JP5608025B2 - ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置 - Google Patents

ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5608025B2
JP5608025B2 JP2010212660A JP2010212660A JP5608025B2 JP 5608025 B2 JP5608025 B2 JP 5608025B2 JP 2010212660 A JP2010212660 A JP 2010212660A JP 2010212660 A JP2010212660 A JP 2010212660A JP 5608025 B2 JP5608025 B2 JP 5608025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
transmitted light
fiber
light amount
perot etalon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010212660A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012068110A (ja
Inventor
紀男 伊吹
昌博 川崎
元 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PLUMTEC CO., LTD.
Original Assignee
PLUMTEC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PLUMTEC CO., LTD. filed Critical PLUMTEC CO., LTD.
Priority to JP2010212660A priority Critical patent/JP5608025B2/ja
Publication of JP2012068110A publication Critical patent/JP2012068110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5608025B2 publication Critical patent/JP5608025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置に関し、詳しくは、正確で簡便、小型で安価なガス濃度測定方法及び可搬性で設置場所を問わないガス濃度測定装置に関する。
近年、地球温暖化が人類や植物にとって深刻な問題になりつつあることから、地球温暖化の主要因である二酸化炭素やメタンガス等の温室効果ガスを定量的に評価して、温暖化の進行状況を適切に判断するための試験が行なわれている。
ここで、温室効果ガスを定量的に評価(測定)する一つの方法として、狭帯域の光フィルタ(波長フィルタ)の働きをするファブリペロエタロンを用いて温室効果ガスの濃度を測定する方法が挙げられる。当該方法では、所定の温度でのファブリペロエタロンが、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長(赤外吸収スペクトルに対応する)と同一の波長の光を透過させるという特徴と、当該ファブリペロエタロンの温度を変化させると透過される光の波長が移動する特徴を利用する。
例えば、特定の温室効果ガスが二酸化炭素である場合、ファブリペロエタロンの透過光の波長が二酸化炭素の赤外吸収波長とほぼ同じになるように、当該ファブリペロエタロンを予め設計加工しておく。次に、大気圏内を透過した太陽光を集光して、集光した光を当該ファブリペロエタロンに入射する。ここで、ファブリペロエタロンの温度を変化させると、当該ファブリペロエタロン透過光の波長と、大気圏内の二酸化炭素により吸収された太陽光(透過光)の赤外吸収波長とがほぼ重なる状態が形成される。又、別の温度条件では、当該ファブリペロエタロンの透過光の波長と、前記太陽光(透過光)の赤外吸収波長とがほぼ重ならない状態が形成される。この重ならない状態での透過光量と、重なる状態での透過光量とを比較して、大気圏内の二酸化炭素の濃度を算出することが出来る。
しかしながら、従来では、ファブリペロエタロンとして、ソリッド型ファブリペロエタロンが用いられており、当該ソリッド型のファブリペロエタロンでは、温度変化に対する透過光の波長の移動速度(応答速度)が遅く、温室効果ガスの濃度の測定精度が上がらない欠点があった。特に、地上設置した計測器まで到達した太陽光強度は、大気圏の状態(例えば、天候や雲)により大きく変動する。当該温室効果ガスの濃度測定に対しては計測応答を速くすることは、測定精度の向上には不可欠の要求である。それにも関わらず、前記ソリッド型のファブリペロエタロンを用いた測定装置は石英ガラスを用いるため、応答が遅い。更に、当該ソリッド型のファブリペロエタロンを含む測定部と、太陽光からの光を集光する集光部とが一体型であった。そのため、当該測定部を当該集光部とともに、外乱の影響が著しい屋外等の環境に設置しなければならず、これらに起因した測定精度の低下、ユーザに対する作業性の悪さの問題があった。
そこで、当該問題を解決するために、特開2010−32317号公報(特許文献1)では、光を集光する集光部と、当該集光部からの光をファブリペロエタロンを透過させて検出する検出部を備えた温室効果ガス測定装置が開示されている。当該温室効果ガス測定装置は、前記ソリッド型ファブリペロエタロンを、ファイバ型ファブリペロエタロンで構成したことを特徴としている。当該構成により、上述した温度変化に対する応答速度が飛躍的に速くなった。更に、集光部を屋外に設置した上で、検出部を環境の悪影響を受けない屋内に設置することができるため、測定精度の向上とユーザに対する作業性の向上とを図ることが出来る。
特開2010−32317号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、屋外に設置された集光部から、屋内に設置された検出部に光を導くためにシングルモード光ファイバを採用しているが、太陽光は自然光であるため、当該シングルモード光ファイバに十分な量の光を導入することは極めて困難である。更に、前記特許文献1に記載の技術では、ファブリペロエタロンの透過光の波長と温室効果ガスの赤外吸収波長間隔とが重なる状態と、重ならない状態とを形成するためには、当該ファブリペロエタロンの温度を48.4℃と、32.8℃にそれぞれ調整している。ここで、当該温度の値は、小数点第一位(小数部分の十分の一の位)まで厳密に調整されており、通常、ファブリペロエタロンの温度を、このように厳密な値にまで調整する装置は精密なものとなり、価格が高くなる上、調整作業時間が長くなる。更に、測定で得られた温室効果ガスの濃度の値は、長い応答時間内における大気圏変動の影響が含まれるため、計測された二酸化炭素の濃度の値の測定精度は低い。従って、前記特許文献1に記載の技術では、温室効果ガスの濃度を正確に測定することが困難である。
又、この温室効果ガス測定装置では、集光部からの光をファブリペロエタロンに入射する前に、当該光のうち、測定対象の温室効果ガスの赤外吸収波長を含む特定波長領域の光のみを透過することが可能なガラス板製の狭帯域光フィルタ(波長フィルタ)を設けることがある。これにより、妨害となるファブリペロエタロンからの漏光を除去することにより、温室効果ガスの濃度の測定精度を更に向上させることが出来る。ここで、前記ガラス板製の狭帯域光フィルタの両面には特定の光学膜がコーティングされており、当該特定の膜で、ガラス板製の狭帯域光フィルタに入射された光の入射面と出射面との反射光の干渉作用を生じさせ、特定波長領域の光を透過、選別するように構成されている。そのため、当該ガラス板製の狭帯域光フィルタの入射光に対する傾斜角度が数分の1度でも変動すると、透過される光の波長領域が著しく変化し、温室効果ガスの濃度の測定精度が悪化する。従って、入射する光の進行方向に対して、ガラス板製の狭帯域光フィルタのなす角度は、精度高く調整される必要があり、当該角度調整作業に、高い熟練と長い作業時間とを要するという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、速い応答速度でその濃度を正確に測定することが可能なガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、被測定対象のガスの吸収波長を選択的に透過可能なファイバ型ファブリペロエタロンとファイバ型狭帯域フィルタを介して、太陽光より得た自然光から、前記ガス濃度を測定するガス濃度測定装置を前提とする。
当該ガス濃度測定装置において、ユーザから上限許容温度と下限許容温度と前記ガスの濃度の測定回数との入力を受け付ける受付手段と、前記上限許容温度と前記下限許容温度と前記測定回数との入力が受け付けられると、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を前記下限許容温度から前記上限許容温度まで上昇させるとともに、当該上限許容温度から当該下限許容温度まで前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を下降させる温度制御手段と、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度変化に対応して、当該ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量を検出する検出手段と、前記検出したファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量のうち、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とを検知した場合、2つの極大透過光量及び2つの極小透過光量をそれぞれ平均して、1つの極大透過光量及び1つの極小透過光量を算出する光量検知手段と、前記算出された極大透過光量と前記極小透過光量との比と、ランベルト・ベールの法則式とに基づいて前記ガスの濃度を算出する濃度算出手段と、前記極大透過光量となる極大温度と、前記極小透過光量となる極小温度とを含む所定温度範囲を一周期として設定し、当該設定された周期で、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度の上昇及び下降を前記測定回数だけ周期的に変更させ、一周期毎に得られる極大透過光量と極小透過光量とに基づいて一周期毎に得られる前記ガスの濃度を連続して算出させる測定繰り返し手段とを備え、前記受付手段は、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とが検知されなかった場合に、前記入力された上限許容温度と下限許容温度とでは前記ガスの濃度を測定することが出来ない旨を表示画面に表示して、ユーザに、再度、上限許容温度と下限許容温度との入力を受け付ける。ここで、ファイバ型ファブリペロエタロンの熱容量が小さいので応答速度は速いが、同時に周囲温度の影響を受けやすい。この外乱の影響を抑えるために、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度が変更され得る部分である温度可変部およびファイバ型狭帯域フィルタは恒温器(温度制御は±1℃程度)環境の中に保管して使用すると好ましい。
当該構成により、ユーザが、ファイバ型ファブリペロエタロンの状態変数、例えば、温度変化を適当に調整して、当該ファイバ型ファブリペロエタロンの透過可能な透過光の波長間隔と、ガスにより吸収された太陽赤外波長間隔が、重なる状態と、重ならない状態を厳密な温度調節なしに、かつ当該測定に要する応答を速めて作り出すことが可能となる。そのため、ガスの濃度の測定を著しく簡便にし、更に、得られたガスの濃度は、応答速さの向上により、大気圏等の影響を出来るだけ排除された条件での計測値となるから、正確なガス濃度を測定することが可能となる。
当該構成により、ガスの濃度を測定可能な状態変数の範囲で、ファイバ型ファブリペロエタロンの状態変数が自動的に変更され、ガスの濃度の測定を所定回数だけ実施することが可能となる。特に、ファブリペロエタロンが、ソリッド型(ガラス板型)でなく、ファイバ型であるため、状態変数の繰り返しに対するファイバ型ファブリペロエタロンの応答速さは、ソリッド型ファブリペロエタロンの応答速さと比べて顕著に速いから、単位時間当たりのガス濃度測定回数を著しく増やすことができ、それに伴って、ガスの濃度の測定精度を飛躍的に向上させることが可能となる。
更に、集光部のコンデンサレンズによって集光された太陽光の焦点半径と同程度の半径に複数の光ファイバを束ねたバンドル型光ファイバを備え、前記バンドル型光ファイバの一方の端面部が、前記集光部のコンデンサレンズにより集光された光の焦点位置に配置された状態で、当該集光部のコンデンサレンズに取り付けられ、前記バンドル型光ファイバの他方の端面部が、前記ファイバ型狭帯域フィルタを介して前記ファイバ型ファブリペロエタロンに取り付けられ、前記コンデンサレンズを前後に移動する機構を設け、前記バンドル型光ファイバを通過して検出される光量が最大になる位置で、前記コンデンサレンズが固定される
当該構成により、前記バンドル型光ファイバが、前記集光部で集光された太陽光を効率良く、前記測定部に当該光を伝送するため、当該光量に基づいて測定されるガスの濃度の測定精度を向上させることが可能となる。又、バンドル型光ファイバの一方の端面部の外周半径が前記光の焦点半径に近似しているため、ユーザが、集光部(後述する図2(a)の2)から出射する光の形を見ながら光軸合わせをした後、バンドル型光ファイバ一端を集光部に取り付ければよいから、当該バンドル型光ファイバの取り付け方法がユーザにとって分かり易く、両者の中心位置合わせが容易となる。
更に、前記バンドル型光ファイバから入射された光のうち、前記ガスの吸収波長を含む特定波長領域の光をファイバ型狭帯域光フィルタに透過させ、透過した光を前記ファイバ型ファブリペロエタロンへ出射する構成とすることが出来る。
前記狭帯域光フィルタは、ガラス板型でなく、ファイバ型であるため、ガラス板型狭帯域光フィルタと比較すると、当該ガラス板型狭帯域光フィルタの角度調整を不要とするから、光学系調節に要する時間を著しく短縮することが可能となる。そして、測定部内のシステムを全てファイバ型とすることにより、装置の光学的な丈夫さを、従来型と比べて十分に高めることが可能となる。
前記バンドル型光ファイバの中心部を通った光を信号光として前記ファイバ型狭帯域フィルタと前記ファイバ型ファブリペロエタロンとに伝送し、前記バンドル型光ファイバの外周部から出射した光を参照光として検出し、前記信号光を前記参照光で除算した値を、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量として採用する。尚、本発明は、被測定対象のガスの吸収波長を選択的に透過可能なファイバ型ファブリペロエタロンとファイバ型狭帯域フィルタを介して、太陽光より得た自然光から、前記ガス濃度を測定するガス濃度測定方法として提供することが出来る。即ち、当該ガス濃度測定方法において、ユーザから上限許容温度と下限許容温度と前記ガスの濃度の測定回数との入力を受け付ける受付ステップと、前記上限許容温度と前記下限許容温度と前記測定回数との入力が受け付けられると、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を前記下限許容温度から前記上限許容温度まで上昇させるとともに、当該上限許容温度から当該下限許容温度まで前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を下降させる温度制御ステップと、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度変化に対応して、当該ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量を検出する検出ステップと、前記検出したファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量のうち、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とを検知した場合、2つの極大透過光量及び2つの極小透過光量をそれぞれ平均して、1つの極大透過光量及び1つの極小透過光量を算出する光量検知ステップと、前記算出された極大透過光量と前記極小透過光量との比と、ランベルト・ベールの法則式とに基づいて前記ガスの濃度を算出する濃度算出ステップと、前記極大透過光量となる極大温度と、前記極小透過光量となる極小温度とを含む所定温度範囲を一周期として設定し、当該設定された周期で、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度の上昇及び下降を前記測定回数だけ周期的に変更させ、一周期毎に得られる極大透過光量と極小透過光量とに基づいて一周期毎に得られる前記ガスの濃度を連続して算出させる測定繰り返しステップと、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とが検知されなかった場合に、前記入力された上限許容温度と下限許容温度とでは前記ガスの濃度を測定することが出来ない旨を表示画面に表示して、ユーザに、再度、上限許容温度と下限許容温度との入力を受け付けるステップとを含むことを特徴とするガス濃度測定方法を提供できる。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
本発明に係るガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置によれば、短時間で、且つガスの濃度を正確に測定することが可能となる。
本発明に係るガス濃度測定装置の概略図である。 本発明に係るガス濃度測定装置の集光部の概略構成図である。 本発明に係るバンドル型光ファイバの一方の端面半径と光の焦点半径との関係を示す概略図である。 本発明に係るガス濃度測定装置の測定部の概略構成図である。 本発明に係る濃度ガス測定装置の機能ブロック図である。 本発明に係る特定のガスの濃度を測定する実行手順を示すためのフローチャートである。 二酸化炭素の赤外吸収波形と、ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光の波形とが重なった状態を示す図である。 ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を上下限の許容温度の範囲で周期的に変化させた際の透過光量の変化を示す図である。 所定時間継続して二酸化炭素の濃度を測定した際の当該二酸化炭素濃度の経時変化を示すチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置として、大気圏内に存在する温室効果ガスの濃度を測定する温室効果ガス濃度測定装置について、適宜図面を参照しながら詳細に説明するが、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置>
図1は、本発明に係るガス濃度測定装置の概略図である。図2(a)は、本発明に係るガス濃度測定装置の集光部の概略構成図である。図2(b)は、図2(a)に示すA−A線拡大断面図の一例を示す図である。図2(c)は、本発明に係るガス濃度測定装置の集光部の光の焦点とバンドル型光ファイバの一方の端面部との関係を示す概略図である。
本発明に係るガス濃度測定装置1には、図1に示すように、屋外に設置された集光部2と、屋内に設置された測定部3と、当該集光部2と当該測定部3とを接続するバンドル型光ファイバ4とが備えられている。当該集光部2は、大気圏内を透過する太陽光を集光するように構成されている。
前記集光部2の内部は、図2(a)に示すように、太陽光を集光するための集光レンズ21と、当該集光レンズ21前方に設けられ、太陽光のうち、近赤外領域の光を透過させるガラス製近赤外透過フィルター25とが備えられており、太陽光(近赤外領域の光)を集光してコリメーターレンズ22に出射するように構成されている。又、前記コリメーターレンズ22は、前記集光レンズ21により入射された太陽光を平行光として、ガラス型中帯域光フィルタ23に出射する。
前記ガラス型中帯域光フィルタ23は、前記コリメーターレンズ22から入射される平行光の進行方向に対して概ね直角に固定され、当該平行光のうち、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長を含む特定波長領域の光のみを透過するように構成されている。例えば、特定の温室効果ガスが二酸化炭素である場合、前記ガラス型中帯域光フィルタ23は、波長1564nm−1576nmの光を透過する。前記ガラス型中帯域光フィルタ23を透過した光(平行光)は、更に、コンデンサレンズ24に出射される。前記コンデンサレンズ24は、前記ガラス型中帯域光フィルタ23からの光を集光し、上述したバンドル型光ファイバ4へ出射する。
ここで、屋外の集光部2と屋内の測定部3とを接続するバンドル型光ファイバ4は、図2(b)、図2(c)に示すように、複数の光ファイバを配置して一つに束ね、束ねられた複数の光ファイバ(中心の光ファイバ41、外周に配置された複数の光ファイバ42)の端面半径43が、前記集光部2(コンデンサレンズ24)により集光された光の焦点半径2aに近似するように構成される。
更に、前記バンドル型光ファイバ4は、図2(c)に示すように、前記一方の端面部4aが、前記集光部2(コンデンサレンズ24)により集光された光の焦点位置2aに配置された状態で(例えば、前記一方の端面部4aがコンデンサレンズ24の焦点距離fの位置に固定された状態で)前記集光部2に取り付けられる。尚、他方の端面部4bは、前記測定部3に導かれる(図3)。ここで前記集光レンズ21の光が最も効率よく前記端面部4aに伝達されるよう、中心光軸合わせのために高い工作精度が要求される。前記コンデンサレンズ24を前後に移動する機構を設け、バンドル型光ファイバ4を透過し、前記測定部3で検出される光量が最大になる位置で前記コンデンサレンズ24を固定する。
当該構成により、前記バンドル型光ファイバ4が、屋外の集光部2で集光された光(太陽光)の減衰を抑えて、屋内の測定部3に当該光を伝送するため、当該光量に基づいて測定される温室効果ガスの濃度の測定精度を向上させることが可能となる。特に、当該バンドル型光ファイバ4の長さは、屋外の集光部2からの光を、屋内の測定部3へ伝送するために、数十mとなる場合もある。そのような場合において、当該バンドル型光ファイバ4を採用すると、透過光の減衰が抑えられた光が適切に測定部3へ伝送されるため、温室効果ガスの濃度の測定精度を向上させることが可能となる。
図3は、バンドル型光ファイバ4の一方の端面半径43と、光の焦点半径2aとが近似している場合の概略図である。
図3において、仮に、バンドル型光ファイバ4の一方の端半面部43の中心位置4bが、光の中心位置2bからずれた場合、バンドル型光ファイバ4の一方の端面半部43の外端部4cが、光の外端部2cから即時にはみ出し、前記測定部3により検出される光量が即時に減少する。そのため、ユーザは、一方の端面半部43の中心位置4bと、光の中心位置2bとのずれを容易に知ることが出来て、両者の中心位置合わせが容易となるのである。このように、バンドル型光ファイバ4の一方の端面半部43が前記光の焦点半径2aに近似しているため、バンドル型光ファイバ4の一方の端面半部43の中心位置4bと、光の中心位置2bとを合わせる作業が容易となる。
更に、取り付け後において、何らかの理由により取り付け位置が多少ずれた場合、前記測定部3に伝送される光量が著しく減少するため、当該取り付け位置のずれを早期発見することが可能となる。その結果、ガスの濃度を測定する際の光学系調節が容易となり、ユーザに対する利便性を向上させることが可能となる。
尚、図2に示すバンドル型光ファイバ4は、全ての光ファイバ41、42のコア径が62μm程度であり、中心の光ファイバ41の外周を4つ以上6つ以下の光ファイバ42で取り囲むように隣接配置して一つに束ねることにより構成される。
一方、光ファイバの種類等によるものの、全ての光ファイバ41、42のコア径が50μm未満、又は250μmを越える場合、上述した光学系調節が難しくなり、温室効果ガスの濃度の測定精度が悪化する場合があり、好ましくない。又、中心の光ファイバ41の外周を取り囲む光ファイバ42が、4つ未満、又は6つを越える場合、上述した光学系調節が難しくなり、温室効果ガスの濃度の測定精度が悪化する場合があり、好ましくない。
図4は、本発明に係るガス濃度測定装置の測定部の概略構成図である。
前記バンドル型光ファイバ4の中心41を透過した光は、ファイバ型狭帯域光フィルタ31、ファイバ型ファブリペロエタロン33に入射する。
ここで、当該バンドル型光ファイバ4の外周部42から出射した光は光路32aを伝送し、光学系調節等に用いられる参照光として、後述する検出部(検出手段34)に導入される。又、バンドル型光ファイバ4の中心部41を通った光は光路32bを伝送し、温室効果ガス濃度測定に用いられる信号光として、ファイバ型狭帯域光フィルタ31、ファイバ型ファブリペロエタロン33に導入される。
このように、前記バンドル型光ファイバ4を使うことにより、一方の光路32aを伝送する光を参照光として、他方の光路32bを伝送する光を信号光として、同時に取得することが可能となる。前記参照光は、その光量の大小により大気圏内の状態を容易に知ることが出来るため、当該参照光を基準として、温室効果ガスの濃度測定に適した大気圏の状態か否かを判断することが出来る。又、太陽光は、大気圏を通過する間に、雲やエアロゾルの影響を受けて、その強度が時間的に変動する。そのため、信号光(信号強度)を参照光(参照光強度)で除算した除算値(除算信号光、除算信号強度)を信号光(信号強度)として採用することにより、算出される温室効果ガスの濃度値に、当該影響を取り除くことが可能となる。
一方、光路32bを伝送する光は、ファイバ型狭帯域光フィルタ31に入射する。ここで、前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31は、前記バンドル型光ファイバ4から入射された光のうち、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長を含む特定波長領域の光を透過し、透過した光を後述するファイバ型ファブリペロエタロン33へ出射するように構成されている。
前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31からの光のうち、測定対象となる温室効果ガスの赤外吸収波長を含む特定波長領域の光を、ファイバ型ファブリペロエタロン33に出射させることが可能となるため、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量に外乱が含まれることを防止し、温室効果ガスの濃度の測定精度を更に向上させることが可能となる。
特に、温室効果ガスの濃度の測定では、太陽光が透過した大気圏内の状態(例えば、雲、霧の発生、空気密度のゆらぎ、気象変化等)の変化が、直接的に測定精度に繋がるため、短時間で濃度測定を完了することが要求される。当該構成により、測定時間を短縮することが出来るため、大気圏内の状態変化の影響を受けていない温室効果ガスの濃度を精度高く測定することが可能となる。
そして、測定部3内のシステム、つまり、バンドル型光ファイバ4、ファイバ型狭帯域光フィルタ31、ファイバ型ファブリペロエタロン33を全てファイバ型とすることにより、装置の光学的な軸合わせが、従来型と比較して、飛躍的に容易になる。また、外部からの振動などの影響が光学系に及ぶことを回避できる。
ここで、前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31からの光を受けるファイバ型ファブリペロエタロン33は、特に限定はなく、本発明の実施形態では、自身の温度変化に伴って、前記集光部2から出射した光のうち、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長と同一の波長の光を透過可能となるファイバ型ファブリペロエタロンを採用する。
即ち、ファイバ型ファブリペロエタロン33は、柱状をなす保持部材331の内孔に特定の光導波路材料332(例えば、コア径9μmシングルモードファイバー)が挿通されており、特定の温度では、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長と同一の波長の光を透過可能となり、他の温度では、当該赤外吸収波長と同一の波長の光を不透過となるように構成されている。ここで、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長と同一の波長とは、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長のピーク位置と、ファイバ型ファブリペロエタロン33が透過した透過光の波長のピーク位置とがほぼ一致することを意味する。
又、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33は、一対の光コネクタプラグ333を備え、前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31が、一方の光コネクタプラグ333aの軸方向に挿通固定され、当該ファイバ型狭帯域光フィルタ31から出射された光が当該ファイバ型ファブリペロエタロン33に入射するように構成されている。そして、他方の光コネクタプラグ333bには、所定の光ファイバが連結され、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33を透過した光(自然光)を、光量を検出可能な検出部(検出手段34)に入射するように構成されている。
又、ファイバ型ファブリペロエタロン33の熱容量は小さいので応答速度が速いが、同時に周囲温度の影響を受けやすい。この外乱の影響を抑えるために、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度が変更され得る部分である温度可変部およびファイバ型狭帯域フィルタ31は恒温器(温度制御は±1℃程度)環境の中に保管して使用する。
更に、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33は、例えば、ペルチェ素子(加熱冷却手段35)と当接するよう配置されており、当該加熱冷却手段35が、図1に示す制御ボックス5からの指示により、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を調整するように構成されている。ここで、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の軸方向の長さが短い(例えば、1.0cm)ため、前記加熱冷却手段35の温度調整に要する熱量は少量となる。そのため、加熱冷却手段35によるファイバ型ファブリペロエタロン33の温度変化を迅速に実行することができ、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度変化に伴う当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量の変化を迅速に実施することが可能となる。
又、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33は、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を検出する温度センサ36と近接するように配置されており、当該温度センサ36は、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を前記制御ボックス5に出力するよう構成されている。
又、前記測定部3には、制御回路として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を搭載した制御ボックス5が備えられており、制御ボックス5のCPUが、前記加熱冷却手段35を、前記温度センサ36からの温度に基づいて加熱冷却制御する。又、前記制御ボックス5は、ファイバ型ファブリペロエタロン33の設定温度の入力を受けるパーソナルコンピュータ6(PC、端末)に接続されており、当該制御ボックス5が、前記PC6を介してユーザからの指示(設定温度、スタートキー等)の入力を受け付けたり、測定結果やユーザへのメッセージをPC6の表示画面に出力したりする。又、PC6には、上述した濃度算出プログラムが搭載されており、特定の温室効果ガスに対応する定数が代入されたランベルト・ベールの法則式をROMに記憶させ、PC6のCPUが、RAMを作業領域として利用し、前記検出手段34から出力される透過光量と前記ランベルト・ベールの法則式とに基づいて特定の温室効果ガスの濃度を算出する。尚、後述する特定の手段については、前記CPUが制御プログラムを実行することで当該手段を実現するが、特定の温室効果ガスの濃度の算出は、制御ボックス5、PC6のどちらで計算しても構わない。
次に、本発明に係るガス濃度測定装置1が特定の温室効果ガスの濃度を測定する実行手順について詳細に説明する。
図5は、本発明に係るガス濃度測定装置1の機能ブロック図である。図6は、本発明に係る特定の温室効果ガスの濃度を測定する実行手順を示すためのフローチャートである。
ユーザが、特定の場所での特定の温室効果ガス(例えば、二酸化炭素)の濃度を地上に到達する太陽光を用いて測定するために、ガス濃度測定装置1の集光部2を屋外へ搬出し、搬出した集光部2を水平面に設置する。この際、バンドル型光ファイバ4の一端部が当該集光部2に接続され、他端部が、屋内に設置されたガス濃度測定装置1の測定部3に接続された状態である。
次に、ユーザが、測定部3の制御ボックス5とPC6とに電源を投入すると、起動したPC6の受付手段301が、前記測定部3のファイバ型ファブリペロエタロン33を加熱してもよい上限許容温度と、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33を冷却してもよい下限許容温度と、温室効果ガスの濃度の測定回数との受け付けを開始する(図6:S1)。
ユーザが、PC6に備えられたキーボード等を用いて、前記上限許容温度(例えば、43℃)と前期加減許容温度(例えば、31℃)と測定開始時間と終了時間と回数(例えば、6回)を入力し、スタートキーを押下すると(図6:S2YES)、前記受付手段301が、前記上限許容温度と前記下限許容温度と前記測定回数との入力を受け付けて、起動した制御ボックス5の温度制御手段302に前記上限許容温度と前記下限許容温度とを通知する。
前記通知を受けた温度制御手段302は、前記温度センサ36から現時点でのファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を受信し、受信したファイバ型ファブリペロエタロン33の温度と下限許容温度とが一致するように、加熱冷却手段35に通電し、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を調整する。
当該調整が終了すると、温度制御手段302は、光量検知手段303に、その旨を通知するとともに、温度センサ36から得られる前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度に基づいて、加熱冷却手段35に通電して、当該加熱冷却手段35が当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度可変部を加熱するような電圧を印加させ、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度(下限許容温度)を上限許容温度まで上昇させる(図6:S3)。又、前記通知を受けた光量検知手段303は、前記温度制御手段302からファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を取得しながら、前記検出手段34により検出されるファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量の信号を受信する(図6:S4)。この際、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度と、ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量とは対応付けられる。又、ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量は、特定の温室効果ガスの赤外吸収波形の波長(二酸化炭素であれば、波長1570nm−1575nm)の光量を積分した値である。
ここで、前記検出手段34は、前記集光部2と、前記バンドル型光ファイバ4と、前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31と、ファイバ型ファブリペロエタロン33をこの順に透過した光を受信して光量を検出することとなる。上述したように、前記バンドル型光ファイバ4が、屋外で集光された太陽光を効率よく集光するため、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33への光量を充分に確保することが出来る。又、前記ファイバ型狭帯域光フィルタ31が、自身のフィルタ機能により、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光に対する波長範囲を適切に選択し、測定精度を高める。尚、ガラス板型狭帯域光フィルタを用いた場合と比べて光学調整における微妙な角度調整作業が不要であるから、光学的に強い構成となり、迅速に温室効果ガスの濃度測定を開始できる。
さて、前記加熱冷却手段35が前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を上昇すると、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光波長の形(スペクトル)が短(又は長)波長方向に移動する。前記ファイバ型ファブリペロエタロン33は、特定の温室効果ガス(二酸化炭素)の赤外吸収波長と同一の波長の光を透過可能に構成されているため、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波長の移動により、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波長と、前記温室効果ガスの赤外吸収波形とが重なった状態が発生する。
図7は、二酸化炭素の赤外吸収波形701と、ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光の波形702とが重なった状態を示す図である。この状態では、二酸化炭素の赤外吸収波長に対応する光が、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33を殆ど透過することとなるため、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量は、極小値となる。ここで、極小値とは、透過光量の減少から増加に変化する局所的な値であることを意味する(極小透過光量)。
続いて、前記加熱冷却手段35がファイバ型ファブリペロエタロン33の温度上昇を継続すると、上述とは逆に、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波長と、前記温室効果ガスの赤外吸収波長とが重ならない状態が発生する。この状態では、温室効果ガスの赤外吸収波長に対応する光が、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33を殆ど透過しないため、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量は、極大値となる。ここで、極大値とは、透過光量の増加から減少に変化する局所的な値であることを意味する(極大透過光量)。次に、前記極小透過光量を利用して、温室効果ガスの濃度を算出する。
このように、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度の変化に伴って、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過可能な透過光の波長と温室効果ガスを透過した太陽光の赤外吸収波長とが重なる状態と、重ならない状態とにそれぞれ対応する極小透過光量と、極大透過光量とを簡単に検出することが可能となる。
前記加熱冷却手段35がファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を上限許容温度まで上昇し終えると(図6:S5)、温度制御手段302が、温度センサ36から得られた前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度に基づいて、加熱冷却手段35に通電して、当該加熱冷却手段35が当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度可変部を冷却するように電流を流し、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度(上限許容温度)を下限許容温度まで下降させる(図6:S6)。又、光量検知手段303は、前記温度制御手段302からファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を取得しながら、前記検出手段34により検出されるファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量の信号を受信する(図6:S7)。
ここで、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度が下降すると、上述とは逆に、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波長と、前記温室効果ガスの赤外吸収波長とが重ならない状態が発生し、続いて、両者が重なる状態が発生することになる。当該状態の発生に伴って、極大透過光量と極小透過光量とが検出されることになる。
さて、前記加熱冷却手段35がファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を下限許容温度まで下降し終えると(図6:S8)、温度制御手段302が、その旨を光量検知手段303に通知する。当該通知を受けた光量検知手段303は、下限許容温度と上限許容温度との温度範囲で得られた透過光量を用いて、前記極大透過光量と前記極小透過光量とを検知を実行する(図6:S9)。
尚、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33では、一回の下限許容温度から上限許容温度までの温度上昇、又は一回の上限許容温度から下限許容温度までの温度下降に対して得られる透過光量のうち、2つの極小値と、2つの極大値とが存在するように上限許容温度と下限許容温度を決める。このことにより、二酸化炭素の赤外吸収波形とファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波形とが重なった状態あるいは重ならない状態を完全に捕捉する。そのため、ユーザが、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を、例えば、小数点第一位まで厳密に調整して、前記重なる状態と、前記重ならない状態とを作り出す厳密な作業が不要となり、温室効果ガスの濃度の測定を著しく簡便にし、ユーザに対する利便性を向上させることが可能となる。
前記光量検知手段303が、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量、極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量、極小透過光量とを検知すると(図6:S10YES)、各組毎の極大透過光量を平均したり、各組毎の極小透過光量を平均したりして、一つの極大透過光量と、一つの極小透過光量とを濃度算出手段304に通知する。又、光量検知手段303は、極大透過光量となるファイバ型ファブリペロエタロン33の温度(極大温度)と、極小透過光量となるファイバ型ファブリペロエタロン33の温度(極小温度)とを各組毎に特定し、特定した各組毎の極大温度を平均したり、各組毎の極小温度を平均したりして、一つの極大温度と、一つの極小温度とを測定繰り返し手段305に通知する。当該測定繰り返し手段305は、極大温度と極小温度とを一時保持しておく。
ここで、ユーザが入力した下限許容温度と上限許容温度との温度差が小さすぎる等の理由により、例えば、極小値が2つにならなかったり、極大値が2つにならなかったりして、前記光量検知手段303が、極大透過光量と極小透過光量とを両方検知することが出来なかった場合(図6:S10NO)、当該光量検知手段303が、前記受付手段301にその旨を通知する。当該通知を受けた受付手段301は、入力された上限許容温度と下限許容温度とでは特定の温室効果ガスの濃度を測定することが出来ない旨を表示画面に表示して、ユーザに、再度、上限許容温度と下限許容温度との入力を受け付ける(図6:S1)。
さて、極大透過光量と極小透過光量とを受信した濃度算出手段304は、両方受信した時点で(図6:S10YES)、ランベルト・ベールの法則式(演算式)が予め記憶された記憶手段306を参照する。尚、前記記憶手段306に記憶されるランベルト・ベールの法則式は、次式のように与えられる。
ln(I/I)=K×C×L ・・・(1)
ここで、Iは極大透過光量(単位:A.U.)、Iは極小透過光量(単位:A.U.)、Kは特定の温室効果ガス(例えば、二酸化炭素)の吸収係数(単位:cm)、Cは特定の温室効果ガス(例えば、二酸化炭素)の濃度(単位:molecules・cm-)、Lは大気圏の厚さ(単位:cm)である。尚、前記吸収係数Kは、前記法則式(1)に予め代入されている。
前記濃度算出手段304は、極小透過光量(I)と極大透過光量(I)との比(I/I)を算出し、算出した比(I/I)を前記法則式(1)に代入して、温室効果ガスのC×L(カラム密度、molecules・cm-)を、算出する(図6:S11)。続いて大気圏における温室効果ガス濃度の高度分布を仮定することで濃度値算出が完了する。
前記温室効果ガスの濃度の算出が完了すると、前記濃度算出手段304は、その旨を測定繰り返し手段305に通知する。当該通知を受けた測定繰り返し手段305は、先ほど受信した極大温度と極小温度とを含む所定温度範囲を一周期として設定する(図6:S12)。
尚、所定の温度範囲の値は、上述した差に対応する経験値でも構わないし、またはファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光の波長シフトは自身の屈折率の温度係数で決まるため、当該波長シフトに対応した計算値でも構わない。
次に、測定繰り返し手段305は、前記受付手段301が受け付けた測定回数を取得して、設定された周期で、周期的にファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を繰り返すように前記温度制御手段302に指示する(図6:S13)。
又、測定繰り返し手段305は、周期的なファイバ型ファブリペロエタロン33の温度変化に伴うファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量から極大透過光量と極小透過光量とを検知するように前記光量検知手段303に指示する。そして、測定繰り返し手段305は、温度変化の一周期毎に得られる極大透過光量と極小透過光量とを用いて温室効果ガスの濃度を算出するように前記濃度算出手段304に指示する。これにより、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度が、極大温度と極小温度とを含む所定温度範囲内で周期的に変更され、前記濃度算出手段304が、一周期毎に得られる温室効果ガスの濃度を連続して複数算出する(図6:S14)。
図8は、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を上下限の許容温度(43℃、31℃)の範囲で周期的に変化させた際の透過光量の変化を示す図である。
図8に示すように、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度が一周期分801だけ変動すると、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量、極小透過光量が得られ、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量、極小透過光量が得られるため、合計、極大透過光量802と極小透過光量803とが二組得られることが理解される。上述したように、これらの極大透過光量と極小透過光量とにより、1点の温室効果ガスの濃度が算出される。前記一周期は比較的短く、図8では、60秒程度であるため、算出される温室効果ガスの濃度の値は、大気の気象変化の影響を受け難く、外乱の少ない値となる。そのため、より大気圏内の温室効果ガスの濃度を正確に反映している値と言える。又、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度周期の間には必ず2つの極大値と2つの極小値があるので、半周期に1点の温室効果ガスの濃度の値が得られる(図8では、60秒当たり2回)。そのため、得られた温室効果ガスの濃度の測定精度を十分に高めることが可能となる。
さて、前記温度制御手段302が、周期的なファイバ型ファブリペロエタロン33の温度変化を完了し、前記濃度算出手段304が、光量検知手段303による極大透過光量と極小透過光量とを利用して、所定回数の温室効果ガスの濃度の算出を完了すると、当該濃度算出手段304が、所定数の温室効果ガスの濃度を受付手段301に通知する。当該通知を受けた受付手段301は、当該温室効果ガスの濃度を表示画面に表示し、ユーザに温室効果ガスの濃度の測定完了を知らせる(図6:S15)。これで、特定の温室効果ガスの濃度測定は完了する。
尚、温室効果ガスの濃度が所定数得られているため、例えば、前記濃度算出手段304が、濃度算出完了後に、所定数の温室効果ガスの濃度から、所定の統計的手法を用いて統計値(平均値、最確値、誤差)を算出して、前記受付手段301に通知するよう構成してもよい。
又、上述した温室効果ガスは、二酸化炭素(CO)としたが、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定はない。例えば、メタン(CH)、亜酸化窒素(NO、一酸化二窒素ともいう)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッ化硫黄(SF)等でも構わない。
<実施例1>
以下に本発明の実施例1について説明するが、本発明はその適用が本実施例に限定されるものでない。
図1−図6に示したガス濃度測定装置1を用いて、温室効果ガスである二酸化炭素の濃度の測定を実施した。二酸化炭素の濃度を測定する際に、ユーザは、下限許容温度を31℃とし、上限許容温度を43℃として、二酸化炭素の濃度の測定を開始した。又、当該ガス濃度測定装置1内のランベルト・ベールの法則式には、二酸化炭素に対応する吸収係数Kを予め代入しておいた。
二酸化炭素の濃度の測定を実行したところ、例えば、所定の期間内で、図7に示すように、6−7分以内に、6の二酸化炭素の濃度を算出することができ、約1分程度で一つの二酸化炭素の濃度を算出することが出来た。そのため、得られた二酸化炭素の濃度は、測定時間の短縮により、薄雲等の影響を出来るだけ排除された値となり、大気圏内の二酸化炭素の濃度を正確に反映している値と理解される。
図9は、所定時間(9時頃から15時頃まで)継続して二酸化炭素の濃度を測定した際の当該二酸化炭素濃度の経時変化を示すチャートである。
図9に示すように、本発明に係るガス濃度測定装置1にて測定された二酸化炭素カラム密度は、9時頃から15時頃まで、ほぼ一定の値(8.74×1021[molecules・cm-])であり、経時変化に対して安定した値である。ここで、測定された全ての二酸化炭素カラム密度のデータを用いて誤差を算出したところ、当該誤差は二酸化炭素カラム密度の平均値を100%として0.8%であった。これにより、高度分布を取り込んだ大気圏の厚さLを用いて、精度高く二酸化炭素濃度を測定することが出来ることが理解される。
<比較例1>
上述した実施例1に対応する比較例1として、図1−図6に示したガス濃度測定装置1のうち、本発明に係る構成(温度制御手段302、光量検知手段303、濃度算出手段304、測定繰り返し手段305)を取り外し、ソリッド型ガラス製エタロンを備えたガス濃度測定装置を、比較例1のガス濃度測定装置とし、実施例1と同様の条件にて、別の日時に、二酸化炭素の濃度の測定を開始した。
二酸化炭素の濃度の測定を実行したところ、ソリッド型ガラス製エタロンの透過可能な透過光の波長と、温室効果ガスの赤外吸収波長とが重なる状態を形成するために、ユーザが、透過光量を監視しながら、ソリッド型ガラス製エタロンの温度を調整した。当該温度調整には、温度値の、小数点第一位(小数部分の十分の一の位)まで厳密に調整しなければならず、当該温度調整作業に数分−数十分の時間を要した。
前記重なる状態で透過光量を取得した後に、今度は、ユーザが、重ならない状態を形成するために、透過光量を監視しながら、ソリッド型ガラス製エタロンの温度を調整した。当該温度調整作業も、上記と同様に数分−数十分の時間を要した。
前記重ならない状態で透過光量を取得した後に、二酸化炭素の濃度を算出したが、一つの二酸化炭素の濃度を得るために、五分から十分程度を要するので、当該二酸化炭素の濃度の値には、その間の大気の気象変動の影響が当然含まれている。そのため、二酸化炭素濃度を正確に測定することが出来なかった。更に、上述した温度調整作業の手間や繰り返しに時間が掛かることにより、測定回数を増やすことは出来ず、得られた結果に基づいて算出された誤差は、二酸化炭素濃度の平均値を100%として数%であった。これは、実施例1と比較すると、比較例1の測定精度は、かなり劣っていた。
<比較例2>
上述した実施例1に対応する比較例2として、図1−図6に示したガス濃度測定装置1のうち、本発明に係るバンドル型光ファイバ4を取り外すとともに、当該バンドル型光ファイバ4の代わりに、市販のシングルモード光ファイバを取り付けた。更に、本発明に係るファイバ型狭帯域光フィルタ31を取り外すとともに、市販のガラス板型狭帯域光フィルタを取り付けた。当該ガラス板型狭帯域光フィルタの取付後のガス濃度測定装置を、比較例2のガス濃度測定装置とし、実施例1と同様の条件にて、別の日時に、二酸化炭素の濃度の測定を開始した。二酸化炭素の濃度の測定を実行したところ、信号光の強度が弱く、二酸化炭素の濃度の実測は不可能であった。
<比較例3>
実施例2として、図1−図6に示したガス濃度測定装置1のうち、本発明に係るバンドル型光ファイバ4を取り外すとともに、当該バンドル型光ファイバ4の代わりに、全ての光ファイバのコア径が250μmであり、中心の光ファイバの外周を6つの光ファイバで取り囲むように隣接配置された第二のバンドル型光ファイバを取り付けた。第二のバンドル型光ファイバの取付後のガス濃度測定装置を、実施例2のガス濃度測定装置とし、実施例1と同様の条件にて、別の日時に、二酸化炭素の濃度の測定を実行した。すると、太陽光取り込み調整がうまくできなかった。
<参考例>
上述した実施例1に対応する参考例として、光スペクトラムアナライザー(参考例のガス濃度測定装置)による測定を、実施例1の測定と同時に実施した。当該二酸化炭素濃度の測定を、9時頃から15時頃まで継続して実行し、図9に示す二酸化炭素濃度の経時変化を示すチャートを得ることが出来た。図9に示すように、当該測定装置は二酸化炭素の濃度を安定に計測することが出来ているが、一つの二酸化炭素の濃度を測定するのに要する時間は約3分であり、実施例1と比較して、測定時間が長いことが理解される。
一方、当該測定装置にて測定された二酸化炭素濃度は、9時頃から15時頃まで、ほぼ一定の値(8.68×1021[molecules・cm-])であり、実施例1の二酸化炭素濃度と比較して、ほぼ同等の値が測定されたことが理解される。
しかしながら、測定された全ての二酸化炭素濃度のデータを用いて誤差を算出したところ、当該誤差は二酸化炭素濃度の平均値を100%として1.0%であった。これにより、参考例のガス濃度測定装置は、実施例1のガス濃度測定装置よりも、測定に要する時間が長く、測定精度が悪いことが理解される。
このように、本発明では、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量を検出する検出手段34と、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を、ユーザにより設定された設定範囲内で変更する温度制御手段(変数制御手段)302と、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度の変更に伴う当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過光量の極大透過光量と、極小透過光量とを検知する光量検知手段303と、前記極大透過光量と前記極小透過光量との比と、前記ランベルト・ベールの法則式とに基づいて前記ガスの濃度を算出する濃度算出手段304とを備える。
当該構成により、ユーザが、ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を厳密に調整して、当該ファイバ型ファブリペロエタロン33の透過可能な透過光の波長と、温室効果ガスを透過した太陽光(透過光)の赤外吸収波長とが重なる状態と、重ならない状態とを作り出す作業が不要となる。そのため、温室効果ガスの濃度の測定を著しく簡便にし、当該測定に要する時間も短縮することが可能となる。更に、得られた温室効果ガスの濃度は、測定時間の短縮により、薄雲等の影響を出来るだけ排除された値となるから、温室効果ガスの濃度を正確に測定することが可能となる。
尚、本発明に係るガス濃度測定装置1では、ファイバ型ファブリペロエタロン33の状態変数として温度としたが、当該温度に限られず、他の状態変数(物理的状態変数)であっても構わない。例えば、ファイバ型ファブリペロエタロン33として、例えば、電圧の変化に伴って、ファイバ型ファブリペロエタロン内の、対向する反射面間の距離を変更可能なピエゾ素子を備えるファイバ型ファブリペロエタロンであって、当該ピエゾ素子の印加電圧を制御することにより、特定の温室効果ガスの赤外吸収波長と同一の波長の光を透過可能となるファイバ型ファブリペロエタロンであれば、前記状態変数として電圧を採用しても構わない。
又、本発明に係るバンドル型光ファイバ4の長さは、集光部2と測定部3との相互間の距離を自由に変更調整可能であれば、どのような長さでも構わない。
又、本発明に係るファイバ型狭帯域光フィルタ31の直径は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定はないが、図2では、9μmである。
又、本発明に係る測定部3では、PC6に、受付手段301を備え、制御ボックス5に、温度制御手段302、光量検知手段303、濃度算出手段304、記憶手段306、測定繰り返し手段305を備えるよう構成しているが、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定はない。
又、本発明に係る測定部3の温度制御手段302は、前記ファイバ型ファブリペロエタロン33の温度を、下限許容温度から上限許容温度まで上昇した後に、上限許容温度から下限許容温度まで下降するよう構成しているが、上限許容温度から下限許容温度まで下降した後に、下限許容温度から上限許容温度まで上昇するよう構成してもよい。又、他の類似の極大透過光量、極小透過光量の検出を行なう計測方法でも、この原理を応用することが可能である。
又、本発明に係る集光部2には、本発明の目的を阻害しない限り、他の構成が付加されても構わない。例えば、図1に示すように、場所を特定するGPS(Global Positioning System)受信部7が備えられており、当該GPS受信部7が、人工衛星からのGPS電波を受信して、当該集光部2の設置位置を特定するための位置情報を取得し、前記測定部3に送信するよう構成されても構わない。これにより、例えば、受付手段301が、前記位置情報と、測定された温室効果ガスの濃度と対応付けた測定結果を表示画面に表示するよう構成しても構わない。
又、本発明に係る測定部3には、光分岐コネクタは採用して無いが、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定はなく、当該光分岐コネクタを採用しても構わない。
又、本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置1では、温室効果ガスの濃度測定に関して採用したが、例えば、測定対象のガスは、温室効果ガスに限られず、工業、農業、漁業、航空、宇宙等の様々な分野において測定対象となるガスを測定するガス濃度測定装置として採用しても、同一の作用効果を奏する。
又、本発明の実施形態では、ガス濃度測定装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、上記プログラムをガス濃度測定装置1又はPC6に読み出させ、そのガス濃度測定装置1又はPC6が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスク等の記憶媒体に記憶させる方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明に係るガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置は、工業、農業、漁業、航空、宇宙等の様々な分野において有用であり、短時間で、且つガスの濃度を正確に測定することが可能なガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置としてとして有効である。
1 ガス濃度測定装置
2 集光部
3 測定部
31 ファイバ型狭帯域光フィルタ
33 ファイバ型ファブリペロエタロン
34 検出手段
35 加熱冷却手段
36 温度センサ
4 バンドル型光ファイバ
5 制御ボックス
6 PC
301 受付手段
302 温度制御手段
303 光量検知手段
304 濃度算出手段
305 測定繰り返し手段
306 記憶手段

Claims (5)

  1. 被測定対象のガスの吸収波長を選択的に透過可能なファイバ型ファブリペロエタロンとファイバ型狭帯域フィルタを介して、太陽光より得た自然光から、前記ガス濃度を測定するガス濃度測定装置において、
    ユーザから上限許容温度と下限許容温度と前記ガスの濃度の測定回数との入力を受け付ける受付手段と、
    前記上限許容温度と前記下限許容温度と前記測定回数との入力が受け付けられると、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を前記下限許容温度から前記上限許容温度まで上昇させるとともに、当該上限許容温度から当該下限許容温度まで前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を下降させる温度制御手段と、
    前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度変化に対応して、当該ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量を検出する検出手段と、
    前記検出したファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量のうち、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とを検知した場合、2つの極大透過光量及び2つの極小透過光量をそれぞれ平均して、1つの極大透過光量及び1つの極小透過光量を算出する光量検知手段と、
    前記算出された極大透過光量と前記極小透過光量との比と、ランベルト・ベールの法則式とに基づいて前記ガスの濃度を算出する濃度算出手段と
    前記極大透過光量となる極大温度と、前記極小透過光量となる極小温度とを含む所定温度範囲を一周期として設定し、当該設定された周期で、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度の上昇及び下降を前記測定回数だけ周期的に変更させ、一周期毎に得られる極大透過光量と極小透過光量とに基づいて一周期毎に得られる前記ガスの濃度を連続して算出させる測定繰り返し手段とを備え、
    前記受付手段は、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とが検知されなかった場合に、前記入力された上限許容温度と下限許容温度とでは前記ガスの濃度を測定することが出来ない旨を表示画面に表示して、ユーザに、再度、上限許容温度と下限許容温度との入力を受け付ける
    ことを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度が変更され得る部分である温度可変部およびファイバ型狭帯域フィルタは、温度制御が±1℃の恒温器環境の中に保管されて使用される
    請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 集光部のコンデンサレンズによって集光された太陽光の焦点半径と同程度の半径に複数の光ファイバを束ねたバンドル型光ファイバを備え、
    前記バンドル型光ファイバの一方の端面部が、前記集光部のコンデンサレンズにより集光された光の焦点位置に配置された状態で、当該集光部のコンデンサレンズに取り付けられ、前記バンドル型光ファイバの他方の端面部が、前記ファイバ型狭帯域フィルタを介して前記ファイバ型ファブリペロエタロンに取り付けられ、
    前記コンデンサレンズを前後に移動する機構を設け、前記バンドル型光ファイバを通過して検出される光量が最大になる位置で、前記コンデンサレンズが固定される
    請求項1又は2に記載のガス濃度測定装置。
  4. 前記バンドル型光ファイバの中心部を通った光を信号光として前記ファイバ型狭帯域フィルタと前記ファイバ型ファブリペロエタロンとに伝送し、前記バンドル型光ファイバの外周部から出射した光を参照光として検出し、前記信号光を前記参照光で除算した値を、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量として採用する
    請求項3に記載のガス濃度測定装置。
  5. 被測定対象のガスの吸収波長を選択的に透過可能なファイバ型ファブリペロエタロンとファイバ型狭帯域フィルタを介して、太陽光より得た自然光から、前記ガス濃度を測定するガス濃度測定方法において、
    ユーザから上限許容温度と下限許容温度と前記ガスの濃度の測定回数との入力を受け付ける受付ステップと、
    前記上限許容温度と前記下限許容温度と前記測定回数との入力が受け付けられると、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を前記下限許容温度から前記上限許容温度まで上昇させるとともに、当該上限許容温度から当該下限許容温度まで前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度を下降させる温度制御ステップと、
    前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度変化に対応して、当該ファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量を検出する検出ステップと、
    前記検出したファイバ型ファブリペロエタロンの透過光量のうち、一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とを検知した場合、2つの極大透過光量及び2つの極小透過光量をそれぞれ平均して、1つの極大透過光量及び1つの極小透過光量を算出する光量検知ステップと、
    前記算出された極大透過光量と前記極小透過光量との比と、ランベルト・ベールの法則式とに基づいて前記ガスの濃度を算出する濃度算出ステップと
    前記極大透過光量となる極大温度と、前記極小透過光量となる極小温度とを含む所定温度範囲を一周期として設定し、当該設定された周期で、前記ファイバ型ファブリペロエタロンの温度の上昇及び下降を前記測定回数だけ周期的に変更させ、一周期毎に得られる極大透過光量と極小透過光量とに基づいて一周期毎に得られる前記ガスの濃度を連続して算出させる測定繰り返しステップと、
    一回の温度上昇に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量と、一回の温度下降に対して一組の極大透過光量及び極小透過光量とが検知されなかった場合に、前記入力された上限許容温度と下限許容温度とでは前記ガスの濃度を測定することが出来ない旨を表示画面に表示して、ユーザに、再度、上限許容温度と下限許容温度との入力を受け付けるステップと
    を含むことを特徴とするガス濃度測定方法。
JP2010212660A 2010-09-22 2010-09-22 ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置 Active JP5608025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010212660A JP5608025B2 (ja) 2010-09-22 2010-09-22 ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010212660A JP5608025B2 (ja) 2010-09-22 2010-09-22 ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012068110A JP2012068110A (ja) 2012-04-05
JP5608025B2 true JP5608025B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=46165564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010212660A Active JP5608025B2 (ja) 2010-09-22 2010-09-22 ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5608025B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5621154B1 (ja) * 2013-12-10 2014-11-05 有限会社アイリス 吸収スペクトル解析装置、物質の吸収スペクトルのベースライン設定方法、及びコンピュータプログラム
CN106248602B (zh) * 2016-09-19 2019-09-03 电子科技大学 基于光纤f-p干涉仪的硫化氢气体传感装置
JP7440287B2 (ja) * 2020-02-05 2024-02-28 アズビル株式会社 測定装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI884142A (fi) * 1988-09-08 1990-03-09 Vaisala Oy System foer maetning av ljusdispersion.
DE3923831A1 (de) * 1989-07-19 1991-01-31 Hartmann & Braun Ag Interferometrische einrichtung
JPH04345102A (ja) * 1991-05-22 1992-12-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 狭帯域フィルタ
US5545897A (en) * 1994-10-04 1996-08-13 Santa Barbara Research Center Optically-based chemical detection system
JP3533199B2 (ja) * 2001-10-26 2004-05-31 独立行政法人 科学技術振興機構 波長変換装置
JP2003247891A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Minolta Co Ltd 測定用の光学装置
JP5110302B2 (ja) * 2008-07-28 2012-12-26 日本電気硝子株式会社 温室効果ガス測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012068110A (ja) 2012-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004227359B2 (en) Method and apparatus for the monitoring and control of combustion
CN107037003A (zh) 一种基于光腔衰荡光谱技术检测高纯气体中水汽含量的系统
CN103017687B (zh) 正交偏振光纤光栅矢量扭转传感装置及其检测方法
JP5608025B2 (ja) ガス濃度測定方法及びガス濃度測定装置
CN109709070A (zh) 复合光纤光栅传感器及其折射率和温度双参量测量方法
CN102589714A (zh) 一种基于高压气体瑞利-布里渊散射频谱测量温度的装置
CN108318060B (zh) 基于倾斜光纤Bragg光栅的2μm波段三参量光纤传感器
CN103575697A (zh) 一种光纤圆球微腔湿敏传感技术
CN103344265B (zh) 一种光纤光栅解调仪
RU2694461C1 (ru) Дистанционный оптический абсорбционный лазерный газоанализатор с длиной волны излучения в области 1,6 мкм (2 варианта), способ его осуществления и оптоволоконный рамановский усилитель для дистанционного оптического абсорбционного лазерного газоанализатора с длиной волны излучения в области 1,6 мкм
Wojcik et al. ECTL application for carbon monoxide measurements
US11796468B2 (en) Gas measurement device and gas measurement method
JP2010032317A (ja) 温室効果ガス測定装置
CN105910727A (zh) 一种含错位光纤利用光纤光栅滤波结构拍频测温的方法
Engel et al. Experimental evaluation of optical crosswind measurement systems
CN109668652B (zh) 一种玻璃管填充的光纤温度测量装置
CN210221835U (zh) 基于倏逝场的气体检测装置
RU132548U1 (ru) Фотометр пламенный
RU2539681C1 (ru) Волоконно-оптический преобразователь линейного ускорения на основе оптического туннельного эффекта
CN112747836A (zh) 一种基于无芯光纤的多人同时测温装置
Zuo et al. High flat C+ L band broad spectrum ASE light source for high precision fiber optic gyroscope
CN102759407B (zh) 一种利用光纤干涉仪精密测量宽谱光源平均波长的方法
CN104101446B (zh) 温度测量系统
CN205449325U (zh) 一种利用错位光纤实现拍频测温的装置
JPS5858008B2 (ja) レ−ザパワ−検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140730

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5608025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250