JP5629421B2 - 樹脂の製造方法、該製造方法によって製造された樹脂、該樹脂を含有するレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
このため、200nm以下の波長領域で透明性の高いメタクリレート樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。例えば、特許文献1(特開平4−226461号公報)にはメタクリレート構造を有する酸分解性樹脂を含有するレジスト組成物が記載されている。しかしながら、パターンの微細化に伴い、レジスト膜厚の薄膜化が必要となり、レジストのドライエッチング耐性が求められている。特許文献2(特開平10−307400号公報)にはアマンタン構造など有橋脂環式炭化水素を有する繰り返し単位を含有する樹脂が記載されている。しかしながら炭素密度を上げることによりドライエッチング耐性は改良可能であるが、現像欠陥性能やパターン形成能が悪化するなどレジストとしての総合性能を両立させるのが極めて困難なのが実情である。更に線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、ラインパターンのラインエッジラフネス性能の改良が求められていた。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
ドライエッチング耐性を改良するためにはモノマーの炭素密度を向上する必要があるが、炭素密度が高い脂環基などの疎水基と水酸基などの極性基を有するモノマーを用いる重合を行う際にモノマーの溶剤溶解性が悪化する問題が発生している。特許文献2には、レジスト樹脂の製造に用いる重合溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノンなどが用いられている。また、特許文献3(特開2004-175981号公報)にはモノマーの溶剤溶解性を改良する重合溶媒として環状ケトン溶媒が記載されているが、モノマー種によっては溶剤溶解性が悪化するなど十分ではなかった。
〔1〕
(A)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂を重合によって製造する方法であって、(A)成分の樹脂は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位から構成されたものであり、重合溶媒として、ニトリル基を有する溶媒を単独で又は混合して用いることを特徴とする、樹脂の製造方法。
〔2〕
前記ニトリル基を有する溶媒が、炭素数1〜6のニトリル基を含有する溶媒であることを特徴とする、〔1〕に記載の樹脂の製造方法。
〔3〕
前記炭素数1〜6のニトリル基を有する溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリル、3−メチルブチロニトリル、ペンタンニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル又はシクロヘキサンカルボニトリルであることを特徴とする、〔2〕に記載の樹脂の製造方法。
〔4〕
(A)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂を重合によって製造する方法であって、(A)成分の樹脂は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位から構成されたものであり、重合溶媒として、環状アミド構造を有する溶媒を単独で又は混合して用いることを特徴とする、樹脂の製造方法。
〔5〕
前記環状アミド構造を有する溶媒が、炭素数2〜10からなる環状アミド構造を有することを特徴とする、〔4〕に記載の樹脂の製造方法。
〔6〕
滴下重合法により重合を行うことを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
〔7〕
(A)成分の樹脂の重量平均分子量が、5,000〜15,000であることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
〔8〕
(A)成分の樹脂が、脂環炭化水素構造を有する酸分解性基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
〔9〕
(A)成分の樹脂が、下記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を有する樹脂であることを特徴とする、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
一般式(pI)〜(pV)中、
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。また、R19、R21のいずれかは直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
〔10〕
(A)成分の樹脂が、更に、ラクトン基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする〔8〕又は〔9〕に記載の樹脂の製造方法。
〔11〕
前記ラクトン基が、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環している基であることを特徴とする〔10〕に記載の樹脂の製造方法。
〔12〕
(A)成分の樹脂が、単環の脂環炭化水素構造を有する樹脂であることを特徴とする〔10〕又は〔11〕に記載の樹脂の製造方法。
〔13〕
(A)成分の樹脂が、酸脱離基の炭素数の異なる2種以上の酸分解性繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
〔14〕
(A)成分の樹脂が、芳香族基を有さないことを特徴とする〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
〔15〕
重合溶媒中に占める窒素原子を有する溶媒の割合が、10〜100質量%である〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
なお、本発明は上記〔1〕〜〔15〕に記載の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
ッジラフネスが改良されたレジスト組成物を調製することができる、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂の製造方法、該製造方法によって製造された樹脂、該樹脂を含有するレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明によりラインエッジラフネスの小さいレジストが得られる理由は、必ずしも明確ではないが、次のような理由が考えられる。2種以上の極性の異なるモノマーを混合して用いた場合に、その極性差により溶媒中での各モノマーの分布が均一にならず、得られるポリマー内に、同じ極性のモノマー同士が重合した不均一部分が形成されてしまうと考えられる。このようなポリマーをレジスト樹脂に用いてレジストパターンを形成する場合、ポリマーによりアルカリ溶解性が異なるため、露光部の現像液に対する溶解が不均一となり、現像後に得られるレジストパターンのラインエッジラフネスが悪くなると考えられる。
本発明においては、重合溶媒として、窒素原子を有する溶媒を単独でまたは混合して用いる。これらの溶媒は、極性が異なる各種モノマーとの相溶性に優れ、その結果、重合時における各モノマーの分布が均一となり、不均一重合が抑制されると考えられる。
本発明は、特定の重合溶媒を用いることを特徴としている。これに対し、従来、ラジカル重合の際にモノマーを溶解する重合溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどが使用されていた。これらの溶剤は、極性が異なる各種モノマーとの相溶性がよくないために上述のような不均一重合を抑制することができないと考えられる。
本発明の樹脂の製造方法においては、各種モノマーの混合物を、重合溶媒に溶解し、重合開始剤を用いて重合させることによって、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂(以下、「樹脂(A)」ともいう)を製造する。
樹脂(A)の製造は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
重合溶媒としては、窒素原子を有する溶媒(以下、「含窒素溶媒」ともいう)を単独で又は混合して用いる。含窒素溶媒は、モノマー混合物、重合開始剤及び得られる共重合体のいずれとも相溶性に優れ、得られる共重合体中における各種構成単位の分布の不均一性を抑制する。
含窒素溶媒としては、一般的に溶媒として用いられている任意のものが使用可能であり、例えば、沸点が200℃以下のものを用いることができる。好ましくは、ニトリル基を有する、または環状アミド構造を有する溶媒を単独で又は混合して用いることが挙げられる。
ニトリル基を有する溶媒としては、炭素数1〜10のニトリル基を有する溶媒が挙げられる。該溶媒は、ニトリル基以外に水酸基、カルボニル、エステル、エーテルなどの極性
基を含んでも良い。具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリル、3−メチルブチロニトリル、ペンタンニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ヒドロキシブタンニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルマロノニトリル、メチルシアノアセテート、ベンゾニトリルなどが挙げられる。
好ましくは、炭素数1〜6のニトリル基を含有する溶媒が挙げられる。具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリル、3−メチルブチロニトリル、ペンタンニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリルである。より好ましくはプロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリル、3−メチルブチロニトリル、ペンタンニトリル、トリメチルアセトニトリルである。特に好ましくは、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどが挙げられる。
環状アミド構造を有する溶媒としては、環状構造が炭素数2〜10からなる環状アミド構造が好ましく、より好ましくは環状構造が炭素数2〜7からなる環状アミド構造である。特に好ましくは、環状構造が炭素数3〜5からなる環状アミド構造である。アミド基の窒素原子上の置換基としては、水素、水酸基、もしくは炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環状の炭化水素を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状の炭化水素であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の炭化水素である。
具体的には、ピロリジノン、1−メチル−ピロリジノン、1−エチルーピロリジノン、4−ヒドロキシピロリジノン、1−シクロヘキシルーピロリジノン、ピペリジノン、1−メチルーピペリジノンなどが挙げられる。好ましくは、1−メチル−ピロリジノン、1−エチルーピロリジノン、1−シクロヘキシルーピロリジノン、ピペリジノン、1−メチルーピペリジノンであり、より好ましくは、1−メチル−ピロリジノン、1−メチルーピペリジノンである。
脂環式炭化水素基等の極性基を有するモノマーの溶解性が優れる点から、上記含窒素溶媒群から選択される重合溶媒が好ましい。
本発明においては、重合溶媒として、上述のような含窒素溶媒を、それぞれ単独で又は混合して用いることができる。
前記混合溶媒としては、一般的に溶媒として用いられている任意のものが使用可能である。
具体的には、エチレンジクロライド、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。上記溶媒は、含窒素溶媒と混合したとき、各モノマーの溶解性に優れることから好ましく用いられる。
重合開始剤とともにチオール化合物などの連鎖移動剤を併用してもよい。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、特に制限されず、例えば、モノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
なお、重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
分子量分布は通常1〜5であり、好ましくは1〜2、更に好ましくは1.3〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
樹脂(A)の構造は、特に制限されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであっても良い。
次に、上記本発明の製造方法によって得られる樹脂(A)について説明する。
樹脂(A)は、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する。
すなわち、樹脂(A)は、酸分解性基を、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖
の両方に有してもよいが、側鎖に有するほうが好ましい。
酸分解性基として好ましい基は、−COOH基、−OH基等のアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37、R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
本発明においては、酸分解性基は、アセタール基又は3級エステル基が好ましい。
単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂としては、下記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II−AB)で示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種を有する樹脂であることが好ましい。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかはシクロアルキル基であることが好ましい。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R17〜R21のうち少なくとも1つはシクロアルキル基であることが好ましい。また、R19、R21のいずれかは直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R22〜R25のうち少なくとも1つはシクロアルキル基であることが好ましい。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
ここで、R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは単結合、−COO−CH2−である。
Rp1は、上記一般式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
化水素の繰り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂環式構造を形成するための原子団が好ましい。
酸分解性繰り返し単位は1種を用いてもよいが、酸脱離基の炭素数の異なる2種以上の酸分解性繰り返し単位を併用することが好ましい。これにより解像力、露光ラチチュードのバランスが良好になる。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
Rb0は、水素原子又はメチル基が好ましい。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cのうち1つまたは2つが水酸基で残りが水素原子である。一般式(VIIa)において更に好ましくはR2c〜R4cのうち2つが水酸基で残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基、ヒドロキメチル基を表す。
R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於けるR2c〜R4cと同義である。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R50〜R55は、全てがフッ素原子であることが好ましい。
樹脂(A)中、一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中20〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは25〜40モル%である。
樹脂(A)中、ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中、15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜50モル%、更に好ましくは30〜50モル%である。
本発明に用いる樹脂(A)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位/アクリレート系繰り返し単位の混合のいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。より好ましくは一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン構造を有する繰り返し単位20〜50モル%、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位5〜30モル%有する共重合ポリマー、または更にその他の繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーである。
(一般式中、Rxy1は水素原子またはメチル基、Rxa1、Rxb1はメチル基またはエチル基を表す。)
また、本発明において、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明のレジスト組成物は、上述の樹脂(A)と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有するものである。
本発明のレジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げるこ
とができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基としてより好ましくは、1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子が全てフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子を有していることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc1の特に好ましい様態としては、下記一般式で表される基である。
Rc6は、炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、又は、1〜4個のフッ素原子及び/又は1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Axは、単結合又は2価の連結基(好ましくは、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッ素原子、置換していてもよい直鎖若しくは分岐状アルキル基、単環若しくは多環シクロアルキル基又は置換していてもよいアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換基としてフッソ原子を含有しないことが好ましい。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくは、Rc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
は、直鎖若しくは分岐状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることが好ましい。
R201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキ
ル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cのうちいずれかが直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることが好ましい。
直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式(AC1)〜(AC3)で表される酸を発生する化合物が好ましい。
酸発生剤の組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のレジスト組成物には、アルカリ可溶性基、親水基、酸分解性基から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物(以下、「溶解制御化合物」ともいう)を加えてもよい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸の作用により脱離する基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸の作用により脱離する基で保護した化合物が好ましい。
本発明のレジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表す。R250とR251は、互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜6)を表す。
本発明のレジスト組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
よい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明のレジスト組成物からなるレジスト膜を、液浸水を介して露光する場合には、必要に応じてさらに表面疎水化樹脂を添加することができる。これにより、レジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性をよくすることができる。表面疎水化樹脂としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。添加量は、レジスト膜の後退接触角は60°〜80°になるよう適宜調整して使用できるが、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明のレジスト組成物は、各成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
なパターンプロファイルが得られる。異なる官能基を有する2種以上の溶剤を含有する混合溶剤としては水酸基を含有する溶剤、エステル構造を有する溶剤、ケトン構造を有する溶剤、ラクトン構造を有する溶剤、カーボネート構造を有する溶剤から選ばれる少なくとも2種を含有する混合溶剤が好ましい。
(S1)水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤と、ケトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤、
(S3)エステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤、
(S4)エステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤と、水酸基を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤、
(S5)エステル構造を有する溶剤と、カーボネート構造を有する溶剤と、水酸基を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤、
(S6)エステル構造を有する溶剤と、ケトン構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤とを少なくとも含有する混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
エステル構造を有する溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としては、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
(S2)におけるエステル構造を有する溶剤と、ケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、通常1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で好ましい。
(S3)におけるエステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、通常70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で好ましい。
(S4)におけるエステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤と、水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
(S5)におけるエステル構造を有する溶剤と、カーボネート構造を有する溶剤と、水酸基を有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
(S6)におけるエステル構造を有する溶剤と、ケトン構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ケトン構造を有する溶剤を10〜60質量%、ラクトン構造を含有する溶剤を1〜20質量%含有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
ることもできる。
本発明のレジスト組成物は、各成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用するこ
ともできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜14.0である。
窒素気流下、プロピオニトリル2.5g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.9gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、2−シアノー2,6−ノルボルニルカルボラクトンー5−メタクリレート7.4g、3,5−ジヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート1.5g、2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート1.6g、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピルメタクリレート4.54g、重合開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し8mol%をプロピオニトリル16.2g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート38.0gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(RA−1)が14.5g得られた。得られた樹脂(RA−1)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8300、分散度(Mw/Mn)は1.84であった。
窒素気流下、プロピオニトリル7.5gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、2,6−ノルボルニルカルボラクトンー5−メタクリレート7.1g、3−ヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート3.7g、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート8.0g、重合開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し8mol%をプロピオニトリル68gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(RA−2)が15.5g得られた。得られた樹脂(RA−2)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8600、分散度(Mw/Mn)は1.69であった。
窒素気流下、1−メチルーピペリジノン7.1gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、2,6−ノルボルニルカルボラクトンー5−メタクリレート7.1g、3,5−ジヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート4.4g、2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート6.0g、メタクリル酸0.69g、重合開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し8mol%を1−メチルーピペリジノン64gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(RA−3)が15.2g得られた。得られた樹脂(RA−3)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で9600、分散度(Mw/Mn)は1.85であった。
窒素気流下、1−メチルーピペリジノン4.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.0gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、2ーシアノー2,6−ノルボルニルカルボラクトンー5−メタクリレート9.9g、3,5−ジヒドロキシアダマンチル−1−メタクリレート4.0g、2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート6.0g、重合開始剤V−60(和光純薬製)をモノマーに対し12mol%を1−メチルーピペリジノン36.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36.0gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、メタノール900m/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(RA−4)が15.9g得られた。得られた樹脂(RA−4)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で6200、分散度(Mw/Mn)は1.72であった。
実施例1〜4において、各種モノマーは重合溶媒に容易に溶解した。
重合溶媒をテトラヒドロフランに変更した以外は、実施例1と同様の条件で樹脂を製造したところ、樹脂(RA−1´)が13.5g得られた。樹脂(RA−1´)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で7200、分散度(Mw/Mn)は1.80であった。
重合溶媒をシクロペンタノンに変更した以外は、実施例1と同様の条件で樹脂を製造したところ、樹脂(RA−2´)が14.3g得られた。樹脂(RA−2´)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8200、分散度(Mw/Mn)は1.87であった。
重合溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに変更した以外は、実施例3と同様の条件で樹脂を製造しようとしたが、室温ではモノマーが十分に溶解せず、樹脂を製造することができなかった。
重合溶媒をキシレン(o−,m−,p−の混合物)に変更した以外は、実施例4と同様の条件で樹脂を製造しようとしたが、室温ではモノマーが十分に溶解せず、樹脂を製造することができなかった。
<レジスト調製>
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.03ミクロンのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果も表1に示した。
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し120℃で60秒乾燥を行い160nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、ダイポール)で露光し、露光後直ぐに120℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
ラインエッジラフネス評価方法:
測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して80nmのラインアンドスペース1:1パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により20ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔塩基性化合物〕
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:シクロヘキサノン
S3:γ−ブチロラクトン
S4:プロピレングリコールメチルエーテル
S5:乳酸エチル
Claims (15)
- (A)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂を重合によって製造する方法であって、(A)成分の樹脂は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位から構成されたものであり、重合溶媒として、ニトリル基を有する溶媒を単独で又は混合して用いることを特徴とする、樹脂の製造方法。
- 前記ニトリル基を有する溶媒が、炭素数1〜6のニトリル基を含有する溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂の製造方法。
- 前記炭素数1〜6のニトリル基を有する溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリル、3−メチルブチロニトリル、ペンタンニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル又はシクロヘキサンカルボニトリルであることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂の製造方法。
- (A)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂を重合によって製造する方法であって、(A)成分の樹脂は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位から構成されたものであり、重合溶媒として、環状アミド構造を有する溶媒を単独で又は混合して用いることを特徴とする、樹脂の製造方法。
- 前記環状アミド構造を有する溶媒が、炭素数2〜10からなる環状アミド構造を有することを特徴とする、請求項4に記載の樹脂の製造方法。
- 滴下重合法により重合を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂の重量平均分子量が、5,000〜15,000であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂が、脂環炭化水素構造を有する酸分解性基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂が、下記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を有する樹脂であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
一般式(pI)〜(pV)中、
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。また、R19、R21のいずれかは直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。 - (A)成分の樹脂が、更に、ラクトン基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の樹脂の製造方法。
- 前記ラクトン基が、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環している基であることを特徴とする請求項10に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂が、単環の脂環炭化水素構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項10又は11に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂が、酸脱離基の炭素数の異なる2種以上の酸分解性繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
- (A)成分の樹脂が、芳香族基を有さないことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
- 重合溶媒中に占める窒素原子を有する溶媒の割合が、10〜100質量%である請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
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