JP5623715B2 - 一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法 - Google Patents

一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5623715B2
JP5623715B2 JP2009171869A JP2009171869A JP5623715B2 JP 5623715 B2 JP5623715 B2 JP 5623715B2 JP 2009171869 A JP2009171869 A JP 2009171869A JP 2009171869 A JP2009171869 A JP 2009171869A JP 5623715 B2 JP5623715 B2 JP 5623715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction chamber
exothermic reaction
catalyst
endothermic
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009171869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010012466A (ja
Inventor
トンコヴィッチ,アンナ・リー・ワイ
ペリー,スティーヴン・ティー
フィッツジェラルド,ショーン・ピー
ロバーツ,ガリー・エル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Battelle Memorial Institute Inc
Original Assignee
Battelle Memorial Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US10/076,875 external-priority patent/US6969506B2/en
Application filed by Battelle Memorial Institute Inc filed Critical Battelle Memorial Institute Inc
Publication of JP2010012466A publication Critical patent/JP2010012466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5623715B2 publication Critical patent/JP5623715B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/32Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of gaseous or liquid organic compounds with gasifying agents, e.g. water, carbon dioxide, air
    • C01B3/34Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of gaseous or liquid organic compounds with gasifying agents, e.g. water, carbon dioxide, air by reaction of hydrocarbons with gasifying agents
    • C01B3/38Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of gaseous or liquid organic compounds with gasifying agents, e.g. water, carbon dioxide, air by reaction of hydrocarbons with gasifying agents using catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)

Description

本発明は、発熱反応と吸熱反応とを実施するための一体型反応器(integrated reactor)、一体型反応器の製造法及び、一体型反応器で反応を実施する方法に関する。
[序論]
目下、マイクロリアクターで実施される吸熱反応は、外部燃焼器からの流出液などの外部供給源由来の熱を使用して運転している。その際、熱を供給するガス細流の温度は、構成材料によって課せられた制約で制限されている。たとえば、インコネル(Inconel)625で組み立てられた典型的なマイクロリアクターは、ガス提供に関する利用では約1050℃以下の温度に限定されている。実際、このことは、外部燃焼器由来の流出液を冷却ガス(すなわち、過剰の空気)で希釈して、材料温度の制約に合うようにガス温度を下げなければならないことを意味している。このため総ガス流速が増加して、ブロワー/コンプレッサのコストが上昇する。さらには、ガス細流を外部から加熱すると、燃焼器をマイクロリアクターに接続するためには、(マイクロリアクターへ熱いガスを送るのと一緒になって)熱損失と高価な高温材料とを投入することになる。
他方、一体型燃焼器は反応領域の近傍で反応用の熱を生成できるので、熱損失が減少し、効率が高まる。貴金属が焼結するため、従来の燃焼触媒は(約1200℃を超える)高温で安定ではないので、一体型燃焼器は、このレベルまたは急速に触媒が失活する危険性よりも低く触媒表面の局所温度を保持するのに十分な速度で、熱を除去しなければならない。
一体型反応器では、燃焼/熱生成は、吸熱反応の近傍で起きなければならない。発熱反応は、吸熱反応が起きるマイクロチャネルと交互配置されたマイクロチャネルで起きるのが好ましい。吸熱反応の細流と発熱反応の細流との並流(co-flow)が好ましいが、交差流(クロスフロー:cross-flow)または向流(counter flow)も選択可能である。発熱反応の熱は、発熱反応触媒から、吸熱反応を促進する吸熱反応触媒へと伝えられる。この燃焼領域からこのように迅速に熱を除去することによって、(たとえば、断熱的に反応すれば、1400℃を超える温度を発生できる化学量論的燃焼に近い)非常に小さな画分の過剰の空気を使用する選択が可能になる。発熱及び吸熱マイクロチャネルの一方または両方に関して触媒の側部を通過するフローバイ触媒構成(flow-by catalyst configuration)を使用すると、好都合な容量/圧力降下の関係を生みだすことができる。フローバイ触媒構成では、ガスは、マイクロチャネル壁に接触する、加工処理済み触媒(engineered catalyst)の薄層に隣接した0.05〜2mmの隙間に流れる。この触媒は、反応壁に挿入され近接しているか、または反応器壁と一体となっていてもよい。反応器壁と一体となっている場合、好ましい方法は、マイクロチャネルの単数または複数の壁の上に触媒をウォッシュコート(washcoating)することである。この触媒は、多孔質の高表面積セラミックなどの表面積を増加させるための追加の層、または溶液若しくはCVDのいずれかで形成されたアモルファスチタニアなどの金属にセラミックの接着を促進させるための層の利用を含む。熱及び物質移動の制限が拡大するかもしれないので、2mmを超える最少寸法を持つチャネルを使用するのはそれほど効果的ではないかもしれない。一体型燃焼器では表面積の大きいマイクロリアクターチャネルを使用して、生産されるにつれて熱を除去できるので、マイクロリアクターの構成成分が材料温度の制約を超えないように保持し、同時に外部燃焼器に必要な場合よりもずっと少ない過剰の空気(または希釈剤)で燃焼する。
一つの側面において、本発明は、2mm以下の幅をもつ第一の反応チャンバを包含する一体型反応器を提供する。前記第一の反応チャンバを通る開放チャネル(open channel)があり、前記第一の反応チャンバは5〜95容積%の多孔質触媒と5〜95容積%の開放空間とを含む内部容積を持つ。この一体型反応器は、2mm以下の幅の第二の反応チャンバも包含する。前記第二の反応チャンバ内には開放チャネルがあり、前記第二の反応チャンバは触媒と少なくとも5容積%の開放空間を含む内部容積をもち、反応チャンバの壁は、前記第一のチャンバと第二のチャンバを隔てている。この一体型反応器は、熱流束測定試験(Heat Flux Measurement Test)に従って測定して少なくとも1W/ccの容積当たり熱流束特性をもつ。
本発明はまた、本反応器で発熱反応と吸熱反応とを実施する方法を包含する。発熱反応組成物は、熱を生成する選択された条件下で反応する、化学組成物であり;通常、触媒は反応を触媒する。
もう一つの側面において、本発明は、一体型反応器を提供する。この反応器は、2mm以下の幅をもつ第一の反応チャンバと、2mm以下の幅をもつ第二の反応チャンバとを包含する。前記第一の反応チャンバを通る開放チャネルがあり、前記第一の反応チャンバは5〜95容積%の多孔質触媒と5〜95容積%の開放空間とを含む内部容積を持つ。前記第二の反応チャンバを通る開放チャネルがあり、前記第二の反応チャンバは触媒と少なくとも5容積%の開放空間を含む内部容積をもつ。反応チャンバの壁は、前記第一のチャンバと第二のチャンバを隔てている。この一体型反応器は、標準NOx試験測定法に従って測定して100ppm未満のNOx発生特性をもつ。
本発明は、一体型反応器の製造法であって、熱伝導性材料の単一ブロックを用意し;前記ブロック内に少なくとも一つの第一のマイクロチャネルを形成し;前記ブロック内に少なくとも一つの第二のマイクロチャネルを形成し;少なくとも一つの前記第一のマイクロチャネルに発熱反応を触媒し得る少なくとも一種の触媒を設置し;少なくとも一つの前記第二のマイクロチャネルに吸熱反応を触媒し得る少なくとも一種の触媒を設置する、各段階を含む前記方法も提供する。この一体型反応器において、前記第一のマイクロチャネルと第二のマイクロチャネルは1cm未満で隔てられている。
本発明はさらに、一体型反応器内で吸熱反応を実施する方法であって、少なくとも一つの発熱反応チャンバに発熱反応性組成物を通過させ;ここで前記発熱反応チャンバは、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの発熱反応チャンバ壁を含み、ここで前記発熱反応チャンバ(燃焼チャンバ)は、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの発熱反応チャンバと接触した発熱反応触媒を含み、ここで前記発熱反応触媒は、前記発熱反応チャンバ内に露出表面をもち、ここで前記発熱反応触媒の露出表面と、前記発熱反応チャンバ内の第二の表面とは、前記発熱反応チャンバ内で開放チャネルを画定し、ここで開放チャネル(隙間)は、運転中に燃焼チャンバ内をガスが移動する方向であるネットフロー(net flow)に対して直交する方向に2mm以下の厚みを有し;ここで前記発熱反応組成物は発熱反応チャンバ内で反応して、熱を発生し;次いで、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに吸熱反応組成物を通過させる、各段階を含み、ここで本方法は容積当たり熱流束測定試験に従って測定した際に少なくとも1W/ccの容積あたり熱流束(volumetric heat flux)をもつ、前記方法を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、一体型反応器内で吸熱反応を実施する方法であって、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに吸熱反応組成物を通過させ;少なくとも一つの発熱反応チャンバに発熱反応組成物を通過させ;ここで前記発熱反応チャンバは、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの発熱反応チャンバ壁を含み、ここで前記吸熱反応チャンバは、少なくとも一つの発熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの吸熱反応チャンバ壁と接触する吸熱反応触媒を含み、ここで前記吸熱反応触媒は、前記吸熱反応チャンバ内に露出表面をもち、ここで前記吸熱反応触媒の露出表面と前記吸熱反応チャンバ内の第二の表面は吸熱反応器チャンバ内で開放チャネル(隙間)を画定し、ここで前記隙間は運転中に吸熱チャンバ内をガスが移動する方向であるネットフローに対して直交する方向に2mm以下の厚みを有する、各段階を含み、ここで少なくとも一つの発熱チャンバと少なくとも一つの吸熱反応チャンバとの間の容積当たり熱流束が1W/cc以上であるように本方法を制御する、前記方法を提供する。
本発明は、また、一体化燃焼反応で吸熱反応を実施する方法であって、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに吸熱反応組成物を通過させ、少なくとも一つの発熱反応チャンバに発熱反応組成物を通過させ、ここで前記発熱反応チャンバは、少なくとも一つの吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの発熱反応チャンバ壁を含み、ここで前記吸熱反応チャンバは、少なくとも一つの発熱反応チャンバに隣接する少なくとも一つの吸熱反応チャンバ壁に接触する吸熱反応触媒を含み、ここで前記吸熱反応触媒は吸熱反応チャンバ内に露出表面を含み、ここで前記吸熱反応触媒の露出表面と吸熱反応チャンバ内の第二の表面とは吸熱反応チャンバ内で隙間を画定し、ここで前記隙間はネットフローに対して直角の方向で2mm以下の厚さであり、前記ネットフローの方向は、操作の間に吸熱チャンバ内をガスが移動する方向であり;ここで前記発熱反応組成物は空気と燃料とを含み;ここで前記発熱反応組成物は生成物に転換して、この生成物は100ppm未満のNOxを含む、各段階を含む、前記方法を提供する。
もう一つの側面(または前記側面のいずれかと組み合わせて)では、本発明は、少なくとも一つの吸熱反応チャンバ及び/または少なくとも一つの発熱チャンバを包含する一体型反応器であって、少なくとも一つの反応チャンバは少なくとも一種の多孔質触媒材料と少なくとも一つの開放チャネルとを含み、少なくとも一つの(発熱または吸熱)反応チャンバはそれぞれ、高さ及び幅の方向には反応チャンバ壁により、長さ方向には触媒の長さにより画定された内容積をもつ、前記反応器を提供する。この内容積は、チャンバ高さ、チャンバ幅と、チャンバ長さの寸法をもつ。少なくとも一つの発熱反応チャンバと少なくとも一つの吸熱反応チャンバ(これは発熱反応チャンバに隣接する)とは、約2mm以下のチャンバ高さまたはチャンバ幅を構成する。このチャンバ高さまたはチャンバ幅が約2mm以下である点で、チャンバ高さ及びチャンバ幅は断面積を画定する。少なくとも一つの反応チャンバの断面積は、多孔質触媒材料と開放領域とを含み、前記多孔質触媒材料は前記断面積の5%〜95%を占め、前記開放領域は前記断面積の5%〜95%を占める。この断面積における開放領域は5×10-8〜1×10-2m2の連続面積(contiguous area)を占め、前記多孔質触媒材料は5〜98%の細孔容積をもち、20%を超える前記細孔容積は0.1〜300ミクロンのサイズの細孔を含む。
本発明はまた、本明細書中に記載する特徴的な構造特徴またはデザインのいずれかをもつ装置も包含する。たとえば、本発明は、図19に示されるように燃料-空気混合マニホールドを包含する装置も含む。本発明はまた、本明細書中に記載の構造的特性若しくはデザインのいずれかを使用するか、または特性若しくは結果のいずれかを特徴とするプロセスを包含する。
本発明の種々の態様は、圧力降下が小さいこと、過剰の空気の必要性が低いこと、燃焼安定性が高いこと、接触時間が短いこと、CO/NOx形成が少ないこと、近似化学量論量での空気供給で操作できること、安全性が高いこと、及び熱循環耐久性が高いこと、などの好都合な点をもち得る。近似化学量論量での空気供給で実施すると、系のブロワーやコンプレッサにかかる全体的な負荷が減るので、コストをかなり削減できる。
吸熱反応を運転するのに必要な燃焼温度(または発熱反応の温度)を下げることによる追加の利点は、低コスト材料を利用でき、または装置耐用年数をもっと長くできるように、代替の金属または冶金学を利用できるという点である。
燃焼は均質的及び非均質的寄与(contribution)の両方をもち得るが、マイクロチャネル(または急冷径よりも小さい最少開放寸法をもつチャネル)での接触燃焼により、均質反応の寄与が減少し、壁での非均質(触媒)燃焼が有利になるだろう。また、これによって、さもなければ材料の安全操作温度限界を優に上回らせてしまう燃焼混合物の気相反応を阻害することによって、さらに安全性を高めている。チャネル最小寸法が小さくなり、且つチャネル壁上の触媒表面積が増加するほど、阻害は大きくなる。
本発明の他の特徴と関連して、ガスが触媒の(中というよりもむしろ)側部を流れることができるように反応チャンバが隙間(開放チャネル)をもつフローバイ(flow-by)配置を利用すると、従来法よりも性能が顕著に改良される。この改良性能は、一体型燃焼反応器(integrated combustion reactor:ICR)試験で、1インチの反応器長さで最小の圧力降下(たとえば<4psi:0.3バール)に関する文献に記載のいずれのものよりも、ずっと高い熱流束(たとえば、表面積ベースで29W/cm2または、容積ベースで118W/cm3)を示すことによって立証される。このICRは、過剰に圧力降下を生じさせずにそのように高い熱流束を達成できるので、フロースルー(flow-through)触媒デバイスまたはモノリスデバイスのものよりも吸熱反応の接触時間をずっと短くすることが可能である。接触時間が短いと、反応器の単位容積を経る生産性または生産高を高めることができる。
(チャネルを横断して)側面に分散された燃焼燃料及び空気を吸熱反応体の流れと一緒に並流に導入すると、吸熱反応器入口に熱伝達が集中する。吸熱反応器入口で濃度勾配(従って反応速度)は最高である。よって燃焼触媒の全表面にわたって均等に燃焼燃料を分散させる系よりも優れた結果が得られる。けれどもまだ、分散燃焼を用いる例は、慣用の水蒸気改質装置と比較して優れた熱流束を示す。
本発明は、吸熱反応を駆動させるために、他の発熱反応、たとえば部分酸化反応を含む酸化反応を使用できると考えられる。
[用語解説]
「シム(間隙調整板):shim」とは、任意の幅及び高さを持ち、好ましくは2ミリメートル(mm)以下、好ましい態様によっては50〜500μmの厚さ(最少寸法)をもつ実質的に平面のプレートまたはシートを指す。
「単位操作:unit operation」とは、化学反応、蒸発、圧縮、化学的分離、蒸留、濃縮、加熱または冷却を意味する。混合や輸送は単位操作と共に頻繁に起きるとはいえ、「単位操作」とは、単なる混合も流体輸送も意味しない。
マイクロチャネルは少なくとも2mm以下の寸法をもつ。
「開放チャネル」とは、ガスが比較的小さい圧力降下で反応チャンバの中を流動できるように、反応チャンバ内を貫通して伸長する全態様での少なくとも0.05mmの隙間(gap)である。
運転中、反応体は、「多孔質材料」または「多孔質触媒」の側を流れて通り過ぎ且つ接触するバルク流路(bulk flow path)で燃焼チャンバすなわち反応チャンバに入る。この反応体の一部は多孔質触媒に拡散して反応して単数または複数種類の生成物を形成し、次いで(単数または複数種類の)生成物はバルク流路内に及び反応器外へ横方向に拡散する。
「バルク流動領域:bulk flow region」とは、反応チャンバ内の開放領域または開放チャネルを指す。連続するバルク流動領域によって、大きく圧力降下することなくガスは反応チャンバ内を迅速に流れることができる。好ましい態様において、バルク流動領域には層流がある。それぞれの反応チャンバ内のバルク流動領域は、5×10-8〜1×10-2m2の断面積をもつのが好ましく、5×10-7〜1×10-4m2であるのがより好ましい。このバルク流動領域は、1)反応チャンバの内部容積、または2)反応チャンバの断面のいずれかの少なくとも5%を構成するのが好ましく、より好ましくは30〜80%を構成する。
「平衡転換率:equilibrium conversion」は、従来法で定義され、但し最大到達可能転換率は、反応器の温度、圧力及び供給材料の組成の相関関係で決まる。炭化水素水蒸気改質反応の場合には、この平衡転換率は温度上昇と共に増加し、圧力上昇と共に低下する。
図1は、一体型反応器を例示する図である。 図2a及び図2bは、反応チャンバデザインを例示する図である。 図3は、一体型反応器の断面を例示する図である。 図4aは、一体型反応器の断面を例示する図である。図4bは、一体型反応器の分解部品配列図である。 図5は、一体型水蒸気改質反応器を例示する図である。 図6は、一体型水蒸気改質反応器を例示する図である。 図7は、反応器を製造するためのシムデザインを例示する図である。 図8は、実施例で使用する反応器の略図である。 図9は、実施例からのデータである。 図10は、実施例からのデータである。 図11は、実施例からのデータである。 図12は、実施例からのデータである。 図13は、実施例で使用する反応器の略図である。 図14は、実施例からのデータである。 図15は、実施例からのデータである。 図16は、実施例からのデータである。 図17は、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図18は、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図19aは、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図19bは、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図19cは、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図19dは、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図19eは、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図20は、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図21は、実施例からのデータである。 図22は、実施例からのデータである。 図23は、実施例からのデータである。 図24は、実施例からのデータである。 図25は、実施例で記載した反応器のデザインを例示する図である。 図26は、実施例からのデータである。 図27は、実施例からのデータである。
[発明の詳細な説明]
本発明に従った一体型反応器は、発熱反応を触媒し得る触媒を含有する第一の反応チャンバと、吸熱反応を触媒し得る触媒を含有する隣接する第二の反応チャンバとを含有する。反応器チャンバの壁は、前記第一の反応器チャンバと第二の反応器チャンバとを隔てる。
好ましいタイプの反応器装置の一部の説明図を図1に示す。発熱反応チャンバ12は、発熱反応触媒14、16と、開放チャネル18とを含む。吸熱反応チャンバ15は、吸熱反応触媒17と、開放チャネル19とを含む。
本発明において、この(単数または複数の)発熱(及び/または吸熱)反応チャンバは、好ましくは2mm以下の幅(流れに対して直交する最少寸法)をもち、より好ましくは1mm以下の幅であり、態様によっては0.5mm以下の幅をもつ。反応チャンバの寸法は内部寸法であり、触媒を含むが、チャンバ壁は含まない。反応チャンバ壁(発熱反応チャンバと吸熱反応チャンバとを隔てている)は、熱伝導性であるべきで、5mm以下の厚さ(反応チャンバの間の距離)をもつのが好ましく、2mm以下がより好ましく、態様によっては1〜2mmの幅である。良好な性能に関しては、熱伝達の距離が短いものが望ましい。好ましい反応器の構造と、これらの短い熱伝達距離とを組み合わせると、驚くほど高い容積当たりの生産性と小さい圧力降下を提供することができる。
以下、より詳細に記載するように、本発明の好ましいプロセスは、熱流束、容積当たり生産性、及び/または圧力降下などの測定可能な特性及び/または装置の構造によって記載することができる(流速、温度などのプロセス条件と共に記載することもできよう)。
図1は、平行六面体の形状をもつ反応チャンバを例示する。しかしながら、筒状体(たとえば、吸熱反応触媒を含有する円弧によって一部囲まれた発熱触媒を備えた筒状体または隣接筒状体あるいはその逆も同様)、または角柱体(熱輸送用に表面積を最大化し且つ熱輸送距離を短くするために好ましくは緊密充填された角柱体)などの他の形状も考えるべきである。このような形状は、たとえば、ブロックに穿孔することにより、または重ねて貼り合わせたシムが開口部の端部によって画定される境をもつ通路を形成するように、特定の形状のシムを開口部分に位置合わせして積み重ねることにより作ることができよう。表面積を増加させるために、態様によっては、この反応チャンバ(発熱、吸熱またはその両方)には、図2a及び図2bに示されているような突起または一連のマイクロチャネルがあってもよい。この突起22またはマイクロチャネル壁24は、ウォッシュコート、化学蒸着コーティングなどにより触媒でコーティングして、触媒コーティング(示されていない)を形成することができる。
もう一つの好ましい態様においては(図3を参照されたい)、反応チャンバ壁31は、羽根32をもつ。この羽根は任意の形状を取ることができ、反応チャンバの幅にわたって一部または完全に広がることができる。好ましくは、(単数または複数種類の)触媒(示されていない)を反応チャンバ壁に付着させて、発熱または吸熱反応チャンバを形成する。例示したデバイスでは、操作時の流れは紙面の中に入るか、紙面から出てくる。反応チャンバは、熱伝導性チャンバ壁38によって隔てられた発熱反応チャンバ34と吸熱反応チャンバ36との交互層で積み重ねられているのが好ましい。
発熱反応チャンバと吸熱反応チャンバとの交互層は、本発明の一般的な特徴であり、少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも5つの層の吸熱反応チャンバが、少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも4つの層の発熱反応チャンバと交互になっている。外側の層が同一タイプの内側の層と比較して反応体の流れが2分の1となるように、この装置を設計し且つこの方法を実施するのが好ましい。たとえば、3つの吸熱反応チャンバの間に交互配置された2つの発熱反応チャンバをもつデバイスにおいて、外側の2つの吸熱反応チャンバは、内側の吸熱反応チャンバの流れの2分の1である。
もう一つの態様において(図4aを参照されたい)、一体型反応チャンバは、一つの反応チャンバが多孔質触媒インサート42を含有する、隣接する反応チャンバによって形成されている(図4aでは、反応体が触媒の中を流れるようにインサートが反応チャンバを充填している;比較的大きな圧力降下が許容可能であるか、または触媒反応速度論は数10ミリ秒の非常に早い反応を支持しない、あまり好ましくない態様)。反応器壁43、45は、それぞれのチャネル内に配置された触媒(示されていない)を持っていてもよい開放チャネルをもつ隣接反応チャンバ44からチャンバ42を分離する。図4bは、貼り合わせデバイスに組み立てることができる部分品の分解部品配列図を示す。
図5は、たとえば水素(または別の燃料)を燃焼して熱を供給する水蒸気改質器であってもよい態様を示す。改質組成物(reformate composition)は開放チャネル52の中を流れる。水素(または別の燃焼燃料)は、開放チャネル54の中を流れる。開放チャネル56の中の空気(または他の酸素含有組成物)は開口部(アパーチャ:aperture)58の中を通って開放チャネル54に流れ、ここで主に燃焼触媒53上で酸素が水素と反応する。好ましくは水素チャネルの全ての寸法は、水素(または水素若しくは他の炭化水素を含み得る別の燃料)と必要な温度で選択された酸化剤に関する急冷距離(quench distance)未満であるか、またはその近傍であるが、これは、特に水素燃料の場合には、可能ではない。燃焼排出ガス55は、その酸素含有組成物を予熱する。燃焼熱は、反応チャンバ壁59を通って改質触媒57に供給される。開放チャネル54の寸法を制御して火炎が形成しないようにするのが望ましい。この態様において、酸素含有組成物を反応器の正面(すなわち、水素入口近傍)に導入し、燃焼ガスと改質物は並流の配置で流れる。この配置は、(1)発熱反応器と吸熱反応器がいずれも、最高濃度の反応体を含むので、同一領域で反応が最も早くなることと、(2)この水素を反応器チャンバ内で酸素と混合して、反応チャンバ外での予備混合と反応とを回避する、という二つの重要な利点をもつ。
図6は、水素チャネルと空気または酸素チャネルとを隔てている壁が、水素チャネルの中にくまなく酸素を分配する複数の開口部62をもつ以外には、同様の配置を示す。図6は、(単数または複数の)チャネル61と隔離板64(どちらの板も使用可能)とを構築するのに使用し得る板の俯瞰図である。図6の例示プロセスの変形では、水素は、吸熱反応チャンバに隣接する空気(または酸素)チャンバに分散できるだろう。
もちろん、本明細書中で記載されるどのデバイスにおいても、記載のどの反応体の代わりにも代替の反応体を使用できると考えるべきである。たとえば、メタンまたは他の燃料を水素の代わりに使用できよう。同様に、条件も変動可能であり、たとえば流れは交差流でも向流であってもよい。図によっては、装置はたった一つの発熱反応チャンバしか備えていないように示されているが、複数の交互層を使用することができ、また二つの発熱反応チャンバが吸熱反応チャンバを挟むことができると理解すべきである。
反応チャンバは、所定の高さ、幅及び長さの寸法をもつ。その高さ及び/または幅は、約2mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい(この場合、反応チャンバ壁は、マイクロチャネルの従来の定義内に入る)。この反応チャンバの長さは通常長い。反応チャンバの長さは1cmを超えるのが好ましく、1〜50cmの範囲であるのがより好ましい。通常、反応器の側部は反応チャンバ壁によって画定される。これらの壁は、セラミック、鉄ベースの合金、たとえばスチール若しくはモネル、または高温ニッケルベースの超合金、たとえばインコネル625、インコネル617若しくはHaynes230などの硬質材料で製造するのが好ましい。この反応チャンバは、耐久性があり、且つ良好な熱伝導性をもつステンレススチールまたはインコネルから構成されるのがより好ましい。
隣接する反応チャンバの間の熱伝達に加えて、態様によっては、反応チャンバはマイクロチャネル熱交換器と熱的接触してもよい。(単数または複数の)反応チャンバと(単数または複数の)熱交換器とのこの組合せによって、高速で熱伝達できる。マイクロチャネル熱交換器の利用を含む例及びより詳細な記載については、本明細書中、参照として含まれる2000年1月27日出願の米国特許出願第09/492,246号に提供されている。態様によっては、(単数または複数の)反応チャンバと熱交換器は、反応器容積の1立方センチメートル当たり少なくとも0.6Wの熱流束をもつ。
幾つかの好ましい態様では、反応チャンバは、入口から出口へ連続するバルク流路をもつ入口と出口とをもつ。これらの好ましい態様では、入口から出口への圧力降下は、系の入口圧力の20%未満が好ましく、10%未満がより好ましい。この圧力降下は、350kPa未満が好ましく、圧力降下は70kPa未満であるのがより好ましい。ポンプ及びコンプレッサなどの他の系の装置のサイズ及びコストを減少させるには、圧力降下が小さい方が望ましい。他のそれほど好ましくない態様では、反応チャンバは、バルクフローを妨げる、多孔質プラグなどのセクションを含んでもよい。
本一体型反応器は、1)マイクロチャネル触媒の上流での燃焼反応を阻害する、及び2)マイクロチャネル断面を横切って燃焼反応体の一つを均一分散させる、特定のヘッダデザインを用いると、一番効果を発揮する。
好ましくは、反応チャンバ内のバルク流路(開放チャネル隙間)の幅は1mm以下であり、その長さ(ネットフロー:net flowの方向)は20インチ(50cm)以下であるのが好ましい。多孔質触媒の幅は変動可能であるが、バルク流路の周囲の少なくとも20%であるのが好ましく、50%がより好ましい。
本発明は、液相反応に関しても利用できるだろう。液相反応の場合には、臨界チャネル寸法(critical channel dimension)は、反応体を触媒表面にもっていく低いマス拡散速度(mass diffusion rate)を提供するために気相反応用での寸法よりも小さいと思われる。
本明細書中で記載する「多孔質触媒材料」とは、多孔質材料の総容積の5〜98%の細孔容積、より好ましくは30〜95%の細孔容積をもつ多孔質材料を指す。この材料の細孔容積の少なくとも20%(より好ましくは少なくとも50%)は、0.1〜300ミクロン、より好ましくは0.3〜200ミクロン、さらに好ましくは1〜100ミクロンの範囲のサイズ(寸法)の細孔から構成される。細孔容積及び孔径分布は、水銀ポロシメトリー(Mercury porosimetry:細孔の円柱幾何図形的配列を仮定する)及び窒素吸着法によって測定する。公知の如く、水銀ポロシメトリー及び窒素吸着法は、補完的な方法であり、水銀ポロシメトリーは大きな孔径(30nmを超える)を測定するのにはより正確であり、窒素吸着法は小さな細孔(50nm未満)に対してより正確である。約0.1〜300ミクロンの範囲の孔径であると、殆どの気相触媒作用条件下で、分子が材料の中を分子的に拡散することが可能である。この多孔質材料はそれ自体が触媒であるが、この多孔質材料が、その上に配置された(単数または複数の)触媒材料の(単数または複数の)層をもつ金属、セラミック、または複合支持体(composite support)を含むのがより好ましい。多孔性(porosity)は、ハニカム若しくは平行な細孔構造で幾何学的に規則的であってもよく、または多孔性は幾何学的に屈曲若しくはランダムであってもよい。この支持体は、発泡金属、発泡セラミック、金属フェルト(すなわち、マット化、不織繊維)、または金属スクリーンであるのが好ましい。
触媒の好ましい主活性成分としては、IUPACのIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB、IVB族、ランタノイド系列及びアクチノイド系列の元素が挙げられる。存在する場合には、この触媒層も多孔質であるのが好ましい。(単数または複数の)触媒層の平均孔径(容積平均)は、支持体の平均孔径よりも小さいのが好ましい。支持体上に配置された(単数または複数の)触媒層の平均孔径は、BET法を使用するN2吸着により測定して10-9m〜10-7mを変動するのが好ましい。総細孔容積の少なくとも50容積%が直径10-9m〜10-7mのサイズ範囲の細孔から構成されるのがより好ましい。(単数または複数の)触媒層のこれらの小さな細孔中での拡散は、気相系の性質に関しては通常クヌーセン(Knudsen)であり、これによって、分子は、他の気相分子よりも細孔の壁と高い頻度で衝突する。
好ましい態様では、触媒は、反応チャンバに都合良く挿入且つ取り出しできるインサートの形態である。(同一タイプまたは異なるタイプの)反応チャンバを、複数のタイプの触媒と系列をなして組み合わせることができる。たとえば、反応体を、第一のタイプの触媒を含有する第一の反応チャンバに通し、このチャンバからの生成物を、第二のタイプの触媒を含有するそれに続く反応チャンバ(または同一反応チャンバの次の段階)に通し、ここで生成物(またはより正確には、中間体)がより好ましい生成物に転換することができる。所望により、(単数または複数の)追加の反応体を、この次の反応チャンバに添加することができる。
この触媒は、ウォッシュコートなどの他の方法によっても形成することができる。金属表面上には、化学蒸着、熱酸化などにより、続いて形成されるウォッシュコートの接着を促進する緩衝層を最初に塗布するのが好ましい。
一体型反応器で反応を実施する好ましい反応器及び方法は、その特性によって特徴付けることができる。特記しない限り、これらの特性は、実施例で記載の試験条件を使用して評価する。本発明は、任意の特性の個々にまたは任意の組合せによって特徴付けることができる。平均容積当たりの熱流束は、少なくとも1W/ccであるのが好ましく、または他の好ましい態様では、少なくとも5W/cc、若しくは10W/cc、若しくは20W/cc、若しくは50W/cc、若しくは100W/cc、または約120W/ccであり、態様によっては10〜約120W/ccである。このデバイスは、実施例の部分で記載された標準NOx試験測定によって測定したときに低いNOx発生量によって特徴付けることができる。NOx発生量は、好ましくは100ppm未満であり、50ppm未満がより好ましく、10ppm未満がさらに好ましく、5ppm未満がより好ましく、態様によってはNOx発生量は、約5〜20ppmの範囲である。燃焼を含む本発明のプロセスは、100%未満の過剰空気(または、同等に過剰の酸素)を使用するのが好ましく、75%未満がより好ましく、50%未満がさらに好ましく、25%未満、または10%または5%の過剰空気がもっと好ましい。デバイスの特徴付けに関しては、過剰の酸素は熱流束測定試験で設定された条件下、または(NOx発生量に関連して特徴付けする場合には)標準NOx試験測定で設定された条件下で測定する。発熱及び/または吸熱反応チャンバでの圧力降下は、以下の(好ましい順、反応チャンバの長さをベースとする)295,000Pa/cm;250,000Pa/cm;125,000Pa/cm;50,000Pa/cm;25,000Pa/cm;12,500Pa/cm;2500Pa/cm;または1500Pa/cm未満であるのが好ましい。デバイスに関しては、圧力降下は、熱流束測定試験で設定された条件下、または(NOx発生量に関連して特徴付けする場合には)標準NOx試験測定法で設定された条件下で測定する。
本デバイスは、所望の特性に応じて、プラスチック、金属、セラミック及び複合体などの材料で製造することができる。デバイスを環境から分離する壁は、断熱性であってもよい;しかしながら、隣接する発熱及び吸熱反応チャンバを隔てる壁は、熱伝導性であるべきである。
本デバイスは、単一ブロックの材料の中にチャンバを形成することにより、複数の構成成分をつなぎ合わせることにより、及びシムを積み重ね、接着することによって製造することができる。
好ましい一体型反応器ボデーは、単一ブロック材料から製造することができる。そのチャネルは本体にワイヤEDMで作ることができ、ヘッダ及びフッタは、別個に作って溶接できるので、デザインに柔軟性が加わる。ワイヤEDMを使用して、金属ブロックに、流れが通過し、単位操作を行うマイクロチャネルであるスロット(slot)や細孔を作る。シンカーEDM(sinker EDM)、レーザー機械加工、及び大きなチャネルでは、慣用のフライス削り(milling)も使用して、単一ブロック材料からチャネルを製造することができる。
開口部を含むシムは、慣用の機械加工、ワイヤEDM、レーザー切削、光化学機械加工、電気化学機械加工、モールディング、ウォータージェット、スタンピング(stamping:打ち抜き加工)(エッチング、たとえば、化学的、光化学及びプラズマエッチング)及びこれらの組合せを含むプロセスにより形成することができる。低コストとするには、スタンピングが特に望ましい。このシムは、ラムプレス(ram press)またはHIPチャンバ等の拡散接合法によって、一緒に接合することができる。これらは、接顔部(face seal)を作る他の方法または反応性金属接合によって一緒に接合することもできる。あるいは、レーザー溶接シムをデバイスまたはシートと連結して、流路の間にシールを形成してもよい。あるいはデバイスは、接着剤を使用して連結してもよい。好ましい態様では、デバイスは一段階で積層し、それほど好ましくない態様では、第一のセットのシムを一緒に接合し、続いて第二の(またはそれ以上の)セットのシムと接合する。好ましい態様では、一連のシムを一段階で一緒に接合し、次いで得られた接合品を複数のデバイスに切断する。
本発明の接触プロセスとしては、アセチル化、付加反応、アルキル化、脱アルキル化、水素脱アルキル化、還元性アルキル化、アミン化、芳香族化、アリール化、自熱式改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元性カルボニル化、カルボキシル化、還元性カルボキシル化、還元性カップリング、縮合、分解(クラッキング)、水素分解、環化、シクロオリゴマー化(cyclooligomerization)、脱ハロゲン化、二量体化、エポキシ化、エステル化、交換、フィッシャー-トロプシュ(Fischer-Tropsch)、ハロゲン化、水素ハロゲン化、同族体形成(homologation)、水和、脱水、水素化、脱水素化、水素カルボキシル化、水素ホルミル化、水添分解、水素金属化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理(HDS/HDN)、異性体化、メチル化、脱メチル化、メタセシス(置換)、ニトロ化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質(reformation)、逆水性ガスシフト(reverse water gas shift)、スルホン化、短鎖重合、エステル交換、三量体化、及び水ガスシフトが挙げられる。
本発明のもう一つの都合のよい点は、短い接触時間で、優れた収率(または優れた性能測定基準)が得られるという点である。好ましい方法では、気相反応に関するこの接触時間は、100ミリ秒(ms)未満であり、50ミリ秒未満であるのがより好ましく、1〜25ミリ秒であるのがさらに好ましい。液相反応は、少なくとも3オーダー遅いと予想される。接触時間は、チャネル長さを短くしつつ、バルクフローと多孔質触媒との拡散距離を狭くすることによって、短くすることができる。炭化水素水蒸気改質の好ましい態様では、これらの接触時間では、少なくとも一つの反応チャンバの開始部に入る炭化水素の平衡転換率の少なくとも70%、より好ましくは90%が、水素、一酸化炭素及び/または二酸化炭素に転換される。他のプロセスで同様に改良することができる。
幾つかの好ましい本発明のプロセスのプロセス特徴としては、以下のものが挙げられる:
1.発熱反応として燃焼を利用することに関し、近化学量論量の燃料:酸素比(過剰空気100%未満)で安全に操作できる。これにより、必要な空気量が減らせるので、系全体の熱効率を高め、且つ外部空気ブロワーまたはコンプレッサに必要な負荷が減らせる。
2.短い接触時間、逆に言えば気体の時間当たり空間速度(gas hourly space velocity)が高い状態で水蒸気改質を操作できる。これには小型デバイスを作る必要がある。
3.高い熱流束で操作できる。これには、短い接触時間で操作する必要がある。
4.反応器の単位長さ当たり小さい圧力降下で操作できる。これによって、単位容積当たりの高い生産性が可能になる。
5.追加:気相反応の急冷/阻害ができる。チャネル径が急冷直径に近いか、それよりも低下するにつれて、都合の悪い気相均質燃焼反応の寄与分が減少する。
広い側面において、本発明は、吸熱反応と発熱反応との任意の組(またはそれ以上、すなわち、異なる触媒を含む異なる反応チャンバで異なる組成で運転することができる)に関する。
水蒸気改質において、気体の時間当たり空間速度は、10,000/時間を超えるのが好ましく、より好ましくは50,000/時間を越え、それぞれ100〜1ミリ秒のオーダーで接触時間に対応する、約100,000/時間〜106/時間を変動し得る。メタン水蒸気改質の操作圧力は、1気圧〜50気圧を変動し得る。1〜30気圧の範囲が好ましい。水蒸気対炭素の割合は1〜10を変動し得、1〜3の範囲が好ましい。
種々の炭化水素類を改質して、水素、一般にはメタン、エタン、プロパンを含むアルカン類、アルケン類、アルコール類、エーテル類、ケトン類など、ガソリン、ディーゼル、ケロセンなどのブレンド及び混合物を製造することができる。
さらに、本発明を使用して、水蒸気改質以外の他の吸熱反応を強化できる。たとえば、本発明を利用して、一体化燃焼反応を経て熱を供給することにより、脱水素反応を強化できる。
本実施例で記載する装置で使用する好ましい触媒は、以下の手順に従って製造した。
改質器チャネルの触媒は、Technetics、Deland、Florida製のFeCrAlY合金の金属フェルト上に13.8%-Rh/6%-MgO/Al2O3の触媒を含んでいた。この改質触媒は、厚さ0.01インチと90%多孔性のFeCrAlYフェルトをベースとするウォッシュコート法を使用して製造した。ウォッシュコート前に、空気中で2時間、900℃に急速加熱することにより金属フェルトを予備処理した。金属表面と触媒との間の密着性を高めるために、密でピンホールのない界面層を、金属有機化学蒸着法(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)により最初に酸化FeCrAlYフェルト上にコーティングした。この界面層は、Al2O3、Al2O3+SiO2またはTiO2などであってもよい。たとえばTiO2をコーティングしたとき、チタニウムイソプロポキシド(Strem Chemical、Newburyport、MA)を、250〜900℃の温度、0.1〜100トール(torr)の圧力で蒸着した。フォームに対して優れた接着性を持つチタニアコーティングは、600℃の蒸着温度及び3トール(torr)の反応器圧力で得られた。この層は金属フェルトと触媒との間の接着性を高めただけでなく、水蒸気改質反応の間、FeCrAlYが腐蝕しないようにも保護した。13.8重量%Rh6重量%MgO/Al2O3粉末化触媒は、1)高表面積ガンマ-アルミナを500℃で5時間焼結し;2)硝酸マグネシウムの水溶液を使用する初期湿潤法を利用してガンマ-アルミナをMgOで含浸させて、MgO変性ガンマ-アルミナ支持体を得;3)この変性支持体を110℃で4時間乾燥し;続いて4)900℃で2時間、二回目の焼結をし;5)硝酸ロジウム溶液で初期湿潤法を使用して、この変性支持体をRh2O3で含浸させ;6)続いて110℃で4時間最終乾燥し;次いで7)500℃で3時間最終焼結させて、担持触媒粉末を得ることにより製造した。触媒コーティングスラリーは、1:6の割合で上記粉末触媒と脱イオン水とを混合することにより製造した。この混合物を24時間ボールミルにかけて、1ミクロン未満の触媒粒子を含有するコーティングスラリーを得た。熱処理し、CVDコーティングしたフェルトは、このフェルトを触媒スラリー中に浸漬することによってウォッシュコートした。このウォッシュコートプロセスを繰り返して、所望の重量増加を得た。それぞれのコーティングの間に、触媒をコーティングしたフェルトを、100℃のオーブン中で1時間乾燥した。このコーティング手順を繰り返して、所望のコーティング厚さまたは触媒充填量を得た。最終コーティング段階の後、触媒を100℃のオーブン中で一晩乾燥し、次いで空気中、2℃/分の速度で300℃〜500℃の温度にゆっくりと加熱することにより焼結した。コーティング化触媒の量を測定すると、フェルト1平方インチ(6.5cm2)当たり触媒0.1グラムであった。水蒸気改質試験の前に、加工処理済み触媒フェルトを活性化処理、好ましくは300℃〜400℃での還元に暴露した。
この一体型燃焼触媒は、ICRデバイスの内部インコネル壁に直接適用されるウォッシュコート型触媒であってもよい。このインコネル表面は最初に、可能であれば、ヘキサン、硝酸(20%)、及びアセトン(またはプロパノール)中で超音波により清浄化される。この清浄化溶液は、インコネル表面上に流すのが好ましい。次いで、空気中(可能であれば、流す)、3.5℃/分で500℃まで加熱することによりインコネル表面で自然の(native)酸化クロム層を形成し、次いで500℃で2時間保持される。次いでこの温度を3.5℃/分で950℃に高め、950℃で2時間保持する。次いでこのインコネルを、5℃/分以下の速度で室温に放冷する。次いでこの活性パラジウム成分を、硝酸パラジウムの10重量%溶液中に必要な付着面積を沈めることにより、酸化クロム(chromia)層に適用する。これは静的沈降(static submersion)により、または流体をデバイスに必要な液体レベルまで汲み上げることにより実施する。次いでこの溶液を、付着面と2分間接触させたままにする。次いでこの溶液をインコネル表面から除去し、残存するパラジウム量を、示差測定によって計算する。チャネルコーティングの場合、閉塞しないようにチャネル内に窒素を流す。次いでこの触媒を、可能であれば真空下で、100℃で1時間乾燥する。次いでこの触媒を3.5℃/分で850℃に加熱し、850℃で1時間保持することによって焼結する。そしてこの触媒を5℃/分以下の速度で室温に放冷する。
幾つかの例では、フェルト形の燃焼触媒を製造し、(単数または複数の)燃焼マイクロチャネルに挿入した。
加工処理済み燃焼触媒は、Technetics製FeCrAlYフェルトをベースとしても製造した。加工処理済み水蒸気改質触媒の製造と同様に、このFeCrAlYフェルト基板を最初にマッフル炉(muffle furnace)(傾斜速度:ramping rate=20℃/分)で、空気中、900℃で2時間熱した。燃焼プロセス後、このフェルトを室温に冷却した。次いでこれをミクロンサイズのガンマAl2O3粒子を含有するコロイドAl2O3溶液(PQコーポレーション製)中に浸漬コーティングした。この段階は、フェルトを溶液中に浸漬し、次いで吸着シート上でフェルトの余分な溶液を取り除き、続いて110℃で一晩真空乾燥することにより実施した。このサンプルを500℃に3時間加熱してから、Pdを添加した。このPdは、今はAl2O3層を含有する加工処理済み基板を、20重量%Pd(NO3)2溶液(Engelhard製)に浸漬することにより添加した。過剰のPd(NO3)2溶液を除去し、サンプルを真空下、110℃で少なくとも4時間乾燥した。350℃に2℃/分で加熱し、次いでその温度で等温的に3時間、保持することにより、最終焼結を実施した。製造したPd/Al2O3加工処理済み触媒は、Al2O3上47重量%Pdの公称充填量と、0.126g触媒/gFrCrAlYである。
[実施例1]
一体型燃焼反応器(ICR)
この一体型接触燃焼反応器は、単一の接触燃焼チャネルと壁を共有する単一メタン水蒸気改質装置チャネルから構成されていた。熱は、高温(燃焼)側から低温(改質反応)側へこの共通する壁の中を通って移動し、吸熱反応を生じさせた。ICRの一つのデザイン(バージョン1)では、燃焼細流用のヘッダ空間(header space)もフッタ空間(footer space)も有さず、代わりに触媒の上に直接、混合していない燃焼ガスを導入した。これは、触媒の上流で(すなわち、ヘッダで)均質燃焼が起きないように確保するためであった。改質器側のもの(図8参照)と同一の、燃焼側上に0.25インチ(6.4mm)×0.4インチ(10.2mm)のヘッダ空間とフッタ空間を含むICRの第二のデザイン(バージョン2)を製造した。これは燃焼器側でのチャネル形成の可能性を減少し、反応器の幅全体にわたって流れ(及び反応熱)をより均一に分配して、触媒寿命を長期化し、改質器転換率を高めるために実施した。それぞれのICRユニットの全寸法は、0.23インチ×0.5インチ×1.7インチであり、それぞれの触媒の寸法は、0.01インチ×0.5インチ×1.0インチであった。この実施例だけの熱流束計算の目的に関しては、残存触媒容積が反応体の流れで閉塞するので、0.4インチの触媒幅を算入した。改質器及び燃焼器チャネル触媒は両方とも、一度組み立てるとフローバイ隙間がないので、触媒の中を貫通する反応体の流れを伴って作用し(従って極端に大きく圧力降下し)た。使用した試験実験条件を表1に示す。燃焼燃料及び空気は予熱せず、SMR反応体を約600〜650℃まで予熱した。出口圧力については報告しないが、周囲気圧に近かった(〜約1絶対バール)。
一体型燃焼反応器装置(バージョン1とバージョン2)を、二枚の0.115インチ(2.9mm)×0.7インチ(17.8mm)×1.7インチ(43.2mm)のプレートの間に溶接した全周(perimeter)である0.010インチ(0.25mm)のインコネル625熱伝達シムから製造した。一枚のプレートは熱伝達シムに対して加工処理済み燃焼触媒を保持し、一方でもう一枚のプレートは、シムの反対側に対して加工処理済みSMR触媒を保持する。それぞれのプレートは、一端で0.125インチ(3.2mm)外径(O.D.)(1.8mm内径:I.D.)インコネル管の中のキャビティ(内面に機械加工を施した)内に反応体(燃焼またはSMR)を収容し、もう一端の同様の管に生成物を送出した。バージョン1の燃焼プレートの場合を除いて、触媒と入口管または出口管との間の0.25インチ(6.4mm)の長さの流路を含めて、ヘッダ及びフッタ領域を提供して、断面全体に流れを分配し易くする。それぞれの触媒を、流路の両側に機械加工された0.050インチ(1.33mm)×1.0インチ(25.4mm)のレールにより熱伝達シムとしっかりと熱接触させて保持した。空気入口管内の同軸様式で入れ子になった0.063インチ(1.6mm)管(1.1mm内径I.D.)を通してデバイスに燃料を導入して、1.6mm管の末端(熱伝達シムから約1〜2mm)まで、空気と燃料とが混合しないようにした。
この二つの触媒の間の熱伝達面積は、0.4インチ(10.2mm)×1.0インチ(25.4mm)であった。(平均容積測定熱流束を計算するために使用した)反応器コア容積は、熱伝達ウェブ厚さ(0.25mm)と、SMRチャネル厚さ(0.25mm)と、燃焼チャネル厚さ(0.25mm)の合計に熱伝達面積をかけたものとみなされる。
第一の構成を使用する2回の熱サイクルと6時間の運転後、水蒸気改質器への熱伝達をさらに改良しようとして、流れの構成を並流から向流に変えた。燃焼器でコークスが形成する可能性を排除するために、第一のデザインの運転では、水素/空気混合物のみを使用した。
水素/空気混合物を3時間燃焼し、次いでメタン/空気混合物を4時間燃焼するために、バージョン2を(並流構成で)連続的に試験した。ICRバージョン2の操作の間、燃料当量比が0.7を超えないようにして、(化学量論量での約〜2110℃に反して)H2/空気混合物に関して1740℃、CH4/空気混合物に関して1565℃の最大断熱火炎温度を保持した。
Figure 0005623715
[結果]
バージョン1
最大燃焼器出口温度を1050℃未満としつつ、5%過剰の空気(燃焼当量比0.95)で一体型燃焼反応器で水素転換率99.9%を達成した。対照的に、外部水素燃焼器は、断熱的燃焼生成物温度を1050℃以下に保持するのに、186%の過剰の空気(燃料当量比0.35)が必要であった。燃焼器チャネル内の典型的な圧力降下は、1.75ミリ秒(ms)の接触時間では約〜40psigであった。一体型燃焼器のマイクロリアクターでの圧力降下は、第一に流速が非常に大きいこと(接触時間が非常に短いこと)と、第二に空気が(非常に狭い環を通って)供給されることにより、燃焼側で非常に高かった。
Figure 0005623715
このICR水蒸気改質器(水蒸気対炭素モル比〜3)は、並流構成で一体型燃焼器からの熱を抽出し、改質器接触時間20〜60ミリ秒(ms)(図9〜10を参照されたい。標準温度及び圧力で全ガス流速と触媒を含む総チャネル容積をベースとして計算した接触時間)で水蒸気改質温度780〜800℃と、メタン転換率を75%まで高く保持することが可能であった。
3.5ミリ秒未満の総チャネル接触時間(5%過剰空気)の燃焼器に関しては、本デバイスでは、水素燃焼領域は、接触燃焼領域の出口を越えて広がるように見えた。燃焼器流速が増加すると共に、燃焼器出口ガス温度が低下し、出口の直ぐ下流のガス温度が上昇することがこのことを明示している。改質器温度を750℃以上にするには、高い燃焼器燃料流速(すなわち<4ミリ秒の接触時間)が必要であった。このことは、燃焼触媒の中心の30%に燃焼細流がチャネル形成しているためと思われる。チャネル形成(channeling)と触媒失活とが避けられるならば、<1.2ミリ秒の水素/空気接触時間が達成できると考えられる。燃焼器「出口」温度は断熱火炎温度よりずっと低いといっても、燃焼触媒を試験すると、貴金属の焼結または蒸発と、再付着が起きていることが判明した。このことは、許容できない程高温(>1200℃)の領域が燃焼器の中に存在していたことを示唆する。
バージョン2燃焼器(CR)
ICRバージョン2の燃焼器にヘッダを装備すると、燃焼器と改質器の両方の運転効率が大きく高まった。ICRバージョン2の燃焼器試験結果を表2に示す。ICRバージョン2の燃焼器側部を横切る最大圧力降下は、全チャネル接触時間2.8ミリ秒でCH4/空気に関して5.4バール(78psid)であった。
このバージョン2のデバイスの運転中、二つの燃焼器運転状況(regime)を観察した。第一の状況では、水蒸気改質側で見られる最高温度は、燃焼器入口と正反対のヘッダであった(通常>100℃、最高本体温度より上)。これは、この状況において、燃焼器のヘッダに均質燃焼領域が存在することの強力な証拠である。第二の燃焼状況では、改質器内の最高温度は、ヘッダよりもむしろ、(プレート壁に1.78mmの深さに沈めた、側部プレート中心の熱電対ウェルにおける)本体温度である。さらに、第二の状況では、燃焼器入口の温度は、燃料/空気混合物に関する自動着火温度よりも低下する。これは、状況2がヘッダ内の燃焼を含まない証拠である。言い換えれば、状況2では、火炎は、安定な形でヘッダ内の燃料入口管に付着しないだろう。表2は、バージョン2の運転中に、それぞれの状況を観察した条件について記載する。(改質器ヘッダ温度における急激な不連続変化により識別されるように)状況1/状況2の間の遷移は、プロセス条件を変化させた後、それぞれ約3〜4分間、試験する間に2回観察された。
表2に示されている条件でのこのデバイスにおいて、多分、水素/空気混合物の異常に高い(メタン/空気混合物よりも1桁高い)火炎速度により、水素燃焼は状況1でのみ動作する。他方、メタン燃焼は、いずれの状況でも観察され、遷移は、約〜600〜100sccm総反応体流の間のどこかで起きていた。いずれの燃焼燃料/状況も、同一の総流量及び燃料当量比で(水蒸気改質器性能に関しては)同様の結果を与えたが、改質器温度は、状況2に関しては(流路に沿って)もっと一様であった。7時間の一連の運転でも、燃焼器燃料転換率の低下は観察されなかった。
Figure 0005623715
バージョン2水蒸気改質器(SR)
バージョン2の燃焼器のより効率的且つより均一に実行できる能力により、本水蒸気改質器は、バージョン1の改質器よりもずっと高い転換率を達成し得た。バージョン2のICRの結果は、図11〜12に示す。予想されたように、温度上昇に伴って転換率は上昇するが(図11参照)、ヘッダ、フッタ及び本体温度は、内部ガス温度よりもずっと低いだろうから、改質器内部の温度はそのような小さな装置では確認するのが難しい。40〜20ミリ秒に接触時間を減らすとSRメタン転換率も減少する(図12参照)が、処理量が増加するに連れて温度も(少なくとも25℃だけ)低下するので、変化が強調される。COに対する選択性は温度上昇に伴って顕著に増加するが(図11参照)、接触時間の増加には伴わない(図12参照)。最高SR転換率は、最も熱い条件であり(65.4Wthermalメタンは、43%過剰空気で燃焼した)、ここでは98.6%メタン転換率及び66%のCO選択率が、48psigの供給材料圧力、水蒸気:炭素=3:1及び38.0ミリ秒(SR)の接触時間で達成された。最高燃焼器温度で1.5時間運転した後、転換率は98.0%に低下し、やや失活したという証拠が示された。最低SRメタン転換率は、19.0ミリ秒のSR接触時間で93.6%であった。本水蒸気改質器は、全部で6.5時間稼働した。炭素バランスは、一つの条件だけ除いてほぼ±4%以内であった。
[結論]
以下は、実施例1での重要な知見である。
1.一体型水素/空気燃焼(フローバイ構成)は、ヘッダがデザインに含まれる場合、よく混合した、均一分散細流、少量の過剰空気及び、3.2ミリ秒と短い総チャネル接触時間に関しては、非常に前途有望のようである。これらの燃焼器(CR)条件下では、100%のH2転換率が達成された。一体型メタン/空気燃焼(フローバイ構成)は、ヘッダがデザインに含まれる場合、よく混合した、均一分散細流、少量の過剰空気及び、2.7ミリ秒と短い総チャネル接触時間に関しては、非常に見込みがあるようだ。驚くべき99.6%のCH4転換率と、CO2に対する100%の選択性は、これらのCR条件と、空気予備加熱なしで達成された。そのような性能は、外部接触燃焼器におけるメタン燃焼に関しては、少なくとも5倍以上長い接触時間(及び空気予備加熱約400℃)が必要であった。
2.一体型接触燃焼チャネルは、ICRバージョン2のデバイスにあるヒートロスの「最悪の場合」の条件下でさえも、同サイズの隣接チャネルにおける吸熱接触水蒸気改質反応を維持するのに必要な熱を提供することができる。SRメタン転換率は98.6%と高く、COに対する選択性66%が観察された。
3.燃焼触媒断面(すなわち、チャネル形成)を横切る燃焼反応体の分散が不十分であると、燃焼器と改質器のいずれにおいても転換率が大きく低下した。
4.これらのICRデバイスのデザイン(バージョン1&2)により、温度(約850℃〜900℃)で、40ミリ秒のSR接触時間で運転したときに、改質器(約〜3.3バールまたは48psid)と燃焼器(約〜5.4バールまたは78psid)のいずれにおいても予想外に大きな圧力降下が起きた。
[実施例2]
この実施例は、熱生成(発熱性)及び熱消費(吸熱性)反応チャネルが直ぐ隣接している(一体化している)、高効率、高処理量の小さなマイクロチャネル反応器のデザイン、組み立て、及び試験結果について記載する。空気中の水素の燃焼を発熱反応として利用し、同時に水蒸気対炭素モル比3:1でのメタンの水蒸気改質を吸熱反応として利用した。新しいICRデザイン(フローバイ)を使用すると、多孔質加工処理済み触媒に隣接する狭い(0.125mm)隙間に反応体細流をそれぞれ流しておくことによって、最少(すなわち<11psi)の圧力降下で、ずっと多い処理量が可能になった。この新しいデザインは、両側に改質器チャネルによって側面に配置された(二つのマイクロチャネルの)中心燃焼領域を含んでいた。
このICR(図13を参照されたい)は、短くした燃焼触媒床(0.2インチ、0.5cm)を使用して、接触と均質水素燃焼との組合せを可能にした。水素は、触媒床の長さに沿ってではなく、チャネル幅を横切ってのみ分配された。全水素燃料の細流を、触媒床の0.030インチ(0.08cm)上流の8つの0.009インチ(0.02cm)の穴(hole)を通して燃焼チャネルに供給した。
水蒸気改質器(SR)触媒の寸法は、0.01インチ×0.5インチ×1.0インチ(0.25mm×1.27cm×2.54cm)であり、燃焼器(CR)触媒は、0.01インチ×0.5インチ×0.2インチ(0.25mm×1.25cm×0.51cm)であり、幅のたった1.02cmが反応体流に暴露され、それぞれの端部の0.12cmは両側の所定の位置に触媒を保持するために使用した。この実施例に関する熱流束計算の目的に関しては、残余の触媒容積が反応体流により閉塞されてしまうので、たった0.4インチの触媒幅を算入した。それぞれの触媒について、0.012インチ(0.30mm)の幅を見越しておき、SRチャネルとCRチャネルにおいても0.005インチ(0.13mm)と0.017インチ(0.43mm)のフローバイチャネル幅をそれぞれ見越しておいた。このICRは、並流配置で運転した。試験に使用した実験用配置は、実施例1と同じであった。このICRは、SRチャネルではメタン水蒸気改質反応を実施しつつ、CRチャネルで空気中40%過剰量の空気と、空気中化学量論量の水素の両方に関して試験した。
本体温度は、水蒸気改質器触媒床の上部、中間部及び底部に対応する位置で、それぞれの改質チャネルの裏面でICRユニットの長さに沿って3カ所で、1/16インチ(0.16cm)深さのサーモウェル内部で測定した。この燃焼器は、Brooksマスフローコントローラー(MFC)により供給された空気中の水素を使用して、接触時間と空気当量比の範囲に関して試験した。改質器は、約750〜800℃の平均温度で広範囲の改質器接触時間で試験した。メタンはBrooks MFCにより供給し、水はHPLCまたはシリンジポンプにより供給した。MTI GCを使用して、燃焼器と改質器の両方の部分で、出口組成物を測定した。全ての試験は、3:1モルの水蒸気対炭素モル比を使用して周囲温度で実施した。
実施した試験結果の概要を表3に示す。この試験は、反応器の長さに沿ってSR本体温度が大きく低下(36〜80℃)したことを示し、このことは、燃焼の大部分が(触媒領域の)燃焼チャンバの入口で起きたことを示唆している。改質反応に熱を供給するための理想的な領域は触媒入口のところであり、ここではSMR反応器濃度勾配(つまり、反応速度)は最高である。水素燃焼の高い反応速度と相まってICRとSMRの並流構成は、触媒床入口付近で大部分の熱を送出し、かくしてSMR反応速度を最大化する。
Figure 0005623715
このデバイスは、それぞれの改質器チャネルで同じ位置のSR本体温度が50℃以上も違うことを示し、このことは、燃料または空気が二つの燃焼器ハーフチャネルの間に均一に分配されていないことを示唆している。このICRデバイスは、燃焼により生じた熱の最大54.8%を吸熱反応に輸送した(生成されたエネルギーの約40%が燃焼生成物を740℃に加熱するのに消費されたものと推測される)。かくして、ピーク容量で運転すると、デバイスでのヒートロスは、740℃で利用可能なエネルギーの10%程度と低く、このことはそのような小さな装置が途方もなく高い効率であることを示している。計算した最大平均熱流束は、13.2W/cm2であった。この流束は、吸熱反応を駆動することに関し文献報告されたもののどれよりも高い。このフローバイICRの概念を使用して、モノリスまたはフロースルー触媒構成を使用するデバイスよりもずっとコンパクトで且つ性能が優れている高処理量の反応器を製造できることになる。
一体型燃焼反応器(ICR)の第二のタイプの試験結果は、外部燃焼器で可能な効率よりもずっと高い効率を示している(燃焼燃料エネルギーの56.7%もが水蒸気改質反応に輸送され、92%燃焼燃料転換率及び47%過剰空気では最大で60.4%が輸送可能)。熱流束は13W/cm2であり、文献報告値のどれよりも高い。この熱流束が起きた条件に関しては、燃焼器と改質器を横切って測定された圧力降下は、それぞれ0.46バール(6.7psid)及び0.76バール(11.0psid)であった。これらの結果は、このフローバイ触媒配置が接触燃焼熱伝達速度を可能にし、現存するICR様デバイスよりもずっと効率がよいことを立証している。対照的に、フロースルーデバイス(実施例1)は、熱流束3.0W/cm2で燃焼器及び改質器にわたって5.3バール(77psid)及び5.0バール(72psid)の圧力降下に陥った。
改質器性能の典型的な結果を図14に示す。測定した反応器温度に関して計算したCOに対する平衡選択性の値(全部で6つの本体温度の平均と等しくなるように仮定)は、測定した選択性の値とよく一致した。図14のデータから、ICRは、改質器接触時間15ミリ秒に関しては平衡転換に、接触時間7.5ミリ秒では殆ど平衡転換に到達し得ることが明らかである。
図15〜16は、燃料または空気のどちらかが二つのハーフチャネルの間に均一分配されていないという仮定を支持する。図15のデータは、試験した接触時間の範囲に関しては、接触時間が短くなっても転換率は減少しないことがわかるが、このことは、触媒活性により転換率は制限されないことを示唆している。
過剰量の空気が減少するに連れて、水素転換率では大きな傾向が知見され、このことは、約150%より低い過剰空気の場合には、燃焼ハーフチャネルの一つは富燃料で作動されて、最大到達可能な全転換率を制限することを示唆している。
ICRは6日間にわたって全部で約21時間運転し、燃焼器触媒でも改質器触媒のどちらでも顕著な失活は知見されなかった。試験の間、測定した本体温度は860℃を越えることはなく、通常750〜800℃であった。
[結論]
1.一体型燃焼器反応器(ICR)デバイスを設計、組み立て、改質器と燃焼器チャネルでそれぞれ0.76バール(11psid)及び0.46バール(7psid)の圧力降下で、13.2W/cm2の熱伝達速度を到達できることが示された。
2.燃焼触媒床は改質器触媒床の1/5の長さまでしか伸長しなかったのにもかかわらず、チャネル改質器接触時間が15ミリ秒と短いこのICRデバイスで、平衡転換率及び選択性が達成できた。
3.750℃〜800℃で21時間運転した後、燃焼器は通常たった41%過剰空気(<3%の過剰空気など逸脱もあるが)で実施したにもかかわらず、この単一チャネルICRデバイスは、触媒失活の顕著な徴候を示さなかった。
この「単一チャネル」ICRデバイスは非常に高容量であるので、740℃で利用可能な全エネルギーの10%もの低いヒートロスが達成可能であった。
[実施例3]
この実施例は、熱生成(発熱)及び熱消費(吸熱)反応チャネルが互いに交互配置(一体化)されたマルチチャネル交互配置(interleaved)マイクロチャネル反応器の設計及び試験について記載する。空気中の水素の燃焼を発熱反応として利用し、同時に水蒸気対炭素モル比2:1でメタンの水蒸気改質を吸熱反応として利用した。いずれの反応の圧力も大気圧程度であり、系の圧力降下を乗り切るのに必要な圧力で操作した。SMR側に関しては、典型的な操作圧力は139kPa(5.5psig)であり、燃焼側での典型的な操作圧力も137kPa(5.2psig)であった。中実チャネル壁または熱伝達面と緊密に熱的接触している多孔質の加工処理済み触媒の二層間の狭い(約0.2mm)隙間にそれぞれのチャネル(発熱か吸熱)の反応体細流が流れるようにすることにより、最少(<0.2バールまたは3psid)圧力降下でずっと多い処理量となる、フローバイデザイン(フローバイ)を使用した。反応体は実質的に、隙間から多孔質の加工処理済み触媒へ拡散する。次いで反応体は、熱伝達表面に近接する多孔質の加工処理済み触媒内に拡散し反応し続ける。このデザインは、並流配置の10個の改質器チャネルの間に交互に重ねられた9つの燃焼チャネルを含んでいた。一体型燃焼反応器(ICR)試験結果は、このICRの概念はマルチチャネルデバイスでの利用に関しスケールアップ可能であることを示した。
ICR装置本体は、ワイヤEDMを使用してインコネル625から製作して、金属塊ブロックにスロットを形成した。このデバイスは長さ5.33cm(2.1インチ)×高さ5.23cm(2.06インチ)×幅2.54cm(1.0インチ)のブロックから製造した。9つの燃焼チャネルは、ワイヤEDMによりブロックの長さを貫いて5.3cm機械加工し、それぞれのチャネルは全幅1.78cm(0.7インチ)と高さ0.081cm(0.032インチ)であった。それぞれの燃焼チャネルは、ブロックの幅2.5cmに集中させた。9つの燃焼チャネルの間に8つのSMRチャネルを挟み込み、これらの挟み込んだチャネルを支えるものは2つの小さなSMRチャネルであり、それぞれの燃焼チャネルの両側にヒートシンクを確保する。ブロックの全てのSMRチャネルは長さ4.57cm(1.8インチ)であり、このチャネルは、燃焼反応体が入る側部から0.25cm(0.1インチ)と、燃焼チャネル出口から0.51cm(0.2インチ)のところから始まる。8つのSMRチャネルは高さ0.081cm(0.032インチ)であり、2つの小さな支え(bracketing)SMRチャネルは高さ0.043cm(0.017インチ)であった。全てのSMRチャネルと燃焼チャネルとの間の分離は、0.15cm(0.060インチ)厚さの熱伝達ウェブにより保持され、交互配置(差込)チャネルは装置高さの5.23cmに集中させた。通常のチャネル位置及びチャネルの交互配置特徴はいずれも図17に示されている。
SMRチャネルへの流体アクセスは、燃焼チャネルに対して直角の方向でチャネルが機械加工された側部を通る。燃焼チャネルと同時にそれぞれのチャネルのSMRの流れを移動させるために、2つの4.01cm(1.6インチ)×0.38cm(0.15インチ)の側部片(side piece)を、SMRチャネル高さと合う高さでそれぞれのSMRチャネルに製造した(プレスフィット)。それぞれのSMRチャネルに関して、0.51cmの開口部分を触媒の上流に残して、反応体ガスがヘッダから通過できるように、これらの側部片の一つをチャネル内0.38cmに配置して、もう一方を反対側に配置して、触媒の下流に同様の開口部を残してガスがフッタを出るようにする。これらの開口部は、ブロックの燃焼入口側から0.25cmのところから始まる。次いでフローバイSMR加工処理済み触媒を、長さ3.57cm(1.4インチ)、幅1.78cm(0.7インチ)及び厚さ0.03cm(0.012インチ)のSMRチャネルに挿入する。二つのSMR加工処理済み触媒は、両方の熱伝達表面に至る8つの中心チャネルのそれぞれに入り、0.02cm(0.08インチ)の隙間を生じさせる。単一SMR加工処理済み触媒は、2つの支えSMRチャネルに入り、燃焼チャネルと共有する熱伝達表面に対して配置されると、0.012cm(0.005インチ)の隙間となる。この触媒はそれぞれのSMRチャネルの長さ4.57cmと幅2.54cmの中心に配置される。上記のフローバイ隙間を保持し、チャネル壁に対して加工処理触媒を維持するために、ふたつの長さ3.57cm(1.4インチ)、幅0.13cm(0.05インチ)のインコネル625ストリップを二つの加工処理触媒の間におき、二つのストリップの厚みは隙間の高さの設計と等しくする。これらの二つのストリップを加工処理触媒長さに対応する長さに一列に並べ、二つの加工処理触媒系をチャネル端部に設置する。最終段階は、別の側部片を、第一の側部片と反対側のそれぞれのSMRチャネルの幅に0.38cmのところに設置することを含む。この配置により、SMR製品にチャネルから出る長さ0.51cmの開口部ができて、この開口部は燃焼生成物が装置を出る端部から0.51cmの長さである。二つの側部片を付加する全体効果は、SMR触媒の隙間によってできたチャネルを通って流れるためのz-形のマニホールドを作り出すことである。SMRチャネルの流路形状を図示する図面は、図18に見ることができる。
単一の入口パイプから10個の全体チャネルへSMR細流を分配するこのSMRマニホールドは、長さ5.08cm(2.0インチ)、高さ4.71cm(1.858インチ)及び幅0.95cm(0.375インチ)の単一ブロック材料から製造する。このブロックでは、個々の円筒形チャネルは先の段落に記載の開口部から、開口部の上に溶接されたハーフチューブ(half tube)へ通じる。それぞれの細流からの出口を単一出口管へ取り込むこのSMRマニホールドは、同様のデザインをもち、その接続シリンダは出口チャネルと符合する。
9個の燃焼チャネルはそれぞれSMR触媒と同一寸法の2つの燃焼加工処理済み触媒を含み、SMRチャネル内で分離するために使用するストリップ用に同一寸法を使用した。燃焼加工処理済み触媒を、燃焼反応器が入る側部からそれぞれのチャネルの長さ0.76cm(0.3インチ)に押し込み、このようにすることによって、SMRと燃焼加工処理触媒表面積が最適な熱伝達となるように一列になした。
燃料(水素)と空気を搬入する燃焼ガスマニホールドは、空気と燃料を9つのチャネルに等しく分配しなければならず、その間、二つの燃焼性細流を燃焼チャネル入口で出会うまで別々にしておく。これは、1.27cm(0.5インチ)×5.23cm(2.058インチ)×2.54(1インチ)幅のインコネル625ブロックを取り、ワイヤEMDを使用して1.27cm×1.78cm×0.03cmの貫通チャネル(through-channel)を機械加工することにより達成され、貫通チャネルの一つは各チャネルの空気と燃料用である。単一の空気チャネルはそれぞれの燃焼チャネルの入口と一列に並び、単一燃料チャネルはその下の0.193cm(0.076インチ)高さにある。この二つのチャネルは、燃焼チャネルと界面を接する平面に機械加工された0.038cm(0.015インチ)の長さのチャネルを使用することによって、燃焼チャネル入口で接続する。これによって、図18に示されているように、燃料は90゜回転して、本体との接触面で切削ポケット(machined-in pocket)に移動して、入ってくる空気の細流と合流し、ここで混合する。かくしてワイヤEDMで製造した燃料チャネルと空気チャネルは、反応器本体との接触面と反対側の表面で溶接により閉鎖される。単一入口管からワイヤEDMで製造したチャネルへ空気を運ぶためのマニホールドは、ブロックの側部から伸長する0.25cm(0.100インチ)径の管に機械加工することにより作る。これらの管は側部から幅2.16cmで伸長し、燃焼チャネルを横切って空気用の個々のマニホールドを作り出す。これら個々のチャネルマニホールドは、一本の管で入口と接続している。燃料用のマニホールドも同様のデザインである。全体のマニホールドは、図17及び図18に示されている。
単一出口管へ燃焼生成物を送るためのマニホールドは、長さ0.95cm(0.375インチ)×高さ4.71cm(1.858インチ)×幅2.29cm(0.9インチ)のインコネル625ブロックから作った。このマニホールドは、流れを集めるために0.200インチ長さの大きな開放空間であり、反応器に接続する反対面の底面には0.46cm(0.18インチ)径の出口がある。
気体反応体をBrooksマスフローコントローラで加圧シリンダから計量し、この間に、高圧液体(HPLC)ポンプから水を輸送する。外部燃焼器及び熱交換ネットワークを使用して、供給水を連続して気化し、水蒸気改質反応体を500〜600℃に予熱し、次いで燃焼空気を500℃に予熱した。装置本体温度は、0.032インチ形のK熱電対を使用してサーモウェル(チャネルの間の選択したウェブにドリルで穴を開けた)で測定し、Iotechデータロギングシステムを使用して記録した。入口及び出口のガス圧力を、較正処理した圧力変換器で燃焼細流及び改質細流に関して測定した。燃焼ガス入口及び出口と、改質ガス入口と出口とで、熱電対によりガス温度も測定した。生成物のガスを水冷コンデンサで冷却し、乾燥した出口細流を乾燥テストメーターで測定した。乾燥ガス組成物(H2、CO、CO2、CH4、O2及びN2)を、オンラインガスクロマトグラフィーにより測定した。全てのICRデバイス試験は、2:1モルの水蒸気対炭素モル比で実施した。
試験初日の前に、触媒を125℃で1.5時間、還元した。ICRデバイスの起動は数段階で実施した。最初に、不活性の流れ(窒素、1〜5SPLM)を燃焼チャネルと改質チャネルの両方で始めた。次に、外部燃焼器を点火して、水蒸気を準備し、外部マイクロチャネルベースの熱交換器を予熱した。次いで、燃焼器への窒素フローを止めて、空気フローを始めた。次いで水素を全体の流れの約3%として燃焼チャネルに導入して、燃焼反応体を接触点火(catalytic ignition)させた。次に、水素含量をゆっくりと上昇させて反応器温度を約700℃にした。次いで小さな水素の流れを改質チャネルに導入して、触媒が水蒸気によって接触酸化されないようにし、気化器を通して水を供給して、改質チャネルに水蒸気を提供した。最後に、改質器窒素を止めて、メタンを改質器に導入して、改質器の水素を止めた。一度改質反応が開始したら、追加の水素を燃焼チャネルに供給して、反応器の温度を750℃〜850℃に保持した。定常状態での操作の間にできたプロセスフローでの変化は、安定状態で実施(同時に改質フローと燃焼フローを変化させる)して、所望の操作温度からICRデバイス温度が大きく一時的に逸脱しないようにした。
周囲圧力付近でのICRデバイスを使用して実施した試験結果の概要を表4に示す。表4において、燃焼空気を500℃に予熱し、低い割合の過剰空気(48〜75%)を使用したので、燃焼チャネル内の断熱火炎温度(adiabatic flame temperature)が理論的に2100℃を越えないようにした点に注意されたい。しかしながら、ICRデバイス内部の最高測定温度は950℃よりも十分に低く、燃焼チャネルから離れて熱を吸熱反応へ輸送するというICRの概念が有効であることを示している。また表4において、高い熱流束(約3W/cm2)と高い転換率が、非常に短い接触時間(33ミリ秒)でさえも達成できたことに注目されたい。接触時間は、ここでは、全容積当たり入口流速(標準条件、0℃及び1気圧に転換)で割った全チャネル容積(触媒とフローバイ領域が含まれる)として定義する。表4に示されるような非常に短い接触時間に関してさえも、圧力降下は最少(約0.14〜0.21バール)であり、このことはICRでフローバイ配置が明らかに好都合であることを示している。
Figure 0005623715
このICRデバイスは、複数のチャネルデバイスにおけるICRの概念を証明するために設計したものであって、最適なプロトタイプではない。入口及び出口のマニホールド、並びにチャネル幾何学の最適化は、容量を増加させ及び/または圧力降下の不利益を軽減させるために推測したものである。ICRデバイス(改質器チャネル)内のメタン転換率の測定は、種々の燃焼チャネル空気当量比に関して実施した。空気当量比は、利用可能な燃焼酸素対燃焼に必要とされる化学量論量の酸素の比として定義する。1.75空気当量比において約83%の転換率から、7.0空気当量比において約63%の転換率まで空気当量比を増加させるに連れて、メタン転換率は徐々に低下したことが観察された。改質反応体の予熱を500℃よりも低下させたときに、改質触媒が幾らかコーキングを起こしたことが観察されたが、空気でコーキングを焼き尽くして、触媒で再還元した後には活性が完全に回復していた。このICRデバイスは、3回の熱サイクルを含めて10時間運転した。
要約すれば、マルチチャネル一体型燃焼器反応装置を設計し、組み立て、それぞれ改質器チャネルと燃焼器チャネルで0.23バール及び0.19バール未満の圧力降下で、熱伝達速度2.8W/cm2と容積あたり熱流束13W/cm3を達成することを示した。全チャネル改質器接触時間33〜60ミリ秒で、このICRデバイスで高い転換率(70〜82%)を達成した。750〜850℃で>10時間運転した後、燃焼器を75%以下の過剰空気で1.5時間を超えて運転しても、このICRデバイスは触媒失活の有意な徴候を示さなかった。
[実施例4]
圧力降下が最小で、非常に高い吸熱反応に一際高い熱流束(最大29W/cm2以下と118W/cm3)を提供し得る一体型燃焼マイクロチャネル反応器をデザインし、組み立て、証明した。この報告は、熱の生成(発熱)及び熱の消費(吸熱)反応チャネルが交互配置されている(一体化)マルチチャネル一体型マイクロチャネル反応器のデザイン及び試験について記載する。空気中での水素の燃焼を発熱反応として利用し、同時に水蒸気対炭素モル比2:1を利用するメタンの水蒸気改質(SMR)を吸熱反応として利用した。中実チャネル壁または熱伝達表面と本質的に熱接触する二層の多孔質加工処理済み触媒の間の狭い(約0.3mm)隙間に、それぞれのチャネル(発熱または吸熱)の反応体細流を流すことによって、最少(<0.34バール)の圧力降下でもっと高い処理量を可能にする、フローバイデザインを使用した。このデザインには、並流配置で6つの改質器チャネルの間に差し込まれた5つの燃焼チャネルが含まれていた。この試験結果は、マイクロチャネル一体型燃焼デバイスを使用して、慣用の改質器で可能であったよりもずっと高い容積あたり熱流束(すなわち118W/cm3)を伝達でき、これらの熱流束は最小圧力降下(0.28〜0.34バール)で達成可能であることを示している。非常に高い気体空間速度(たとえば、106/時間)で高い転換率も可能であった。
気体の時間当たり空間速度とは、1時間当たりにSMR触媒を含むチャネルの中を通過するSMR反応器コア気体容積の数(0℃で1気圧で定義)として定義する。空間速度は、ミリ秒での接触時間で3.6×106を割ることによって計算することができ、いずれもSTP0℃及び1気圧で定義する。全ての容積あたり熱流束計算で使用するための反応器容積は、触媒を含む全ての改質器チャネルと、改質器及び燃焼器チャネルとの間の全ての金属ウェブと、熱を供給するために使用した全ての燃焼チャネルを含む全コア反応器容積を含む。外部包装の容積は二つの流体細流の間の熱伝達に寄与しないので、外部包装は含まない。
[実験方法]
燃焼と一体となった高熱流束マルチチャネル反応デバイスを設計し、組み立て、試験した。このデバイス本体は、1インチ×1.37インチ×1.7インチ(2.5cm×3.48cm×4.3cm)の中実金属ブロックにワイヤEDMを使用してスロットを形成することによりインコネル625から製造した。入口ガスマニホールドと出口ガスマニホールド(すなわちヘッダとフッタ)を含む外部カバープレートをそれぞれ機械加工して、本体に溶接した。ヘッダはそれぞれチャネルからチャネルへ、そしてそれぞれのチャネル内に均一に流れが分配されるように設計した。このデバイス外部の図面が図19aに示されており、入口102、水素入口104、改質器供給材料入口106、改質器生成物出口108及び改質器出口110を含む。試験をする目的に関しては、温度のモニターは、熱電対112によって実施した。図19の小さな管112は全て熱電対の管である。図19bと19cは一体型改質器の分解部品配列図を示す。空気をヘッダ114に供給し、それぞれのスロットの中で等圧で、スロット116に等圧で分配する。同様に、水素をそれぞれの管に等圧で、溝付き管118に入口104を通して供給する。この管118は、水素入口からマニホールド本体120まで伸長する。ガス混合機125の概略図を図19dと図19eに示す(一定の比例に拡大して描かれていない)。突起127は空気フロー用の隙間129を画定する。スロット131を出た水素は、チャネル133を通過し、反応器本体124内の燃焼チャンバ122で空気と混合される。図に示すように、このデザインでは燃焼チャンバの中で且つ燃焼触媒137の非常に近くで空気と燃料を混合する。従って、燃焼チャンバの外の燃焼によるヒートロスを防ぐことができる。水蒸気改質器供給材料をヘッダ130に供給して、等圧で水蒸気改質器チャンバ正面に通す。それぞれのチャンバ132内の改質物の流れの説明が図20に示されている。プレート134は、改質器チャンバの上部及び底部に対して改質器触媒を押し付ける支持体136をもつ。
実施例4のデバイスの本体は、わずか4つのSMRとわずか4つの燃焼チャネルがあり、流れ方向の触媒の長さが1.4インチというより、むしろたった1.0インチであった以外には、実施例3のデバイス本体と同一であった。SMRスロットの寸法は、厚さ0.035インチ(0.89cm)×幅0.7インチ(17.8mm)×長さ1.0インチ(25.4mm)であった。SMRスロットは6つであった。燃焼スロットの寸法は、厚さ0.038インチ(0.97mm)×幅0.7インチ(17.8mm)×長さ1.0インチ(25.4mm)であった。燃焼チャネルは5つであった。このチャネルを、最外部チャネルが、実施例3のデバイスと同様に、燃焼チャネルに隣接し、次いで完全改質チャネルに隣接する改質ハーフチャネルであるように、散在させた。この改質ハーフチャネルは、厚さ0.018インチ(0.46mm)×幅0.7インチ(17.8mm)×長さ1.0インチ(25.4mm)であった。このハーフチャネルは、燃焼チャネルと共有する壁の隣に配置された1つの触媒インサートを含んでいただけであった。全改質チャネルは、それぞれのチャネル壁に隣接配置された二つの加工処理済み触媒を含んでいた。
発熱反応チャネルの流れと吸熱反応チャネルの流れは同一方向(並流)であるが、このデザインでは、改質器の流れは、実施例3のデバイスでそうであるように燃焼フローを集配するよりもむしろ、デバイスの異なる面でマニホールドの接続を提供するために、反応の間、流れの方向に直角方向で出入りする。この接触燃焼は、フローバイ隙間で幾つかの均質燃焼をだいたい伴っていたことに留意されたい。試験の間、このデバイスはセラミックファイバ断熱材で断熱した。同型の反応器を2つ組み立てて試験し、合わせて300時間にわたって細流を流して実施した。
吸熱(燃焼)反応と発熱(SMR)反応の両方を、それぞれの端部とその中心に沿ったフローバイ隙間に挿入した、インコネル625金属の幅0.050インチ(1.3cm)のストリップを使用して、チャネル壁に保持した0.011インチ×0.7インチ×1.0インチ(0.028cm×1.8cm×2.5cm)の加工処理済み触媒インサート134、14で触媒した。[図19bの134と136は、それぞれSMR触媒とスペーサである。14は燃焼触媒である。燃焼触媒のセットの間には等間隔の空間がある(示されていない)]。それぞれの燃焼チャネル内フローバイ隙間は高さ約0.016インチ(0.041cm)であり、SMRチャネル内のフローバイ隙間は、全容積チャネル(full capacity channel)と半容積チャネル(half capacity channel)のそれぞれに対して、高さ約0.013インチ(0.0.33cm)と高さ0.009インチ(0.02cm)であった。外部チャネルは熱を半分しか受容しないので、最外部のSMRチャネルは、内部チャネルの流れの半分をもつような大きさにした。これらの最外部チャネルの厚さは0.018インチであり、これらは0.011インチの加工処理済み触媒を含んでいた。触媒を挿入した後、8及び11(図19b)を、ヘッダとフッタ領域の内部と外部に直接流れるように、そしてフローバイ隙間外部の触媒の迂回を妨げるように、それぞれのSMRチャネルの側部に沿って圧入した。それぞれの最外部チャネルは、最内部壁に対してだけの触媒を含み、所定の圧力降下に関して、流れの大体半分が全チャネルを流れるように設計した。
気体反応体は、Brooksマスフローコントローラを経て加圧シリンダから計量し、この間、水を高圧液体(HPLC)ポンプを通して供給した。外部燃焼器及び熱交換ネットワークを使用して、供給水を連続して気化し、水蒸気改質反応体を約800〜845℃に予熱し、次いで燃焼空気を約500〜650℃に予熱した。デバイス本体温度は、0.032インチタイプK形熱電対を使用してサーモウェル(チャネルの間で選択したウェブに穿孔)で測定し、データロギングシステムでLabviewにより記録した。入口ガス圧及び出口ガス圧を、較正圧力変換器を経て燃焼細流及び改質細流に関して測定した。ガス温度も、燃焼ガス入口と出口、及び改質ガス入口と出口とで、熱電対を使用して測定した。生成物のガスを水冷式コンデンサで冷却し、乾燥した出口流量は乾燥試験メーターで測定した。乾燥生成物ガス組成物(H2、CO、CO2、CH4、O2及びN2)をオンラインMTI GCを使用して測定した。SMR性能は、2:1モルの水蒸気対炭素モル比を使用して評価した。気体の時間当たり空間速度(GHSV)は、0℃及び1気圧で定義した流量をベースとして、触媒(触媒、スペーサストリップ及びフローバイ容積を含む)に流れが暴露される全チャネル容積をベースとして計算した。熱流束は、吸熱水蒸気改質反応に伝達される熱の量を測定することにより計算した。改質反応体の公知のモル流速に関しては、転換率の既知量は溶出液組成及び出口生成物流速のGC分析により測定した。転換した総モル数から、必要な総熱量を計算した。SMR触媒と接触した全体の壁面積での平均として、熱流束値を計算した。計算した平均の面積熱流束値は、測定したSMR転換率と選択性に関する必要なSMR反応熱効率だけをベースとした。計算した容積当たりの熱流束値は、チャネルの間の壁は含むが、周囲金属は含まない、改質触媒と燃焼触媒の両方と、個々の隙間を含む全容積をベースとした。この容積は、二つの流体の間に熱が伝達される全容積を含めている。
試験の初日の間に、125℃で1時間、触媒を還元した。ICRデバイスの開始は、数段階で実施した。最初に、不活性の流れ(窒素、1〜5SPLM)を燃焼チャネルと改質チャネルの両方で始めた。次に、外部燃焼器を点火して、改質反応に必要な水を気化し、必要な反応体の予熱を提供するために、この外部熱交換器に熱を伝達するのに十分な燃焼生成物の熱い流れを提供した。次いで、燃焼器への窒素フローを止めて、空気フローを始めた。次いで水素を全体の流れの約3%として燃焼チャネルに導入して、燃焼反応体を接触点火させた。次に、水素含量をゆっくりと上昇させて反応器温度を約700℃にした。次いで小さな水素の流れを改質チャネルに導入して、触媒が水蒸気によって接触酸化されないようにし、水を気化器を通して供給して、改質チャネルに水蒸気を提供した。最後に、改質器窒素を止めて、メタンを改質器に導入して、改質器の水素を止めた。一度改質反応が開始したら、追加の水素を燃焼チャネルに供給して、反応器の温度を750℃〜850℃に保持した。定常状態での操作の間におきたプロセスフローでの変化は、安定状態で実施(同時に改質フローと燃焼フローを変化させる)して、所望の操作温度からICRデバイス温度が大きく一時的に逸脱しないようにした。13%の低い過剰の空気を使用してFDRでの燃焼を実施した。
この装置は、改質と燃焼反応の両方において、ほぼ大気圧で実施した。改質側の典型的な操作圧力は10psigであった。燃焼側の典型的な操作圧力は10psigであった。空気及び燃料入口圧力は同様であった。
[結果及び議論]
高い熱流束の一体型燃焼マイクロチャネル反応器を使用した試験結果を表5と、図21〜24に示す。メタンの転換率は、非常に高い空間速度(106/時間以下、図21を参照されたい)でさえも、一酸化炭素と水素に対する平衡転換率及び平衡選択性に近づいた。
Figure 0005623715
表5の試験2のもとに示されている条件で実施例4のデバイスを試験し、NOx測定は乾燥燃焼流出細流で実施した。乾燥流出液中で、この条件(4.7SLPM H2、20SLPM空気、850℃本体温度)で測定したNOxの濃度は、10〜12ppmであった。これは、慣用のメタン水蒸気改質器での100ppmを越えるNOxレベルと匹敵する。この測定は、本明細書中「標準NOx試験測定法」とよぶ。
燃焼側での過剰の空気量が変動する試験の結果から、高い熱流束の一体型燃焼反応器は、20%過剰空気で効率的に機能し得ることが判明した(図22参照)。このことは、慣用の接触燃焼器に対して、燃焼空気の要件、並びに対応する空気コンプレッサのコスト及び空気回復効率(air recuperation duty)を大きく減少できることを意味している。
容積当たり熱流束(すなわち、反応器の単位容積当たりの吸熱反応に伝達された出力)は、プロセスの簡潔性または強化度に影響する。図24に示された高い容積当たりの熱流束値は、このデバイスが、非常に小さい反応器(及び触媒)容積と、最少圧力降下(三角印、右側の軸)で吸熱反応に熱を駆動し得る能力(丸印、左側の軸)を示す。高い熱流束の一体型燃焼反応器で観察された最高の容積当たり熱流束(図24)は、慣用の改質器で通常知見される値よりも200〜1000倍高い。非常に小さい反応器容積は、生成した合成ガス単位容積当たりの反応器材料と触媒コストを実質的に節約する重要性を提言する。
[結論]
29W/cm2の高い熱流束と、118W/cm3の容積当たり熱流束で、改質器及び燃焼器側で1インチの反応器の流れの長さ当たりそれぞれ4psi及び5psi未満の圧力降下で、高いメタン転換率を達成し得る一体型燃焼マイクロチャネル反応器を設計、組み立て、試験した。このマイクロチャネルデバイスでは、2:1の水蒸気:Cの割合で、約1気圧及び850℃の平均壁温度で、非常に高い気体の時間当たり空間速度(1.3×105〜1.0×106)に関し、平衡に近いメタン転換率(73〜98%)を達成した。この高い熱流束マイクロチャネル反応器は、20%もの低い過剰の燃焼空気で操作が可能であることが判明した。
[実施例5]
分配燃料注入及び交差流改質及び燃焼流れ配置の一体型燃焼マイクロチャネル反応器をデザインし、組み立て、実証した。この実施例は、このマイクロチャネルのデザインと試験について記載する。空気中での水素の燃焼を発熱反応として利用し、水蒸気対炭素モル比3:1を利用するメタンの水蒸気改質(SMR)を吸熱反応として利用した。このデバイスは、SMRチャネルに対して交差流配置で流れる3つの燃焼フローバイチャネルをもつ単一SMRフローバイチャネルを含んでいた。SMR反応体を壁と、中実チャネル壁または熱伝達表面と本質的に(intimate)熱接触する多孔質加工処理済み触媒層の壁との間の0.13mmの隙間に流した。それぞれが壁に燃焼触媒がコーティングされた3つの平行な2.5mm円筒型チャネルに燃焼空気を流した。燃焼チャネルの流れる長さに沿って均等に分配された3つの点で、燃焼チャネルに水素燃料を注入した。それぞれの燃焼チャネルは、0.5mmノッチを付けて捻ったインコネルシート材料で製造したスタティックミキサー(static mixer)も含んでいた。この試験結果は、この交差流一体型燃焼装置が高い熱流束(約15W/cm2)を得ることができることを示している。非常に高い空間速度で高い転換率も到達可能であった。
[実験方法]
燃焼と一体化された交差流マイクロチャネル反応デバイスを設計し、組み立て、試験した。このデバイス本体は(図25を参照されたい)、それぞれ大体2.3インチ×1.2インチ(5.8cm×3.0cm)の燃焼プレート200(1.1cm厚さ)とSMRプレート202(約0.6cm厚さ)の両方を形成するように、ワイヤEDMと慣用切削法を利用してインコネル625から製造した。次いで加工処理済みSMR触媒をプレートの間のSMRチャネルに設置し、2片を一緒に溶接してデバイスをシールした。それぞれ幅0.5インチ(1.3cm)×長さ0.45インチ(1.1cm)の4つの隆起領域を、壁(熱伝達表面)に対して触媒を保持するようにSMRチャネルに均等に分配した。このSMR触媒は1.5インチ×0.45インチ×0.011インチ厚さであり、スロットの厚さが0.016インチであった以外には、等しい寸法のスロットの中に設置した。入口と出口のガスマニホールド(すなわちヘッダとフッタ)を含む外部カバープレートをそれぞれ機械加工して、3つの別個の入口管を通って供給される燃焼燃料入口以外は、本体に溶接した。このSMRヘッダは、0.005インチ(0.013cm)のフローバイ隙間に流れる前に、1.5インチ(3.8cm)触媒幅を均等に横切って流れを分配するように設計された。燃焼空気は、SMRチャネルに対して交差流配置の3つの0.1インチ(0.3cm)径の円筒状フローバイチャネルに流れた。壁に燃焼触媒がそれぞれコーティングされた、3つの平行2.5mm円筒状チャネルの流れに対して反対の壁から注入された、水素燃料を燃焼空気と混合した。それぞれの燃焼チャネルの流れの長さに沿って0.5インチ(0.13cm)毎に分配された3つの点で、水素燃料を0.012インチ(0.0030cm)穴の燃焼チャネルに注入した。0.5mmのノッチを付けて捻ったインコネルシート材料で製造したスタティックミキサーを、空気と燃料とをそれぞれのチャネルで混合しやすくしたそれぞれの燃焼チャネルに挿入した。燃焼触媒は燃焼チャネルの壁及びスタティックミキサーにコーティングして、燃料/空気混合物の接触燃焼を促進させた。試験の間、本デバイスは、セラミックファイバ断熱材で断熱した。
気体反応体をBrooksマスフローコントローラで加圧シリンダから計量し、水を高圧液体(HPLC)ポンプから供給した。外部燃焼器及び熱交換のネットワークを使用して、供給水を連続して気化し、水蒸気改質反応体燃焼空気を以下の表に記載の数値に予熱した。デバイス本体温度は、0.032インチタイプのK形熱電対を使用してサーモウェル(チャネルの間で選択したウェブに穿孔)で測定し、データロギングシステムでLabviewにより記録した。入口及び出口ガス圧を、較正圧力変換器を経て燃焼及び改質細流に関して測定した。ガス温度も、燃焼ガス入口と出口、及び改質ガス入口と出口とで、熱電対を使用して測定した。生成物のガスを水冷式コンデンサで冷却し、乾燥出口流量は乾燥試験メーターで測定した。乾燥生成物ガス組成物(H2、CO、CO2、CH4、O2及びN2)をオンラインMTI GCを使用して測定した。SMR性能は、2:1モルの水蒸気対炭素モル比を使用して評価した。気体の時間当たり空間速度(GHSV)は、0℃及び1気圧で定義した流量をベースとして、触媒(触媒、スペーサストリップ及びフローバイ容積を含む)に流れが暴露される全チャネル容積をベースとして計算した。平均熱流束は、SMR触媒と接触し燃焼シリンダの下の平面に隣接する壁全体の面積をベースとして計算した。よって、この平面を通過して熱が流体の間に伝達される。
試験の初日に、125℃で1時間、触媒を還元した。小さなスーパーチャネルの開始は、数段階で実施した。最初に、窒素フローをSMR側で開始し、エアフローを燃焼側で開始した。次いで、水素を全体の流れの約3%として燃焼チャネルに導入して、燃焼反応体を接触点火した。次に、水素含量をゆっくりと上昇させて反応器温度を約400℃にした。次いで小さな水素の流れを改質チャネルに導入して、触媒が水蒸気によって接触酸化されないようにし、水を気化器を通して供給して、改質チャネルに水蒸気を提供した。最後に、改質器窒素を止めて、メタンを改質器に導入して、改質器水素を止めた。一度改質反応が開始したら、追加の水素を燃焼チャネルに供給して、反応体本体温度を725〜825℃に保持した。定常状態での操作の間にできたプロセスフローでの変化は、安定状態で実施(同時に改質フローと燃焼フローを変化させる)して、所望の操作温度から温度が大きく一時的に逸脱しないようにした。水素転換率を分析し易くするために、約400℃での急冷水蒸気を燃焼フッタに直接注入することもあった。デバイスのフッタでの燃焼を急冷するにはこれは非常に非効率的で、使用したときに熱の損失が顕著に増加した。
[結果及び議論]
交差流一体型燃焼マイクロチャネル反応器を使用した試験結果を以下の表と、図26に示す。重要な特徴としては、触媒を壁に直接適用したこと;スタティックミキサーを反応チャンバに挿入したこと;燃料を分配したこと;及び燃焼流体と改質物を交差流配置にしたことが挙げられる。
Figure 0005623715
全ての試験について、燃焼反応チャンバにおける水素転換率は100%であった。
[実施例6]
[設計及び操作]
一体型改質・燃焼反応器を、交差流配置で評価した。単一SMRスロットは3つの燃焼シリンダに隣接していた。
SMR加工処理済み触媒を、吸熱改質反応に供給するエネルギーを提供する、燃焼チャネルと共有した壁に対して設置した。このSMRチャネル隙間は0.015インチであり、0.012インチのSMR多孔質加工処理済み触媒を0.003インチの隙間を残して挿入した。この改質チャネルの長さは0.45インチで、幅は0.5インチであった。燃焼区分は、SMRチャネルと平行面に3つの0.100インチ(0.254cm)径のチャネルで、その流路が交差式でSMRチャネルの流れに対して90゜に配列させて作った。改質チャネルと燃焼円筒状チャネルの上部とを隔てる0.05インチの金属ウェブがあった。燃焼シリンダの流れの長さ(flow length)は、0.5インチであり、この交差流の配置の改質チャネルの0.5インチ幅と合っていた。燃焼触媒は、幅0.060インチ(0.15cm)で厚さ0.020インチ(0.051cm)のスタティックミキサーインサートの周りに巻き付けた厚さ0.010インチ(0.025cm)のFeCrAIYフェルトから製造した。このミキサーは、(1)フェルトをチャンバ壁に押し付けること、及び(2)空気がフェルトの内径を通過するに連れて燃料と混合されることの二つの機能を果たす。このスタティックミキサーは、以下のようにして製造した。
1.幅0.060インチの側部を、幅0.020インチで長さ0.040インチで隔てられた2つの幅0.250の長さの区分に切断した。
2.最初の長さ0.25インチの区分を始まりの配置から90゜捻った。
3.次の(そして最後の)長さ0.250インチの区分の先頭を最初の長さ0.250インチの区分の端部の方へ90゜に曲げた。
4.第二の長さ0.250インチの端部を、最初の長さ0.250インチの区分との反対方向に90゜に捻った。
デバイス底部の円筒状チャネルの入口で、または改質チャネルを隔てる平面と反対の側部でそれぞれの燃焼チャネルに燃料を供給した。燃焼燃料は、燃焼円筒状チャネル内に設置された触媒/スタティックミキサーインサートの0.030インチ(0.076cm)前方に入り、それぞれのチャネルには燃料ポートが備えられている。
チャネル面のブロックデバイスの全寸法は、SMRチャネル方向に1.65インチ横切り、燃焼チャネル方向に1.700インチで、反応が起き、熱が伝導される0.450インチ×0.500インチの一体型燃焼改質コアの上に中心がくる。全ての熱が伝導され、容量当たり熱流束計算用に使用される容積は、0.45インチ×0.5インチ×(0.1インチ(燃焼径)と0.05インチ(チャネルを隔てる金属ウェブ)と0.015インチ(全改質チャネル)の合計で、全部で0.037インチ3または0.6cm3である。全ての熱が伝導される領域または平面は、0.45インチ×0.5インチまたは1.45cm2である。プロセスヘッダは、コーキングを防ぎ、且つデバイス損失によってさらに予熱させるために、0.180インチの内径の入口管の内径から幅0.500インチで高さ0.014インチのスリットまで円滑に遷移するように特別に作られた。同一デザインのフッタにより、0.180インチの内径の外部管となる。
この水蒸気メタン改質マイクロチャネル反応器は、改質チャネルと燃焼チャネルとの間に850℃で、11絶対気圧の圧力差を支持した。チャネルを隔てる金属ウェブは、1.27mmまたは1270ミクロンであった。このデバイスを、構造的完全性(structural integrity)を全く変化させずに、13日または300時間を越えて操作した。細流には漏れは知見されなかった。細流の間の高い圧力差は、マイクロチャネル、特に高圧改質スロットの真下の環状マイクロチャネルを使用することにより、薄い金属ウェブの上で支持された。
性能
本デバイスを、水蒸気対炭素モル比3:1で、12絶対気圧及び850℃で、接触時間5ミリ秒で改質反応に関して実証した。本デバイスは、図27に見られるように、平衡転換率をもたらした。メタン転換率とCO選択性は、次の5.5日の時間では連続的に低下した。条件を2:1の水蒸気対炭素モル比に代え、温度、圧力及び接触時間は一定に保持して、活性損失を継続した。表5に示されるように、このデバイスは、実質的な熱流束と平均容積あたり熱流束を示した。この最初の2つの設定は、5ミリ秒の接触時間での水蒸気対炭素モル比3:1であり、設定#1は図27の実験の最初の部分を指し、設定#2は、実験の最後の方を指す。同様に、以下の表の設定#3と設定#4は、図27にも示されている5ミリ秒の接触時間で、2:1の水蒸気対炭素モル比での開始及び収量性能を指す。全てのデータは、830〜840℃のSMR反応体入口温度を反映する。
Figure 0005623715
Figure 0005623715
すべての試験に関して、燃焼反応チャンバ内の水素の転換率は100%であった。
[熱流束測定試験]
850℃、1.70バール(10psig)、3:1の水蒸気対炭素モル比及び、100ミリ秒の接触時間で、メタン水蒸気改質反応のために本デバイスを運転した。接触時間とは、標準温度及び圧力(STP:273K及び1絶対気圧)における反応体の全容量当たり入口流速で割った全反応容積として定義する。全反応容積は、触媒を含む反応チャネル容積と水蒸気改質触媒とを含める。
たとえば、改質触媒を含む反応チャンバの累積容積測定の合計が1立方センチメートルである場合、反応体の全入口流速は1分当たり0.6標準リットルである。メタンの入口流速は1分当たり0.15標準リットルであり、水蒸気の入口流速は、標準温度及び圧力において1分当たり0.45リットルであると計算できる。この例に関しては、メタンの入口モル流速はだいたい1秒当たり0.00045モルであろう。これらの数は、全反応チャンバ容積に線形的に比例する。2立方センチメートルの反応チャンバ容積は、0.0009モル/秒が必要である。
メタン転換率は、出口生成物組成とメタン改質反応生成物の出口流速とを測定し、次いで以下の式をベースとして計算することにより決定する。
Figure 0005623715
乾燥ガスは、未反応の水と他の濃縮可能な流体を濃縮した後の生成物ガス細流流束として定義する。
Figure 0005623715
ここで反応器コア容積は、全反応チャンバまたはチャネル、全ての関連する燃焼チャンバまたはチャネルと、流体の間を熱伝導する全ての隔離金属ウェブを含む。端的にいえば、この容積は、メタン水蒸気改質反応の熱が伝導する全ての容積を含む。この容積は、周囲金属、マニホールド容積も、個々のデバイスの幾何図形的配列に依存する他の関連するパッケージも含まない。
熱流束容積測定試験で熱を供給する燃焼反応に関して、以下の条件が満たされなければならない。
1.使用しなければならない気相燃料は水素である。
2.全空気流速は、反応器に入る水素と空気との混合物の過剰空気の割合が80%に到達するように調整する。過剰の空気とは、そのモル燃料流速における水素を完全に酸化するのに必要な酸素のモル流速で割り算した水素と空気を合わせた中の酸素の全モル流速として定義する。酸素1モルは水素2モルを完全に酸化できるので、80%過剰の空気は、空気対水素4.28:1モル比に相当する。空気は21モル%酸素で、残余は窒素とする。
3.水素と空気は、900℃の燃焼反応器に入る。
4.空気と水素は、燃焼反応器の直ぐ上流のマニホールドか、または反応器それ自体で混合されなければならない。
5.メタン水蒸気改質反応器を通るメタン流速0.15SLPM当たりの燃焼反応器を通る水素の標準容積当たり流速は、0.140SLPMが最小であり、0.204SLPMが最大である。
6.80%過剰空気条件をベースとして、メタン水蒸気改質反応器を通るメタン流速0.15SLPM当たり、燃焼反応器を通る対応最小空気流速及び最大空気流速は、それぞれ0.600SLPMと0.875SLPMである。
7.水素と空気の細流の入口圧力は、2.38バール(20psig)以下でなければならない。
[ICR用の圧力試験−高温試験]
好ましい態様において、本明細書中に記載のいずれのデバイスも、内部圧力差に耐えられる。たとえば、好ましい態様によっては、以下の圧力試験の要件を満たす。約2mm未満の少なくとも一つの臨界チャネル寸法をもつマイクロチャネルユニット運転デバイスについて、少なくとも二つの入口流体細流で実施する。第一の流体細流は850℃及び180psigでなければならない。第二の液体細流は800℃及び10psigでなければならない。任意の流速を使用することができる。ガスの流れを使用して300時間にわたってデバイスを運転する。300時間の操作後、それぞれの流体のフローライン(flow line)を50psigに加圧し、2時間保持する。圧力は一定のままでなければならず、このことは環境への漏洩路が極小であることを示す。次いで第二の流体フローラインを50psigに加圧し、第一の流路フローラインを大気圧に対して開いたままとし、2時間保持する。圧力は一定のままでなければならず、このことは内部漏洩路が極小であることを示す。極小漏洩路とは、ヘリウムを最終漏洩試験用の流体として使用するときに、1秒当たりヘリウム10-6標準立方センチメートル未満の漏洩速度として定義する。
本発明は、上記の耐圧特性を持つデバイスでユニット運転を実施する方法も含む。

Claims (31)

  1. 一体型反応器内で吸熱反応を行う方法であって、
    発熱反応組成物を少なくとも1の発熱反応チャンバに通すことと、
    該発熱反応チャンバは、少なくとも1の吸熱反応チャンバと隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁を具備し、少なくとも1の吸熱反応チャンバと隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁と少なくとも接触している発熱反応触媒を内包し、
    該吸熱反応チャンバは突起及び該突起上にコーティングされた吸熱反応触媒を具備し、
    該発熱反応触媒は、該発熱反応チャンバ内に露出した表面を有し、該発熱反応触媒の露出した表面と該発熱反応チャンバ内の第2の表面とは該発熱反応チャンバ内に開放チャネルを画定し、該開放チャネルは、運転中に該発熱反応チャンバをガスが移動する方向に対して直交する方向に2mm以下の厚みを有し、
    ここで該発熱反応組成物は、該発熱反応チャンバ内で50ミリ秒以下の接触時間を有し、該発熱反応組成物は、該発熱反応チャンバ内で反応して発熱し、
    吸熱反応組成物を少なくとも1の吸熱反応チャンバに通すこと
    を含む方法。
  2. 前記発熱反応触媒は、5〜98%の細孔容積を有し、該細孔容積の少なくとも20%は0.1〜300μmの範囲にある寸法の細孔である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記吸熱反応チャンバは入口と出口とを有し、該入口と出口との間の圧力降下は該吸熱反応チャンバの長さ1cm当たり250,000Pa未満である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記発熱反応チャンバ壁は開口部を具備し、該開口部を通って酸素が前記発熱反応チャンバ内に通過し、酸素と燃料との反応は主として前記発熱反応触媒上で生じる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記発熱反応チャンバは、発熱反応チャンバの幅を部分的に覆って延在するフィンを具備する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記発熱反応チャンバは入口と出口と該入口から出口に至る連続バルク流路とを有し、該入口から該出口に至る圧力降下は装置入口圧力の20%未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記吸熱反応チャンバは入口と出口と該入口から出口に至る連続バルク流路とを有し、該入口から該出口に至る圧力降下は装置入口圧力の20%未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記発熱反応チャンバは、50ppm未満のNOxを発生させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記発熱反応組成物は、50%未満の過剰の空気と反応する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記吸熱反応は炭化水素蒸気改質反応であり、前記吸熱反応組成物は炭化水素及び水を含み、前記吸熱反応組成物は50ミリ秒未満の接触時間で少なくとも1の吸熱反応チャンバを通り、少なくとも1の吸熱反応チャンバに入る炭化水素の転化平衡の少なくとも90%が水素、一酸化炭素及び二酸化炭素に転化する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記吸熱反応チャンバは、Rhを含む吸熱反応触媒を内包する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記発熱反応組成物及び前記吸熱反応組成物は、一体型反応器内に並流で存在する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記吸熱反応はメタン蒸気改質反応である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記発熱反応組成物は、48%〜75%の過剰の空気と反応する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記反応器内部の最高温度は950℃以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記吸熱反応チャンバ内の温度は750℃〜850℃の間である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記発熱反応組成物はメタンを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記吸熱反応は脱水素反応を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記発熱反応チャンバ内の発熱反応組成物と前記吸熱反応チャンバ内の吸熱反応組成物とは同じ方向に流れ、前記発熱反応チャンバに流入及び流出する流れとは異なる一体型反応器の面にマニホールド接続を提供するために、前記吸熱反応チャンバに流入及び流出する流れは前記吸熱反応チャンバを通過する流れに対して直交する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記発熱反応組成物の流れと前記吸熱反応組成物の流れの両者に、同時に変化が生じる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 少なくとも1の吸熱反応チャンバと隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁を具備する発熱反応チャンバを含み、
    該発熱反応チャンバは、少なくとも1の吸熱反応チャンバと隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁と少なくとも接触している発熱反応触媒を内包し、
    該発熱反応触媒は、該発熱反応チャンバ内に露出した表面を有し、該発熱反応触媒の露出した表面と該発熱反応チャンバ内の第2の表面とは該発熱反応チャンバ内に開放チャネルを画定し、該開放チャネルは、運転中に該発熱反応チャンバをガスが移動する方向に対して直交する方向に2mm以下の厚みを有し、
    該少なくとも1の吸熱反応チャンバは突起及び該突起上にコーティングされた吸熱反応触媒を具備し、
    少なくとも1の発熱反応チャンバ又は少なくとも1の吸熱反応チャンバは、2mm以下の幅、反応チャンバを通る開放チャネル、及び5〜95容積%の多孔質触媒と5〜95容積%の開放空間とを含む内容積を有し、該多孔質触媒は5〜98%の細孔容積を有し、該細孔容積の少なくとも20%は0.1〜300μmの範囲の寸法の細孔である、一体型反応器。
  22. 前記一体型反応器は、標準NO試験測定法に従って測定したときに100ppm未満のNO発生特性を有する、請求項21に記載の一体型反応器。
  23. 前記発熱反応チャンバは、発熱反応チャンバの長さに沿って、燃料又は空気を分配する複数の開口部を含む、請求項21又は22の一体型反応器。
  24. 前記発熱反応チャンバは、発熱反応チャンバの長さに沿って、燃料又は空気を分配する複数の開口部を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  25. 発熱反応チャンバと、
    突起及び該突起上にコーティングされている吸熱反応触媒を含む吸熱反応チャンバと、を具備し、
    該発熱反応チャンバは、該吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁を具備し、
    該発熱反応チャンバは、該吸熱反応チャンバに隣接する少なくとも1の発熱反応チャンバ壁に接触している発熱反応触媒を内包し、
    該発熱反応触媒は、該発熱反応チャンバ内に露出した表面を有し、該発熱反応触媒の露出した表面と該発熱反応チャンバ内の第2の表面とは該発熱反応チャンバ内に開放チャネルを画定し、
    該開放チャネルは、運転中に該発熱反応チャンバをガスが移動する方向と直交する方向に2mm以下の厚みを有する
    一体型反応器。
  26. 前記発熱反応チャンバは、入口、出口、及び該入口から該出口に至る連続バルク流路を有する、請求項25に記載の一体型反応器。
  27. 前記一体型反応器は、標準NOx試験測定により測定した際に100ppm未満のNOx発生特性を有する、請求項25又は26に記載の一体型反応器。
  28. 前記吸熱反応触媒はRhを含む、請求項25〜27のいずれか1項に記載の一体型反応器。
  29. 少なくとも4つの層の発熱反応チャンバと交互になっている少なくとも5つの層の吸熱反応チャンバを具備する、請求項21〜23及び25〜27のいずれか1に記載の一体型反応器。
  30. 前記一体型反応器は、少なくとも4つの層の発熱反応チャンバと交互になっている少なくとも5つの層の吸熱反応チャンバを具備する、請求項1〜18のいずれか1に記載の方法。
  31. 前記吸熱反応チャンバは、反応チャンバに挿入且つ取り出しできるインサートの形態の触媒を含む、請求項1〜18のいずれか1に記載の方法。
JP2009171869A 2001-02-16 2009-07-23 一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法 Expired - Fee Related JP5623715B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US26962801P 2001-02-16 2001-02-16
US60/269,628 2001-02-16
US10/076,875 2002-02-14
US10/076,875 US6969506B2 (en) 1999-08-17 2002-02-14 Methods of conducting simultaneous exothermic and endothermic reactions

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002564036A Division JP2004537392A (ja) 2001-02-16 2002-02-15 一体化反応器、その製造方法並びに、同時に発熱反応及び吸熱反応を実施する方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014038539A Division JP2014131804A (ja) 2001-02-16 2014-02-28 一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010012466A JP2010012466A (ja) 2010-01-21
JP5623715B2 true JP5623715B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=34134919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009171869A Expired - Fee Related JP5623715B2 (ja) 2001-02-16 2009-07-23 一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5623715B2 (ja)
ZA (1) ZA200306075B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10928137B2 (en) 2016-10-13 2021-02-23 Ihi Corporation Pressure vessel

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2814870C (en) * 2010-10-18 2017-08-01 Velocys, Inc. Microchannel processor
US9174387B2 (en) 2011-07-19 2015-11-03 Velocys, Inc. Microchannel reactors and fabrication processes
FR3023494B1 (fr) * 2014-07-09 2020-06-05 L'air Liquide, Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude Echangeur et/ou echangeur-reacteur fabrique par methode additive
MY187959A (en) 2015-06-08 2021-11-01 Ihi Corp Reactor

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6186935A (ja) * 1984-10-05 1986-05-02 Kawasaki Heavy Ind Ltd 反応装置およびこの反応装置を用いる燃料電池発電方法
JPS648280A (en) * 1987-06-29 1989-01-12 Shimadzu Corp Corroding device
JPH0459052A (ja) * 1990-06-22 1992-02-25 Toyo Eng Corp 水蒸気改質用触媒
JPH06111838A (ja) * 1992-09-30 1994-04-22 Toshiba Corp 改質器、改質システム、及び燃料電池システム
DK108993D0 (da) * 1993-09-27 1993-09-27 Haldor Topsoe As Fremgangsmaade til reduktion af taendingstemperatur
JPH08312912A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Nippon Oil Co Ltd 燃焼方法
US6540975B2 (en) * 1998-07-27 2003-04-01 Battelle Memorial Institute Method and apparatus for obtaining enhanced production rate of thermal chemical reactions
AU1468800A (en) * 1998-11-05 2000-05-22 Abb Lummus Global Inc. Production of hydrogen-containing gas streams
JP2000279823A (ja) * 1999-03-31 2000-10-10 Ngk Insulators Ltd セラミックハニカム構造体及びその製造方法
GB9918586D0 (en) * 1999-08-07 1999-10-06 British Gas Plc Compact reactor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10928137B2 (en) 2016-10-13 2021-02-23 Ihi Corporation Pressure vessel

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010012466A (ja) 2010-01-21
ZA200306075B (en) 2004-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2795630C (en) Integrated reactors, methods of making same, and methods of conducting simultaneous exothermic and endothermic reactions
JP4658603B2 (ja) 統合燃焼反応器と吸熱及び発熱反応の同時実施方法
AU2002253957A1 (en) Integrated reactors, methods of making same, and methods of conducting simultaneous exothermic and endothermic reactions
US8696771B2 (en) Compact integrated combustion reactors, systems and methods of conducting integrated combustion reactions
JP4562775B2 (ja) 均一加熱のための微細流路加熱器
JP5623715B2 (ja) 一体型反応器、その製造方法並びに、発熱反応及び吸熱反応を同時に実施する方法
US9192929B2 (en) Integrated combustion reactor and methods of conducting simultaneous endothermic and exothermic reactions
NO20121234A1 (no) Integrert forbrenningsreaktor og fremgangsmåter for utførelse av en endoterm reaksjon deri

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121003

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121009

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121203

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140228

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140422

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140722

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5623715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees