JP5594665B2 - ノイズ除去装置、その方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル画像から様々なノイズを除去するノイズ除去装置等に関する。
デジタル画像処理は、ウェブカメラや携帯電話のカメラ等を含むデジタルカメラの有用性によって、ここ10年で著しく発達している。これらの機器に保存されたデジタル画像は、劣悪な条件(例えば、照明が暗い中)で撮像される場合があり、その結果として様々なタイプのノイズが混入する。そこで、優れた画像の修復手法が必要とされる。
画像のノイズを低減する加重平均やメディアンフィルタのような空間領域フィルタが既に使用されている。特に、過去数十年間にわたって偏微分方程式(PDEs)に基づく手法は、画像のエッジを保持しながらのノイズを除去する技術で広く利用されてきた。これらの手法は、非線形拡散問題、又はエネルギー汎関数最小化問題に対する変分法的なアプローチに基づいている(非特許文献1を参照)。これら以外にもベイズ理論の意味で最適な最小平均2乗推定(minimum mean square estimation:MMSE)に基づくノイズ除去法がある(非特許文献7を参照)。
空間領域フィルタに代わる1つのアプローチとして、周波数領域が利用されてきた。特に、ウェーブレット変換は画像処理でよく使われてきた。Donohoは、soft-threshold法を提案している。この方法は、ある閾値以下のウェーブレット係数が徐々に0まで減少する(非特許文献3を参照)。この手法はダウンサンプリング型のウェーブレット変換に基づいており、スケールと平行移動パラメータの両方をサンプリングしている。しかしながら、ダウンサンプリング型のウェーブレット変換はシフト不変ではなく、エッジ検出、特徴抽出、ノイズ除去等の処理を実行したときに、失敗する傾向にある。対照的に、ダイアディックウェーブレット変換(2進ウェーブレット)は、連続ウェーブレット変換のスケールパラメータのみをサンプリングすることで、シフト不変に維持されているため、シフト不変型のウェーブレット変換となる。例えば、Mallatは、二次のスプラインダイアディックウェーブレットを用いた離散ダイアディックウェーブレット変換を使用してエッジ抽出を行った(非特許文献5、6を参照)。
一般的に、ノイズ除去アルゴリズムは、ノイズ除去と画像・信号構造の保持とのトレードオフのバランスを取らなければならない。そのため、近年エッジを保持するアルゴリズムの研究が多くなされてきた。標準的なアルゴリズムは、非線形拡散かウェーブレットに基づいている(非特許文献1、4を参照)。ところが、近年の高度の提案手法に関わらず、ほとんどのアルゴリズムは、まだ望ましいレベルに達しておらず適用範囲も狭い。そのため、効果的な画像ノイズ除去法の決定版というものは存在しない。
このような状況下で、多くのウェーブレットに基づくノイズ除去手法が提案された(非特許文献2、4、8−10、12を参照)。いくつかの効果的な手法は、例えば非特許文献9のBLS−GSM法のように、ウェーブレット領域あるいはベイズ理論に基づく統計モデルにおいて空間やスケールの依存性を考慮している。これらの手法は、信号数の統計量を単純化して扱いやすくするために、ダウンサンプリング型の離散ウェーブレット変換を使用している。
一方、非特許文献4、12に示すような、ダイアディックウェーブレット変換を使った手法はまれである。一般的に、ダイアディックウェーブレット変換は、平行移動パラメータをサンプリングしないため、非常に冗長な画像信号を作り出す。それゆえ、変換を繰り
返しても信号数の統計量は単純化されない。しかしながら、ダイアディックウェーブレット変換はシフト不変であるため、ノイズ除去法として適用できる。
つい最近、Sweldensのリフティングスキーム(非特許文献11を参照)を拡張したダイアディックリフティングスキームが提案された(非特許文献12を参照)。Sweldensのリフティングスキームは、ダウンサンプリング型のウェーブレットの特性を改良するために双直交ウェーブレットフィルタの集合から新しい双直交ウェーブレットフィルタを作成する。これらのスキームは、制御可能な自由変数をもつ双直交のリフティングウェーブレット変換を使用する。ダイアディックリフティングスキームは、ダイアディックウェーブレットから新しいウェーブレットフィルタを作り出す。
Turukiらは、好ましい数のバニシングモーメントを持つように、ダイアディックリフティングスキームに現われる自由変数を決定した(非特許文献12を参照)。この方法を、以下ではVM手法と呼ぶことにする。彼らは、デジタル画像のノイズ除去のために、より大きい数のバニシングモーメントを持つスプラインダイアディックウェーブレットフィルタを設計し、この手法の有効性を示した。しかしながら、彼らはエッジの保持については全く触れていない。
また、各非特許文献に比べて、より高精度にノイズ画像からノイズを除去する技術として、複数のノイズ画像を用いてリフティングダイアディックウェーブレットを行い、トレーニング画像をダイアディックウェーブレット変換した高周波成分とノイズ画像のリフティングウェーブレットの高周波成分の差がなくなるように自由変数を定め、この自由変数に基づいて新たな高周波フィルタを作成してノイズを除去する技術が、発明者により非特許文献13に開示されている。
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しかしながら、非特許文献13に示す技術は、トレーニング画像の高周波成分とノイズ画像の高周波成分との差をなくすように自由変数を定めることが示唆されているが、その具体的な手法が何ら記載されておらず、単にトレーニング画像の高周波成分とノイズ画像の高周波成分とを比較して、それぞれが同じ高周波成分となるように処理することが示されているにすぎない。
本発明は、非特許文献4に提案されたエッジを保持する方法を利用し、ダイアディックリフティングスキームを利用したウェーブレットによるノイズ除去の新しい手法を提供する。VM手法と異なり、非特許文献12に示された手法を使用しない。また、ノイズ画像の高周波成分がオリジナル画像に近づくように、ダイアディックリフティングスキームの適切な自由変数を決定する。具体的には、連立一次方程式を解くことで、ノイズがないトレーニングパターンの高周波成分と同じになるように自由変数を決定する。
本願に開示するノイズ除去装置は、ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを記憶するトレーニング周波数情報記憶手段と、前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出手段と、前記学習領域切出手段が切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成手段と、ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出手段が切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成手段が生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去手段とを備えるものである。
このように、本願に開示するノイズ除去装置においては、ノイズを含むトレーニング周波数情報とノイズを含まないトレーニング周波数情報とを対応付けて任意の学習領域を切り出し、その学習領域ごとに、ノイズを含むトレーニング周波数情報とノイズを含まないトレーニング周波数情報との差がなくなるように学習したフィルタを生成し、切り出した学習領域ごとに、生成されたフィルタを適用することで、処理対象周波数情報のノイズを除去するため、予め学習した様々な種類のノイズを除去することができると共に、学習領域ごとにフィルタを作成するため、どのような画像であっても、その領域ごとに特徴を保持したままノイズを除去することができるという効果を奏する。
本願に開示するノイズ除去装置は、前記周波数情報が、音声情報又は画像情報であるものである。
このように、本願に開示するノイズ除去装置においては、周波数情報が、音声情報又は画像情報であるため、音声情報の場合には雑音の除去、画像情報の場合にはホワイトノイズ、ISOノイズ、ごま塩ノイズ、輝度やコントラストの不具合等の画像の乱れを除去して、鮮明な音声情報や画像情報を得ることができるという効果を奏する。
本願に開示するノイズ除去装置は、前記周波数情報が画像情報であり、前記フィルタ生成手段が、シフト不変のウェーブレット変換により縦方向、横方向、及び斜め方向の高周波成分に基づいて、前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習するものである。
このように、本願に開示するノイズ除去装置においては、画像情報のノイズを除去する場合に、シフト不変のウェーブレット変換により画像情報における縦方向、横方向の高周波成分だけでなく、斜め方向の高周波成分にも基づいて学習を行うので、より高機能なノイズ除去のフィルタを生成することができるという効果を奏する。
本願に開示するノイズ除去装置は、前記学習領域切出手段が、予め設定された所定のサイズの切出領域で前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付け、前記切出領域の高周波成分の特徴に応じて切り出す学習領域を決定するものである。
このように、本願に開示するノイズ除去装置においては、予め設定された所定の画素サイズの切出領域でノイズなしトレーニング周波数情報とノイズありトレーニング周波数情報とを対応付け、切出領域の高周波成分の特徴に応じて切り出す学習領域を決定するため、特徴に応じて学習領域が決定され、様々な特徴を有する処理対象周波数に対してノイズ除去を行うことが可能になるという効果を奏する。例えば、特徴の例として、画像情報の場合、髪の毛が流れている方向に注目したときは、縦方向に流れている領域、横方向に流れている領域、右斜方向に流れている領域、左斜方向に流れている領域をそれぞれ各学習領域として決定するようにしてもよく、音声情報の場合は、高音領域、低音領域をそれぞれ各学習領域として決定するようにしてもよい。
本願に開示するノイズ除去装置は、前記ノイズ除去手段が、前記学習領域切出手段で切り出された学習領域の高周波成分と前記処理対象周波数情報における任意の領域の高周波成分とを比較し、それぞれが似ていると判断される領域に対して、当該学習領域に対応する前記フィルタを適用させてノイズを除去するものである。
このように、本願に開示するノイズ除去装置においては、学習領域の高周波成分と処理対象画像における任意の領域の高周波成分とを比較し、それぞれが似ていると判断される領域に対して、その領域と比較した学習領域に対応するフィルタによりノイズを除去するため、学習領域の単位で類似の判断をしてノイズを除去することができ、トレーニング周波数情報と処理対象周波数情報とが全体として全く異なる周波数情報であっても、学習領域単位で似ている部分にフィルタを適用しノイズを除去することで、未知の処理対象周波数情報であっても確実にノイズを除去することができると共に、複雑な特徴を有する処理対象周波数情報に対しても、学習領域ごとにノイズ除去に対応することが可能になるという効果を奏する。
第1の実施形態に係るノイズ除去装置のハードウェア構成図である。 第1の実施形態に係るノイズ除去装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態に係るノイズ除去装置の動作を示すフローチャートである。 実施例で使用するベンチマーク画像である。 ノイズ除去を行った結果を示す第1の図である。 ノイズ除去を行った結果を示す第2の図である。 学習領域と特定する例を示す図である。 輝度を変えた画像に対してノイズ除去を行った結果を示す図である。 コントラストを変えた画像に対してノイズ除去を行った結果を示す図である。 ごま塩ノイズが入った画像に対してノイズ除去を行った結果を示す図である。 ISOノイズが入った画像に対してノイズ除去を行った結果を示す図である。
本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。また、以下の実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係るノイズ除去装置について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るノイズ除去装置のハードウェア構成図、図2は、本実施形態に係るノイズ除去装置の機能ブロック図、図3は、本実施形態に係るノイズ除去装置の動作を示すフローチャートである。
なお、ここでは主に画像情報に対するノイズ除去について説明するが、画像情報と同様に周波数情報からなる音声情報に対しても本実施形態に係るノイズ除去装置を適用することができるものである。
図1において、ノイズ除去装置1は、オペレーティングシステムや各種プログラム(例えば、ノイズ除去プログラム、学習プログラム、画像表示プログラム等)が格納されているROM13と、各種データ(例えば、トレーニング画像情報、フィルタ情報、ノイズ画像情報等)が格納されているHD(ハードディスク)14と、各種プログラム等が必要に応じて読み出されるRAM12と、読み出されたプログラム等に基づいて実際の演算を実行するCPU11と、他の装置(例えば、サーバ等)と通信を行うためのインタフェースである通信I/F15と、キーボードやマウス等の入力機器からの入力を受け付けたり、プリンタやモニタ等にデータを出力するためのインタフェースである入出力I/F16とを備える。
図2において、ノイズ除去装置1は、トレーニング画像情報部21と学習領域切出部22とフィルタ生成部23とフィルタ情報記憶部24とノイズ除去部25とを備える。
トレーニング画像情報部21は、ノイズが含まれていない一のノイズなしトレーニング画像と、その一のノイズなしトレーニング画像にノイズが挿入された一又は複数のノイズありトレーニング画像とを記憶する。ノイズありトレーニング画像は、ノイズの種類(例えば、ホワイトノイズ、ISOノイズ、ごま塩ノイズ等)ごとに用意される。
学習領域切出部22は、ノイズなしトレーニング画像とノイズありトレーニング画像とを対応付けながら、設定されたサイズの領域(例えば、32×32画素)でトレーニング画像をスキャニングし、それぞれの領域における高周波成分の特徴に応じて、学習領域を決定する。例えば、トレーニング画像における平坦部分の領域、縦のエッジが含まれている領域、横のエッジが含まれる領域、斜めのエッジが含まれる領域等を高周波成分に基づいて特定し、その特徴ごとに学習領域を決定する。
フィルタ生成部23は、決定された学習領域ごとに、ノイズなしトレーニング画像に対してダイアディックウェーブレット変換した高周波成分と、ノイズありトレーニング画像に対するリフティングウェーブレットの高周波成分との差がなくなるように学習させて自由変数を決定し、フィルタを生成する。生成されたフィルタは、フィルタ情報記憶部24に格納される。これらの処理については、詳細を後述する。
ノイズ除去部25は、処理対象となるノイズ画像26に対して、フィルタ情報記憶部24に格納されているフィルタを使って、ノイズ画像26からノイズを除去したノイズ除去画像27を復元する。フィルタを適用する際には、フィルタの高周波成分と特徴と、ノイズ画像26の任意の領域の高周波成分の特徴とを比較し、似ている領域がある場合にその領域に対してフィルタを適用する。フィルタ情報記憶部24には、様々な特徴を有するフィルタがノイズの種類ごとに格納されているので、それらを複数組み合わせてノイズ画像26の一部又は全部のノイズを除去する。
次に、本実施形態に係るノイズ除去装置の動作について説明する。図3において、まずフィルタのサイズを指定する(S31)。フィルタのサイズは、使用者が任意のサイズに設定してもよいし、トレーニング画像として使用する画素数や処理対象となるノイズ画像の画素数に応じて装置内のCPUが演算して設定するようにしてもよい。例えば、トレーニング画像の画素数の10分の1等に設定するように演算してもよい。
フィルタのサイズが指定されると、学習領域切出部22が、指定されたサイズ領域でトレーニング画像をスキャニングし、学習する学習領域を決定する(S32)。フィルタ生成部23が、決定された学習領域ごとに、ノイズありトレーニング画像とノイズなしトレーニング画像との差がなくなるように自由変数を定めてフィルタを作成し、フィルタ情報記憶部24に記憶する(S33)。ノイズ除去部25が、処理対象となるノイズ画像26に対して、フィルタ情報記憶部24のフィルタを適用してノイズを除去し、ノイズ除去画像27を復元して(S34)、処理を終了する。
以下に、より具体的な処理を説明する。まず、ダイアディックリフティングスキームについて説明する。
f(t)をτだけ平行移動したものをfτ(t)=f(t−τ)と表すと、ウェーブレット変換は、
と表せる。ただし、ψは実ウェーブレット関数である。このとき、
なので、この変換はシフト不変である。シフト不変なウェーブレット表現を構成するため、スケールsの部分だけを離散化し、平行移動uの部分は離散化しないことにする。そして、スケール部分はコンピュータ上での計算を簡単にするために2進の列{2jjzでサンプリングする。
次に、この考え方にしたがって、ダイアディックウェーブレット変換(2進ウェーブレット変換)を導入する。L2(R)を実数R上の2乗可積分な空間とする。また、関数のψ∈L2(R)のフーリエ変換を
と表す。もし、
を満たす定数A>0とBが存在すれば、関数ψ(t)はダイアディックウェーブレット関数(2進ウェーブレット関数)と呼ばれる。式(1)よりψ^(0)=0、すなわち
である。f(t)の2進ウェーブレット変換は、2進ウェーブレット関数ψ(t)を用いて、
と定義される。2進ウェーブレット関数を構成するために、ツー・スケール関係
を満たすスケーリング関数φ(t)を利用する。なお、通常スケーリング関数φ(t)
と正規化される。このスケーリング関数(3)のフーリエ変換は、
となる。ただし、h^(ω)は離散フーリエ変換
である。
φ^(0)=1なので、(4)、(5)を使うとh^(0)=√2あるいはΣkh[k]=√2を得る。スケーリング関数φ(t)とウェーブレット・フィルタg[k]を使うと、2進ウェーブレット関数はψ(t)=Σkg[k](√2)φ(2t−k)と定義される。任意の関数f∈L2(R)を2進ウェーブレットで展開したものは、非特許文献5で述べられたような再構成条件を満たせば再構成可能である。この再構成条件を導くために、双対スケーリング関数と双対ウェーブレット関数が必要である。双対スケーリング関数φ~(t)(「~」はチルダとする)をφ~(t)=Σlh~[l](√2)φ~(2t−l)で定義する。ただし、
であり、δk,lはクロネッカーのデルタ記号である。また、双対ウェーブレット関数ψ~(t)は、ψ~(t)=Σlg~[l](√2)φ~(2t−l)で与えられる。
フィルタh[k],g[k],h~[k],g~[k]の離散フーリエ変換を、それぞれh^(ω),g^(ω),h~^(ω),g~^(ω)と表すと、再構成条件は、
と表される。ここで、*は複素共役を表す。再構成条件(6)は、リフティングダイアディックウェーブレットフィルタを構成するのに重要な役割を果たす。
(命題1)
初期フィルタh0[k],g0[k],h~0[k],g~0[k]の離散フーリエ変換をそれぞれh^0(ω),g^0(ω),h~^0(ω),g~^0(ω)とし、これらが再構成条
件(6)を満たすとする。このとき、
で定義される共役リフティング2進ウェーブレットフィルタのフーリエ変換h^(ω),g^(ω),h~^(ω),g~^(ω)は再構成条件(6)を満たす。ここで、s[l]は自由変数である。2進ウェーブレット変換とその逆変換を計算するためには、次の命題が役に立つ。
(命題2)
再構成条件(6)の下で、変換公式
及び逆変換公式
が成り立つ。ここで、a0[n]は
で与えられる。
これは、一次元信号に対する変換公式と逆変換公式であるが、画像の場合にはこれらの公式を水平方向(横)と垂直方向(縦)に適用すればよい。以下に、より詳細に述べる。そのために、Cj[m,n],D1 j[m,n],D2 j[m,n],D3 j[m,n]を、それぞれ低周波成分、横方向の高周波成分、縦方向の高周波成分、斜め方向の高周波成分とする。mとnは、それぞれ水平方向と垂直方向との位置を表すものとする。まず、D1 j+1[m,n]を求めるために、式(8)をCj[m,n]の縦方向に適用すると、
となり、次に(9)をCj,row[m,n]の水平方向に適用すると、
を得る。同様に(8)をCj[m,n]の水平方向に適用すると、
となり、これを(9)を垂直方向に適用すると、
を得る。そして、(9)を水平・垂直方向にそれぞれ適用すると、
を得る。このとき、画像に対する再構成公式は、
で与えられる。
次に、学習アルゴリズムについて説明する。ここでは、(7)の自由変数s[l]をどのように決定するかを説明する。水平方向と垂直方向の変数を区別するために、水平方向の高周波成分をgh[k]と表し、垂直方向の高周波成分をgv[k]と表す。このとき、命題1より、
を得る。ただし、s1とs2は自由変数である。そして、s1[l]とs2[l]をノイズがない学習用画像(ノイズなしトレーニング画像)の高周波成分と同じになるように決定する。(11)と(12)に対して、(15)と(16)を適用すると、
を得る。ただし、
である。
これに加えて、(13)及び自由変数s3を使って、D3 j+1[m,n]を次式で近似することにする。
ただし、
である。
残りの議論を簡単にするために、ウェーブレット分解をレベル0からレベル1の分解に限定する。C0[m,n]をノイズ画像(ノイズありトレーニング画像)とすると、その高周波成分はD_1 1[m,n],D_2 1[m,n]である。(17)より、
を得るので、自由変数sr(r=1,2,3)をC0[m,n]の原画像(ノイズなしトレーニング画像)の高周波成分と同じになるように決定する。すなわち、Dr 1[m,n]に対応する高周波成分(ノイズなしトレーニング画像の高周波成分)をD~r 1[m,n](r=1,2,3)として、
を考える。
r 1[m,n](r=1,2,3)はいくつかの自由変数srを含むので、2N枚のよく似たノイズ画像C_1,v(v=1,2,・・・,2N)とこれらの原画像(ノイズが入っていない画像)を学習用画像(トレーニング画像)として用意し、条件
を課す。ただし、C_l 1,v[m,n]とD_l 1,v[m,n]は、それぞれノイズ画像に対する初期フィルタに基づく低周波成分と高周波成分であり、D~r 1,v[m,n]は、これらのノイズが入っていない原画像の高周波成分である。
自由変数srの数は2N+1だが、(19)の方程式の数が2Nであるため、srを一意に定めるためには、もう一つ方程式が必要となる。ghとgvはハイパスフィルタなので、これらのフィルタは、条件
を満たすべきである。ゆえに、Σk0[k]=0であり、Σk0[k]が定数であることに注意すれば、
が成り立つ。s3にも(20)と同じ条件を課す。(19)と(20)を行列形式で表すと、
となる。したがって、連立一次方程式(21)を適当な数値計算法(例えば、ガウスの消去法)等で解けば、srを一意に定めることができる。
次に、輪郭保存方法について説明する。一般に、ノイズ除去アルゴリズムは、ノイズだけでなく画像の重要な特徴までも取り除いてしまう。シミュレーションが示すように、ここまでで説明した方法は、従来の方法に比べて画像の特徴をあまり取り除くことなくノイズを除去できるが、さらに画像の特徴を残せるように改良する。そのために、非特許文献4で提案された方法を取り込む。
C ̄[m,n]=C[m,n]+E[m,n]をノイズ入り画像とし、C[m,n]とE[m,n]を、それぞれ対応する原画像とノイズする。そして、ペナルティ汎関数Fp(Dr 1)を最小にする値D・r 1を探すような以下の最小化問題を考える。
ここで、‖・‖2はユークリッド・ノルム、p(・)は与えられたあるペナルティ関数、λはデータの忠実性とペナルティ項の効果を調整するような正数、D ̄r 1とDr 1は、それぞれC ̄とCに対応する各方向の高周波成分である。エッジの強さを
で定義し、S[m,n]を可能な限り保つためのペナルティ項として
を利用する。ここで、φとしては非線形拡散フィルタリング法で広く使われているポテンシャル関数を選ぶことにする。本実施形態の場合は、
を利用することにする。この関数は非特許文献4に記載されている関数の一つで、パラメータμは、エッジとそうでない領域との間の閾値を表すスケールに依存するコントラストパラメータの役割を果たす。L×Lの画像に対して、
とおく。この値は外れ値に影響を受けにくい統計量として昔からよく使われているもので、MADは、median absolute deviationを表す。このとき、非特許文献4より、ノイズ除去アルゴリズムは、次のような非線形方程式を解くことに帰着する。
適当な反復法を使ってこの方程式を解けば、(23)の近似解が得られる。
次に、前記で述べた方法に基づくノイズ除去アルゴリズムについて説明する。srの要素数が、(15)と(16)で与えられるh0[k]の要素数に等しいので、画像をいくつかの部分画像に分け、それぞれの部分画像に対してダイアディックリフティングスキームを適用しなければならない。そこで、各部分画像をCi 0(1≦i≦M)と表すとする。そして、前記で述べた(17)と(18)を使って、Ci 0(1≦i≦M)を各周波数成分Ci 1[m,n],D1,i 1[m,n],D2,i 1[m,n],D3,i 1[m,n]に分ける。そして、非特許文献4の方法を利用して、各部分画像ごとに(23)を解く。具体的には、以下のようになる。
(1)初期値(D10,(D20,(D30,k=0を定める。kは反復回数を表す。
(2)
を計算する。
(3)(Drkが収束すれば、k=k^として計算を終了し、次のステップへ移る。収束しなければ、k=k+1としてステップ(2)に戻る。
(4)(Drk^を使って、
を計算する。
(5)Ci 1[m,n],D・1,i 1[m,n],D・2,i 1[m,n],D・3,i 1[m,n]と初期フィルタ、及び再構成公式(14)を使って、ノイズが除去された画像C・i 0を構成する。
上記ステップ(2)〜(4)は、輪郭保存方法に対応する。
h~とg~のサポート長をαとすると、式(14)よりα×α画像を再構成するためには、4枚の(3α−2)×(3α−2)分解された画像が必要である。このことは、α×α画像を(17)に基づいて分解し、(14)に基づいて再構成するには、(5α−4)×(5α−4)画像が必要となることを意味する。ゆえに、上記で示した手順を実行するためには、部分画像Ci 0をどのように拡張するかを考える必要がある。本実施形態における手法では、(17)を使ってCi 0を分解する際には、サイズが(5α−4)×(5α−4)画像であるようなCi 0の近傍を使い、境界ではミラー画像(鏡に写したような画像)を利用する。
なお、前述したように、上記手法は画像情報だけではなく音声情報に適用することもできる。すなわち、画像のような2次元の周波数情報を、音声のような1次元の周波数情報に代えて演算することで、雑音環境下における雑音を除去することができる。この場合、トレーニング画像情報部21をトレーニング音声情報部21aとし、ノイズ画像26をノイズ音声26aとし、ノイズ除去画像27をノイズ除去音声27aとし、各処理における2次元の画像情報を1次元の音声情報に置き換えることで、音声のノイズ除去に適用可能となる。
以上の前記実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、この実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。
上記実施形態に関して、以下に実施例を示す。ベンチマークとして256×256のグ
レースケール画像を使用する。図4は、実施例で使用するベンチマーク画像である。ここでは、4種類の画像(Lenna:図4(A),Barbara:図4(B),Boat:図4(C),Title:図4(D))を使用する。また、これらの画像にガウシアンノイズを入れたものを、図5(A)に示す。また、エッジ情報(輪郭情報)が保持できていることを示すために、80×80に切り取った画像を図6に示す。各図については詳細を後述する。
本実施例では、初期フィルタとしてスプライン2進ウェーブレットフィルタを利用する。その係数を下記の表1に示す。
そして、上記に示したNの値をN=3とする。これは、6枚の部分原画像とこれにノイズが入った画像を学習に利用する(学習領域として決定する)ことを意味している。各部分画像は、32×32のグレースケール画像で、図7にその例を示す。
0のサポート長が、ノイズ情報を含んだ学習済みフィルタghとgvを構成するのには短すぎると考えられるため、まずは重要なエッジ情報を含まない部分画像とg0のサポート長を伸ばすために、(15)、(16)を利用する。そして、フィルタg0 hとg0 vを作成し、これらのフィルタをノイズ除去の際の初期フィルタとして利用する。さらに、自由変数srを決めるために画像の特徴に応じて学習領域を選ぶ。例えば、髪の毛を含む領域のノイズ除去を行いたい場合は、トレーニング画像のよく似た領域を学習領域として選択する。そのようにして、いくつかの種類の学習済みフィルタを用意した後に、処理対象となるノイズ画像の特徴に応じて最適なフィルタを選択する。すなわち、ノイズを効果的に除去するために、適当な学習領域を定め、画像の特徴に応じて最適な学習済みフィルタを選択する。
0[n]のサポート長が4なので上記αを4にする。非特許文献4では式(23)のパラメータλは、画像の特徴に応じて手作業(試行錯誤)で求められたと述べられているが、具体的な数値は示されていない。そこで、本実施例では予備的な実験を行った結果、λ=11と定める。本実施例の演算は、市販の標準的なCPUを用いて行われ、アルゴリズムの実行時間が4.89秒であった。学習過程の実行時間は、学習領域の数に依存するが、これらは無視できるものと思われる。なぜなら、srを決めるには、小さいサイズの連立一次方程式を解けばいいだけであり、一般には10元程度の連立一次方程式を解くのに0.1秒もかからない。
画質の客観評価値としてPSNR(peak signal to noise ratio)を利用する。これは、
で定義される。ただし、f(i,j)はL×Lの原画像で、f ̄(i,j)はその近似である。下記の表2にスプラインウェーブレットフィルタの係数を示し、表3にPSNR値を示す。従来の方法の比較として、BLS−GSM法とVM法を取り上げている。また、LMEPは輪郭保持方法を含むもの、LMは輪郭保持方法を含まないものである。
表1のスプラインウェーブレットフィルタは、1バニシングモーメントを持ち、表2のフィルタは、3バニシングモーメントを持つ(詳細は、非特許文献12を参照)。非特許文献12では、閾値を決定するためにシグモイド関数
を利用し、分解係数がある閾値より小さくなれば急に0になるのではなく、徐々に0になるようにしている。これを実現するためには、パラメータaとbの値が重要になるが、非特許文献12では、その決定方法について記載されておらず、値のみが記載されている。そのため、本実施例では独自に試行錯誤をし、a=145、b=4.6と定めた。もし、a、bを画像に応じて最適に定められたら、より良い結果を得られる可能性がある。
表3より、本願の手法であるLM、LMEP及びBLS−GSM法は、VM法よりも優れており、PSNRについてはほぼ同等である。しかしながら、BLS−GSM法と異なり、本願の手法は、図5、図6に示す通り輪郭情報が保持されている。ここで、図5(A)はノイズ画像、図5(B)はBLS−GSM法でノイズ除去を行った結果、図5(C)はVM法でノイズ除去を行った結果、図5(D)はLMEP法でノイズ除去を行った結果を示している。また、図6(A)はBLS−GSM法でノイズ除去を行った結果、図6(B)はVM法でノイズ除去を行った結果、図6(C)はLM法でノイズ除去を行った結果、図6(D)はLMEP法でノイズ除去を行った結果を示している。
実際、BLS−GSM法によってノイズ除去された画像は、本願の手法に比べて輪郭がぼやけている。LM法とLMEP法は、PSNRと輪郭保持についてほぼ同じであるが、LMEP法のほうが少しであるがPSNR値がよい。いずれにしても、本願の手法による効果が現われているものである。
VM法では、ゼロに近いウェーブレット係数の数が最大になるように自由変数を定めるため、2進ウェーブレットに1バニシングモーメントという仮定を課している。しかし、ノイズ情報が十分に考慮されない可能性がある。これに対して、本願の手法は、自由変数を定めるために学習画像としてノイズ画像を利用するため、ノイズ情報が十分に考慮されたものとなる。したがって、VM法より優れていると考えられる。総じて、本願の手法は、VM法、BLS−GSM法に比べて、輪郭を保持するという点でも優れていることがわかる。
さらに、輝度とコントラストを変えた画像に対しても、本願の手法を適用してノイズ除去を行った。その結果を図8、図9及び表4に示す。図8の上段が高輝度画像に対してノイズ除去を行った結果を示し、図8の下段が低輝度画像に対してノイズ除去を行った結果を示している。図8(A)はBLS−GSM法でノイズ除去を行った結果、図8(B)はVM法でノイズ除去を行った結果、図8(C)はLM法でノイズ除去を行った結果、図8(D)はLMEP法でノイズ除去を行った結果を示している。また、図9の上段が高コントラスト画像に対してノイズ除去を行った結果を示し、図9の下段が低コントラスト画像に対してノイズ除去を行った結果を示している。図9(A)はBLS−GSM法でノイズ除去を行った結果、図9(B)はVM法でノイズ除去を行った結果、図9(C)はLM法でノイズ除去を行った結果、図9(D)はLMEP法でノイズ除去を行った結果を示している。
高輝度と高コントラストの場合を除き、他の手法と同等又は優れた結果が得られた。本願の手法は、BLS−GSM法に比べてPSNR値が良くないが、BLS−GSM法とは異なりノイズの特徴を学習することができるため、ガウシアンノイズだけでなく、他のノイズに対しても適用することができる。この利点を示すために、ごま塩ノイズ画像に対して本願の手法を適用した結果を図10及び表5に示す。図10(A)はごま塩ノイズ画像、図10(B)はVM法でノイズ除去を行った結果、図10(C)はLM法でノイズ除去を行った結果、図10(D)はLMEP法でノイズ除去を行った結果を示している。図10から明らかなように、LM法及びLMEP法では、ごま塩ノイズが精度よく除去されていることがわかる。
さらに、本願の手法をISOノイズにも適用した。この場合は、ノイズが入っていない原画像がないため、学習部分画像として重要な情報を含んでいない(あまり変化がないところ)領域を選び、自由変数を高周波成分が0になるように学習させた。その結果を図11に示す。図11(A)、(B)はISOノイズ画像、図11(C)、(D)はノイズ除去を行った結果を示している。図11の結果から明らかなように、本願の手法は、ISOノイズにも適用することができることがわかる。
なお、上記の記載において、「^,・,~」等の記号は、都合上文字の後に記載している
が、実際は直前の文字の上に付くことを示しているものである。また、「_」の記号についても、都合上文字の後に記載しているが、実際は直前の文字の下に付くことを示しているものである。
1 ノイズ除去装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 HD
15 通信I/F
16 入出力I/F
21 トレーニング画像情報
22 学習領域切出部
23 フィルタ生成部
24 フィルタ情報記憶部
25 ノイズ除去部
26 ノイズ画像
27 ノイズ除去画像

Claims (8)

  1. ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを記憶するトレーニング周波数情報記憶手段と、
    前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出手段と、
    前記学習領域切出手段が切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成手段と、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出手段が切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成手段が生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去手段とを備え
    前記学習領域切出手段が、所定のサイズの切出領域で前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付け、前記切出領域の高周波成分の特徴に応じて切り出す学習領域を決定することを特徴とするノイズ除去装置。
  2. ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを記憶するトレーニング周波数情報記憶手段と、
    前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出手段と、
    前記学習領域切出手段が切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成手段と、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出手段が切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成手段が生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去手段とを備え、
    前記ノイズ除去手段が、前記学習領域切出手段で切り出された学習領域の高周波成分と前記処理対象周波数情報における任意の領域の高周波成分とを比較し、それぞれが似ていると判断される領域に対して、当該学習領域に対応する前記フィルタを適用させてノイズを除去することを特徴とするノイズ除去装置。
  3. 請求項1又は2に記載のノイズ除去装置において、
    前記周波数情報が音声情報又は画像情報であることを特徴とするノイズ除去装置。
  4. 請求項1又は2に記載のノイズ除去装置において、
    前記周波数情報が画像情報であり、
    前記フィルタ生成手段が、シフト不変のウェーブレット変換により縦方向、横方向、及び斜め方向の高周波成分に基づいて、前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習することを特徴とするノイズ除去装置。
  5. コンピュータが、
    ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出ステップと、
    前記学習領域切出ステップで切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成ステップと、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出ステップが切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成ステップが生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去ステップとを実行し、
    前記学習領域切出ステップが、所定のサイズの切出領域で前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付け、前記切出領域の高周波成分の特徴に応じて切り出す学習領域を決定することを特徴とするノイズ除去方法
  6. コンピュータが、
    ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出ステップと、
    前記学習領域切出ステップで切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成ステップと、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出ステップが切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成ステップが生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去ステップとを実行し、
    前記ノイズ除去ステップが、前記学習領域切出ステップで切り出された学習領域の高周波成分と前記処理対象周波数情報における任意の領域の高周波成分とを比較し、それぞれが似ていると判断される領域に対して、当該学習領域に対応する前記フィルタを適用させてノイズを除去することを特徴とするノイズ除去方法。
  7. ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを記憶するトレーニング周波数情報記憶手段、
    前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出手段、
    前記学習領域切出手段が切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成手段、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出手段が切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成手段が生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去手段としてコンピュータを機能させ
    前記学習領域切出手段が、所定のサイズの切出領域で前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付け、前記切出領域の高周波成分の特徴に応じて切り出す学習領域を決定するノイズ除去プログラム。
  8. ノイズが含まれていないノイズなしトレーニング周波数情報と、当該ノイズなしトレーニング周波数情報に、一又は複数種類のノイズごとに当該ノイズを含ませたノイズありトレーニング周波数情報とを記憶するトレーニング周波数情報記憶手段、
    前記ノイズなしトレーニング周波数情報と前記ノイズありトレーニング周波数情報とを対応付けて、それぞれのトレーニング周波数情報からノイズの種類ごとに任意の学習領域を切り出す学習領域切出手段、
    前記学習領域切出手段が切り出した前記ノイズなしトレーニング周波数情報の学習領域と前記ノイズありトレーニング周波数情報の学習領域との差分を無くすように学習したフィルタを生成するフィルタ生成手段、
    ノイズの除去を行う対象となる処理対象周波数情報に対して、前記学習領域切出手段が切り出した学習領域ごとに、前記フィルタ生成手段が生成したフィルタを適用させて前記処理対象周波数情報のノイズの除去を行うノイズ除去手段としてコンピュータを機能させ、
    前記ノイズ除去手段が、前記学習領域切出手段で切り出された学習領域の高周波成分と前記処理対象周波数情報における任意の領域の高周波成分とを比較し、それぞれが似ていると判断される領域に対して、当該学習領域に対応する前記フィルタを適用させてノイズを除去するノイズ除去プログラム。
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