JP5627655B2 - Multi-degree-of-freedom drive - Google Patents
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Description
本発明は、複数の振動子により移動体を多方向へ移動させる多自由度駆動装置に関する。 The present invention relates to a multi-degree-of-freedom driving device that moves a moving body in multiple directions using a plurality of vibrators.
従来、多自由度駆動装置として、リニアアクチュエータを用いてX,Y,θの3方向への駆動を実現する表面波アクチュエータが提案されている(特許文献1参照)。 Conventionally, as a multi-degree-of-freedom driving device, a surface wave actuator that realizes driving in three directions of X, Y, and θ using a linear actuator has been proposed (see Patent Document 1).
この表面波アクチュエータについて図20を参照しながら説明する。図20は従来の表面波アクチュエータを部分的に破断して示す斜視図である。 This surface wave actuator will be described with reference to FIG. FIG. 20 is a perspective view showing a conventional surface acoustic wave actuator partially cut away.
表面波アクチュエータは、図20に示すように、上ベース板2および下ベース板3に取り付けられ、互いに対向するように配置されている3組の表面波発生機構6a,6b,6cを備える。各表面波発生機構6a,6b,6cには駆動電圧が印加され、これにより、表面波が発生される。各表面波発生機構6a,6b,6cにそれぞれ発生された表面波は、動体板1を移動させるための駆動力として動体板1に作用する。
As shown in FIG. 20, the surface wave actuator includes three sets of surface
ここで、各表面波発生機構6a,6b,6cが発生する表面波による動体板1に与える力成分をそれぞれベクトルM1a,M1b,M1cで表すと、各ベクトルM1a,M1b,M1cを合成したベクトルが示す方向に動体板1が移動されることになる。
Here, when the force components applied to the moving plate 1 by the surface waves generated by the surface
しかしながら、上記表面波アクチュエータにおいては、表面波発生機構6a,6b,6c間で出力特性の差があると、表面波発生機構6a,6b,6cが所定の駆動力を発生するように制御することができない場合がある。
However, in the surface wave actuator, if there is a difference in output characteristics between the surface
そこで、予め出力特性が把握されている複数の表面波発生機構の中から、出力特性がほぼ一致する所定数の表面波発生機構を選択し、選択された所定数の表面波発生機構を組み込む方法が考えられる。しかしながら、出力特性がほぼ一致する所定数の表面波発生機構を装置内に組み込むとしても、それらの取り付け状態例えば各表面波発生機構と動体板1との接触力などが異なる場合がある。このような場合、表面波発生機構のそれぞれの出力特性が揃わず、各表面波発生機構の駆動を安定して制御することができない場合がある。 Therefore, a method of selecting a predetermined number of surface wave generation mechanisms having substantially the same output characteristics from among a plurality of surface wave generation mechanisms whose output characteristics are known in advance, and incorporating the selected predetermined number of surface wave generation mechanisms Can be considered. However, even if a predetermined number of surface wave generation mechanisms having substantially the same output characteristics are incorporated in the apparatus, their attachment states, for example, contact forces between the surface wave generation mechanisms and the moving body plate 1 may be different. In such a case, the output characteristics of the surface wave generating mechanisms are not uniform, and the driving of each surface wave generating mechanism may not be stably controlled.
本発明の目的は、装置に組み込まれた状態で各振動子の出力特性を揃えることができる多自由度駆動装置を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a multi-degree-of-freedom driving device capable of aligning the output characteristics of each vibrator in a state of being incorporated in the device.
上記目的を達成するために、本発明の多自由度駆動装置は、複数のパラメータに設定された値に基づいて生成された駆動電圧により駆動される複数の振動子と、前記複数の振動子により多方向へ移動可能なように前記振動子のそれぞれと接触される移動体と、を備え、前記複数のパラメータは、対応する振動子の駆動に応じて可変される値が設定される第1のパラメータである位相差と、該第1のパラメータと異なる第2のパラメータとを含み、前記複数の振動子に略等しい速度を発生させるように前記複数の振動子それぞれに印加される電圧の、第1のパラメータの値に基づいて、前記振動子のそれぞれの出力特性が一致しているか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記振動子のそれぞれの出力特性が一致していないと判別された場合、前記駆動された振動子のそれぞれの出力特性が一致するように、少なくとも1つの振動子に対して前記第2のパラメータに設定された値を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。 In order to achieve the above object, a multi-degree-of-freedom drive device according to the present invention includes a plurality of vibrators driven by drive voltages generated based on values set in a plurality of parameters, and the plurality of vibrators. A movable body that is brought into contact with each of the vibrators so as to be movable in multiple directions, and the plurality of parameters are set to values that are variable according to driving of the corresponding vibrators. parameter and the phase difference is, and a second parameter different from the parameters of the first, of the plurality of voltages applied to the respective vibrators to generate a substantially equal rate to the plurality of transducers, the based on the value of the first parameter, and determining means for determining whether or not each of the output characteristics of the vibrator is matched, the respective output characteristics of the vibrator by the determination means does not coincide determine And changing means for changing a value set in the second parameter for at least one vibrator so that output characteristics of the driven vibrators coincide with each other. And
本発明によれば、装置に組み込まれた状態で各振動子の出力特性を揃えることができる。 According to the present invention, the output characteristics of the respective vibrators can be made uniform in the state of being incorporated in the apparatus.
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る多自由度駆動装置を示す平面図である。図2は図1の多自由度駆動装置の側面図である。
(First embodiment)
FIG. 1 is a plan view showing a multi-degree-of-freedom drive device according to the first embodiment of the present invention. FIG. 2 is a side view of the multi-degree-of-freedom driving device of FIG.
多自由度駆動装置は、図1および図2に示すように、ベース板9を備える。ベース板9には、互いに共働して移動体10を、予め決められている平面上で、X,Y,θの3方向へ移動させるための3つの振動子11,12,13が取り付けられている。ここで、X方向とY方向は、上記平面上において互いに直交する方向であり、θ方向は、上記平面と直交する軸周りの回転方向である。各振動子11,12,13は、互いにベース板9上の予め決められているO点を中心とする円周方向に沿って2π/3(rad)の角度間隔で配置されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the multi-degree-of-freedom drive device includes a
また、ベース板9には、移動体10のX方向への移動量を検出するための位置センサ21と、移動体10のY方向への移動量を検出するための2つの位置センサ22,23が取り付けられている。位置センサ21は、O点から距離d離された位置に配置されている。各位置センサ22,23は、それぞれ、互いに対向するように、O点から距離d離れた位置に配置されている。
The
移動体10には、図2に示すように、3つのスケール部31,32,33が取り付けられている。各スケール部31,32,33は、対応する位置センサ21,22,23と対向するように配置されている。位置センサ21は、スケール部31のX方向への移動量(移動体10のX方向への移動量)を検出し、検出した移動量を示す信号を出力する。また、各位置センサ22,23は、対応するスケール部32,33のY方向への移動量(移動体10のY方向への移動量)を検出し、検出した移動量を示す信号を出力する。
As shown in FIG. 2, three
上記振動子11,12,13について図3および図4を参照しながら詳細に説明する。図3(a)は振動子11の構成を示す縦断面図であり、図3(b)は図3(a)の振動子11の圧電素子に形成されている電極領域を示す平面図である。図4は図3の振動子11に発生する振動モード(AモードおよびBモード)を示す図である。ここでは、振動子11,12,13は、同様の構成を有するものであるので、振動子11の構成について説明する。
The
振動子11は、図3(a)に示すように、ステンレスなどの平板形状の弾性部材からなる振動体18を有する。振動体18の一方の面には、突起部19が設けられ、この突起部19と移動体10は、ばね部材などの加圧部材(図示せず)により加圧接触される。振動体18の他方の面には、圧電素子(電気機械エネルギ変換素子)17が接着されている。
As shown in FIG. 3A, the
圧電素子17には、図3(b)に示すように、長手方向(X方向)に沿って配列されている2つの電極領域17a,17bが形成されている。各電極領域17a,17bにおける分極方向は、同一方向(+)とされている。各電極領域17a,17bのうち,電極領域17aには駆動電圧VAが印加され、電極領域17bには駆動電圧VBが印加される。
As shown in FIG. 3B, the
ここで、駆動電圧VA,VBが、Aモードの共振周波数近傍の周波数を有し、かつπ(rad)位相差を有する交流電圧である。駆動電圧VA,VBが対応する電極領域17a,17bに印加されると、ある瞬間には、圧電素子17の電極領域17aが縮むとともに、電極領域17bが伸びる。また、他の瞬間には逆の関係となる。その結果、振動子11(振動体18)には、図4(a)に示すAモードの振動が発生することになる。
Here, the drive voltages VA and VB are alternating voltages having a frequency near the resonance frequency of the A mode and having a π (rad) phase difference. When the drive voltages VA and VB are applied to the corresponding
また、駆動電圧VA,VBが、Bモードの共振周波数近傍の周波数を有し、かつ同位相を有する場合、圧電素子17の全体(2つの電極領域17a,17b)がある瞬間には伸び、また他の瞬間には縮むことになる。その結果、振動子11(振動体18)には、図4(b)に示すBモードの振動が発生することになる。
When the drive voltages VA and VB have frequencies close to the B-mode resonance frequency and have the same phase, the entire piezoelectric element 17 (two
上記Aモードの振動とBモードの振動は合成され、合成された振動により、移動体10を駆動する駆動力が発生する。振動子11の場合、当該振動子11は、移動体10をX方向へ移動する駆動力を発生する。また、各電極領域17a,17bへ入力する駆動電圧VA,VBの位相差を変えることにより、Aモードの振動とBモードの振動の発生比を変更することができる。この各モードの振動の発生比を制御することによって、振動子11が移動体10を駆動する駆動力(移動体10のX方向への移動速度)を制御することが可能である。また、各振動子12,13も、同様に、移動体10を駆動する駆動力を発生する。
The A-mode vibration and the B-mode vibration are combined, and a driving force for driving the moving
次に、振動子11〜13の駆動制御を行うための駆動制御系について図5および図6を参照しながら説明する。図5は図1の多自由度駆動装置における振動子11〜13の駆動を制御するための制御系の構成を示すブロック図である。図6は図5のスイッチング回路の構成を示すブロック図である。
Next, a drive control system for performing drive control of the
各振動子11〜13の駆動を制御するための制御系は、図5に示すように、CPU、ROM、RAM(図示せず)などから構成される制御部50を備える。制御部50は、移動体10(移動体10に設けられている基準位置)を現在位置から目標位置へ移動させるように制御する。ここで、上記目標位置は、移動体10の位置または移動体10の移動に連動して移動される物体の位置(X−Y座標上での位置)を示し、例えば操作部(図示せず)などから入力される。そして、制御部50は、移動体10を上記目標位置へ移動させるための制御信号S11〜S13を生成する。各制御信号S11〜S13は、それぞれ、対応する振動子11〜13の駆動を制御する制御信号であり、駆動部51の対応する駆動パルス発生器53〜55に出力される。各制御信号S11〜S13には、パラメータα11〜α13,β11〜β13が含まれる。各パラメータα11〜α13の値は、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VBの周波数を規定する値である。また、各パラメータβ11〜β13の値は、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差(A,B相間の位相差)を規定する値である。
As shown in FIG. 5, the control system for controlling the driving of the
また、制御部50は、駆動部59の電源回路59が発生する3つの直流電圧Vc11〜Vc13の電圧値をそれぞれ制御するための3つの制御信号S14〜S15を生成し、電源回路59に出力する。各制信号S14〜S15には、それぞれ対応するパラメータγ11〜γ13が含まれる。各パラメータγ11〜γ13の値は、電源回路59が発生する3つの直流電圧Vc11〜Vc13の電圧値を規定する値である。
In addition, the
制御部50は、各パラメータα11〜α13,β11〜β13の値を可変することにより、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VBの周波数、駆動電圧VA,VB間の位相差(A,B相間の位相差)を制御する。また、制御部50は、パラメータγ11〜γ13の値を可変することにより、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VBの電圧値を制御する。通常時は、各振動子11〜13に対してそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの周波数および電圧値がそれぞれ対応する値に保持された状態で、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。そして、駆動電圧VA,VB間の位相差の制御により、各振動子11〜13の駆動力が制御される。
The
駆動部51は、電源回路59、発振器52、3つの駆動パルス発生器53〜55および3つのスイッチング回路56〜58を有する。電源回路59は、入力された電源(図示せず)から、上記制御信号S14〜S15に含まれる上記パラメータγ11〜γ13のそれぞれの値が規定する電圧値を有する直流電圧Vc11〜Vc13をそれぞれ発生する。各直流電圧Vc11〜Vc13は、スイッチング回路56〜58に供給される。
The
発振器52は、基準クロックを発生する。駆動パルス発生器53は、制御信号S11に基づいてA相パルスおよび/A相パルス、B相パルスおよび/B相パルスの各パルスを発生し、また各パルスの発生を停止する。ここで、A相パルスと/A相パルスは、位相差がπ(rad)で、パルス幅が等しいパルスである。同様に、B相パルスと/B相パルスは、位相差がπ(rad)で、パルス幅が等しいパルスである。また、A相パルスおよび/A相パルス、B相パルスおよび/B相パルスの各パルスは、発振器52の基準クロックを基準にして、パラメータα11の値およびパラメータβ11の値に基づいて発生される。
The
駆動パルス発生器54,55は、駆動パルス発生器53と同様に、制御信号S12,S13に基づいて、A相パルスおよび/A相パルス、B相パルスおよび/B相パルスの各パルスの発生およびその停止を行う。駆動パルス発生器54,55が発生するA相パルスおよび/A相パルス、B相パルスおよび/B相パルスの各パルスは、発振器52の基準クロックを基準にして、パラメータα12,α13の値およびパラメータβ12,β13の値に基づいて発生される。
Similarly to drive
各駆動パルス発生器53〜55により発生された、A相パルスおよび/A相パルス、B相パルスおよび/B相パルスの各パルスは、それぞれ対応するスイッチング回路56〜58に入力される。
The A-phase pulse, the / A-phase pulse, the B-phase pulse and the / B-phase pulse generated by the
スイッチング回路56は、図6に示すように、スイッチング素子である複数のFET151〜158を有する。各FET151〜158には、それぞれ、対応するA相パルス、/A相パルス、B相パルス、/B相パルスが入力される。例えばA相パルスがH(High)になると、FET151,154がオンし、A相から/A相へ向けて電流が流れる。逆に、/A相パルスがHになると、FET153,152がオンし、/A相からA相へ向けて電流が流れる。このように、A相に関しては、A相パルスおよび/A相パルスにより、FET151〜154のオン動作が制御され、直流電圧Vc11が振動子11に対応する周波数の駆動電圧VAに変換されて印加される。上記直流電圧Vc11の電圧値は、上記パラメータγ11の値により規定された電圧値である。
As illustrated in FIG. 6, the switching
B相に関しても、同様に、B相パルスおよび/B相パルスにより、FET155〜158のオン動作が制御され、直流電圧Vc11が、振動子11に対応する周波数および駆動電圧VAに対して対応する位相差を有する駆動電圧VBに変換されて印加される。
Similarly, regarding the B phase, the ON operation of the
このようにして、振動子11には、上記各パラメータα11,β11,γ11の値によりそれぞれ規定された周波数、位相差、電圧値を有する駆動電圧VA,VBが印加されることになる。
In this way, the drive voltages VA and VB having the frequency, phase difference, and voltage value respectively defined by the values of the parameters α11, β11, and γ11 are applied to the
また、振動子11とのインピーダンスを整合させるためのインピーダンス素子41が振動子11とFET151,152の間に挿入されている。また、インピーダンス素子42が振動子11とFET155,156の間に挿入されている。このインピーダンス素子41,42は、低電圧でかつ高効率で振動子11を駆動するためのものである。
Further, an
同様に、スイッチング回路57は、A相パルス、/A相パルス、B相パルス、/B相パルスに基づいて、上記パラメータα12,β12,γ12の値に応じた周波数、位相差、電圧値を有する駆動電圧VA,VBを、振動子12に印加する。また、スイッチング回路58は、A相パルス、/A相パルス、B相パルス、/B相パルスに基づいて、振動子13に対して、上記パラメータα13,β13,γ13の値に応じた周波数、位相差、電圧値を有する駆動電圧VA,VBを印加する。スイッチング回路57,58は、上述したスイッチング回路56と同様の構成を有するので、その説明は省略する。
Similarly, the switching
このように、駆動部51は、各振動子11〜13に対するパラメータα11〜13,β11〜13,γ11〜13の値に基づいて各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VBを生成する。
As described above, the
次に、制御部50により各振動子11〜13を駆動するための制御について図7〜図10を参照しながら説明する。図7は移動体10をX方向へ直進移動させる場合の各振動子11〜13の駆動力を示す図である。図8は移動体10をY方向へ直進移動させる場合の各振動子11〜13の駆動力を示す図である。図9は移動体10をθ方向へ回転させる場合の各振動子11〜13の駆動力を示す図である。図10は移動体10をY方向へ直進移動させる際の各振動子12,13の駆動力を合成した駆動力(ベクトルMs)と、振動子11の駆動力(ベクトルM1)とが一致しない場合を示す図である。
Next, control for driving the
移動体10を現在位置から目標位置へ移動させる際、制御部50は、移動体10の基準部位を現在位置から目標位置へ到達させるための移動経路を決定する。この移動経路は、X方向への直進移動による経路、Y方向への直進移動による経路、θ方向への回転による経路をそれぞれ個別に組み合わせたものからなり、各経路に対しては、移動体10の移動量(または移動速度)が設定されている。そして、制御部50は、上記決定された移動経路を成す各経路に沿って移動体10を移動させるための制御信号S11〜S13を生成し、駆動部51に出力する。また、制御部50は、電源回路59が発生する直流電圧Vc11〜Vc13の電圧値を対応する電圧値にするための制御信号S14〜S16を電源回路59に出力する。
When moving the moving
これにより、対応する振動子11〜13には、各パラメータα11〜α13,β11〜β13,γ11〜γ13が規定する周波数、位相差および電圧値を有する駆動電圧VA,VBが印加され、対応する振動子11〜13が駆動される。そして、移動体10が上記経路に沿って移動される。
As a result, drive voltages VA and VB having frequencies, phase differences, and voltage values defined by the parameters α11 to α13, β11 to β13, and γ11 to γ13 are applied to the corresponding
移動体10の移動開始に伴い、制御部50は、各位置センサ21〜23の出力値に基づいて移動体10の移動方向および移動量(または移動速度)を検出する。移動体10の移動方向および移動量(または移動速度)の検出は、後述する(1)〜(3)の各式を用いて行われる。そして、制御部50は、検出された移動体10の移動方向および移動量(移動速度)と対応する経路の移動方向および移動量(移動速度)との偏差に基づいて、対応する制御信号S11〜13のパラメータβ11〜13の値を可変制御する。即ち、対応する振動子11〜13に印加される駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。これにより、移動体10の実際の移動方向および移動量(移動速度)が対応する経路の移動方向および移動量(移動速度)になるように、対応する振動子11〜13の駆動力(移動体10を駆動する駆動力)の大きさが制御される。
As the moving
ここで、制御部50により各位置センサ21〜23からの出力値に基づいて移動体10の移動方向およびその移動方向へ移動量の算出方法について簡単に説明する。
Here, the moving direction of the moving
位置センサ21の出力値をD21、位置センサ22,23のそれぞれの出力値をD22,D23とし、移動体10のY方向への移動量をDyとすると、移動量Dyは、以下の(1)式により求められる。
Assuming that the output value of the
Dy=(D22+D23)/2 …(1)
また、移動体10のθ方向へ回転角をθrとすると、回転角θrは、以下の(2)式により求められる。
Dy = (D22 + D23) / 2 (1)
Further, when the rotation angle of the moving
θr=arccos{(D22−D23)/(2d)} …(2)
また、移動体10のX方向への移動量をDxとすると、移動量Dxは、以下の(3)式により求められる。
θr = arccos {(D22−D23) / (2d)} (2)
Further, assuming that the moving amount of the moving
Dx=D21+d×sinθr …(3)
これらの(1)〜(3)式を用いて、移動体10の移動方向(X,Y,θの方向)、その移動方向への移動量および移動速度を求めることができる。
Dx = D21 + d × sin θr (3)
Using these equations (1) to (3), the moving direction (X, Y, θ direction) of the moving
移動体10をX方向へ直進移動させる場合、各振動子11〜13がそれぞれ対応する制御信号S11〜S13に基づいて駆動される。ここでは、ベース板9が水平面上に置かれ、移動体10には、重力が鉛直方向に作用するとする。この場合、図7(a)に示すように、各振動子11〜13には、駆動力(ベクトルM11〜M13)が発生し、それぞれの駆動力により、移動体10が移動される。このとき、図7(b)に示すように、振動子12の駆動力(ベクトルM12)と振動子13の駆動力(ベクトルM13)は、合成されて駆動力(ベクトルMs)となる。この合成した駆動力(ベクトルMs)は、振動子11の駆動力(ベクトルM1)と一致する必要がある。
When the moving
そこで、上記駆動力(ベクトルMs)は、振動子11の駆動力(ベクトルM1)と一致するように、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差(パラメータβ11〜13)が制御される。この制御においては、各位置センサ21〜23の出力値に基づいて移動体10の移動方向および移動量が検出される。そして、検出された移動体10の移動方向および移動量に基づいて、各振動子11〜13にそれぞれ印加する
駆動電圧VA,VB間の位相差(パラメータβ11〜13)が制御される。各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの周波数、駆動電圧は、それぞれ、予め設定された値(パラメータα11〜α13,γ11〜13の値)に保持される。
Therefore, the phase difference between the drive voltages VA and VB applied to the
移動体10をY方向へ直進移動させる場合、各振動子11〜13がそれぞれ対応する制御信号S11〜S13に基づいて駆動される。ここで、振動子11は移動体10をX方向へ移動させるための振動子であるので、当該振動子11は、Bモード(図4(b)に示すモード)で駆動される。このBモードの場合、振動子11には、位相差がほぼない駆動電圧VA,VBが印加され、移動体10をX,Y方向のいずれの方向にも移動させる振動が発生せず、上下振動のみが発生する。ただし、この上下振動により、振動子11の振動体18の突起部19と移動体10との接触面の間の摩擦力は、ほぼ零となり、移動体10が振動子11から受ける負荷は無負荷となる。
When the moving
各振動子12,13には、それぞれ、対応する駆動電圧VA,VBが印加され、図8(a)に示すように、各振動子12,13は、移動体10を駆動する駆動力(ベクトルM12,M13)を発生する。ここで、図8(b)に示すように、振動子12の駆動力(ベクトルM12)と振動子13の駆動力(ベクトルM13)は、合成されて移動体10を駆動する駆動力(ベクトルMs)となる。そして、検出された移動体10の移動方向および移動量に基づいて、上記駆動力(ベクトルMs)がY方向の駆動力となるように、各振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。ここで、各振動子12〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの周波数、駆動電圧は、それぞれ、予め設定された値に保持される。
Corresponding drive voltages VA and VB are applied to the
移動体10をθ方向へ回転させる場合、各振動子11〜13がそれぞれ対応する制御信号S11〜S13に基づいて駆動される。この場合、図9に示すように、各振動子11〜13には、駆動力(ベクトルM11〜M13)が発生し、それぞれの駆動力により、移動体10がθ方向へ回転される。そして、検出された移動体10の移動方向および移動量に基づいて、各振動子11〜13の駆動力(ベクトルM11〜13)の大きさが同じになるように、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。ここで、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの周波数、駆動電圧は、それぞれ、予め設定された値に保持される。
When the
このように、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差(パラメータβ11〜13)の制御により、各振動子11〜13が駆動され、移動体10は、目標方向へ目標移動量分移動させることができる。
In this way, the
しかしながら、例えば図10に示すように、移動体10をY方向へ直進移動させる際に、各振動子12,13の駆動力を合成した駆動力(ベクトルMs)がY方向への駆動力とならない場合がある。例えば各振動子12,13の共振周波数に大きな差異があり、それぞれの出力特性が大きく異なる場合、各振動子12,13の駆動力の大きさが異なり、上記合成した駆動力(ベクトルMs)の方向がY方向に一致しないことになる。
However, as shown in FIG. 10, for example, when the moving
このような場合、各振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差を制御(可変)することにより、各振動子12,13が発生する駆動力の大きさが同じにするための制御が試みられる。しかし、共振周波数がずれているなどの要因によりモータの個体差が大きくずれていることがある。この場合、駆動電圧VA,VB間の位相差の制御のみで、各振動子12,13の駆動力を合成した駆動力(ベクトルMs)をY方向への駆動力となるように、各振動子12,13が発生する駆動力の大きさを所望の大きさに制御することができない。
In such a case, by controlling (variable) the phase difference between the driving voltages VA and VB applied to the
そこで、本実施の形態においては、上述したような事態を未然に回避するために、まず、対応する振動子11〜13を対応する駆動電圧VA,VBで駆動して移動体10が移動される。そして、この移動体10の移動結果に基づいて、各振動子11〜13の出力特性が一致しているか否かの判別が行われる。ここで、各振動子11〜13の出力特性が一致していないと判別された場合、各振動子11〜13の出力特性が一致するように、対応する振動子11〜13の出力特性が補正される。
Therefore, in the present embodiment, in order to avoid the situation as described above, first, the
上記出力特性の補正においては、各振動子11〜13の出力特性がほぼ一致するように、対応する振動子11〜13のパラメータα11〜α13またはγ11〜γ13の値(駆動電圧VA,VBの周波数または電圧値)が変更される。これにより、出力特性が一致した各振動子11〜13に対しては、各振動子11〜13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御のみで、各振動子11〜13の駆動力の大きさが所望の大きさとなるように制御することが可能になる。
In the correction of the output characteristics, the values of the parameters α11 to α13 or γ11 to γ13 of the corresponding
この出力特性の補正について図11および図12を参照しながら説明する。図11は図10に示す駆動力の発生状態における各振動子12,13に印加される駆動電圧の周波数と移動体10の移動速度との関係を示す図である。図12は振動子12に印加される駆動電圧の電圧値の変更により各振動子12,13の出力特性を一致させる場合の駆動電圧の周波数と移動体10の移動速度との関係を示す図である。
The correction of the output characteristics will be described with reference to FIGS. FIG. 11 is a diagram showing the relationship between the frequency of the driving voltage applied to each
例えば各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う際には、まず、移動体10の目標方向をY方向として、各振動子12,13により移動体10をY方向へ直進移動させる制御が行われる。この制御においては、上述した通り、振動子11は、Bモードで駆動され、振動子12,13のそれぞれには、同じ周波数、同じ振幅、かつ同じ位相差を有する駆動電圧VA,VBが印加される。即ち、振動子12に対するパラメータα12,β12,γ12の値は、それぞれ、振動子13に対するパラメータα13,β13,γ13の値と同じである。
For example, when determining whether or not the output characteristics of the
各振動子12,13により移動体10が移動されると、制御部50は、各位置センサ22,23の出力値のそれぞれを用いて移動体10のY方向への移動速度VY1,VY2(所定時間当たりのY方向へ移動量)を算出する。移動速度VY1は、位置センサ22の出力値に基づいて算出された速度であり、移動速度VY2は、位置センサ23の出力値に基づいて算出された速度である。
When the moving
これら位置センサ21、22、23によって移動体10がY方向のみに駆動されていると判断された場合、図8(b)に示すように、振動子12と振動子13がそれぞれ発生する駆動力(ベクトルM12,M13)を合成した駆動力(合成ベクトルMs)は、移動体10をY方向へ移動させる駆動する駆動力となる。よって、制御部50は、位置センサ21、22,23の出力値のそれぞれから算出された移動方向がY方向と同じであれば、振動子12と振動子13のそれぞれの駆動力が同じであると判別する。即ち、制御部50は、各振動子12,13の出力特性が一致していると判別する。
When it is determined by these
これに対し、位置センサ21、22,23の出力値のそれぞれから算出された移動方向がY方向に一致していなければ、振動子12の駆動力の大きさと振動子13の駆動力の大きさとは異なることになる。この場合、図10に示すように、振動子12と振動子13のそれぞれの駆動力を合成した駆動力(ベクトルMs)の方向は、移動体10の目標移動方向であるY方向と一致しない。よって、制御部50は、位置センサ21,22,23の出力値のそれぞれから算出された移動方向が同じでなければ、振動子12,13のそれぞれの駆動力が同じではなく、振動子12,13のそれぞれの出力特性が一致していないと判別する。
On the other hand, if the movement directions calculated from the output values of the
また、演算により得られる移動方向に基づいて、各振動子12,13の駆動力の大きさの差を求めることができる。
Further, the difference in the magnitude of the driving force of each
各振動子12,13の出力特性が一致していないと判別された場合、各振動子12,13のうち、一方の振動子の出力特性が他方の振動子の出力特性に一致するように、補正される。ここでは、対応する振動子のパラメータα12〜α13の値(周波数)を変更することによって、出力特性の補正が行われる。
When it is determined that the output characteristics of the
例えば図11に示すように、同じ周波数f0、同じ振幅および同じ位相差(A,B相間の位相差)を有する駆動電圧VA,VBが、各振動子12,13にそれぞれ印加されるとする。ここで、印加する駆動電圧の周波数と移動体10の移動速度(出力特性)の関係が、振動子12,13のそれぞれについて、曲線Out12,13で表わされる。
For example, as shown in FIG. 11, it is assumed that drive voltages VA and VB having the same frequency f0, the same amplitude, and the same phase difference (phase difference between A and B phases) are applied to the
本例の場合、振動子12,13(振動体)の共振周波数が異なり、振動子12の共振周波数は、印加される駆動電圧VA,VBの周波数f0より十分に低い周波数であるとする。この場合、振動子12の出力による移動速度が位置振動子13の出力による値移動速度より小さくなる。即ち、振動子12による移動体10の駆動力が振動子13による移動体10の駆動力より小さくなる。
In this example, it is assumed that the resonance frequencies of the
そこで、制御部50は、上記移動速度の速度差ΔV(ベクトルの傾き)を零にするように即ち振動子12の駆動力の大きさを増すように、振動子12に印加する駆動電圧VA,VBの周波数を規定するパラメータα12の値を変更する。例えば図11に示すように、パラメータα12の値が、振動子12に印加する駆動電圧VA,VBの周波数を周波数f1(振動子12の共振周波数近傍の周波数)とする値に変更される。これにより、振動子12の出力特性が振動子13の出力特性にほぼ一致されるように補正されることになる。
Therefore, the
振動子12,13の出力特性が一致されると、振動子11の出力特性を振動子12,13の出力特性に一致させることが可能になる。この場合、例えば振動子12の駆動方向に対して直交する方向を移動体10の目標移動方向として、移動体10を振動子11および振動子13により駆動させればよい。ただし、振動子12は、Bモードで駆動される。
When the output characteristics of the
これにより、振動子11の出力特性が振動子13の出力特性と一致するか否かの判別が行われ、この判別結果に応じて、振動子11に印加する駆動電圧VA,VBの周波数を規定するパラメータα11の値が変更される。
Thereby, it is determined whether or not the output characteristic of the
さらに、振動子13の駆動方向に対して直交する方向を移動体10の目標移動方向として、移動体10を振動子11および振動子12により駆動することによって、3つの振動子11〜13の出力特性が一致しているかの検証を行うことができる。
Further, the moving
このようにして、各振動子11〜13の出力特性を一致させるための出力特性の補正は、駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα11〜α13)の変更により行われる。そして、移動体10を実際に移動させる際には、対応する振動子11〜13が、変更された周波数の駆動電圧VA,VBで駆動される。ただし、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの電圧値は、変更されずに、予め設定されている値に保持される。その結果、駆動電圧VA,VBの位相差の制御で、各振動子11〜13の駆動を安定して制御することができる。
In this way, the correction of the output characteristics for matching the output characteristics of the
上記例においては、各振動子11〜13の出力特性を一致させるために、駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα11〜α13の値)を変えているが、これに代えて、駆動電圧VA,VBの電圧値(パラメータγ11〜γ13の値)を変えるようにしてもよい。
In the above example, the frequencies of the drive voltages VA and VB (values of the parameters α11 to α13) are changed to match the output characteristics of the
この場合、図12に示すように、振動子12に印加される駆動電圧VA,VBの周波数を変えずに、その電圧値を変えることにより、振動子12の出力特性(曲線Out12)が補正される。具体的には、振動子12に印加される駆動電圧VA,VBの電圧値が高くなるように、パラメータγ12の値が変更される。これにより、電圧値が高くされた、周波数f0の駆動電圧VA,VBが印加された場合の振動子12の出力特性は曲線Out12’で表わされ、振動子13の出力特性(曲線Out13)に一致する。即ち、位置センサ21,22,23により求められた移動方向がY方向に一致するようにすることで、各振動子12,13の駆動力の大きさを同じにすることができる。
In this case, as shown in FIG. 12, the output characteristics (curve Out12) of the
また、A相、/A相、B相、/B相の各パルス幅を変えることによっても、同様の効果を得ることができる。 The same effect can be obtained by changing the pulse widths of the A phase, / A phase, B phase, and / B phase.
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図13〜図16を参照しながら説明する。図13は本発明の第2の実施の形態において周波数f3および電圧値V3の駆動電圧VA,VBで振動子11〜13を駆動して移動体10をθ方向へ回転させる際に制御される各振動子11〜13の駆動電圧VA,VB間の位相差を示す図である。図14は各振動子11〜13にそれぞれ印加される駆動電圧VA,VB間の位相差と速度との関係を示す図である。図15は各振動子11〜13にそれぞれ印加される駆動電圧VA,VB間の周波数と速度との関係を示す図である。図16は振動子11,12に印加する周波数f3および電圧値V3の駆動電圧VA,VB間のとき、ある動作をさせて制御したときの位相差と振動子13に印加する周波数f4および電圧値V3の駆動電圧VA,VB間のとき、ある動作をさせて制御したときの位相差をそれぞれ示す図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成と同じ構成を有し、本実施の形態の説明においては、同じ符号を用いる。
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 13 illustrates each of the controls controlled when the
上記第1の実施の形態においては、対応する振動子11〜13を駆動して移動体10をY方向などの所定方向へ直進移動させ、その移動結果に基づいて、各振動子11〜13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う場合を説明した。
In the first embodiment, the corresponding
これに対し、本実施の形態は、各振動子11〜13の駆動力を制御するための駆動電圧VA,VBの位相差(β11〜β13)の制御量に基づいて、各振動子11〜13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う。そして、上記判別結果に応じて、各振動子11〜13の出力特性が一致するように、各振動子11〜13に対する駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα11〜α13)または電圧値(γ11〜γ13)が変更される。
In contrast, in the present embodiment, each
例えば移動体10をθ方向へ回転させる場合(図9に示す)、各振動子11〜13の駆動力が同じ大きさにする必要がある。ここで、各振動子11〜13には、それぞれ、同じ周波数f3および同じ電圧値V3を有する駆動電圧VA,VBが印加されるとする。また、各振動子11,12の共振周波数は、駆動電圧VA,VBの周波数f3の近傍の周波数に一致し、振動子13の共振周波数は、上記周波数f3と大きく異なる周波数であるとする。
For example, when the moving
このような場合においては、図13に示すように、各振動子11〜13の駆動力を同じ大きさにするように、各振動子11〜13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差(パラメータβ11〜β13の値)が制御される。図13から分かるように、振動子13の駆動電圧VA,VB間の位相差に関しては、その制御量がπ/2(rad)を超える場合がある。
In such a case, as shown in FIG. 13, the level between the driving voltages VA and VB applied to the
ここで、移動体10のθ方向への目標回転速度を例えば50mm/secとすると、図14に示すように、各振動子11,12に対する周波数f3の駆動電圧VA,VB間の位相差は、それぞれ、約28π/180(rad)に制御される。これに対し、振動子13に対する周波数f3の駆動電圧VA,VB間の位相差は、約π/2(rad)に制御される。これは、振動子11,12と振動子13の共振周波数が異なり、振動子11,12に対する振動子13の出力特性が異なるからである。
Here, if the target rotational speed in the θ direction of the moving
駆動電圧VA,VB間の位相差がπ/2(rad)の場合、振動子が発生する駆動力の大きさが最大になる(移動体10の回転速度が最大になる)が、これを超える位相差の場合、逆に駆動力が小さくなる(回転速度が遅くなる)。よって、振動子13の場合、駆動電圧VA,VB間の位相差がπ/2(rad)近傍の値で制御されるので、当該振動子13の駆動力を他の振動子11,12の駆動力の大きさと同じにする状態を安定的に保持するような制御することは難しい。従って、移動体10の回転速度を所望の速度に保持するための制御を安定して行うようにするためには、駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量を、−π/2からπ/2(rad)までの範囲内で可変することが好ましい。
When the phase difference between the driving voltages VA and VB is π / 2 (rad), the magnitude of the driving force generated by the vibrator is maximized (the rotational speed of the moving
各振動子11〜13のそれぞれに対する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量間に大きな差がある場合、これは、各振動子11〜13の出力特性が大きく異なることを意味する。
When there is a large difference between the control amounts of the phase difference between the drive voltages VA and VB for each of the
図14に示す位相差の場合、振動子11,12のそれぞれに対する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量がほぼ同じであるので、各振動子11,12の出力特性は一致すると判別される。振動子13に関しては、その駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量が振動子11,12の駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量と大きく異なるので、振動子13の出力特性は、振動子11,12の出力特性と一致していないと判別される。
In the case of the phase difference shown in FIG. 14, the control amount of the phase difference between the drive voltages VA and VB for each of the
この場合、例えば図15に示すように、振動子13の出力特性が振動子11,12の出力特性に一致するように、振動子13に対する駆動電圧VA,VBの電圧値V3を変えずに、周波数(パラメータα13の値)が周波数f3から周波数f4に変えられる。これにより、図16に示すように、振動子13に対する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量は、−π/2からπ/2(rad)の範囲内に収まり、かつ振動子11,12の駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量と大きく異なることがない。
In this case, for example, as shown in FIG. 15, without changing the voltage values V3 of the drive voltages VA and VB for the
このようにして周波数の変更により振動子11〜13の出力特性を一致され、振動子11〜13の駆動制御を、−π/2からπ/2(rad)の範囲内で、かつほぼ同じである駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量で、安定して行うことが可能になる。
Thus, the output characteristics of the
また、上記第1の実施の形態と同様に、駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα11〜α13の値)に代えて、駆動電圧VA,VBの電圧値(パラメータγ11〜γ13の値)、またはA相、/A相、B相、/B相の各パルス幅を変えるようにしてもよい。 Similarly to the first embodiment, instead of the drive voltages VA and VB (the values of the parameters α11 to α13), the drive voltages VA and VB (the values of the parameters γ11 to γ13), or You may make it change each pulse width of A phase, / A phase, B phase, / B phase.
また、制御時の制御ゲインを変えると、偏差に対する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量が変化し、図14に示すような駆動電圧VA,VB間の位相差と速度の関係を示す直線の傾きを変えることができる。即ち、制御ゲインを変えることによって、振動子11〜13の出力特性を一致するように補正することができる。
Further, when the control gain at the time of control is changed, the control amount of the phase difference between the drive voltages VA and VB with respect to the deviation changes, and the relationship between the phase difference between the drive voltages VA and VB and the speed as shown in FIG. 14 is shown. The slope of the straight line can be changed. That is, by changing the control gain, the output characteristics of the
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図17および図18を参照しながら説明する。図17は本発明の第3の実施の形態に係る多自由度駆動装置において各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う際の各振動子11〜13の駆動状態を示す図である。図18は振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBの位相差の制御量を示す図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成と同じ構成を有し、本実施の形態の説明においては、同じ符号を用いる。
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 17 shows the driving of the
上記第1の実施の形態においては、各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う際に、振動子11がBモード(上下振動)で駆動された状態で、各振動子12,13が駆動される。
In the first embodiment, when it is determined whether or not the output characteristics of the
これに対し、本実施の形態においては、図17に示すように、各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う際には、振動子11の駆動が停止された状態で各振動子12,13が駆動される。ここで、各振動子12,13は、それぞれの駆動力を合成した駆動力が振動子11の突起部19と移動体10の間に生じる摩擦力と釣り合い、移動体10が静止された状態を保持するように、駆動される。具体的には、振動子12の駆動力(ベクトルM12)と振動子13の駆動力(ベクトルM13)を合成した駆動力(ベクトルMs)が、移動体10に作用する駆動力となる。この駆動力(ベクトルMs)が振動子11の突起部19と移動体10の間に生じる摩擦力(ベクトルFs)と釣り合えば、移動体10の静止状態が保持される。即ち、移動体10の静止状態を保持するためには、各振動子12,13の駆動力の大きさが同じになるように、それぞれの振動子12,13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。そして、各振動子12,13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量に基づいて、各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別が行われる。
On the other hand, in the present embodiment, as shown in FIG. 17, when determining whether or not the output characteristics of the
例えば図18に示すように、各振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御されたとする。各振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBは、同じ周波数および同じ電圧値を有する駆動電圧である。振動子12の駆動電圧VA,VB間の位相差はπ/2(rad)近傍の値に制御され、振動子13の駆動電圧VA,VB間の位相差は−35π/180(rad)近傍の値に制御される。これは、例えば振動子12の共振周波数と振動子13の共振周波数が大きく異なることにより、同じ周波数および同じ電圧値を有する駆動電圧VA,VBで各振動子12,13を駆動した際の各振動子12,13の出力特性が異なることを意味する。
For example, as shown in FIG. 18, it is assumed that the phase difference between the drive voltages VA and VB applied to the
よって、振動子13の出力特性が振動子12の出力特性に一致するように、振動子13に印加する駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα13の値)または電圧値(γ13の値)が変更される。
Therefore, the frequency (value of parameter α13) or voltage value (γ13 value) of the drive voltages VA and VB applied to the
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図19を参照しながら説明する。図19は本発明の第4の実施の形態に係る多自由度駆動装置において各振動子12,13の出力特性が一致しているか否かの判別を行う際の各振動子11〜13の駆動状態を示す図である。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成と同じ構成を有し、本実施の形態の説明においては、同じ符号を用いる。
(Fourth embodiment)
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 19 shows the driving of the
本実施の形態の多自由度駆動装置は、撮像装置に組み込まれ、CCD(Charged Coupled Device)などの撮像素子をX,Y,θの各方向へ移動させるための装置として用いられる。この場合、移動体10に撮像素子が搭載されることになる。
The multi-degree-of-freedom driving device according to the present embodiment is incorporated in an imaging device and used as a device for moving an imaging element such as a CCD (Charged Coupled Device) in each of X, Y, and θ directions. In this case, an image sensor is mounted on the moving
このような用途の場合、移動体10には鉛直方向(−Y方向)に重力が作用することがある。よって、移動体10を静止した状態に保持するためには、振動子11をBモード(上下振動のみのモード)で駆動し、各振動子12,13を、重力に抗する+Y方向への駆動力が移動体10に常時作用するように、駆動する必要がある。即ち、振動子12の駆動力(ベクトルM12)と振動子13の駆動力(ベクトルM13)を合成した駆動力(ベクトルMs)が、移動体10に作用する+Y方向への駆動力となる。この駆動力(ベクトルMs)が重力と釣り合えば、移動体10は、静止した状態に保持される。
In such an application, gravity may act on the moving
この場合、各振動子12,13の駆動力の大きさが同じになるように、それぞれの振動子12,13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差が制御される。この制御において、各振動子12,13に印加する駆動電圧VA,VB間の位相差の制御量間に大きな差があると、各振動子12,13の出力特性が一致していないと判別される。ここで、各振動子12,13にそれぞれ印加する駆動電圧VA,VBは、同じ周波数および同じ電圧値を有する駆動電圧である。
In this case, the phase difference between the driving voltages VA and VB applied to the
例えば振動子12の駆動電圧VA,VB間の位相差はπ/2(rad)近傍の値に制御され、振動子13の駆動電圧VA,VB間の位相差は−35π/180(rad)近傍の値に制御されたとする。これは、例えば振動子12の共振周波数と振動子13の共振周波数が大きく異なることにより、同じ周波数および同じ電圧値を有する駆動電圧VA,VBで各振動子12,13を駆動した際の各振動子12,13の出力特性が異なることを意味する。
For example, the phase difference between the driving voltages VA and VB of the
よって、振動子13の出力特性が振動子12の出力特性に一致するように、振動子13に印加する駆動電圧VA,VBの周波数(パラメータα13の値)または電圧値(γ13の値)が変更される。これにより、各振動子12,13を駆動した際の駆動電圧VA,VBの位相差の制御量が略同じになり、安定した制御を行うことができる。
Therefore, the frequency (value of parameter α13) or voltage value (γ13 value) of the drive voltages VA and VB applied to the
10 移動体
11,12,13 振動子
21,22,23 位置センサ
31,32,33 スケール部
50 制御部
51 駆動部
53,54,55 駆動パル発生器
56,57,58 スイッチング回路
59 電源回路
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記複数のパラメータは、対応する振動子の駆動に応じて可変される値が設定される第1のパラメータである位相差と、該第1のパラメータと異なる第2のパラメータとを含み、
前記複数の振動子に略等しい速度を発生させるように前記複数の振動子それぞれに印加される電圧の、第1のパラメータの値に基づいて、前記振動子のそれぞれの出力特性が一致しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記振動子のそれぞれの出力特性が一致していないと判別された場合、前記駆動された振動子のそれぞれの出力特性が一致するように、少なくとも1つの振動子に対して前記第2のパラメータに設定された値を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする多自由度駆動装置。 A plurality of vibrators driven by drive voltages generated based on values set in a plurality of parameters, and movements that are in contact with each of the vibrators so as to be movable in multiple directions by the plurality of vibrators With body,
Wherein the plurality of parameters include a phase difference which is a first parameter value which is varied according to the driving of the corresponding vibrator is set, and a second parameter different from the parameters of the first,
Whether the output characteristics of the vibrators match with each other based on the value of the first parameter of the voltage applied to each of the vibrators so that substantially the same speed is generated in the vibrators . Determining means for determining whether or not,
If it is determined by the determining means that the output characteristics of the transducers do not match, the first and second transducers have the output characteristics matched so that the output characteristics of the driven transducers match. A multi-degree-of-freedom drive device comprising: a changing unit that changes a value set in the parameter of 2.
3. The multi-degree-of-freedom driving device according to claim 1, wherein each of the plurality of vibrators is configured to generate a driving force by vibration obtained by combining vibrations of two modes.
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