JP5605712B2 - 到来方向推定装置、到来方向推定方法、及び到来方向推定プログラム - Google Patents
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Description
これに対して、複数の受信位置を予め設定し、それぞれの受信位置における電磁波の到来時間差を用いる3点測量を用いて、電磁波の到来方向の推定を行うことが提案されている(非特許文献1)。
しかしながら、電磁界解析の対象となる空間において、電界と磁界とで伝搬特性が異なる場合、上述の技術を用いた到来方向の推定では推定の精度が十分でないことがあるという問題がある。
図1は、本発明の各実施形態における電磁波の到来方向を推定する概要を示す図である。図1(a)に示すように、各実施形態において、受信位置(受信点1)を中心とする同心円状に受信点2〜受信点5を設けて仮想的に受信アレーを形成する。受信点2と受信点4とを結ぶ線分と、受信点3と受信点5とを結ぶ線分とが受信点1で交差するように受信点2〜受信点5が定められている。また、受信点2〜5は、受信点1から予め定められた距離を隔てた位置に配置されている。
以下に説明する第1実施形態では送信位置からインパルス波を送信した場合における到来方向の判定について説明し、第2実施形態では送信位置からガウシアンパルス波を送信した場合における到来方向の判定について説明する。
図2は、第1実施形態における到来方向推定装置100の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、到来方向推定装置100は、パラメータ記憶部101と、伝搬路応答記憶部102と、到来方向記憶部104と、パラメータ設定部105と、配列初期化部106と、伝搬路応答算出部110と、到来方向判定部120とを具備している。
更に、パラメータ設定部105は、シミュレーションにおいて要求される到来方向に対する分解能に応じて、到来方向の候補値を設定する。この候補値は、予め定められた値であり、例えば、解析空間が2次元の平面である場合に、要求される分解能が1°であれば、0°から360°まで1°刻みの360個の角度が、候補値としてパラメータ記憶部101に記憶される。
伝搬路応答算出部110は、パラメータ記憶部101に記憶されている各パラメータを用いて、送信位置からインパルス波が送信された場合における電磁波の伝搬のシミュレーションを行う。伝搬路応答算出部110は、シミュレーションにおいて、各受信点1〜5それぞれの電界及び磁界の強さを離散時間間隔ごとに算出し、算出した電界及び磁界の強さを時系列で受信点1〜5ごとに伝搬路応答記憶部102に記憶させる。すなわち、伝搬路応答算出部110は、シミュレーション対象となる解析空間における電磁波の伝搬をシミュレートし、受信点1〜5それぞれにおける電界及び磁界の時間応答を伝搬路応答記憶部102に記憶させる。
具体的には、遅延時間設定部121は、伝搬路応答記憶部102に記憶されているシミュレーション結果において、まだ到来方向の算出に用いられていないインパルス波のうち、最も電界の強いインパルス波が各受信点1〜5に到達した時刻を検出する。遅延時間設定部121は、検出した時刻のうち、受信点1の時刻を基準として、受信点1の時刻に対する時間差(遅延時間)を受信点2〜5ごとに算出し、受信点2〜5それぞれの算出した遅延時間の組合せをアレー電界時間応答として算出する。
遅延時間設定部121は、アレー電界時間応答の算出と同様に、伝搬路応答記憶部102に記憶されているシミュレーション結果において、まだ到来方向の算出に用いられていないインパルス波のうち、最も磁界の強いインパルスル波が各受信点1〜5に到達した時刻を検出する。遅延時間設定部121は、検出した時刻のうち、受信点1の時刻が基準として、受信点1の時刻に対する時間差(遅延時間)を受信点2〜5ごとに算出し、受信点2〜5それぞれの算出した遅延時間の組合せをアレー磁界時間応答として算出する。
電界評価値算出部123は、遅延時間設定部121が算出したアレー電界時間応答を用いて、電界成分算出部122が算出した候補値に対応する候補値アレー電界時間応答それぞれに対する電界評価値を算出する。具体的には、電界評価値算出部123は、候補値アレー電界時間応答ごとに、アレー電界時間応答との二乗誤差を算出し、算出した二乗誤差を電界評価値とする。ここで、二乗誤差は、受信点2〜5それぞれの遅延時間の差の二乗和である。例えば、候補値アレー電界時間応答の受信点i(i=2,3,4,5)の遅延時間から、アレー電界時間応答の受信点iの遅延時間を減算し、減算結果を二乗した値の総和を電界評価値とする。また、電界評価値算出部123は、算出した電界評価値に基づいて、候補値から電界到来角度θEを選択する。
磁界評価値算出部125は、遅延時間設定部121が算出したアレー磁界時間応答を用いて、磁界成分算出部124が算出した候補値に対するアレー磁界時間応答それぞれに対する磁界評価値を算出する。具体的には、磁界評価値算出部125は、電界評価値算出部123と同様に、候補値アレー磁界時間応答ごとに、測定アレー磁界時間応答との二乗誤差を算出し、算出した二乗誤差を磁界評価値とする。また、磁界評価値算出部125は、算出した磁界評価値に基づいて、候補値から磁界到来角度θHを選択する。
終了判定部127は、伝搬路応答記憶部102に記憶されているシミュレーション結果において受信点1〜5に到達したインパルス波であって、予め定められた電界閾値及び予め定められた磁界閾値より強いインパルス波のすべてに対して到来方向を算出したか否かを判定して、判定結果に基づいて到来方向を算出する処理を終了させる。この電界閾値及び磁界閾値は、電磁波の到来方向の推定に対して要求される、受信位置における受信電力(受信強度)に基づいて定められる値である。
到来方向推定装置100において、到来方向の推定が開始されると、パラメータ設定部105が各種パラメータをパラメータ記憶部101に記憶させる(ステップS111)。
配列初期化部106は、伝搬路応答記憶部102と、到来方向記憶部104とそれぞれの記憶領域を初期化する(ステップS112)。
また、伝搬路応答算出部110は、吸収境界条件(例えば、Murの吸収境界条件や、BerengerのPML吸収境界条件)を用いて、解析空間の境界に達した電磁波が反射しないようにする演算を行う(ステップS114)。
各受信点1〜5における電界及び磁界の強さが終了閾値以下である場合(ステップS115:Yes)、伝搬路応答算出部110は、各受信点1〜5に新たなインパルス波が到来しないとみなして、電磁波の伝搬のシミュレーションを終了する。
一方、各受信点1〜5における電界及び磁界の強さが終了閾値を超えている場合(ステップS115:No)、伝搬路応答算出部110は処理をステップS113に戻してシミュレーションを続行する。
電界成分算出部122は、各候補値に対する候補値アレー電界時間応答を算出する(ステップS122)。
電界評価値算出部123は、遅延時間設定部121が算出したアレー電界時間応答を用いて、候補値アレー電界時間応答それぞれに対する電界評価値(二乗誤差)を算出する。電界評価値算出部123は、算出した電界評価値のうち、最も小さい電界評価値に対応する候補値を電界到来角度θEとして選択する(ステップS123)。
磁界成分算出部124は、各候補値に対する候補値アレー磁界時間応答を算出する(ステップS124)。
磁界評価値算出部125は、遅延時間設定部121が算出したアレー磁界時間応答を用いて、候補値アレー磁界時間応答それぞれに対する磁界評価値(二乗誤差)を算出する。磁界評価値算出部125は、算出した磁界評価値のうち、最も小さい磁界評価値に対応する候補値を磁界到来角度θHとして選択する(ステップS125)。
方向選択部126は、電界評価値算出部123が選択した電界到来角度θEと、磁界評価値算出部125が選択した磁界到来角度θHとが一致しているか否かを判定し、電界到来角度θEと磁界到来角度θHとが一致する場合、電界到来角度θE又は磁界到来角度θHを、受信位置において電磁波が到来した方向を示す到来方向として到来方向記憶部104に記憶させる。
一方、電界到来角度θEと、磁界到来角度θHとが一致しない場合、方向選択部126は、電界到来角度θEに対応する電界評価値と、磁界到来角度θHに対応する磁界評価値とを比較し、小さい値に対応する到来角度(電界到来角度θEあるいは磁界到来角度θHのいずれか一方)を到来方向として到来方向記憶部104に記憶させる(ステップS126)。
終了判定部127は、伝搬路応答記憶部102に記憶されているシミュレーション結果において、到来方向の算出に用いられていないインパルス波であって電界閾値及び磁界閾値より強いインパルス波があるか否かの判定をする(ステップS128)。終了判定部127は、到来方向の算出に用いられていないインパルス波であって電界閾値及び磁界閾値より強いインパルス波がある場合(ステップS128:Yes)、処理をステップS121に戻して、ステップS121からステップS128までの処理を再び行い、到来方向の推定を繰り返して行う。
一方、終了判定部127は、到来方向の算出に用いられていないインパルス波であって電界閾値及び磁界閾値より強いインパルス波がない場合(ステップS128:No)、到来方向を推定する処理を終了させる。
第2実施形態では、送信位置から送信する電磁波をガウシアンパルス波としている点が第1実施形態と異なる。
図6は、第2実施形態における到来方向推定装置200の構成を示し概略ブロック図である。なお、第1実施形態の到来方向推定装置100(図2)と同じ部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。同図に示すように、到来方向推定装置200は、パラメータ記憶部101と、伝搬路応答記憶部102と、時間応答記憶部203と、到来方向記憶部104と、パラメータ設定部205と、配列初期化部106と、伝搬路応答算出部110と、到来方向判定部220と、受信アレー応答校正部230とを具備している。
パラメータ設定部205は、第1実施形態のパラメータ設定部105と同様に、シミュレーションに用いる各種パラメータをパラメータ記憶部101に記憶させる。なお、パラメータ設定部205は、送信位置から送信されるガウシアンパルス波を定義する情報をパラメータ記憶部101に記憶させる点が、パラメータ設定部105と異なる。
また、磁界時間応答テーブルは、電界時間応答テーブルと同様に構成されている。
到来方向判定部220は、第1実施形態の到来方向判定部120と同様に、伝搬路応答算出部110が伝搬路応答記憶部102に記憶させた受信点1〜5それぞれの電界及び磁界の強さに基づいて、受信点1(受信位置)においていずれの方向から電磁波が到達したかを判定し、電磁波が到達した時刻と、判定結果とを対応付けて到来方向記憶部104に記憶させる。
また、到来方向判定部220は、遅延時間設定部121と、電界評価値算出部223と、磁界評価値算出部225と、方向選択部126と、終了判定部127とを備えている。
図9は、本実施形態における理想アレー電界時間応答とアレー電界時間応答との二乗誤差を算出する一例を示す図である。同図に示すように、電界評価値算出部223は、受信点1におけるガウシアンパルス波の電界のピークを基準時刻とし、基準時刻における受信点2〜5の電界の強さを算出する。電界評価値算出部223は、アレー電界時間応答と、理想アレー電界時間応答とそれぞれの受信点2〜5における電界の強さの差(ΔE2,ΔE3,ΔE4,ΔE5)の二乗和((ΔE2)2+(ΔE3)2+(ΔE4)2+(ΔE5)2)を算出し、算出した二乗和を二乗誤差とする。
なお、電界評価値算出部223は、パラメータ記憶部101に記憶されているガウシアンパルス波を定義する情報と、受信点2〜5において受信したガウシアンパルス波の電界のピーク値とから受信点2〜5において受信したガウシアンパルス波のレプリカを生成し、生成したレプリカから基準時刻における電界の強さを算出するようにしてもよい。
磁界評価値算出部225は、遅延時間設定部121が算出したアレー磁界時間応答を用いて、時間応答記憶部203に記憶されている理想アレー磁界時間応答それぞれに対応する磁界評価値を算出する。磁界評価値算出部225は、理想アレー磁界時間応答ごとに、アレー磁界時間応答との二乗誤差を算出し、算出した二乗誤差を磁界評価値とする。このとき、磁界評価値算出部225が二乗誤差を算出する方法は、図9に示した電界評価値算出部223が二乗誤差を算出する方法と同じである。また、磁界評価値算出部225は、算出した磁界評価値に基づいて、候補値から磁界到来角度θHを選択する。
また、受信アレー応答校正部230は、上記の理想状態において、到来方向の候補値ごとに、当該候補値が示す方向からガウシアンパルス波が送信された場合における受信点1〜5のアレー磁界時間応答を算出する。また、受信アレー応答校正部230は、算出した受信点1〜5のアレー磁界時間応答を理想アレー磁界時間応答として候補値と対応付けて、時間応答記憶部203の磁界時間応答テーブルに記憶させる。
到来方向推定装置200において、到来方向の推定が開始されると、受信アレー応答校正部230は、電界時間応答テーブルに各候補値に対応するアレー電界時間応答を記憶させるとともに、磁界時間応答テーブルに各候補値に対応するアレー磁界時間応答を記憶させる時間応答校正処理を行う(ステップS201)。
パラメータ設定部205が各種パラメータをパラメータ記憶部101に記憶させる(ステップS211)。
配列初期化部106は、伝搬路応答記憶部102と、到来方向記憶部104とそれぞれの記憶領域を初期化する(ステップS212)。
また、伝搬路応答算出部110は、吸収境界条件を用いて、解析空間の境界に達した電磁波が反射しないようにする演算を行う(ステップS214)。
各受信点1〜5における電界及び磁界の強さが終了閾値以下である場合(ステップS115Yes)、伝搬路応答算出部110は、各受信点1〜5に新たなガウシアンパルス波が到来しないとみなして、電磁波の伝搬のシミュレーションを終了する。
一方、各受信点1〜5における電界及び磁界の強さが終了閾値を超えている場合(ステップS215:No)、伝搬路応答算出部110は処理をステップS213に戻してシミュレーションを続行する。
なお、遅延時間設定部121は、ガウシアンパルス波の電界の強さがピークとなる時刻を到達した時間としてアレー電界時間応答を算出する。また、遅延時間設定部121は、ガウシアンパルス波の磁界の強さがピークとなる時刻を到達した時間としてアレー磁界時間応答を算出する。
電界評価値算出部223は、算出した電界評価値のうち、最小の電界評価値に対応する候補値を電界到来角度θEとして選択する(ステップS223)。
図11は、本実施形態における電界到来角度θEを選択する処理を示す概略図である。同図に示すように、電界評価値算出部223は、電界時間応答テーブルに記憶され、候補値に対応する各理想アレー電界時間応答と、ステップS221において算出したアレー電界時間応答とを比較し、二乗誤差が最小となる理想アレー電界時間応答を検出する。電界評価値算出部223は、検出した理想アレー電界時間応答に対応する候補値(図11においてはθ=45°)を電界到来角度θEに選択する。
磁界評価値算出部225は、各候補値に対応する理想アレー磁界時間応答を時間応答記憶部203から読み出す。磁界評価値算出部225は、遅延時間設定部121が算出したアレー磁界時間応答を用いて、読み出した理想アレー磁界時間応答それぞれの磁界評価値(二乗誤差)を算出する(ステップS224)。
磁界評価値算出部225は、算出した磁界評価値のうち、最小の磁界評価値に対応する候補値を磁界到来角度θHとして選択する(ステップS225)。
一方、電界到来角度θEと、磁界到来角度θHとが一致しない場合、方向選択部126は、電界到来角度θEに対応する電界評価値と、磁界到来角度θHに対応する磁界評価値とを比較し、小さい値に対応する到来角度(電界到来角度θEあるいは磁界到来角度θHのいずれか一方)を到来方向として到来方向記憶部104に記憶させる(ステップS226)。
終了判定部127は、波形処理を行った後に、伝搬路応答記憶部102に記憶されているシミュレーション結果において、電界閾値より大きい電界強度と、磁界閾値より大きい磁界強度とがあるか否かを判定する(ステップS228)。
このように、電界強度に基づいた到来方向の推定に加えて、磁界強度に基づいた到来方向の推定を行うことにより、電磁波の到来方向の推定精度を向上させることができる。
また、上記の第1実施形態及び第2実施形態では、平面上(2次元)における電磁波の伝搬を示す図を用いて、到来方向推定装置100、200が行う処理を説明したが、空間(3次元)において電磁波が到来する方向を推定するようにしてもよい。
このように、受信点2〜5における時間応答を受信点1における時間応答に基づいて算出することにより、電界時間応答テーブル及び磁界時間応答テーブルに要求される記憶領域を削減することができる。
図13は、受信位置に到来する電磁波が球面波である場合の概略図である。同図に示すように、電磁波を送信する波源が受信位置に近い場合、各受信点1〜5に電磁波が到来するタイミング(時間応答)が平面波のときと異なる。上述のように、受信位置と波源との距離を複数定めて各テーブルを生成し、更に、電界評価値算出部223及び磁界評価値算出部225が、各テーブルに記憶されている理想アレー電界時間応答及び理想アレー磁界時間応答それぞれに対して電界評価値及び磁界評価値を算出することにより、電磁波の到来方向の推定精度を更に向上させることができる。
101…パラメータ記憶部
102…伝搬路応答記憶部
104…到来方向記憶部
105…パラメータ設定部
106…配列初期化部
110…伝搬路応答算出部
120,220…到来方向判定部
121…遅延時間設定部
122…電界成分算出部
123,223…電界評価値算出部
124…磁界成分算出部
125,225…磁界評価値算出部
126…方向選択部
127…終了判定部
203…時間応答記憶部
205…パラメータ設定部
230…受信アレー応答校正部
Claims (6)
- 予め定められた解析空間において、所定の送信位置から電磁波が送信された際に、予め定められた受信位置、及び前記受信位置から予め定められた距離を隔てて設けられた複数の受信点における電界及び磁界の時間応答をシミュレーションする伝搬路応答算出部と、
前記伝搬路応答算出部が算出したシミュレーション結果に含まれる電界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する電界到来方向算出部と、
前記伝搬路応答算出部が算出したシミュレーション結果に含まれる磁界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する磁界到来方向算出部と、
前記電界到来方向算出部が算出した方向と、前記磁界到来方向算出部が算出した方向とを比較し、一致する場合、当該方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とし、一致しない場合、比較結果に基づいて、いずれか一方の方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とする到来方向選択部と
を備えることを特徴とする到来方向推定装置。 - 前記電界到来方向算出部は、
電磁波が到来する方向を推定する際に要求される分解能に応じて予め定められた方向を示す複数の候補値ごとに、当該候補値が示す方向から電磁波が到来した場合の前記受信位置及び前記複数の受信点における電界の時間応答である理想アレー電界時間応答と、前記シミュレーション結果に含まれる電界強度の時間応答との誤差である電界評価値を算出し、算出した電界評価値のうち最小の電界評価値に対応する候補値が示す方向を、電磁波が到来した方向として算出し、
前記磁界到来方向算出部は、
前記複数の候補値ごとに、当該候補値が示す方向から電磁波が到来した場合の前記受信位置及び前記複数の受信点における磁界の時間応答である理想アレー磁界時間応答と、前記シミュレーション結果に含まれる磁界強度の時間応答との誤差である磁界評価値を算出し、算出した磁界評価値のうち最小の磁界評価値に対応する候補値が示す方向を、電磁波が到来した方向として算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。 - 前記到来方向選択部は、
前記電界到来方向算出部が算出した方向と、前記磁界到来方向算出部が算出した方向とが一致しない場合、前記電界到来方向算出部が算出した方向に対応する電界評価値と、前記磁界到来方向算出部が算出した方向に対応する磁界評価値とを比較し、小さい値に対応する方向を電磁波が到来した方向と判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の到来方向推定装置。 - 前記理想アレー電界時間応答及び前記理想アレー磁界時間応答を算出する際における電磁波の波源と前記受信位置との間の距離が予め複数定められており、
前記電界到来方向算出部は、更に、
前記複数の候補値と、前記複数の距離との組合せすべてに対して前記電界評価値を算出し、算出した電界評価値のうち最小の電界評価値に対応する候補値を、電磁波が到来した方向として算出し、
前記磁界到来方向算出部は、更に、
前記複数の候補値と、前記複数の距離との組合せすべてに対して前記磁界評価値を算出し、算出した磁界評価値のうち最小の磁界評価値に対応する候補値を、電磁波が到来した方向として算出する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の到来方向推定装置。 - 予め定められた解析空間において、所定の送信位置から電磁波が送信された際に、予め定められた受信位置、及び前記受信位置から予め定められた距離を隔てて設けられた複数の受信点における電界及び磁界の時間応答をシミュレーションする伝搬路応答算出ステップと、
前記伝搬路応答算出ステップにおいて算出したシミュレーション結果に含まれる電界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する電界到来方向算出ステップと、
前記伝搬路応答算出ステップにおいて算出したシミュレーション結果に含まれる磁界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する磁界到来方向算出ステップと、
前記電界到来方向算出ステップにおいて算出した方向と、前記磁界到来方向算出ステップにおいて算出した方向とを比較し、一致する場合、当該方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とし、一致しない場合、比較結果に基づいて、いずれか一方の方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とする到来方向選択ステップと
を有することを特徴とする到来方向推定方法。 - 予め定められた解析空間において、所定の送信位置から電磁波が送信された際に、予め定められた受信位置、及び前記受信位置から予め定められた距離を隔てて設けられた複数の受信点における電界及び磁界の時間応答をシミュレーションする伝搬路応答算出ステップと、
前記伝搬路応答算出ステップにおいて算出したシミュレーション結果に含まれる電界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する電界到来方向算出ステップと、
前記伝搬路応答算出ステップにおいて算出したシミュレーション結果に含まれる磁界強度の時間応答を用いて、前記受信位置に電磁波が到来した方向を算出する磁界到来方向算出ステップと、
前記電界到来方向算出ステップにおいて算出した方向と、前記磁界到来方向算出ステップにおいて算出した方向とを比較し、一致する場合、当該方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とし、一致しない場合、比較結果に基づいて、いずれか一方の方向を前記受信位置における電磁波が到来した方向とする到来方向選択ステップと
をコンピュータに実行させるための到来方向推定プログラム。
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