JP5595672B2 - 原子炉 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉に関する。さらに詳しくは、本発明は冷却水の喪失又は不足に対して受動的な安全性が高められた原子炉に関するものである。
原子炉の非常用炉心冷却系として、タンク内の冷却水をポンプによって圧送し炉心にスプレー注水したり、圧力容器内が減圧した場合に蓄圧タンク内の圧力で逆止弁を押し開いて冷却水を圧力容器内に注水したり、弁を開くことで炉心よりも高い位置に設けたプールから重力を利用して炉心に注水するものがある(例えば、特許文献1,非特許文献1)。
特開2008−20234号公報
「新版原子力ハンドブック」オーム社 平成6年7月30日 p235−238
しかしながら、上記の非常用炉心冷却系は、いずれも異常の発生時にポンプや弁を作動させることで炉心に冷却水を注水している。そのため、異常の発生によってポンプや弁を迅速且つ確実に作動させることが必要であり、僅かなものではあるが作動不能のリスクを無くすことができず、安全性及び信頼性を更に高める上での支障になる。
本発明は、異常の発生をトリガーとして作動するポンプや弁が無くとも冷却系の異常時に炉心を確実に冷却することが可能な原子炉を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の原子炉は、第1の冷却材を循環させる第1の流路を構成する筒体と、燃料を燃料被覆管で覆った多数の燃料要素と、前記第1の冷却材とは別系統であり前記筒体の外面を冷却する第2の冷却材とを備え、前記筒体の内面に前記多数の燃料要素を直接接合前記筒体の内面を覆う前記燃料要素で囲まれる内側の空間に前記第1の冷却材の流路を形成し、前記燃料要素はその外面が前記第1の冷却材と直接接触し、前記第2の冷却材とは前記筒体を介在させて接触している炉心を備えるものである。したがって、燃料要素は第1の冷却材に接触しており、原子炉の通常運転時には燃料要素の熱は第1の冷却材によって主に冷却される。そして、たとえ第1の冷却材による燃料要素の冷却が不十分又は不能になったとしても、運転停止後にも発生し続ける崩壊熱は燃料要素から第1の流路の外壁即ち第1の流路を構成する筒体に伝わり、第2の冷却材によって冷却される。ここで、本発明にかかる原子炉は、前記筒体を内管と外管との2重管で構成し、外側の管の内面に多数の前記燃料要素を直接接合すると共に、前記内側の管の外側でかつ前記燃料要素で囲まれ空間を前記第1の冷却材が流れる第1の流路の往路とし、前記内側の管の内方の空間を復路とすることが好ましい。また、前記筒体の内部に該筒体の内部を前記第1の流路の往路と復路との2つに隔てる熱伝導部材から成る隔壁を備え、前記筒体と前記熱伝導部材の隔壁の内面に多数の前記燃料要素を接合し、前記筒体の内面を覆う前記燃料要素と前記隔壁の面を覆う前記燃料要素で囲まれる内側の空間で前記第1の冷却材の流路を形成することが好ましい。
ここで、請求項2記載の原子炉のように、第2の冷却材を容器内に貯えられている液体とし、炉心を第2の冷却材中に沈めるようにしても良く、また、請求項3記載の原子炉のように、炉心の周囲に第2の流路を設け、第2の冷却材を第2の流路を流れる流体としても良い。また、請求項4記載の原子炉のように、容器が原子炉格納容器であっても良い。
さらに、請求項5記載の原子炉は、炉心は高速炉の炉心であり、第1の冷却材は気体、第2の冷却材は水であり、炉心には熱中性子吸収材が添加されているものである。高速炉において、何らかの異常によって第2の冷却材である水が第1の流路内に浸入すると、混入した水が減速材として働き、核分裂によって発生する高速中性子が減速されて熱中性子が増加する。炉心に添加されている熱中性子吸収材は熱中性子の増加を抑制するので、熱中性子による核分裂連鎖反応を抑えることができる。なお、熱中性子吸収材の高速中性子に対する吸収断面積は小さいので、通常運転時の高速中性子による核分裂反応には殆ど影響を与えない。
請求項1記載の原子炉では、異なる2系統の冷却材で炉心を冷却しているので、たとえ第1の冷却材と第2の冷却材のいずれか一方が喪失又は循環量の減少が発生したとしても、もう一方の冷却材で燃料要素を冷却し続けることができるので、冷却材の喪失や循環量の減少に対する安全性をより一層高めることができる。しかも、冷却材の喪失や循環量の減少の発生をトリガーとして緊急用のポンプや弁等の装置・機器類を作動させる構造ではないので、信頼性がより一層向上し、安全性をより一層高めることができる。
ここで、請求項2記載の原子炉のように、第2の冷却材は容器内に貯えられている液体であり、炉心を第2の冷却材中に沈めるようにしても良く、また、請求項3記載の原子炉のように、炉心の周囲に第2の流路が設けられており、第2の冷却材が第2の流路を流れる流体としても良い。
また、請求項4記載の原子炉では、原子炉格納容器内に第2の冷却材を貯えて、その中に炉心を沈めるようにしているので、既存の軽水炉等の原子炉の設備を利用して原子炉を建設することができる。そのため、原子炉の建設コストを安くすることができ、発電コストを安くすることができる。ただし、既存の原子炉の設備を利用する場合に限るものではなく、新たな設備を使用しても良い。
さらに、請求項5記載の原子炉では、第1の冷却材を気体、第2の冷却材を水とした場合の高速炉に適用した場合の安全性をより一層高めることができる。
図1は本発明の原子炉の第1の実施形態を示し、第1の流路を構成する筒体の横断面図である。 図2は同原子炉の概略構成図である。 図3は同原子炉の第1の流路を構成する筒体の縦断面図である。 図4は本発明の原子炉の第2の実施形態を示し、その炉心を示す概略構成図である。 図5は本発明の原子炉の第3の実施形態を示し、使用される燃料要素の概念を示す縦断面図である。 図6は本発明の原子炉を廃炉になった軽水炉を利用して建設する例を示し、(A)は廃炉になった軽水炉を示す概念図、(B)は本発明の概念図である。 図7は本発明の原子炉の第4の実施形態を示し、その筒体の横断面図である。 図8は本発明の原子炉の第5の実施形態を示し、その筒体の縦断面を示す概略構成図である。 図9は本発明の原子炉の第6の実施形態を示す概略構成図である。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3に、本発明の原子炉の第1の実施形態を示す。原子炉は、第1の冷却材1を循環させる第1の流路を構成する筒体2の外壁即ち本実施形態における外管(以下、外管と呼ぶ)2aの内面2hに燃料要素3を直接又は熱伝導部材を介して接合すると共に、外管2aの外面2iが第1の冷却材1とは別系統の第2の冷却材5によって冷却される炉心6を備えるものである。本実施形態では、第2の冷却材5は容器7内に貯えられている液体であり、炉心6は第2の冷却材5中に沈められている。
第1の流路は、例えば筒体によって形成されている。本実施形態では、燃料要素3は燃料棒であり、立てた状態で並べた燃料要素3に沿って第1の冷却材1を流すことができるように第1の流路としての筒体(以下、筒体2という)は上下に細長く形成されている。また、筒体2は外管2aと内管2bとの二重管構造となっており、上端の天板は塞がれており、内管2bの上部には外側通路2c(往路)と内側通路2d(復路)を連通するポート2eが設けられ、底板には外側通路2cに通じる流入ポート2fと内側通路2dに通じる流出ポート2gが設けられている。筒体2は、炉心6での使用に耐え熱伝導性に優れた例えばステンレス、ジルコニウム合金等の金属によって形成されている。外管2aの内面2hには多数の燃料要素3が立てた状態で並べられ、一本ずつ外管2aの内面2hに例えば溶接等の手段によって直接接合されている。したがって、燃料要素3の熱は外管2aへと良好に伝達される。本実施形態では、筒体2の横断面形状を矩形状にし、4枚の外壁2aの内面2hに棒状の燃料要素3を並べて接合している。また、横断面形状が矩形状を成す内管2bは、外管2aに対して横断面形状が45度回転するように配置されており、角部に固着されたステー21によって外管2aに連結され支持されている。なお、ステー21は外側通路2cを仕切るものではない。
筒体2は第2の冷却材5の中に沈められている。本実施形態では、複数の筒体2が第2の冷却材5中に沈められており、第2の冷却材5中に炉心6が形成されている。筒体2の数は必要な原子炉の出力に応じて増減される。
筒体2の下端は冷却管8に接続されており、第1の冷却材1は冷却管8を通じて筒体2内に供給され循環される。冷却管8は例えば二重管であり、例えば熱交換器9を通過して冷却された第1の冷却材1を筒体2の流入ポート2fに供給すると共に、筒体2内を外側通路2c→内側通路2dへと循環して流出ポート2gから流出した第1の冷却材1を熱交換器9へと循環させる。1本の冷却管8に複数の筒体2を並べて接続しても良いし、1本の冷却管8に1本ずつ筒体2を接続しても良い。
本実施形態では、複数の筒体2を制御棒10を挿入可能な隙間をあけて並べて配置している。制御棒10は各筒体2の間に挿入され、第2の冷却材5を貯めている容器7の蓋板7aに設置された制御棒駆動装置11によって駆動される。
本発明の原子炉は熱中性子炉と高速炉のいずれにも適用可能である。つまり、使用する核燃料と第1の冷却材1と第2の冷却材5の種類は、原子炉のタイプによって適宜選択可能である。例えば、熱中性子炉にする場合には、熱中性子炉用の核燃料を使用し、第1の冷却材1として減速材を兼ねる軽水や重水等の液体を使用する。また、筒体2の内部又は筒体2と筒体2の間に減速材となる黒鉛を配置することで、第1の冷却材1として炭酸ガスやヘリウムガス等の気体を使用することも可能である。そして、これらの場合、第2の冷却材5としては、例えば軽水や重水等の液体、炭酸ガスやヘリウムガス等の気体、液体ナトリウム等の液体金属等の使用が可能である。ただし、本実施形態では第2の冷却材5を容器7内に貯えるものであるため、第2の冷却材5として貯えるのに都合の良い液体を使用することが好ましい。なお、第2の冷却材5として液体ナトリウムを使用する場合において、第1の冷却材1として水を使用するときにはこれらの冷却材の接触を確実に避けるようにする。
また、高速炉にする場合には、高速炉用の核燃料を使用し、第1の冷却材1として高速中性子を減速させにくい例えば液体ナトリウム等の液体金属や、炭酸ガスやヘリウムガス等の気体を使用する。そして、第2の冷却材5としては、例えば液体金属、炭酸ガスやヘリウムガス等の気体、軽水や重水等の液体等の使用が可能である。ただし、本実施形態では第2の冷却材5を容器7内に貯えるものであるため、第2の冷却材5として貯えるのに都合の良い液体を使用することが好ましい。なお、第1の冷却材1として液体ナトリウムを使用する場合において、第2の冷却材5として水を使用するときにはこれらの冷却材の接触を確実に避けるようにする。
なお、上述の核燃料と第1の冷却材1と第2の冷却材5の組み合わせは例示であり、これらに限るものではなく、適宜変更可能である。
第2の冷却材5は、第1の冷却材1による炉心6の冷却が不能又は不十分となった場合に、原子炉の緊急停止後にも発生し続ける燃料要素3の崩壊熱を除去して炉心6の損傷を防止する熱シンクとして機能するものであり、その崩壊熱を除去して炉心6を保護できる程度に十分な量の第2の冷却材5が容器7内に貯えられている。
本実施形態では、原子炉プールとしての容器7内に貯えられた第2の冷却材5の中に炉心6が沈められており、実用化されている軽水炉等で必要とされている原子炉圧力容器が省略されている。本実施形態では、第2の冷却材5が遮蔽体及び原子炉圧力容器として機能し、放射線の漏れが防止される。
次に、炉心6の冷却について説明する。
原子炉の通常運転時には、燃料要素3は主に第1の冷却材1によって冷却される。燃料要素3は第1の流路を構成する筒体2内に配置されており、循環している第1の冷却材1に直接接触しているので、燃料要素3で発生した熱の殆どは第1の冷却材1によって熱交換器9へと運搬され、第2の冷却材5の温度上昇にはあまり使われない。そのため、核分裂によるエネルギを効率よく取り出して利用することが可能であると共に、第2の冷却材5の温度上昇を抑えることができる。
原子炉に第1の冷却材1の喪失や流量不足等の異常が発生すると原子炉は緊急停止されるが、原子炉停止後も崩壊熱によって燃料要素3の発熱が続く。燃料要素3の熱は筒体2の外管2aに伝えられ、外管2aから第2の冷却材5に伝えられるので、炉心6は第2の冷却材5によって冷却される。即ち、第2の冷却材5が原子炉停止後の崩壊熱を吸収し、燃料要素3の過熱や溶融を防いで炉心6の損傷を防止するだけの熱容量を持つ熱シンクとして機能する。燃料要素3は外管2aに直接接合されており、熱伝達が良好に行なわれるので、第2の冷却材5によって燃料要素3を良好に冷却することができる。また、第1の冷却材1の喪失や循環量の減少の発生をトリガーとして緊急用のポンプや弁等の装置・機器類を作動させる構造ではないので、作動不能のリスクが無くて信頼性がより一層向上し、安全性をより一層高めることができる。
また、第1の冷却材1と第2の冷却材5とのうち、第2の冷却材5側に何らかの異常、例えば第2の冷却材5の喪失や貯留量不足等の異常が発生した場合には、原子炉の緊急停止後も発生し続ける燃料要素3の崩壊熱は第1の冷却材1によって除去される。この場合にも、第2の冷却材5の喪失等の発生をトリガーとして緊急用のポンプや弁等の装置・機器類を新たに作動させる構造ではないので、作動不能のリスクが無くて信頼性がより一層向上し、安全性をより一層高めることができる。
このように、異なる2系統の冷却系を有しており、たとえ一方の冷却系に異常が発生してももう一方の冷却系によって炉心6を冷却し続けることができるので、冷却系の異常に対する安全性をより一層高めることができる。
また、本発明は、既に実用化され運用されている原子炉の燃料要素をそのまま又は形状変更のような僅かな変更で使用することができるので、技術的に実用化が容易であり、また低コストでの実現が可能である。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明では、第2の冷却材5は容器7内に貯えられたものであったが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば図4に示すように、炉心6の周囲に第2の流路12を設け、第2の流路12を流れる流体を第2の冷却材5としても良い。即ち、第2の冷却材5は貯えられているものに限らず、流動するものでも良い。図4の例では、第2の冷却材5を下から上に流動させている。この場合にも熱中性子炉と高速炉のいずれにも適用可能であり、核燃料、第1の冷却材1、第2の冷却材5の種類の組み合わせは適宜選択可能である。なお、本実施形態の第2の冷却材5は第2の流路12内を流れるものであるため、第2の冷却材5として気体を使用する場合には本実施形態の方が適している。第2の流路12は原子炉圧力容器でも良いし、原子炉圧力容器とは別の流路でも良い。また、第2の流路12は原子炉圧力容器内に設けられた流路でも良いし、原子炉圧力容器の代わりに設けられたものでも良い。
また、高速炉に適用する場合には、以下のようにすることもできる。即ち、炉心6が高速炉の炉心であり、第1の冷却材1として気体を使用し、第2の冷却材5として水を使用する場合には、炉心6に熱中性子吸収材13を添加しても良い。その概念を図5に示す。燃料要素3がペレット状の核燃料19を被覆管20で覆うタイプの場合には、図5に示すように熱中性子吸収材13を燃料ペレット(核燃料19)に添加しても良いし、被覆管20の内面等にコーティングしても良く、これらの場合、一部の燃料要素3にのみ熱中性子吸収材13を添加するようにしても良いし、全ての燃料要素3に熱中性子吸収材13を添加するようにしても良い。また、一部の燃料要素3を熱中性子吸収材13を収容している部材に交換するようにしても良い。熱中性子吸収材13としては、例えばガドリニウム、ハフニウム、ボロン等の使用が可能である。
第1の冷却材1として気体を使用し、第2の冷却材5として水を使用する高速炉では、何らかの異常によって第2の冷却材5である水が第1の流路を構成する筒体2内に浸入すると、この水が減速材として作用し、炉心6内の熱中性子を増加させて熱中性子による核分裂連鎖反応を増加させることになる(正の反応度の印加)。炉心6に熱中性子吸収材13を予め添加しておくことで、核分裂に寄与する熱中性子の増加を抑えることができるので、炉心6での熱中性子による核分裂連鎖反応を抑えることができ(負の反応度の印加)、安全性をより一層高めることができる。なお、通常運転時には、熱中性子吸収材13による高速中性子の吸収は極めて少ないので、炉心6に熱中性子吸収材13を添加しても高速中性子による核分裂反応には殆ど影響を与えない。
また、第2の冷却材5を貯える容器7として、原子炉格納容器(以下、原子炉格納容器7という)を使用しても良い。この場合の概念を図6(B)に示す。この場合には、原子炉格納容器7内に第2の冷却材5を貯え、その中に炉心6を沈めるようにしているので、既存の軽水炉等の設備を利用して本発明の原子炉を建設することができる。即ち、図6(A)に示すように、廃炉になった軽水炉等の原子炉格納容器7内に収容されている炉心、原子炉圧力容器17、その他の装置・機器類を撤去し、代わりに本発明の炉心6、冷却管8、制御棒10等を設置することで、本発明の原子炉を建設することができる。この場合、既存の設備である原子炉格納容器7や建屋をそのまま利用することができるので、原子炉の建設コストを安くすることができ、発電コストを安くすることができる。ただし、既存の原子炉の設備を利用する場合に限るものではなく、新たな設備を使用しても良い。
また、上述の説明では、筒体2の外管2aの内面2hに燃料要素3を直接接合するようにしていたが、熱伝導部材4を介して接合するようにしても良い。この場合の概念を図7に示す。筒体2内を往路2jと復路2kに仕切る隔壁としての熱伝導部材4(以下、隔壁4という)が設けられており、燃料要素3は隔壁4と筒体2の外壁たる外管2aの両方に接合されている。往路2jと復路2k内には格子状に組まれたサポーティングプレート18が設けられ、補強が行なわれている。隔壁4は、炉心6での使用に耐え熱伝導性に優れた例えばステンレス、ジルコニウム合金等の金属によって形成され、外管2aに例えば溶接等の手段によって接合されている。隔壁4に接合された燃料要素3の熱は隔壁4を伝わって外管2aに伝えられ、第2の冷却材5によって冷却される。したがって、外管2aに直接接合されている燃料要素3と同様に、隔壁4に接合されている燃料要素3も第2の冷却材5によって良好に冷却することができる。
また、上述の説明では、燃料要素3は燃料棒であったが、必ずしも燃料棒に限るものではなく、例えば燃料板、燃料体等であっても良い。
また、上述の説明では、筒体2を二重管構造とし、1本の筒体2に往路と復路の両方を設けて流入ポート2fと流出ポート2gを底板に設ける構造、即ち逆U字状の流路を形成する構造にしていたが、必ずしもこの様な構造に限るものではなく、筒体2内を一方から他方に向けて第1の冷却材1が通り抜ける構造にしても良い。この場合の例を図8に示す。筒体2は例えば一重の管である。この場合にも、筒体2の外壁たる外管2aの内面2hに燃料要素3を直接又は熱伝導部材4を介して接合している。筒体2は例えば2本で1組となっており、一方の筒体2の底板に流入ポート2fを設けると共に、他方の筒体2の底板に流出ポート2gを設け、冷却管8から第1の冷却材1を一方の筒体2内に流入させて下から上に向けて通り抜けさせた後、連通管14を通じて他方の筒体2の上部に供給し、他方の筒体2内を上から下に向けて通過させて冷却管8に戻すようにしても良い。この場合にも、通常運転時には主に第1の冷却材1によって燃料要素3を冷却することができると共に、第1の冷却材1による冷却能力が不足した場合には第2の冷却材5によって燃料要素3の崩壊熱を除去することができる。
また、図9に示すように、筒体2の上下に流路15を接続し、第1の冷却材1を熱交換器9→ポンプ16→下側の流路15→筒体2→上側の流路15→熱交換器9へと循環させても良い。即ち、筒体2、流路15を一重管にしても良い。この場合にも、筒体2の外管2aの内面2hに燃料要素3を直接又は熱伝導部材4を介して接合している。この場合にも、通常運転時には主に第1の冷却材1によって燃料要素3を冷却することができると共に、第1の冷却材1による冷却能力が不足した場合には第2の冷却材5によって燃料要素3の崩壊熱を除去することができる。
また、上述の説明では、炉心6に複数の筒体2を設置していたが、必ずしも筒体2を複数設置する必要はなく、原子炉の出力によっては1本でも良い。
さらに、上述の説明では、筒体2を上下方向に細長く長く形成し燃料要素3を立てるようにしていたが、この構成に限るものではなく、例えば筒体2を横方向に細長くして燃料要素3を寝かせるようにしても良く、その他でも良い。なお、筒体2を横方向に細長くする場合には、流入ポート2fと流出ポート2gを筒体2の側面に形成することが考えられる。
1 第1の冷却材
2 第1の流路を構成する筒体
2a 第1の流路の外管
3 燃料要素
4 熱伝導部材
5 第2の冷却材
6 炉心
7 容器
12 第2の流路
13 熱中性子吸収材

Claims (7)

  1. 第1の冷却材を循環させる第1の流路を構成する筒体と、燃料を燃料被覆管で覆った多数の燃料要素と、前記第1の冷却材とは別系統であり前記筒体の外面を冷却する第2の冷却材とを備え、前記筒体の内面に前記多数の燃料要素を直接接合前記筒体の内面を覆う前記燃料要素で囲まれる内側の空間に前記第1の冷却材の流路を形成し、前記燃料要素はその外面が前記第1の冷却材と直接接触し、前記第2の冷却材とは前記筒体を介在させて接触している炉心を備えることを特徴とする原子炉。
  2. 前記第2の冷却材は容器内に貯えられている液体であり、前記炉心は前記第2の冷却材中に沈められていることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
  3. 前記炉心の周囲に第2の流路が設けられており、前記第2の冷却材は前記第2の流路を流れる流体であることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
  4. 前記容器は原子炉格納容器であることを特徴とする請求項2記載の原子炉。
  5. 前記炉心は高速炉の炉心であり、前記第1の冷却材は気体、前記第2の冷却材は水であり、前記炉心には熱中性子吸収材が添加されていることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
  6. 前記筒体を内管と外管との2重管で構成し、外側の管の内面に多数の前記燃料要素を直接接合すると共に、前記内側の管の外側でかつ前記燃料要素で囲まれ空間を前記第1の冷却材が流れる第1の流路の往路とし、前記内側の管の内方の空間を復路としたことを特徴とする請求項1記載の原子炉。
  7. 前記筒体の内部に該筒体の内部を前記第1の流路の往路と復路との2つに隔てる熱伝導部材から成る隔壁を備え、前記筒体と前記熱伝導部材の隔壁の内面に多数の前記燃料要素を接合し、前記筒体の内面を覆う前記燃料要素と前記隔壁の面を覆う前記燃料要素で囲まれる内側の空間で前記第1の冷却材の流路を形成したことを特徴とする請求項1記載の原子炉。
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