JP5624079B2 - マススペクトルを用いた化学的に架橋された細胞サンプルの分類方法 - Google Patents

マススペクトルを用いた化学的に架橋された細胞サンプルの分類方法 Download PDF

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Description

ヒトおよび動物組織両方の顕微鏡的検査と組織病理学的診断は、医学診断および処置の精度、並びに疾患及びそれらの可能な処置に関する研究の進歩を助けてきた。分析技術の進歩は、疾患の細胞機序を理解して適切な処置を選択する機会を提供してきた。腫瘍特異抗原のような疾患の分子マーカーの同定は、分子プローブ(例えば、抗体および核酸プローブ)の使用に依存してこれらのマーカーを検出する、診断アッセイ及び予後アッセイを開発するのを可能にした。
新規マーカーを同定することは、診断および創薬プロセスにおいて最も初期の、かつ、最も困難なステップの一つである。物質が疾患のマーカーであるか否かを見出すための一方法は、疾患を示す患者由来の生体サンプルが罹病していない患者由来のサンプルと比較して「示差的発現(diffentially expressed)」を示すかどうかを測定することである。例えば、疾患患者と正常患者のサンプルのマススペクトルを比較すると、質量対電荷比Aにおける発生シグナルの平均的強度が、正常患者由来のサンプルよりも疾患患者由来のサンプルにおいてより高くなる。その質量対電荷比Aにおけるマーカーは、疾患患者において「示差的発現」にあると称される。これはこのマーカーの濃度が疾患患者由来のサンプルにおいて正常患者由来のサンプルよりも、平均的に大きいからである。マーカーの濃度は、一般的に、疾患患者由来のサンプル中で、正常患者由来のサンプル中よりも大きいので、そのマーカーは、その疾患に対して「上方制御(up-regulated)であると特徴付けられる。マーカーの濃度が、一般的に、疾患患者由来のサンプルにおいて、正常患者由来のサンプルよりも低い場合には、その蛋白質は「下方制御(down-regulated)」であると特徴付けられる。
マーカーが発見されると、それらを診断ツールとして使用できる。例えば、上記例を参照して、テスト患者由来の未知サンプルを質量分析計を使用して分析し、マススペクトルを作成できる。そのマススペクトルを解析して質量対電荷比Aにおけるシグナル強度をテスト患者のマススペクトルから決定することができる。そのシグナル強度を疾患患者および正常患者に対する質量対電荷比Aにおける平均的シグナル強度と比較できる。そこで、未知サンプルに対してそのテスト患者が癌を罹病しているかどうか、または癌を患うかどうかを示す予測が行える。例えば、未知サンプル中の質量対電荷比Aにおける平均的シグナル強度が、正常患者に対するスペクトルよりも疾患患者に対するものにより近い場合には、テスト患者はどちらかと言えば発病することになっているか、または発病中であるという予測ができる。
多数の生体サンプルの多数のマススペクトルが解析される場合、どのシグナルが疾患状態と非−疾患状態を区別するマーカーを示すのか、容易に明白ではない。1個の生体サンプルの代表的マススペクトルには、多数の潜在的マーカーシグナル(例えば、200より多い)およびかなりの量のノイズがある。これにより、潜在的に重要なシグナルの同定および平均的なシグナルの区別が困難になる。従って、潜在的マーカーの同定および定量化が困難である。潜在的マーカーが、強い上方制御、または強い下方制御を示さない場合、疾患患者由来のサンプルと正常患者由来のサンプルとの間の平均的なシグナル差は容易に識別できない。
前記の示差的発現分析は有用ではあるが、マススペクトルを作成するためのサンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋の組織を除外してきた。DNAは、典型的にホルマリンによる化学的固定に続いて、パラフィン包埋組織標本から単離されている。しかし、パラフィン切片の形成に伴う方法は、これまでは質量分析法を含む分子分析法のほとんどから、これらの切片を除外してきた。
長年、ホルマリン固定が保存組織の光学顕微鏡試験用の最適な標本保存を提供するために組織に対して使用されてきた。アルデヒドによる化学的固定は、ペンダントの反応性アミン類との架橋に起因する変性と結びついている。ホルマリン固定は、蛋白質同士および蛋白質の間でメチレン架橋をもたらし、蛋白質の免疫検出に必要とされる三次構造を効果的に低減するかまたは除去する。更に、パラフィン包埋は蛋白質の三次構造の損失を引き起こすことができる温度で実施され、それにより折り畳まれていないが無傷の蛋白質が形成し、蛋白質酵素活性がそれが存在する場で低減または除去され、並びに免疫検出に必要な構造(エピトープ)が除去される。
ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)等の標準組織学的染色法は、概して制限された量の情報だけを明らかにできる。現行法の顕微鏡評価法を展開して、形態計測、免疫組織化学、その場の(in situ)ハイブリッド化などの方法を含めることができる。新しい臨床的に重要な分子マーカーの同定および開発は、多数の臨床標本において、これらのマーカーの発現を判定する遅く時間のかかるプロセスによって阻害されてきた。
ヒトゲノムプロジェクトからのデータの自然な進展により、単一遺伝子から複数遺伝子(ゲノミクス)へと、そして続いて全蛋白質を同時に同定する(プロテオミクス)ようになってきた。一方、「蛋白質チップ」は、濃度、そして恐らくは機能を測定する可能性を有するが、現時点では、免疫組織化学が位置確認できる唯一の方法である。免疫組織化学による位置確認は、もともと定性的であり、訓練された評価者による主観的な評価を用いても、せいぜい半定量的である。
免疫組織化学を利用して治療の可能性のある潜在的医薬品ターゲットを特定する能力は、組織マイクロアレイ(TMA)技術の利用によって増幅されてきた。その技術は、一般的には500〜1000の多くの組織を単一の顕微鏡スライド上に配置することを含む。単一基材上の多数の組織標本を群分けする方法は、以下のものに依存してきた:多数のパラフィン包埋組織標本をマニュアルでカットし、それらを複合材ブロックに作り上げること(例えば、バッティフォーラ(Battifora)等、Lab.Invest.、1986年、55巻、224−248頁、米国特許第4,820,504号を参照);またはそれらから横断的切片を得ることができる「ストロー」または「ログ」に作り上げること(例えば、ワン(Wan)等、J.Immunol. Method.、1987年、103巻、121−129頁、米国特許第4,914,022号、ミラー(Miller)およびグローツイス(Groothuis)、A.J.C.P.、1991年、96巻、228−232頁を参照);および長期保存組織ブロックからのパンチングされたサンプルを用いて数100の腫瘍標本を含む組織アレイを作り出す技術であり、これはコノーネン(Kononen)等が、1998年、Nat. Med.、4巻、844−847頁に記述する。
組織マイクトアレイには、現在のところ標準的な質量分析法による分析で得ることができない、例えば細胞外マトリックス蛋白質などの不溶性で大型の蛋白質を測定する能力を有する。加えて、組織マトリックスは、可溶性蛋白質を測定する可能性を有する蛋白質マイクロアレイを補足する。しかし、TMAに伴う主要な困難は、各々の「ヒストスポット」(マイクロアレ上にスポットされる0.15mm直径の組織切片)に伴う、限られた量のデータである。
組織マイクロアレイ(TMA)は、DNAアレイおよび蛋白質アレイの等価な組織を示す。ガラススライド上に1組織より多く載せるという概念は古いが、すでにある組織のサブセットを使用して固定アレイ中に特定サンプルを配置するというアイデアは、1998年に、コノーネン(Kononen)、J.、ブンドルフ(Bubendorf)、L.、カリオニーミ(Kallioniemi)、A.、バーランド(Barlund)、M.、シュラームル(Schraml)、P.、レイトン(Leighton)、S.、トーホースト(Torhorst)、J.、ミハッチ(Mihatsch)、M.J.、ソーター(Sauter)、G.、カリオニーミ(Kallioniemi)、.P.、「腫瘍標本の高スループットの分子プロファイリングのための組織マイクロアレイ」、Nat. Med. 4巻、844−847頁)、に記述されただけである。これまで記録されたTMA使用の大部分は悪性腫瘍である。その理由の一つには、腫瘍が推定される全ての患者は治療開始にあたって組織診断をしなければならないので組織の主要な保存をTMAが代表するからである。および一つには、癌治療の問題は非常に解決困難であるからである。米国における全癌患者(〜50,000)の大略2〜4%が、原発腫瘍を同定できない。これらの患者は自分の癌に対して経験ベースの治療を受ける。治療法は、悪性腫瘍の起源を同定するために悪性腫瘍の診断用に採取された組織サンプルを利用する能力により決定される。
本発明は、化学的に架橋された分析物(例えば、ホルマリン固定の蛋白質)を含む細胞サンプル(例えば、細胞、組織、器官)の分析に関するものであって、サンプルは有機固体材料(例えば、パラフィン)に包埋され、質量分析法の使用を伴う。
より具体的には、本発明は、一般的に「抗原回復」(antigen retrieval)と呼ばれるプロセス中で、化学的固定された分析物(例えば、架橋された蛋白質)の少なくとも一部分の組織を逆転して、脱架橋された分析物を形成するステップに続く、質量分析法を利用した、化学的に固定されたパラフィン包埋組織の分析法を提供する。質量分析法は物質のイオン化特性に依存し、蛋白質の場合は蛋白質のイオン化特性に依存し、蛋白質の一次構造が維持され、そして質量分析法(および関連する方法)を使用して分析されるのはまさにこの一次構造体であるので、蛋白質に対して質量分析を実施することが可能である。質量分析法のような方法は、蛋白質の同定に既知の蛋白質断片シークエンス(例えばペプチドフィンガープリント法)を利用するので、質量分析法は、今やパラフィン包埋組織サンプル由来の物品に首尾よく適用できる。
従って、本発明の抗原回復(脱架橋)のステップは、組織マイクロアレイ(TMA)を包含する、以前に化学固定パラフィン包埋された組織サンプルの分析を可能にすることによって、豊富な未開拓のプロテオミクス情報を明らかにする。好ましい実施形態において、質量分析法技術の利用によって多数の蛋白質の同定が同時に可能になる。
化学的な架橋を逆転すること(即ち、化学的に架橋されて分析物に形成された結合を破壊すること、または脱架橋)は、多数の技法により起こすことができる。例えば、水またはある範囲のpH値の緩衝液の存在下でエネルギーをかけて起こすことができる。かけられるエネルギーは、熱または放射線であってよい。
分析物中の自然発生的結合を実質的に破壊させないで行える逆転ステップの条件を選択することが好ましい。
ある実施形態においては、その方法は、脱架橋された分析物における自然発生結合(または化学的固定による形成ではないその他の結合)の少なくとも一部分を開裂させ分析物の断片を形成するステップを更に含むことができる。蛋白質に対しては、開裂は例えば、トリプシンのような酵素、または例えばシアン化臭素のような化学的開裂剤を使用して発生させるのが一般的である。この開裂ステップは、脱架橋の前または後で発生させることができるが、この開裂ステップは脱架橋の後に実施されるのが好ましい。化学的および/または酵素的な開裂は、例えば、蛋白質からのペプチドのような、質量分析法などの一次構造に依存する方法による分析を受け入れられる分析物断片をもたらす。更に、好ましいことではないが、脱架橋ステップで脱架橋に加えて分析物の断片化をもたらすことができる。ある実施形態においては、脱架橋された分析物の分析には、脱架橋された分析物の同定および/または定量化するステップを含むことができる。
本発明の実施形態はマススペクトルの解析方法にも関する。本発明の幾つかの実施形態では、デジタルコンピュータにより分類モデルが形成され、そのモデルは生物学的に異なった状況を伴ったサンプルのクラス分けに使用できる。その分類モデルは診断予測ツールに使用できる。そのモデルは、生物学的状況に付随した潜在的マーカーの同定にも使用できる。加えて、分類モデルは、例えば、再帰分割プロセスのようなプロセスを使用して形成できる。
本発明の1実施形態は、デジタルコンピュータを使用するマススペクトルの解析法に関する。その解析法は、(a)複数の細胞サンプルから得られたマススペクトルのデータセットをデジタルコンピュータに投入するステップあって、各サンプルは2以上のクラスを含むクラスセットの中に帰属されているかまたは帰属予定であり、各クラスは異なった生物学的状況で特徴付けられていて、かつ、各マススペクトルはシグナル強度を質量対電荷比の関数で表したデータ、または質量対電荷比から導出された値を含むこと、および(b)クラスセット中のクラス同士を識別する分類モデルを形成するステップであって、その形成ステップは再帰分割プロセスを含む識別プロセスを実施する実行コードによってデータセットを解析するステップを含んでなる、とを含んでなる。
本発明の別の実施形態は、デジタルコンピュータを使用して未知サンプルを生物学的状況によって特徴付けられたクラスに分類する方法に関する。この方法は、(a)未知サンプルのマススペクトルから得られたデータをデジタルコンピュータに投入するステップ、および(b)分類モデルを使用してマススペクトルデータを処理し、未知サンプルを生物学的状況により特徴付けられるクラスに分類するステップ、とを含んでなる。分類モデルは再帰的分割プロセスを使用して形成してよい。
マイクロアレイを含む、様々な異なった種類の細胞サンプル(例えば、組織および/または個別の細胞)が使用できる。分析される標本がマイクロアレイである好ましい実施形態では、少なくとも1つのサンプルがヒト由来である。別の態様では、少なくとも1つのサンプルは植物由来である。別の態様では、少なくとも1つのサンプルは昆虫由来である。別の態様では、少なくとも1つのサンプルは疾患を持つ個体由来である。更なる態様では、疾患は進行性の疾患であり、サンプルは疾患の異なった段階に相当する複数のサンプルが含有されるマイクロアレイである。1つの態様では、疾患は癌である。別の態様では、疾患は呼吸器疾患、感染性症、免疫疾患、生殖器を患う疾患(男性および女性)、心臓血管疾患、内分泌系を患う疾患、泌尿器系を患う疾患、消化器系を患う疾患、神経変性疾患および/または神経精神医学的疾患である。慢性疾患の場合、マイクロアレイには緩解期および増悪期の両方に相当するサンプルを含むことができる。
タイプ及び疾患の同様な変更は、様々な実験動物、例えば、マウス、ウサギなどからのサンプルに適用できる。個々の組織、または組織アレイにおけるような組織の収集物はヒトの組織と同一の方式で分析可能であり、そのことは、創薬ターゲットの同定および/または効果の確認における本発明の方法の有用性を反映している。好ましくは、非ヒト動物は疾患の動物モデルである。別の態様において、非ヒト動物は、その中に外来性の核酸(即ち、動物または植物のゲノム中に天然には見出されない核酸)を有する少なくとも一つの細胞を含有する。
更なる態様において、非ヒト動物は疾患を処置する治療法で処置されている。
以下の説明に使用される具体的な用語に対して、次の定義が与えられる。
用語「含んでなる」およびその活用形は、これらの用語が現れる説明および請求項を限定する意味を持たない。
本明細書で使用する時、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」および「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。従って、例えば、化学的に架橋された分析物を含んでなるサンプルは、サンプルが「1つ以上」のかかる分析物を含むことを意味すると解釈される。
本明細書で用いられる場合、「分析物」は、対象のサンプル中に検出または測定される、またはそれから分離される自然発生的または合成分子、化合物、組成物または複合体を意味するものとする。分析物には、蛋白質、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、脂質、ビタミン、細菌、ウイルス、医薬品、および代謝産物が挙げられるが、それらに限定されない。これらの分析物は化学的固定剤によって架橋可能であっても、架橋不可能であってもよい。例えば、医薬品、代謝産物、およびビタミン等の特定の分析物では化学的に架橋できない場合もあるが、本発明の方法では分析可能である。
本発明で用いられる場合、「化学的に架橋された分析物」は、例えば、ホルマリン、またはグルタルアルデヒドのような架橋可能な化学固定剤の添加の結果として、化学的手段を使用して架橋されている分析物である。これにはエタノール固定は含まれない。即ち、分析物は、化学的固定剤の添加前に分子内に架橋を有していることもあるが、追加的な「化学架橋」が化学架橋試薬(例えば固定剤)の使用により、分析物中に組み込まれる。
本明細書で用いられる場合、「細胞サンプル」は、個々の細胞、組織の一部、または器官の一部であろうと無かろうと、その中に細胞を含有する本質的に生物学的サンプルである。例えば遠心分離によって、例えば生物学的液体から細胞を単離して細胞凝集を形成し、一般的に「細胞ブロック」と称される、細胞凝集の化学的に固定されたパラフィン包埋切片を作製することは、認定された慣習である。細胞ブロック内の細胞は、それらの組織および器官の起源を反映する。
本明細書で用いられる場合、「組織」は生物体において特定の機能を果す細胞の凝集であり、一般的には、特定の生理学的領域からの細胞および細胞状材料(例えば、細胞外マトリックス材料など)を示す。特定の組織内の細胞には、幾つかの異なった種類の細胞を含むことができる。この例には、ニューロンおよびグリア細胞を更に含む脳組織、並びに毛細管内皮細胞および血液細胞が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる場合、「化学的に固定されたパラフィン包埋細胞切片」は、例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋組織などの、化学的に固定されパラフィン包埋材料を示す。この用語は、慣習的にパラフィンに包埋される組織、細胞または器官を指すために使用されることが多い。本明細書において、この用語は「化学的に固定されたパラフィン包埋細胞サンプル」とも言われることが多い。「切片」として称されるけれども、包埋される組織または細胞は一般的にどんな形状または寸法であってもよく、一般的には20ミクロン以下の厚さである。
本明細書で用いられる場合、「組織マイクロアレイ」は、複数の顕微鏡的位置を含むマイクロアレイであり、各位置は組織細胞および/または組織からの細胞外材料、或いは典型的には組織に浸潤する細胞を含むものが挙げられ、各位置における細胞または細胞外物質の形態学的特徴が顕微鏡検査を通じて視認できる。用語「マイクロアレイ」は、マイクロアレイ上の組織サンプルの寸法の上限を暗示するものではなく、一態様においては、顕微鏡を使用して目視できる複数の細胞(例えば、組織)サンプルを単に包含することだけを暗示する。本明細書で用いる場合、「異なったタイプの組織」は、好ましくは異なった器官からの組織を示す、或いは同じ器官の中で少なくとも解剖学的におよび組織学的に別個である部位からの組織を示す。
本発明の上記開示は、本発明の開示された各々の実施形態を、またはあらゆる実施態様を記載しようと意図していない。以下の説明は、例証的な実施形態をより詳細に例示する。本出願の全体を通して、いくつかの個所で実施例の一覧によりガイダンスが与えられ、それらの実施例は様々な組み合わせの中で利用できる。それぞれの事例において、列挙された一覧は代表的なグループとしてのみ与えられるのであって、網羅的な一覧として解釈されるべきではない。
本発明は、有機固体材料(例えば、パラフィン)の中に埋め込まれている化学的に架橋された分析物(例えば、ホルマリン固定蛋白質)を含有する細胞サンプル(例えば、細胞、組織、器官)の分析に関するものであって、質量分析法が関与する。本発明の方法は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織を含む組織マイクロアレイに関して使用でき、その組織は相互に腫瘍のタイプを区別するための酵素分解があっても無くてもよい。この方法は、発達中の分野である「テラノスティック(theranostics)」―所与の疾患に対する適正治療のための診断方法―に対する有用な研究方法となり得るものを代表している。
細胞サンプルは、個別の細胞、組織の一部、または器官の一部であるかにかかわらず、その中に細胞を含有し、本質的に生物学的なものである。好ましくは細胞サンプルには組織切片が含まれる。好ましくは細胞サンプルにはホルマリン固定組織が含まれる。
特に好ましい実施形態において、本発明は質量分析法を使用して、化学的に固定されたパラフィン包埋組織切片を分析する方法を提供する。本発明の方法によって分析される組織サンプルは、MALDI質量分析法を使用して高処理能力の並行分析で評価でき、遺伝子同定、蛋白質同定、分子プロファイリング、有望な創薬ターゲットの選択、発現された配列アレイデータの選別および順位付け、並びに疾患に付随する生理学的異常プロセスの同定が可能になる。
好ましい実施形態において、化学的に架橋され(例えばホルマリンで固定)、有機固体材料(例えばパラフィン)中に包埋され、ブロックまたはマイクロアレイのどちらかに成形され、次いでそれらのどちらも一般的には5ミクロン厚さの切片に成形されている細胞サンプル(例えば組織サンプル)を、それらの化学架橋の少なくとも一部を逆転させて脱架橋された分析物を形成することによって、分析物を利用可能にするプロセスを受けるようにすることができる。そのようなプロセスは本出願人による同時継続中の特許出願、米国特許出願第2005/0130121−A1、題名、化学的に架橋された細胞サンプルの分析、に記述される。
前記プロセスは、分析物中の自然発生的結合(または架橋前に存在しているその他の結合)が、実質的に開裂されないようにしながら達成されるのが好ましい。所望であれば、サンプルは固体有機材料(例えば、パラフィン)から分離できる。これは架橋を逆転させる前に起こすことができる。それはスチームまたはあらゆる加熱方法によって達成できる。これは、脱架橋が引き起こされる温度未満で起きることが好ましい。
様々な技法を使用して、化学的架橋の少なくとも一部を逆転できる。好ましくはこれはエネルギーの適用を通じて実行される。これは、水或いはある範囲のpH値の緩衝液の存在下で達成できる。そのエネルギーは、熱または放射線エネルギーであってもよい。例えば、クエン酸のような酸を含む化学試薬の使用を含んだその他の方法も使用できる。そのような技法は、シ(Shi)S−R、コート(Cote)RJ.、テイラー(Taylor)CR.、「抗原回復の免疫組織化学:過去、現在、未来」(Antigen retrieval immunohistochemistry: past, present, and future)、J. Histochem. Cytochem.、1997年、45巻(3)、327−343頁、に記載される。
この脱架橋された分析物は、例えば質量分析法のような方法によって直接的に分析にかけることができる。或いは、脱架橋された分析物は、検体の一部を自然発生的結合(または架橋前に存在しているその他の結合)の少なくとも一部を開裂させるプロセスを受けさせることができる。これは、例えば化学的にまたは酵素的に(例えばトリプシンを使用して)実行できる。
任意選択で、脱架橋されたおよび/または開裂された分析物は、制御された様式で分析物のシグナル強度を増強したり、抑制したりすることを支援できる分子プローブ(例えば、染料)で処理または標識付けすることができる。そのような試薬および方法は当技術分野の当業者には公知のことである。例えば、ホスホペプチドの標識付けは、例えば固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)のような様々な公知の方法を介して起こすことができる。本明細書で用いられる場合、「分子プローブ」は、あらゆる検出可能な分子、または生体分子と反応に際し検出可能なシグナルを生成する分子である。「反応する」は、結合する、ラベルを付ける、または酵素反応を開始することを含む。そのような検出可能な分子プローブは、検出可能な結合試薬により認識され得る。この文脈において、「検出可能な結合試薬」は、測定を望む分析物に付随した分子プローブを特異的に認識して相互作用または結合する薬剤を指し、その薬剤は結合した場合に検出を可能にする特性を有する。「特異的に認識して相互作用する」は、結合試薬が、サンプル中に同様に存在するその他の分析物を実質的に排除して、測定を希望する分析物に付随した分子プローブと相互作用することを意味する。検出可能な結合試薬は、直接検出できる固有の特性を持つことができるか、または検出可能な分子部分で標識付けできる。本明細書で用いられる場合、「検出可能な分子部分」は特定な方法または複数の方法により結合試薬の検出をもたらす結合試薬と付着できる分子部分を指す。検出可能な分子部分には、放射性標識体(例えば、32P、35S、125I等)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ等)、および蛍光発色団(例えば、フルオレセイン、アミノクマリン酢酸、テトラメチルローダミン・イソチオシナネート(TRITC)、テキサスレッド、Cy3.0、Cy5.0、緑色蛍光蛋白質、等)、およびコロイド状金属粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、その方法には、脱架橋された分析物中のその他の結合(例えば、架橋される前の分析物中にある自然発生的結合またはその他の結合)の少なくとも一部分を開裂して、分析物断片を形成するステップが含まれる。次にこれらの分析物断片を分析できる。脱架橋された分析物中の結合の少なくとも一部を開裂するステップは、脱架橋された分析物を酵素または化学的試薬と接触させるステップを含む。好ましくは、例えば、リプシン、ペプシン、プロナーゼ、キモトリプシン、およびそれらの組み合わせのような酵素が使用される。
この開裂ステップは脱架橋の前または後に起こすことができるけれども、この開裂ステップを脱架橋の後に実施することが好ましい。化学的開裂および/または酵素的解裂は、分析物の断片、例えば蛋白質からのペプチドをもたらし、ペプチドは一次構造に依存する方法、例えば質量分析法による分析に受け入れられる。更に、好ましいことではないが、脱架橋ステップは分析物の脱架橋に加えて、断片化ももたらすことができる。
細胞サンプルには、架橋されていないが、続いて脱架橋される分析物を含むことができるもの理解されるべきである。例えば、医薬品、代謝産物、およびビタミンのような特定の分析物は、化学的に架橋されていない場合もある。そのような分析物も、本発明の方法を使用して脱架橋された分析物と同様に分析可能である。
消化物は、例えば質量分析法のような分析法を受けさせることができるか、または消化物の溶出物を取り出しでき、分析法にかけることができる。好ましい実施形態では、その分析法は質量分析法である。
本発明の実施形態において、マススペクトルから得られたデータセットは、デジタルコンピュータに投入され、米国特許第6,675,104号に記載の方法によって分類モデルが形成され得る。前記特許は、本明細書に参照としてそのまま本明細書に組み込まれる。マススペクトルは既知特性を有する組織サンプルから得られるのが好ましい。好ましい実施形態において、分類モデルを形成するのに使用されるデータセットは、「既知」データセットとして特徴付けられる。何故ならば、データセットが分類モデルを形成するために使用される前、生物学的サンプルに付随する生物学的状況が分かっているからである。比較の点で、「未知」のデータセットには、マススペクトルが形成される時に、サンプルが分類モデルによって識別できる生物学的状況を付随しているかどうか不明確なサンプルのマススペクトルから得られるデータが含まれる。未知のデータセットは、診断予定のテスト患者の生物学的サンプルから分類モデルを使用して導出されてよい。一部の環境において、既知のデータセットは「トレーニングデータ」を指す。本発明の一部の実施形態において、分類モデルを形成されるために使用されるデータセットは未知のデータセットであってよい。
本発明の実施形態において、使用される各々の細胞サンプルは2つ以上のクラスセットであるクラスに帰属されるかまたは帰属される予定であり、各クラスは異なった生物学的状況によって特徴付けされる。例えば、サンプルの第一クラスは例えば疾患状態の生物学的状況を付随してよい。第二クラスのサンプルのマススペクトルは、例えば疾患状態でない生物学的状況を付随してよい。第一クラスおよび第二クラスのサンプルはクラスセットを形成してよい。それぞれのクラスの各々に由来するマススペクトルは、第一クラスと第二クラスを区別するデータを含むことができる。
本発明の実施形態において、分析されたマススペクトルの中の各々のマススペクトルは、飛行時間の関数としてのシグナル強度データ、飛行時間から導出された値(例えば質量対電荷比、分子量等)、質量対電荷比、または質量対電荷比から導出された値(例えば、分子量)を含むことができる。当技術分野の当業者に知られているように、飛行時間質量分析計から得られる質量対電荷比の値は、飛行時間の値から導出される。質量対電荷比は別の方法でも得ることができる。例えば、質量対電荷比を測定する飛行時間質量分析計を使用する代わりに、4重極分析器および磁気質量分析器を用いた質量分析計を使用し質量対電荷比を測定できる。
好ましい実施形態において、各々のマススペクトルは質量対電荷比の関数としてシグナル強度データを含む。代表的なスペクトラル表示タイプのマススペクトルにおいて、シグナル強度データは質量対電荷比の関数としてシグナル強度グラフ上に「ピーク」の形である。各々のピークは底部と頂点を有し、ピーク幅は底部から頂点に向かって狭くなる。通常、質量対電荷比はピークの頂点に対応するピーク値と関連付けされる。同様に、一般的にピークの強度はピーク頂点と関連付けされる。
一般的に、質量対電荷比は、潜在的マーカーの分子量に関連する。例えば、潜在的マーカーが+1の電荷を有する場合、そのとき、質量対電荷比は、シグナル強度によって表される潜在的マーカーの分子量に等しい。従って、いくつかのマススペクトルプロットは分子量の関数としてシグナル強度を示すことができ、一方、分子量パラメータは事実上質量対電荷比から導出される。
本発明の明細書の説明の中で多くの特別の実施例は質量対電荷比の使用を言及しているが、質量対電荷比の代わりに飛行時間または飛行時間値から導出されるその他の値が、特別に説明された例示的実施例のどれにおいても使用できることは当然である。
データセットはどの適切なデーダも含むことができ、自動的にまたはマニュアルでデジタルコンピュータに投入できる。データは、デジタルコンピュータ上で分類処理実施により処理される前に、なまのままであっても、または事前処理されていてもよい。例えば、マススペクトル中の事前設定の質量対電荷比におけるシグナルのなまの強度(raw intensities)は、データセットとして使用できる。或いは、なまのデータ(raw data)は分類モデルが形成される前に事前処理されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、マススペクトル中のシグナル強度の対数値(例えば、基底2)がデータセットを形成するために使用できる。
データセットはコピュータ中に投入される。分類処理を実施するコンピュータコードは、データセットを形成するために使用できる。例示的な分類プロセスには、例えば分類プロセスと回帰ツリープロセスのような階層分類処理、例えばクラスタ解析のような多変量統計解析、およびニューラルネットワーク解析のような非線形処理が挙げられる。好ましい実施形態では、データセットは、分類ツリーおよび回帰ツリーのような分類モデルを生成するために分類処理および回帰ツリー処理を用いて処理される。これらの、およびその他の分類プロセスおよび分類モデルを以下により詳細に記述する。
生成される分類モデルは予測的であっても記述的であってもよい。例えば、モデルは未知のテスト用生物学的サンプルが特定の生物学的状況を付随しているか、いないかを予測するために使用できる。代わりにまたは追加として、分類モデルに問い合わせて、分析される生物学的状況を区別するデータの中にある特徴を同定することができる。特徴には、分析される特定のクラスを区別できるマススペクトルのあらゆる態様が含まれる。同定できる適切な特徴には、シグナル強度または1つ以上の質量対電荷比におけるシグナル強度範囲、シグナル形状(例えばピーク形状)、シグナル面積(例えばピーク面積)、シグナル幅(例えば、ピーク底部におけるピークの幅)、各々のマススペクトル中のシグナル数等が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な実施例において、分類モデルは、所与の質量対電荷比における特定のシグナル強度のような特徴が、疾患サンプルを非疾患サンプルから区別することを示すことができる。更に別の実施例において、分類モデルにより、特徴の組み合わせが疾患サンプルを非疾患サンプルから区別することを示される可能性がある。例えば、異なった質量対電荷比における2つ以上のシグナルに対する強度範囲が疾患状態を非疾患状態から区別できる可能性がある。
本明細書で用いられる場合、サンプルの「生物学的状況」は、サンプルの生物学的特徴、またはその器官、またはそれからサンプルが取り出されるソース、を特徴付けるあらゆる特徴を指す。特徴は遺伝子形質または表現形質のような生物学的形質であることができる。特徴は、例えば感染症を含む特定の疾患の有無のような生理学的形質または疾患形質であることができる。同様に、特徴は、それに対してサンプルが曝される条件(環境的、社会的、心理学的、時間依存的、等)であることができる。
遺伝子形質には、特定の遺伝子の、または遺伝子の多形性の形態の、または遺伝子組み合わせの、存在は不在が挙げられる。遺伝形質は、表現形質として表されるか、または例えば、特定の疾患(例えば、特定の癌または心臓疾患に対する性向)に対する感受性のような病状発現の感受性として存在する可能性がある。
表現形質には、外見、生理学的形質、身体的形質、神経学的状態、精神状態、例えば、或いは特定の医薬品に対する応答または応答の欠如の応答的特徴、が挙げられる。表現形質には、疾患形質を含めて、いわゆる「正常の」または「疾理の」形質の有無を含めることができる。別の状況は、特定疾患の有無である。同様に、状況は、特定の個人が、または例えば異なった個々人、異なった家族、異なった年齢状態、異なった種、および異なった組織のタイプのような群が、属する状態であることができる。
いくつかの実施形態において、生物学的状況は、例えば、疾患状態、正常状態、疾患的状態、医薬品使用状態、医薬品不使用状態、医薬品の応答者状態、医薬品の非応答者状態、および良性状態、のあらゆる適切な組み合わせの1つ以上であってよい。医薬品状態にはかって医薬品を服用していた患者の状態を含めてよい。一方、非医薬品状態には、患者が医薬品を服用していなかった状態を含めてよい。医薬品応答者状態は、医薬品の使用に応答する生物学的サンプルの状態である。疾患状態の特別の例には、例えば、癌、心臓疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染、アルツハイマー疾患、糖尿疾患、が挙げられる。更に特殊な発癌状態には、例えば、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、結腸癌、および卵巣癌が挙げられる。生物学的状況には、同様に、初期状態、中期状態、および末期状態を挙げてよい。例えば、異なった生物学的状況には、例えば、癌の初期状態、中期状態、および末期状態を挙げてよい。
その他の状況には、それに対して異なったクラスのサンプルが曝される異なった環境と関連付けできる。例示的な環境には、熱曝露、電磁波照射、運動、ダイエット、地理的配置、などによる例えば治療に関する1つ以上の条件を含めることができる。例えば、生物学的サンプル(例えば全ての血液サンプル)のあるクラスは、放射線治療を受けた患者の群からであってよく、そして生物学的サンプルの別のクラスは放射線治療を受けなかった患者由来であってもよい。放射線源は、例えばX線装置のような意図した照射源であってもよいし、または例えば携帯電話のような意図しない照射源であってもよい。別の例において、1つの群の人は食物に関する特別なダイエット中であり、別の群では異なったダイエット中であってよい。
本発明の別の実施形態において、異なった生物学的状況は、それぞれ異なった医薬品または医薬品タイプに付随したサンプルに対応していてよい。例示的な例において、効用既知の医薬品で治療されたヒトからのサンプルのマススペクトルが生成される。効用既知の医薬品に付随するマススペクトルは、効用既知と同じタイプの医薬品を代表してよい。例えば、効用既知の医薬品に付随するマススペクトルは、同一のまたは類似の特性、構造、または効用既知の医薬品と同じ基本的効用、を有する医薬品を代表してよい。例えば、多くの異なった鎮痛性の化合物は、全てヒトに疼痛緩和を与える。効用既知の薬剤および同一のまたは類似のタイプの薬剤は、全てヒトの中で同一の生化学的経路を調節し、ヒトに同一効果をもたらすことができるであろう。生物学的経路(例えば上方制御または下方制御の蛋白質)の特徴は、マススペクトルの中で反映され得る。
分類モデルは、効用既知の医薬品に付随したマススペクトル及び異なった医薬品と、異なった医薬品タイプと、または医薬品を全く使用しない場合と、に付随したマススペクトルを使用して生成できる。ひとたび分類モデルが作り出されると、次に未知の効用の候補医薬品に付随する候補サンプルに対して、マススペクトルが生成できる。分類モデルを使用して、候補サンプルに付随するマススペクトルは分類される。分類モデルは、候補サンプルが効用既知の医薬品と関連しているか、または別のタイプの別の医薬品に関連しているかを決定できる。例えば、分類モデルが候補サンプルを効用既知の医薬品と関連していると分類する場合、その際候補医薬品は効用既知の医薬品と同じ効果をヒトに与える可能性がある。従って、本発明の実施形態は、とりわけ医薬品の発見および/または医薬品の特徴付けのために使用できる。
本発明の実施形態において、気相イオン分光計がマススペクトルを生成するために使用できる。「気相イオン分光計」は、サンプルが気相中にイオン化された時、形成されたイオンの質量対電荷比に転換できるパラメータを測定する装置を指す。これには、例えば、質量分析計、イオン移動度分光計、またはイオン電流測定装置が挙げられる。
質量分析計は好適なイオン化技術のどれでも使用できる。イオン化技術には、例えば、電子イオン化法、高速原子/イオン衝撃法、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化法(MALDI)、表面増強レーザ脱離/イオン化法(SELDI)、またはエレクトロンスプレイイオン化法が挙げられる。
一部の実施形態では、イオン移動度分光計がマーカーの検出および特徴付けに利用できる。イオン移動度分光法の原理は、イオンの異なった移動度に基づいている。具体的には、イオン化によって生成されたサンプルイオンが電界の影響下にあるチューブを通過する時、例えば、質量、電荷、または形状における違いが原因で異なった速度で移動する。イオン(一般的には電流の形で)は、検出器で記録され、次いで検出器の出力の結果がサンプル中のマーカーまたは別の物質を同定するために使用される。イオン移動度分光法の1つの利点は、それが大気圧で実施できることである。
好ましい実施形態において、レーザ脱離飛行時間型質量分析計がマススペクトルを生成するために使用される。レーザ脱離分光法は、例えば蛋白質のような高分子量物質を分析するのに特に好適である。例えば、MALDI法の実用的な質量範囲は4.98E−19g(300,000ダルトン)以上まで可能である。更に、レーザ脱離法は複雑な混合物の分析に使用でき、かつ、高感度を有する。加えて、蛋白質の断片化の可能性は、MALDI法のようなレーザ脱離法がその他の質量分析法プロセスよりも低い。従ってレーザ脱離法は、蛋白質のような高分子物質の正確な特徴付けおよび定量に使用できる。
マススペクトルを生成するための一般的プロセスにおいて、マーカーを備えたプローブが質量分析計の投入システム中に導入される。次いでマーカーがイオン化される。イオン化されたマーカーが生成された後、生成されたイオンはイオン光学装置により収集され、次いで質量分析器が通過するイオンを分光し分析する。質量分析器を出たイオンは検出器で検出される。飛行時間質量分析器において、イオンは短い高電圧電場を通過して加速され、高真空室の中に押し流される。高真空室の遠方端において、加速されたイオンは異なった時間で検出器の感応表面に衝突する。イオンの飛行時間はイオンの質量対電荷比の関数であるので、イオン化と衝突の間の経過時間を利用して、特定の質量対電荷比の分子の存在または不在を確認できる。次いで、飛行時間データは質量対電荷比に転換され、質量対電荷比の関数としてマーカーのシグナル強度を示すスペクトルを作成することができる。
マーカーの脱離と検出により作成されたマススペクトルは、マススペクトルプロットを作成する前または後でデジタルコンピュータを使用して事前処理され得る。データ解析には、検出されたマーカーのシグナル強度(例えば、シグナルの高さ)を決定するステップ、および「異常値」(事前設定した統計的分布から外れたデータ)を削除するステップを含めることができる。例えば、観測データを規格化できる。規格化はある基準に対する各シグナルの高さを計算するプロセスである。例えば、基準は、装置および化学物質(例えば、エネルギー吸収分子)により生成されるバックグラウンドノイズであることができ、それをスケールの中でゼロに設定できる。次いで、各マーカーまたはその他の物質に対する検出シグナル強度は、所望のスケール(例えば100)の相対強度の形で表示できる。或いは、標準物質をサンプルと共に入れて、標準物質からのシグナルを基準として使用し、検出された各マーカーマまたはその他の観測マーカーに対する観測シグナルの相対強度を計算することができる。
データセットの形成
マススペクトルが得られた後、既知のデータのようなデータセットが形成される。データセットには、生物学的サンプルのクラスセットのマススペクトルから得られたデータが含まれる。データセットを形成するマススペクトルは、なまの、未処理のデータであり得る。例えば、マススペクトルからの、同定された質量値におけるなまのシグナル強度値は、データセットを形成するために使用できる。別の例では、マススペクトルからのなまのシグナルパターンがデータセットを形成するために使用できる。
代替の実施形態では、データが分類モデル形成に使用される前に事前処理される場合がある。そのときは、マススペクトルは、分類モデルの形成に使用される前にあらゆる適合様式で処理されてよい。例えば、マススペクトル中のシグナルは、シグナル強度の対数値をとること、異常値を削除すること、潜在的マーカーに関連していると思われないシグナルを削除すること、強度の低いシグナルを削除すること、等により処理されてよい。
幾つかの実施例において、データセットには、各々のマススペクトルの特定パターンに関わるなまのパターンデータまたは事前処理パターンデータが含まれてよい。例えば、多数のシグナルピークを含むマススペクトルに関して、シグナルピークのパターンにはマススペクトルを作成するのに使用される生物学的サンプルのフィンガープリントが構成される場合がある。分類プロセスは、別個のスペクトルを、分類モデルにより区別されたそれぞれ異なるクラスの中のスペクトルに共通しているパターン、またはパターン区分に従って区別されたスペクトルを分類できる。例えば、神経回路網プログラムのようなコンピュータプログラムは、既知の生物学的状況に付随する既知サンプルの複数のマススペクトルを受け入れることができる。神経回路網をマススペクトルデータで訓練し、神経回路網がそれぞれ異なったクラスに属するマススペクトルパターン同士を区別できるようにできる。次いで訓練された神経回路網は、マススペクトル中のパターンに基づいて未知サンプルに付随するマススペクトルを分類するために使用できる。
その他の実施形態において、データセットにはマススペクトル中のシグナル強度に付随するデータが含まれる。これらの実施形態では、各々のマススペクトル中の幾つかのシグナルまたは全部のシグナルはデータセットを形成するために使用されてよい。例えば、スペクトル一覧形のマススペクトルにおける全てのシグナル(例えばピーク)よりも小さい強度はデータセットを形成するために使用され得る。好ましい実施形態では、質量対電荷比が同定され、そして同定された質量対電荷比はマススペクトルからシグナルを選択するために使用される。これらの選択されたシグナルの強度は、データセットを形成するために使用できる。データセットを形成するために、各々のマススペクトルにおける全シグナルよりも少ないシグナルからのデータを使用することによって、処理される予定のデータポイントの数が減少でき、その結果データ処理ステップはより迅速に起こる。受諾可能なマーカーを示す可能性の少ないシグナルのデータはデータセットから除外されてよい。
質量対電荷比はあらゆる方法を用いて同定できる。例えば、質量対電荷比は、異なった生物学的状況を有するクラスのマススペクトルを比較することによって同定できる。クラスを区別できる可能性のあるシグナルの質量対電荷比が選択できる。比較はマニュアルで実行でき(例えば目視比較)、またはデジタルコンピュータを用いて自動的に行うことができる。例えば、異なったクラスのサンプルに付随するマススペクトルは互いに目視で比較でき、あるサンプル由来のマススペクトルにおけるある質量対電荷比におけるシグナル強度が、異なったサンプル由来のマススペクトルにおける同一の質量対電荷比おけるシグナルよりも顕著に大きいか、または小さいかを決定でき、従って異なった発現の可能性を示すことができる。これらのシグナル区別が起こる質量対電荷比が選択されてよい。
代わりにまたは追加的として、第一選択の特定のシグナルまたはシグナルクラスタに対して、特定の事前規定の基準を設けることができる。選択されたシグナルクラスタは、次いで特定の質量対電荷比を同定するために使用できる。例えば、特定のシグナル強度閾値の上または下の、あるシグナル強度または平均的シグナル強度を有するシグナルまたはシグナルクラスタを自動的に選択できる。次いで、これらの選択されたシグナルまたはシグナルクラスタに付随する質量対電荷比が同定される。
質量対電荷比が同定された時点で、強度値が、全てのマススペクトルに対して同定された質量値における各々のシグナルに対して決定される。各々のシグナルに対する強度値は、絶対値の大きさの影響を排除するために0〜100で規格化される。次いで、各々の規格化シグナル強度に対して対数(例えば基底2)がとられる。シグナル強度の対数値をとることにより、測定由来のゆがみが排除される。
対数の規格化されたデータセットは、次いで分類プロセスで処理され、デジタルコンピュータで執行されるコードによって実施される。コードがデジタルコンピュータによって執行された後、分類モデルが形成される。
分類モデルの形成
デジタルコンピュータによって執行できるコードによって実施される分類プロセスはデータセットを処理できる。コードはデジタルコンピュータで執行されることができ、分類モデルを生成できる。コードは、あらゆる適切なコンピュータ可読媒体に格納されてよい。コンピュータ可読媒体の例には、磁気の、電子の、または光学の、ディスク、或いはテープ、或いはステイック、或いはチップ、などが挙げられる。またコードは、C、C++などを含む好適なコンピュータプログラミング言語で記述できる。
デジタルコンピュータは、例えば、WINDOWS(登録商標)オペレーティングシステムに基づいた、通常の、または特殊なオペレーティングシステムのどれかを使用した、マイクロの、ミニの、または大型の、コンピュータであってよい。別の実施形態では、デジタルコンピュータは、単純に1つまたはそれ以上のマイクロプセッサーであってもよい。デジタルコンピュータはマススペクトルを生成するために使用される質量分析計と物理的に分離していてもよい。或いは、デジタルコンピュータは質量分析計と結合されたり、または物理的に組み込まれていてもよい。マススペクトルデータは、質量分析計からマニュアルでまたは自動的にデジタルコンピュータに送信できる。例えば、一実施形態では、複数のマススペクトルから最初に既知データセットを得ることができる。次いで既知データセットは、分類プロセスを実施するデジタルコンピュータのランニングコードの中にマニュアルで投入できる。別の実施形態において、マススペクトルデータの作成および/または収集、データの事前処理、および分類プロセスによる事前処理データの処理が、同一の物理的計算処理装置を使用して実行できる。
本発明の実施形態において、追加的なデータが分類モデルの形成に使用できる。追加的データはマススペクトルと関連してもしていなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、事前に存在するマーカーデータが既知のデータセットに追加して使用でき、分類モデルを形成できる。
どの好適な分類プロセスも本発明の実施形態において使用できる。例えば、分類プロセスは分類および回帰ツリープロセスのような階層的分類プロセスまたは多変量統計解析であってよい。多変量統計解析は、幾つかの変数間のパターン関係を同時に検査する。多変量統計解析の例には、例えば、識別関数解析およびクラスタ解析のような公知のプロセスが挙げられる。
本発明の実施形態において、分類プロセスには例えば、分類ツリーと回帰ツリーのような階層的な、再帰分割法が挙げられる。本発明の実施形態において、分類ツリーおよび回帰ツリーはデジタルコンピュータによって執行できるコンピュータコードによって実施される。本発明と共に使用するにふさわしい代表的な分類ツリーおよび回帰ツリープロセスの例は、米国特許第6,675,104号に記載されているものが挙げられ、それはそのまま参照として本明細書に組み込まれる。
分類モデルは未知サンプルを生物学的状況に分類するために使用できる。この方法では、テストサンプルのマススペクトルが特定の生物学的状況に付随した分類モデルと比較され、サンプルが適正に生物学的状況に分類できるかどうかを決定できる。未知の生物学的状況のサンプルのマススペクトルが得られ、そして未知のサンプルのマススペクトルから得られたデータはデジタルコンピュータに投入されることができる。投入されたデータは分類モデルを使用して処理され得る。次いで分類モデルは未知のサンプルを特定のクラスに分類してよい。分類モデルはそれに付随した特定の生物学的状況を有していてよく、そしてそのヒトは特定の生物学的状況を有していると診断され得る。
この方法は臨床応用に特別な用途がある。例えば、医薬品開発のプロセスにおいて、生物学的システムの中で候補とする分子が特定の医薬品または医薬品のクラス(例えば、セラトニン再取り込み阻害薬のクラス)と同じ生理学的結果を生成するかどうかを決定することを希望する可能性がある。分類モデルは、対象とする医薬品または医薬品のクラス(例えば、ヒトまたは試験動物)に対する曝露に基づいて生物学的システムを識別するモデルとして最初に作製される。次いで、生物学的システムはテスト分子に曝露され、そしてシステムからのサンプルのマススペクトルが作成される。次いで、このスペクトルはテストされている医薬品に対して、既知のドラッグまたはドラック群の分類に属しているか否かに分類される。候補分子がそのクラスに帰属される場合、この情報は医薬品について更なる研究を行うかどうかを決定するのに役立つ。
分類モデルには、種々の毒性および非毒性の生物学的状態を識別するというその他の応用可能性が挙げられる。ヒトの間で特定の医薬品に対して応答患者であるか非応答患者であるかを識別する分類モデル、および/または罹病した人を罹病してない人と区別する分類モデルである。従って、この方法は臨床診断に有用である。
一実施形態は癌の分析に関する。病理学者は、癌を組織的外観によって等級分けする。低悪性度の癌の特徴には、核/細胞質比における軽度な増加を伴った核の拡大、少数の有系分裂、細胞学的に軽度な不均一性、および一般的に正常構造の保持が挙げられる。高悪性度の癌の特徴には、高い核/細胞質比を有し、拡大し奇異な様相の核、増加した数の有糸分裂、幾つかは異型に見える、および正常な構造とは殆どまたは全く類似しない、が挙げられる。未疾患由来の、低悪性度癌由来の、および高悪性度癌由来の生物学的サンプルを区別する分類モデルを作製することは有用である。この診断は治療方針の決定および予後を予想できることが多いからである。サンプルは固形の組織生検片、または疑われる疾患部位の細い注射針の穿刺液であることができる。しかし、別の実施形態では、例えば、尿、血液、または別の体液のようなテストされる個々人の群由来のより容易に収集される源から、サンプルを取り出すことができる。これは細胞または蛋白質を体液中に分泌する癌、例えば、膀胱癌、前立腺癌、および乳癌のような癌に特に有用である。これらの状態に対して、分類モデルを確立することにより、モデルを使用し、診断試験を受ける人からのサンプルを分類することができる。別の応用には、特定の身体的形質または病態的でない病理学的形質を有する個人のクラス同士を区別する分類モデルの作製がある。その結果、形質を有することが不明の個人は、その人からのサンプルをテストし、そしてスペクトルを形質を有するクラスの内、または形質を有するクラスの外に分類することによりクラス分けできる。
同様に分類モデルは、未知のサンプルが生物学的状況によって特徴付けられるクラスに属しているとして正確に分類する可能性を推測するためにも使用できる。例えば、分類ツリーおよび回帰ツリーにおいて、潜在的な誤分類の可能性が測定できる。例えば、疾患状態を非疾患状態から区別する分類ツリーおよび回帰ツリーにより、患者由来の未知のサンプルが分類される。
コンピュータ可読媒体を備えるシステム
本発明の幾つかの実施形態は、コンピュータ可読媒体を備えるシステムに関する。コンピュータ可読媒体は、デジタルコンピュータによって執行される予定の命令を格納するために使用できる。
質量分析計は、デジタルコンピュータと物理的にまたは電気的に結合しないで、デジタルコピュータを作動可能な状態で使用することができる。例えば、質量分析計からのデータを得ることが(上記のように)できるし、次いでそのデータを人の操作によってマニュアルまたは自動的にデジタルコンピュータに投入できる。別の実施形態では、質量分析計により、データ処理されるデータを自動的にデジタルコンピュータに送ることができる。例えば、質量分析計は、1つ以上の生物学的サンプル由来のなまのデータ(例えば飛行時間データ)を作成できる。そのデータは次いで、事前処理または処理を実行できるデジタルコンピュータに送ることができる。データを処理するための命令は、コンピュータ可読媒体から得ることができる。質量分析計からのデータが処理された後、出力結果が作成され、デイスプレイに表示される。
コンピュータ可読媒体には、質量分析計からのデータを処理するためのあらゆる適切な命令を収容してよい。例えば、コンピュータ可読媒体には、未知の生物学的サンプルから得られたデータをデジタルコピュータに投入するためのコンピュータコードを含むことができる。次いでそのデータは、分類モデルを使用して処理されてよい。分類モデルは、未知サンプルが生物学的状況により特徴付けられるクラスに、正確にクラス分けされる可能性を推測してよい。
サンプルの調製
一態様において、サンプルは組織のサンプルである。組織サンプルは化学的に固定されたパラフィン包埋の組織、そして特にホルマリン固定されたパラフィン包埋組織から得ることができる。本発明に従った化学的に固定されたパラフィン包埋組織サンプルは、典型的には、組織および/または細胞に由来する1つ以上の切片を含む。好ましくは各サンプルは、少なくとも1つの既知の生物学的特徴(例えば、組織タイプ、または細胞タイプまたは提供患者等)を有する。
組織はマイクロアレイの形態であり得る。それは、例えば、コノーネン(Kononen)等、1998年、Nat. Med. 4巻844−7頁に記述される。マイクロアレイの作製は、例えば、国際公開番号WO99/44062号、同WO99/44063号、および米国特許第6,136,592号に記載のものである組織マイクロアレイ作製機を使用して、部分的自動または完全自動で行える。
また、細胞を得て、1つ以上のサンプルを提供することができる。一般的には、細胞は、遠心分離によってパラフィン切片に形成される。細胞は、組織由来の細胞懸濁液から(例えば、解剖組織からの切片組織細胞懸濁液から)、体液から(例えば、血液、血漿、血清、等)、粘膜剥離物から(例えば、頬剥離物または、パップスメア)、および/または気管支洗浄、羊水穿刺処置、および/または白血球分析法などのその他の手順から得ることができる。幾つかの態様では、サンプルの一部を作るのに先立って、最初に細胞を培養して分析予定の細胞個体数を増加させる。一次細胞系からのおよび/または幹細胞からの連続的に成長する細胞系からの細胞も同様に使用できる。
一態様では、サンプルは単一個体からの複数の組織/細胞を含む。即ち、サンプルはある個体の「全身」に相当するマイクロアレイである。組織は、皮膚、神経組織、心臓組織、肝臓組織、胃腸組織、大腸組織、結腸組織、小腸組織、食道組織、肺組織、脾臓組織、すい臓組織、腎臓組織、生殖器由来組織(男性または女性)、副腎組織、等からなる群から選択できる。単一器官の解剖学的または組織学的に異なった位置に由来する組織も同様に得ることができ、例えば、器官が脳の場合では、小脳、大脳、および髄質から得ることができる。幾つかのマイクロアレイは、器官系を代表するサンプル(即ち、一つの器官系の中にある多数の器官由来サンプルを含む)、例えば、呼吸器系、泌尿器系、腎器官系、心臓血管系、消化器系、生殖器系(男性または女性)を含む。好ましい態様では、全身のマイクロアレイは患者の体液(例えば血液サンプル)由来の細胞サンプルを追加の形で含む。
同様にマイクロアレイは、形質を共有する個体由来の複数の細胞を含むことができる。例えば、共有される形質は、性別、年齢、病理学、病理学的疾病素因、感染性疾患への曝露(例えばHIV)、近親関係、同じ疾患による死亡、同じ医薬品による治療、化学療法への曝露、放射線治療への曝露、ホルモン療法への曝露、外科手術への曝露、同じ環境条件への曝露(例えば、発癌物質、汚染物質、アスベスト、トリクロロエチレン(TCE)、過塩素酸塩、ベンゼン、クロロホルム、ニコチン等)、同じ遺伝的変化または変化群、同じ遺伝子または遺伝子セットの発現(例えば、HLA対立遺伝子の特定セットのような共通のハプロタイプ(haplotype)を共有する個体由来のサンプル)等、であり得る。
サンプルは次の疾患状態または病的状態の個体から得られるが、それらに限定されない。血液疾患、血液脂質疾患、自己免疫疾患、骨または関節疾患、心臓血管疾患、呼吸器疾患、内分泌系疾患、免疫疾患、感染性疾患、筋肉消耗および全身消耗疾患、神経変性および/または神経精神疾患を含む神経疾患、皮膚疾患、腎疾患、硬皮症、脳卒中、遺伝性出血性末梢血管拡張症、糖尿病、糖尿病に伴う疾患(例えばPVD)、高血圧症、ゴーシェ疾患、すい嚢胞性繊維症、鎌状赤血球貧血症、肝臓疾患、膵臓疾患、眼疾患、耳疾患、鼻疾患および/または咽喉疾患、生殖器を冒される疾患、胃腸疾患(結腸疾患、脾臓疾患、虫垂、胆嚢、およびその他の疾患を含む)等、が挙げられる。ヒトの極期疾患の更に詳しい考察は、「ヒトにおけるメンデル遺伝:ヒト遺伝子および遺伝子障害の要覧」、ビクター A. マククジック(Victor A. McKusick)著、(第12版(3巻セット))、1998年6月、ジョン ホプキンス大学出版、ISBN:0801857422)を参照。個体群統計学的にマッチした正常個体由来のサンプル、および/または疾患を有する患者からの非疾患組織由来のサンプルが、コントロール試験を提供するために、同じマイクロアレイまたは別のマイクロアレイに配置されることが好ましい。
好ましい一態様において、サンプルは、例えば癌のような細胞の増殖性疾患の異なった段階を表す複数の細胞が含まれるマイクロアレイフォーマットで提供される。この文脈において、「細胞の増殖性疾患」は、所与のタイプのまたは所与の組織の細胞数において、何らかの異常性増加または迷走性増加が目立つ状態である。癌は細胞増殖性疾患の典型として考えられることが多いが、例えば、アテローム性動脈硬化症、再狭窄症、乾癬症、炎症性疾患、幾つかの自己免疫異常(例えば、リウマチ性関節炎)のような疾患でさえも細胞の異常増殖によって引き起こされ、従って細胞増殖性疾患の例である。
一態様において、疾患の一次ターゲット(例えば腫瘍サンプル)を含むサンプルに加えて、マイクロアレイには二次組織/細胞への癌の転移を表すサンプルが含まれる。マイクロアレイには、異常に増殖した組織が得られた同一患者の正常組織が、同様に含まれていることが好ましい。幾つかの態様において、少なくとも1つのマイクロアレイには癌細胞の細胞系(一次または連続細胞系のどちらか)からの細胞が含まれる。サンプルは、単一細胞種(例えば、小さいフォーマットまたは極微小のフォーマットのマイクロアレイにおけるように)を含有する均一系であるか、または異常増殖性細胞に加えて少なくとも1つの追加的タイプの細胞または細胞材料(例えば、サンプルが一般的に0.6mm直径よりも大である大きなフォーマットのマイクロアレイにおけるように)を含有する不均一系であることができる。例えば、サンプルには、異常に増殖する細胞と、線維性組織、炎症性組織、壊死細胞、アポートシス細胞、正常細胞、などの中の少なくとも1つとを含むことができる。
本発明の好ましい態様において、組織および/または細胞のサンプルはヒトの標本を含むけれども、本発明の一態様においては別の生物体からの分析物が使用される。一態様においては、疾患またはその他の病的状態のモデルを提供する非ヒト動物の組織が使用される。サンプルが慢性疾患の動物モデルからの標本に相当する場合、サンプルはマイクロアレイの形であることができ、マイクロアレイには疾患の異なった段階を表す、例えば、緩解期または憎悪期にある動物由来の、標本を含む。追加としてまたは代替として、マイクロアレイには、疾患または病状を処置する治療法(例えば、医薬品療法、抗体療法、蛋白質療法、アンチセンス療法、それらの組み合わせ、等)に曝露された疾患または病状を有する非ヒト動物由来の組織を含むことができる。幾つかの態様において、非ヒト動物は、外来性の核酸を含有する少なくとも1つの細胞を含むことができる(例えば、動物は、遺伝子組み換え動物、キメラ動物、ノックアウトまたはノックイン動物であってよい)。好ましくは、非ヒト動物由来のアレイには、そのような非ヒト動物由来の多数の組織/細胞のタイプが含まれる。一態様では、異なった発達段階における組織/細胞が使用される。
別の態様において、植物からのサンプルを使用することができ、それらは例えば、シューマッハー(Schumacher)U.、「ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋材料を使用した植物組織における細胞増殖の免疫組織化学的評価」、Acta.Histochem.、1995年5月、97巻(3)291−4頁、に論じられている。サンプルには、ライフサイクルの中における異なった段階にある植物の、および/または異なったタイプの植物組織を含むマイクロアレイを含んでもよい。一部の態様において、植物のサンプルは外来性の核酸(例えば、植物は遺伝子組み換え植物であってよい)を含有する少なくとも1つの細胞を含むことができる。
一実施形態において、ホルマリン固定パラフィン包埋の組織切片が得られ、H&Eで染色される。染色された切片をガイドとして使用して、サンプリングのため組織切片上のある領域を選択する。一部の態様では、H&E等の標準的な組織または細胞染色による染色が対象とする細胞または組織領域を同定するのに好適な場合もあるが、一方その他の態様では、組織の切片は、切片で表されるサンプルの中の1つ以上の生物学的特性の発現(例えば、目的とする、遺伝型、転写物、またはペプチド、ポリペプチドまたは蛋白質の発現)を評価される。特定の生物学的特徴を発現するまたはしない対象の領域が同定できる。
一実施形態において、サンプルは組織サンプルの切片をスライスして(即ち、サンプルの長手方向に対して横方向に組織サンプルからカットして)、しわの発生が無いように基材上に落として調製される。好ましくは、各組織サンプルから2〜20ミクロンの厚さの150〜300枚の切片が作製される。より好ましくは、切片は4〜12ミクロン厚さである。
幾つかの実施形態において、組織サンプルの表面に粘着フィルムを配置して、スライス後に切片を平らに保持し、切片に引き裂きやしわを発生させないで、切片をより容易に基材に移動させる表面を提供する。次いで、その接着性裏打ち材料上の切片を、基材切断面を下側にして移動させ、そして粘着フィルムを切片から引き剥がす。粘着剤フィルムおよび接着剤塗布スライドは、両方ともインスツルメデックス社、ハッケンサック、ニュージャージー州、から得られる(例えば、CRAYOJAN テープ移動システムを参照)。
組織サンプルは、位置決めのために既知のパターンで基材上に導入されることが好ましい。例えば、基材サイズがアッセイ実施に使用予定寸法に減少された時点で、サンプルの初期の開始位置と最終位置を相関させるために、サンプルの初期位置が分かっていなければならない。例には、ラベル付け、染料の使用等が挙げられる。
基材上に配置された時点で、化学的架橋(即ち、例えばホルマリン等の化学架橋試薬によって架橋され形成されるもの)の少なくとも一部を逆転することによって、組織サンプルは処理される。これは、従来より抗原回復ステップとして知られる。そのようなプロセスは、シ(Shi)S−R、コート(Cote)RJ.、テイラー(Taylor)CR.、「抗原回復免疫組織化学:過去、現在、そして未来」、J.Histochem. 1997年、45巻(3)、327−343頁に記載される。この脱架橋ステップの間、化学的固定物は水の存在下、加熱して逆転されるのが一般的である。例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋の組織の脱架橋の間、組織サンプルはクエン酸の存在中pH9.3でスチームに曝される。当技術分野の当業者に知られているように、使用される酸、温度、および/またはpHの変更は、架橋の逆転および抗原回復の度合いを変える結果をもたらす。別のエネルギー源には、例えばマイクロ波エネルギーのような放射線ネルギーが挙げられる。
組織切片は、基材に固定する前または後のどちらかで架橋の逆転プロセス(従来は抗原回復といわれる)を受けさせることができる。好ましい実施形態では、組織切片は架橋逆転(脱架橋)の前にガラススライドのような基材に貼着される。
好ましい実施形態では、次いで脱架橋された分析物を酵素または化学試薬で処理し、例えば蛋白質或いはペプチドのような対象とする分析物中の自然発生的結合、または架橋前から存在していた結合、の少なくとも一部を開裂できる。好ましくは、これにはインサイチュ(in situ)での消化が含まれる。分析物の開裂に好適な酵素には、トリプシン、キモトリプシン、プロナーゼ、およびペプシンが挙げられるが、これらに限定されない。ホルマリン固定パラフィン包埋の組織を備えた一実施形態において、酵素はトリプシンである。結合を開裂させるためのその他の試薬、例えば蟻酸およびシアン化臭素が同様に使用できる。そのような試薬および技法は当技術分野の当業者に公知である。
使用方法
一態様において、本発明に従って分析されるサンプルを使用して、癌特異マーカーまたは癌特異抗原の発現または形成をアッセイする。本明細書で用いられる場合、「癌特異マーカーまたは腫瘍特異抗原」は、癌細胞および腫瘍細胞でそれぞれ優先的に発現し、かつ、癌/腫瘍でない成人個体の細胞中で発現しないかまたはわずかにしか発現しない分析物である。
この関連で、「発現特性の違い」または「示差的に発現される」遺伝子は、所与のポリペプチドの測定可能な発現特性において増加または減少を指す。違いは、定量的な測定(例えば、蛋白質の、または蛋白質をコードするRNAの量)における増加または減少、或いは定性的な測定における変化(例えば、蛋白質の位置)であってよい。
癌特異マーカーは、癌の病理発生に伴うか、またはそれと相関するあらゆる分析物であり、その発現または形態の幾つかの態様が、癌の存在または進行と相関に影響を与え、またはそれと相関する限り、正または負の様式で作用できる。一態様では、分析物の発現レベルは癌の進行または再発の指標を与えるのに対し、本発明の別の態様では、分析物の発現形態は指標(例えば、開裂状態または非開裂状態、リン酸化状態または非リン酸化状態)を与える。
癌特異マーカーは、例えば細胞増殖を促進する細胞生育関連のポリペプチドなどの特徴付けされた遺伝子の生成物であってもよく或いは特徴付けされないかまたは部分的だけに特徴付け(例えば、上記の分子プロファイリング法の使用により同定される)されてもよい。癌特異マーカーの例には、細胞増殖に必要な遺伝子活性化に伴う、成長因子、成長因子受容体、シグナル伝達経路関与物、および転写因子が挙げられるが、これらに限定されない。
増殖関連のポリペプチドの中には、いわゆる腫瘍抗原が含まれる。腫瘍抗原は、非形質転換細胞よりも形質転換された腫瘍細胞によって、大きな度合いまで発現される傾向がある蛋白質マーカーのクラスである。従って、腫瘍抗原は非腫瘍細胞によって発現されるが、通常はより低い濃度であり、または組織または生物体のより早い発達段階中に起こる。腫瘍抗原には、前立腺特異抗原(PSA:オースターリング(Osterling)、J.Urol.1991年、145巻、907−923頁、上皮膜抗原(複数の上皮膜癌:ピンカス(Pinkus)等、1986年、Am.J.Clin.Pathol.85巻、269−277頁、CYFRA21−1(肺癌:ライ(Lai)等、1999年、Jpn.J.Clin.Oncol.29巻、421−421頁、およびEp−CAM(傍大動脈リンパ節癌(pan-carcinoma):チャウバル(Chaubal)等、1999年、Anticancer Res.19巻、2237−2242が挙げられるが、これらに限定されない。追加的な腫瘍抗原には、CA125(卵巣癌)、無処置モノクーロン免疫グロブリンまたは軽鎖断片(骨髄腫)およびヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニット(HCG、肺細胞腫瘍)が挙げられる。
本発明の更なる態様において、癌特異マーカー活性発現の試験によって、癌進行を検出および/またはモニタできる。例えば、一態様において、テロメラーゼの活性をサンプル中のインサイチュ(in situ)でモニタする。テロメラーゼの活性をインサイチュ(in situ)で検出する方法は当技術分野で周知であり、例えば、米国特許第6,194,206号に記述される。
同様に、組織サンプルは同一のまたは別のタイプのサンプルについて、その他のタイプの分析を介して得られた結果との組み合わせで使用でき、またはそれを確認するために使用できる。例えば、本発明の方法は、インサイチュ(in situ)検出および免疫組織化学を用いた可視化とを併用して、または代わりにして分析に使用できる。そのような分析方法には、サンプルのレーザ捕獲顕微解剖(LCM)があり、例えばPCT国際出願番号WO 09917094A2号および同WO 098352A1に記述され、ゲル電気泳動法およびその他があり、それらの全てはPCT国際出願番号WO 02/48674A2に記載される。
同様に、本発明に従って調製された組織サンプルは、疾患と関連している1つまたは複数の分析物と相互作用している医薬品ターゲットを同定するために使用できる。例えば、医薬品ターゲットは病理学的プロセス期間中に過剰発現または過小発現される分子であってよい。医薬品を同定することにより、細胞の/組織の正常な生理学的機能を復元できる医薬品がスクリーニングできる。例えば、医薬品ターゲットは過大発現または過小発現される分子である場合、好適な医薬品は、実質的に医薬品ターゲットの正常なレベルを復元する分子である(例えば、治療用抗体、ポリペプチド、または核酸)。
一態様において、診断用分析物を同定するステップは、マイクロアレイ上のどの分子が、疾患サンプル中に常に実質的に存在しかつ健康なサンプル中に常に実質的に不在であるか、或いは、疾患サンプル中に常に実質的に不在でありかつ健康なサンプル中に常に実質的に存在するか、或いは、疾患サンプル中に特定の形態または量で実質的に常に存在して健康サンプル中に特定の形態または量で実質的に常に存在するか、を測定することにより実行される。「実質的に常に」によって、分析物または分析物のセットの発現/形態と、疾患のような異常な生理学的プロセスの存在との間に、統計学的に顕著な相関があることを意味する。
診断用の分析物または診断用の分析物セットの発現は、好ましくは、医薬品治療された患者由来の組織、および未治療の患者および/または健康な患者由来の組織、を含むマイクロアレイ中で試験される。この態様において、医薬品の効用は、診断用分子の発現プロフィールが、健康な患者または所望の治療効果が得られた患者における同一分析物の発現プロフィールと実質的に同様のプロフィールに戻るかどうかを判定することで、モニタされる(例えば、日常的な統計学的試験による判定で顕著に異なっていない)。本発明の一態様において、組織のタイプ、発達または疾患の段階、患者の疾患歴、家族歴、診断、予後、投薬治療、形態学、合併症、分子的特性の発現(例えばマーカー)、等のいずれかまたは全てに関するデータが記録され、データベースに格納され、得られた組織サンプルに従ってインデックス付けされる。
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書の実施例およびその他の部分におけるすべての部、百分率、比などは特に注記がない限り、重量による。更に、本発明の実施例および明細書の残部において、分子量は注記がない限り、重量平均分子量である。
(実施例1)
組織マイクロアレイは、シアトルのLifeSpan Bioscienceから購入した。購入した特殊なアレイは、多数のヒト資源から採取した多発癌アレイであった。
Figure 0005624079
5個の未染色切片を受け取った。2個はH&Eで染色し、2個は抗原回復後の質量分析に使用した。
抗原回復方法
1.抗原回復は、デンマークのDakoCytomationより入手可能なターゲット回収溶液(Target Retrieval Solution)を使用して実行される。それは、pH6.1を有した(特定されていない量のEDTAで変性された)変性クエン酸緩衝液である。
2.手順は、あらかじめホルマリン固定およびパラフィン包埋された5ミクロンの組織切片を取り出し、付着を増進させるための処理されたスライド(ポり−L−リジン塗布された)の上に配置することを含む。
3.スライドを30〜45分で60℃に加熱する。切片から完全にパラフィンを取り除き、以下の一連の操作によって、脱イオン水で再水和する。
a.脱パラフィンステップを開始する前に、ターゲット回収溶液をBlack & Deckerの野菜蒸し器の中で予備加熱開始する。蒸し器の底部に脱イオン水を最高充満線まで充満する。底部にドリップトレイを配置し、トレイの中に回収溶液の入ったコプリンジャーを配置する。蒸し器のタイマーを75分(溶液の温度は95〜99℃になるべきである)にセットする。
b.溶液のレベルは組織を覆うようにする。蒸し器のタイマーが残り約30分になった時点で次のステップを開始する。
i.加温したスライドをキシレン中に5分間入れる。1度繰り返す。
ii.スライドを無水エタノール中に移し3分間入れる。1度繰り返す。
iii.スライドを95%エタノール中に移し3分間入れる。1度繰り返す。
iv.スライドを70%エタノール中に移し3分間入れる。一度繰り返す。
v.スライドを予熱したターゲット回収溶液の中に移す前に、脱イオン水の中に移し1分間入れる。ターゲット回収溶液は10x濃縮物として購入し、使用前に脱イオン水で希釈する。この時点で蓋が蒸し器に合うようにコプリンの蓋を取り出す必要がある。
vi.スライドを加温したターゲット回収溶液に20分間浸漬する必要がある。
vii.コプリンジャーを蒸し器から注意深く取り出し、コプリンジャーの周りの冷たい生水を流すために流し台の中に放置する。スライドを水道水の流水で20分間冷却する。回収溶液を注ぎ出し、そしてスライドを、脱イオン水を数回交換しながら十分にすすぎ洗いする。
viii.スライドを用いた作業の前に、室温の洗浄用緩衝液中にスライドを5分間入れる。(ここで使用される緩衝液はツーン20を含有する、pH7.6のトリス緩衝食塩水であり、DakoCytomationから10x濃縮物として入手できる。脱イオン水で1:10に希釈した後の溶液には、50mMのトリス−HCl、150mMのNaCl、0.05%のツイーン20、さらに防腐剤が含有される。希釈された洗浄用緩衝液は1週間安定である。)
ix.これで、スライドは分析に使用できる。
抗原回復後のスライドの質量分析
MADLI装置にはスライドは大き過ぎるので、スライドはハンドカットされ、ミルをかけたへこみ区域を有して一般のMADLIプレートに配置可能にされた。組織学的スライドにトリプシン溶液でスポット付けし、4.5時間消化させた。トリプシン消化の後で、残った表面液体および組織学的処理部位をMADLI−TOFによって分析した。加えて、トリプシン処理のない部位をMADLIを用いて分析した。
手順:
消化のポジティブコントロールを、ウマのシトクロムCを使用して実行した。10.0gのシトクロムCを重炭酸アンモニウム緩衝液(ABC)中に溶解含有するサンプルの中に、2.0μgのトリプシン分注液を添加した。このサンプルを37℃で4.5時間消化させた。
トリプシン消化のブランク試験も同様にネガティブコントロールとして実行した。2.0μgのトリプシン分注液を100μLのABC緩衝液と混合し、同一方法で消化させた。
トリプシン消化ステップ
1)100mMのNH4CO3、pH8.1(ABC)を用いて0.5μg/μLのトリプシンのストックを調製した。
2)特定したスポット当たり約1.5μgのトリプシンを添加し、37℃で4.5時間消化させた。(乾燥があるため、20分毎に追加のABC緩衝液を5μL添加した。1時間目にサンプルを加温加湿チャンバーに移し、乾燥問題を軽減させた。サンプルは消化の残り時間を湿潤のままで維持させた。)
3)各々のスポットから表面上の液体をピペットで取り出し、続いてMALDIプレート上にスポット付けした。各々の組織位置を3μLのミリ−Q H2O ですすぎ洗いし、続いて対応したMALDIプレートのウェルにスポット付けした。
4)0.25μLのαCHCAマトリックスを、各々の組織スポットおよびMADLIプレート上の各サンプルに添加した。
5)ポジティブ/ネガティブのコントロール消化および「試験」の消化スポットを使用して、MALDIの設定条件を最適化した。
6)リフレクトロンモードを用いてMALDIプレートサンプルを分析した。また、リニアモードを用いた分析により感度の検証を行った。
7)リニアモードを使用してサンプル位置の組織、およびリフレクトロンモードを使用してMADLIプレートサンプルの分析を継続した。
マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析法(MALDI−TOF MS)を使用して、調製された蛋白質をフィンガープリントした。実施例1〜7について、リフレクターにVoyager DE−STR(アプライド・バイオシステムズ、フラミンガム、マサチューセッツ州)を使用して、ポジティブイオン化および20kVまたは25kVのどちらかの加速電位で分析を実行した。質量精度のために、シークエンザイムキット(アプライド・バイオシステムズ)からのペプチドおよび蛋白質標準で装置を較正した。窒素レーザは、波長337nmを有し、サンプルスポット当たり150スペクトルを取得するように装置をセットした。レーザビームは、近似的に150〜200μmのリニアスポット直径を有する。
MALDI−TOF−MSの結果を図1に示す。
Figure 0005624079
Figure 0005624079
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Figure 0005624079
Figure 0005624079
データ結果はちょうど100000データポイント以下を含むファイルとして与えられる。
Figure 0005624079
実験誤差は、3.32E−24g(2ダルトン)のオーダであるため、およびデータセットをより管理し易い大きさにするために、データはダミー変数を用いてインデックス付けした。
Figure 0005624079
データセット全体(6×99995ポイント)は、ソートパラメータとしてインデックス変数を使用して配列された。得られたデータ配列において、各々の読み取りの間の間隔は3.32E−24g(2ダルトン)であった。
Figure 0005624079
この「還元された」データセットは、サンプル当たり4989の測定で構成され、その後の解析に使用された。
データは最大値に対して規格化し、列の中での最大値で各々の値を除算して全測定値を所与0と1の間の分画値に転換した。
Figure 0005624079
次に、規格化還元データをグラフ化して、m/z比の関数として観測ピークの相対強度との関係をグラフ化した。
m/z比と相対強度の間の関係により、多数の類似したピークが図示される。
Figure 0005624079
未消化サンプルでは様々なピークが出現し、その中の幾つかは明らかにオーバラップしている。加えて、一般的には、m/z値の関数として単調に減少していく曲線が図示される。この単調な遅延は、一次の指数関数的崩壊にモデル化される。
図2に示される解析の支援データポイントはエクセルの表計算シートに収容される。
Figure 0005624079
結果の選択モデルとして、対数(測定強度)データをm/zの関数としてデータプロットした。以下は2つのサンプル、低バックグラウンドの結腸サンプル、および高バックグラウンドの卵巣サンプル、である。
Figure 0005624079
各々のサンプルにおいて、m/zと測定強度の間には強い比例関係がある。5つの全ての腫瘍サンプルに対して、線形回帰分析を行った。測定と予測の間の誤差を使用して、各々の腫瘍サンプルに対して残渣プロットを計算した。
Figure 0005624079
導出された一次式から測定データを減算して、ベースラインの影響を取り除くことができる。結腸および卵巣のサンプルから取られたデータに対する残渣プロットを例示した。
規格化された残渣により、腫瘍のマイクロアレイサンプルの共有的なシグナルと独特なシグナルの両方が例示される。
Figure 0005624079
規格化された残渣はサンプル間の区別を可能にするが、この方式を使用して蛋白質を同定することはできない。なぜなら、ペプチド同定データベースには、消化(最も一般的にはトリプシンによる)が必要とされ、これらの結果は修正無しに得られる。従って、これらは同定無しのバイオマーカーに限定される。
トリプシン処理とその後の反復測定により、同定が可能になる。処理前に観測されたピークが、トリプシン処理の後で消失している場合、対象とする蛋白質はペプチドデータベースを使用して同定できることを示す。
組織学的ステップ
Paxlt画像分析ソフトウエアを備えたLeica顕微鏡を用いて、H&E染色の切片を試験した。各々の腫瘍に対して100xでとった顕微鏡写真の画像ファイルを作成した。乳癌サンプルA1・A1およびA5・E1の代表的な100x顕微鏡写真を以下に示す。
Figure 0005624079
画像は癌研究に伴う問題の一つを例示している。2つの腫瘍は名目上同一ではあるが、同一の組織学的パターンを有していない。このことは一般的な悪性疾患と胸部癌では典型的である。
腫瘍の予後、腫瘍治療の応答、腫瘍の類別、などを組織学的に取り扱った広範囲の文献があるので、マススペクトルが与えた結果は、独特なものであるのか、補助的なものであるのか、または標準的な組織学的方法を後いて得られるものと同一であるのか、などについて疑問が生じた。第一の近似として、MADLIで分析された区域と類似している(同一でない場合でも)マス目の中の組織学的特徴が解析された。
Figure 0005624079
この画像は卵巣癌の一つから撮られる。黄色線で囲った各々のボックスは、MADLIで分析された区域と近似的に同じ区域である。この倍率(400x)での顕著な特徴は核の数である。血球基材(コラーゲン)は考慮しなかった。結果として、各種信号の中の相違は腫瘍に対する身体の応答における相違(腫瘍から傷になる試みに反映されるような)を反映していないように感じられ、どちらかと言えばこれらの相違は核に関連付けられるように見える。
MADLI分析が組織学的に行われた分析と何らかの形で一致しているか、または再現しているか、を解析するために、分析用に3個の腫瘍を選択した。3個の腫瘍を以下の方法を用いて選択した。トリプシン処理無しのマススペクトルデータの対比較を、5つの腫瘍標本の全ての組み合わせに対して試験した。
卵巣および前立腺に対する散布図は視覚的にかなりの類似性を示した。
Figure 0005624079
しかし、比較によると、肺のサンプルは、卵巣および/または前立腺のサンプルとは明確に異なっていた。
Figure 0005624079
これらの3個のサンプルは類似なパターン(前立腺/卵巣)、並びに異なったパターン(肺/前立腺および卵巣)を組織学的な比較のために選択し試験した。
各々の5区域に対して、核の追跡調査を行った。追跡調査により、区域および周囲長が得られた(例示されたサンプル)。
Figure 0005624079
等価半径を、半径=2×面積/周囲長(円形を仮定して)を用いて計算した。各々の半径に対して度数分布をプロットした。
Figure 0005624079
核の数は一サンプルから別のサンプルまで変化するが、度数分布は、卵巣の核はより高い平均となりブロードな範囲を示し、しかし、前立腺および肺サンプルの核は殆ど同一であることを示した。MALDI曲線は、劇的に異なっているが、核は形態学的に同一であるので、MALDIは核内レベルまたは生化学的なレベルでの事象を表し、しかし組織構造を単純に再現しない、というシグナルを与える。
本明細書中に引用される特許、特許文献、および刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参考として組み込まれる。本発明の範囲および趣旨を逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当分野の技術者には明らかとなるであろう。本明細書に例示した実施形態によって本発明が不当に制限されることを意図するものではなく、そのような実施形態は実例のためにのみ提出されたものであって、本発明の範囲は特許請求範囲のみによって制限されるものであることを意図していることが理解されるべきである。
以下に、本願発明に関連する発明の実施の形態を列挙する。
実施形態1
サンプルが有機固体材料に包埋される、化学的に架橋された分析物を含む細胞サンプルを提供するステップと、
前記架橋された分析物の前記化学架橋の少なくとも一部を逆転して、脱架橋された分析物を形成するステップと、
前記脱架橋された分析物を含有する前記サンプルの少なくとも一部のマススペクトルを作成するステップと、
前記マススペクトルをデジタルコンピュータを用いて解析するステップであって、
a)複数の細胞サンプルから得られたマススペクトルデータセットを前記デジタルコンピュータに投入するステップであって、各々のサンプルは2つ以上のクラスより構成されるクラスセットに属するクラスであるか、またはクラスに帰属される予定のものであり、各々のクラスは異なった生物学的状況により特徴付けられ、かつ各々のマススペクトルは飛行時間、質量対電荷比、若しくは飛行時間または質量対電荷比から導出された値、の関数であるシグナル強度を表すデータを含むこと、そして
b)前記クラスセット内のクラス同士の間を識別する分類モデルを形成するステップであって、前記モデルを形成することは、分類処理および回帰ツリー処理である再帰分割処理を含む分類処理を実施するコードを執行することによって前記データセットを解析するステップを含むこと、を含んでなる前記マススペクトルを解析するステップと、を含んでなる、分析物を分析する方法。
実施形態2
前記マススペクトルは、MALDIスペクトル、表面増強レーザ脱離/イオン化スペクトル、およびエレクトロスプレイイオン化スペクトルからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
前記サンプルは、化学的に架橋されていない分析物を更に含み、かつ前記分析方法は脱架橋された分析物および化学的に架橋されていない分析物の両方を分析するステップを含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態4
前記化学的に架橋されていない分析物は、医薬品、代謝産物、またはビタミンを含んでなる、実施形態3に記載の方法。
実施形態5
前記細胞サンプルは、化学的に固定された組織切片を含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態6
前記化学的に固定された組織切片は、ホルマリン固定された組織切片である、実施形態5に記載の方法。
実施形態7
前記有機固体材料は、有機ポリマー材料である、実施形態1に記載の方法。
実施形態8
前記有機ポリマー材料は、メタクリルメタアクリレート包埋媒質を含んでなる、実施形態7に記載の方法。
実施形態9
前記有機固体がパラフィンである、実施形態1に記載の方法。
実施形態10
前記架橋を逆転するステップに先立って、前記細胞サンプルを前記固体有機材料から分離するステップを更に含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態11
前記脱架橋された分析物は、1つ以上の蛋白質、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、脂質、細菌、およびウイルスからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態12
前記架橋された分析物は、1つ以上の架橋された蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂質、またはそれらの混合物を含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態13
前記化学架橋の少なくとも一部を逆転するステップは、前記化学的な架橋を開裂し、かつ、架橋に先立つ前記分析物において自然発生的結合またはその他の結合を実質的に開裂しないステップを含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態14
前記化学架橋の少なくとも一部を逆転するステップは、水またはある範囲のpH値の緩衝液の存在下でエネルギーをかけて実施される、実施形態13に記載の方法。
実施形態15
かけられる前記エネルギーは熱である、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
かけられる前記エネルギーは放射線である、実施形態14に記載の方法。
実施形態17
前記脱架橋された分析物中の結合の少なくとも一部を開裂して分析物断片を形成するステップを更に含んでなり、前記脱架橋された分析物のマススペクトルを作成するステップは前記分析物断片のマススペクトルを作成するステップを含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態18
前記脱架橋された分析物中の少なくとも一部を開裂するステップは、前記脱架橋された分析物と酵素または化学試薬とを接触させるステップを含んでなる、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
前記脱架橋された分析物の少なくとも一部を開裂するステップは、前記脱架橋された分析物と酵素とを接触させるステップを含んでなる、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記酵素は、トリプシン、ペプシン、プロナーゼ、キモトリプシン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、実施形態19に記載の方法。
実施形態21
前記脱架橋された分析物は蛋白質を含んでなり、前記酵素はトリプシンを含んでなり、かつ前記脱架橋された分析物を分析するステップは、蛋白質断片を含んでなる溶出液を分析するステップを含んでなる、実施形態20に記載の方法。
実施形態22
前記細胞サンプルは植物または動物由来である、実施形態1に記載の方法。
実施形態23
前記細胞サンプルはヒト由来である、実施形態22に記載の方法。
実施形態24
前記細胞サンプルは疾患を有する個体由来である、実施形態22に記載の方法。
実施形態25
前記疾患は進行性疾患であり、前記細胞サンプルは前記疾患の進行の異なる段階を表す複数の組織切片を含んでなる、実施形態24に記載の方法。
実施形態26
前記細胞サンプルは、疾患モデルである非ヒト動物由来である、実施形態22に記載の方法。
実施形態27
前記細胞サンプルは、外来性核酸をその中に有する少なくとも1つの細胞を含んでなる、実施形態22に記載の方法。
実施形態28
前記異なった生物学的状況は、正常状態および病的状態を含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態29
前記異なった生物学的状況は、非疾病、軽度の癌および重度の癌を含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態30
前記データセットは既知のデータセットであり、かつ、各々のサンプルは前記データセットが前記デジタルコンピュータに投入される前に前記クラスの一つに帰属されてなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態31
前記分類モデルを形成するステップは、前記分類モデルを形成するために事前存在のマーカーデータを利用するステップを含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態32
前記データセットを形成するステップは、
各々のマススペクトルは質量対電荷比の関数としてシグナル強度を表すデータを含んでなる、前記複数のマススペクトルのシグナルを検出するステップと、
類似した質量対電荷比を有する前記複数のシグナルをシグナルクラスタにクラスタ化するステップと、
所定値を超えるシグナル強度を有する少なくとも所定数のシグナルを有するシグナルクラスタを選択するステップと、
前記選択されたシグナルクラスタに対応する前記質量対電荷比を同定するステップと、
前記同定された質量対電荷比におけるシグナル強度を使用して前記データセットを形成するステップと、を含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態33
前記分類処理は、2値再帰分割処理である、実施形態1に記載の方法。
実施形態34
実施形態1に記載の方法であって、
c)1つ以上の特徴が前記異なった生物学的状況同士の間を識別するか否かについて決定することを前記分類モデルに問い合わせするステップと、を更に含んでなる、前記方法。
実施形態35
実施形態1に記載の方法であって、
c)より大きな複数のサンプルを使用してa)およびb)を繰り返すステップと、を更に含んでなる、前記方法。
実施形態36
前記各々のマススペクトルは、質量対電荷比の関数として、または質量対電荷比から導出された値の関数として、シグナル強度を表すデータを含んでなる、実施形態1に記載の方法。
実施形態37
デジタルコンピュータを使用して未知のサンプルを生物学的状況によって特徴付けられるクラスに分類する方法であって、
a)前記未知のサンプルのマススペクトルから得られたデータをデジタルコンピュータに投入するステップと、
b)前記実施形態1の方法によって形成された前記分類モデルを使用して前記マススペクトルデータを処理し、生物学的状況によって特徴付けられるクラスに前記未知サンプルを分類するステップと、を含んでなる、前記クラス分類方法。
実施形態38
前記異なった生物学的状況は、非疾患、軽度の癌および重度の癌を含んでなる、実施形態37に記載の方法。
実施形態39
a)未知サンプルのマススペクトルから得られたデータをデジタルコンピュータに投入するためのコードと、
b)前記実施形態1の方法によって形成された前記分類モデルを使用して前記マススペクトルデータを処理し、生物学的状況によって特徴付けられるクラスに前記未知サンプルを分類するためのコードと、を含んでなる、コンピュータ可読媒体。
実施形態40
気相イオン分光計と、
前記気相イオン分光計から得られたデータを処理するよう適合されたデジタルコンピュータと、
前記デジタルコンピュータと関連付して作動する、実施形態39の前記コンピュータ可読媒体と、を含んでなるシステム。

Claims (2)

  1. 組織片の分析物を分析するための方法であって、
    (1)化学的に架橋された組織片の分析物を含む細胞サンプルを提供するステップであって、前記架橋された組織片の分析物は、1つ以上の架橋された蛋白質、DNA、RNA、炭水化物、脂質、またはそれらの混合物を含んでなり、前記細胞サンプルは、有機固体材料に埋設された前記組織片を含む、ステップと、
    (2)前記細胞サンプルを基材に固定するステップと、
    (3)前記基材に固定された前記細胞サンプルの分析物を前記基材上に残して、前記有機固体材料を除去するステップと、
    (4)前記組織片が前記基材に固定された後に、前記化学的に架橋された組織片の分析物の前記化学架橋の少なくとも一部を逆転して、脱架橋された分析物を形成するステップであって、ここで、前記化学架橋の少なくとも一部を逆転するステップは、前記化学架橋を開裂し、かつ、架橋に先立つ前記分析物における自然発生的結合またはその他の結合を実質的に開裂しないステップを含んでなり、また、前記脱架橋された分析物は、1つ以上の蛋白質、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、脂質、細菌、およびウイルスからなる群から選択されるステップと
    (5)前記脱架橋された分析物を含む前記組織片であって、前記基材に固定された組織片の少なくとも一部のMALDI(マトリックス支援レーザ脱離/イオン化法)によるマススペクトルを作成するステップと、
    (6)前記マススペクトルをデジタルコンピュータを用いて解析するステップであって、
    a)複数の細胞サンプルから得られたマススペクトルデータセットを前記デジタルコンピュータに格納するステップであって、各々のサンプルは2つ以上のクラスより構成されるクラスセットに属するクラスであるか、またはクラスに帰属される予定のものであり、各々のクラスは異なった生物学的状況により特徴付けられ、かつ各々のマススペクトルは飛行時間、質量対電荷比、若しくは飛行時間または質量対電荷比から導出された値、の関数であるシグナル強度を表すデータを含むこと、そして
    b)前記クラスセット内のクラス同士の間を識別する分類モデルを形成するステップであって、前記モデルを形成することは、分類処理および回帰ツリー処理である再帰分割処理を含む分類処理を実施するコードを執行することによって前記データセットを解析するステップを含むこと、を含んでなる前記マススペクトルを解析するステップと、
    を含んでなる、分析物を分析するための方法。
  2. さらにインサイチュ(in situ)での消化を含み、前記インサイチュでの消化が、前記基材に固定されている前記組織片の前記脱架橋された分析物をトリプシン、キモトリプシン、プロナーゼ、およびペプシンからなる群から選択された酵素により処理することを含む請求項1に記載の方法。
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