JP5623641B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
上記のように、同じ商品を多種販売する自動販売機で、販売促進を図りたい新商品があるような場合、前述したように商品をイメージする香り放出するという手法では下記の理由から十分な効果を期待できない。
すなわち、ユーザの嗅覚を刺激してコーヒー飲料への注意を喚起する(意識を向けさせる)ことはできるものの、その香りから特定のコーヒー飲料(新製品)を認識させることは困難である。例えば、新製品が「ブルーマウンテン」である場合に、そのためにブルーマウンテンの豆を挽いたときの香り成分をわざわざ準備したとしても、ユーザがその香りを知らない(あるいは、他のコーヒー豆の香りと区別できない)ことが想定されて販売促進の効果を期待できない。これは、たばこの自動販売機の場合も同様であり、新製品のたばこをイメージする香り成分を放出して、その新製品への注意を喚起しようとしても、確実な効果は期待できない。
前記展示部に展示されて、少なくとも包装の色によって他の商品見本と区別可能な所定の商品見本と、
前記所定の商品見本の包装の色を想起させる、香り成分を格納してある香り格納部と、
香り放出口を備え、前記香り格納部に作用して、香り成分を放出可能に構成してある香り放出制御部と、を含むことを特徴とする。
所定の商品見本は1つに固定する必要は無く、予め複数準備してもよい。そして、その時に販売促進したい商品の包装の色を、想起させる香りをそれぞれ放出するようにすればよい。すなわち、放出する香りを変更することで、これから想起する色を変更できるので、その時に応じて販売促進したい商品を適宜に変更できる。
図1は本願発明の一実施形態に係る自動販売機1の外見を示した図であり、図2はこの自動販売機1の主要部の構成を示したブロック図である。なお、この自動販売機1は「たばこ」を商品として販売するものとして説明する。
尚、前述のように金銭処理機構の本体は装置本体2内にあるが、金銭処理機構の一部を構成する前述の硬貨投入口5、紙幣投入口6、また金額表示器10、釣り銭返却レバー11等は前面パネル3に配置されている。また、図中12は電子情報入出力装置(リーダ・ライタ)や表示器等を備えて構成された成人識別装置である。
なお、図中で符号20は前面パネル3に設けられる香り放出口、そして符号22は商品の購入が期待される者(ユーザ)の接近を検出する検出手段で、前面パネル3に設けられる場合は接近物検出センサとなる。
図2に示すように、この自動販売機1は前述した複数の銘柄のたばこ見本TDが展示される展示部4に加えて、香り格納部ST、香り放出制御部CN、そして、自動販売機1に商品の購入が期待されるユーザの接近を検出する検出手段22を備えている。
よって、ここでの説明では、複数の所定商品から1つ選ばれた包装材の黄色のものが特定の商品とされているが、その後に特定の商品を他の色の商品に変更することが可能で、そのときには放出する香りもこれに応じて変更されることになる。
本願発明は、複数の被験者による官能評価の調査結果から構築したデータベースに基づいて、各色(商品見本の包装の色)と、それぞれを想起する確率が最も高い香りを決定し、その情報を自動販売機で販売する商品に応用できることに着目して、成されたものであると言える。
青色を想起させる香り成分として、例えばベパーミントオイル、青葉アルコール、メントール、1,8−シネオール、サリチル酸メチルを用いることができる。
黄色を想起させる香り成分として、例えばレモンオイル、グレープフルーツオイル、バニラオイル、パイナップルオイル、バナナオイル、リモネン、シトラール、バニリン、酪酸エチルを用いることができる。
橙色を想起させる香り成分として、例えばオレンジオイル類、リモネン、シトラールを用いることができる。
赤色を想起させる香り成分として、例えばローズオイル、ストロベリーオイル、酢酸を用いることができる。
茶色を想起させる香り成分として、例えばたばこ抽出香料、コーヒーオイル、チョコレートオイル、2,5−ジメチルピラジンをはじめとするピラジン類、フラネオールを用いることができる。
紫色を想起させる香り成分として、例えばグレープ(葡萄)オイル、赤ワイン抽出香料、β−ダマセノン、アセトインを用いることができる。
白色を想起させる香り成分として、例えばココナッツオイル、ベンズアルデヒド、ウイスキーラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ノナラクトンを用いることができる。
特にレモンの香りからは黄色、オレンジの香りからは橙色、フェニルエチルアルコール(草の香り)からは緑色が容易に想起されることが、官能評価で確認されている。また、メントールにおいては従来から多くのメントールを含有する製品が青色の商品包装を使用しており、ユーザ側でメントールと青色に強い結びつきが既に形成されている。そのため、それらの香り(レモン、オレンジ、フェニルエチルアルコール、メントールのそれぞれ)から想起される色(黄色、橙色、緑色、青色)については、ユーザ間での差異が特に小さく、ユーザが高い確率で香りからイメージする色の組合せとなる。よって本発明で使用するのに特に好ましいものとなる。
なお、各香りセクションSEを交換可能な構造としておけば、香り格納部ST内にセット可能な香りセクションの総数に上限がある場合でも、その総数以上の種類の香りを提示できるので、好ましい。
なお、図2では香り放出制御部CNを1つのブロックで図示しているが、具体的な装置に具現化したときに1つの構造体に一体的に組込むことを意図していない。よって、実際の自動販売機内での構造として、前述したように各密閉容器(香りセクション)に電磁弁を配置し、複数の電磁弁をメモリに格納する情報に基づいてコントローラで電磁弁等を駆動制御する構造も、図2で示す構成に含まれる。
よって、自動販売機1の設置時や、前面パネル3を開いた状態などで、例えば図2で示すたばこ見本TD−a(黄色の包装)を販売促進対象にする場合、本来、たばこの購入の際に使用される選択指示ボタン9を押して、たばこ見本TD−aを販売促進品に指示設定する。この信号は、香り放出制御部CNのコントローラに供給される。コントローラは前述したようにメモリMEを備えているので、メモリMEから黄色の対応する情報に基づいて、レモンオイルが香り格納部STから放出するように(より具体的には、放出の準備がされて必要なときに放出されるように)、香りセクションSEを特定する。
上記検出手段としては、自動販売機への接近物を検知する接近物検出センサを採用でき、また装置内部で料金の投入を感知する入金検出センサを採用できる。これらのセンサは何れか、一方を採用すればよい。すなわち、自動販売機に近づいてくるユーザを確認したとき、或いは、料金の投入を確認したときに所定の香りを放出する。
なお、上記2つのセンサを併用して、その出力を香り放出制御部CNのコントローラへ供給し、コントローラによりユーザが自動販売機に十分に近づき、商品を選択している特定の時間のみに香りを発生させ、料金投入を確認したときに香り放出を停止してもよい。このようにすると、周囲への無駄な香りを放出しないように低減できるので好ましい。
上記では、より好ましい形態の自動販売機を説明しているが、これに限らない。要するに、少なくとも包装の色よって他の商品見本と区別される所定の商品見本を陳列する展示部があり、そして所定の商品見本の包装の色を想起させる香り成分を格納してある香り格納部と、この香り格納部に作用して、香り成分を香り放出口から放出させる香り放出制御部を備えた自動販売機であればよい。すなわち、放出する香りで、所定商品見本の包装の色を想起させることができる自動販売機であればよい。
さらに、前述した自動販売機1ではユーザの接近を確認する検出手段が設けてあるが、このような検出手段を設けることは必須でない。常に香り成分を放出するようにしてもよいし、タイマーを設定して所定時間だけ香り成分を放出するようにしてもよい。
また、本発明で用いることのできる香り成分は、前述したものに限定されず、商品の包装(パッケージ)に使用したい色を想起する香り(嗅覚刺激成分)を、予め官能評価調査し、新たに追加することでメモリに格納する情報を最新として、種々の色の製品に対応できる。
2 装置本体
3 前面パネル
4 展示部
9 選択指示ボタン
20 香り放出口
22 検出手段
TD たばこ見本(商品見本)
CN 香り放出制御部
ME メモリ
ST 香り格納部
SE 香りセクション
Claims (5)
- 複数の商品見本を陳列可能な展示部と、
前記展示部に展示されて、少なくとも包装の色によって他の商品見本と区別可能な所定の商品見本と、
前記所定の商品見本の包装の色を想起させる、香り成分を格納してある香り格納部と、
香り放出口を備え、前記香り格納部に作用して、香り成分を放出可能に構成してある香り放出制御部と
を含み、
前記所定の商品見本が複数設定されていると共に、当該所定の商品見本の包装の色は互いに区別可能な異なる色とされており、
更に、前記香り格納部は、複数の所定の商品見本の包装の色それぞれから想起される、香り成分を各々格納している香りセクションの集合体として形成してあり、
前記複数の所定の商品見本から、特定の1つを設定指示する指示手段を更に備え、
前記香り放出制御部は、複数の被験者による官能評価の調査結果から構築したデータベースに基づいて、前記所定の商品見本の包装の色それぞれを想起する確率が最も高い各香り成分が決定され、その決定情報を格納するメモリを備えており、
前記香り放出制御部は、前記指示手段からの信号を受けたときに、前記メモリの情報に基づいて、前記香り格納部を制御して、前記特定の1つの所定の商品見本の包装色を想起させる香りを放出する準備をする
ことを特徴とする自動販売機。 - 前記複数の商品見本のそれぞれには、商品購入のための選択指示ボタンが設けてあり、前記指示手段として前記選択指示ボタンを用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
- 商品の購入が期待される者の接近を検出する検出手段を更に備え、前記検出手段の出力に基づいて前記香り放出制御部が前記香り格納部からの香り成分の放出を開始させる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
- 前記検出手段は、接近する物体を検出する接近物検出センサ、及びこの自動販売機への料金投入を検出する入金検出センサの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。
- 前記検出手段は、接近する物体を検出する接近物検出センサであり、前記接近物検出センサの出力に基づいて前記香り放出制御部が前記香り格納部からの香り成分の放出を開始し、
この自動販売機への料金投入を検出する入金検出センサを更に備え、前記入金検出センサの出力に基づいて前記香り放出制御部が前記香り格納部からの香り成分の放出を停止する、ことを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。
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