案内溝373bと、メインボタン収容凹部373aの底面に形成された略円形状の開口部373cと、メインボタン収容凹部373aの外周に沿って所定幅で開口し下側に配置された操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を上面側へ導く複数の導光用開口部373dと、サブボタン372を上方から収容可能な一対のサブボタン収容凹部373eと、長軸の対角線上隅部に形成されたネジ挿通孔373fと、操作ボタンユニットベース373の上面を形成する板状の天板部373gと、天板部373gの外周に沿って下面から下方へ外周を囲うように垂下する板状の側壁部373hと、を主に備えている。
この操作ボタンユニットベース373は、天板部373gと側壁部373hとにより、下面が開放された箱状に形成されており、この天板部373gの所定位置に、メインボタン収容凹部373a、複数(ここでは、八個)の導光用開口部373d、二つのサブボタン収容凹部373e、及び二つのネジ挿通孔373fが夫々開口している。また、操作ボタンユニットベース373は、メインボタン収容凹部373aは、案内溝373bが形成されていないところの厚さが肉厚に形成されており、内壁面と底面の強度・剛性が高められていると共に、メインボタン収容凹部373aの外周に形成された各導光用開口部373dが、夫々上下方向に長い筒状に形成されており、これら筒状の導光用開口部373dの外周壁によってもメインボタン収容凹部373aが補強されている(図53を参照)。
また、メインボタン371は、図54及び図55に示すように、メインボタン371の上面を形成し透光性を有したメインボタンレンズ371aと、メインボタンレンズ371aを支持し上下が開放された筒状のメインボタンベース371bと、メインボタンベース371bの下側に配置される振動体371cと、振動体371cを包み込むと共にメインボタンベース371bの下側に取付ビス371dを介して固定される振動体ホルダ371eと、を備えている。なお、図示は省略するが、メインボタン371には、上端がメインボタンベース371aの下側側面に当接すると共に、下端が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面と当接し、メインボタン371が上昇するように付勢するメインボタンバネを備えている。
このメインボタン371におけるメインボタンレンズ371aは、平面視が八角形状で下面が開放された箱状に形成され、表面側が滑らかな形状とされているのに対して、裏面側には複数の小レンズ部が形成されており、操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を広く拡散させて、メインボタン370の表面全体が略均一に発光装飾させることができるようになっている。
また、メインボタンベース371bは、図示するように、上端側の外形がメインボタンレンズ371と同様の八角形状とされているのに対して、上下方向の略中間部から下端側が下方へ窄まる円錐形状とされており、下端部が操作ユニットボタンベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面に形成された開口部373cから下方へ延出して操作ボタンユニット基板375の中央に配置されたLED375a群の直上に位置することができるようになっている。また、メインボタンベース371bには、対向する二辺から下方へ延出するメイン係止爪371fと、操作ボタンユニットベース373の案内溝373b内へ挿入される上下方向に延びた複数の案内凸条371gと、を備えている。このメインボタンベース371bのメイン係止爪371fが、操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373a内の係止部(図示は省略する)に係止されることで、メインボタン371がメインボタンバネの付勢力によりメインボタン収容凹部373aから抜け出るのを防止することができるようになっている。
更に、メインボタンベース371bは、一方のメイン係止爪371fの内側に、振動体ホルダ371e及び取付ビス371dを介して振動体371cを取付けられるようになっていると共に、振動体371cを取付ける部位の内側に、メインボタンセンサ376によって検出される検出片371h(図54を参照)が形成されている。
本例のメインボタン371は、メインボタンバネの付勢力に抗してメインボタン371を下方へ押すと、メインボタンベース371bの検出片371hがメインボタンセンサ376の発光部と受光部との間に進入してその操作がメインボタンセンサ376により検出されるようになっている。また、メインボタン371は、メインボタンセンサ376により操作が検出されると、振動体371cが作動するようになっており、振動体371cの作動によってメインボタン371が振動することで、遊技者に対してメインボタン371の操作が受付けられていることを認識させることができると共に、メインボタン371の振動により遊技者を驚かせることができるようになっている。なお、操作ボタンユニット基板375には、実装されたLED375aからの光によってメインボタンセンサ376が誤作動するのを防止するための遮光板375bが取付けられている。
また、操作ボタンユニット370のサブボタン372は、平面視が略二等辺直角三角形状で透光性を有したサブボタンレンズ372aと、サブボタンレンズ372aを平面視がホームベース状の上面に支持し操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内へ上方から収容されるサブボタンベース372bと、サブボタンベース372bとサブボタン収容凹部373eの底面との間でサブボタンレンズ372aの下方に配置されサブボタンベース372bを上昇させる方向へ付勢するサブボタンバネ372cと、を備えている。このサブボタン372のサブボタンベース372aには、サブボタンバネ372cを挟んた前後に下方へ垂下するサブ係止爪372dと、ホームベース状の長辺から下方へ垂下する板状の案内壁部372eと、案内壁部372eの下端から更に下方へ延出する検出片372fと、を備えている。
このサブボタン372は、サブ係止爪372dが、操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内の係止部(図示は省略する)に係止されるようになっており、サブ係止爪372dが係止部に係止されることで、サブボタン372がサブボタンバネ372cの付勢力によりサブボタン収容凹部373eから抜け出るのを防止することができるようになっている。また、サブボタン372は、サブボタンバネ372cの付勢力に抗して下方へ押されると、サブボタンベース372bの検出片372fがサブボタンセンサ377の発光部と受光部との間に進入してサブボタン372の操作がサブボタンセンサ377により検出されるようになっている。
更に、操作ボタンユニット370の操作ボタンユニット装飾部材374は、図示するように、平面視形状が略菱形で板状に形成されており、メインボタン371のメインボタンレンズ371a及び二つのサブボタン372のサブボタンレンズ372aが通過可能な開口部374aが形成されていると共に、操作ボタンユニットベース373の導光用開口部373dと対応する位置に透光性を有した装飾部材レンズ374bが備えられている。また、長軸の対角線上隅部には、図示しない取付ビスが上方から挿通可能な取付孔374cが穿設されており、この取付孔374c及び操作ボタンユニットベース373のネジ挿通孔373fを介して所定の取付ビスにより操作ボタンユニット370が皿体310へ取付固定されるようになっている。なお、本例では、操作ボタンユニット装飾部材374の上面には、二つの取付孔374cを隠すネジ隠し378が貼付けられるようになっている。
本実施形態の操作ボタンユニット370は、上述したように、操作ボタンユニットベース373が、メインボタン収容凹部373a、導光用開口部373d、及び側壁部373hによって三重の筒状に形成されており、強度及び剛性が高められているので、メインボタン371等を叩いたりして強く操作されても、操作ボタンユニット370が破損し難くなっている。また、操作ボタンユニット370は、皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるようになっており、万が一、操作ボタンユニット370が破損したり不具合が発生したりした場合でも、皿体310の上方から簡単に着脱して交換することができるようになっている。更に、操作ボタンユニット370は、皿体310を介してその下側が後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392に支持(載置)されているので、メインボタン371等からの耐衝撃性や耐荷重性が更に高められており、操作ボタンユニット370のみならず皿ユニット300全体が破損し難くなっている。
[1−2C−7.下部スピーカユニット]
続いて、皿ユニット300における下部スピーカユニット390は、図46及び図47に示すように、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大径の下部スピーカ391と、下部スピーカ391を正面視における前面右寄りの位置で、皿ユニット本体320における本体部321のスピーカ用開口321aの後側となる位置に保持する箱状のスピーカボックス392と、を主に備えている。本実施形態の下部スピーカユニット390は、スピーカボックス392の内部空間が開放口392aを通して外部へ開放されたバスレフ型スピーカとされており、下部スピーカ391のスピーカ径に対してより重低音を発することができるようになっている。
このスピーカボックス392の開放口392aは、皿ユニット本体320における本体部321のダクト用開口321fに望む位置に形成されており、下部スピーカ391の振動によりスピーカボックス392内を出入りする空気の流れが、ダクト用開口321fを介して出入りするようになっている。また、下部スピーカ391の駆動(振動)によりダクト用開口321fを介して出入りする空気の流れは、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の握り部材412,413を通るように形成されており、操作ハンドル部410を操作する遊技者の手に下部スピーカ391からの空気の流れ(風)を当てることができ、遊技者に対してこれまでにない感触を与えて、楽しませることができるようになっている。なお、下部スピーカ391に対して、人間の可聴帯域よりも低い周波数の音響信号を送ることで、ダクト用開口321fから風だけを遊技者に当てることができ、メインボタン371の振動体371cと合わせて、これまでの遊技機にない触感演出を楽しませることができるようになっている。
また、スピーカボックス392には、その後面に、皿体310の第一球抜き経路313及び第二球抜き口312の下流に配置され、第一球抜き経路313及び第二球抜き口312を流通してきた遊技球を、スピーカボックス392の左右方向略中央の下部に誘導する球抜き経路393を備えている。この球抜き経路393は、後方が開放された略L字状に形成されており、皿ユニット300における奥皿板340の球抜き経路用開口345を介して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球抜き経路用開口111を閉鎖する球抜き経路カバー191によって後側が閉鎖されるようになっている。また、球抜き経路393を流通した遊技球は、皿ユニット本体320における本体部321の球排出口321gから、皿ユニット300の下方へ排出されるようになっている。
更に、スピーカボックス392には、正面視で左側上部に第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362の前端を前後方向へ摺動可能に保持する第二球抜きスライド保持孔394と、第二球抜きスライド保持孔394の後側に配置され第二球抜き機構360の第二球抜き機構支持体368を支持する第二球抜き機構支持部395と、を備えている。これら、第二球抜きスライド保持孔394及び第二球抜き機構支持部395によって、第二球抜き機構360を所定位置に支持することができるようになっている。
[1−2C−8.ハンドル装置]
次に、皿ユニット300におけるハンドル装置400は、図56乃至図58等に示すように、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部410と、操作ハンドル部410に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部410の回動操作に応じて回転する回転軸415と連携され且つ回転軸415の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット180と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部410は、扉枠5における皿ユニット300の皿ユニット本体320における本体部321のハンドルベース取付口321dから前方へ突出するように取付けられる円筒状のハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿入固定される。このハンドル支持筒部303aは、パチンコ機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部303aに挿入固定される操作ハンドル部410も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部410を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部410を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部410を傾斜設置しても、操作ハンドル部410の回転軸415の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置650の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部410のハンドル支持筒部303aへの挿入後、ハンドル支持筒部303aと操作ハンドル部410(正確には、後握り部材413)とをビス等で連結して操作ハンドル部410がハンドル支持筒部303aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部410は、図58に示すように、前握り部材412と、後握り部材413と、前握り部材412と後握り部材413との間で回動自在に軸支される回動操作部材414と、回動操作部材414にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸415と、回転軸415の他端部に固定されるカム416と、から構成されている。後握り部材413は、ハンドル支持筒部303aに嵌合される小径部と小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸415が貫通される軸貫通穴418が形成されている。回転軸415が軸貫通穴418に挿通される際には、軸受ブッシュ417が軸貫通穴418の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ417に回転軸415が挿通される。一方、軸受ブッシュ417を介して軸貫通穴418に貫通された回転軸415は、後握り部材413の前面側に固定される固定軸受部材423の軸受穴424を貫通して回動操作部材414の中心に形成される軸嵌合穴426に嵌合される。
また、後握り部材413の前面側には、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン421が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ420、発射停止スイッチ422及び単発ボタン421が取付けられている。そして、それらが取付けられた状態でタッチセンサ420や発射停止スイッチ422からの配線が纏められて後握り部材413の軸貫通穴418の側方に形成される配線通し穴419を有した配線通し筒部428及び配線開口184c(図31を参照)から扉枠5の裏面に導き出され、ハンドル中継端子板194(図24及び図25を参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板194からの配線は、上述した下補強板36に沿って取付けられており、後述する払出制御基板1186に電気的に接続されるようになっている。また、固定軸受部材423と回動操作部材414との間には、付勢スプリング425が回転軸415に周設されるように設けられ、この付勢スプリング425が回動操作部材414を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材414の軸嵌合穴426の外側にはスイッチ接触凸部427が突設され、回動操作部材414が付勢スプリング425の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータに接触して発射停止スイッチ422をOFFとし、回動操作部材414が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータと離れてONとする。また、発射停止スイッチ422がONとなっている状態で単発ボタン421が揺動可能になるので、単発ボタン421を押圧することにより、発射停止スイッチ422のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。
なお、回動操作部材414の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材414に接触することによりタッチセンサ420が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材414を回動して発射停止スイッチ422がONとなり且つタッチセンサ420が接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図91を参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸415の先端に固定されるカム416は、勾玉状に形成され、回転軸415の回転にしたがって後述するジョイントユニット180のスライド体182(図31及び図59を参照)のカム当接部182dを押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸415の先端に固定されるカム416とジョイントユニット180のスライド体182との連携構造によって前述したような操作ハンドル部410の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
上述したように、操作ハンドル部410を扉枠5の前面側からハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿通支持し、ジョイントユニット180を扉枠5の裏面側からジョイントユニット装着凹部110cに取付けることにより、図56に示すように、回転軸415の先端部に固定されるカム416がスライド体182のカム係合凹部182cに収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部410が平面視で傾斜状に取付けられることにより、カム416も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、カム係合凹部182cが前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム416の全体をカム係合凹部182cの空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図59(A)に示すように、カム416の回転中心がカム当接部182dの側方に位置し、勾玉状のカム416の先端がカム係合凹部182cの下方空間内に位置するようになっている。
上述した状態で操作ハンドル部410の回動操作部材414を遊技者が回動操作すると、回転軸415が回動し、それにつれてカム416も回転するので、図59(B)に示すように、カム係合凹部182cのカム当接部182dとカム416の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体182が一方向(図59の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸415の回転運動がスライド体182のスライド運動に変換される。このため、図59(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム416の回転中心とスライド体182のスライド突片183の進行方向の端辺との距離S1が、カム416の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体182のスライド突片183が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット180のスライド突片183のスライド移動が、図57、図60、図61に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図91を参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置400と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部410の内部から配線通し穴419、配線通し筒部428及び配線開口184cを通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取付けられる基板ユニット1100に集約して取付けられる払出制御基板1186の操作ハンドル用端子1194(図132を参照)に接続されるようになっている。
[1−2C−9.皿ユニットの作用効果]
続いて、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311内における遊技球の流れについて図62及び図63を主に参照して説明する。本例では、後述する賞球ユニット800から払出された遊技球が、満タンユニット900、奥皿板340の賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入するようになっており、球流入口341から流入した遊技球が、初めに第一傾斜面311aへと流入するようになっている。この第一傾斜面311aは、前側及び正面視右側が低くなるように形成されており、球流入口341から第一傾斜面311aへ流入した遊技球は、第一傾斜面311aの傾斜に沿って貯留皿311の前側外周を囲う外周壁311hの球流入口341と略対向する位置と当接することとなる。外周壁311hのこの位置は、球流入口341が形成された皿裏板340の面に対して曲線状に傾斜しており、外周壁311hに当接した遊技球は、正面視で右方向へ反射するようになっている。
そして、球流入口341から貯留皿311内へ流入して外周壁311hで右方向へ反射した遊技球は、第四傾斜面311dを越えて第五傾斜面311eへと進入する。この第五傾斜面311eは、正面視で左側、つまり、第四傾斜面311d側が低くなると共に、その傾斜角度が第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が登坂可能な緩い斜度とされており、第四傾斜面311dを越えて第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が、第五傾斜面311eを上りながら第五傾斜面311eの上部(平面視で右側端部)へと流通することとなる。また、この第五傾斜面311eは、前側から右側端部を巡って後側までが外周壁311hと仕切壁311fとによって仕切られており、第五傾斜面311eへ進入した遊技球は、その周りを囲う外周壁311h及び仕切壁311fに略沿うように第五傾斜面311e内を巡って第五傾斜面311eの左側に配置された第四傾斜面311d側へ戻るようになっている。
第五傾斜面311eから第四傾斜面311dへ進入した遊技球は、第四傾斜面311dの傾斜に従って第四傾斜面311dの後側にある第二傾斜面311bへと流通し、更に、第二傾斜面311bから右側の第三傾斜面311cへと進入して、第三傾斜面311cの下流端に配置された皿裏板340の球供給口342から球発射装置650へと供給されるようになっている。つまり、球供給口341から貯留皿311内へ流入した遊技球は、第一傾斜面311aから第二傾斜面311bを介して直接第三傾斜面311cへ向わずに、第一傾斜面311aから第四傾斜面311dを介して第五傾斜面311eへ一旦進入した上で、第四傾斜面311e及び第二傾斜面311bを介して第三傾斜面311cへ至るようになっており、球流入口341から流入した遊技球を迂回させることができるようになっている。
これにより、貯留皿311の全体を有効に使って複数の遊技球を貯留することができ、従来のパチンコ機のように貯留の少ない状態で貯留され遊技球が球流入口341を塞いでしまうことで、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、遊技球の払出しが停止してしまったり、球発射装置650での遊技球の発射動作が停止してしまったりして遊技が中断してしまうのを良好に防止することができるようになっている。
ところで、本例の皿ユニット300の貯留皿311に多くの遊技球が貯留されることで球流入口341が貯留された遊技球によって閉鎖されて、皿裏板340の賞球連絡樋343と賞球ユニット800との間に配置された満タンユニット900内で遊技球が滞留すると、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、賞球ユニット800からの遊技球の払出しを停止したり、球発射装置650での遊技球の発射動作を停止したりするようになっており、特に球発射装置650の発射動作が停止されると遊技を中断せざる負えなくなるので、遊技者は、貯留皿311に貯留された遊技球が適宜の量となったら第一球抜きボタン351や第二球抜きボタン361を操作して、貯留皿311から遊技球を皿ユニット300の下方に配置した容器(例えば、ドル箱)へ排出する必要がある。なお、本例では、満タンスイッチ916が作動すると、貯留皿311内が満タンである旨を遊技者に案内してから球発射装置650の発射動作を停止させるようになっている。
この貯留皿311内から遊技球を排出するには、皿ユニット300の上面に配置された第一球抜きボタン351を操作する(押す)と、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356がスライドして、第三傾斜面311cの下流端と第一球抜き経路313との間の閉鎖を解除し、第三傾斜面311cの遊技球を第一球抜き経路313へと流下させ、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている。この第一球抜きボタン351の操作により、貯留皿311における最も低い位置となる第三傾斜面311cの下流端から遊技球を抜くことができるので、貯留皿311内から全ての遊技球を排出することができるようになっている。しかしながら、第一球抜きボタン351の操作による球抜きでは、第三傾斜面311cにおいて遊技球が一列に整列されるので、球抜きに時間がかかる問題がある。
そこで、皿ユニット300の前面左側に配置された第二球抜きボタン361を操作する(押す)と、第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364が移動して貯留皿311内の第二球抜き口312が開放され、貯留皿311内における第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が第二球抜き口312を通り、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている(図62(B)を参照)。この第二球抜き口312は、図示するように、遊技球の外径よりも数倍大きい開口とされており、一度に多くの遊技球を素早く排出することができるようになっている。従って、第一球抜きボタン351と第二球抜きボタン361の二つのボタンの存在により、遊技者に対して球抜きにかける時間の長短を選択させることができるようになっている。また、遊技中に大当たりとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図111を参照)の機能が作動して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当たり中であるにもかかわらず遊技球の打球動作が停止して遊技が継続できなくなったりする虞れがあり、このような場合に、第二球抜きボタン361の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当たり中の遊技を継続することができるようになっている。
また、本例の皿ユニット300では、第二球抜きボタン361を操作すると、第二球抜き機構360のラッチユニット366により、第二球抜きシャッター364が開位置で保持され、第二球抜き口312が開いたままの状態とすることができるようになっている。この状態で第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が排出されて、第一傾斜面311a上の遊技球が殆どなくなると、球流入口341から流入する遊技球は、上述したように、外周壁311hで反射して第五傾斜面311eの方向へ流通しようとし、第四傾斜面311dや第五傾斜面311e、及び第二球抜き口312よりも下流側の第二傾斜面311bや第三傾斜面311c上に遊技球が供給されるようになっている。従って、球発射装置650の発射動作により第三傾斜面311c上の遊技球が消費されても、球流入口341から貯留皿311内へ遊技球が流入して来る限り、第二傾斜面311b、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eを介して第三傾斜面311cへ遊技球が供給されると共に、遊技球の発射動作を停止させて流入してきた遊技球が多くなれば第二球抜き口312から輩出されることとなるので、第二球抜き口312を開放したままでも、常に貯留皿311内に一定量の遊技球を確保して、遊技を継続させることができるようになっている。つまり、大当たり遊技中等の遊技球の払出しが連続するような状態でも、貯留皿311内の遊技球の量を気にすることなく遊技を続けることができるようになっている。
本例の皿ユニット300では、皿体310の貯留皿311は、図63等に示すように、その底面が第一傾斜面311a、第二傾斜面311b、第三傾斜面311cが連続して正面視で右方向(球供給口342)へ向うに従って低くなるようになっているのに対して、皿奥板340の球流入口341は、略水平に左右方向へ長く延びた矩形状とされているので、蓋然的に、貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間に段差が形成されるようになっていると共に、その段差が正面視右方向へ向うほど大きくなるようになっている。この貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間の段差は、球流入口341の左端では殆ど段差がない状態となっており、球流入口341の右端では遊技球の外径よりも若干高い段差となっている。これにより、賞球連絡樋343を介して前後方向へ略真直ぐに流入してきた遊技球は、主に段差の少ない球流入口341の中央寄りも左側の部分を通って貯留皿311内へ流入することとなるので、段差の少ない分、球流入口341から貯留皿311へ落下する遊技球の位置エネルギー(落下エネルギー)も小さく、貯留皿311へ与える負荷を軽減させて貯留皿311が破損するのを防止することができるようになっている。
ところで、貯留皿311内での遊技球の貯留量が多くなって第一傾斜面311a上にも多くの遊技球が貯留されるようになると、賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球を横から押すような形となり、各遊技球に横方向の力が作用することで遊技球同士が押し合った状態となる。その状態で、球供給口342を介して貯留皿311(第三傾斜面311c)内の遊技球が消費されると、第三傾斜面311cの上流付近(第二傾斜面311b)で遊技球の流路の幅が狭くなると、遊技球同士が押し合って遊技球の流動性が低下し球詰りが発生する場合があるが、本例では、上述したように、球流入口341が左右方向へ延びた矩形状とされているので、賞球連絡樋343からの遊技球が棚部344を通って第二傾斜面311bへ直接流入し、第三傾斜面311cへ遊技球を供給することができるようになっている(図62(B)を参照)。
また、球流入口341の左右方向中央よりも右側の部分は、球流入口341の下辺が貯留皿311の底面に対して遊技球の外径よりも高くなっているので、棚部344を介して貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球の上側に流入することとなり、遊技球同士が横方向へ押し合うのを抑制して遊技球の流動性が低下すのを防止することができると共に、上から流入する遊技球により下側の遊技球(特に皿奥板340の前面と当接した遊技球)は横方向への移動が促され、自然と球詰りを解消させることができるようになっている(図63を参照)。
このように、本例の貯留皿300は、貯留皿311内に貯留された遊技球の量が多くなっても、賞球ユニット800から払出された遊技球を、横長の球流入口341の棚部344を介して貯留皿311内に貯留された遊技球の上側へ流入させるようにしているので、貯留皿311内で遊技球の球詰りが発生するのを良好に防止することができ、貯留皿311内の遊技球を気にすることなく遊技を継続させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2D.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット450について、主に図64乃至図66を参照して説明する。図64はガラスユニットの正面斜視図であり、図65はガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、図66は図65を後から示す分解斜視図である。このガラスユニット450は、図示するように、遊技窓101よりも大きな開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠451と、ユニット枠451の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板452と、二枚のガラス板452の間でユニット枠451の内周に添って配置される帯状のガラス装飾基板453と、を備えている。
このガラスユニット450におけるユニット枠451は、後方側が開放されガラス装飾基板453が挿入される基板挿入溝451aと、基板挿入溝451aからユニット枠451の内周側へ向って開口する複数の開口部451bと、ユニット枠451の前後方向略中央の外周に形成された係止溝451cと、正面視で左側上端より左方向へ突出する端子板支持部451dと、上下方向中央に対して上寄りの外周位置から左右方向へ夫々突出する止め片451eと、下辺の両端から左右方向外方へ夫々突出する係止突起451fと、を備えている。
また、ガラスユニット450におけるガラス装飾基板453は、帯状で可撓性を有しており、表面側(ユニット枠451の内面側)にユニット枠451の開口部451bと対応する位置に複数のカラーLED453aが実装されており、ガラス装飾基板453をユニット枠451の基板挿入溝451a内へ挿入すると、LED453aが開口部451bを介してユニット枠451の内面側へ臨むようになっている。
更に、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板と接続されユニット枠451の端子板支持部451dに支持されるガラス装飾中継端子板454と、ガラス装飾中継端子板454にガラス装飾基板453の端部を固定する基板押え455と、ガラス装飾中継端子板454を支持したユニット枠451の端子板支持部451dを覆う端子板ホルダ456と、を更に備えている。
このガラスユニット450は、ユニット枠451の基板挿入溝451a内にガラス装飾基板453が挿入された状態で、ユニット枠451の前後にガラス板452が夫々接着固定されている。そして、このガラスユニット450は、ユニット枠451の外周下辺に形成された係合溝451cが補強板金140の垂直折曲突片151と係合すると共に、ユニット枠451の外周縁と止め片451e及び係止突起451fとが扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に後側から嵌合された上で、止めレバー196により扉枠5に対して脱着可能に取付けられるようになっている。
また、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板453のLED453aを適宜発光させることで、二つのガラス板452の間を発光装飾させることができるようになっており、これまでのパチンコ機とは異なる雰囲気(ムードのある)の遊技窓101を有したパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2E.防犯カバー]
続いて、扉枠5における防犯カバー470について、主に図21及び図22を参照して説明する。この防犯カバー470は、上記したガラスユニット450の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金142,143の間のガラスユニット450の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部471として形成されていると共に、その当接凹部471に沿って後方に向って防犯後突片474が突設されている。また、防犯カバー470を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片475が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー470の前面には、防犯カバー470を取付けた状態でガラスユニット450におけるユニット枠451の下方形状に沿った防犯前突片472が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片473が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー470は、装着弾性片473を扉枠ベースユニット100に形成される装着開口部116に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図示は省略するが、防犯前突片472がガラスユニット450のユニット枠451の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片472の前端は、垂直折曲突片151と当接している。また、防犯後突片474及び防犯後端部突片475は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片474の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片474の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片475は、本体枠3の軸支側に形成される防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図76を参照)。
而して、防犯カバー470を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片110dと係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片166と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット450の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片472とユニット枠451との重合により、防犯カバー470の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片474と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー470の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片475との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片474との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができるようになっている。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金143の二重の折曲突片153,154による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー470の裏面側の防犯後突片474と防犯後端部突片475との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板452への衝突を防止する機能も有している。
[1−3.本体枠]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図67乃至図75を参照して説明する。図67は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図68は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図69は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図70は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図71は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図72は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図73は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図74は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図75は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ機の断面平面図である。
本実施形態の本体枠3は、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が装着される本体枠主体500を備えている。
まず、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図67において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図71を参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺と略同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺と略同一平面状となっている(図73を参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図71と図73を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部148を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部148に突設される軸ピン147を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図71を参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587(図110を参照)となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金141の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片155,156が夫々挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金143の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金142と軸支側L字状折曲突片157との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図121を参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図67に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図67乃至図72を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512の略中央に遊技盤4を載置したときに、遊技盤4に形成されるアウト口606(図76を参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図67に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図71を参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図76を参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図71を参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット180のスライド突片183と連携されるスライド部材710(図95を参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、そのハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図91を参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図68に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図71を参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図128を参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図70に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図70に示すように、軸支側の端部上面に球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図71を参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図111を参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図71に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図71に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図75を参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図117を参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図69に示すように、夫々奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さと略同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かって略第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図4に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722と略同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図68及び図70に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546が夫々パチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図68を参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図68を参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図70に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図74に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺が略一致(図4を参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図99を参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557(図110等を参照)形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース線接続具557は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板1136に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図68及び図70に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、球通路ユニット770の球落下通路772(図104を参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図104を参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図106を参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図106を参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図106を参照)の端部が受入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図71を参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図74及び図139を参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図74を参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠ベース本体110の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片110d,110e(図25を参照)が挿入される係合溝584,585(図67を参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片110dは、係合溝584に対応する扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片110dが僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片110d,110eと係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511の略中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片110dと係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511の略中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片110dと係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台160には、扉枠5を閉じた状態で空間586に侵入する防犯突片166が形成されている。この防犯突片166は、板部511の略中程から軸支側端部までいたるように装着台160に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台160に突設される防犯突片166を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片166と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらを順次説明する。
[1−3A.遊技盤の概略構成]
遊技盤4の概略構成について図76乃至図86を参照して説明する。図76は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図77は、遊技盤4の正面図であり、図78は、遊技盤4の背面図であり、図79は、遊技盤4の平面図であり、図80は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図81は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。また、図82は、図76乃至図79に示す遊技盤とは異なる第二の実施形態の遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図83は、第二の実施形態の遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図84は、図83を斜め後から見た分解斜視図である。更に、図85は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図86は、図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。また、図87は遊技盤における機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。更に、図88は機能表示シールの概略図であり、図89は遊技窓を介して遊技盤の機能表示シールを見た部分図である。
本実施形態の遊技盤4は、図76乃至図79等に示すように、外形が略正方形状で所定厚さのベニア板等の木製合板により形成された遊技パネル600と、遊技パネル600の前面に遊技領域605を囲むように取付けられる前構成部材601と、前構成部材601の後側に固定される機能表示ユニット640(図87等を参照)と、から構成されており、遊技パネル600により遊技領域605の後端が区画形成されるようになっている。
一方、第二の実施形態の遊技盤4は、図82乃至図83に示すように、透明板状の遊技パネル600Aと、遊技パネル600Aを保持し外形が略正方形状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630を介して遊技パネル600Aの前面に取付けられる前構成部材601と、前構成部材601に固定される機能表示ユニット640と、から構成されており、第一の実施形態の遊技パネル600が、透明な遊技パネル600Aとパネルホルダ630とに分割して構成されていると共に、前構成部材601と機能表示ユニット640は、第一の実施形態と同じ構成とされている。
遊技パネル600,600Aの表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ630の前面に取付けられるが、その前構成部材601は、遊技領域605の外周を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ630の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後端部突片475と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後突片474の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5における開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。而して、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図76及び図80に示すように、遊技盤4の下方の通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、その略中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図81を参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図80に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。更に、前構成部材601における下方右の証紙貼付部615の上側には、機能表示シール649が貼付けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、一般入賞口2004,2101、始動口2001,2002、大入賞口2003、等)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621の裏面に遊技領域605の略中央に配置される表示装置としての液晶表示装置1400(図151等を参照)の表示を制御する液晶制御基板4150及び周辺制御基板4140が収納される周辺基板ボックス622が取付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図75を参照)が形成されている。この落下口629は、アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図128を参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板4100を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板1136等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に基板ユニット1100に設けられているドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が備えられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図128を参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
[1−3A−1.前構成部材・遊技パネル・パネルホルダ・パネル裏板]
続いて、第二の実施形態の遊技盤4における遊技パネル600Aの保持構造について、主に図82乃至図84を参照して詳細に説明する。この遊技盤4は、図示するように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル600Aと、遊技パネル600Aを前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ630や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル600Aと位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル600Aは、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル600Aの板厚は、パネルホルダ630よりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル600Aには、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔600aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔600bが夫々備えられている。これら嵌合孔600a及び長孔600bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ630との位置決めを行うものである。また、遊技パネル600Aには、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部600cが夫々備えられている。この係合段部600cは、遊技パネル600Aの板厚の略半分を切欠いた形態とされると共に、嵌合孔600a及び長孔600bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル600Aをパネルホルダ630へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル600Aには、所定位置に内レール固定孔600dが複数備えられている。この内レール固定孔600dに内レール603の後側から突出する位置決め突起601bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル600Aには、センター役物2300、及びアタッカユニット2000等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部600eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。なお、これら開口部600eは、遊技パネル600Aの上下左右方向の外周に対して貫通しないような形状となっており、遊技パネル600Aの外周が繋がっているので、開口部600eによって遊技パネル600Aの強度が低下するのを抑制するようになっている。
遊技盤4におけるパネルホルダ630は、遊技パネル600Aを包含する大きさで外形が略四角形状とされ、第一の実施形態の遊技盤4における遊技パネル600の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ630には、遊技パネル600Aを着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部630aと、保持段部630aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口630bとを主に備えている。
パネルホルダ630の保持段部630aは、前面からの深さが遊技パネル600Aの厚さと略同じ深さとされており、保持段部630a内に保持された遊技パネル600Aの前面がパネルホルダ630の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部630aは、その前側内周面が、遊技パネル600Aの外周面に対して所定量のクリアランスC(図82を参照)が形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル600Aが伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ630には、保持段部630aに保持される遊技パネル600Aに形成された嵌合孔600a及び長孔600bと対応する位置に配置され、保持段部630aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル600Aの嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン630cを備えている。これらの突出ピン630cを遊技パネル600Aの嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ630と遊技パネル600Aとを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630には、遊技パネル600Aの係合段部600cと対応する位置に、係合段部600cと係合する係合爪630d及び係合片630eを供えている。詳述すると、甲82及び図82に示すように、係合爪630dは、パネルホルダ630の上側の保持段部630aに配置されており、遊技パネル600Aにおける上側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面から前方に向かって突出し係合段部600cと弾性係合するようになっている。この係合爪630dは、その先端がパネルホルダ630の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片630eは、パネルホルダ630の下側の保持段部630aに配置され、遊技パネル600Aにおける下側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面との間に遊技パネル600Aの係合段部600cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ630の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪630d及び係合片630eに遊技パネル600Aの係合段部600cを係合させることで、遊技パネル600Aがパネルホルダ630に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ630には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔630fを備えており、このボス挿通孔630fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ630と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部630gが備えられている。この取付支持部630gにより、パネルホルダ630の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部630gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱621のフランジ状の固定部621a(図154等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部630gに所定の部材を取付固定することで、その固定部621aがパネルホルダ630よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ630すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ630の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部630gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏板635を収容可能な収容凹部630hと、この収容凹部630h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部630iとを更に備えている。この収容凹部630hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部630iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、後面側の取付支持部630g内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔630jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ630には、取付孔630jと対応するように配置される複数の位置決め孔630kが備えられている。この位置決め孔630kは、取付孔630jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱621における前面のフランジ状に形成された固定部621aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔630kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔630jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔630jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ630には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部630lが形成されており、肉抜き部630lによりパネルホルダ630の重量が軽減されるようになっている。図83に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ630の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部630lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ630の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ630は、図示するように、肉抜き部630lが形成されることで、取付孔630j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ630の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ630には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部630mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル600を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ630の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口630nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔630oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部630lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ630の収容凹部630hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ630の係止部630iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ630における取付孔630j及び位置決め孔630kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ630と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ630の開口630n、連通孔630o、及びボス挿通孔630fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ630の収容凹部630hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ630の係止部630iに係止させることで、パネルホルダ630と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ630とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ630の後面側には、貫通口630bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔630j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔630k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル600Aの保持構造によると、前方からパネルホルダ630の保持段部630a内へ遊技パネル600Aを嵌合挿入して、係合爪630d及び係合片630eと、係合段部600cとを係合させることで、パネルホルダ630に遊技パネル600Aを保持させることができると共に、遊技パネル600Aとパネルホルダ630の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル600Aをパネルホルダ630に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル600A、パネルホルダ630、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル600Aを交換パーツとすると共に、パネルホルダ630及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ630や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル600Aのみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630に予め複数の取付孔630jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ630の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔630jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ630を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−3A−2.盤用基板ホルダ]
続いて、遊技盤4における盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、主に図85及び図86を参考にして説明する。この盤用基板ホルダ623は、遊技パネル600又はパネルホルダ630の後側に取付固定されるものであり、図示するように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル600,600Aの後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、主制御基板ボックス624を取付けるための主制御基板ボックス取付部623aが形成されていると共に、主制御基板ボックス取付部623aの横(背面視で右側)に主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部623bが形成されている。また、盤用基板ホルダ623の後面には、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ636が固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面の主制御基板ボックス取付部623aに支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aが主制御基板ボックス取付部623aの横の被封止部623bへ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、主制御基板ボックス取付部623aの被封止部623bに開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
[1−3A−3.機能表示ユニット]
まず、本実施形態のパチンコ機1における機能表示ユニット640は、図87に示すように、機能表示基板640a、カバー部材640bを備えいる。この機能表示基板640aは、図示するように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えおり、セグメント表示器SEG1には第一特別図柄表示器641が割り当てられ、セグメントSEG2には第二特別図柄表示器642が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、後述するアタッカユニット2000の第一始動口2001に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、第二始動口2002に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
また、LED1には第一特別図柄記憶ランプ643a、LED2には第一特別図柄記憶ランプ643bが夫々割り当てられ、LED3には第二特別図柄記憶ランプ644a、LED4には第二特別図柄記憶ランプ644bが夫々割り当てられている。第一始動口2001へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留球が2球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点灯し、保留球が3球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留球が4球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点滅する。一方、第二始動口2002へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留球が2球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点灯し、保留球が3球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留球が4球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点滅する。
更に、LED5には普通図柄表示器645が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、後述するゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過すると、所定の普通図柄が変動表示するようになっている。
また、LED6〜LED9には普通図柄記憶表示器646が夫々割り当てられている。ゲート2201を通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないとき(普通図柄表示器645にて普通図柄の変動表示を実行しているとき及び可動片2005を開閉動作させているときにゲート2201を通過したことにより即座に普通図柄の変動表示に使用されない遊技球)には、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ646aが点灯して普通図柄記憶ランプ646b〜646dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ646a,646bが点灯して普通図柄記憶ランプ646c,646dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ646a〜646cが点灯して普通図柄記憶ランプ646bが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶表示器646がすべて点灯する。
また、LED10には遊技状態表示器647が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動又は小当たりが生じている旨を報知するようになっている。
更に、LED11には2ラウンド表示ランプ648a、LED12には15ラウンド表示ランプ648bが夫々割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板640aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が夫々割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が機能表示基板640aに集約された構成になっている。
また、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、大当たり遊技状態を特別図柄として夫々変動表示するため、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶表示器646に割り当てられるLED6〜LED9の数と、ラウンド表示器648に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
ところで、機能表示基板640aは、カバー部材640bに図示しないネジで固定され、カバー部材640bが遊技盤4の前構成部材601の裏面から図示しないネジで取付けられるようになっている。前構成部材601には、機能表示基板640aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口601cが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、前構成部材601には、図87にも示すように、機能表示基板640aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔601dが夫々設けられており、カバー部材640bを前構成部材601の裏面に取付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔601dは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール649に印刷されている。前構成部材601には、機能表示シール649を貼り付ける機能表示シール貼付部601eが形成されている。なお、機能表示シール貼付部601eには凹部601fが形成されている。この凹部601fにマイナスドライバ等の工具を挿入して貼り付けた機能表示シール649を剥がし易くしている。ここで、機能表示シール649を剥がし易くするために機能表示シール649に突出部を設けることも考えられるが、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、その突出部が何らかの原因によって引っ張られて機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれるおそれがある。そこで本実施形態では、機能表示シール貼付部601eに凹部601fを形成することによって、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれないようにしている。
[1−3A−4.機能表示シール]
次に、遊技機4における機能表示シール649は、図88に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である前構成部材601に形成された機能表示シール貼付部601eに貼り付けられている。
グループGrp1は、図88に示すように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643から構成されており、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、第一特別図柄表示器641による表示や第一特別図柄記憶表示器643による点灯又は点滅を視認できるように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643と対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第一始動口2001へ始動入賞すると、第一特別図柄表示器641が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅したりする。このように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643が第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp1を目視することによって第一始動口2001への遊技球の始動入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
一方、グループGrp2は、図88に示すように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644から構成されており、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、第二特別図柄表示器642による表示や第二特別図柄記憶表示器644による点灯又は点滅を視認できるように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644と対応する位置が透明となっている。このグループGrp2では、第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第二始動口2002へ遊技球が始動入賞すると、第二特別図柄表示器642が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅したりする。このように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644が第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp2を目視することによって第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
また、グループGrp3は、図88に示すように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646から構成されており、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器645による点灯や普通図柄記憶表示器646による点灯を視認できるように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646と対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器645は、上述したように、可動片2005の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、可動片2005が閉状態から開状態となると、遊技球が第二始動口2002へ入賞し易くなる。このため、普通図柄表示器645には、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と見分けが付くように星印が印刷されている。このグループGrp3では、ゲート2201に関する各種情報を表示することもできるようになっている。例えば、ゲート2201を遊技球が通過すると、普通図柄表示器645が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯したりする。このように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646が普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
更に、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置には、図88に示すように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648による点灯を視認できるように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置が透明となっている。ラウンド表示器648には、ラウンドの最大回数を理解し易いように、2ラウンド表示ランプ648aと対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ648bと対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷されている。上述したように、遊技状態表示器647は点灯する色を遊技状態として表示することによって遊技状態が確率変動又は小当たりが生じている旨を報知し、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知し、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知する。これにより、遊技者は、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された遊技状態表示器647を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された2ラウンド表示ランプ648aを目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された15ラウンド表示ランプ648bを目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されており、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置は遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール649は、図87に示した機能表示基板640aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器645等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール649に集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図88に示すように、シール管理番号649aとして機能表示シール649に印刷されている。このシール管理番号649aは、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して遊技窓101から視認し難い位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。また、機能表示シール貼付部601eに設けた凹部601fも、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して視認し難い位置に形成されており、凹部601fを遊技者に視認し難くしている。
また、シール管理番号649aは、パチンコ機1を製造するメーカの作業者が、パチンコ機1を組立る際に、誤って別仕様の機能表示シールを取付ける作業ミスを防止するためのものである。また、シール管理番号649aは機能表示シール649の在庫管理にも用いられており、グループGrp1〜グループGrp3等の態様がシール管理番号649aに紐付けされて管理されている。これにより、シール管理番号649aを調べると、シール管理番号649aに対応する機能表示シール649の在庫が分かるようになっている。
ここで、近年のパチンコ機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ機1の仕様変更には、共通の機能表示基板640aを使用することで対応することができるようになっている。このようなパチンコ機1の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ機1の製造元では、ラインの作業者が遊技盤4に機能表示シール649を貼り付ける前に、パチンコ機1の仕様と機能表示シール649とが対応しているか否かを、シール管理番号649aを目視することによって確認することができ、パチンコ機1の仕様に対応しない機能表示シール649が貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シール649はシールであり、接着剤などを機能表示シール649の裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[1−3B.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について図90乃至図95を参照して説明する。図90は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図91は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図92は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図93は、操作ハンドル部410を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図94は、操作ハンドル部410を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図95は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図91に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、その略中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図92に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口171b(図18を参照)に臨んで設けられている球送り部材172(図18を参照)の錘173と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が球送り部材172を揺動させ、球送り部材172の揺動動作により打球供給口171bから流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665が略密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663に夫々対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、夫々の貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図91に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図92(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、円筒部の前方に拡大してモータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図93を参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図90(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図95に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、更に、楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット180のスライド突片183が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片183が挿入空間714に挿入された状態では、図95(B)に示すように、スライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図92(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図92(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図92(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図93に示すように、スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672が略垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図93において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図92(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図94に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図94において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414の回動操作に応じて移動するジョイントユニット180のスライド体182の移動と連動するようになっている。この点について図60等を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414を回転させることにより、回転軸415の先端に固着される勾玉状のカム416も回転するため、ジョイントユニット180のスライド体182がジョイントユニット装着凹部110cの内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体182のスライド突片183は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片183が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置400の回動操作部材414を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置400が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置400のスライド突片183と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片183がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置400と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片183が挿入空間714から離れてハンドル装置400と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置400と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片183が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片183の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片183がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部410の回動操作部材414に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片183が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片183の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片183の傾斜辺183aとスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片183とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部410の回動操作部材414がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置400と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
[1−3C.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図96を参照して説明する。図96は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図74に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図4に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅と略同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図97を参考にして説明する。図97は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図97(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図97(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図97(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
[1−3D.タンクレール部材]
続いて、上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図98乃至図100を参照して説明する。図98は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図99は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図100は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図4に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図68を参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板1136のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740における2列の夫々の通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、夫々の通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747における歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図100に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
[1−3E.球通路ユニット]
次に、上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主に図101乃至図105を参照して説明する。図101は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図102は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図103は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図104は、球通路ユニット770の正面図であり、図105は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図102及び図103において、賞球ユニット800部分は、ギアカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギア等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
本例の球通路ユニット770は、略長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図100(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、左右屈曲通路部772bに連通して略垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図100(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742の略中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図104に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770の略横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cも略垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は、同様に軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、図101に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図103に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図105(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図105(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図105(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742の略中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
[1−3F.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主に図106乃至図109を参照して説明する。図106は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図107は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図108は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図109は、図108のA−A断面図である。
図106において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830と、ユニットサブ板825の略中央表面領域(後面側領域)に設けられるギア群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギアカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、略長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側の略中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって、その球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、計数スイッチ812が着脱自在に装着されている。
この計数スイッチ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、計数スイッチ812からの配線(図示しない)は、後述する賞球ユニット内中継端子板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギア843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギアカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図101に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギアカバー866の取付穴867に対応させ、そのギアカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、賞球ユニット内中継端子板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギア843,844,847や検出円盤850が取付けられるギア領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、略正方形状に形成され、その正方形状に沿って賞球ユニット内中継端子板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と賞球ユニット内中継端子板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した計数スイッチ812、払出モータ815、及び後述する回転角スイッチ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図71及び図126を参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、賞球ユニット内中継端子板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより賞球ユニット内中継端子板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、略正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺の略中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で賞球ユニット内中継端子板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、賞球ユニット内中継端子板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギア領域840に設けられるギア843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギア843(駆動ギア)が固着されている。第一ギア843の上方には、第一ギア843と噛合する第二ギア844(回転伝達ギア)がギアカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギア844の上方には、第二ギア844と噛合する第三ギア847(回転伝達ギア)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギア847の上方には、第三ギア847と噛合するギア部852(従動ギア)を有する検出円盤850がスプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図109に示すように、モータ軸818の先端部がギアカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギアカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギア領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギアカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図109に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギア部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギア部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式の回転角スイッチ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる計数スイッチ812によって検出して計数のために使用している。なお、図109に示すように、センサ基板854の他端辺もギアカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギア領域840に設けられる複数のギアのうち、第二ギア844だけがギアカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギア領域840を覆うギアカバー866には、ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギアカバー866側に設けられる第二ギア844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギア843及び第三ギア847の歯とを噛合せながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギアカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でユニットベース体801とギアカバー866とが一体的に固定される。また、ギアカバー866の一側側面には、賞球ユニット内中継端子板830に接続される配線(例えば、賞球ユニット内中継端子板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と賞球ユニット内中継端子板830と基板カバー835とギアカバー866とを組み付けた状態においては、図109に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギア領域840に設けられる複数のギア843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図109において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図71に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図101に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記の夫々の係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
[1−3G.満タンユニット]
続いて、上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図110乃至図116を参照して説明する。図110は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図111は、満タンユニット900の斜視図であり、図112は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図113は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図114は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図115は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図116は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図112に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋343に導かれる。
ところで、逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放された略正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、略正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図115に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図114に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、出口921の両側方とファール球入口923の一側方に満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図110に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図115の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図115の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅と略同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[1−4.錠装置]
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取付けられる錠装置1000について主として図117乃至図125を参照して説明する。図117は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図118は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図119は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図120は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図121は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図122は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図123は、錠装置1000の分解斜視図であり、図124は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図125は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図117に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図121乃至図123に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図123を参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図123を参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図118を参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、その取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図122(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図122(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022が夫々形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取付けられるシリンダ錠1010について説明すると、シリンダ錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダ錠本体が固定され、そのシリンダ錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032,について図123を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図125(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図67及び図68を参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー158(図18を参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー158との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066が夫々形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、このコ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図117に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取付けられた錠装置1000の作用について図124及び図125を参照して説明する。まず、図124を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図124(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー158とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図124(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー158と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図124(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー158の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー158とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図125を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図125(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図125(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図125(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図125(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
[1−5.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、主として図126乃至図134を参照して説明する。図126は、基板ユニットを背面側から見た斜視図であり、図127は、基板ユニットの背面側から見た分解斜視図であり、図128は、基板ユニットを前面側から見た斜視図であり、図129は、基板ユニットの前面側から見た分解斜視図であり、図130は、基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図であり、図131は、枠用基板ホルダの背面図であり、図132は、基板ユニットの背面図であり、図133は、払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図であり、図134は、基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図135は、基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図であり、図136は、払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ機の背面図の一部であり、図137は、図138の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤(ただし、この遊技盤は、図76乃至図80に示す取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤である。)の正面図であり、図138は、図137のC−C断面図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図68及び図70を参照)に取付けられるものであり、図126及び図127に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板1107、及び副ドロワ中継基板1108の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。後述するように、電源基板1136は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板1136から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板1186を収納する払出制御基板ボックス1105を電源基板ボックス1103の上面に重複して取付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板1136等からの電磁波の影響を防止すると共に電源基板1136から発せられる熱を放熱するために金属製のシールド放熱板1106が取付けられ、また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。以下、基板ユニット1100を構成する各部材について詳細に説明する。
なお、本実施形態におけるシールド放熱板1106は、特に、電源基板ボックス1103の上面から熱が発せられた熱を外部(外気)に放熱するために、図127及び図129に示すように、シールド放熱板1106の板面が凹凸状の凹凸面1106aとして形成されている。シールド放熱板1106によって払出制御基板1186に伝達される熱を小さく抑えることができる。凹凸面1106aによって外部(外気)との接触面積を増加させて放熱効果を高めるものである。また、凹凸面1106aは、設置したときに熱が放熱し易いように垂直状若しくは傾斜状に形成することが望ましい。もちろん、シールド放熱板1106に凹凸面1106aを形成しても電磁波に対するシールド効果が損なわれることはない。シールド放熱板1106は電源基板1136等からの電磁波の影響を防止する。これにより、電磁波によるノイズの影響を抑えることができるため、ノイズの影響による払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186の誤動作を防止することができる。また、このシールド放熱板1106のシールド放熱機能は、電源基板ボックス1103と払出制御基板ボックス1105との間だけではなく、枠用基板ホルダ1101に他の複数の基板ボックスが重複して取付けられる場合には、その下側に位置する基板ボックスと上側に位置する基板ボックスとの間に、本実施形態と同じシールド放熱板1106を設けることによっても奏されるものである。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図127及び図130に示すように、その後面側一側部(図130において右側部)に配線用開口1124が形成され、配線用開口1124の内側に扉中継基板1102を取付けるための中継基板用凹部1110が形成されている。この中継基板用凹部1110は、略正方形状の扉中継基板1102の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部1110内の上下辺には、扉中継基板1102の裏面を支える当接突部1113が突設されると共に、中継基板用凹部1110に扉中継基板1102を収納した状態で扉中継基板1102の一側縦辺の表面と係止する止め爪1111が形成されている。また、中継基板用凹部1110の外側寄りの上下には、電源基板ボックス1103の一端辺に形成される係合係止穴1135に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス1112が突設されている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側において、上記した中継基板用凹部1110よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片1114が形成されている。この配線処理片1114は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダ1101の中継基板用凹部1110の上部から略中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス1103を取付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス1103の裏面と当接する当接突部1115が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス1103を当接突部1115に当接するように取付けた状態では、電源基板ボックス1103の裏面と枠用基板ホルダ1101の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの配線処理片1114である。
なお、電源基板ボックス1103を取付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダ1101の他端辺(図130において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダ1101は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が電源基板ボックス1103を取付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス1103の他端辺上下に突設される挿入突起1134が挿入される挿入口1115aが形成されている。このため、電源基板ボックス1103を取付けるためには、挿入突起1134を挿入口1115aに差し込んだ後、電源基板ボックス1103の一端辺上下に形成される係合係止穴1135を取付ボス1112に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス1103を枠用基板ホルダ1101に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダ1101の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス1105を取付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間1116が形成されている。この配線引き廻し空間1116の底面には、配線用開口1121(図129乃至図132を参照)が形成されており、電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片1114に掛け止められた配線を配線引き廻し空間1116及び配線用開口1121から枠用基板ホルダ1101の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図127の左端部側)には、払出制御基板ボックス1105の係合弾性片1184が係合するための係止突部1117が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側の構成について説明すると、図128、図129、図131に示すように、枠用基板ホルダ1101の前面側の略中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図78を参照)、球抜排出通路524(図68を参照)の下流側、及び落下口629(図75を参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図71に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側であって払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取付けるドロワ取付領域1120が形成されている。ドロワ取付領域1120には、夫々の中継基板1107,1108に形成された支持穴1204,1205が貫通されて各中継基板1107,1108を支持するためのドロワ取付ボス1118が突設されると共に、夫々の中継基板1107,1108の中間位置の上下に接合案内孔1126と案内孔1125が穿設されている。この接合案内孔1126は、図138に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202(ホルダ側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダ623に形成される接合案内突起628(図78を参照)が挿入されるものである。一方、案内孔1125は、基板ユニット1100を本体枠3に取付ける際に、本体枠3に突設される案内突起525(図68及び図70を参照)が挿入されるもので、基板ユニット1100の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、取付片1122を本体枠3の取付穴部527(図68を参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図70に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図128の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
枠用基板ホルダ1101の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダ1101に取付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダ1101の後面側の中継基板用凹部1110に装着される扉中継基板1102について説明すると、扉中継基板1102には、図127に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子1130と扉枠用接続端子1131とが設けられている。扉枠用接続端子1131は、枠用基板ホルダ1101にすべての基板を取付けた状態においても、図132に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線1212(図134を参照)が配線用開口1124を通って扉枠用接続端子1131に接続されるものである。また、内部接続端子1130は、副ドロワ中継基板1108に設けられる扉枠用コネクタ1203に内部配線1213(図134を参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線1213は、前述した配線処理片1114及び配線引き廻し空間1116、配線用開口1124を敷設されるように枠用基板ホルダ1101の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側の電源基板ボックス取付領域に取付けられる電源基板ボックス1103は、電源基板1136(図133を参照)を固定するボックス主体1132と、ボックス主体1132を被覆するカバー体1133と、から構成されている。ボックス主体1132には、その一端部の上下に取付ボス1112と係合する係合係止穴1135が一体的に形成され、その他端部の上下に挿入口1115aに挿入される挿入突起1134が一体的に形成されている。また、電源基板1136のカバー体1133に被覆されない部分(図133の右側部と左下部)には、図133に示すように、電源スイッチ1137と電源線コネクタ1138とCRユニット電源コネクタ1139とアース用コネクタ1140と払出制御基板用電源コネクタ1141とが設けられている。電源スイッチ1137は、パチンコ機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタ1138は、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ1139は、パチンコ機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタ1140は、パチンコ機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタ1138を介して、外部にアースするためのコネクタである。具体的には、扉枠5(補強板211〜214)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140aと電気的に接続され、タンクレール部材740を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140bと電気的に接続され、賞球ユニット800からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140cと電気的に接続され、CRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140dと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタ1138のフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタ1141には、図134に示すように、電源供給用配線1214が接続され、電源供給用配線1214が払出制御基板1186の電源用端子1192に接続されている。そして、この電源供給用配線1214により、払出制御基板1186を介して他の制御基板(例えば、周辺基板ボックス622に収納される液晶制御基板4150や主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線1214は、払出制御基板用電源コネクタ1141から配線引き廻し空間1116に導かれ払出制御基板ボックス1105の裏面から後方に引き出されて電源用端子1192に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線1214も枠用基板ホルダ1101の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス1103のカバー体1133の後面は、図127に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域1143となっている。取付領域1143は、枠用基板ホルダ1101の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部の略中央には、払出制御基板ボックス1105の後述する係合片1182(図129を参照)が係合挿入される係合穴1146が形成されている。
端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142を構成するカバー体1133には、端子基板ボックス1104の裏面側に形成される位置決めピン1148及び係合片部1147と夫々位置決め若しくは係合する位置決め穴1145及び取付係合穴1144が形成されている。係合片部1147は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴1144は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部1147を取付係合穴1144の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダ1101の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部1147と取付係合穴1144の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス1104の他側辺の下部に掛止片1149が突設され、端子基板ボックス1104がカバー体1133にスライド移動係合されたときに、掛止片1149が払出制御基板ボックス1105のボックス主体1180の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス1104を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス1104には、図132に示すように、複数の外部情報端子1151と払出制御基板用端子1156とが設けられる外部端子板1150aと、度数表示器用端子1152と電源アース端子1153とCRユニット用端子1154と払出制御基板用端子1155とが設けられるCRユニット端子板1150bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板1150aに設けられる複数の外部情報端子1151は、大当たり情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として主制御基板ボックス624に収納されている主制御基板4100から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ1200を介して払出制御基板1186に伝送され、さらに払出制御基板1186に設けられる外部端子板用端子1188と払出制御基板用端子1156との接続により、最終的に複数の外部情報端子1151の夫々に伝達される。CRユニット端子板1150bの度数表示器用端子1152は、パチンコ機1の、例えば皿ユニット300に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子1153は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図132の左側)には電源基板1136のCRユニット電源コネクタ1139からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板1136の複数のアース用コネクタ1140のうちの1つのアース用コネクタ1140からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子1154は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板1186のCRユニット端子板用端子1189と払出制御基板用端子1155とが接続されることにより、払出制御基板1186とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス1104は、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100からの遊技情報を外部に導出する外部端子板1150aと、払出制御基板1186とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子板1150bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス1104に纏めて枠用基板ホルダ1101に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板4100と外部端子板1150aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板1186を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けえる払出制御基板ボックス1105について、主として図127、図129及び図132を参照して説明する。払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板1186が図示しないビス等で固定されるボックス主体1180と、ボックス主体1180に取付けられて払出制御基板1186の表面を覆うカバー体1181と、から構成されている。ボックス主体1180とカバー体1181とは、その一側辺(図132の右側辺)を係合させ、その他側辺(図132の左側辺)に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体1180とカバー体1181とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。また、ボックス主体1180の一側短辺中央には、電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される係合穴1146に差し込まれる係合片1182が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダ1101に形成される係止突部1117に弾性係合する係合弾性片1184が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101に取付けるには、係合片1182を係合穴1146に差し込んだ後、係合弾性片1184を係止突部1117に係合させることにより、簡単に取付けることができる。そして、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって払出制御基板ボックス1105を取付けた状態においては、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片1184を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片1184と係止突部1117との係合を外して払出制御基板ボックス1105を引き上げながら、係合穴1146から係合片1182を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から外すことができる。
また、上記したボックス主体1180とカバー体1181とによって被覆される払出制御基板1186には、その一側部(図132の右側部)に扉枠開放スイッチ用端子1185a、本体枠開放スイッチ用端子1185b、賞球ユニット用端子1187、外部端子板用端子1188、CRユニット端子板用端子1189、操作ハンドル用端子1194、エラーLED表示器4130、エラー解除スイッチ4131、及び球抜きスイッチ4132が設けられ、その他側下部(図132の左側部)に満タンスイッチ用端子1190、検査用出力端子1191、電源用端子1192、発射モータ用端子1193、及び内部接続端子1195が設けられている。
扉枠開放スイッチ用端子1185aは、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ4133からの配線が接続されるコネクタである。本体枠開放スイッチ用端子1185bは、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ4134からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子1187は、前述した賞球ユニット800の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。外部端子板用端子1188は、前述したように外部端子板1150aの払出制御基板用端子1156に接続される多ピンコネクタである。CRユニット端子板用端子1189は、前述したようにCRユニット端子板1150bの払出制御基板用端子1155に接続される多ピンコネクタである。満タンスイッチ用端子1190は、満タンユニット900の満タンスイッチ916からの配線が接続されるコネクタである。エラーLED表示器4130は、CRユニット接続異常等のパチンコ機の状態を表示する。エラー解除スイッチ4131は、操作されるとエラーLED表示器4130に表示されているエラーに応じた解除方法の案内がサイドスピーカ121や下部スピーカ391から流れる。球抜きスイッチ4132は、操作されると賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された球を排出開始する(球抜き開始する)。検査用出力端子1191は、払出制御基板1186を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子1192は、前述したように電源基板1136の払出制御基板用電源コネクタ1141に電源供給用配線1214によって接続されるコネクタである。発射モータ用端子1193は、打球発射装置650の発射モータ695からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子1194は、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の内部に設けられるタッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子1195は、主ドロワ中継基板1107に設けられる払出制御基板用コネクタ1201に信号電源配線1215によって接続されるコネクタである。
なお、エラー解除スイッチ4131の左方近傍には、図132に示すように、抵抗R1194a〜R1194dが配置されている。これらの抵抗R1194a〜R1194dは、操作ハンドル用端子1194に入力された各種検出信号に扉枠5(図18に示した補強板211〜214)からのノイズ等が侵入した際に、グランド(GND)が不安定にならないようにするものであり、その詳細な説明は後述する。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側に形成されるドロワ取付領域1120に取付ける主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108について説明する。図129に示すように、主ドロワ中継基板1107には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる主ドロワコネクタ626(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)と、払出制御基板1186の内部接続端子1195と信号電源配線1215を介して接続される払出制御基板用コネクタ1201とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板1108には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)と、扉中継基板1102の内部接続端子1130と内部配線1213を介して接続される扉枠用コネクタ1203とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108には、各基板の左右両側に支持穴1204,1205が穿設され、支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込むことにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に位置決め支持され、その後、基板カバー1109で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー1109には、主ドロワ中継基板1107に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板1108に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口1206,1207,1208,1209が開設され、また、基板カバー1109の裏面側に、ドロワ取付ボス1118の先端部が挿通されるピン挿通穴1210(図127を参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー1109を枠用基板ホルダ1101に図示しないビスで止着するための止め穴1211が形成されている。このため、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108の支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込み、ドロワ取付ボス1118の先端部をピン挿通穴1210に挿通しながら基板カバー1109で被覆し、止め穴1211に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット1100の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板4100及び液晶制御基板4150以外の基板である扉中継基板1102、電源基板ボックス1103に収納された電源基板1136、端子基板ボックス1104に収納された外部端子基板1150、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186を、枠用基板ホルダ1101に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット1100を本体枠3の背面側下部に取付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット1100にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダ1101の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット1100の前面に主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板1108とが設けられているので、図138に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板625の主ドロワコネクタ626と副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ)が夫々対応する主ドロワ中継コネクタ1200と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット1100を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス1105と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス1104と、を基板ユニット1100の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス1103や扉中継基板1102を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット1100の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス1103や扉中継基板1102においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[1−5A−1.基板ユニットと遊技盤との電気的な接続(ドロワコネクタによる接続)]
次に、基板ユニット1100と遊技盤4との電気的な接続について図135を参照して説明する。上述したように、遊技盤4側にはドロワコネクタ626,627が設けられ、基板ユニット1100側にはドロワコネクタ1200,1202が設けられている。図135(a)に示すように、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入することで電気的に接続することができる。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627は、図135(b)に示すように、ターミナル626a,627aを備えており、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202は、図135(c)に示すように、コンタクト1200a,1202aを備えている。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入すると、図135(c)に示すように、ターミナル626a,627aがコンタクト1200a,1202aを押し下げコンタクト1200a,1202aが変位する。この変位によって発生したコンタクト1200a,1202aの反発力は、ターミナル626a,627aを強く接触することで電気的な導通状態となる。これにより、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、には、各種制御基板相互による(例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186とによる)各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成される。また遊技盤4側のドロワコネクタ626と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200と、には、さらに、電源基板1136によって作成された各種電圧を供給する電圧供給ラインが形成される。このように、遊技盤4を本体枠3に着脱自在に装着することで、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、による制御信号ライン及び電圧供給ラインが接離自在に接続することができる。
なお、本実施形態におけるターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aは、ベローズタイプのものを採用している。ピンタイプのものでは作業時にうっかりピンに触れて曲げてしまうおそれがあるが、ベローズタイプのものではそのおそれがない。また、ターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aのメッキには摩擦係数の小さい金メッキを採用している。これにより、遊技盤4の着脱時のすべり良さ(嵌合の良さ)が確保されている。
ここで、遊技盤4を本体枠3に取付けるときに、図133に示した電源スイッチ1137を入れたままの状態で、その作業を行うと、ターミナル626aとコンタクト1200aとの接点、具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(後述する突入電流)が流れるため溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤4を本体枠3に無理に押し込んで取付けようとすると、コンタクト1200aが折れ曲がって壊れたり、その遊技盤4を本体枠から取り外すときに、コンタクト1200aがドロワコネクタ1200から剥がれて破損したりして、ドロワコネクタ1200が使用できなくなる。
また、ターミナル626aとコンタクト1200aとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもある。そこで、本実施形態では、溶着を防止する回路を後述する主制御基板4100に設けて対応している。その詳細な説明については後述する。
[1−5A−2.賞球ユニットとの配線等]
次に、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186と賞球ユニット800との配線等について図136を参照して説明する。賞球ユニット内中継端子板830には、上述したように、計数スイッチ用コネクタ830a、払出モータ用コネクタ830b、回転角スイッチ用コネクタ830c、球切れスイッチ用コネクタ830d、アース用コネクタ830e、及び払出制御基板用コネクタ830fが設けられている。
計数スイッチ用コネクタ830aは計数スイッチ812からの配線が接続され、払出モータ用コネクタ830bは払出モータ815からの配線が接続され、回転角スイッチ用コネクタ830cは回転角スイッチ855からの配線が接続され、球切れスイッチ用コネクタ830dは球通路ユニット770の球切れスイッチ778からの配線が接続され、アース用コネクタ830eは払出モータ815からのアース線が接続されている。払出制御基板用コネクタ830fは払出制御基板1186の賞球ユニット用端子1187と配線(ハーネス)により接続されている。
球切れスイッチ778からの配線及び回転角スイッチ855からの配線を除いた、計数スイッチ812からの配線、払出モータ815からの配線、払出モータ815からのアース線、及び賞球ユニット用端子1187とのハーネスは、配線処理片869により掛け留めてまとめられている。
島から供給された球は、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留され、球通路ユニット770に取り込まれ、賞球ユニット800に導かれる。球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット800はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
上述したように、賞球ユニット800のセンサ基板854には回転角スイッチ855が設けられており、この回転角スイッチ855からの検出信号は、球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、上述した、払出制御用コネクタ480fと賞球ユニット用端子1187とを接続するハーネス、つまり賞球ユニット800と払出制御基板1186とを接続するハーネスも球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
[1−6.カバー体]
次に、カバー体1250について、図5、図70及び図74等を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側の略中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1300の接続操作用開口1303、立壁1304、当接突起1305、補強リブと同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
[1−6A.カバー体の他の実施形態]
上記した図5及び図74に示したカバー体1250(以下、「第一実施形態に係るカバー体1250」という。)は、図5からも明らかなように、遊技盤4の裏面下部に取付けられる主制御基板ボックス624を除いた遊技盤4の裏面を覆うように形成されているが、これを主制御基板ボックス624を含む遊技盤4の裏面の全体を覆うカバー体としても良い。このようなカバー体1300(以下、「第二実施形態に係るカバー体1300」という。)を取付けたパチンコ機について、図139乃至図150を参照して説明する。図139は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体を開放した状態の背面から見た斜視図であり、図140は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の側面図であり、図141は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の開放側から見た斜視図であり、図142は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の軸支側から見た斜視図であり、図143は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の背面図であり、図144は、第二実施形態に係るカバー体を取り外した状態のパチンコ機の背面図であり、図145は、第二実施形態に係るカバー体の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックスの斜視図であり、図146は、第二実施形態に係るカバー体の内側から見た斜視図であり、図147は、第二実施形態に係るカバー体に設けられるシリンダ錠の作用を説明するための背面図であり、図148は、図143のA−A断面図であり、図149は、図143のB−B断面図であり、図150は、図143のC−C断面図である。なお、図139乃至図150において、それ以前の図面に表示される構成と同じ機能を奏する構成には、同一の符号を付してある。
この第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の外枠2Aは、図139及び図140に示すように、前述した第二実施形態に係る外枠2Aであり、扉枠5に設けられる皿ユニット300の形状も若干異なるものである。更に、本体枠3の構成も軸支側後面壁546の開放端側に形成される後述する止め穴568、施錠穴569a及び案内孔569bを有する施錠壁569の点(図144を参照)、及び後側面壁を構成する第三側面壁542及び第四側面壁543の切欠部221の位置が下方まで延設されている点(図140を参照)で相違し、また、払出制御基板ボックス1105の構成においても、カバー体1181に当接低段面1181aが形成される点(図145を参照)で相違するだけである。ただし、図139及び図144に表示される主制御基板ボックス624は、図78に示される実施形態と同様に遊技盤4の裏面下部に取付けられる盤用基板ホルダ623に取付けられるものであり、図139及び図144においては、遊技盤4の図示が省略されている。
そこで、まず、図146を参照して第二実施形態に係るカバー体1300について説明する。カバー体1300は、やや縦長長方形状の周辺の側壁が立ち上がった皿状に合成樹脂によって形成され(側壁部や長方形板部の上半分には、多数の空気穴が形成されている。)、その縦辺一側の側壁に本体枠3に形成されるカバー体支持筒部575に挿入されて軸支される複数(図示の場合には4個)の軸支ピン1301が一体的に形成され、その縦辺他側の側壁のやや上部寄りに球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785に係合する係合片1302が一体的に形成されている。この軸支ピン1301と係合片1302は、第一実施形態に係るカバー体1250と同様に、カバー体1300の軸支ピン1301をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1300を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1302をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1300を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる主制御基板ボックス624を含む各種部品の背面を保護することができるものである。そして、この第二実施形態に係るカバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250と異なる点は、ただ単に開閉自在に設けられるだけではなく、閉じた状態で不正に開放することができないようにシリンダ錠1309が設けられる点と、主制御基板ボックス624の裏面まで覆ってしまうため、主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとに対応する位置に接続操作用開口1303が設けられている点と、カバー体1300の下辺の側壁の先端辺が閉じた状態で払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の表面に当接する点である。そこで、これらの第二実施形態に係るカバー体1300の特徴的な構成について以下説明する。
まず、接続操作用開口1303について説明すると、接続操作用開口1303は、カバー体1300の下辺の当接下辺側壁1306の上部に長方形状に形成されており、その大きさは、図143に示すように主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとが臨む大きさに開設されている。また、接続操作用開口1303の内側には、閉じた状態で主制御基板ボックス624の外周面に当接する立壁1304と当接突起1305とが突設されている。立壁1304は、接続操作用開口1303の左右開口縁に沿って比較的高く形成され、当接突起1305は、接続操作用開口1303の上開口縁から一側開口縁に沿って比較的低く突設形成されており、これらの立壁1304と当接突起1305は、図148及び図149に示すように、主制御基板ボックス624の外周面(主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100の表面を含む)との間に隙間が生じないようにして接続操作用開口1303から不正具を差し込んで主制御基板ボックス624に対して不正な行為が行えないようにしている。
次に、カバー体1300の下辺に形成される当接下辺側壁1306について説明すると、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、当接下辺側壁1306は、図149及び図150に示すように、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接するようになっている。このため、第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の枠用基板ホルダ1101に装着される払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部には、図145に示すように、表面より一段と低く形成される当接低段面1181aが形成されている。しかして、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105は、図144に示すように、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けられた状態において、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。このため、払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上面の一部である当接低段面1181aがカバー体1300の当接下辺側壁1306によって当接被覆されることによって、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。
次に、シリンダ錠1309に関連する構成について説明する。図146において、カバー体1300の下方側の下方寄りにシリンダ錠1309を貫通するための楕円形状の錠穴1308が開設されている。この錠穴1308にシリンダ錠1309の断面楕円状のネジ部1310が貫通され、この貫通したネジ部1310に内側からナット1312が螺着されることによりシリンダ錠1309が錠穴1308に固定される。また、シリンダ錠1309には、ネジ部1310の中心から錠軸1311がカバー体1300の内側に向かって突設され、その錠軸1311を楕円形状の施錠片1313の下方部に穿設されるネジ穴1314に貫通させてナット1315で締着することにより、施錠片1313をシリンダ錠1309の後端部に固着している。この構成により、シリンダ錠1309に鍵(遊技場の管理責任者等が所持している)を差し込んで回動することにより施錠片1313を90度の範囲で回動することができるようになっている。また、錠穴1308の下部には、カバー体1300を閉じる際に、開閉を案内するための案内突起1316が内側に向かって突設されている。更に、カバー体1300の開放側の上方部であって係合片1302の上下にネジを螺着するためのネジ止め穴1307が形成されている。
一方、上記したネジ止め穴1307、施錠片1313、及び案内突起1316に対応するように、本体枠3側には、止め穴568、施錠穴569a、及び案内孔569bが形成されている。この構成について図144を参照して説明すると、本体枠3の前述した軸支側後面壁546には、前述したようにカバー体当接溝567が形成されているが、このカバー体当接溝567の上下部(球通路ユニット770のカバー体係合溝785を挟んだ上下)にネジ止め穴1307に対応する止め穴568が形成されている。更に、本体枠3の軸支側後面壁546の下方部には、図147に示すように、施錠壁569が本体枠3の縦中心線方向に向かって延設されており、その施錠壁569の上下に施錠穴569aと案内孔569bとが開設されている。施錠穴569aは、楕円形状に形成されて施錠片1313が貫通するようになっていると共に、施錠穴569aの前面側周囲の施錠壁569は、補強用のリブが突設されている。
しかして、カバー体1300を開放状態から閉止状態に回動させることにより、図147(A)に示すように、案内突起1316が案内孔569bに挿入されつつ、シリンダ錠1309の施錠片1313が施錠穴569aを貫通した状態となる。その状態でシリンダ錠1309に鍵を差し込んで回動することにより、図147(B)に示すように、施錠片1313が90度回転し、施錠片1313の一端部が施錠壁569の前面側と係合する。このため、カバー体1300が本体枠3に対して施錠されることになる。また、シリンダ錠1309によるカバー体1300の施錠は、カバー体1300の下方部であるため、カバー体1300の上方部を本体枠3に固定するために、閉じた状態で合致しているネジ止め穴1307と止め穴568に図示しないネジを螺着することにより、カバー体1300の上方部も本体枠3に固定される。なお、カバー体1300の上方部にもシリンダ錠を設けて、上下でシリンダ錠によってカバー体1300を本体枠3に施錠しても良い。
また、第二実施形態に係るカバー体1300は、図140に示すように、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部(本実施形態の場合には、排出口730の後面壁)、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっている。このため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっているため、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができるものである。この点は、第一実施形態に係るカバー体1250を使用したパチンコ機1においても、図3に示すように同一の効果を奏するものである。
なお、上記した第二実施形態において、カバー体1300の閉止状態を上方のネジと下方のシリンダ錠1309との両方で行った理由は、第一の理由として、カバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250に比べて被覆面積が縦方向に大きくなっているため、カバー体1300の中央だけで閉止状態を保持すると上下部分が熱によって変形するおそれがあるため、上下の2箇所で閉止状態を保持する構成にしたこと。第二の理由として、前述したようにカバー体1300の当接下辺側壁1306によって払出制御基板ボックス1105の上辺部に当接するようにしたので、特に、カバー体1300の下辺部をこじ開けることができないようにカバー体1300の下方部の閉止状態を強固に維持することが必要であり、結果的にカバー体1300の上方部も閉止せざるを得ないこと。そして、この第二の理由により、特に下辺部の閉止状態を維持するためにシリンダ錠1309等の施錠装置(シリンダ錠に限らず、遊技場の管理者しか解錠できない施錠装置であれば良い。)を用いることが望ましい。
以上、第二実施形態に係るカバー体1300について説明してきたが、この第二実施形態に係るカバー体1300は、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、カバー体1300の下辺部である当接下辺側壁1306が枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接被覆するようになっているため、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。そして、カバー体1300がシリンダ錠1309によって施錠されるため、カバー体1300に被覆される主制御基板ボックス624に対する不正行為はもちろん、カバー体1300に被覆されない払出制御基板ボックス1105に対する不正行為も防止することができる。また、カバー体1300を閉じた状態で且つシリンダ錠1309を施錠した状態であっても、カバー体1300に接続操作用開口1303が開設されているため、試験用の試験用端子624b,624cに検査機器を接続したり、あるいはソフトウエア等が暴走して復旧する際に、RAMクリアスイッチ624aを操作したりすることができる。そして、この接続操作用開口1303の内側には、立壁1304や当接突起1305が形成されて主制御基板ボックス624との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口1303からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、第二実施形態に係るカバー体1300は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、まず、図151乃至図159を参照して説明する。図151は、遊技盤の正面図であり、図152は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。図153は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図154は、遊技盤を斜め後から見た斜視図である。また、図155は、遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図156は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。図157(A)は遊技盤におけるアタッカユニット、サイド入賞口部材、及びゲート部材を斜め前から示す斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から示す斜視図である。更に、図158(A)は遊技盤におけるセンター役物を斜め前から示す斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から示す斜視図であり、図159は遊技盤におけるセンター役物を斜め後下から示す斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側に取付けられ遊技領域605を閉鎖するように配置される遊技パネル600と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、機能表示ユニット640の前面に貼り付けられる機能表示シール649と、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるアタッカユニット2000と、アタッカユニット2000の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド入賞口部材2100と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2200と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2300と、遊技パネル600の後側に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に透明な遊技パネル600及びセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置1400と、を主に備えている。
本例の遊技盤4における液晶表示装置1400は、二つの液晶表示膜、すなわち、第1表示パネル1400a、第2表示パネル1400bと、バックライト1406(図179を参照)が枠体1400cに組み付けられて構成されている(図155)。二枚の表示パネル1400a、1400bは、互いに前後方向に離反して配置された多層構造とされており、例えば、前側の第1表示パネル1400aにキャラクタを、後側の第2表示パネル1400bに背景を夫々表示させることで、遊技者側から見ると奥行き感のある擬似的な立体画像を表示させることができるようになっている。この液晶表示装置1400の後側には、周辺基板4010を収容した周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400内を空冷する複数の冷却ファンとが備えられている。この液晶表示装置1400は、裏ユニット3000における裏箱621の後側にロック部材3134を介して脱着可能に取付けられている。
第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bは、矩形型の透明電極を用いた透明の液晶パネルで形成されている。第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bは、本実施形態では、同一の画素数、アスペクト比、大きさの液晶パネルである。バックライトは、液晶制御基板4150内に構築されたインバータ回路(図示省略)によって点灯される冷陰極管、または、白色のLEDから形成されている。枠体1400cに組み付けられた状態で、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとの間の間隔は、Laとされている。
第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bは、それぞれ、LCDドライバ(液晶駆動回路)が組み込まれており、後述する液晶制御基板4150によって制御され、演出図柄、キャラクタ画像、または、背景画像等、種々の画像を表示し、表示態様を変化させることが可能である。本実施形態では、液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bは、平行に配置されている。また、図155に示すように、第2表示パネル1400bは、遊技者から見て、第1表示パネル1400aの後方であって、第1表示パネル1400aと重なり合うように配置されている。詳しくは、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bは、第1表示パネル1400aにおいて、当該表示面に対して垂直な方向から投影した投影図(図示せず)と、第2表示パネル1400bにおいて、当該表示面に対して垂直な方向から投影した投影図(図示せず)とが、一致するように配置されている。従って、液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aが透明状態であり、第2表示パネル1400bに画像が表示された状態であれば、遊技者は、第2表示パネル1400bに表示された画像を視認することが可能となっている。液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aが透明状態であり、第2表示パネル1400bも透明状態であれば、遊技者は、バックライトの色、すなわち、「白色」を視認することになる。液晶表示装置1400において、第2表示パネル1400bは、遊技者から見て、第1表示パネル1400aの後方に第1表示パネル1400aと重なり合うように配置されている。従って、液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aが透明状態であり、第2表示パネル1400bに画像が表示された状態であれば、遊技者は、第2表示パネル1400bに表示された画像を視認することが可能となっている。液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aが透明状態であり、第2表示パネル1400bも透明状態であれば、遊技者は、バックライトの色、すなわち、「白色」を視認することになる。
なお、第1表示パネル115a、または、第2表示パネル1400bは、透過型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いることも可能である。バックライトとしては、電球、蛍光灯、エレクトロルミネッセンスパネル(ELP)、を用いることも可能である。また、第1表示パネル115a、および、第2表示パネル1400bは、有機ELまたはプラズマディスプレイを用いることも可能である。この場合、バックライトを用いず、黒色の背景パネルを、遊技者から見て、第2表示パネル1400bの後方に配置する。
第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとの間隔Laは、液晶表示装置1400において、例えば、遊技者に対して三次元的な視覚効果が得られる好適な距離となるように、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bの大きさや、これら表示パネルに表示する画像の表示態様等に基づいて、適宜設定される。具体的には、間隔Laは、例えば、5〜40mmに設定され、好ましくは、15〜25mmに設定される。間隔Laが狭すぎると、演出表示において立体的に見える視覚効果が遊技者に感じられにくくなり、また、間隔Laが広すぎると、演出表示が遊技者に不自然に見えるおそれがあるため、間隔Laは、演出表示の具体的内容等に応じて、遊技者に最も効果的に見える値に設定されることが好ましい。
[2−1.アタッカユニット]
本例のパチンコ機1における遊技盤4のアタッカユニット2000は、図157等に示すように、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2000は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央で上部に配置された第一始動口2001と、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002と、第二始動口2002の下側に配置され第一始動口2001や第二始動口2002よりも左右方向へ大きく延びた区形状の大入賞口2003と、大入賞口2003の左側やや上寄りに配置された一般入賞口2004と、を備えている。
アタッカユニット2000の第一始動口2001は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。この第一始動口2001へ受入れられた遊技球は、後述する裏ユニット3000の裏箱621の前面に形成された第一始動口誘導通路621g内の第一始動口センサ3115に検出された後に下方へ排出されるようになっている。
一方、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002は、第一始動口2001との間に始動口ソレノイド2010により拡開可能な一対の可動片2005が配置されており、一対の可動片2005が略垂直に立上った状態では第一始動口2001と一対の可動片2005とによって第二始動口2002へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2005が左右方向へ拡開した状態では第二始動口2002へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、第二始動口2002が一対の可動片2005により可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2005は、後述するゲート部材2200のゲートセンサ2202による遊技球の通過の検出に基づいて始動口ソレノイド2010の駆動により開閉されるようになっている。この第二始動口2002へ受入れられた遊技球は、アタッカユニット2000内に備えられた第二始動口センサ2012で検出された後に、下方へ排出されるようになっている。
また、アタッカユニット2000の大入賞口2003は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2006によって開閉可能とされている。この開閉部材2006は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2003を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2003を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。この大入賞口2003へ受入れられた遊技球は、アタッカユニット2000内に備えられたカウントセンサ2014によって検出された後に下方へ排出されるようになっている。また、開閉部材2006は、通常の遊技状態では大入賞口2003を閉鎖した状態となっており、第一始動口2001や第二始動口2002へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことに基づいて行われる抽選(特別抽選)の結果(特別抽選結果)に応じて(特別抽選結果が「大当たり」又は「小当たり」の時に)アタッカソレノイド2016の駆動により開閉するようになっている。
更に、アタッカユニット2000の一般入賞口2004は、図示するように、左上向きに開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。このアタッカユニット2000の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球は、後述する裏ユニット3000の裏箱621の前面に形成された一般入賞口誘導通路621h内の一般入賞口センサ3108によって検出された後に下方へ排出されるようになっている。
また、アタッカユニット2000には、第一始動口2001の左右両側を発光装飾させる始動口サイド装飾基板2020と、大入賞口2003内を発光装飾させる大入賞口装飾基板(図示は省略する)と、始動口サイド装飾基板2020及び大入賞口装飾基板と接続されると共に一般入賞口2004の下側を発光装飾させ、後述するランプ駆動基板3120と接続される左下中継基板2022と、始動口ソレノイド2010、第二始動口センサ2012、カウントセンサ2014、及びアタッカソレノイド2016が夫々接続されると共に、それらと後述する主制御基板4100やパネル中継基板3124とを中継するアタッカユニット中継端子板2024とを備えている。
[2−2.サイド入賞口部材]
また、遊技盤4におけるサイド入賞口部材2100は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2000が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、アタッカユニット2000における正面視左側の一般入賞口2004と並ぶように遊技領域605の外周に沿って配置された三つの一般入賞口2101を備えている。これら二つの一般入賞口2101は、図示するように、上方に開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、サイド入賞口部材2100には、その左上端部に、左側の端部が遊技領域605の外周と略接するような位置に配置され、右側の端部へ向うに従って低くなるように傾斜したサイド棚部2102を備えており、サイド棚部2102によって遊技領域605の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域605の中央側へ寄せることができるようになっている。なお、三つの一般入賞口2101は、サイド棚部2102の右側の端部よりも右側へ配置されており、棚部2102により遊技球が遊技領域605の中央側へ寄せられても、一般入賞口2102へ入賞する可能性があるようになっている。
このサイド入賞口部材2100は、全体的に透光性を有するように形成されており、図示は省略するが、内部に、表面に複数のLEDが実装されたサイドランプ装飾基板が配置されており、各LEDを適宜発光させることでサイド入賞口部材2100を発光装飾することができるようになっている。
[2−3.ゲート部材]
更に、遊技盤4におけるゲート部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート2201を有しており、そのゲート2201内に配置されたゲートセンサ2202によりゲート2201を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
[2−4.センター役物]
また、遊技盤4におけるセンター役物2300は、透明な遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域605の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域605の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2300は、図158及び図159等に示すように、遊技パネル600の略中央で大きく開口する開口部600eの内周に略沿った枠状のセンター台枠2301を備えている。このセンター台枠2301は、遊技パネル600の前面と当接する薄板状で枠状に形成されたフランジ部2301aと、フランジ部2301aから遊技パネル600の開口部600e内へ向かって延出する挿入壁部2301bとを備えている。また、センター役物2300は、センター台枠2301の前面に取付けられ遊技領域605内へ突出する前壁部材2310と、センター台枠2301の下部に配置されるステージ部材2320と、センター台枠2301の上部に配置されパチンコ機1のコンセプトを遊技者に認識させることが可能なロゴ装飾体2330と、を備えている。
センター役物2300の前壁部材2310は、遊技パネル600の前面から前側へ突出することで、遊技領域605内で遊技パネル600の前面に沿って流下する遊技球が、枠内へ侵入するのを防止することができると共に、図示するように、表面が所定形状に形成されており、遊技領域605内を装飾することができるようになっている。この前壁部材2310には、上側の外周面における左右方向の略中央の位置から左側に形成され左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した階段状の上棚部2311と、上棚部2311よりも右側に形成され正面視で略円形状の遊技領域605の外周に沿って略平行に延びる外周誘導壁2312と、左側の外周面に開口し遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2313(図153を参照)と、ワープ入口2313に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2314と、を備えている。
この前壁部材2310は、遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2311へ流下するとセンター役物2300の左側を通って流下させることができると共に、上棚部2311よりも右側の外周誘導壁2312へ流下(進入)した遊技球を、センター役物2300の右側を通って一気に遊技領域605の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2300における上棚部2311よりも右側の外周誘導壁2312へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2300のステージ部材2320は、前壁部材2310のワープ出口2314から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2000の上側の遊技領域605内へ放出させることができるものである。このステージ部材2320は、ワープ出口2314から放出された遊技球が供給される第一ステージ2321と、第一ステージ2321の前側に配置され第一ステージ2321から遊技球が供給されると共に遊技領域605内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージ2322と、を備えている。この第一ステージ2321は、左右方向の中央よりも左右両側が最も低くなるような滑らかな波面状に形成されていると共に、第二ステージ2322は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されている。
また、ステージ部材2320は、第一ステージ2321の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2323が形成されており、チャンス入口2323へ進入した遊技球が左右方向略中央で第二ステージ2322よりも下側の位置に開口したチャンス出口2324から遊技領域605内へ放出されるようになっている。このチャンス出口2324は、図示するように、アタッカユニット2000における第一始動口2001の直上に配置されており、チャンス出口2324から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2001へ受入れられる(入賞する)ようになっている。なお、本例のセンター役物2300におけるステージ部材2320は、部分的に透明な部材で形成されている。
更に、センター役物2300のロゴ装飾体2330は、図示するように、枠の上部で上棚部2311や外周誘導壁2312の前側に配置されており、パチンコ機1のコンセプトを示す「MATRIX」の文字をレリーフ状に形成したものである。本例のロゴ装飾体2330は、左右の「M」と「X」のロゴ固定体2330aが位置不変に固定されていると共に、中間の「ATRRI」のロゴ可動体2330bが前後方向へ延びた軸周りに回動するようになっている。このロゴ装飾体2320は、詳述すると、左右方向へ離反して配置され前壁部材2310に固定された二つのロゴ固定体2330aと、二つのロゴ固定体2330bの間に配置され左右方向の略中央でセンター台枠2301に対して前後方向へ延びる所定軸周りに回動可能に軸支された横長のロゴ可動体2330bと、ロゴ可動体2330bの後側に固定され所定軸と同心円上にギア歯を有した円弧状の可動体側ギア(図示は省略する)と、可動体側ギアと噛合する円盤状の駆動ギア(図示は省略する)と、駆動ギアを回転駆動させセンター台枠2301に固定されたロゴ装飾体駆動モータ2333と、ロゴ装飾体2330bの後側に固定されセンター台枠2301に形成された円弧状のスリット2301cから後方へ突出する検知片2334aを有した検知部材2334と、検知部材2334の検知片2334aを検知可能とされセンター台枠2301の後側に固定された回動検知センサ2335と、を主に備えている。
また、ロゴ装飾体2320は、図示は省略するが、左右のロゴ固定体2330aの後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたロゴ固定体装飾基板と、ロゴ可動体2330bの後側でロゴ可動体2330bと共に回動可能に配置され前面に複数のLEDが実装されたロゴ可動体装飾基板と、を備えている。このロゴ装飾体2320は、ロゴ装飾体駆動モータ2333の回転軸を所定回転角度の範囲内で正転・逆転を繰返すことで、ロゴ可動体2330bを所定軸周りに揺動するように回動させることができると共に、ロゴ固定体装飾基板及びロゴ可動体装飾基板によって、ロゴ固定体2330a及びロゴ可動体2330aを適宜発光装飾させることができるようになっている。
また、センター役物2300は、正面視でステージ部材2320が配置された位置よりも右側且つ下側の位置に、軸方向が前後方向へ短く延び上方が開放された略円筒形状の収容部2340を備えている。この収容部2340は、後述する裏ユニット3000における右可動装飾体ユニット3300における右可動装飾体3301の基端側や基端装飾部材3326等の外周を覆うものである。この収容部2340と第一ステージ2321及び第二ステージ2322との間には、上端が左右方向の中央側へ倒れるように上方へ延びる板状の転動規制部2341を備えており、この転動規制部2341によってステージ2321,2322上に供給された遊技球が収容部2340側へ侵入するのを防止することができるようになっている。なお、本例では転動規制部2341の高さが、遊技球の外径に対して約5倍の高さとされている。
また、センター役物2300は、図159及び図180等に示すように、枠の上部で背面視左側の端部付近に、下方へ向かって露出するように取付けられた板状の伸長規制部材2350を更に備えており、伸長規制部材2350は、エラストマーからなる反発係数の極めて低い衝撃吸収板とされている。この伸縮規制部材2350は、詳細は後述するが、右可動装飾体3301が略直立状態となった第一位置の時に、右可動装飾体3301の先端の直上に位置するように配置されており、第一位置の状態で伸長した右可動装飾体3301の先端が当接するようになっていると共に、その先端が当接することで右可動装飾体3301がこれ以上伸長するのを規制することができるようになっている。
更に、センター役物2300には、詳細な図示は省略するが、枠に沿って複数の装飾基板が備えられており、各装飾基板に実装されたLEDを適宜発光させることで、センター役物2300を発光装飾させることができるようになっている。
[2−5.裏ユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000の詳細な構成について、図160乃至図188を主に参照して説明する。図160(A)は裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。図161は、裏ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図162は、裏ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。図163は裏ユニットにおける裏箱ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図164は、裏箱ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た斜視図である。また、図165は、左可動装飾体ユニットをスライドラックカバーと昇降レールカバーとを外した状態で示す斜視図であり、図166は、左可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
また、図167(A)は裏ユニットにおける右可動装飾体ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は右可動装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図である。図168は右可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図169は右可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。図170は右可動装飾体ユニットにおける右可動装飾体の回動動作を示す説明図であり、図171は右可動装飾体ユニットにおける右可動装飾体の伸縮動作を示す説明図である。図172は裏ユニットにおける上部左可動装飾体ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図173は上部左可動装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図174は上部左可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め前上から見た分解斜視図であり、図175は上部左可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め後下から見た分解斜視図である。図176(A)は裏ユニットにおける上部中可動装飾体ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は上部中可動装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図177(A)は上部中可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は上部中可動装飾体ユニットを主な構成毎に分解して後から見た分解斜視図である。
更に、図178は遊技盤を右斜め上から見た斜視図であり、図179は図151におけるア−ア線において切断した断面図であり、図180は遊技盤を右斜め下から見た斜視図である。図181は左可動装飾体が右方向へ移動した状態を示す遊技盤の正面図であり、図182は右方向へ移動した左可動装飾体の副装飾体が上昇した状態を示す遊技盤の正面図である。図183は右可動装飾体が直立状に回動した状態を示す遊技盤の正面図であり、図184は右可動装飾体が左側へ回動すると共に上部左可動装飾体が降下した状態を示す遊技盤の正面図であり、図185は図184の状態から右可動装飾体が伸長した状態を示す遊技盤の正面図であり、更に、図186は図185の状態から右可動装飾体が更に伸長した状態を示す遊技盤の正面図である。図187は、上部中可動装飾体の動きを示す説明図である。図188は、裏ユニットの液晶表示装置よりも上側の部分で遊技盤と共に横方向へ切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル600の後側に配置固定されており、図示するように、遊技パネル600から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持すると共に遊技パネル600の後側に取付けられる裏箱621を有した裏箱ユニット3100と、裏箱ユニット3100の裏箱621内で液晶表示装置1400の左端付近に配置される左可動装飾体ユニット3200と、裏箱621内で液晶表示装置1400の右端付近に配置される右可動装飾体ユニット3300と、裏箱621内で液晶表示装置1400の上側且つ左右方向中央よりも左側に配置される上部左可動装飾体ユニット3400と、裏箱621内で液晶表示装置1400の上側且つ左右方向の略中央に配置される上部中可動装飾体3500と、を主に備えている。
[2−5A.裏箱ユニット]
裏ユニット3000における裏箱ユニット3100は、図163及び図164等に示すように、裏ユニット3000の骨格を形成し遊技パネル600の後側に取付けられ前側が開放された箱状の裏箱621と、裏箱621内で正面視右端に配置される縦長の右装飾体3102と、右装飾体3102の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された右装飾体装飾基板31404と、裏箱621内の前面下部でサイド入賞口部材2100と対応した位置に配置され、サイド入賞口部材2100の各一般入賞口2101と夫々対応し上下方向へ延びた複数の誘導通路3106a,3106b,3106cを備えた裏箱誘導部材3106と、裏箱誘導部材3106の誘導通路3106a,3106b,3106c内を流通する遊技球を検出可能な一般入賞口センサと、を備えている。本例では、裏箱誘導部材3106における左側の二つの誘導通路3106a,3106bが、下流側で合流するように形成されており、その合流した位置よりも下側に一般入賞口センサ3108が取付けられるようになっている。
また、裏箱ユニット3100には、裏箱621内で正面視右上隅に配置される排気ファン3112と、排気ファン3112の前端を覆うように裏箱621内に固定されるファン取付けカバー3114と、を備えている。排気ファン3112は、シロッコファンとされており、図示は省略するが、左側面に吸込み口が形成されていると共に、底面に排出口が形成されている。詳細は後述するが、この排気ファン3112によって裏箱621内上部に篭った熱気を外部へ排出することができるようになっている。
更に、裏箱ユニット3100には、裏箱621の後側下部に配置されランプ駆動基板3120を収容した横長矩形状のランプ駆動基板ボックス3122と、裏箱621の後側に固定されランプ駆動基板ボックス3122の背面視で左側に配置されたパネル中継基板3124と、パネル中継基板3124の背面視で左側に配置されランプ駆動基板3120と後述する右可動装飾体ユニット3300の右装飾体上装飾基板、右装飾体中装飾基板3303c、及び右装飾体下装飾基板3338等との接続を中継する右下駆動中継基板3126と、裏箱621の上部に配置された横長矩形状の上部抵抗基板3128と、右下駆動中継基板3126の上側で裏箱621の後側の背面視で左側に配置され上下方向へ長く延びた矩形状の中部抵抗基板3130と、裏箱621の後側でランプ駆動基板ボックス3122よりも前側に配置された下部抵抗基板3132と、を備えている。
このパネル中継基板3124は、後述する主制御基板4100と周辺制御基板4140との接続を中継するものである。また、パネル中継基板3124は、主制御基板4100と、磁気検出センサ3116、カウントセンサ2014、一般入賞口センサ3108、ゲートセンサ2202、始動口ソレノイド2010、アタッカソレノイド2016、及び機能表示基板640aとの接続を中継するものでもある。
一方、ランプ駆動基板3120は、遊技盤4に備えられた各装飾基板2020,3104,3205,3303c,3338,3414,3524等に実装されたLEDを駆動したり、各可動装飾体2330,3201,3301,3401,3501を駆動する駆動モータ2333,3220,3244,3314,3348,3404,3504やソレノイド3514を駆動したりする他に、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285を駆動するものである。なお、ランプ駆動基板3120は、その回路上で比較的発熱量の大きい抵抗器のみを取出して上部抵抗基板3128、中部抵抗基板3130、及び下部抵抗基板3132に夫々分けて備えるようにすると共に、それら抵抗基板3128,3130,3132を裏箱621の後側で後方へ露出させるようにしており、放熱効果を高めるようにしていると共に熱影響が及ぼされるのを可及的に回避させるようにしている。
また、裏箱ユニット3100には、裏箱621の後側に取付けられ液晶表示装置1400を脱着可能に保持するロック部材3134と、裏箱621内で裏箱誘導部材3106の左側に配置され後述する左可動装飾体ユニット3200における主装飾体駆動モータ3220や副装飾体駆動モータ3244等とランプ駆動基板3120とを中継する左下駆動中継基板3136と、裏箱621内の右下隅に配置され後述する右可動装飾体ユニット3300における右可動装飾体3301における右装飾体ベース3302の下端を摺動可能に案内する右下案内部材3138と、を更に備えている。
この裏箱ユニット3100における裏箱621は、図示するように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部621aが複数備えられており、この固定部621aを介して遊技パネル600の後側に固定されるようになっている。また、裏箱621は、後壁621bの略中央に矩形状の開口621cが形成されており、この開口621cを通して後側に支持される液晶表示装置1400が遊技者側から視認できるようになっている。なお、本例では、開口621cが後壁621bから前方へ延びだしたような矩形の筒状に形成されており、この筒状の開口621c内に後側から液晶表示装置1400が嵌り込むようになっている。また、この筒状の開口621cによって、裏箱621内では、開口621cの外周が後方へ窪んだような形態となっている。
また、裏箱621は、筒状に形成された開口621cの左右の周壁と裏箱621の外壁との間を繋ぐ複数の補強リブ621dと、開口621cの前端左下隅に三角形で板状の補強部621eと、開口621cの底部を形成し液晶表示装置1400を載置支持可能な載置部621fと、を備えている。これら補強リブ621dによって筒状の開口621cの強度・剛性が高められていると共に、補強部621eによって載置部621f前端が下方へ撓むのを防止するようにしており、液晶表示装置1400の重量を充分に支持することができるようになっている。
更に、裏箱621は、開口621cの下側前面に、アタッカユニット2000の第一始動口2001に受入れられた遊技球を下方へ誘導する第一始動口誘導通路621gと、アタッカユニット2000の一般入賞口2004に受入れられた遊技球を下方へ誘導する一般入賞口誘導通路621hと、が形成されている。この第一始動口誘導通路621gは、左右方向の略中央から右下へ向かってクランク状に延びると共に前側が開放された状態で形成されている。この第一始動口誘導通路621gの途中には、第一始動口センサ3115が後側から取付けられており、第一始動口センサ3115によって第一始動口2001へ受入れられて第一始動口誘導通路621g内を流通する遊技球を検出することができるようになっている。一方、一般入賞口誘導通路621hは、左右方向中央からやや左寄りの位置に第一始動口誘導通路621gよりも短く下方へ向かって直線状に延びると共に、前側が開放された状態で形成されている。この一般始動口誘導通路621hの途中には、一般入賞口センサ3108が後側から取付けられており、アタッカユニット2000の一般入賞口2004に受入れられて一般入賞口誘導通路621h内を流通する遊技球を検出することができるようになっている。
また、裏箱621には、アタッカユニット2000における第一始動口2001と対応した位置に磁気検出センサ3116を支持する磁気センサ支持部621iを備えており、磁気センサ支持部621iに支持された磁気検出センサ3116によって、遊技球を誘導させるような不審な磁気を検出することができるようになっている。
また、裏箱621には、第一始動口誘導通路621gの右側に、センター役物2300におけるステージ部材2320へ供給されて左右方向へ転動する遊技球が、何らかの理由により第一ステージ2321や第二ステージ2322の右端の転動規制部2341を越えて、それらの右側の収容部2340側へ侵入した時に、侵入した遊技球を排出するための侵入球排出通路621jが形成されている。この侵入球排出通路621jは、前側が開放された形態とされており、裏箱ユニット3100には、侵入球排出通路621jの前側を閉鎖すると共に、侵入球排出口3117を形成する球排出通路カバー3118を備えている(図178及び179等を参照)。
更に、裏箱621には、開口621cの上側に前側が開放された横長の駆動モータ収容部621kが形成されている。駆動モータ収容部621kは、正面に右端に排気ファン3112が取付けられるようになっており、排気ファン3112が取付けられる位置の後側に下方へ向かって開口する換気口621lが形成されている(図188を参照)。排気ファン3112によってこの換気口621lから駆動モータ収容部621k内の空気(熱気)が排出されるようになっている。ところで、駆動モータ収容部621kは、裏箱621を遊技パネル600へ取付けた状態で正面視左端の一部が遊技パネル600や前構成部材601の切欠部612から前側へ臨むようになっており(図151等を参照)、排気ファン3112によってこの部分から駆動モータ収容部621k内へ空気が吸引され、上記の換気口621lから排出されるようになっている。
裏箱621における駆動モータ収容部621kは、図188に示すように、センター役物2300のロゴ装飾体駆動モータ2333や、後述する左可動装飾体ユニット3200における副装飾体駆動モータ3244、上部左可動装飾体ユニット3400の上部左駆動モータ3404、及び上部中可動装飾体ユニット3500の上部中回動駆動モータ3504、を収容するように形成されており、それら駆動モータ2333,3244,3404,3504からの熱を排気ファン3112によって外部へ排出することができると共に、駆動モータ収容部621kの左端から吸引流入する空気によって、それら駆動モータ2333,3244,3404,3504を冷却することができるようになっている。これにより、遊技盤4内で熱が篭るのを防止することができ、熱が篭ることで内部の温度が上昇し樹脂部材やハンダ等が溶融して不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
また裏箱621は、背面視で開口621cの右側に、液晶表示装置1400の左右両辺から外方へ突出する一方(背面視で右辺)の固定片1402を挿入係止する液晶支持部を備えていると共に、開口621cの背面視で左側にロック部材3134が取付けられており、このロック部材3134により液晶表示装置1400の他方(背面視で左辺)の固定片1402を支持することで、液晶表示装置1400が裏箱621の後側に脱着可能に取付けられるようになっている。
更に、裏箱621は、詳細な説明は省略するが、各ユニット3200,3300,3400,3500や、各基板3104,3124,3126,31283130,3132,3136、及び右装飾体3102やランプ駆動基板ボックス3122等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
[2−5B.左可動装飾体ユニット]
裏ユニット3000における左可動装飾体ユニット3200は、図165及び図166等に示すように、所定のアイテムとして携帯電話の形状に形成された左可動装飾体3201を備えている。この左可動装飾体3201は、携帯電話の本体を構成する主装飾体3202と、携帯電話の表示部に相当する部位を開閉する副装飾体3203とで構成されている。この左可動装飾体3201における副装飾体3203は、主装飾体3202における上下方向の略中央から上側の位置で、上下方向へスライドするように左右両側が主装飾体3202によって支持されている。また、副装飾体3203は、左右方向の略中央から上方へ延出する連結棹3203aを有しており、この連結棹3203aにより携帯電話におけるアンテナが表現されている。
また、左可動装飾体3201では、副装飾体3203が上昇することでその下側に主装飾体3202との間で後方が視認可能な開口窓3204が形成されるようになっており、この開口窓3204を通して後側の液晶表示装置1400に表示された演出画像を視認することができるようになっている。なお、副装飾体3203が下降位置の時でも、開口窓3204が僅かに開いた状態となるようになっている。
更に、左可動装飾体3201は、主装飾体3202の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された主装飾体装飾基板3205を備えている(図162を参照)。この主装飾体装飾基板3205によって、主装飾体3205に形成されたテンキー等を適宜発光装飾させることができるようになっている。
この左可動装飾体ユニット3200は、左可動装飾体3201を左右方向へ横行させる左横行ユニット3210と、左可動装飾体3201の副装飾体3203を上下方向へ昇降させる左昇降ユニット3240と、を備えている。詳細は後述するが、左横行ユニット3210によって主装飾体3202を副装飾体3203と共に左右方向へ移動させることができ、左昇降ユニット3240によって副装飾体3203を主装飾体3202から上下方向へ移動(昇降)させることができるようになっている。
左可動装飾体ユニット3200における左横行ユニット3210は、裏箱621内で液晶表示装置1400が載置される載置部621fの下側に配置支持され、左右方向へ延びた主装飾体移動ベース3212と、主装飾体移動ベース3212によって両端が支持され前後方向へ平行に配置された一対のレール部材3214と、一対のレール部材3214によって左右方向へスライド可能に支持されると共に左右方向へ延びるラックギア3216aを有したスライドラック3216と、スライドラック3216のラックギア3216aと噛合するピニオンギア3218と、ピニオンギア3218を回転駆動させ主装飾体移動ベース3212の下側に固定された主装飾体駆動モータ3220と、基端がスライドラック3216の前側左端に固定され上方へ延出する延出端が裏箱621の開口621cよりも上側へ延出し延出端よりも下側の位置で主装飾体3202と連結される主装飾体ステー3222と、主装飾体ステー3222の延出端を左右方向へ案内し裏箱621に取付けられる延出端案内部材3224と、スライドラック3216から下方へ延出する検知片3216bを検知可能とされ主装飾体移動ベース3212に固定された主装飾体位置検知センサ3226と、を備えている。
この左横行ユニット3210における主装飾体移動ベース3212は、所定厚さの金属板を屈曲形成したものであり、左右方向へ長く延びた矩形状の本体部3212aと、本体部3212aの左右方向(長手方向)両端に上方へ屈曲されレール部材3214の両端を支持するレール支持部3212bと、本体部3212aの左右両端付近の前端側から下方へ屈曲され裏箱621に固定するための取付固定部3212cと、を備えている。本体部212aの下側の所定位置には、回転軸が本体部3212aを貫通して上側へ延びだすように主装飾体駆動モータ3220が取付けられるようになっている。また、両端のレール支持部3212bには、前後方向に並んだ二つの貫通孔が形成されており、その貫通孔にレール部材3214の端部が挿通されている。更に、正面視で左側の取付固定部3212cの前面に、主装飾体位置検知センサ3226が取付けられるようになっている。なお、左側の取付固定部3212cには、アース線3228が取付けられている。
左横行ユニット3210のレール部材3214は、断面が円形の金属シャフトとされており、両端を主装飾体移動ベース3212におけるレール支持部3212bの貫通孔に挿通させた上で、レール支持部3212bよりも外側の位置にEリングを装着することで主装飾体移動ベース3212に支持されるようになっている。
左横行ユニット3210のスライドラック3216は、左右方向へ長く延び上側が開放された高さの低い箱状に形成されており、左右方向両端の立壁部をレール部材3214が貫通することで、レール部材3214に対してスライド可能に支持されている。また、図示するように、前側の立壁部の内側にラックギア3216aが形成されていると共に、底壁部には、主装飾体駆動モータ3220の回転軸を挿通可能とされ左右方向へ長く延びたスリット3216cが形成されている。このスライドラック3216の左端前側には、前方へ突出し主装飾体ステー3222の基端を固定するステー固定部3216dが形成されており、ステー固定部3216dの下面から下方へ検知片3216bが延びだしている。この左横行ユニット3210は、図161及び図162等に示すように、スライドラック3216の上部開口を閉鎖するスライドラックカバー3230を更に備えている。
左横行ユニット3210の主装飾体ステー3222は、所定厚さの金属板を屈曲形成したものであり、上下方向へ延び前後方向を向いて配置された板状のステー本体3222aと、ステー本体の下端(基端)から後方へ屈曲されスライドラック3216のステー固定部3216dに固定される固定片3222bと、ステー本体の左辺に沿って後方へ屈曲された補強片3222c(図162を参照)と、を備えている。この主装飾体ステー3222のステー本体3222aは、上下方向の略中央やや下側から下端付近までの間が右端から左側へ向かって所定量切欠かれたような形状に形成されており、上下方向の略中央から上側の後面側に、右可動装飾体3201(主装飾体3202)が右側へ延出するように連結固定されている。
なお、詳細な図示は省略するが、主装飾体ステー3222の上端(延出端)の後面には、上方へ突出する軸部材が取付けられていると共に、軸部材の先端に転動部材が回転可能に軸支されており、その転動部材が延出端案内部材3224によって前後方向を挟まれた状態で案内されるようになっている。
一方、左可動装飾体ユニット3200における左昇降ユニット3240は、裏箱621内で開口621cよりも上側の所定位置に取付けられる板状の副装飾体移動ベース3242と、副装飾体移動ベース3242の後側に固定され副装飾体移動ベース3242を貫通して前側へ回転軸が延出する副装飾体駆動モータ3244と、副装飾体駆動モータ3244の回転軸に固定され回転軸とは偏芯した位置に前方へ突出する第一作用軸3246aを有した円盤状の駆動ギア3246と、駆動ギア3246と噛合すると共に駆動ギア3246と同径とされ駆動ギア3246の左側に配置されると共に上下方向に対して第一作用軸3246aと同位相となる位置に前方へ突出する第二作用軸3248aを有した円盤状の従動ギア3248と、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが左右方向へ夫々摺動可能に挿入される第一移動スリット3250a及び第二移動スリット3250bを有すると共に、第一移動スリット3250a及び第二移動スリット3250bの下側に左右方向へ長く延び副装飾体3203における連結棹3203aの先端を左右方向へ摺動可能に連結する連結スリット3250cを有した板状のスライド部材3250と、スライド部材3250の左右両辺を上下方向へスライド可能に保持し副装飾体移動ベース3242の前面に固定される一対の昇降レール3252と、昇降レール3252の前側に固定されスライド部材3250の前面を隠蔽可能な板状の昇降レールカバー3254(図161を参照)と、を備えている。
この左昇降ユニット3240は、詳細な図示は省略するが、副装飾体移動ベース3242に、従動ギア3248の回転軸と同軸上に配置された円弧状のスリットが形成されていると共に、従動ギア3248の後面に、副装飾体移動ベース3242のスリットを貫通して後側へ延出する検知片が形成されており、その検知片を検知可能な副装飾体位置検知センサ3256が、副装飾体移動ベース3242の後側に取付けられている(図162を参照)。また、駆動ギア3246及び従動ギア3248の前面側には、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが夫々下死点に位置した時に、互いに対向して一致するように形成されたマーカー3246b,3248bを備えており、駆動ギア3245と従動ギア3248とを噛合させる(組立てる)際に、夫々のマーカー3246b,3248bを互いに一致させるように噛合させることで、第一作用軸3246aと第二作用軸3248bとを自動的に同位相となるように組立てることができるようになっている。
次に、本例の左可動装飾体ユニット3200における左可動装飾体3201の動きについて、主に図151、図166、図181、及び図182を参照して説明する。通常の遊技状態では、左可動装飾体3201は、図151に示すように、センター役物2300の枠内よりも左外側の退避位置に位置しており、正面視では、遊技者側からは殆ど視認することができない状態となっている。この状態では、図166(A)に示すように、左横行ユニット3210におけるスライドラック3216の左端が、主装飾体移動ベース3212における左側のレール支持部3212bの右側と当接した状態となっていると共に、スライドラック3216の検知片3216bが主装飾体位置検知センサ3226によって検知された状態となっている。
この状態で、主装飾体駆動モータ3220を駆動してその回転軸に固定されたピニオンギア3218を平面視で反時計回りに回転駆動させると、ピニオンギア3218と噛合するラックギア3216aを有したスライドラック3216が一対のレール部材3214に案内されて右方向へ移動することとなる。このスライドラット3216の移動と共に、スライドラック3216のステー固定部3216dに固定された主装飾体ステー3222が移動し、主装飾体ステー3222に支持された左可動装飾体3201が右側へ移動することとなる(図166(B)を参照)。これにより、左可動装飾体3201が、遊技者側より視認不能な退避位置から、視認可能となる液晶表示装置1400の前面側に位置する出現位置へと移動することとなる(図181を参照)。
なお、左横行ユニット3210の延出端案内部材3224は、その前後方向の位置が左可動装飾体3210の副装飾体3203と略同じ位置とされており、延出端案内部材3224の直下に副装飾体3203が位置した状態では、副装飾体3203を上昇させることができないようになっている。従って、図166(B)等に示すように、左可動装飾体3201の出現位置は、延出端案内部材3224の右端よりも、右側へ少なくとも副装飾体3203が移動した位置である。
また、本例では、図示するように、左可動装飾体3201が出現位置に位置した状態でも、スライドラック3216の右端と、主装飾体移動ベース3212における右側のレール支持部3212bとの間に所定量の隙間が形成されるような位置で、主装飾体駆動モータ3220の回転駆動が停止するようになっており、スライドラック3216の右端が右側のレール支持部3212bへ当接するのを回避させるようになっている。また、左可動装飾体3201における副装飾体3203の連結棹3203aは、その上端が左昇降ユニット3240におけるスライド部材3250の連結スリット3250cによって左右方向へ摺動可能に連結されており、一対の昇降レール3252によって左右位置が固定されたスライド部材3250に対して、連結棹3203aつまり左可動装飾体3201が問題なく左右方向へ移動することができるようになっている。
左可動装飾体3201が出現位置に位置した状態では、左可動装飾体3201が液晶表示装置1400の前面に位置しており、左可動装飾体3201の僅かに開いた開口窓3204から演出画像が見えるようになっている。これにより、初めての遊技者に対しても、副装飾体3203が上昇して開口窓3204が大きくなるのではないかと思わせることができ、左可動装飾体3201の動きだけでなく、副装飾体3203が上昇するか否かにより期待感を抱かせることができ、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
続いて、左可動装飾体3201が出現位置に位置した状態から、今度は、左昇降ユニットによって副装飾体3203を上昇させる。詳述すると、左可動装飾体3201の副装飾体3203が下降位置の状態では、駆動ギア3246及び従動ギア3248に備えられた第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが、夫々同じ高さの下死点に位置していると共に、第一作用軸3246aがスライド部材3250における第一移動スリット3250aの左端に、第二作用軸3248aがスライド部材3250における第二移動スリット3250bの右端に夫々位置した状態となっている。この状態から、左昇降ユニット3240における副装飾体駆動モータ3244を駆動して、駆動ギア3246を正面視で反時計回りに回転させると、駆動ギア3246と噛合する従動ギア3248が時計回りに回動する。そして、これら駆動ギア3246及び従動ギア3248の回動に伴って、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが、上下方向の位置を同じとしながら下死点の位置から夫々逆方向へ周回移動する、つまり、上下方向が略同位相の状態で周回することとなる。
これら第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aの周回移動に伴って、各作用軸3246a,3248aが、第一移動スリット3250a及び第二移動スリット3250b内を夫々右方向及び左方向へ摺動すると共に、一対の昇降レール3252に案内されたスライド部材3250が上方へスライド移動することとなる。このスライド部材3250の上方移動に伴って、連結スリット3250cに上端が挿入連結された連結棹3203aを介して副装飾体3203が引上げられ、主装飾体3202に対して副装飾体3203が上昇する。そして、この副装飾体3203の上昇により、左可動装飾体3201の開口窓3204が上方へ大きく広がることとなる(図166(C)を参照)。
そして、周回する第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが上死点に到達すると、副装飾体駆動モータ3244の回転駆動が停止して、スライド部材3250の上方への移動が停止すると共に、副装飾体3203が上昇位置で停止することとなる。なお、上述したように、出現位置に位置した左可動装飾体3201は、液晶表示装置1400の前面に位置しており、副装飾体3203の上昇によって大きく広がった開口窓3204から、後側の演出画像を充分に視認することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、本例の液晶表示装置1400では、左可動装飾体3201の開口窓3204と対応する領域と、その他の領域とでは、異なる演出画像を表示するようにしており、これにより、開口窓3204に独立した演出画像が表示されるので、左可動装飾体3201により見立てられた携帯電話の表示部(開口窓3204)に、あたかも画像が表示されているかのように遊技者を錯覚させることができ、左可動装飾体3201の可動と共に開口窓3204に表示される演出画像を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、左昇降ユニット3240では、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aを、駆動ギア3246と従動ギア3248とが噛合する位置から遠ざかる方向へ周回移動させるようにしており、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが、スライド部材3250をスライド可能に支持する左右の昇降レール3252へ近付いた位置で、スライド部材3250を上下方向へスライドさせるようにしているので、昇降レール3252とスライド部材3250との間でガタ付が発生するのを極力低減させることができ、スライド部材3250をスムーズに昇降させることができるようになっている。
一方、左可動装飾体3201を、退避位置へ復帰させる場合は、上述と逆の動作を行うこととなる。まず、上昇位置にある副装飾体3203に対して、副装飾体駆動モータ3244を正面視で時計回りへ回動駆動させることで、駆動ギア3246及び従動ギア3248に突設された第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが、夫々上死点から下死点へ向かって下方へ移動するように周回移動し、これら第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aの周回移動に伴ってスライド部材3250も下方へスライドして副装飾体3203が降下する。そして、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aが下死点に到達すると、副装飾体駆動モータ3244の回転駆動が停止すると共に、第一作用軸3246a及び第二作用軸3248aの周回移動が停止してスライド部材3250つまり副装飾体3203の降下が停止し、副装飾体3203が下降位置に位置することとなる。
副装飾体3203が下降位置に位置した状態で、今度は、左横行ユニット3210の主装飾体駆動モータ3220を、平面視で時計回りに回転駆動させると、ピニオンギア3218及びラックギア3216aの噛合によりスライドラック3216が左方向へ移動すると同時にスライドラック3216に固定された主装飾体ステー3222を介して主装飾体3202が副装飾体3203と共に左方向へ移動する。その後、スライドラック3216の検知片3216bが主装飾体位置検知センサ3226によって検知されると、主装飾体駆動モータ3220の回転駆動が停止すると同時に主装飾体3202の左方向への移動が停止し、主装飾体3202つまり左可動装飾体3201が退避位置に位置した状態となり、左可動装飾体3201が通常の状態に復帰することとなる。
このように、本例の左可動装飾体ユニット3200によると、遊技状態に応じて、液晶表示装置1400の左側に隠れていた携帯電話を模した左可動装飾体3201が、横行して液晶表示装置1400の前面側に出現すると共に、更に、主装飾体3202から副装飾体3203が上昇して携帯電話の表示部としての開口窓3204が拡大するので、二段階に二方向へ移動する左可動装飾体3201の動きによって、遊技者を楽しませることができると共に、液晶表示装置1400によって拡大した開口窓3204に、あたかも画像が表示されているかのような演出画像を表示させることができるので、左可動装飾体3201の動きだけでなく、開口窓3204に表示される演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、左可動装飾体3201が出現すると共に、その開口窓3204を介して所定の演出画像を見ることができるので、遊技者に対して何か良いことがありそうな予感を想起させることが可能となり、「大当たり」遊技等の有利遊技状態の発生に対する期待感を高めて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[2−5C.右可動装飾体ユニット]
裏ユニット3000における右可動装飾体ユニット3300は、図167乃至図171等に示すように、上端が尖った長細い形状の右可動装飾体3301を備えている。この右可動装飾体3301は、基端側(下端側)が前後方向へ延びる軸周りに回動可能とされた右装飾体ベース3302と、右装飾体ベース3302によって長手方向上側へスライド可能に支持された長尺状の右装飾体本体3303と、右装飾体本体3303の先端(上端)から長手方向へ進退可能に支持された先端部材3304と、を備えている。この右可動装飾体3301は、図示するように、基端側が液晶表示装置1400よりも下側に配置されており、通常の状態(収縮状態)では、先端(先端部材3304の先端)が液晶表示装置1400の上辺よりも若干低い高さまで延びた全体が長尺状に形成されている。
なお、詳細は後述するが、先端部材3304は、右装飾体本体3303の先端から突出する前進方向へ付勢されており、右装飾体本体3303内へ後退可能とされている。また、右可動装飾体3301は、詳細は後述するが、先端側に先端部材3304の進退に伴って可動する可動装飾部3305を更に備えている。
本例では、右可動装飾体3301における右装飾体ベース3302は、図示するように、後側が開放された薄い箱状で上下方向へ延びた長尺状に形成されており、下端から上端へ向かって全長の約1/3の所に、前側へ長く延びた回動軸3302aを備えており、本例では、この回動軸3302aの配置された部位を基端側と称すると共に、回動軸3302aから長手方向の上端側を先端側と称している。この右装飾体ベース3302は、図示するように、回動軸3302aよりも先端側の前面に所定の装飾が施されている。
また、右装飾体ベース3302は、回動軸3302aの軸心を通り長手方向へ延びる軸線上で回動軸3302aよりも先端側に形成され前後方向へ貫通する所定長さの第一スライドスリット3302bと、第一スライドスリット3302bの先端側に配置され第一スライドスリット3303bと同軸上で略同じ長さに形成された第二スライドスリット3302cと、を備えている。この第一スライドスリット3302b及び第二スライドスリット3302cによって右装飾体本体3303を長手方向へスライド可能に支持することができるようになっている。更に、右装飾体ベース3302は、回動軸3302aよりも下端側が正面視で矩形状に形成されており、後側に、後述する右装飾体伸縮ユニット3340のスライドラック3344を収容可能なラック収容部3302dが形成されている。
なお、右装飾体ベース3302の下端には、前側へ開放された球受け部が形成されており、この球受け部内に前方へ突出するように転動球3306が挿入されている。この転動球3306は、裏箱621に固定される右下案内部材3138の後面と当接するようになっており、当接した転動球3306が右下案内部材3138の後面を転動することで、右装飾体ベース3302の下端をスムーズに回動させることができると共に、転動球3306が右下案内部材3138の後面と当接することで、右装飾体ベース3302の下端が前方へ移動するのを阻止することができる。つまり、右可動装飾体3301の回転軸3302aを挟んだ先端側が後方へ移動するのを阻止することができ、右可動装飾体3301の回動や伸縮によって右可動装飾体3301が前後方向へ揺れても、その先端が後側に配置された液晶表示装置1400の表示画面と接触するのを回避させることができ、右可動装飾体3301の接触により液晶表示装置1400に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。1400
一方、右装飾体本体3303は、図示するように、円筒状で透光性を有したレンズ部3303aと、レンズ部3303aに沿って延びた四つのフィン飾り3303bと、レンズ部3303a内に配置され前面に複数のLEDが実装された右装飾体中装飾基板3303cと、レンズ部3303aの先端に備えられたキャップ部3303dと、を備えている。この右装飾体3303のレンズ部3303a内には、先端側からキャップ部3303dを介して先端部材3304の下端が挿入されるようになっている。また、右装飾体本体3303は、下端の左端から、右装飾体中装飾基板3303cと接続された帯状の配線ケーブル3303eが延びだしている。更に、右装飾体本体3303は、レンズ部3303aの下端後側から後方へ突出する第一固定軸3303fと、第一固定軸3303fから上方へ所定距離離反して配置され後方へ突出する第二固定軸3303gと、を更に備えている。これら第一固定軸3303f及び第二固定軸3303gは、右装飾体ベース3302の第一スライドスリット3302b及び第二スライドスリット3302cと夫々対応しており、詳細は後述するが、スライドスリット3302b,3302cによって長手方向へスライド可能に支持されるようになっている。
また、先端部材3304は、円筒状の本体部3304aと、本体部3304aから上方へ延出し先端が尖った略透明なプラグ部3304bと、本体部3304aから下方へ延出し下端が右装飾体本体3303のキャップ部3303dを通してレンズ部3303a内に挿入される略透明な円柱状のプラグ軸3304cと、プラグ軸3304cの外側に挿入され本体部3304aと右装飾体本体3303とが遠ざかる方向へ付勢するコイルバネ3304dと、を備えている。なお、図示は省略するが、本体部3304aの内部には、先端のプラグ部3304bへ向けて光を照射可能なLEDが実装された右装飾体上装飾基板を備えており、プラグ部3304bを発光装飾させることができるようになっている。また、図示は省略するが、プラグ軸3304cの下端には、軸直角方向へ突出する突起部が形成されており、この突起部によってプラグ軸3304cが右装飾体本体3303から上方へ抜けるのを防止するようにしている。つまり、プラグ軸3304cの突起部によってコイルバネ3304dによって上方へ付勢された先端部材3304の上方移動端が規制されている。
更に、可動装飾部3305は、正面視で右装飾体本体3303及び先端部材3304の長手方向に沿って配置され上端が先端部材3304の本体部3304aに固定され下端が右装飾体本体3303におけるキャップ部3303dの上端まで延びる飾り部3305aを備えている。この飾り部3305aの下端は、キャップ部3303dよりも前側に位置しており、先端部材3304が進退しても右装飾体本体3303と接触しないようになっている。また、可動装飾部3305は、右装飾体本体3303におけるキャップ部3303dの左右両側の位置で下端が回動可能に支持される下棹部材3305bと、下棹部材3305bの上端で下端が回転可能に連結されると共に上端が先端部材3304における本体部3304aの左右両側の位置で回動可能に支持される上棹部材3305cと、を備えている。この下棹部材3305bと上棹部材3305cとを合わせた長さは、夫々が回動可能に支持されたキャップ部3303dと本体部3304aとの直線距離よりも長くされており、図示するように、下棹部材3305bと上棹部材3305cとが互いに回転可能に連結された部分が、右可動装飾体3301(プラグ軸3304c)の軸心から遠ざかった位置となっている。この可動装飾部3305は、図171(B)及び(C)に示すように、右装飾体本体3303に対して先端部材3304が進退すると、下棹部材3305b及び上棹部材3305cが夫々軸支された部分が回動し、パンタグラフのように全体がリンク的に可動変形するようになっている。
この右可動装飾体ユニット3300は、右装飾体ベース3302の基端側を前後方向へ延びる回動軸周りに回動させる右装飾体回動ユニット3310と、右装飾体ベース3302に対して右装飾体本体3303を長手方向へ伸縮させる右装飾体伸縮ユニット3340と、を備えている。この右可動装飾体3301は、詳細は後述するが、右装飾体回動ユニット3310によって、右可動装飾体3201の先端側が正面視で垂直状態よりも右側へ移動し液晶表示装置1400の右端付近に位置する通常常態としての右傾状態と、先端側が垂直状態よりも左側へ移動し液晶表示装置1400の前面に位置する左傾状態と、の間で回動可能とされている。また、右装飾体伸縮ユニット3340によって、右装飾体ベース3302に対して右装飾体本体3303が長手方向上側へスライドすることで、全体が伸長してその長さが長くなるようになっており、伸長状態では、先端部財3304の先端が、液晶表示装置1400の上辺を越えて上側へ延びだすようになっている。
本例の右可動装飾体ユニット3300における右装飾体回動ユニット3310は、右装飾体ベース3302の基端側を前後方向へ延びる回動軸3302a周りに回動可能に支持すると共に、裏箱621内で液晶表示装置1400が臨む開口621cの下側で右辺よりも左側寄りの位置に取付けられる板状の右装飾体ユニットベース3312と、右装飾体ユニットベース3312の後側に固定される右装飾体回動駆動モータ3314と、右装飾体回動駆動モータ3314の回転軸に固定される円盤状の駆動ギア3316と、駆動ギア3316と噛合すると共に回動軸3302aと同心円の円弧状に形成され右装飾体ベース3302の前面に固定される回動ギア3318と、回動ギア3318の外周から延出する回動検知片3318aを検知可能とされ右装飾体ユニットベース3312の後側に固定される右装飾体回動検知センサ3320と、を主に備えている。
また、右装飾体回動ユニット3310は、右装飾体ユニットベース3312の前側に配置された回動ギア3318と共に回動し前方及び周方向の一方が開放された円弧状の収容凹部3322aを有する保持部材3322と、保持部材3322における収容凹部3322aの開放された前端を閉鎖する収容凹部カバー3324と、収容凹部カバー3324及び保持部材3322の前側を被覆するように右装飾体ベース3302における回動軸3302aの前端に固定され、正面視略円形状で表面に装飾が形成された基端装飾部材3326と、基端装飾部材3326の上部と連結するように右装飾体ベース3302の前側に固定され開放した平面視が略U字形状の土台装飾部材3328と、を更に備えている。
この右装飾体回動ユニット3310における右装飾体ユニットベース3312は、左右方向へ延びた略矩形状とされ、所定厚さの金属板を屈曲形成したものであり、左右方向の両端に裏箱621へ固定するための固定部3312aを備えている。右装飾体ユニットベース3312の左右方向略中央の上部前面に、前方へ延びた筒状の軸受部材3330が固定されており、この軸受部材3330によって右装飾体ベース33020の回動軸3302aを回動可能に支持することができるようになっている。また、右装飾体ユニットベース3312には、固定された軸受部材3330の下側にその軸心と同軸状に形成された略半円長さの円弧状の貫通口3312bと、貫通口3312bよりも外周で固定された軸受部材3330の左側に配置され矩形状に貫通する開口3312cと、を備えている。この貫通口3312bを通して、回動ギア3318と保持部材3322とが右装飾体ユニットベース3312を挟むように連結されている。また、開口3312cを通して後側に固定された右装飾体回動検知センサ3320を前側から視認できるようになっている。
右装飾体回動ユニット3310の右装飾体回動駆動モータ3314は、回転軸が前方へ延びるように、モータベース3332を介して右装飾体ユニットベース3312の後側に固定されている。このモータベース3332は、図示するように、前側及び左側が開放された箱状に形成されており、内部に右装飾体回動駆動モータ3314の回転軸が突出すると共に、駆動ギア3316が収容されるようになっている。
また、右装飾体回動ユニット3310の回動ギア3318は、右装飾体ベース3302の回動軸3302aを中心とした円周の略2/3の長さで上側が削除された円弧状に形成されており、右端から約50度の角度範囲内の外周に駆動ギア3316と噛合するギア歯が形成されていると共に、左端付近の外周に外側へ延出する回動検知片3318aが形成されている。また、回動ギア3318は、前面における内周付近に周方向へ所定間隔離反して配置された三つの連結ボス3318bが突設されている。これら連結ボス3318bは、右装飾体ユニットベース3312の貫通口3312bを貫通して前側へ延出するように形成されており、連結ボス3318bの前端に保持部材3322が連結固定されるようになっている。更に、回動ギア3318の前面における外周付近には、周方向へ所定間隔離反して形成された球受け部が形成されており、これら球受け部内に、前側へ突出するように転動球3334が夫々挿入されている。この転動球3334は、前端が右装飾体ユニットベース3312の後面と当接して転動するようになっており、転動球3334の転動によって、回動ギア3318(右装飾体ベース3302)が右装飾体ユニットベース3312の後面に対して滑らかに回動することができるようになっている。
また、右装飾体回動ユニット3310の保持部材3322は、上述した通り、略半円の円弧状に形成されていると共に、左端及び前端が開放された収容凹部3322aを備えている。この収容凹部3322a内には、後述する右装飾体伸縮ユニット3340の配線ケーブル3303eが左端から出没自在に収容されるようになっている。また、保持部材3322は、その後面側が右装飾体ユニットベース3312の貫通口3312bを通って前側へ突出した回動ギア3318の連結ボス3318bと連結されるようになっており、連結されることで、回動ギア3318と共に右装飾体ベース3302の回動軸3302a周りに回動することができるようになる。更に、保持部材3322の後面における外周付近には、周方向へ所定間隔離反して形成された三つの球受け部が形成されており、これら球受け部内に、後側へ突出するように転動球3336が夫々挿入されている。この転動球3336は、後端が右装飾体ユニットベース3312の前面と当接して転動するようになっており、転動球3336が転動することで、保持部材3322が右装飾体ユニットベース3312の前面に対して滑らかに回動することができるようになっている。従って、本例の右装飾体回動ユニット3310では、保持部材3322及び回動ギア3318によって、転動球3336,3334を介して右装飾体ユニットベース3312を前後から挟み込むようにしており、右装飾体ユニットベース3310に対して回動ギア3318等の右装飾体ベース3302側をストレスなくスムーズに回動させることができるようになっていると共に、右装飾体ユニットベース3312の面に対して右装飾体ベース3302側が傾かないようになっている。
更に、右装飾体回動ユニット3310の基端装飾部材3326は、図示するように、前面に「PLUG IN」の文字が造形されていると共に、部分的に透光性を有するように形成されている。この右装飾体回動ユニット3310の基端装飾部材3326は、図151等に示すように、センター役物2300の収容部2340内に収容されるようになっており、上側を除く外周が収容部2340によって被覆さるようになっている。この基端装飾部材3326の後側には、前側へ向かって発光可能な複数のLEDが実装された右装飾体下装飾基板3338を備えており、基端装飾部材3326を適宜発光装飾させることができるようになっている。また、右装飾体回動ユニット3310の土台装飾部材3328は、平面視略U字状内に右装飾体本体3303の下部が収容されるようになっていると共に、基端装飾部材3326と同様に、部分的に透光性を有するように形成されており、右装飾体本体3303の右装飾体中装飾基板3303cにより発光装飾されるようになっている。
一方、右可動装飾体ユニット3300における右装飾体伸縮ユニット3340は、右装飾体ベース3302の第一スライドスリット3302b及び第二スライドスリット3302c内に長手方向へスライド可能に支持されると共に、右装飾体本体3303の第一固定軸3303f及び第二固定軸3303gを挿通固定可能なスライドブッシュ3342と、右装飾体ベース3302の後側に配置されると共に、上端が右装飾体ベース3302の第一スライドスリット3302bに支持されたスライドブッシュ3342を前側から貫通した右装飾体本体3303の第一固定軸3303fと連結され、長手方向へ延びる直線状のラックギア3344aを有したスライドラック3344と、スライドラック3344のラックギア3344aと噛合する円盤状のピニオンギア3346と、ピニオンギア3346を回転駆動させる右装飾体スライド駆動モータ3348と、右装飾体スライド駆動モータ3348を後側に支持すると共にスライドラック3344を長手方向へスライド可能に支持し、右装飾体ベース3302の後側に取付けられるベースカバー3350と、を備えている。
この右装飾体伸縮ユニット3340のスライドラック3344は、右可動装飾体3301の長手方向に延びた矩形状とされており、裏面で背面視左側の辺に沿って中心側を向くようにラックギア3344aが形成されている。また、スライドラック3344は、ラックギア3344aが形成された辺の後端付近から後方へ突出するスライド検知片3344bを備えている。このスライド検知片3344bは、ベースカバー3350に形成された検知スリット3350a(図167(B)を参照)を通って後方へ延びだすようになっており、ベースカバー3350の後側に固定された右装飾体スライド検知センサ3352によって検知されるようになっている。
また、右装飾体伸縮ユニット3340のベースカバー3350は、その前面側に所定間隔で長手方向へ延びる一対のレール部3350bを有しており、このレール部3350bの間にスライドラック3344を配置することで、スライドラック3344を長手方向へスライド可能に支持することができるようになっている。なお、一対のレール部3350bの間に検知スリット3350aが配置形成されている。このベースカバー3350は、後側が開放された浅い箱状の右装飾体ベース3302の後端を閉鎖するように形成されており、右装飾体ベース3302とベースカバー3350との間にスライドラック3344が配置支持されるようになっている。
なお、右装飾体スライド駆動モータ3348は、前側が開放された箱状のモータベース3354を介して前側へ回転軸が延びだすようにベースカバー3350の後側に固定されており、ピニオンギア3346がベースカバー3350の前側で一対のレール部材3350bの間に配置されている。
次に、本例の右可動装飾ユニット3300における右可動装飾体3301の動きについて、主に図170及び図171を参照して説明する。通常の遊技状態では、右可動装飾体3301は、図151に示すように、センター役物2300の枠内の右端で先端側が基端側に対して右側へ傾動した初期位置の状態となっている。この状態では、右可動装飾体3301の先端がセンター役物2300の枠によって遊技者側から視認できない状態となっていると共に、右可動装飾体3301が収縮した状態となっている。また、右可動装飾体3301が初期位置の状態では、回動ギア3318の回動検出片3318aが右装飾体回動検知センサ3320によって検知された状態となっている。この状態から、まず、右装飾体回動駆動モータ3314を駆動して駆動ギア3316を正面視で時計回りの方向へ所定回転角度回転させると、駆動ギア3316の回転に伴って噛合する回動ギア3318が、右装飾体ユニットベース3312に固定された軸受部材3330の軸心周り(右装飾体ベース3302の回動軸3302a周り)を反時計周りの方向へ回動することとなり、回動ギア3318と共に右装飾体ベース3302や右装飾体本体3303等が反時計周りの方向へ回動することとなる。
なお、本例では、回動ギア3318は、右装飾体回動駆動モータ3314によって、約40度の角度範囲内で回動するようになっており、上述の初期位置から右可動装飾体3301が反時計周りに約8度回動すると、右可動装飾体3301が略垂直に直立した第一位置(図170、及び図183を参照)の状態となり、また、上述した初期位置から反時計周りに約40度回動すると、右可動装飾体の先端がセンター役物2300におけるロゴ装飾体2330の左側の「A」の文字を指すような第二位置(図170、及び図184を参照)の状態となる。この第一位置及び第二位置の状態で収縮した状態では、右可動装飾体3301の先端が、液晶表示装置1400の上辺よりも下側に位置した状態となっている。また、第二位置の状態では、右可動装飾体の先端部材3304が液晶表示装置1400の前面で左右方向の略中央に位置した状態となり、液晶表示装置1400を背景として右可動装飾体3301が非常に目立った状態となるようになっている。
また、第一位置や第二位置に回動した右可動装飾体3301を先端が右傾した初期位置へ復帰させるには、右装飾体回動駆動モータ3314を上記とは逆方向へ回転させることで、右可動装飾体3301を基端側の回動軸3302a周りに正面視で時計回りの方向へ回動させることができる。そして、回動ギア3318の回動検知片3318aが右装飾体回動検知センサ3320によって検知されると、右装飾体回動駆動モータ3314の回転駆動を停止させることで、右可動装飾体3301を先端が右傾した初期位置に復帰させることができるようになっている。
この右可動装飾体3301は、先端が右傾した初期位置の状態では、伸長させないようになっており、右可動装飾体3301が初期位置から回動して第一位置や第二位置の時に伸長するようになっている。また、右可動装飾体3301は、通常の収縮した状態でスライドラック3344のスライド検知片3344bが、右装飾体スライド検知センサ3352によって検知されるようになっている。この右可動装飾体3301の伸縮は、右装飾体ベース3302と共に回動するベースカバー3350の後側に固定された右装飾体スライド駆動モータ3348によってピニオンギア3346を正面視で反時計周りの方向へ回転駆動させると、ピニオンギア3346と噛合したラックギア3344aによって、スライドラック3344が先端側(上側)へとスライド移動する。このスライドラック3344の上端には右装飾体ベース3302の第一スライドスリット3302bを通して右装飾体本体3303が連結されており、スライドラック3344の移動に伴って右装飾体本体3303が先端側へ移動することとなる。
なお、伸長した右可動装飾体3303を収縮させるには、右装飾体スライド駆動モータ3348を上記とは逆方向へ回転させることで右装飾体本体3303を収縮方向(基端側の方向)へスライドさせることができる。そして、スライドラック3344のスライド検知片3344bが、右装飾体スライド検知センサ3352によって検知されると、右装飾体スライド駆動モータ3348の回転駆動を停止させることで、右可動装飾体3301が収縮した通常の状態に復帰させることができるようになっている。
本例のパチンコ機1(遊技盤4)では、右可動装飾体3301が第一位置及び第二位置の時に、その伸長方向の先端から所定距離離れた位置に、右可動装飾体3301の先端が当接すると共に、右可動装飾体3301の伸長を規制する伸長規制部材2350,3401cが配置されている(図171等を参照)。この右可動装飾体3301は、スライドラック3344の先端側への移動に伴って伸長方向へ移動する右装飾体本体3303の先端側に配置された先端部材3304の先端が伸長規制部材2350,3401cに当接すると、先端部材3304がこれ以上伸長方向へ移動するのを阻止されるようになっており、右可動装飾体3301の全長が伸長するのが停止するようになっている。
この右可動装飾体3301は、先端部材3304の先端が伸長規制部材2350,3401cに当接した状態で、更に右装飾体スライド駆動モータ3348の駆動によりスライドラック3344を先端側へスライド移動させると、右装飾体本体3303が先端部材3304との間に配置されたコイルバネ3304dの付勢力に抗して伸長方向へ移動すると同時に、先端部材3344のプラグ軸3304cの下端が右装飾体本体3303のレンズ部3303a内に没入することとなる。
この右可動装飾体3301では、先端部材3304のプラグ軸3304cが右装飾体本体3303のレンズ部3303a内に没入して、先端部材3304の本体部3304aと右装飾体本体3303のキャップ部3303dの相対距離が変化すると、それらの間に配置された可動装飾部3305が可動するようになっている。詳述すると、可動装飾部3305は、上述したように、右装飾体本体3303に下端が回動可能に支持された下棹部材3305bの上端と、先端部材3304に上端が回動可能に支持された上棹部材3305cの下端とが回転可能に連結されているので、右装飾体本体3303と先端部材3304との相対距離が変化すると、下棹部材3305b及び上棹部材3305cが夫々軸支された部分で回動するようになっている。従って、例えば、右装飾体本体3303と先端部材3304とが相対的に接近すると、下棹部材3305bと上棹部材3305cを連結した部分が右可動装飾体3301の長手方向軸線に対して遠ざかる方向へ移動し、右装飾体本体3303と先端部材3304とが相対的に離反すると、下棹部材3305bと上棹部材3305cとを連結した部分が長手方向軸線に対して近づく方向へ移動することとなり、長手方向軸線に対して両側に対称に配置された下棹部材3305b及び上棹部材3305cがパンタグラフのように可動することとなる(図171(B)及び(C)を参照)。
なお、本例の右可動装飾体3301では、先端部材3304におけるプラグ部3304bの先端が伸縮規制部材2350,3401cと当接した状態を維持しながら、スライドラック3344つまり右装飾体本体3303を伸長方向への伸縮を所定サイクル(例えば、一秒間に0.1〜5回のサイクル)で繰返すような動作をするようになっており、右装飾体本体3303の伸縮により可動装飾部3305が変形可動を繰返すので、右可動装飾体3301の動きをより目立たせることができると共に、その動きを楽しませることができるようになっている。
また、詳細は後述するが、右可動装飾体3301が左側へ傾動して第二位置に傾動した時の伸長方向には、上部左可動装飾体3401が下降出現するようになっており、右可動装飾体3301の先端が上部左可動装飾体3401の内部に備えられた伸縮規制部材3401cと当接することができるようになっている。これにより、右可動装飾体3301の先端が液晶表示装置1400の前面側を斜めに縦断して上部左可動装飾体3401へ挿入合体したような状態となり、よりインパクトの高い可動演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせることができると共に関心を強く引き付けることができるようになっている。
ところで、図178等に示すように、本例の右可動装飾体3301は、回動可能に支持された基端側の基端装飾部材3326が、センター役物2300における円弧状の収容部2340内に配置されていると共に、収容部2340内には侵入球排出口3117が開口しており、ステージ部材2320へ供給された遊技球が、何らかの理由によって第一ステージ2321や第二ステージ2322の右端に配置された転動規制部2341を越えて収容部2340内へ侵入した場合、侵入球排出口3117から外部へ排出することができるようになっている。また、収容部2340内へ侵入した遊技球が、侵入球排出口3117付近で停滞した場合でも、右可動装飾体3301が初期位置から第二位置へ回動することで、右可動装飾体3301の土台装飾部材3328が転動規制部2341へ接近する方向へと移動し、収容部2340内の遊技球が侵入球排出口3117側へ土台装飾部材3328によって押されて、侵入球排出口3117から外部へ排出されることなる。
従って、転動規制部2341を越えて収容部2340内へ侵入した遊技球を、侵入球排出口3117から確実に排出することができ、侵入した遊技球によって右可動装飾体3301の回動が阻害されることなくスムーズに回動することができるようになっている。なお、右可動装飾体3301が第二位置の時は、図184等に示すように、右可動装飾体3301が転動規制部2341と略接するように位置しているので、右可動装飾体3301によって転動規制部2341が更に上方へ延長されたような状態となり、何らかの理由によってステージ部材2320上の遊技球が転動規制部2341を越えても、右可動装飾体3301によってステージ2321,2322側へ跳ね返すことができ、ステージ部材2320から遊技球が逸脱しないようになっている。
このように、本例の右可動装飾体ユニット3300によると、遊技状態に応じて右可動装飾体3301における液晶表示装置1400の下側に配置された基端側が回動軸3302aを中心として回動して略全体が液晶表示装置1400の前面に位置した上で、右可動装飾体3301の右装飾体本体3303が液晶表示装置1400の前面を斜めに縦断するように上方へ向かって伸長するので、従来のパチンコ機の可動装飾体とは全く異なる複雑な動きをすることができ、右可動装飾体3301の動きによって遊技者を驚かせて右可動装飾体3301等に注目させることができると共に、右可動装飾体3301が回動して伸縮するので、その動きの種類(可動パターン)を多様化することができ、右可動装飾体3301の動きを飽き難くして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、右可動装飾体3301は、備えられた各装飾基板3303c,3338等によって発光装飾させることができるので、右可動装飾体3301の可動演出だけでなく発光演出も遊技者に見せることが可能となり、右可動装飾体3301による演出パターンの種類をより多くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、右可動装飾体3301をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引き付けることが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
[2−5D.上部左可動装飾体ユニット]
裏ユニット3000における上部左可動装飾体ユニット3400は、図172乃至図175等に示すように、下降することで正面視でセンター役物2300のロゴ装飾体2330の下側からセンター役物2300の枠内へ移動して遊技者側から視認可能となる出現位置と、上昇することでセンター役物2300及び遊技パネル600の後側へ移動して遊技者側から視認不能となる没入位置との間で昇降可能とされた上部左可動装飾体3401を備えている。この上部左可動装飾体3401は、斜め右下へ向かって窄まるような円筒状に形成されていると共に、部分的に透光性を有するように形成されている。この上部左可動装飾体3401は、下端に開口した受口部3401a(図175を参照)を備えており、この受口部3401a内へ右可動装飾体3301における先端部材3305のプラグ部3304bが挿入可能とされている。
また、上部左可動装飾体3401は、図175に示すように、受口部3401aの内部に、斜めに傾斜した軸線に沿って上方へ向かうに従って狭くなるテーパ状で楕円錐状の案内部3401bと、案内部3401bの上側に配置され傾斜した軸線に対して直角方向へ広がる板状の伸長規制部材3401cと、を備えている。この上部左可動装飾体3401は、受口部3401aへ向かって伸長してきた右可動装飾体3301の先端のプラグ部3304bを、案内部3401bによって傾斜した軸線上に案内して伸長規制部材3401cに確実に当接させることができるようになっている。なお、伸長規制部材3401cは、本例では、エラストマーからなる反発係数の極めて低い衝撃吸収板とされている。
本例の上部左可動装飾体ユニット3400は、裏箱621内の所定位置に取付けられ正面視が上下方向へ長く延びた略矩形状の上部左ユニットベース3402と、上部左ユニットベース3402を貫通して回転軸が前側へ延出するように上部左ユニットベース3402の後側に固定される上部左駆動モータ3404と、上部左駆動モータ3404の回転軸に固定され上部左ユニットベース3402の前面に配置される円盤状の駆動ギア3406と、駆動ギア3406と噛合すると共に上下方向へ延びたラックギア3408a(図175を参照)を有し正面視が上下方向へ長く延びた略矩形状のスライド部材3408と、スライド部材3408を上下方向へスライド可能に案内し上部左ユニットベース3402の前側に固定されるユニットベースカバー3410と、ユニットベースカバー3410の前側に配置されスライドラック3408と共に上下方向へスライドし前面下部に上部左可動装飾体3401が固定される板状の摺動板3412と、摺動板3412と上部左可動装飾体3401との間に配置され前面に複数のLEDが実装された上部左装飾体装飾基板3414と、を備えている。
この上部左可動装飾体ユニット3400のスライドラック3408は、図示するように、上下方向へ延びた略矩形状の板体の左右両辺が後側へ屈曲されたような形態とされており、背面視で左側の辺の内側へラックギア3408aが形成されている。また、スライドラック3408は、左右方向の略中央に上下に並んで前方へ突出する二つのスライド突起3408bと、スライド突起3408bよりも前方へ長く突出し左右両端の下部に配置された固定ボス3408cと、正面視で左辺から左方向へ延出する検知片3408dと、を備えている。このスライドラック3408の検知片3408dは、上部左ユニットベース3402に取付けられた上部左装飾体検知センサ3416によって検知されるようになっている。
また、上部左可動装飾体ユニット3400の上部左ユニットベースカバー3410は、後側と上側が開放された薄い箱状に形成されており、左右方向の略中央に上下方向へ略全長(全高)に亘って長く延びるように形成されスライドラック3408の二つのスライド突起3408bを挿入可能とされたスライドスリット3410aと、スライドスリット3410aの左右両側に配置されスライドラック3408の固定ボス3408cが通過可能とされた長孔状の通過口3410bと、を備えている。この上部左ユニットベースカバー3410のスライドスリット3410a内に、スライドラック3408のスライド突起3408bを挿入させることで、スライドラック3408を上下方向へスライド可能に案内することができるようになっている。
次に、本例の上部左可動装飾体ユニット3400における上部左可動装飾体3401の動きについて説明する。この上部左可動装飾体ユニット3400は、通常の状態では、上部左可動装飾体3401が上昇して遊技者側から視認不能となった没入位置に位置している。この状態では、スライドラック3408の検知片3408dが上部左装飾体検知センサ3416によって検知された状態となっている。没入位置に位置した上部左可動装飾体3401は、上部左駆動モータ3404によって駆動ギア3406を正面視で時計回りの方向へ回転駆動させると、駆動ギア3406と噛合したラックギア3408aによってスライドラック3408が下方へスライド移動し、スライドラック3408に固定された摺動板3412を介して上部左可動装飾体3401が下降することとなる。
そして、上部左可動装飾体3401が没入位置から下降すると、上部左可動装飾体3401がセンター役物2300の枠内へと降下すると共に、液晶表示装置1400の上辺よりも上側の位置から液晶表示装置1400の表示画面の前面側へと降下し、遊技者側から視認することができるようになる。具体的には、図184等に示すように、センター役物2300における上部のロゴ装飾体2330の「A」の文字の下側に上部左可動装飾体3401が下降して、遊技者から視認可能となった出現位置で停止するようになっている。
この上部左可動装飾体3401は、出現位置では、その傾斜した軸線が、右可動装飾体3301が第二位置へ回動した時の右可動装飾体3301の軸線と略一致するようになっており、第二位置で伸長した右可動装飾体3301の先端のプラグ部3304bを、上部左可動装飾体3401の受口部3401aで受入れることができるようになっていると共に、この状態で伸長してきた右可動装飾体3401の先端が受口部3401a内の伸長規制部材3401cに当接すると、右可動装飾体3401の伸長を停止させることができるようになっている(図185及び図186を参照)。
なお、出現位置に位置した上部左可動装飾体3401を没入位置へ上昇させるには、上部左駆動モータ3404によって駆動ギア3406を、上記とは逆方向へ回転させることで上部左可動装飾体3401を上昇させることができる。そして、上部左装飾体検知センサ3416によってスライドラック3408の検知片3408dを検知したら、上部左駆動モータ3404の回転駆動を停止させることで、上部左可動装飾体3401を没入位置に停止させることができる。
このように、本例の上部左可動装飾体ユニット3400によると、上部左可動装飾体3401を遊技者側から視認不能な没入位置と、視認可能となる出現位置との間で昇降することができるので、上部左可動装飾体3401の出現によって遊技者の期待感を高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、上部左可動装飾体3401が出現位置にある時は、液晶表示装置1400の右端付近に配置された右可動装飾体3301が第二位置へ回動して伸長すると、その先端を受口部3401aによって受けることができるので、右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401とが液晶表示装置1400を挟んで合体したような状態となり、大きく変化した可動装飾体3301,3401によって遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができ、何か良いことが起きるような予感を抱かせることが可能となり、期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[2−5E.上部中可動装飾体ユニット]
裏ユニット3000における上部中可動装飾体ユニット3500は、図176及び図177等に示すように、円筒状の前端に五つの突起3501aを備えた上部中可動装飾体3501を備えており、この上部中可動装飾体3501は、突起3501aが備えられた先端側とは反対側の基端側が、前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持されている。
この上部中可動装飾体ユニット3500は、所定厚さの金属板によって形成され縦長で下部に前方へ延出する回動軸3502aを有した上部中ユニットベース3502と、上部中ユニットベース3502の後側上部に固定され上部中ユニットベース3502を貫通して前方へ回転軸が延びだした上部中回動駆動モータ3504と、上部中回動駆動モータ3504の回転軸に固定された円盤状の駆動ギア3506と、駆動ギア3506と噛合し駆動ギア3506と回転軸3502aとの間で上部中ユニットベース3502に回転可能に支持された円盤状の伝達ギア3508と、伝達ギア3508と噛合すると共に回動軸3502a周りに回動可能とされた従動ギア3510と、従動ギア3510を基端部で支持すると共に回動軸3502a周りに回動可能とされ回動軸3502aに対して直角方向で所定方向(図177では右方向)へ延びる支持部3512aを有した上部中装飾体ベース3512と、上部中装飾体ベース3512の支持部3512aに支持され回動軸3502aから遠ざかった先端側の端部からプランジャ3514aが進退自在とされた上部中伸縮駆動ソレノイド3514と、上部中伸縮駆動ソレノイド3514におけるプランジャ3514aの先端に固定されプランジャ3514aと共に支持部3512aの延びた方向へスライド可能なスライド部材3516と、を備えており、上部中可動装飾体3501が上部中伸縮駆動ソレノイド3514及びスライド部材3516を前側から覆うように配置されていると共に、スライド部材3516に上部中可動装飾体3501が固定されている。
また、上部中可動装飾体ユニット3500は、上部中ユニットベース3502の前側に取付けられ、駆動ギア3506や伝達ギア3508を前側から覆うギアカバー3518と、ギアカバー3518の下端前面に取付けられ回動軸3502aの先端と従動ギア3510の前面を覆う軸カバー3520と、上部中装飾体ベース3512の支持部3512aに固定されスライド部材3516を支持部3512aの長手方向へスライド可能に支持するスライド支持部材3522と、上部中可動装飾体3501の内部に配置され先端側を向いた複数のLEDを実装した上部中装飾体装飾基板3524と、を備えている。ギアカバー3518には、左右両端に固定部3518aが複数備えられており、この固定部3518aを裏箱621内の所定位置に固定することで、ギアカバー3518を介して上部中可動装飾体ユニット3500を裏箱621内に取付けることができるようになっている。また、上部中装飾体装飾基板3524によって、上部中可動装飾体3501の複数の突起3501aを適宜発光装飾させることができるようになっている。
この上部中可動装飾体ユニット3500の駆動ギア3506は、外方へ延出する回動検知片3506aを備えており、この回動検知片3506aを上部中ユニットベース3502に固定された上部中回動検知センサ3526によって検知することで、上部中可動装飾体3501の回動位置を検知することができるようになっている。また、上部中装飾体ベース3512は、所定厚さの金属板によって形成されており、図示するように、この支持部3512aは、前側が開放された断面略コ字形状に形成されている。更に、上部中伸縮駆動ソレノイド3514は、プランジャ3514aが前進する方向へコイルバネ3514bによって付勢されており、通常時は前進した状態となっていると共に、上部中伸縮駆動ソレノイド3514を駆動させると、コイルバネ3514bの付勢力に抗してプランジャ3514aが後退するようになっている。
また、上部中可動装飾体ユニット3500のスライド部材3516は、平面視で略L字状に形成されており、前側へ突出する二つの突出軸3516aを備えている。一方、スライド部材3516をスライド可能に支持するスライド支持部材3522は、所定厚さの金属板を屈曲形成したものであり、前面にスライド部材3516の突出軸3516aが貫通するように挿通可能なスライドスリット3522aが長手方向へ延びるように形成されている。このスライドスリット3522a内にスライド部材3516の突出軸3516aを挿通させることで、スライド部材3516をスライドスリット3522aに沿ってスライド可能に支持することができると共に、挿通した突出軸3516aの前端に上部中可動装飾体3501が取付けられるようになっている。
次に、本例の上部中可動装飾体ユニット3500における上部中可動装飾体3501の動きについて説明する。この上部中可動装飾体3501は、図151に示すように、通常の状態では、上部中可動装飾体3501がセンター役物2300の上部に配置されたロゴ装飾体2330の後側に隠れた退避位置の状態となっており、この退避位置では正面視で遊技者側から視認することができないようになっている。また、上部中可動装飾体3501は、退避位置の状態では、その長手方向が略水平に延びた状態となっている。この状態から、上部中回動駆動モータ3504によって駆動ギア3506を正面視で時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3506と噛合する伝達ギア3508を介して従動ギア3510が上部中装飾体ベース3512と共に時計回りの方向へ回動することとなる。上部中可動装飾体3501は、時計回りに回動することで、先端側がセンター役物2300の枠内で液晶表示装置1400における表示画面の前面側の出現位置へと移動し、遊技者側から視認可能な状態となる。
この上部中可動装飾体3501は、略水平状態の退避位置から時計回りに約135度の角度範囲内(図187中において二点鎖線で示す範囲内)で回動することができるようになっており、任意の位置で回動を停止させることができるようになっている。この上部中可動装飾体3501は、先端側が液晶表示装置1400の前面側へ回動した状態で、上部中伸縮駆動ソレノイド3514を駆動させると、プランジャ3514aがコイルバネ3514bの付勢力に抗して基端側へ後退するようになっており、プランジャ3514aの先端に固定されたスライド部材3516を介して上部中可動装飾体3501も基端側へと後退することとなる。この状態から上部中伸縮駆動ソレノイド3514の駆動を停止させると、プランジャ3514aがコイルバネ3514bの付勢力によって前進し、上部中可動装飾体3501が初期位置の状態に復帰するようになっている。なお、本例では、上部中伸縮駆動ソレノイド3514におけるプランジャ3514aの進退量が2mm〜15mmの範囲内とされており、上部中可動装飾体3501の伸縮量も、プランジャ3514aの伸縮量と同じ量となっている。
本例の上部中可動装飾体3501は、上部中伸縮駆動ソレノイド3514が、0.2〜2秒のサイクルで連続駆動されるようになっており、比較的激しい動きで伸縮を繰返すと共に、伸縮に合わせて上部中装飾体装飾基板3524のLEDを点滅させて先端の突起3501aを点滅発光させるようにしており、あたかも上部中可動装飾体3501の先端から何か(例えば、銃弾や砲弾)が連続発射されているかのような可動演出を行うことができるようになっている。
このように、本例の上部中可動装飾体ユニット3500によると、上部中可動装飾体3501が液晶表示装置1400の前面側へ回動して遊技者側から視認可能となると共に、伸縮を繰返すので、これまでのパチンコ機にはない可動装飾体の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、例えば、上部中可動装飾体3501の先端側と対応した位置に表示された演出画像を、上部中可動装飾体3501の伸縮及び点滅発光と対応するように変化させるようにしても良く、これにより、遊技者に対して、あたかも上部中可動装飾体3501の可動発光演出によって、演出画像が変化しているように錯覚させることが可能となり、可動演出と共に画像演出をより楽しませることができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
[3.主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図189を参照して説明する。図189は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基づいて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図189に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2001へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3115、第二始動口2002へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2012、及び一部の一般入賞口センサ3108からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2202、一般入賞口センサ3108、カウントセンサ2014及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3116からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3124、主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継基板3124を介して始動口ソレノイド2010及びアタッカソレノイド2016への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3124、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図189に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図189に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基づいて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図189に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基づいて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基づいて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置460(操作ハンドル部461)には、上述したように、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422が内蔵されており、操作ハンドル部461の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出され、単発ボタン421を操作すると発射停止スイッチ422により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図189に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,224,226,296,453のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3120に出力したり、遊技盤4に備えられた各装飾基板2020,3104,3205,3303c,3338,3414,3524に実装されたLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3120に出力したり、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に回転駆動信号を出力する扉枠側モータ駆動コマンドをモータ駆動基板3013に出力したり、遊技盤4に備えられたロゴ装飾体駆動モータ2333、主装飾体駆動モータ3220、副装飾体駆動モータ3244、右装飾体回動駆動モータ3314、右装飾体スライド駆動モータ3348、上部左駆動モータ3404、上部中回動駆動モータ3504に回転駆動信号を出力する遊技盤側モータ駆動コマンドや、上部中伸縮ソレノイド3514に駆動信号を出力する遊技盤側ソレノイド駆動コマンド等をランプ駆動基板3120に出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板4150に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板3120に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側モータ駆動コマンド、遊技盤側モータ駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板3120は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,206,224,225,296等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2020,3104,3205,3303c,3338,3414,3524等のLEDや、扉枠5のガラスユニット450におけるガラス装飾基板453のLED453aに出力したりする。また、ランプ駆動基板3120は、受信した扉枠側モータ駆動コマンドに基づいて回転駆動信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に出力したり、受信した遊技盤側モータ駆動コマンドに基づいて回転駆動信号を遊技盤4に備えられたロゴ装飾体駆動モータ2333、主装飾体駆動モータ3220、副装飾体駆動モータ3244、右装飾体回動駆動モータ3314、右装飾体スライド駆動モータ3348、上部左駆動モータ3404、上部中回動駆動モータ3504に出力したり、更には、受信した遊技盤側ソレノイド駆動コマンドに基づいて駆動信号を遊技盤に備えられた上部中伸縮ソレノイド3514に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4のロゴ装飾体2330におけるロゴ可動体2330b、左可動装飾体3201における主装飾体3202及び副装飾体3203、右可動装飾体における右装飾体ベース3302及び右装飾体本体3303、上部左可動装飾体3401、上部中可動装飾体3501の可動位置を夫々検知する検知センサ2335,3266,3256,3320,3352,3416,3526からの検知信号が、ランプ駆動基板3120を介して夫々入力されており、これらの検知信号に基づいて、ロゴ可動体2330b、主装飾体3202、副装飾体3203、右装飾体ベース3302、右装飾体本体3303、上部左可動装飾体3401、上部中可動装飾体3501の原位置を把握している。
また、周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を夫々検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号が、副ドロワ中継基板108及びモータ駆動基板3013を介して夫々入力されており、これらの検出信号に基づいて各回転灯224,264,284の回転位置を把握している。更に周辺制御MPU4140aは、液晶制御基板4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ボタンユニット370のメインボタン371やサブボタン372の操作を検出するメインボタンセンサ376やサブボタンセンサ378からの操作検出信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3120を介して入力されたりする。なお、メインボタン371には、振動体371cが備えられており、この振動体371cに対して副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3120を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板3120、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[3−4.液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板4150は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bに組み込まれたLCDドライバを直接操作することが可能な描画回路であり、第1表示パネル1400aに対応する第1レジスタ(図示せず)と、第2表示パネル1400bに対応する第2レジスタ(図示せず)とを備えている。VDP4150cは、液晶制御MPU4150aによって画面データが第1レジスタおよび第2レジスタに入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに表示する描画データを生成し、この生成した描画データに基づいて第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bのLCDドライバを制御して第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに画像を表示する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bの左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」とは、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bにまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bに表示される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bは、それぞれ、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、各表示パネルの左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bのLCDドライバに、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、LCDドライバは、この1ライン分の描画データに基づいて、主走査として表示パネル(第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400b)の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて、主走査として表示パネルの左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、主に図190を参照して説明する。図190は、主制御基板における機能的な構成を示すブロック図である。まず、本実施形態のパチンコ機1における主制御基板4100での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図190等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板4100では、図示しないROMに予め格納された所定のプログラムを主制御MPU4100aによって実行することで各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板4100には、ゲートセンサ2202から遊技球の検出信号が入力されると、普通図柄に対する抽選結果となる所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段4200と、発生した普通乱数を所定の条件に応じて一時的に記憶する普通図柄保留記憶手段4202と、普通図柄保留記憶手段4202により記憶された上で実行された普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段4204と、選択された普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄表示器645の普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段4206と、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄表示器645に表示された普通乱数に基づく抽選結果(普通抽選結果)が当選であると始動口ソレノイド2010を駆動して一対の可動片2005を拡開させる始動口開閉制御手段4208と、普通図柄保留記憶手段4202に保留記憶された普通図乱数の数を記憶数として普通図柄記憶表示器646に表示させる普通図柄記憶数表示制御手段4210とを備えている。
上述の普通図柄保留記憶手段4202は、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2202からの遊技球の検出信号を契機として発生した普通乱数を所定数(例えば、4つ)まで記憶すると共に、普通図柄の変動表示が可能となるまで記憶した普通乱数の実行を保留するものである。
また、主制御基板4100は、第一特別乱数発生手段4212と、第一特別図柄保留記憶手段4214と、第一特別図柄変動パターン選択手段4216と、第一特別図柄表示制御手段4218と、第一特別図柄記憶数表示制御手段4220とを備えている。第一特別乱数発生手段4212は、第一始動口2001への始動入賞により第一始動口センサ3115で検出された検出信号に基づいて第一特別図柄に対する第一特別抽選結果となる所定の第一特別乱数を発生させる。第一特別図柄保留記憶手段4214は、第一特別乱数発生手段4212において発生した第一特別乱数および第一特別乱数の発生と共に取得される各種データ(例えば、後述する図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を所定の条件に応じて一時的に記憶する。以下では、第一始動口2001への始動入賞に基づいて発生・取得される一グループのデータ(例えば、第一特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を第一特別図柄抽選単位データとも呼ぶ。第一特別図柄変動パターン選択手段4216は、一つの第一特別図柄抽選単位データに基づく第一特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する。第一特別図柄表示制御手段4218は、第一特別図柄変動パターン選択手段4216で選択された第一特別図柄変動パターンに基づいて第一特別図柄表示器641の第一特別図柄を変動表示させる。第一特別図柄記憶数表示制御手段4220は、第一特別図柄保留記憶手段4214で保留記憶された第一特別図柄抽選単位データの数(以下、第一特別図柄保留数と呼ぶ。)を記憶数として第一特別図柄記憶表示器643に表示させる。
さらに、主制御基板4100は、第二特別乱数発生手段4222と、第二特別図柄保留記憶手段4224と、第二特別図柄変動パターン選択手段4226と、第二特別図柄表示制御手段4228と、第二特別図柄記憶数表示制御手段4230とを備えている。第二特別乱数発生手段4222は、第二始動口2002への始動入賞により第二始動口センサ2012で検出された検出信号に基づいて第二特別図柄に対する第二特別抽選結果となる所定の第二特別乱数を発生させる。第二特別図柄保留記憶手段4224は、第二特別乱数発生手段4222において発生した第二特別乱数および第二特別乱数の発生と共に取得される各種データ(例えば、後述する図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用、変動タイプ乱数)を所定の条件に応じて一時的に記憶する。以下では、第二始動口2002への始動入賞に基づいて発生・取得される一グループのデータ(例えば、第二特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を第二特別図柄抽選単位データとも呼ぶ。第二特別図柄変動パターン選択手段4226は、一つの第二特別図柄抽選単位データに基づく第二特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する。第二特別図柄表示制御手段4228は、第二特別図柄変動パターン選択手段4226で選択された第二特別図柄変動パターンに基づいて第二特別図柄表示器642の第二特別図柄を変動表示させる。第二特別図柄記憶数表示制御手段4230は、第二特別図柄保留記憶手段4224で保留記憶された第二特別図柄抽選単位データの数(以下、第二特別図柄保留数と呼ぶ。)を記憶数として第二特別図柄記憶表示器644に表示させる第二特別図柄記憶数表示制御手段4230とを備えている。
これら第一特別図柄保留記憶手段4214及び第二特別図柄保留記憶手段4224は、第一及び第二特別図柄表示制御手段4218,4228によって第一及び第二特別図柄が変動表示中等の新たに特別図柄を変動表示させることができない時に、第一及び第二始動口2001、2002への始動入賞に基づく第一及び第二特別図柄抽選単位データをそれぞれ所定数(例えば、それぞれ4つ)まで記憶すると共に、特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一及び第二特別図柄抽選単位データの実行を保留するものである。
なお、主制御基板4100には、第一特別図柄保留記憶手段4214と第二特別図柄保留記憶手段4224で保留された第一及び第二特別図柄抽選単位データを、始動口2001,2002への始動入賞タイミングよりも、第二特別図柄抽選単位データの方を優先して実行(消化)させる優先保留消化手段4231を備えており、この優先保留消化手段4231によって第二特別図柄抽選単位データ、つまり、第二始動口2002に係る抽選結果の保留が優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果(第一特別抽選結果)や第二特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果(第二特別抽選結果)に従って後述する大当たり遊技、または、小当たり遊技を実行させる有利遊技状態発生手段4232と、有利遊技状態発生手段4232からの指示に基づいて大入賞口2003を閉鎖する開閉部材2006を所定パターンで開閉するようにアタッカソレノイド2016の駆動制御をする大入賞口開閉制御手段4234とを備えている。
また、主制御基板4100は、パチンコ機1の遊技状態がいずれの遊技状態であるかを判断し、当該判断した遊技状態に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御手段4236を更に備えている。
本実施形態では、パチンコ機1の遊技状態として、パチンコ機1の外観から遊技の状態を把握可能な外部遊技状態として、外部通常遊技状態(ノーマル遊技状態)およびこの外部通常遊技状態よりも遊技者に有利となる外部有利遊技状態(チャンス遊技状態)のいずれかの遊技状態に制御される。
外部通常遊技状態は、開放延長機能(可動片2005の開放時間が通常時より長くなる機能)および時短機能(普通図柄および特別図柄の変動時間が短くなる機能)が作動しない遊技状態であって、一対の可動片2005が後述の促進態様に制御されない遊技状態である。即ち、上述のとおり、一対の可動片2005は、普通抽選結果が当選であったことを契機として開閉動作するものであり、これによって第二始動口2002への遊技球の入賞を可能とするものであるが、当該可動片2005が動作するときの動作態様としては、第1の動作態様(平常態様)と、該第1の動作態様よりも遊技者に有利な第2の動作態様(促進態様)とが用意されている。
本実施形態では、開放延長機能および時短機能が作動しない遊技状態では、第1の動作態様として、普通抽選結果が当選となる確率が2%、普通図柄の変動時間が10sec、一対の可動片2005が1回の開放当たりの開放時間0.18secで1回の当選につき1回開放されるように設定される。また、開放延長機能および時短機能が作動する遊技状態では、第2の動作態様として、普通抽選結果が当選となる確率が99.6%、普通図柄の変動時間が0.5sec、一対の可動片2005が1回の開放当たりの開放時間0.95secで1回の当選につき3回開放されるように設定される。
そして外部通常遊技状態では、上記可動片2005が動作するときの動作態様として上記第1の動作態様が採用されることとなる。上述のとおり、この第1の動作態様は、第2の動作態様と比べると、上記第二始動口2002への遊技球の入賞が促進され難い態様である。
一方、外部有利遊技状態は、開放延長機能および時短機能が作動する遊技状態であって、一対の可動片2005が動作するときの動作態様として上記第2の動作態様(促進態様)が採用される遊技状態である。ここで、「促進態様」とは、第二始動口2002への遊技球の入賞が促進される態様である。
なお、「促進態様」では、普通抽選結果が当選となる確率のアップ、抽選時間の短縮(普通図柄の変動時間の短縮)および一対の可動片2005の開放時間アップの三つの態様のうち、いずれか一つまたは二つのみを行うことによって促進態様としても良く、三つ全てを行うことによって促進態様としても良い。
また、パチンコ機1の遊技状態は、外観から把握することが困難な内部的に制御される遊技状態もある。本実施形態では、確変機能(所謂確率変動機能)が作動する遊技状態と当該確変機能が作動しない遊技状態とがそれに相当する。
確変機能が作動しない場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率が所定の低確率(第1の確率:本実施形態では、約1/350)に設定される。一方、確変機能が作動する場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率が第1の確率よりも少なくとも2倍以上の所定の高確率(第2の確率:本実施形態では、第1の確率に対して10倍とされた第2の確率(約1/35))に設定される。このように、確変機能が作動する場合に、確変機能が作動しない場合と比べて大当たりへの当選確率を少なくとも2倍以上とするのは、確変機能が作動したときに、確変機能が作動しない場合と比べて特別図柄の変動回数が少ない段階で大当たりに当選しうるようにすることで、興趣の低下の抑制を図るためである。
本実施形態では、確変機能が作動していない外部通常遊技状態を「外部通常遊技状態A」と称し、確変機能が作動している外部通常遊技状態を「外部通常遊技状態B」と称す。また、確変機能が作動していない外部有利遊技状態を「外部有利遊技状態A」と称し、確変機能が作動している外部有利遊技状態を「外部有利遊技状態B」と称する。
なお、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が、外部通常遊技状態Aと外部通常遊技状態Bとを可動片2005の動作によっては区別することはできず、同様に、外部有利遊技状態Aと外部有利遊技状態Bとを可動片2005の動作によっては区別できないようになっている。
また、いずれかの遊技状態から遊技者にとってより有利な遊技状態への変更は、特別抽選結果が大当たりとなったことに基づいて条件装置が作動した場合にのみ行われる。なお、上記4つの遊技状態(外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態A、外部有利遊技状態B)のうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態は外部有利遊技状態Bであり、遊技者にとっても最も不利な遊技状態は外部通常遊技状態Aである。従って、外部通常遊技状態Aから他の遊技状態(外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態Aおよび外部有利遊技状態B)への変更、外部有利遊技状態Aから外部有利遊技状態Bへの変更等は、条件装置が作動しない限り行われない。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄抽選単位データ、第二特別図柄抽選単位データに基づいて、演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成するコマンド生成手段4238と、コマンド生成手段4238で生成されたコマンドを周辺制御基板4140へ送信するコマンド送信手段4240とを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留皿311に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2300の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2300の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2300の上棚部2311へ到達すると、上棚部2311によってセンター役物2300の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側側面に配置されたゲート部材2200のゲート2201に進入してゲートセンサ2202により検出されると、その検出信号に基づいて主制御基板4100では、普通乱数発生手段4200で普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基づく普通抽選結果に応じて、機能表示ユニット640における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間経過後に抽出され普通抽選結果に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段4204において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基づいて行われるようになっている。
詳しくは、普通乱数に基づく抽選結果が当選である場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、普通乱数に基づく抽選結果がハズレである場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2005が上述したように所定時間、所定回数に亘って開放して、第二始動口2002へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2300の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート2201やワープ入口2313へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2300の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2300の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2202で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2202からの検出信号に基づいて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を普通図柄記憶保留手段4202で一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、4つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2202の検出信号に基づいて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2300の左側を流下した遊技球は、サイド入賞口部材2100の棚部2102によってセンター役物2300の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2300の下方に配置された一般入賞口2004,2101に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3108に検出されると、その検出信号に基づいて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2004,2101、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2004,2101、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側側面に開口するワープ入口2313へ進入すると、センター役物2300のステージ部材2320における後側の第一ステージ2321へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2321上へ供給された遊技球は、第一ステージ2321上を左右方向へ転動して、前方へと放出されて第二ステージ2322上へと供給される。この第二ステージ2322でも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2000の上方の遊技領域605内へ放出される。このステージ部材2320へ供給された遊技球が、第一ステージ2321における中央のチャンス入口2323へ進入すると、アタッカユニット2000における第一始動口2001の直上に配置されたチャンス出口2324から遊技領域605内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2001へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2001に受入れられて第一始動口センサ3115に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ部材2320から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2001等に受入れられるようになっており、第二始動口2002や大入賞口2003が受入可能な時に、遊技球がステージ部材2320やチャンス出口2324から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2001だけでなく第二始動口2002や大入賞口2003に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部材2200のゲート2201へ進入してゲートセンサ2202により検出されて普通乱数が取得され、普通乱数に基づく普通抽選結果が当選であると、上述したように、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2005が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2002へ受入れられて第二始動口センサ2012に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2001、第二始動口2002に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3115、第二始動口センサ2012に検出されると、第一始動口2001では第一特別乱数発生手段4212による所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口2002では第二特別乱数発生手段4222による所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基づいて、機能表示ユニット640の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において、「大当たり」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2000の開閉部材2006が、所定のパターンで開閉動作する大当たり遊技(特別有利遊技状態)が発生し、その間に大入賞口2003へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2003へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、14個)の遊技球が貯留皿311へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2001、第二始動口2002においても、ゲート2201への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、大当たり遊技中等の特別図柄を変動表示することができない時に、始動口2001,2002へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3115、第二始動口センサ2012で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3115、第二始動口センサ2012からの検出信号に基づいて抽出された第一、第二特別乱数を含む特別図柄抽選単位データを、第一特別図柄保留記憶手段4214や第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別図柄抽選単位データの数(保留数)を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数等は破棄されるようになっている。また、優先保留消化手段4231によって、第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶(保留)された第二特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留記憶手段4214で記憶された第一特別図柄抽選単位データよりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2002に係る抽選結果の保留が、第一始動口2001に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3115、第二始動口センサ2012の検出に基づいて抽出された第一、第二特別図柄抽選単位データを、予め決められた所定の判定テーブルと照合することで、その第一、第二特別図柄抽選単位データが、「ハズレ」、「小当たり」、「大当たり」の何れであるかが判別されると共に、「大当たり」について、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」の何れかであるかも判別されるようになっている。
そして、第一始動口2001、第二始動口2002への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一、第二特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果(特別抽選結果)が、「小当たり」の場合、主制御基板4100は、小当たり遊技を実行する。小当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉を、短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返すようになっている。短時間開閉パターンは、所定短時間(例えば、0.05秒〜0.6秒の間経過、或いは、所定個数(例えば、2個)の遊技球が大入賞口2003に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態とするパターンである。
一方、特別抽選結果が、「大当たりA」「大当たりB」の場合、主制御基板4100は、長開放大当たり遊技を実行する。長開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉を、長時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返すようになっている。長時間開閉パターンは、開閉部材2006を開状態とした後に、所定長時間(例えば、26秒〜33秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2003に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態とするパターンである。
また、特別抽選結果が、「大当たりC」「大当たりD」の場合、主制御基板4100は、短開放大当たり遊技を実行する。短開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉を、上述した短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰返すようになっている。また、特別抽選結果がが、「大当たりE」の場合、主制御基板4100は、短開放後長開放大当たり遊技を実行する。短開放後長開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉を、上述した短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰返した後、上述した長時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返すようになっている。
なお、上述した「小当たり」の場合に行われる開閉部材2006の動作と、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる開閉部材2006の動作とは、同一とされ、遊技者は、特別抽選結果が「小当たり」、「大当たりC」、「大当たりD」のいずれであるかを開閉部材2006の開閉動作だけでは判断できない。また、「小当たり」、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる開閉部材2006の動作と、「大当たりE」の場合に行われる開閉部材2006の短時間開閉パターンでの動作は、同一とされている。この結果、遊技者は、特別抽選結果が「小当たり」「大当たりC」「大当たりD」のいずれかあるか、「大当たりE」であるかを、開閉部材2006が短時間開閉パターンで動作している間には判断できない。すなわち、遊技者は、開閉部材2006が短時間開閉パターンで動作した後、長時間開閉パターンで動作し始めたときに、特別抽選結果が「大当たりE」であることを開閉部材2006の動作から認識できる。そして、遊技者は、開閉部材2006が短時間開閉パターンで動作した後、長時間開閉パターンで動作しないときに、特別抽選結果が「小当たり」「大当たりC」「大当たりD」のいずれかあることを開閉部材2006の動作から認識できる。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当たり」については、大当たり種別に基づいて、抽選条件変更手段4236によって乱数判定テーブルを高確率時短テーブル等と交換する処理が行われる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、特別抽選結果に応じて、機能表示ユニット640の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400においても、特別抽選結果に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1400において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された図柄に注目することとなる。また、液晶表示装置1400には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、大当たり遊技中に表示される「大当たり遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、液晶表示装置1400に表示される上記の一連の図柄列の変動・停止は、1回の特別抽選結果を表示するものであるから、1回の特別抽選結果を表示すべく一連の図柄列の変動が停止されたのちに、次回の特別抽選が許容されるのである。したがって、複数回の特別抽選結果が同時に液晶表示装置1400に表示されることはない。すなわち、特別図柄は、特別図柄が変動されていないこと(すなわち前回の特別図柄の変動が終了していること)が、特別図柄の変動開始条件、ひいては特別抽選の実行条件となる。
また、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図189を参照)、液晶表示装置1400での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1400における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、大当たり遊技中等に表示される「大当たり遊技演出画像」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、周辺制御基板4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基づいて、裏ユニット3000に備えられた可動する各種の装飾体2330b,3201,3301,3401,3501等を適宜作動させると共に、遊技盤4等に備えられた各種の装飾基板2020,3104,3205,3303c,3338,3414,3524に実装されたLEDを適宜駆動させるようにしており、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、ステージ2321,2322上へ遊技球を放出供給するワープ出口2314とは反対側の右端部に転動規制部2341を備えるようにしているので、左右方向へ転動する遊技球の転動端を規制することができ、遊技球がステージ2321,2322の右端部よりも外側の右可動装飾体3301側へ侵入するのを防止することができる。また、遊技球がセンター役物2300の転動規制部2341を越えた場合、右可動装飾体3301の下端部を収容可能な収容部2340に侵入球排出口3117を備えるようにしているので、ステージ2321,2322から逸脱した遊技球を速やかに排出することができると共に、収容部2340内に侵入した遊技球によって右可動装飾体3301の可動が阻害されるのを防止することができ、不具合の発生によって遊技が中断するのを防止して遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センター役物2300における前壁部材2310の左側外周に形成されたワープ入口2313へ進入した遊技球が枠内のステージ2321,2322上へ供給されるようにしており、ステージ2321,2322上を転動する遊技球の動きを楽しむには、前壁部材2310のワープ入口2313へ遊技球を進入させる必要があるので、遊技者に対してワープ入口2313を狙った打ち込み操作をさせることができ、遊技者に目標を与えることで遊技に集中させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、転動規制部2341を挟んでステージ2321,2322とは反対側に右可動装飾体3301を備えるようにしているので、ステージ2321,2322の横に備えられた右可動装飾体3301によって他のパチンコ機よりも見た目のインパクトを高めることができ、パチンコ機1の訴求力を高めて遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができると共に、ステージ2321,2322上を転動する遊技球の動きだけでなく、右可動装飾体3301の動きも遊技者に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、右可動装飾体3301の基端側を収容可能な収容部2340の後端を閉鎖する右装飾体3102に侵入球排出口3117を形成するようにしており、蓋然的に侵入球排出口3117が遊技者側を向くように開口しているので、ステージ2321,2322から遊技球が収容部2340内へ侵入しても遊技者側から侵入球排出口3117を容易に視認できることで、逸脱した遊技球が侵入球排出口3117から排出されることを自然と認識させることが可能となり、遊技球が滞ることで発生するであろう不具合に対する遊技者の不安感を緩和させることができ、安心して遊技を継続させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、収容部2340の後端を閉鎖する右装飾体3102に侵入球排出口3117を備えるようにしており、ステージ2321,2322から逸脱した遊技球を遊技者から遠ざかる方向へ排出させるようにしているので、侵入球排出口3117へ受入れられた遊技球を遊技者側から見えなくすることが可能となり、遊技球が見えなくなることで遊技者に対して受入れられた遊技球が遊技に関わることなく排出されることを認識させることができ、他の遊技球等へ関心を移させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技球がステージ2321,2322の右端の転動規制部2341を越えて収容部2340内へ侵入しても、右可動装飾体3301が可動することで収容部2340内の遊技球が侵入球排出口3117へと押圧誘導されるようにしているので、右可動装飾体3301の可動によって収容部2340内に侵入した遊技球を自動的に侵入球排出口3117から排出することが可能となり、収容部2340内に遊技球が停滞して球詰りが発生するのを確実に防止することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、収容部2340内の遊技球を右可動装飾体3301の可動によって侵入球排出口3117へ誘導排出するようにしているので、転動規制部2341を越えて収容部2340内へ侵入した遊技球が、右可動装飾体3301の可動の妨げとなることを確実に防止することができ、問題なく遊技者に右可動装飾体3301の可動演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、転動規制部2341の高さを、ステージ2321,2322の転動面から遊技球の外形寸法に対して約5倍の高さとすると共に、上方へ向かうに従ってステージ2321,2322の中央側へ倒れるように傾斜させるようにしているので、ステージ2321,2322における左側の端部のワープ出口2314からステージ2321,2322上へ供給(放出)された遊技球が、反対側の右側の端部に配置された転動規制部2341へ勢い良く当接しても、転動規制部2341を乗り越えるのを確実に防止することができ、ステージ2321,2322から遊技球が逸脱して遊技に関わらなくなるのを確実に回避させることができると共に、逸脱することで遊技者が損した気分となるのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、センター役物2300におけるステージ2321,2322上に供給された遊技球が、転動規制部2341を越えてステージ2321,2322とは反対側へ侵入して侵入球排出口3117へ受入れられると、裏箱621に形成された侵入球排出通路621jを通ってアウト口606の後側へ誘導され、アウト口606へ受入れられた遊技球と合流して排出するようにしているので、ステージ2321,2322から逸脱した遊技球を排出された遊技球としてカウントすることが可能となり、遊技者が打ち込んだ遊技球の数と排出された遊技球の数との間に不整合(不具合)が生じるのを防止することができ、不具合の発生により遊技が中断して遊技者の興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、液晶表示装置1400を支持する裏箱621に、侵入球排出口3117に受入れられた遊技球をアウト口606の後側へ誘導する侵入球排出通路621jを形成するようにしているので、侵入球排出経路621jを別部材で構成するようにした場合と比較して、部品点数を少なくすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、液晶表示装置1400よりも上側に配置された可動装飾体2330b,3203,3401,3501を駆動する駆動モータ2333,3244,3404,3504を遊技パネル600の後側で裏箱621の駆動モータ収容部621kによって覆うと共に、駆動モータ収容部621k内の空気を排気ファン3112によって強制的に換気するようにしているので、駆動モータ2333,3244,3404,3504で発生した熱を直ちにパチンコ機1外へ排出することができ、パチンコ機1内で熱が篭って合成樹脂や半田が溶融したり、制御用の各種電子部品(例えば、CPU、MPU、IC、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、センサ、リレー、等)が誤作動したりして不具合が発生するのを防止することができる。従って、複数の可動装飾体2330b,3203,3401,3501を備えることで熱源となる駆動モータ2333,3244,3404,3504が増加して発熱量が多くなっても、駆動モータ2333,3244,3404,3504からの熱を速やかに排出してパチンコ機1内の温度が上昇するのを抑制することができるので、パチンコ機1に複数の可動装飾体2330b,3203,3401,3501を、問題なく備えることが可能となり、よりインパクトの高いパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、パチンコ機1に複数の可動装飾体2330b,3203,3401,3501等を問題なく備えるようにすることができるので、複数の可動装飾体2330b,3203,3401,3501等によって、パチンコ機1の見た目のインパクトを高めることが可能となり、同種のパチンコ機に対してより差別化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができ、本パチンコ機1を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、排気ファン3112によって駆動モータ2333,3244,3404,3504を収容した裏箱621の駆動モータ収容部621k内の空気を強制的に換気するようにしており、駆動モータ収容部621k内では空気の流れが発生し、その空気の流れによって駆動モータ2333,3244,3404,3504を冷却することができるので、駆動モータ2333,3244,3404,3504の過熱によって駆動モータ2333,3244,3404,3504に不具合が発生したり電気抵抗の増加により消費電力が増加したりするのを防止することができ、駆動モータ2333,3244,3404,3504を確実に作動させて可動装飾体2330b,3203,3401,3501を可動させることができると共に、可動装飾体2330b,3203,3401,3501の可動演出によって、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、熱源となる可動装飾体2330b,3203,3401,3501の駆動モータ2333,3244,3404,3504を駆動モータ収容部621k内に収容するようにしているので、駆動モータ2333,3244,3404,3504からの熱が、遊技を制御するための主制御基板4100や、可動装飾体2330b,3203,3401,3501や発光装飾体等を制御する周辺制御基板4140、或いは、所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400等に伝わって、それらによる制御が不安定となるのを防止することが可能となり、パチンコ機1を最適な状態に維持することができ、本パチンコ機1による遊技を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技パネル600の後側に取付けられる裏箱621に駆動モータ収容部621kを備えるようにしているので、排気ファン3112によって駆動モータ収容部621k内の空気を遊技パネル600(パチンコ機1)の後側、つまり、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備内へ排気することが可能となり、駆動モータ収容部621k内の排熱が遊技者に当たって不快感を与えてしまうのを防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技パネル600の後側に取付けられ後側に液晶表示装置1400を脱着可能に支持する裏箱621に、駆動モータ収容部621kを形成すると共に排気ファン3112を支持させるようにしているので、駆動モータ収容部621kを別途形成して遊技パネル600に取付ける必要がなく、駆動モータ収容部621kに係る部品点数等の構成を簡略化することができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、裏箱621の駆動モータ収容部621kを所定長さに形成すると共に一方の端部に換気口621lを備えるようにしているので、排気ファン3112によって端部に備えられた換気口621lから駆動モータ収容部621k内の空気を排気することができるので、駆動モータ収容部621k内の空気全体を流動させることができ、駆動モータ収容部621k内に収容された駆動モータ2333,3244,3404,3504等からの熱を確実に換気することができる。
更に、裏箱621の開口621c(液晶表示装置1400)よりも上側に配置された駆動モータ2333,3244,3404,3504を駆動モータ収容部621kで覆うようにしている、つまり、駆動モータ収容部621kを裏箱621(遊技パネル600)の上部付近に形成するようにしているので、排気ファン3112によって駆動モータ収容部621k内の空気を換気する際に、パチンコ機1の上部へ上昇してくる他の熱源からの熱や液晶表示装置1400からの熱の少なくとも一部を一緒に排気することができ、パチンコ機1内に熱が篭るのを抑制することができると共に、温度の上昇によりパチンコ機1に不具合が発生して遊技が中断してしまうのを防止することができ、遊技者に不快感を与えて興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、裏箱621の駆動モータ収容部621kにおける換気口621lを下方へ向かって開口するようにしているので、換気口621lを上方へ向かって開口させるようにした場合と比較して、パチンコ機1の後側において(遊技ホールにおける島設備内で)上側から落下してきた埃やゴミ等が換気口621lを通って駆動モータ収容部621k内へ侵入する可能性を可及的に低減させることができ、埃などが駆動モータ収容部621k内へ侵入することで不具合が発生するのを防止することができる。また、換気口621lを下方へ開口するようにしており、その換気口621lから駆動モータ収容部621k内の空気が下方へ排気されるので、換気口621lを後方へ開口するようにした場合と比較して、遊技ホールの島設備において背向配置された他のパチンコ機へ向かって排熱を送ってしまうのを防止することができ、他のパチンコ機に不具合を発生させてしまうのを防止することができる。
また、換気口621lを下方へ向かって開口するようにしているので、裏箱621における駆動モータ収容部621kを、一般的なパチンコ機の上部に備えられた入賞口等への遊技球の受入れによって払出される遊技球を貯留するための賞球タンク720等と可及的に接近する位置に配置しても、賞球タンク720等によって換気口621lが閉鎖されてしまうのを回避させることができ、換気口621lを介して駆動モータ収容部621k内の空気を確実に換気することができると共に、駆動モータ収容部621kを開口621c(液晶表示装置1400)の上側に配置することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、排気ファン3112をシロッコファンとしており、吸気軸と排気軸とが略直交しているので、吸気軸を遊技パネル600に略沿うように配置することで、排気軸をパチンコ機の下方向へ容易に配置することができ、排気ファン3112に係る構成を小型・簡略化することができる。また、プロペラファンと比較してシロッコファンは静圧がかかっても送風量が変化し難いので、本実施形態のように換気口621kを一つとしても、駆動モータ収容部621k内の空気を確実に換気することができ、上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、センター役物2300の枠外で液晶表示装置1400の左外側から、左可動装飾体3201が右方向へ移動して液晶表示装置1400の前面へ位置した後に、左可動装飾体3201の主装飾体3202から副装飾体3203が上方向へ移動すると共に、主装飾体3202と副装飾体3203との間に開口窓3204が開くような可動演出をすることができるので、遊技者に対して二段階に可動する左可動装飾体3201の可動演出を見せることができ、従来のパチンコ機では見ることのできなかった可動装飾体の動きによって遊技者を楽しませることができると共に、左可動装飾体3201の主装飾体3202及び副装飾体3203により飽き難くい可動演出をすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置1400の前面へ左側より出現する左可動装飾体3201の主装飾体3202から更に副装飾体3203が上方向へスライド移動するようにしているので、副装飾体3203がスライド移動することで主装飾体3202と副装飾体3203とを合せた大きさをより大きくすることができると共に、左可動装飾体3201が大きくなることで遊技者に対して「何か良いことが起こるのでは?」と思わせて遊技に対する期待感を高めることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。更に、液晶表示装置1400の前面へ出現した主装飾体3202から副装飾体3203がスライド移動すると、上述したように、可動する左可動装飾体3201全体が大きくなるので、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を左可動装飾体3201に強く引付けて遊技に対する関心が低下するのを抑制することができると共に、大きくなることで左可動装飾体3201を目立たせることができ、他のパチンコ機に対して差別化して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、左可動装飾体3201における副装飾体3203を、主装飾体3202がセンター役物2300の枠内で液晶表示装置1400の前面へ移動した時に、上下方向へ移動可能とするようにしており、主装飾体3202がセンター役物2300の枠内へ移動することで主装飾体3202及び副装飾体3203を遊技者から充分に視認できるようにした上で、副装飾体3203を移動させるようにしているので、遊技者に対して主装飾体3202と副装飾体3203の動きを確実に視認させることができ、主装飾体3202及び副装飾体3203による可動演出を確実に楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、主装飾体3202が移動してから副装飾体3203を移動させるようにしているので、左可動装飾体3201による可動演出として、主装飾体3202のみが可動するパターンと主装飾体3202が可動した後に副装飾体3203が可動するパターンの二つの可動パターンとすることができ、多様な可動パターンによって遊技者を飽き難くすることができる。
更に、左可動装飾体3201における主装飾体3202を左右方向へ移動させる左横行ユニット3210を、その移動方向とは直角方向である液晶表示装置1400の下側に配置すると共に、副装飾体3203を上下方向へ移動させる左昇降ユニット3240を、液晶表示装置1400を挟んで左横行ユニット3210とは反対側に配置するようにしており、換言すると、左横行ユニット3210を左右方向の長さが長いスペースに配置すると共に、左昇降ユニット3240を主装飾体3202の外部に配置するようにしているので、左右方向へ移動する主装飾体3202の移動範囲を可及的に広く(長く)することができ、大ききく動く主装飾体3202によって遊技者の関心を強く引付けることができる。また、主装飾体3202の外部から左昇降ユニット3240によって副装飾体3203を移動させるようにしているので、左昇降ユニット3240の大きさが主装飾体3202によって制約されるのを回避させることができ、副装飾体3203の移動範囲を可及的に広くして遊技者を楽しませることができると共に、左横行ユニット3210によって移動させる主装飾体3202等の左可動装飾体3201重量が増加するのを抑制することができ、左横行ユニット3210に係る負荷を軽減させて耐久性が低下するのを防止することができる。
また、左可動装飾体ユニット3200の左横行ユニット3210と左昇降ユニット3240を、液晶表示装置1400を挟んで上下両側に配置するようにしているので、左横行ユニット3210と左昇降ユニット3240とが互いにスペース的に干渉するのを回避させることが可能となり、左横行ユニット3210と左昇降ユニット3240とを確実に配置することができ、左横行ユニット3210及び左昇降ユニット3240によって主装飾体3202及び副装飾体3203を夫々移動させることで上述した可動演出が可能な主装飾体3202及び副装飾体3203を確実に具現化することができる。
更に、液晶表示装置1400に沿ったスペースを必要な左横行ユニット3210を液晶表示装置1400の下側に配置すると共に、液晶表示装置1400から外側へ広がるスペースが必要な左昇降ユニット3240を液晶表示装置1400の上側に配置するようにしており、比較的空きスペースの少ない液晶表示装置1400の下側に横長の左横行ユニット3210が配置されると共に、比較的空きスペースの多い液晶表示装置1400の上側に縦長の左昇降ユニット3240が配置されることとなるので、左横行ユニット3210及び左昇降ユニット3240の設置スペース(配置スペース)を確保し易くすることが可能となり、左横行ユニット3210及び左昇降ユニット3240を配置して主装飾体3202及び副装飾体3203を確実に可動(移動)させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1とすることができる。
また、左可動装飾体3201における主装飾体3202から副装飾体3203が上方向へスライド移動すると、主装飾体3202と副装飾体3203との間に後側に配置された液晶表示装置1400が遊技者側から見えるような開口窓3204が形成されるようにしているので、その開口窓3204を通して主装飾体3202や副装飾体3203によって一部が遮られた演出画像を視認することができ、遊技者が主装飾体3202等によって隠された演出画像を認識することで、遊技に対する期待感を高めることが可能となり、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、液晶表示装置1400における主装飾体3202と副装飾体3203とで形成される開口窓3204と対応する位置に、所定の演出画像を表示させるようにしても良く、これにより、遊技者に対してあたかも開口窓3204に演出画像が表示されているように錯覚させることができるので、開口窓3204に表示される演出画像を楽しませることができると共に、副装飾体3203がスライド移動して開口窓3204が形成された時(開口窓3204が開いた時)に、どのような演出画像が表示されるのかで遊技者をワクワクさせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、左横行ユニット3210における主装飾体駆動モータ3220によってピニオンギア3218を所定方向へ回転駆動させると、ピニオンギア3218と噛合するラックギア3216aを有したスライドラック3216がレール部材3214に案内されて左右方向へスライド移動すると同時に、スライドラック3216に固定された主装飾体ステー3222を介して主装飾体3202が左右方向へ移動することとなるので、主装飾体3202を確実に左右方向へ移動させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、主装飾体駆動モータ3220を、主装飾体移動ベース3212に対して液晶表示装置1400から遠ざかった側に固定するようにしているので、主装飾体駆動モータ3220が液晶表示装置1400の前面に位置して見栄えが悪くなるのを防止することができる。
また、主装飾体ステー3222におけるスライドラック3216に固定される側とは反対側の延出端(上端)を延出端案内部材3224によって案内支持するようにしており、主装飾体ステー3222の両端をスライドラック3216及び延出端案内部材3224によって支持することができるので、主装飾体3202(スライドラック3216)を移動させることで主装飾体ステー3222に振動や慣性力が作用しても、主装飾体ステー3222が撓るのを防止することが可能となり、主装飾体ステー3222に連結支持された主装飾体3202が振動したり傾いたりするのを防止することができ、主装飾体3202が不自然な挙動をすることで遊技者に不信感や不安感等を抱かせてしまうのを回避させることができると共に、移動する主装飾体3202の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、左昇降ユニット3240における副装飾体駆動モータ3244によって駆動ギア3246を所定方向へ回転させると、駆動ギア3246の外周のギア歯と噛合する従動ギア3248が駆動ギア3246とは逆方向ながら駆動ギア3246と同速度で回転することで、従動ギア3248の第二作用軸3248aが、上下方向の位置が駆動ギア3246の第一作用軸3246aの位置と略同じ位置となるように同調しながら公転すると共に、第二作用3248a軸と第一作用軸3246aとが夫々スライド部材3250の第二移動スリット3250bと第一移動スリット3250a内を左右方向へ摺動すると同時に、副装飾体移動ベース3242によって上下方向へスライド可能に支持されたスライド部材3250が上下方向へとスライドすることとなり、スライド部材3250に連結された副装飾体3203がスライド部材3250と共に上下方向へ移動することとなるので、副装飾体3203を確実に上下方向へスライド移動させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、スライド部材3250を第一作用軸3246aと第二作用軸3248aの二つの作用軸で上下方向へスライドさせるようにしているので、一つの作用軸でスライドさせるようにした場合と比較して、スライド部材3250を傾き難くすることが可能となり、スライド部材3250つまり副装飾体3203を上下方向へスムーズに移動させることができ、移動する際に副装飾体3203がガタ付くことで遊技者に対して違和感を与えてしまい遊技に対する興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、センター役物2300の枠内に、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が供給されることでその遊技球を左右方向へ転動させた後に再び遊技領域605内へ還流させるステージ部材2320を備えるようにすると共に、ステージ部材2320によって主装飾体3202を移動させる左横行ユニット3210の少なくとも一部を遊技者側から視認不能に覆うようにしており、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球がセンター役物2300の枠内におけるステージ2321,2322に供給されると、遊技球がステージ2321,2322上を左右方向へ転動した上で、再び遊技領域605内へ還流させられるので、ステージ2321,2322上を転動する遊技球によってパチンコ機1本来の遊技球の動きを楽しむ遊技を遊技者に提示することができ、遊技球の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、左横行ユニット3210の少なくとも一部をセンター役物2300のステージ2321,2322によって被覆するようにしているので、主装飾体3202を移動させる左横行ユニット3210の存在を遊技者に対して認識し難くすることができ、パチンコ機の見栄えを良くして遊技者の関心を引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、先端側が液晶表示装置1400の右側周辺付近と前面との間で回動するように基端側が液晶表示装置1400の下辺の下側で軸支され長手方向へ伸縮可能とされた右可動装飾体3301と、右可動装飾体3301の基端側に対して液晶表示装置1400を挟んで反対側の上辺付近に液晶表示装置1400よりも外側と前面との間で移動可能とされ前面に位置した時に、伸長した右可動装飾体3301の先端を被覆可能な上部左可動装飾体3401とを備えるようにしており、右可動装飾体3301が液晶表示装置1400の右側周辺付近から前面側へ回動した上で伸長すると、右可動装飾体3301の先端が上部左可動装飾体3401によって被覆されるので、液晶表示装置1400の前面へ回動した上で伸長すると先端が上部左可動装飾体3401と合体するような右可動装飾体3301の動きを楽しませることができると共に、右可動装飾体3301による、回動、伸縮、上部左可動装飾体3401との協働による先端の被覆、及び上部左可動装飾体3401の昇降移動、の少なくとも四つの動作を適宜組合わせることで、右可動装飾体3301や上部左可動装飾体3401による可動演出の種類をより多様化することができ、可動演出を飽き難くして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、右可動装飾体3301が伸長してその先端を上部左可動装飾体3401によって被覆することができるようにしているので、右可動装飾体3301が伸長することで右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401とが合体して一つの大きな装飾体を構成することができ、大きな装飾体の出現によって遊技者を驚かせることができると共に、大きな装飾体によってパチンコ機1の見た目のインパクトを高めることができ、遊技者の関心を強く引き付けられるパチンコ機1とすることができる。また、右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401とが合体するので、遊技者に対して「何か良いことが起きるのではないか?」と思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、右可動装飾体3301が液晶表示装置1400の前面へ回動した上で伸長すると先端が上部左可動装飾体3401に被覆されて、合体したようなインパクトのある期待感を高められる状態となるので、遊技者に対して、まず、右可動装飾体3301の先端側が液晶表示装置1400の前面へ回動するか否かによってドキドキさせることができ、続いて、右可動装飾体3301が回動した後に伸長するか否かによってもドキドキさせることができる上に、更に、伸長した右可動装飾体3301の先端が上部左可動装飾体3401によって被覆されるか否かによってハラハラさせることが可能となり、右可動装飾体3301の可動演出に対して遊技者の意識を集中させて固唾を呑むように注目させることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、伸長した右可動装飾体3301の先端を被覆可能な上部左可動装飾体3401を、液晶表示装置1400を挟んで右可動装飾体3301における基端側とは反対側に配置するようにしているので、右可動装飾体3301が伸長して先端が上部左可動装飾体3401によって被覆されると、右可動装飾体3301及び上部左可動装飾体3401によって液晶表示装置1400の前面が二つに分断されたような状態となり、これまでの可動装飾体では見られなかったような可動演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、右可動装飾体3301及び上部左可動装飾体3401によって分断される液晶表示装置1400の表示画面に、分断と関係した演出画像(例えば、伸長する右可動装飾体3301によって所定のアイテムやキャラクタ等が破壊されるような演出画像、右可動装飾体3301等の両側に夫々異なる演出画像)を表示させるようにしても良く、これにより、右可動装飾体3301の可動演出だけでなく、液晶表示装置1400による画像演出も楽しませることができるので、より多様な演出を提示することで飽き難いパチンコ機1とすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、右可動装飾体3301を液晶表示装置1400の右側周辺付近と前面との間で回動可能とするようにしていると共に、上部左可動装飾体3401を液晶表示装置1400の外側と前面との間で昇降移動可能としているので、可動演出しない時には右可動装飾体3301や上部左可動装飾体3401を液晶表示装置1400の右側周辺付近や上側に位置させることで、右可動装飾体3301や上部左可動装飾体3401によって液晶表示装置1400に表示された演出画像が遮られるのを可及的に少なくすることが可能となり、遊技者側から演出画像を見易くすることができ、演出画像を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401とが液晶表示装置1400を挟むように配置された上で、遊技状態に応じて上部左可動装飾体3401が液晶表示装置1400の前面へ移動すると共に、右可動装飾体3301が液晶表示装置1400の前面へ回動して伸長することで上部左可動装飾体3401と合体するようなこれまでのパチンコ機にない動きをする右可動装飾体3301及び上部左可動装飾体3401を備えているので、可動する右可動装飾体3301や上部左可動装飾体3401によって遊技者の関心を強く引き付けることが可能となり、他のパチンコ機に対して大きく差別化することができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、右可動装飾体3301を正面視で液晶表示装置1400の右側周辺付近と前面との間で回動可能としているので、右可動装飾体3301の伸長方向に上部左可動装飾体3401が存在しない位置で回動を停止させて右可動装飾体3301を伸長させるようにしても良く、これにより、回動する右可動装飾体3301が、その先端が上部左可動装飾体3401によって被覆される位置まで回動するか否かで遊技者に期待感を抱かせることが可能となり、上部左可動装飾体3401との合体だけでなく右可動装飾体3301の動きそのものも楽しませて、飽き難いパチンコ機1とすることができる。
更に、上部左可動装飾体340が液晶表示装置1400の正面視で前面へ下降移動すると、右可動装飾体3301の先端を被覆することができるようにしているので、右可動装飾体3301が回動或いは伸長するよりも先に、上部左可動装飾体3401を液晶表示装置1400の前面へ移動させることで、右可動装飾体3301が回動した後に伸長して先端が被覆されるのではないかと思わせることが可能となり、遊技者の関心を右可動装飾体3301に引付けることができ、遊技者の可動演出に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、右可動装飾体3301の先端に長手方向へ進退可能に突出すると共に前進方向へ付勢された先端部材3304と、先端部材3304の進退によって可動する可動装飾部3305とを備えた上で、上部左可動装飾体3401に、先端部材3304の先端と当接することで右可動装飾体3301の伸長を規制する伸長規制部材3401cを備えるようにしており、右可動装飾体3301が伸長して先端部材3304の先端が、上部左可動装飾体3401に被覆された上で先端規制部材3401cに当接すると、右可動装飾体3301が伸長方向(長手方向の前進方向)へ更に伸長するのを規制され、その状態で右装飾体伸縮ユニット3340によって右可動装飾体3301を更に伸長させようとすると、先端部材3304が付勢力に抗して右装飾体本体3303内へと没入するように後退すると共に、先端部材3304の後退に伴って可動装飾部3305が可動するような可動演出を行うことができるので、右可動装飾体3301の可動演出を更に多様化することができると共に可動装飾部3305等の可動によって遊技者を楽しませることができ、従来のパチンコ機よりも飽き難いパチンコ機1とすることができると共に、より見た目のインパクトが高く遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、右可動装飾体3301における先端部材3304の先端を上部左可動装飾体3401の伸長規制部材3401cに当接させた状態で、右装飾体伸縮ユニット3340によって先端部材3304が右装飾体本体3303に対して進退を繰返すように長手方向へスライドさせるようにすることができるので、これにより、右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401とが合体した状態で可動装飾部3305が繰返し可動をするような可動演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、先端部材3304の先端と当接する伸長規制部材3401cを、低反発部材や衝撃吸収部材等で構成するようにしており、先端部材3304の先端が勢良く伸長規制部材3401cに当接しても、その当接による衝撃を伸長規制部材3401c側で吸収することができるので、先端部材3304が破損するのを防止することができ、パチンコ機1の耐久性を高めることができると共に、先端部材3304が破損して遊技が中断してしまうのを防止することができ、遊技の中断によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、右可動装飾体3301における可動装飾部3305を、二つの棹部材3305b,3305cを回転可能に連結した構成とすると同時に、その自由端(両端)を夫々右装飾体本体3303と先端部材3304に回動可能に支持させるようにしているので、先端部材3304が右装飾体本体3303に対して進退するように移動して先端部材3304と右装飾体本体3303との相対位置が変化すると、両端が夫々に回動可能に支持された可動装飾部3305がリンクの作用により夫々の支持部が回動し、可動装飾部3305全体の形状(形態)がパンタグラフのように変化することとなり、可動する可動装飾部3305を具現化することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、上部左可動装飾体3401に、伸長してきた右可動装飾体3301の先端を所定位置へ案内するテーパ状の案内部3401bを備えるようにしており、テーパ状の案内部3401bによって伸長してきた右可動装飾体3301の先端を所定位置へ案内することができるので、喩えズレた状態で右可動装飾体3301が伸長しても、伸長して合体した右可動装飾体3301と上部左可動装飾体3401との位置関係を最適な状態とすることが可能となり、右可動装飾体3301の先端が上部左可動装飾体3401によって被覆された時(合体した時)の見栄えを向上させることができ、遊技者に見栄えの違和感を与えてしまうのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、右可動装飾体3301を、その先端が液晶表示装置1400を越えて伸長するようにした上で、右可動装飾体3301の先端側に進退可能な先端部材3304を備えるようにすると共に、液晶表示装置1400の前面へ移動、つまり、右可動装飾体3301の最大伸長よりも短い位置へ移動した上部左可動装飾体3401に右可動装飾体3301の伸長を規制する伸長規制部材3401cを備えるようにしているので、右可動装飾体3301の先端が伸長規制部材3401cに当接した状態で更に右装飾体伸長ユニット3340によって伸長方向へ駆動すると、先端部材3304が相対的に後退するような動きをすることとなり、先端部材3304の動きを楽しませることができると共に、右可動装飾体3301における長手方向の可動パターンをより多様化することができ、可動演出を飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上部左可動装飾体3401を、遊技パネル600と液晶表示装置1400との間に配置しており、上部左可動装飾体3401の配置された遊技パネル600と液晶表示装置1400との間へ向かって右可動装飾体3301の先端が伸長することとなるので、伸長した右可動装飾体3301の先端が遊技パネル600や液晶表示装置1400等に当接したり接触したりするのを回避させることができ、右可動装飾体3301等が破損して不具合が発生するのを防止することができると共に、右可動装飾体3301をスムーズに伸長させることができる。また、上部左可動装飾体3401を不透明な遊技パネル600と液晶表示装置1400との間に配置すると共に、上部左可動装飾体3401を正面視で液晶表示装置1400の外側と前面との間で移動可能とするようにしており、上部左可動装飾体3401を遊技パネル600の開口部600eから臨む液晶表示装置1400の外側へ移動させると、上部左可動装飾体3401が遊技パネル600の開口部600eの外側へと移動して遊技者側から視認不能となるので、上部左可動装飾体3401を出没させることができ、上部左可動装飾体3401の出現によって遊技者の遊技に対する期待感を高めることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技状態に応じて右可動装飾体ユニット3300の右可動装飾体3301における液晶表示装置1400の下側に配置された基端側が回動軸3302aを中心に回動して略全体が液晶表示装置1400の前面に位置した上で、右可動装飾体3301の右装飾体本体3303が液晶表示装置1400の前面を斜めに縦断するように上方へ向かって伸長するので、従来のパチンコ機の可動装飾体とは全く異なる複雑な動きをすることができ、右可動装飾体3301の動きによって遊技者を驚かせて右可動装飾体3301に注目させることができると共に、右可動装飾体3301が回動して伸縮するので、右可動装飾体3301の動きの種類(可動パターン)を多様化することができ、右可動装飾体3301の動きを飽き難くして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、右装飾体中装飾基板3303cや右装飾体下装飾基板3338によって右可動装飾体3301を発光装飾させることができるので、右可動装飾体3301の可動演出だけでなく発光演出も遊技者に見せることが可能となり、右可動装飾体3301による演出パターンの種類をより多くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、右可動装飾体3301をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な右可動装飾体3301(パチンコ機1)とすることができる。
また、右可動装飾体3301が液晶表示装置1400の右側周辺付近から中央側へ向かって回動した後に、液晶表示装置1400を斜めに縦断するように上方へ伸長するので、右可動装飾体3301の可動によって、遊技者の関心を液晶表示装置1400の中央へ誘導した上で、更に右可動装飾体3301(右装飾体本体3303)の先端が伸長する上方へ誘導させることができ、遊技者の関心を誘導させることで遊技に変化を付与することが可能となり、遊技が単調になるのを防止することができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、伸長によって上昇する右可動装飾体3301により遊技に対する機運が上昇するような気分に遊技者をさせることが可能となり、期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、右可動装飾体3301や上部中可動装飾体3501が回動して伸縮するので、遊技者に対して右可動装飾体3301や上部中可動装飾体3501が伸縮する先に、何かあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めることができると共に、右可動装飾体3301や上部中可動装飾体3501の動きに注目させることができ、それら可動装飾体3301,3501の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、遊技状態に応じて右可動装飾体ユニット3300や上部可動装飾体ユニット3500の可動装飾体3301,3501が回動して伸縮するようにしており、これまでのパチンコ機にはない動きをする可動装飾体3301,3501を備えるようにしているので、可動する可動装飾体3301,3501によって遊技者の関心を強く引き付けることが可能となり、他のパチンコ機に対して大きく差別化することができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、右可動装飾体3301が伸長すると、液晶表示装置1400の前面を斜めに縦断するので、垂直方向又は水平方向へ縦断又は横断するようにした場合と比較して、右可動装飾体3301が斜めに伸縮することで遊技者に対して可動する右可動装飾体3301を認識し易くすることが可能となり、可動する右可動装飾体3301に確実に注目させることができ、右可動装飾体3301の可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技パネル600の後側に取付けられる箱状の裏箱621を介して液晶表示装置1400を支持するようにすると共に、裏箱621内に右可動装飾体ユニット3300、上部左可動装飾体ユニット3400や上部中可動装飾体ユニット3500等を取付けるようにしているので、液晶表示装置1400を遊技パネル600の後側に確実に配置支持することができると共に、箱状の裏箱621によって液晶表示装置1400の前側に右可動装飾体ユニット3300等を配置するスペースを確保することができ、上述した右可動装飾体ユニット3300等を備えたパチンコ機1を確実に具現化することができる。また、液晶表示装置1400を支持する裏箱621によって液晶表示装置1400と右可動装飾体ユニット3300等との位置関係を的確に維持することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができると共に、遊技パネル600の後側に裏箱621を取付けるだけで、液晶表示装置1400と右可動装飾体ユニット3300等を遊技パネル600に対して所定位置に配置することができ、パチンコ機1の組立てに係る手間を簡略化することができる。
また、右可動装飾体3301を、右装飾体本体3303と右装飾体本体3303を長手方向へスライド可能に支持する右装飾体ベース3302とで構成するようにしているので、右装飾体本体3303を右装飾体ベース3302に対して長手方向へスライドさせることで、右可動装飾体3301全体の長さを伸縮させることが可能となり、伸縮する右可動装飾体3301を具現化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができると共に、右装飾体本体3303や右装飾体ベース3302の剛性を高くすることができるので、右可動装飾体3301の伸縮時に、右可動装飾体3301が曲がったり揺れたりするのを可及的に低減させて右可動装飾体3301が不自然な挙動をするのを防止することができ、遊技者に右可動装飾体3301の可動演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、右装飾体回動ユニット3310によって右可動装飾体3301を右装飾体伸縮ユニット3340と共に回動させることができると共に、右装飾体伸縮ユニット3340によって右可動装飾体3301を伸縮させることができ、上述した右可動装飾体ユニット3300を、確実に具現化することができる。また、右可動装飾体3301と共に右装飾体伸縮ユニット3340も回動させるようにしているので、右装飾体伸縮ユニット3340を回動させないようにした場合と比較して、伸縮駆動に係る構成を簡略化して小型化する可能となり、相対的に右可動装飾体3301を大きくすることができ、右可動装飾体3301を目立たせて遊技者の関心を強く引き付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、右装飾体回動ユニット3310における回動ギア3318を円弧状としており、回動ギア3318を円盤状とした場合と比較して、右可動装飾体3301の基端側に固定される回動ギア3318を可及的に小さくすることができるので、右可動装飾体3301において回動ギア3318が大きく目立つのを防止することができ、右可動装飾体3301の見栄えを良くしてより遊技者の関心を引き付けられる意匠性の高い右可動装飾体3301とすることができる。
また、右可動装飾体ユニット3300におけるベースカバー3350にスライド可能に支持されたスライドラック3344を介して右装飾体本体3303を長手方向へスライドさせるようにしているので、右装飾体本体3303にラックギア等を備える必要がなく、その分、右装飾体本体3303に対して形状の制約を緩和させることが可能となり、右装飾体本体3303をよりインパクトの高い形状としたり右装飾体本体3303内に右装飾体中装飾基板3303cを備えたりすることができ、より遊技者の関心を強く引き付けられる右可動装飾体3301とすることができる。
[5.制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板4000で実行される種々の制御処理について、図191〜図208を参照して説明する。
[メインシステム処理について]
まず、図191に基づいて説明する。図191は、主基板4000の主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aが実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図191に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、主制御MPU4100a(図189参照)は、電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、まず、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判別する。即ち、この実施形態の主制御MPU4100aのRAM(データメモリ)は、電力の常時供給によって各種の制御データがバックアップされるバックアップ領域を有している。そして、パチンコ機1は、電力供給の停止に際しては、上記主制御MPU4100aのRAMの処理領域に記憶されている各種の制御データを上記バックアップ領域に一時退避させる処理を行うとともに、電源復帰時にこの一時退避されたデータを当該主制御MPU4100aのRAMの処理領域に読み出すことで、電源遮断時から継続性のある遊技を実行可能としている。
したがって、この電源投入時処理(ステップS10)では、バックアップデータ(バックアップ領域内のデータ)が正常であれば、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータに従って電力供給の停止時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータは消去される。そしてその後、主制御MPU4100aのRAMの処理領域には、例えば大当たりの当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。また、製品化されてから最初の電源投入時も、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる。
なお、電源投入時処理において書き込まれた現在の遊技状態は、周辺制御基板4140にコマンド送信され、これに基づいて液晶表示装置1400の表示が制御される。このように、停電時における現在の遊技状態を主制御基板4100の主制御MPU4100aのRAMに記憶し、現在の遊技状態を復電後に周辺制御基板4140に送信することで、停電した場合であっても、内部的な遊技状態と液晶表示装置1400に表示される遊技状態とを一致させることができる(周辺制御基板4140では停電時の遊技状態が記憶されない)。ところで、現在の遊技状態については、液晶表示装置1400の装飾図柄1153および特別図柄対応図柄の変動を特別図柄の変動に同調させるために、特別図柄の変動を開始するタイミングで、後述する変動パターンについての情報をコマンド送信している。そして、当該コマンドを送信した直後に、現在の遊技情報についてのコマンドを、その都度、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信している。これにより、周辺制御基板4140でも、現在の遊技状態を常に把握できるようになっている。
ただし、この電源投入時処理(ステップS10)では、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAMクリアスイッチ624aがオンであるか否かの判断も行われる。即ち、このRAMクリアスイッチ624aがオンであったときも、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータは消去される。また併せて、主制御MPU4100aのRAMの処理領域には、例えば大当たりの当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。なお、こうした初期化処理が行われた状態では(イニシャル時では)、大当たりの当選確率を示す制御データは、第1の確率を示すようになり、現在の遊技状態を示す制御データは、可動片2005が第1の動作態様で動作し、確変機能が作動しない遊技状態である「外部通常遊技状態A」を示すようになる。。
また、電源投入時処理(ステップS10)では、このような初期化処理を実行したときに主制御基板4100(図189参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを、周辺制御基板4140(図189参照)に送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御基板4140に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にも主制御MPU4100aのRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板395によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板4100に搭載されるCPU511により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では24V)が復旧(以下「復電」と称する)した場合に、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域にデータを一時退避させる処理である。処理内容は後述するが、本実施形態においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメインシステム処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理について]
図192は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、主制御MPU4100aのRAMの処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データを主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前の主制御MPU4100aのRAMの内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
次いで、主制御MPU4100aは、主制御MPU4100aのRAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、主制御MPU4100aのRAMへのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、実際には電源電圧は停止されないため、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施形態の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図192の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動することになる。
なお、主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としない、といったメリットがある。
若しくは、上記主制御MPU4100aのRAMの全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、主制御MPU4100aのRAMの特定領域に記憶されているデータをその他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[タイマ割込処理について]
図193は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板4000の主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、主制御MPU4100aは、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ2202、第一始動口センサ3115、第二始動口センサ2012、カウントセンサ2014等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板1186に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ2202から検出された信号に基づいて普通図柄表示器645に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片2005の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、特別電動役物としてのアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板4140に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)において主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。
本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、上述した特別乱数(第一特別乱数および第二特別乱数)、普通乱数に加えて、図柄乱数、リーチ判定用乱数(より厳密には、高期待演出判定用乱数)、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数等がある。
特別乱数は、大当たり遊技またはアタッカユニット作動処理を発生させるか否かの判定に用いられる乱数である。すなわち、第一特別乱数は、第一特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定に用いられ、第二特別乱数は、第二特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定に用いられる。図柄乱数は、「大当たり」であると判定されたときに、大当たりの種別(大当たりA〜大当たりE)の判定に用いられる乱数である。第一、第二特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定および大当たりの種別の判定は、「大当たり」、「小当たり」、および、各大当たりの種別の当選値が記述された当たり判定テーブルに基づいて行われる。当たり判定テーブルの一例を表1に示す。本実施形態では、第一、第二特別乱数は、0〜1398のいずれかの値を取り、図柄乱数は、0〜199のいずれかの値を取る。
普通乱数は、一対の可動片2005を開放状態に制御するか否かの判定に用いられる乱数である。普通乱数は、本実施形態では0〜250の値を取り、普通乱数の当選値は、外部通常遊技状態の場合には246〜250に設定され、外部有利遊技状態の場合には1〜250に設定される。リーチ判定用乱数は、特別抽選結果が「ハズレ」である場合(「大当たり」でも「小当たり」でもない場合)に、リーチ演出などの高期待演出を行うか否かの判定(高期待演出抽選)に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、本実施形態では0〜138の値を取り、リーチ判定用乱数の当選値は、0〜7に設定される。第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数は、第一、第二抽選結果に対応して第一特別図柄表示器641および第二特別図柄表示器642に表示する特別図柄の変動パターンの決定、および、第一、第二抽選結果に対応して液晶表示装置1400に表示される演出画像および装飾図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。本実施形態では、第一変動パターン用乱数は、0〜240の値を取り、第二変動パターン用乱数は、0〜250の値を取る。したがって、第1変動パターンと第二変動パターン用乱数の組合せの数は、241×251=60491通りとなる。変動タイプ乱数は、変動パターンのタイプ(後述するように、本実施形態では、通常、2連、3連、4連の4種類の変動タイプがある。)を決定するために陥られる乱数である。本実施形態では、変動タイプ乱数は、0〜232の値(総数233)を取る。
なお、液晶表示装置1400にて表示制御される演出画像および装飾図柄の変動パターンは、第一、第二変動パターン乱数により決定しても良く、周辺基板4010の周辺制御基板4140に搭載される周辺制御MPU4140aまたは液晶制御基板4150に搭載される液晶制御MPU4150a(いずれも図189参照)により決定するようにしてもよい。また、変動パターン乱数は必須ではなく、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、特別乱数、図柄乱数、および、普通乱数の更新を行う。ここで、特別乱数、図柄乱数、普通乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(「大当たり」または「小当たり」を発生させると判定される確率、一対の可動片2005を開放状態に制御すると判定される確率)を一定にする(即ち狙い打ち等により確率に偏りが発生することを防止する)ことができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、「大当たり」または「小当たり」の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板4100で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、特別乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる特別乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
なお、本実施形態においては、特別乱数を取得するための手段として、第一特別乱数を発生させる第一特別乱数取得手段4212および第二特別乱数を発生させる第二特別乱数取得手段4222の2つの手段を設けているが、これを一つのみ設けた構成としてもよい。
[特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図194に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図194は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第一始動口2001、第二始動口2002に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、「大当たり」または「小当たり」に当選したか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)、変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642に表示される特別図柄および液晶表示装置1400に表示される装飾図柄および演出の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて「大当たり」とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、「小当たり」とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ(ハズレ)処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(大当たりA〜大当たりE)を判断し、その大当たり種別に応じてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)、小当たり成立時処理(ステップS220)を実行する。この小当たり成立時処理では、アタッカユニット2000の開閉部材2006の開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)、特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能を作動させるか否かおよび可動片2005の動作態様を促進態様とするか否かを判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)、アタッカユニット作動処理(ステップS250)を実行する。このアタッカユニット作動処理(ステップS250)では、小当たり成立時処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、アタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉動作を制御し(小当たり遊技の実行)、アタッカユニット作動処理が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。なお、アタッカユニット作動処理において行われる小当たり遊技は、大当たり遊技のように条件装置の作動を伴う遊技ではないものの、上述したとおり、大当たり遊技の一種である短開放大当たり遊技と極似する遊技である。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[第一・第二始動口入賞処理について]
次に、第一・第二始動口入賞処理について図195に基づいて説明する。図195は、第一・第二始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第一・第二始動口入賞処理では、主制御MPU4100aは、先ず、第二始動口2002に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第二始動口センサ2012による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第二始動口センサ2012による遊技球の検知があれば、第二始動口2002に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1101におけるYES)。第二始動口センサ2012による遊技球の検知がなければ、第二始動口2002に遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第二始動口2002に遊技球が入賞したと判断したときには、第二特別図柄抽選単位データを取得する。そして、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。
ステップS1101において第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、主制御MPU4100aは、第二保留記憶処理を行い(ステップS1103)、その後、ステップS1104に進む。第二保留記憶処理では、第二始動口2002に遊技球が入賞したことによって取得した第二特別図柄抽選単位データを第二特別図柄保留記憶手段4224に記憶する処理が主として行われる。
主制御MPU4100aが、ステップS1101において第二始動口2002に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1102におけるNO)は、いずれもステップS1104に進む。
ステップS1104では、主制御MPU4100aは、第一始動口2001に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第一始動口センサ3115による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第一始動口センサ3115によって遊技球が検知された場合には第一始動口2001に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1104におけるYES)。第一始動口センサ3115による遊技球の検知がなければ、第一始動口2001に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
ステップS1104において第一始動口2001に遊技球が入賞したと判断したときには、第一特別図柄抽選単位データを取得し、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1105)。
ステップS1104において第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限の4未満であると判別すると(ステップS1105におけるYES)、主制御MPU4100aは、第一保留記憶処理を行い(ステップS1106)、第一・第二始動口入賞処理を終了する。第一保留記憶処理では、第一始動口2001に遊技球が入賞したことによって取得した第一特別図柄抽選単位データを第一特別図柄保留記憶手段4214に記憶する処理が主として行われる。なお、第二始動口2002に遊技球が入賞したことによって取得した第二特別図柄抽選単位データと同様に、第一始動口2001に遊技球が入賞したことによって取得した第一特別図柄抽選単位データは、第一特別図柄保留記憶手段4214に記憶される。
主制御MPU4100aが、ステップS1104において第一始動口2001に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1105におけるNO)は、いずれも第一・第二始動口入賞処理を終了する。
なお、ステップS1102において、第二始動口2002に遊技球が入賞したときに第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値であるとき、ステップS1101で取得した第二特別図柄抽選単位データを破棄する。同様に、ステップS1105において、第一始動口2001に遊技球が入賞したときに第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値であるとき、ステップS1104で取得した第一特別図柄抽選単位データを破棄する。
なお、第二始動口2002に遊技球が入賞したと判断したとき、第二特別図柄抽選単位データの取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で第二特別図柄抽選単位データを取得せずに、ステップS1102で第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値未満であることを判定した後に第二特別図柄抽選単位データを取得してもよいし、ステップS1103の第二保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第一始動口2001に遊技球が入賞したと判定したとき、第一特別図柄抽選単位データの取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で第一特別図柄抽選単位データを取得せずに、ステップS1102で第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値未満であることを判別した後に第一特別図柄抽選単位データを取得してもよいし、ステップS1106の第一保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、第二始動口2002への入賞処理(ステップS1101〜ステップS1103)を実行したのちに、第一始動口2001への入賞処理(ステップS1104〜1106)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口2001への入賞処理を実行したのちに、第二始動口2002への入賞処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態では、第一特別乱数に基づく抽選と第二特別乱数に基づく抽選のいずれが行われた場合であっても大当たりへの当選確率は同じである。これに限らず、例えば、第一特別乱数に基づく抽選の大当たり当選確率と、第一特別乱数に基づく抽選の大当たり当選確率と、が異なるようにしても良い。
本実施形態では、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合と、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合とで、各大当たり種別の選択率が異なっている。例えば、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合に、図柄乱数に基づいて抽選される各大当たり種別の選択率は、「大当たりA」が32%、「大当たりB」が32%、「大当たりC」が5%、「大当たりD」が30%、「大当たりE」が1%とされる。また、例えば、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合に、図柄乱数に基づいて抽選される各大当たり種別の選択率は、「大当たりA」が60%、「大当たりB」が32%、「大当たりC」が1%、「大当たりD」が4%、「大当たりE」が3%とされる。これに限らず、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合と、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合とで、各大当たり種別の選択率に差異を設けなくても良い。
[変動開始処理について]
次に、変動開始処理について図196に基づいて説明する。図196は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、主制御MPU4100aは、先ず、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。
第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、主制御MPU4100aは、処理対象の第二特別図柄抽選単位データを第二特別図柄保留記憶手段4224から取得する(ステップS1302)。上述したように第二特別図柄抽選単位データは、第二特別図柄保留記憶手段4224に4つまで記憶順序が特定できるように記憶されており、記憶された順序で処理対象とされる。
一方、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0である場合には(ステップS1301におけるYES)、主制御MPU4100aは、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0であるか否かを判断する(ステップS1303)。
第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0でなければ(ステップS1303におけるNO)、主制御MPU4100aは、処理対象の第一特別図柄抽選単位データを第一特別図柄保留記憶手段4214から取得する(ステップS1304)。上述したように第一特別図柄抽選単位データは、第一特別図柄保留記憶手段4214に4つまで記憶順序が特定できるように記憶されており、記憶された順序で処理対象とされる。
一方、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0である場合には(ステップS1301におけるYES)、主制御MPU4100aは、変動開始処理を終了する。
主制御MPU4100aは、第二特別図柄抽選単位データ、または、第一特別図柄抽選単位データを取得すると、確変機能が作動している遊技状態(外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態B)であるか否かを判断する(ステップS1305)。ここで、確変機能が作動している遊技状態であれば(ステップS1305におけるYES)、当たり判定テーブルのうち高確率時の当たり判定テーブルが選択される(ステップS1306)。
一方、ステップS1305において確変機能が未作動であれば(ステップS1305におけるNO)、当たり判定テーブルのうち通常時の当たり判定テーブルが選択される(ステップS1307)。
そして、ステップS1306またはステップS1307において選択された判定テーブルと、処理対象の特別図柄抽選単位データ(第一特別図柄抽選単位データまたは第二特別図柄抽選単位データ)に含まれる特別乱数(第一特別乱数または第二特別乱数)と、に基づいて、主制御MPU4100aは、大当たりか否かを判定する(ステップS1308)。
主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が大当たりであると判定すると(ステップS1308におけるYES)、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる図柄乱数に基づいて大当たりの種別を判定する(ステップS1309)。その後、大当たりの種別に応じたフラグをON状態にする(ステップS1310)。具体的には、主制御MPU4100aは、大当たりの種別が大当たりAであれば大当たりAフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりBであれば大当たりBフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりCであれば大当たりCフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりDであれば大当たりDフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりEであれば大当たりEフラグをON状態にする。その後、主制御MPU4100aは、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1313)、変動開始処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、ステップS1308における大当たり判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1308におけるNO)、表1に示す判定テーブルと、処理対象の特別図柄抽選単位データ(第一特別図柄抽選単位データまたは第二特別図柄抽選単位データ)に含まれる特別乱数(第一特別乱数または第二特別乱数)とに基づいて、小当たりか否かを判定する(ステップS1311)。主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が小当たりであると判定すると(ステップS1311におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1312)、ステップS1313に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。また、主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が小当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、ステップS1313に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。
[変動パターン設定処理について]
次に、変動パターン設定処理について図197に基づいて説明する。図197は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、特別図柄抽選結果(大当たり、小当たり、ハズレ)に応じて変動パターンを設定する処理である。この処理では、先ず、複数種類の大当たりのうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否か、または、小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1510)。ここで大当たりフラグまたは小当たりフラグがON状態であると(ステップS1510におけるYES)、当たり変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1520)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、当たり変動パターンテーブル設定処理にて設定されたテーブルに基づいて変動パターンが決定される。
ステップS1510において大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONでなければ(ステップS1510におけるNO)、大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出(例えば、リーチ演出)を行うべきか否かを判断する(ステップS1530)。ここで、大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきであると判断されると(ステップS1530におけるYES)、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1540)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理にて設定された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定される。
一方、ステップS1530において大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきでないと判断されると(ステップS1530におけるNO)、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1550)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、低期待外れ当たり変動パターンテーブル設定処理にて設定された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定されるとともに決定された変動パターンについて変動タイプが決定される。
なお、高期待演出を行うべきか否かの判断は、上述したリーチ判定用乱数が高期待演出抽選に当選していれば高期待演出を行うと判断され、高期待演出抽選に落選していれば高期待演出を行わないと判断される。高期待演出抽選は、特別抽選結果がハズレである場合に、図柄の変動が開始されるに際して、取得された処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれるリーチ判定用乱数を用いて行われる。ここで、高期待演出抽選に当選する確率は外部通常遊技状態であるか外部有利遊技状態であるか否かによって異なっていても良い。さらに、第一特別図柄保留数や第二特別図柄保留数によっても高期待演出抽選に当選する確率が異なっていても良い。例えば、外部通常遊技状態の場合であって且つ当該変動が第一特別図柄の変動であるとき、第一特別図柄保留数が0であれば10.5分の1、第一特別図柄保留数が1であれば12分の1、第一特別図柄保留数が2であれば13.5分の1、第一特別図柄保留数が3であれば15分の1としても良い。また、外部通常遊技状態の場合)であって且つ当該変動が第二特別図柄の変動であるとき、高期待演出抽選に当選する確率は、第二特別図柄保留数が0であれば10.5分の1、第二特別図柄保留数が1であれば12分の1、第二特別図柄保留数が2であれば13.5分の1、第二特別図柄保留数が3であれば15分の1としても良い。また、外部有利遊技状態の場合は、第一特別図柄保留数および第二特別図柄保留数に拘らず、高期待演出抽選に当選する確率は常に14分の1としても良い。
次いで、ステップS1560において変動パターンが決定されると、当該決定された変動パターンと変動タイプとの組合せを表す値を選択値としてセットし(ステップS1570)、当該変動パターンと変動タイプとの組合せに対応する変動時間値をタイマにセットする(ステップS1580)。例えば、変動時間値は、変動パターンと変動タイプとの組合せ毎に予め設定されている。その後、処理フラグを「2」に更新(ステップS1590)し、変動パターン設定処理を終了する。
なお、この変動パターン設定処理において設定された変動パターンに基づいて、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642において、複数のLEDが所定の点灯パターンで点灯される。
[当たり変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図198、図199に基づいて当たり変動パターンテーブル設定処理について説明する。図198は、当たり変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図199は、当たり変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図198の当たり変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15201)。遊技状態は、上述のとおり外部通常遊技状態Aと、外部通常遊技状態Bと、外部有利遊技状態Aと、外部有利遊技状態Bの4種類がある。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、当たり種別を認識する(ステップS15202)。当たり種別は、上述したように主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されている。例えば、主制御MPU4100aは、大当たりAフラグ、大当たりBフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグ、小当たりフラグのいずれのフラグがオン状態となっているかを認識することにより、大当たりA〜E、小当たりのいずれの当たりであるかを認識する。次いで、主制御MPU4100aは、遊技状態と、当たり種別と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて当たり変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15203)、当たり変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、当たり変動パターンテーブルには、図199に示されるように、A〜Mの13種類がある。遊技状態と、当たり種別と、第一変動パターン用乱数の組合せに、当たり変動パターンテーブルA〜Mのいずれかが対応付けられている。例えば、図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、126個の値が当たり変動パターンテーブルAに対応付けられており、75個の値が当たり変動パターンテーブルBに対応付けられており、40個の値が当たり変動パターンテーブルCに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、241分の126の確率で当たり変動パターンテーブルAが選択され、241分の75の確率で当たり変動パターンテーブルBが選択され、241分の40の確率で当たり変動パターンテーブルCが選択される。そして、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルA〜C以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、166個の値が当たり変動パターンテーブルAに対応付けられており、75個の値が当たり変動パターンテーブルBに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、241分の166の確率で当たり変動パターンテーブルAが選択され、241分の75の確率で当たり変動パターンテーブルBが選択される。そして、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルA、B以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルEに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルEが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルE以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルEに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルEが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりCである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルE以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルFに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルFが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルF以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルDに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルDが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルD以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルEに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルEが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルE以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルGに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルGが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルG以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルGに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルGが選択される。すなわち、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルG以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、87個の値が当たり変動パターンテーブルAに対応付けられ、25個の値が当たり変動パターンテーブルBに対応付けられ、17個の値が当たり変動パターンテーブルCに対応付けられ、112個の値が当たり変動パターンテーブルMに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、241分の87の確率で当たり変動パターンテーブルAが選択され、241分の25の確率で当たり変動パターンテーブルBが選択され、241分の17の確率で当たり変動パターンテーブルCが選択され、241分の112の確率で当たり変動パターンテーブルMが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Aで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルA〜C、M以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルAに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルAが選択される。そして、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルA以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、196個の値が当たり変動パターンテーブルHに対応付けられ、45個の値が当たり変動パターンテーブルIに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、241分の196の確率で当たり変動パターンテーブルHが選択され、241分の45の確率で当たり変動パターンテーブルIが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルH、I以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルIに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルIが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりBである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルI以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりCまたは大当たりDである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルJに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりCまたは大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルJが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりCまたは大当たりDである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルJ以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルLに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルLが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりEである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルL以外のテーブルが選択されることはない。
図199に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが当たり変動パターンテーブルKに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で当たり変動パターンテーブルKが選択される。そして、遊技状態が外部有利遊技状態Bで、かつ、当たり種別が小当たりである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルK以外のテーブルが選択されることはない。
[高期待外れ変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図200および図201に基づいて高期待外れ変動パターンテーブル設定処理について説明する。図200は、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図201は、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図200の高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15401)。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、遊技状態と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて高期待外れ変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15402)、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、高期待外れ変動パターンテーブルには、図201に示されるように、N〜Sの6種類がある。遊技状態と、第一変動パターン用乱数の組合せに、高期待外れ変動パターンテーブルN〜Sのいずれかが対応付けられている。例えば、図201に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、224個の値が高期待外れ変動パターンテーブルNに対応付けられており、13個の値が高期待外れ変動パターンテーブルOに対応付けられており、4個の値が高期待外れ変動パターンテーブルPに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、241分の224の確率で高期待外れ変動パターンテーブルNが選択され、241分の13の確率で高期待外れ変動パターンテーブルOが選択され、241分の4の確率で高期待外れ変動パターンテーブルPが選択される。そして、外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、高期待外れ変動パターンテーブルN〜P以外のテーブルが選択されることはない。
また、図201に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全ての値が高期待外れ変動パターンテーブルQに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部遊技遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で高期待外れ変動パターンテーブルQが選択され、高期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。また、図201に示されるように、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数のうち、233個の値が高期待外れ変動パターンテーブルRに対応付けられており、8個の値が高期待外れ変動パターンテーブルSに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、241分の233の確率で高期待外れ変動パターンテーブルRが選択され、241分の8の確率で高期待外れ変動パターンテーブルSが選択される。そして、外部有利遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、高期待外れ変動パターンテーブルR、S以外のテーブルが選択されることはない。
[低期待外れ変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図202および図203に基づいて低期待外れ変動パターンテーブル設定処理について説明する。図202は、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図203は、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図202の低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15501)。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データの属する特別図柄(第一特別図柄または第二特別図柄)において処理対象の特別図柄抽選単位データを除く未処理の特別図柄抽選単位データの数、すなわち、残りの保留数を認識する(ステップS15502)。例えば、処理対象の特別図柄抽選単位データを取得したときその特別図柄の保留数が4であれば、残りの保留数は3となる。また、処理対象の特別図柄抽選単位データを取得したときその特別図柄の保留数が3であれば、残りの保留数は2となる。主制御MPU4100aは、遊技状態と、処理対象の特別図柄抽選単位データの属する特別図柄の残りの保留数と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて低期待外れ変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15503)、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、低期待外れ変動パターンテーブルには、図203に示されるように、T〜Z、AA、BB、CCの10種類がある。処理対象の特別図柄の種別(第一特別図柄または第二特別図柄)と、遊技状態と、処理対象の特別図柄の残り保留数と、第一変動パターン用乱数の組合せに、低期待外れ変動パターンテーブルT〜Z、AA、BB、CCのいずれかが対応付けられている。例えば、図203に示されるように、処理対象の特別図柄が第一特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合、第一特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てがそれぞれ低期待外れ変動パターンテーブルT、U、V、Wに対応付けられている。したがって、処理対象の特別図柄が第一特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、第一特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルT、U、V、Wがそれぞれ選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
また、図203に示されるように、処理対象の特別図柄が第一特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部有利遊技状態Aまたは外部有利遊技状態Bである場合、第一特別図柄の残り保留数に関わらず、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが低期待外れ変動パターンテーブルZに対応付けられている。したがって、処理対象の特別図柄が第一特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルZが選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
図203に示されるように、処理対象の特別図柄が第二特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Bである場合、第二特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てがそれぞれ低期待外れ変動パターンテーブルX、Y、Y、Yに対応付けられている。したがって、処理対象の特別図柄が第二特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Bである場合には、第二特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルT、Yのいずれかが選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
また、図203に示されるように、処理対象の特別図柄が第二特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合、第一特別図柄の残り保留数に関わらず、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てが低期待外れ変動パターンテーブルZに対応付けられている。したがって、処理対象の特別図柄が第一特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルZが選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
図203に示されるように、処理対象の特別図柄が第二特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部有利遊技状態Aまたは外部有利遊技状態Bである場合、第二特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、総数241(0〜240)の第一変動パターン用乱数の全てがそれぞれ低期待外れ変動パターンテーブルAA、BB、CC、CCに対応付けられている。したがって、処理対象の特別図柄が第二特別図柄であり、かつ、遊技状態が外部有利遊技状態Aまたは外部有利遊技状態Bである場合には、第二特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルAA、BB、CCのいずれかが選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
なお、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、残りの保留数が多いときに選択される低期待外れ変動パターンテーブルには、全般的に残りの保留数が少ないときに選択される低期待外れ変動パターンテーブルテップと比較して、特別図からの変動時間の短い変動パターンが記述されており、保留の状態とされている抽選処理の処理数が少ないときよりも多いときのほうが短い時間にて特別図柄の変動表示が行われる。
次に、ステップS1560の変動パターン決定処理について説明する。この変動パターン設定処理では、ステップS1520の当たり変動パターンテーブル設定処理、ステップS1540の高期待外れ変動パターン設定処理またはステップS1550の低期待外れ変動パターン設定処理で設定された変動パターンテーブルに基づいて、変動パターンが決定される。以下、設定された変動パターンテーブル毎に、変動パターン決定処理について説明する。図204は、当たり変動パターンテーブル設定処理において選択され得る当たり変動パターンテーブルA〜Cに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図205は、当たり変動パターンテーブル設定処理において選択され得る当たり変動パターンテーブルD〜Mに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図206は、高期待外れ変動パターン設定処理において選択され得る高期待外れ変動パターンテーブルN〜Sに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図207は、低期待外れ変動パターン設定処理において選択され得る低期待外れ変動パターンテーブルT〜Z、AA、BB、CCに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図204〜図207には、各変動パターンテーブルに基づいて決定される変動パターンの振り分けが併せて示されている。
各変動パターンテーブルA〜Z、AA、BB、CCは、総数251(0〜255)の第二変動パターン用乱数と、各変動パターンとを対応付けている。そして、主制御MPU4100aは、設定された変動パターンテーブルにおいて、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第二変動パターン用乱数と対応付けられている変動パターンを、処理対象の特別図柄抽選単位データに対応する変動における変動パターンに決定する。また、主制御MPU4100aは、変動パターンが決定されると、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる変動タイプ乱数に基づいて、変動パターン毎に変動タイプを決定する。変動タイプは、後述するように、通常、2連、3連、4連の4種類があり、図204〜図207には、変動パターン毎の変動タイプの振り分けが併せて示されている。
例えば、設定された変動パターンテーブルがAの場合、図204に示すように、番号4、5、7、8、9、10、12、14、15、17、18、20、22、24、25、27、28、36、37のうちいずれかの変動パターンに、それぞれ、251分の3、251分の22、251分の4、251分の5、251分の7、251分の30、251分の34、251分の3、251分の17、251分の3、251分の20、251分の20、251分の33、251分の1、251分の13、251分の2、251分の17、251分の4、251分の13の確率で決定されることとなる。
また、例えば、図204に示すように、番号20の変動パターン(実写リーチA当たり)が選択された場合、変動タイプは、233分の78の確率で「通常」に、233分の40の確率で「2連」に、233分の110の確率で「3連」に、233分の5の確率で「4連」にそれぞれ決定される。
また、例えば、図207に示すように、設定された変動パターンテーブルがXの場合、番号125の変動パターン(通常変動(保留3))が100%の確率で選択される。なお、図207に示される変動パターンテーブルT〜Z、AA、BB、CCに基づいて決定される変動パターンの変動タイプは、100%の確率で「通常」に決定されるので、図207において変動タイプの振り分けは図示していない。
なお、こうして変動パターンおよび対応する変動タイプが決定されると、該決定された変動パターンおよび変動タイプに対応したコマンド(情報)が当該主制御基板4100から上記周辺基板4010に送信され、該周辺基板4010内の周辺制御MPU4140aによる演出抽選などの処理に供される。すなわち、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示や演出表示(連続演出や、リーチ演出など)は、実際には、この周辺基板4010内にて上記主制御基板4100から送信されるコマンドに応じて決定されるようになっている。この意味では、上記液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示や演出表示にかかる制御は、主制御基板4100と周辺基板4010とによって協働して行われている(表示制御手段)。
[変動中処理について]
次に、図208に基づいて、変動中処理について説明する。図208は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、第一特別図柄表示器641および第二特別図柄表示器642のいずれかが変動中であれば変動中であると判断される。特別図柄が変動中でなければ(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。具体的には、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。ここで、変動時間が経過していなければ、変動時間が経過するまで待機する(ステップS1802におけるNO)。変動時間が経過すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642のうち変動中の表示器において、第一特別抽選結果または第二特別抽選結果を導出表示する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、複数の大当たり種別のうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、いずれかの大当たり遊技を開始するか否を判断する。いずれかの大当たりフラグがON状態であると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。いずれの大当たりフラグもON状態でなければ(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、アタッカユニット作動処理を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがON状態であると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理について]
次に、図209に基づいて、大当たり遊技開始処理について説明する。図209は、大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この大当たり遊技開始処理では、主制御MPU4100aは、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。大当たり遊技が実行されているときは確変機能を作動させないため、主制御MPU4100aは、確変機能が作動している場合には、確変機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、ステップS2001において確変機能が作動していないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、主制御MPU4100aは、ステップS2002をスキップしてステップS2003に進む。
ステップS2003では、主制御MPU4100aは、開閉部材2006の可動片2005の動作態様が促進態様であるか否かを判断する。大当たり遊技が実行されているときは開閉部材2006の可動片2005の動作態様を平常態様とするため、主制御MPU4100aは、可動片2005の動作態様が促進態様である場合には、可動片2005の動作態様を平常態様に変更して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、ステップS2003において可動片2005の動作態様が平常態様である場合には(ステップS2003におけるNO)、主制御MPU4100aは、ステップS2004をスキップしてステップS2005に進む。
ステップS2005では、主制御MPU4100aは、大当たりフラグを参照して大当たり種別を認識し、大当たり種別に応じてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉パターンをセットする。例えば、大当たり種別が「大当たりA」「大当たりB」である場合、上述した長時間開閉パターンを実現するため、ラウンド回数(例えば15ラウンド)、1ラウンド当たりのアタッカユニット2000の開閉部材2006の最大開放時間(例えば、26秒〜33秒)および最大入賞数(例えば、10球)をセットする。また、そして、その後、ステップS2006に進んで処理フラグを「5」に更新し、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり成立時処理について]
次に、図210に基づいて、小当たり成立時処理について説明する。図210は、小当たり成立時処理の一例を示すフローチャートである。この小当たり成立時処理では、先ず、アタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉パターンを小当たり用の開閉パターン(本実施形態では、上述したように短時間開閉パターン)にセットする。具体的には、短時間開閉パターンを実現するため、ラウンド回数(例えば15ラウンド)、1回当たりのアタッカユニット2000の開閉部材2006の開放時間(例えば、0.05秒〜0.6秒の間)および最大入賞数(例えば、2球)をセットする(ステップS2201)。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり成立時処理を終了する(ステップS2202)。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図211に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理について説明する。図211は、特別電動役物大当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。特別電動役物大当たり制御処理においては、主制御MPU4100aは、先ず、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。アタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中であれば(ステップS2401におけるYES)、主制御MPU4100aは、予めセットされたアタッカユニット2000の開閉部材2006の最大開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、主制御MPU4100aは、ステップS2005においてセットされた最大開放時間が経過したか否かを判断する。アタッカユニット2000の開閉部材2006の最大開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、アタッカユニット2000の開閉部材2006を閉鎖して(ステップS2404)、ステップS2405に進む。
ステップS2402においてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開放時間が経過していなければ(ステップS2402におけるNO)、主制御MPU4100aは、予めセットされた最大入賞数の遊技球がアタッカユニット2000の大入賞口2003に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、主制御MPU4100aは、カウントセンサ2014によるカウント値が、ステップS2005においてセットされた最大入賞数に達したか否かを判断する。アタッカユニット2000の大入賞口2003に最大入賞数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、主制御MPU4100aは、ステップS2404に進み、アタッカユニット2000の開閉部材2006を閉鎖する。一方、アタッカユニット2000の大入賞口2003に最大入賞数の遊技球が受け入れられていなければ、ステップS2402に戻る。
次いで、主制御MPU4100aは、予めセットされたラウンド数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、主制御MPU4100aは、ステップS2005においてセットされたラウンド数に達したか否かを判断する。ここで、予めセットされたラウンド数に達していれば(ステップS2405におけるYES)、主制御MPU4100aは、ステップS2407に進み、大当たりフラグ(大当たりAフラグ、大当たりBフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグのうちON状態となっているフラグ)をOFFにする。一方、予めセットされたラウンド数に達していなければ(ステップS2405におけるNO)、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006の開放処理を行い(ステップS2406)、ステップS2402に戻る。
なお、ステップS2401において、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中でないと判断されると(ステップS2401におけるNO)、ステップS2405に進む。
ステップS2407において大当たりフラグをOFFにしたのち、確変機能を作動すべきか否かを判断し(ステップS2408)、確変機能を作動すべきであれば確変機能の作動処理を行う(ステップS2409)。具体的には、ステップS2407においてOFFにされた大当たりフラグが、大当たりAフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグのうちいずれかのフラグであれば、主制御MPU4100aは、確変機能を作動する。
主制御MPU4100aは、確変機能を作動させると、第二始動口2002を開閉する可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更するか否かを判断する(ステップS2410)。本実施形態では、具体的には、主制御MPU4100aは、大当たり遊技の発生の原因となった大当たりの種別が大当たりA、E、Cである場合には、当該大当たりに当選した際の遊技状態に拘わらず可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断する。大当たり遊技の発生の原因となった大当たりの種別が大当たりDである場合には、主制御MPU4100aは、当該大当たりに当選した際の遊技状態が外部通常遊技状態Aであれば、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更しないと判断し、外部通常遊技状態A以外の遊技状態であれば(外部通常遊技状態Aまたは外部有利遊技状態A、B)、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断する。すなわち、本実施形態の遊技機は、大当たり遊技後に確変機能が作動する大当たり(いわゆる確変大当たり)のうち、大当たりA、E、Cに当選した場合には、必ず大当たり遊技後に外部有利遊技状態Bに移行する。そして、本実施形態の遊技機は、いわゆる確変大当たりのうち、大当たりDに当選した場合には、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態Aである場合に限り大当たり遊技後に外部通常遊技状態Bに移行し、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態A以外である場合には外部有利遊技状態Bに移行する。
主制御MPU4100aは、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断すると、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更して(ステップS2411)、その後、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2414)、特別役物大当たり制御処理を終了する。一方、主制御MPU4100aは、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更しないと判断すると、ステップS2411をスキップして、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2414)、特別役物大当たり制御処理を終了する。
一方、この実施形態では、上記ステップS2408において、確変機能を作動すべきでない当たり(大当たりB)に当選している旨判断された場合は(ステップS2408におけるNO)、可動片2005の動作態様を平常態様から促進態様に変更する(ステップS2412)。その後、主制御MPU4100aは、促進態様での可動片2005の作動回数(例えば100回)を設定して(ステップS2413)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2414)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。すなわち、本実施形態の遊技機は、いわゆる通常大当たり(大当たりB)に当選した場合には、必ず外部有利遊技状態Aに移行する。
[アタッカユニット作動処理]
次に、図212に基づいて、アタッカユニット作動処理について説明する。図212は、アタッカユニット作動処理の一例を示すフローチャートである。アタッカユニット作動処理では、先ず、主制御MPU4100aは、ステップS2201においてセットされた最大入賞数の遊技球がアタッカユニット2000の大入賞口2003に入賞したか否かを判断する(ステップS2501)。最大入賞数の遊技球がアタッカユニット2000の大入賞口2003に入賞していれば(ステップS2501におけるYES)、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開閉中か否かを判断する(ステップS2502)。主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開閉中であれば(ステップS2502におけるYES)、アタッカユニット2000の開閉部材2006を閉鎖して(ステップS2503)、小当たりフラグをOFF状態にする(ステップS2509)。ステップS2502においてアタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中でなければ(即ち閉鎖していれば)、主制御MPU4100aは、ステップS2509に進み、小当たりフラグをOFF状態にする。そして、その後、主制御MPU4100aは、ステップS2510に進み、処理フラグを「0」に更新して、アタッカユニット作動処理を終了する。
ステップS2501において最大入賞数の遊技球がアタッカユニット2000の大入賞口2003に入賞していないと判断すると、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中であるか否かを判断する(ステップS2504)。ここで、アタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中であれば(ステップS2504におけるYES)、ステップS2201において予めセットされた開放時間が経過しているか否かを判断し(ステップS2505)、開放時間が経過していれば(ステップS2505におけるYES)、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006を閉鎖する(ステップS2506)。その後、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉回数が、ステップS2201において予めセットされた回数に達しているか否かを判断し(ステップS2507)、当該予めセットされた回数に達していれば(ステップS2507におけるYES)、小当たりフラグをOFFにした(ステップS2509)のち、処理フラグを「0」に更新する(ステップS2510)。ステップS2504においてアタッカユニット2000の開閉部材2006が開放中でないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、主制御MPU4100aは、ステップS2507に進む。
なお、ステップS2505においてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開放時間が予め定めた時間を経過していないと判断したとき(ステップS2505におけるNO)、主制御MPU4100aは、ステップS2501に戻る。また、ステップS2507においてアタッカユニット2000の開閉部材2006の開放回数が予め定めた回数に達していないと判断したとき(ステップS2507におけるNO)、主制御MPU4100aは、アタッカユニット2000の開閉部材2006を再び開放し(ステップS2508)、その後、ステップS2501)に戻る。
このように、予めセットされた遊技球がアタッカユニット2000の開閉部材2006に入賞したと判断すると(ステップS2501におけるYES)、主制御MPU4100aは、ステップS2201において予めセットされたアタッカユニット2000の開閉部材2006の開閉回数に達したか否かに拘らず、アタッカユニット作動処理を終了する。
[装飾図柄の変動表示および演出表示について]
次に、各遊技状態における装飾図柄の変動表示および演出表示について説明する。上述した主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる変動パターン設定処理(図197)において決定された変動パターンおよび変動タイプを表す情報を、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aが受信すると、周辺制御MPU4140aは、決定された変動パターンおよび変動タイプに基づく装飾図柄の変動表示および演出表示を液晶表示装置1400に表示する。変動パターンおよび変動タイプに基づく装飾図柄の変動表示および演出表示は、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642に表示される特別図柄の変動表示と同期して表示され、特別抽選結果は、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642に特別図柄の変動表示の後に表示されると共に、ほぼ同時に液晶表示装置1400において装飾図柄の変動表示後に停止表示される装飾図柄の組み合わせにより表示される。
本実施形態のパチンコ機1では、外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態Aおよび外部有利遊技状態Bのいずれかに設定されることは上述した通りである。本実施形態のパチンコ機1では、外部通常遊技状態Aおよび外部通常遊技状態Bのいずれかの状態にあるときは、液晶表示装置1400を見ただけでは遊技者が遊技状態を判別することが困難となるように、類似または同一の装飾図柄の変動表示および演出表示の表示がにおいて変動毎に液晶表示装置1400に表示される。
図213を参照して、液晶表示装置1400の表示内容の一例について説明する。図213は、液晶表示装置1400に装飾図柄の変動表示および演出表示が表示されている様子の一例を示す図である。図213(A)は、第1表示パネル1400aの表示内容を示す。また、図213(B)は、第2表示パネル1400bの表示内容を示す。図213(C)は、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとが図213(A)および(B)に示す表示状態の際に、液晶表示装置1400を遊技者から見た正面視認画面であり、言い換えれば、第1表示パネル1400aの表示内容と第2表示パネル1400bの表示内容とが重ね合わされて表現される画像に相当する。なお、液晶表示装置1400(第1表示パネル1400a)の表示面を、遊技者側であってパネル中心線上から見た状態を正面視認状態とも呼び、上記正面視認画面は、正面視認状態の時に視認される表示面である。また、液晶表示装置1400(第1表示パネル1400a)の表示面を、遊技者側であってパネル中心線から右側にずれた位置から見た状態をずれ正面視認状態とも呼び、ずれ正面視認状態の時に視認される表示面をずれ正面視認画面とも呼ぶ。
図213に示す例では、上述した変動パターン設定処理において図207の番号128の変動パターン(ノーマルリーチハズレ)が選択された場合において、リーチ成立前の演出として通常リーチ成立前演出が選択された場合に液晶表示装置1400に表示される演出内容(演出表示パターン)を示している。リーチ成立前の演出は、変動タイプに基づいて周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aがリーチ成立前演出選択テーブル(図示)に基づいて決定する。演出表示パターンの内容は、主制御基板4100において上述したステップS1560にて決定される変動パターンに基づいて定まるが、この例では、第1表示パネル1400aには、上側領域B1と下側領域B2とが分割表示される。第2表示パネル1400bには、第1表示パネル1400aの上側領域B1と遊技者から見てほぼ正確に重なり合う上側領域B3と、第1表示パネル1400aの下側領域B2と遊技者から見てほぼ正確に重なり合う下側領域B4とが存在するが、両方の領域が透明状態CLRに制御される。従って、説明の便宜上、図213(B)では、上側領域B3と下側領域B4とを分割する波線を示しているが、実際の第2表示パネル1400bには当該波線は表示されておらず、第2表示パネル1400bの全体が透明状態CLRに制御されている。
この例では、第1表示パネル1400aの上側領域B1には、図213(A)に示すように、演出画面が表示される。また、第1表示パネル1400aの下側領域B2は、後述する保留表示が行われる。なお、第1表示パネル1400aの所定領域が透明状態CLRに制御されると共に、第1表示パネル1400aの当該所定領域と重なり合う第2表示パネル1400bの領域が透明状態CLRに制御されると、遊技者から演出表示装置115を見ると、第1表示パネル1400aの所定領域は、白色(バックライトの色)に見える。また、第1表示パネル1400aの所定領域が透明状態CLRに制御されると共に、第1表示パネル1400aの当該所定領域と遊技者から見て重なり合う第2表示パネル1400bの領域に所定の画像が表示されると、遊技者から演出表示装置1400を見ると、第1表示パネル1400aの所定領域を介して、奥側の第2表示パネル1400bに表示された所定の画像が見える。逆に、第1表示パネル1400aの所定領域に所定の画像が表示され、第1表示パネル1400aの当該所定領域と重なり合う第2表示パネル1400bの領域が透明状態に制御されると、遊技者から演出表示装置1400を見ると、通常の一枚の液晶パネルに前記所定の画像が表示されているのと同様に第1表示パネル1400aの所定領域に表示された所定の画像が見える。さらには、第1表示パネル1400aの所定領域に第1の画像が表示され、第1表示パネル1400aの当該所定領域と重なり合う第2表示パネル1400bの領域に第2の画像が表示されると、遊技者から演出表示装置1400を見ると、当該所定の領域には、第1の画像と第2の画像とが重なりあった画像が見える。このとき、上述したように第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとの間には、間隔Laが設けられているので、第2の画像は、第1の画像より奥側にあることが遊技者に認識され、奥行き感の感じられる立体的な画像に見える。
第1表示パネル1400aの上側領域B1に表示される演出画面には、背景画像(図213の例では、車や建物の画像)を背景として、その中央領域に装飾図柄の図柄列群1153が表示される。図柄列群1153は三つの図柄列からなり、遊技者から見て左側に表示される左図柄列1153a、遊技者から見て真ん中に表示される中図柄列1153b、および、遊技者から見て右側に表示される右図柄列1153cの3列の図柄列で構成されている。本実施形態では、装飾図柄の各図柄列1153a〜1153cには、1〜8の複数の装飾図柄が順に配列されて表示される。
また、第1表示パネル1400aの下側領域B2に表示される保留表示は、第1の保留表示領域1151と第2の保留表示領域1152とを互いに隣接するような態様で有している。第1の保留表示領域1151は、左右方向に一列に配列された第1の保留記憶表示部1151a〜第4の保留記憶表示部1151dの4つの保留記憶表示部を有している。第2の保留表示領域1152は、左右方向に一列に配列された第5の保留記憶表示部1152a〜第8の保留記憶表示部1152dの4つの保留記憶表示部を有している。第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部の数(本実施例では、4)は、第一特別図柄保留数の上限値と等しい。また、第2の保留表示領域1152の保留記憶表示部の和の数(本実施例では、4)は、第二特別図柄保留数の上限値に等しい。本実施形態では、第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部の数および第2の保留表示領域1152の保留記憶表示部の数は、ともに保留消化前を基準として「4つ」(保留消化後を基準として「3つ」)である。
また、第1の保留表示領域1151には、第一特別図柄保留数が表示され、第2の保留表示領域1152には、第二特別図柄保留数が表示される。図213の例では、第1の保留表示領域1151に第一特別図柄保留数が「3」であることが表示されており、第2の保留表示領域1152には、第二特別図柄保留数が「1」であることが表示されている。
また、1400aの下側領域B2には、保留表示に加えて、本装飾図柄1157が表示されている(図213(A))。本装飾図柄1157は、図213に表示されている上側領域B1に表示されている装飾図柄とは異なる図柄であり、遊技機の規則上、液晶表示装置1400に常に表示されていなければならない図柄である。本装飾図柄1157は、第一特別図柄表示器641および第二特別図柄表示器642に表示される特別図柄に対応して変動および停止表示される。本実施形態では、本装飾図柄1157は、図213(A)に示すように、8つの小さな矩形画像が横方向に並んだ構成とされており、左側の4つの矩形画像が第一特別図柄表示器641の表示に対応しており、右側の4つの矩形画像が第二特別図柄表示器642の表示に対応している。本装飾図柄1157は、遊技機において遊技が行われている最中は、常に第1表示パネル1400aの同じ位置に表示されているが、本明細書では、図の煩雑を避けるため、以降の図面では、その図示を省略する。
ここで、上記表示態様に代えて、第1表示パネル1400aの下側領域B2に表示された内容(本実施形態では保留表示と本装飾図柄1157の表示)を第2表示パネル1400bの下側領域B4に表示しても良い。この場合、第1表示パネル1400aの下側領域B2は、透明状態CLRに制御されることが好ましい。
ノーマルリーチハズレの変動パターンが選択され、リーチ成立前演出が通常リーチ成立演出と決定された場合に液晶表示装置1400に表示される演出表示パターンは、全て第1表示パネル1400aのみを用いて行われる。先ず、第1表示パネル1400aにおいて、変動開始と同時に、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cにおいて装飾図柄が変動する。その後、所定時間の経過後に、左図柄列1153aの所定停止位置(表示パネル1400a、1400bの上下方向の中央)に、一の装飾図柄(例えば、7図柄)が停止し、さらに、所定時間の経過後に、右図柄列1153cの所定の停止位置に左図柄列1153に停止した装飾図柄と同一の装飾図柄が停止してリーチが成立する。リーチの成立後、中図柄列1153bの所定停止位置に、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cにそれぞれ停止している装飾図柄(リーチ図柄)とは異なる装飾図柄(例えば、8図柄)が停止して変動が終了する。
外部通常遊技状態において、第一特別抽選結果または第二抽選結果が大当たりA、Bに当選すると、装飾図柄1153の各図柄列1153a〜1153cが縦方向にスクロール変動し、その後、図204に示されている変動パターン(多くの場合は、いわゆるスーパーリーチの演出を含む変動パターン)に対応する演出表示を挟んで、ゾロ目(三つの図柄列1153a〜1153cが同じ図柄となること)で停止表示される。このゾロ目が、本実施形態における遊技者に大当たりを通知する装飾図柄の所定の組合せ(以下、大当たり図柄組合せとも呼ぶ。)である。大当たり図柄組合せは、ゾロ目に限らず、異なる種類の装飾図柄の特定の組合せであっても良い。例えば、ある種別の大当たり(例えば、大当たりA、B)を通知する大当たり図柄組合せをゾロ目とし、他の種別の大当たり(例えば、大当たりC、D、E)を通知する大当たり図柄組合せを異なる種類の装飾図柄の特定の組合せとしても良い。なお、大当たりを通知する装飾図柄の所定の組合せ以外の装飾図柄の組合せは、基本的には、外れを通知する装飾図柄の組合せ(以下、外れ図柄組合せ)となる。また、外れを通知する装飾図柄の組合せ以外にも、例えば、その装飾図柄の組合せが停止表示された場合には、さらに、当該変動が継続することを通知する組合せ(例えば、チャンス目などと呼ばれる。)を用意しても良い。スーパーリーチ演出の具体的内容については後述する。
[リーチ成立前の演出について]
[連続演出について]
また、図199、図204に示す振り分けから解るように、第一特別抽選結果または第二抽選結果が大当たりA、Bに当選した場合に選択される変動パターンでは、変動タイプが2連、3連、4連と選択される場合が比較的多い。変動タイプが「2連」である場合には、2回連続演出と変動パターンに対応する演出(リーチ演出)とが組み合わされた演出表示内容が変動中に液晶表示装置1400に表示される。同様に、変動タイプが「3連」である場合には、3回連続演出と変動パターンに対応する演出(リーチ演出)とが組み合わされた演出表示内容が変動中に液晶表示装置1400に表示される。変動タイプが「4連」である場合には、4回連続演出と変動パターンに対応する演出(リーチ演出)とが組み合わされた演出表示内容が変動中に液晶表示装置1400に表示される。
ここで、n回連続演出とは、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642において特別図柄が一度変動表示されてから停止表示されるまでの間に、液晶表示装置1400において、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cの変動表示と停止表示がn回(nは2以上の自然数:本実施形態ではn=2〜3:2連ならば2回、3連ならば3回、4連ならば4回)にわたって行われる演出のことである。以下では、リーチ演出を伴う変動パターン(例えば、図204の番号15の変動パターン)が選択され、対応する変動タイプとして3連が選択された場合に、液晶表示装置1400に表示される表示内容を具体例として連続演出についてさらに説明する。
図214〜図237は、3回連続演出として液晶表示装置に表示される動画像を構成するフレーム画像を示す図である。図214〜図227は、図番が大きくなるに連れて時間的に後のフレーム画像を図示しており、図214〜図227を図番に従って見ていくことで、特殊演出としての動画像の内容を把握できる。3回連続演出は、上述した第1表示パネル1400aの上側領域B1を用いて行われるので、図214〜図227は、第1表示パネル1400aの上側領域B1の表示内容のみを図示している。第1表示パネル1400aの上側領域B1と重なり合う第2表示パネル1400bの上側領域B3は、本実施形態では透明状態CLRに制御されている。これに代えて、第2表示パネル1400bの上側領域B3に背景などの演出表示を表示しても良い。また、図214〜図227では、第1表示パネル1400aの上側領域B1の表示内容のうち、背景画像(例えば、図213における建物など)は図の煩雑を避けるため省略している。なお、3回連続演出は、上部中可動装飾体3501(図161、図176、図189等参照)を作動させて、第1表示パネル1400aの表示と協働して行われるので、図214〜図227では、適宜、上部中可動装飾体3501を図示している。第1表示パネル1400aへの表示は、上述したように、周辺制御MPU4140aが、VDP4150cを制御して実行する。上部中可動装飾体3501の作動は、周辺制御MPU4140aがランプ駆動基板3120を介して上部中回動駆動モータ3504等を駆動することによって行われる。
まず、周辺制御MPU4140aは、選択された変動パターンを表す情報と、当該変動パターンの変動タイプとして3回連続演出が選択された旨を表す情報とを、コマンドとして、主制御基板4100の主制御MPU4100aから受信すると、3回連続演出を含む図柄の変動表示および演出表示を開始する。
3回連続演出を含む図柄の変動表示および演出表示が開始されると、まず、第1表示パネル1400aには、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cのそれぞれにおいて、8種類の装飾図柄(1図柄〜8図柄)が所定の順序で高速変動表示される(図示省略)。高速変動表示は、遊技者が変動している装飾図柄の種類を判別困難な程度の高速で装飾図柄が変動表示される態様である。図214〜図237では、装飾図柄の高速変動表示は、縦の3本線で表現している(例えば、図214の中図柄列1153bおよび右図柄列1153c)。この時点で、上部中可動装飾体3501は、第1表示パネル1400aと重ならない上述した退避位置に位置している。
続いて、図214に示すように、左図柄列1153aにおける装飾図柄の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に移行される。低速変動表示は、遊技者が変動している装飾図柄の種類を判別可能な程度の低速で装飾図柄が変動表示される態様である。図214では、左図柄列1153aにおける低速変動図柄表示において、装飾図柄のうちの1図柄の画像(1図柄画像:番号「1」が付された図柄の画像)S1が左図柄列1153aの図柄停止位置を通過して、2図柄の画像(2図柄画像:番号「2」が付された図柄の画像)S2が図柄停止位置に到達しようとしている場面を示している。なお、この時点では、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。また、この時点で、退避位置に位置していた上部中可動装飾体3501が回動して第1表示パネル1400aと重なるように遊技者に視認可能な位置に移動される。このような上部中可動装飾体3501の動きがあると、遊技者に「この変動はなにか面白い演出が表示されるかもしれない」「大当たり期待度の高い演出が表示されるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。
なお、上部中可動装飾体3501は、上述のように、円筒形状を有し、大型機関銃(ガトリング砲)と呼ばれる武器を模した装飾が施されている。上部中可動装飾体3501の回動軸と反対側の端部のガトリング砲の発射口に対応する位置には、上述したように発光する突起3501aが配置されている。そして、上部中可動装飾体3501は、上述したように上部中伸縮駆動ソレノイド3514によって、円筒形状の軸方向に伸縮動作可能に構成されている。上部中可動装飾体3501は、軸方向の伸縮動作と、上部中可動装飾体3501の発光動作とを同時に行うことによって、ガトリング砲が連射されている様を表現するように構成されている。ガトリング砲が連射されている様を表現する動作を、上部中可動装飾体3501の発射動作と呼ぶ。
図215は、図214に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図215に示すように、図214に示す状態に続いて、左図柄列1153aの図柄停止位置に、所定の装飾図柄(図215に示す例では、2図柄画像S2)が停止表示される。この時点で、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。
図216は、図215に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図216に示すように、図215に示す状態に続いて、リーチが成立することが遊技者にとって不利なことであることを示すメッセージMAが表示される。図216に示す例では、「DANGER!!」という比較的間接的な表現を用いたメッセージが表示されているが、これに代えて「リーチの成立を阻止せよ!!」「リーチを成立させるな!!」などの比較的直接的な表現を用いたメッセージを表示しても良い。このメッセージMAの表示とほぼ同じくして、ガトリング砲を模した上部中可動装飾体3501は、図216に矢印で示すように、右図柄列1153cの停止位置にガトリング砲の発射口を向けるように回動動作する。表示されたメッセージMAを見た遊技者は、「ここでリーチが成立しない方が大当たりになる可能性が高いのだ」と認識することができ、「ここでリーチは成立するな」と願いながら、演出の成り行きを見ることになる。
図217は、図216に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図216に示す状態の後、右図柄列1153cは、装飾図柄が高速変動表示されている状態から低速変動表示されている状態に移行する。図217に示されている時点では、1図柄画像S1が右図柄列1153cの図柄停止位置を通過して2図柄画像S2が右図柄列1153cの図柄停止位置に到達しようとしている。すなわち、左図柄列1153aの図柄停止位置に停止表示されている2図柄画像S2と同一種類の図柄が右図柄列1153cの図柄停止位置に到達・停止して、今にもリーチ状態が成立しようとしている状態である。この時点で、上部中ガトリング砲を模した可動装飾体3501は、その発射口を右図柄列1153cの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄画像S2に向けた位置に回動している。なお、図217に示す状態で、中図柄列1153bでは、装飾図柄の高速変動表示が行われている。
図218は、図217に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図217に示す状態の後、右図柄列1153cの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄画像S2に対して、ガトリング砲が砲撃を浴びせて当該2図柄画像S2を破壊しようとする様が表現される。具体的には、上部中可動装飾体3501が筒形状の軸方向に細かく伸縮動作(振動動作)すると共に、上部中可動装飾体3501の発射口を模した突起3501aを点滅させて、ガトリング砲が当該2図柄画像S2に砲撃する発射動作が表現される。同時に、第1表示パネル1400aにおいて、当該2図柄画像S2が細かく振動して表示されると共に、当該2図柄画像S2上に小爆発を表す画像が多数個表示され、当該2図柄画像S2がガトリング砲の攻撃を受けている様が表現される。同時にスピーカ121からは、ガトリング砲の砲撃音が効果音として出力される。図218に示すガトリング砲が砲撃を浴びせて当該2図柄画像S2を破壊しようとする様の表示が、特許請求の範囲におけるリーチ阻止演出表示に相当する。
図219は、図218に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図218に示す右図柄列1153cの2図柄を砲撃して破壊しようとする様を表現した演出がしばらく表示された後、3回連続演出では図219に示すように2図柄画像の破壊に成功して2図柄が大爆発を起こす様が表示される。具体的には、2図柄が大爆発する爆炎が表示されると共に、2図柄が粉々に砕け散る様が第1表示パネル1400aに表示される。同時にスピーカ121からは、爆発音が効果音として出力される。図219に示す2図柄の破壊に成功して2図柄が大爆発を起こす様の表示が、特許請求の範囲におけるリーチ阻止成功演出表示に相当する。リーチ阻止成功演出表示の直後、上部中可動装飾体3501は退避位置に戻り、遊技者から視認できなくなる。
図220は、図219に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図219において2図柄の破壊が表現された後、中図柄列1153bの図柄停止位置と、右図柄列1153cの図柄停止位置には、左図柄列1153aに停止表示された装飾図柄(図220の例では2図柄画像S2)とは、大当たり図柄組合せを構成しない装飾図柄(図220に示す例では4図柄S4)が表示される。この装飾図柄は、本実施形態では、中図柄列1153bの図柄停止位置と右図柄列1153cの図柄停止位置において、後方(画面の奥側)から前方(遊技者側)に迫ってくるように、徐々に拡大表示される。ここで、当該装飾図柄は、中図柄列1153bの図柄停止位置と右図柄列1153cの図柄停止位置に、第1表示パネル1400aの上方から落ちてくるように表示されても良いし、第1表示パネル1400aの下方から上昇してくるように表示されても良い。
図221は、図220に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図220に示す状態の後、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cに、4図柄S4が左図柄列1153aに停止表示している2図柄画像S2と同じ大きさまで拡大表示されて、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cの各図柄停止位置に完全にそれぞれ装飾図柄が停止表示された状態となる(図221)。このとき、例えば、停止表示された装飾図柄の外縁部分を点滅させる、所定の色(金色)とするなど、通常の変動の終了時に外れ図柄組合せを表示する場合とは異なる態様で装飾図柄を停止表示しても良い。こうすることで、遊技者に「リーチ成立が阻止できたから、まだまだこの変動は続くはずだ」という思いを維持させることができる。
図221の後、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cのそれぞれが再び高速変動表示された状態となる(2回目変動開始:図示省略)。続いて、図222に示すように、右図柄列1153cにおける装飾図柄の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に移行される。図222では、右図柄列1153cにおける低速変動図柄表示において、装飾図柄のうちの1図柄画像S1が右図柄列1153cの図柄停止位置を通過して、2図柄画像S2が図柄停止位置に到達しようとしている場面を示している。なお、この時点では、中図柄列1153bおよび左図柄列1153aのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。また、この時点で、退避位置に位置していた上部中可動装飾体3501が再び回動して第1表示パネル1400aと重なるように遊技者に視認可能な位置に移動される。このような上部中可動装飾体3501の動きがあると、遊技者に「この変動はまだまだ面白い演出が続くかもしれない」「大当たり期待度がさらに高い演出が表示されるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。
図223は、図222に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図223に示すように、図222に示す状態に続いて、右図柄列1153cの図柄停止位置に、所定の装飾図柄(図222に示す例では、2図柄画像S2)が停止表示される。この時点で、中図柄列1153bおよび左図柄列1153aのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。
図224は、図223に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図216に示すように、図215に示す状態に続いて、リーチが成立することが遊技者にとって不利なことであることを示すメッセージMAが表示される。図224に示す例では、図216と同様に、「DANGER!!」というメッセージが表示されているが、図216とは異なるメッセージが表示されても良い。このメッセージMAの表示とほぼ同じくして、ガトリング砲を模した上部中可動装飾体3501は、図224に矢印で示すように、左図柄列1153aの停止位置にガトリング砲の発射口を向けるように回動動作する。表示されたメッセージMAを見た遊技者は、「ここでリーチが成立しないともっと大当たりになる可能性が高くなるのだ」と認識することができ、「ここでもリーチは成立するな」と願いながら、演出の成り行きを見ることになる。
図225は、図224に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図224に示す状態の後、左図柄列1153aは、装飾図柄が高速変動表示されている状態から低速変動表示されている状態に移行する。図224に示されている時点では、1図柄画像S1が左図柄列1153aの図柄停止位置を通過して2図柄画像S2が左図柄列1153aの図柄停止位置に到達しようとしている。すなわち、右図柄列1153cの図柄停止位置に停止表示されている2図柄画像S2と同一種類の図柄が左図柄列1153aの図柄停止位置に到達・停止して、今にもリーチ状態が成立しようとしている状態である。この時点で、上部中ガトリング砲を模した可動装飾体3501は、その発射口を左図柄列1153aの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄画像S2に向けた位置に回動している。なお、図225に示す状態で、中図柄列1153bでは、装飾図柄の高速変動表示が継続して行われている。
図226は、図225に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図225に示す状態の後、左図柄列1153aの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄に対して、ガトリング砲が砲撃を浴びせて当該2図柄を破壊しようとする様が表現される(リーチ阻止演出表示)。
図227は、図226に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図226に示す左図柄列1153aの2図柄を砲撃して破壊しようとする様を表現した演出がしばらく表示された後、3回連続演出では図227に示すように2図柄の破壊に成功して2図柄が大爆発を起こす様が表示される(リーチ阻止成功演出表示)。リーチ阻止成功演出表示の直後、上部中可動装飾体3501は退避位置に戻り、遊技者から視認できなくなる。
図228は、図227に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図227において2図柄の破壊が表現された後、中図柄列1153bの図柄停止位置と、左図柄列1153aの図柄停止位置には、右図柄列1153cに停止表示された装飾図柄(図228の例では2図柄画像S2)とは、大当たり図柄組合せを構成しない装飾図柄(図228に示す例では4図柄S4)が表示される。この装飾図柄は、本実施形態では、中図柄列1153bの図柄停止位置と左図柄列1153aの図柄停止位置において、後方(画面の奥側)から前方(遊技者側)に迫ってくるように、徐々に拡大表示される。ここで、当該装飾図柄は、中図柄列1153bの図柄停止位置と左図柄列1153aの図柄停止位置に、第1表示パネル1400aの上方から落ちてくるように表示されても良いし、第1表示パネル1400aの下方から上昇してくるように表示されても良い。
図229は、図228に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図228に示す状態の後、左図柄列1153aおよび中図柄列1153bに、4図柄S4が右図柄列1153cに停止表示している2図柄画像S2と同じ大きさまで拡大表示されて、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cの各図柄停止位置に完全にそれぞれ装飾図柄が停止表示された状態となる(図229)。このとき、図221で示した画像と同様に、例えば、停止表示された装飾図柄の外縁部分を点滅させる、所定の色(金色)とするなど、通常の変動の終了時に外れ図柄組合せを表示する場合とは異なる態様で装飾図柄を停止表示しても良い。こうすることで、遊技者に「リーチ成立が阻止できたから、まだまだこの変動は続くはずだ」という思いを維持させることができる。
図229の後、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cのそれぞれが再び高速変動表示された状態となる(3回目変動の開始:図示省略)。続いて、図230に示すように、左図柄列1153aにおける装飾図柄の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に移行される。図230では、左図柄列1153aにおける低速変動図柄表示において、装飾図柄のうちの1図柄画像S1が左図柄列1153aの図柄停止位置を通過して、2図柄画像S2が図柄停止位置に到達しようとしている場面を示している。なお、この時点では、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。また、この時点で、退避位置に位置していた上部中可動装飾体3501が再び回動して第1表示パネル1400aと重なるように遊技者に視認可能な位置に移動される。このような上部中可動装飾体3501の動きがあると、遊技者に「この変動はまだまだ面白い演出が続くかもしれない」「大当たり期待度がさらに高い演出が表示されるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。
図231は、図230に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図231に示すように、図230に示す状態に続いて、右図柄列1153cの図柄停止位置に、所定の装飾図柄(図231に示す例では、2図柄画像S2)が停止表示される。この時点で、中図柄列1153bおよび左図柄列1153aのそれぞれでは、装飾図柄の高速変動表示が継続されている。
図232は、図231に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図232に示すように、図231に示す状態に続いて、リーチが成立することが遊技者にとって不利なことであることを示すメッセージMAが表示される。図232に示す例では、図216、図224と同様に、「DANGER!!」というメッセージが表示されているが、図216、図224とは異なるメッセージが表示されても良い。このメッセージMAの表示とほぼ同じくして、ガトリング砲を模した上部中可動装飾体3501は、図224に矢印で示すように、左図柄列1153aの停止位置にガトリング砲の発射口を向けるように回動動作する。表示されたメッセージMAを見た遊技者は、「ここでリーチが成立しないともっと大当たりになる可能性が高くなるのだ」と認識することができ、「ここでもリーチは成立するな」と願いながら、演出の成り行きを見ることになる。
図233は、図232に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図232に示す状態の後、右図柄列1153cは、装飾図柄が高速変動表示されている状態から低速変動表示されている状態に移行する。図232に示されている時点では、1図柄画像S1が左図柄列1153aの図柄停止位置を通過して2図柄画像S2が左図柄列1153aの図柄停止位置に到達しようとしている。すなわち、左図柄列1153aの図柄停止位置に停止表示されている2図柄画像S2と同一種類の図柄が右図柄列1153cの図柄停止位置に到達・停止して、今にもリーチ状態が成立しようとしている状態である。この時点で、上部中ガトリング砲を模した可動装飾体3501は、その発射口を右図柄列1153cの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄画像S2に向けた位置に回動している。なお、図233に示す状態で、中図柄列1153bでは、装飾図柄の高速変動表示が継続して行われている。
図234は、図233に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図233に示す状態の後、右図柄列1153cの図柄停止位置に到達しようとしている2図柄に対して、ガトリング砲が砲撃を浴びせて当該2図柄を破壊しようとする様が表現される(リーチ阻止演出表示)。
図235は、図234に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図234に示す右図柄列1153cの2図柄を砲撃して破壊しようとする様を表現した演出がしばらく表示された後、3回連続演出では図235に示すように2図柄の破壊に失敗して2図柄が爆発しないで、右図柄列1153cの図柄停止位置に停止する様が表示される。図235に示す2図柄が爆発しないで、右図柄列1153cの図柄停止位置に停止する様の表示が、特許請求の範囲におけるリーチ阻止失敗演出表示に相当する。リーチ阻止失敗演出表示の直後、上部中可動装飾体3501は退避位置に戻り、遊技者から視認できなくなる。リーチ阻止失敗演出表示と同時にリーチが成立することになる。
図236は、図235に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図235でリーチ阻止失敗演出表示とともにリーチが成立すると、図236のように、リーチの成立を示すメッセージMA2が表示される。本実施形態では、メッセージMA2は、「REACH」の文字である。これに代えて、他の種類の文字、記号、図形が表示されても良い。また、メッセージMA2と共に、または、メッセージMA2に代えて、リーチの成立を通知する音声、効果音をスピーカ121から出力しても良い。本実施形態では、メッセージMA2が表示されて、その後、メッセージMA2の表示が消去されて、図237に示すように中図柄列1153bにおいて装飾図柄の高速変動表示が低速変動表示に移行する。
図237に示された状態の後、変動パターンに対応するリーチ演出が表示される。リーチ演出については後述するが、リーチ演出の後、最終的に左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cに、大当たり図柄組合せまたは外れ図柄組合せが停止表示され、当該変動の特別抽選結果が遊技者に通知される。以上では、3回連続演出について説明したが、この連続演出には、本実施形態では、連続せず(1回)、2回連続、4回連続が存在する。連続せずの場合は、1回目のリーチ阻止演出表示(図218)の後、図235に示すリーチ阻止失敗演出表示がなされて図236〜図237のようにリーチ状態が成立する。2回連続の場合は、1回目のリーチ阻止演出表示(図226)の後、図235に示すリーチ阻止失敗演出表示がなされて図236〜図237のようにリーチ状態が成立する。4回連続の場合は、3回目のリーチ阻止演出表示(図234)の後、もう一度、図219に示すリーチ阻止成功演出表示の後、図220〜図226に示すような態様で、大当たり図柄組合せとは異なる装飾図柄の停止、4回目の変動開始、4回目のリーチ阻止演出表示、リーチ阻止失敗演出表示が表示された後に、図236〜図237に示すようにリーチの成立が表示される。
ここで、図204および図206の一覧表から解るように、特別図柄抽選結果が大当たりである場合であっても、外れである場合であっても、当該抽選に対応する変動において、連続演出が変動タイプとして選択される可能性がある。ここで、n回連続演出を伴う演出表示内容(演出表示パターン)が表示された変動に対応する特別図柄抽選結果が大当たりである確率、言い換えれば、n回連続演出を伴う演出表示内容(演出表示パターン)が表示された変動で最終的な停止図柄として大当たり図柄組合せが表示される確率をXとする。また、n回連続演出を伴う演出表示内容(演出表示パターン)が表示された変動に対応する特別図柄抽選結果が外れである確率、言い換えれば、n回連続演出を伴う演出表示内容(演出表示パターン)が表示された変動で最終的な停止図柄として外れ図柄組合せが表示される確率をYとする。このとき、XとYの比率によってn回連続演出が表示された場合の大当たり期待度(大当たり確率)を表すことができる。例えば、Xが1/500であり、Yが1/500であれば、大当たり期待度=X/(X+Y)=0.5、すなわち、50%であると言える。本実施形態では、n回連続演出の連続回数が大きいほど(nの値が大きいほど)、当該連続演出が表示された場合の大当たり期待度が大きくなるように、変動タイプおよび変動パターンが振り分けられている(図199、図201、図203〜図207)。
具体的には、番号15の変動パターンが3回連続演出と共に行われる確率は、当たり変動パターンテーブルAが選択される確率×当たり変動パターンテーブルAにおいて番号15の変動パターンが選択される確率×番号15の変動パターンにおいて3回連続演出が選択される確率で表される。例えば、外部通常状態における入賞は全て第一始動口2001への入賞であると仮定して計算すると、
当たり変動パターンテーブルAが選択される確率=大当たりAの当選確率×大当たりA当選時に当たり変動パターンテーブルAが選択される確率+大当たりBの当選確率×大当たりB当選時に当たり変動パターンテーブルAが選択される確率=1/350×0.32×126/241+1/350×0.32×166/241=1.108×10−3
当たり変動パターンテーブルAにおいて番号15の変動パターンが選択される確率=17/251
番号15の変動パターンにおいて3回連続演出が選択される確率=130/233であるから、外部通常状態において番号15の変動パターンが3回連続演出と共に行われる確率=1.108×10−3×17/251×130/233=4.186×10−5となる。
このように計算される大当たりの変動パターンにおいて3回連続演出が選択される確率を全ての大当たりの変動パターンについて和を取ると、3回連続演出が表示された後大当たりとなる演出表示パターンが表示される確率が計算できる。
また、外れの変動パターンにおいて3回連続演出が選択される確率を全ての外れの変動パターンについて和を取ると、3回連続演出が表示された後外れとなる演出表示パターンが表示される確率が計算できる。
例えば、上述した図199、201、203〜206に示した振り分け例では、外部通常遊技状態において、2回連続演出が表示された場合に大当たりとなる大当たり確率は約7.5%、3回連続演出が表示された場合に大当たりとなる大当たり確率は約12%、4回連続演出が表示された場合に大当たりとなる大当たり確率は約45%に設定されている。また、外部有利遊技状体においてもn回連続演出の連続回数が大きいほど(nの値が大きいほど)、当該連続演出が表示された場合の大当たり期待度が大きくなるように、変動タイプおよび変動パターンが振り分けられている。
[スベリ演出について]
主制御基板4100において決定された変動パターンが所定のリーチ演出を含む場合であって、変動タイプが「通常」である場合には、上述した通常リーチ成立前演出の他に周辺制御MPU4140aは、リーチ成立前演出としてスベリ演出を選択する場合がある。本実施形態では、複数種類のスベリ演出が用意されているが、そのうちの一つである切り抜きスベリ演出について、図238〜図253を参照して説明する。
図238〜図253において、(A)は第1表示パネル1400aの表示内容を示し、(B)は第2表示パネル1400bの表示内容を示し、(C)は第1表示パネル1400aの表示内容と第2表示パネル1400bの表示内容とが重ね合わされて表現される内容(正面視認画像)の図を示す。
図238〜図253は、本実施形態における切り抜きスベリ演出として演出表示装置1400に表示される動画像を構成するフレーム画像を示す図である。図238〜図253は、図番が大きくなるに連れて時間的に後のフレーム画像を図示しており、図238〜図253を図番に従って見ていくことで、切り抜きスベリ演出としての動画像の内容を把握できる。
切り抜きスベリ演出では、まず、通常リーチ成立前演出と同様のスクロール変動を経て、第1表示パネル1400aにおいて、左図柄列1153aと右図柄列1153cとにそれぞれ異なる装飾図柄が停止表示される。図238に示す例では、左図柄列1153aにおいて7図柄の画像(7図柄画像)S7が停止表示され、右図柄列1153cにおいて6図柄の画像(6図柄画像)S6が停止表示されている(図238(A))。このとき中図柄列1153bは、装飾図柄が高速変動表示されている状態である。
この時点で、第2表示パネル1400bには、タコに似たキャラクタの画像TK(以下、タコキャラクタ画像TKと呼ぶ)が表示される。タコキャラクタ画像TKは、第1表示パネル1400aにおいて右図柄列1153cに停止表示された6図柄画像S6と右側の端部が重なり合う位置に表示される(図238(B))。タコキャラクタ画像TKは、第1表示パネル1400aにおいて図238(A)に示される状態に至る前、すなわち、第1表示パネル1400aにおいて、左図柄列1153aと右図柄列1153cで装飾図柄が変動表示されている段階から第2表示パネル1400bに表示されても良い。例えば、タコキャラクタ画像TKが第2表示パネル1400bの端部から第2表示パネル1400b上に現れ、タコキャラクタ画像TKが第2表示パネル1400b上を動き回る様子が表示された後に、図238(B)に示す位置に停止表示されても良い。これに代えて、タコキャラクタ画像TKは、突然、図238(B)に示す位置に現れたように表示されても良い。また、第2表示パネル1400bのタコキャラクタ画像TKを除く部分は、透明状態CLRに制御される。
図238のフレーム画像の正面視認画像は、第1表示パネル1400aに表示された演出画像と、第2表示パネル1400bに表示されたタコキャラクタ画像TKとが組み合わされた内容となる(図238(C))。タコキャラクタ画像TKは、前方にある6図柄画像S6をのぞき込んでいるように表示される。遊技者には、タコキャラクタが前方の6図柄画像S6をのぞき込んでいる様が立体的に感じられる。ここで、タコキャラクタ画像TKは、全体的に第1表示パネル1400aに表示されている画像より相対的に濃い色(本実施形態では、黒と濃い灰色を主体とした色)で表示されている。濃い色とは、明度の低い色であり、濃い色で表示された画像とは、例えば、画像を構成する各画素の明度の平均値が低いことを言う。例えば、明度を0〜255の256階調で表し、0が最も明度の低い黒色を表し、255が最も明度の高い白色を表す場合、画像を構成する各画素の明度の平均値が、100以下である場合である。これにより、タコキャラクタ画像TKは、第1表示パネル1400aの奥側の第2表示パネル1400bに表示され、視認者からは第1表示パネル1400aの表示画像と重なり合って認識されるにも拘わらず、比較的はっきりと視認者にその存在が認識される。
図239は、図238のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図239のフレーム画像では、第2表示パネル1400bに表示されたタコキャラクタ画像TKが、第1表示パネル1400aに表示された演出画像に対してレーザー光線を発射する様子が表示される。具体的には、第2表示パネル1400bにおいて、タコキャラクタ画像TKから発射されたレーザー光線の発射源側の画像(発射源側レーザー画像)LZ1が表示される(図239(B))。また、第1表示パネル1400aにおいて、レーザー光線の先端側の画像(先端側レーザー画像)LZ2が表示される(図239(A))。発射源側レーザー画像LZ1は、一方の端部がタコキャラクタ画像TKと重なる位置にあり、当該端部から第1表示パネル1400aに停止表示されている6図柄画像S6の左上の位置に他の端部が位置するように延びた帯状の画像である。先端側レーザー画像LZ2は、第2表示パネル1400bに表示された発射源側レーザー画像LZ1の他の端部と重なり合う位置に一方の端部が位置し、当該端部から発射源側レーザー画像LZ1の帯状形状の延長線上に延びた帯状の画像である。先端側レーザー画像LZ2の一方の端部には、図239(B)において黒丸で示すように、レーザー光線が第1表示パネル1400aに奥側から照射され、第1表示パネル1400aを突き抜けているように見せる貫通部画像LZPが表示される。図239のフレーム画像の第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bの表示内容は、発射源側レーザー画像LZ1および先端側レーザー画像LZ2が追加表示されている点を除いて、図238のフレーム画像の表示内容と同一である。
図239のフレーム画像の正面視認画像では、図238のフレーム画像の正面視認画像に発射源側レーザー画像LZ1および先端側レーザー画像LZ2が追加表示された画像となる(図239(C))。遊技者には、発射源側レーザー画像LZ1と先端側レーザー画像LZ2とが組み合わされて、一本のレーザー光線の画像として認識される。このとき、発射源側レーザー画像LZ1は、遊技者から見て奥側に位置する第2表示パネル1400bに表示され、先端側レーザー画像LZ2は、遊技者から見て手前側に位置する第1表示パネル1400aに表示されるので、遊技者にレーザー光線が奥側から手前側へ発射される様が立体的に感じさせることができる。また、第2表示パネル1400bに表示された発射源側レーザー画像LZ1と第1表示パネル1400aに表示された先端側レーザー画像LZ2との繋ぎ目の部分に上述した貫通部画像LZP(図239(C)における黒丸部分)が表示されるので、遊技者に、第1表示パネル1400aの表示画像の奥側に位置するタコキャラクタ画像TKから第1表示パネル1400aの表示画像に向かって発射されたレーザー光線が第1表示パネル1400aの表示画像を貫いている様子を立体的に感じさせることができる。
図240は、図239のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図240のフレーム画像では、タコキャラクタ画像TKから発射されたレーザー光線の画像が、貫通部画像LZPを画面右方向に移動させるように移動表示される。すなわち、第2表示パネル1400bに表示された発射源側レーザー画像LZ1と第1表示パネル1400aに表示された先端側レーザー画像LZ2とが連動して移動表示される。第1表示パネル1400aにおいて、貫通部画像LZPが通った跡には、切り抜き線の画像(切り抜き線画像)CLNが表示される。図240のフレーム画像の第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bの表示内容は、発射源側レーザー画像LZ1および先端側レーザー画像LZ2が移動表示されている点と切り抜き線画像CLNが追加表示されている点を除いて、図238のフレーム画像の表示内容と同一である。
図240のフレーム画像の正面視認画像では、図239のフレーム画像で表示されたレーザー光線が移動して、第1表示パネル1400aに表示された6図柄画像S6の上部を切っていく様が表示されることになる。遊技者には、第1表示パネル1400aの表示画像の奥側に位置するタコキャラクタ画像TKが第1表示パネル1400aの表示画像に向かって発射されたレーザー光線を操って第1表示パネル1400aの表示画像を切っていく様子が立体的に認識される。
図241は、図240のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図242は、図241のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図241および図242に示すように、タコキャラクタ画像TKから発射されたレーザー光線の画像が、貫通部画像LZPを6図柄画像S6の外側部分を一周させるように移動表示される。すなわち、第2表示パネル1400bに表示された発射源側レーザー画像LZ1と第1表示パネル1400aに表示された先端側レーザー画像LZ2とが連動して移動表示される。そして、レーザー光線の画像の移動に伴って、第1表示パネル1400aにおいて、貫通部画像LZPが通った跡に表示される切り抜き線画像CLNは、第1表示パネル1400aに表示された6図柄画像S6の画像を切り抜くように表示される(図241、図242)。図241、図242のフレーム画像の第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bの表示内容は、発射源側レーザー画像LZ1および先端側レーザー画像LZ2が移動表示されている点と切り抜き線画像CLNが延長表示されている点を除いて、図240のフレーム画像の表示内容と同一である。
図240〜図242までのフレーム画像の正面視認画像では、図239のフレーム画像で表示されたレーザー光線が移動して、第1表示パネル1400aに表示された6図柄画像S6の全周を切り抜いていく様が表示されることになる。遊技者には、第1表示パネル1400aの表示画像の奥側に位置するタコキャラクタ画像TKが第1表示パネル1400aの表示画像に向かって発射されたレーザー光線を操って第1表示パネル1400aの6図柄画像S6を切り抜く様子が立体的に認識される。
図243は、図242のフレーム画像の直後のフレーム画像が示されている。図243に示すフレーム画像では、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aに表示された6図柄画像S6の略中央部と遊技者から見て重なり合う領域に7図柄画像S7Bが表示される(図243(B))。第2表示パネル1400bに表示される7図柄画像S7Bは、第1表示パネル1400aに表示される6図柄画像S6より小さい画像であり、遊技者から見て、画像全体が6図柄画像S6の背後に位置するように表示される。さらに、この時点で、レーザー光線による6図柄画像S6の全周の切り抜きが終了した様が表示されており、第2表示パネル1400bの発射源側レーザー画像LZ1、および、第1表示パネル1400aの先端側レーザー画像LZ2は消去されている。図243のフレーム画像の第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bの表示内容は、第2表示パネル1400bに7図柄画像S7Bが追加表示される点、レーザー光線の画像が消去されている点を除いて、図242のフレーム画像の表示内容と同一である。
図243のフレーム画像の正面視認画像では、第1表示パネル1400aにおいて右図柄列1153cに停止表示された6図柄画像S6の背後に7図柄画像S7Bが現れた画像となる(図243(C))。本実施形態では、6図柄画像S6と7図柄画像S7Bは、同程度の濃さ(画像を構成する各画素の明度の平均値が同程度)で描画されている。また、7図柄画像S7Bは、6図柄画像S6と比較して小さい。このため、本実施形態では、正面視認画像では、7図柄画像S7Bは、遊技者から見てはっきりとそれが7図柄画像S7Bであることが認識できず、一般的な遊技者には、6図柄画像S6の背後に何らかの装飾図柄の画像が現れたことが認識できる程度である。
図244は、図243のフレーム画像の直後のフレーム画像が示されている。図244のフレーム画像では、第1表示パネル1400aにおいて、切り抜き画像TR1が自然落下する程度の速度で下方に落下する様子が表示される。切り抜き画像TR1は、図243において切り抜き線画像CLNの内側領域に表示されている画像のことを言う。切り抜き画像TR1は、図244に示すように、装飾図柄の一つである6図柄画像S6と、6図柄画像S6の周囲で、かつ、切り抜き線画像CLNの内側に位置していた背景画像BGEとを含む。切り抜き画像TR1が切り抜き線画像CLNの内側の位置から下方に移動した際、移動する前に切り抜き画像TR1が表示されていた領域(すなわち、切り抜き線画像CLNの内側領域)のうち、既に切り抜き画像TR1が表示されていない領域は、透明状態CLRに制御される(図244(A))。図244に示す例では、切り抜き画像TR1は、少し時計回りに回転しながら下方に移動(落下)している。このために、図244に示す状態では、切り抜き線画像CLNの内側領域のうち、移動(落下)し始めた切り抜き画像TR1の上側部分と、右下部分とが透明状態CLRに制御されている。ここで、第1表示パネル1400aにおいて、移動する前に切り抜き画像TR1が表示されていた領域のうち、既に切り抜き画像TR1が表示されていない領域を、切り抜き部透明領域と呼ぶ。
図244のフレーム画像では、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と重なり合う領域には、別世界背景BGAが表示される。別世界背景BGAは、第1表示パネル1400aに表示されている背景画像とは異なる世界観で描かれた背景である。例えば、本実施形態では、第1表示パネル1400aに表示される背景画像は、現実の世界を表す画像であるのに対して、第2表示パネル1400bに表示される別世界背景BGAは、コンピュータにより作成された仮想的な世界を表す画像となっている。
図244のフレーム画像の正面視認画像は、第1表示パネル1400aに表示された演出画像と、第2表示パネル1400bに表示された別世界背景BGAの画像とタコキャラクタ画像TKと組み合わされた内容となる(図244(C))。遊技者には、第1表示パネル1400aに表示された画像が表す世界の一部(切り抜き画像TR1が移動(落下)前に表示されていた領域)が切り抜かれて落下し始め、切り抜かれた部分が空洞となり、当該空洞から奥に隠されていた別の世界が見えているように感じさせることができる。
図245は、図244のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図246は、図245のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図245および図246に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、切り抜き画像TR1は、図244に示す状態より、さらに、移動(落下)していく様子が表示され、切り抜かれた切り抜き画像TR1が自然落下する様が表現される(図245(A)、図246(A))。上述したように移動する前に切り抜き画像TR1が表示されていた領域(すなわち、切り抜き線画像CLNの内側領域)のうち、既に切り抜き画像TR1が表示されていない領域は、透明状態CLRに制御されるので、切り抜き画像TR1の移動表示に連動して、切り抜き部透明領域は、順次に拡大されていく。そして、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と重なり合う部分には、別世界背景BGAが表示される(図245(B)、図246(B))。すなわち、第1表示パネル1400aにおける切り抜き部透明領域の拡大と連動して、第2表示パネル1400bにおいて別世界背景BGAが表示される領域も順次に拡大されていく。
図245、246のフレーム画像の正面視認画像は、第1表示パネル1400aに表示された演出画像と、第2表示パネル1400bに表示された別世界背景BGAの画像とタコキャラクタ画像TKとが組み合わされた内容となる(図245(C)、図246(C))。遊技者には、第1表示パネル1400aに表示された画像が表す世界の一部(切り抜き画像TR1が移動(落下)前に表示されていた領域)が切り抜かれて落下していき、その結果として切り抜かれた部分が空洞となり、当該空洞から奥に隠されていた別の世界がより良く見えるようになったと感じさせることができる。そして、図245(C)に示す時点では、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域が、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bの上部と重なる位置まで拡大しているので、遊技者は、7図柄画像S7Bの上部を、切り抜き部透明領域を介してはっきりと視認できるようになる。さらに、図246(C)に示す時点では、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域が、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bの全体と重なる位置まで拡大しているので、遊技者は、7図柄画像S7B全体を、切り抜き部透明領域を介してはっきりと視認できるようになる。すなわち、図244のフレーム画像から図246のフレーム画像に至る動画像では、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域が順次に拡大されていき、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と第2表示パネル1400bの7図柄画像S7Bとが重なり合う部分が順次に拡大されていく。その結果、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bのうち、遊技者が切り抜き部透明領域を介して視認可能な部分が拡大していく。そして、最終的には、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と、第2表示パネル1400bの7図柄画像S7Bの全体が重なり合う状態となる。この状態では、遊技者は、切り抜き部透明領域を介して7図柄画像S7B全体をはっきりと視認できるようになる。図244のフレーム画像から図246のフレーム画像に至る動画像を見た遊技者に、6図柄画像S6の裏側に隠れてはっきりとは視認できなかった7図柄画像S7Bの画像が、6図柄画像S6を含む切り抜き画像TR1の落下によって出来た空洞から順次にはっきりと視認できるようになったと感じさせることができる。
図247は、図246のフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像が示されている。図247のフレーム画像では、第1表示パネル1400aにおいて、切り抜き画像TR1は、第1表示パネル1400aから消えている(図247(A))。遊技者には、切り抜き画像TR1が自然落下して第1表示パネル1400aの下方の外側に消え去ったように感じられる。移動(落下)の開始前に切り抜き画像TR1が表示されていた領域(すなわち、切り抜き線画像CLNの内側領域)は、全体が透明状態CLRに制御された状態になる。そして、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域、すなわち、この時点では切り抜き線画像CLNの内側領域全体と重なり合う部分には、別世界背景BGAが表示される(図247(B))。そして、図238〜図247において、第1表示パネル1400aの右図柄列1153cに停止表示されていた6図柄画像S6の停止位置と遊技者から見て重なり合う第2表示パネル1400b上の位置に7図柄画像S7Bが表示されている。その結果、図238から図247に至る一連の動画像を見た遊技者は、右図柄列1153cに停止された装飾図柄が6図柄画像S6から7図柄画像S7Bに入れ替わったと認識する。
ここで、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bを、後述する第1表示パネル1400aに表示された7図柄画像S7Aと区別するため奥側7図柄画像S7Bとも呼ぶ。図247の第2表示パネル1400bに表示された奥側7図柄画像S7Bは、第1表示パネル1400aの左図柄列1153aの中央位置に停止している7図柄画像S7と相似形である。一方、図247の第2表示パネル1400bに表示された奥側7図柄画像S7Bの大きさは、第1表示パネル1400aの左図柄列1153aの中央位置に停止している7図柄と比較して一辺の長さ比で半分以下、面積比で1/4以下と小さい。
図248〜図250には、図247のフレーム画像に続く動画像を構成するフレーム画像の一部が時系列順に示されている。図248〜図250のフレーム画像の第2表示パネル1400bには、別世界背景BGAの画像が表示されると共に、上述した奥側7図柄画像S7Bが表示される(図248(A)〜図250(A))一方、図248〜図250のフレーム画像の第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域には、第2表示パネル1400bに表示された奥側7図柄画像S7Bと同じ位置に同じ形状の7画像の図柄S7Aが表示される。ここで、第1表示パネル1400aに表示された当該7図柄画像S7Aを、手前側7図柄画像S7Aとも呼ぶ。また、第1表示パネル1400aの切り抜き領域の手前側7図柄画像S7Aが表示されている領域以外の部分は、透明状態CLRに制御されている。図248〜図250までの一連のフレーム画像を含む動画像では、第2表示パネル1400bの奥側7図柄画像S7Bと、第1表示パネル1400aの手前側7図柄画像S7Aが時間の経過と共に拡大しながら表示される。一つのフレーム画像において、第2表示パネル1400bの奥側7図柄画像S7Bと、第1表示パネル1400aの手前側7図柄画像S7Aは、遊技者から見て同じ位置、および、大きさに表示される。そして、図248〜図250までの一連のフレーム画像を含む動画像では、第2表示パネル1400bの奥側7図柄画像S7Bは、時間の経過と共に徐々に構成画素の透明度、すなわち、構成画素の光の透過率が大きくなってゆく。透明度が大きくなると、遊技者から見て奥側に配置された白色のバックライトが奥側7図柄画像S7Bの表示領域を透過する割合が増加していくため、奥側7図柄画像S7B全体が白味および輝度を増し、奥側7図柄画像S7Bのコントラストが低下して、白色画像に近づいていく。ちなみに、完全な白色画像は、透明状態CLRに制御された状態と同義である。反対に、図248〜図250までの一連のフレーム画像を含む動画像では、第1表示パネル1400aの手前側7図柄画像S7Aは、時間の経過と共に徐々に構成画素の透明度、すなわち、構成画素の光の透過率が小さくなってゆく。すなわち、手前側7図柄画像S7Aは、表示され始めにおいては、図248(A)に示すように透明度が高く、コントラストが低い画像であるが、時間の経過と共に、図249(A)および図250(A)に示すように透明度が低下し、コントラストの高い画像に変化していく。
このように、遊技者から見て手前側の第1表示パネル1400aと遊技者から見て奥側の第2表示パネル1400bとの両方に、遊技者から見て互いにぴったりと重なり合う画像(手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7B)をそれぞれ表示し、第2表示パネル1400bには始めは透明度を低く当該画像を表示し、第1表示パネル1400aには始めは透明度の高い当該画像を表示する。そして、上述したように、時間の経過と共に、第2表示パネル1400bの当該画像の構成画素の透明度(輝度)を連続的に大きくさせ、第1表示パネル1400aの当該画像の構成画素の透明度を連続的に小さくさせていく。そうすると、遊技者から見た正面視認画像において、3次元的に7図柄が第2表示パネル1400b側から第1表示パネル1400a側に徐々に浮かび上がってくるように見える。さらに、図248〜図250までの一連のフレーム画像を含む動画像では、当該画像を時間の経過と共に拡大表示しているので、透明度の連続的変化による効果と相まって、より一層、当該画像が、3次元的に第2表示パネル1400b側から第1表示パネル1400a側に徐々に浮かび上がってくるように見える。なお、同一のフレーム画像において、手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7Bとを重ね合わせた画像、すなわち、手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7Bの正面視認画像は、左図柄列1153aに停止している7図柄の画像と同程度の濃度およびコントラストに見えるように、手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7Bの各透明度は調整されている。また、図248〜図250までの一連のフレーム画像を含む動画像において、手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7Bの正面視認画像の濃度およびコントラストは、ほぼ変化がないように見えるように、各フレーム画像における手前側7図柄画像S7Aと奥側7図柄画像S7Bの各透明度は調整されている。
図251は、図250のフレーム画像の直後のフレーム画像を示している。図251のフレーム画像の第1表示パネル1400aでは、透明度が左図柄列1153aの7図柄画像S7と同一にまで下がり、コントラストが左図柄列1153aの7図柄画像S7と同一にまで高まった手前側7図柄画像S7Aが、切り抜き領域に表示される(図251(A))。この時点で、手前側7図柄画像S7Aは、左図柄列1153aの7図柄画像S7と同一の大きさにまで拡大されている。この結果、手前側7図柄画像S7Aと、左図柄列1153aの7図柄画像S7とは、完全に同一になっている。一方で、図251のフレーム画像の第2表示パネル1400bでは、透明度が高く、コントラストが低くなった結果、奥側7図柄画像S7Bは、完全に透明状態CLRに制御された領域となっている。すなわち、この時点で、第2表示パネル1400bでは、別世界背景BGAが表示されると共に、別世界背景BGAの内側において、第1表示パネル1400aに表示された手前側7図柄画像S7Aと遊技者から見て重なる領域は、透明状態CLRに制御される。図251の視認画像は、第1表示パネル1400aに表示された演出画像と、手前側7図柄画像S7Aと、第2表示パネル1400bに表示された別世界背景BGAの画像と組み合わされた内容となる(図251(C))。
図252は、図251のフレーム画像の直後のフレーム画像を示している。図252のフレーム画像の第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域、すなわち、切り抜き線画像CLNの内側であって手前側7図柄画像S7Aの外側である周囲領域に、現実世界の背景画像BGBが表示される(図252(A))。この背景画像BGBは、第1表示パネル1400aに当初から表示されていた演出画像の背景と違和感がなく一つの背景と認識できる画像である。一方、図252のフレーム画像の第2表示パネル1400bでは、別世界背景BGAの表示が消去され、全体が透明状態CLRに制御される(図252(B))。図252の視認画像は、第1表示パネル1400aに表示された演出画像そのものの内容となる(図252(C))。図238のフレーム画像から図252のフレーム画像に至る動画によって、右図柄列1153cの中央位置に停止している装飾図柄1153は、6図柄から7図柄に変動することになる。
図253は、図252のフレーム画像の直後のフレーム画像を示している。図253のフレーム画像の第1表示パネル1400aでは、切り抜き線CLNの画像が消去される。そして、第1表示パネル1400aに表示された演出画像において、左図柄列1153aに停止した装飾図柄と、右図柄列1153cに停止した装飾図柄とが同じ7図柄となった状態(いわゆるリーチ状態)が表示され、当該リーチ状態となったことを示す文字(REACH)が表示される(図253(A))。図253のフレーム画像の視認画像は、第1表示パネル115aに表示された演出画像がそのまま表示された内容となる(図253(C))。この後、詳細については後述するが、様々なリーチ演出の画像が続いて行われる。
以上説明した切り抜きスベリ演出によれば、第1表示パネル1400aにおいて6図柄画像S6を停止した後、当該6図柄画像S6を含む領域である切り抜き画像TR1が切り抜き画像TR1を除く領域である周囲の演出画像と分離して落下する様が移動表示される。同時に、第1表示パネル1400aにおいて当該切り抜き画像TR1の移動表示前に切り抜き画像TR1が表示されていた領域であって現在は切り抜き画像TR1が表示されていない領域を透明状態に制御していく(図244〜図247)。これにより、切り抜き画像TR1の移動表示に伴って透明状態に制御される切り抜き部透明領域が順次に拡大されていく。そして、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と遊技者から見て重なり合う重畳領域に6図柄画像S6とは異なる7図柄画像S7を表示している(図244)。ここで、第2表示パネル1400bにおける7図柄画像S7は、第1表示パネル1400aにおける切り抜き部透明領域の拡大に伴って、7図柄画像S7のうち、遊技者が切り抜き部透明領域を介して視認可能な部分が7図柄画像S7の上部から拡大する位置に表示され(図245、図246)、最終的に遊技者に切り抜き部透明領域を介して7図柄画像S7の全体を視認させている(図247)。これにより、遊技者から見て右図柄列1153cの図柄停止位置に視認される図柄画像を6図柄画像S6から7図柄画像S7に入れ替えている。この結果、2重に配置された2枚の表示パネルを生かして、立体感に富み、遊技者の興味を惹き付ける新たな図柄の変動表示演出を実現することができる。具体的には、遊技者には、第1表示パネル1400aに表示された画像が表す世界の一部(6図柄画像S6を含む部分)が移動して、移動した部分が空洞となり、当該空洞から奥に隠されていた別の世界に存在する7図柄画像S7が見えるように感じさせることができる。そして、別の世界に存在する7図柄画像S7が、それまで表示されていた6図柄画像S6と入れ替わることにより、装飾図柄の変動表示を行うので、今までにない新鮮味に溢れた図柄の変動態様を実現することができる。
さらに、6図柄画像S6を第1表示パネル1400aにした後、第2表示パネル1400bにタコキャラクタ画像TKを表示して、タコキャラクタ画像TKが発射するレーザーによって、第1表示パネル1400aに表示された世界を切り抜く様を表示している。このように、第1表示パネル1400aに図柄を表示しつつ、その図柄の背後にキャラクタを表示した時点で、液晶表示装置1400の表示内容が立体的に感じられるようになり、遊技者に続く展開への期待感を抱かせることができる。さらに、奥側の第2表示パネル1400bに表示されたキャラクタが第1表示パネル1400aに表示された世界を切り抜く様を表示するという、2枚の表示パネルならではの独特の演出を表示するので、遊技者に続く展開へのさらなる期待感を抱かせることができる。このような効果をより発揮するようにするため、例えば、ノーマルリーチなどの比較的、大当たり期待度の低い変動パターンに対応する演出表示では、当該切り抜きスベリ演出の表示はしない、または、表示確率を低く抑制することが好ましく、後述する両面リーチ演出などの比較的、大当たり期待度の高い変動パターンに対応する演出表示では、当該切り抜きスベリ演出の表示がなされる確率を高くすることが好ましい。また、このような効果をより発揮するようにするため、例えば、ノーマルリーチなどの比較的、大当たり期待度の低い変動パターンに対応する演出表示では、第1表示パネル1400aのみを用いた装飾図柄の変動表示(上述した通常リーチ成立前演出など)を主として行うことが好ましい。すなわち、上述した切り抜きスベリ演出は、大当たりに対応する変動処理で実行される頻度の大当たりではない抽選結果(ハズレ)に対応する変動処理で実行される頻度の比率(いわゆる当該演出の大当たり期待度)が、通常変動表示演出より大きく設定されることが好ましい。そうすれば、切り抜きスベリ演出により遊技者の注意力を喚起した後、大当たりが発生する割合を高めることになり、遊技機の興趣を向上することができる。
さらに、上記特殊変動表示演出によれば、第1表示パネル1400aにおいて7図柄を、第2表示パネル1400bにおいて第1表示パネル1400aの7図柄と遊技者から見て重なり合う領域に7図柄を、それぞれ同様に拡大させながら表示し、7図柄の画像の拡大に連動して、第1表示パネル1400aの7図柄の画像を構成する画素の光の透過率を小さくするとともに、第2表示パネル1400bの7図柄の画像を構成する画素の光の透過率を大きくしている(図248〜図250)。これにより、7図柄が遊技者から見て奥側から手前側へ近づく様を、7図柄が浮き上がってくるように3次元的に表現することができる。
さらに、6図柄を周囲の画像と共に切り抜かれて自然落下する様を表示することにより6図柄の表示を消去した後、奥から現れた図柄が浮き上がってくるように立体的に表現することにより、右図柄列1153cにおける装飾図柄の変動(6図柄から7図柄への変動)を表示している。この結果、二枚の表示パネル(第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400b)とを利用した目新しく、立体的で、興趣に富んだ態様の装飾図柄の変動演出を提供できる。
[リーチ成立後の演出(リーチ演出)について]
[両面リーチ演出の一例]
リーチが成立した後(例えば、図237に示すように連続演出を経てリーチが成立した後)に行われるリーチ演出の一例として、両面リーチ演出について、図254〜261を参照して説明する。一例として、変動15の変動パターン(3Dリーチ→両面リーチ後面)が選択されている場合に、連続演出の後、7図柄のリーチが成立した後に演出表示される両面リーチ演出について説明する。この変動パターンでは、3Dリーチ演出が表示された後、発展して両面リーチ演出が表示される。3Dリーチ演出は、3Dグラフィックを用いた画像を主として用いた演出である。図254〜図261では、本リーチ演出として液晶表示装置1400に表示される動画像を構成するフレーム画像および遊技者から見た視認画面を示す図である。図254〜図261は、図番が大きくなるに連れて時間的に後のフレーム画像を図示しており、図254〜図261を図番に従って見ていくことで、本リーチ演出としての動画像の内容を把握することができる。言い換えれば、図254〜図261には、一つ前の図番に示すフレーム画像の数フレーム後のフレーム画像および遊技者から見た視認画面(正面視認画面)が示されている。両面リーチ演出は、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bの両方を駆使して行われるので、図254〜図261では、(A)に第1表示パネル1400aの表示内容を示し、(B)に第2表示パネル1400bの表示内容を示し、(C)に第1表示パネル1400aの表示内容と第2表示パネル1400bの表示内容とが重ね合わされて表現される内容の図(正面視認画面)を示す。
周辺制御MPU4140aは、連続演出の後にリーチが成立して(図237)、しばらく期間をおいて、液晶表示装置1400の表示内容をホワイトアウトまたはブラックアウトした後に、3Dリーチ演出を開始する。図254は、リーチ演出の開始直後のフレーム画像を示している。3Dリーチ演出が開始されると、周辺制御MPU4140aは、まず、第1表示パネル1400aにおいて、図254(A)に示すように、数字の「7」を表す図柄Y1、Y2を、それぞれサイドに表示させる。この場合、周辺制御MPU4140aは、図柄Y1および図柄Y2の表示部分以外の領域に、キャラクタ画像CR1と背景画像HK1を表示しており、詳しくは、3Dグラフィックで描かれた女性を示すキャラクタ画像CR1が背景画像HK1の壁に沿って走ってくる様子を示している。また、周辺制御MPU4140aは、図254(B)に示すように、第2表示パネル1400bを、全領域が透明状態CLR(非表示領域)となるように制御する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図254(C)に示すように、図柄Y1およ図Y2が停止表示されてリーチ状態を形成した様子を示すことができる。このように、図柄Y1および図柄Y2とで、リーチ状態を示す表示態様を、第1リーチ表示態様とも呼ぶ。なお、上記第1リーチ表示態様は、2つの図柄のみで形成されているが、「第1リーチ表示態様」は、図柄Y1と図柄Y2との間に、変動表示中の図柄が表示されるような表示態様も含む。
次に、3Dリーチ演出が両面リーチ演出に発展していく。周辺制御MPU4140aは、図255(A)に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、左半分の台形状領域(以下では、左側領域とも呼ぶ)を透明状態CLRに制御し、残り右半分の台形状領域(以下では、右側領域とも呼ぶ)に、図柄Y1と図柄Y2との間に、変動中の図柄であって数字を表す図柄Y3が表示された第1リーチ表示態様RC1を表示させると共に、背景画像HK2と車を示すキャラクタ画像CR2を表示させる。以下では、表示パネルにおいて、透明状態CLRの領域と、画像(キャラクタ画像CR、背景画像HK、図柄画像など)が表示される領域との境界の線をエッジ線EDで示す。また、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aの中央付近であって、左側領域と、右側領域とに跨る領域に、タイトルTLを表示させる。このタイトルTLは、「DUAL CHANCE」と表示され、これから、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bを駆使したダブルリーチ演出である両面リーチ演出を行うことを示唆している。
また、周辺制御MPU4140aは、図255(B)に示すように、第2表示パネル1400bにおいて、左側領域に、タコ状生物を示すキャラクタ画像CR3を表示させ、右側領域を、透明状態CLRに制御する。周辺制御MPU4140aは、左側領域において、タイトルTL部分に対応する部分が、透明状態CLRとなるように制御する。なお、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを重ね合わせた場合おいて、それぞれの右側領域および左側領域は一致する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図255(C)に示すように、中央付近に、「DUAL CHANCE」を示し、右側領域に、第1リーチ態様と共にキャラクタ画像CR2および背景画像HK2を示し、さらに、左側領域に、キャラクタ画像CR3を示すことができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図256(A)に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、「DUAL CHANCE」と表されたタイトルTLを消去する。
また、周辺制御MPU4140aは、図256(B)に示すように、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの左側領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させる。この第2リーチ表示態様RC2は、「8」を表す図柄X1および図柄X2が停止表示されると共に、図柄X1と図柄X2との間に、変動表示中の図柄X3が表示されて成る。なお、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aの左側領域において、透明状態CLRとしていたタイトルTL部分に対応する部分にもキャラクタ画像CR3を表示させるように制御する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図256(C)に示すように、右側領域に、第1リーチ表示態様RC1と共にキャラクタ画像CR2および背景画像HK2を示すことができると共に、左側領域に、第2リーチ表示態様RC2と共にキャラクタ画像CR3を示すことができ、すなわち、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bを用いて、ダブルリーチを表現することができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図257(A)に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、中央付近を含む領域(以下では、中央付近領域とも呼ぶ)に、第1リーチ表示態様RC1および背景画像HK3を表示させると共に、当該中央付近領域以外の領域(以下では、周辺領域とも呼ぶ)を透明状態CLRに制御する。この場合、周辺制御MPU4140aは、第1リーチ表示態様RC1や背景画像HK3を表示させた中央付近領域が、透明状態CLRに制御された周辺領域よりも大きく(広く)なるように形成する。
また、周辺制御MPU4140aは、図257(B)に示すように、第2表示パネル1400bにおいて、中央付近領域を、透明状態CLRに制御すると共に、周辺領域に、第2リーチ表示態様RC2および背景画像HK4を表示させる。この場合、当然に、第2表示パネル1400bにおいて、透明状態CLRに制御される中央付近領域は、第2リーチ表示態様RC2および背景画像HK4を表示させる周辺領域よりも大きい。なお、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを重ね合わせた場合おいて、それぞれの中央付近領域および周辺領域は一致する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図257(C)に示すように、比較的大きい中央付近領域に背景画像HK3を背景として第1リーチ表示態様RC1を示すことができると共に、比較的小さい周辺領域に、背景画像HK4を背景として第2リーチ表示態様RC2を示すことができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図258(A)に示すように、第1表示パネル1400aの第1リーチ表示態様RC1において、変動中であった図柄Y3を数字の「6」で停止表示させて、図柄Y1、Y2、Y3によって形成される外れ図柄組合せHZHを表示させる。また、周辺制御MPU4140aは、第2表示パネル1400bにおいて、図258(B)に示すように、図257(B)と同様の状態を保つ制御を行う。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図258(C)に示すように、比較的大きい中央付近領域に、背景画像HK3を背景として外れ図柄組合せHZHを示すことができると共に、比較的小さい周辺領域に、背景画像HK4を背景として第2リーチ表示態様RC2を示すことができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図259(A)に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、右下片隅の台形状領域(以下では、右下片隅領域とも呼ぶ)に、外れ図柄組合せHZHおよび背景画像HK5を表示させると共に、当該右下片隅領域以外の大部分の領域(以下では、大部分領域とも呼ぶ)を透明状態CLRに制御する。この場合、周辺制御MPU4140aは、透明状態CLRに制御された大部分領域が、外れ図柄組合せHZHや背景画像HK5を表示させた右下片隅領域よりも大きく(広く)なるように形成する。
また、周辺制御MPU4140aは、図259(B)に示すように、第2表示パネル1400bにおいて、右下片隅領域を、透明状態CLRに制御すると共に、大部分領域に、第2リーチ表示態様RC2および背景画像HK6を表示させる。この場合、当然に、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様および背景画像HK6を表示させる大部分領域は、透明状態CLRに制御される右側片隅領域よりも大きい。なお、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを重ね合わせた場合おいて、それぞれの右側片隅領域および大部分領域は一致する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図259(C)に示すように、比較的小さい右下片隅領域に背景画像HK5を背景として外れ図柄組合せHZHを示すことができると共に、比較的大きい大部分領域に、背景画像HK6を背景として第2リーチ表示態様RC2を示すことができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図260(A)に示すように、第1表示パネル1400aにおいて、図259(A)と同様の状態を保つ制御を行う。また、周辺制御MPU4140aは、第2表示パネル1400bの第2リーチ表示態様RC2において、変動中であった図柄X3を数字の「8」で停止表示させて、図柄X1、X2、X3が同じ数字を表さすことによって表現される大当たり図柄組合せOZHを表示させる。すなわち、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cの図柄停止位置に、最終的に遊技者に大当たりを通知する表示として大当たり図柄組合せOZHを表示させる。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図260(C)に示すように、比較的小さい右下片隅領域に背景画像HK5を背景として外れ図柄組合せHZHを示すことができると共に、比較的大きい大部分領域に、背景画像HK6を背景として大当たり図柄組合せOZHを示すことができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、図261(A)に示すように、直前まで第2表示パネル1400bに表示されていた大当たり図柄組合せOZHおよび背景画像HK6を、第1表示パネル1400aの全領域に移行し、確定表示させる。また、周辺制御MPU4140aは、図261(B)に示すように、第2表示パネル1400bを、全領域が透明状態CLR(非表示領域)となるように制御する。
以上のようにすれば、正面視認画面において、図261(C)に示すように、背景画像HK6を背景として大当たり図柄組合せOZHを示すことができる。
主制御MPU4100aは、周辺制御MPU4140aが、図261に示すごとく大当たり図柄組合せOZHを遊技者に報知した後、アタッカソレノイド2016等を制御して、大当たり遊技の制御を行う。
以上のように、両面リーチ演出では、遊技者から見て、第1表示パネル1400aの奥側に第1表示パネル1400aと重なり合うように配置された第2表示パネル1400bが配置されており、周辺制御MPU4140aによって、これら2つの表示パネルで表示を行うので、魅力的で、立体的な表示演出を行うことができる。
また、以上のように、上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1リーチ表示態様RC1を、第1表示パネル1400aに表示させると共に、第2リーチ表示態様RC2を、第2表示パネル1400bに表示させてダブルリーチを形成するようにしている。このようにすれば、2つのリーチ表示態様に、奥行き感を持たせることができ、躍動感あるリーチ演出を行うことが可能となる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1リーチ表示態様RC1を、第1表示パネル1400aに表示させると共に、第2リーチ表示態様RC2を、第2表示パネル1400bに表示させてダブルリーチを形成した後、リーチ表示態様で変動中の図柄を、順番に停止表示させるようにしている。このようにすれば、ダブルリーチ演出を遊技者に分かりやすく表現することができ、ダブルリーチ演出の期待感を向上させることができる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、正面視認画面において、第1リーチ表示態様RC1が示される中央付近領域が、第2リーチ表示態様RC2が示される周辺領域よりも大きくなるように表示制御した後、第1リーチ表示態様RC1における変動中の図柄を停止表示させる場合において、第1リーチ表示態様RC1を第1表示パネル1400aに、第2リーチ表示態様RC2を第2表示パネル1400bにそれぞれ表示させるようにしている(図257、258等参照)。このようにすれば、第1リーチ表示態様RC1が演出対象であることを、第1リーチ表示態様RC1と第2リーチ表示態様RC2との間に生じる奥行き感で表現することができ、第1リーチ表示態様RC1における変動中の図柄の停止表示動作に緊迫感を付与することができる。その結果、臨場感あるリーチ演出を表現することができる。
さらには、上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1リーチ表示態様RC1における変動中の図柄を停止表示させて外れ図柄組合せHZH(図258参照)を表示させ、正面視認画面において、第2リーチ表示態様RC2が示される領域(周辺領域)が、外れ図柄組合せHZHが示される領域(右側片隅領域)よりも大きくなるように表示制御した後、第2リーチ表示態様RC2において、変動中の図柄を停止表示させるようにしている(図259、261等参照)。このようにすれば、第1リーチ表示態様RC1の演出後、演出対象が第2リーチ表示態様RC2に移行したことを、遊技者に速やかにアピールすることができ、遊技者に対して、分かりやすいリーチ演出を提供することができる。また、第2リーチ表示態様RC2における変動中の図柄の停止表示動作に緊迫感を付与することができ、臨場感あるリーチ演出を表現することができる。
また、上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、図262に示すように、第2表示パネル1400bにおいて、表示させた大当たり図柄組合せOZHを、第1表示パネル1400aの全領域を用いて確定表示させるようにしている。このようにすれば、遊技者に対して、大当たりを的確に報知することができ、遊技者に大当たり遊技の準備を促すことができる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aにおいて、第1リーチ表示態様RC1における変動中の図柄を停止表示させて外れ図柄組合せHZHを表示させた後(図258参照)、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させつつ、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2を表示させるようにしている(図259参照)。このようにすれば、第2リーチ表示態様RC2が演出対象であることを表現できると共に、ダブルリーチにおける1回目のリーチ演出が終了し、ハズレだったことを遊技者に報知することができる。また、この場合、外れ図柄組合せHZHと第2リーチ表示態様RC2との間に奥行き感を生じさせることができ、外れ図柄組合せHZHよりも奥で行われる第2リーチ表示態様RC2を一層際立たせることができる。その結果、第2リーチ表示態様RC2のリーチ演出をダイナミックに表現することができる。
また、上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させると共に、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2を表示させるようにしているが(図259参照)、この場合、第2表示パネル1400bにおける第2リーチ表示態様RC2の表示領域よりも、第1表示パネル1400aにおける外れ図柄組合せHZHの表示領域の方が、小さく表示されている。このようにすれば、第2リーチ表示態様RC2のリーチ演出を邪魔することなく、ダブルリーチにおける1回目のリーチ演出が終了し、ハズレだったことを遊技者に報知することができる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させつつ、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2を表示させた後(図259参照)、外れ図柄組合せHZHの表示を継続させつつ、第2リーチ表示態様RC2における変動中の図柄を停止表示させて大当たり図柄組合せOZHを表示させるようにしている(図260参照)。このようにすれば、ダブルリーチにおける2回目のリーチ演出が大当たりであることを表現できると共に、ダブルリーチにおける1回目のリーチ演出が終了し、ハズレだったことを遊技者に報知することができる。また、この場合、外れ図柄組合せHZHと大当たり図柄組合せOZHとの間に奥行き感を生じさせることができ、外れ図柄組合せHZHよりも奥に表示された大当たり図柄組合せOZHを一層際立たせることができる。その結果、遊技者に大当たり図柄組合せOZHをダイナミックに報知することができる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態の形成時に、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第1リーチ表示態様RC1において、第1リーチ表示態様RC1を形成していることが識別可能な程度に変動中の変動図柄Y3の一部をカット(省略)して表示させるようにしている。このようにすれば、第1表示パネル1400aにおいて、第1リーチ表示態様RC1の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおいて他の様々な遊技演出を行う表示スペースを確保することが可能となる。特に、上記のように、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを用いて、これら2つのパネルの表示領域をダイナミックに拡大させたり、縮小させたりする場合などにおいて、有効に表示スペースを確保することができる。また、第1表示パネル1400aに表示された図柄と第2表示パネル1400bに表示された図柄とが正面視で重なってしまうと視認し難く虞も生じるが、上記のように、第1リーチ表示態様RC1を形成していることが識別可能な程度に変動中の変動図柄Y3の一部をカット(省略)して表示させることで、ダイナミックなリーチ演出を行いつつ、第1表示パネル1400aに表示された図柄と第2表示パネル1400bに表示された図柄との両方を視認できる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態の形成時に、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第2リーチ表示態様RC2において、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に停止状態の図柄X2の一部をカット(省略)して表示させている。このようにすれば、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおいて他の様々な遊技演出を行う表示スペースを確保することが可能となる。特に、上記のように、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを用いて、これら2つのパネルの表示領域をダイナミックに拡大させたり、縮小させたりする場合などにおいて、有効に表示スペースを確保することができる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態形成後(図257参照)、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させつつ、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させており、この際、外れ図柄組合せHZHにおける停止状態の図柄Y3を、外れ図柄組合せHZHを形成していることが識別可能な程度に、一部をカット(省略)して表示させるようにしている(図258、259参照)。このようにすれば、第1表示パネル1400aにおいて、外れ図柄組合せHZHの表示領域をコンパクトにすることが可能となり、例えば、上記のように、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを用いて、これら2つのパネルの表示領域をダイナミックに拡大させたり、縮小させたりする場合など、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおける様々な遊技演出を行う際に、表示スペースを確保することが可能となる。
上述した両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態形成後(図257参照)、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させつつ、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させており、この際、第2リーチ表示態様RC2における停止状態の図柄X2を、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に、一部をカット(省略)して表示させるようにしている(図258、259参照)。このようにすれば、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、例えば、上記のように、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを用いて、これら2つのパネルの表示領域をダイナミックに拡大させたり、縮小させたりする場合など、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおける様々な遊技演出を行う際に、表示スペースを確保することが可能となる。
以上、リーチ演出の一例を説明したが、連続演出後に表示されるリーチ演出は、比較的大当たり期待度の高いリーチ演出が表示される。本実施例では、大当たり期待度の低い順から「ロングリーチで始まるリーチ(図204:番号2〜6)」、「3Dリーチで始まるリーチ(図204:番号7〜19)」、「実写リーチで始まるリーチ(図204:番号20〜33)」、「導入動画から始まるリーチ(番号34〜42)」が存在する。そして、図204の振り分けから解るように、3回連続演出の後は、「ロングリーチで始まるリーチ(図204:番号2〜6)」への発展は否定され、「3Dリーチで始まるリーチ(図204:番号7〜19)」もしくはそれ以上に大当たり期待度の高いリーチ演出への発展が確定する。さらに、4回連続演出の後は「実写リーチで始まるリーチ(図204:番号20〜33)」もしくはそれ以上に大当たり期待度の高いリーチ演出への発展が確定する。
以上、説明した本実施形態の連続演出によれば、本来、遊技者が期待するものであるリーチの成立の直前に、当該リーチを阻止する演出表示であるリーチ阻止演出表示を表示して、リーチ阻止演出成功表示を表示する場合には連続演出への発展・あるいは連続演出の継続が行われ、リーチ阻止演出失敗表示を表示する場合にはリーチを成立させる。そして、リーチ阻止演出の成功表示の回数が多いほど、連続演出の回数が多くなる。そして、連続演出の回数が多いほど、最終的に当該変動が大当たり遊技に結びつく可能性が高い。この結果、遊技者は、本実施形態の連続演出以外の演出表示パターンが表示された場合には、期待度の高いリーチ演出が表示されるように、まずはリーチの成立を願いながら当該演出表示パターンを見守りながら遊技をするが、本実施形態の連続演出の演出表示パターンが表示された場合には、リーチ阻止演出表示が成功するように、すなわち、リーチが成立をしないことを願いながら当該演出表示パターンを見守りながら遊技をすることになる。この結果、遊技者は、本実施形態の連続演出以外の演出表示パターンが表示された変動と、本実施形態の連続演出の演出表示パターンが表示された変動とで、全く正反対の思考状態で遊技することとなる。この結果、遊技者の頭を活性化させて遊技への興味が失われることを抑制でき、遊技者に退屈だと感じさせることを抑制することができる。また、遊技者に今までにない感情で遊技を行わせることができ、新鮮で魅力のある演出表示を実現できる。
さらに、本実施形態の連続演出では、リーチが成立する間際に「リーチが成立することがよくないことである」こと示すメッセージMAを表示した後、リーチ阻止演出表示を行うので、遊技者にとって新鮮な感情である「リーチが成立するな!!」という感情に遊技者を速やかに誘導できる。この結果、本実施形態の連続演出を初見の遊技者にも十分楽しんでもらうことができる。
また、上部中可動装飾体3501と液晶表示装置1400とが協働してリーチ阻止演出表示、および、リーチ阻止成功演出表示を行うので、本実施形態の連続演出の迫力を向上させると共に、大当たりへの期待感を煽ることができる。
さらに、リーチ阻止演出が成功する回数が多ければ多いほど、最終的に大当たり遊技を得る確率が高まるように連続演出を伴う変動パターンの振り分けがなされているので、遊技者は、リーチ阻止演出が成功する回数が増えていくに従って、遊技者にとって新鮮な感情である「リーチが成立するな!!」という感情をより強く持つようになり、今までにない感情で遊技を行うことができる。この結果、遊技者に退屈だと感じさせることをより抑制して、遊技者にとって新鮮でより魅力ある遊技を提供することができる。
[連続演出の変形例]・第1変形例:
図262〜図263を参照して、連続演出の変形例1について説明する。変形例1では、図262に示す上述したリーチ阻止演出表示を表示する前に、「リーチの成立を阻止せよ!!」というメッセージと共に、操作ボタンユニット370のメインボタン371の押下を遊技者に促す表示BTNが表示される。操作ボタンユニット370のメインボタン371は遊技者の指示を受け付ける指示受け付け手段の一つとして機能する。そして、遊技者がメインボタン371を押下した場合に、図263に示すように、上部中可動装飾体3501と第1表示パネル1400aの表示(小爆発など)を協働させたリーチ阻止演出表示を行っても良い。こうすれば、遊技者に「リーチが成立するな!!」という感情を乗せてメインボタン371を押下または連打させることができるので、遊技者の高揚感を高め、より遊技にのめりこませることができる。
ここで、連続演出が継続する予定であるにも拘わらず、遊技者がメインボタン371を押下しなかった場合には、所定時間待ってリーチ阻止演出表示を行って、その後リーチ阻止演出成功表示を行って、連続演出を継続しても良い。あるいは、連続演出が継続する予定であるにも拘わらず、遊技者がメインボタン371を押下しなかった場合には、連続演出を終了させてリーチを成立させた表示を行い、連続演出に用いる予定の連続演出のための時間を稼ぐため、リーチ成立後のリーチ演出における中図柄列1153bの図柄の変動時間を長くして、合計の変動時間を予定の変動時間に合わせるようにしても良い。こうすれば、遊技者がメインボタン371を押下しない場合には、連続演出が予定どおり行われないため、遊技者は当該演出表示パターンの大当たり期待度を予測できなくなり、遊技を十分楽しめなくなるため、遊技者はメインボタン371を押下して遊技に積極的に参加するようになる。この結果、遊技者を積極的に遊技に参加させて遊技への高揚感を高め、より遊技者を遊技に熱中させることができる。
・第2変形例:
上記実施形態では、リーチ阻止演出表示を行う連続演出のみを説明したが、上記実施形態において、リーチ阻止演出表示を行う連続演出に加えて他の種類の連続演出を容易して、複数種類の連続演出を用いても良い。この場合は、「2連」「3連」などの連続演出の表示を行うべき変動タイプであることを示すコマンドが主制御基板4100から周辺制御MPU4140aが受け取った場合に、周辺制御MPU4140aが抽選を行っていずれの種類の連続演出を行うかを決定して、連続演出を行う。あるいは、周辺制御MPU4140aが変動タイプとして連続演出の種類まで決定して、連続演出の種類と連続回数を表す情報を含むコマンドを周辺制御基板4140に送信しても良い。
他の種類の連続演出としては、変動表示後にいわゆるチャンス目を表す図柄組合せを左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cに停止表示させた後、再び変動表示を繰り返すいわゆるチャンス目疑似連や、変動表示後に左図柄列1153a、および、右図柄列1153cに同一の装飾図柄を停止表示した瞬間に停止させた装飾図柄を下方に高速移動(スベリ表示)させた後、左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cに外れ図柄組合せまたはチャンス目を表す図柄組合せを停止表示させた後、再び変動表示を繰り返すいわゆるスベリ疑似連などがある。チャンス目疑似連では、遊技者は、「チャンス目でもう一度停止しろ!!」という感情で連続演出を見守り、スベリ疑似連では、「装飾図柄がスベリ表示になれ!!」という感情で連続演出を見守るというように、本実施形態のリーチ阻止演出表示を行う連続演出とは、また異なる感情で遊技を楽しむので、複数種類の連続演出を用いることで、遊技者に多様な感情で遊技を楽しんでもらうことができ、遊技者に退屈だと感じさせることをより抑制することができる。
・第3変形例:
リーチ阻止演出表示、リーチ阻止成功演出表示、リーチ阻止失敗演出表示は、上述した実施形態の態様に限られず、様々な態様を用いることができる。例えば、図218において、リーチ阻止表示演出表示は、人物などのキャラクタが、右図柄列1153cの図柄停止位置まで下りてこようとする装飾図柄S2を、上に持ち上げようとする様を表示しても良い。この場合、例えば、リーチ阻止成功演出表示は、当該キャラクタに装飾図柄S2が持ち上げられて、第1表示パネル1400aの上端から画面外に消えて行く様を表示し、リーチ阻止失敗演出表示は、当該キャラクタが装飾図柄S2に潰されて、その結果、装飾図柄S2が図柄停止位置まで下りてきて停止する様を表示しても良い。
・第4変形例:
上記実施形態の連続演出は、第1表示パネル1400aのみを用いて行われているが、第2表示パネル1400bを用いて行われても良いし、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bの両方を用いて行われても良い。例えば、装飾図柄の変動表示および停止表示を第1表示パネル1400aで行い、第1表示パネル1400aの装飾図柄の表示部分以外は透明状態CLRに制御しても良い。そして、第2表示パネル1400bにおいて、奥側から人物などのキャラクタが武器などを用いて、第1表示パネル1400aに表示された装飾図柄を破壊しようとする様をリーチ阻止演出表示として表示しても良い。こうすれば、遊技者から見て、立体的な連続演出を実現でき、新鮮で魅力ある連続演出を実現し得る。
・第5変形例:
上記実施形態の連続演出において、装飾図柄の高速変動表示が行われている図柄列(左図柄列1153a、中図柄列1153b、右図柄列1153cの一部および全部)では、装飾図柄を半透明で表示しても良いし、高速変動表示に代えて、装飾図柄の表示を消しても良い。そして、高速変動表示から低速変動表示に移行する際に装飾図柄を表示し始めても良い。この連続演出では、背景画像において、キャラクタの実写やCGによる演出が行われるが、高速変動表示中の装飾図柄を半透明表示したり、消去することでこのような演出が遊技者に視認しやすくなるメリットがある。
・第6変形例:
保留されている変動において連続演出が行われる場合、その前の変動において保留されている変動において連続演出が行われる旨を遊技者に先立って通知する演出を行ってもよい。例えば、保留されている変動において連続演出が行われることを予め主制御MPU4100aにおいて判断してその旨を周辺制御MPU4140aに送信しておく(いわゆる先読み)。そして、周辺制御MPU4140aは、連続演出が行われる変動の直前の変動が、リーチが成立しない通常変動(例えば、図207、番号126)である場合、当該通常変動を行っている最中に、上部中可動装飾体3501を遊技者が視認可能に回動させ、リーチの成立を警戒しているような様で可動させても良い。
・第7変形例:
上記連続演出では、4回連続演出が最大の連続回数としているが、それに限られない。例えば、5回連続演出を行っても良い。なお上記実施形態において5回連続演出の後は、例えば、いわゆる全回転演出などを表示してプレミア大当たりとなるようにしても良い。
・第8変形例:
また、上記連続演出では、連続回数が多くなるほど大当たり確率が高まるように変動パターンおよび変動タイプを振り分けているが、これに加えて、または、これに代えて、連続演出の連続回数が多くなるに従い、遊技者にとってより特典の多い大当たり種別で大当たりする確率が高くなるようにすることが好ましい。例えば、本実施形態では、大当たりA、E(出玉あり、大当たり後確変突入)が最も遊技者にとってより特典の多い大当たり種別であるので、連続演出の連続回数が多くなるに従い、大当たりA、Eで大当たりとなる確率が高くなるように変動パターンおよび変動タイプを振り分けることが好ましい。こうすれば、遊技者に連続演出においてリーチ阻止演出表示が成功する気持ちをより強く持たせて、本連続演出を遊技者にとって重要で心待ちにする演出とすることができる。
・第9変形例:
なお、上記連続演出を実現する遊技機の態様としては、上述した態様のほか、以下のような態様を採用しても良い。
[態様2]
上記態様1に記載の遊技機であって、
前記特定演出表示パターンは、さらに、
前記ステップ(a)の後で、前記ステップ(d)の前に、
(f)前記リーチ状態が成立することが遊技者にとって不利となる旨を表示するステップを含む、遊技機。
こうすれば、「リーチが成立することがよくないことである」ことを表示した後、リーチ阻止演出表示を行うので、遊技者にとって新鮮な感情である「リーチが成立するな!!」という感情に遊技者を速やかに誘導できる。この結果、本実施形態の連続演出を初見の遊技者にも十分楽しんでもらうことができる。
[態様3]
上記態様1に記載の遊技機であって、
前記リーチ阻止演出表示は、前記複数の位置のうち、前記最終停止位置を除く位置に停止しようとする前記特定の組合せを構成する図柄の破壊を試みる様の表示であり、
前記リーチ阻止成功演出表示は、前記特定の組合せを構成する図柄が破壊される様の表示であり、
前記リーチ阻止失敗演出表示は、前記特定の組合せを構成する図柄が破壊されない様の表示である、遊技機。
こうすれば、遊技者にとって解りやすく迫力のある態様でリーチ阻止演出表示、リーチ阻止成功演出表示、および、リーチ阻止失敗演出表示を行うことができる。
[態様4]
上記態様1に記載の遊技機は、さらに、
遊技者からの指示を受け付ける指示受け付け手段を備え、
前記特定演出表示パターンは、さらに、
前記ステップ(a)の後で、前記ステップ(d)の前に、
(g)遊技者に前記指示受け付け手段を用いた指示の入力を促す表示を行うステップを含み、
前記前記指示受け付け手段を介して前記指示を受け付けた場合に、前記ステップ(d)を行う、遊技機。
こうすれば、遊技者を遊技に積極的に参加させ、遊技者に遊技をより楽しんでもらうことができる。
[切り抜きスベリ演出の変形例]
・第1変形例:
上記実施形態では、第1表示パネル1400aにおいて切り抜き画像TR1の移動表示が行われる前に、切り抜き画像TR1と重畳して遊技者に視認されるように、第2表示パネル1400bにおいて7図柄画像S7Bの表示を行っている(図244)が、予め第2表示パネル1400bにおいて7図柄画像S7Bの表示を行わなくても良い。具体的には、別世界背景BGAと同様に、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と重なり合う領域にのみ7図柄画像S7Bを表示しても良い。具体的には、図245に示す状態では、第2表示パネル1400bにおいて7図柄画像S7Bを表示する予定の領域のうち、上部のみが第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と重なっているので、7図柄画像S7Bの上部のみを第2表示パネル1400bに表示し、7図柄画像S7Bを表示する予定の他の領域は透明状態CLRに制御しても良い。そして、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの透明領域の拡大に応じて、順次に7図柄画像S7Bのうち表示されている部分を増大させ、図246に示す状態のように、7図柄画像S7Bを表示する予定の領域の全体が第1表示パネル1400aの切り抜き部透明領域と重なった時点で、第2表示パネル1400bにおいて7図柄画像S7Bの全体を表示しても良い。ただし、実施形態のように、切り抜き画像TR1の移動表示が行われる前に、切り抜き画像TR1と重畳して遊技者に視認されるように、第2表示パネル1400bにおいて7図柄画像S7Bの表示を行うと、遊技者は、6図柄画像S6の奥側に何らかの装飾画像が浮かび上がっているのを予め認識させることができるので、遊技者の注目を早い段階で惹き付けた上で切り抜きスベリ演出を行うことができる。その結果、切り抜き演出の見せ場である切り抜き画像TR1の落下演出を遊技者が見逃すことを抑制することができる。
・第2変形例;
上記実施形態では、切り抜き画像TR1を自然落下するように下方に移動表示させているが、これに限られない。切り抜き画像TR1は、例えば、風に飛ばされたように右方向や左方向に移動表示させても良い。概念的に言えば、変動対象となる装飾図柄を含む所定領域を、当該所定領域を除く他の領域に対して移動表示させれば良い。
・第3変形例:
上記実施形態では、第1表示パネル1400aにおいて切り抜き画像TR1を移動させた後、移動前に切り抜き画像TR1が存在していた領域と重なる第2表示パネル1400b上の領域に7図柄画像S7Bを表示している。そして、その後、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bを第1表示パネル1400aに表示した(図248〜図252)後に、リーチが成立したとしているが、これに代えて、移動前に切り抜き画像TR1が存在していた領域と重なる第2表示パネル1400b上の領域に7図柄画像S7Bを表示した時点で、リーチの成立を表示しても良い。この場合、第2表示パネル1400bに表示された7図柄画像S7Bを第1表示パネル1400aに移すための一連の演出表示(図248〜図252)は省略されても良い。
・第4変形例:
上記実施形態における切り抜きスベリ演出では、当該演出の後、リーチが成立しているが、リーチは成立しなくても良い。また、6図柄から7図柄への変動は一例であり、あらゆる種類の装飾図柄の変動に上記実施形態および第1変形例の手法が適用できることは当然である。
・第5変形例:
上記実施形態および第1変形例における図柄画像の拡大の手法(図248〜図252)は、装飾図柄の変動表示演出に限らず、遊技機の演出表示装置115に表示される他の表示対象にも適用可能である。他の表示対象には、あらゆる物、文字、数字、図柄、キャラクタが含まれ得る。
・第6変形例:
上記実施形態における図柄画像の拡大の手法は、変動処理中の演出表示に限られず、遊技機の演出表示装置1400を用いて表示されるいかなる演出に用いられても良い。例えば、遊技が行われていないときの画像(例えばデモ画面)の演出に用いられても良い。
・第7変形例:
なお、上記切り抜きスベリ演出を実現する遊技機の態様としては、以下のような態様を採用しても良い。
[態様1]
抽選を伴う遊技機であって、
図柄画像の所定の組み合わせを表示することによって遊技者に前記抽選の結果を通知可能な表示部であって、
透過型の第1の表示パネルと、
遊技者から見て前記第1の表示パネルの奥側に前記第1の表示パネルと重なり合うように配置された第2の表示パネルと、
を有する表示部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルの表示を制御する表示制御手段であって、
(a)前記第1の表示パネルの所定の位置に第1の種類の図柄画像を表示し、
(b)前記ステップ(a)の後、前記第1の表示パネルの前記第1の種類の図柄画像が表示された領域を透明状態に制御し、
(c)前記ステップ(b)の後、前記第2の表示パネルにおいて、前記第1の表示パネルの透明状態に制御された領域と重なり合う位置に所定の大きさで前記第1の種類の図柄画像とは異なる前記第2の種類の図柄画像を表示し、
(d)前記ステップ(c)の後、前記第2の表示パネルにおいて前記第2の種類の図柄画像を拡大させながら表示し、前記第2の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像の拡大に連動して、前記第2の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像を構成する画素の光の透過率を大きくするとともに、前記第1の表示パネルにおいて前記第2の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像と遊技者から見て重なり合う重畳領域に前記第2の種類の図柄画像を前記第2の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像と同様に拡大させながら表示し、前記第1の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像の拡大に連動して、前記第1の表示パネルの前記第2の種類の図柄画像を構成する画素の光の透過率を小さくすることによって、前記第2の種類の図柄画像が遊技者から見て奥側から手前側へ近づく様を3次元的に表現することにより、
前記第1の表示パネルの前記所定の位置に表示される図柄画像を前記第1の種類の図柄画像から前記第2の種類の図柄画像に入れ替える、
表示制御手段と、
を備える、遊技機。
[態様2]
遊技機であって、
演出画像を表示可能な表示部であって、
透過型の第1の表示パネルと、
遊技者から見て前記第1の表示パネルの奥側に前記第1の表示パネルと重なり合うように配置された第2の表示パネルと、
を有する表示部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルの表示を制御する表示制御手段であって、
前記第2の表示パネルの所定の位置に所定の大きさで所定の表示対象画像を表示した後、
前記第2の表示パネルにおいて前記表示対象画像を拡大させながら表示し、前記第2の表示パネルの前記表示対象画像の拡大に連動して、前記第2の表示パネルの前記表示対象画像を構成する画素の光の透過率を大きくするとともに、前記第1の表示パネルにおいて前記第2の表示パネルの前記表示対象画像と遊技者から見て重なり合う重畳領域に前記表示対象画像を前記第2の表示パネルの前記表示対象画像と同様に拡大させながら表示し、前記第1の表示パネルの前記表示対象画像の拡大に連動して、前記第1の表示パネルの前記表示対象画像を構成する画素の光の透過率を小さくすることによって、前記表示対象画像が遊技者から見て奥側から手前側へ近づく様を3次元的に表現する、
表示制御手段と、
を備える、遊技機。
こうすれば、所定の表示対象画像が遊技者から見て奥側から手前側へ浮かび上がってくる様を少なくとも二枚の表示パネルを用いてより立体的に興趣にあふれる表現で実現することができる。
[両面リーチ演出の変形例:]
・第1変形例:
上記実施形態における両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、図240に示すように、右側領域に第1リーチ表示態様RC1が表示されるように制御すると共に、左側領域に第2リーチ表示態様RC2が表示されるように制御した後、図241に示すように、第1リーチ表示態様RC1が表示される領域(中央付近領域)が、第2リーチ表示態様RC2が表示される領域(周辺領域)よりも大きくなるように制御しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、右側領域に第1リーチ表示態様RC1が表示されるように制御すると共に、左側領域に第2リーチ表示態様RC2が表示されるように制御する処理(図240参照、第1処理とも呼ぶ)と、第1リーチ表示態様RC1が表示される領域(中央付近領域)が、第2リーチ表示態様RC2が表示される領域(周辺領域)よりも大きくなるように制御する処理(図241参照、第2処理とも呼ぶ)とを、同時にするようにしてもよい。また、周辺制御MPU4140aは、第1処理よりも第2処理を先にするようにしてもよい。このようにしても上記実施形態の効果を奏することができる。
・第2変形例:
図264は、両面リーチ演出の第2変形例を説明するための図である。
上記実施形態におけるスーパーリーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、図259に示すように、第1表示パネル1400aにおける右下片隅領域に外れ図柄組合せHZHを表示させ、第2表示パネル1400bにおける大部分領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させている場合において、第2表示パネル1400bの右下片隅領域を、透明状態CLR(非表示領域)に制御するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。以下のようにしてもよい。
パチンコ機1は、遊技者からの指示が入力されるボタン(スティック等でもよい)、具体的には、操作ボタンユニット370のメインボタン371が押されたことを感知して遊技演出を行う遊技演出実行手段(周辺制御MPU4140aが行ってもよい)を備えていてもよい。そして、周辺制御MPU4140aは、図264に示すように、第1表示パネル1400aにおける右下片隅領域に外れ図柄組合せHZHを表示させ、第2表示パネル1400bにおける大部分領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させている場合において、第2表示パネル1400bの右下片隅領域に、ボタンを示唆するボタン画像BTNを表示するようにしてもよい。そして、遊技演出実行手段は、遊技者によってボタンが押されたことを感知すると、例えば、以下の(1)〜(3)に示すような遊技演出を行うようにしてもよい。
(1)液晶表示装置1400のいずれかの場所に、レアな画像であるプレミア画像を表示する。
(2)当該変動パターンで、大当たりが報知される場合には、大当たり報知を行う。
(3)当該ダブルリーチにおける第2リーチ表示態様RC2において、大当たり図柄配列が形成される確率を示す信頼度表示を行う。
なお、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aにおいて、右下片隅領域に表示させる画像(背景画像HK5や図柄Y1〜Y3)を、ボタン画像BTNを隠すための遮蔽画像として機能させるために、第2表示パネル1400bに表示させるボタン画像BTNが見えない程度の光透過生が低い状態(例えば、暗いグレー、濃緑、農青等の暗い色等)で表される画像を採用可能である。
以上のようにすれば、上記のようなダブルリーチが発生した場合に、遊技者は、ずれ正面視認状態で、液晶表示装置1400の表示面を見ることにより、右下片隅領域のボタン画像BTNを見ることが可能となる。そして、遊技者は、ボタン画像BTNに促されてボタンを押すことによって、特別な遊技演出を体験することが可能となる。すなわち、上記構成によれば、遊技者は、奥行き感のある立体的なダブルリーチを体験しつつ、ずれ正面視認状態で液晶表示装置1400の表示面を見る楽しみを享受することが可能となり、パチンコ機1における興趣性を大いに向上させることができる。
・第3変形例:
上記変形例2おいて、周辺制御MPU4140aは、図264に示すように、第1表示パネル1400aにおける右下片隅領域に外れ図柄組合せHZHを表示させ、第2表示パネル1400bにおける大部分領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させている場合において、第2表示パネル1400bの右下片隅領域に、ボタンを示唆するボタン画像BTNを表示するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、ボタンを示唆するボタン画像BTNの他に、プレミア画像、大当たりを示唆する画像、信頼度情報を示す画像等の種々の画像を表示させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、奥行き感のある立体的なダブルリーチを体験しつつ、ずれ正面視認状態で液晶表示装置1400の表示面を見る楽しみを享受することが可能となり、パチンコ機1における興趣性を大いに向上させることができる。
・第4変形例:
上記変形例2おいて、周辺制御MPU4140aは、図264に示すように、第1表示パネル1400aにおける右下片隅領域に外れ図柄組合せHZHを表示させ、第2表示パネル1400bにおける大部分領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させている場合において、第2表示パネル1400bの右下片隅領域に、ボタンを示唆するボタン画像BTNを表示するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aにおける所定領域に第1リーチ表示態様RC1若しくは外れ図柄組合せHZHを含む遮蔽画像を表示させ、第2表示パネル1400bにおける所定領域に、第2リーチ表示態様RC2を表示させ、その状態で、第2表示パネル1400bにおいて、第1表示パネル1400aの遮蔽画像に対応する領域であって、ずれ正面視認状態で視認可能な位置に、ボタンを示唆するボタン画像BTN、プレミア画像、大当たりを示唆する画像、信頼度情報を示す画像等を表示させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、奥行き感のある立体的なダブルリーチを体験しつつ、ずれ正面視認状態で、遮蔽画像の裏を覗き込む等の楽しみを享受することが可能となり、パチンコ機1における興趣性を大いに向上させることができる。
・第5変形例:
上記実施形態におけるスーパーリーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、図256〜図260に示すように、(1)第1表示パネル1400aにおいて第1リーチ表示態様RC1を含む領域が、第2表示パネル1400bにおいて第2リーチ表示態様RC2を含む領域よりも大きくなる(2)第1リーチ表示態様RC1の変動図柄Y3が停止表示されて外れ図柄組合せHZHを形成(3)第2表示パネル1400bにおいて第2リーチ表示態様RC2を含む領域が、第1表示パネル1400aにおいて外れ図柄組合せHZHを含む領域よりも大きくなる(4)第2リーチ表示態様RC2の変動図柄X3が停止表示される、というステップを実現しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、(1)第2表示パネル1400bにおいて第2リーチ表示態様RC2を含む領域が、第1表示パネル1400aにおいて第1リーチ表示態様RC1を含む領域よりも大きくなる(2)第2リーチ表示態様RC2の変動図柄X3が停止表示されてハズレ図柄配列を形成(3)第1表示パネル1400aにおいて第1リーチ表示態様RC1を含む領域が、第2表示パネル1400bにおいてハズレ図柄配列を含む領域よりも大きくなる(4)第1リーチ表示態様RC1の変動図柄Y3が停止表示される、というステップを実現するようにしてもよい。このようにしても上記実施形態の効果を奏することができる。
・第6変形例:
上記実施形態におけるスーパーリーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、図260に示すように、第2リーチ表示態様RC2の変動図柄X3を停止表示させる際、数字の「8」で停止表示させ、図柄X1〜X3を用いて大当たり図柄組合せOZHを形成させるようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。周辺制御MPU4140aは、第2リーチ表示態様RC2の変動図柄X3を停止表示させる際、数字の「8」以外の数字(例えば、「7」)で停止表示させ、図柄X1〜X3を用いてハズレ図柄配列を形成させるようにしてもよい。このようにしても上記実施形態の効果を奏することができる。
・第7変形例:
上記実施形態におけるスーパーリーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを重ね合わせた場合おいて、それぞれ、画像を表示している表示領域が重ならないように制御しているが、本発明はこれに限られるものではなく、第1表示パネル1400aと第2表示パネル1400bとを重ね合わせた場合おいて、互いに画像を表示している表示領域が重なるように制御してもよい。このようにすれば、各表示パネルにおいて、画像を表示している表示領域が重複する部分で、種々の演出の表示を行うことができ、液晶表示装置1400における表示面を無駄なく有効に使用することができる。
また、周辺制御MPU4140aは、第1表示パネル1400aにおいて、画像の表示領域に表示される第1リーチ表示態様RC1を、第2表示パネル1400bを重ね合わせた場合に第2表示パネル1400bにおける画像の表示領域と対応する領域に形成させるようにしてもよい。さらに、周辺制御MPU4140aは、第2表示パネル1400bにおいて、画像の表示領域に表示される第2リーチ表示態様RC2を、第1表示パネル1400aを重ね合わせた場合に第1表示パネル1400aにおける画像の表示領域と対応する領域に形成させるようにしてもよい。このようにすれば、一方の表示パネルにおけるリーチ表示態様と、他方の表示パネルにおける画像の表示領域とが重複する部分で、種々の演出を表示を行うことができ、液晶表示装置1400における表示面を無駄なく有効に使用することができ、また、遊技演出の裾野を広げ、興趣性に富んだ遊技機を提供することができる。
・第8変形例:
上記実施形態では、液晶表示装置1400において、第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400bは、固定されていたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機が通常設置されている状態において、第1表示パネル1400a、または、第2表示パネル1400bの少なくともどちらか一方は、(A)遊技者から見て手前側に移動、(B)遊技者から見て奥側に移動、(C)鉛直方向に対して傾斜、のいずれかの態様をとることが可能な可動式表示パネルであり、可動式表示パネルを、可動制御する可動制御手段(図示せず)を備えていてもよい。この場合、周辺制御MPU4140aは、可動式表示パネルの動きに応じて、第1リーチ表示態様および第2リーチ表示態様を含む領域の表示態様を制御するようにしてもよい。このようにすれば、2つのパネル(第1表示パネル1400aおよび第2表示パネル1400b)を用いて、第1リーチ表示態様および第2リーチ表示態様を表示させるダブルリーチを行う場合において、2つパネル間におけるリーチ表示態様の移り変わりと、表示パネルの可動とを連動させることができるので、遊技者に対して、より躍動感あるリーチ表示を行うことができる。
・第9変形例:
上記実施形態の両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態の形成時に、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第1リーチ表示態様RC1において、第1リーチ表示態様RC1を形成していることが識別可能な程度に変動中の変動図柄Y3の一部をカット(省略)して表示させるようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態の形成時において、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第1リーチ表示態様RC1において、第1リーチ表示態様RC1を形成していることが識別可能な程度に停止状態の図柄Y1および/または図柄Y2の一部をカット(省略)して表示させるようにしてもよい。このようにしても、第1表示パネル1400aにおいて、第1リーチ表示態様RC1の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおいて他の様々な遊技演出を行う表示スペースを確保することが可能となる。
・第10変形例:
上記実施形態の両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態の形成時に、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第2リーチ表示態様RC2において、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に停止状態の図柄X2の一部をカット(省略)して表示させているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、、ダブルリーチ状態の形成時に、第1表示パネル1400aに第1リーチ表示態様RC1を表示させ、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させた際(図257参照)、第2リーチ表示態様RC2において、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に変動中の図柄X3の一部をカット(省略)して表示させるようにしてもよい。このようにしても、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおいて他の様々な遊技演出を行う表示スペースを確保することが可能となる。
・第11変形例:
上記実施形態の両面リーチ演出において、周辺制御MPU4140aは、ダブルリーチ状態形成後(図257参照)、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させつつ、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させており、この際、第2リーチ表示態様RC2における停止状態の図柄X2を、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に、一部をカット(省略)して表示させるようにしている(図258、259参照)が、本発明は、これに限られるものではない。例えば、周辺制御MPU4140aは、第2表示パネル1400bに第2リーチ表示態様RC2を表示させつつ、第1表示パネル1400aに外れ図柄組合せHZHを表示させる際、第2リーチ表示態様RC2における変動中の図柄X3を、第2リーチ表示態様RC2を形成していることが識別可能な程度に、一部をカット(省略)して表示させるようにしてもよい。このようにしても、第2表示パネル1400bにおいて、第2リーチ表示態様RC2の表示領域をコンパクトにすることが可能となり、第1表示パネル1400aまたは第2表示パネル1400bにおいて他の様々な遊技演出を行う表示スペースを確保することが可能となる。
[その他の変形例]
(1)上記実施形態では、液晶表示装置1400は、二枚の重ねられた表示パネルを一例として説明したが、本発明は、三枚以上の多重表示パネルにも適用可能である。かかる場合、遊技者から見て最も奥側に位置する表示パネルを除く表示パネルを透過型で透明制御可能な表示パネルで構成することが好ましい。
(2)上記実施形態では、弾球遊技機(いわゆるパチンコ遊技機)を例に説明したが、上述した演出表示を他の種類の遊技機に適用しても良い。他の遊技機には、回胴式遊技機(いわゆるスロット遊技機)、業務用アミューズメント遊技機(いわゆるゲームセンター向けの遊技機)、携帯型遊技機などの家庭用遊技機が含まれる。
(3)上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えてもよい。
以上説明したように、本遊技機には、以下の技術思想がある。
[技術思想]
前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な受入口と、
前記受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選処理を行う抽選手段と、
複数の図柄が変動表示される表示手段と、
所定の変動条件が成立したことに基づいて前記図柄の変動を開始し、該図柄が停止されたときの図柄組合せにより前記抽選処理の結果情報を表示可能に制御する表示制御手段と、
前記抽選処理の結果が大当たりであることに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と
を備え、
前記表示手段は、
透過型のパネルの第1の表示パネルと、正面視で前記第1の表示パネルよりも後方に配置される第2の表示パネルとを有し、
前記表示制御手段は、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのうち、一方の表示パネルに、停止状態の図柄と変動中の図柄とを含む複数の図柄でリーチ状態を表す第1リーチ表示態様を表示するとともに、前記一方の表示パネルとは異なる他方の表示パネルに、停止状態の図柄と変動中の図柄とを含む複数の図柄でリーチ状態を表す第2リーチ表示態様を表示する同時リーチ表示制御手段と、
前記他方の表示パネルに前記第2リーチ表示態様を確認できるように表示しながらも、前記一方の表示パネルにおいて、前記第1リーチ表示態様の前記変動中の図柄を停止表示させてハズレ図柄組合せを表示する先行ハズレ表示制御手段と、
前記一方の表示パネルに表示された前記ハズレ図柄組合せを確認できるように表示しつつ、前記他方の表示パネルにおいて、前記第2リーチ表示態様の前記変動中の図柄を停止表示させる結果表示制御手段と、を有する
ことを特徴とするものである。
上記遊技機によると、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球が受入口(第一始動口2001、第二始動口2002)に受け入れられると抽選処理が行なわれ、この抽選処理の結果は表示手段(液晶表示装置1400)に表示される。なお、遊技球が受入口に受け入れられると、一旦は抽選処理を保留する保留手段(第一特別図柄保留記憶手段4214、第二特別図柄保留記憶手段4224)が備えられていることが好ましく、この保留手段は、所定の上限(例えば4個)まで抽選処理を保留できることが好ましい。
表示手段では、所定の変動条件が成立したことに基づいて、表示制御手段(液晶制御基板4150)により複数の図柄列の変動表示が開始され、この変動表示されている図柄列が停止表示されると、抽選処理の結果が表示される。また、表示手段では、複数の図柄列による図柄変動・停止の他に、表示制御手段により、キャラクタを動作させたりするなどの種々の表示演出が行われることが好ましい。
なお、上記の「所定の変動条件」は、例えば上記の保留手段による保留が解除されたときに成立する。保留手段による保留が解除されると、抽選処理が行なわれるとともに、この抽選処理の結果を表示すべく、複数の図柄列の変動表示が開始される。ここで、表示手段に表示される図柄列の変動・停止は、1回の抽選処理の結果を表示するものであるから、1回の抽選処理の結果を表示すべく複数の図柄列の変動が停止されたのちに、次回の抽選処理が許容されるのである。したがって、複数回の抽選処理の結果が同時に表示手段に表示されることはない。
抽選処理の結果が大当たりであるときには、表示手段にて変動中の複数の図柄列が停止した際に、大当たりである旨を示す大当たり画像が表示されて、大当たり遊技が実行される。
ところで、本遊技機における表示手段は、第1の表示パネル(第1表示パネル1400a)と第2の表示パネル(第2表示パネル1400b)とを有している。このうち少なくとも第1の表示パネルは透過型のパネルである。そして、これら第1の表示パネルおよび第2の表示パネルは、いずれも、複数の図柄列や演出画像が表示される表示領域が遊技者側(正面側)を向いて配置されている。なお、第2の表示パネルも透過型であってもよい。
第1の表示パネルと第2の表示パネルとの位置関係について説明すると、図155に図示されるように、正面視で(遊技者から見て)第1の表示パネルの後方側に、この第1の表示パネルとの間に所定の間隙を隔てて第2の表示パネルが配置されている。ここで、第1の表示パネルと第2の表示パネルとは、互いに大きさおよび形(表示領域面がいずれも長方形)がほぼ同じであり、第1の表示パネルの表示領域面と第2の表示パネルの表示領域面とが平行となるように配置されている。したがって、遊技者から見た正面視では、第1の表示パネルの表示領域の後方側に奥行きをもって、第1の表示パネルの表示領域と正面視で重なるように、第2の表示パネルの表示領域を視認できる。ここで、第1の表示パネルが透過型であることから、第1の表示パネルの表示領域と、この第1の表示パネルの後方側に所定の間隙を隔てて配置された第2の表示パネルの表示領域とを用いて、立体的な表示を含めてこれまでにない斬新な演出表示を行うことが可能となる。なお、「表示領域面」は、複数の図柄列やキャラクタ等の演出画像が表示される面である。
とくに本遊技機では、表示手段に表示される演出表示を制御する表示制御手段は、第1の表示パネルと第2の表示パネルとのうち、いずれか一方の表示パネルに第1リーチ表示態様を表示するとともに、他方の表示パネルに第2リーチ表示態様を同時に表示する同時リーチ表示制御手段(図256(c)に示す表示制御を行なう液晶制御基板4150の機能)を有している。ここで、いずれか一方の表示パネルに表示される第1リーチ表示態様と、他方の表示パネルに表示される第2リーチ表示態様とは、前後方向に同時に(すなわち重畳的に)表示されている。従来、一の表示領域にてダブルリーチが表示されていたところ、このようなありふれた手法でダブルリーチが表示されたところで、遊技者にとっては何ら魅力的な演出表示とはなりえなかった。これに対し、本遊技機では、第1の表示パネルの表示領域に表示されたリーチ表示態様と、第1の表示パネルの後方に配置された第2の表示パネルの表示領域に表示されたリーチ表示態様とを前後方向に表示することで1回の抽選処理の結果についてダブルリーチを形成していることから、これまでにないダイナミックなリーチ演出を表示することが可能となる。なお、第1リーチ表示態様および第2リーチ表示態様は、いずれもリーチ状態が形成された表示態様であるが、このリーチ状態は、停止状態の図柄と変動中の図柄とにより形成される。そして、抽選処理の結果情報は、停止状態の図柄と変動中の図柄とにより形成されるリーチ状態のうち、変動中の図柄が停止されたときの図柄の組み合わせにより表示される。
また、上記の表示制御手段は先行ハズレ表示制御手段(図258(c)に示す表示制御を行なう液晶制御基板4150の機能)を有しており、この先行ハズレ表示制御手段は、第1の表示パネルの表示領域と第2の表示パネルの表示領域とで前後方向に表示されたリーチ状態により上記のダブルリーチが形成されたのちに、上記の他方の表示パネルに第2リーチ表示態様を確認できるように表示しながら、この第2リーチ表示態様よりも先行して、上記の一方の表示パネルに第1リーチ表示態様における変動中の図柄を停止表示させてハズレ図柄組合せを表示する。ここで、第1リーチ表示態様における変動中の図柄を停止表示させてハズレ図柄組合せが表示されたことをもって、直ちに抽選処理の結果がハズレであることを意味するものではない。なぜなら、第1リーチ表示態様の変動中の図柄が停止表示されて「ハズレ図柄組合せ」が表示されたとしても、第2リーチ表示態様の変動中の図柄が停止表示されて「大当たり図柄組合せ」が表示されると、大当たり遊技が実行されるからである。ただし、第1リーチ表示態様における変動中の図柄を停止表示させてハズレ図柄組合せが表示されると、少なくとも、第1リーチ表示態様が表示される上記一方の表示パネルに、大当たり図柄組合せが表示される可能性が消失する。なお、一方の表示パネルにおける表示が遊技者に注目されるべき主とされる表示(一方の表示パネルでの表示に主導権がある)であるから、他方の表示パネルに表示される第2リーチ表示態様は確認できる程度に表示されていればよい。
さらに、表示制御手段は結果表示制御手段(図260(c)に示す表示制御を行なう液晶制御基板4150が有する機能)を有しており、この結果表示制御手段は、上記の一方の表示パネルにハズレ図柄組合せが表示され、且つ上記の他方の表示パネルに第2リーチ表示態様が表示された状態において、この第2リーチ表示態様の変動中の図柄を停止表示させる。このとき、抽選処理の結果が大当たりであれば、抽選処理の結果情報として大当たり図柄組合せを表示し、抽選処理の結果がハズレであれば、抽選処理の結果情報としてハズレ図柄組合せを表示する。なお、他方の表示パネルに表示されたハズレ図柄組合せが遊技者に注目されるべき主とされる表示(他方の表示パネルでの表示に主導権がある)であるから、一方の表示パネルに既に表示されているハズレ図柄組合せは確認できる程度に表示されていればよい。ここで、第1リーチ表示態様と第2リーチ表示態様とのうち、両方ともハズレ図柄組合せが表示されたときは抽選処理の結果がハズレであることを意味し、少なくともいずれか一方に大当たり図柄組合せが表示されたときは抽選処理の結果が大当たりであることを意味する。
上記の「確認できる程度」とは、第2リーチ表示態様を形成する図柄またはハズレ図柄組合せを構成する図柄の全体が表示されている必要はなく、この図柄の一部が欠けたかたちで表示されていたとしても、第2リーチ表示態様またはハズレ図柄組合せが表示されていることを把握できればよい。
このようにして、本遊技機によると、2重に配置された2枚の表示パネルを生かして、立体感に富み、遊技者の興味を惹き付けるこれまでにない斬新な図柄の変動表示演出を実現することが可能となるものの、この一方で、正面視において第1のパネルの表示領域に表示された結果情報と第2のパネルの表示領域に表示された結果情報とが重なってしまい、視認し難いといった課題が生じうる。第1リーチ表示態様および第2リーチ表示態様のうちいずれかを小さく表示することで、両方の表示態様を視認できるようにする手段も考えられるが、これによると、視認し難くなるだけでなく、ダイナミックなリーチ演出を表示可能とする本遊技機のメリットを没却してしまう虞がある。
そこで、本遊技機では、上記のダブルリーチ表示制御手段は、図柄カット表示制御手段を有し、この図柄カット表示制御手段は、ダブルリーチの形成時において、上記の第1リーチ表示態様における停止状態の図柄若しくは変動中の図柄、または、上記の第2リーチ表示態様における停止状態の図柄若しくは変動中の図柄のうち、一部の図柄を、当該図柄である停止状態若しくは変動中の図柄の全体を表示した後に、当該図柄がリーチ表示態様を形成していることが識別可能な程度に当該図柄の一部をカットして表示するようにした。これにより、ダイナミックなリーチ演出を行いつつ、第1リーチ表示態様および第2リーチ表示態様のいずれをも視認できるようになる。
上記の「当該図柄がリーチ表示態様を形成していることが識別可能な程度」とは、当該図柄が図柄全体の面積の2割以上を有している状態であればよいと解する。なぜなら、当該図柄が図柄全体の面積の2割以上を有していれば、当該図柄の輪郭、および、リーチ表示態様を形成する他の図柄から、おおよそ当該図柄の全体像を想像することができると解され、その結果、当該図柄を含むリーチ表示態様を識別可能であると解されるからである。従って、当該図柄が図柄全体の面積の8割以上を有している状態はもとより、当該図柄が図柄全体の面積の5割(半分)以上を有している状態であれば、当然に「当該図柄がリーチ表示態様を形成していることが識別可能な程度」に含まれる。
また、上記のダブルリーチ表示制御手段が図柄カット表示制御手段を有することに代えてまたは加えて、上記の先行ハズレ表示制御手段が第2図柄カット表示制御手段を有するようにしてもよい。すなわち、この第2図柄カット表示制御手段は、他方の表示パネルに第2リーチ表示態様を表示しつつ、一方の表示パネルにハズレ図柄組合せが表示された状態において、他方の表示パネルに表示された第2リーチ表示態様における停止状態の図柄若しくは変動中の図柄、または、一方の表示パネルに表示されたハズレ図柄組合せにおける停止状態の図柄のうち、一部の図柄を、当該図柄である停止状態若しくは変動中の図柄の全体を表示した後に、当該図柄が第2リーチ表示態様若しくはハズレ図柄組合せを形成していることが識別可能な程度に当該図柄の一部をカットして表示するものである。これにより、ダイナミックなリーチ演出を行いつつ、第2リーチ表示態様およびハズレ図柄組合せのいずれをも視認できるようになる。
上記の「当該図柄が第2リーチ表示態様若しくは外れ図柄組合せを形成していることが識別可能な程度」とは、当該図柄が図柄全体の面積の2割以上を有している状態であればよいと解する。なぜなら、当該図柄が図柄全体の面積の2割以上を有していれば、当該図柄の輪郭、および、第2リーチ表示態様若しくは外れ図柄組合せを形成する他の図柄から、おおよそ当該図柄の全体像を想像することができると解され、その結果、当該図柄を含む第2リーチ表示態様若しくは外れ図柄組合せを識別可能であると解されるからである。従って、当該図柄が図柄全体の面積の8割以上を有している状態はもとより、当該図柄が図柄全体の面積の5割(半分)以上を有している状態であれば、当然に「当該図柄が第2リーチ表示態様若しくは外れ図柄組合せを形成していることが識別可能な程度」に含まれる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、上述した遊技機や、遊技機の制御基板のような装置発明に加えて、例えば、遊技機の表示装置における画像の表示方法のような方法発明として実現することができる。あるいは、かかる装置または方法を構築するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施形態および変形例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。