以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の参考例として、一般的な画像伝送システムの構成を示す図である。以下、「画像(picture)」は、静止画像及び動画像の両方を意味し、主に動画像の1つ1つのフレームの意味する。「映像(video)」は動画像を意味する。しかし、本発明の各実施の形態を説明する上で、両者に明確な違いはなく、実質的に同じ意味である。
図1では、ユーザ宅の図中、左側に設けられたリビングにデジタルテレビジョン受像機11、AVアンプリファイア12、及び再生装置14が設置されており、デジタルテレビジョン受像機11及びAVアンプリファイア12、並びにAVアンプリファイア12及び再生装置14がHDMIケーブル13及びHDMIケーブル15により接続されている。
また、リビングには、ハブ16が設置されており、デジタルテレビジョン受像機11及び再生装置14は、LAN(Local Area Network)ケーブル17及びLANケーブル18によりハブ16に接続されている。さらに、図中、リビングの右側に設けられた寝室には、デジタルテレビジョン受像機19が設置されており、デジタルテレビジョン受像機19は、LANケーブル20を介してハブ16に接続されている。
たとえば、再生装置14に記録されているコンテンツが再生されて、デジタルテレビジョン受像機11に画像が表示される場合、再生装置14は、コンテンツを再生させるための画素データ及び音声データをデコードし、その結果得られた非圧縮の画素データ及び音声データをHDMIケーブル15、AVアンプリファイア12、及びHDMIケーブル13を介してデジタルテレビジョン受像機11に供給する。そして、デジタルテレビジョン受像機11は、再生装置14から供給された画素データ及び音声データに基づいて、画像を表示させたり、音声を出力したりする。
また、再生装置14に記録されているコンテンツが再生されて、デジタルテレビジョン受像機11及びデジタルテレビジョン受像機19に同時に画像が表示される場合、再生装置14は、圧縮された、コンテンツを再生させるための画素データ及び音声データをLANケーブル18、ハブ16、及びLANケーブル17を介してデジタルテレビジョン受像機11に供給するとともに、LANケーブル18、ハブ16、及びLANケーブル20を介してデジタルテレビジョン受像機19に供給する。
そして、デジタルテレビジョン受像機11及びデジタルテレビジョン受像機19は、再生装置14から供給された画素データ及び音声データをデコードし、その結果得られた非圧縮の画素データ及び音声データに基づいて画像を表示させたり、音声を出力したりする。
さらに、デジタルテレビジョン受像機11が、テレビジョン放送されている番組を再生するための画素データ及び音声データを受信した場合、受信された音声データがたとえば5.1チャンネルサラウンドの音声データなどであり、デジタルテレビジョン受像機11が受信した音声データをデコードすることができないときには、デジタルテレビジョン受像機11は、音声データを光信号に変換してAVアンプリファイア12に送信する。
AVアンプリファイア12は、デジタルテレビジョン受像機11から送信されてきた光信号を受信して光電変換し、これにより得られた音声データをデコードする。そして、AVアンプリファイア12は、デコードされた非圧縮の音声データを必要に応じて増幅し、AVアンプリファイア12に接続されたサラウンドスピーカにて音声を再生する。これにより、デジタルテレビジョン受像機11は、受信した画素データをデコードし、デコードされた画素データで画像を表示させ、AVアンプリファイア12に供給した音声データに基づいて、AVアンプリファイア12で音声を出力することで5.1チャンネルサラウンド番組を再生する。
図2は、本発明を適用した一実施の形態の画像伝送システムの構成を示す図である。
画像伝送システムは、デジタルテレビジョン受像機31、増幅器32、再生装置33、及びデジタルテレビジョン受像機34により構成され、デジタルテレビジョン受像機31及び増幅器32、並びに増幅器32及び再生装置33は、HDMI(R)に準拠した通信ケーブルであるHDMI(R)ケーブル35及びHDMI(R)ケーブル36により接続されている。また、デジタルテレビジョン受像機31及びデジタルテレビジョン受像機34は、Ethernet(登録商標)などのLAN用のLANケーブル37により接続されている。
図2の例では、デジタルテレビジョン受像機31、増幅器32、及び再生装置33が、ユーザ宅の図中、左側に設けられたリビングに設置されており、デジタルテレビジョン受像機34が、リビングの右側に設けられた寝室に設置されている。
再生装置33は、たとえばDVDプレーヤ、ハードディスクレコーダなどからなり、コンテンツを再生するための画素データ及び音声データをデコードし、その結果得られた非圧縮の画素データ及び音声データを、HDMI(R)ケーブル36を介して増幅器32に供給する。
増幅器32は、たとえばAVアンプリファイアなどからなり、再生装置33から画素データ及び音声データの供給を受け、供給された音声データを必要に応じて増幅する。また、増幅器32は、再生装置33から供給され、必要に応じて増幅された音声データ、及び画素データを、HDMI(R)ケーブル35を介してデジタルテレビジョン受像機31に供給する。デジタルテレビジョン受像機31は、増幅器32から供給された画素データ及び音声データに基づいて画像を表示したり、音声を出力したりして、コンテンツを再生する。
また、デジタルテレビジョン受像機31及び増幅器32は、HDMI(R)ケーブル35を利用して、たとえばIP通信などの双方向の通信を高速に行うことができ、増幅器32及び再生装置33もHDMI(R)ケーブル36を利用して、たとえばIP通信などの双方向の通信を高速に行うことができる。
すなわち、たとえば再生装置33は、増幅器32とIP通信を行うことで、IPに準拠したデータとして、圧縮された画素データ及び音声データを、HDMI(R)ケーブル36を介して増幅器32に送信することができ、増幅器32は、再生装置33から送信されてきた、圧縮された画素データ及び音声データを受信することができる。
また、増幅器32は、デジタルテレビジョン受像機31とIP通信を行うことで、IPに準拠したデータとして、圧縮された画素データ及び音声データを、HDMI(R)ケーブル35を介してデジタルテレビジョン受像機31に送信することができ、デジタルテレビジョン受像機31は、増幅器32から送信されてきた、圧縮された画素データ及び音声データを受信することができる。
したがって、デジタルテレビジョン受像機31は、受信した画素データ及び音声データを、LANケーブル37を介してデジタルテレビジョン受像機34に送信することができる。また、デジタルテレビジョン受像機31は、受信した画素データ及び音声データをデコードし、これにより得られた非圧縮の画素データ及び音声データに基づいて、画像を表示したり、音声を出力したりしてコンテンツを再生する。
デジタルテレビジョン受像機34は、LANケーブル37を介してデジタルテレビジョン受像機31から送信されてきた画素データ及び音声データを受信してデコードし、デコードにより得られた非圧縮の画素データ及び音声データに基づいて、画像を表示したり、音声を出力したりしてコンテンツを再生する。これにより、デジタルテレビジョン受像機31及びデジタルテレビジョン受像機34において、同一あるいは異なるコンテンツを同時に再生することができる。
さらに、デジタルテレビジョン受像機31が、テレビジョン放送されているコンテンツとしての番組を再生するための画素データ及び音声データを受信した場合、受信された音声データがたとえば5.1チャンネルサラウンドの音声データなどであり、デジタルテレビジョン受像機31が受信した音声データをデコードすることができないときには、デジタルテレビジョン受像機31は、増幅器32とIP通信することで、受信した音声データをHDMI(R)ケーブル35を介して増幅器32に送信する。
増幅器32は、デジタルテレビジョン受像機31から送信されてきた音声データを受信してデコードするとともに、必要に応じてデコードされた音声データを増幅する。そして、増幅器32に接続されたスピーカ(図示せず)により5.1チャンネルサラウンド音声を再生する。
デジタルテレビジョン受像機31は、HDMI(R)ケーブル35を介して増幅器32に音声データを送信するとともに、受信した画素データをデコードし、デコードにより得られた画素データに基づいて画像を表示させて番組を再生する。
このように、図2の画像伝送システムにおいては、HDMI(R)ケーブル35やHDMI(R)ケーブル36により接続されているデジタルテレビジョン受像機31、増幅器32、再生装置33などの電子機器は、HDMI(R)ケーブルを用いて高速にIP通信することができるため、図1のLANケーブル17に対応するLANケーブルは必要とされない。
また、デジタルテレビジョン受像機31とデジタルテレビジョン受像機34とをLANケーブル37で接続することで、デジタルテレビジョン受像機31がHDMI(R)ケーブル36、増幅器32、及びHDMI(R)ケーブル35を介して再生装置33から受信したデータを、さらにLANケーブル37を介してデジタルテレビジョン受像機34に送信することができるので、図1のLANケーブル18及びハブ16に対応するLANケーブルや電子機器も必要ない。
図1に示したように、従来の画像伝送システムにおいては、送受信するデータや通信方式によって、それぞれ異なる種類のケーブルが必要であり、電子機器同士を接続するケーブルの配線が煩雑であった。これに対して、図2に示した画像伝送システムにおいては、HDMI(R)ケーブルにより接続された電子機器間では、高速にIP通信などの双方向の通信を行うことができるので、電子機器の接続を簡素化することができる。つまり、従来は複雑であった電子機器同士を接続するケーブルの配線を、より簡単にすることができる。
次に、図3は、HDMI(R)ケーブルにより互いに接続された電子機器のそれぞれに内蔵されたHDMI(R)ソース及びHDMI(R)シンク、たとえば図2の増幅器32内に設けられたHDMI(R)ソース、及び、デジタルテレビジョン受像機31内に設けられたHDMI(R)シンクの構成例を示している。
HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とは、1本のHDMI(R)ケーブル35で接続されており、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、現行のHDMI(R)との互換性を保ちながら、HDMI(R)ケーブル35を利用して、高速で双方向のIP通信を行うことができる。
HDMI(R)ソース71は、1の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間(水平ブランキングエリア)及び垂直帰線区間(垂直ブランキングエリア)を除いた区間であるアクティブ映像エリアにおいて、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャンネルで、HDMI(R)シンク72に一方向に送信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャンネルで、HDMI(R)シンク72に一方向に送信する。
すなわち、HDMI(R)ソース71は、トランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、たとえば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャンネルである3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2で、HDMI(R)ケーブル35を介して接続されているHDMI(R)シンク72に、一方向にシリアル伝送する。
トランスミッタ81内に設けられた、これらのTMDSチャンネル#0,#1及び#2は、第1のチャンネル部として機能する。また、レシーバ82内に設けられた、これらのTMDSチャンネル#0,#1及び#2は、第3のチャンネル部として機能する。
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2でHDMI(R)ケーブル35を介して接続されているHDMI(R)シンク72に、一方向にシリアル伝送する。
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャンネルで、HDMI(R)ケーブル35を介して接続されているHDMI(R)シンク72に送信する。ここで、1つのTMDSチャンネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
HDMI(R)シンク72は、アクティブ映像エリア区間において、複数のチャンネルで、HDMI(R)ソース71から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャンネルで、HDMI(R)ソース71から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
すなわち、HDMI(R)シンク72は、レシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャンネル#0,#1,#2で、HDMI(R)ケーブル35を介して接続されているHDMI(R)ソース71から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMI(R)ソース71からTMDSクロックチャンネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とからなるHDMI(R)システムの伝送チャンネルには、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72に対して、画素データ及び音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャンネルとしての3つのTMDSチャンネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャンネルとしてのTMDSクロックチャンネルとの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャンネルがある。
DDC83は、HDMI(R)ケーブル35に含まれる図示せぬ2本の信号線からなり、HDMI(R)ソース71が、HDMI(R)ケーブル35を介して接続されたHDMI(R)シンク72から、E-EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すのに使用される。
すなわち、HDMI(R)シンク72は、レシーバ82の他に自身の設定や性能に関する情報であるE-EDIDを記憶しているEDIDROM(EDID ROM(Read Only Memory))85を有している。HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)ケーブル35を介して接続されているHDMI(R)シンク72から、そのHDMI(R)シンク72のEDIDROM85が記憶しているE-EDIDをDDC83を介して読み出し、そのE-EDIDに基づき、HDMI(R)シンク72の設定や性能、すなわち、たとえばHDMI(R)シンク72(を有する電子機器)が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、たとえばRGB(Red,Green,Blue)や、YCbCr4:4:4,YCbCr4:2:2などを認識する。
なお、図示していないが、HDMI(R)ソース71もHDMI(R)シンク72と同様に、E-EDIDを記憶し、必要に応じてそのE-EDIDをHDMI(R)シンク72に送信することができる。
CECライン84は、HDMI(R)ケーブル35に含まれる図示せぬ1本の信号線からなり、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
また、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、DDC83またはCECライン84を介して、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3に準拠したフレームをHDMI(R)シンク72及びHDMI(R)ソース71に送信することにより、双方向のIP通信を行うことができる。
さらに、HDMI(R)ケーブル35には、Hot Plug Detectと呼ばれるピンに接続される信号線86が含まれており、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、この信号線86を利用して、新たな電子機器、つまりHDMI(R)シンク72またはHDMI(R)ソース71の接続を検出することができる。
次に、図4及び図5は、HDMI(R)ケーブル35と接続される、HDMI(R)ソース71またはHDMI(R)シンク72に設けられた図示せぬコネクタのピン配列(pin assignment)を示している。
なお、図4及び図5においては、左欄(PINの欄)に、コネクタのピンを特定するピン番号を記載してあり、右欄(Signal Assignmentの欄)に、同一行の左欄に記載されているピン番号で特定されるピンに割り当てられている信号の名称を記載してある。
図4は、HDMI(R)のタイプA(Type-A)と呼ばれるコネクタのピン配列を示している。
TMDSチャンネル#iの差動信号TMDS Data#i +とTMDS Data#i-が伝送される差動信号線である2本の信号線は、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i-が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空きピンとなっている。双方向のIP通信を、この空きピンを利用して行うことができれば、現行のHDMI(R)との互換性を保つことができる。そこで、CECライン84及びピン番号が14のピンに接続される信号線を用いて差動信号を伝送することができるように、ピン番号が14のピンに接続される信号線と、CECライン84とは、差動ツイストペア結線されてシールドされ、ピン番号が17番のピンに接続されるCECライン84及びDDC83のグランド線に接地されている。
さらに、E-EDIDなどのSDA(Serial Data)信号が伝送される信号線は、ピン番号が16であるピンに接続される。SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送される信号線は、ピン番号が15であるピンに接続される。図3のDDC83は、SDA信号が伝送される信号線、及びSCL信号が伝送される信号線から構成される。
また、SDA信号が伝送される信号線、及びSCL信号が伝送される信号線は、CECライン84及びピン番号が14のピンに接続される信号線と同様に、差動信号を伝送することができるように差動ツイストペア結線されてシールドされ、ピン番号が17番のピンに接続されるグランド線に接地されている。
さらに、新たな電子機器の接続を検出するための信号が伝送される信号線86は、ピン番号が19であるピンに接続される。
図5は、HDMI(R)のタイプC(Type-C)またはタイプミニと呼ばれるコネクタのピン配列を示している。
TMDSチャンネル#iの差動信号TMDS Data#i+とTMDS Data#i-が伝送される差動信号線である2本の信号線は、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が2,5,8のピン)と、TMDS Data#i-が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
また、CEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が14であるピンに接続され、ピン番号が17のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。ピン番号が17のピンに接続される信号線と、CECライン84とは、タイプAにおける場合と同様に差動ツイストペア結線されてシールドされ、ピン番号が13番のピンに接続されるCECライン84及びDDC83のグランド線に接地されている。
さらに、SDA信号が伝送される信号線は、ピン番号が16であるピンに接続され、SCL信号が伝送される信号線は、ピン番号が15であるピンに接続される。また、SDA信号が伝送される信号線、及びSCL信号が伝送される信号線は、タイプAにおける場合と同様に、差動信号を伝送することができるように差動ツイストペア結線されてシールドされ、ピン番号が13番のピンに接続されるグランド線に接地されている。さらに、また、新たな電子機器の接続を検出するための信号が伝送される信号線86は、ピン番号が19であるピンに接続される。
次に図6は、CECライン84、及びHDMI(R)のコネクタの空きピンに接続される信号線を用いて、半二重通信方式によるIP通信を行うHDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72の構成を示す図である。なお、図6は、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72における、半二重通信に関する部分の構成例を示している。また、図6において図3における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
HDMI(R)ソース71は、トランスミッタ81、切り換え制御部121、及びタイミング制御部122から構成される。また、トランスミッタ81には、変換部131、復号部132、及びスイッチ133が設けられている。
変換部131には、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間での双方向のIP通信により、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72に送信されるデータである、Txデータが供給される。Txデータは、たとえば圧縮された画素データや音声データなどとされる。
変換部131は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、供給されたTxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換する。また、変換部131は、変換により得られた差動信号をCECライン84、及びトランスミッタ81に設けられた図示せぬコネクタの空きピンに接続される信号線141を介してレシーバ82に送信する。すなわち、変換部131は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはトランスミッタ81に設けられた信号線であって、HDMI(R)ケーブル35のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ133に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号を信号線141、より詳細には、トランスミッタ81に設けられた信号線であって、HDMI(R)ケーブル35の信号線141に接続される信号線を介してレシーバ82に供給する。
復号部132は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84及び信号線141に接続されている。復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、CECライン84及び信号線141を介してレシーバ82から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号及び信号線141上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。ここで、Rxデータとは、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間での双方向のIP通信により、HDMI(R)シンク72からHDMI(R)ソース71に送信されるデータをいい、たとえば画素データや音声データの送信を要求するコマンドなどとされる。
スイッチ133には、データを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71からのCEC信号、または変換部131からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、レシーバ82からのCEC信号、またはレシーバ82からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ133は、切り換え制御部121からの制御に基づいて、HDMI(R)ソース71からのCEC信号、若しくはレシーバ82からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、若しくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
すなわち、スイッチ133は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72にデータを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71から供給されたCEC信号、または変換部131から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してレシーバ82に送信する。
また、スイッチ133は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してレシーバ82から送信されてきたCEC信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、HDMI(R)ソース71または復号部132に供給する。
切り換え制御部121はスイッチ133を制御して、スイッチ133に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ133を切り換える。タイミング制御部122は、復号部132による差動信号の受信のタイミングを制御する。
また、HDMI(R)シンク72は、レシーバ82、タイミング制御部123、及び切り換え制御部124から構成される。さらに、レシーバ82には、変換部134、スイッチ135、及び復号部136が設けられている。
変換部134は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、変換部134にはRxデータが供給される。変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいて、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をCECライン84及び信号線141を介してトランスミッタ81に送信する。すなわち、変換部134は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をCECライン84、より詳細にはレシーバ82に設けられた信号線であって、HDMI(R)ケーブル35のCECライン84に接続される信号線を介してスイッチ135に供給し、差動信号を構成する他方の部分信号を信号線141、より詳細には、レシーバ82に設けられた信号線であって、HDMI(R)ケーブル35の信号線141に接続される信号線を介してトランスミッタ81に供給する。
スイッチ135には、データを受信するタイミングにおいて、トランスミッタ81からのCEC信号、またはトランスミッタ81からのTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを送信するタイミングにおいて、変換部134からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはHDMI(R)シンク72からのCEC信号が供給される。スイッチ135は、切り換え制御部124からの制御に基づいて、トランスミッタ81からのCEC信号、若しくはHDMI(R)シンク72からのCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、若しくはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
すなわち、スイッチ135は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71にデータを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)シンク72から供給されたCEC信号、または変換部134から供給された部分信号のうちのいずれかを選択し、選択したCEC信号または部分信号を、CECライン84を介してトランスミッタ81に送信する。
また、スイッチ135は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71から送信されてきたデータを受信するタイミングにおいて、CECライン84を介してトランスミッタ81から送信されてきたCEC信号、またはTxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したCEC信号または部分信号を、HDMI(R)シンク72または復号部136に供給する。
復号部136は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、CECライン84及び信号線141に接続されている。復号部136は、CECライン84及び信号線141を介してトランスミッタ81から送信されてきた差動信号、つまりCECライン84上の部分信号及び信号線141上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるTxデータに復号して出力する。
切り換え制御部124はスイッチ135を制御して、スイッチ135に供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ135を切り換える。タイミング制御部123は、変換部134による差動信号の送信のタイミングを制御する。
また、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72が、CECライン84及び空きピンに接続される信号線141と、SDA信号が伝送される信号線及びSCL信号が伝送される信号線とを用いて、全二重通信方式によるIP通信を行う場合、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、たとえば図7に示すように構成される。なお、図7において、図6における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
HDMI(R)ソース71は、トランスミッタ81、切り換え制御部121、及び切り換え制御部124から構成される。また、トランスミッタ81には、変換部131、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、及び復号部183が設けられている。
スイッチ181には、データを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、レシーバ82からのSDA信号、またはレシーバ82からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ181は、切り換え制御部971からの制御に基づいて、HDMI(R)ソース71からのSDA信号、若しくはレシーバ82からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
すなわち、スイッチ181は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDA信号が伝送される信号線であるSDAライン191を介してレシーバ82から送信されてきたSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信したSDA信号または部分信号を、HDMI(R)ソース71または復号部183に供給する。
また、スイッチ181は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72にデータを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71から供給されたSDA信号を、SDAライン191を介してレシーバ82に送信するか、またはレシーバ82に何も送信しない。
スイッチ182には、データを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71からのSCL信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、レシーバ82からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給される。スイッチ182は、切り換え制御部971からの制御に基づいて、SCL信号またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号のうちのいずれかを選択して出力する。
すなわち、スイッチ182は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCL信号が伝送される信号線であるSCLライン192を介してレシーバ82から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給するか、または何も受信しない。
また、スイッチ182は、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72にデータを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)ソース71から供給されたSCL信号を、SCLライン192を介してレシーバ82に送信するか、または何も送信しない。
復号部183は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、その入力端子が、SDAライン191及びSCLライン192に接続されている。復号部183は、SDAライン191及びSCLライン192を介してレシーバ82から送信されてきた差動信号、つまりSDAライン191上の部分信号及びSCLライン192上の部分信号からなる差動信号を受信し、元のデータであるRxデータに復号して出力する。
切り換え制御部971はスイッチ181及びスイッチ182を制御して、スイッチ181及びスイッチ182のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ181及びスイッチ182を切り換える。
また、HDMI(R)シンク72は、レシーバ82、切り換え制御部124、及び切り換え制御部972から構成される。さらに、レシーバ82には、スイッチ135、復号部136、変換部184、スイッチ185、及びスイッチ186が設けられている。
変換部184は、たとえば差動アンプリファイアにより構成され、変換部184にはRxデータが供給される。変換部184は、供給されたRxデータを2つの部分信号からなる差動信号に変換し、変換により得られた差動信号をSDAライン191及びSCLライン192を介してトランスミッタ81に送信する。すなわち、変換部184は、変換により得られた差動信号を構成する一方の部分信号をスイッチ185を介してトランスミッタ81に送信し、差動信号を構成する他方の部分信号をスイッチ186を介してトランスミッタ81に送信する。
スイッチ185には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からのRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはHDMI(R)シンク72からのSDA信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、トランスミッタ81からのSDA信号が供給される。スイッチ185は、切り換え制御部972からの制御に基づいて、HDMI(R)シンク72からのSDA信号、若しくはトランスミッタ81からのSDA信号、またはRxデータに対応する差動信号を構成する部分信号を選択して出力する。
すなわち、スイッチ185は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SDAライン191を介してトランスミッタ81から送信されてきたSDA信号を受信し、受信したSDA信号をHDMI(R)シンク72に供給するか、または何も受信しない。
また、スイッチ185は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71にデータを送信するタイミングにおいて、HDMI(R)シンク72から供給されたSDA信号、または変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191を介してトランスミッタ81に送信する。
スイッチ186には、データを送信するタイミングにおいて、変換部184からの、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号が供給され、データを受信するタイミングにおいて、トランスミッタ81からのSCL信号が供給される。スイッチ186は、切り換え制御部972からの制御に基づいて、Rxデータに対応する差動信号を構成する部分信号、またはSCL信号のうちのいずれかを選択して出力する。
すなわち、スイッチ186は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71から送信されてくるデータを受信するタイミングにおいて、SCLライン192を介してトランスミッタ81から送信されてきたSCL信号を受信し、受信したSCL信号をHDMI(R)シンク72に供給するか、または何も受信しない。
また、スイッチ186は、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71にデータを送信するタイミングにおいて、変換部184から供給された部分信号を、SCLライン192を介してトランスミッタ81に送信するか、または何も送信しない。
切り換え制御部972はスイッチ185及びスイッチ186を制御して、スイッチ185及びスイッチ186のそれぞれについて、供給される信号のうちのいずれかが選択されるようにスイッチ185及びスイッチ186を切り換える。
ところで、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とがIP通信を行う場合に、半二重通信が可能であるか、全二重通信が可能であるかは、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72のそれぞれの構成によって定まる。そこで、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から受信したE-EDIDを参照して、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行う。
HDMI(R)ソース71が受信するE-EDIDは、たとえば図8に示すように、基本ブロックと拡張ブロックとからなる。
E-EDIDの基本ブロックの先頭には、"E-EDID1.3 Basic Structure"で表されるE-EDID1.3の規格で定められたデータが配置され、続いて"Preferred timing"で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、及び"2nd timing"で表される従来のEDIDとの互換性を保つための"Preferred timing"とは異なるタイミング情報が配置されている。
また、基本ブロックには、"2nd timing"に続いて、"Monitor NAME"で表される表示装置の名前を示す情報、及び"Monitor Range Limits"で表される、アスペクト比が4:3及び16:9である場合についての表示可能な画素数を示す情報が順番に配置されている。
これに対して、拡張ブロックの先頭には、"Speaker Allocation"で表される左右のスピーカに関する情報が配置され、続いて"VIDEO SHORT"で表される、表示可能な画像サイズ、フレームレート、インターレースであるかプログレッシブであるかを示す情報、アスペクト比などの情報が記述されたデータ、"AUDIO SHORT"で表される、再生可能な音声コーデック方式、サンプリング周波数、カットオフ帯域、コーデックビット数などの情報が記述されたデータ、及び"Speaker Allocation"で表される左右のスピーカに関する情報が順番に配置されている。
また、拡張ブロックには、"Speaker Allocation"に続いて、"Vender Specific"で表されるメーカごとに固有に定義されたデータ、"3rd timing"で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報、及び"4th timing"で表される従来のEDIDとの互換性を保つためのタイミング情報が配置されている。
さらに、"Vender Specific"で表されるデータは、図9に示すデータ構造となっている。すなわち、"Vender Specific"で表されるデータには、1バイトのブロックである第0ブロック乃至第Nブロックが設けられている。
"Vender Specific"で表されるデータの先頭に配置された第0ブロックには、"Vendor-Specific tag code(=3)"で表されるデータ"Vender Specific"のデータ領域を示すヘッダ、及び"Length(=N)"で表されるデータ"Vender Specific"の長さを示す情報が配置される。
また、第1ブロック乃至第3ブロックには、"24bit IEEE Registration Identifier(0x000C03)LSB first"で表されるHDMI(R)用として登録された番号"0x000C03"を示す情報が配置される。さらに、第4ブロック及び第5ブロックには、"A"、"B"、"C"、及び"D"のそれぞれにより表される、24bitのシンク機器の物理アドレスを示す情報が配置される。
第6ブロックには、"Supports-AI"で表されるシンク機器が対応している機能を示すフラグ、"DC-48bit"、"DC-36bit"、及び"DC-30bit"のそれぞれで表される1ピクセル当たりのビット数を指定する情報のそれぞれ、"DC-Y444"で表される、シンク機器がYCbCr4:4:4の画像の伝送に対応しているかを示すフラグ、及び"DVI-Dual"で表される、シンク機器がデュアルDVI(Digital Visual Interface)に対応しているかを示すフラグが配置されている。
また、第7ブロックには、"Max-TMDS-Clock"で表されるTMDSのピクセルクロックの最大の周波数を示す情報が配置される。さらに、第8ブロックには、"Latency"で表される映像と音声の遅延情報の有無を示すフラグ、"Full Duplex"で表される全二重通信が可能であるかを示す全二重フラグ、及び"Half Duplex"で表される半二重通信が可能であるかを示す半二重フラグが配置されている。
ここで、たとえばセットされている(たとえば"1"に設定されている)全二重フラグは、HDMI(R)シンク72が全二重通信を行う機能を有している、つまり図7に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば"0"に設定されている)全二重フラグは、HDMI(R)シンク72が全二重通信を行う機能を有していないことを示している。
同様に、セットされている(たとえば"1"に設定されている)半二重フラグは、HDMI(R)シンク72が半二重通信を行う機能を有している、つまり図6に示した構成とされることを示しており、リセットされている(たとえば"0"に設定されている)半二重フラグは、HDMI(R)シンク72が半二重通信を行う機能を有していないことを示している。
また、"Vender Specific"で表されるデータの第9ブロックには、"Video Latency"で表されるプログレッシブの映像の遅延時間データが配置され、第10ブロックには、"Audio Latency"で表される、プログレッシブの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。さらに、第11ブロックには、"Interlaced Video Latency"で表されるインターレースの映像の遅延時間データが配置され、第12ブロックには、"Interlaced Audio Latency"で表される、インターレースの映像に付随する音声の遅延時間データが配置される。
HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から受信したE-EDIDに含まれている全二重フラグ及び半二重フラグに基づいて、半二重通信を行うか、全二重通信を行うか、またはCEC信号の授受による双方向通信を行うかの判定を行い、その判定結果にしたがって、HDMI(R)シンク72との双方向の通信を行う。
たとえば、HDMI(R)ソース71が図6に示した構成とされている場合、HDMI(R)ソース71は、図6に示したHDMI(R)シンク72とは半二重通信を行うことができるが、図7に示したHDMI(R)シンク72とは半二重通信を行うことができない。
そこで、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)ソース71が設けられた電子機器の電源がオンされると通信処理を開始し、HDMI(R)ソース71に接続されたHDMI(R)シンク72の有する機能に応じた双方向の通信を行う。
以下、図10のフローチャートを参照して、図6に示したHDMI(R)ソース71による通信処理について説明する。
ステップS11において、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)ソース71に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。たとえば、HDMI(R)ソース71は、信号線86が接続されるHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、HDMI(R)シンク72が設けられた新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。
ステップS11において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
これに対して、ステップS11において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS12において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてHDMI(R)ソース71からのCEC信号が選択され、データの受信時においてレシーバ82からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
ステップS13において、HDMI(R)ソース71は、DDC83を介してHDMI(R)シンク72から送信されてきたE-EDIDを受信する。すなわち、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71の接続を検出するとEDIDROM85からE-EDIDを読み出し、読み出したE-EDIDを、DDC83を介してHDMI(R)ソース71に送信するので、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から送信されてきたE-EDIDを受信する。
ステップS14において、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72との半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から受信したE-EDIDを参照して、図9の半二重フラグ"Half Duplex"がセットされているか否かを判定し、たとえば半二重フラグがセットされている場合、HDMI(R)ソース71は、半二重通信方式による双方向のIP通信、つまり半二重通信が可能であると判定する。
ステップS14において、半二重通信が可能であると判定された場合、ステップS15において、HDMI(R)ソース71は、双方向の通信に用いるチャンネルを示すチャンネル情報として、CECライン84及び信号線141を用いた半二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信する。
すなわち、半二重フラグがセットされている場合、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72が図6に示した構成であり、CECライン84及び信号線141を用いた半二重通信が可能であることが分かるので、チャンネル情報をHDMI(R)シンク72に送信して、半二重通信を行う旨を通知する。
ステップS16において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてレシーバ82からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
ステップS17において、HDMI(R)ソース71の各部は、半二重通信方式により、HDMI(R)シンク72との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、HDMI(R)ソース71から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号を信号線141を介してレシーバ82に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してレシーバ82に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号がHDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72に送信される。
また、データの受信時において、復号部132は、レシーバ82から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ133は、CECライン84を介してレシーバ82から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部132に供給する。復号部132は、スイッチ133から供給された部分信号、及び信号線141を介してレシーバ82から供給された部分信号からなる差動信号を、タイミング制御部122の制御に基づいて、元のデータであるRxデータに復号し、HDMI(R)ソース71に出力する。
これにより、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
また、ステップS14において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS18において、HDMI(R)ソース71の各部は、CEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)シンク72との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
すなわち、データの送信時において、HDMI(R)ソース71は、スイッチ133及びCECライン84を介して、CEC信号をレシーバ82に送信し、データの受信時において、HDMI(R)ソース71は、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82から送信されてきたCEC信号を受信することで、HDMI(R)シンク72との制御データの授受を行う。
このようにして、HDMI(R)ソース71は、半二重フラグを参照し、半二重通信が可能なHDMI(R)シンク72と、CECライン84及び信号線141を用いて半二重通信を行う。
このように、スイッチ133を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、HDMI(R)シンク72と、CECライン84及び信号線141を用いた半二重通信、つまり半二重通信方式によるIP通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
また、HDMI(R)ソース71と同様に、HDMI(R)シンク72も、HDMI(R)シンク72が設けられた電子機器の電源がオンされると通信処理を開始し、HDMI(R)ソース71との双方向の通信を行う。
以下、図11のフローチャートを参照して、図6に示したHDMI(R)シンク72による通信処理について説明する。
ステップS41において、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)シンク72に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。たとえば、HDMI(R)シンク72は、信号線86が接続されたHot Plug Detectと呼ばれるピンに対して付加された電圧の大きさに基づいて、HDMI(R)ソース71が設けられた新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。
ステップS41において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
これに対して、ステップS41において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS42において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時においてHDMI(R)シンク72からのCEC信号が選択され、データの受信時においてトランスミッタ81からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
ステップS43において、HDMI(R)シンク72は、EDIDROM85からE-EDIDを読み出し、読み出したE-EDIDを、DDC83を介してHDMI(R)ソース71に送信する。
ステップS44において、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71から送信されてきたチャンネル情報を受信したか否かを判定する。
すなわち、HDMI(R)ソース71からは、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72が有する機能に応じて、双方向の通信のチャンネルを示すチャンネル情報が送信されてくる。たとえば、HDMI(R)ソース71が図6に示すように構成される場合、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とは、CECライン84及び信号線141を用いた半二重通信が可能であるので、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72には、CECライン84及び信号線141を用いたIP通信を行う旨のチャンネル情報が送信されてくる。HDMI(R)シンク72は、スイッチ135及びCECライン84を介してHDMI(R)ソース71から送信されてきたチャンネル情報を受信し、チャンネル情報を受信したと判定する。
これに対して、HDMI(R)ソース71が半二重通信を行う機能を有していない場合、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72には、チャンネル情報が送信されてこないので、HDMI(R)シンク72は、チャンネル情報を受信していないと判定する。
ステップS44において、チャンネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS45に進み、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてトランスミッタ81からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
ステップS46において、HDMI(R)シンク72の各部は、半二重通信方式により、HDMI(R)ソース71との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部134は、タイミング制御部123の制御に基づいてHDMI(R)シンク72から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ135に供給し、他方の部分信号を信号線141を介してトランスミッタ81に送信する。スイッチ135は、変換部134から供給された部分信号を、CECライン84を介してトランスミッタ81に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がHDMI(R)シンク72からHDMI(R)ソース71に送信される。
また、データの受信時において、復号部136は、トランスミッタ81から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してトランスミッタ81から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、及び信号線141を介してトランスミッタ81から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、HDMI(R)シンク72に出力する。
これにより、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
また、ステップS44において、チャンネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS47において、HDMI(R)シンク72の各部は、CEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)ソース71との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
すなわち、データの送信時において、HDMI(R)シンク72は、スイッチ135及びCECライン84を介して、CEC信号をトランスミッタ81に送信し、データの受信時において、HDMI(R)シンク72は、スイッチ135及びCECライン84を介してトランスミッタ81から送信されてきたCEC信号を受信することで、HDMI(R)ソース71との制御データの授受を行う。
このようにして、HDMI(R)シンク72は、チャンネル情報を受信すると、HDMI(R)ソース71と、CECライン84及び信号線141を用いて半二重通信を行う。
このように、HDMI(R)シンク72がスイッチ135を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、HDMI(R)ソース71とCECライン84及び信号線141を用いた半二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
また、HDMI(R)ソース71が図7に示す構成とされる場合、HDMI(R)ソース71は、通信処理において、E-EDIDに含まれる全二重フラグに基づいてHDMI(R)シンク72が全二重通信を行う機能を有しているかを判定し、その判定結果に応じた双方向の通信を行う。
以下、図12のフローチャートを参照して、図7に示したHDMI(R)ソース71による通信処理について説明する。
ステップS71において、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)ソース71に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。ステップS71において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
これに対して、ステップS71において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS72において、切り換え制御部971は、スイッチ181及びスイッチ182を制御し、データの送信時において、スイッチ181によりHDMI(R)ソース71からのSDA信号が選択され、スイッチ182によりHDMI(R)ソース71からのSCL信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ181によりレシーバ82からのSDA信号が選択されるように、スイッチ181及びスイッチ182を切り換える。
ステップS73において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時においてHDMI(R)ソース71からのCEC信号が選択され、データの受信時においてレシーバ82からのCEC信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。
ステップS74において、HDMI(R)ソース71は、DDC83のSDAライン191を介してHDMI(R)シンク72から送信されてきたE-EDIDを受信する。すなわち、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71の接続を検出するとEDIDROM85からE-EDIDを読み出し、読み出したE-EDIDを、DDC83のSDAライン191を介してHDMI(R)ソース71に送信するので、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から送信されてきたE-EDIDを受信する。
ステップS75において、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から受信したE-EDIDを参照して、図9の全二重フラグ"Full Duplex"がセットされているか否かを判定し、たとえば全二重フラグがセットされている場合、HDMI(R)ソース71は、全二重通信方式による双方向のIP通信、つまり全二重通信が可能であると判定する。
ステップS75において、全二重通信が可能であると判定された場合、ステップS76において、切り換え制御部971は、スイッチ181及びスイッチ182を制御し、データの受信時において、レシーバ82からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181及びスイッチ182を切り換える。
すなわち、切り換え制御部971は、データの受信時において、レシーバ82から送信されてくる、Rxデータに対応した差動信号を構成する部分信号のうち、SDAライン191を介して送信されてくる部分信号がスイッチ181により選択され、SCLライン192を介して送信されてくる部分信号がスイッチ182により選択されるように、スイッチ181及びスイッチ182を切り換える。
DDC83を構成するSDAライン191及びSCLライン192は、HDMI(R)シンク72からHDMI(R)ソース71にE-EDIDが送信された後は利用されないので、つまりSDAライン191及びSCLライン192を介したSDA信号やSCL信号の送受信は行われないので、スイッチ181及びスイッチ182を切り換えて、SDAライン191及びSCLライン192を、全二重通信によるRxデータの伝送路として利用することができる。
ステップS77において、HDMI(R)ソース71は、双方向の通信のチャンネルを示すチャンネル情報として、CECライン84及び信号線141と、SDAライン191及びSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信する。
すなわち、全二重フラグがセットされている場合、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72が図7に示した構成であり、CECライン84及び信号線141と、SDAライン191及びSCLライン192とを用いた全二重通信が可能であることが分かるので、チャンネル情報をHDMI(R)シンク72に送信して、全二重通信を行う旨を通知する。
ステップS78において、切り換え制御部121はスイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。すなわち、切り換え制御部121は、変換部131からスイッチ133に供給された、Txデータに対応する差動信号の部分信号が選択されるようにスイッチ133を切り換える。
ステップS79において、HDMI(R)ソース71の各部は、全二重通信方式により、HDMI(R)シンク72との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部131は、HDMI(R)ソース71から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133に供給し、他方の部分信号を信号線141を介してレシーバ82に送信する。スイッチ133は、変換部131から供給された部分信号を、CECライン84を介してレシーバ82に送信する。これにより、Txデータに対応する差動信号がHDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72に送信される。
また、データの受信時において、復号部183は、レシーバ82から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ181は、SDAライン191を介してレシーバ82から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。また、スイッチ182は、SCLライン192を介してレシーバ82から送信されてきた、Rxデータに対応する差動信号の他方の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部183に供給する。復号部183は、スイッチ181及びスイッチ182から供給された部分信号からなる差動信号を、元のデータであるRxデータに復号し、HDMI(R)ソース71に出力する。
これにより、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
また、ステップS75において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS80において、HDMI(R)ソース71の各部は、CEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)シンク72との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
すなわち、データの送信時において、HDMI(R)ソース71は、スイッチ133及びCECライン84を介して、CEC信号をレシーバ82に送信し、データの受信時において、HDMI(R)ソース71は、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82から送信されてきたCEC信号を受信することで、HDMI(R)シンク72との制御データの授受を行う。
このようにして、HDMI(R)ソース71は、全二重フラグを参照し、全二重通信が可能なHDMI(R)シンク72と、CECライン84及び信号線141、並びにSDAライン191及びSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
このように、スイッチ133、スイッチ181、及びスイッチ182を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、HDMI(R)シンク72とCECライン84及び信号線141、並びにSDAライン191及びSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
また、HDMI(R)シンク72が図7に示した構成とされる場合においても、HDMI(R)シンク72は、図6に示したHDMI(R)シンク72における場合と同様に、通信処理を行って、HDMI(R)ソース71との双方向の通信を行う。
以下、図13のフローチャートを参照して、図7に示したHDMI(R)シンク72による通信処理について説明する。
ステップS111において、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)シンク72に新たな電子機器が接続されたか否かを判定する。ステップS111において、新たな電子機器が接続されていないと判定された場合、通信は行われないので、通信処理は終了する。
これに対して、ステップS111において、新たな電子機器が接続されたと判定された場合、ステップS112において、切り換え制御部972は、スイッチ185及びスイッチ186を制御し、データの送信時において、スイッチ185によりHDMI(R)シンク72からのSDA信号が選択され、さらにデータの受信時において、スイッチ185によりトランスミッタ81からのSDA信号が選択され、スイッチ186によりトランスミッタ81からのSCL信号が選択されるように、スイッチ185及びスイッチ186を切り換える。
ステップS113において、切り換え制御部124はスイッチ135を制御し、データの送信時においてHDMI(R)シンク72からのCEC信号が選択され、データの受信時においてトランスミッタ81からのCEC信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
ステップS114において、HDMI(R)シンク72は、EDIDROM85からE-EDIDを読み出し、読み出したE-EDIDを、スイッチ185及びDDC83のSDAライン191を介してHDMI(R)ソース71に送信する。
ステップS115において、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71から送信されてきたチャンネル情報を受信したか否かを判定する。
すなわち、HDMI(R)ソース71からは、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72が有する機能に応じて、双方向の通信のチャンネルを示すチャンネル情報が送信されてくる。たとえば、HDMI(R)ソース71が図7に示すように構成される場合、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とは全二重通信が可能であるので、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72には、CECライン84及び信号線141と、SDAライン191及びSCLライン192とを用いた全二重通信方式によるIP通信を行う旨のチャンネル情報が送信されてくるので、HDMI(R)シンク72は、スイッチ135及びCECライン84を介してHDMI(R)ソース71から送信されてきたチャンネル情報を受信し、チャンネル情報を受信したと判定する。
これに対して、HDMI(R)ソース71が全二重通信を行う機能を有していない場合、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72には、チャンネル情報が送信されてこないので、HDMI(R)シンク72は、チャンネル情報を受信していないと判定する。
ステップS115において、チャンネル情報を受信したと判定された場合、処理はステップS116に進み、切り換え制御部972は、スイッチ185及びスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185及びスイッチ186を切り換える。
ステップS117において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの受信時においてトランスミッタ81からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
ステップS118において、HDMI(R)シンク72の各部は、全二重通信方式により、HDMI(R)ソース71との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。すなわち、データの送信時において、変換部184は、HDMI(R)シンク72から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ185に供給し、他方の部分信号をスイッチ186に供給する。スイッチ185及びスイッチ186は、変換部184から供給された部分信号を、SDAライン191及びSCLライン192を介してトランスミッタ81に送信する。これにより、Rxデータに対応する差動信号がHDMI(R)シンク72からHDMI(R)ソース71に送信される。
また、データの受信時において、復号部136は、トランスミッタ81から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信する。すなわち、スイッチ135は、CECライン84を介してトランスミッタ81から送信されてきた、Txデータに対応する差動信号の部分信号を受信し、受信した部分信号を復号部136に供給する。復号部136は、スイッチ135から供給された部分信号、及び信号線141を介してトランスミッタ81から供給された部分信号からなる差動信号を元のデータであるTxデータに復号し、HDMI(R)シンク72に出力する。
これにより、HDMI(R)シンク72は、HDMI(R)ソース71と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
また、ステップS115において、チャンネル情報を受信していないと判定された場合、ステップS119において、HDMI(R)シンク72の各部は、CEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)ソース71との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
このようにして、HDMI(R)シンク72は、チャンネル情報を受信すると、HDMI(R)ソース71と、CECライン84及び信号線141、並びにSDAライン191及びSCLライン192を用いて全二重通信を行う。
このように、HDMI(R)シンク72がスイッチ135、スイッチ185、及びスイッチ186を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、HDMI(R)ソース71とCECライン84及び信号線141、並びにSDAライン191及びSCLライン192を用いた全二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことができる。
なお、図7の例では、HDMI(R)ソース71は、CECライン84及び信号線141に変換部131が接続され、SDAライン191及びSCLライン192に復号部183が接続された構成とされているが、CECライン84及び信号線141に復号部183が接続され、SDAライン191及びSCLライン192に変換部131が接続された構成とされてもよい。
そのような場合、スイッチ181及びスイッチ182がCECライン84及び信号線141に接続されるとともに復号部183に接続され、スイッチ133がSDAライン191に接続されるとともに変換部131に接続される。
また、図7のHDMI(R)シンク72についても同様に、CECライン84及び信号線141に変換部184が接続され、SDAライン191及びSCLライン192に復号部136が接続された構成とされてもよい。そのような場合、スイッチ185及びスイッチ186がCECライン84及び信号線141に接続されるとともに変換部184に接続され、スイッチ135がSDAライン191に接続されるとともに復号部136に接続される。
さらに、図6において、CECライン84及び信号線141が、SDAライン191及びSCLライン192とされてもよい。つまり、HDMI(R)ソース71の変換部131及び復号部132と、HDMI(R)シンク72の変換部134及び復号部136とがSDAライン191及びSCLライン192に接続され、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とが半二重通信方式によるIP通信を行うようにしてもよい。さらに、この場合、信号線141が接続されるコネクタの空きピンを用いて電子機器の接続を検出するようにしてもよい。
さらに、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72のそれぞれが、半二重通信を行う機能、及び全二重通信を行う機能の両方を有するようにしてもよい。そのような場合、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、接続された電子機器の有する機能に応じて、半二重通信方式または全二重通信方式によるIP通信を行うことができる。
HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72のそれぞれが、半二重通信を行う機能、及び全二重通信を行う機能の両方を有する場合、HDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72は、たとえば図14に示すように構成される。なお、図14において、図6または図7にける場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図14に示すHDMI(R)ソース71は、トランスミッタ81、切り換え制御部121、タイミング制御部122、及び切り換え制御部971から構成され、トランスミッタ81には、変換部131、復号部132、スイッチ133、スイッチ181、スイッチ182、及び復号部183が設けられている。すなわち、図14のHDMI(R)ソース71は、図7に示したHDMI(R)ソース71に、図6のタイミング制御部122及び復号部132がさらに設けられた構成とされている。
また、図14に示すHDMI(R)シンク72は、レシーバ82、タイミング制御部123、切り換え制御部124、及び切り換え制御部972から構成され、レシーバ82には、変換部134、スイッチ135、復号部136、変換部184、スイッチ185、及びスイッチ186が設けられている。すなわち、図14のHDMI(R)シンク72は、図7に示したHDMI(R)シンク72に、図6のタイミング制御部123及び変換部134がさらに設けられた構成とされている。
次に、図14のHDMI(R)ソース71及びHDMI(R)シンク72による通信処理について説明する。
まず、図15のフローチャートを参照して、図14のHDMI(R)ソース71による通信処理について説明する。なお、ステップS151乃至ステップS154の処理のそれぞれは、図12のステップS71乃至ステップS74の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
ステップS155において、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72との全二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72から受信したE-EDIDを参照して、図9の全二重フラグ"Full Duplex"がセットされているか否かを判定する。
ステップS155において、全二重通信が可能であると判定された場合、すなわち図14、または図7に示したHDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71に接続されている場合、ステップS156において、切り換え制御部971は、スイッチ181及びスイッチ182を制御し、データの受信時において、レシーバ82からのRxデータに対応する差動信号が選択されるようにスイッチ181及びスイッチ182を切り換える。
一方、ステップS155において、全二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS157において、HDMI(R)ソース71は、半二重通信が可能であるか否かを判定する。すなわち、HDMI(R)ソース71は、受信したE-EDIDを参照して、図9の半二重フラグ"Half Duplex"がセットされているか否かを判定する。換言すれば、HDMI(R)ソース71は、図6に示したHDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71に接続されたか否かを判定する。
ステップS157において、半二重通信が可能であると判定された場合、またはステップS156において、スイッチ181及びスイッチ182が切り換えられた場合、ステップS158において、HDMI(R)ソース71は、チャンネル情報を、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信する。
ここで、ステップS155において全二重通信が可能であると判定された場合には、HDMI(R)シンク72は、全二重通信を行う機能を有しているので、HDMI(R)ソース71は、チャンネル情報として、CECライン84及び信号線141と、SDAライン191及びSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信する。
また、ステップS157において半二重通信が可能であると判定された場合には、HDMI(R)シンク72は、全二重通信を行う機能は有していないが、半二重通信を行う機能を有しているので、HDMI(R)ソース71は、チャンネル情報として、CECライン84及び信号線141を用いたIP通信を行う旨の信号を、スイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信する。
ステップS159において、切り換え制御部121は、スイッチ133を制御し、データの送信時において変換部131からのTxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてレシーバ82から送信されてくるRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ133を切り換える。なお、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とが全二重通信を行う場合には、HDMI(R)ソース71におけるデータの受信時には、レシーバ82から、CECライン84及び信号線141を介してRxデータに対応する差動信号は送信されてこないので、復号部132には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
ステップS160において、HDMI(R)ソース71の各部は、HDMI(R)シンク72との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。
すなわち、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72と全二重通信を行う場合、及び半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部131は、HDMI(R)ソース71から供給されたTxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方をスイッチ133及びCECライン84を介してレシーバ82に送信し、他方の部分信号を信号線141を介してレシーバ82に送信する。
また、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72と全二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部183は、レシーバ82から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、HDMI(R)ソース71に出力する。
これに対して、HDMI(R)ソース71がHDMI(R)シンク72と半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部132は、タイミング制御部122の制御に基づいて、レシーバ82から送信されてきたRxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を、元のデータであるRxデータに復号して、HDMI(R)ソース71に出力する。
これにより、HDMI(R)ソース71は、HDMI(R)シンク72と制御データや画素データ、音声データなど、各種のデータの授受を行う。
また、ステップS157において、半二重通信が可能でないと判定された場合、ステップS161において、HDMI(R)ソース71の各部は、CECライン84を介してCEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)シンク72との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
このようにして、HDMI(R)ソース71は、全二重フラグ及び半二重フラグを参照し、通信相手であるHDMI(R)シンク72の有する機能に応じて、全二重通信または半二重通信を行う。
このように、通信相手であるHDMI(R)シンク72の有する機能に応じて、スイッチ133、スイッチ181、及びスイッチ182を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
次に、図16のフローチャートを参照して、図14のHDMI(R)シンク72による通信処理について説明する。なお、ステップS191乃至ステップS194の処理のそれぞれは、図13のステップS111乃至ステップS114の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
ステップS195において、HDMI(R)シンク72は、スイッチ135及びCECライン84を介してHDMI(R)ソース71から送信されてきたチャンネル情報を受信する。なお、HDMI(R)シンク72に接続されているHDMI(R)ソース71が、全二重通信を行う機能も、半二重通信を行う機能も有していない場合には、HDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72には、チャンネル情報は送信されてこないので、HDMI(R)シンク72は、チャンネル情報を受信しない。
ステップS196において、HDMI(R)シンク72は、受信したチャンネル情報に基づいて、全二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、HDMI(R)シンク72は、CECライン84及び信号線141と、SDAライン191及びSCLライン192とを用いたIP通信を行う旨のチャンネル情報を受信した場合、全二重通信を行うと判定する。
ステップS196において、全二重通信を行うと判定された場合、ステップS197において、切り換え制御部972は、スイッチ185及びスイッチ186を制御し、データの送信時において変換部184からのRxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ185及びスイッチ186を切り換える。
また、ステップS196において、全二重通信を行わないと判定された場合、ステップS198において、HDMI(R)シンク72は、受信したチャンネル情報に基づいて、半二重通信を行うか否かを判定する。たとえば、HDMI(R)シンク72は、CECライン84及び信号線141を用いたIP通信を行う旨のチャンネル情報を受信した場合、半二重通信を行うと判定する。
ステップS198において、半二重通信を行うと判定されるか、またはステップS197においてスイッチ185及びスイッチ186が切り換えられた場合、ステップS199において、切り換え制御部124は、スイッチ135を制御し、データの送信時において、変換部134からのRxデータに対応する差動信号が選択され、データの受信時においてトランスミッタ81からのTxデータに対応する差動信号が選択されるように、スイッチ135を切り換える。
なお、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72とが全二重通信を行う場合、HDMI(R)シンク72におけるデータの送信時には、変換部134からトランスミッタ81にRxデータに対応する差動信号が送信されないので、スイッチ135には、Rxデータに対応する差動信号は供給されない。
ステップS200において、HDMI(R)シンク72の各部は、HDMI(R)ソース71との双方向のIP通信を行い、通信処理は終了する。
すなわち、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71と全二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部184は、HDMI(R)シンク72から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ185及びSDAライン191を介してトランスミッタ81に送信し、他方の部分信号をスイッチ186及びSCLライン192を介してトランスミッタ81に送信する。
また、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71と半二重通信を行う場合、データの送信時において、変換部134は、HDMI(R)シンク72から供給されたRxデータを差動信号に変換し、変換により得られた差動信号を構成する部分信号のうちの一方を、スイッチ135及びCECライン84を介してトランスミッタ81に送信し、他方の部分信号を信号線141を介してトランスミッタ81に送信する。
さらに、HDMI(R)シンク72がHDMI(R)ソース71と全二重通信を行う場合、及び半二重通信を行う場合、データの受信時において、復号部136は、トランスミッタ81から送信されてきたTxデータに対応する差動信号を受信し、受信した差動信号を元のデータであるTxデータに復号してHDMI(R)シンク72に出力する。
また、ステップS198において、半二重通信を行わないと判定された場合、すなわち、たとえばチャンネル情報が送信されてこなかった場合、ステップS201において、HDMI(R)シンク72の各部は、CEC信号の送受信を行うことでHDMI(R)ソース71との双方向の通信を行い、通信処理は終了する。
このようにして、HDMI(R)シンク72は、受信したチャンネル情報に応じて、すなわち通信相手であるHDMI(R)ソース71の有する機能に応じて全二重通信または半二重通信を行う。
このように、通信相手であるHDMI(R)ソース71の有する機能に応じて、スイッチ135、スイッチ185、及びスイッチ186を切り換えて送信するデータ、及び受信するデータを選択し、全二重通信または半二重通信を行うことで、従来のHDMI(R)との互換性を保ちつつ、より最適な通信方法を選択して、高速の双方向通信を行うことができる。
また、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたCECライン84及び信号線141と、互いに差動ツイストペア結線されてシールドされ、グランド線に接地されたSDAライン191及びSCLライン192とが含まれているHDMI(R)ケーブル35により、HDMI(R)ソース71と、HDMI(R)シンク72とを接続することで、従来のHDMI(R)ケーブルとの互換性を保ちつつ、半二重通信方式または全二重通信方式による高速の双方向のIP通信を行うことができる。
以上のように、1または複数の送信するデータのうちのいずれかを送信するデータとして選択し、選択したデータを所定の信号線を介して通信相手に送信し、通信相手から送信されてくる1または複数の受信するデータのうちのいずれかを受信するデータとして選択し、選択したデータを受信するようにすることで、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間では、HDMI(R)としての互換性を保ちつつ、つまり、非圧縮の画像の画素データをHDMI(R)ソース71からHDMI(R)シンク72に対して、一方向に高速伝送することができるとともに、HDMI(R)ケーブル35を介して高速の双方向のIP通信を行うことができる。
その結果、HDMI(R)ソース71を内蔵する、たとえば、図2の再生装置33などの電子機器であるソース機器が、DLNA(Digital Living Network Alliance)等のサーバの機能を有し、HDMI(R)シンク72を内蔵する、たとえば、図2のデジタルテレビジョン受像機31などの電子機器であるシンク機器が、Ethernet(登録商標)などのLAN用の通信インターフェースを有している場合には、たとえば、直接またはHDMI(R)ケーブルで接続された増幅器32などの電子機器を介した双方向のIP通信によって、ソース機器からシンク機器に、HDMI(R)ケーブルを介してコンテンツを伝送し、さらに、シンク機器から、そのシンク機器のLAN用の通信インターフェースに接続されている他の機器(たとえば、図2のデジタルテレビジョン受像機34など)に、ソース機器からのコンテンツを伝送することができる。
さらに、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間の双方向のIP通信によれば、HDMI(R)ケーブル35により接続された、HDMI(R)ソース71を内蔵するソース機器と、HDMI(R)シンク72を内蔵するシンク機器との間で、制御のためのコマンドやレスポンスを高速にやりとりすることができ、したがって、レスポンスの速い機器間制御が可能となる。
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、たとえば、HDMI(R)ソース71やHDMI(R)シンク72を制御するマイクロコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図17は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-only Memory)305やROM303に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、入出力インターフェース306で受信し、内蔵するEEPROM305にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)302を内蔵している。CPU302には、バス301を介して、入出力インターフェース306が接続されており、CPU302は、ROM(Read Only Memory)303やEEPROM305に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)304にロードして実行する。これにより、CPU302は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(たとえば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
本実施の形態では、HDMI(R)ソース71とHDMI(R)シンク72との間で、データの選択タイミングや、差動信号の受信タイミング、送信タイミングを必要に応じて制御することにより、双方向のIP通信を行うようにしたが、双方向の通信は、IP以外のプロトコルで行うことが可能である。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
以上説明した実施形態によれば、双方向通信を行うことができる。特に、たとえば非圧縮の画像の画素データと、その画像に付随する音声データとを、一方向に高速伝送することができる通信インターフェースにおいて、互換性を保ちつつ、高速の双方向通信を行うことが可能となる。
ところで、既に述べた技術と重複する部分もあるが、映像音声機器の多くが双方向番組視聴、高度なリモートコントロール、電子番組表の受信などの目的でLAN通信機能を実装しつつある。
映像音声機器間にそのネットワークを形成する手段としてはCAT5のような専用ケーブルの敷設、無線通信、電灯線通信などの選択肢がある。
しかし、専用ケーブルは機器間の接続を煩雑にするし、無線や電灯線接続には複雑な変調回路と送受信機が高価であるという不利益がある。
そこで、前述した実施形態においては、HDMIに新たなコネクタ電極を追加することなくLAN通信機能を追加する技術が開示されている。
HDMIは1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信を行うインターフェースであることから、これにLAN機能が追加されて専用ケーブルも無線等も用いることなくLAN通信が可能になることの優位性は大きい。
ところで、前述した実施形態として開示された技術は、LAN通信に用いる差動伝送路が接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信をかねている。
HDMIにおいては接続機器情報の交換及び認証を行うDDCにも機器制御データの通信を行うCECにも接続機器電気的特性が寄生容量やインピーダンスの点で厳密に制約されている。
具体的には、機器のDDC端子寄生容量は50pF以下でなければならず、インピーダンスはLOW出力時には200Ω以下でグランドGNDに接地されHIGH状態では2kΩ程度で電源にプルアップされている必要がある。
一方、高速の信号を伝達するLAN通信には通信の安定のために送受信端は少なくとも高周波帯域では100Ω程度で終端されていなければならない。
図19は既存のHDMIソース機器401とシンク機器402のDDCラインに常時接続でLAN通信のための送信機404と受信機405をAC結合した状況を示す。
DDCの寄生容量制約を満たすためにはDDCラインに追加されるLAN送受信回路は十分小さな容量を介したAC結合を持つ必要があり、LAN信号が大きく減衰し歪を受けることから、これを補償する送受信回路が複雑で高価になるおそれがある。
また、DDC通信で状態がHIGHとLOWを遷移することはLAN通信を阻害するおそれがある。すなわち、DDC通信期間中はLANが機能しないおそれがある。
そこで、以下では、さらに好適な実施形態として、基本的に、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインターフェースにおいて、LAN通信が1対の差動伝送路を介した双方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知されるという、特徴を有する通信システムについて説明する。
以下に説明する技術では、前述した実施形態のように選択部を必ずしも持つ必要がない。
図18は、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知される通信システムの第1の構成例を示す回路図である。
図19は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)にのせる場合のシステムの構成例を示す図である。
この通信システム400は、図18に示すように、LAN機能拡張HDMI(以下EH)ソース機器401、EHシンク機器402、EHソース機器とEHシンク機器を接続するEHケーブル403、イーサネット(登録商標)トランスミッタ404及びイーサネット(登録商標)レシーバ405を含んで構成されている。
EHソース機器401は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416、プルアップ抵抗421、ローパルスフィルタを形成する抵抗422及び容量423、比較器424、プルダウン抵抗431、ローパスフィルタを形成する抵抗432及び容量433、並びに比較器434を有している。
EHシンク機器402は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446、プルダウン抵抗451、ローパルスフィルタを形成する抵抗452及び容量453、比較器454、チョークコイル461、並びに電源電位と基準電位間に直列接続された抵抗462及び463を有している。
EHケーブル403の中には、リザーブ(Reserved)ライン501とHPDライン502からなる差動伝送路があり、リザーブライン501のソース側端子511とHPDライン502のソース側端子512、リザーブライン501のシンク側端子521とHPDラインのシンク側端子522が形成されている。リザーブライン501とHPDライン502は、差動ツイストペアとして結線されている。
この場合、リザーブ(Reserved)ライン501のソース側端子511及びHPDライン502のソース側端子512は、第2のチャンネル部として機能する。また、リザーブライン501のシンク側端子521及びHPDラインのシンク側端子522は、第4のチャンネル部として機能する。
このような構成を有する通信システム400においては、ソース機器401内において端子511と端子512はAC結合容量413、414を介して終端抵抗412、LAN信号送信回路411、及びLAN信号受信回路415に接続される。
減算回路416は、LAN信号送信回路411が出力した電流が終端抵抗412及び伝送路501、502を負荷として生じる送信信号電圧と、EHシンク機器402が送信した信号である受信信号電圧の和信号SG412を受信する。
減算回路416においては、和信号SG412から送信信号SG411を差し引いた信号SG413がシンクから伝送された正味の信号である。
シンク機器402内にも同様の回路網があり、これらの回路によりソース機器401とシンク機器402が双方向のLAN通信を実行する。
また、HPDライン502は、上述のLAN通信の他にDCバイアスレベルでケーブル403がシンク機器402に接続されたことをソース機器401に伝達する。
シンク機器402内の抵抗462、463とチョークコイル461はケーブル403がシンク機器402に接続されるとHPDライン502を、端子522を介して約4Vにバイアスする。
ソース機器401はHPDライン502のDCバイアスを抵抗432と容量433からなるローパスフィルタで抽出し、比較器434で基準電位Vref2(たとえば1.4V)と比較する。
ケーブル403がソース機器402に接続されていなければ端子512の電位はプルダウン抵抗431で基準電位Vref2より低く、接続されていれば高い。
したがって、比較器434の出力信号SG415がHIGHならばケーブル403とシンク機器402が接続されていることを示す。
一方、比較器434の出力信号SG415がLOWならばケーブル403とシンク機器402が接続されていないことを示す。
本第1の構成例ではさらに、リザーブライン501のDCバイアス電位でケーブル403の両端に接続された機器がEH対応機器であるか、非対応のHDMI機器であるかを相互に認識する機能を有する。
EHソース機器401はリザーブライン501を抵抗421でプルアップ(+5V)し、EHシンク機器402は抵抗451でプルダウンする。
これらの抵抗421,451はEH非対応機器には存在しない。
EHソース機器401は、比較器424で、抵抗422及び容量423からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref1と比較する。
シンク機器402が、EH対応でプルダウンがあるときには、リザーブライン501電位が2.5Vとなり、非対応で開放のときは5Vとなるので基準電位Vref1を3.75Vとすればシンク機器の対応・非対応が識別できる。
シンク機器402は、比較器454で、抵抗452及び容量453からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref3と比較する。
ソース機器401が、EH対応でプルアップ機能を持てば2.5Vとなり、非対応であれば0Vとなるから、基準電位を1.25Vとすればソース機器のEH対応・非対応が識別できる。
このように、本第1の構成例によれば、1本のケーブル403で映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインターフェースにおいて、LAN通信が1対の差動伝送路を介した双方向通信で行われ、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知されることから、物理的にSCLライン、SDAラインをLAN通信につかわない空間的分離を行うことが可能となる。
その結果、その分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
なお、図18に示したプルアップ抵抗421が、EHソース機器401内ではなく、EHケーブル403に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルアップ抵抗421の端子のそれぞれは、EHケーブル403内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、及び電源(電源電位)に接続されるライン(信号線)のそれぞれに接続される。
さらに、図18に示したプルダウン抵抗451及び抵抗463がEHシンク機器402内ではなく、EHケーブル403に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルダウン抵抗451の端子のそれぞれは、EHケーブル403内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、及びグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。また、抵抗463の端子のそれぞれは、EHケーブル403内に設けられたラインのうち、HPDライン502、及びグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。
図20は、伝送路のうちの少なくとも片方のDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知される通信システムの第2の構成例を示す回路図である。
この通信システム600は、基本的に第1の構成例と同様に、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインターフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信でおこなわれ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることを特徴とする。
この通信システム600は、図20に示すように、LAN機能拡張HDMI(以下EH)ソース機器601、EHシンク機器602、EHソース機器とEHシンク機器を接続するEHケーブル603を含んで構成されている。
EHソース機器601は、LAN信号送信回路611、終端抵抗612,613、AC結合容量614〜617、LAN信号受信回路618、インバータ620、抵抗621、ローパルスフィルタを形成する抵抗622及び容量623、比較器624、プルダウン抵抗631、ローパスフィルタを形成する抵抗632及び容量633、比較器634、NORゲート640、アナログスイッチ641〜644、インバータ635、アナログスイッチ646,747、DDCトランシーバ651,652、並びにプルアップ抵抗653,654を有している。
EHシンク機器602は、LAN信号送信回路661、終端抵抗662,663、AC結合容量664〜667、LAN信号受信回路668、プルダウン抵抗671、ローパルスフィルタを形成する抵抗672及び容量673、比較器674、チョークコイル681、電源電位と基準電位間に直列接続された抵抗682及び683、アナログスイッチ691〜694、インバータ695、アナログスイッチ696,697、DDCトランシーバ701,702、並びにプルアップ抵抗703を有している。
EHケーブル603の中には、リザーブライン801とSCLライン803からなる差動伝送路とSDAライン804とHPDライン802からなる差動伝送路があり、それらのソース側端子811と〜814、並びにシンク側端子821〜824が形成されている。
リザーブライン801とSCLライン803、並びにSDAライン804とHPDライン802は、差動ツイストペアとして結線されている。これらに接続される端子811〜814が、第2のチャンネル部として機能する。
このような構成を有する通信システム600においては、ソース機器601内で端子811、813はAC結合容量614、615及びアナログスイッチ641、642を介してLAN送信信号SG611をシンクに送信する送信回路611及び終端抵抗612に接続する。
端子814,812は、AC結合容量616,617とアナログスイッチ643、644を介してシンク機器602からのLAN信号を受信する受信回路618及び終端抵抗613に接続する。
シンク機器602内では、端子821〜824はAC結合要領664,665,666,667とアナログスイッチ691〜694を介して送受信回路668、661と終端抵抗662,663に接続する。
アナログスイッチ641〜644、691〜694はLAN通信を行うときに導通し、DDC通信を行うときは開放にする。
ソース機器601は、端子813と端子814を、別のアナログスイッチ646、647を介してDDCトランシーバ651、652及びプルアップ抵抗653、654に接続する。
シンク機器602は、端子823と端子824を、アナログスイッチ696、697を介してDDCトランシーバ701、702及びプルアップ抵抗703に接続する。
アナログスイッチ646、647,696,697はDDC通信を行うときに導通し、LAN通信を行うときは開放にする。
リザーブライン801の電位によるEH対応機器の認識機構は、ソース機器601の抵抗621がインバータ620に駆動されていること以外は、基本的に、第1の構成例の場合と同じである。
インバータ620の入力がHIGHのとき抵抗621はプルダウン抵抗となるのでシンク機器602からみるとEH非対応機器がつながれたのと同じ0V状態になる。
この結果、シンク機器602のEH対応識別結果を示す信号SG623はLOWとなり、信号SG623で制御されるアナログスイッチ691〜694は開放され、信号SG623をインバータ695で反転した信号で制御されるアナログスイッチ696、697は導通する。
この結果、シンク機器602はSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
一方、ソース機器601ではインバータ620の入力がNORゲート640にも入力されてその出力SG614をLOWにする。
NORゲート640の出力信号SG614に制御されたアナログスイッチ641〜644は開放され、信号SG614をインバータ645で反転した信号で制御されるアナログスイッチ646、647は導通する。
この結果、ソース機器601もSCLライン803とSDAライン804をLAN送受信機から切り離し、DDC送受信機に接続した状態になる。
逆に、インバータ620の入力がLOWのときは、ソース機器601もシンク機器602もともにSCLライン803とSDAライン804をDDC送受信機から切り離し、LAN送受信機に接続した状態になる。
HPDライン802のDCバイアス電位による接続確認のための回路631〜634、681〜683は第1の構成例と同様の機能を有する。
すなわち、HPDライン802は、上述のLAN通信の他にDCバイアスレベルでケーブル803がシンク機器602に接続されたことをソース機器601に伝達する。
シンク機器602内の抵抗682、683とチョークコイル681はケーブル603がシンク機器602に接続されるとHPDライン802を、端子822を介して約4Vにバイアスする。
ソース機器601はHPDライン802のDCバイアスを抵抗632と容量633からなるローパスフィルタで抽出し、比較器634で基準電位Vref2(たとえば1.4V)と比較する。
ケーブル603がソース機器602に接続されていなければ端子812の電位はプルダウン抵抗631で基準電位Vref2より低く、接続されていれば高い。
したがって、比較器634の出力信号SG613がHIGHならばケーブル603とシンク機器602が接続されていることを示す。
一方、比較器634の出力信号SG613がLOWならばケーブル603とシンク機器602が接続されていないことを示す。
このように、本第2の構成例によれば、1本のケーブルで映像と音声のデータ伝送と接続機器情報の交換及び認証と機器制御データの通信とLAN通信を行うインターフェースにおいて、LAN通信が2対の差動伝送路を介する単方向通信でおこなわれ、伝送路のうちの少なくともひとつのDCバイアス電位によってインターフェースの接続状態が通知される構成を有し、さらに、少なくとも二つの伝送路がLAN通信とは時分割で接続機器情報の交換と認証の通信に使われることから、SCLライン、SDAラインをスイッチでLAN通信回路に接続する時間帯とDDC回路に接続する時間帯に分ける時分割を行うことができ、この分割によりDDCに関して規定された電気的仕様と無関係にLAN通信のための回路を形成することができ、安定で確実なLAN通信が安価に実現できる。
なお、図20に示した抵抗621が、EHソース機器601内ではなく、EHケーブル603に設けられているようにしてもよい。そのような場合、抵抗621の端子のそれぞれは、EHケーブル603内に設けられたラインのうち、リザーブライン801、及び電源(電源電位)に接続されるライン(信号線)のそれぞれに接続される。
さらに、図20に示したプルダウン抵抗671及び抵抗683がEHシンク機器602内ではなく、EHケーブル603に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルダウン抵抗671の端子のそれぞれは、EHケーブル603内に設けられたラインのうち、リザーブライン801、及びグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。また、抵抗683の端子のそれぞれは、EHケーブル603内に設けられたラインのうち、HPDライン802、及びグランド(基準電位)に接続されるライン(グランド線)のそれぞれに接続される。
以上説明したように、図2〜図17に関連付けた実施形態では、HDMI19極の中のSDAとSCLを第1の差動ペアとし、CECとReservedを第2のペアとして各々で単方向通信を行なう全二重通信が実現されていた。
ところが、SDAとSCLはHが1.5KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンであり、CECもHが27KΩプルアップでLがローインピーダンスのプルダウンの通信を行なうものである。
既存HDMIとのコンパチビリティを持つためにそれらの機能を保持することは、伝送線路の終端を整合終端する必要がある高速データ通信を行なうLANの機能を共有することは困難となるおそれがある。
そこで、第1の構成例では、SDA、SCL、CECラインを使うのを避けてReservedとHPDを差動のペアとして1対双方向通信による全二重通信を行うように構成した。
HPDはDCレベルによるフラグ信号であるからAC結合によるLAN信号の注入とDCレベルによるプラグ情報の伝送は両立する。Reservedには新たにHPDと類似の方法でDCレベルによるLAN機能を持つ端末であることを相互に認識する機能を追加する。
第2の構成例では、HPDとSDAとSCLとReservedで2対の差動ペアをつくり各々で単方向通信を行なう2対全二重通信を行うように構成した。
HDMIにおいてSDAとSCLによるバースト状のDDC通信は常に送信機がマスターとなりそのタイミングを制御している。
この例では、送信機がDDC通信をするときはSDA、SCLラインをDDC用のトランシーバに接続し、DDC通信を行わないときはラインをLAN用のトランシーバに接続するようにアナログスイッチを操作する。
このスイッチ操作信号はReservedラインのDCレベルで受信機にも伝達され、受信機側でも同様のSW切り替えを行う。
以上の構成を採用することにより、第1の効果としてはSCL、SDA、CEC通信がLAN通信によるノイズを受けることが無くなり、常に安定なDDCとCECの通信が確保できる。
それは、第1の構成例ではLANを物理的にそれらのラインから分離したこと、第2の構成例では、スイッチにてDDC通信中はLAN信号をラインからは切断することにより達成される。
第2の効果としてはLAN通信が理想的な終端をもつラインで行われるのでマージンの大きい安定な通信が可能になること。
これは第1の構成例ではLAN信号がReserved ,HPDというDCでベルしか伝達しないラインに重畳されるためLAN通信に必要な十分広い周波数にわたって終端インピーダンスを理想値に保つことができるのであり、第2の構成例ではLAN通信を行う時にだけスイッチによりDDC通信には許されないLAN用の終端回路が接続されるからである。
図21のA〜Eは、本構成例の通信システムにおける双方向通信波形を示す図である。
図21のAはEHシンク機器から送った信号波形を、図21のBはEHシンク機器が受けた信号波形を、図21のCはケーブルを通る信号波形を、図21のDはEHソース機器が受けた信号を、図21のEはEHソース機器から送った信号波形を、それぞれ示している。
図22は、本発明の一実施の形態に係る映像プログラム視聴システムの構成を示す図である。
この映像プログラム視聴システムは、表示装置10と、その表示装置10に映像データを送信可能な、例えば記録再生装置30とを備える。表示装置10は、典型的にはテレビジョン受像機であり、HDMI(R)規格の伝送ライン1で、記録再生装置30と接続されている。
図23は、表示装置10の構成例を示した図である。テレビジョン受像機として構成された表示装置10は、HDMIケーブル1(図22)を接続するためのHDMI端子91を備える。このHDMI端子91は、映像データなどが入力される端子であり、HDMI受信処理部92により入力された少なくとも映像データの入力処理を行う。HDMIにより映像データが入力される機器をシンク機器と言う場合もある。このHDMI受信処理部92での入力処理は、HDMI受信制御部93の制御で実行される。制御データなどの一部のデータについては、HDMI受信制御部93の制御で、HDMI受信処理部92からHDMI端子91に接続されたケーブル1に送信可能とされる。
HDMI端子91を使用した伝送は、この表示装置10全体の動作を制御する制御部97により制御される。映像表示処理部98は、HDMI端子91で受信した映像データ、あるいはチューナ27で受信した映像データを、表示用に処理し、表示パネル99に表示させる。表示パネルとしては、液晶表示パネルなどの各種映像表示手段が適用可能である。
本実施の形態では、チューナ27は、複数のチャンネル分のコンテンツを受信することができるタイプであってもよい。つまり、チューナ27は、複数のチューナで構成されていてもよい。
コンテンツとは、少なくとも映像データを含むデータを意味する。以下、少なくとも映像データを含むコンテンツを映像コンテンツという場合もある。コンテンツは、典型的には放送番組のコンテンツであるが、これに限られず、映像データのほか、音声データ、テキストデータ、あるいは、これらに付随するデータ等を含む。
また、表示装置10は、音声処理部94を備える。音声処理部94では、HDMI端子91で受信した音声データ、或いはチューナ27で受信した音声データを音声処理して、アナログ変換された音声信号を得る。変換された音声信号は、出力処理部21で増幅などの出力処理をして、接続されたスピーカ22L,22Rから出力させる。
表示装置10のHDMI端子91を介して受信可能な映像コンテンツのリストは、制御部97の制御でHDMIコンテンツリスト記憶部25に記憶させる。制御部97は、HDMI端子91に接続された機器と制御データのやり取りの段階で、その相手の機器からそのコンテンツのリストを取得し、受信処理部92で受信したデータをHDMIコンテンツリスト記憶部25に記憶させる。さらに、HDMI端子91を介したデータ伝送状態については、HDMIステータス記憶部26が記憶する。このHDMIステータス記憶部26に記憶されるステータスとしては、典型的には、映像コンテンツを受信している際に、その受信中のコンテンツを特定するのに必要なデータと、映像コンテンツを受信(再生)した区間のデータとがある。
表示装置10としては、テレビジョン受像機に限られず、例えばチューナ27を有していない表示装置も考えられる。
記録再生装置30の代わりとして、コンテンツを記憶可能な装置であれば何でもよく、チューナ27を有しない装置でもよい。
コンテンツ再生位置記憶部28は、表示装置10のHDMI端子91を介して受信して再生(視聴)した映像コンテンツの再生位置を記憶する。制御部97は、その記憶部28が記憶した再生位置を判別する。
図24は、記録再生装置30の構成例を示した図である。映像コンテンツ(映像プログラム)を受信して記録し、その記録された映像コンテンツを再生するビデオレコーダとして構成された記録再生装置30は、HDMIケーブル1(図22)を接続するためのHDMI端子101を備える。このHDMI端子101は、映像データなどを出力する端子であり、HDMI送信処理部102が映像データ及び/または音声データの出力処理を行う。HDMIにより映像データを出力する機器をソース機器と言う場合もある。このHDMI送信処理部102での入力処理は、HDMI送信制御部103の制御で実行される。制御データなどの一部のデータは、HDMI送信制御部103の制御により、ケーブルで接続された相手の機器(入力機器)に送信される。相手の機器から伝送された制御データなどのデータについては、HDMI送信制御部103が判別する。
HDMI端子101を使用した伝送は、この記録再生装置30全体の動作を制御する制御部104により制御される。記録再生装置30内には、映像コンテンツ(放送番組、映画などの映像プログラム)を蓄積するコンテンツ記憶部42を備える。コンテンツ記憶部42は、典型的には、大容量のハードディスクで構成されるが、固体メモリ、光記録媒体等のデバイスが用いられてもよい。コンテンツ記憶部42での映像コンテンツの記憶(記録)と、その記憶されたコンテンツの再生処理は、コンテンツ記録再生部43で実行される。コンテンツ記録再生部43で再生処理された映像コンテンツは、HDMI端子101から出力される。
コンテンツ記憶部42に記憶されたコンテンツのリストについては、コンテンツリスト記憶部41に記憶してある。コンテンツリスト記憶部41は、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または固体メモリ等の記憶媒体が用いられればよい。
コンテンツ記憶部42に記憶されるコンテンツのリストとしては、映像コンテンツが放送番組である場合には、放送番組に関するEPG(Electronic Program Guide)を利用して、番組タイトル、放送日時、長さ(記録時間)、出演者、番組内容などを記憶したリストである。映像コンテンツがビデオカメラ装置で撮影された映像コンテンツである場合には、撮影日時、タイトル、長さなどを記憶したリストである。
また、本例の場合には、それぞれの映像コンテンツのリストに、インデックス用映像が用意され、そのインデックス用映像が表示装置10側に送信される。インデックス用映像には、典型的には、映像コンテンツの映像データが、小サイズ化、縮小化、または間引き(以下、小サイズ化等)された画像が含まれる画像である。これら小サイズ化等された画像の例として、いわゆるサムネイル画像が挙げられる。このインデックス用映像の送信処理例については後述する。
次に、記録再生装置30のHDMI端子101と、表示装置10のHDMI端子91との間で、HDMIケーブル1で伝送される各チャンネルのデータ構成例について説明する。HDMI規格では、図25に示すように、映像データを伝送するチャンネルとして、チャンネル0と、チャンネル1と、チャンネル2の3つのチャンネルが設けられ、さらにピクセルクロックを伝送するクロックチャンネルが設けられている。また、電源の伝送ラインと、DDC(Display Data Channel)ライン及びCEC(Consumer Electronics Control)ラインが設けられている。後述するコンテンツリストの要求、再生位置の指示、及びそれらの指示に対する返送は、例えばこの制御データ伝送チャンネルとしてのCECのチャンネルを利用して行われる。
送信側(記録再生装置30)では、映像データを伝送するチャンネルごとに、データ合成部32A,32B,32Cが送信処理部102内に設けられ、受信側(表示装置10)でも、映像データを伝送するチャンネルごとに、データ分離部12A,12B,12Cが受信処理部92内に設けられている。
各チャンネルの構成について説明する。チャンネル0では、Bデータ(青色データ)のピクセルデータと、垂直同期データと水平同期データと補助データとが伝送される。チャンネル1では、Gデータ(緑色データ)のピクセルデータと、2種類の制御データ(CTL0,CTL1)と、補助データとが伝送される。チャンネル2では、Rデータ(赤色データ)のピクセルデータと、2種類の制御データ(CTL2,CTL3)と、補助データとが伝送される。
図26は、本実施の形態の伝送構成で伝送される、1フレームのライン構成及びピクセル構成を示した図である。伝送される映像データ(主映像データ)は、非圧縮データであり、垂直ブランキングエリア及び水平ブランキングエリアが付加されている。図26の例では、表示される映像エリア(アクティブ映像エリアとして示すエリア)として、480ライン×720ピクセルのピクセルデータの例であり、ブランキングエリアまで含めたライン数及びピクセル数として525ライン及び858ピクセルとされている。ブランキングエリア中のダブルハッチングで示すエリアはデータアイランドと称される、補助データを付加することが可能な期間である。
次に、記録再生装置30から表示装置10に、HDMIケーブル1を使用して映像データを伝送するための構成及び処理について説明する。ここでは、記録再生装置30から表示装置10に、1本のHDMIケーブル1により複数の映像データが伝送される例を説明し、以下の説明では、複数の映像データの送信処理を中心に説明する。また、図27〜30の説明は、実質的には本発明の典型的な実施の形態である第4の実施の形態(後述する)を理解するための補助になるものである。
記録再生装置30での映像データの送信処理を実現するためのブロック構成を、図27を参照して説明する。図27に示した構成は、図24に示した制御部104の制御の下に実行される。
例えば、記録再生装置30は、事前にアンテナ入力端子44aを通して放送信号をチューナ部44で受信し、コンテンツ記憶部42の典型例としての大容量記憶装置42に記憶してある。
サイズ・圧縮方式変換部45は、チューナ部44で受信された映像データのサイズを縮小したり、圧縮(エンコード)方式を所定の圧縮方式に変換したりする。例えば、サイズ・圧縮方式変換部45は、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の放送信号とは異なる圧縮方式(コーデック)で蓄積する場合、その圧縮方式を変換する。サイズ・圧縮方式変換部45により圧縮方式が変換されない場合には、放送信号の圧縮方式で圧縮されたままの映像データが、大容量記憶装置42に記憶されればよい。コーデックは、MPEG以外にも、WMV(Windows(登録商標) Media Video)、DivX、あるいはその他のコーデック等、何でもよい。
大容量記憶装置42に記憶された圧縮された映像データは、それぞれ個別の映像データごとに、デコード部111a,111b,……111nにより非圧縮映像データに変換される。
サイズ変換部112a,112b,……112nは、上記非圧縮の映像データに変換された後のデータを送信するために、必要なサイズに変換し、HDMI送信処理部102(図24)内のスイッチ部32aへ供給される。典型的には、サイズ変換部112a〜112nは、データを小サイズ化等する。
スイッチ部32aは、複数の映像データの中から1つの映像データを選択する。また、スイッチ部32aは、ピクセル判別部32dにより判別されたピクセルを選択し、これをインターフェース(IF)部32bに送信する。
クロック生成部32cは、インターフェース(IF)部32bとピクセル判別部32dとにクロックを供給する。ここでは、クロック生成部32cは、少なくともピクセルクロックを生成する。
IF部32bは、HDMI送信処理部102が有する機能であり、供給されるクロックに応じて、スイッチ部32aから送信される映像データをHDMI端子101に送信する。
ピクセル判別部32dは、スイッチ部32aにより選択された1つの映像データの1つのフレーム内の全ピクセルデータのうち、スイッチ部32aにどのピクセルを選択させるべきかを判別する。これにより、スイッチ部32aは、1つの映像データの1フレーム内のピクセルデータを連続して送信するのではなく、複数の映像データのピクセルデータをそれら複数の映像データで順に1チャンネル分で1つずつ送信する。
例えば、図33に示すように、フレームJ,フレームK,フレームLと3つの映像データが伝送される場合、ピクセル判別部32dは、ピクセル0を、フレームJ,K,Lの順に連続して送信させ、その後、ピクセル1に関して同様に処理する。またその後、ピクセル判別部32dは、ピクセル2に関して同様に処理し、以降、これらの動作を繰り返す。このため、クロック生成部32cは、生成したピクセルクロックを、IF部32bと、ピクセル判別部32dとに供給する。これにより、IF部32bからのデータの送信タイミングと、スイッチングのタイミングとの同期が取られる。
受信側(表示装置10側)は、同時に受信した3つのフレームJ,フレームK,フレームLを、例えば、1つの画面上に縮小して並べて表示させる。例えば、動画像のサムネイル画像の場合には、表示装置10でコンテンツリストが表示される際に、制御部97は、その動画像を並べて表示させ、ユーザにその表示された動画像の中から、再生するコンテンツを選択させる。
図28は、図27のように記録再生装置30からHDMIケーブル1に送信された映像データを、表示装置10が受信する処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図28に示した構成は、図23に示した制御部97の制御の下に実行される。
表示装置10は、クロック部12cで受信したピクセルクロックに同期して、インターフェース部12aで映像データを受信し、スイッチ部12bに供給する。ピクセル判別部12dは、受信したピクセルデータがどの映像データに属し、フレーム内のどの座標位置(x,y)に対応するピクセルかを判別する。スイッチ部12bは、ピクセル判別部12dの判別に応じて、複数の映像データをそれぞれ個別に蓄積する画像メモリ121a,121b,……121nに、ピクセル単位で分類して供給する。画像合成部222は、必要に応じて、画像メモリ121a,121b,……121nに蓄積された各映像データと、テキストなどの付加画像を生成する付加画像生成部223から得られる映像とを合成する。これにより、一画面の合成画像データが生成される。その合成画像は表示パネル99で表示される。つまり、表示装置10は、小サイズ化された複数の映像を1画面で表示することができる。
次に、図27に示した構成での動作を、図29のフローチャートを参照して説明する。
制御部104は、送信する複数の映像データを各々適切なサイズに変換する(ステップS11)。制御部104は、受信側である表示装置10と送受信の同期をとるための同期信号を送信する(ステップS12)。制御部104は、現在がブランキングエリアであるか否かを確認し(ステップS13)、ブランキングエリアの場合はブランキングエリアで送信する制御データなどを送信し(ステップS14)、ステップS12からの処理を繰り返す。
ステップS13でブランキングエリアでない場合は、制御部104は、映像データを送信する。そこで、制御部104は、フレーム内のピクセルの座標(x,y)及びフレーム番号を初期化して(ステップS15,S16)、ピクセル判別部32dにより指定されたフレーム内の座標(x0,y0)のピクセルデータを送信する(ステップS17)。フレーム番号は、典型的には、そのフレームごとに付けられたシーケンシャルな番号である。次に、制御部104は、送信する映像データのフレーム(またはそのフレーム番号)をスイッチ部32aにより変更する(ステップS18)。その変更後のフレームにおいて、ステップS17で送信したピクセルの座標(x0,y0)と同じ座標(x0,y0)のピクセルデータを送信する。
制御部104は、全ての映像データの1つのフレームについての、同じ座標(x0,y0)のピクセルデータが送信されたか否かを確認する(ステップS19)。まだ送信されていないフレームの座標(x0,y0)のピクセルデータがあるならば、制御部104は、ステップS17に戻って、その映像データのフレームの同じ座標(x0,y0)のピクセルデータを送信する。
制御部104は、全ての映像データの1つのフレーム内における座標(x0,y0)のピクセルデータを送信した場合には、座標を1つずつ水平方向に移動させていく(ステップS20)。すなわち、座標(x0,y0)の次は、座標(x1,y0)、その次は、座標(x2,y0)、・・・というように、送信対象となるピクセルデータの座標が水平方向に移動される。
制御部104は、送信対象となるピクセルデータの座標(x,y)が、水平方向のラインの終端まで来ていないか確認し(ステップS21)、終端まで来ていなければ、ステップS16に戻って、送信するフレームを選択して、同様の処理を繰り返す。
また、制御部104は、ラインの端まで水平移動して1ラインのピクセルデータを送信した場合には、座標を垂直方向に移動する(ステップS22)。制御部104は、全ライン分のピクセルデータの送信が完了したか確認し(ステップS23)、未完了であれば、ステップS12から処理を繰り返す。
次に、図28に示した構成での動作を、図30のフローチャートを参照して説明する。制御部97は、同期信号(ピクセルクロック)の到着を待って同期をとり(ステップS31)、現在がブランキングエリアであるか否かを確認する(ステップS32)。現在がブランキングエリアであれば、制御部97は、HDMI端子91及びIF部12aを介して、ブランキングエリアの信号を受信する(ステップS33)。
ブランキングエリアでない場合は、制御部97は、フレーム内のピクセルの座標(x,y)及びフレーム番号を初期化する(ステップS34,S35)。そして制御部97は、スイッチ部12bで選択された映像データのフレーム番号に対応するフレーム内で、ピクセル判別部12dで指定された座標(x0,y0)のピクセルデータを受信する(ステップS36)。制御部97は、受信したピクセルデータを、画像メモリ121a,121b,……121nのうち1つの画像メモリ(例えば121a)に蓄積する。
制御部97は、映像データのフレーム(またはそのフレーム番号)をスイッチ部12bにより変更する(ステップS37)。その変更後のフレームにおいて、前回受信したピクセルの座標(x0,y0)と同じ座標(x0,y0)のピクセルデータを受信する。受信されたピクセルデータは、次の画像メモリ121bに蓄積する。
制御部97は、全ての映像データの1つのフレームについての、同じ座標(x0,y0)のピクセルデータが受信されたか否かを確認する(ステップS38)。まだ受信されていないフレームの座標(x0,y0)のピクセルデータがあるならば、制御部97は、ステップS36に戻って、その映像データのフレームの同じ座標(x0,y0)のピクセルデータを受信する。
制御部97は、全ての映像データの1つのフレーム内における座標(x0,y0)のピクセルデータを受信した場合には、座標を1つずつ水平方向に移動させていく(ステップS39)。すなわち、座標(x0,y0)の次は、座標(x1,y0)、その次は、座標(x2,y0)、・・・というように、受信対象となるピクセルデータの座標が水平方向に移動される。
制御部97は、受信対象となるピクセルデータの座標(x,y)が、水平方向のラインの終端まで来ていないか確認し(ステップS40)、終端まで来ていなければ、ステップS35に戻って、受信するフレームを選択して、同様の処理を繰り返す。
また、制御部97は、ラインの端まで水平移動して1ラインのピクセルデータを受信した場合には、座標を垂直方向に移動する(ステップS41)。制御部97は、全ライン分のピクセルデータの受信が完了したか確認し(ステップS42)、未完了であれば、ステップS31から処理を繰り返す。
なお、本実施の形態のように1ピクセル単位で複数の映像データを伝送する場合には、映像送信装置(記録再生装置30)から映像受信装置(表示装置10)に、HDMIケーブル1内の制御データ伝送用のチャンネル(例えば図25に示したDDCチャンネル)を使用して、伝送対象となるデータが以上のようなデータの構成であることを知らせる。すなわち、伝送対象となるデータが、例えば、制御データとして送信されるパケットの1つである、AVI(Auxiliary Video Information)のインフォフレーム(InfoFrame)のパケットヘッダ(図31参照)と、そのパケットヘッダに続くパケット(図32参照)とでなるデータであることが伝えられる。図32に示すように、各映像データの配置位置の詳細データが伝送され、受信側でこのデータが判別され正しく分離される。
ここで、図45は、HDMI規格のインターフェースで、原色データ(Rデータ,Gデータ,Bデータ)が伝送される場合の、従来の一般的な例を示す図である。映像データについては、チャンネル0とチャンネル1とチャンネル2との3つのチャンネルで、BデータとGデータとRデータとを個別に伝送される。図45の例では、ピクセル0、ピクセル1、ピクセル2、ピクセル3、ピクセル4の5画素のデータが送られる期間を示してあり、それぞれのチャンネルの1ピクセルのデータが8ビットで構成されている。
すなわち、Bデータ(青データ)については、チャンネル0を使用して、ピクセル0の期間に、8ビットのB0データが送られ、以下、8ビットのB1データ、B2データ、B3データ、B4データがピクセルクロック(図示せず)に同期して順に送られる。Gデータ(緑データ)については、チャンネル1を使用して、ピクセル0の期間に、8ビットのG0データが送られ、以下、8ビットのG1データ、G2データ、G3データ、G4データがピクセルクロックに同期して順に送られる。Rデータ(赤データ)については、チャンネル2を使用して、ピクセル0の期間に、8ビットのR0データが送られ、以下、8ビットのR1データ、R2データ、R3データ、R4データがピクセルクロックに同期して順に送られる。図45に示したフェーズ0、フェーズ1、……がそれぞれピクセルクロックの1周期を示している。
図46は、HDMI規格のインターフェースで、コンポーネント映像信号が伝送される場合の、従来の一般的な例を示す図である。図46では、サンプリング方式が4:2:2のYCbCrデータの場合の例が示されている。この場合には、チャンネル0で1ピクセルクロック当り8ビットのデータが伝送されるうちの、4ビットがYデータ(輝度データ)に、4ビットがCデータ(クロマデータ)に割り当てられる。また、チャンネル1の8ビットがYデータに割り当てられ、チャンネル2の8ビットがCデータに割り当てられる。このような構成により、1ピクセルクロック当り12ビットのYデータと12ビットのCデータ(6ビットのCbデータ及び6ビットのCrデータ)が伝送可能となる。
図47は、HDMI規格のインターフェースで、サンプリング方式が4:4:4のYCbCrデータのコンポーネント映像信号が伝送される場合の、従来例を示す図である。この場合には、チャンネル0が1ピクセルクロック当り8ビットのCbデータに割り当てられる。また、チャンネル1が1ピクセルクロック当り8ビットのYデータに割り当てられ、チャンネル2が1ピクセルクロック当り8ビットのCrデータに割り当てられる。このような構成により、1ピクセルクロック当り8ビットのYデータと16ビットのCデータが伝送可能となる。
図33〜図35は、本実施の形態に係るHDMIケーブル1での伝送例を示した図である。図33は、上述したように、フレームJ,フレームK,フレームLと3つの映像データを伝送する場合の例である。図33では、原色データ(Rデータ,Gデータ,Bデータ)を伝送する場合の例であり、チャンネル0とチャンネル1とチャンネル2との3つのチャンネルで、BデータとGデータとRデータとが個別に伝送される。それぞれのチャンネルの1ピクセルのデータが8ビットで構成され、この8ビットデータ(3チャンネル合計で24ビットデータ)が、1ピクセルクロック周期で伝送される。
この場合には、ピクセル0の期間は3ピクセルクロック期間連続する。その3ピクセルクロック期間の最初の1周期でフレームJの24ビットデータが伝送され、次の1周期でフレームKの24ビットデータを伝送され、最後の1周期でフレームLの24ビットデータが伝送される。それ以降、同様に、各ピクセルクロック期間が3クロック周期ずつ設定されて伝送される。
なお、図45に示したように、1フレームのピクセルデータだけが伝送される場合のピクセル数と、図33に示したように、3つの映像データで構成されるフレームのピクセル数が同じ場合には、記録再生装置30のピクセルクロックが約3倍の周波数に設定されればよい。ピクセルクロックが同じ場合には、伝送可能な1フレームのピクセル数が1/3になる。
図34及び図35は、本実施の形態に係るHDMIケーブル1で、コンポーネント映像信号が伝送される場合の例を示す図である。
図34及び図35は、それぞれフレームa及びフレームbの2つの映像データを伝送する場合の例である。図34及び図35に示すように、図46及び図47に示した送信処理が、ピクセルごとに2重に伝送されて、フレームa及びフレームbの2つの映像データを同時に伝送する状態となっている。この場合にも、各映像データの画素数が同じ場合には、ピクセルクロックが高周波数化されればよい。
なお、本例の場合には、各ピクセルで全てのフレームのピクセルデータが送信される。したがって、全てのフレームでピクセル数、すなわち画面サイズを統一することも可能である。しかし、同時に伝送される複数の映像データで、画面サイズが異なっていてもよい。この場合、一番大きなサイズの画面に合わせてピクセル数が決定されればよく、大きなサイズの画面のデータが残っていても問題ない。小さなサイズの画面のデータの送信が、大きなサイズの画面の送信より先に完了されてしまうので、小さなサイズのピクセルの送信期間にはデータが送信さなければよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、1本のケーブルで複数の映像を同時に伝送させることが可能になる。したがって、複数のケーブルを設ける必要がなく、機器の接続構成が簡単になる。
また、本実施の形態では、動画像によるサムネイル表示などのインデックス画像の表示が可能となり、ソース機器が持つ複数のコンテンツを、ユーザは、シンク機器を介して容易に選択することが可能となる。
また、シンク機器が、本実施の形態に係る処理に未対応である場合には、複数伝送された映像データの内の、ユーザにより選択された、または、シンク機器が選択した1つの映像データだけが表示されればよい。この処理は、1つの画素データごとに2重に重ねて伝送するピクセルダブリング処理と同じである。すなわち、HDMI規格に対応したシンク機器の場合には、本実施の形態に係る処理を容易に対処可能であり、映像が乱れるようなことがない。さらに、本実施の形態の処理構成は、ピクセルの重複する数の設定に自由度があるため、無駄なく複数のコンテンツを伝送できる。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図36〜図40を参照して説明する。本実施の形態における基本的な伝送システム構成については、第1の実施の形態で説明した図22〜図26の構成と同じであり、HDMIケーブル1で記録再生装置30と表示装置10とを接続する基本的な構成は同じである。そして本実施の形態においては、複数の映像データを同時に伝送する処理の詳細が第1の実施の形態とは異なる。以下の説明では、相違点を中心に説明し、図27及び図28で示した同様のブロックについては説明を簡略化または省略する。また、図36〜40の説明は、実質的には本発明の典型的な実施の形態である第4の実施の形態(後述する)を理解するための補助になるものである。
図36は、記録再生装置30での映像データの送信処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図36に示した構成は、図24に示した制御部104の制御の下に実行される。
図40を参照して1フレーム内のデータ構成を説明する。図40は、本実施の形態での伝送構成を示した図であり、HDMI規格での1フレームの伝送構成を示した図である。
本実施の形態の場合には、フレームJ,K,L,M,N,O,P,Q,Rの9種類の映像データが1本のHDMIケーブル1で伝送される例である。本来1フレームの映像データのピクセルデータが配置されるアクティブ映像エリアが、9等分に分割されるように、領域J〜Rの9個の各伝送領域が設定されている。領域J〜Rは、フレームJ〜Rにそれぞれ対応する領域であり、フレームJ〜Rが縮小された画像がそれぞれ伝送される領域である。この図40の例では、アクティブ映像エリア全体が480ライン×720ピクセルで構成してあり、1つの分割領域として、160ライン×240ピクセルで構成される。
図36の説明に戻ると、このように伝送領域を分けるために、クロック生成部32cは、映像データを送信するインターフェース部32bに供給するピクセルクロックを、フレーム内領域判別部32eにも供給する。フレーム内領域判別部32eは、現在の送信タイミングが、1つのフレーム内のうちどの領域にあるか、つまり、どのフレームJ〜Rのうち映像データを送信すべきかを判別する。制御部104は、その判別に基づいて、スイッチ部32aの切り替えを制御して、スイッチ部32aは送信する映像データを選択する。
図37は、このようにしてHDMIケーブル1に送信された映像データを、表示装置10が受信する処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図37に示した構成は、図23に示した制御部97の制御の下に実行される。
表示装置10は、クロック部12cで受信したピクセルクロックに同期して、インターフェース部12aでデータを受信し、スイッチ部12bに供給する。フレーム内領域判別部12jは、受信したデータが、フレームJ〜Rの分割領域のうちどの領域に属するものか判別する。スイッチ部12bは、フレーム内領域判別部12jの判別に応じて、複数の映像データをそれぞれ個別に蓄積する画像メモリ121a,121b,……121nに供給する。画像合成部222は、必要に応じて、画像メモリ121a,121b,……121nに蓄積された各映像データと、テキストなどの付加画像を生成する付加画像生成部223から得られる映像とを合成する。その合成画像は表示パネル99で表示される。つまり、表示装置10は、小サイズ化された複数の映像を1画面で表示することができる。
次に、図36に示した構成での動作を、図38のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図29のフローチャートと異なる処理を中心に説明し、同様な処理は簡略化または省略する。
制御部104は、ステップS56の後、フレーム内領域判別部32eにより指定されたフレーム(例えばフレームJ)に対応する領域(例えば領域J)内の座標のピクセルデータを送信する(ステップS57)。制御部104は、フレーム内の、送信すべきピクセルデータの座標を水平方向に移動する(ステップS58)。制御部104は、フレーム内領域判別部32eにより、現在送信している映像データ(例えばフレームJ)に対応する領域(例えば領域J)の境界まで移動したか確認する(ステップS59)。
制御部104は、上記送信すべきピクセルデータの座標がその境界に達していなければ、ステップS57からの処理を繰り返す。制御部104は、その座標が境界に達していたら、1ライン分のピクセルデータの送信が完了したか否かを確認する(ステップS60)。制御部104は、ステップS60において未完了の場合には、送信するフレームを、別のフレームに変更し(ステップS61)、ステップS57からの処理を繰り返す。
制御部104は、1ラインの送信が完了した場合には、座標を垂直方向に移動させ(ステップS62)、領域の境界か否かを確認する(ステップS63)。座標が境界でない場合にはステップS52から処理を繰り返す。制御部104は、座標が領域の境界である場合には、全ライン分のピクセルデータを送信したか確認する(ステップS64)。制御部104は、ステップS64で未完了であれば、送信すべきフレームを別のフレームに変更して(ステップS65)(例えばフレームLからフレームMに変更)、ステップS52からの処理を繰り返す。
次に、図37に示した構成での動作を、図39のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図30のフローチャートと異なる処理を中心に説明し、同様な処理は簡略化または省略する。
制御部97は、ステップS165の後、フレーム内領域判別部12jにより指定されたフレーム(例えばフレームJ)に対応する領域(例えば領域J)内の座標のピクセルデータを受信する(ステップS166)。制御部97は、受信したピクセルデータを、画像メモリ121a,121b,……121nのうち1つの画像メモリ(例えば121a)に蓄積する。
制御部97は、受信すべきフレームに対応する領域内の座標を水平方向に移動する(ステップS167)。制御部97は、フレーム内領域判別部12jによりその座標が領域の境界に達したか確認する(ステップS168)。制御部97は、その座標が領域の境界に達していなければステップS166からの処理を繰り返す。逆にその座標がその領域の境界に達していた場合には、制御部97は、1ライン分のピクセルデータが受信し終わったか確認する(ステップS169)。
ステップS169において未完了の場合には、制御部97は、受信すべきフレームを変更し(ステップS170)、ステップS166から処理を繰り返す。制御部97は、1ライン分のピクセルデータの受信が完了した場合には、座標を垂直方向に移動し(ステップS171)、領域の境界か否か確認する(ステップS172)。
制御部97は、ステップS172において、座標が領域の境界でない場合にはステップS161から処理を繰り返す。制御部97は、ステップS172において、座標が領域の境界である場合には、全ライン分のピクセルデータを受信したか確認する(ステップS173)。制御部97は、ステップS173において未完了であれば、受信すべきフレームを別のフレームに変更して(ステップS174)(例えばフレームLからフレームMに変更)、ステップS161からの処理を繰り返す。
なお、図40に示した1フレーム全体の区切り方は、単に一例を示したものである。図40で示したように、サイズが等分となるような領域に分割されてもよいし、あるいは、サイズが異なる領域に分割されてもよい。この場合、記録再生装置30は、異なるサイズの映像を送信することが可能となる。
また、1フレームに様々な領域が割り当てられた後、1フレームのうち映像データが割り当てられていない領域が存在しても構わない。この場合、伝送上の効率は低下するが、画面サイズの設定の自由度が高められる。
さらに、1つの映像データ中の連続した複数のフレームがそれぞれ小サイズ化されたフレームが、図40のような1フレーム中の複数の領域に割り当てられてもよい。この場合、その連続する複数のフレームのデータの範囲内で、ユーザが早送り、あるいは巻き戻し等のトリックプレイをすることが可能である。
以上説明したように1フレームのデータの領域を複数の領域に分割され、複数の映像データが領域単位で伝送されることで、第1の実施の形態の場合と同様に、1本のケーブルで複数の映像を伝送することが可能となる。
本実施の形態の場合にも、シンク機器である表示装置10は、動画サムネイルなどによる表示が可能となり、ソース機器が持つ複数のコンテンツを容易に選択することが可能となる。
また、シンク機器が本実施の形態の受信処理に未対応であった場合でも、図40に示したように、HDMI規格のフレーム構造は維持されている。したがって、シンク機器である表示装置10は、複数の映像が並んで配置された画面を表示することが可能となり、表示される映像が乱れることがない。図40は一例を示したものであり、画面の領域を細分化すれば、大量の映像を伝送することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施の形態を、図41〜図44を参照して説明する。本実施の形態における基本的な伝送システム構成については、第1の実施の形態で説明した図22〜図26の構成と同じであり、HDMIケーブル1で記録再生装置30と表示装置10とを接続する基本的な構成は同じである。また、図41〜44の説明は、実質的には本発明の典型的な実施の形態である第4の実施の形態(後述する)を理解するための補助になるものである。
本実施の形態においては、複数の映像データを同時に伝送する処理の詳細が、第1及び第2の実施の形態とは異なる。本実施の形態においては、メインの映像データ(非圧縮の映像データ)については、HDMI規格で規定された映像区間(図26のアクティブ映像エリア)で伝送される。その他の映像データは、所定のコーデックで圧縮(エンコード)された映像データとして、ブランキングエリア内のデータアイランドの区間に伝送される。以下の説明では、相違点を中心に説明する。
図41は、記録再生装置30での映像データの送信処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図41に示した構成は、図24に示した制御部104の制御の下に実行される。
大容量記憶装置42に記憶された複数の圧縮映像データのうち、非圧縮の映像データとして伝送される映像データは、デコード部113により復号され、重畳部32fを経由してインターフェース部32bで出力される。
ブランキングエリア判別部32hは、この非圧縮の映像データにおけるブランキングエリアを、クロック生成部32cから供給されるクロックにより判別し、重畳部32fに供給する。これにより、ブランキングエリア判別部32hは、ブランキングエリアにスイッチ部32aからの映像データの信号を重畳する。
なお、本実施の形態では、図27及び図36で示したサイズ変換部112a〜112nがない。図27及び図36では、それらの前段にデコード部111a〜111nが設けられていたため、サイズ変換部112a〜112nが設けられた。しかし、図41に示した形態では、サイズ変換部112a〜112nがなくても、サイズ・圧縮方式変換部45により、圧縮された映像データが、予め小サイズ化等されて大容量記憶装置42に記憶されている。したがって、インデックス用映像の表示には問題ない。
ブランキングエリア内割り当て部32gは、ブランキングエリア判別部32hにより確認されたブランキングエリアに、制御部104から供給されるフレーム番号に基いて、圧縮された映像データを割り当てる。この場合、典型的には、複数の圧縮された映像データが割り当てられる。しかし、1つのフレーム内のブランキングエリアに、1つの圧縮された映像データの1フレームが割り当てられてもよい。また、ブランキングエリア内割り当て部32gは、その圧縮された映像データのフレーム番号、その映像データに関連するデータ等を、ブランキングエリアに割り当てる。
スイッチ部32aは、ブランキングエリア割り当て部32gによる指示に基いて、大容量記憶装置42に記憶された複数の圧縮映像データのうち、圧縮された映像データを選択して、これを重畳部32fへ出力する。
図42は、このようにしてHDMIケーブル1に送信された映像データを、表示装置10が受信する処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図42に示した構成は、図23に示した制御部97の制御の下に実行される。
表示装置10は、クロック部12cで受信したピクセルクロックに同期して、インターフェース部12aでデータを受信し、これを分離部12eに供給する。ブランキングエリア判別部12hには、受信データの同期信号が供給される。これにより、ブランキングエリア判別部12hは、現在がブランキングエリアの期間であるか否かを判別する。
分離部12eは、ブランキングエリア判別部12hの判別に基づき、IF部12aから供給される重畳された映像信号のうち、非圧縮の映像データを画像メモリ126に供給する。また、分離部12eは、ブランキングエリア判別部12hの判別に基づき、IF部12aから供給される重畳された映像信号のうち、圧縮された映像データをスイッチ部12bに供給する。
ブランキングエリア内割り当て部12gは、ブランキングエリア判別部12hにより確認されたブランキングエリア内に割り当てられた、例えばフレーム番号を判別する。スイッチ部12bは、そのフレーム番号の判別に基いて、分離部12eから供給される、圧縮された複数の映像データを分類する。分類された映像データは、それぞれ各デコード部(デコーダ)124a,124b……124nに入力され、非圧縮の映像データにデコードされる。デコードされた非圧縮映像データは、それぞれ各画像メモリ125a,125b……125nに入力される。
画像合成部(合成手段)222は、必要に応じて、画像メモリ125a,125b,……125nに蓄積された各映像データと、テキストなどの付加画像を生成する付加画像生成部223から得られる映像とを合成する。その合成画像は表示パネル99で表示される。つまり、表示装置10は、小サイズ化された複数の映像を1画面で表示することができる。
次に、図41に示した構成での動作を、図43のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図29のフローチャートと異なる処理を中心に説明し、同様な処理は簡略化または省略する。
制御部104は、受信側である表示装置10と送受信の同期をとるための同期信号を送信する(ステップS91)。制御部104は、ブランキングエリアに送信するフレーム番号を初期化し(ステップS92)、現在がブランキングエリアであるか否かを確認する(ステップS93)。現在がブランキングエリアであれば、制御部104は、ステップS101〜S106の処理を実行し、そうでない場合は、ステップS94〜S100の処理を実行する。
現在がブランキングエリアでない場合の処理から説明する。制御部104は、ブランキングエリアでない映像信号の期間で送信する非圧縮の映像データがあるか否か(割り当てられているか否か)を確認する(ステップS94)。非圧縮の映像データがない場合は、制御部104はステップS93からの処理を繰り返し、それがあった場合には、送信するフレーム内の座標を初期化する(ステップS95)。
制御部104は、座標ごとのピクセルデータを送信していく(ステップS96)。制御部104は、座標を水平方向に移動し(ステップS97)、1ライン分のピクセルデータの送信を完了したか否かを確認して(ステップS98)、完了していなければステップS96からの処理を繰り返す。制御部104は、1ライン分のピクセルデータの送信が完了した場合は、座標を垂直方向に移動する(ステップS99)。制御部104は、全ライン分のピクセルデータの送信が完了したか確認し(ステップS100)、完了するまでステップS91からの処理を繰り返す。
一方、ステップS93で、制御部104は、現在がブランキングエリアである場合には、ブランキングエリア内割り当て部12gに指示されるフレーム番号(例えば、番号0とする)に相当する、圧縮された映像データ(例えば、映像データ0とする)の所定の容量分のデータを送信する(ステップS101)。
所定の容量分のデータとは、その映像データ0の1フレーム内の所定のピクセル数分のピクセルデータ、あるいは、その映像データ0の1フレーム内の所定のライン分のデータ等である。
制御部104は、その映像データ0の1フレーム分の送信が完了したか否かを確認し(ステップS102)、未完了の場合にはブランキングエリアが終了したか否かを確認する(ステップS103)。ブランキングエリアがまだ終了していなければ、制御部104は、ステップS101からの処理を繰り返してデータの送信を続け、ブランキングエリアが終了した場合にはステップS91へ戻る。
制御部104は、その映像データ0の1フレーム分の送信が完了した場合には、その映像データ0の全てのフレームの送信が完了したか否かを確認する(ステップS104)。全てのフレームの送信が完了した場合には、制御部104は、ブランキングエリアに送信すべき他の信号を送信して(ステップS105)、ステップS91に戻る。全てのフレームの送信が完了していない場合には、制御部104は、フレーム番号を変更し(番号1に変更し)(ステップS106)、圧縮された映像データ0のフレーム1(フレーム番号1に相当)内の所定の容量分のデータを送信する(ステップS101)。
次に、図42に示した構成での動作を、図44のフローチャートを参照して説明する。
制御部97は、同期信号の到着を待って同期をとり(ステップS211)、ブランキングエリアから受け取るフレーム番号を初期化する(ステップS212)。制御部97は、ブランキングエリア判別部により、現在がブランキングエリアである否かを確認する(ステップS213)。制御部97は、ブランキングエリアである場合は、ステップS221〜S226の処理を実行し、そうでない場合は、ステップS214〜S220の処理を実行する。
ステップS213でブランキングエリアではない場合には、制御部97は、非圧縮の映像データがIF部12aから入力されているか否かを確認する(ステップS214)。制御部97は、非圧縮の映像データが入力されていない場合は、ステップS213からの処理を繰り返す。非圧縮の映像データが入力されている場合、制御部97は、その非圧縮の映像データのフレーム内のピクセルの座標及びそのフレーム番号を初期化する(ステップS215)。そして、制御部97は、その受信した映像データのピクセルデータを受信し(ステップS216)、座標を水平方向に移動し(ステップS217)し、1ライン分のピクセルデータの記録が完了したか否かを確認する(ステップS218)。
制御部97は、1ライン分の受信が完了していない間は、ステップS216からの処理を繰り返し、完了した場合には、座標を垂直方向に移動し(ステップS219)、全ライン分のピクセルデータの受信を完了したか否かを確認する(ステップS220)。全ラインの受信が完了していない場合には、ステップS211からの処理を繰り返す。
一方、制御部97は、ステップS213で現在がブランキングエリアである場合には、ブランキングエリアで受信した、圧縮された映像データ(例えば、映像データ0とする)の1フレームのフレーム番号(例えば番号0とする)と、その1フレーム内のピクセルデータを受信する(ステップS221)。制御部97は、その圧縮された映像データ0の1フレーム分のデータの受信が完了したか否かを確認する(ステップS222)。1フレーム分のデータの受信が完了していない場合、制御部97は、ブランキングエリアが終了したか否かを確認し(ステップS223)、それがまだ終了していなければ、ステップS221に戻って更にピクセルデータの受信する。ブランキングエリアが終了した場合には、制御部97は、ステップS211からの処理を繰り返す。
制御部97は、1フレーム分のピクセルデータの受信が完了した場合には、その映像データ0の全てのフレームの受信が完了したか否かを確認する(ステップS224)。受信が完了した場合には、制御部97は、ブランキングエリアに伝送すべき他の信号を受信し(ステップS225)、ステップS211からの処理を繰り返す。その映像データ0の全てのフレームの受信が完了していない場合には、制御部97は、ブランキングエリア内割り当て部12gにより指定されたフレーム番号に変更し(番号1に変更し)(ステップS226)、ステップS221からの処理を繰り返す。
図43において、ブランキングエリアで送信される、圧縮された映像データは、フレームレートが異なっていても構わない。この場合、様々なサイズの映像を送信することが可能となる。ブランキングエリアで送信される、圧縮された映像データの数は、1つでもよいし、複数であってもよい。
非圧縮の映像データが1フレーム分送信される間に、圧縮された映像データは、1フレーム分ではなく、複数フレーム分送信されてもよい。送信されるデータ量を映像データごとに変更されてもよい。この場合、特定の映像の表示フレーム数を変えることが可能となり、そのフレーム数の範囲内で、ユーザが早送り、あるいは巻き戻し等のトリックプレイをすることが可能である。
以上説明したようにブランキングエリアを利用して複数の映像データが送受信されるので、第1及び第2の実施の形態の場合と同様に、1本のケーブルで複数の映像を伝送することが可能となり、複数のケーブルを設ける必要がなくなる。
本実施の形態では、サムネイル画像による表示が可能となり、ユーザは、シンク機器を介してソース機器上の複数のコンテンツを容易に選択することが可能となる。また、シンク機器が未対応機器の場合は、ブランキングエリア内のデータアイランドの映像データを感知しなければ良いだけなので、接続しても映像が乱れることがない。また、非圧縮の映像データも送信されているため、伝送路で規定された最大の映像に対して、非常に高速に切り替えることが可能である。
なお、ここまで説明した各実施の形態では、非圧縮の映像データを単方向に伝送するHDMI規格の伝送路で説明した例について説明した。しかし、同様にピクセルクロックに同期して非圧縮の映像データを伝送するその他の伝送ラインで、送信側と受信側を接続した場合にも適用可能である。
次に、本発明の典型的な実施の形態である第4の実施の形態を、図48〜図52を参照して説明する。
以下の説明では、上記第1、2または3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図48は、記録再生装置30での映像データの送信処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図48に示した構成は、図24に示した制御部104の制御の下に実行される。図48に示した構成は、図41と異なる点を中心に説明する。
大容量記憶装置42に記憶された複数の圧縮映像データのうち、非圧縮の映像データとして伝送される映像データは、デコード部113により復号され、IF部32bで出力される。
送信データ制御部32iは、図49で示す、後述する受信データ制御部12iとの間で通信する。典型的には、送信データ制御部32iは、大容量記憶装置42に記憶された、圧縮された複数の映像データのうち、いずれの映像データを送信するかの情報、また、送信する映像データの容量の情報等のデータを、受信データ制御部12iに送信する。また、これらの情報のデータは、IF部32bにも供給される。
送信データ制御部32iから出力されるそれらの情報のデータを含む制御信号(送信に関連する制御信号)は、典型的には、端子336及び338を介して受信データ制御部12iに送信される。しかし、この制御信号は、別のライン、例えばCECラインを介して送信されてもよい。
送信データ制御部32i、または、送信データ制御部32i及び制御部104は、制御手段として機能する。
スイッチ部32aは、送信データ制御部32iで指定された映像データ(あるいはその識別番号)に応じて、大容量記憶装置42から供給される複数の映像データのうちの1つを選択して、これをIF部32bに供給する。
IF部32bは、デコード部113でデコードされた映像データを端子335から送信する。また、スイッチ部32aから供給された圧縮された映像データを、端子336を介して送信する。端子335は、上記した第1のチャンネル部に含まれる。例えば、IF部32bがHDMIである場合、端子335はTMDSチャンネル用の端子である。端子336は、上記した第2のチャンネル部に含まれる。例えば、IF部32bがHDMIである場合、端子336は、リザーブライン、HPDライン、SCLライン及びSDAラインにそれぞれ接続される端子のうちの少なくとも1つの端子である。
図49は、このようにしてHDMIケーブル1に送信された映像データを、表示装置10が受信する処理を実現するためのブロック構成を示した図である。図49に示した構成は、図23に示した制御部97の制御の下に実行される。
端子335を介して記録再生装置30から送信された非圧縮の映像データは、端子337を介してIF部32bに入力される。また、端子336を介して記録再生装置30から送信された圧縮された映像データは、端子338を介してIF部32bに入力される。
受信データ制御部12iは、上記のように送信データ制御部32iとの間で通信する。典型的には、受信データ制御部12iは、送信データ制御部32iから送信された、圧縮された複数の映像データのうち、いずれの映像データを送信するかの情報、また、送信する映像データの容量の情報等のデータを受信する。受信データ制御部12iは、その受信に対する返答のデータ等を送信データ制御部32iに送信する。また、これらの情報は、IF部12aにも供給される。
受信データ制御部12iから出力されるそれらの情報のデータを含む制御信号(受信に関連する制御信号)は、典型的には、端子338及び336を介して送信データ制御部32iに送信される。しかし、この制御信号は、別のライン、例えばCECラインを介して送信されてもよい。
受信データ制御部12i、または、受信データ制御部12i及び制御部97は、制御手段として機能する。
スイッチ部12bは、受信データ制御部12iで指定された映像データ(あるいはその識別番号)に応じて、デコード部124a、124b、・・・124nのうち1つのデコード部を選択し、IF部12aから供給される映像データを、選択されたデコード部に供給する。
端子337を介してIF部12aに入力された非圧縮の映像データは、画像メモリ126に入力される。
次に、図48に示した構成での動作を、図50のフローチャートを参照して説明する。
送信データ制御部32iは、2つの処理スレッドを開始する(ステップS131)。この2つの処理スレッドは、ステップS231〜S233では、非圧縮の映像データの送信処理であり、ステップS241〜S244では、圧縮された映像データの送信処理である。
送信データ制御部32iは、制御部104からの非圧縮の映像データの送信命令があるか否か(あるいは、非圧縮の映像データが図示しないバッファメモリ等にあるか否か)を確認する(ステップS231)。送信命令がある場合、送信データ制御部32iは、IF部32b及び端子335から非圧縮の映像データを送信し(ステップS232)、送信命令がない場合、ステップS231からの処理を繰り返す。送信データ制御部32iは、他方のスレッドによる、圧縮された映像データの送信処理があるか否かを確認し(ステップS233)、それがなければ、2つのスレッドを終了する。
他方のスレッドでは、送信データ制御部32iは、送信可能な圧縮された映像データとそのデータ量等を、受信データ制御部12iとの通信により確認する(ステップS241)。送信データ制御部32iは、受信データ制御部12iとの通信の結果、送信すべき映像データがある場合(ステップS242のYES)、その映像データを送信する(ステップS243)。送信すべき映像データがない場合(ステップS242のNO)、送信データ制御部32iは、ステップS241からの処理を繰り返す。
送信データ制御部32iは、他方のスレッドによる非圧縮の映像データの送信処理があるか否かを確認し(ステップS244)、それがなければ、2つのスレッドを終了する。
このように、第1及び第2の映像データが異なる2つのライン(端子335及び337結ぶライン、及び、端子336及び338を結ぶライン)によりそれぞれ送信されるので、複数の映像データを、同時にそれぞれ効率良く送信することができる。
次に、図49に示した構成での動作を、図51のフローチャートを参照して説明する。
受信データ制御部12iは、2つの処理スレッドを開始する(ステップS151)。この2つの処理スレッドは、ステップS251〜S253では、非圧縮の映像データの受信処理であり、ステップS261〜S264では、圧縮された映像データの送信処理である。
受信データ制御部12iは、制御部97からの非圧縮の映像データの受信命令があるか否か(あるいは、非圧縮の映像データが図示しないバッファメモリ等にあるか否か)を確認する(ステップS251)。受信命令がある場合、受信データ制御部12iは、IF部12a及び端子335から非圧縮の映像データを受信し(ステップS252)、送信命令がない場合、ステップS252からの処理を繰り返す。受信データ制御部12iは、他方のスレッドによる、圧縮された映像データの受信処理があるか否かを確認し(ステップS253)、それがなければ、2つのスレッドを終了する。
他方のスレッドでは、受信データ制御部12iは、受信可能な圧縮された映像データとそのデータ量等を、送信データ制御部32iとの通信により確認する(ステップS261)。受信データ制御部12iは、送信データ制御部32iとの通信の結果、受信すべき映像データがある場合(ステップS262のYES)、その映像データを受信する(ステップS263)。受信すべき映像データがない場合(ステップS262のNO)、受信データ制御部12iは、ステップS264へ進む。
受信データ制御部12iは、他方のスレッドによる非圧縮の映像データの受信処理があるか否かを確認し(ステップS264)、それがなければ、2つのスレッドを終了する。
このように、第1及び第2の映像データが異なる2つのライン(端子335及び337結ぶライン、及び、端子336及び338を結ぶライン)によりそれぞれ送信されるので、複数の映像データを、同時にそれぞれ効率良く送信することができる。
また、端子336及び338を結ぶラインで高速にデータが送信されるため、送信される圧縮映像データの数、またはそのデータ量の制約が少ない。そのため、ソース機器である記録再生装置30は、表示装置10で必要なサムネイル画像のデータ量をリサイズする必要もない。つまり、記録再生装置30は、大きなデータ量の映像データを、そのままのデータ量で表示装置10へ送信し、表示装置10がその映像データをリサイズすることも可能である。
送信データ制御部32iは、典型的には、非圧縮の映像データのコンテンツに含まれる音声データ(第1の音声データ)を、端子335及び337を結ぶラインを介して送信する。
また、送信データ制御部32iは、圧縮された映像データのコンテンツに含まれる音声データ(第2の音声データ)を、端子336及び338を結ぶラインを介して送信すればよい。これにより、複数のコンテンツにそれぞれ含まれる複数の音声データが同時に送信される。その結果、例えば複数の音声データを受信したシンク機器が、それら複数の音声を同時に複数のスピーカにそれぞれ出力することができる。あるいは、シンク機器は、受信した複数の音声データの一部同士を、1つのスピーカに重ねて出力することができる。
例えば、ある1つの映像コンテンツがシンク機器である表示装置10で再生されている場合に、ユーザが、表示装置10に表示された上記インデックス用映像であるGUI(Graphical User Interface)を見ながら、別の映像コンテンツに切り替えたとする。この場合、表示装置10は、切り替わる前のコンテンツに含まれる音声データがフェードアウトするように、徐々に音量出力を小さくする。表示装置10は、このフェードアウトに重ねるように、切り替え後のコンテンツに含まれる音声データの音量出力が徐々に大きくなるようにフェードインさせることができる。
あるいは、送信データ制御部32iは、非圧縮の映像データのコンテンツに含まれる、非圧縮の音声データを端子336及び338を結ぶラインを介して送信してもよい。
本実施の形態では、送信データ制御部32i及び端子335及び337の間の制御信号が、端子336及び338を結ぶラインで双方向で通信される。したがって、制御信号は容量の制限を受けにくい。したがって、表示装置10の画面上のサムネイル画像等のUIのデータ量、または、デコード部124a〜124nに供給されるデータ量などに応じて(例えば表示装置10の性能に応じて)、送信データ制御部32iは、きめ細かくデータ量を決定することができる。その結果、表示装置10に余剰なバッファを設けられる必要がなかったり、ユーザによるUIの変更要求を、表示装置10がすぐに反映できたりするというメリットがある。
本実施の形態において、端子336及び338を結ぶラインを介して、複数の圧縮された映像データが送信された。しかし、必ずしも複数の圧縮された映像データが送信されなくてもよく、1つの圧縮された映像データ(1つのコンテンツ)が送信されてもよい。つまり、この場合、端子335及び337を結ぶラインで送信される非圧縮の映像データと、1つの圧縮された映像データとが同時に送信される。
本実施の形態では、制御部104は、非圧縮の映像データの送信に関連する制御信号を、端子336及び338を結ぶラインを介して、送信してもよい。
以上のように、上記第1〜第4の実施の形態では、以下のような特有のメリットがある。
複数の映像データが同時に送信されるので、表示装置10が複数ある場合にもメリットがある。つまり、マルチディスプレイ用途にも有効である。
あるいは、複数の映像データが同時に送信されることにより、1つの表示装置10が3D映像を表示することも可能となる。
1本のケーブルで高精細な映像が送信されるので、表示装置10が、通常の解像度を超える巨大な表示部を有する場合に、その表示部に複数のサムネイル画像が表示される場合、ユーザは、個々の映像を通常のサイズで見ることもできる。
その他、表示装置10が利用可能なGUIとして、複数の異なるサムネイル画像が十字状に配列されたクロスメディアバーがある。あるいは、単純なマトリックス状の配列も考えられる。しかも、これらのサムネイル画像の少なくとも1つが動画像とすることができる。
あるいは、複数の映像データのうち、1つがユーザのリアルタイムの観賞用の映像で、他の1つ以上が記録用の映像とすることもできる。シンク機器が、記録用データを記録可能な、ハードディスク、固体メモリ、光ディスク等の記憶デバイスを搭載していればよい。典型的には、リアルタイム観賞用の映像データが、非圧縮の映像データであり、他方が圧縮映像データである。しかし、この逆であってもよい。
圧縮された映像データを送受信するために端子336及び338を結ぶラインを用いる技術が、上記第2または第3の実施の形態に適用されてもよい。第2の実施の形態では、領域分割された圧縮映像データのほか、さらに1つまたは複数の別の圧縮映像データが端子336及び338を結ぶラインを用いて送信されてもよい。第3の実施の形態では、ブランキングエリアに割り当てられた複数の圧縮映像データほか、さらに1つまたは複数の別の圧縮映像データが端子336及び338を結ぶラインを用いて送信されてもよい。