JP5614821B1 - ウラン233製造方法、トリウム核燃料製造方法、医療用ラジオアイソトープ製造方法、及び、医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法 - Google Patents

ウラン233製造方法、トリウム核燃料製造方法、医療用ラジオアイソトープ製造方法、及び、医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウラン233の組成比率が99%以上になる、ウラン233製造方法を提供する。【解決手段】金属トリウム又はトリウム含有物からなるトリウム集合体100に中性子を照射して、トリウム集合体100に含まれるトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させる中性子照射プロセス10と、トリウム集合体100を、プロトアクチニウム233原子核がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間保管する被照射トリウム集合体保管プロセス20と、トリウム集合体100からウラン233を抽出するウラン抽出プロセス30と、を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、トリウムを主原料とするウラン233製造方法、該ウラン233製造方法により製造されたウラン233とトリウムからトリウム核燃料を製造するトリウム核燃料製造方法、及び該ウラン233製造方法により製造されたウラン233に中性子を照射することで、核分裂法により医療用ラジオアイソトープを製造する製造方法に関する。
トリウム−ウラン燃料サイクルは、天然トリウムの埋蔵量が天然ウランに比べて豊富であり、マイナーアクチノイドの生成量が少ないため高レベル放射性廃棄物の管理期間が短くて済む等、ウラン−プルトニウム燃料サイクルに対して多くの利点を有している。しかし、天然トリウムには中性子供給源となる核分裂性物質が含有されておらず、そのままでは核燃料として利用することができない。つまり、トリウム−ウラン燃料サイクル用の核燃料を得るためには、トリウムに核分裂性物質を添加する必要がある。
非特許文献1には、既存原子炉の一つとして沸騰水型軽水炉を取り上げ、これに(Pu+Th)O燃料ペレットを装荷して400日程度燃焼させることで、1.5トンのウラン233を製造することが開示されている。生成されたウラン233を化学処理により燃料ペレットから取出し、トリウム232と機械的により混合させることで、核燃料親物質であるトリウム232と核分裂性物質であるウラン233とが適度の濃度比で混在するトリウム核燃料を製造する。
三田地紘史、他4名、「BWRを用いたトリウム熔融塩炉起動用233Uの生成」、日本原子力学会和文論文誌、第8巻、第1号、p.1−10
しかしながら、上述したように(Pu+Th)O燃料ペレットを400日程度の燃焼を行った後、ペレットからウランを化学処理で取出した場合、核分裂性のウランが48%、非核分裂性のウランが52%含まれる同位体組成となる。トリウムからウラン233への転換率が優れる溶融塩増殖炉でも、表1に示すように平衡組成ではウラン233以外のウラン同位体が多数含まれる。
Figure 0005614821
上述の同位体組成は、燃焼日数など原子炉の運転状態、また燃料ペレット取出後の冷却期間の長さなどによって大きく変化するため、ウラン集合体(ウラン233とウラン233以外のウラン同位体が含まれる同位体組成物。)とトリウム232とを混合してトリウム核燃料を製造する場合、精度の高い核分裂性物質濃度を有する高品質なトリウム核燃料の製造を困難にする。またウラン234以上の同位体比率も30%を超えており、これら質量数の大きな同位体の存在が、高レベル放射性廃棄物の管理期間が短くて済むというウラン−トリウム核燃料サイクルの大きな利点をなくしてしまう。
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ウラン233の組成比率が99%以上となるウラン集合体を製造することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るウラン233製造方法は、第1の手段として、金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、を含み、前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれている。
上記ウラン233製造方法において、前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含む
また、本発明に係るトリウム核燃料製造方法は、金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウラン233とトリウム232とを機械的或いは化学的に混合させるプロセスと、を含み、
前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とする
上記トリウム核燃料製造方法において、前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことが好ましい
また、本発明に係る医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法は、金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウランとアルミニウムとの合金を製造するプロセスと、前記合金をターゲットプレートに成形するプロセスと、を含み、前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とする
前記医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法において、前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことが好ましい。
また、本発明に係る医療用ラジオアイソトープ製造方法は、金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウランとアルミニウムとの合金を製造するプロセスと、前記合金をターゲットプレートに成形するプロセスと、前記ターゲットプレートに中性子を照射することで、ウラン233核分裂生成物からラジオアイソトープを抽出するプロセスと、を含み、前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とする前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことが好ましい。
本発明に係るウラン233製造方法によれば、ウラン233の組成比率が99%を超えるウラン集合体が製造でき、トリウムと混合してトリウム核燃料を製造する際、核分裂性物質と核分裂親物質と比率を厳密に調整できるようになり、品質の高いトリウム核燃料の製造が可能となる。
第一実施形態に係るウラン233製造方法の概略構成を示すフロー図である。 ウラン製錬プロセスの概略構成を示す説明図である。 第二実施形態に係るウラン233製造方法の概略構成を示すフロー図である。 第二実施形態及び第3実施形態に用いられる中性子発生用タンデム加速器の概略構成を示す模式図である。 第二実施形態の中性子照射プロセスにおける加速器中性子源の(a)平面図と、(b)A−A線縦断面図である。 第二実施形態の中性子照射プロセスにおける加速器中性子源の、照射部分の寸法図である。 第三実施形態のウラン233製造方式の概略構成を示すフロー図である。 第三実施形態の中性子照射プロセスにおける加速器駆動未臨界炉中性子源の(a)平面図と、(b)A−A線縦断面図である。 第四実施形態のウラン233製造方法の概略構成を示すフロー図である。 第四実施形態の中性子照射プロセスにおける原子炉中性子源の概略構成を示す平面図である。 第一乃至第四実施形態のウラン233製造方法により製造されたウラン集合体から、軽水炉向けトリウム核燃料ペレットを製造するプロセスを示すフロー図である。 第一乃至第四実施形態のウラン233製造方法により製造されたウラン集合体から、トリウム溶融塩核燃料を製造するプロセスを示すフロー図である。 第一乃至第四実施形態のウラン233製造方法により、トリウム核燃料を量産する製造方法を示すフロー図である。 第一乃至第四実施形態に係るウラン233製造方法により製造されたウラン集合体から、医療用ラジオアイソトープを製造するプロセスを示すフロー図である。
以下、図及び表を用いて本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明に係るウラン233製造方法の第一実施形態について説明する。図1は、本発明に係るウラン233製造方法の第一実施形態の概略構成を示すフロー図である。なお、以下の説明において、説明の便宜上、金属トリウム又はトリウム含有物(トリウム酸化物、トリウム弗化物等のトリウム化合物、或いは、アルミニウム、銅、銀などの金属元素とトリウムとが結合した金属間化合物、合金を含む。)からなる出発原料と、該出発原料に以下に述べる処理を施してトリウム原子核の一部が核変換しているものとを総称してトリウム集合体と称する。
図1に示すように、第1実施形態のウラン製造方法は、中性子照射プロセス10、被照射トリウム集合体保管プロセス20、及びウラン抽出プロセス30の3つのプロセスがカスケードに配置された構成をとる。トリウム集合体100はこのカスケードプロセスで処理されることにより、ウラン集合体200へ転換する。
中性子照射プロセス10は、中性子源11、中性子減速材12、及び中性子減速材12内に設置されたトリウム集合体100からなる。中性子源11は毎秒S個の中性子を全周囲方向に均等に放出する。中性子減速材12の大きさが、減速材の拡散距離Lより十分大きな寸法を有する場合、中性子源11からr離れた地点の中性子束密度φ(r)は式1で表される。
Figure 0005614821
ここで、Dは中性子減速材12の拡散係数を示す。なお、主要減速材の熱中性子に対する拡散パラメータを表2に示す。
Figure 0005614821
中性子源11と中性子減速材12から形成される中性子束φにより、トリウム集合体100内のトリウム232原子核が中性子を吸収し、核変換反応によって、プロトアクチニウム233原子核へと変換する。すなわち、中性子照射プロセス10は、NTD(中性子変換ドーピング)手法により、トリウム集合体100にプロトアクチニウム233原子核を生成する機能を有する。なお、中性子照射プロセス10での中性子照射は、トリウム集合体100内に含まれるトリウム原子核の0.1〜1%が中性子を吸収した時点で終了する。中性子照射プロセス10で、トリウム原子核の1%以上が中性子を吸収した状態で、さらに照射を継続すると、生成されたプロトアクチニウム233が更に中性子を吸収する反応が頻発するようになり、その結果ウラン234が多数生成されるようになる。純度99%以上のウラン233を製造するためには、このウラン234生成量をウラン233生成量の0.5%以内に抑えなければならない。このため、トリウム集合体100内に含まれるトリウム原子核の0.1〜1%が中性子を吸収した時点で中性子照射を終了させる。
被照射トリウム集合体保管プロセス20は、中性子照射プロセス10で生成されたプロトアクチニウム233原子核がドーピングされたトリウム集合体100を、6ヶ月程度保管しておくプロセスである。プロトアクチニウム233原子核は、約27日の半減期でベータ崩壊し、ウラン233原子核へと壊変する。すなわち、被照射トリウム保管プロセス20は、トリウム集合体100にドーピングされたプロトアクチニウム233原子核の殆どがウラン233原子核に壊変するのを待つためのプロセスであり、その保管期間は半減期約27日の5倍以上の期間、すなわち135日以上である。
ウラン抽出プロセス30は、トリウム集合体100に含まれているウランを抽出し、金属ウランとして製錬するプロセスである。ウラン抽出プロセス30内の、ウラン製錬プロセス31の一例を図2に示す。図2において、ウランを含むトリウム集合体100nは、まず細かく粉砕され、その後濃硫酸にて溶解し、次いで苛性ソーダでウラン化合物として沈降させる。この段階で精製されたウランはイエローケーキと呼ばれる。イエローケーキは重ウラン酸ナトリウム(Na)を主成分としており、これをマグネシウム還元操作をしてやることで、金属ウランが得られる。また、固液分離過程でトリウム集合体100nに含まれていたトリウムを回収して再利用する構成としている。
ウラン製錬プロセス31は、従来から用いられてきたウラン鉱石製錬工程とほぼ同一のプロセスとなる。従って、図2では硫酸浸出法を採用した例を示したが、他にもアルカリ浸出法、溶媒抽出法、イオン交換法など、実績のある多数のプロセスが存在し、また適用可能である。高品位ウラン鉱石に含まれるウランは0.1〜1%程度である。従って、トリウム集合体100nに含まれるウラン233濃度を0.1%以上にしてやることで、図2に示したウラン製錬プロセス31が問題なく適用できるようになる。
次に、第一実施形態のウラン233製造方法の動作について説明する。説明を具体的に行うため、図1において、トリウム集合体100は金属トリウムで構成し、その寸法は高さ30cm×幅30cm×奥行き1cmとする。金属トリウムの密度は11.7g/cmであるから、トリウム集合体100の重量は約10kgとなる。また、中性子減速材12には重水を適用し、中性子源11は熱中性子源とする。このとき、中性子源11とトリウム集合体100との距離をrcmとすると、式1よりトリウム集合体100周辺の中性子束φ(r)は式2で表される。
Figure 0005614821
中性子源11からトリウム集合体100の中心部までの距離を15cmとなるよう設置した場合、トリウム集合体100表面の中性子束密度平均値φAVEは、式3で近似できる。
Figure 0005614821
すなわち、中性子源11の中性子イールドを1.0×1016個/秒とした場合、トリウム集合体100周辺の中性子束密度として、φAVE=5.6×1013n/cm・secを得ることが可能となる。
なお、図1ではトリウム集合体100を金属トリウムで構成した場合について記載したが、例えば酸化トリウムやフッ化トリウムなど、他のトリウム化合物、或いは、例えばアルミニウム、銅、銀などの金属元素とトリウムとが結合した金属間化合物や合金などによりトリウム集合体100を構成してもよい。また図1では、中性子源11として熱中性子源(単色中性子源)を使用しているが、これはウラン233製造原理を説明し易くするための手段であり、実際のシステムでは、後述の図3、図7、或いは図9に示すように、幅広いエネルギーの中性子スペクトルを持った、加速器中性子源、加速器駆動未臨界炉中性子源、或いは原子炉中性子源を使用する。
図1において、中性子照射プロセス10では、トリウム集合体100内に含まれるトリウム232原子核の0.1%が中性子を吸収した時点で照射を終了する。トリウム集合体100は金属トリウムで構成されているので、その原子核密度は3.0×1022個/cmであり、熱中性子に対するトリウム原子核の吸収断面積は8バーンであるから、トリウム集合体100内に含まれるトリウム232原子核の0.1%が中性子を吸収するのに要する照射時間は約26日間となる。中性子を吸収したトリウム232はトリウム233になるが、トリウム233は22分の半減期でベータ崩壊してプロトアクチニウム233へ壊変する。更にプロトアクチニウム233は、27日の半減期でベータ崩壊してウラン233へ壊変する。一方、プロトアクチニウム233は40バーンというかなり大きな熱中性子吸収断面積を持っており、中性子を吸収してプロトアクチニウム234になり、プロアクチニウム234は6.7時間の半減期でベータ崩壊してウラン234に壊変する。
中性子照射プロセス10における26日間の中性子照射を終えた直後の、トリウム集合体100の組成を表3に示す。トリウム集合体100への照射時間を26日、すなわち、トリウム232原子核の0.1%が中性子を吸収するのに要する時間とした場合、プロトアクチニウム233の中性子吸収により生じるウラン234の量は、わずか0.00028%に抑制できる。
Figure 0005614821
中性子照射プロセス10による26日間の照射を終えたトリウム集合体100は、被照射トリウム集合体保管プロセス20に移行する。ここでは、トリウム集合体100を長期保管する。図1の例では、その保管期間を6ヶ月としている。6ヶ月の保管期間の間にトリウム集合体100に含まれているプロトアクチニウム233の99%がベータ崩壊してウラン233に壊変する。中性子照射プロセス10での照射時間に対して、被照射トリウム集合体保管プロセス20での保管期間が長いため、被照射トリウム集合体保管プロセス20では複数のトリウム集合体100A、100B、…、100Zが同時に保管される。従って、被照射トリウム集合体保管プロセス20ではFPからの放射線遮蔽とともに、保管している複数のトリウム集合体による臨界事故の防止にも注意しなければならない。半年間の保管を終えたトリウム集合体100の組成を表4に示す。ここではプロトアクチニウム233の崩壊によりウラン233がほぼ0.1%の割合を占めるようになる。
Figure 0005614821
ウラン抽出プロセス30では半年間の保管期間を終えたトリウム集合体100nから金属ウランを製錬する。ウラン鉱石の場合と違って、トリウム集合体100nではトリウム以外の不純物が殆ど含まれないため、その製錬効率はほぼ1に近くなる。すなわち表4に下段に示した量のウラン233及びウラン234を、金属ウランの形態でウラン集合体200として抽出できる。本実施例では、ウラン集合体200は金属ウラン10.4gであり、その金属ウランの99.7%は核分裂性物質であるウラン233が占めている。
次に、本発明に係るウラン233製造方法の第二実施形態について説明する。図3は本発明に係るウラン233製造方法の第二実施形態の概略構成を示すフロー図である。第二実施形態のウラン233製造方法では、加速器中性子源を用いた中性子照射プロセス70を適用する。なお、被照射トリウム集合体保管プロセス20、及びウラン抽出プロセス30は、図1に示した第一実施形態と同一である。
加速器中性子源には、タンデム加速器中性子源40を適用することができる。タンデム加速器中性子源40は、例えば、図4に示すように長さが約3mの線形加速器であり、重陽子イオン源41、高電圧加速部42、及びベリリウムターゲット43から構成される。本実施例では、重陽子イオンビームを2MeVまで加速し、加速電流34mAでベリリウムターゲット43にぶつけることにより、2.3×1013個/秒の中性子を発生させる。
中性子照射プロセス70における加速器中性子源の構成を図5に示す。図5において、図4に示したタンデム加速器中性子源40と同一仕様の加速器を12本使用している。すなわち、40A、40B、40C、…、40L、及び40Mがタンデム加速器中性子源であり、それぞれが2.3×1013個/秒の中性子を発生させる。従って、図5における中性子源強度Sは、S=12×2.3×1013個/秒=2.8×1014個/秒、となる。
また、図5において、46はグラファイトによる中性子減速材、45は軽水による中性子減速材を示している。各タンデム加速器中性子源が発生する中性子の平均エネルギーは250keVと熱中性子よりはるかに大きなエネルギーを持つため、図5の体系であれば減速材として重水を用いるより、グラファイトを用いた方がトリウム集合体100内におけるトリウム232の中性子吸収反応を加速化できる。また軽水減速材45は、タンデム加速器中性子源のベリリウムターゲット、及びトリウム集合体の冷却材も兼ねている。
図5おけるトリウム集合体100付近の寸法図を図6に示す。軽水減速材45は、軽水の中性子吸収断面積が大きいため、その幅を5cmと極力小さくしている。5cmの幅がベリリウムターゲットを冷却するのに十分な流量を確保できる限界値である。トリウム集合体100は中性子発生源であるベリリウムターゲットに密着させる配置とすることで、トリウム集合体100近傍における中性子束強度を極力高めるようにした。なお、図5、及び図6でのトリウム集合体100の寸法は、高さ30cm×幅120cm×奥行き1cmであり、金属トリウムよりなる。従って、その重量は約42kgとなる。
図3において、中性子照射プロセス70では、トリウム集合体100内に含まれるトリウム232原子核の0.1%が中性子の吸収を完了するのに要する時間は、約12日間となる。式1は中性子が単色(熱中性子のみ)の場合にしか成立せず、図5のように、中性子が連続スペクトルを持つ体系では、中性子の振る舞いを、例えばモンテカルロ法等を用いたコンピュータ解析で求めざるを得なくなる。トリウム232原子核の0.1%が中性子の吸収を完了するのに要する時間が、第一実施形態の26日間から、12日間へと減少した理由については、(1)中性子源とトリウム集合体とを密着させたこと、(2)重陽子を2MeVまで加速する加速器中性子源では前方(0°方向)への中性子イールドが増えること、(3)トリウム232の共鳴ピークによる中性子吸収が増えたこと、等があげられる。
中性子照射プロセス70において、照射前と照射後のトリウム集合体100の組成比較を、表5に示す。照射時間が短くなった分、ウラン234原子核数、及び核分裂生成物の占める割合は、第一実施形態に比べ少なくなる。表5の最下行に、引き続く被照射トリウム集合体保管プロセス20を終えた後の、すなわち、12日間の照射を終えてから6ヶ月間の保管を経た後のトリウム集合体100の組成比率も記載しておく。
Figure 0005614821
すなわち、図3において、ウラン抽出プロセス30では表5の最下行に示した量のウラン233及びウラン234を、金属ウランの形態でウラン集合体200として抽出する。従って、第二実施形態では、ウラン集合体200は42.1gの金属ウランであり、その金属ウランの99.87%は核分裂物質であるウラン233が占めている。中性子照射プロセス70での照射時間は約12日間であるため、図3のプロセスをフル稼働させた場合、ほぼ純粋なウラン233による金属ウランを年間で約1.3kg製造できることになる。
次に、本発明に係るウラン233製造方法の第三実施形態について説明する。図7は本発明に係るウラン233製造方法の第三実施形態の概略構成を示すフロー図である。第三実施形態のウラン233製造方法では、加速器駆動未臨界炉中性子源を用いた中性子照射プロセス80を適用する。なお、被照射トリウム集合体保管プロセス20、及びウラン抽出プロセス30は、第三実施形態においても、図1に示した第一実施形態と同一である。
中性子照射プロセス80における加速器駆動未臨界炉中性子源の構成例を図8に示す。図8において、12本のタンデム加速器中性子源、すなわち、40A、40B、40C、…、40L、及び40Mを用いて、トリウム集合体100へ中性子を照射する。減速材46にはグラファイトを、冷却材を兼ねた減速材45には軽水を適用する。以上の構成は、図5に示した第二実施例における加速器中性子源と同一の構成となる。但し、図8に示した未臨界駆動加速器中性子源では、減速材45を囲むように核燃料集合体47を配置する。こうすることで、核燃料集合体47により各加速器中性子源からの中性子が増倍され、トリウム集合体100近傍の空間を未臨界状態にすることができる。
核燃料集合体47による中性子実効増倍系数keffによって、中性子照射プロセス80を用いた図7のウラン233製造方法では、生産効率の大幅な増大が可能となる。すなわち、図3に示した第二実施形態のウラン233製造方法では、その製造能力は年間1.3kgであった。これに対して、図7に示した第三実施形態のウラン233製造方法では、製造能力を大幅に高めることができる。ここでは、詳細な核計算は省略するが、一点近似的な扱いで概略評価した製造能力の比較を表6に示す。
Figure 0005614821
核燃料集合体47は、後述のトリウム核燃料ペレット400を燃料集合体に装填することで実現する。既存軽水炉の使用済核燃料が入手可能な場合は、使用済核燃料による集合体で、核燃料集合体47を構築してもよい。後述のトリウム核燃料ペレット400を適用した場合、既存ウラン−プルトニウム核燃料サイクルとは全く独立した形態で、トリウム−ウラン核燃料サイクルを確立できる。
次に、本発明に係るウラン233製造方法の第四実施形態について説明する。図9は本発明に係るウラン233製造方法の第四実施形態の概略構成を示すフロー図である。第四実施形態のウラン233製造方法では、原子炉中性子源を用いた中性子照射プロセス90を適用する。なお、被照射トリウム集合体保管プロセス20、及びウラン抽出プロセス30は、第四実施形態においても、図1に示した第一実施形態と同一である。
中性子照射プロセス90における原子炉中性子源の構成を図10に示す。図10において、61は核燃料集合体、62はグラファイトによる中性子反射材、63は中性子照射を行うための照射孔(中空パイプ)である。ここでも詳細な核計算は省略するが、核燃料集合体61にウラン233によるトリウム溶融塩燃料を用いた場合、中性子照射孔63内の中性子束密度を、1×1015n/cm・sec以上の大きさにすることができる。なお、トリウム溶融塩燃料の組成は色々な組合せが考えられるが、例えば7LiF−BeF−ThF233UFを適用することで、図10おいて長寿命の高中性子束炉心(ハイフラックス炉心)が実現できるようになる。
図9に示した第四実施形態によるウラン233製造方法では、非常に高い中性子束で一度に大量のトリウムを照射できるため、フル稼働させた場合、年間500kgを超えるウラン233の製造が可能となる。
図11、図12に、ウラン集合体200とトリウム集合体100から、トリウム核燃料を製造するプロセスを示す。図11のプロセスでは、トリウム232:ウラン233のモル比率が96:4の酸化物によるトリウム核燃料ペレット400を製造する。この核燃料ペレット400は、既存軽水炉でも適用可能であるが、図8に示した加速器駆動未臨界炉中性子源用の核燃料集合体47に装填することもできる。また、図12のプロセスでは、トリウム232:ウラン233のモル比率が98:2のフッ化物溶融塩によるトリウム溶融塩核燃料500を製造する。このトリウム溶融塩核燃料500は、トリウム溶融塩炉向け核燃料として汎用的な使用ができるが、図10に示した原子炉中性子源にも装填できる。なお、図11、図12において、トリウム集合体100は、中性子照射プロセスによる中性子照射を行う前のものを使ってもいいし、或いは中性子照射完了後に6ヶ月間の保管を行ったあとのものを使ってもよい。また、トリウム集合体の代わりに天然トリウムを使ってもよい。
図13に、第二実施形態、第三実施形態、及び第四実施形態によるウラン233製造方法を組み合わせることで、トリウム核燃料量産プラントを建設する手順を示す。まず、第1ステップとして、第二実施形態、すなわち加速器中性子源によるウラン233製造プラントを建設する。ここでは年間数kg程度のウラン233製造が可能であり、ここで製造したウラン233を用いて、加速器駆動未臨界炉向けのトリウム核燃料ペレット400を製造する。次に、第2ステップとして、第三実施形態、すなわち加速器駆動未臨界炉中性子源によるウラン233製造プラントを増設する。加速器駆動未臨界炉中性子源の核燃料集合体47は、第1ステップで製造したトリウム核燃料ペレット400を装填して実現するが、ウラン核燃料製造工場で製造された未使用ウラン核燃料ペレット、或いは原子力発電所内の既存軽水炉から取出された使用済ウラン核燃料ペレットを装填してもよい。第三実施形態でのウラン233製造プラントでは、年間数十kgのウラン233の製造が可能となり、図10の原子炉中性子源を構成するに足る量のトリウム溶融塩核燃料500が製造できる。最後に、第3ステップとして、第四実施形態、すなわち、原子炉中性子源によるウラン233製造プラントを増設し、年間数百kgレベルのウラン233量産体制を確立し得る。
図13の手順でトリウム核燃料量産プラントを建設する場合、建設の際にウラン−プルトニウム燃料サイクルでの核分裂性物質、すなわちウラン235とプルトニウム239を全く使わずに、量産プラントの構築が可能となる。なお、1000kWe出力のトリウム原子炉で使用するトリウム核燃料を製造するためには、30kgのウラン233が必要になる。従って、図13の手順で建設したトリウム核燃料量産プラントでは、年間で20基分の1000kWe出力トリウム原子炉向けトリウム核燃料を製造できることになる。
図14に、第二実施形態、第三実施形態、及び第四実施形態によるウラン233製造方法により製造したウラン集合体200から、医療用ラジオアイソトープを製造するプロセスの手順を示す。ウラン集合体200は99%以上のウラン233を含む金属ウランである。まず、ウラン集合体200とアルミニウムの合金を製造する。このウラン・アルミ合金は、重量比でウラン:アルミニウムの比率を7:8程度にしておく。この合金を成形することで、ウラン・アルミ合金製ターゲットプレートを製造する。
従来、医療用ラジオアイソトープ製造用に使われているターゲットプレートは、高さ200mm×幅50mm×厚さ1.66mmのサイズで、20%濃縮金属ウランでできている。従って、ターゲットプレート1枚の重量は約315gとなり、この中に0.15モルのウラン235が含まれている。この低濃縮ウラン製ターゲットプレートに中性子を照射すると、ターゲットプレート内のウラン235が核分裂して多量の核分裂生成物が生じる。この核分裂生成物にはモリブデン99、或いはヨウ素131等、医療向けに有効に使える放射性核種が含まれる。ターゲットプレートを化学処理し、医療向けに有効な放射性核種を取りだすことで、医療用ラジオアイソトープの製造を行ってきた。
しかしながら、低濃縮ウランプレートを用いた場合、中性子照射時にウラン238が中性子を吸収しプルトニウム239に核変換するため、核拡散抵抗性に脆弱なシステムとなっていた。また、放射性核種抽出時に発生する放射性廃棄物も量が多くなるという欠点があった。
ウラン・アルミ合金製ターゲットプレートは、前記ウラン・アルミ合金を高さ200mm×幅50mm×厚さ1.66mmの直方体に成形することで製造する。プレート1枚の総重量は約75gであり、プレート内には35g、すなわち0.15モルのウラン233が含まれている。このターゲットプレートに中性子を照射するとウラン233が核分裂を起こして大量の核分裂生成物が生じる。ウラン233核分裂生成物と、ウラン235核分裂生成物の質量分布はほぼ等しく、従って、中性子照射後のウラン・アルミ合金製ターゲットプレートからも、医療用ラジオアイソトープの製造は可能となる。
ウラン・アルミ合金製ターゲットプレートには、核分裂親物質が全く含まれておらず、中性子を照射することで核分裂性物質が発生することはない。従って、核分裂性物質量の管理がし易い、核拡散抵抗性に優れた、医療用ラジオアイソトープ製造方法の確立ができる。更に、ウラン・アルミ合金製ターゲットプレートでは、ウラン濃縮という工程が不要であり、ターゲットプレートを非常に安価に製造できる。また、ウラン・アルミ合金ターゲットプレートでは、放射性廃棄物の量が少なくなり、廃棄物処理も含めた医療用ラジオアイソトープの製造コストを大幅に削減できるという利点がある。
100 トリウム集合体
200 ウラン集合体
400 トリウム核燃料ペレット
500 トリウム溶融塩核燃料
600 ウラン・アルミ合金製ターゲットプレート
10、70、80、90 中性子照射プロセス
20 被照射トリウム集合体保管プロセス
30 ウラン抽出プロセス
31 ウラン製錬プロセス
40 タンデム加速器中性子源
45、46 中性子減速材
47、61 核燃料集合体
62 中性子反射材
63 照射孔



Claims (8)

  1. 金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、を含み、
    前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれている、ウラン233製造方法。
  2. 前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のウラン233製造方法。
  3. 金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウラン233とトリウム232とを機械的或いは化学的に混合させるプロセスと、を含み、
    前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とするトリウム核燃料製造方法。
  4. 前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のトリウム核燃料製造方法。
  5. 金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウランとアルミニウムとの合金を製造するプロセスと、前記合金をターゲットプレートに成形するプロセスと、を含み、
    前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とする、医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法
  6. 前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の医療用ラジオアイソトープ製造用ターゲットプレート製造方法
  7. 金属トリウム又はトリウム含有物に中性子源から中性子を照射してトリウム232原子核総数の0.1乃至1%のトリウム232原子核をプロトアクチニウム233原子核に核変換させるプロセスと、前記核変換によるプロトアクチニウム233原子核を該プロトアクチニウム233がウラン233原子核に壊変する半減期の5倍以上の期間をかけてウラン233に壊変させるプロセスと、前記プロトアクチニウム233の壊変によるウラン233を抽出することによりウラン233が99%以上のウランを得るプロセスと、ウラン233が99%以上の前記ウランとアルミニウムとの合金を製造するプロセスと、前記合金をターゲットプレートに成形するプロセスと、前記ターゲットプレートに中性子を照射することで、ウラン233核分裂生成物からラジオアイソトープを抽出するプロセスと、を含み、
    前記中性子源が、重陽子イオンビームを加速してベリリウムターゲットにぶつけることにより中性子を発生させる加速器中性子源を含み、該ベリリウムターゲットが前記金属トリウム又はトリウム含有物に密着配置されるととともに、前記ベリリウムターゲットが金属トリウム又はトリウム含有物とともに軽水減速材中に収容され、該軽水減速材がグラファイトに囲まれていることを特徴とする医療用ラジオアイソトープ製造方法
  8. 前記グラファイトの内側に前記軽水減速材を囲むように配置された核燃料集合体を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の医療用ラジオアイソトープ製造方法
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